JP6278417B2 - ビタミンdとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物 - Google Patents

ビタミンdとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物 Download PDF

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Description

本出願は、口腔炎症の治療および酸化ストレスの低減に有用な、ビタミンDとユビキノールの局所用サプリメント組成物に関する。
最近の研究により、ヒト歯肉上皮細胞(GEC)は、その両方が抗菌性を示し、かつ生得免疫応答を調節する、デフェンシンおよびカテリシジンLL−37などのペプチドを産生することが示されている。Diamond, G, et. al. (2008) 「Hold defense peptides in the oral cavity and the lung: similarities and differences」 J. Dent. Res. 87:915-927を参照されたい。研究により、これらの抗菌ペプチドは、細菌学的原因である歯周病を予防および制御する上で、重要であることも実証されている。具体的には、これらのペプチドは、免疫応答の向上を引き起こすこと、および歯周病の原因菌であるアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(Aggregaitbacter actinomycetemcomitans)の存在下で、抗菌活性を実証することを示す。これらの抗菌ペプチドの産生を担う遺伝子は、補助的に投与されたビタミンDサプリメント、すなわちビタミンD3[1,25(OH)2D3]およびその前駆体および誘導体の存在下で、上向き制御されるかまたは誘発されて、こうした防御物質(protective agent)の発現の向上が生じ得ることも実証されている。McMahone, L, et. al. (Jun 2011) 「Vitamin D-mediated induction of innate immunity in gingival epithelial cells」 Infect. Immun., 79(6) 2250-7を参照されたい。
本発明は、口腔炎症の治療および酸化ストレスの低減に有用な、局所用のビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物を対象とする。
本発明の目的に適したビタミンDサプリメントには、
ビタミンD、
1、3および25位の炭素上にヒドロキシル基を有するビタミンD化合物、
1α,25−ジヒドロキシビタミンD3のエステル、
1,25−ジヒドロキシビタミンD3のエステル、
1,25(OH)23 1,25(OH)23類似体、
カルシトリオール、25(OH)D3、25(OH)D3の類似体、および
これらの組合せが含まれる。
本発明の目的のための安定なユビキノールサプリメントは、以下の構造式によって表される。
Figure 0006278417
本発明の目的に適したユビキノールサプリメントには、パルミチン酸アスコルビル、プロピレングリコール、およびカルボキシメチルセルロース(carboxyemethylcellulose)を含む安定化用組成物が、ユビキノールに対して約1.5〜2.5の間の重量比で含まれる。
ビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物は、無水エマルション中に、経口腔粘膜吸収促進剤と共に含まれている。
本発明は、口腔炎症の治療および酸化ストレスの低減に有用な、ビタミンDとユビキノールの局所用サプリメント組成物であって、
唾液可溶性無水エマルション担体、
有効レベルのビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物、
ユビキノールサプリメント向け安定化用組成物、
スピランサス抽出物、および、経口腔粘膜吸収促進剤
を含み、
口腔粘膜に適用されると、前記組成物が、前記口腔粘膜に対して永続的な唾液可溶性粘膜付着性ゲルを形成し、
前記唾液可溶性粘膜付着性ゲルが唾液流に継続して曝されると、前記粘膜付着性ゲルは、徐々に溶解して、前記ビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物、前記経口腔粘膜吸収促進剤、およびスピランサス抽出物の前記口腔粘膜に対する制御放出を実現し、
前記ビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物、経口腔粘膜吸収促進剤およびスピランサス抽出物は、前記口腔粘膜と接触すると、前記口腔粘膜を介して受動的に拡散して、
(a)ビタミンDおよびユビキノールのin vivo利用能および免疫応答を制御し、
(b)ビタミンDおよびユビキノールの循環を妥当なレベルに維持し、
(c)高カルシウム血症のリスクを最小限に抑える、
組成物に関する。
本発明のビタミンDとユビキノールのサプリメント組成物は、無水エマルション組成物中で口腔粘膜に局所適用されると、口腔粘膜に対して永続的なゲルを形成する。これらのゲルは、唾液の存在下で徐々に溶解して、一緒にすると口腔粘膜を介してビタミンDとユビキノールのサプリメントの受動拡散をもたらす、安定化用組成物、経口腔粘膜吸収促進剤およびスピランサス抽出物と共に、ビタミンDおよびユビキノールを放出する。
早期の歯周の炎症、すなわち歯ぎん炎は、歯牙組織の全領域において、微生物バイオフィルムの存在により放出されるエンドトキシンに対する炎症反応に起因することが知られている。この状態は、治療しないままにしておくと、歯周炎として知られている一層毒性の高い病態へと進行することが多い。本発明のビタミンDの局所用サプリメント組成物を頻繁に使用することにより、炎症部位においてビタミンD組成物を継続的に放出する粘膜付着性ゲルを形成することによって保護され、これにより、粘膜中にビタミンDの受動拡散が誘発され、ひいては、抗菌ペプチドの産生を高めて、推定上の治療的な免疫調節応答を引き起こすものと考えられる。同時に、粘膜内にユビキノールサプリメントが受動拡散すると、口腔炎症を伴う酸化ストレスが低減される。
拡散したビタミンDサプリメント混合物およびユビキノールは、高カルシウム血症のリスクを最小限に抑えながら、ビタミンDおよびユビキノールの循環を妥当なレベルに維持し、ビタミンDおよびユビキノールのin vivo利用能および免疫応答を制御する。
本発明の組成物中の歯周衛生維持におけるビタミンDの役割
歯周病は、プロ−ビング(probing)の際の出血、歯周付着の喪失、ならびに骨および歯牙喪失をもたらす、局部(local)炎症応答を誘発する、口腔微生物のコンソーシアによって始まる。それらは、心臓疾患、糖尿病、肥満および代謝症候群を含む、全身性状態にリンクしている。歯周病とこれらの全身性状態との間の関連性は、一般的な病態生理学的メカニズムによってそれらをリンクする、低グレードの炎症負荷によるものと思われる。恐らく、局部的に分泌されたサイトカインおよび歯周病原菌は、血流に入り、身体の至るところで損傷を与える一因となる恐れがあり、そうした負荷に対する証拠の一部のように思われる。
腫瘍壊死因子α(TNF−α)およびインターロイキン6(IL−6)は、歯周炎の進行および重症度に関わる全身性炎症の開始および維持における、重要なサイトカインである。さらに、歯周が健全な個体よりも歯周炎患者の方が、これらのサイトカインの血清レベルが高いことが観察されている。
レプチン、アジポネクチン、およびレジスチンは、脂肪組織によって主に分泌されるアジポカインであるが、単球およびマクロファージによっても産生され、炎症に直接影響を及ぼすことができる。Teles, et. al. Journal of Periodontology, 2011を参照されたい。
ビタミンDは、骨成長および維持における重要な役割を有しており、歯周衛生の維持に有益となり得るものである。最近、骨代謝に対するビタミンDの作用によってではなく、むしろ抗炎症メカニズムによって、歯周病、歯牙喪失、および歯肉炎に対する正の効果を有することが示唆された。したがって、局所的な補助ビタミンDサプリメント組成物により、ビタミンDを血清中で妥当な値に維持することは、歯周病の予防および治療において重要となり得る。
ビタミンDは、カルシウムホメオスタシス、骨成長および保存において重要な役割を有する。抗原誘発性T細胞増殖、および免疫調節剤として作用するサイトカイン産生を阻害することが知られている。
最近、ビタミンDは、抗炎症特性も有することが提唱されている。6,700人の対象(Dietrich, et. al., Am. J. Clin. Nutr. 2005, 82:575-580を参照されたい)の解析により、血清中のビタミンDが最高の五分位値にある個体は、出血が有意に少ないこと、平均ポケット深度および臨床的アタッチメントロス、喪失歯数およびBMI数がより低いことが示された。ビタミンD(およびカルシウム)の経口補給は、歯周衛生に対して、特に、プロ−ビングの際の出血、歯肉炎指数およびPDに対して正の効果を有し得ることも示唆されている。Garcia, et. al. J. Periodontol. 82:25-32およびMiley, et. al. J. Periodontol., 2009; 80:1433-1439を参照されたい。
興味深いことに、ビタミンD受容体における多形性は、広汎型侵襲性歯周炎(GAgP)(Park, et. al. J. Clin. Periodontol. 2006; 33:524-528を参照されたい)および重症な慢性歯周炎(Wang, et. al. J. Periodontol. 2009; 80:603-608)にリンクしている。プロ−ビングの際の出血がより少ないこと、平均PD、CAL、および喪失歯数がより低いこと、ならびに病原性微生物レベルがより低いことを示す個体間で、高レベルのビタミンDが循環していることが検出された。さらに、提唱されているビタミンDの抗炎症の役割が、アジポネクチンとの正の相関、ならびにIL−6およびレプチンとの負の相関により確認された。
ビタミンD、1,25−ジヒドロキシビタミンD3[1,25(OH)2D3]の活性型は、カルシウムおよび骨代謝を調節する、細胞増殖および分化を制御する、および免疫調節活性を発揮する、セコステロイドホルモンである。この機能範囲は、続発性副甲状腺機能亢進症から骨粗鬆症、乾癬などの自己免疫疾患に及ぶ様々な状態の治療に、臨床的に利用されている。1,25(OH)2D3の機能およびその免疫調節特性のメカニズムに関する新規な洞察の理解における最近の進歩により、口腔炎症の治療における、このホルモンの一層幅広い適用可能性が示唆される。
カルシトリオールとしても知られている、ビタミンD3の生物活性なジ−ヒドロキシ化活性型は、カルシウムホメオスタシスおよび骨代謝における中心的なホルモンであるが、他のいくつかの機能および特筆すべき強力な免疫調節特性も有しており、補助的な局所補給に魅力的なものである。
米国特許第5,952,317号は、カルシトリオール(calcitiol)誘導体およびその使用を開示している。カルシトリオールは、加水分解可能な基を変えるかまたは修飾することにより制御され、こうしてin vivoで経時的にビタミンDの制御放出を実現することができる。構造上、望ましい生物的性質を有する修飾ビタミンD化合物の重要な特徴は、それらが25−ジヒドロキシビタミンD3の誘導体、または25−ジヒドロキシビタミンD類似体の誘導体である点であり、この場合、加水分解可能な基が、炭素25のヒドロキシル基に結合しており、また分子中に存在している他の任意のヒドロキシル基に結合していてもよい。様々な構造因子、例えば、結合している基のタイプ、サイズ、構造的な複雑性に応じて、これらの誘導体は、様々な部位においてin vivoで、25−ジヒドロキシビタミンD3、または25−ジヒドロキシビタミンD3類似体に加水分解され、こうして、身体中で生物的に活性なビタミンD化合物(すなわち、1,25−ジヒドロキシビタミンD3またはその類似体)の「ゆっくりとした放出」が実現されると考えられる。こうした化合物の「ゆっくりと放出する」in vivo活性プロファイルは、1,25(OH)2D3に由来する化学修飾されている分子と一緒に、誘導体の混合物(例えば、1,25−ジヒドロキシビタミンD3の様々な誘導体の混合物、または1,25ジヒドロキシビタミンD類似体の様々な誘導体の混合物)の使用、または1種または複数のビタミンD誘導体からなる混合物の使用によって、さらに調節することができる。所望の特性を有する類似体を得るために、分子全体にわたり修飾が行われた。1000を超える様々なビタミンD類似体が全世界的に合成されてきた。これらの類似体はすべて、本発明において議論され、かつ特許請求されている、ビタミンDの説明に含まれる。
ビタミンD受容体(VDR):ステロイドホルモンおよびレチノイド酸に対する核内受容体のスーパーファミリーメンバー。このVDRは、最終的にRNAポリメラーゼ媒介性転写速度に影響を及ぼす、1,25(OH)2D3活性化転写因子として機能する。VDRは、カルシウムおよび骨代謝に通常、関与する細胞だけでなく、免疫系細胞などの他の細胞タイプにも存在している。“The coming age of 1,25-dihydroxyvitamin D3 analogs as immunomodulatory agents,” TRENDS in Molecular Medicine. Vol 8, No 4, April 2002を参照されたい。
ビタミンDに対する免疫調節の役割が、2つの重要な観察に基づいて、25年以上も前に、最初に提唱された。第1に、肉芽腫性疾患であるサルコイドーシスの患者由来の単球/マクロファージは、前駆体である25−ヒドロキシビタミンD(25OHD)から、ビタミンDの活性型である1,25−ジヒドロキシビタミンD(1,25(OH)2D)を構成的に合成することが示された。第2に、1,25(OH)2Dに対する受容体(ビタミンD受容体、VDR)は、活性化されている増殖中のリンパ球において検出可能である。これらの観察により、単球により1,25(OH)2Dが産生されるメカニズムは、隣接T−細胞またはB−細胞に作用することができるが、正常な免疫系制御に対するこうしたシステムの影響は定かではないことが示唆された。実際に、免疫応答性の決定因子として、ビタミンDの役割のかなり一層明確な状況が浮かび上がっているのは、最近だけである。新しい2つの概念が、こうした変化を促した。第1に、生得免疫の研究により、ビタミンDによる抗菌活性のイントラクライン(intracine)誘発が、感染に対する単球/マクロファージ応答の極めて重要な構成要素であることが示された。第2に、最適とは言えないビタミンDの状態が、全世界で多くの母集団の一般的特徴となっており、25OHDの単球/マクロファージ代謝およびその後の1,25(OH)2Dの作用を損なう可能性を伴うことが今や明らかである。より最近の総説は、ビタミンDによる生得免疫制御、および口腔炎症を含むヒト疾患に対する関連性に関係している、代謝メカニズムおよびシグナル伝達メカニズムに対する具体的な言及を含めた、これらの新しい進展を詳述している。Martin Hewison, “Review: Vitamin D and the intracrinology of innate immunity,” Molecular and Cellular Endocrinology 321 (2010) 103-111を参照されたい。
この主題の最近の総説において、Holick (2007) N. Engl. J. Med., 357:266-281により、ビタミンDの不足は、ビタミンD欠乏症(50nMまたは20ng/ml)よりも高いが、75nM(30ng/ml)未満となる25ODHの循環レベルにより、特徴づけることができることが示された。Holick 2009, Ann. Epidemiol. 19: 73-7を参照されたい。
したがって、サルコイドーシスの元来の研究以来初めて、単球/マクロファージによる感染に対する生得免疫応答に関する、25OHDのイントラクライン代謝の有益性を詳述するメカニズムを提唱することが可能である。M.tbによる感染などの免疫攻撃(challenge)にもかかわらず、TLRなどの病原体感知受容体は、1α−ヒドロキシラーゼおよびVDRの発現の増強を引き起こす。利用可能な25OHDが十分に存在する場合、次に、これは、局部1,25(OH)2Dレベルを引き上げ、これにより、hCAP遺伝子の転写が刺激されることになり、得られた抗菌性タンパク質は、リソソームに取り込まれて、細菌の死滅を促進する。当初、hCAPは、細菌の細胞膜を分裂させることにより、主に作用すると考えられた。Nizet and Gallo, Scan. J. Infect. Dis., 2003; 35:670-676を参照されたい。
ビタミンDとヒト免疫との間の相互作用に関する新しい見地により、その免疫調節活性に対して中心的なイントラクラインメカニズムが明らかになった。重要なことに、これらのメカニズムは、古典的免疫系、特に皮膚、肺、腸、胎盤および口腔粘膜などの「バリア」部位の外側の様々な組織に由来する細胞にも共通していることが、今や明らかである。ビタミンDに対するイントラクライン応答の媒介に関与する細胞のタイプに関わりなく、これらの研究により、不適切なビタミンDの状態から生じる恐れがある、潜在的な問題が強調された。この後者の問題は、世界中の地域において流行している状態と思われ、ビタミンDの不足の生理的結果および疾患結果、ならび本発明により記載されており、かつ特許請求されている、局部炎症性状態にビタミンDサプリメントを局所投与することの可能性を評価することを目的とした新規な臨床的研究の必要性がさらに強調される。
ビタミンD欠乏症は、感染率の増加と関連している。19世紀前半以来、環境(すなわち、日光)とビタミンDの食物源(すなわち、タラの肝臓)の両方が、TBの治療として認定されてきた。ビタミンDが抗菌ペプチド遺伝子発現を誘発するという最近の発見により、ビタミンDの「抗菌的な」作用が部分的に説明され、免疫機能を改善するビタミンDの能力に新たな関心を強く持たせる。その後の研究により、この制御は、口腔感染を含む傷および感染に対する生得免疫系の応答にとって生物的に重要であること、ならびに欠乏により、細菌性およびウイルス性感染に対する応答が不十分となる恐れがあることが示されている。口腔炎症に応答するためのビタミンDを局所補給する可能性は、最も有望である。
25(OH)Dは、ビタミンD−結合タンパク質に結合している血液中を循環し、ビタミンDの状態の信頼できる指標である。完全に活性化されている状態になるためには、25(OH)Dは、ミトコンドリアの1α−ヒドロキシラーゼ酵素(CYP2781)により、1,25−ジヒドロキシビタミンD(1,25(OH)2D)に変換される。身体の1,25(OH)2Dの大部分は、腎臓の主要な尿細管中で合成されるが、この合成は、CYP2781を発現する細胞によって、腎臓外の多数の部位でも行われる。
1,25(OH)2Dのゲノム作用は、ビタミンD受容体(VDR)を通して調節され、転写因子は、ステロイド/ホルモン受容体ファミリーに属している。
ビタミンDの欠乏症は、骨の健康からがんに及ぶ多数の健康状態に関係しているが、ビタミンD経路による抗菌ペプチド遺伝子の制御が発見されたことにより、免疫系に対するビタミンDの影響に新たな関心がその後に高まった。一生を通じて妥当なビタミンDレベルにより、加齢するにつれて起こる慢性疾病の多くが緩和され得ることを実感するのは特に魅力的である。「局部」ビタミンDレベルは、1日中、ビタミンDサプリメントを繰り返して局所投与することにより、影響を受けることがある。
口腔粘膜、腸管、皮膚、尿路および生殖器などの多くの上皮組織は、環境に常に曝されており、これらの組織中の病原体からの防御をもたらす、ビタミン−D−カテリシジン経路の重要性が、既に主な着眼点となっている。これには、本発明において開示され、かつ特許請求されている通り、口腔粘膜に、経口腔粘膜による継続的な吸収をもたらす組成物から、1日中、ビタミンDサプリメントを局所適用するステップが含まれる。
ほとんどのヒトは、ビタミンDのレベルが不十分であること、および全世界でほぼ10億人に不足があることを考慮に入れると、ヒトにおいて適切に設計された補給研究は、ビタミンDの血清中レベルの向上から得られる恩恵を決めるのに重要となろう。Adrian F. Gombart. The Vitamin D-antimicrobial peptide pathway and its role in protection against infection. Future Microbial. (2009) 4(9):1151-1166を参照されたい。
ビタミンDは、カルシウムホメオスタシスを調節することが知られており、電解質および血圧を調節する役割を有している。ビタミンDの最も活性な代謝産物である1,25(OH)23は、免疫応答を調節すること、および抗炎症活性を有することを示す証拠の数が今やますます増えている。Current Opinion in Gastroentarology. 2010; 26:591-595を参照されたい。
免疫機能におけるビタミンDおよびビタミンD受容体(VDR)の特徴に重要な進展があった。感染および炎症への応答に関与するシグナル伝達経路に関する研究は、VDRによるビタミンDに対する細胞応答の一層の詳細な理解につながった。本発明は、ビタミンDおよびVDRが粘膜免疫、細菌感染、および炎症に影響を及ぼす分子メカニズムに特に関連して、口腔粘膜に局所投与されたビタミンDが、どのように粘膜の免疫機能に寄与するかを理解する最近の進歩に基づいている。
最近、ビタミンDは、T細胞抗原受容体を調節することが示され、さらに、これによりビタミンDが免疫調節において非古典的な役割を有することを実証している。ビタミンDに関する抗炎症機能および抗感染機能が新たに特定され、非常に顕著な活性が本発明の局所ビタミンDサプリメント組成物によって依存する。ビタミンD/VDRは、腸のホメオスタシス、密着結合、病原体侵入、片利共生的な細菌のコロニー形性、抗菌ペプチド分泌、および口腔粘膜の防御に対する応答を制御する上で、複数の重要な機能を有する。興味深いことに、微生物は、VDRシグナル伝達経路を調節する。
ビタミンDは、カルシウムホメオスタシス、および電解質、および血圧の制御における重要なプレーヤーとして知られている。最近、ビタミンDの非標準型活性が、どのように、ヒトの疾患の病因および予防に影響を及ぼすのかを理解するのに重要な進歩がなされた。ビタミンDおよびVDRは、T細胞抗原受容体シグナル伝達に直接関与する。抗炎症および抗感染症にビタミンD/VDRが関与していることは、VDRに対して、新たに特定された非常に重要な活性があることを示している。研究により、VDRの制御異常により過度の炎症応答がもたらされて、ビタミンDが欠乏する可能性を高めること、およびVDRシグナル伝達は、歯周炎を含む細菌性感染症および慢性炎症にリンクし得ることが示された。
全体として、1,25(OH)23の免疫系に対する効果として、TCRを調節すること、Th1/Th17CD4+T細胞およびサイトカインを減少させること、制御性T細胞を増加させること、T細胞によって引き起こされる産生の下向き制御、ならびに樹状細胞分化の阻害が挙げられる。
その抗炎症の役割と一致して、1,25(OH)23は様々な細胞タイプにおける、IL−1、IL−6、IL−8、およびTNF−αなどの多くの炎症誘発性サイトカインの発現を下向き制御する。マクロファージ、樹状細胞、および活性化T細胞を含む免疫細胞は、細胞内VDRを発現し、1,25(OH)23に応答する。
ビタミンD欠乏症は、感染率の増加と相関がある。さらに、1,25(OH)23は、カテリシジン(carhelicidin)などの抗菌ペプチドの発現を誘発する。したがって、最近の研究により、本発明の局所用サプリメント組成物において使用するための、1,25(OH)23の抗感染活性に新たな強い関心が持たれた。Gombert A.F. Future Microbial. 2009; 4:1151-1165を参照されたい。
局所補給によって、身体中の1,25(OH)23レベルを操作すること、およびVDRの機能を回復することは、本発明の局所用サプリメント組成物によって依存する歯周炎の治療に対する新規な手法となる。1,25(OH)23は、歯周炎を含む感染性疾患の予防および治療における使用可能性を促進する、強力な免疫調節特性を有する。Newsson M. Mol. Cell Endocrinol. 2010; 321:103-111を参照されたい。
歯周の外科手術時のビタミンD欠乏症は、1年以内に負の治療転帰をもたらす。データ解析により、ビタミンDの状態が、外科手術後の治癒にとって重要となり得ることが示唆される。(臨床)試験は、政府番号CT00277065である。
ビタミンDの主要源は、ビタミンD2およびD3の形態での、食物摂取および日光暴露であり、これらのビタミンは、肝臓中で25−ヒドロキシビタミンD[25(OH)D]に代謝される。腎臓中でさらに代謝されて、ビタミンDの活性型である1,25−ジヒドロキシビタミンDを産生する。
歯周炎は、細菌による損傷における宿主免疫応答によって誘発される歯槽骨の喪失を特徴とする。ビタミンDが骨の維持および免疫性に重要な役割を果たしているので、ビタミンD欠乏症が歯周組織に悪影響を及ぼす恐れがあるという疑念に対する生物的な論理的根拠が存在する。ビタミンD欠乏症の診断は、25(OH)Dレベルの血清解析によって行われる。血清中の25(OH)Dレベルの正常範囲は、20〜74ng/mLである。欠乏症の状態に関して世界的に認められている絶対的な閾値はないが、ほとんどの権威者は、20〜30ng/mL未満のレベルが、少なくとも中程度の欠乏症を引き起こし、12ng/mLのレベルで重度のビタミンD欠乏症が起こることについて意見が一致している。Bashutski, et. al. J. Dent. Res. 90(8). 1007-1012, 2011を参照されたい。本発明の組成物でのビタミンDの局所補給は、攻撃を受けた細胞の「局部」ビタミンDレベルに影響を及ぼす。
横断的研究において、ビタミンDレベルが低いことは、妊娠中に、歯肉炎、歯牙喪失、臨床的アタッチメントロス、および実質的な(material)歯周病が増加することと関連している。「局部」ビタミンDレベルを増加させるため、本発明の局所用サプリメント組成物によるビタミンDの毎日投与を計画する。
興味深いことに、外科手術時にビタミンDを補給しても、ベースラインの欠乏症に関連する負の臨床的転帰を予防しない。6週間だけ患者にビタミンDを補給し、ビタミン摂取量の増加後、血清中の25(OH)Dレベルが安定するのに最大3か月かかっている。Veith R, et. al. Am. J. Clin. Nutr. 2001 Feb; 73(2):288-94を参照されたい。プラセボ患者において、血清中の25(OH)Dレベルが、6か月までにベースラインレベルに戻ったので、ビタミンDを単独で6週間補給しても、長期的な作用を及ぼさなかった。
データの解析により、個体にビタミンDが不足している場合、歯周の外科手術から最小限の利益しか得ることができないことが示唆される。さらに、外科手術時にビタミンDを補給しても、この影響を予防することができない。ビタミンD欠乏症は、非常に流行しているので、可能な最良の結果を得るために、歯周の外科手術の前に、妥当なビタミンDレベルを十分に確保することが賢明となり得る。歯周の外科手術の前に、ビタミンDの口腔補給を、本発明の局所用ビタミンDサプリメント組成物と組み合わせて、長期間、毎日投与することが推奨される。
疫学的研究により、ビタミンDレベルが低いと、呼吸器ウイルス感染症のリスクおよび重症度が高まり得ることが示唆されている。一研究により、呼吸系発疹ウイルス(RSV)に感染したヒト気道上皮細胞に対するビタミンDの作用が検討された。気道上皮は、25−ヒドロキシビタミンD3(貯蔵型)を1,25−ジヒドロキシビタミンD3(活性型)に変換する。組織中で局部的に産生する活性ビタミンDは、免疫応答に対するその影響を含めた、ビタミンDの非骨格作用にとって重要である。ビタミンDは、気道上皮における、ixBα、すなわちNF−xB阻害物質を誘発し、IFN−βおよびCXCL10などのNF−xB推進性遺伝子のRSV誘導を低下させることが見いだされた。気道上皮細胞をビタミンDに曝すと、重要な抗ウイルス活性を有するIFN刺激タンパク質(例えば、ミクソウイルス耐性Aタンパク質、および15kDaのIFN刺激タンパク質)の誘導を低下させることがさらに見いだされた。RSV誘発性遺伝子発現とは対照的に、ビタミンDは、IFNシグナル伝達には影響を及ぼさず、単離されたIFNは遺伝子発現を誘発した。非分解型のIkBaを発現するアデノウイルスベクターを有するNF−kBを阻害することにより、ビタミンDの作用が模倣された。ビタミンD受容体が低分子干渉RNAにより発現抑制された場合、ビタミンDの作用が消滅した。最も重要なことに、1kBaを誘発し、ケモカインおよびIFN−βを低下させるにもかかわらず、ウイルスのmRNAもしくはタンパク質、またはウイルス複製は何ら増加しないことが見いだされた。
ビタミンDは、ウイルスのクリアランスを危険に曝すことなく、気道上皮中のウイルス感染に対する炎症応答を低下させると結論づけられた。これは、妥当なビタミンDレベルは、RSVに感染した個体における炎症の低減および重症度がより低い疾患の一因となることを示唆する。
ビタミンDは、カルシウムホメオスタシスにおけるその古典的役割を逸脱する機能を有する、多分化能ホルモンとして、認識がますます高まっている。疫学的および基礎研究検討からの急速に増えている証拠により、ビタミンDが免疫応答を調節することができることが明らかにされている。ビタミンD欠乏症は、非常に流行しており、歯周炎を含めた、いくつかの炎症性疾患のリスクと感染症への感受性の増加の両方に関連している。活性ビタミンDの限定的な組織特異的産生は、本発明のサプリメント組成物に依存する、非古典的なビタミンD機能の重要な構成要素になると思われる。以前に公開されたデータにより、正常な肺の上皮は、25−ヒドロキシビタミンD3(ビタミンDの貯蔵型)を1,25−ジヒドロキシビタミンD3(1,25D)(ビタミンDの活性型)に構成的に変換すること、および活性なビタミンDの産生は、ウイルス感染の存在下で増加することが示された。
炎症は、宿主防御の必須な構成要素である。しかし、微生物または炎症に対して強すぎる応答は宿主に有害となり、臓器機能の障害に至る恐れがある。ビタミンDは、多発性硬化症および1型糖尿病などの炎症性疾患の動物モデルにおいて、炎症性ケモカインの産生を阻害することが知られている。
NF−kB転写制御因子のファミリーは、免疫応答を制御する幅広い範囲の遺伝子発現を調和する際に、中心的な役割を有する。NF−kBタンパク質は、1xBに関連する細胞質中に存在している。IxBは、細胞刺激後の1xBキナーゼによってリン酸化され、それらは、ユビキチン/プロテアソーム分解経路による破壊を標的としている。1xBの分解により、NF−kBタンパク質の核への移動、それらのDNA結合部位への結合、および様々な遺伝子の活性化を可能にする。Sif Hansdottir, et. al., The Journal of Immunology. 2010; 184: 965-974を参照されたい。
ビタミンDのホルモン形態は、抗菌ペプチドすなわちカテリシジンを上向き制御し、様々なバリア部位および免疫細胞中の細菌のクリアランスを増強する。ビタミンDは、T細胞活性化、ならびに抗原提示細胞(ACP)、特にDCの表現型および機能に対する直接的な作用によって、適応免疫系を調節する。
ビタミンD受容体(VDR)、および免疫系の細胞によって発現される重要なビタミンD代謝性酵素の発見に伴い、免疫系における細胞制御に関するビタミンDの重要性の認識が、過去十年間にわたり高まっている。動物研究、初期の疫学的かつ臨床研究により、免疫系バランスを維持する際のビタミンDに関する潜在的な役割が支持された。
ビタミンDは、感染に応答するカテリシジンなどの抗菌ペプチドを上向き制御することによって、生得免疫を強化すると、現在信じられている。本発明の局所用サプリメント組成物により、抗菌ペプチドのこうした上向き制御が依存される。
したがって、カテリシジンなどの抗菌ペプチドは、とりわけ口腔粘膜などのバリア部位において、様々な感染に対する生得免疫応答の不可欠な部分を構成している。
総合すると、これらの知見により、1,25(OH)23が、様々な異なる細胞上で、抗菌ペプチド産生、主にカテリシジンを上向き制御すること、および本発明のビタミンDサプリメント組成物中で依存し得ることが示唆される。
要約すると、免疫系に対する1,25(OH)2Dの作用には、Th1/Th17 CD4+T細胞およびサイトカインの減少、制御性T細胞の増加、T細胞推進性IgG産生の下向き制御、および樹状細胞の分化の阻害が含まれる。1,25(OH)2Dは、防御的生得免疫応答を増強しながら、適度に熱心な適応免疫応答を制御することによって、自己耐性を維持する一助となる。Diane L. Kamen and Via Taagpricha. Vitamin D and molecular actions on the immune system: modulation of innate and autoimmunity. J. Mol. Med. (2010) 88:441-450を参照されたい。
本発明の局所用サプリメント組成物によって投与されたビタミンDは、微生物による炎症メディエーターの放出によって、宿主防御細胞の活性化が関与する炎症状態である、歯周病(これは、接合組織および歯槽骨を含む歯周支持組織の破壊をもたらす)の治療に有益となり得る。
12,000名の成人を含めた、第3回全国健康栄養調査(NHANES III)により、歯周衛生とビタミンDとカルシウム摂取量との間の有意な相関関係が明らかになった。したがって、この大きなコホートからのデータは、食物によるビタミンDおよびカルシウムの摂取量がより少ないと、用量依存的に歯周衛生が悪くなる一因になり得るという仮説を支持していると思われる。
定期的な歯周ケアプログラムに参加している患者においては、食物によるカルシウムまたはビタミンDサプリメントにかかわらず、歯周衛生が改善している。しかし、カルシウムの摂取およびビタミンDの補給は、そのようなサプリメントをとらない場合に比べて、より優れた歯周衛生を伴う。以前の報告は、ビタミンDが抗炎症効果によって歯肉炎に対する感受性を低下させ得ることを示唆しており、一研究は、25(OH)DとBOPとの間には逆直線性相関があることを実証した。この報告と一致して、本発明者らは、サプリメントの摂取者において、BOPがより少ないことおよび炎症がより少ないこと、対象が歯周の維持療法を受けている間、ベースラインにおいて明白で、かつ1年間有意性がある差異を観察した。様々な共変数を含むため、ここで報告されたベースライン解析の結果は、同じ母集団中で以前に報告されたものとは、わずかに異なることに留意すべきである。M. Nathalia Garcia, et. al. one-Year Effects of Vitamin D and Calcium Supplementation on Chronic Periodontitis. J. Periodontol. 2011; 82:25-32を参照されたい。
ビタミンDの最適レベルは、歯周病に対する免疫抑制効果を有するべきである。D. Dixon, et. al. Calcium and vitamin D use among adults in periodontal disease maintenance programmes. British Dental Journal. 2009: 208:827-831を参照されたい。
骨格ホメオスタシスに対するビタミンDの作用に加え、ビタミンD、特にそのホルモン活性型である1α,25−ジヒドロキシビタミンDは、免疫細胞、および単球−マクロファージ系細胞による抗菌作用を有するペプチドの刺激分泌による炎症性サイトカイン産生の調節によって、抗炎症および抗菌効果を有している。これらの特性は、「局部」口腔感染症治療用の局所用サプリメント組成物に役立つ。
臨床的およびX線写真測定はすべて、ビタミンDおよびカルシウムの口腔補給をした対象に関すると、より優れた歯周衛生を示している。さらに、対象がすべて、歯周維持プログラムに登録されているので、これらのデータは、ビタミンDおよびカルシウムのサプリメントの摂取は、標準的な歯周ケアの他に、有益な効果を示し得るという見解と一致している。
結果は、ビタミンDおよびカルシウム補給が、歯周病管理の構成要素として、支持され得ることを示唆している。D. Douglas, et. al., J. Periodontol. Sept. 2009; 80:1433-1439を参照されたい。補給には、1日中、繰り返して適用される、局所サプリメントが含まれる。
得られた推奨は、広く変わる。しかし、ビタミンDは、筋力、結腸がんおよび炎症性疾患などの、骨の健康以外の様々な転帰に対する有益な作用を有する可能性がある。現在の研究において、本発明者らは、歯肉炎との相関が、それより高い濃度で横ばい状態になる、25(OH)Dの血清中濃度の閾値に関する証拠を見いださなかった。したがって、ビタミンDの抗炎症効果は、恐らく90〜100nmol/Lの血清中濃度まで広がり得る。これらの結果は、歯肉炎に対するビタミンDの抗炎症効果と一致しており、これは、ビタミンDが歯周病予防に有益となり得る代替経路となり得る。
本発明の組成物によるビタミンDの局所補給により、その抗炎症効果によって歯肉炎に対する感受性が低下し得る。歯ぎん炎は、局所用ビタミンDサプリメント組成物の抗炎症効果を評価する、有用な臨床モデルになることがある。Thomas Dietrich, et. al. Am. J. Clin. Nutr. 2005;82-575を参照されたい。
前記の参照の全体はすべて、参照により本発明に組み込まれている。
酸化ストレスの低減における、本発明の組成物中のユビキノールの役割
CoQ10は、生体中のすべての細胞、組織、および臓器中で見いだされる、必須の脂溶性キノン分子である。CoQ10は、生体中の他の酵素とパートナーを組み、エネルギー生成および遊離ラジカル生成を含めた、細胞および身体の健康に重大な役割を果たしている。生体内のCoQ10産生は、加齢と共に減少する。CoQ10は、抗酸化剤の可能性を有すること、およびミトコンドリア内膜中のATP産生を促進することが示されている。
CoQ10に関して、酸化(ユビキノン)および還元(ユビキノール)型が特定されている。ユビキノンは、電子供与体としてNADPHを使用するNADPH依存性CoQ10還元により、ユビキノールに変換される。ユビキノールは、生体内で補酵素の活性型として存在することが知られている。ユビキノンがラットに経口投与された研究において、リンパ液から検出されたCoQ10分子のほとんどは、ユビキノールの形態をしており、このことは、この補酵素が、腸管から吸収された直後に還元されることを示唆している。生体内で循環しているユビキノール分子は、肝臓においてリポタンパク質に取り込まれ、血流によって身体の至るところの組織に分布される。
これらの分子は、様々な要因により引き起こされる酸化ストレスに曝されると、血液中で、酸化された分子へと変換されるように思われる。しかし、ユビキノン分子が、肝臓内で再還元されるので、健常なヒトの血液中に存在しているすべてのCoQ10分子の90%より多くの分子が、ユビキノールの形態にあり、この分子が強力な還元状態にあることが示唆される。
CoQ10(ユビキノン)は、論文審査のある多数の科学雑誌において公開されている通り、生体内にはうまく吸収されないことが十分に確定されている。還元型CoQ10(ユビキノール)は、2つの追加水素を有しているので、該分子の作用部分上の2つのケトン基がヒドロキシル基に変換される。これは、CoQ10分子の極性増加を引き起こし、ユビキノールの観察された生体利用率の向上の背後にある、重要な要因であり得る。経口的には、ユビキノールはユビキノンよりも大きな生体利用率を示す。1日あたり150mgのソフトゲル中のユビキノールにより、28日以内に血中の最大値が3.84mcg/mlになった。還元型CoQ10は、酸化型CoQ10よりも迅速かつ多量に吸収される。株式会社カネカに譲渡された、米国特許第6,184,255号を参照されたい。
酸化ストレスは、血漿中CoQ10濃度および組成の変化として検出可能であり、「危険性のある」患者により受ける口腔炎症において、重要な役割を果たす。例えば、コエンザイムQ10(CoQ10)(酸化型(ユビキノン)と還元型(ユビキノール)の両方)の不足は、歯ぎん炎および歯周炎に関連する歯ぎん、歯肉、および粘膜に関与している。「局部」酸化ストレスは、粘膜炎、stomatitis、鵞口瘡などを含む、「危険性のある」患者が受ける口腔の炎症性状態に関係しており、本発明の局所用口腔サプリメント組成物の標的である。
ユビキノールは、酸化ストレスに関連する口の抗酸化剤防御に利用可能な最初の脂質可溶性抗酸化剤である。本発明の無水エマルション組成物によって、口腔粘膜に局所適用されるユビキノールサプリメントは、口腔において酸化ストレスに応答する、最初の脂質可溶性抗酸化剤と思われる。この点において、口腔の「局部」体循環中のユビキノールの血漿中の酸化還元状態は、「局部」全身性酸化ストレスの尺度を提供する。
本発明の局所用サプリメント組成物を用いる、「局部」の口腔炎症のマーカーに対する補助的なユビキノール媒介性作用は、いくつかの炎症誘発性サイトカインの分泌の低下を示すことが予期される。バイオフィルムの酸化ストレスによって引き起こされるミトコンドリアの機能異常によって示される、核またはミトコンドリアDNAへの損傷は、様々な口腔の炎症性状態の中で共通するリンクであると提唱されている。
歯ぎん炎および歯周炎は、バイオフィルムに生存している細菌によって引き起こされる炎症性障害である。血流および歯肉中の酸化ストレスは、歯ぎん炎および歯周炎を含む、口腔の炎症性障害によって増加することが知られている。この酸化ストレス、すなわちユビキノール欠乏の正味の影響は、本発明の組成物により緩和されることになる。以下を参照されたい。
Littaru, et. al. 「Deficiency of coenzyme Q10 in gingival tissue from patients with periodontal disease.」 (1971) Proc. Nat. Acad. Science USA 68:2332-2335。
Nakamura, et. al. 「Deficiency of coenzyme Q10 in gingiva of patients with periodontal disease.」(1973) Int. J. Vit. Nut. Res. 43:84-92。
ユビキノールおよびコエンザイムQ10(CoQ10)による歯肉疾患の治療が、以下によって報告されている。
Folkers K (1992) 「A critique of 25 years of research which culminated in the successful therapy of periodontal disease with coenzyme Q10.」 J. Dent. Health 42:258-263。
McCree, et. al. (1993) 「Therapy with coenzyme Q10 for patients with periodontal disease.
Effect of coenzyme Q10 on subgingival microorganisms.」J. Dent. Health 43:659-666」。
Hanioka, et. al. 「Effect of Topical Application of Coenzyme Q10 on Adult Periodontitis.」 (1994 Molec. Aspects of Med. Vo. 85 (Supplement) pp. S241-S248。
2011年6月4日および5日に広島において開催された、「第63回日本ビタミン学会」に、K.SugawaraおよびN.Suganoによって発表された、「Effect of the reduced form of coenzyme Q10 (ubiquinol) on oral environment for periodontal disease」に関する、株式会社カネカ/日本大学の共同研究。
歯ぎん炎、歯周炎を含む、口腔炎症は、コエンザイムQ10(酸化型と還元型の両方)の欠乏を伴うことがよく確立されている。Haniokaら(1994年)は、6週間、シリンジによって、歯肉部位に、毎週1回、CoQ10を局所適用した。著者は、以下を報告した。
「機械的デブリードマンと組み合わせて局所適用された後の、CoQ10による治療部位におけるプロ−ビング時の出血に、著しい改善が見られた。」
「0日目に出血のあった部位は、6週目には出血を示さなかった。この治療の効果は、歯肉下の機械的デブリードマン後の実験部位にしか統計的な有意性がなかった。」
「局所適用が単独治療として提供された場合、歯周のプロ−ビング深度、臨床的アッタッチメントレベル、および歯肉溝滲出液流は、CoQ10による治療部位にしか改善を示さなかった。」
「したがって、CoQ10の局所適用により、歯周病原性微生物に対する、歯周組織の耐性が増強される。」
「成人の歯周炎が、単独治療としてだけではなく、従来的な非外科的歯周治療と組み合わせても改善する。」
しかし、歯肉組織に吸収されたCoQ10の量は、このパイロット研究では求めなかった。
2011年6月に、株式会社カネカ/日本大学は、2か月間、カプセルのユビキノール@150mg/日を経口投与すると、「歯周病に関する口腔環境の改善に有効である。」と報告している。
Folkers K.(1992年)は、以下を述べている。
「したがって、CoQ10は、歯周病の予防的処置と治療的処置の両方に推奨される。」
「CoQ10の歯周病患者への投与に起因する、並外れた治癒および歯科的利益に基づくものとして、生体エネルギー論において内因性CoQ10が不可欠であることが強調される。」
「CoQ10が生体エネルギー論を改善することができること、および型にはまった歯周治療中、並外れた治癒のために、予防的かつ補助的に使用することができると結論づけた。」
「歯周病および特に微生物を低減する、このCoQ10治療は、免疫メカニズムを改善して疾患を制御するので、抗菌剤と組み合わせた通常の治療よりも好ましいと結論づけた。」
1994年から現在まで、株式会社カネカによるCoQ10に関する公表されている広範な研究により、以下が確立されている。
(a) 酸化型CoQ10(ユビキノン)と比較して、還元型コエンザイムQ10(ユビキノール)は血流への吸収速度が速い。
(b) 空気および/または光に曝されると、ユビキノールの利用能に影響を及ぼす安定性問題が存在する。
(c) ユビキノンおよびユビキノールの血漿中レベルを正確にモニターする手順が開発された。および、
(d) 歯周炎患者の歯肉下の微生物の割合のシフトは、ユビキノールの補助療法に起因する。注意:これは、本発明において記載されており、かつ特許請求されている通り、口腔粘膜上に補助的なユビキノール無水エマルション組成物を投与することに基づいて、酸化ストレスを軽減する提案を行うための重要な知見である。
追加的な関連参照文献には、以下が含まれる。
Nylander M. and Nordlund M. (1991). Clinical effects on periodontal status after given oral supplement of ubiquinone. Swed. J. Biol. Med. 1, 6-11。
Wilkinson E.G., Arnold R.M., Folkers K., Hansen I. and Kishi H. (1975). Bioenergetics in clinical medicine. II. Adjunctive treatment with coenzyme Q10 in periodontal therapy. Res. Com. Chem. Path. Pharm. 12, 111-124。
Wilkinson E.G., Arnold R.M. and Folkers K. (1976). Bioenergetics in clinical medicine. VI. Adjunctive treatment of periodontal disease with coenzyme Q10. Res. Com. Chem. Path. Pharm. 13, 715-719。
Hanioka T., Tanaka M., Ojima M., Shizukulski S. and Folkers K. (1994). Effect of topical application of coenzyme Q10 on adult periodontitis. Molec. Aspects Med. Vol. 15 (Supplement) S241-S248。
Kishi T., et. al. (1993). Journal of Dental Health. 43:667-672。
Shimura Y., et. al. (1981). Rinsho-to-Kenkyu, 58, 1349-1352。
米国特許:第7,897,169号、第7,303,921号、および第6,184,255号。
炎症一般およびユビキノールサプリメント
本発明は、「酸化ストレス」、および還元型ユビキノールレベルを通常伴う、口腔内の炎症を緩和することを対象としている。本発明の組成物によって「局部」口腔粘膜へ局所適用される、補助的なユビキノールサプリメントは、炎症の循環マーカーの減少によって証明される、抗炎症効果をもたらしつつも、酸化ストレスを低減する。以下を参照されたい。X. Wang, et. al. Am. J. Clinical.Nutr. 2004, September; 80(3):649-655。
「ビタミンEおよびコエンザイムQ10による共補給により、ヒヒ類において、炎症の循環マーカーが減少する。」ビタミンEが、本発明の組成物に添加されてもよい。
「炎症および酸化ストレスは、血管疾患における、早期の代謝異常に印をつける過程である。
食物によるビタミンEの補給は、健常なヒヒ類において、CRP濃度によって示されるベースラインの炎症状態を低下させる。CoQ10による共補給により、ビタミンEのこうした抗炎症効果が顕著に増強される。」
Schmelzer, et. al. J. Clin. Biochem. Nutr. 44:62-66、January 2009によって、ユビキノールを用いて行われた、その後の「炎症」研究により、以下が示された。
「ヒト単球細胞系THP−1においてLPSに応答する、TNF−αおよびケモカインの分泌レベルに対する、還元型コエンザイムQ10のin vitro効果」
「結論として、我々の結果により、還元型CoQ10は、様々な炎症性サイトカインおよびケモカインに対して、in vitroで抗炎症効果があることが示された。」
「還元型コエンザイムQ10であるユビキノールは、脂質膜の強力な抗酸化剤として働く。」
本発明の無水エマルション組成物を局所投与すると、唾液の存在下で、粘膜付着性ゲルが形成され、このゲルは、唾液によって溶解するまで、口腔粘膜上に安定なユビキノールサプリメントを継続的に放出する。この抑制投与量は、循環しているリポタンパク質内で、「局部」ユビキノール欠乏を、全身性「摂取」速度で補助的に回復させることにより、ユビキノールの治療可能性を最大限にするよう設計される。1日中の、本発明の無水エマルション/ユビキノール組成物を含む口腔ゲルの局所多回用量により、酸化ストレスによって引き起こされる「局部」ユビキノール欠乏に対して、継続的な補助的応答がもたらされる。これらの局所多回用量は、全身性ユビキノール摂取に応答するよう企画される。酸化ストレスによって引き起こされる局部ユビキノール欠乏に対するこうした制御された補助的投与による応答は、1個または複数のユビキノールカプセルを毎日使用して経口投与されるユビキノールサプリメントからは得ることができないものである。
安定なユビキノールサプリメントの水溶性の低さ(0.1mg/ml未満)および865という高い分子量により、以下がもたらされる。
(1) ユビキノールサプリメントは消化管からゆっくりと吸収される、すなわちピーク濃度に到達するのに約6時間が必要であり
(2) 治療の2週間以内に、定常状態濃度に達する。
対照的に本発明の安定なユビキノールサプリメント組成物の局所多回用量の投与は、口腔ゲルおよび歯科用具による1日1回のフロスからの継続的な経口腔粘膜(舌下)吸収に依存し、「局部」体循環(リンパ系、血流、歯肉など)に直接入る。本発明の安定なユビキノールサプリメント組成物のこうした代替投与により、薬物が代謝を受ける場所において、経口投与された薬物が受ける「初回通過薬物効果」が回避される。この「初回通過薬物効果」により、経口投与された安定なユビキノールサプリメントは、体循環に到達する前に、生体利用率が低下する。>3.5μg/mlという、血漿中の治療的ユビキノールレベルの目標値(objective)が、酸化ストレスに関連した口腔内の炎症誘発性サイトカインの分泌を減少するのに十分であると見積もられる。口腔内の全身性酸化ストレスのレベルは、血漿中のユビキノールの酸化還元状態によって確定することができる。
カプセルによる同等量の安定なユビキノールサプリメントの単回経口投与に対する、酸化ストレス下、口腔ゲルから「局部」口腔粘膜に、1日中、反復用量で適用される本発明の安定なユビキノールサプリメント組成物の局所多回投与について提唱される利点には、
・用量レベルが低下するにつれ、吸収効率は向上する
・生体利用率は、「初回通過薬物効果」の回避により最適化される
・安定なユビキノールの最大の治療可能性は、より長期間にわたり、より早く達成される。
・身体全体にわたるユビキノール欠乏を標的とするのに対して、「局部」ユビキノールの全身性欠乏が直接、標的とされる
・局所投与の制御は、様々な口腔組織に対して変動するユビキノールの血漿中の閾値を受け入れるように行うことができる
・小腸において経粘膜吸収を受けて、身体全体のユビキノール欠乏から回復することを目標とする、安定なユビキノールサプリメントの経口投与であるのに対して、口腔粘膜への安定なユビキノールサプリメントの局所投与は、経口腔粘膜吸収による「局部」ユビキノール欠乏を回復すること目標としている
・口腔ゲルからの、本発明の安定なユビキノールサプリメント組成物10〜20mgの「局部」局所単回投与は、口腔粘膜上での唾液可溶性無水エマルションの寿命を延長する(すなわち30〜60分)。こうした制御放出性多回投与は、体循環中への安定なユビキノールサプリメントの摂取、および酸化ストレスによって引き起こされる継続的な微生物相の攻撃に応答する。これは、安定なユビキノールサプリメントカプセル100〜200mgを単回経口投与するのとは、対照的である
・8〜12時間かけて、局部的に総量50〜200mgとなる安定なユビキノールサプリメントの局所多回投与は、酸化ストレスによって引き起こされる継続的な炎症攻撃に対して一層効果的に応答する。この延長された局所投与は、継続した酸化ストレスに起因する局部ユビキノール欠乏に応答しながら、生体利用率の最適化を意図したものである
が含まれる。
ユビキノールは、生合成される、脂質可溶性の最も強力な抗酸化剤であり、脂質、タンパク質およびDNAに対する酸化損傷に対して、攻勢防御をもたらすと考えられる。
ユビキノールサプリメントは、酸素の存在下では不安定であり、2008年に経口カプセルが導入されて以来、その使用が限定されてきた。2008年から現在まで、多数の会社の局所投与用のユビキノールを安定化する試みによる、研究開発努力は成功していない。
本発明は、ドライマウスおよび酸化ストレスに起因する口腔の不快感を軽減するための、口腔粘膜への局所適用向けKanekaQH(商標)ユビキノールサプリメントの安定化および調剤化における、研究開発および製造上の主要な技術躍進を示す。
本発明は、無水エマルション技法に依存しており、この技法には、「局部」循環系に拡散させるための、KanekaQH(商標)ユビキノールサプリメントを口腔粘膜に輸送する粘膜粘着特性が含まれる。所有権:製剤化、加工、およびこれを組み合わせるための調剤化条件により、KanekaQH(商標)ユビキノールサプリメントの酸化特性が損なわれないこと、および「還元型」KanekaQH(商標)ユビキノールは、口腔粘膜に局所的に送達されることが確実となる。
現在まで、ドライマウスを伴うユビキノール欠乏からの回復は、経口投与される補助的なKanekaQH(商標)ユビキノールサプリメントカプセルによるものが主である。同封されている参照文献を参照されたい。
本発明の「集中ケア」用の口腔ゲルサプリメント組成物は、粘膜上の粘膜付着性ゲルを形成する、ユビキノール/無水エマルションの局所投与に依存している。この所有権である粘膜付着性ゲルは、継続的に、
(1) 唾液の流動性を増強するためのスピランサス抽出物、および
(2) 経口腔粘膜吸収促進剤と一緒になった、KanekaQH(商標)ユビキノールサプリメント(還元状態)
を放出する。
安定なKanekaQH(商標)ユビキノールサプリメントは、その粘膜への吸収促進剤と組み合わされて、粘膜付着性ゲルから継続的に放出され、次いで、粘膜を介してユビキノールサプリメントが拡散する。吸収促進剤と組み合わせた、安定化KanekaQH(商標)ユビキノールサプリメントは、「局部」血流、リンパ、歯肉、および/または口腔粘膜を介する「受動拡散」によって唾液腺に入る。このユビキノールの「集中ケア」用口腔ゲルの補助的な局所投与は、「局部」ユビキノール欠乏からの回復、唾液の流動性の向上、酸化ストレスによって損傷を受けた唾液腺の回復の一助となり、引用参照文献において議論されている口腔の不快感の軽減をもたらすよう企画されている。
還元状態にあるKanekaQH(商標)ユビキノールサプリメントのこうした経口腔粘膜による吸収は、粘膜付着性ゲルが唾液によって溶解されるまで続く。粘膜付着性ゲルの口腔粘膜への持続性は、粘膜付着性ゲルに様々な樹脂製修飾物を用いて延長することができる。最適結果に関すると、ユビキノールの「集中ケア」用口腔ゲルの多回局所適用は、1日中、推奨される。
本発明の局所用口腔サプリメント組成物の特徴:
・所有権である無水エマルション中に維持されている、還元状態のKanekaQH(商標)ユビキノールサプリメントは、このエマルションが唾液に曝されて、唾液およびユビキノールサプリメントによって最終的に溶解する粘膜付着性ゲルを形成するまで、口腔粘膜中に受動的に拡散する。
・口腔粘膜において「局地的」に消費されるユビキノールレベルを、直接かつ迅速で補助的に局所補給することにより、健全な酸化還元バランスが回復する。
・口腔粘膜の吸収促進剤と組み合わせた、KanekaQH(商標)ユビキノールサプリメントは、「局部」口腔粘膜による、迅速で最適な吸収および同化を確実にする。
・局部口腔粘膜における遊離ラジカルを中和し、これにより普通なら、「集中ケア」患者の疾患の一因となるか、またはこれを悪化させると思われる、粘膜の細胞損傷を予防する。
・「集中ケア」患者の「局部」口腔粘膜に、脂質、タンパク質、およびDNAへの酸化的損傷に対する継続的な攻勢防御を提供する。
・以下を含む、酸化ストレスに関連する一連の経口状態にある「集中ケア」患者に、口腔の不快感を緩和する一助となる。
・ドライマウス、口内乾燥、シェーグレン病、狼瘡など
・炎症:歯ぎん炎、歯周炎、歯周炎、インプラント周囲炎、粘膜炎、stomatitisなど
・歯周治療専門医、歯科矯正医、歯内治療医、口腔外科医などによる口腔ケア専門医による治療、
・がん、糖尿病、COPD、心臓血管状態などに対する医療的手順、および/または
・「集中ケア」患者の、「遊離ラジカルをベースとする」酸化ストレスをもたらす様々な全身性状態。
「集中ケア」ドライマウス患者のための、本発明の局所用サプリメント組成物を含む局所補助的補給:
・酸化ストレスおよびドライマウスに対する強力な保護的防御を特徴とする、非常に強力な抗酸化剤による、「局部」口腔粘膜細胞を保護する。
・酸化ストレスおよびドライマウスに関連する口腔の不快感を迅速で継続的に「局部」緩和をもたらしつつ、「局部」口腔粘膜への、ユビキノールサプリメントの迅速で直接的な拡散をもたらすだけでなく、経口投与されたKanekaQH(商標)ユビキノールサプリメントカプセルに関連する、「初回通過効果」も回避する。
・健康なライフスタイルの維持を求める、「集中ケア」ドライマウス患者のための、重要な局所用サプリメントと考えられる。
本明細書において引用されている参照文献はすべて、その全体が、参照により本発明に組み込まれている。
本発明の好ましい実施形態では、ビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物は、本発明の局所用口腔サプリメント組成物中に含まれており、この場合、ビタミンDサプリメントは、抗菌ペプチドであるカテリシジンを上向き制御することにより生得免疫を強化し、かつユビキノールサプリメントは、「局部」ユビキノールレベルを向上させることにより、酸化ストレスを低減する。
本発明の特に好ましい実施形態では、ビタミンDのホルモン活性型である1α,25−ジヒドロロキシ(dihydoxy)ビタミンDである、ビタミンDの局所用口腔サプリメントは、抗菌特性(property)の分泌を刺激することによって、炎症性サイトカイン産生の調節による抗炎症および抗菌効果を示す一方、ユビキノールは、ユビキノールの補助的補給により、炎症に関連する酸化ストレスを低減する。このビタミンDサプリメント組成物は、ビタミンDのホルモン活性型である1α,25−ジヒドロキシビタミンD(カルシトリオール)で、免疫調節特性を示す一方、ユビキノールサプリメントは、ユビキノールの補助的補給により、炎症カスケードを妨害して酸化ストレスを低減する。
本発明の別の実施形態では、ビタミンDサプリメントの抗炎症性、および1α,25−ジヒドロキシビタミンDの抗菌効果は、ビタミンD受容体(VDR)を通して調節される。
本発明の好ましい実施形態では、免疫系に対する、ビタミンDサプリメントである、1α,25−ジヒドロキシビタミンDの効果として、
TCRを調節する、
TH1/TH17CP4およびT細胞ならびにサイトカインを減少させる、
制御性T細胞を増加させる、
T細胞によって引き起こされる産生を下向き制御する、および
樹状細胞分化を阻害する
ことが挙げられる。
本発明には、
有効レベルのビタミンDとユビキノールのサプリメントとの混合物、
サプリメント混合物向け唾液可溶性無水エマルション担体、
パルミチン酸アスコルビル(acorbyl)、プロピレングリコール、およびカルボキシメチルセルロース(carboxymetholcelluose)を、ユビキノールに対して約1.5〜2.5の重量比で含む、ユビキノール向け安定化用組成物、
経口腔粘膜吸収促進剤、および
スピランサス抽出物、
を含む組成物において、口腔粘膜にビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物を局所投与するステップを含む、口腔炎症の治療および酸化ストレスの低減のための方法であって、
口腔粘膜に適用されると、前記組成物は、前記口腔粘膜に対して永続的な唾液可溶性粘膜付着性ゲルを形成し、
前記唾液可溶性粘膜付着性ゲルが唾液流に継続して曝されると、前記粘膜付着性ゲルは、徐々に溶解して、前記ビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物、前記経口腔粘膜吸収促進剤、およびスピランサス抽出物の前記口腔粘膜に対する制御放出を実現し、
前記ビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント混合組成物のための適用手段が、前記組成物でコーティングされた歯間デバイス、口腔ゲル、口腔軟膏、口腔ペースト、口腔ワニス、口腔液、口腔シーラント、口腔リンス液、およびこれらの組合せからなる群から選択され、
口腔炎症の治療が、ビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物を含有している前記組成物でコーティングされた歯科用具を用いる毎日の局所投与と組み合わされて、ビタミンDとユビキノールのサプリメントゲルにより、1日中、繰り返して適用される組成物中のビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物を局所投与するステップを含む、
方法が含まれる。
口腔粘膜への局所投与に適したビタミンDとユビキノールの組成物は、サプリメント混合物用の無水エマルション担体を含み、このサプリメント混合物はまた、ユビキノール、経口腔粘膜吸収促進剤、およびスピランサス抽出物のための安定化用組成物も含有しており、この場合、前記無水エマルションは、唾液に曝されると、口腔粘膜に対して永続的な粘膜付着性ゲルを形成する。この粘膜付着性ゲルが唾液に溶解すると、ビタミンDとユビキノールの混合物/経口腔粘膜吸収促進剤/スピランサス抽出物の混合物は、粘膜付着性ゲルから徐々に放出されて、口腔粘膜を介して受動的に拡散し、これにより、血清中にシステムレベルのビタミンDを補給し、ユビキノールレベルを向上させる。
本発明の組合せ物の中のビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物の口腔粘膜への局所投与は、好ましくは、ビタミンDとユビキノールとの混合組成物によりコーティングされた、口腔ゲルまたは歯科用具を用いて実施される。特に好ましい口腔粘膜へのサプリメント混合物の局所投与は、本発明のビタミンDとユビキノールのサプリメント組成物によりコーティングされた歯科用具を用いて、毎日1回または2回フロスするステップと組み合わせて、1日中、局所用ゲル中のサプリメント混合物を数回投与するステップを組み合わせることにより行われる。
本発明の目的のため、唾液可溶性無水(aquous−free)エマルションには、それらのすべてが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,032,387号、第5,098,711号、第5,538,667号、および第5,651,959号において記載されている非イオン性界面活性剤中のポリジメチルシロキサンを含むエマルションを含む。
唾液の存在下で、粘膜付着性ゲルを形成し得る本発明の好ましい非イオン性界面活性剤。これらは、ポロキサマー237、ポロキサマー338、ポロキサマー407、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
本発明の目的のため、経口腔粘膜吸収促進剤は、デクスパンテノール、d−リモネン、ポロキサマー、PEG、ベンジルアルコール、カルボポール、キトサン、N−トリメチルキトサン、メントール、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
本発明の組成物において、ビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物の担体として使用するための、好ましい唾液可溶性無水エマルションには、約1500cs〜約250万csの間の範囲の粘度のポリジメチルシロキサン(PDMS)のエマルションが含まれる。特に好ましい無水エマルションは、米国特許第5,651,959号において詳述されている、非イオン性界面活性剤を連続相として含む、10,500cs〜250万csの間の粘度のPDMSを不連続相として含む。
好ましいポリジメチルシロキサンは、1500cs、12,500cs、100,000cs、250,000cs、500,000cs、750,000cs、150万cs、220万cs、250万csのポリジメチルシロキサン、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
本発明のビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物の好ましい適用手段には、口腔ゲル、口腔軟膏、口腔ペースト、口腔ワニス、口腔液、口腔シーラントおよび口腔用リンス、ならびに前記ビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物によりコーティングされた歯間デバイスが含まれる。
本発明の目的のための好ましい口腔ゲルは、それらのすべてが参照により本明細書に含まれている、米国特許第5,009,881号、第5,032,387号、第5,057,306号、第5,057,307号、第5,057,309号、第5,538,667号、および第5,651,959号において開示されているゲルを含む。
ビタミンDとユビキノールの口腔サプリメント組成物を歯間に放出するのに適した、好ましいコーティングされた歯間デバイスには、それらのすべてが参照により本明細書に含まれている、以下の米国特許第4,911,927号、第4,942,034号、第5,098,711号、第5,165,913号、第5,665,374号、第5,711,935号、第6,545,077号、第6,575,176号、第7,017,591号、第7,025,986号、および第7,152,611号に記載されている歯間デバイスである。
歯科デバイス使用は、非常に重要な、適切な口腔衛生への補助である。歯科用具は、各歯の間、および歯肉縁下の空間を効果的に清潔にするために、長い間使用されている。歯科用具は、適切に使用すると、虫歯および歯肉疾患を阻害するのに有効であることが見いだされている。それらの装具は、日々の口腔衛生のため、歯科医によって推奨されるものである。
歯科デバイス有効性を高めるため、デバイス一部には、ある種の医療成分または歯磨き剤の構成要素が含まれ、酸の攻撃から歯のエナメル質を保護するのを助ける。殺細菌剤も歯周病を阻害するために、デンタルフロスと連携して使用されている。
本発明の歯科用具上のビタミンDとユビキノールのサプリメント組成物はまた、歯のヒドロキシアパタイト構造の再石灰化を引き起こすことが知られているイオンを含有している塩と連携して使用することができ、また該塩によりコーティングすることができる。そのような化合物には、歯磨き剤などの形態のカルシウム塩、リン塩、およびフッ素塩が含まれる。そのような塩の例には、以下に限定されないが、フッ素、またはフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、二フッ化ナトリウム、二フッ化カリウム、二フッ化アンモニウム、ケイフッ化ナトリウム、フッ化亜鉛、およびフッ化スズなどのフッ素含有化合物が含まれる。他の歯磨き剤には、例えば、ウレアーゼ、酸性リン酸塩、炭酸カルシウム、および炭酸マグネシウムが含まれる。使用することができる酸性リン酸塩の例には、例えば、オルトリン酸、リン酸一ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一アンモニウム、リン酸ヘミナトリウム、およびヘキサメタリン酸ナトリウムの塩が含まれる。歯磨き剤には、好ましくは、歯の表面において有効局所濃度をもたらすのに十分な量で歯科用具に含まれる。
歯間デバイス内に取り込ませることができる、他の活性な構成要素には、過酸化水素、またはPVP H22もしくはカルバミドH22フルオライドなどの他の過酸化物を生成する構成要素、緩衝化または酸性化ホスホフルオライド、一フルオロリン酸ナトリウムなどの歯の酸性化剤、プラーク防除剤、歯石防除剤、膿漏および歯ぎん炎を治療するための抗生物質、歯の美白剤および漂白剤、pH緩衝剤、抗真菌剤、再石灰化剤、止血剤、免疫剤、ならびに塩化ベンゼトニウム、臭化アセチルトリメチルアンモニウム、サングイナリア、トリクロサン(非イオン性)、テトラサイクリン、塩化セチルピリジニウム、および塩化ベンジトニウムなどの非イオン性および陽イオン性抗細菌剤が含まれる。
本発明の歯科用具に含ませることができる追加の活性な構成要素には、ビタミンA、界面活性剤、および抗がん剤、刺激剤、骨成長剤、抗原、ホルモン、ステロイド、抗炎症剤および鎮痛剤などの薬剤が含まれる。
別の実施形態では、この歯科用具は、フロスによって生じ得る任意の出血を阻害するための血液凝固剤を含む。好ましくは、この血液凝固剤は、歯肉組織に直接接触するよう、ワックスコーティング剤と混合される。この血液凝固剤には、ビタミンK、水溶性カルシウム塩の形態にあるカルシウムイオン、および血液凝固カスケードを開始する血液因子が含まれ得る。あるいは、血液凝固剤は、エタノール、ポリエチレンテレフタレート、またはジエチルエーテルなどの、非毒性溶媒中に可溶なことがある。
押出し後の装具に着香剤を直接加えるなどの当分野で公知な技法により、またはデバイス表面にフレーバー付けしたコーティング剤を適用することにより、またはフレーバーのリザーバーから装具に揮発性フレーバーを移すことにより、着香剤を本発明の歯科用具に添加してもよい。IFF Corporation、Dayton、NJを含む様々な供給業者から市販のミント、シナモン、および風船ガムなどの公知の着香剤が、本発明の歯科用具において使用するに適している。他の着香剤も、引用されている参照文献中に記載されている圧縮コーティング加工によって加えることもできる。
消費者への視覚的な刺激を提供するために、歯科用具を着色するため、本発明の歯科用具に着色剤を加えてもよい。着色剤は、押出しを始める前に、ストランドを形成させるために使用する、ナイロンまたは他のペレットに加えることができる。ナイロン樹脂と一緒に使用するための市販の、FDAにより承認されている着色剤のいずれか1つを使用することができる。色は、歯科デバイスフレーバーに対応するものとすることができる(例えば、シナモンは赤色、またはミントは緑色)。さらに、複数の色を同時に押し出して、例えばフィラメントの片側を赤色に、もう一方を緑色にしてもよい。装具は、着色剤または蛍光色素をさらに取り込ませて、例えば、赤色3号(FD&C Red 3)および赤色4号(FD&C Red 4)などの残存プラークの堆積物を特定するようにしてもよい。
(例1〜13)
本発明は、本発明のビタミンDとユビキノールのサプリメント組成物をそれぞれ口腔粘膜および歯間表面に適用するために使用される、追加的に同封されている局所ゲルおよびデンタルテープの例によってさらに説明される。
実例1−カルシトリオールを含む局所用口腔ゲル
1ガロンのステンレス鋼製ボウルおよび窒素ブランケットを取り付けたHobart N−50ミキサーを使用して、以下を混合した。PEG400 272グラム、カルボポール974P 16グラム、グリセリン 580.72グラム、キシリトール粉末48グラム、アセスルファムK4.8グラム、二酸化チタン16グラム、zeodent113を80グラム、sipernat22Sを120グラム、perlastin Lを8グラム、スクラロース2.4グラム、およびフレーバー21.6グラムを、室温で5分間撹拌した。窒素ブランケット下、183.2グラムのポロキサマー407および64mgの無水エマルション[ポロキサマー407/ポリジメチルシロキサン(90:10)]とともにオーバーヘッド型撹拌器を含む別の250mLステンレス製容器を、摂氏80℃に加熱し、この250mL容器に5mgのカルシトリオールを加えた。この内容物を、窒素下、上記の1ガロン容器に加えた。2分間撹拌した後、この1ガロン容器の内容物を、40グラムの使用管に分注した。口腔粘膜に1グラムのゲルを適用すると、口腔粘膜にカルシトリオールが50IU送達される。
実例2−ビタミンD PROPHY TAPE(登録商標)
2ガロンのステンレス鋼製容器に、オーバーヘッド型撹拌器を取り付け、ホットプレート上に置いた。窒素ブランケット下、撹拌しながら、無水エマルション[ポロキサマー407/ポリジメチルシロキサン(12,500CS)90:10]2062.4グラムを上記の容器に入れて溶融させた。摂氏90度に昇温し、以下の成分を加えた。Pluracare L−1220を120グラム、ステアリルアルコール600グラム、microwax ML445を280グラム、およびPEG8000を446グラムを、この溶融無水エマルションに加えた。ホモジナイザーを容器に入れ、10分間作動させると乳化した。次に、下記の成分を撹拌しながら加えた。シリカ160グラム、サッカリンナトリウム96グラム、EDTA8グラム、およびフレーバー224グラム、カルシトリオール100mgを撹拌しながら加えた。次に、乳化したテープコーティング用バッター(batter)を摂氏90度のデンタルテープコーティング用タンクに分注した。超高分子量ポリエチレン製デンタルテープの圧縮コーティングが完了すると、65mg/ヤードの唾液可溶性のコーティング済みデンタルテープが得られた。このデンタルテープを1ヤード使用すると、口腔粘膜にカルシトリオール50IUが送達される。
例3
ポロキサマー407/ポリジメチルシロキサン(250万cs)の無水エマルション5グラムを80〜90℃で溶融しながら、30mLグラス製バイアルに磁気撹拌器および窒素置換器を取り付けた。パルミチン酸アスコルビル1グラムを撹拌しながら加えた。次に、窒素下、10〜15分間、継続して加熱撹拌しながら、ユビキノール1グラムを加え、最後に、プロピレングリコール8.37グラムを加えた。このバイアルを撹拌および加熱から取り出して、室温にした。ユビキノールの最初の試料は、ユビキノールの目盛り付きパッケージを開放した結果、空気に曝されたために、かすかに黄色を有していた。実験用バイアルの相対色は、最初に添加した時の初期の黄色レベルと比較した。室温で24時間に設定した後、色を評価した。試料の色は、メジアムイエローをしており、CoQ10の混入物がパルミチン酸アスコルビルによりごくわずかに還元されていることを示している。
いくつかの例を、5グラムの無水エマルション(250万csのポリジメチルシロキサンにより乳化されている80%ポロキサマー407)、パルミチン酸アスコルビル1グラム、およびユビキノール1グラムを用いて、上記の通り、例4に関して記載されているものと同一の条件下で調製した。
例3〜11
Figure 0006278417
これらの結果により、ユビキノール、パルミチン酸アスコルビル、プロピレングリコール、および約1.5〜2.5の間の重量比の量のカルボキシメチルセルロースを含む無水エマルションを含む製剤は、ユビキノールに安定性を付与し、これにより局所用ユビキノール組成物が、ユビキノールレベルを補助的に補給することができることが示されている。
実例12−カルシトリオールおよびユビキノールを含む局所用口腔ゲル
窒素フラッシュしながら、500mLのステンレス鋼製ビーカーに、オーバーヘッド型撹拌器および蓋を取り付けた。水135.834グラムを加え、中程度の撹拌を開始した。この容器に関して、以下の追加成分を加えた。ソルビトール70% 102グラム、グリセリン15グラム、ソルビン酸カリウム0.45グラム、サッカリンナトリウム0.225グラム、スクラロース0.6グラム、およびフレーバー0.9525グラムを、室温で中程度に撹拌しながら加えた。
磁気撹拌しながら、無水エマルション[ポロキサマー407/ポリジメチルシロキサン(250万CS)](90:10)9.54グラムを含有している100mビーカーを、95℃に加熱した。このビーカーに、窒素ブランケット下、カルシトリオール0.15グラム、およびユビキノール0.15グラム、およびパルミチン酸アスコルビル0.15グラムを加えた。
磁気撹拌および加熱をしながら、50mLビーカーにプロピレングリコール30グラムおよびメチルパラベン0.45グラムを加えた。温度が50℃に到達すると、カルボキシメチルセルロース9H4XF 4.65グラムを3分間かけて、ゆっくりと加えた。5分間の撹拌後、内容物を、無水エマルションを含有している100mLビーカーにゆっくりと加えた。撹拌を継続して40℃まで冷却した後、この内容物を3分間かけてステンレス鋼製ビーカーにゆっくり加えた。さらに20分後、この局所用口腔ゲルを局所用に調剤化するために、ヘッド部を窒素下にして、パッケージングした。
実例13−SOFT ABRASIVES(登録商標)を有する、ビタミンDとユビキノールのサプリメント PROPHY TAPE(登録商標)
2ガロンのステンレス鋼製容器に、オーバーヘッド型撹拌器を取り付け、ホットプレート上に置いた。蓋をして撹拌している容器に、窒素フラッシュを加えた。撹拌しながら、無水エマルション[ポロキサマー407/ポリジメチルシロキサン(12,500CS)](90:10)1964グラムを上記の容器に入れて、溶融させた。90℃に昇温し、以下の成分を加えた。Pluracare L−1220を120グラム、ステアリルアルコール600グラム、microwax ML445およびポリエチレングリコールを、この溶融無水エマルションに加えた。ホモジナイザーを容器に入れ、10分間作動させると乳化した。次に、撹拌しながら、下記の成分を加えた。歯磨き剤グレードのリン酸二カルシウム二水和物240グラム、没食子酸プロピル4グラム、サッカリンナトリウム72グラム、EDTA8グラム、次に、フレーバー248グラムを加えた。最後に、カルシトリオール2グラム、ユビキノール12グラム、パルミチン酸アスコルビル12グラムを、乳化済みコーティング剤に加えた。次に、乳化済みテープコーティング用バッターをテープコーティング用タンクに分注した。超高分子量ポリエチレン製デンタルテープの圧縮コーティングを完了し、次いで、生体ガラスSOFT ABRASIVE(登録商標)により上塗りした。
得られた、無水エマルション中にビタミンDおよびユビキノールを含有している、唾液可溶性の圧縮コーティングを有しており、生体ガラスSOFT ABRASIVES(登録商標)により上塗りされているPROPHY TAPE(登録商標)を、単回使用片でパッケージングし、フレーバーを封印したパッケージ中にまとめてパッケージングし、揮発性フレーバー20滴を含有しているフレーバーのリザーバーによってフレーバー付けした。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕口腔炎症および酸化ストレスの処置において有用な、ビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物であって、
唾液可溶性無水エマルション担体と、
有効レベルのビタミンDとユビキノールのサプリメントと、
ユビキノールサプリメント向け安定化用組成物と、
経口腔粘膜吸収促進剤と、
スピランサス抽出物と
を含み、
口腔粘膜に適用されると、前記組成物は、前記口腔粘膜に対して永続的な唾液可溶性粘膜付着性ゲルを形成し、
前記唾液可溶性粘膜付着性ゲルが唾液流に継続して曝されると、前記粘膜付着性ゲルは、徐々に溶解して、前記ビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物、ユビキノールサプリメント向け前記安定化用組成物、前記経口腔粘膜吸収促進剤、および前記スピランサス抽出物の前記口腔粘膜に対する制御放出を実現し、
前記ビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物、スピランサス抽出物、および経口腔粘膜吸収促進剤は、前記口腔粘膜と接触すると、前記口腔粘膜を介して受動的に拡散して、
(a)ビタミンDとユビキノールのサプリメントのin vivo利用能および免疫応答を制御し、
(b)ビタミンDおよびユビキノールの循環を妥当なレベルに回復および維持し、
(c)高カルシウム血症のリスクを最小限に抑え、
(d)口腔炎症および酸化ストレスを処置する、
局所用口腔サプリメント組成物。
〔2〕前記唾液可溶性無水エマルションが、唾液の存在下で粘膜付着性ゲルを形成し得る非イオン性界面活性剤に乳化させたポリジメチルシロキサンを含む、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕混合物中の前記ビタミンDサプリメントが、
ビタミンD、
1、3および25炭素位にヒドロキシル基を有するビタミンD化合物、
1α,25−ジヒドロキシビタミンD 3 のエステル、
1,25−ジヒドロキシビタミンD 3 のエステル、
1,25(OH) 2 3 1,25(OH) 2 3 類似体、
カルシトリオール、25(OH)D 3 、25(OH)D 3 の類似体、および
これらの組合せからなる群から選択され、
前記ユビキノールサプリメントが、構造式
Figure 0006278417
によって表される、
前記〔1〕に記載の組成物。
〔4〕ユビキノールサプリメント向け前記安定化用組成物が、パルミチン酸アスコルビル、プロピレングリコール、およびカルボキシメチルセルロースを含む、前記〔1〕に記載の組成物。
〔5〕前記経口腔粘膜吸収促進剤が、デクスパンテノール、d−リモネン、ポロキサマー、PEG、ベンジルアルコール、カルボポール、キトサン、N−トリメチルキトサン、メントール、およびこれらの組合せからなる群から選択される、前記〔1〕に記載の組成物。
〔6〕前記ビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物のための適用手段が、前記組成物でコーティングされた歯間デバイス、口腔ゲル、口腔軟膏、口腔ペースト、口腔ワニス、口腔シーラント、口腔リンス液、口腔液、およびこれらの組合せからなる群から選択される、前記〔1〕に記載の組成物。
〔7〕前記歯間デバイス適用手段が、圧縮コーティングされたデンタルテープ、マルチフィラメントもしくはモノフィラメントデンタルフロスまたは歯間デバイス、コーティングされた片手用の歯科用具、デンタルピック、デンタルスティミュレーター(dental stimulator)、およびこれらの組合せからなる群から選択される、前記〔6〕に記載の組成物。
〔8〕前記ポリジメチルシロキサンが、1500cs、12,500cs、100,000cs、250,000cs、500,000cs、750,000cs、150万cs、220万cs、250万csのポリジメチルシロキサン、およびこれらの組合せからなる群から選択される。前記〔2〕に記載の組成物。
〔9〕唾液の存在下で粘膜付着性ゲルを形成し得る前記非イオン性界面活性剤が、ポロキサマー237、ポロキサマー338、ポロキサマー407、およびこれらの組合せからなる群から選択される、前記〔2〕に記載の組成物。
〔10〕前記ビタミンDサプリメントが、抗菌ペプチドであるカテリシジンを上向き制御することにより生得免疫を強化する一方、ユビキノールサプリメントがユビキノールレベルを補助的に向上させることにより酸化ストレスを低減する、前記〔1〕に記載のビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物。
〔11〕前記ビタミンDサプリメントが、そのホルモン活性型である1α,25−ジヒドロロキシビタミンD形態で、抗菌特性の分泌を刺激することにより、炎症性サイトカイン産生の調節による抗炎症および抗菌効果を示し、ユビキノールサプリメントが、ユビキノールレベルを補助的に補い酸化ストレスを低減する、前記〔1〕に記載のビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物。
〔12〕前記ホルモン活性型である1α,25−ジヒドロキシビタミンDが、免疫調節特性を示すカルシトリオールである、前記〔11〕に記載のビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物。
〔13〕1α,25−ジヒドロキシビタミンDの前記抗炎症および抗菌効果が、ビタミンD受容体(VDR)を通して調節される、前記〔11〕に記載のビタミンDの局所用口腔サプリメント組成物。
〔14〕免疫系に対する前記1α,25−ジヒドロキシビタミンDの前記効果が、
TCRを調節する、
TH1/TH1/CD4およびT細胞ならびにサイトカインを減少させる、
制御性T細胞を増加させる、
T細胞によって引き起こされる産生を下向き制御する、および
樹状細胞分化を阻害する
ことを包含し、
前記ユビキノールサプリメントが、酸化ストレスを低減しながら、ユビキノールレベルを補助的に補う、
前記〔11〕に記載のビタミンDの局所用口腔サプリメント組成物。
〔15〕唾液可溶性無水エマルション担体と、
有効レベルのビタミンDとユビキノールのサプリメントと、
経口腔粘膜吸収促進剤と、
スピランサス抽出物と
を含むビタミンDとユビキノールのサプリメント組成物を口腔粘膜に局所投与するステップを含む、口腔炎症および酸化ストレスを処置する方法であって、
口腔粘膜に適用されると、前記組成物は、前記口腔粘膜に対して永続的な唾液可溶性粘膜付着性ゲルを形成し、
前記唾液可溶性粘膜付着性ゲルが唾液流に継続して曝されると、前記粘膜付着性ゲルは、徐々に溶解して、前記ビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物、ユビキノール向け前記安定化用組成物、前記経口腔粘膜吸収促進剤、およびスピランサス抽出物の前記口腔粘膜に対する制御放出を実現し、
前記ビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物、スピランサス抽出物、および経口腔粘膜吸収促進剤は、前記口腔粘膜と接触すると、前記口腔粘膜を介して受動的に拡散して、
(a)ビタミンDおよびユビキノールのin vivo利用能および免疫応答を制御し、
(b)ビタミンDおよびユビキノールの循環を妥当なレベルに維持し
(c)高カルシウム血症のリスクを最小限に抑え、
(d)口腔炎症を治療および酸化ストレスを低減する、
方法。
〔16〕前記唾液可溶性無水エマルションが、唾液の存在下で粘膜付着性ゲルを形成し得る非イオン性界面活性剤に乳化させたポリジメチルシロキサンを含む、前記〔15〕に記載の方法。
〔17〕混合物中の前記ビタミンDサプリメントが、
ビタミンD、
1、3および25炭素位にヒドロキシル基を有するビタミンD化合物、
1α,25−ジヒドロキシビタミンD 3 のエステル、
1,25−ジヒドロキシビタミンD 3 のエステル、
1,25(OH) 2 3 1,25(OH) 2 3 類似体、
カルシトリオール、25(OH)D 3 、25(OH)D 3 の類似体、および
これらの組合せからなる群から選択され
前記ユビキノールサプリメントが、構造式
Figure 0006278417
によって表される、
前記〔15〕に記載の方法。
〔18〕前記経口腔粘膜吸収促進剤が、デクスパンテノール、d−リモネン、ポロキサマー、PEG、ベンジルアルコール、カルボポール、キトサン、N−トリメチルキトサン、メントール、およびこれらの組合せからなる群から選択される、前記〔15〕に記載の方法。
〔19〕前記ビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物のための適用手段が、前記組成物でコーティングされた歯間デバイス、口腔ゲル、口腔軟膏、口腔ペースト、口腔ワニス、口腔シーラント、口腔リンス液、口腔液、およびこれらの組合せからなる群から選択される、前記〔15〕に記載の方法。
〔20〕前記〔15〕に記載のビタミンDとユビキノールのサプリメント組成物を局所投与するステップを含む、口腔炎症および酸化ストレスの処置方法であって、前記組成物が、前記組成物でコーティングされた歯科用具を用いる毎日の局所投与と組み合わされて、ビタミンDとユビキノールのサプリメントゲルにより、1日中、繰り返して適用される方法。
〔21〕前記カルボキシメチルセルロースが、ユビキノールに対して、約1.5〜2.5の重量比で存在している、前記〔4〕に記載の組成物。

Claims (19)

  1. 口腔炎症および酸化ストレスの処置において有用な、ビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物であって、
    唾液可溶性無水エマルション担体と、
    有効レベルのビタミンDとユビキノールのサプリメントと、
    ユビキノールサプリメント向け安定化用組成物と、
    経口腔粘膜吸収促進剤と、
    スピランサス抽出物と
    を含み、
    口腔粘膜に適用されると、前記組成物は、液可溶性粘膜付着性ゲルを形成し、
    前記唾液可溶性粘膜付着性ゲルが唾液流に継続して曝されると、前記粘膜付着性ゲルは、徐々に溶解して、前記ビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物、ユビキノールサプリメント向け前記安定化用組成物、前記経口腔粘膜吸収促進剤、および前記スピランサス抽出物の前記口腔粘膜に対する制御放出を実現し、
    前記ビタミンDとユビキノールのサプリメント混合物、スピランサス抽出物、および経口腔粘膜吸収促進剤は、前記口腔粘膜と接触すると、前記口腔粘膜を介して受動的に拡散して、
    (a)ビタミンDとユビキノールのサプリメントのin vivo利用能および免疫応答を制御し、
    (b)ビタミンDおよびユビキノールの循環を妥当なレベルに回復および維持し、
    (c)高カルシウム血症のリスクを最小限に抑え、
    (d)口腔炎症および酸化ストレスを処置し、
    ユビキノールサプリメント向け前記安定化用組成物が、パルミチン酸アスコルビル、プロピレングリコール、およびカルボキシメチルセルロースを含み、
    前記カルボキシメチルセルロースが、ユビキノールに対して、約1.5〜2.5の重量比で存在している、
    局所用口腔サプリメント組成物。
  2. 前記唾液可溶性無水エマルションが、唾液の存在下で粘膜付着性ゲルを形成し得る非イオン性界面活性剤に乳化させたポリジメチルシロキサンを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 混合物中の前記ビタミンDサプリメントが、
    ビタミンD、
    1、3および25炭素位にヒドロキシル基を有するビタミンD化合物、
    1α,25−ジヒドロキシビタミンD3のエステル、
    1,25−ジヒドロキシビタミンD3のエステル、
    1,25(OH)23 1,25(OH)23類似体、
    カルシトリオール、25(OH)D3、25(OH)D3の類似体、および
    これらの組合せからなる群から選択され、
    前記ユビキノールサプリメントが、構造式
    Figure 0006278417
    によって表される、
    請求項1に記載の組成物。
  4. 前記経口腔粘膜吸収促進剤が、デクスパンテノール、d−リモネン、ポロキサマー、PEG、ベンジルアルコール、カルボポール、キトサン、N−トリメチルキトサン、メントール、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記ビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物のための適用手段が、前記組成物でコーティングされた歯間デバイス、口腔ゲル、口腔軟膏、口腔ペースト、口腔ワニス、口腔シーラント、口腔リンス液、口腔液、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記歯間デバイス適用手段が、圧縮コーティングされたデンタルテープ、マルチフィラメントもしくはモノフィラメントデンタルフロスまたは歯間デバイス、コーティングされた片手用の歯科用具、デンタルピック、デンタルスティミュレーター(dental stimulator)、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記ポリジメチルシロキサンが、1500cs、12,500cs、100,000cs、250,000cs、500,000cs、750,000cs、150万cs、220万cs、250万csのポリジメチルシロキサン、およびこれらの組合せからなる群から選択される。請求項2に記載の組成物。
  8. 唾液の存在下で粘膜付着性ゲルを形成し得る前記非イオン性界面活性剤が、ポロキサマー237、ポロキサマー338、ポロキサマー407、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
  9. 前記ビタミンDサプリメントが、抗菌ペプチドであるカテリシジンを上向き制御することにより生得免疫を強化する一方、ユビキノールサプリメントがユビキノールレベルを補助的に向上させることにより酸化ストレスを低減する、請求項1に記載のビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物。
  10. 前記ビタミンDサプリメントが、そのホルモン活性型である1α,25−ジヒドロロキシビタミンD形態で、抗菌特性の分泌を刺激することにより、炎症性サイトカイン産生の調節による抗炎症および抗菌効果を示し、ユビキノールサプリメントが、ユビキノールレベルを補助的に補い酸化ストレスを低減する、請求項1に記載のビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物。
  11. 前記ホルモン活性型である1α,25−ジヒドロキシビタミンDが、免疫調節特性を示すカルシトリオールである、請求項10に記載のビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物。
  12. 1α,25−ジヒドロキシビタミンDの前記抗炎症および抗菌効果が、ビタミンD受容体(VDR)を通して調節される、請求項10に記載のビタミンDの局所用口腔サプリメント組成物。
  13. 免疫系に対する前記1α,25−ジヒドロキシビタミンDの前記効果が、
    TCRを調節する、
    TH1/TH1/CD4およびT細胞ならびにサイトカインを減少させる、
    制御性T細胞を増加させる、
    T細胞によって引き起こされる産生を下向き制御する、および
    樹状細胞分化を阻害する
    ことを包含し、
    前記ユビキノールサプリメントが、酸化ストレスを低減しながら、ユビキノールレベルを補助的に補う、
    請求項10に記載のビタミンDの局所用口腔サプリメント組成物。
  14. 口腔粘膜に局所投与され、口腔炎症および酸化ストレスを処置するために使用されるビタミンDとユビキノールのサプリメント組成物を調製するための、
    唾液可溶性無水エマルション担体
    有効レベルのビタミンDとユビキノールのサプリメント
    経口腔粘膜吸収促進剤
    スピランサス抽出物、及び
    ユビキノールサプリメント向け安定化用組成物の使用であって、
    前記ユビキノールサプリメント向け安定化用組成物が、パルミチン酸アスコルビル、プロピレングリコール、およびカルボキシメチルセルロースを含み、
    前記カルボキシメチルセルロースが、ユビキノールに対して、約1.5〜2.5の重量比で存在し、
    口腔粘膜に適用されると、前記サプリメント組成物は、唾液可溶性粘膜付着性ゲルを形成し、
    前記唾液可溶性粘膜付着性ゲルが唾液流に継続して曝されると、前記粘膜付着性ゲルは、徐々に溶解して、前記ビタミンDとユビキノールのサプリメント、前記ユビキノール向け定化用組成物、前記経口腔粘膜吸収促進剤、および前記スピランサス抽出物の前記口腔粘膜に対する制御放出を実現し、
    前記ビタミンDとユビキノールのサプリメント、前記スピランサス抽出物、および前記経口腔粘膜吸収促進剤は、前記口腔粘膜と接触すると、前記口腔粘膜を介して受動的に拡散して、
    (a)ビタミンDおよびユビキノールのin vivo利用能および免疫応答を制御し、
    (b)ビタミンDおよびユビキノールの循環を妥当なレベルに維持し
    (c)高カルシウム血症のリスクを最小限に抑え、
    (d)口腔炎症を治療および酸化ストレスを低減する、
    使用
  15. 前記唾液可溶性無水エマルションが、唾液の存在下で粘膜付着性ゲルを形成し得る非イオン性界面活性剤に乳化させたポリジメチルシロキサンを含む、請求項14に記載の使用
  16. 混合物中の前記ビタミンDサプリメントが、
    ビタミンD、
    1、3および25炭素位にヒドロキシル基を有するビタミンD化合物、
    1α,25−ジヒドロキシビタミンD3のエステル、
    1,25−ジヒドロキシビタミンD3のエステル、
    1,25(OH)23 1,25(OH)23類似体、
    カルシトリオール、25(OH)D3、25(OH)D3の類似体、および
    これらの組合せからなる群から選択され
    前記ユビキノールサプリメントが、構造式
    Figure 0006278417
    によって表される、
    請求項14に記載の使用
  17. 前記経口腔粘膜吸収促進剤が、デクスパンテノール、d−リモネン、ポロキサマー、PEG、ベンジルアルコール、カルボポール、キトサン、N−トリメチルキトサン、メントール、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項14に記載の使用
  18. 前記ビタミンDとユビキノールの局所用口腔サプリメント組成物のための適用手段が、前記サプリメント組成物でコーティングされた歯間デバイス、口腔ゲル、口腔軟膏、口腔ペースト、口腔ワニス、口腔シーラント、口腔リンス液、口腔液、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項14に記載の使用
  19. 前記サプリメント組成物が、前記サプリメント組成物でコーティングされた歯科用具を用いる毎日の局所投与と組み合わされて、ビタミンDとユビキノールのサプリメントゲルにより、1日中、繰り返して適用される請求項14に記載の使用
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