JP6278614B2 - 地盤改良工法 - Google Patents

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Description

本発明は、地中に壁状の固結体を造成する地盤改良工法に関する。
図18は、地中に壁状の固結体Kを造成した状態を示している。
ここで、施工される地盤や各種条件により、壁状の地中固結体Kの幅方向寸法Wは所定値であることが要求される。
従来技術において、所定値以上の幅寸法Wを有する壁状の地中固結体Kを造成するためには、例えば図19で示すように、複数の断面円形の地中固結体Kを造成して、隣接する断面円形の地中固結体K同士を重複させていた。
しかし、図19において符号βで示す領域のように、幅寸法Wよりも外方に位置する領域(改良する必要がない領域)を改良しなければならない。また、重複した領域を改良することになってしまう。
そのため固結材の消費量が増加し、施工コストが高騰するという問題を有していた。
これに対して、噴射装置を回動し且つ回動方向を切り替えて、硬化材を噴射しつつ揺動する従来技術が知られている(例えば、特許文献1)。
係る従来技術によれば、平面形状が扇形の領域を切削し、改良することが可能である。そして平面形状が扇形の領域を切削し、改良すれば、図19の符号β(幅Wからはみ出す領域)、γ(重複する領域)で示す様な領域は存在しなくなり、固化材消費量や施工コストを抑制することが出来る。
しかし、平面形状が扇形の領域を切削した場合には、扇形の中心に相当する領域(噴射装置近傍の領域)における地盤が切削されず、改良されない領域が生じてしまう。そして、壁状の地中固結体に必要な幅寸法Wを確保することができなくなる。
特開2005−139863号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、改良する必要がない領域や重複した領域を改良することを抑制することができて、必要な幅寸法を確保しつつ壁状の地中固結体を造成することが出来る地盤改良工法の提供を目的としている。
本発明の地盤改良工法は、
ボーリング孔(H)を切削する工程(図1)と、
ボーリング孔(H)内に挿入された固化材(例えば、セメントミルク)及び気体(例えば、高圧エア)噴射用の噴射装置(3)から固化材及び気体を噴射しつつ、噴射装置(3)を回動し且つ回動方向を切り替え(切削される領域の平面形状が扇形になる様に流体ジェットJを揺動し)、それと共に、噴射装置(3)を引き上げる地盤切削工程(図4)を有し、
当該地盤切削工程(図4、図5)では、大流量で流体が噴射される第1の噴流(J1)と、小流量で第1の噴流(J1)とは異なる方向(未改良部分に向かう方向:図5の領域αに相当する領域へ向かう方向)へ噴射される第2の噴流(J2)が噴射され、
噴射された固化材が施工地盤を切削した後にスライム(Js)としてボーリング孔(H)を介して地上側に戻ろうとする際にボーリング孔(H)近傍に収束し、当該収束したスライムの運動エネルギーがボーリング孔近傍の地盤(未改良部分:図5の領域αに相当する領域)に付加され、
地上側に戻ろうとする気体流は、噴射後に圧力が減少し体積が膨張して大きな体積流量となった気体流が地上側に戻る際にエアリフト効果を発揮すると共にスライムを連行して土壌を切削する様に噴射の際にその気体流の圧力及び流量が設定されて、ボーリング孔近傍の地盤に付加され、
ボーリング孔(H)近傍の地盤を切削することを特徴としている。
ここで、第1の噴流(前記噴射される流体J1)は、固化材(例えばセメントミルク)と気体(例えば、高圧エア)を組み合わせた噴流であるのが好ましい。
また、第2の噴流(第2の流体の噴流J2)は、固化材(例えばセメントミルク)が好ましい。
ただし、第1の噴流(前記噴射される流体J1)及び第2の噴流(第2の流体の噴流J2)を固化材(例えばセメントミルク)のみで構成することも可能である。そして、第1の噴流(前記噴射される流体J1)及び第2の噴流(第2の流体の噴流J2)を、気体のみで構成することも可能である。
本発明の実施に際して、前記ボーリング孔(H)を切削する工程では、(例えばボーリング用噴射装置(2)の先端からの高圧水ジェット(Jw)を噴射して)垂直方向下方の領域だけではなく、斜め方向の領域も切削することが好ましい。
上述する構成を具備する本発明によれば、流体(J:例えば、セメントミルク等の固化材、気体)噴射用の噴射装置から流体を噴射しつつ(流体ジェットJ)、噴射装置(3)を回動し且つ回動方向を切り替えることにより、流体ジェット(J)が揺動する様に地盤を切削するので、切削される領域の平面形状が扇形になる。
そのため、従来の断面円形の改良体を多数造成して壁状固結体を造成する技術に比較して、図19の符号β、γで示す様な無駄な領域を造成する必要がなくなり、固化材消費量や施工コストを抑制することが出来る。
そして本発明によれば、地盤切削工程では、噴射された流体(ジェットJ)が施工地盤を切削した後に、ジェットを構成する流体(スライムJs)は、地中固結体を造成するのに必要な固化材を除いて、ボーリング(H)孔を経由して地上側に戻る。その際に、流体の噴流(ジェットJ)の到達距離の幅(B)に比較して、ボーリング孔(H)を介して地上側に戻るスライム(Js)が流れる流路の幅(b)は遥かに小さいため、ボーリング孔(H)近傍の領域における単位体積あたりのスライム(Js)の速度v2は、ジェット(J)の到達地点近傍における単位体積あたりのスライム(Js)の速度v1に比較して、遥かに速くなり、ボーリング孔(H)近傍の単位体積あたりのスライム(Js)(速度v2のスライム)の運動エネルギー(K=1/2・mv)は、ジェットの到達地点近傍における単位体積あたりのスライム(速度v1のスライムJs)よりも遥かに大きい。
そしてスライム(Js)がボーリング孔近傍に収束するため、収束したスライム(Js)が保有する大きな運動エネルギーがボーリング孔近傍の地盤(未改良部分:図5の領域αに相当する領域)に作用するので、当該未改良部分(α)に対して影響を及ぼし(いわゆる「緩んだ状態」にせしめ)、当該未改良部分(α)を崩壊或いは切削することが出来る。
また、噴流(ジェットJ)として固化材と共に噴射される気体は、その圧力が大気圧程度まで減少するため体積が膨張して、大きな体積流量の気体流となって地上側に戻る。この大流量の気体のエアリフト効果により、ボーリング孔近傍の土壌が切削される。それ加えて、当該気体流はスライムを連行するため(スライムを連行した大流量の気体は)アブレイシブジェットと同様に作用して、ボーリング孔近傍の土壌を切削する。
これ等の作用により、ボーリング孔(H)近傍の地盤(図5の領域αに相当する領域)も切削、改良されて、改良部分の幅寸法(H)を、地中固結体に必要な幅W(図18、図19参照)以上の数値とすることが出来る。
また本発明によれば、地盤切削工程では、大流量で流体が噴射される第1の噴流(J1あるいは前記噴射される流体)に加えて、小流量で第1の噴流(J1)とは異なる方向(未改良部分に向かう方向:図5の領域αに相当する領域へ向かう方向)へ噴射される第2の噴流(前記第2の流体の噴流J2)が噴射されるので、当該第2の噴流(J2)によりボーリング孔(H)近傍の未改良部分(図5の領域αに相当する領域)が切削される。
そして、第2の噴流(J2)により切削された領域(ボーリング孔近傍の未改良部分:図5の領域αに相当する領域)も固化材と混合されて改良される。
その結果、改良部分の幅寸法(H)を、地中固結体に必要な幅W(図18、図19参照)以上の数値とすることが出来る。
本発明において、前記ボーリング孔を切削する工程(図1)で、垂直方向下方の領域だけではなく、斜め方向の領域も切削すれば、ボーリング孔近傍の未改良部分(図5の領域αに相当する領域)が前記ボーリング孔(H)を切削する工程(図1)で切削され、或いは、ボーリング孔(H)切削の影響を受けて(いわゆる)「緩んだ」状態となる。
そのため、地上側に戻ろうとしてボーリング孔(H)近傍に収束するスライム(Js)或いは第2の噴流(第2の流体の噴流J2)により、切削され、崩される効率が向上する。
本発明の第1実施形態において、ボーリング孔を切削する工程を示す正面図である。 ボーリング孔を切削する際に好適な切削流体ジェットの態様を示す平面図である。 切削されたボーリング孔に噴射装置を挿入した状態を示す正面図である。 噴射装置から流体を噴射しつつ噴射装置を引き上げる工程を示す正面図である。 図4で示す工程において噴射装置から噴射された流体が揺動する動作を示す平面図である。 図5におけるジェットの動作により地盤を切削、改良する状態をさらに詳しく示す平面図である。 第1実施形態において、地上側に戻ろうとするスライムがボーリング孔近傍に収束して作用する旨を示す部分平面図である。 図7と同様な部分正面図である。 収束したスライムにより、ボーリング孔近傍の未改良部分が切削された状態を示す平面図である。 図9と同様な正面図である。 収束したスライムによりボーリング孔近傍の未改良部分が切削されて、必要とする幅寸法の地中固結体が造成可能である旨を示す平面図である。 本発明の第2実施形態において、流体により地盤を切削している工程を示す平面図である。 第2実施形態において地盤が改良される領域を示す平面図である。 第2実施形態の変形例において、図12、図13とは異なる形態で流体を噴射している状態を示す平面図である。 第2実施形態で用いられる噴射装置の一例を示す断面正面図である。 第2実施形態で用いられる他の噴射装置を示す断面正面図である。 第2実施形態で用いられるさらに別の噴射装置を示す断面正面図である。 造成するべき地中固結体の形状を示す平面図である。 従来技術の一例を示す平面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
最初に図1〜図11を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
本発明の第1実施形態を施工するに際しては、図1〜図4で示す手順を実行する。
先ず、図1で示すように、ボーリングロッド1の先端に取り付けたボーリング用噴射装置2の垂直方向下方先端から切削流体、例えば高圧水のジェットJwを噴射して、施工するべき地盤Gにボーリング孔Hを切削する。
このボーリング孔Hの切削に際して、図2で示すように、ボーリング用噴射装置2の先端2t(図1参照)からの高圧水ジェットJwの噴射方向は、垂直方向下方ではなく、やや斜め方向となっており、以って、ボーリング孔Hの周辺地盤(例えば、図2において符号αで示す領域)に高圧水ジェットの影響を及ぼす(いわゆる「緩める」)ようにしている。
図2の符号αで示す領域は、単にジェットを揺動したのでは切削されず、未改良部分となってしまう領域である。符号αで示す部分については、図5において、ジェットを揺動したのでは切削されずに未改良部分となってしまう領域として明示されている。
換言すれば、ボーリング用噴射装置2の先端からの高圧水ジェットJwは、垂直方向の成分のみならず、水平方向の成分を有するように噴射される。
ボーリング孔Hが切削されたならば、図3で示すように、ボーリング用噴射装置2をボーリング孔Hから取り出して、改良材噴射用の噴射装置3をボーリング孔H内に挿入する。
そして図4で示すように、噴射装置3から流体Jを噴射しつつ、噴射装置3を所定角度(図5における角度θ)だけ回動し且つ回動方向を切り替えて、流体ジェットJを図5で示す領域(中心角θの平面形状が扇形の領域)で揺動する。それと共に、噴射装置3を引き上げる。
図5は、噴射装置3を回動し、且つ回動方向を切り替えて流体ジェットJを揺動した際における切削領域を平面で示している。
図5において、矢印RAはジェットJが角度θだけ揺動して、平面形状が扇形(中心角度θの扇形)の領域を切削する動作を示している。換言すれば、図5では、いわゆる「揺動ジェット」と呼ばれる工法におけるジェットJの動作を示している。
ここで、図5において符号αで示す領域は、単にジェットJを揺動しただけでは切削されず、未改良部分となってしまう恐れがある。
第1実施形態では、図6〜図11を参照して説明する作用により、符号αで示す領域が改良される。
図6は、図5で示す揺動ジェットJにより、流体により地盤を切削、改良している状態を詳細に示している。ここで、当該流体は噴射装置3からは噴射され、例えばセメントミルクの様な固化材及び高圧エアから構成されている。
図6において、流体のジェットJ(例えば、セメントミルク及び高圧エアのジェット)は噴射装置3からは噴射され、地盤Gを平面形状扇形に切削している。ここで、符号θは(図5と同様に)扇形の中心角であり、ジェットJを揺動する角度である。
地盤Gを切削した流体は、その後、流体(スライム)Jsとして、(地中固結体Kを造成するのに必要な分量を除いて)ボーリング孔Hを経由して地上側に戻ってしまう。例えば図8で示すように、スライムJsは流体ジェットJの垂直方向上方を流れる。
図6で示すように、ジェットJの到達距離の幅Bに比較して、ボーリング孔Hを介して地上側に戻るスライムJsが流れる流路の幅bは遥かに小さい。
幅bが幅Bに比較して遥かに小さいため、ボーリング孔H近傍の領域では、単位体積あたりのスライムJsの速度v2は、ジェットJの到達地点近傍における単位体積あたりのスライムJsの速度v1に比較して、遥かに速くなる。
その結果、ボーリング孔H近傍の単位体積あたりのスライムJs(速度v2のスライム)の運動エネルギー(K=1/2・mv)は、ジェットJの到達地点近傍における単位体積あたりのスライムJs(速度v1のスライム)に比較して、遥かに大きくなる。
図7、図8は、地上側に戻ろうとするスライムJsがボーリング孔H近傍に収束して、当該収束したスライムJsの運動エネルギーがボーリング孔H近傍の地盤(未改良部分)に作用する旨を示している。
上述したように、ボーリング孔近傍の単位体積あたりのスライムJs(速度v2のスライム)の運動エネルギー(K=1/2・mv)は、ジェットJの到達地点近傍における単位体積あたりのスライムJs(速度v1のスライム)に比較して遥かに大きい。それに加えて、ボーリング孔H近傍では地上側に戻ろうとするスライムJsが収束する。
ボーリング孔H近傍で地上側に戻ろうとするスライムJsが収束する結果、ボーリング孔H近傍の領域には、大きな運動エネルギーを保有するスライムJsが大量に集中する。
ここで、ジェットJが揺動せず、噴射装置3が回転するタイプであると、ジェットJによる地盤の切削は、平面については360°全範囲に亘って行われる。そして、ボーリング孔Hを介して地上側に戻ろうとするスライムJsは、その他のスライムJsの流れを避けて流れることが出来る。
それに対して、平面形状が扇状に地盤が切削される揺動ジェットJであれば、噴射装置3から噴射されたジェットJで切削される範囲が限定されているため、地上側に戻ろうとするスライムJsはその他のスライムJsの流れを避けて流れることが出来ず、ボーリング孔H近傍の領域で収束せざるを得ない。
さらに、ジェットJとしてセメントミルクと共に噴射された高圧エアは、噴射後、その圧力が大気圧程度まで減少するため体積が膨張する。その結果、大きな体積流量のエア流となって地上側に戻る(いわゆる「エアリフト」)。非常に大きな体積流量のエア流によるエアリフト効果により、ボーリング孔H近傍の土壌が切削される。それに加えて、当該エア流はスライムJsを連行するため(スライムJsを連行した大流量のエアは)いわゆる「アブレイシブジェット」と同様に作用して、ボーリング孔H近傍の土壌を切削する。
図9、図10は、図7、図8で示す収束したスライムJsの運動エネルギーにより、ボーリング孔H近傍の地盤G(未改良部分)が切削された状態を示している。
換言すれば、ボーリング孔H近傍の地盤G(未改良部分:図5の領域αに相当)に地上側に戻ろうとして収束したスライムJsの運動エネルギーが集中し、当該地盤G(未改良部分)が崩壊する。
これに加えて、ジェットJとしてセメントミルクと共に噴射された高圧エアが減圧して膨張して地上側に戻る際のエアリフト効果と、当該ボーリング孔H近傍の地盤G(未改良部分)が切削される。それに加えて、当該エアがスライムJsを連行してアブレイシブジェットと同様に作用することにより、ボーリング孔H近傍の地盤G(未改良部分)が切削される。
これに加えて、図2で示すように、ボーリング用噴射装置2の先端からの高圧水ジェットJwを斜め方向に噴射して、ボーリング孔Hの周辺の未改良部分に対して高圧水ジェットJwの影響を及ぼしている(未改良部分を「緩め」ている)。
そのため第1実施形態によれば、確実にボーリング孔H近傍の地盤G(未改良部分)も切削(或いは崩壊)され、改良されて、図11で示すように、改良された部分の幅寸法Bfは、地中固結体に必要な幅W(図18、図19参照)以上の数値とすることが可能である。
ここで、地上側へ向う(戻ろうとする)スライムJsにより、ボーリング孔H近傍の地盤G(未改良部分:図5の領域αに相当)が、地中固結体に必要な幅W(図18、図19参照)を確保出来る程度に崩壊せしめるためには、エアリフト効果によりボーリング孔H近傍の土壌が切削される程度の圧力および流量の気体をジェットJとして固化材と組み合せて噴射すれば良い。
あるいは、大気圧まで圧力が減少した気体が地上側に戻る際にスライムJsを連行して、いわゆる「アブレイシブジェット」と同様に土壌を切削する様に、ジェットJとして固化材と組み合せて噴射される気体の圧力及び流量を設定すれば良い。
次に図12〜図17を参照して、第2実施形態を説明する。
ここで、図1〜図5を参照して上述した手順については、第2実施形態でも同様である。
第2実施形態では、図12で示すように、単にジェットJを揺動したのでは未改良となってしまう恐れがある領域α(図5の符号αで示す領域と同様)に対して、小流量の流体を噴射している。
図12において、施工領域である幅Bの長手方向(図12の左右方向)に、噴射装置3(図12〜図14では図示せず)の2箇所のメインノズル3Nm(図12〜図14では図示せず)から第1のジェット(メインジェット)J1が噴射される。それと同時に、噴射装置3の4箇所のサブノズル3Ns(図12〜図14では図示せず)からも第2のジェット(サブジェット)J2が噴射される。
図12〜図14では図示されていないが、2箇所のメインノズル3Nmは互いに離反する方向に向いており、図12〜図14では図示しない4箇所のサブノズル3Nsは、2箇所のメインノズル3Nmからの第1のジェットJ1が噴射されない領域を向いており、幅Bの施工領域の中心線Lcとは平行ではなく、直角方向に対して若干傾斜した方向に向いている。
2箇所の噴射装置3のメインノズル3Nm(図12〜図14では図示せず)と4箇所のサブノズル3Ns(図12〜図14では図示せず)を上述した様に配置し、第1のジェット(メインジェット)J1及び第2のジェット(サブジェット)J2を噴射すると(図12、図13)、施工領域である幅Bの長手方向の領域の大部分は第1のジェットJ1で切削されて改良される。
また、第1のジェットJ1で切削・改良されなかった領域α(図13)は、4箇所のサブノズル3Ns(図12〜図14では図示せず)から第2のジェット(サブジェット:小流量のジェット)J2が噴射される。すなわち、第2のジェットJ2により領域αが切削され、改良される。
ここで、発明者によるシミュレーション、実験及び/又は演算によれば、地中固結体に要求される幅W(図18参照)を達成するためには、図13の未改良部分αを数10cmのオーダーで切削すれば良いことが分かっている。そして、4箇所のサブノズル3Nsから噴射される第2のジェットJ2の量(噴射される流体の総量)は、数10リットル程度で足りることが(発明者によるシミュレーション、実験及び/又は演算により)判明している。
すなわち、4箇所のサブノズル3Nsは噴射量数10リットルの流体により(図13の)未改良部分αを数10cmのオーダーで切削できる程度の口径のノズルで足りるので、メインノズル3Nmに比較して小さなノズルを採用することが出来る。
図12、図13では、小流量の第2のジェットJ2が領域α(図13の未改良部分α)について4本噴射されているが、小流量のジェットJ2を領域αに噴射する本数は、4本に限定される訳ではない。
例えば図14で示すように、領域αに対して小流量のジェットJ2を2本噴射しても良い。
或いは、図示されていないが、未改良部分α(図13参照)に対して5本以上の小流量のジェットJ2を噴射することも可能である。
図15〜図17を参照して、図12〜図14で説明した第2実施形態で用いられる噴射装置3Aについて説明する。
流体として固化材(例えばセメントミルク)のみを噴射する噴射装置3Aが図15で示されている。
図15において、噴射装置3Aは先端(下端)31が閉塞しており、内管32、外管33を有する二重管で構成されている。噴射装置3Aは、内管32の内側の環状空間を第1の流路34とし、内管32と外管33とで形成される環状空間を第2の流路35としている。第1の流路34は二重管の内管であり、例えば、図示しない固化材供給系統に連通している。第2の流路35は二重管の外管であり、図示しない高圧エア供給系統に連通している。
第1の流路34は第1のノズル36及び第2のノズル37に連通している。図15が図14に対応している場合には、図15では明示されていないが、第1のノズル36は2箇所設けられており、第2のノズル37も2箇所設けられている。
図15が図12、図13に対応している場合には、図15では明示されていないが、第1のノズル36は2箇所設けられており、第2のノズル37は4箇所設けられている。
図15では、第1のノズル36と第2のノズル37を示しているが、第1のノズル36と第2のノズル37は同一断面上には位置しておらず、互いに直交する断面に設けられている。なお、図15の例では、第2の流路35には流体(例えば高圧エア)は流れていない。
図示しない固化材供給系統を流過した固化材(例えばセメントミルク)は、噴射装置3Aにおける第1の流路34を経由して、第1のノズル36及び第2のノズル37から噴射される。
上述したように、第2のノズル37の内径は第1のノズル36の内径に対して小さく形成されている。
図15では、内径が大きい第1のノズル36の噴射口からは高圧のセメントミルクが大流量で噴射されるので、セメントミルクのジェットが地盤を切削して到達する距離が長い。
一方、内径が小さな第2のノズル37の噴射孔からは小流量のセメントミルクが噴射するので、地盤を切削して到達する距離は短い(図14参照)。
固化材の噴流に加えて、その周囲を気体(例えば高圧エア)の噴流で包囲する構成が図16で示されている。
図16において、噴射装置3Bは、内管32に直交する向きの円柱状突出部32Tが例えば2箇所に設けられている。円柱状突出部32Tの内側に、第1のノズル36が形成されている。
第1の流路34が第1のノズル36及び第2のノズル37に連通している。図16が図14に対応している場合には、図16では明示されていないが、第1のノズル36は2箇所設けられており、第2のノズル37も2箇所設けられている。
図16が図12、図13に対応している場合には、図16では明示されていないが、第1のノズル36は2箇所設けられており、第2のノズル37は4箇所設けられている。を備えている。
第1のノズル36及び第2のノズル37を有する円柱状突出部32Tの先端は、外管33の外周面近傍で、外周面よりも内側に位置している。
第1のノズル36及び第2のノズル37の先端近傍の外管33には、貫通孔38が形成されている。貫通孔38は円柱状突出部32Tと同心で、貫通孔38の直径は円柱状突出部32Tよりも大きく設定されている。そして、貫通孔38と円柱状突出部32Tとによって環状の流路(高圧エア噴射孔)380が形成されている。貫通孔38は、第2の流路34側がテーパー状(38t)に拡径しながら第2の流路34と連通している。
第2の流路34を流下した高圧エアは、当該環状の流路38から噴射される際に、第1のノズル36及び第2のノズル37から噴射される固化材の周囲を包囲しつつ、固化材と高圧エアが組み合わさったジェットとして噴射される。
図16のその他の構成及び作用効果は図15と同様である。なお、図16で示す噴射装置3Bは、第1実施形態において使用可能である。
気体のみを噴射する噴射装置3Cの構成が図17で示されている。
図17において、噴射装置3Cは、図15及び図16における第1のノズル36及び第2のノズル37が省略されている。
図17のその他の構成及び作用効果は図15、図16と同様である。
図示の第2実施形態によれば、大流量で流体が噴射される第1の噴流J1に加えて、小流量で第1の噴流J1とは異なる方向へ噴射される第2の噴流J2が噴射されるので、第2の噴流J2によりボーリング孔H近傍の未改良部分(図5の領域αに相当する領域)が切削される。
そして、第2の噴流J2により切削された領域(ボーリング孔近傍の未改良部分:図5の領域αに相当する領域)も固化材と混合されて改良される。
その結果、改良部分の幅寸法Hを、地中固結体に必要な幅W以上の数値とすることが出来る。
明示はされていないが、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、ボーリング孔Hを切削する工程(図1)で、垂直方向下方の領域だけではなく、斜め方向の領域も切削すれば、ボーリング孔H近傍の未改良部分(図5の領域αに相当する領域)が前記ボーリング孔Hを切削する工程(図1)で切削され、或いは、ボーリング孔H切削の影響を受けて(いわゆる)「緩んだ」状態となる。そのため、第2の噴流Jsにより、未改良部分α(図13参照)が確実に切削され、崩壊して、改良される。
図12〜図17におけるその他の構成及び作用効果については、第1実施形態と同様である。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
例えば、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせて、地上側に戻ろうとするスライムJsがボーリング孔H近傍の領域に収束することにより、当該領域を崩壊させつつ、当該領域に対して小流量のジェットJ2を噴射する構成を採用することができる。
1・・・ボーリングロッド
2・・・掘削用噴射装置
3・・・流体噴射用噴射装置
31・・・先端
32・・・内管
33・・・外管
34・・・第1の流路
35・・・第2の流路
36・・・第1のノズル
37・・・第2のノズル
G・・・地盤
J・・・ジェット/流体

Claims (2)

  1. ボーリング孔を切削する工程と、
    ボーリング孔内に挿入された固化材及び気体噴射用の噴射装置から固化材及び気体を噴射しつつ、噴射装置を回動し且つ回動方向を切り替え、それと共に、噴射装置を引き上げる地盤切削工程を有し、
    当該地盤切削工程では、大流量で流体が噴射される第1の噴流と、小流量で第1の噴流とは異なる方向へ噴射される第2の噴流が噴射され、
    噴射された固化材が施工地盤を切削した後にスライムとしてボーリング孔を介して地上側に戻ろうとする際にボーリング孔近傍に収束し、当該収束したスライムの運動エネルギーがボーリング孔近傍の地盤に付加され、
    地上側に戻ろうとする気体流は、噴射後圧力が減少し体積が膨張して大きな体積流量となった気体流が地上側に戻る際にエアリフト効果を発揮すると共にスライムを連行して土壌を切削する様に噴射の際にその気体流の圧力及び流量が設定されて、ボーリング孔近傍の地盤に付加され、
    ボーリング孔近傍の地盤を切削することを特徴とする地盤改良工法。
  2. 前記ボーリング孔を切削する工程では、垂直方向下方の領域だけではなく、斜め方向の領域も切削する請求項1の地盤改良工法。
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