JP6278358B2 - 羽根車、及び、羽根車の製造方法 - Google Patents

羽根車、及び、羽根車の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、繊維強化樹脂により構成される羽根車に関する。
市販の乗用車に搭載されるターボチャージャ(タービン式過給機)は、当初は、主に比較的排気量の大きいエンジンの出力を増大することを目的としていた。
ところが、環境保護の観点から、排気量の少ない自動車への志向が高まる中で、小排気量のエンジンの出力を補うために、ターボチャージャの需要が高まっている。その中で、ターボ車特有のいわゆるターボラグの低減が望まれている。
ターボラグを低減するには、ターボチャージャの羽根車を軽量化して慣性モーメントを低減することが有効であり、これまで、金属材料に比べて大幅に軽量化できるセラミック材料の採用、さらには、特許文献1,2に開示されるように、繊維強化樹脂材料を採用することも検討されている。
特許第2667544号公報 特許第3018853号公報
ターボチャージャ用の羽根車は、回転軸が嵌合されるボス孔の周囲には、回転に伴う主応力が周方向に生じる。
そこで本発明は、繊維強化樹脂で成形される羽根車において、主応力が生じる方向に対応してボス孔の周囲の機械的な強度を向上することを目的とする。
繊維強化樹脂は、強化繊維の配向方向と直交する方向と平行な方向の機械的な強度を比べると、平行な方向の強度が劣る。
樹脂を射出成形することにより羽根車を成形する場合、その形状から、溶融樹脂は羽根車の回転軸線の方向に沿って射出される。このとき、ボス孔の周囲において、強化繊維は回転軸線の方向に沿って配向されたことになり、回転に伴い生じる主応力に対向する上で、好ましいとは言えない。
そこでなされた本発明の遠心式の羽根車は、羽根車の回転軸線に沿って表裏を貫通し、回転軸線の周りにボス孔が形成されるハブと、ハブの正面から立ち上がる複数のブレードと、を備え、強化繊維が分散された樹脂により構成される羽根車であって、ハブのボス孔の周囲に分散される強化繊維は、ハブの径方向に対して直交する方向に配向されることを特徴とする。
本発明の羽根車において、正面に対向するハブの背面の外側領域に、周囲よりも肉厚を薄くした複数の減肉部が、ハブの周方向に間隔を空けて設けられる。
本発明の羽根車において、ハブの径方向に対して直交する方向に配向される強化繊維は、回転軸線に対して直交する方向に配向させることができる。
本発明の羽根車において、各々の減肉部は、周方向に沿う深さが、ハブの半径方向を中心にして非対称に形成することができる。また、各々の減肉部は、周方向に沿う幅が、ハブの半径方向を中心にして非対称に形成することができる。
本願発明による羽根車は、射出成形により製造されるが、射出成形の際に、ボス孔の周囲に相当する部位の溶融樹脂に周方向の流れを生じさせることができる。
本願発明による羽根車は、射出成形により製造されるが、射出成形の後に、ボス孔よりも内側に形成されるスキン層を除去することができる。
本発明によれば、ボス孔の周囲における強化繊維の配向を、羽根車のハブの径方向に対して傾斜させるので、ボス孔の周囲に生じる主応力に対する当該部分の強度を向上できる。
本実施形態に係る羽根車を示し、(a)は縦断面、(b)は背面図である。 本実施形態に係る羽根車を成形する手法を説明する図である。 図1の羽根車の好ましい形態を示す図である。 図1の羽根車のさらに好ましい形態を示す図である。 従来の羽根車の課題を説明するための図面である。 本実施形態におけるボスの繊維強化樹脂の配向例を説明する模式図であり、図中、左側がボスの縦断面を示し、右側がボスの横断面を示している。 本実施形態におけるボスの繊維強化樹脂の他の配向例を説明する模式図であり、図中、左側がボスの縦断面を示し、右側がボスの横断面を示している。 本実施形態の羽根車が適用されるターボチャージャを示す縦断面図である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本実施形態に係る羽根車は、図8に示すようなターボチャージャ1に適用される。
ターボチャージャ1は、排気を受けて回転するタービン羽根車17と、このタービン羽根車17に追従する回転によって吸気及び圧縮をして当該機関のシリンダ(図示略)へと送り込むコンプレッサ羽根車10とを備えている。
コンプレッサ羽根車10とタービン羽根車17とは、ターボチャージャ1の内部に回転可能に軸支されたシャフト19によって一体となって回転するように連結されている。
コンプレッサ羽根車10は、コンプレッサハウジング20の内部に収容されている。
コンプレッサハウジング20は、コンプレッサ羽根車10の正面側に、吸気を導入するための吸入口21と、コンプレッサ羽根車10の外周に、渦巻き状に延びるコンプレッサ通路23と、を備えている。このコンプレッサ通路23は、コンプレッサ羽根車10の外周部に開口する吐出口22に接続されている。
タービン羽根車17は、タービンハウジング30の内部に収容されている。
タービンハウジング30は、タービン羽根車17の外周に、渦巻き状に延びるスクロール通路33を備えている。図示を省略する内燃機関より排出された排気は、このスクロール通路33に導入され、スクロール通路33を通過する過程で回転力を得た排気は、図8に矢印にて示すように、スクロール通路33の内面に形成された導入口32を通じてタービン羽根車17のタービンブレード18へと吹き付けられる。こうして吹き付けられた排気によって、タービン羽根車17が回転される。なお、タービン羽根車17に吹き付けられた排気は、タービン羽根車17の正面側に開口した排出口31を通じて排出される。
タービン羽根車17の回転がシャフト19を通じて伝達され、コンプレッサ羽根車10が回転されると、吸入口21を通じて吸気が吸引される。吸引された吸気は、コンプレッサ羽根車10に設けられたコンプレッサブレード15によって圧縮され、吐出口22を通じてコンプレッサ通路23へと強制的に送り込まれる。コンプレッサ通路23へと送り込まれた吸気は、内燃機関のシリンダ(図示略)へと送られ、過給が行われる。
本実施形態に係るコンプレッサ羽根車10は、繊維強化樹脂を射出成形することにより形成されている所に特徴を有するが、始めにコンプレッサ羽根車10の概略の構成について説明する。
コンプレッサ羽根車10は、図1に示すように、図8に示したシャフト19と同軸に設けられる円盤状のハブ11と、ハブ11の一方の面側から各々が立ち上がり、吸気の流路を形成する複数の羽根形状のコンプレッサブレード15と、を備えている。なお、コンプレッサ羽根車10において、コンプレッサブレード15が設けられる側を表(おもて)面11a、その反対側を背面11bと定義する。また、コンプレッサ羽根車10において、回転軸線Cに近い側を内径側とし、遠い側を外径側とする。
ハブ11は、表面11aは、外径側から内径側に向かうのにつれて連続的に突出するように湾曲している。ハブ11は、シャフト19が嵌合されるボス孔12を備えるとともに、ボス孔12の周囲には、コンプレッサ羽根車10の回転軸線Cを取り囲むボス13を備える。
コンプレッサブレード15は、本実施形態では、長翼15aと短翼15bの2種類を備えており、長翼15aと短翼15bは交互に配列されている(図10(a)も参照)。
コンプレッサ羽根車10は、繊維強化樹脂により形成されているが、特にボス13における強化繊維Fの配向に特徴を有している。
コンプレッサ羽根車10を繊維強化樹脂により形成するには、強化繊維を含む樹溶融脂を回転軸線Cに沿って射出する。そうすると、ボス孔12の周囲のいわゆるスキン層において、強化繊維Fは射出方向に沿って配向されるので、そのままでは回転軸線Cに沿って配向される。しかし、本実施形態によるコンプレッサ羽根車10は、ボス孔12の周囲を囲むボス13のスキン層に対応する部分について、横断面で捉えると、図1(b)に示すように、強化繊維Fをボス13(ハブ11)の径方向に対して傾斜するように配向させる。図1(b)は、強化繊維Fの傾斜配向の最も典型的な例として、強化繊維Fがボス13の径方向に対して直交する方向に配向されている例を示している。また、縦断面で捉えると、図1(a)に示すように、強化繊維Fは回転軸線Cと直交するように配向される。
コンプレッサ羽根車10が回転している間に、コンプレッサ羽根車10のボス13の部分には、図1(b)に示すように、主応力Sが周方向に生じる。この主応力Sの向きは、本実施形態のボス13において横断面で捉えたときの強化繊維Fの配向と一致する。
繊維強化樹脂は、一般的に、強化繊維が配向する方向と同じ方向に対する機械的な強度(例えば、引張り強度)は高いが、強化繊維の配向方向と直交する方向に対する機械的な強度は低い。したがって、強化繊維を含む溶融樹脂を回転軸線Cに沿って射出しただけでは、強化繊維Fは主応力Sに対して強度の低い回転軸線Cの方向に配向されることになる。そこで、本実施形態は、ボス13における強化繊維Fの配向を、を、主応力Sに対する強度が高くなるように配向させる。図1(b)に示す周方向は、最も好ましい配向の形態であるが、本発明はこれ以外の配向方向を採用することができる。以下、図6及び図7を参照して説明する。
始めに、図6を参照して、横断面における強化繊維Fの配向について説明する。なお、図6において、(a−1)と(a−2)は対応しており、(b−1)と(b−2),(c−1)と(c−2)も同様である。また、(a−1)と(a−2)を総称するときには、単に(a)と称する。(b−1)と(b−2),(c−1)と(c−2)についても同様である。以上の定義は、図7についても同様に適用される。
図6(a)は、横断面((a−2))において、強化繊維Fがボス13の径方向に沿って配向されている例を示している。この配向の場合には、強化繊維Fは主応力Sと直交するので、主応力Sに対する強度は低い。本発明は、強化繊維Fがボス13の径方向に沿って配向されるこの形態を含まない。なお、図6(a−1)に示すように、縦断面において、強化繊維Fは回転軸線Cと直交する例を示している。図6(b),(c)も同様である。
次に、図6(b)は、横断面において、強化繊維Fがボス13の径方向に対して傾斜するように配向されている例を示している。この配向の場合には、強化繊維Fは主応力Sと交差するので、主応力Sに対する強度は図6(a)に比べて低い。本発明は、強化繊維Fがボス13の径方向に傾斜して配向されるこの形態を含む。
次に、図6(c)は、横断面において、強化繊維Fがボス13の径方向と直交するように配向されている例を示している。この配向の場合には、強化繊維Fは主応力Sと平行になるので、主応力Sに対する強度は最も高くなる。この形態は、本発明における最も好ましい形態である。なお、本発明において、図6(c)に示す直交による配向は、図6(b)に示した傾斜による配向の一例として捉えることができる。
以上説明したように、本発明は、ボス13の径方向に対して強化繊維Fを傾斜するように配向することによって、主応力Sに対する強度を向上させる。この傾斜の角度は、0°を超え90°(直交)以下の範囲とされるが、傾斜角度が大きくなるほど主応力Sに対する強度が向上するので、好ましくは30°以上、さらに好ましくは50°以上、より好ましくは70°以上とする。
図1及び図6に示す強化繊維Fが周方向に配向される形態は最も好ましい配向の形態であるが、現実には、すべての強化繊維Fが周方向に配向されるとは限らない。
したがって、図6(b)に示すように、ボス13の横断面において、強化繊維Fがボス13の径方向に対して傾斜するように配向されていてもよい。この傾斜配向の場合にも、強化繊維Fは主応力Sと交差するので、主応力Sに対する強度を担保できる。また、周方向に配向される強化繊維Fと傾斜配向される強化繊維Fが混じっていてもよく、本発明は、両者を含めて傾斜配向といい、この傾斜配向される強化繊維Fの頻度が高ければよい。
主応力Sに対する強度の向上は、ボス13の横断面における強化繊維Fをボス13の径方向に対して傾斜させることが支配的であるが、次に、図7を参照して縦断面における強化繊維Fの配向例について説明する。
図7(a)は、図6(c)を再掲したものであり、縦断面((a−1))において、強化繊維Fが回転軸線Cと直交する配向の例を示している。縦断面における強化繊維Fの配向は、これに限らず、図7(b)に示すように、回転軸線Cに対して傾斜してもよい。回転軸線Cと直交する配向も、この回転軸線Cに対して傾斜する配向の一例と捉えることができる。
図7(c)は、強化繊維Fが回転軸線Cと平行になる例を示している。強化繊維Fを含む溶融樹脂を回転軸線Cに沿って射出すると、強化繊維Fは図7(c)に示す配向をなす。
本実施形態において、全ての強化繊維Fが横断面における強化繊維Fの全てがボス13の径方向に対して傾斜、典型的には直交するように配向させることが理想的であるが、直交する強化繊維Fの比率が、全ての強化繊維Fの30%以上であれば、強度向上に寄与できる。この比率は、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
本実施形態において、ボス13の周囲のハブ11の部分の強化繊維Fの配向は任意であるが、ボス孔12の周囲と同様な配向であることが好ましい。
繊維強化樹脂は、スキン層よりも奥に入った部分については、強化繊維Fの配向はランダムになり、傾斜配向される強化繊維Fも相当に含まれる。したがって、当該部分については、このランダムな配向をそのまま利用すればよい。
次に、強化繊維Fを傾斜配向させるいくつかの手法を例示する。
始めに、コンプレッサ羽根車10を射出成形する際に、通常であればスキン層が形成される領域、つまり、傾斜配向させたい領域に存在する溶融樹脂に、周方向の流れを生じさせる。そうすると、回転軸線Cに沿って配向しようとする強化繊維Fには、ボス13の径方向に傾斜して配向させようとする力が付与される。この力は、典型的にはボス13の周方向に沿うことになる。
その一例として、図2(a)には、射出成形している最中に、ボス孔12に対応して配置されるセンターピン42を回転させる手法が示されている。この手法を採用すると、傾斜配向させたい領域にある溶融樹脂にせん断力が負荷されることによって、強化繊維Fを傾斜配向させることができる。この場合、センターピン42の回転が射出された繊維強化樹脂が溶融している間だけ行われるように、例えば、トルク制限をかけて、所定のトルク値以下ではセンターピン42の回転が停止するように調整する。
溶融樹脂に周方向の流れを生じさせるには、図示を省略するが、他に、センターピン42の周囲にフライトを設けてらせん状の流路を形成し、溶融樹脂に旋回方向の流れを発生させることができる。この例によると、らせん状の流路により旋回方向の流れを発生させるため、強化繊維Fの配向のバラツキを少なくできる。
また、溶融樹脂を供給するためのスプルーにらせん状の流路を形成して、溶融樹脂に旋回方向の流れを生じさせてから射出することもできる。この例によると、ノズルやスプルーで調整するため、成形品のオリジナル形状が維持でき、後加工等が容易となる。
また、ヘリサート状の別部材をセンターピン42の周囲に配置することでらせん状の流路を形成し、溶融樹脂に旋回方向の流れを発生させることができる。この例によると、センターピン42自体は単純な棒状の形態のものを用いることができる一方、インサート部品はそのまま成形品内に埋め込むため,ボス孔12の加工代を低減できる。
次に、射出成形した後にスキン層を除去することによって、ボス13の部分も強化繊維Fの配向をランダムにする。
この場合、スキン層Lを除去することを見越して、図2(b)に示すようにコンプレッサ羽根車10のボス孔12の径をスキン層Lの厚さの分だけ小径に設定して成形品を得る。射出成形が完了してから、スキン層Lを切削により除去すれば、多くの強化繊維Fがボス13の径方向に対して傾斜配向されたボス13を得ることができる。
以上説明したように、ボス13に分散される強化繊維Fを傾斜配向させることにより、ボス13に生ずる主応力Sの向きに対する機械的強度を向上することができるが、本実施形態は、ハブ11の背面11bに生ずる主応力Sに対応する機械的強度の向上策を提案する。
はじめに、背面11bの主応力Sに対応する機械的強度が必要とされる理由について、図5を参照して説明する。
コンプレッサ羽根車10のハブ11の背面11bの主応力Sは、図5(a)に示すように、半径方向の中央領域Aにおいては半径方向に沿い、中央領域Aよりも半径方向の外側領域Aにおいては周方向に沿う。これに対して、ハブ11の背面11bの近傍において、強化繊維Fの配向Oは、図5(b)に示すように、中央領域A及び外側領域Aともに半径方向に沿う。したがって、外側領域Aにおいては、主応力Sの方向と強化繊維Fの配向方向とが直交するために、主応力Sに対する機械的強度が低い。なお、ここでは、ハブ11の背面11bは平坦面で構成されているものとして説明している。
そこで、図3に示すように、背面11bの外側領域Aに、周囲よりも肉厚を薄くした複数の減肉領域11cが、ハブ11の周方向に均等の間隔を空けて設けられている。減肉領域11cは、ハブ11の外周縁11fからハブ11の中心に向かって形成されており、その周縁11dが概ね円弧状に形成されている。
隣接する減肉領域11cと減肉領域11cの間は、減肉領域11cよりも肉厚が厚いために、減肉部11に対してリブ11eとして機能する。
ハブ11の背面11bに減肉領域11cとリブ11eを設けることにより、コンプレッサ羽根車10は以下の作用及び効果を奏する。
減肉領域11cとリブ11eを設けた背面11bの外側領域Aにおける主応力Sは、図3(a)に示すように、減肉領域11cにおいては周方向のままであるが、減肉領域11cよりも肉厚が相対的に厚いリブ11eにおいては半径方向に沿う。したがって、外側領域Aのリブ11eにおいては、図5(b)に示した強化繊維Fの配向Oの方向と主応力Sの方向が揃う。一方で、射出する際に、肉厚の薄い減肉領域11cよりもリブ11eに対応する空隙に優先して溶融樹脂が流れるために、周方向に樹脂流れが発生し、減肉領域11cにおける強化繊維Fの配向が主応力Sの方向に近づく。
以上説明したように、リブ11eにおいて強化繊維Fの配向方向と主応力Sの方向が揃うのに加えて、減肉領域11cにおける強化繊維Fの配向Oの方向が主応力Sの方向に近づくことにより、外側領域Aにおける主応力Sに対する機械的強度を向上できる。
減肉領域11cについて、半径方向を中心にしてその深さを非対称とすることが好ましい。そうすれば、深さの浅い方から優先して周方向に樹脂が広がるために、減肉領域11cの中心で周方向の両側のリブ11eから周方向に流れ込んだ樹脂が合流するウェルドの発生を防ぐことができる。
ウェルドの発生防止は、深さを調整する以外に、図4(a)に示すように、減肉領域11cの周縁11dの形状を、半径方向を中心にして非対称とすることによってもなし得る。つまり、図4(b)に示すように、半径方向に対して傾斜角の大きい側に優先して樹脂流れFが生じることにより、ウェルドの発生を防ぐことができる。
[製造方法]
以上、ハブ11のボス13及び背面11bの各々の主応力Sを考慮した機械的な強度向上をなし得る構造について説明した。このコンプレッサ羽根車10を含め、長翼15a及び短翼15bを備えるコンプレッサ羽根車10は、繊維強化樹脂を固定金型と可動金型を備える金型に射出することにより製造される。
射出成形機は、型締め装置と可塑化装置を備えている。型締め装置は、固定金型が取り付けられる固定ダイプレートと、可動金型が取り付けられた可動ダイプレートとを備え、型開閉用の油圧シリンダの作動により可動ダイプレートを移動させて可動金型を固定金型に強固に当接さて型締めを行う。可動金型と固定金型からなる金型の内部には、コンプレッサ羽根車10を成形するための空隙であるキャビティが形成される。
可塑化装置は、筒型の可塑化シリンダと、可塑化シリンダの内部に設けられるスクリュと、強化繊維と樹脂原料が投入される供給部と、を備える。供給部は、強化繊維を投入する部分と樹脂原料を投入する部分を個別に設けることもできる。
スクリュを回転させることで樹脂原料を溶融し、型締め装置に保持される金型の内部のキャビティに向けて強化繊維Fが分散された溶融樹脂を射出する。
また、ボス孔12に対応するセンターピン42を利用してボス13を強制的に冷却すれば、ボス13の内周面近傍の剛性が上がることにより、ひけが生じるのを抑制することができる。この冷却を行えば、未だ高温となっている翼部及び背面側を常温まで冷却する過程で、成形機内で発生させた温度勾配が崩れ、ボス13の温度が再上昇するのを抑えることができる。こうして、コンプレッサ羽根車10の内径面から半径方向に一方向に冷却が進むことで,ボス穴の形状精度を向上できる。
以上、本発明好ましい実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
例えば、強化繊維Fの傾斜配向については、長翼,短翼の二種類のブレードを備える羽根車に限らず、一種類のブレードだけを備える羽根車について適用することができる。ハブ11の背面にげ何く領域を設けることについても、同様である。
また、以上では羽根車としてコンプレッサ羽根車10を例にして説明したが、タービン羽根車、他の羽根車について、本発明を適用することができる。
1 ターボチャージャ
10 コンプレッサ羽根車
11 ハブ
11a 表面
11b 背面
11c 減肉領域
11d リブ
11f 外周縁
12 ボス孔
13 ボス
15 コンプレッサブレード
15a 長翼
15b 短翼
17 タービン羽根車
18 タービンブレード
19 シャフト
20 コンプレッサハウジング
21 吸入口
22 吐出口
23 コンプレッサ通路
30 タービンハウジング
31 排出口
32 導入口
33 スクロール通路

Claims (3)

  1. 羽根車の回転軸線に沿って表裏を貫通するボス孔を内側に有するボスを備えるハブと、
    前記ハブの正面から立ち上がる複数のブレードと、を備え、
    強化繊維が分散された樹脂により構成される羽根車であって、
    前記ハブの前記ボス孔の周囲に分散される前記強化繊維は、前記ハブの径方向に対して
    直交する方向に配向され、
    前記正面に対向する前記ハブの背面の外側領域に、
    周囲よりも肉厚を薄くした複数の減肉部が、前記ハブの周方向に間隔を空けて設けられ
    各々の前記減肉部は、
    前記周方向に沿う深さが、前記ハブの半径方向を中心にして非対称に形成される、ことを特徴とする遠心式の羽根車。
  2. 羽根車の回転軸線に沿って表裏を貫通するボス孔を内側に有するボスを備えるハブと、
    前記ハブの正面から立ち上がる複数のブレードと、を備え、
    強化繊維が分散された樹脂により構成される羽根車であって、
    前記ハブの前記ボス孔の周囲に分散される前記強化繊維は、前記ハブの径方向に対して
    直交する方向に配向され、
    前記正面に対向する前記ハブの背面の外側領域に、
    周囲よりも肉厚を薄くした複数の減肉部が、前記ハブの周方向に間隔を空けて設けられ、
    各々の前記減肉部は、
    前記周方向に沿う幅が、前記ハブの半径方向を中心にして非対称に形成される、ことを特徴とする遠心式の羽根車。
  3. 隣接する前記減肉部の間は、前記減肉部よりも肉厚が厚いリブとして機能し、前記リブにおいて前記強化繊維の配向方向と主応力の方向が揃う、
    請求項1または請求項2のいずれかに記載の遠心式の羽根車。
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