JP6278442B2 - 地盤注入材 - Google Patents

地盤注入材 Download PDF

Info

Publication number
JP6278442B2
JP6278442B2 JP2013227633A JP2013227633A JP6278442B2 JP 6278442 B2 JP6278442 B2 JP 6278442B2 JP 2013227633 A JP2013227633 A JP 2013227633A JP 2013227633 A JP2013227633 A JP 2013227633A JP 6278442 B2 JP6278442 B2 JP 6278442B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
slurry
ground
cement
hydraulic composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013227633A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015086326A (ja
Inventor
了三 吉田
了三 吉田
則雄 高橋
則雄 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Materials Corp
Original Assignee
Taiheiyo Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiheiyo Materials Corp filed Critical Taiheiyo Materials Corp
Priority to JP2013227633A priority Critical patent/JP6278442B2/ja
Publication of JP2015086326A publication Critical patent/JP2015086326A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6278442B2 publication Critical patent/JP6278442B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Description

本発明は、地盤や岩盤等を強固なものに改質したり、建設物の基礎強化等に用いられるセメント系の地盤注入材に関する。
地盤や岩盤等を不透水・強固なものに改質したり、液状化を防ぐために、セメント等の水硬性物質を結合成分にしたスラリー状の地盤注入材が用いられている。セメント系地盤注入材には配合成分を全て加えた水性のスラリーからなる一剤タイプのものと、セメントを有効成分とするスラリーと急硬剤を有効成分とするスラリーを注入時に混合させる二剤タイプのものがある。一剤タイプのセメント系地盤注入材として、セメント及びスラグを粉砕して最大粒径をかなり小さくすることで地盤への浸透性を向上させた、所謂超微粒子系の注入材が知られている。(例えば、特許文献1参照。)また、スラリー注入時の浸透性を改善するために、セメントクリンカ粉砕物、スラグ、石膏および可溶性硫酸塩等を含有し、含有粒子を特定の粒径以下の粒度構成にした注入材も知られている。(特許文献2参照。)
これらのセメント系地盤注入材は含有成分の微細化によって浸透し易くはなるが、例えば造り置き等による静置時間の経過に伴って材料分離が発生・進行し易く、施工浸透性の経時低下や注入地盤の強度が低迷する等、地盤改質性に支障を及ぼすことがあった。分散剤を使用すれば固型粒子の凝集を抑制できるので固液分離が起き難くなり材料分離抵抗性を向上することができる。しかし、分散されたセメント粒子は粒子径が小さいために水和反応活性が非常に高く、水和物を早期に生成し易く、地盤等へ十分浸透する前に固化したり、浸透経路中で水和物塊の目詰まりが起こり易く、逆に浸透性が低下するという問題が生じる。水和物自体の凝集防止のため、分散剤の配合量を増やし過ぎると水硬性物質の凝結時間が遅延化し、注入した地盤中に留まらずに地下水や湧水等によって流冒し易く、止水作用も弱く、また初期強度発現性が不足するなどの問題も起こる。
特開平9−255378号公報 特開2004−231884号公報
高浸透性のセメント系の地盤注入材において材料分離抵抗性を高めるには、分散剤配合量を増やすことが有効ではあるが、一方で前記のような問題があった。本発明は、このような問題を解決することを課題とするものであり、セメント系の地盤注入材であって、良好な注入浸透性と強度発現性を具備し、分散剤の配合量を増やさずとも材料分離による地盤改質性低下が起こらない地盤注入材を提供する。
本発明者は、前記課題解決のため検討した結果、セメント並びにスラグ及び分散剤を含む特定の粉末度の水硬性組成物であって、この質量の3.0倍の水を加えたものの密度変化が特定の変化率になるようにせしめた水硬性組成物を含む水性スラリーからなる地盤注入材が、良好な注入浸透性や強度発現性を具備できることを見出し、しかも凝結性や硬化性状に支障を及ぼすほどの量の分散剤を配合せずとも材料分離による地盤改質性低下を防げたことから本発明を完成させた。
即ち、本発明は、(A)セメント、(B)スラグ及び(C)ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物又はポリカルボン酸を有効成分とする分散剤を、セメントとスラグの質量比(B/A)=1〜100且つスラグとセメントの合計質量と分散剤質量(固型分換算)の比(C/(A+B))=0.0001〜0.02で含有するブレーン比表面積5000cm2/g以上の水硬性組成物の固型分濃度が3.2〜43質量%の水性スラリーからなる地盤注入材であって、前記水硬性組成物にその質量(固型分換算)の3.0倍量の水を加えて作製した20℃のスラリーの密度浮ひょうによる作製直後の密度と作製から1時間静置後の密度の次式に表す変化率が50%以下(0を含む。)であることを特徴とする地盤注入材である。
変化率(%)=(1−(ρf−1)/(ρ0−1))×100
ここで、ρ0;スラリー作製直後の密度浮ひょうの示度、ρf;スラリー作製1時間静置後の密度浮ひょうの示度。
また、本発明は、水硬性組成物の固型分濃度が3.2〜40質量%の水性スラリーからなることを特徴とする前記の地盤注入材である。
本発明によれば、少なくとも従来に勝るとも劣らない注入浸透性や強度発現性を具備しつつ、材料分離による地盤改質作用の低下を十分防いだ地盤注入材を常に安定して得ることができるため、強固な地盤・岩盤への改質が容易に行える。さらに、本発明の地盤注入材は注入した地盤の透水性も抑制でき、止水作用もあるため、液状化対策や止水工事にも十分適用できる。
本発明の地盤注入材は、セメントとスラグと分散剤を特定の割合で含有する水硬性組成物を水性スラリー化したものである。前記水硬性組成物に含有使用するセメントは、水硬性のセメントなら何れのものでも良い。具体的には、例えば普通、早強、超早強、中庸熱、低熱等の各種ポルトランドセメント、フライアッシュセメントやシリカセメント等の混合セメント、白色セメント、アルミナセメントやエコセメント等の特殊セメントなどが挙げられ、2種以上を併用しても良い。好ましくは、普通又は早強ポルトランドセメントを使用する。またアルミナセメントを使用する際は何れかのポルトランドセメントと併用し、急硬性を調整するのが望ましい。また、高炉セメントを使用する際は、高炉セメント中のスラグ量を地盤注入材中のスラグ量として考慮する必要がある。また、注入浸透性を高めるため、好ましくはブレーン比表面積で5000cm2/g以上のセメントを使用する。より好ましくはブレーン比表面積で7000cm2/g〜20000cm2/gのセメントを使用する。以上は推奨される使用セメントの粉末度であって、ブレーン比表面積で5000cm2/g未満のセメント粒子の使用や混在を不可とするものではない。
また、前記水硬性組成物に含有使用するスラグは、具体的には、例えば高炉スラグ、製鋼スラグ、転炉スラグ、脱珪スラグ等の金属資材製造過程で発生するような鉱滓が挙げられるが、掲示例に限定されるものではない。下水汚泥や都市ゴミ、ペーパースラッジ等の廃棄物を発生起源とする溶融スラグなどは有害物質が濃縮含有されている可能性が払拭できない場合は使用を避けるのが望ましい。好ましくは、初期強度発現性が高くなることから高ガラス化率のスラグが良く、例えば高炉水砕スラグなどが適当である。スラグの潜在水硬性挙動によって地盤を強固に改質できると共に、注入材が注入中に早期固結して浸透経路を閉塞し、浸透性が低下するのを防ぐことができる。スラグの粒度は微小化されたものほど地盤の微細な粒子間を通り易く、また反応活性も高くなる。含有するスラグは好ましくはブレーン比表面積で5000cm2/g以上とする。より好ましくはブレーン比表面積で7000cm2/g〜20000cm2/gとする。以上は推奨される使用スラグの粉末度であって、ブレーン比表面積で5000cm2/g未満のスラグ粒子の使用や混在を不可とするものではない。スラグを含有使用すると、凝結時間を遅延させずに地盤や岩盤でのスラリー浸透経路中での固結による目詰まりと、注入管や輸送管中での閉塞を抑制できる。水性スラリー中のスラグ含有量はセメント含有量1質量部に対し、1〜100質量部とする。好ましくは1.5〜50質量部とする。1質量部未満では浸透性が著しく低下することがあるので好ましくなく、また100質量部を超えると初期強度が低下するので好ましくない。
また、前記水硬性組成物に含有使用する分散剤は、モルタルやコンクリートなどのセメント系水硬性組成物で使用できるものなら何れのものでも良く、特に制限されない。また、減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE減水剤又は流動化剤等と称されているものも分散剤として使用でき、液状のものでも粉末状のものでも良い。分散剤の使用で、微小なセメント粒子やスラグ粒子の凝集を抑制でき、微細な地盤や岩盤間隙でも凝集体形成による目詰まりが発生しない。分散剤の含有量は固型分換算でセメントとスラグの合計含有量1質量部に対し、0.0001〜0.1質量部にする。好ましくは0.001〜0.05質量部にする。0.0001質量部未満では含有効果が得られず浸透性が低下するので好ましくない。また、0.1質量部を超えると、凝結遅延や硬化不良を起こす虞があり、注入材の流冒や十分な改質強度が得られないことがあるので好ましくない。
また、前記水硬性組成物には本発明の効果を実質喪失させるものでない限り、セメント、スラグ及び分散剤以外の成分も含有することができる。このような成分が水性スラリーに実質溶解しない固型粒子の場合は、好ましくは使用するセメントと概ね同程度かそれより高いブレーン比表面積のものを使用すると、高い浸透性を確保し易くなる。含有可能な成分例として、何れもモルタルやコンクリートなどのセメント系水硬性組成物に使用できる凝結促進剤、増粘剤、ポゾラン反応性物質、急硬剤、石膏、増量剤などが挙げられるが、掲示例に限定されるものではない。
また、前記水硬性組成物は、高い注入浸透性を具備させる上で、ブレーン比表面積5000cm2/g以上とする。好ましくはブレーン比表面積7000cm2/g〜20000cm2/gとする。前記水硬性組成物が水性スラリー作製の際に実質溶解してしまう粒子や液状減水剤等の液状混和物を含む場合は、これらを除いた含有粒子全体に対するブレーン比表面積をもって水硬性組成物のブレーン比表面積とする。従って、個々の含有粒子が全てブレーン比表面積5000cm2/g以上の粒子である必要はない。ブレーン比表面積5000cm2/g未満の水硬性組成物では、これを水性スラリー化した地盤注入材は、粒子間隙が狭い低浸透性の地盤や岩盤等への注入が困難になるので好ましくない。
また、本発明の地盤注入材は前記水硬性組成物を水性スラリー化したものである。水性スラリー化に要す前記水硬性組成物に添加する水の量は、所望する改質性状や対象地盤の状態等の施工状況に応じて適宜決定することができる。好ましくは、地盤等への注入施工に適した施工性と良好な強度発現性を得易くするため、前記水硬性組成物100質量部に対し150〜3000質量部の水を添加する。即ち、水硬性組成物のスラリー濃度が3.2〜40質量%の水性スラリーにする。より好ましくはスラリー濃度が4.7〜33質量%の水性スラリーにする。ここで、例えば水硬性組成物に液状の混和剤類を用いる場合は、水硬性組成物のスラリー濃度には、液状の混和剤類の固型分換算質量を含むものの濃度とするが、固型分換算質量を差し引いた溶媒分の質量は含まない。尚、前記溶媒分の質量が添加する水の質量の概ね1%以下であれば、添加水の量は前記溶媒分の質量を考慮しなくても実質的な支障はないが、概ね1%を超えると、溶媒質量を考慮するのが望ましく、水硬性組成物に添加する水の質量は前記溶媒分質量を差し引いた値とする。水硬性組成物の固型分濃度が40質量%を超える水性スラリーは流動性が低過ぎて注入装置へのスラリー輸送を円滑に行うに支障が生じる虞があり、均一に注入し難いことがあるので適当でなく、また、水硬性組成物の固型分濃度が3.2質量%未満の水性スラリーでは、地盤浸透性が高いものの、十分な改質強度が得られないことがあるため、適当ではない。
また、本発明の地盤注入材は、前記水硬性組成物にその質量(固型分換算)の3.0倍量の水を加えて作製した20℃のスラリーの、スラリー作製直後の密度浮ひょうで測定した密度とスラリー作製から1時間静置後の密度浮ひょうで測定した密度の次式に表す変化率が50%以下(0を含む。)であることを必須とする地盤注入材である。好ましくは次式に基づく変化率が30%以下(0を含む。)にする。
変化率(%)=(1−(ρf−1)/(ρ0−1))×100
ここで、ρ0;スラリー作製直後の密度浮ひょうの示度、ρf;スラリー作製1時間静置後の密度浮ひょうの示度。
また、使用する密度浮ひょうは、JIS B 7525;1997密度浮ひょうの付属書4(規定)比重浮ひょうの表3に定める番号3のものが推奨される。密度浮ひょうの20℃での示度の前記式に基づく変化率を50%以内にしたものは、材料分離が進行し難く、材料分離が生じても注入浸透性や改質強度などの地盤改質性に支障をきたすことなく地盤注入材を得ることができる。また、変化率が50%を超えるものは材料分離が進行し易く、過度に不均質状態の濃度のバラつきのある地盤注入剤になって、所望の地盤改質を安定して行うことが困難になるので好ましくない。この変化率は、水硬性組成物の成分組成に大きく依存することから、材料分離を起こしても高い強度発現性と良好な浸透性を具備できる地盤注入材の有効成分の選定と配合組成の決定に関し必要である。本発明では、このような浮ひょうによる密度変化率にすべく、前記の含有範囲内で水硬性組成物中の含有各成分の配合割合を調整することで、より最適な地盤改質作用を有する地盤注入材が得られる。好適にはスラリー濃度が3.2〜40質量%の水性スラリーからなる地盤注入材に対し、より最適な地盤改質作用を有する地盤注入材を見出すことができる。また、本発明の地盤注入材は1剤タイプの地盤注入材、即ち所謂1ショット型の注入施工法に好適な地盤注入材ではあるが、1.5ショットや2ショット型の施工法の地盤注入材として使用することもできる。
密度浮ひょうの示度の変化率を求める具体的な手順の一例を示すと、使用する前記水硬性組成物の質量を測定し、当該水硬性組成物が液体分散剤や他の液状配合物を含む場合はこれらの質量は固型分換算した質量を用いて測定質量を補正する。次いで、必要により補正した水硬性組成物の質量の3.0倍の質量の水を加え、例えば市販の高速グラウトミキサ等を用いて混合し、20℃の恒温に保たれた水性スラリーを作製する。このスラリー温度は以後の密度計測時まで維持する。温度誤差の許容範囲は可能な限り±1℃以内にする。また、混合時間は混合量や混合装置の能力にもよるが、概ね1〜2分程度とする。得られたスラリーは直ちに約1000mlのメスシリンダー2本にそれぞれ1リットル程度入れ、そのうちの1本は直ぐに前記の推奨密度浮ひょうを用いてその示度(ρ0)を計測する。示度は、使用した浮ひょうの密度目盛の値とする。また、別のメスシリンダーに入れた水性スラリーは20℃に温度調整した室内に静置し、1時間経過後に同様に密度浮ひょうによる示度(ρf)を計測する。これら2つの示度の値から前記式を用いて変化率(%)を算出する。以上は推奨される例ではあるが、これに限定されるものではない。
以下、本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明は記載した実施例に限定されない。
[水硬性組成物の作製]
以下に示すA1〜D2から選定される材料を使用し、表1で表す配合量(但し、C1は固型分換算質量)の水硬性組成物を作製した。作製に際し、液状分散剤(C1)以外の材料はヘンシェルミキサーに一括投入して混合し、液状分散剤の配合は後述する水性スラリー作製時に水と共に加えるようにした。また、液状材料や水溶性材料であるC1、C2及びD2を除いた水硬性組成物のブレーン比表面積をJIS R5201の規定に基づいたブレーン空気透過装置を用いて測定した。その結果も併せて表1に示す。
A1;普通ポルトランドセメント(粉末度;3200cm2/g、太平洋セメント社製)
A2;普通ポルトランドセメント(粉末度;7500cm2/g、太平洋セメント社製)
A3;普通ポルトランドセメント(粉末度;9200cm2/g、太平洋セメント社製)
B1;高炉水砕スラグ(粉末度;4100cm2/g、市販品)
B2;高炉水砕スラグ(粉末度;7200cm2/g、市販品)
B3;高炉水砕スラグ(粉末度;9000cm2/g、市販品)
C1;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物を有効成分とする液状分散剤(固型分濃度40質量%、市販品)
C2;ポリカルボン酸を有効成分とする粉末分散剤(太平洋マテリアル社製「コアフローNF−100」)
D1;II型無水石膏(粉末度;7200cm2/g、市販品)
D2;可溶性硫酸塩(硫酸ナトリウム;市販試薬)
Figure 0006278442
[浮ひょうによる水硬性組成物のスラリー密度の測定]
前記の水硬性組成物100質量部に対し、20℃の水300質量部を加え、ハンドミキサーで約90秒間混合してスラリーを得た。得られたスラリー1リットルを容量1リットルのメスシリンダーに直ぐに移し、JIS B 7525;1997密度浮ひょうの付属書4(規定)比重浮ひょうの表3に定める有効目盛範囲1.000〜1.200の浮ひょう(株式会社横田計器製作所製)を前記メスシリンダー内のスラリーに浮かべ、その密度を測定した。この密度として計測された浮ひょうの目盛をスラリー作製直後の示度;ρ0とした。また、同様に得られたスラリー1リットルを容量1リットルのメスシリンダーに直ぐに移し、これを20℃の恒温室で静置させ、1時間経過後のスラリー密度を同様の浮ひょうを用いて測定した。ここでの密度として計測された浮ひょうの目盛をスラリー作製1時間経過後の示度;ρfとした。各示度の値から1時間における20℃でのスラリー密度の変化率を次式で求めた。
変化率(%)=(1−(ρf−1)/(ρ0−1))×100
各示度と算出した変化率を表2に表す。
Figure 0006278442
[スラリーの浸透性と浸透模擬地盤の強度に関する評価]
直径約0.5mmの脱気穴を無作為に100個程設けた底面を具備する内径50mm、高さ500mmの円筒状のポリエチレン製管を該底面が地面と接するように垂直に設置し、この管内に6号珪砂を高さが150mmになるよう流し込み、模擬地盤を作製した。この模擬地盤に、スラリー作製から1時間経過後の密度を測定した前記スラリーのメスシリンダー内のスラリーを上面から上部200mlを慎重に採取し、これを模擬地盤に上面から静かに流し込んだ。そのまま7日間20℃の恒温室に放置した後、ポリエチレン製管内の硬化した部分(硬化物)を取り出し、その長さを測定してスラリー浸透長さとした。また、該硬化物を直径50mm、長さ100mmの円柱形状に加工して供試体とした。この供試体の材齢28日における一軸圧縮強度を、JIS A 1216で規定する「土の一軸圧縮試験方法」に準じて測定した。スラリー浸透長さと硬化物の一軸圧縮強度の値を表3に表す。また、スラリー浸透長さが100mm以上、かつ一軸圧縮強度が1N/mm2以上となったものを地盤改質効果が良好と判断し、それ以外の値又は硬化不良となったものは全て地盤改質作用が不良と判断した。前記良好と判断したものについては○、その中で特に優れていたものには◎、また前記不良と判断されたものは×を付し、評価結果を表2に併せて表す。
[スラリー濃度と浸透性等に関する評価]
表1の水硬性組成物No.1及びNo.9に対し、表3に表すスラリー濃度となるよう20℃の水を添加し、ハンドミキサーで約90秒間混合して水性スラリーを作製した。得られた水性スラリー1リットルを容量1リットルのメスシリンダーに直ぐに移し、これを20℃の恒温室で1時間静置させた。次いで、メスシリンダー内のスラリーを上面から上部200mlを慎重に採取し、これを模擬地盤に上面から静かに流し込んだ。そのまま7日間20℃の恒温室に放置した後、ポリエチレン製管内の硬化した部分(硬化物)を取り出し、その長さを測定してスラリー浸透長さとした。また、該硬化物を直径50mm、長さ100mmの円柱形状に加工して供試体とし、材齢28日における一軸圧縮強度を、前記と同様の方法で測定した。以上の結果と前記と同様の基準で判断した地盤改質効果の評価結果を表3に表す。
Figure 0006278442
目視観察の結果、スラリー作製から静置1時間後には、何れの水硬性組成物(但し、No.23を除く。)のスラリーも程度の差はあるものの沈降物と上澄み液を概ね識別でき、多少の材料分離が見られた。しかし、表2の結果から、本発明の地盤注入材は、全て模擬地盤末端まで浸透し(浸透長さ15cm)、深い場所まで浸透し易いことがわかる。また、その浸透部の硬化物の一軸圧縮強度も比較的高く、強固な硬化物が形成され、優れた地盤改質性を具備することがわかる。これに対し本発明外の水硬性組成物の水性スラリーからなる地盤注入材は模擬地盤の末端まで浸透できないものが多く、また模擬地盤末端まで注入浸透できたものでも浸透部の強度発現性は低いものとなった。尚、水硬性組成物No.23のスラリーは模擬地盤下端まで容易に浸透できたものの、全く硬化しなかったため模擬地盤を固められなかった。さらに、表3の結果から、本発明の地盤注入材は対象地盤等の施工環境に応じてスラリー濃度を変化させても、良好な浸透性と改質強度が安定して得られることもわかる。

Claims (2)

  1. (A)セメント、(B)スラグ及び(C)ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物又はポリカルボン酸を有効成分とする分散剤を、セメントとスラグの質量比(B/A)=1〜100且つスラグとセメントの合計質量と分散剤質量(固型分換算)の比(C/(A+B))=0.0001〜0.02で含有するブレーン比表面積5000cm2/g以上の水硬性組成物の固型分濃度が3.2〜43質量%の水性スラリーからなる地盤注入材であって、前記水硬性組成物にその質量(固型分換算)の3.0倍量の水を加えて作製した20℃のスラリーの密度浮ひょうによる作製直後の密度と作製から1時間静置後の密度の次式に表す変化率が50%以下(0を含む。)であることを特徴とする地盤注入材。
    変化率(%)=(1−(ρf−1)/(ρ0−1))×100
    ここで、ρ0;スラリー作製直後の密度浮ひょうの示度、ρf;スラリー作製1時間静置後の密度浮ひょうの示度。
  2. 水硬性組成物の固型分濃度が3.2〜40質量%の水性スラリーからなることを特徴とする請求項1記載の地盤注入材。
JP2013227633A 2013-10-31 2013-10-31 地盤注入材 Active JP6278442B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013227633A JP6278442B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 地盤注入材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013227633A JP6278442B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 地盤注入材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015086326A JP2015086326A (ja) 2015-05-07
JP6278442B2 true JP6278442B2 (ja) 2018-02-14

Family

ID=53049490

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013227633A Active JP6278442B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 地盤注入材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6278442B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007106961A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 Mitsubishi Materials Corp 地盤注入材
JP2007137745A (ja) * 2005-11-22 2007-06-07 Taiheiyo Material Kk 急硬化材および高浸透性注入材
CN102597165B (zh) * 2009-09-07 2014-11-05 电气化学工业株式会社 地基注入用水硬性水泥组合物以及使用该组合物的地基改良方法
JP6040424B2 (ja) * 2012-02-03 2016-12-07 富士化学株式会社 地盤注入用薬液およびそれを用いた地盤改良工法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015086326A (ja) 2015-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6276027B2 (ja) 速硬性埋設材
JP4533190B2 (ja) 注入材
TW200938506A (en) Concrete optimized for high workability and high strength to cement ratio
TW200938515A (en) Concrete optimized for high workability and high strength to cement ratio
JP5047745B2 (ja) 地盤改良材
JP6032830B2 (ja) セメント系注入材
WO2019142775A1 (ja) 高強度グラウト材組成物及びそれを用いた高強度グラウトモルタル
JP5697228B2 (ja) 可塑性グラウト材
JP2004231884A (ja) 注入材
JP6713736B2 (ja) セメント組成物用pH調整剤、コンクリート組成物、セメント組成物、及びセメント組成物用pH調整剤の使用方法
JP2020164396A (ja) 耐酸性ロックボルト定着材
JP6278442B2 (ja) 地盤注入材
JP7299869B2 (ja) 地盤の改良工法
KR101816937B1 (ko) 지반주입용 수경성 시멘트조성물 및 이를 이용한 지반개량방법
KR101178873B1 (ko) 차수 및 지반 보강용 친환경 가소성 시멘트 혼합조성물
JP2010155758A (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JPWO2019138538A1 (ja) 地盤の改良工法
JP6482861B2 (ja) 水中不分離性モルタル組成物
JP2011079990A (ja) 注入材
CN107162516B (zh) 一种用于固化处理废弃泥浆的固化剂及其应用方法
JP5656139B2 (ja) 地盤改良土および地盤改良方法
JP2016102031A (ja) 空洞充填材
JP6580441B2 (ja) 高流動モルタル組成物
JP2006282442A (ja) 速硬性高流動モルタル
JP5051825B2 (ja) 止水材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6278442

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250