以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る紙葉類処理装置は、複数の紙葉類を順次搬送しつつ、各紙葉類を処理するものである。たとえば、紙葉類処理装置としては、紙葉類としての郵便物(はがき、封書など)を住所および郵便番号などの宛先情報(区分情報)に応じて区分し、区分した紙葉類を集積する郵便区分機などを想定する。また、本実施形態に係る紙葉類処理装置は、処理対象となる紙葉類を供給部から取り出して紙葉類処理装置本体内の搬送路に送り出す紙葉類取出装置としての取出部を有する。たとえば、本実施形態に係る紙葉類取出装置は、郵便区分機に処理対象とする郵便物を取り出す取出部として用いることができる。
また、紙葉類処理装置の一例としての郵便区分機は、紙葉類としての郵便物に対する処理として、以下のような処理を行う。郵便区分機は、郵便物を1通ずつ取り出して、郵便物を順次搬送させる。郵便区分機は、搬送される郵便物の画像をスキャナにより読み取り、読み取った紙葉類の画像から住所および郵便番号などの宛先情報を認識する。郵便区分機は、集積部に設けた複数のスタッカを種々の宛先情報(配達用の区分情報)に対応づけておき、各郵便物の読取画像に対する宛先情報の認識結果に基づいて各郵便物の区分先とするスタッカを決定する。郵便区分機は、各紙葉類を区分先として決定したスタッカに搬送して集積する。
図1(a)及び図1(b)は、実施形態に係る紙葉類処理装置1の構成例を示す。図1(a)は、紙葉類処理装置1における各種のモジュールの構成例を示す。図1(b)は、図1(a)に示す紙葉類処理装置1を側面から見た場合の外観の構成例を示す。図1(a)及び図1(b)に示す紙葉類処理装置1は、たとえば、紙葉類としての郵便物(例えば、手紙あるいは封書など)を住所及び郵便番号などの宛先情報としての区分情報に基づいて区分処理する郵便区分機が想定される。
図1(a)に示す構成例において、紙葉類処理装置1は、オペレーションパネル10、供給部11、取出部12、搬送部13、排除部14、プレバーコード読取部15、文字認識部16、印刷部17、ベリファイバーコード読取部18、分岐部19、および、集積部20などの処理モジュールを備える。また、紙葉類処理装置1は、各モジュールの動作を制御する制御部と各モジュールの制御部を統合的に制御する制御部とを備える制御系を有する。なお、制御系の構成例については後述するものとする。
オペレーションパネル10は、ユーザインターフェースとして機能する。オペレーションパネル10は、たとえば、操作部および表示部を有する。オペレーションパネル10は、たとえば、操作部としてのタッチパネルを内蔵した表示装置により構成する。また、オペレーションパネル10は、操作部としてのキーボードと表示部としての表示装置とにより構成しても良い。
操作部としてのオペレーションパネル10は、オペレータによる各種の操作の入力を受け付ける。オペレーションパネル10は、入力された操作内容を示す信号を制御部に送信する。表示部としてのオペレーションパネル10は、制御部により生成された画面を表示する。例えば、オペレーションパネル10は、オペレータに対して各種の操作案内、及び処理結果などを表示する。
供給部11は、処理対象とする紙葉類をストックする。供給部11は、区分処理の対象となる複数の紙葉類が重ねられた状態でセットされる。区分処理の対象となる紙葉類は、第1の面に区分先を示す文字列が記載されているものを想定する。たとえば、区分先を示す文字列は、住所及び郵便番号などの宛先を示す文字列であっても良い。例えば、紙葉類は、第1の面が同一方向を向くように後端を揃えた状態で供給部11にセットされる。供給部11は、紙葉類を取出位置に設置された取出部12に順次供給する。
取出部12は、供給部11にセットされている紙葉類を所定の間隔で一通ずつ取出す。取出部12は、処理対象とする紙葉類としての郵便物を取り出す紙葉類取出装置として機能する。取出部12は、供給部11から取出した紙葉類を搬送部13の搬送路へ供給する。取出部12は、後述する取出ローラ、送出ローラ、および、各種センサなどを有する。例えば、取出部12は、供給部11の端部(取出位置)にある紙葉類に接するように設置される取出ローラが回転することにより、供給部11にセットされた紙葉類を供給部11の端部から1枚ずつ取り出す。取出部12は、取出ローラにより取り出した紙葉類を送出ローラにより搬送路13へ送り出す。なお、取出部12の構成例については、後で詳細に説明する。
搬送部13は、紙葉類を紙葉類処理装置1内の各部へ搬送する搬送路を有する。搬送部13としての搬送路は、搬送ローラ、搬送ベルト及び駆動プーリなどの搬送機構により構成される。駆動プーリは駆動モータにより駆動し、搬送ベルトは駆動プーリにより動作する。搬送部13は、搬送ベルトなどの搬送機構により構成される搬送路を一定速度で動作させることにより、取出部12により送り出された紙葉類を搬送させる。また、紙葉類処理装置1における搬送路上には、複数のセンサ及び複数のゲートが各所に設定される。紙葉類処理装置1の制御系は、各モジュールの処理結果に応じて逐次ゲート等を制御し、搬送路による紙葉類の搬送を制御する。
排除部14は、搬送路13上に設けられる。排除部14は、後段の処理が不可となる紙葉類を検出して排除する。たとえば、排除部14は、紙葉類毎に後段の処理が可能か否かを判定する。排除部14は、図示しない排除集積部を備える。排除集積部は、後段の処理が不可と判定された紙葉類(排除すべきと判定された紙葉類)を集積する。
排除部14は、長さ検出部、厚さ検出部、及び、固さ検出部を有する。長さ検知部は、紙葉類の搬送方向における長さを検出する。排除部14は、長さ検知部により長さが仕様の範囲外(処理不可)の紙葉類を検出する。厚さ検知部は、紙葉類の厚さを検出する。排除部14は、厚さ検知部により厚さが仕様の範囲外(処理不可)の紙葉類を検出する。固さ検出部は、紙葉類の固さを検出する。排除部14は、固さ検知部により固さが仕様の範囲外(処理不可)の紙葉類を検出する。排除部14は、長さ、厚さ、又は、固さの何れが仕様の範囲外であることが検出された紙葉類を排除する。
また、排除部14は、異物検知部、金属検知部、状態検出部、および、重なり検出部を備える。異物検知部は、後段の処理に不具合が生じる可能性のある異物を含む紙葉類を検出する。金属検知部は、後段の処理に不具合が生じる可能性のある金属が含まれている紙葉類を検出する。状態検知部は、後段の処理に不具合が生じる可能性のある形状及び搬送状態の紙葉類を検出する。重なり検出部は、複数の紙葉類が重なって搬送されている紙葉類を検出する。
排除部14は、異物検知部により異物が検出された紙葉類、金属検知部により金属が検出された紙葉類、状態検知部により定形外の形状であることが検出された紙葉類、状態検知部により搬送状態が正常でないことが検出された紙葉類、または、重なり検知部により重なりが検出された紙葉類を排除する。
プレバーコード読取部15は、搬送路を搬送される紙葉類に予め付与されているバーコードを読み取る。プレバーコード読取部15は、読み取ったバーコードを区分先を示す情報に変換する。プレバーコード読取部15は、読み取ったバーコードから得た区分先を示す情報(区分情報)を制御部に送信する。制御部は、プレバーコード読取部から受信した区分情報に基づいて紙葉類の搬送先を判断する。制御部は、判断した搬送先へ紙葉類を集積するように各部を制御する。
文字認識部16は、搬送路を搬送される紙葉類の第1の面に記載されている文字を認識する。文字認識部16は、紙葉類の第1の面の画像をスキャナで読取り、スキャナで読み取った画像から文字を認識する。文字認識部16は、紙葉類の区分情報を含む文字認識結果を制御部へ送信する。制御部は、文字認識部16から受信した文字認識結果に基づいて区分情報を生成し、区分情報に対応する区分先を判断する。
例えば、紙葉類が第1の面に住所及び郵便番号などの宛先を示す文字が記載されている郵便物であるものとする。この場合、文字認識部16は、郵便物の第1の面の画像をスキャナで読取り、そのスキャン画像に対してOCR処理を行うことにより、当該郵便物に記載された住所及び郵便番号などの宛先を認識する。文字認識部16は、住所及び郵便番号などの文字認識結果を宛先情報として制御部へ送信する。制御部は、文字認識部16から受信した宛先情報に基づいて当該郵便物の区分先を判断する。
印刷部17は、区分先を示す区分情報を紙葉類に印刷する。印刷部17は、区分情報を示すバーコードを紙葉類に印刷する。印刷部17が紙葉類に印刷するバーコードは、バーコード読取部15及び18により読み取り可能であれば良い。たとえば、印刷部17は、人の肉眼では視認できないインクで区分情報を示すバーコードを紙葉類に印刷する。なお、印刷部17は、紙葉類に印刷するバーコードとして二次元コードを印刷する構成であってもよい。区分情報をバーコードに変換し、この
ベリファイバーコード読取部18は、印刷部17により印刷したバーコードを含む画像を紙葉類から読み取る。ベリファイバーコード読取部18は、読み取ったバーコードの画像を情報に変換する。ベリファイバーコード読取部18は、バーコードから取得した情報を区分情報として制御部に送信する。制御部は、ベリファイバーコード読取部18から受信した区分情報に基づいて、紙葉類の区分先(集積部20におけるスタッカ)を決定する。
分岐部19は、制御系の制御に基づいて紙葉類を振り分ける。分岐部19は、紙葉類を振り分ける複数のゲートを有する。分岐部19の各ゲートは、後述する集積部20の各スタッカにつながる複数の段パス(後述する)の何れかに紙葉類を振り分ける。すなわち、紙葉類処理装置1の制御系は、紙葉類の区分情報に基づいて分岐部19の各ゲートの動作を制御することにより、複数の段バスの何れかに紙葉類を送る。
集積部20は、複数のモジュールM(M1、M2、M3、…)により構成する。各モジュールMは、紙葉類を集積する複数のスタッカを有する。たとえば、各モジュールMは、4段4列からなる16個のスタッカを有する。集積部20全体のスタッカ数は、各モジュールのスカッタ数を全モジュール分加算した数となる。各スタッカには、区分情報が対応づけられる。たとえば、郵便区分機は、紙葉類としての郵便物が配達順に並ぶように各スタッカに区分情報としての宛先が割り当てられる。
集積部20は、分岐部19で振分られた紙葉類を各モジュールMへ搬送するための段パスを有する。集積部20において、各モジュールMは、段バスごとに連結される。段パスは、各モジュールにおいてマトリクス状に配置した各スタッカへ紙葉類を搬送するための搬送路である。
また、集積部20は、複数のゲートを備える。各ゲートは、各スタッカに対応づけて設けられる。各ゲートは、集積部20の段パスにより搬送される紙葉類を各スタッカに取り込む機構である。制御系は、段パスから紙葉類をスタッカに取り込むタイミングで各ゲートを駆動させる。オン状態となったゲートは、段パスにより搬送されている紙葉類を対応するスタッカ内に導く。ゲートにより段パスから導かれた紙葉類は、取込ローラなどによりスタッカ内に取り込まれる。取り込まれた紙葉類は、スタッカ内に順番に集積される。
制御系は、区分情報が確定した紙葉類を集積部20内の区分情報に対応するスカッタへ集積する制御を行う。制御系は、分岐部19において、各ゲートにより紙葉類を区分情報に対するスタッカへ搬送するための段パスに振り分ける。制御系は、集積部20内において、段パスにおける紙葉類の搬送タイミングに応じて、区分情報に対応するスタッカに対応するゲートを動作させる。これにより、集積部20内の各スタッカには、区分情報に基づいて区分された紙葉類が集積される。
次に、紙葉類処理装置1の制御系の構成について説明する。
図2は、紙葉類処理装置1の制御系の構成例を示すブロック図である。
紙葉類処理装置1は、制御系の構成として、制御部101、パネル制御部111、取出制御部121、搬送制御部131、排除制御部141、判別制御部151、印刷制御部171、および、区分制御部191を備える。
制御部101は、紙葉類処理装置1における各部の動作を統合的に制御する。制御部101は、CPU、バッファメモリ、プログラムメモリ、及び不揮発性メモリなどを備える。CPUは、種々の演算処理を行う。バッファメモリは、CPUにより行われる演算の結果を一時的に記憶する。プログラムメモリ及び不揮発性メモリは、CPUが実行する種々のプログラム及び制御データなどを記憶する。制御部101は、CPUによりプログラムメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、種々の処理を行うことができる。
パネル制御部111は、紙葉類の処理状況や機器の異常情報などを表示するオペレーションパネル10の制御を行う。なお、オペレーションパネル10は、情報の表示と操作入力とが可能なタッチパネル内蔵の表示装置などにより構成されている。
取出制御部121は、取出部12および取出部12の周辺における紙葉類の搬送をコントロールする。取出制御部121は、供給部11からの紙葉類の取出し、および、取り出した紙葉類の搬送路へ送出などの動作を制御する。たとえば、取出制御部121は、CPU121a、RAM121b、ROM(プログラムメモリ)121c、不揮発性メモリ121d、タイマ121e、およびパラメータテーブル121fなどを備える。
CPU121aは、種々の演算処理を行う。RAM121bは、CPU121aにより行われる演算の結果を一時的に記憶する。たとえば、取り出した紙葉類の状態を検知するセンサによる検知結果は、RAM121bに格納される。ROM121c及び不揮発性メモリ121dは、CPU121aが実行する種々のプログラム及び制御データなどを記憶する。ROM121cは、書換え不可な不揮発性のメモリにより構成し、不揮発性メモリ121dは、書換え可能な不揮発性のメモリにより構成する。取出制御部121は、CPU121aによりROM121c又は不揮発性メモリ121dに記憶されているプログラムを実行することにより、種々の制御機能を実現できる。また、タイマ121eは、時間を計時する。
パラメータテーブル121fは、たとえば、取出制御部121内のROM121c又は不揮発性メモリ121dに設けるようにしても良い。パラメータテーブル121fは、供給部11から取り出した紙葉類を搬送部13の搬送路へ送り出すタイミングを設定するためのデータを格納する。たとえば、パラメータテーブル121fには、先行する紙葉類の厚さ(或いは先行する紙葉類との相対的な厚さの差)に応じて紙葉類の送出を制御するために設定すべきデータとして、送出ローラ127の回転タイミング、回転速度あるいは加速時間などを示すデータを格納する。
パラメータテーブル121fに格納したデータにより示される紙葉類の送出タイミングは、送り出す紙葉類とその直前に送り出した紙葉類(先行する紙葉類)との搬送間隔(GAP)を調整するものである。つまり、取出制御部121は、パラメータテーブル121fに設定したデータに基づいて供給部11から取り出した紙葉類の送出タイミングを制御することにより、搬送部13の搬送路を前後して搬送される2つの紙葉類間の搬送間隔(GAP)を調整する。
取出制御部121には、駆動回路122が接続される。駆動回路122は、モータ123を駆動させる回路である。モータ123は、取出部12に設けられた取出ローラ124を駆動させる。取出ローラ124は、供給部11から紙葉類を取り出すためのローラである。つまり、取出制御部121は、駆動回路122を制御することにより、モータ123で動作する取出ローラ124による紙葉類の取出しを制御する。
また、取出制御部121には、駆動回路125が接続される。駆動回路125は、モータ126を駆動させる回路である。モータ126は、取出部12に設けられた送出ローラ127を駆動させる。送出ローラ127は、取出ローラ124により取り出した紙葉類を当該紙葉類処理装置1内における搬送部13の搬送路へ送り出すためのローラである。取出制御部121は、駆動回路125を制御することにより、モータ126で動作する送出ローラ127による紙葉類の送出を制御する。
なお、モータ123によって駆動する取出ローラ124が、供給部11から取り出した紙葉類を搬送部13の搬送路まで送り出すような構成にしても良い。この場合、取出部12は、送出ローラ127を駆動させる駆動回路125およびモータ126の構成を省略しても良く、取出制御部121は、取出ローラ124の駆動を制御することにより供給部11から取り出した紙葉類を搬送部13の搬送路へ送り出すタイミングを制御するようにすれば良い。
さらに、取出制御部121には、取出部12および取出部12周辺に設けられた各センサが接続される。たとえば、取出制御部121には、取り出した紙葉類の先端及び後端を検知するためのGAP測定用センサ(検知センサ)128が接続される。また、取出制御部121には、取り出した紙葉類の厚さを検知するための厚さ測定用センサ129が接続される。厚さ測定用センサ129は、例えば、レーザー光の反射を検知するセンサなどにより紙葉類の厚さを測定する。
搬送制御部131は、搬送部13を制御する。搬送部13は、取出部12から送り出された紙葉類を当該紙葉類処理装置内の搬送路により搬送する。搬送制御部131は、当該紙葉類処理装置内の搬送路を構成する搬送機構を一定の速さで動作させることにより紙葉類を各部へ搬送する搬送制御を行う。
排除制御部141は、排除部14による紙葉類の排除処理を制御する。排除制御部141は、排除部14に設けられた各センサの検知結果に基づいて各紙葉類が排除すべき否かをチェックする。排除制御部141は、排除すべきと判定された紙葉類を排除する制御を行う。
判別制御部151は、紙葉類の区分情報(たとえば、住所及び郵便番号などの宛先)を判別する。判別制御部151は、紙葉類の区分情報を制御部101へ供給する。判別制御部151は、プレバーコード読取部15によるバーコードの読取結果、文字認識部16による区分情報としての文字の認識結果、あるいは、ベリファイバーコード読取部18によるバーコードの読取結果を取得する。判別制御部151は、プレバーコード読取部15、文字認識部16あるいはベリファイバーコード読取部18から取得した情報により紙葉類の区分情報を判定する。
判別制御部151は、バーコード読取部(BCR)通信回路152、バーコード読取部(BCR)通信回路153、および、文字認識部(OCR)通信回路154に接続する。
BCR通信回路152は、プレバーコード読取部15に接続される。BCR通信回路152は、プレバーコード読取部15により読取ったバーコードに基づく区分情報を判別制御部151へ供給する。また、BCR通信回路153は、ベリファイバーコード読取部18に接続される。BCR通信回路153は、ベリファイバーコード読取部18により読取ったバーコードに基づく区分情報を判別制御部151へ供給する。また、OCR通信回路154は、文字認識部16に接続される。OCR通信回路154は、文字認識部16により読取った紙葉類の画像に対するOCR処理により得られた区分情報らしい文字の認識結果を判別制御部151へ供給する。
印刷制御部171は、印刷部17による印刷を制御する。印刷制御部171は、印刷部17により紙葉類の第1面に区分情報を示すバーコードを印刷する。
区分制御部191は、分岐部19および集積部20内における紙葉類の搬送制御を行う。区分制御部191には、モータ駆動機構、ゲート駆動機構、および、各センサ群などが接続される。
たとえば、区分制御部191は、分岐部19としての各ゲートの動作を制御する。区分制御部191は、各紙葉類を集積すべきスタッカを判別し、各紙葉類を集積場所となるスタッカへ搬送するための集積部20内の各段パスへ振り分けるように、分岐部19としての各ゲートを動作させる。
また、区分制御部191は、集積部20内における紙葉類の搬送および各スタッカに対応する各ゲートの駆動を制御する。たとえば、集積部20の各段パスには、各スタッカに対応する各ゲートが設けられる。また、集積部20内の各段パスには、各所に紙葉類の有無を検知するセンサが設けられる。これにより、区分制御部191は、各センサによる検知信号に基づいて段パスにおける紙葉類の位置などの搬送状況を判断する。区分制御部191は、集積部内の各段パスにおける紙葉類の搬送状況などに応じて、各紙葉類を集積すべきスタッカに対応するゲートの駆動を制御する。
次に、取出部12の構成について説明する。
まず、取出部12の第1の構成例について説明する。
図3は、取出部12の第1の構成例として取出部12Aを概略的に示す図である。
図3に示す取出部12Aは、上述した紙葉類処理装置1における取出部12の構成例であり、取出部12Aと取出制御部121とにより紙葉類取出装置を構成する。また、取出部12Aは、処理対象となる紙葉類を複数一括してセットされる供給台を有する供給部11から紙葉類を1つずつ取り出す。さらに、取出部12Aは、供給部11から取り出した紙葉類を搬送部13へ供給する。
図3の示す取出部12の第1の構成例としての取出部12Aは、取出ローラ124、送出ローラ127、GAP測定用センサ(紙葉類検知センサ)128、厚み測定用の厚さ測定用センサ129(129a又は129b)、ガイド板202、203、204、および、紙葉類押え用の押えローラ205、206、207などを備える。
また、図3に示す構成例において、供給部11は、紙葉類をセットする供給台11aと供給台11a上の紙葉類を取出ローラ124側へ押し出す取出し用の送りベルト11bを備える。供給部11において、紙葉類処理装置1に取り込む紙葉類(処理対象する紙葉類)Sは、供給台11aに並べてストックされる。送りベルト11bは、供給台11aに設けられている。送りベルト11bは、供給台11aにストックされている紙葉類Sを取出口の方向へ押し出す。
取出部12Aにおいて、取出ローラ124は、供給部11の供給台11a上にセットされた紙葉類を取出口側から1枚ずつ取り出す。取出ローラ124は、供給台11aから取り出した紙葉類を搬送方向へ搬送する。取出ローラ124が取り出した紙葉類は、押えローラ205によりガイド板202に押さえつけられた状態でガイド板202に沿って送出ローラ127へ搬送される。
送出ローラ127は、制御系による動作指示に応じて動作することにより先行する紙葉類との間隔(GAP)を調整する。例えば、送出ローラ127は、取出制御部121による制御に基づいて駆動するモータ126により回転して紙葉類の送出タイミングを制御することにより、先行する紙葉類との間隔(GAP)を調整するGAP補正部として機能する。送出ローラ127は、紙葉類押え用の押えローラ206に対向して設置される。押えローラ206は、送出ローラ127と押えローラ206との間を通過する紙葉類の厚さに応じて移動可能に設置される。これにより、送出ローラ127と押えローラ206とは、適度な力で紙葉類を挟持しつつ送出ローラ127の回転によって紙葉類を送り出す。さらに、送出ローラ127の近傍には、取出ローラ124側から供給される紙葉類を送出ローラ127と押えローラ206との間に導くガイド板203が設けられる。
また、取出部12Aには、先行する紙葉類との間隔(GAP)を測定するためのセンサとして、送出ローラ127と押えローラ206との接触位置あるいはその接触位置近傍を検知位置とするGAP測定用センサ(紙葉類検知センサ)128が設けられる。GAP測定用センサとしての紙葉類検知センサ128は、検知位置に紙葉類が存在するか否かを示す検知信号を取出制御部121へ供給する。たとえば、搬送制御部121は、GAP測定用センサ128が紙葉類を検知した時に紙葉類の先端が検知位置に到達したものと判定し、検知していた紙葉類を検知しなくなった時に紙葉類の後端の後端が検知位置を通過したものと判定する。
また、取出ローラ124により取り出された紙葉類は、搬送方向における先端部がGAP測定用センサ(紙葉類検知センサ)128の検知位置に達した場合、送出ローラ127と押えローラ206とにより先行する紙葉類のとの間隔(GAP)が調整される。たとえば、取出制御部121は、取出ローラ124により取り出した紙葉類の搬送方向における先端をGAP測定用センサ128が検知した際(送出ローラ127と押えローラ206との間に到達した際)搬送を一旦停止した後、所望のタイミング(設定されるGAPに応じた送出タイミング)で送出ローラ127を動作させることにより紙葉類処理装置1内の搬送部13としての搬送路へ送り出すタイミングを制御(調整)するようにしても良い。
また、取出制御部121は、GAP測定用センサ128が紙葉類の先端を検知する際に先行する紙葉類との間隔(GAP)を判定する。取出制御部121は、GAP測定用センサ128から紙葉類の先端を検知した旨の検知信号を受信した場合、直前に送り出した紙葉類(先行する紙葉類)の後端がGAP測定用センサ128を通過してからの経過時間などにより間隔を判定する。たとえば、先行する紙葉類との間隔は、先行する紙葉類の後端がGAP測定用センサ128を通過してから当該紙葉類の先端がGAP測定用センサ128に到達するまでの時間と搬送部13による搬送速度とにより判定する。また、搬送部13の搬送路上に設けたセンサなどにより先行する紙葉類の位置が特定して、先行する紙葉類の位置とGAP測定用センサ128の検知位置とにより先行する紙葉類と処理対象の紙葉類との間隔を判定するようにしても良い。
また、第1の構成例の取出部12A内では、取出ローラ124が取り出した紙葉類の先端が送出ローラ127と押えローラ206との接触位置(GAP測定用センサ128の検知位置)に至るまでの間に、紙葉類の厚さを検知するための厚さ測定用センサ129(129a又は129b)が設けられる。厚み測定用センサ(厚さセンサ)129は、たとえば、反射型のセンサなどにより紙葉類の厚みを測定するセンサである。図3に示す構成例では、厚み測定用センサ(厚さセンサ)129の設置例として、厚さ測定用センサ129aと129bとを示している。
たとえば、厚さ測定用センサ129aは、ガイド板202の表面に対向する位置に設けた反射型のセンサによりガイド板202上を通過する紙葉類の厚さを検知する。ガイド板202には押えローラ205により紙葉類が押し付けられるため、厚さ測定用センサ129aは、ガイド板202の表面を基準として紙葉類の厚さを検知できる。また、厚さ測定用センサ129bは、ガイド板203の表面に対向する位置に設置した反射型のセンサによりガイド板203上を通過する紙葉類の厚さを検知する。ガイド板203には押えローラ206により紙葉類が押し付けられるため、厚さ測定用センサ129bは、ガイド板203の表面を基準として紙葉類の厚さを検知できる。
取出制御部121は、厚さ測定用センサ129が計測した紙葉類の厚さを示すデータ(厚さ情報)をRAM121bに保存する。取出制御部121は、GAP測定用センサ128が紙葉類を検知した際、当該紙葉類と先行する紙葉類との間隔(GAP)を判定するとともに、RAM121bから先行する紙葉類の厚み情報を読み込む。先行する紙葉類との間隔と先行する紙葉類の厚みとを特定すると、取出制御部121は、パラメータテーブル121fを参照して先行する紙葉類の厚みに応じた間隔(GAP)をセットし、先行する紙葉類との間隔に応じた当該紙葉類の送出タイミングを決定する。
たとえば、送り出す紙葉類よりも先行する紙葉類の厚さが厚い場合(先行する紙葉類が所定の厚さよりも厚い紙葉類(以下、厚物とも称する)である場合、あるいは、先行する紙葉類の厚さが当該紙葉類の厚さよりも所定値以上厚い場合)、取出制御部121は、先行する紙葉類との間隔(GAP)として厚物GAPをセットし、先行する紙葉類との搬送(送り出し)の間隔が厚物用のGAPとなるように当該紙葉類を送出する。
厚物GAPは、通常GAPより広いGAPであり、送り出す紙葉類が先行する紙葉類に追いつくことを防止するためにセットされるGAPである。通常GAPおよび厚物GAPなどの設定情報は、パラメータテーブル121fに格納しておき、取出制御部121は、パラメータテーブル121fに格納した設定情報に基づいて通常GAP或いは厚物GAPの何れかを設定する。これにより、先行する紙葉類の厚さによって紙葉類処理装置1内で搬送の遅れが予想される場合、後続の紙葉類の送り出しタイミングを調整することによって、送り出す紙葉類が先行する紙葉類に追いつくことを防止できる。
また、先行する紙葉類の厚さと送り出す紙葉類の厚さとの差が小さい場合(先行する紙葉類が厚物でない場合、あるいは、先行する紙葉類の厚さと送り出す紙葉類の厚さとの差が所定値未満である場合)、取出制御部121は、通常GAPをセットし、先行する紙葉類との間隔(GAP)が通常のGAPとなるように当該紙葉類を送出する。
取出制御部121は、当該対象紙葉類と当該先行紙葉類の間隔がセットされたGAP(通常GAP又は厚物GAP)となるようにGAP補正部としての送出ローラ127による紙葉類の送出しを制御する。たとえば、取出制御部121は、当該紙葉類と先行する紙葉類とのGAPがセットされたGAPとなるように、パラメータテーブル121fにより設定される送出ローラ127の回転タイミング、回転速度、あるいは加速時間などに従って、当該紙葉類を送り出す送出ローラ127を駆動制御する。
送出ローラ127は、取出制御部121の制御に基づいて、当該紙葉類をガイド板203及び押えローラ206に沿って搬送方向に送り出す。送出ローラ127により送り出された紙葉類は、搬送部13としての紙葉類処理装置1本体内の搬送路へ供給され、一定の搬送速度で搬送される。この場合、紙葉類処理装置1本体内の搬送路には、先行する紙葉類の厚さなどに基づいて設定された間隔となるように、各紙葉類が供給される。
第1の構成例の取出部12Aを有する紙葉類取出装置では、先行する紙葉類の厚さが所定値以上(厚物)である場合、あるいは、先行する紙葉類との厚さの差が所定値以上である場合に、当該紙葉類の搬送を遅らせて、先行する紙葉類と当該紙葉類との送り出しの間隔(GAP)を広げることができる。その結果として、紙葉類取出装置から複数の紙葉類が順次供給される紙葉類処置装置内では、後に搬送される各紙葉類が先行する紙葉類に追いつくことを防止できる。
次に、第1の構成例の取出部12Aに対する制御(紙葉類の取出(送出)処理)について説明する。
図4は、第1の構成例の取出部12Aに対する紙葉類の取出(送出)処理の流れを説明するためのフローチャートである。
まず、取出制御部121のCPU121aは、供給部11から処理対象とする紙葉類(以下、対象紙葉類と称する)を1つずつ取り出すため、駆動回路122及びモータ123により取出ローラ124を駆動させる(ステップS11)。モータ123により駆動する取出ローラ124は、供給部11の供給台11aにおける取出口側から1つの紙葉類を取り出し、取出した紙葉類を送出ローラ127へ供給する。
取出ローラ124を駆動させた後、取出制御部121のCPU121aは、GAP測定用センサ128からの検知信号に基づいて、当該対象紙葉類の先端がGAP測定用センサ128の検知位置に到達したか判断する(ステップS12)。当該対象紙葉類がGAP測定用センサ128の検知位置に到達したと判断した際(ステップS12、YES)、取出制御部121のCPU121aは、当該対象紙葉類に先行する紙葉類(以下、先行紙葉類と称する)までの間隔(GAP)を判定する(ステップS13)。たとえば、取出制御部121において、先行紙葉類の後端がGAP測定用センサ128の検知位置を通過した時刻をRAM121bに記憶しておき、CPU121aは、GAP測定用センサ128が当該対象紙葉類の先端を検知した時刻と先行紙葉類の後端がGAP測定用センサ128の検知位置を通過した時刻との差により先行紙葉類までの間隔(GAP)を判定する。
また、取出ローラ124を駆動させた後、取出制御部121のCPU121aは、厚さ測定用センサ129(129a又は129b)から当該対象紙葉類の厚さを示す検知信号を取得する。厚さ測定用センサ129から対象紙葉類の厚さを示す検知信号を取得すると、CPU121aは、当該対象紙葉類の厚さを判定する(ステップS14)。当該対象紙葉類の厚さを判定すると、CPU121aは、判定した当該対象紙葉類の厚さを示す情報をRAM121bに記憶する(ステップS15)。なお、CPU121は、厚さ測定用センサ129から随時厚さを示す検知信号を取得して厚さを判定するようにしても良いし、GAP測定用センサ128が当該対象紙葉類の先端を検知した際に厚さ測定用センサ129から検知信号を取得して厚さを判定するようにしても良い。
当該対象紙葉類の厚さを判定すると、CPU121aは、先行紙葉類の厚さを示す厚さ情報をRAM121bから読み出す(ステップS16)。先行紙葉類の厚さ情報は、先行紙葉類がGAP測定用センサ128の検知位置を通過する前に厚さ測定用センサ129により測定され、RAM121bに保存されている。
先行紙葉類の厚さ情報を取得すると、CPU121aは、読み出した先行紙葉類の厚さ情報に基づいて当該先行紙葉類が厚物であるか否かを判断する(ステップS17)。たとえば、CPU121aは、先行紙葉類の厚さが所定の基準値よりも厚いか否かにより、先行紙葉類が厚物か否かを判断する。当該先行紙葉類が厚物であると判断した場合(ステップS17、YES)、CPU121aは、さらに、対象紙葉類が厚物であるか否かを判断する(ステップS18)。たとえば、CPU121aは、ステップS14で判定した当該対象紙葉類の厚さが所定の基準値よりも厚いか否かにより当該対象紙葉類が厚物か否かを判断する。
先行紙葉類が厚物でないと判断した場合(ステップS17、NO)、および、先行紙葉類が厚物でかつ対象紙葉類も厚物であると判断した場合(ステップS18、YES)、CPU121aは、先行紙葉類との間隔(GAP)として通常GAPをセットする(ステップS19)。
先行紙葉類が厚物であり、かつ、対象紙葉類が厚物でないと判断した場合(ステップS18、NO)、CPU121aは、先行紙葉類との間隔(GAP)として、通常GAPよりも広い間隔となる厚物GAPをセットする(ステップS20)。厚物GAPおよび通常GAPなどの設定情報は、パラメータテーブル121fに予め格納しておく。CPU121aは、先行紙葉類が厚物かつ対象紙葉類が厚物でない場合、パラメータテーブル121fに格納されている設定情報に基づいて厚物GAPをセットするものとする。
先行紙葉類及び対象紙葉類の厚さに応じたGAP(通常GAPあるいは厚物GAP)をセットすると、CPU121aは、セットしたGAPに応じたタイミングで送出ローラ127を駆動させて、対象紙葉類を送り出す(ステップS21)。送出ローラ127を駆動させて対象紙葉類を送り出す場合、CPU121aは、GAP測定用センサ128の検知信号により当該対象紙葉類の後端が通過するタイミングをチェックする(ステップS22)。
GAP測定用センサ128により対象紙葉類の後端が通過したことを検知した場合(ステップS22、YES)、CPU121aは、対象紙葉類が通過した時刻を示す情報をRAM121bに記憶する(ステップS23)。たとえば、CPU121aは、対象紙葉類がGAP測定用センサ128の検知位置を通過した時刻を当該対象紙葉類の厚さを示す情報と対応づけてRAM121bに記憶しても良い。
対象紙葉類がGAP測定用センサ128の検知位置(送出ローラ127)を通過すると、CPU121aは、次に処理対象とすべき紙葉類が供給部11に存在するか否かを確認する(ステップS24)。次に処理対象とすべき紙葉類が供給部11に存在する場合(ステップS24、YES)、CPU121aは、ステップS11へ戻り、次の処理対象の紙葉類について、ステップS11〜S24の処理を実行する。次に処理対象とすべき紙葉類が供給部11に存在しない場合(ステップS24、NO)、CPU121aは、紙葉類の取出処理を終了する。
以上の処理によれば、先行紙葉類が厚物でかつ対象紙葉類が厚物でない場合、当該先行紙葉類と当該対象紙葉類との間隔が厚物用のGAPになるように、対象紙葉類の取出部12からの送出タイミングを調整できる。この結果として、紙葉類取出装置から順次供給される紙葉類は、紙葉類処理装置内の搬送路における間隔が適切な間隔となり、後の紙葉類が前の紙葉類に追いついてしまうような不具合を防止できる。
なお、上記ステップS17およびS18では、先行紙葉類が厚物でかつ対象紙葉類が厚物でない場合(つまり、先行紙葉類の厚さが対象紙葉類よりも厚い場合)、厚物GAPをセットするようにしたが、対象紙葉類の厚さに関わらず、先行紙葉類が厚物である場合、厚物GAPをセットするようにしても良い。この場合、厚物GAPをセットするか否かの判断が容易になる。
また、上記した処理例では、先行紙葉類に対する間隔(GAP)として、通常GAPと厚物GAPとの何れかを設定するようにしたが、先行紙葉類の厚さと対象紙葉類の厚さとの差に応じて複数段階のGAPをセットするようにしても良い。たとえば、パラメータテーブル121fに厚さの差に応じた複数種類のGAPを設定しておき、厚さの差に応じたGAPを選択することにより実現できる。
次に、取出部12の第2の構成例について説明する。
図5は、取出部12の第2の構成例として取出部12Bの構成例を概略的に示す図である。
図5に示す取出部12Bは、紙葉類処理装置1における取出部12の構成例であり、取出部12Bと取出制御部121とは紙葉類取出装置を構成する。また、取出部12Bは、処理対象となる紙葉類が複数一括してセットされる供給台11aを有する供給部11から紙葉類を1つずつ取り出す。さらに、取出部12Bは、供給部11から取り出した紙葉類を搬送部13へ供給する。
図5に示すように、第2の構成例としての取出部12Bは、取出ローラ124、送出ローラ127、GAP測定用センサ(紙葉類検知センサ)128、厚さ測定用センサ129(129a又は129b)、ガイド板202、203、204、および、紙葉類押え用の押えローラ205、206、207などを備える。
図5に示すように、第2の構成例の取出部12Bにおいて厚さ測定用センサ129cの配置以外の物理的な各構成(取出ローラ124、送出ローラ127、GAP測定用センサ(紙葉類検知センサ)128、ガイド板202、203、204、および、紙葉類押え用の押えローラ205、206、207などの構成)は、図3に示す第1の構成例としての取出部12Aの各構成と同様であっても良い。
図5に示す第2の構成例において、取出部12Bには、送出ローラ127による搬送方向の後段に厚さ測定用センサ129cが設けられる。厚さ測定用センサ129cは、送出ローラ127と押えローラ206との接触位置(GAP測定用センサ128の検知位置)から送り出された紙葉類の厚さを示す検知信号をCPU121aへ供給する。厚み測定用センサ(厚さセンサ)129cは、たとえば、反射型のセンサなどにより紙葉類の厚みを測定する。図5に示す取出部12Bにおいて、厚さ測定用センサ129cは、ガイド板204の表面に対向する位置に設置された反射型のセンサによりガイド板204上を通過する紙葉類の厚さを検知する。ガイド板204には押えローラ207により紙葉類が押し付けられて搬送されるため、厚さ測定用センサ129cは、ガイド板203の表面を基準として紙葉類の厚さを検知できる。
また、送出ローラ127は、制御系による動作指示に応じて動作することにより先行する紙葉類との間隔(GAP)を調整するGAP補正部として機能する。取出制御部121は、パラメータテーブル121fの設定情報に基づいて先行する紙葉類の厚さに応じた間隔(GAP)をセットし、セットしたGAPに応じた送出タイミングで送出ローラ127を駆動させる。
第2の構成例の取出部12Bでは、紙葉類の搬送方向において、厚さ測定用センサ129の検知位置が送出ローラ127よりも後段に配置されている。このため、取出部12Bにおいては、対象紙葉類の先端が送出ローラ127に到達した時点(対象紙葉類の先端をGAP測定用センサが検知した時点)では当該対象紙葉類の厚さが判定できない。従って、取出制御部121は、取出部12Bに対する制御としてはGAP測定用センサ128が紙葉類を検知した時点で先行紙葉類の厚さに応じたGAPをセットする。
すなわち、取出制御部121は、GAP測定用センサ128が紙葉類を検知した時点で先行紙葉類の厚さをRAM121bから読み込み、パラメータテーブル121fを参照して先行紙葉類の厚さに応じた先行紙葉類との間隔(通常GAP又は厚物GAP)をセットする。取出制御部121は、当該紙葉類と先行する紙葉類とのGAPがセットされたGAPとなるように、パラメータテーブル121fにより設定される送出ローラ127の回転タイミング、回転速度、あるいは加速時間などに従って当該紙葉類を送り出す送出ローラ127を駆動制御する。
送出ローラ127は、取出制御部121の制御に基づいて、当該紙葉類をガイド板203及び押えローラ206に沿って搬送方向に送り出す。送出ローラ127により送り出された紙葉類は、搬送部13としての紙葉類処理装置1本体内の搬送路へ供給され、一定の搬送速度で搬送される。この場合、紙葉類処理装置1本体内の搬送路には、先行する紙葉類の厚さなどに基づいて設定された間隔となるように、各紙葉類が供給される。
第2の構成例の取出部12Bを有する紙葉類取出装置では、先行する紙葉類の厚さが所定値以上(厚物)である場合、対象紙葉類の搬送を遅らせて、先行紙葉類と対象紙葉類との送り出しの間隔(GAP)を広げることができる。すなわち、第2の構成例の取出部12Bは、先行紙葉類の厚みに応じて対象紙葉類の送出タイミングを制御でき、取出部12Bから紙葉類が順次供給される紙葉類処置装置1内では、先行紙葉類が厚さによって搬送速度が遅くなっても、後続の紙葉類が先行紙葉類に追いつくことを防止できる。
次に、第2の構成例の取出部12Bに対する制御(紙葉類の取出(送出)処理)について説明する。
図6は、第2の構成例の取出部12Bに対する紙葉類の取出(送出)処理の流れを説明するためのフローチャートである。
まず、取出制御部121のCPU121aは、取出ローラ124を駆動させ(ステップS31)、供給部11から1枚の紙葉類を取り出し、取出した紙葉類を送出ローラ127へ供給する。取出ローラ124を駆動させた後、取出制御部121のCPU121aは、GAP測定用センサ128からの検知信号に基づいて取出ローラ124が取り出した紙葉類(以下、対象紙葉類と称する)の先端がGAP測定用センサ128の検知位置に到達したか判断する(ステップS32)。
当該対象紙葉類がGAP測定用センサ128の検知位置に到達したと判断した際(ステップS32、YES)、取出制御部121のCPU121aは、当該対象紙葉類と先行する紙葉類(以下、先行紙葉類と称する)とのGAPを判定する(ステップS33)。たとえば、CPU121aは、先行紙葉類の後端がGAP測定用センサ128の検知位置を通過した時間からの経過時間により先行紙葉類の間隔(GAP)を判定する。
また、取出ローラ124を駆動させた後、取出制御部121のCPU121aは、先行紙葉類の厚さを示す情報をRAM121bから読み出す(ステップS34)。先行紙葉類の厚さ情報は、先行紙葉類に対する取出処理を行った時にRAM121bに保存しているものとする。先行紙葉類の厚さ情報を取得すると、CPU121aは、読み出した先行紙葉類の厚さ情報に基づいて当該先行紙葉類が厚物であるか否かを判断する(ステップS35)。たとえば、CPU121aは、先行紙葉類の厚さが所定の基準値よりも厚いか否かにより、先行紙葉類が厚物であるか否かを判断する。
先行紙葉類が厚物でないと判断した場合(ステップS35、NO)、CPU121aは、先行紙葉類との間隔(GAP)として通常GAPをセットする(ステップS36)。また、当該先行紙葉類が厚物であると判断した場合(ステップS35、YES)、CPU121aは、先行紙葉類との間隔(GAP)として、通常GAPよりも広い間隔となる厚物GAPをセットする(ステップS37)。厚物GAPを示すデータは、たとえば、パラメータテーブル121fに格納されており、CPU121aは、パラメータテーブル121fを参照して厚物GAPをセットする。
先行紙葉類の厚さに応じたGAP(通常GAPあるいは厚物GAP)をセットすると、CPU121aは、セットしたGAPに応じたタイミングで送出ローラ127を駆動させて、対象紙葉類を送り出す(ステップS38)。送出ローラ127を駆動させて対象紙葉類を送り出した後、取出制御部121のCPU121aは、厚さ測定用センサ129cから当該対象紙葉類の厚さを示す検知信号を取得する。
厚さ測定用センサ129cから対象紙葉類の厚さを示す検知信号を取得すると、CPU121aは、当該対象紙葉類の厚さを判定する(ステップS39)。当該対象紙葉類の厚さを判定すると、CPU121aは、判定した当該対象紙葉類の厚さを示す厚さ情報をRAM121bに記憶する(ステップS40)。なお、CPU121aは、厚さ測定用センサ129cから随時厚さを示す検知信号を取得して厚さを判定するようにしても良いし、GAP測定用センサ128が当該対象紙葉類の後端を検知した際に厚さ測定用センサ129cから検知信号を取得して厚さを判定するようにしても良い。
また、送出ローラ127を駆動させて対象紙葉類を送り出した後、取出制御部121のCPU121aは、GAP測定用センサ128の検知信号により当該対象紙葉類の後端が送出ローラ127を通過するタイミングをチェックする(ステップS41)。GAP測定用センサ128により対象紙葉類の後端が通過したことを検知した場合(ステップS41、YES)、CPU121aは、対象紙葉類が通過した時刻を示す情報をRAM121bに記憶する(ステップS42)。たとえば、CPU121aは、対象紙葉類がGAP測定用センサ128の検知位置を通過した時刻を当該対象紙葉類の厚さを示す情報と対応づけてRAM121bに記憶しても良い。
対象紙葉類がGAP測定用センサ128の検知位置(送出ローラ127)を通過すると、CPU121aは、次に処理対象とすべき紙葉類が供給部11に存在するか否かを確認する(ステップS43)。次に処理対象とすべき紙葉類が供給部11に存在する場合(ステップS43、YES)、CPU121aは、ステップS31へ戻り、次の処理対象の紙葉類について、ステップS31〜S43の処理を実行する。次に処理対象とすべき紙葉類が供給部11に存在しない場合(ステップS43、NO)、CPU121aは、紙葉類の取出処理を終了する。
以上の第2の構成例の取出部12Bに対する取出処理によれば、紙葉類取出装置は、先行紙葉類が厚物である場合、当該先行紙葉類との間隔が厚物用のGAPになるように、対象紙葉類の取出部12からの送出タイミングを調整する。これにより、第2の構成例の取出部12Bは先行紙葉類の厚さに応じて紙葉類を送り出すタイミングを制御でき、取出部12Bから紙葉類が順次供給される紙葉類処理装置本体内では、搬送路における各紙葉類の間隔が適切な間隔となり、後の紙葉類が前の紙葉類に追いついてしまうような不具合を防止できる。
なお、上記した処理例では、先行紙葉類に対する間隔(GAP)として、通常GAPと厚物GAPとの何れかを設定するようにしたが、先行紙葉類の厚さに応じて複数段階のGAPをセットするようにしても良い。このような処理は、たとえば、パラメータテーブル121fに先行紙葉類の厚さに応じた複数種類のGAPを設定しておき、先行紙葉類の厚さに応じた選択するGAPをセットし、対象紙葉類の送出タイミングを調整することにより実現できる。
以下、本願に係る特願2012−42104の出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。 [1]
搬送路へ送り出す紙葉類を取り出す取出手段と、
前記取出手段により取り出した紙葉類の厚さを測定する厚さ検知手段と、
前記厚さ検知手段により検知された厚さ情報を記憶する厚さ記憶手段と、
前記取出手段により取り出した紙葉類を検知する紙葉類検知手段と、
前記取出手段により取り出した当該紙葉類に先行して前記搬送路へ送り出された先行紙葉類の厚さを前記厚さ記憶手段から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記先行紙葉類の厚さに応じて前記先行紙葉類と前記取出手段により取り出した紙葉類との間隔を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定した間隔に従って前記紙葉類検知手段により検知した紙葉類を前記搬送路へ送り出すタイミングを調整する調整手段と、
を備えた紙葉類取出装置。[2]
さらに、先行紙葉類が厚くなるほど先行紙葉類と後続の紙葉類との間隔が広くなる設定情報を記憶した設定記憶手段を有し、
前記設定手段は、前記設定記憶手段に記憶した設定情報に基づいて前記先行紙葉類の厚さに応じた前記間隔を設定する、前記[1]に記載の紙葉類取出装置。[3]
前記厚さ検知手段は、前記調整手段により調整したタイミングで送出した後に当該紙葉類の厚さを検知する、
前記[1]又は[2]の何れかに記載の紙葉類取出装置。[4]
前記厚さ検知手段は、前記調整手段により調整するタイミングで送出する前に当該紙葉類の厚さを検知する、
前記[1]又は[2]の何れかに記載の紙葉類取出装置。[5]
前記厚さ検知手段は、前記調整手段により調整するタイミングで送出する前に当該紙葉類の厚さを検知するセンサを有し、
前記設定手段は、前記取得手段により取得した前記先行する紙葉類の厚さと前記厚さ検知手段により検知した当該紙葉類の厚さとの差に応じて前記先行紙葉類と当該紙葉類との間隔を設定する、
前記[1]に記載の紙葉類取出装置。[6]
さらに、先行紙葉類の厚さが後続の紙葉類の厚さよりも厚くなるほど先行紙葉類と後続の紙葉類との間隔が広くなる設定情報を記憶した設定記憶手段を有し、
前記設定手段は、前記設定記憶手段に記憶した設定情報に基づいて前記先行紙葉類の厚さと当該紙葉類の厚さとの差に応じた前記間隔を設定する、
前記[5]に記載の紙葉類取出装置。[7]
複数の紙葉類を順に処理する紙葉類処理装置であって、
処理対象とする複数の紙葉類をセットする供給手段と、
前記供給手段から1つずつ紙葉類を取り出す取出手段と、
前記取出手段により取り出した紙葉類の厚さを測定する厚さ検知手段と、
前記厚さ検知手段により検知された厚さ情報を記憶する厚さ記憶手段と、
前記取出手段により取り出した紙葉類の先端を検知する紙葉類検知手段と、
前記取出手段により取り出した当該紙葉類に先行して取り出された先行紙葉類の厚さ情報を前記厚さ記憶手段から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記先行紙葉類の厚さに応じて前記先行紙葉類と前記紙葉類検知手段により先端を検知した紙葉類との間隔を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定した間隔に従って前記紙葉類検知手段により先端を検知した紙葉類を送り出すタイミングを調整する調整手段と、
前記調整手段により調整されたタイミングで送り出された紙葉類を搬送する搬送路と、
前記搬送路により搬送される複数の紙葉類を順次処理する処理手段と、
を備えた紙葉類処理装置。