以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域(3つの変動表示領域)が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域(変動表示領域)で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報)を示す(特定する)場合にも用いられる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部)が設けられる。これにより、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。
図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる期待度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ30秒等)変動パターンである。なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
パチンコ遊技機1においては、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動(再変動表示)とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。このような擬似連では、図柄の仮停止と再変動とを1セットとして擬似連の回数を1回としてカウントする。なお、変動開始時の初回変動と、その後の再変動との合計の変動回数を擬似連回数としてカウントするようにしてもよい。
擬似連は、擬似連の回数が多い程、大当りとなる信頼度(期待度、大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに擬似連回数の多い変動パターンを選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により予告する。
ここで、演出図柄について説明する。演出図柄には、演出表示装置9における通常的な変動表示に用いられ、最終的な表示結果として導出表示される通常図柄がある。通常図柄は、「1」〜「9」を示す数字の図柄よりなる。「1」〜「9」の図柄のそれぞれには、「1」〜「9」の図柄配列番号が付されている。図柄の変動中は「1」〜「9」の図柄が上から下へ流れるようなスクロール表示が行なわれる。停止図柄、リーチ図柄の組合せは、これら「1」〜「9」の図柄から決定される。なお、通常図柄配列以外の図柄も存在するようにしてもよい。
擬似連演出では、通常の図柄配列に含まれる3図柄(「3」を示す図柄)と7図柄(「7」を示す図柄)とが停止したことに基づいて、再変動が実行される。たとえば、擬似連が実行される場合には、演出図柄が変動表示される3つの変動表示領域のうち、左変動表示領域に3図柄が停止し、次いで、右変動表示領域に7図柄が停止し、最後に中変動表示領域にその他の図柄が停止する。そして、3図柄と7図柄とが停止したことに基づいて、停止していた3つの図柄が再変動する擬似連が実行される。ここでいう“停止”とは、実際には、演出図柄が揺動している“仮停止”のことである。このような擬似連演出の実行後に、左,中,右の変動表示領域において、最終的に表示結果を示す3つの図柄が完全に停止する。表示結果を導出する際に図柄が完全に停止することを“確定停止(最終停止)”とも称する。このように、擬似連演出中の停止と表示結果を導出する際の停止とは、異なる概念である。以下の擬似連演出の説明においては、説明の都合上、「仮停止」を単に「停止」と記載する場合もあるが、その「停止」は実質的には、「仮停止」を意味するものであり、図柄が完全に停止する「確定停止」とは異なる意味で使用する。
擬似連においては、演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちから3図柄と7図柄を含むいずれかの擬似連チャンス目に決定される。擬似連チャンス目は、その組合せとなることで擬似連の再変動が実行されるチャンスであることを示す出目の組合せである。擬似連チャンス目の決定方法については、後述する。
なお、擬似連では、演出表示装置9において、3図柄と7図柄とが停止したことに基づいて、3つ目の図柄が停止していない状態で再変動が実行されるようにしてもよい。また、3図柄と7図柄とが停止した後に、通常の図柄配列に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタなどが付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が中図柄(左図柄、右図柄でもよい)として中変動表示領域に停止するようにしてもよい。また、擬似連演出が実行される場合には、LED等のランプによる演出、演出表示装置9の液晶画面による演出、スピーカ27からの音による演出等のいずれか、または、これらの演出のうちの複数の演出が繰返し実行されるようにすればよい。
本実施の形態では、擬似連演出が実行されるパターンが複数設けられている。たとえば、ノーマルリーチの変動パターン種別には、擬似連が1回実行された後にノーマルリーチが実行される変動パターンが設けられている。また、スーパーリーチの変動パターン種別には、擬似連が2回実行された後にスーパーリーチが実行される変動パターンと擬似連が3回実行された後にスーパーリーチが実行される変動パターンとが設けられている。なお、擬似連を実行する変動と擬似連を実行しない変動とが、各変動パターンにおいて複数パターン(2種類以上)設けられていてもよい。
また、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「擬似連(3回)→スーパーリーチ はずれ (40秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が40秒で擬似連が3回実行される変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、210〜224に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「スーパーリーチ」、「擬似連(2回)スーパーリーチ」、および、「擬似連(3回)スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、101〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターンとして、「擬似連(2回)→スーパーリーチ (30秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
また、時短状態であるか否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態であるか否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態のときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
また、はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
また、大当りとなるときに選択される図6(c),(d)の判定テーブルでは、はずれとなるときに選択される図6(a),(b)の判定テーブルと比べて、擬似連回数が多い回数の変動パターンが選択されやすい(擬似連1回の変動パターンよりも擬似連2回や擬似連3回の変動パターンが選択されやすい。)ようになっている。よって、擬似連回数が多い程、大当りとなる割合が高い。よって、擬似連回数が多い程、大当りとなることに期待を持つことができる。
また、はずれのときに選択される図6(a),(b)の判定テーブルでは、擬似連の回数が多い(2回または3回)スーパーリーチよりも擬似連の回数が少ない(1回)ノーマルリーチが選択されやすくなっている。また、大当りとなるときに選択される図16(c),(d)の判定テーブルでは、擬似連の回数が少ない(1回)ノーマルリーチよりも擬似連の回数が多い(2回または3回)スーパーリーチが選択されやすくなっている。よって、擬似連回数が多い場合には、擬似連回数が少ない場合よりもスーパーリーチに発展する割合が高く、擬似連の回数が多い場合には、スーパーリーチになることに期待を持つことができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
また、本実施の形態では、特定演出における演出態様が特定演出の途中で別の演出態様に移行(変更)することがある。そして、これらの特定演出に関する演出態様は後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100側で決定している。しかしながら、特定演出における演出態様の移行の有無や特定演出の内容について、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で決定するようにしてもよい。
また、スーパーリーチの変動パターン種別には、擬似連が1回実行されるパターンが存在しなかったが、擬似連が1回のパターンを設けるようにしてもよい。また、ノーマルリーチの変動パターン種別に擬似連2回、3回のパターンを設けるようにしてもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図12参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図8(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図8(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図8(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図8(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図8(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1217,S1228の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図8で説明した第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、S1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否か、および大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)を決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターン種別を先読み判定する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101によって演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告を実行する。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示の両方を対象として先読み予告を実行する例を説明するが、低ベース状態中は第1特別図柄のみを対象として先読み予告を実行可能とし、高ベース状態中は第2特別図柄のみを対象として先読み予告を実行可能とするようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S223)。これにより、「はずれ」となることを示す図柄指定コマンドが始動入賞時に出力されることとなる。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別決定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S224)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次に、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S225)。たとえば、「通常大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「確変大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。これにより、大当りとなるときは、始動入賞時に、「通常大当り」、または、「確変大当り」となることを示す図柄指定コマンドが出力されることとなる。
次に、CPU56は、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて、S223、S225で設定された各表示結果、および、遊技状態に応じた変動パターン種別を判定する(S226)。たとえば、この実施形態では、大当りとなるか否か、および、時短状態であるか否かに応じて、変動パターン種別を決定するために用いるテーブルが異なっているので、S226では、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短フラグ(時短状態に制御されるときにセットされるフラグ)のような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識し、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターンを判定する。
そして、CPU56は、決定結果に応じたEXTデータを変動種別コマンドに設定する処理を行なう(S227)。これにより、始動入賞時には、変動種別を示す変動種別コマンドが出力されることとなる。
なお、始動入賞時にS221により確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数回の変動表示が実行される可能性がある。そのため、S221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで確変状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS222で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。また、大当りの判定対象となる保留記憶データについて、確変回数カウンタ、および、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、大当り種別判定用乱数(ランダムR)を用いて大当り判定をするようにしてもよい。
また、始動入賞時に時短状態であるか否かを確認してもよい。このような場合には、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数回の変動表示が実行される可能性がある。よって、時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで時短状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時に判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。また、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を判定するようにしてもよい。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図14は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、擬似連チャンス目パターン決定用の乱数SR2を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR1−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、第1保留表示エリアおよび第2保留表示エリアの保留表示の表示状態の制御(保留表示の増加、消去、移動等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。具体的に、S707の処理では、保留記憶の発生に応じて、保留記憶表示エリアに保留記憶を出現させ、保留記憶に基づく変動表示が実行されるときに、対応する保留表示を消去し、その他の保留表示を、消去された保留表示の位置に向けて1つずつシフトする処理を実行する。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図15は、図14に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み予告処理(S500)は、先読み予告を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み予告を実行するときの演出態様の決定等の処理である。ここで、先読み予告とは、ある保留情報(保留記憶)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるものであるのかをそれよりも前の段階で予告する技術である。たとえば、4番目に消化される保留情報が大当りであるときに、1〜3番目に消化される保留情報に基づいた各々の特別図柄の変動表示において、後に大当りが発生する可能性のあることを所定の演出態様で予告するといった類の演出が先読み予告として行なわれる。先読み予告の対象とした保留情報に基づいた変動表示を“ターゲットの変動表示”とも称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
次に、変動表示中に実行される擬似連演出について説明する。擬似連演出は、「1」〜「9」の9つの数字図柄よりなる複数種類の演出図柄(停止図柄とも称する)のうち、3図柄と7図柄とが停止(仮停止)することに基づいて実行される。擬似連演出が実行された後は、必ずリーチ状態となるが、リーチを形成する図柄が擬似連演出の契機となる3図柄や7図柄である場合には、その他の図柄でリーチが実行されるよりも大当りに制御される割合が高くなるように設定されている。また、3図柄と7図柄とでは、7図柄の方が3図柄よりも大当りに制御される割合が高くなるように設定されている。
図16は、演出表示装置9における擬似連演出の表示例を示す説明図である。図16(a)〜(g)には、大当り時における擬似連演出の表示例が示されている。また、図16(h)〜(n)には、はずれ時における擬似連演出の表示例が示されている。図16(o)は、図柄が確定停止するときの最終停止図柄の規制について説明するための図である。
特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、図16(a)に示すように、演出表示装置9における左変動表示領域9L,中変動表示領域9C,右変動表示領域9Rのそれぞれで「1」〜「9」の9つの数字図柄よりなる演出図柄の変動表示が開始される。「左」,「中」,「右」の3つの変動表示領域では、基本的に、左変動表示領域9L,右変動表示領域9R,中変動表示領域9Cの順番により演出図柄が停止される。演出表示装置9の表示領域内の下部左側には、第1始動入賞口13に入賞したことに基づく第1保留記憶と第2始動入賞口14に入賞したことに基づく第2保留記憶との合計数を保留表示によって表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。合算保留記憶表示部18cに表示される保留表示は、変動表示が実行される毎に左側に1つ移動する。そして、変動表示が実行される際には、変動表示に使用される保留記憶情報を示す一番左端の保留表示が、変動表示の実行のために消去させることに応じて、消去される。
変動開始後、図16(b)のように、左変動表示領域9Lに、左停止図柄91Lが仮停止する。左停止図柄91Lには、7図柄が仮停止される。次いで、図16(c)のように、右変動表示領域9Rに、右停止図柄91Rが仮停止する。右停止図柄91Rには、3図柄が仮停止される。さらに、図16(c)に示すように、中変動表示領域9Cに、中停止図柄91Cが仮停止する。中停止図柄91Cには、4図柄が仮停止される。擬似連演出が実行される場合には、必ず7図柄と3図柄とが仮停止するので、この例では、第2停止図柄が仮停止した段階で、その後に擬似連演出が実行されることが分かる。擬似連が実行されない変動表示よりも擬似連が実行される変動表示の方が大当り期待度が高いので、遊技者は、変動表示中に各変動表示領域に7図柄と3図柄とが仮停止することに注目する。ここで、図16(d)に示すように、擬似連の契機となる図柄である7図柄と3図柄とを含む3つの仮停止図柄の組合せを擬似連チャンス目と称する。
擬似連チャンス目が表示された後は、図16(e)に示すように、左停止図柄91L,中停止図柄91C,右停止図柄91Rが再変動を開始する擬似連演出が実行される。そして、擬似連が1回実行された後、図16(f)に示すように、左停止図柄91Lと右停止図柄91Rとに7図柄が停止(仮停止)し、リーチ状態となる。リーチ後には、各種のリーチ演出が実行される。その後、図16(g)に示すように、左停止図柄91L,中停止図柄91C,右停止図柄91Rに7図柄が確定停止し、大当りが確定する。
はずれ時における擬似連演出では、特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、図16(h)に示すように、演出表示装置9における左変動表示領域9L,中変動表示領域9C,右変動表示領域9Rのそれぞれで「1」〜「9」の9つの数字図柄よりなる演出図柄の変動表示が開始される。変動開始後、図16(i)のように、左変動表示領域9Lに、左停止図柄91Lとして3図柄が仮停止する。次いで、図16(j)のように、右変動表示領域9Rに、右停止図柄91Rとして、4図柄が仮停止される。第2停止図柄が仮停止した段階では、擬似連演出が実行されるか否かが分からない。次いで、図16(k)に示すように、中変動表示領域9Cに、中停止図柄91Cとして7図柄が仮停止される。第3停止図柄として7図柄が停止され、図16(k)においては、擬似連チャンス目が形成される。
擬似連チャンス目が表示された後は、図16(l)に示すように、左停止図柄91L,中停止図柄91C,右停止図柄91Rが再変動を開始する擬似連演出が実行される。そして、擬似連が1回実行された後、図16(m)に示すように、左停止図柄91Lと右停止図柄91Rとに3図柄が停止(仮停止)し、リーチ状態となる。リーチ後には、各種のリーチ演出が実行される。その後、図16(n)に示すように、中停止図柄91Cとして6図柄が停止され、リーチはずれ図柄の組合せで停止図柄が確定停止する。
ここで、擬似連演出が実行された後は、リーチ図柄として3図柄または7図柄が決定されたときは、図16(o)に示すように、最終停止図柄として、擬似連演出の契機となる3図柄または7図柄が停止しないように規制する制御が実行される。このように、3図柄でリーチが成立している場合には、7図柄が最終停止図柄とならず、7図柄でリーチが成立している場合には、3図柄が最終停止図柄とはならない。このように最終停止図柄を規制すれば、3図柄と7図柄とのうちいずれか一方の図柄によりリーチが成立している状態で他方の図柄が最終停止図柄として停止することで、擬似連演出が実行されないにも関わらず擬似連演出が実行されるような出目で図柄が確定停止することを防止することができる。よって、擬似連演出が実行されなかったときに遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
次に、演出図柄(停止図柄)の図柄配列と擬似連チャンス目パターンとの関係について説明する。図17は、演出図柄配列テーブル、大当り用擬似連チャンス目パターン決定テーブルおよびはずれ用擬似連チャンス目パターン決定テーブルを示す説明図である。図17に示すテーブルのうち、図17(A)は、ROM102に記憶された演出図柄の図柄配列を示す演出図柄配列テーブルを示す図である。図17(B)は、ROM102に記憶された大当りの擬似連パターン(大当りとなるときに実行される擬似連パターン)で用いられる大当り用擬似連チャンス目パターン決定テーブルである。図17(C)は、ROM102に記憶されたはずれの擬似連パターン(はずれとなるときに実行される擬似連パターン)で用いられるはずれ用擬似連チャンス目パターン決定テーブルである。
図17(A)に示すように、演出図柄には、演出表示装置9における通常的な変動表示に用いられ、最終的な表示結果として導出表示される通常図柄がある。通常図柄として用いられる複数種類の演出図柄(停止図柄)には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、左,中,右演出図柄(左停止図柄91L,中停止図柄91C,右停止図柄91R)は、ともに、「1」〜「9」を示す数字の図柄よりなる。「1」〜「9」の図柄のそれぞれには、「1」〜「9」の図柄配列番号が付されている。左,中,右の演出図柄の変動中には、左,中,右の各演出図柄が、左,中,右の変動表示領域において、たとえば図柄配列番号が小さいものから大きいものへと順番に選択されて、上から下(下から上でもよく、左から右でもよく、右から左でもよい)へ流れるようなスクロール表示が行なわれる。当該スクロール表示においては、図柄配列番号が最大値(たとえば「9」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小値(たとえば「1」)である演出図柄が表示されることにより、「1」〜「9」を示す演出図柄が、繰返し巡回するような態様で表示される。
なお、この実施の形態では、左,中,右演出図柄の図柄数(図柄種類数)が同じである例を示すが、たとえば、中演出図柄が左,右演出図柄よりも図柄数(図柄種類数)が多い等、左,中,右演出図柄の図柄数(図柄種類数)が異なるように構成されてもよい。また、この実施の形態では、左,中,右演出図柄のそれぞれについて、同じ数字図柄に同じ図柄配列番号が割当てられている例を示すが、左,中,右演出図柄のそれぞれについて、図柄配列番号と、数字図柄との対応関係が異なるように構成してもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、このように配列された演出図柄について、リーチ演出時および表示結果導出演出時等の各種演出表示時において、停止させる図柄配列番号を指定することにより、指定した種類の図柄を停止表示する制御をすることができる。
図17(B),(C)に示すように、擬似連が実行される変動パターンでは、パターン1〜パターン6の中からいずれかの擬似連チャンス目のパターンが決定される。パターン1〜パターン6では、擬似連チャンス目として表示される図柄の組合せが異なっている。図17(B)に示す大当り用擬似連チャンス目パターン決定テーブルおよび図17(C)に示すはずれ用擬似連チャンス目パターン決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての擬似連チャンス目パターン決定用の乱数SR2(0〜104の数値範囲)の値が、擬似連チャンス目パターンを決定するために割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
演出図柄(停止図柄)は、左停止図柄91L,右停止図柄91R,中停止図柄91Cの順で停止する。擬似連チャンス目パターン決定テーブルに示す「7」は、7図柄を示し、「3」は3図柄を示している。また、any図柄とは、3図柄または7図柄以外の演出図柄を示している。パターン1は、7図柄、3図柄、any図柄の順に図柄が停止するパターンである。パターン2は、7図柄、any図柄、3図柄の順に図柄が停止するパターンである。パターン3は、any図柄、7図柄、3図柄の順に図柄が停止するパターンである。パターン4は、3図柄、7図柄、any図柄の順に図柄が停止するパターンである。パターン5は、3図柄、any図柄、7図柄の順に図柄が停止するパターンである。パターン6は、any図柄、3図柄、7図柄の順に図柄が停止するパターンである。
このように、擬似連チャンス目を構成する図柄としての3図柄と7図柄とのうち、いずれか一方の図柄が先に停止した後に他方の図柄が停止したことに基づいて、擬似連演出は実行される。このようにすれば、3図柄と7図柄とのうちのいずれか一方が先に停止した後に他方の図柄が停止することに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図17(B)の大当り用擬似連チャンス目パターン決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、パターン1>パターン2>パターン3>パターン4>パターン5>パターン6という選択割合となる関係で、データが設定されている。また、図17(C)のはずれ用擬似連チャンス目パターン決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、パターン6>パターン5>パターン4>パターン3>パターン2>パターン1という選択割合となる関係で、データが設定されている。
このような図17(B),(C)でのデータの設定により、今回実行される変動表示が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、パターン1>パターン2>パターン3>パターン4>パターン5>パターン6の順で擬似連チャンス目のパターンが選択されやすい。よって、擬似連演出のチャンス目パターンの種類によって、大当りに制御される割合が異なる(大当り期待度が異なる)ことになる。また、各パターンは、1番目に停止する図柄、2番目に停止する図柄、3番目に停止する図柄が異なっている。故に、各変動表示領域に停止する図柄の組合せの種類によって、大当りに制御される割合が異なる(大当り期待度が異なる)と言える。
たとえば、大当り期待度が最も高いパターンと最も低いパターンとについて説明する。1番目に左変動表示領域9Lに7図柄が停止し、2番目に右変動表示領域9Rに3図柄が停止し、3番目に中変動表示領域9Cにany図柄が停止するパターン1が最も大当り期待度が高い。また、1番目に左変動表示領域9Lにany図柄が停止し、2番目に右変動表示領域9Rに3図柄が停止し、3番目に中変動表示領域9Cに7図柄が停止するパターン6が最も大当り期待度が低い。
また、図17(B),(C)に示すように、擬似連演出が実行される場合には、7図柄と3図柄とが必ず停止(仮停止)される。そして、残りの図柄は、any図柄として7図柄と3図柄以外から選択される。このように、擬似連チャンス目として停止される図柄の組合せは、7図柄が2つ選択されることがないし、3図柄が2つ選択されることもない。なお、リーチを構成しないのであれば、7図柄または3図柄が2つ選択されるようにしてもよい。具体的には、左図柄に3図柄が停止し、右図柄に7図柄が停止し、中図柄に3図柄または7図柄のうちいずれか一方が停止するようにしてもよい。
なお、擬似連演出を実行するときの図柄としては、通常図柄とは別に、擬似連専用の図柄を設けてもよい。なお、擬似連専用図柄は、中図柄として停止するany図柄の代わりに設け、擬似連が実行されることが再変動の契機となることが分かりやすいようにすることが好ましい。このような擬似連専用図柄は、通常図柄とは異なり、図柄配列が定められておらず、通常の変動に用いられる図柄ではなく、擬似連演出が行なわれるときにのみ、複数種類の通常図柄のうちから選択された通常図柄の代わりに入替えられて(通常図柄が擬似連専用図柄に変更されて)変動表示されるようにすればよい。また、擬似連専用図柄は、通常図柄の図柄配列に加えて変動表示されるようにしてもよい。また、擬似連専用図柄は、通常図柄の仮停止時に通常図柄に被せて表示(通常図柄に重ねて表示)させることにより擬似連演出が実行されること示すようにしてもよい。
図18は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、今回実行される変動表示の変動表示結果がはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、RAM103に設けられた表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、今回実行される変動表示の変動パターンコマンドとして、擬似連変動パターン(以下、擬似連パターンとも称する)に対応したコマンドを受信したか否かを確認する(S602)。擬似連パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンのデータに擬似連の変動パターン指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。
S602において、擬似連変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合には、図17(C)に示すはずれ用擬似連チャンス目パターン決定テーブルにより、擬似連チャンス目パターンをパターン1〜パターン6の中から決定する(S603)。S603では、所定のタイミングでSR2から数値データ(乱数)を抽出し、はずれ用擬似連チャンス目パターン決定テーブルを用い、抽出した数値データに対応するパターンが擬似連チャンス目のパターンとして決定される。次いで、擬似連チャンス目の残り図柄であるany図柄をいずれの図柄にするかを決定する(S604)。S604では、所定のタイミングでany図柄決定用の乱数値から数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に格納されたany図柄決定用のテーブル(7図柄と3図柄とを除いた図柄決定テーブル)を用い、抽出した数値データに対応する図柄がany図柄として決定される。次いで、S605の処理へ移行する。
S602において、擬似連変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定されなかった場合には、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かを確認する(S606)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S607)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S607の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S606の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。
S605では、擬似連パターンの変動表示でのリーチ図柄および最終停止図柄のはずれ図柄を決定する場合と、擬似連パターンの変動表示ではない変動表示でのリーチ図柄および最終停止図柄のはずれ図柄を決定する場合とで異なるテーブルを用いてリーチ図柄および最終停止図柄が決定される。
S605において、擬似連パターンでのリーチ図柄および最終停止図柄のはずれ図柄を決定する場合には、ROM102に格納された擬似連用のはずれ図柄決定テーブルを用いてリーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定する。擬似連用のはずれ図柄決定テーブルでは、リーチ図柄として決定される図柄が7図柄および3図柄以外の他の図柄>3図柄>7図柄の順でリーチ図柄が決定されやすいように乱数値が割振られている。S605において、擬似連パターンでのリーチ図柄および最終停止図柄のはずれ図柄を決定する場合には、所定のタイミングで、リーチ図柄決定用の乱数値から数値データ(乱数)を抽出し、擬似連用のはずれ図柄決定テーブルを用いてリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄を決定する。次いで、最終停止図柄決定用の乱数値から数値データ(乱数)を抽出し、擬似連用のはずれ図柄決定テーブルを用いて最終停止図柄を決定する。最終停止図柄を決定する場合には、前述した規制制御として、擬似連用のはずれ図柄決定テーブルでは、3図柄がリーチ図柄として決定している場合には、7図柄を最終停止図柄とせず、7図柄がリーチ図柄として決定している場合には、3図柄を最終停止図柄としないように決定する。
S605において、擬似連パターンの変動表示ではない変動表示でのリーチ図柄および最終停止図柄のはずれ図柄を決定する場合には、ROM102に格納されたはずれ図柄決定テーブルを用いてリーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定する。擬似連パターンの変動表示ではない変動表示でのリーチ図柄および最終停止図柄のはずれ図柄を決定する場合には、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。この場合、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、変動パターンコマンドとして、擬似連変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かを確認する(S608)。S608において、擬似連変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定されなかった場合には、S611の処理へ移行する。
S608において、擬似連変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合には、図17(B)に示す大当り用擬似連チャンス目パターン決定テーブルにより、擬似連チャンス目パターンをパターン1〜パターン6の中から決定する(S609)。S609では、所定のタイミングでSR2から数値データ(乱数)を抽出し、大当り用擬似連チャンス目パターン決定テーブルを用い、抽出した数値データに対応するパターンが擬似連チャンス目のパターンとして決定される。次いで、擬似連チャンス目の残り図柄であるany図柄をいずれの図柄にするかを決定する(S610)。S610では、所定のタイミングでany図柄決定用の乱数値から数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に格納されたany図柄決定用のテーブル(7図柄と3図柄とを除いた図柄決定テーブル)を用い、抽出した数値データに対応する図柄がany図柄として決定される。次いで、S611の処理へ移行する。
S611では、演出制御用CPU101は、擬似連パターンの変動表示での確変大当り図柄を決定する場合と、その他の大当り図柄を決定する場合とで異なるテーブルを用いて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定する。
S611では、次のように当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちいずれかの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、大当りと判定する。そして、擬似連パターンでの大当り図柄を決定する場合には、ROM102に格納された擬似連用の大当り図柄決定テーブルを用いて大当り図柄を決定する。擬似連用の大当り図柄決定テーブルでは、大当り図柄として決定される図柄が7図柄>3図柄>7図柄および3図柄以外の他の図柄の順で大当り図柄が決定されやすいように乱数値が割振られている。
ここで、擬似連パターンの変動表示での図柄の決定方法について詳細に説明する。S605,S611の処理に示すように、たとえば、7図柄は、大当り時に最も決定される割合が高く、リーチはずれ時には最も決定される割合が低くなる。よって、7図柄でリーチが実行される場合には、大当り期待度が高い。同様に、3図柄についても、7図柄および3図柄以外の他の図柄と比べると大当り時に決定されやすく、リーチはずれ時に決定され難いので大当り期待度が高い。なお、7図柄や3図柄について、大当り時に最も決定される割合が高い訳ではないが、リーチはずれ時に最も決定される割合を低くすることで、7図柄や3図柄の期待度が高くなるように図柄が決定されるようにしてもよい。
また、S611において、擬似連パターンの変動表示での大当り図柄を決定する場合以外の大当り図柄を決定する場合には、次のように決定する。所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、図19〜図22に示す各種演出の内容の決定等の処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
このような演出図柄変動開始処理のS601〜S611において、擬似連となる変動パターンが実行されるときには、3図柄と7図柄とを含む図柄組合せが擬似連チャンス目となるようなチャンス目パターンが、図17の擬似連チャンス目パターン決定テーブルを用いて選択される。そして、図16に示したように選択されたパターンによる擬似連演出が実行されるような演出制御が、演出図柄変動中処理(S802)で実行されることとなる。
S605,S611の処理に示すように、擬似連で仮停止する図柄組合せとしての3図柄や7図柄でリーチとなる場合には、他の図柄でリーチとなる場合よりも大当りとなりやすいように制御する。また、S605,S611に示すように、7図柄でリーチとなるときには、3図柄でリーチとなるときよりも大当りとなりやすいように制御する。よって、リーチ図柄として停止する図柄への注目度を高くし、遊技の興趣を向上させることができる。
また、S605に示すように、リーチの停止図柄を決定するときに、3図柄をリーチ図柄に決定したときには7図柄を最終停止図柄とせず、7図柄をリーチ図柄に決定したときには3図柄を最終停止図柄としないように規制する制御が実行される。よって、3図柄と7図柄とのうちのいずれか一方の図柄によりリーチが成立している状態で他方の図柄が停止することで、擬似連演出が実行されなかったときに遊技の興趣が低下してしまうことを防止できる。
図柄の決定方法の他の例について説明する。S604およびS610では、擬似連チャンス目のany図柄の決定方法として、any図柄決定用のテーブル(7図柄と3図柄とを除いた図柄決定テーブル)を用いて7図柄と3図柄とが選択されない方法を示した。しかしながら、any図柄は、7図柄および3図柄から選択されるようにしてもよい。また、any図柄として擬似連専用図柄が選択されるようにしてもよい。なお、擬似連専用図柄は、3図柄と7図柄とが仮停止した後に中図柄に「NEXT」等と記載された図柄として仮停止することが望ましい。具体的には、図17に示すパターン1やパターン4の場合に擬似連専用図柄を停止するようにすればよい。
また、擬似連演出として、3図柄と7図柄とが仮停止した後にキャラクタが画面上にカットインする演出が実行され、その後、図柄の再変動が実行される擬似連演出を行なってもよい。また、パチンコ遊技機1に所定の演出に伴って可動する役物を設け、擬似連演出として、3図柄と7図柄とが仮停止した後に当該役物が可動する演出が実行され、その後、図柄の再変動が実行される擬似連演出を行なってもよい。
S605の処理では、擬似連パターンでのリーチ図柄および最終停止図柄のはずれ図柄を決定する場合とそうでない場合とで、図柄の決定時に使用されるテーブルが異なっていた。しかし、いずれの場合にも同じテーブルにより、リーチ図柄および最終停止図柄を決定するようにしてもよい。たとえば、リーチ図柄として決定される図柄が7,3図柄以外の他の図柄>3図柄>7図柄の順でリーチ図柄が決定されやすいように乱数値が割振られているテーブルを用いて図柄を決定すればよい。なお、他の図柄は、2=4=6=8>1=5=9となる関係で選択されるようにすることが望ましい。
S605の処理では、3図柄がリーチ図柄として決定している場合には、7図柄を最終停止図柄とせず、7図柄がリーチ図柄として決定している場合には、3図柄を最終停止図柄としないように決定している。このような決定方法としては、リーチ図柄として3図柄が決定されたときには、7図柄が選択肢に入っていないテーブルを用いて残りの図柄を決定すればよい。同様にリーチ図柄として7図柄が決定されたときには、3図柄が選択肢に入っていないテーブルを用いて残りの図柄を決定すればよい。また、3図柄および7図柄がリーチ図柄として決定された場合であっても、3図柄および7図柄が抽選対象に入っているテーブルを用いて残りの図柄を決定してもよい。このような場合には、3図柄および7図柄が残りの図柄として決定された場合には、再度抽選をし、3図柄および7図柄以外の図柄が抽選されるまでその処理を繰返すようにして図柄を決定してもよい。
S611では、大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定するようにしてもよい。たとえば、表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定する。そして、擬似連パターンでの確変大当り図柄を決定する場合には、ROM102に格納された擬似連用の確変大当り図柄決定テーブルを用いて大当り図柄を決定する。擬似連用の確変大当り図柄決定テーブルでは、確変大当り図柄として決定される図柄が7図柄>3図柄>7,3図柄以外の他の図柄(奇数図柄)の順で確変大当り図柄が決定されやすいように乱数値が割振られているようにすればよい。また、擬似連パターンでの通常大当り図柄を決定する場合には、ROM102に格納された擬似連用の通常大当り図柄決定テーブルを用いて大当り図柄を決定する。擬似連用の通常大当り図柄決定テーブルでは、通常大当り図柄として決定される図柄が偶数図柄のうちからいずれかの図柄が決定されるように乱数値が割振られているようにすればよい。
また、S611において、擬似連パターンの変動表示での確変大当り図柄を決定する場合以外の大当り図柄を決定する場合には、次のように決定すればよい。確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したとき(擬似連パターンでの通常大当りに決定されている場合も同様)には、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。
なお、擬似連である場合とない場合とで同様のテーブルを用いて当り図柄を決定してもよい。このような場合には、確変大当りの図柄を決定する場合には、7>3>1=5=9となる関係で図柄が選択されるようにすることが望ましい。また、通常大当りの図柄を決定する場合には、2=4=6=8となる関係で図柄が選択されるようにすることが望ましい。
また、図柄の決定方法として、7>3>他の図柄となる関係の期待度で図柄が決定されるようにしていたが、7=3>他の図柄となる関係の期待度で図柄が決定されるようにしてもよい。また、7,3以外の奇数図柄、その他の偶数図柄にも大当りとなる期待度によって、異なる図柄が決定されるようにしてもよい。たとえば、確変大当り時には、7>3>1>5>9となる関係で図柄が決定されるようにし、通常大当り時には、8>6>4>2となる関係で図柄が決定されるようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態として、図18のS616の演出設定処理の一部の処理として実行される各種演出の設定処理について説明する。図19は、第2実施形態における変動中表示予告設定処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、現在実行されている変動表示の表示結果が大当りとなることを予告する変動表示予告が実行される。たとえば、特定表示として、現在実行されている変動表示に対応した画像が表示される変動中表示エリアを、演出表示装置9の表示領域に設ける。変動開始時に合算保留記憶表示部18cから消去された保留表示が、変動中表示エリアにシフト(移動)して表示されるようにすればよい。そして、変動中表示エリアに表示で表示態様の画像が、通常時における表示態様と異なる態様に変化することで、現在実行されている変動表示の表示結果が大当りとなることを予告するようにすればよい。
図19(A)に示すように、変動中表示予告設定処理を開始すると、演出制御用CPU101は、まず、変動中表示予告の有無を決定する(S161)。このときには、図19(B)に示すように、擬似連演出パターンに応じた決定割合で、変動中表示予告を実行するか否かが決定されればよい。
S161における処理の一例として、演出制御用CPU101は、変動中表示予告実行決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM102等に予め記憶された所定の変動中表示予告実行決定テーブルを参照することにより、変動中表示予告を実行するか否かを決定すればよい。変動中表示予告実行決定用の乱数値を示す数値データは、演出制御基板80に設けられる乱数回路により更新されるようにすればよい。また、変動中表示予告実行決定用の乱数値を示す数値データは、演出制御基板80に設けられたRAM103に演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として設けられた演出制御用データ保持エリア内の演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタにより更新されるようにしてもよい。
変動中表示予告実行決定テーブルでは、図18に示すS603,S604の処理で決定された擬似連演出パターン(擬似連チャンス目パターン)に応じて、変動中表示予告実行決定用の乱数値と比較される数値が、変動中表示予告を実行するか否かの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU101は、変動中表示予告実行決定用の乱数値を、擬似連演出パターンに応じたテーブルデータで示される決定値と比較すること等により、変動中表示予告の有無を決定できればよい。
図19(B)に示す決定割合の設定例では、擬似連演出パターンに応じて、変動中表示予告を実行するか否かの決定割合が異なっている。たとえば、擬似連演出パターン1,2の場合には、擬似連演出パターン5,6の場合よりも高い割合で、変動中表示予告を実行すると決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられている。そして、擬似連演出パターンの決定処理では、大当り判定が通知されない場合(はずれの場合)には擬似連演出パターン5,6の決定割合が最も高くなる一方で、大当り判定が通知された場合には擬似連演出パターン1,2の決定割合が最も高くなる。このような設定により、変動中表示予告が実行されたときには、実行されないときよりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められ、大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、大当りの場合にしか実行されない擬似連演出パターンを設けてもよい。そして、この場合のパターンが最も高い割合で、変動中表示予告を実行すると決定されるようにしてもよい。
なお、図19(B)に示す決定割合の設定例に限定されず、変動中表示予告が実行されたときには、実行されないときよりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるような任意の設定であればよい。
S161における決定に続いて、その決定結果が変動中表示予告を実行する「実行あり」か否かを判定する(S162)。変動中表示予告を実行する場合には(S162;YES)、変動中表示エリアでの表示態様を通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させる変動中表示予告タイミングを決定する(S163)。このときには、たとえば図19(C)に示すように、擬似連変動回数と擬似連演出パターンとの組み合わせに応じた決定割合で、予め複数パターンが用意された変動中表示予告タイミングのうちいずれかに決定されればよい。
S163における処理の一例として、演出制御用CPU101は、乱数回路、または演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新される変動中表示予告タイミング決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM102等に予め記憶された変動中表示予告タイミング決定テーブルを参照すること等により、変動中表示予告タイミングを決定すればよい。
変動中表示予告タイミング決定テーブルでは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンにおける擬似連変動回数と、擬似連演出パターンとの組み合わせに応じて、変動中表示予告タイミング決定用の乱数値と比較される数値が、変動中表示予告タイミングの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU101は、変動中表示予告タイミング決定用の乱数値を、擬似連変動回数と擬似連演出パターンとの組み合わせに応じたテーブルデータで示される決定値と比較すること等により、変動中表示予告タイミングを決定できればよい。
図19(C)に示す決定割合の設定例では、擬似連変動回数と擬似連演出パターンとの組み合わせに応じて、変動中表示予告タイミングの決定割合が異なっている。より具体的には、擬似連変動回数が1回のとき、擬似連演出パターン5,6の場合には変動中表示予告タイミングが初回変動中となる決定割合が最も高くなる一方で、擬似連演出パターン3,4の場合には変動中予告タイミングが初回変動中となる決定割合と1回目の再変動表示中となる決定割合が同じで、擬似連演出パターン1,2の場合には変動中表示予告タイミングが1回目の再変動表示中となる決定割合が最も高くなる。また、擬似連変動回数が2回のとき、擬似連演出パターン5,6の場合には変動中表示予告タイミングが初回変動中となる決定割合が最も高くなる一方で、擬似連演出パターン3,4の場合には変動中表示予告タイミングが1回目の再変動表示中となる決定割合が最も高くなり、擬似連演出パターン1,2の場合には変動中表示予告タイミングが2回目の再変動表示中となる決定割合が最も高くなる。また、擬似連変動回数が3回のとき、擬似連演出パターン5,6の場合には変動中表示予告タイミングが初回変動中となる決定割合が最も高くなる一方で、擬似連演出パターン3,4の場合には変動中表示予告タイミングが2回目の再変動表示中となる決定割合が最も高くなり、擬似連演出パターン1,2の場合には変動中表示予告タイミングが3回目の再変動表示中となる決定割合が最も高くなる。
また、擬似連演出パターンの決定処理では、大当り判定が通知されない場合(はずれの場合)には擬似連演出パターン5,6の決定割合が最も高くなる一方で、大当り判定が通知された場合には擬似連演出パターン1,2の決定割合が最も高くなる。このような設定により、変動中表示エリアでの表示態様を通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させる変動中表示予告タイミングが遅いタイミングであるときには、変動中表示予告タイミングが早いタイミングであるときよりも変動表示結果が「大当り」となる可能性が高められ、大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
ここで、たとえば擬似連変動回数が複数回の場合には、仮停止毎に同じパターンで擬似連チャンス目が仮停止される。具体的には、擬似連変動回数が2回のパターン5,6であれば、1回目にパターン5の擬似連チャンス目が仮停止すると2回目もパターン5の擬似連チャンス目が仮停止する。
なお、図19(C)に示す決定割合の設定例に限定されず、擬似連変動回数と擬似連演出パターンとの組み合わせに応じて変動中表示予告タイミングを異ならせることができる任意の設定であればよい。なお、擬似連変動回数又は擬似連演出パターンのいずれかに応じて変動中表示予告タイミングを異ならせることができる任意の設定としてもよい。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、変動表示に対応する特定表示(変動中表示エリアに表示する画像等)を行なう特定表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)をさらに備え、前記特別演出実行手段は、変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに前記特別演出を所定回数実行可能であり(演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動表示が開始されてから表示結果を導出表示されるまでに擬似連演出を所定回実行可能である等)、前記特定表示は、前記有利状態に制御される期待度に応じて変化可能であり(図19に示すS161の処理において、変動中表示エリアの表示態様を通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、現在実行されている変動表示の表示結果が「大当り」となる可能性等を予告する変動中表示予告の有無が、大当り判定の有無に応じて決定された擬似連演出パターンに応じた決定割合で決定されることにより、変動中表示予告が実行されたときには、実行されないときよりも表示結果が「大当り」となる可能性が高められること等)、当該変化のタイミングが前記特別演出の種類に応じて異なる(図19に示すS163の処理において、変動中表示エリアの表示態様を通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させる変動中表示予告タイミングが、大当り判定の有無に応じて決定された擬似連演出パターンに応じた決定割合で決定されること等)。このような構成によれば、演出態様の多様化により遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、遊技を制御する遊技制御手段と、演出を制御する演出制御手段とを備え、前記演出制御手段は、所定可変表示の種類として演出の種類を決定すると共に、前記特定表示の変化のタイミングを決定してもよい。このような構成によれば、多様化の実現の簡易化を図ることができる。
上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、前記特別演出の種類には、前記期待度がそれぞれ異なるものが含まれてもよい。このような構成によれば、実行される所定可変表示の種類についても注意を惹くことができる。
上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、前記特別演出の種類に応じて、前記特定表示が変化するか否かの割合が異なってもよい。このような構成によれば、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、未だ開始されていない変動表示を保留記憶として記憶する保留記憶手段と、前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶に基づいて、変動表示の表示結果として特定表示結果が導出表示されるか否かを、該保留記憶の変動表示が開始されるよりも前に判定する事前判定手段と、前記有利状態に制御するときに、前記保留記憶手段に、前記事前判定手段によって前記特定表示結果が導出表示されると判定された保留記憶が記憶されている場合に、少なくとも該有利状態から、該判定の対象となった保留記憶に基づく前記有利状態までにおいて、一連の演出を実行する一連演出実行手段とを備え、前記一連演出実行手段は、前記事前判定手段によって前記特定表示結果が導出表示されると判定された保留記憶よりも前に記憶された保留記憶の中に、長い変動表示時間により変動表示が実行される保留記憶が記憶されていない場合に、前記一連の演出を実行可能であってもよい。このような構成によれば、有利状態と有利状態の間の変動表示で、前の有利状態の演出を継続させるにあたり、専用の変動パターンを設定する必要がなく、容量を削減することができる。
上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、前記特定表示手段は、実行中の変動表示に対応する特定表示を共通態様により表示した後に、前記期待度に応じて、実行中の変動表示に対応する特定表示を変化させる第1演出、または未だ開始されていない変動表示に対応する特定表示を変化させる第2演出を実行可能であってもよい。このような構成によれば、実行中の変動表示のみならず、未だ開始されていない変動表示に対して演出を実行可能であるため、変動表示に対応した画像に係る演出効果を高め、遊技興趣を向上させることができる。
なお、図19に示す擬似連演出パターンとして、擬似連チャンス目の組合せは、擬似連の変動表示毎に異なるようにしてもよい。たとえば、擬似連変動回数が2回で擬似連演出パターンとしてパターン1,2が選択されている場合には、1回目の仮停止時にパターン2で図柄を仮停止させ、2回目の仮停止時にパターン1で図柄を仮停止させるようにしてもよい。また、仮停止する擬似連チャンス目の組合せにより、変動中表示予告の実行割合が異なるようにしてもよい。
なお、擬似連チャンス目の組合せが、擬似連の変動表示毎に異なるようにする場合には、擬似連チャンス目パターンの決定方法として以下のように決定してもよい。たとえば、表示結果が大当りとなるときには、大当り期待度の低いパターンで擬似連チャンス目を表示した後に大当り期待度の高いパターンで擬似連チャンス目を表示するようにしてもよい。具体的には、擬似連変動回数が2回の場合に、パターン2で擬似連チャンス目を表示した後に、パターン1で擬似連チャンス目を表示するようにしてもよい。このようにすれば、仮停止毎に擬似連チャンス目のパターンを大当り期待度の高いものとすることができる(大当り期待度が成り下がることがないようにすることができる)。また、ランダムに抽選して擬似連の変動表示毎に異なる擬似連チャンス目が表示されるようにしてもよい。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態として、図18のS616の演出設定処理の一部の処理として実行される各種演出の設定処理について説明する。この実施の形態では、S605、S607、S611の処理の何れかを実行した後、演出制御用CPU101は、モード演出の設定を行なう。
ここで、モード演出とは、あらかじめ複数種類の背景画像等を用意(記憶)しておき、いずれかの背景画像等の表示することによる演出である。たとえば、パチンコ遊技機1が、あるアニメーションAを題材にしたものであるときは、アニメーションAの典型的な場面の背景画像や特殊な演出に対応する背景画像などを用意しておけばよい。なお、モード演出は、背景画像を表示することによる演出であるので、演出図柄(飾り図柄)による変動表示演出と同時に実行可能である。また、演出図柄による変動表示演出の場合には、連続先読み演出(複数回の変動表示において大当りとなることを連続して予告する先読み演出)などの一部の態様を除いて1回の変動毎に個々が独立した演出となるが、モード演出の場合には、複数回の変動に亘って同一の演出(同一のモード演出)を実行することができる。すなわち、1回の変動で他のモード演出に切り替わるモード演出も存在し得るが、複数回の変動に亘って他のモード演出に切り替わらないモード演出も存在し得る。あるモード演出(ある背景画像等)から他のモード演出(ある背景画像等)へは、所定の条件が成立した場合に(たとえば、当該モード演出の実行回数が上限値に達した場合に)、切り替わる。なお、背景画像等の表示自体をモード演出と称する場合の他、背景画像等の表示を切り替えることによる演出をモード演出と称する場合もある。
図20は、第3実施形態におけるモード演出設定処理を示すフローチャートである。図20に示す処理において、演出制御用CPU101は、まず、モード演出の実行回数が所定の上限値であるか否かを判定する(S121)。モード演出は、他の種類のモード演出に変更されるまで、複数回の変動表示にわたって実行される。したがって、モード演出の実行回数は、モード演出が実行されている間に実行された変動表示の実行回数と同じ回数となる。
ここで、演出制御基板80には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。たとえば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。たとえば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
モード演出の実行回数は、たとえば、演出制御カウンタ設定部に設けられたモード演出カウンタの格納値であるモード演出カウント値として記憶されればよい。その場合、演出制御用CPU101は、演出制御カウンタ設定部に設けられたモード演出カウンタの格納値であるモード演出カウント値を読み取ることにより、モード演出の実行回数を特定できればよい。
S121にてモード演出の実行回数が上限値である場合(S121;YES)、演出制御用CPU101は、モード演出の実行回数をリセットする(S122)。演出制御用CPU101は、たとえば、演出制御カウンタ設定部に設けられたモード演出カウンタの格納値であるモード演出カウント値を、“0”に更新すればよい。
S122の処理を実行した後、演出制御用CPU101は、たとえば、演出制御フラグ設定部等に設けられたモード演出フラグの状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1における現在のモード演出の状態を特定する(S123)。ここで、本実施形態においては、モード演出1とモード演出2の2種類のモード演出のうち、いずれか一方のモード演出が実行されるものとする。その場合、演出制御用CPU101は、たとえば、モード演出フラグがオンであるときにはモード演出1の状態であることを特定し、モード演出フラグがオフであるときにはモード演出2の状態であることを特定すればよい。
S123の処理を実行した後、演出制御用CPU101は、S123にて特定された現在のモード演出がモード演出1であるか否かを判定する(S124)。
S124にて現在のモード演出がモード演出1である場合(S124;YES)、演出制御用CPU101は、モード演出2を実行するためのモード演出制御パターンを設定して(S125)、モード演出フラグの値をオフに更新する。
S124にて現在のモード演出がモード演出2である場合(S124;NO)、演出制御用CPU101は、モード演出1を実行するためのモード演出制御パターンを設定して(S126)、モード演出フラグの値をオンに更新する。
S125の処理を実行した後、S126の処理を実行した後、またはS121にてモード演出の実行回数が上限値ではない場合(S121;NO)、演出制御用CPU101は、モード演出の実行回数を1加算して(S127)、モード演出設定処理を終了する。なお、S127の処理において加算されるモード演出の1回分の実行回数は、これから変動表示が実行されることに対応する。演出制御用CPU101は、たとえば、演出制御カウンタ設定部に設けられたモード演出カウンタの格納値であるモード演出カウント値を、1加算するように更新すればよい。
モード演出処理を実行した後、演出制御用CPU101は、擬似連演出の設定を行なう。図21は、第3実施形態における擬似連演出設定処理を示すフローチャートである。図21に示す処理において、演出制御用CPU101は、まず、たとえば、主基板31から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、指定された変動パターンが「擬似連」の変動表示演出を実行する場合に対応した擬似連変動パターンであるか否かを判定する(S181)。S181においては、演出制御用CPU101は、変動パターンが、図6に示す、擬似連の変動パターンのいずれかであるかを判定すればよい。
S181にて擬似連変動パターンでないと判定された場合(S181;NO)、演出制御用CPU101は、擬似連演出設定処理を終了する。
一方、ステップS181にて擬似連変動パターンであると判定された場合(S181;YES)、演出制御用CPU101は、たとえば、演出制御フラグ設定部等に設けられたモード演出フラグの状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1における現在のモード演出の状態を特定する(S182)。
S182の処理を実行した後、演出制御用CPU101は、S182にて特定された現在のモード演出がモード演出1であるか否かを判定する(S183)。
S183にて現在のモード演出がモード演出1である場合(S183;YES)、演出制御用CPU101は、擬似連モード演出を実行するか否かを判定するための使用テーブルとして、擬似連モード演出実行判定テーブル1または2をセットする(S184)。ここで、たとえば、現在の遊技状態が通常状態または時短状態である場合、演出制御用CPU101は、擬似連モード演出実行判定テーブル1をセットすればよい。また、たとえば、現在の遊技状態が確変状態である場合、演出制御用CPU101は、擬似連モード演出実行判定テーブル2をセットすればよい。
一方、S183にて現在のモード演出がモード演出2である場合(S183;NO)、演出制御用CPU101は、擬似連モード演出を実行するか否かを判定するための使用テーブルとして、擬似連モード演出実行判定テーブル3または4をセットする(S185)。ここで、たとえば、現在の遊技状態が通常状態又は時短状態である場合、演出制御用CPU101は、擬似連モード演出実行判定テーブル3をセットすればよい。また、たとえば、現在の遊技状態が確変状態である場合、演出制御用CPU101は、擬似連モード演出実行判定テーブル4をセットすればよい。
S184の処理を実行した後、またはS185の処理を実行した後、演出制御用CPU101は、たとえば、演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等から、擬似連モード演出決定用の乱数値SR3を示す数値データを抽出する(S186)。
S186の処理を実行した後、演出制御用CPU101は、抽出した乱数値SR3を示す数値データに基づき、擬似連モード演出実行判定テーブルを参照することにより、擬似連モード演出の有無を決定する(S187)。
ここで、ROM102に記憶される擬似連モード演出実行判定テーブルを説明する。擬似連モード演出実行判定テーブルは、特図表示結果が「大当り」または「はずれ」である場合に、擬似連モード演出を実行するか否かを、擬似連モード演出決定用の乱数値SR3に基づいて、決定するために参照されるテーブルである。擬似連モード演出実行判定テーブルにおいては、特図表示結果が「大当り」および「はずれ」のいずれであるかに応じて、擬似連モード演出決定用の乱数値SR3と比較される数値が、擬似連モード演出を実行するか否かの決定結果に割り当てられている。
擬似連モード演出実行判定テーブルの設定は、現在のモード演出がモード演出2である場合よりも、現在のモード演出がモード演出1である方が、擬似連モード演出が実行されたときに特別図柄の変動表示結果が「大当り」となる期待度が高くなるように設定される。
S188にて「擬似連モード演出あり」とする決定結果であれば(S188;YES)、演出制御用CPU101は、擬似連モード演出を実行するための擬似連モード演出制御パターンを設定する(S189)。
一方、S188にて「擬似連モード演出なし」とする決定結果であれば(S188;NO)、演出制御用CPU101は、擬似連演出を実行するための擬似連演出制御パターンを設定する(S190)。ここで、擬似連演出とは、現在のモード演出における背景画像等の状態のまま、擬似連変動を実行する演出である。
S189の処理を実行した後、またはS190の処理を実行した後、演出制御用CPU101は、「擬似連」の変動表示演出における仮停止図柄を決定して(S191)、擬似連演出設定処理を終了する。なお、S191の処理は、図18に示すS603,S604,S609,S610等の処理と重複する処理であるので、図18で擬似連チャンス目(仮停止図柄)を決定した場合は、実行しなくてもよい。また、図18において擬似連チャンス目を決定していない場合には、S191の処理において決定してもよい。
擬似連演出設定処理を実行した後、演出制御用CPU101は、示唆演出としての煽り演出の設定を行なう。ここで、煽り演出とは、所定演出としての擬似連モード演出が実行されるまでの間に、擬似連モード演出が実行されるか否かにかかわらず、擬似連モード演出が実行されることを煽る演出である。擬似連モード演出とは、たとえば、特別な背景画像等にて擬似連変動を実行する演出や、擬似連モード演出であることを示すテロップを表示する等、擬似連変動中のみに実行される専用の演出である。
図22は、第3実施形態における煽り演出設定処理を示すフローチャートである。図22に示す処理において、演出制御用CPU101は、まず、たとえば、演出制御フラグ設定部等に設けられたモード演出フラグの状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1における現在のモード演出の状態を特定する(S131)。
S131の処理を実行した後、演出制御用CPU101は、S131にて特定された現在のモード演出がモード演出1であるか否かを判定する(S132)。
S132にて現在のモード演出がモード演出1である場合(S132;YES)、演出制御用CPU101は、煽り演出を実行するか否かを判定するための使用テーブルとして、煽り演出実行判定テーブル1または2をセットする(S133)。ここで、たとえば、現在の遊技状態が通常状態または時短状態である場合、演出制御用CPU101は、煽り演出実行判定テーブル1をセットすればよい。また、たとえば、現在の遊技状態が確変状態である場合、演出制御用CPU101は、煽り演出実行判定テーブル2をセットすればよい。
一方、S132にて現在のモード演出がモード演出2である場合(S132;NO)、演出制御用CPU101は、煽り演出を実行するか否かを判定するための使用テーブルとして、煽り演出実行判定テーブル3または4をセットする(S134)。ここで、たとえば、現在の遊技状態が通常状態または時短状態である場合、演出制御用CPU101は、煽り演出実行判定テーブル3をセットすればよい。また、たとえば、現在の遊技状態が確変状態である場合、演出制御用CPU101は、煽り演出実行判定テーブル4をセットすればよい。
S133の処理を実行した後、またはステップS134の処理を実行した後、演出制御用CPU101は、たとえば、演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等から、煽り演出決定用の乱数値SR4を示す数値データを抽出する(S135)。
S135の処理を実行した後、演出制御用CPU101は、抽出した乱数値SR4を示す数値データに基づき、煽り演出実行判定テーブルを参照することにより、煽り演出の有無を決定する(S136)。
ここで、ROM102に記憶される煽り演出実行判定テーブルについて説明する。煽り演出実行判定テーブルは、擬似連モード演出が「あり」または「なし」である場合に、煽り演出を実行するか否かを、煽り演出実行決定用の乱数値SR4に基づいて、決定するために参照されるテーブルである。煽り演出実行判定テーブルにおいては、擬似連モード演出が「あり」および「なし」のいずれであるかに応じて、煽り演出決定用の乱数値SR4と比較される数値が、煽り演出を実行するか否かの決定結果に割り当てられている。
煽り演出実行判定テーブルの設定は、現在のモード演出が「モード演出2」である場合よりも、現在のモード演出が「モード演出1」である方が、煽り演出が実行される割合が高くなるように設定される。
S137にて「煽り演出なし」とする決定結果であれば(S137;NO)、演出制御用CPU101は、煽り演出設定処理を終了する。一方、S137にて「煽り演出あり」とする決定結果であれば(S137;YES)、演出制御用CPU101は、煽り演出を実行するための煽り演出制御パターンを設定して(S138)、煽り演出設定処理を終了する。
上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、複数種類のモード演出(モード演出1やモード演出2等)のうちいずれかのモード演出を実行するモード演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図20のモード演出設定処理にて設定したモード演出制御パターンに従った演出を実行する処理等)と、前記特別演出が実行されるか否かにかかわらず前記特別演出が実行されることを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図22の煽り演出設定処理にて設定した煽り演出制御パターンに従った演出を実行する処理等)とをさらに備え、前記特別演出実行手段は、変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに前記特別演出を所定回数実行可能であり(演出制御用マイクロコンピュータ100、図21の擬似連演出設定処理にて設定した擬似連モード演出制御パターンに従った演出を実行する処理等)、前記特別演出が実行される前にいずれの前記モード演出が実行されていたかにより、前記特別演出が実行されたときの前記有利状態となる期待度が異なる(擬似連モード演出実行判定テーブルの設定によっては、現在のモード演出がモード演出2である場合よりも、現在のモード演出がモード演出1である方が、擬似連モード演出が実行されたときの特別図柄の変動表示結果が「大当り」となる期待度が高くなること等)とともに、いずれの前記モード演出が実行されているかにより前記示唆演出の実行割合が異なる(煽り演出実行判定テーブルの設定によっては、現在のモード演出が「モード演出2」である場合よりも、現在のモード演出が「モード演出1」である方が、煽り演出を実行する旨の判定が高い割合でなされること等)。このような構成によれば、モード演出に注目を惹けるので、特別演出が実行されることに対する期待感を、より向上させることができる。
また、上記の構成においては、前記モード演出は、第1のモード演出と、第2のモード演出とを含み、前記第1のモード演出が実行されたときに、前記第2のモード演出が実行されたときと比べて、前記特別演出が実行された場合に前記有利状態となる期待度が高くなるように予め設定されており、前記特別演出が実行されたことを示唆する示唆演出実行手段は、前記第1のモード演出が実行されているときに、前記第2のモード演出が実行されているときと比べて高い割合で、前記示唆演出を実行するように構成されてもよい。このような構成においては、期待感を向上させることができる。
また、上記の構成においては、開始条件が成立していない前記識別情報の変動表示について、所定の上限数の範囲内で保留記憶として記憶する保留記憶手段と、開始条件が成立したことに基づいて、前記有利状態とするか否かを決定する開始時決定手段と、前記開始時決定手段による決定前に、前記有利状態となるか否かを判定する事前判定手段とをさらに備え、複数種類のモード演出のうちいずれかのモード演出を実行するモード演出実行手段は、前記事前判定手段による判定結果に基づいて、複数種類のモード演出のうちいずれかのモード演出を実行するように構成されてもよい。このような構成においては、モード演出を、実際の期待度に応じて変更させる制御が容易になる。
また、上記の構成においては、遊技媒体が始動領域を通過したことに基づいて、変動表示パターンを特定するための数値データを抽出する数値データ抽出手段と、前記開始決定手段の決定結果と、前記開始条件が成立した前記識別情報の変動表示に対応する前記数値データと、前記開始条件が成立したときの保留記憶数と、複数の可変表示パターンに対して割り当てられた判定値とに基づいて、変動表示パターンを決定する変動表示パターン決定手段とをさらに備え、所定の判定値として、前記複数の変動表示パターンのうち前記特別演出が実行される特別な変動表示パターンについては前記保留記憶数にかかわらず少なくとも一部が共通の特別な判定値が割り振られており、前記モード演出実行手段は、前記特別な判定値に該当する数値データが前記保留記憶として記憶されたことに基づいて、当該数値データが記憶された保留記憶に基づく前記識別情報の変動表示の開始条件成立前から、複数種類のモード演出のうちいずれかのモード演出を実行するように構成されてもよい。このような構成においては、モード演出の移行の制御と、実際の変動表示の内容とに乖離が生じることを防止することができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図16に示すように、7図柄と3図柄とが仮停止したことに基づいて擬似連演出が実行される。また、図18のS605,S611に示すように、擬似連で仮停止する図柄組合せとしての3図柄や7図柄でリーチとなる場合には、他の図柄でリーチとなる場合よりも大当りとなりやすいように制御される。このような構成によれば、リーチの際に停止する図柄への注目度を高くし、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図18のS605,S611に示すように、7図柄でリーチとなるときには、3図柄でリーチとなるときよりも大当りとなりやすいように制御される。このような構成によれば、リーチの際に停止する図柄への注目度を高くし、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 図2に示すように、リーチ後に大当り表示結果が表示され、大当りとなったときには、特別可変入賞球装置20が開放状態となるラウンドが15ラウンド実行される。このような構成によれば、停止する図柄への注目度を高くし、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 図18のS605に示すように、リーチ時の最終停止図柄を決定するときに、3図柄をリーチ図柄に決定したときには7図柄を最終停止図柄とせず、7図柄をリーチ図柄に決定したときには3図柄を最終停止図柄としないように規制する。このような構成によれば、3図柄と7図柄とのうちいずれか一方の図柄によりリーチが成立している状態で他方の図柄が停止することで、擬似連演出が実行されなかったときに遊技の興趣が低下してしまうことを防止できる。
(5) 図17(B),(C)に示すように、たとえば、左停止図柄として7図柄が停止した後に右停止図柄として3図柄が停止したことに基づいて擬似連演出が実行される。このような構成によれば、3図柄と7図柄とのうちのいずれか一方が先に停止した後に他方の図柄が停止することに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 図17(B),(C)に示すように、たとえば、左変動表示領域9Lに3図柄が停止し残りの中変動表示領域9Cまたは右変動表示領域9Rのいずれに7図柄が停止するかによって、大当りに制御される割合が異なる。このような構成によれば、仮停止する図柄への注目度を高くし、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 図19に示すS161の処理において、変動中表示エリアの表示態様を通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、現在実行されている変動表示の表示結果が「大当り」となる可能性等を予告する変動中表示予告の有無が、大当り判定の有無に応じて決定された擬似連演出パターンに応じた決定割合で決定されることにより、変動中表示予告が実行されたときには、実行されないときよりも表示結果が「大当り」となる可能性が高められる。また、図19に示すS163の処理において、変動中表示エリアの表示態様を通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させる変動中表示予告タイミングが、大当り判定の有無に応じて決定された擬似連演出パターンに応じた決定割合で決定される。このような構成によれば、演出態様の多様化により遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 擬似連モード演出実行判定テーブルの設定によっては、現在のモード演出がモード演出2である場合よりも、現在のモード演出がモード演出1である方が、擬似連モード演出が実行されたときの特別図柄の変動表示結果が「大当り」となる期待度が高くなる。また、煽り演出実行判定テーブルの設定によっては、現在のモード演出が「モード演出2」である場合よりも、現在のモード演出が「モード演出1」である方が、煽り演出を実行する旨の判定が高い割合でなされる。このような構成によれば、モード演出に注目を惹けるので、特別演出が実行されることに対する期待感を、より向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態を示した。しかし、有利状態は、時短状態、高ベース状態、ラウンド数が複数ある遊技機においてラウンド数の高い状態、および、大当り遊技後の遊技状態が通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態等、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態であればどのようなものであってもよい。
(2) 前述した実施の形態では、左変動表示領域9Lに3図柄が停止し残りの中変動表示領域9Cまたは右変動表示領域9Rのいずれに7図柄が停止するかによって、大当りに制御される割合が異なっていた。しかし、異なるのは、大当りに制御される割合に限られない。たとえば、上述した、時短状態、高ベース状態、ラウンド数の高い状態、および、確変状態等に制御される割合が異なってもよい。また、擬似連の成功割合が異なるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、特別演出として擬似連演出が実行される場合を示した。しかし、特別演出は、擬似連演出に限られない。たとえば、3図柄が停止(仮停止)し、その後7図柄が停止(仮停止)したことに基づいて、擬似連のような再変動を実行せずに、そのまま大当り期待度の高いリーチ演出に発展するパターンを設けてもよい。たとえば、再変動を伴わずに大当り期待度の高いリーチ演出に発展するパターンでは、3図柄と7図柄とが停止した後に、「SPリーチ」等の発展を期待させる画像を表示させ、期待度の高いリーチへと演出が発展するようにすればよい。このような場合に、演出図柄は、画面の隅の方でリーチ状態で示す態様で小さく表示されるようにし、画面の中央で期待度の高いリーチ演出が実行されることが好ましい。
(4) 前述した実施の形態では、特別演出である擬似連演出が実行されるときの擬似連チャンス目パターンの代わりに先読みチャンス目パターンとして、3図柄と7図柄との組合せが停止するようにしてもよい。先読みチャンス目パターンとは、演出図柄の出目の組合せにより先読み予告を実行するパターンである。ここで、先読み予告とは、前述したように、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する予告のことである。このような先読み予告の1つとして、先読みチャンス目パターンを設け、3図柄と7図柄との組合せが停止することにより、将来実行される変動表示に対しての大当りを予告するようにしてもよい。具体的には、ターゲットの変動表示が実行される前の変動表示において3図柄と7図柄とを含むチャンス目の組合せを停止するようにすればよい。また、先読みチャンス目パターンとして、3図柄と7図柄とを含むチャンス目の組合せを停止する場合には、ターゲットの大当り期待度が高い場合と低い場合とで、図17に示すように3図柄と7図柄との停止する図柄組合せのパターンが異なるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、大当りの期待度によりチャンス目の色や形が異なるようにしてもよい。たとえば、擬似連チャンス目として仮停止する図柄の色が青色のときよりも赤色のときの方が大当り期待度が高くなるように擬似連チャンス目のパターンが選択されるようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、確変状態中に大当り期待度の高い7図柄や3図柄でリーチとなる場合には、大当り表示結果となることが確定するようにしてもよい。たとえば、大当り表示結果となるときには、7図柄や3図柄でリーチとなることが他の図柄に比べ高い割合で選択されるようにすればよい。なお、7図柄で大当りとなる場合には、3図柄で大当りとなる場合よりもラウンド数の多い大当りとなるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、擬似連演出が実行される場合には、演出図柄が変動表示される3つの変動表示領域のうち、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に図柄が仮停止する場合を示した。そして、仮停止するタイミングの異なる2つの領域に3図柄と7図柄とが仮停止することに基づいて再変動が実行されていた。しかし、2つの領域に同時に3図柄と7図柄とが停止することに基づいて、再変動が実行されるようにしてもよい。たとえば、左変動表示領域に3図柄が停止させ、右変動表示領域に4図柄を停止させる直前に4図柄を停止予測位置から滑らせる滑り演出を実行した後に、4図柄が7図柄に変更されて停止することに基づいて、再変動が実行されるようにしてもよい。また、滑り演出は第2停止図柄ではなく最終停止図柄が停止することに基づいて、実行されるようにしてもよい(たとえば、最終停止図柄が4図柄から7図柄に変更される)。なお、滑り演出は、3図柄や7図柄も他の図柄と同様に滑らせて再度同じ3図柄や7図柄が停止してもよい。
(8) 前述した実施の形態では、変動表示領域の数は3つであったが、変動表示領域の数は、それよりも少ない2つであってもよいし、4つ以上の変動表示領域を設けるようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、変動表示領域は、演出表示装置9の画面上に形成されていたが、演出表示装置9とは異なる表示領域を別途設け、その表示領域に擬似連チャンス目の図柄が表示されるようにしてもよい。たとえば、演出表示装置9とは別の副画像装置(サブ液晶)を2つ設け(2つ以上でもよい)、その2つの副画像装置の画面上に図柄が表示されるようにしてもよい。なお、副画像装置は、可動式にしてもよいし、大当り期待度に基づいて、可動態様が異なるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、高確率となる回数が変動100回までの例を示したが、高確率は次回の大当りまで継続するようにしてもよい。このような場合に、次回も確変大当りになる場合と通常大当りになる場合とで、擬似連チャンス目パターンが異なるようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、擬似連の仮停止毎に擬似連チャンス目の組合せが異なるようにしてもよい。たとえば、擬似連を3回実行する変動表示では、擬似連の1回目にパターン3の擬似連チャンス目パターンで図柄を仮停止させ、擬似連の2回目にパターン2の擬似連チャンス目パターンで図柄を仮停止させ、擬似連の3回目にパターン1の擬似連チャンス目パターンで図柄を仮停止させるようにしてもよい。また、同じ擬似連チャンス目パターンが複数回実行されるようにしてもよい。なお、毎回異なる擬似連チャンス目パターンで仮停止させる場合には、後で実行される擬似連チャンス目のパターンが先に実行される擬似連チャンス目のパターンよりも大当り期待度の低いパターンとならないようにすることが望ましい。
(12) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(13) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(14) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態では、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
(17) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(18) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの通常大当りと15ラウンドの確変大当りとを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(19) 上記実施の形態では、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示(変動表示)する例を示した。しかし、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bにおいて表示される可変表示結果(変動表示結果)や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。たとえば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(たとえば、ハズレ図柄)とを交互に繰返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(たとえばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の可変表示として、たとえば「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」等)を表示することも特別図柄の可変表示に含まれる。また、一種類の飾り図柄を点滅表示又はスクロール表示すること等も飾り図柄の可変表示に含まれる。普通図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(たとえば、ハズレ図柄)とを交互に繰返すこと等も普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される飾り図柄や普通図柄と、可変表示結果として表示される飾り図柄や普通図柄とは、異なるものであってもよい。
(20) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(21) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。