JP6276854B2 - 送電装置、受電装置、及び電力伝送システム - Google Patents

送電装置、受電装置、及び電力伝送システム Download PDF

Info

Publication number
JP6276854B2
JP6276854B2 JP2016527569A JP2016527569A JP6276854B2 JP 6276854 B2 JP6276854 B2 JP 6276854B2 JP 2016527569 A JP2016527569 A JP 2016527569A JP 2016527569 A JP2016527569 A JP 2016527569A JP 6276854 B2 JP6276854 B2 JP 6276854B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
frequency
resonator
power transmission
power source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016527569A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015189959A1 (ja
Inventor
大舘 紀章
紀章 大舘
尾林 秀一
秀一 尾林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Publication of JPWO2015189959A1 publication Critical patent/JPWO2015189959A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6276854B2 publication Critical patent/JP6276854B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J50/00Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power
    • H02J50/20Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power using microwaves or radio frequency waves
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J50/00Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power
    • H02J50/10Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power using inductive coupling
    • H02J50/12Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power using inductive coupling of the resonant type
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J50/00Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power
    • H02J50/40Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power using two or more transmitting or receiving devices
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J50/00Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power
    • H02J50/70Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power involving the reduction of electric, magnetic or electromagnetic leakage fields

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Description

本発明の実施形態は、送電装置、受電装置、及び電力伝送システムに関する。
従来、非接触で電力伝送を可能にする技術として、隣接する二つのコイルの一方に電流を流し、エネルギーを磁界に変換してから、もう一方のコイルに起電力を発生させる電磁誘導方式が知られている。また、その他の方法として、電流を電磁波に変換しアンテナを経由してエネルギーを伝送する電波方式が知られている。前者は大電力を扱う場合に適しているが、送電距離が一般に短い。後者は送電距離が長いが、伝送方向の制御が難しく伝送効率も低い。
それに対し、送電装置に送電共振子を配置し、受電装置に受電共振子を配置し、共振子間を磁界共鳴により結合させる磁界共鳴方式が知られている。この磁界共鳴方式によれば、ある程度離れた距離においても高い伝送効率が得られ、軸ずれなどによる影響が少ないなどの特徴がある。
この磁界共鳴方式で複数の送電共振子を用いて送電する場合に、複数の送電共振子同士が磁界結合することにより、ある送電共振子から他の送電共振子へ送電される恐れがある。これにより、伝送効率が低下してしまう問題がある。
特開2012−39815号公報
そこで本発明の実施形態が解決しようとする課題は、複数の送電共振子を用いて無線電力伝送する場合の伝送効率を向上させる送電装置、受電装置、及び電力伝送システムを提供することである。
一の実施形態によれば、送電装置は、無線で送電する第1の送電共振子を備える。送電装置は、無線で送電する第2の送電共振子を備える。送電装置は、交流電力を前記第1の送電共振子へ出力する第1の電源を備える。送電装置は、前記第1の電源とは異なる周波数の交流電力を前記第2の送電共振子へ出力する第2の電源を備える。前記第1の送電共振子の動作帯域に、前記第1の電源の周波数が含まれ、且つ前記第2の電源の周波数が含まれず、前記第2の送電共振子の動作帯域に、前記第1の電源の周波数が含まれず、且つ前記第2の電源の周波数が含まれる。
第1の実施形態における送電装置1の構成を示す図。 第1の実施形態における送電装置1の等価回路の一例を示す図。 周波数軸上で共振周波数が隣り合う送電共振子の動作帯域と、これらの送電共振子に接続された電源の周波数との関係の第1の例を示す図。 周波数軸上で共振周波数が隣り合う送電共振子の動作帯域と、これらの送電共振子に接続された電源の周波数との関係の第2の例を示す図。 第2の実施形態における電力伝送システム10の構成を示す図。 第2の実施形態における電力伝送システム10の等価回路の一例を示す図。 周波数軸上で共振周波数が隣り合う受電共振子の動作帯域と、対応する電源の周波数との関係の第1の例を示す図。 周波数軸上で共振周波数が隣り合う受電共振子の動作帯域と、対応する電源の周波数との関係の第2の例を示す図。 第2の実施形態の第1の変形例における電力伝送システム10bの構成を示す図。 第2の実施形態の第2の変形例における電力伝送システム10cの構成を示す図。 図11(A)は、第3の実施形態で追加される周波数差の条件の第1の例を示す図。図11(B)は、第3の実施形態で追加される周波数差の条件の第2の例を示す図。図11(C)は、第3の実施形態で追加される周波数差の条件の第3の例を示す図。 第3の実施形態の第1の変形例で追加される周波数差の条件の例を示す図。 第3の実施形態の第2の変形例で追加される周波数差の条件の例を示す図。 第4の実施形態における送電装置5の構成を示す図。 第4の実施形態における受電装置7の構成を示す図。 第4の実施形態の変形例における送電装置6の構成を示す図。 第5の実施形態における電力伝送システム10dの構成を示す図。 周波数軸上で共振周波数が隣り合う受電共振子の動作帯域と、対応する電源の周波数との関係の例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における送電装置1の構成を示す図である。送電装置1は、磁界共鳴方式で、非接触で電力を不図示の受電装置へ伝送する。図1に示すように、送電装置1は、電源11−1、11−2、…、11−n(nは正の整数)までのn個の電源11−iと、送電共振子12−1、12−2、…、12−nまでのn個の送電共振子12−iを備える。
各電源11−iの出力は、インデックスiが同じ送電共振子12−iに接続されている。各電源11−iは、互いに異なる周波数の交流電力を出力し、インデックスiが同じ送電共振子12−iに供給する。
送電共振子12−1、12−2、…、12−nは、複数の電源11−1、11−2、…、11−nのうち互いに異なる電源と接続され、共振周波数が互いに異なる。
本実施形態では、一例として、送電共振子12−iそれぞれの共振周波数は、当該送電共振子が接続している電源11−iと等しいものとして、以下説明する。
図2は、第1の実施形態における送電装置1の等価回路の一例を示す図である。図2に示すように、各送電共振子12−iは、一端が電源11−iの一端に接続されたコンデンサCiと、一端がコンデンサCiの他端に接続され、他端が電源11−iの他端に接続されたインダクタLiとを備える。
続いて、図3を用いて、本実施形態における、送電共振子の動作帯域と各電源11−iの周波数との関係について説明する。図3は、周波数軸上で共振周波数が隣り合う送電共振子の動作帯域と、これらの送電共振子に接続された電源の周波数との関係の第1の例を示す図である。
ここで、複数の送電共振子のうち周波数軸上で共振周波数が隣り合う送電共振子を、第1の送電共振子と第2の送電共振子とする。また、第1の送電共振子の共振周波数をfs1とし、第2の送電共振子の共振周波数はfs2とする。
第1の送電共振子に接続された電源を第1の電源とし、第2の送電共振子に接続された電源を第2の電源とする。ここで、第1の電源が出力する交流電力の周波数(以下、第1の電源の周波数という)をfp1、第2の電源が出力する交流電力の周波数(以下、第2の電源の周波数)をfp2とする。
そして、一例として、第1の送電共振子と第2の送電共振子の全ての組で、以下の周波数差条件を満たすようにする。図3に示すように、第1の電源の周波数fp1と第2の電源の周波数fp2との差(fp2−fp1)は、第1の送電共振子の動作帯域幅BW1の2分の1より大きく、且つ第2の送電共振子の動作帯域幅BW2の2分の1より大きい。
この周波数差条件を満たすことにより、第1の送電共振子は、第2の電源の周波数fp2では動作帯域外となる。つまり、第1の送電共振子は、第2の電源の周波数fp2で共振する第2の送電共振子と第2の電源の周波数fp2では磁界結合しない。同様に、第2の送電共振子は、第1の電源の周波数fp1では動作帯域外となる。つまり、第2の送電共振子は、第1の電源の周波数fp1で共振する第2の送電共振子と第1の電源の周波数fp1では磁界結合しない。
従って、この条件を満たす第1の送電共振子と第2の送電共振子の全ての組の間で、第1の電源の周波数fp1及び第2の電源の周波数fp2では磁界結合しない。このため、磁界共鳴方式で複数の受電共振子へ無線電力伝送する場合に、受電装置に対する伝送効率を向上させることができる。
ここで、第1の送電共振子の動作帯域幅BW1は、第1の送電共振子の共振周波数fs1を第1の送電共振子のQ値Q1で割った値fs1/Q1である。また、第2の送電共振子の動作帯域幅BW2は、第2の送電共振子の共振周波数fs2を第2の送電共振子のQ値Q2で割った値fs2/Q2である。これにより、送電共振子の動作帯域幅は、当該送電共振子の共振周波数とQ値を用いて予め設定される。
なお、送電共振子のQ値はωL/Rで算出できる。ここで、ωは共振角周波数であり、Lは送電共振子のインダクタンスであり、Rは送電共振子の抵抗値である。πを円周率、fを共振周波数とすると、共振角周波数ωは2πfで表される。送電共振子のインダクタンス値Lと抵抗値Rを測定することが可能であるので、送電共振子のQ値を求めることが可能である。
(第1の実施形態の効果)
この構成により、送電共振子間で第1の電源の周波数fp1及び第2の電源の周波数fp2では磁界結合しないので、磁界共鳴方式で複数の受電共振子へ無線電力伝送する場合に、受電装置に対する伝送効率を向上させることができる。
また、本実施形態においては、各送電共振子12−iは、一つの電源11−iの出力と接続されており、複数の電源11−iからの出力が一つの送電共振子へ集中しない。そのため、送電共振子の発熱を抑えることができるので、送電共振子の温度上昇量が低減される。
なお、本実施形態では、第1の送電共振子と第2の送電共振子の全ての組で、上述した周波数差条件を満たすようにしたが、第1の送電共振子と第2の送電共振子の少なくとも一つの組で上述した周波数差条件を満たすようにしてもよい。
なお、本実施形態では、送電共振子12−iそれぞれの共振周波数は、インデックスiが同じ電源、すなわち当該送電共振子が接続している電源11−iと等しいものとして説明したが、これに限ったものではない。送電共振子12−iそれぞれの共振周波数は、インデックスiが同じ電源、すなわち当該送電共振子が接続している電源11−iと異なっている場合もある。その場合に、周波数軸上で共振周波数が隣り合う送電共振子の動作帯域について、図4を用いて説明する。
図4は、周波数軸上で共振周波数が隣り合う送電共振子の動作帯域と、これらの送電共振子に接続された電源の周波数との関係の第2の例を示す図である。図4に示すように、第1の送電共振子の共振周波数fs1が、第1の送電共振子に接続された第1の電源の周波数fp1とは異なる。第2の送電共振子の共振周波数fs2が、第2の送電共振子に接続された第2の電源の周波数fp2とは異なる。
ここで、図3と同様に、複数の送電共振子12−1〜12−nのうち周波数軸上で共振周波数が隣り合う送電共振子を、第1の送電共振子と第2の送電共振子と定義する。そして、一例として、第1の送電共振子と第2の送電共振子の全ての組で、以下の動作帯域条件を満たすようにする。
図4の第1の送電共振子が取り得る最大の帯域Bmax1が示すように、第1の送電共振子の動作帯域に、第1の電源の周波数fp1が含まれ、且つ第2の電源の周波数fp2が含まれない。また、図4の第2の送電共振子が取り得る最大の帯域Bmax2が示すように、第2の送電共振子の動作帯域に、第1の電源の周波数fp1が含まれず、且つ第2の電源の周波数fp2が含まれる。
これにより、この条件を満たす第1の送電共振子と第2の送電共振子の全ての組の間では、第1の電源の周波数fp1及び第2の電源の周波数fp2において磁界結合しない。このため、磁界共鳴方式で複数の受電共振子へ無線電力伝送する場合に、受電装置に対する伝送効率を向上させることができる。
なお、第1の送電共振子と第2の送電共振子の全ての組に対して、上述した動作帯域条件を満たすようにしたが、これに限ったものではない。第1の送電共振子と第2の送電共振子の少なくとも一つ以上の組に対して、上述した動作帯域条件を満たすようにしてもよい。これにより、この動作帯域条件を満たす第1の送電共振子と第2の送電共振子の間では、第1の電源の周波数fp1及び第2の電源の周波数fp2において磁界結合しない。このため、磁界共鳴方式で複数の受電共振子へ無線電力伝送する場合に、受電装置に対する伝送効率を向上させることができる。
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。図5は、第2の実施形態における電力伝送システム10の構成を示す図である。電力伝送システム10は、送電装置1、受電装置2−1、及び受電装置2−2を備える。なお、図1と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。図5の送電装置1の構成は、図1の送電装置1の構成と同一であるので、その説明を省略する。
受電装置2−1は、受電共振子21−1と、受電共振子21−1に接続された受電回路22−1を備える。送電共振子12−1と受電共振子21−1とが対向するように、受電装置2−1が配置されている。そして、受電共振子21−1の動作帯域に、電源11−1の周波数が含まれる。これにより、受電共振子21−1は、送電共振子12−1から磁界共鳴により無線で受電することができる。
本実施形態では、一例として、受電共振子21−1は、対向して配置された送電共振子12−1が接続された電源11−1の周波数と同一の共振周波数を有する。更に、受電共振子21−1と、対向して配置された送電共振子12−1とは、共振周波数が一致している。これにより、同一の共振周波数で共振することができ、伝送効率を向上させることができる。
受電回路22−1は、受電共振子21−1から供給された電力を蓄電したり、供給された電力で電子回路を動かしたりする回路で、任意の電子回路で構成される。受電回路22−1は、例えば、負荷である。以下、各実施形態における受電回路は、任意の電子回路で構成されるものとする。
同様に、受電装置2−2は、受電共振子21−2と、受電共振子21−2と接続された受電回路22−2を備える。受電装置2−2は、送電共振子12−2と受電共振子21−2とが対向するように配置されている。そして、受電共振子21−2の動作帯域に、電源11−2の周波数が含まれる。これにより、受電共振子21−2は、送電共振子12−2から磁界共鳴により無線で受電することができる。
本実施形態では、一例として、受電共振子21−2は、対向して配置された送電共振子12−2が接続された電源11−2の周波数と同一の共振周波数を有する。更に、受電共振子21−2と、対向して配置された送電共振子12−2とは、共振周波数が一致している。これにより、同一の共振周波数で共振することができ、伝送効率を向上させることができる。
受電回路22−2は、受電共振子21−2から供給された電力を受ける。受電回路22−2は、例えば、負荷である。
図6は、第2の実施形態における電力伝送システム10の等価回路の一例を示す図である。図6に示すように、各送電共振子12−iは、一端が電源11−iの一端に接続されたコンデンサCiと、一端がコンデンサCiの他端に接続され、他端が電源11−iの他端に接続されたインダクタLiとを備える。
また、図6に示すように、受電共振子21−1は、一端がインダクタL1の一端と接続され、他端が受電回路22−1の一端と接続されたコンデンサC1と、他端が受電回路22−1の他端と接続されたインダクタL1とを備える。
更に、図6に示すように、受電共振子21−2は、一端がインダクタL2の一端と接続され、他端が受電回路22−2の一端と接続されたコンデンサC2と、他端が受電回路22−2の他端と接続されたインダクタL2とを備える。
なお、本実施形態では、一例として、送電共振子12−1と受電装置21−1の回路構成が同一にしたが、これに限らず、異なっていてもよい。同様に、送電共振子12−2と受電装置21−2の回路構成が同一にしたが、これに限らず、異なっていてもよい。
また、図6に示すように、送電共振子12−1のインダクタL1と受電共振子21−1のインダクタL1とが対向して配置されている。同様に、送電共振子12−2のインダクタL2と受電共振子21−2のインダクタL2とが対向して配置されている。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、第1の電源の周波数fp1と第2の電源の周波数fp2との差(fp2−fp1)は、第1の送電共振子の動作帯域幅BW1の2分の1より大きく、且つ第2の送電共振子の動作帯域幅BW2の2分の1より大きい。
続いて、図7を用いて、本実施形態における、受電共振子の動作帯域と各電源11−i間の周波数との関係について説明する。図7は、周波数軸上で共振周波数が隣り合う受電共振子の動作帯域と、対応する電源の周波数との関係の第1の例を示す図である。
ここで、受電共振子21−1の受電共振子の共振周波数をfr1とし、受電共振子21−2の共振周波数はfr2とする。また、受電共振子21−1に対向する送電共振子12−1に接続された電源11−1の周波数をfp3、受電共振子21−2に対向する送電共振子12−2に接続された電源11−2の周波数をfp4とする。
図7に示すように、電源11−1の周波数fp3と電源11−2の周波数fp4との差(fp4−fp3)は、受電共振子21−1の動作帯域幅BW3の2分の1より大きく、且つ受電共振子21−2の動作帯域幅BW4の2分の1より大きい。
この条件を満たすことにより、受電共振子21−1は、電源11−2の周波数fp4では動作帯域外となる。つまり、受電共振子21−1は、電源11−2の周波数fp4で共振する受電共振子21−2と電源11−2の周波数fp4では磁界結合しない。同様に、受電共振子21−2は、電源11−1の周波数fp3では動作帯域外となる。つまり、受電共振子21−2は、電源11−1の周波数fp3で共振する第1の受電共振子と電源11−1の周波数fp3では磁界結合しない。従って、受電共振子21−1と受電共振子21−2との間で磁界結合しないことで、受電共振子21−1、21−2の特性が劣化するのを防止することができるので、伝送効率を向上させることができる。
(第2の実施形態の効果)
第2の実施形態では、送電共振子を複数有し、送電共振子それぞれが、対向して配置された受電共振子へ、無線電力伝送する。このように、一つの送電共振子から一つの受電共振子へ無線電力伝送することができる。このため、送電共振子と受電共振子の全ての組に対して、同時に物理的距離を最小化することが可能となる。これにより、磁界共鳴方式で複数の受電共振子へ無線電力伝送する場合に、受電装置に対する伝送効率を向上させることができる。
なお、受電共振子21−1は、送電共振子12−1と対向して配置されたが、これに限ったものではない。受電共振子21−1は、他の送電共振子12−2、…、12−nのいずれかと対向して配置される場合もある。その場合、受電共振子21−1の動作帯域に、対向して配置された他の送電共振子12−j(但し、jは1を除く)が接続された電源11−jの周波数が含まれるように設定する。これにより、受電共振子21−1は、他の送電共振子12−jから磁界共鳴により無線で受電可能となる。
このように、受電共振子21−1または21−2の動作帯域に、複数の電源11−1、…、11−nの周波数のうちいずれかの周波数が含まれるようにしてもよい。
また、その場合、受電共振子21−1は、対向して配置された他の送電共振子12−j(但し、jは1を除く)が接続された電源11−jの周波数と同一の共振周波数を有するようにしてもよい。これにより、受電共振子21−1は、自身の動作帯域幅の中で最も効率よく受信できる周波数でエネルギーの受信ができ、伝送効率が向上する。
なお、本実施形態では、受電共振子21−1、21−2それぞれの共振周波数は、対向する送電共振子12−1、12−2が接続している電源11−1、11−2それぞれと等しいものとして説明したが、これに限ったものではない。受電共振子21−1、21−2それぞれの共振周波数は、対向する送電共振子12−1、12−2が接続している電源11−1、11−2それぞれと異なっている場合もある。
その場合を例にして、周波数軸上で共振周波数が隣り合う受電共振子の動作帯域について、図8を用いて説明する。
図8は、周波数軸上で共振周波数が隣り合う受電共振子の動作帯域と、対応する電源の周波数との関係の第2の例を示す図である。以下、複数の受電共振子のうち周波数軸上で共振周波数が隣り合う受電共振子21−1、21−2のうち受電共振子21−1を第1の受電共振子と呼び、受電共振子21−2を第2の受電共振子と呼ぶ。図8に示すように、第1の受電共振子の共振周波数fr1が、第1の受電共振子に対向する送電共振子12−1(以下、第3の送電共振子という)に接続された電源11−1(以下、第3の電源という)の周波数fp3とは異なる。第2の受電共振子の共振周波数fr2が、第2の受電共振子に対向する送電共振子21−2(以下、第4の送電共振子という)に接続された電源11−2(以下、第4の電源という)の周波数fp4とは異なる。
第1の受電共振子と第2の受電共振子は、以下の受電共振子の動作帯域条件を満たすように設定される。図8の第1の受電共振子が取り得る最大の帯域Bmax3が示すように、第1の受電共振子の動作帯域に、第1の受電共振子に対向する第3の送電共振子に接続された第3の電源の周波数fp3が含まれ、且つ第2の受電共振子に対向する第4の送電共振子に接続された第4の電源の周波数fp4が含まれない。
また、図8の第2の受電共振子が取り得る最大の帯域Bmax4が示すように、第2の受電共振子の動作帯域に、第3の電源の周波数fp3が含まれず、且つ第4の電源の周波数fp4が含まれる。
このように設定することにより、第1の受電共振子は、第4の電源の周波数fp4では動作帯域外となる。つまり、第1の受電共振子は、第4の電源の周波数fp4で共振する第2の受電共振子と第4の電源の周波数fp4では磁界結合しない。同様に、第2の受電共振子は、第3の電源の周波数fp3では動作帯域外となる。つまり、第2の受電共振子は、第3の電源の周波数fp3で共振する第1の受電共振子と第3の電源の周波数fp3では磁界結合しない。従って、受電共振子間で磁界結合しないことで、受電共振子の特性の劣化を防止することができるので、送電共振子と受電共振子との間での伝送効率を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第1の受電共振子と第2の受電共振子の全ての組で、上述した受電共振子の動作帯域条件を満たすようにしたが、第1の受電共振子と第2の受電共振子の少なくとも一つの組で上述した受電共振子の動作帯域条件を満たすようにしてもよい。
また、第2の実施形態では、共振周波数が隣り合う受電共振子の組について、上述した受電共振子の動作帯域条件を満たすようにしたが、これに限ったものではない。共振周波数が隣り合っていない受電共振子の組について、上述した受電共振子の動作帯域条件を満たすようにしてもよい。これにより、この条件を満たす受電共振子の間では、第3の電源の周波数fp3及び第4の電源の周波数fp4において磁界結合しないので、磁界共鳴方式で複数の受電共振子へ無線電力伝送する場合に、受電装置に対する伝送効率を向上させることができる。
(第2の実施形態の第1の変形例)
続いて、第2の実施形態の第1の変形例について説明する。図9は、第2の実施形態の第1の変形例における電力伝送システム10bの構成を示す図である。図5の電力伝送システム10では、二つの受電装置2−1、2−2があるのに対し、図9の電力伝送システム10bでは、受電装置3が一つになっている。なお、図5と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。
受電装置3は、受電共振子31と、受電回路22−2とを備える。
受電共振子31の共振周波数は、電源11−1、11−2、…、11−nの周波数のうち最小の周波数から最大の周波数までの間の値である。例えば、受電共振子31の共振周波数は、電源11−1、11−2、…、11−nの周波数のうち最小の周波数と、電源11−1、11−2、…、11−nの周波数のうち最大の周波数との平均の周波数である。
これにより、この結果、受電共振子31がどの送電共振子に対抗して配置された場合でも、ある一定以上の伝送効率での無線電力伝送が可能である。このため、受電装置の位置の自由度が向上する効果が得られる。
ここで、ある一定以上の伝送効率とは、電源11−1、11−2、…、11−nの周波数のうち最小の周波数での伝送効率以上の伝送効率、または電源11−1、11−2、…、11−nの周波数のうち最大の周波数での伝送効率以上の伝送効率という意味である。
これらの最小の周波数と最大の周波数の間の周波数では、ある一定以上の伝送効率が得られる。これは、送電共振子の共振周波数と受電共振子の共振周波数の差が大きくなるほど伝送効率が単調に減少する現象に基づいている。
なお、受電共振子31の共振周波数は、電源11−1、11−2、…、11−nの周波数のうち中央値、最小値、または最大値であってもよい。
以上説明したように、第2の実施形態の第1の変形例において、受電共振子31の共振周波数は、電源11−1、11−2、…、11−nの周波数のうち最小の周波数から最大の周波数までの間の値である。これにより、受電装置の位置が変わった場合でも、ある一定以上の伝送効率が得られるので、受電装置の位置の自由度が向上する。
また、受電装置が車両、鉄道などの移動体の場合に、受電装置は、移動しながら受電することが可能となる。移動しながら受電する場合には、移動中に受電する場合と、移動先でいったん停止して受電し且つ受電後に再移動する場合とがある。この第1の変形例のように無線電力伝送システムを構成することで、これら二つのいずれの場合でも、ある一定以上の伝送効率での無線電力伝送が可能となる。
(第2の実施形態の第2の変形例)
続いて、第2の実施形態の第2の変形例について説明する。図10は、第2の実施形態の第2の変形例における電力伝送システム10cの構成を示す図である。なお、図5と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。図10に示すように、電力伝送システム10cでは、受電装置4が、図5の電力伝送システム10内の二つの受電装置2−1、2−2の構成を有するように変更されている。
第2の変形例では、一例として、受電共振子21−1が送電共振子12−1に対向し、受電共振子21−2が送電共振子12−1に対向するように、受電装置4が配置されている。ここで、受電共振子21−1、21−2の共振周波数は互いに異なる。
また、受電共振子21−1の共振周波数は、例えば、送電装置1の電源11−1の周波数と同じである。これにより、受電共振子21−1は、送電装置の電源11−1の周波数f1で共振する。従って、周波数f1で共振する送電共振子12−1と周波数f1で共振する受電共振子21−1の間で、高効率に無線電力伝送が可能となる。
同様に、受電共振子21−2の共振周波数は、例えば、送電装置1の電源11−2の周波数と同じである。これにより、受電共振子21−2は、送電装置の電源の周波数f2で共振する。従って、周波数f2で共振する送電共振子12−2と周波数f2で共振する受電共振子21−2の間で、高効率に無線電力伝送が可能となる。
これにより、2組の送電共振子と受電共振子の間で並列に無線電力伝送が可能となるので、受電装置4へ伝送可能な電力量は、図5に示す第2の実施形態の各受電装置へ伝送可能な電力量の2倍になる。
この第2の変形例の場合には、図5に示す第2の実施形態の場合と比べて、送電共振子及び受電共振子に流れる電流は変化しないので、発熱による送電共振子または受電共振子の温度上昇は、図5に示す第2の実施形態の場合と比べて変化しない。
以上説明したように、第2の実施形態の第2の変形例において、受電装置4は、複数の受電共振子を備える。これにより、受電装置4に対して並列に無線電力伝送が可能になるので、受電装置4へ伝送可能な電力量を増大することができる。
また、各受電共振子の共振周波数は、例えば、対向する送電共振子が接続された電源の周波数と同じである。これにより、各受電共振子は、この電源の周波数で共振する。従って、この電源の周波数で共振する送電共振子とこの電源の周波数で共振する受電共振子の間で、高効率に無線電力伝送が可能となる。
なお、受電共振子21−1の共振周波数が、送電装置1の電源11−1の周波数と同じであり、受電共振子21−2の共振周波数が、送電装置1の電源11−2の周波数と同じであるとしたが、これに限ったものではない。受電共振子21−1の共振周波数は、他の電源11−2〜11−nのうちのいずれかの電源の周波数と同じであってもよい。受電共振子21−2の共振周波数は、他の電源11−1、11−3〜11−nのうちのいずれかの電源の周波数と同じであってもよい。但し、その場合であっても、受電共振子21−2の共振周波数は、受電共振子21−1の共振周波数とは異なる。
なお、第2の変形例では、受電装置4の受電共振子の数が二つの場合について説明したが、これに限ったものではない。受電装置4の受電共振子の数は三つ以上であってもよい。
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第1の実施形態の送電装置1において設定された電源の周波数の条件に、さらに条件を追加するものである。ここで条件の追加とは、第1の実施の形態で説明した電源の周波数の条件と、本実施形態の電源の周波数の条件を両方満たすことを意味する。このような電源の周波数の条件を追加することによって、漏えい電磁界強度を低減することができる。以下詳細に説明する。
送電装置の送電共振子または受電共振子に電流が流れると、周囲に電界または磁界が発生する。電界強度または磁界強度が強い環境に電子機器を置いて動作させた場合、電子機器が干渉を受ける可能性がある。そこで、送電装置から漏洩する電界の強度、または磁界の強度を強くしすぎないようにすることが要求される場合がある。
電界強度または磁界強度の標準的な測定方法の一つを、国際無線障害特別委員会(CISPR)が策定している。この標準的な測定方法のパラメータの一つに、測定周波数帯域幅がある。漏えい電界の強度、または磁界の強度を、一定の周波数帯域幅に制限して、その周波数帯域幅内で電界強度、または磁界強度を測定するものである。この測定方法から、複数の漏えい波源があり、これらの複数の漏えい波源の周波数が異なっている場合、以下のことが言える。なお、漏えい波源の周波数と、漏えい電界または磁界の周波数は同一であるとして、説明を続ける。
複数の周波数で漏えい電界または磁界があった場合、これらの漏えい電界または磁界の周波数が、干渉ノイズ測定用に設定された同一の測定周波数帯域内にない場合には、別々の漏えい電界または磁界とみなす。一方、漏えい電界または磁界の周波数が同一の周波数帯域内にある場合、同一の電界または磁界とみなす。
複数の周波数からの電界または磁界が、同一の電界または磁界とみなされた場合には、その合計値を基準に電子機器に与える干渉度合いを判断する。その場合、複数の周波数での漏えい電界強度または磁界強度の合計値が、この最大許容値以下にする必要がある。
一方、複数の周波数からの電界または磁界が、異なる電界または磁界とみなされた場合、それぞれ別々に電子機器へ干渉を与えるものと解釈される。従って、複数の周波数のそれぞれの周波数での漏えい電界強度または磁界強度が、設定された最大許容値以下であればよい。
本実施形態では、例えば、複数の電源11−1〜11−nの周波数を順に並べたときに隣接する周波数のうち、低い方の周波数(以下、第1基本周波数という)が干渉ノイズ測定用に設定された周波数帯域内にある場合、この隣接する周波数の周波数差は、この周波数帯域に応じて設定された測定周波数帯域幅よりも大きくなるように設定される。
図11(A)は、第3の実施形態で追加される周波数差の条件の第1の例を示す図である。図11(A)に示すように、第1基本周波数fLが9kHzから150kHzの範囲にある場合、第1基本周波数と第2基本周波数との周波数差Δf(=fH−fL)が、200Hzよりも大きくなるように設定される。この設定は、干渉ノイズ測定用に設定された周波数帯域が、9kHzから150kHzの範囲で、この周波数帯域に応じて設定された測定周波数帯域幅が200Hzの例である。CISPRで定めている9kHzから150kHz周波数帯域での標準的な測定周波数帯域幅は200Hzである。
図11(B)は、第3の実施形態で追加される周波数差の条件の第2の例を示す図である。図11(B)に示すように、第1基本周波数fLが150kHzから30MHzの範囲にある場合、第1基本周波数と第2基本周波数との周波数差Δf(=fH−fL)が、9kHzよりも大きくなるように設定されてもよい。この設定は、干渉ノイズ測定用に設定された周波数帯域が、150kHzから30MHzの範囲で、この周波数帯域に応じて設定された測定周波数帯域幅が9kHzの例である。CISPRで定めている150kHzから30MHzの周波数帯域での標準的な測定周波数帯域幅は9kHzである。
図11(C)は、第3の実施形態で追加される周波数差の条件の第3の例を示す図である。図11(C)に示すように、第1基本周波数fLが30MHzから1GHzの範囲にある場合、第1基本周波数と第2基本周波数との周波数差Δf(=fH−fL)が、120kHzよりも大きくなるように設定されてもよい。この設定は、干渉ノイズ測定用に設定された周波数帯域が、30MHzから1GHzの範囲で、この周波数帯域に応じて設定された測定周波数帯域幅が120kHzの例である。CISPRで定めている周波数30MHzから1GHzの範囲の標準的な測定周波数帯域幅は120kHzである。
従って、第1の例から第3の例のいずれかのように設定することにより、複数の周波数からの電界または磁界が、異なる電界または磁界とみなされる。この場合、第1基本周波数fLと第2基本周波数fHそれぞれの周波数での漏えい電界強度または磁界強度が、設定された最大許容値以下であればよいので、漏えい電界強度または磁界強度が最大許容値を超える可能性を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態においては、第1の実施形態における電源の周波数に関する条件に加えて、複数の電源11−1〜11−nの周波数を順に並べたときに隣接する周波数のうち、低い方の周波数が干渉ノイズ測定用に設定された周波数帯域内にある場合、この隣接する周波数の周波数差は、この周波数帯域に応じて設定された測定周波数帯域幅よりも大きくなるように設定される。
これにより、送電装置1から漏洩する異なる周波数の電界または磁界が、別々の電界または磁界とみなせるので、複数の周波数を用いても、規定の測定周波数帯域幅で計測される漏えい電界強度または磁界強度が最大許容値を超える可能性を低減することができる。
(第3の実施形態の第1の変形例)
続いて、第1の変形例について説明する。図12は、第3の実施形態の第1の変形例で追加される周波数差の条件の例を示す図である。図12に示すように、第1基本周波数fLが75kHzから150kHzの範囲にある場合第1基本周波数と第2基本周波数との周波数差Δf1(=fH−fL)が、4.5kHzよりも大きくなるように設定されてもよい。この設定は、干渉ノイズ測定用に設定された周波数帯域が、75kHzから150kHzの範囲で、この周波数帯域に応じて設定された測定周波数帯域幅が4.5kHzの例である。
これにより、第1基本周波数fLの2倍高調波の周波数2fLが、150kHzから30MHzの範囲になり、2倍高調波の周波数差Δf2(=2fH−2fL)は、9kHzを超える。
ここで、CISPRで定めている周波数150kHzから30MHzの範囲の標準的な測定周波数帯域幅は、9kHzである。上述のように電源の周波数を設定することで、無線電力伝送に用いる周波数の2倍高調波の周波数差を、9kHzより大きくすることができる。これにより、無線電力伝送した場合には、電力伝送に用いる周波数の整数倍の高調波が発生する場合があるが、2倍高調波の周波数差が、周波数150kHzから30MHzの範囲の標準的な測定周波数帯域幅より大きくなる。
また、無線電力伝送に用いる隣接する周波数の周波数差は4.5kHzより大きいので、CISPRの標準的な測定周波数帯域幅200Hzよりも大きい。
従って、この第1の変形例により、無線電力伝送を行う複数の周波数の電界または磁界、及び、これら複数の周波数の2倍の高調波の電界または磁界は、別々の電界または磁界とみなせる。これにより、無線電力伝送を行う複数の周波数においても、これら複数の周波数の2倍の高調波においても、規定の測定周波数帯域幅で計測される漏えい電界強度または磁界強度が最大許容値を超える可能性を低減することができる。
(第3の実施形態の第2の変形例)
続いて、第2の変形例について説明する。図13は、第3の実施形態の第2の変形例で追加される周波数差の条件の例を示す図である。図13に示すように、第1基本周波数fLが50kHzから150kHzの範囲にある場合、第1基本周波数と第2基本周波数との周波数差Δf1(=fH−fL)が、3kHz以上よりも大きくなるように設定されてもよい。この設定は、干渉ノイズ測定用に設定された周波数帯域が、50kHzから150kHzの範囲で、この周波数帯域に応じて設定された測定周波数帯域幅が3kHzの例である。
これにより、第1基本周波数fLの3倍高調波の周波数3fLは、150kHzから30MHzの範囲になり、3倍高調波の周波数差Δf2(=3fH−3fL)は、9kHzを超える。
ここで、CISPRで定めている周波数150kHzから30MHzの範囲の標準的な測定周波数帯域幅は、9kHzである。上述のように電源の周波数を設定することで、無線電力伝送に用いる周波数の3倍高調波の周波数差を、9kHzより大きくすることができる。これにより、無線電力伝送した場合には、電力伝送に用いる周波数の奇数倍の高調波が発生する場合があるが、3倍高調波の周波数差が、周波数150kHzから30MHzの範囲の標準的な測定周波数帯域幅より大きくなる。
また、無線電力伝送に用いる隣接する周波数の周波数差は3kHzより大きいので、CISPRの標準的な測定周波数帯域幅200Hzよりも大きい。
従って、この第2の変形例により、無線電力伝送を行う複数の周波数の電界または磁界、及び、これら複数の周波数の3倍の高調波の電界または磁界は、別々の電界または磁界とみなせる。これにより、無線電力伝送を行う複数の周波数においても、これら複数の周波数の3倍の高調波においても、規定の測定周波数帯域幅で計測される漏えい電界強度または磁界強度が最大許容値を超える可能性を低減することができる。
(第4の実施形態)
続いて、第4の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比べて、送電装置に含まれる複数の電源それぞれが、同一周波数の複数の副電源を備え、複数の送電共振子それぞれが、同一の共振周波数を有する複数の副送電共振子を備える点で異なっている。そして、受電装置に含まれる複数の受電共振子それぞれが、同一の共振周波数を有する複数の副受電共振子を備える。これにより、各周波数での無線電力伝送の並列化して、各周波数での無線電力伝送の送電電力を増大させることができる。
図14は、第4の実施形態における送電装置5の構成を示す図である。図14に示すように、電源51−1、…、51−n(nは1以上の整数)のn個の電源51−i(iは1からnまでの整数)と、送電共振子52−1、…、52−nのn個の送電共振子52−iとを備える。
ここで、各電源51−iは、副電源51−i−1、…、51−i−m(mは2以上の整数)のm個の副電源51−i−j(jは1からmまでの整数)を備える。副電源51−i−1、…、51−i−mは、同一周波数の交流電力を出力する。
また、各送電共振子52−iは、副送電共振子52−i−1、…、52−i−mのm個の副送電共振子52−i−jを備える。各副送電共振子52−i−jは、インデックスi及びjが両方とも同じ副電源51−i−jに接続されている。副送電共振子52−i−1、…、52−i−mは、一例として互いに同一の共振周波数を有する回路であり、その共振周波数は、インデックスiが同じ副電源51−i−1、…、51−i−mの周波数と同じである。
これにより、各副送電共振子52−i−jは、副電源51−i−jが出力した交流電力を用いて、自身の共振周波数で共振する。このように、各周波数での無線電力伝送の並列数をm個とすることにより、各周波数での無線電力伝送の送電電力の最大値をm倍にすることができる。
続いて、第4の実施形態における受電装置7の構成について説明する。図15は、第4の実施形態における受電装置7の構成を示す図である。図15に示すように、受電共振子71−1、…、71−n(nは1以上の整数)のn個の受電共振子51−i(iは1からnまでの整数)と、受電回路72−1、…、72−nのn個の受電回路72−iとを備える。
ここで、各受電共振子71−iは、副受電共振子71−i−1、…、71−i−mのm個の副受電共振子71−i−jを備える。副受電共振子71−i−1、…、71−i−mは、一例として互いに同一の共振周波数を有する受電共振子であり、その共振周波数は、一例としてインデックスiが同じ図14の副電源51−i−1、…、51−i−mの周波数と同じである。これにより、副受電共振子71−i−1、…、71−i−mは、自身の共振周波数で共振することができるので、伝送効率を向上させることができる。
なお、副受電共振子71−i−1、…、71−i−mの共振周波数は、図14の他の副電源51−k−1、…、51−k−m(ここで、kはiとは異なる1からnまでの整数)の周波数と同じであってもよい。
また、各受電回路72−iは、副受電回路72−i−1、…、72−i−mのm個の副受電回路72−i−jを備える。各副受電回路72−iは、インデックスi及びjが両方とも同じ副受電共振子と接続されている。
このように受電装置を構成することで、大電力で送電された電力を効率よく受電することができる。本実施形態のように、送電装置5の副送電共振子の数と受電装置7の副受電共振子の数が一致している場合、全ての送電共振子を用いて無線電力伝送ができる。
一方、送電装置の送電共振子の数と受電共振子の数が一致していない場合、以下の二つのケースがある。一方のケースは、副送電共振子の数が副受電共振子の数よりも多い場合である。この場合には、受電装置の全ての副受電共振子を用いて、受電することができる。余った副送電共振子は、別の受電装置への無線電力伝送にも使えるし、無線電力伝送をしなくてもよい。
他方のケースは、副送電共振子の数が副受電共振子の数よりも少ない場合である。この場合には、受電共振子の全てで受電できないが、一部の受電共振子のみで受電すればよい。
以上、本実施形態によれば、周波数の数を増やすことなく、各周波数での無線電力伝送の並列数を増やすことにより、送電電力量を増大させることができる。本実施形態は、特に、周波数資源は有限であるために、特定の周波数範囲内の周波数を用いる制限がある場合に有効である。
なお、本実施形態では、送電装置に含まれる複数の電源の全てが同一周波数の複数の副電源から構成されていたが、これに限ったものではない。送電装置に含まれる複数の電源のうち一部の電源が同一周波数の複数の副電源から構成されていてもよい。
このことに鑑みると、第4の実施形態における送電装置5において、複数の電源のうち少なくとも一つは、互いに周波数が同じ交流電力を出力する複数の副電源を備える。複数の送電共振子のうち少なくとも一つは、前記複数の副電源のうち互いに異なる副電源と接続された複数の副送電共振子を備える。
これにより、周波数の数を増やすことなく、各周波数での無線電力伝送の並列数を増やすことにより、送電電力量を増大させることができる。
(第4の実施形態の変形例)
続いて、第4の実施形態の変形例について説明する。第4の実施形態の変形例では、複数の副送電共振子から漏洩する電磁界が互いに打ち消し合うように、複数の副電源が出力する交流電力の位相を制御する。
図16は、第4の実施形態の変形例における送電装置6の構成を示す図である。なお、図14と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。図16の送電装置6の構成は、図14の送電装置5の構成に対して、位相制御器62−1、…、62−nのn個の位相制御器62−iが追加されたものになっている。
各位相制御器62−iは、m個の副電源51−i−1、…、51−i−mと接続されている。そして、各位相制御器62−iは、m個の副送電共振子52−i−1、…、52−i−mから漏洩する電磁界が互いに打ち消し合うように、m個の副電源51−i−1、…、51−i−mが出力する交流電力の位相を制御する。これにより、m個の副送電共振子52−i−1、…、52−i−mから漏洩する電界または磁界を低減することができる。
ここで、副送電共振子から漏洩する電界または磁界の強度は、副送電共振子に流れる電流の振幅に比例する。また、副送電共振子から漏洩する電界または磁界の位相は、副送電共振子に流れる電流の位相に対応する。ここで対応とは、電流の位相が10度変わった場合、電界または磁界の位相も10度変わるといった、線形の関係にあることである。
従って、m個の副送電共振子52−i−1、…、52−i−mに流れる電流の位相を制御することにより、m個の副送電共振子52−i−1、…、52−i−mから漏洩する電界または磁界の位相も制御される。例えば、副送電共振子の数が2(すなわちm=2)であり、それぞれの電流位相が0度と180度に制御される場合を想定する。この場合、副送電共振子から漏えいする電界または磁界は180度の位相差となる。磁界が180度の位相差で合成されることは、磁界が打ち消し合うことと等価である。
また、副送電共振子の数が3(すなわちm=3)以上の場合、それぞれの電流位相が0度、120度、及び180度に制御されてもよい。このように、副送電共振子の数がmの場合、副送電共振子の電流位相が360/m度ずつずれるように制御されてもよい。
ここで、磁界の打ち消し合う効果は、副送電共振子に流れる電流の振幅で決定される。両者の電流振幅が同一であれば、磁界の打ち消し合う効果が最大となる。両者の電流振幅が近づくほど磁界の打ち消し合う効果が大きくなり、両者の電流振幅の差が大きくなるほど磁界の打ち消し合う効果が小さくなる。なお、磁界の打ち消し合う効果は小さくなるが、位相制御のみでも、漏えいする電界または磁界を低減することができる。
このことから、各位相制御器62−iは、m個の副送電共振子52−i−1、…、52−i−mに流れる電流の振幅が互いに近づくように、m個の副電源51−i−1、…、51−i−mが出力する交流電力の振幅を制御してもよい。これにより、磁界の打ち消し合う効果を大きくすることができる。
同一周波数で無線電力伝送の並列数を増やした場合において、漏えいする電界または磁界の強度が同一の周波数帯域幅に存在することとなり、干渉が増大する。それに対し、この変形例によれば、副電源の位相差を制御することで、同一周波数で無線電力伝送の並列数を増やした場合でも、漏えいする電界または磁界の強度を低減することができる。
以上説明したように、この変形例において、送電装置6は、複数の副送電共振子から漏洩する電磁界が互いに打ち消し合うように、複数の副電源が出力する交流電力の位相を制御する位相制御器を更に備える。
これにより、限られた周波数範囲で並列伝送数を増加させて、送電電力量を増大させた場合でも、漏洩する電磁界が互いに打ち消すようにすることにより、漏えいする電界または磁界の強度を低減させることができる。
なお、第1〜第4の実施形態において、複数の送電共振子のうち周波数軸上で共振周波数が互いに隣り合う送電共振子の組で、以下の動作帯域条件を満たすようにしたが、これに限ったものではない。ここで、この動作帯域条件は、第1の送電共振子の動作帯域に、第1の電源の周波数が含まれ、且つ第2の電源の周波数が含まれず、第2の送電共振子の動作帯域に、第1の電源の周波数が含まれず、且つ第2の電源の周波数が含まれるというものである。
複数の送電共振子のうち周波数軸上で共振周波数が隣り合っていない送電共振子の組で、この動作帯域条件を満たすようにしてもよい。但し、上記の動作帯域条件で、共振周波数が隣り合っていない送電共振子の一方を第1の送電共振子、他方を第2の送電共振子と読み替えるものとする。
これにより、この動作帯域条件を満たす送電共振子の間で磁界結合しないので、磁界共鳴方式で複数の受電共振子へ無線電力伝送する場合に、受電装置に対する伝送効率を向上させることができる。
(第5の実施形態)
続いて、第5の実施形態について説明する。第2の実施形態では、送電共振子と電源とを1対1で接続した。それに対し、第5の実施形態では、送電共振子を共通化して、一つの送電共振子が複数の電源と接続する。
図17は、第5の実施形態における電力伝送システム10dの構成を示す図である。図17に示すように、送電装置8、受電装置9−1、…、9−nまでのn個の受電装置9−iを備える。
送電装置8は、電源81−1、81−2、…、81−nまでのn個の電源81−iと、各電源81−iと接続された送電共振子82とを備える。
電源81−1、81−2、…、81−nは、互いに異なる周波数の交流電力を送電共振子82へ出力する。
送電共振子82は、電源81−1、81−2、…、81−nから供給された電力を用いて共振する。送電共振子82の動作帯域は、電源81−1、81−2、…、81−nの全ての周波数を含む。これにより、送電共振子82は、電源81−1、81−2、…、81−nの周波数のいずれでも共振することができる。
各受電装置9−iは、受電共振子91−iと、この受電共振子91−iに接続された受電回路92−iとを備える。
各受電共振子91−iは、磁界共鳴により送電共振子82から無線で電力を受信する。また、各受電共振子91−iは、互いに共振周波数が異なる。
各受電回路92−i、接続された受電共振子91−iから電力を受け取る。
続いて、周波数軸上で共振周波数が隣り合う受電共振子の動作帯域と、対応する電源の周波数との関係を図18を用いて説明する。図18は、周波数軸上で共振周波数が隣り合う受電共振子の動作帯域と、対応する電源の周波数との関係の例を示す図である。図18の例では、一例として、第1の受電共振子の共振周波数fr1が、対応する第1の電源の周波数fp1とは異なる。また、一例として、第2の受電共振子の共振周波数fr2が、対応する第2の電源の周波数fp2とは異なる。
ここで、複数の受電共振子91−1〜91−nのうち周波数軸上で共振周波数が隣り合う受電共振子を、第1の受電共振子と第2の受電共振子と呼ぶ。そして、第1の受電共振子と第2の受電共振子の全ての組は、以下の受電共振子の動作帯域条件を満たす。
図18の第1の受電共振子が取り得る最大の帯域Bmax5が示すように、第1の受電共振子の動作帯域に、複数の電源81−1〜81−nのうち第1の受電共振子の共振周波数に最も近い周波数の第1の電源の周波数fp1が含まれ、且つ複数の電源81−1〜81−nのうち周波数軸上で周波数が隣り合う第2の電源の周波数fp2が含まれない。
また、図18の第2の受電共振子が取り得る最大の帯域Bmax6が示すように、第2の受電共振子の動作帯域に、第1の電源の周波数fp1が含まれず、且つ第2の電源の周波数fp2が含まれる。
このように設定することにより、第1の受電共振子は、第2の電源の周波数fp2では動作帯域外となる。つまり、第1の受電共振子は、第2の電源の周波数fp2で共振する第2の受電共振子と磁界結合しない。同様に、第2の受電共振子は、第1の電源の周波数fp1では動作帯域外となる。つまり、第2の受電共振子は、第1の電源の周波数fp1で共振する第1の受電共振子と磁界結合しない。従って、受電共振子91−1〜91−nの間で磁界結合しないことになるので、受電共振子91−1〜91−nの特性の劣化を防止することができる。その結果、送電共振子82と受電共振子91−1〜91−nとの間での伝送効率を向上させることができる。
以上説明したように、第5の実施形態において、電力伝送システム10dは、互いに異なる周波数の交流電力を出力する複数の電源81−1〜81−nと、複数の電源81−1〜81−nと接続された送電共振子82と、送電共振子82から磁界共鳴により無線で受電し、互いに共振周波数が異なる複数の受電共振子91−1〜91−nと、を備える。そして、複数の受電共振子91−1〜91−nのうち周波数軸上で共振周波数が隣り合う受電共振子を、第1の受電共振子と第2の受電共振子とした場合に、第1の受電共振子の動作帯域に、複数の電源81−1〜81−nのうち第1の受電共振子の共振周波数に最も近い周波数を呈する第1の電源の周波数が含まれ、且つ複数の電源81−1〜81−nのうち周波数軸上で第1の電源と周波数が隣り合う第2の電源の周波数が含まれない。更に、第2の受電共振子の動作帯域に、第1の電源の周波数が含まれず、且つ第2の電源の周波数が含まれる。
これにより、受電共振子91−1、…、91−nの間で磁界結合しないことになるので、受電共振子91−1〜91−nの特性の劣化を防止することができる。その結果、送電共振子82と受電共振子91−1〜91−nとの間での伝送効率を向上させることができる。
第5の実施形態では、第2の実施形態の各送電共振子に比べて、本実施形態の送電共振子82に流れる電流が増大するので、送電共振子82での温度上昇が大きくなる。また、第2の実施形態と比べて、送電共振子と受電共振子との間の物理的距離が離れてしまうので、伝送効率が低くなる。しかし、第2の実施形態に比べて、送電共振子の数を少なくすることができるので、送電装置8のコストを低減することができる。よって、第5の実施形態における電力伝送システム10dは、温度上昇及び伝送効率の低下があまり問題にならないアプリケーションに適用する際に、有効である。
なお、第5の実施形態では、第1の受電共振子と第2の受電共振子の全ての組で、上述した受電共振子の動作帯域条件を満たしたが、これに限ったものではない。第1の受電共振子と第2の受電共振子の少なくとも一つ以上の組で、上述した受電共振子の動作帯域条件を満たしてもよい。
なお、受電共振子91−1〜91−nそれぞれの共振周波数は、複数の電源81−1〜81−nの周波数のいずれかと等しくてもよい。その場合、上記第1の電源の周波数と上記第2の電源の周波数との差は、上記第1の受電共振子の動作帯域幅の2分の1より大きく、且つ上記第2の受電共振子の動作帯域幅の2分の1より大きくなるように設定されてもよい。これにより、受電共振子91−1〜91−nの間で磁界結合しないことになるので、受電共振子91−1〜91−nの特性の劣化を防止することができる。その結果、送電共振子82と受電共振子91−1〜91−nとの間での伝送効率を向上させることができる。
なお、第5の実施形態では、周波数が隣り合う電源の組について、上述した受電共振子の動作帯域条件を満たすようにしたが、これに限ったものではない。周波数が隣り合っていない電源の組について、上述した受電共振子の動作帯域条件を満たすようにしてもよい。これにより、この条件を満たす受電共振子の間で磁界結合がないので、磁界共鳴方式で複数の受電共振子へ無線電力伝送する場合に、受電装置に対する伝送効率を向上させることができる。
また、各実施形態では、磁界共鳴方式を用いて無線で送電する例を説明したが、これに限ったものではない。各実施形態は、例えば、電界共鳴などの他の方法を用いて無線で送電する場合にも、同様に適用できる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
10、10b、10c、10d 電力伝送システム
1、5、6 送電装置
11−1、11−2、…、11−n、51−1、…、51−n、81−1、…、81−n 電源
12−1、12−2、…、12−n、52−1、…、52−n、82 送電共振子
2−1、2−2、3 受電装置
21−1、21−2、31、71−1、…、71−n、91−1、…、91−n 受電共振子
22−1、22−2、72−1、…、72−n、92−1、…、92−n 受電回路
51−1−1、…、51−1−m、…、51−n−1、…、51−n−m 副電源
52−1−1、…、52−1−m、…、52−n−1、…、52−n−m 副送電共振子
71−1−1、…、71−1−m、…、71−n−1、…、71−n−m 副受電共振子
72−1−1、…、72−1−m、…、72−n−1、…、72−n−m 副受電回路
62−1、…、62−n 位相制御器

Claims (18)

  1. 無線で送電する第1の送電共振子と、
    無線で送電する第2の送電共振子と、
    交流電力を前記第1の送電共振子へ出力する第1の電源と、
    前記第1の電源とは異なる周波数の交流電力を前記第2の送電共振子へ出力する第2の電源と、
    を備え、
    前記第1の送電共振子の動作帯域に、前記第1の電源の周波数が含まれ、且つ前記第2の電源の周波数が含まれず、
    前記第2の送電共振子の動作帯域に、前記第1の電源の周波数が含まれず、且つ前記第2の電源の周波数が含まれるとともに、
    前記第1の電源と前記第2の電源のうち低い方の周波数が干渉ノイズ測定用に設定された周波数帯域内にある場合、前記第1の電源と前記第2の電源との周波数差は、前記周波数帯域に応じて設定された測定周波数帯域幅よりも大きくなるように設定される
    送電装置。
  2. 前記第1の送電共振子と前記第2の送電共振子を含む三つ以上の送電共振子を備え、
    前記第1の送電共振子と前記第2の送電共振子の共振周波数は、前記三つ以上の送電共振子の共振周波数を周波数順に並べた場合に互いに隣り合っている
    請求項1に記載の送電装置。
  3. 前記第1の送電共振子の共振周波数は、前記第1の電源の周波数と等しく、
    前記第2の送電共振子の共振周波数は、前記第2の電源の周波数と等しく、
    前記第1の電源の周波数と前記第2の電源の周波数との差は、前記第1の送電共振子の動作帯域幅の2分の1より大きく、且つ前記第2の送電共振子の動作帯域幅の2分の1より大きい
    請求項1または2に記載の送電装置。
  4. 前記第1の送電共振子の動作帯域幅は、前記第1の送電共振子の共振周波数を前記第1の送電共振子のQ値で割った値であり、
    前記第2の送電共振子の動作帯域幅は、前記第2の送電共振子の共振周波数を前記第2の送電共振子のQ値で割った値である
    請求項3に記載の送電装置。
  5. 前記第1の電源と前記第2の電源のうち少なくとも一つは、互いに周波数が同じ交流電力を出力する複数の副電源を備え、
    前記第1の送電共振子と前記第2の送電共振子のうち少なくとも一つは、前記複数の副電源のうち互いに異なる副電源と接続された複数の副送電共振子を備える
    請求項1から4のいずれか一項に記載の送電装置。
  6. 前記複数の副送電共振子から漏洩する電磁界が互いに打ち消し合うように、前記複数の副電源が出力する交流電力の位相を制御する位相制御器を更に備える
    請求項に記載の送電装置。
  7. 前記位相制御器は、前記複数の副送電共振子に流れる電流の振幅が互いに近づくように、前記複数の副電源が出力する交流電力の振幅を制御する
    請求項に記載の送電装置。
  8. 無線で送電する第1の送電共振子と、無線で送電する第2の送電共振子と、交流電力を前記第1の送電共振子へ出力する第1の電源と、前記第1の電源とは異なる周波数の交流電力を前記第2の送電共振子へ出力する第2の電源と、を備え、前記第1の送電共振子の動作帯域に、前記第1の電源の周波数が含まれ、且つ前記第2の電源の周波数が含まれず、前記第2の送電共振子の動作帯域に、前記第1の電源の周波数が含まれず、且つ前記第2の電源の周波数が含まれるとともに、前記第1の電源と前記第2の電源のうち低い方の周波数が干渉ノイズ測定用に設定された周波数帯域内にある場合、前記第1の電源と前記第2の電源との周波数差は、前記周波数帯域に応じて設定された測定周波数帯域幅よりも大きくなるように設定される送電装置から非接触で電力を受信する受電装置であって、
    前記第1の送電共振子または前記第2の送電共振子から無線で受電する一つ以上の受電共振子を備え、
    前記一つ以上の受電共振子のいずれか一つの受電共振子の動作帯域に、前記第1の電源の周波数または前記第2の電源の周波数が含まれる
    受電装置。
  9. 前記一つ以上の受電共振子のいずれか一つの受電共振子の共振周波数は、前記第1の電源と前記第2の電源の周波数のうちいずれかの周波数である
    請求項に記載の受電装置。
  10. 前記一つ以上の受電共振子のいずれか一つの受電共振子の共振周波数は、前記送電装置が備える複数の電源の周波数のうち最小の周波数から最大の周波数までの間の値である
    請求項に記載の受電装置。
  11. 前記一つ以上の受電共振子は、第1の受電共振子と第2の受電共振子とを含んでおり、
    前記第1の受電共振子の動作帯域に、前記第1の電源の周波数が含まれ、且つ前記第2の電源の周波数が含まれず、
    前記第2の受電共振子の動作帯域に、前記第1の電源の周波数が含まれず、且つ前記第2の電源の周波数が含まれる
    請求項から10のいずれか一項に記載の受電装置。
  12. 前記一つ以上の受電共振子は、三つ以上であり、
    前記第1の受電共振子と前記第2の受電共振子の共振周波数は、三つ以上の前記受電共振子の共振周波数を周波数順に並べた場合に互いに隣り合っている
    請求項11に記載の受電装置。
  13. 前記複数の電源のうち少なくとも一つは、互いに周波数が同じ交流電力を出力する複数の副電源を備え、
    前記複数の送電共振子のうち少なくとも一つは、互いに異なる前記副電源と接続された複数の副送電共振子を備え、
    前記受電共振子のうち少なくとも一つは、前記複数の副送電共振子に含まれる副送電共振子から無線で受電する複数の副受電共振子を備える
    請求項から12のいずれか一項に記載の受電装置。
  14. 前記第1の電源と前記第2の電源のうち低い方の周波数が9kHzから150kHzの範囲にある場合、
    前記周波数差はさらに、200Hzより大きい条件を満たす
    請求項1から7のいずれか一項に記載の送電装置。
  15. 前記第1の電源と前記第2の電源のうち低い方の周波数が150kHzから30MHzの範囲にある場合、
    前記周波数差はさらに、9kHzより大きい条件を満たす
    請求項1から7のいずれか一項に記載の送電装置。
  16. 前記第1の電源と前記第2の電源のうち低い方の周波数が30MHzから1GHzの範囲にある場合、
    前記周波数差はさらに、120kHzより大きい条件を満たす
    請求項1から7のいずれか一項に記載の送電装置。
  17. 前記第1の電源と前記第2の電源のうち低い方の周波数が75kHzから150kHzの範囲にある場合、
    前記周波数差はさらに、4.5kHzより大きい条件を満たす
    請求項1から7のいずれか一項に記載の送電装置。
  18. 前記第1の電源と前記第2の電源のうち低い方の周波数が50kHzから150kHzの範囲にある場合、
    前記周波数差はさらに、3kHzより大きい条件を満たす
    請求項1から7のいずれか一項に記載の送電装置。
JP2016527569A 2014-06-12 2014-06-12 送電装置、受電装置、及び電力伝送システム Active JP6276854B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2014/065620 WO2015189959A1 (ja) 2014-06-12 2014-06-12 送電装置、受電装置、及び電力伝送システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015189959A1 JPWO2015189959A1 (ja) 2017-04-20
JP6276854B2 true JP6276854B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=54833087

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016527569A Active JP6276854B2 (ja) 2014-06-12 2014-06-12 送電装置、受電装置、及び電力伝送システム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US10658876B2 (ja)
JP (1) JP6276854B2 (ja)
WO (1) WO2015189959A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20190214851A1 (en) * 2016-05-19 2019-07-11 Sharp Kabushiki Kaisha Power supply device
US9742222B1 (en) * 2017-02-01 2017-08-22 Wardenclyffe LLC Wireless power transfer method and system
KR102454603B1 (ko) * 2017-11-30 2022-10-14 주식회사 위츠 무선 전력 송신 장치 및 그의 제어 방법
JP7002372B2 (ja) * 2018-03-13 2022-01-20 株式会社東芝 送電装置および電力伝送システム
CN110492574B (zh) * 2019-09-04 2021-04-30 华润微集成电路(无锡)有限公司 防通讯串扰的无线充电电路结构及设置其工作频率的方法
JP7364876B2 (ja) * 2019-09-26 2023-10-19 東芝情報システム株式会社 電源供給制御システム及び電気機器端末
CA3188361A1 (en) * 2020-08-11 2022-02-17 Richard Perkins Roof mounted photovoltaic system and method for wireless transfer of electrical energy

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080227478A1 (en) * 2007-03-15 2008-09-18 Greene Charles E Multiple frequency transmitter, receiver, and systems thereof
JP5362037B2 (ja) * 2009-12-24 2013-12-11 株式会社東芝 無線電力伝送装置
JP2011199975A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Nec Corp 非接触送電装置、非接触送電システムおよび非接触送電方法
JP5399340B2 (ja) * 2010-08-10 2014-01-29 日本電信電話株式会社 ワイヤレス給電方法およびワイヤレス給電システム
JP5987213B2 (ja) * 2010-10-08 2016-09-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 無線電力伝送装置、ならびに無線電力伝送装置を備える発電装置
US9281875B2 (en) * 2011-02-28 2016-03-08 Mitsubishi Electric Research Laboratories, Inc. System and method for automatically optimizing wireless power
KR20130036937A (ko) 2011-10-05 2013-04-15 삼성전자주식회사 멀티 홉 네트워크에서 릴레이 노드가 간섭을 관리하는 방법 및 간섭을 관리하는 릴레이 노드
EP2579522B1 (en) 2011-10-05 2018-05-30 BlackBerry Limited Wireless power charging and communication with wireless communication devices in a communication system
JP6029278B2 (ja) * 2011-12-21 2016-11-24 ソニー株式会社 受電装置及び非接触電力伝送システム
US9768643B2 (en) * 2012-11-02 2017-09-19 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Wireless power transmission system capable of continuing power transmission while suppressing heatup of foreign objects
WO2015037690A1 (en) 2013-09-11 2015-03-19 Kabushiki Kaisha Toshiba Control device and power transmitting device
US9302591B2 (en) * 2013-09-13 2016-04-05 Qualcomm Incorporated Systems and methods for bi-state impedance conversion in wireless power transfer
WO2015097810A1 (ja) * 2013-12-26 2015-07-02 三菱電機エンジニアリング株式会社 共振型電力伝送システム及び共振型電力送信装置
WO2015097807A1 (ja) * 2013-12-26 2015-07-02 三菱電機エンジニアリング株式会社 共振型送信電源装置及び共振型送信電源システム

Also Published As

Publication number Publication date
US20170005528A1 (en) 2017-01-05
JPWO2015189959A1 (ja) 2017-04-20
US10658876B2 (en) 2020-05-19
WO2015189959A1 (ja) 2015-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6276854B2 (ja) 送電装置、受電装置、及び電力伝送システム
US8482159B2 (en) Wireless power apparatus and wireless power-receiving method
US11223241B2 (en) Electric power transmission device and electric power transmission system
CN107492436B (zh) 一种感应线圈结构和无线电能传输系统
JP6142413B2 (ja) アンテナコイルユニット
JP5764032B2 (ja) ワイヤレス給電装置、受電装置および給電システム
US9509270B2 (en) Noise cancellation resonator
JP6028000B2 (ja) 電力伝送システム
JP2012055157A (ja) ワイヤレス受電装置、ワイヤレス給電装置およびワイヤレス給電システム
JP2016187260A (ja) ワイヤレス給電装置
US20160006270A1 (en) Wireless power transmission apparatus
US9553456B2 (en) Power converter in resonance power transmission system, and resonance power transmission apparatus
CN110098663A (zh) 一种高压在线监测设备的无线电能传输系统及配置方法
JP6600607B2 (ja) インダクタユニット、無線電力伝送装置、電動車両、および充電施設
JP2018011475A (ja) 受信装置及び無線伝送システム
JP2017169278A (ja) 無線電力伝送装置、無線電力伝送方法、プログラム、無線電力伝送システム
JP2012034524A (ja) 無線電力伝送装置
JP6702541B2 (ja) 無線電力伝送装置、送電装置および受電装置
JP2017077113A (ja) 無線送電装置、無線受電装置、および無線電力伝送装置
JP2019170017A (ja) ワイヤレス電力伝送システム
JP2017093141A (ja) 非接触送電装置
JP6310145B2 (ja) 送電装置および無線電力伝送システム
JP2018046671A (ja) 無線電力伝送システム、送電装置及び受電装置
JP2013017257A (ja) 電力伝送システム、その制御方法、及び電力供給装置
Imura et al. Open and Short-Circuit-Type Coils

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170609

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180112

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6276854

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151