以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。
図1に示すように、本発明の各種の実施の形態に係る無線通信システムは、携帯電話システムであって、複数の無線基地局1,3を備える。無線基地局1,3は互いに有線または無線で通信可能である。本発明に係る無線通信システムは、LTEに準拠した無線アクセス技術のシステムである。無線基地局1,3の各々は、移動端末であるユーザ装置(user equipment)6と無線通信可能であって、ユーザ装置6から送信された信号およびユーザ装置6宛の信号を処理する。
無線基地局1は親局装置2(ベースバンドユニット、BBU)および複数の子局装置4(リモートアンテナユニット、RAU)を備える。親局装置2は、例えば、無線基地局1に着脱可能なボードまたはブレードの形態を有していてもよい。親局装置2には、複数の子局装置4(4a,4b,4c,...)が接続されている。
親局装置2と各子局装置4は、光ファイバで接続されており、これらの子局装置4は親局装置2から遠隔に配置される。親局装置2は子局装置4と通信する機能を有する。各子局装置4は、対応する光ファイバを介して親局装置2と通信可能である。また、子局装置4は、無線通信機能を有し、これによりユーザ装置6と通信することが可能である。
下りリンク通信においては、親局装置2は、親局装置2に接続されたすべての子局装置4にユーザ装置6宛の信号を光ファイバを介して送信する。子局装置4はユーザ装置6宛に信号を無線で送信する。ユーザ装置6は、いずれかの子局装置4から無線で受信できた信号を復調および復号する。
上りリンク通信においては、ユーザ装置6からの無線信号は、受信が可能な子局装置4に受信され、子局装置4で受信された信号は光ファイバを介して親局装置2に送信される。複数の子局装置4で、一つのユーザ装置6からの上りリンク無線信号が受信された場合には、無線基地局1は品質の良い信号を選択する。
子局装置4は親局装置2から遠隔に配置されているため、無線基地局1のサービスエリアが拡大される。複数の子局装置4は、1つの建物(例えば高層ビルディング、地下街、または鉄道の駅)に配置されてもよいし、異なる建物に配置されてもよい。
以上の説明から明らかなように、親局装置2と子局装置4は、それらの間の距離にかかわらず、1つの無線基地局を構成するとみなすことができる。
第1の実施の形態
図2は、第1の実施の形態に係る親局装置2および子局装置4の構成を示すブロック図である。図2においては、上りリンク通信に関連する部分のみを示し、他の部分の図示は省略する。説明の簡略化のため、図2は単一の子局装置4のみを示す。
図2に示すように、子局装置4は、親局装置2に光ファイバ(光伝送路)5で接続されている。子局装置4は、受信アンテナ40、無線受信部42、A/D(アナログデジタル)変換器44、CP(サイクリックプリフィクス)除去部46、S/P(シリアルパラレル)変換器48、FFT(高速フーリエ変換)部50、P/S(パラレルシリアル)変換器52、データ量削減部54、およびE/O(電気光)変換器56を備える。
受信アンテナ40は、ユーザ装置6から上りリンクの無線SC−FDMA信号を受信する。A/D変換器44は、無線SC−FDMA信号をデジタル信号に変換する。CP除去部46は、デジタル化されたSC−FDMA信号から、ユーザ装置6と子局装置4の間の無線区間で利益があるが、光伝送路に乗せる必要がない情報であるCP(サイクリックプリフィクス)を除去する。
S/P変換器48は、CPが除去された時間領域のデジタル信号を、FFTのために複数のパラレル信号に変換する。FFT部(フーリエ変換部)50は、これらのパラレル信号をパラレルな周波数領域信号に変換する。P/S変換器52は、親局装置2への光伝送のために、パラレルな周波数領域信号をシリアル信号に変換する。
データ量削減部54は、P/S変換器52から出力された周波数領域信号において、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを、よりデータ量が小さい削減リソースブロックに変換することにより、周波数領域信号を削減周波数領域信号に変換する。この変換については後述する。E/O変換器56は削減周波数領域信号を光信号に変換して、光信号を光ファイバ5に送出する。
親局装置2は、O/E(光電気)変換器20、RB(リソースブロック)復元部22、S/P変換器24、周波数等化部26、およびIDFT(逆離散フーリエ変換)部28を備える。
O/E変換器20は、光ファイバ5で伝送された光信号を削減周波数領域信号に変換する。RB復元部22は、削減周波数領域信号において、削減リソースブロックを、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックに変換することにより、削減周波数領域信号を周波数領域信号に変換する。したがって、RB復元部22は、子局装置4のP/S変換器52で出力された周波数領域信号を復元する。
S/P変換器24は、RB復元部22から出力されたシリアルの周波数領域信号をパラレルな周波数領域信号に変換する。したがって、S/P変換器24は、子局装置4のFFT部50で出力されたパラレルな周波数領域信号を復元する。
周波数等化部26は、S/P変換器24から出力された周波数領域信号の周波数等化を行って、ユーザ装置6と子局装置4の間の無線区間で周波数選択性フェージングの影響を受けた信号の雑音を抑圧する。IDFT部28は、周波数等化部26から出力された周波数領域信号を時間領域のベースバンド信号に変換する。親局装置2は、復調部(図示せず)および復号部(図示せず)をさらに備え、復調部は時間領域のベースバンド信号を復調し、復号部は復調された信号を復号する。
次に、子局装置4のデータ量削減部54による周波数領域信号からの削減周波数領域信号への変換を説明する。図3は、LTEで規定されている無線区間での上りリンクの物理チャネルのフォーマットを示す。周波数で表されるシステム帯域は、複数のリソースブロック帯域に分割することができる。1つのリソースブロックの帯域幅は180kHzである。
1つの無線フレーム(10msec)は、10サブフレームに分割することができ、1つのサブフレーム(1msec)は2つのスロット(0.5msec)に分割することができる。1つのリソースブロックの時間長は、1つのサブフレーム(1msec)である。
ユーザ装置6から制御情報を送信するための上りリンク制御チャネル(PUCCH)は、システム帯域の両端のリソースブロックに配置され、ユーザ装置6からユーザデータを送信するための上りリンク共有チャネル(PUSCH)は他のリソースブロックに配置される。
復調用参照信号(DMRS)は、ユーザ装置6から送信されるユーザデータの無線基地局1での復調のために使用される。また、DMRSは上りリンクの伝搬路推定およびその他の用途に使用される。DMRSはPUCCHおよびPUSCHで送信される。
サウンディング参照信号(SRS)は、上りリンクチャネル品質を無線基地局で測定するために使用される。SRSはPUCCHおよびPUSCHで送信される。SRSは各サブフレームの最終シンボルに配置される。
ランダムアクセスチャネル(PRACH)は、ユーザ装置6が初期アクセスまたはハンドオーバのために、無線基地局1とコネクションを確立するために使用される。PRACHは、無線基地局1によって決まる特定のサブフレームの6リソースブロックに配置される。
ユーザ装置6での上りリンクのためのユーザデータの量は経時的に変動する。しかし、上りリンクのSC−FDMA無線送信においては、ユーザ装置6は、時間領域ベースバンド信号を一定のサンプリング周期および一定の量子化ビット数でサンプリングする。したがって、ユーザ装置6での上りリンクのためのユーザデータの量の変動にかかわらず、ユーザ装置6がPUSCHで送信する信号の量は変動しない。上りリンクのユーザデータがないとき、ユーザ装置6は、無効な信号(ユーザデータを表さない信号)をPUSCHで送信する。上りリンクのユーザデータがないとき、PUSCH上の無効な信号は削除してもよい。子局装置4のデータ量削減部54は、このような無効な信号を削除する。上りリンクのユーザデータがないとき、PUSCH上のDMRSを削除してもよい。データ量削減部54は、上りリンクのユーザデータがないとき、PUSCH上のDMRSを削除する。
他方、PUCCHの信号、PRACHの信号およびSRSはユーザ装置6から無線基地局1に必ず伝送する必要がある。データ量削減部54は、PUCCHの信号、PRACHの信号およびSRSを削除しない。
図3の円内に示すように、PUSCH上のリソースブロック(PRACHのためのリソースブロック以外のリソースブロック)は、PUSCH上のユーザデータ、DMRSおよびSRSを有する。子局装置4のデータ量削減部54は、P/S変換器52から出力された周波数領域信号において、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを、よりデータ量が小さい削減リソースブロックに変換する。具体的には、削減リソースブロックは、削除してはならないSRSのみを有する。換言すれば、リソースブロックに実質的なユーザデータが含まれていない場合に、データ量削減部54は、リソースブロック内の無効なユーザデータ相当部分およびDMRS相当部分を削除して、SRSのみを表す削減リソースブロックを生成する。
親局装置2のRB復元部22は、O/E変換器20から出力された削減周波数領域信号において、SRSのみを表す削減リソースブロックを、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロック(無効なユーザデータ相当部分およびDMRS相当部分を含む)に変換する。したがって、RB復元部22は、子局装置4のP/S変換器52で出力された周波数領域信号(データ量削減部54による処理の前の周波数領域信号)を復元する。
以上のように、この実施の形態では、子局装置4では、データ量削減部54が、FFT部50で得られた周波数領域信号において、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを、よりデータ量が小さい削減リソースブロックに変換することにより、周波数領域信号を削減周波数領域信号に変換し、E/O変換器56が削減周波数領域信号を光信号に変換する。したがって、ユーザデータの量が少ない場合には、少ない量の光信号を光ファイバ5に送出することができ、電気光変換に要する電力を削減することができる。
親局装置2では、RB復元部22がO/E変換器20から出力された削減周波数領域信号において、削減リソースブロックを、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロック(無効なユーザデータ相当部分およびDMRS相当部分を含む)に変換することにより、削減周波数領域信号を周波数領域信号に変換する。したがって、IDFT部28は、通常のLTEの上りリンク信号の処理と同様に、周波数領域信号を時間領域のベースバンド信号に変換することができる。
データ量削減部54は、親局装置2から送信される下りリンク制御信号に示される上りリンク信号スケジュール情報に基づいて、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定することができる。そして、データ量削減部54は、特定されたリソースブロックを削減リソースブロックに変換する。上りリンク信号スケジュール情報には、各ユーザ装置6について、ユーザデータが割り当てられるべきリソースブロックが示されているので、上りリンク信号スケジュール情報に従って、データ量削減部54はユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定することができる。親局装置2では、RB復元部22が、上りリンク信号スケジュール情報に基づいて、O/E変換器20から出力された削減周波数領域信号において、削減リソースブロック(ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックに相当する)を特定し、特定された削減リソースブロックを、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックに変換することができる。
第2の実施の形態
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る親局装置2および子局装置4の構成を示すブロック図である。図4においては、上りリンク通信に関連する部分のみを示し、他の部分の図示は省略する。説明の簡略化のため、図4は単一の子局装置4のみを示す。図4において、第1の実施の形態(図2)と共通する構成要素を示すために同一の参照符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
第1の実施の形態の構成に加え、子局装置4は受信電力測定部58を備える。受信電力測定部58は、無線受信部42で受信された無線SC−FDMA信号の受信電力を測定する。
データ量削減部54は、無線受信部42で受信された無線SC−FDMA信号の電力に基づいて、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定し、特定されたリソースブロックを削減リソースブロックに変換することにより、P/S変換器52から出力された周波数領域信号を削減周波数領域信号に変換する。他の構成要素は第1の実施の形態と同じである。無線SC−FDMA信号の電力の変化により、データ量削減部54はユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定することができる。親局装置2では、RB復元部22が、上りリンク信号スケジュール情報に基づいて、O/E変換器20から出力された削減周波数領域信号において、削減リソースブロック(ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックに相当する)を特定し、特定された削減リソースブロックを、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロック(無効なユーザデータ相当部分およびDMRS相当部分を含む)に変換することができる。
ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックの判別のためには、データ量削減部54は、各リソースブロックについて、リソースブロックを構成する12サブキャリアでの受信電力(瞬時値)を平均し、得られたそのリソースブロックの平均受信電力を閾値と比較してよい。あるいは、データ量削減部54は、リソースブロックを構成する12サブキャリアのうちいくつかのサブキャリアでの受信電力(瞬時値)を平均し、得られたそのリソースブロックの平均受信電力を閾値と比較してよい。平均受信電力が閾値より低いリソースブロックをユーザデータが割り当てられていないリソースブロックと分類し、平均受信電力が閾値以上のリソースブロックをユーザデータが割り当てられたリソースブロックと分類することができる。
あるいは、データ量削減部54は、各サブキャリアでの受信電力の瞬時値を1リソースブロックの時間長の範囲で平均して、時間平均受信電力を得て、各リソースブロックについて、リソースブロックを構成する12サブキャリアでの時間平均受信電力を平均し、得られたそのリソースブロックの平均受信電力を閾値と比較してよい。あるいは、データ量削減部54は、リソースブロックを構成する12サブキャリアのうちいくつかのサブキャリアでの時間平均受信電力を平均し、得られたそのリソースブロックの平均受信電力を閾値と比較してよい。平均受信電力が閾値より低いリソースブロックをユーザデータが割り当てられていないリソースブロックと分類し、平均受信電力が閾値以上のリソースブロックをユーザデータが割り当てられたリソースブロックと分類することができる。
あるいは、データ量削減部54は、各リソースブロックを構成するサブキャリアの最大受信電力(瞬時値でもよいし時間平均値でもよい)を、そのリソースブロックの代表受信電力として、閾値と比較してよい。最大受信電力が閾値より低いリソースブロックをユーザデータが割り当てられていないリソースブロックと分類し、最大受信電力が閾値以上のリソースブロックをユーザデータが割り当てられたリソースブロックと分類することができる。
データ量削減部54は、状況に応じて変化する係数を受信電力(上記の平均受信電力または最大受信電力のいずれか)に乗算または加算することにより、補正された受信電力を得て、補正された受信電力を閾値と比較してもよい。
第3の実施の形態
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る親局装置2および子局装置4の構成を示すブロック図である。図5においては、上りリンク通信に関連する部分のみを示し、他の部分の図示は省略する。説明の簡略化のため、図5は単一の子局装置4のみを示す。図5において、第1の実施の形態(図2)と共通する構成要素を示すために同一の参照符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
第1の実施の形態の構成に加え、子局装置4は削減RB(リソースブロック)情報生成部60を備える。削減RB情報生成部60は、データ量削減部54で実際に得られた削減リソースブロックを識別する削減リソースブロック情報を生成する。この実施の形態では、削減RB情報生成部60は、削減リソースブロック情報を、データ量削減部54から出力された削減周波数領域信号に混合または多重化する。したがって、E/O変換器56は、削減リソースブロック情報を含む光信号を親局装置2に送信する。
親局装置2では、O/E変換器20から出力された電気信号のうち削減リソースブロック情報をRB復元部22が判別し、削減リソースブロック情報に基づいて、RB復元部22はO/E変換器20から出力された削減周波数領域信号において、削減リソースブロック(ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックに相当する)を特定し、特定された削減リソースブロックを、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロック(無効なユーザデータ相当部分およびDMRS相当部分を含む)に変換することができる。
第1の実施の形態および第2の実施の形態では、親局装置2のRB復元部22が、上りリンク信号スケジュール情報に基づいて、削減リソースブロックを特定するが、光ファイバ5または無線区間での信号誤りにより、上りリンク信号スケジュール情報が子局装置4に到達しないことがありうる。しかし、この第3の実施の形態では、子局装置4のデータ量削減部54で実際に得られた削減リソースブロックを識別する削減リソースブロック情報を子局装置4から親局装置2に送信するので、親局装置2のRB復元部22は、子局装置4で実際にデータ量が削減された削減リソースブロックを確実に特定することができる。
第1の実施の形態と同様に、子局装置4のデータ量削減部54は、親局装置2から送信される下りリンク制御信号に示される上りリンク信号スケジュール情報に基づいて、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定してもよい。第2の実施の形態と同様に、子局装置4のデータ量削減部54は、無線受信部42で受信された無線SC−FDMA信号の電力に基づいて、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定してもよい。
第4の実施の形態
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る親局装置2および子局装置4の構成を示すブロック図である。図6においては、上りリンク通信に関連する部分のみを示し、他の部分の図示は省略する。説明の簡略化のため、図6は単一の子局装置4のみを示す。第4の実施の形態は第3の実施の形態の改良である。図6において、第3の実施の形態(図5)と共通する構成要素を示すために同一の参照符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
第3の実施の形態の構成に加え、子局装置4はE/O変換器(発光装置)56AおよびWDM(波長分割多重化器)62を備える。E/O変換器56Aは、E/O変換器56から出力される光信号の波長とは異なる波長を有する光を発する。WDM62は、複数のE/O変換器56,56Aから出力された複数系列の光信号を多重化する。WDM62から出力される光信号は、1本の光ファイバ5によって親局装置2に送信される。
この実施の形態では、削減RB情報生成部60は、データ量削減部54で実際に得られた削減リソースブロックを識別する削減リソースブロック情報を生成すると、削減リソースブロック情報を示す電気信号をE/O変換器56Aに供給する。E/O変換器56Aは、この電気信号を光信号に変換する。したがって、削減リソースブロック情報は、E/O変換器56から出力される光信号の波長とは異なる波長を有する光で親局装置2に送信される。
第3の実施の形態の構成に加え、親局装置2は、O/E変換器20AおよびWDM(波長多重分離器)29を備える。WDM29は、子局装置4から光信号を受信し、その光信号を波長ごとの光信号に分離して、2系列の光信号を出力する。O/E変換器20,20Aは、これらの2系列の光信号を電気信号に変換する。O/E変換器20は、子局装置4のE/O変換器56に対応し、削減周波数領域信号を出力する。他方、O/E変換器20Aは、子局装置4のE/O変換器56Aに対応し、削減リソースブロック情報を示す電気信号を出力する。
O/E変換器20Aから出力された削減リソースブロック情報に基づいて、RB復元部22はO/E変換器20から出力された削減周波数領域信号において、削減リソースブロック(ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックに相当する)を特定し、特定された削減リソースブロックを、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロック(無効なユーザデータ相当部分およびDMRS相当部分を含む)に変換することができる。このように、この実施の形態では、波長が異なる2系列の光信号で、削減周波数領域信号と削減リソースブロック情報が伝送される。このため、第3の実施の形態の効果に加え、この実施の形態では、削減周波数領域信号と削減リソースブロック情報の判別の処理の負荷なく、RB復元部22は削減リソースブロック情報を利用して、削減周波数領域信号のうち削減リソースブロックを特定することができる。
第1の実施の形態と同様に、子局装置4のデータ量削減部54は、親局装置2から送信される下りリンク制御信号に示される上りリンク信号スケジュール情報に基づいて、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定してもよい。第2の実施の形態と同様に、子局装置4のデータ量削減部54は、無線受信部42で受信された無線SC−FDMA信号の電力に基づいて、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定してもよい。
第5の実施の形態
図7は、本発明の第5の実施の形態に係る親局装置2および子局装置4の構成を示すブロック図である。図7においては、上りリンク通信に関連する部分のみを示し、他の部分の図示は省略する。説明の簡略化のため、図7は単一の子局装置4のみを示す。図7において、第1の実施の形態(図2)と共通する構成要素を示すために同一の参照符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
第1の実施の形態では、親局装置2に周波数等化部26が設けられているが、この第5の実施の形態では、親局装置2に周波数等化部26が設けられておらず、子局装置4に周波数等化部51が設けられている。周波数等化部51は、FFT部50から出力された周波数領域信号の周波数等化を行って、ユーザ装置6と子局装置4の間の無線区間で周波数選択性フェージングの影響を受けた信号の雑音を抑圧する。P/S変換器52は、周波数等化部51から出力されたパラレルな周波数領域信号を親局装置2への光伝送のためにシリアル信号に変換する。
データ量削減部54は、周波数等化部51から出力された周波数領域信号(シリアル信号)において、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを、よりデータ量が小さい削減リソースブロックに変換することにより、周波数領域信号を削減周波数領域信号に変換する。第1の実施の形態のデータ量削減部54と類似した方式で、データ量削減部54は、リソースブロック内の無効なユーザデータ相当部分およびDMRS相当部分を削除して、SRSのみを表す削減リソースブロックを生成することにより、周波数領域信号を削減周波数領域信号に変換する。
親局装置2では、RB復元部22がO/E変換器20から出力された削減周波数領域信号において、SRSのみを表す削減リソースブロックを、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロック(無効なユーザデータ相当部分およびDMRS相当部分を含む)に変換することにより、削減周波数領域信号を周波数領域信号に変換する。S/P変換器24は、RB復元部22から出力されたシリアルの周波数領域信号をパラレルな周波数領域信号に変換する。したがって、IDFT部28は、通常のLTEの上りリンク信号の処理と同様に、周波数領域信号を時間領域のベースバンド信号に変換することができる。親局装置2は、復調部(図示せず)および復号部(図示せず)をさらに備え、復調部は時間領域のベースバンド信号を復調し、復号部は復調された信号を復号する。
第5の実施の形態は第1の実施の形態の変形であるが、第2〜第4の実施の形態を同様に変形してもよい。
第6の実施の形態
図8は、第6の実施の形態に係る親局装置2および子局装置4の構成を示すブロック図である。図8においては、上りリンク通信に関連する部分のみを示し、他の部分の図示は省略する。説明の簡略化のため、図8は単一の子局装置4のみを示す。
図8に示すように、子局装置4は、親局装置2に光ファイバ5で接続されている。子局装置4は、受信アンテナ140、無線受信部142、A/D変換器144、CP除去部146、S/P変換器148、FFT部150、周波数等化部151、IDFT部152、データ量削減部154、およびE/O変換器156を備える。
受信アンテナ140は、ユーザ装置6から上りリンクの無線SC−FDMA信号を受信する。A/D変換器144は、無線SC−FDMA信号をデジタル信号に変換する。CP除去部146は、デジタル化されたSC−FDMA信号から、ユーザ装置6と子局装置4の間の無線区間で利益があるが、光伝送路に乗せる必要がない情報であるCPを除去する。
S/P変換器148は、CPが除去された時間領域のデジタル信号を、FFTのために複数のパラレル信号に変換する。FFT部(フーリエ変換部)150は、これらのパラレル信号をパラレルな周波数領域信号に変換する。
周波数等化部151は、FFT部150から出力された周波数領域信号の周波数等化を行って、ユーザ装置6と子局装置4の間の無線区間で周波数選択性フェージングの影響を受けた信号の雑音を抑圧する。IDFT部152は、周波数等化部151から出力された周波数領域信号を時間領域のベースバンド信号に変換する。
データ量削減部154は、IDFT部152から出力された時間領域信号において、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを、よりデータ量が小さい削減リソースブロックに変換することにより、時間領域信号を削減時間領域信号に変換する。E/O変換器156は削減時間領域信号を光信号に変換して、光信号を光ファイバ5に送出する。
第1の実施の形態に関して図3を参照して上述したように、上りリンクのユーザデータがないとき、PUSCH上の無効な信号(ユーザデータを表さない信号)は削除してもよいし、PUSCH上のDMRSを削除してもよい。他方、PUCCHの信号、PRACHの信号およびSRSはユーザ装置6から無線基地局1に必ず伝送する必要がある。そこで第1の実施の形態のデータ量削減部54と類似した方式で、データ量削減部154は、リソースブロック内の無効なユーザデータ相当部分およびDMRS相当部分を削除して、SRSのみを表す削減リソースブロックを生成することにより、時間領域信号を削減時間領域信号に変換する。
親局装置2は、O/E変換器120、およびRB復元部122を備える。O/E変換器120は、光ファイバ5で伝送された光信号を削減時間領域信号に変換する。RB復元部122は、O/E変換器20から出力された削減時間領域信号において、SRSのみを表す削減リソースブロックを、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロック(無効なユーザデータ相当部分およびDMRS相当部分を含む)に変換することにより、削減時間領域信号を時間領域信号に変換する。したがって、RB復元部122は、子局装置4のIDFT部152で出力された時間領域のベースバンド信号(データ量削減部154による処理の前の周波数領域信号)を復元する。親局装置2は、復調部(図示せず)および復号部(図示せず)をさらに備え、復調部は時間領域のベースバンド信号を復調し、復号部は復調された信号を復号する。
以上のように、この実施の形態では、子局装置4では、データ量削減部154が、IDFT部152で得られた時間領域信号において、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを、よりデータ量が小さい削減リソースブロックに変換することにより、時間領域信号を削減時間領域信号に変換し、E/O変換器156が削減時間領域信号を光信号に変換する。したがって、ユーザデータの量が少ない場合には、少ない量の光信号を光ファイバ5に送出することができ、電気光変換に要する電力を削減することができる。
親局装置2では、RB復元部122がO/E変換器120から出力された削減時間領域信号において、削減リソースブロックを、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロック(無効なユーザデータ相当部分およびDMRS相当部分を含む)に変換することにより、削減時間領域信号を時間領域信号に変換する。したがって、復調部には、通常のLTEの上りリンク信号の処理と同様に、時間領域のベースバンド信号を供給することができる。
この実施の形態では、信号を送信する子局装置4に周波数等化部151およびIDFT部152が配置されるので、子局装置4においてE/O変換器156にはシリアル信号が供給される。したがって、第1の実施の形態(図2)において、E/O変換器56にシリアル信号を供給するための子局装置4のP/S変換器52を除外することができる。また、子局装置4に周波数等化部151が配置されるので、親局装置2のS/P変換器24も除外することができる。よって、子局装置4と親局装置2の構成が簡略化される。
データ量削減部154は、親局装置2から送信される下りリンク制御信号に示される上りリンク信号スケジュール情報に基づいて、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定することができる。そして、データ量削減部154は、特定されたリソースブロックを削減リソースブロックに変換する。上りリンク信号スケジュール情報には、各ユーザ装置6について、ユーザデータが割り当てられるべきリソースブロックが示されているので、上りリンク信号スケジュール情報に従って、データ量削減部154はユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定することができる。親局装置2では、RB復元部122が、上りリンク信号スケジュール情報に基づいて、O/E変換器120から出力された削減周波数領域信号において、削減リソースブロック(ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックに相当する)を特定し、特定された削減リソースブロックを、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックに変換することができる。
第7の実施の形態
図9は、本発明の第7の実施の形態に係る親局装置2および子局装置4の構成を示すブロック図である。図9においては、上りリンク通信に関連する部分のみを示し、他の部分の図示は省略する。説明の簡略化のため、図9は単一の子局装置4のみを示す。図9において、第6の実施の形態(図8)と共通する構成要素を示すために同一の参照符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
第6の実施の形態の構成に加え、子局装置4は受信電力測定部158を備える。受信電力測定部158は、無線受信部142で受信された無線SC−FDMA信号の受信電力を測定する。
データ量削減部154は、無線受信部142で受信された無線SC−FDMA信号の電力に基づいて、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定し、特定されたリソースブロックを削減リソースブロックに変換することにより、IDFT部152から出力された時間領域信号を削減時間領域信号に変換する。他の構成要素は第6の実施の形態と同じである。無線SC−FDMA信号の電力の変化により、データ量削減部154はユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定することができる。親局装置2では、RB復元部122が、上りリンク信号スケジュール情報に基づいて、O/E変換器120から出力された削減時間領域信号において、削減リソースブロック(ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックに相当する)を特定し、特定された削減リソースブロックを、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロック(無効なユーザデータ相当部分およびDMRS相当部分を含む)に変換することができる。
データ量削減部154によるユーザデータが割り当てられていないリソースブロックの判別の手法は、第2の実施の形態におけるデータ量削減部54によるユーザデータが割り当てられていないリソースブロックの判別の手法と同じでよい。
第8の実施の形態
図10は、本発明の第8の実施の形態に係る親局装置2および子局装置4の構成を示すブロック図である。図10においては、上りリンク通信に関連する部分のみを示し、他の部分の図示は省略する。説明の簡略化のため、図10は単一の子局装置4のみを示す。図10において、第6の実施の形態(図8)と共通する構成要素を示すために同一の参照符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
第6の実施の形態の構成に加え、子局装置4は削減RB(リソースブロック)情報生成部160を備える。削減RB情報生成部160は、データ量削減部154で実際に得られた削減リソースブロックを識別する削減リソースブロック情報を生成する。この実施の形態では、削減RB情報生成部160は、削減リソースブロック情報を、データ量削減部154から出力された削減時間領域信号に混合または多重化する。したがって、E/O変換器56は、削減リソースブロック情報を含む光信号を親局装置2に送信する。
親局装置2では、O/E変換器120から出力された電気信号のうち削減リソースブロック情報をRB復元部122が判別し、削減リソースブロック情報に基づいて、RB復元部122はO/E変換器120から出力された削減時間領域信号において、削減リソースブロック(ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックに相当する)を特定し、特定された削減リソースブロックを、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロック(無効なユーザデータ相当部分およびDMRS相当部分を含む)に変換することができる。
第6の実施の形態および第7の実施の形態では、親局装置2のRB復元部122が、上りリンク信号スケジュール情報に基づいて、削減リソースブロックを特定するが、光ファイバ5または無線区間での信号誤りにより、上りリンク信号スケジュール情報が子局装置4に到達しないことがありうる。しかし、この第8の実施の形態では、子局装置4のデータ量削減部154で実際に得られた削減リソースブロックを識別する削減リソースブロック情報を子局装置4から親局装置2に送信するので、親局装置2のRB復元部122は、子局装置4で実際にデータ量が削減された削減リソースブロックを確実に特定することができる。
第6の実施の形態と同様に、子局装置4のデータ量削減部154は、親局装置2から送信される下りリンク制御信号に示される上りリンク信号スケジュール情報に基づいて、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定してもよい。第7の実施の形態と同様に、子局装置4のデータ量削減部154は、無線受信部42で受信された無線SC−FDMA信号の電力に基づいて、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定してもよい。
第9の実施の形態
図11は、本発明の第9の実施の形態に係る親局装置2および子局装置4の構成を示すブロック図である。図11においては、上りリンク通信に関連する部分のみを示し、他の部分の図示は省略する。説明の簡略化のため、図11は単一の子局装置4のみを示す。第9の実施の形態は第8の実施の形態の改良である。図11において、第8の実施の形態(図10)と共通する構成要素を示すために同一の参照符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
第8の実施の形態の構成に加え、子局装置4はE/O変換器(発光装置)156AおよびWDM(波長分割多重化器)162を備える。E/O変換器156Aは、E/O変換器156から出力される光信号の波長とは異なる波長を有する光を発する。WDM162は、複数のE/O変換器156,156Aから出力された複数系列の光信号を多重化する。WDM162から出力される光信号は、1本の光ファイバ5によって親局装置2に送信される。
この実施の形態では、削減RB情報生成部160は、データ量削減部154で実際に得られた削減リソースブロックを識別する削減リソースブロック情報を生成すると、削減リソースブロック情報を示す電気信号をE/O変換器156Aに供給する。E/O変換器156Aは、この電気信号を光信号に変換する。したがって、削減リソースブロック情報は、E/O変換器156から出力される光信号の波長とは異なる波長を有する光で親局装置2に送信される。
第8の実施の形態の構成に加え、親局装置2は、O/E変換器120AおよびWDM(波長多重分離器)129を備える。WDM129は、子局装置4から光信号を受信し、その光信号を波長ごとの光信号に分離して、2系列の光信号を出力する。O/E変換器120,120Aは、これらの2系列の光信号を電気信号に変換する。O/E変換器120は、子局装置4のE/O変換器156に対応し、削減周波数領域信号を出力する。他方、O/E変換器120Aは、子局装置4のE/O変換器156Aに対応し、削減リソースブロック情報を示す電気信号を出力する。
O/E変換器120Aから出力された削減リソースブロック情報に基づいて、RB復元部122はO/E変換器120から出力された削減周波数領域信号において、削減リソースブロック(ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックに相当する)を特定し、特定された削減リソースブロックを、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロック(無効なユーザデータ相当部分およびDMRS相当部分を含む)に変換することができる。このように、この実施の形態では、波長が異なる2系列の光信号で、削減周波数領域信号と削減リソースブロック情報が伝送される。このため、第8の実施の形態の効果に加え、この実施の形態では、削減周波数領域信号と削減リソースブロック情報の判別の処理の負荷なく、RB復元部122は削減リソースブロック情報を利用して、削減周波数領域信号のうち削減リソースブロックを特定することができる。
第6の実施の形態と同様に、子局装置4のデータ量削減部154は、親局装置2から送信される下りリンク制御信号に示される上りリンク信号スケジュール情報に基づいて、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定してもよい。第7の実施の形態と同様に、子局装置4のデータ量削減部154は、無線受信部142で受信された無線SC−FDMA信号の電力に基づいて、ユーザデータが割り当てられていないリソースブロックを特定してもよい。
第10の実施の形態
図12は、本発明の第10の実施の形態に係る無線基地局の構成を示すブロック図である。図12においては、上りリンク通信に関連する部分のみを示し、他の部分の図示は省略する。説明の簡略化のため、図12は2つの子局装置4(4a,4b)と2つの親局装置2(2a,2b)を示すが、無線基地局は、3つ以上の子局装置4を有してもよいし、1つまたは3つ以上の親局装置2を有してもよい。図12において、第1の実施の形態(図2)と共通する構成要素を示すために同一の参照符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
子局装置4a,4bは、WDM(第1の波長分割多重化器)80、1本の光ファイバ5およびWDM(第1の波長多重分離器)90を介して、親局装置2a,2bに接続されている。各子局装置4は、スケジューラ(信号割り当て部)70、WDM(第2の波長分割多重化器)74および複数のE/O変換器72a〜72dを有する。
E/O変換器72a〜72dは、デジタル信号をそれぞれ異なる波長の光信号に変換する。スケジューラ70は、P/S変換器52から出力された周波数領域信号(デジタル信号)を複数のE/O変換器72a〜72dの少なくともいずれかに割り当てる。WDM74は、複数のE/O変換器72a〜72dから出力される波長が異なる複数系列の光信号を波長分割多重化する。
異なる子局装置4において、同一の符号で示されたE/O変換器は、同一の波長の光信号を発する。例えば、子局装置4aのE/O変換器72aの出力光の波長は、子局装置4bのE/O変換器72aの出力光の波長と同じである。
WDM80は、複数の子局装置4a,4bから送出される複数系列の光信号を波長分割多重化して、1本の光ファイバ5に送出する。WDM90は、光ファイバ5から光信号を受信し、その光信号を波長ごとの光信号に分離して、複数系列の光信号を出力する。これらの複数系列の光信号は親局装置2a,2bに供給される。
各親局装置2は、WDM(第2の波長多重分離器)30、複数のO/E変換器31a〜31d、およびスケジューラ32を有する。WDM30は、WDM90から出力された光信号をさらに波長ごとの光信号に分離して、波長が異なる複数系列の光信号を出力する。O/E変換器31a〜31dは、異なる波長の光に対応し、子局装置4のE/O変換器72a〜72dにそれぞれ対応する。例えば、O/E変換器31aは、E/O変換器72aの出力光を電気信号に変換し、O/E変換器31bはE/O変換器72bの出力光を電気信号に変換する。
この実施の形態において、各子局装置4ではすべてのE/O変換器72a〜72dが常に使用されるのではない。各子局装置4のE/O変換器72a〜72dのいずれかまたはすべてを非活性化してもよい。各子局装置4のスケジューラ70は、他の子局装置4において使用されていないE/O変換器の波長に対応する、当該子局装置4のE/O変換器に周波数領域信号(デジタル信号)を割り当てる。例えば、子局装置4aのE/O変換器72a,72bが使用されているときには、子局装置4bのスケジューラ70は子局装置4bのE/O変換器72c,72dのいずれかまたは両方に、P/S変換器52から出力されるデジタル信号を割り当てることができる。
図13は、図12の無線基地局での子局装置4a,4bの波長チャネルの使用状況の例を示す。波長チャネルλaはE/O変換器72aの出力光の波長に対応し、波長チャネルλbはE/O変換器72bの出力光の波長に対応し、波長チャネルλcはE/O変換器72cの出力光の波長に対応し、波長チャネルλdはE/O変換器72dの出力光の波長に対応する。子局装置4a,4bのスケジューラ70の働きの結果、各時間において、子局装置4a,4bは異なる波長チャネルを使用する。例えば、時間t1において、子局装置4aのスケジューラ70は、子局装置4aのE/O変換器72a,72bを作動させて波長チャネルλa,λbを使用し、子局装置4bのスケジューラ70は、子局装置4bのE/O変換器72c,72dを作動させて波長チャネルλc,λdを使用する。時間t3において、子局装置4aのスケジューラ70は、子局装置4aのE/O変換器72a,72bを作動させて波長チャネルλa,λbを使用し、子局装置4bのスケジューラ70は、子局装置4bのE/O変換器72cを作動させて波長チャネルλcを使用する。時間t7において、子局装置4aのスケジューラ70は、子局装置4aのE/O変換器72a〜72dを作動させて波長チャネルλa〜λdを使用し、子局装置4bのスケジューラ70は、子局装置4bのE/O変換器72a〜72dをすべて非活性化し、いずれの波長チャネルλも使用しない。
子局装置4a,4bのスケジューラ70は、作動すべきE/O変換器を示すスケジューリング結果を相互に交換し、一方の子局装置4で使用される波長チャネルと他方の子局装置4で使用される波長チャネルが一致しないように協調してもよい。この場合、各子局装置4のスケジューラ70は、スケジューリング結果を光伝送によって、各親局装置2に報告することが好ましい。あるいは各スケジューラ70への別個のプログラミングによって、子局装置4a,4bのスケジューラ70は、相互にスケジューリング結果を交換することなく、他の子局装置4で使用されていない波長チャネルに対応するE/O変換器を作動させてもよい。
光伝送に使用するE/O変換器72を子局装置4のスケジューラ70が変更する時間の長さ(図13の時間t1,t2,...の長さ)は任意である。この時間の長さは、例えば数秒でもよいし数時間でもよい。また、無線通信の利用が少ない時間(例えば深夜)では、子局装置4では、特定のE/O変換器72を非活性化して、電力消費を節約してもよい。例えば、無線通信の利用が少ない時間に、子局装置4aでは、E/O変換器72aのみを作動させ、子局装置4bではE/O変換器72cのみを作動させてもよい。
各親局装置2のスケジューラ(割り当て信号認識部)32は、例えば、各子局装置4から報告されるスケジューリング結果に従って、O/E変換器31a〜31dから出力される電気信号から、子局装置4のP/S変換器52から出力されたシリアルの周波数領域信号を復元する。あるいは、各子局装置4のスケジューラ70に対するプログラミングと整合したプログラミングを各親局装置2のスケジューラ32に行ってもよく、この場合、子局装置4からスケジューリング結果の報告を受けずに、プログラミングに従って、スケジューラ32は、O/E変換器31a〜31dから出力される電気信号から、子局装置4のP/S変換器52から出力されたシリアルの周波数領域信号を復元してもよい。
S/P変換器24は、スケジューラ32から出力されたシリアルの周波数領域信号をパラレルな周波数領域信号に変換する。したがって、S/P変換器24は、子局装置4のFFT部50で出力されたパラレルな周波数領域信号を復元する。
周波数等化部26は、S/P変換器24から出力された周波数領域信号の周波数等化を行って、ユーザ装置6と子局装置4の間の無線区間で周波数選択性フェージングの影響を受けた信号の雑音を抑圧する。IDFT部28は、周波数等化部26から出力された周波数領域信号を時間領域のベースバンド信号に変換する。親局装置2は、復調部(図示せず)および復号部(図示せず)をさらに備え、復調部は時間領域のベースバンド信号を復調し、復号部は復調された信号を復号する。
以上のように、この実施の形態に係る無線基地局では、複数の子局装置4a,4bの各々のスケジューラ70は、他の子局装置において使用されていないE/O変換器72の波長に対応する、当該子局装置のE/O変換器72にデジタル信号を割り当てる。したがって、複数の子局装置4a,4bで波長資源を融通し合うことによる統計多重効果を発揮することができる。
この実施の形態では、第1の実施の形態(図2参照)とは異なり、各子局装置4はデータ量削減部54を有さず、各親局装置2はRB復元部22を有していない。しかし、第1の実施の形態と同様に、各子局装置4はデータ量削減部54を有してもよく、各親局装置2はRB復元部22を有してもよい。この場合、さらに、第2〜第5の実施の形態(図4〜図7参照)と同様に、各子局装置4と各親局装置2を変形してもよい。
第11の実施の形態
図14は、本発明の第11の実施の形態に係る無線基地局の構成を示すブロック図である。図14においては、上りリンク通信に関連する部分のみを示し、他の部分の図示は省略する。説明の簡略化のため、図14は2つの子局装置4(4a,4b)と2つの親局装置2(2a,2b)を示すが、無線基地局は、3つ以上の子局装置4を有してもよいし、1つまたは3つ以上の親局装置2を有してもよい。図14において、第6の実施の形態(図8)と共通する構成要素を示すために同一の参照符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
子局装置4a,4bは、WDM(第1の波長分割多重化器)180、1本の光ファイバ5およびWDM(第1の波長多重分離器)190を介して、親局装置2a,2bに接続されている。各子局装置4は、スケジューラ(信号割り当て部)170、WDM(第2の波長分割多重化器)174および複数のE/O変換器172a〜172dを有する。
E/O変換器172a〜172dは、デジタル信号をそれぞれ異なる波長の光信号に変換する。スケジューラ170は、IDFT部152から出力された時間領域信号(デジタル信号)を複数のE/O変換器172a〜172dの少なくともいずれかに割り当てる。WDM174は、複数のE/O変換器172a〜172dから出力される波長が異なる複数系列の光信号を波長分割多重化する。
異なる子局装置4において、同一の符号で示されたE/O変換器は、同一の波長の光信号を発する。例えば、子局装置4aのE/O変換器172aの出力光の波長は、子局装置4bのE/O変換器172aの出力光の波長と同じである。
WDM180は、複数の子局装置4a,4bから送出される複数系列の光信号を波長分割多重化して、1本の光ファイバ5に送出する。WDM190は、光ファイバ5から光信号を受信し、その光信号を波長ごとの光信号に分離して、複数系列の光信号を出力する。これらの複数系列の光信号は親局装置2a,2bに供給される。
各親局装置2は、WDM(第2の波長多重分離器)130、複数のO/E変換器131a〜131d、およびスケジューラ132を有する。WDM130は、WDM190から出力された光信号をさらに波長ごとの光信号に分離して、波長が異なる複数系列の光信号を出力する。O/E変換器131a〜131dは、異なる波長の光に対応し、子局装置4のE/O変換器172a〜172dにそれぞれ対応する。例えば、O/E変換器131aは、E/O変換器172aの出力光を電気信号に変換し、O/E変換器131bはE/O変換器172bの出力光を電気信号に変換する。
この実施の形態において、各子局装置4ではすべてのE/O変換器172a〜72dが常に使用されるのではない。各子局装置4のE/O変換器172a〜72dのいずれかまたはすべてを非活性化してもよい。各子局装置4のスケジューラ170は、他の子局装置4において使用されていないE/O変換器の波長に対応する、当該子局装置4のE/O変換器に時間領域信号(デジタル信号)を割り当てる。例えば、子局装置4aのE/O変換器172a,172bが使用されているときには、子局装置4bのスケジューラ170は子局装置4bのE/O変換器172c,172dのいずれかまたは両方に、IDFT部152から出力されるデジタル信号を割り当てることができる。
図14の無線基地局での子局装置4a,4bの波長チャネルの使用状況の例は、図13を参照して第10の実施の形態に関連して上述した例と同じでよい。子局装置4a,4bのスケジューラ170は、作動すべきE/O変換器を示すスケジューリング結果を相互に交換し、一方の子局装置4で使用される波長チャネルと他方の子局装置4で使用される波長チャネルが一致しないように協調してもよい。この場合、各子局装置4のスケジューラ170は、スケジューリング結果を光伝送によって、各親局装置2に報告することが好ましい。あるいは各スケジューラ170への別個のプログラミングによって、子局装置4a,4bのスケジューラ170は、相互にスケジューリング結果を交換することなく、他の子局装置4で使用されていない波長チャネルに対応するE/O変換器を作動させてもよい。
光伝送に使用するE/O変換器172を子局装置4のスケジューラ170が変更する時間の長さ(図13の時間t1,t2,...の長さ)は任意である。この時間の長さは、例えば数秒でもよいし数時間でもよい。また、無線通信の利用が少ない時間(例えば深夜)では、子局装置4では、特定のE/O変換器172を非活性化して、電力消費を節約してもよい。例えば、無線通信の利用が少ない時間に、子局装置4aでは、E/O変換器172aのみを作動させ、子局装置4bではE/O変換器172cのみを作動させてもよい。
各親局装置2のスケジューラ(割り当て信号認識部)132は、例えば、各子局装置4から報告されるスケジューリング結果に従って、O/E変換器131a〜131dから出力される電気信号から、子局装置4のIDFT部152から出力されたシリアルの時間領域のベースバンド信号を復元する。あるいは、各子局装置4のスケジューラ170に対するプログラミングと整合したプログラミングを各親局装置2のスケジューラ132に行ってもよく、この場合、子局装置4からスケジューリング結果の報告を受けずに、プログラミングに従って、スケジューラ132は、O/E変換器31a〜31dから出力される電気信号から、子局装置4のIDFT部152から出力されたシリアルの時間領域のベースバンド信号を復元してもよい。親局装置2は、復調部(図示せず)および復号部(図示せず)をさらに備え、復調部は時間領域のベースバンド信号を復調し、復号部は復調された信号を復号する。
以上のように、この実施の形態に係る無線基地局では、複数の子局装置4a,4bの各々のスケジューラ170は、他の子局装置において使用されていないE/O変換器172の波長に対応する、当該子局装置のE/O変換器172にデジタル信号を割り当てる。したがって、複数の子局装置4a,4bで波長資源を融通し合うことによる統計多重効果を発揮することができる。
この実施の形態では、第6の実施の形態(図8)とは異なり、各子局装置4はデータ量削減部154を有さず、各親局装置2はRB復元部122を有していない。しかし、第6の実施の形態と同様に、各子局装置4はデータ量削減部154を有してもよく、各親局装置2はRB復元部122を有してもよい。この場合、さらに、第7〜第9の実施の形態(図9〜図11参照)と同様に、各子局装置4と各親局装置2を変形してもよい。
他の変形
前記の実施の形態および変形は、矛盾しない限り、組み合わせてもよい。
前記の実施の形態において、FFTとDFTは置換可能である。したがって、第1〜第5、第10の実施の形態において、FFT部50はDFT部で置換してもよく、IDFT部28はIFFT部で置換してもよい。第6〜第9、第11の実施の形態において、FFT部150はDFT部で置換してもよく、IDFT部152はIFFT部で置換してもよい。