JP6275570B2 - ブラシ器具付きキャップ - Google Patents

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Description

本発明は、内容物を充填した容器の口部に装着されるキャップに関し、特に、ブラシ器具を内部に収容したブラシ器具付きキャップに関するものである。
従来、洗髪や毛髪の手入れを行う際に、頭皮の洗浄やマッサージを行うためのブラシ器具が提案されている(特許文献1参照)。このようなブラシ器具は、シャンプーや育毛剤等とともに使用されるため、それらの内容物が充填された容器と共に保管されることが望ましい。
特開2002−78761号公報
しかしながら、このようなブラシ器具は、シャンプー等の容器とは別体であるため、それぞれ保管する空間を確保しなければならない。また、容器とブラシ器具とは別体であるため、保管の仕方によっては、洗髪する際にブラシ器具が見つからず、探すのに手間がかかるといった問題もある。また、持ち運ぶ際にも、別々に持ち運ばなければならないため、不便であった。
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、容器の内容物の使用に際し用いられるブラシ器具の紛失を防止するとともに、保管時及び使用時の利便性に優れた、新規なブラシ器具付きキャップを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るブラシ器具付きキャップは、内容物を収容する容器の口部に対して着脱可能に装着される装着筒と、
該装着筒の外側に設けられた外筒と、
該外筒及び装着筒の上端部を連結する天壁と、
前記装着筒、前記外筒、及び前記天壁によって囲まれる環状の収容凹部に、前記装着筒の軸線方向に沿って移動可能に配置されたブラシ器具と、
前記天壁及び前記ブラシ器具の間に設けられた弾性部と、を備え、
該弾性部は、前記口部に対して装着筒を装着する際には、前記ブラシ器具の天壁側への移動により圧縮されて弾性変形するとともに、前記装着筒を前記口部から取り外す際には、復元力により前記ブラシ器具を天壁から離間する方向に押し出すことを特徴とする。
また本発明に係るブラシ器具付きキャップは、前記外筒の内面に設けられ、前記収容凹部の内部で前記ブラシ器具を抜け止め保持する抜け止め突起を有することが好ましい。
また本発明に係るブラシ器具付きキャップは、前記口部に対して装着筒を装着する際に、前記ブラシ器具の下端が、前記容器の口部の下端から外側に延びる肩部に当接することが好ましい。
また本発明に係るブラシ器具付きキャップは、前記弾性部が、前記ブラシ器具に一体に成形されてなることが好ましい。
また本発明に係るブラシ器具付きキャップは、前記ブラシ器具は、前記装着筒の外面に対して摺動可能な内筒部、又は、前記外筒の内面に対して摺動可能な外筒部を備えることが好ましい。
本発明によれば、容器の内容物の使用に際し用いられるブラシ器具の紛失を防止するとともに、保管時及び使用時の利便性に優れた、新規なブラシ器具付きキャップを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るブラシ器具付きキャップの、容器への装着状態を示す断面図である。 図1のブラシ器具付きキャップを容器から取り外した様子を示す図である。 取り外したブラシ器具付きキャップの使用状態を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るブラシ器具付きキャップの断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明をより具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るブラシ器具付きキャップ1を側面側から見た断面図である。図1は、ブラシ器具付きキャップ1を、シャンプーや育毛剤等の内容物を収容する容器2の口部2aに装着した装着状態を示している。
本実施形態のブラシ器具付きキャップ(キャップ)1は、容器2の口部2aに対して、ねじ係合により着脱可能に装着される装着筒3と、装着筒3の外側に設けられた円筒状の外筒4と、外筒4及び装着筒3の上端部が連結された天壁5とによって囲まれる環状の収容凹部6を有する。なお、本実施形態において外筒4は、円筒状としているが、これに限定されるものではなく、例えば、断面が多角形や楕円形の筒状とすることも可能である。
容器2は、口部2aの下端から外側に延びる肩部2b、肩部2bの外縁から下方に延びる筒状の胴部2c、及び胴部2cの下端を閉じる底部2dで構成される。また、口部2aの上端には、注出口を有する中栓2eが嵌合固定されている。なお、容器2の形状は特に限定されるものではない。
収容凹部6には、ブラシ器具7が装着筒3の外側で軸線方向に沿って移動可能に収容されている。本実施形態におけるブラシ器具7は、容器2の内容物の使用に際して、頭皮の洗浄やマッサージを行うためのマッサージブラシである。本実施形態のブラシ器具7は、剛性の異なる2つの部品を組み合わせたものであり、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂等のエラストマー樹脂や合成ゴム等の軟質な材量、あるいは、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン(PE)樹脂等の比較的軟質な材料からなるブラシ部材8と、ブラシ部材8よりも硬質の樹脂材料等からなる枠部材9とで構成される。なお、ブラシ器具7の材料及び構造は特に限定されず、全体を1部品で構成してもよいし、3つ以上の部品を組み合わせた構成としてもよい。また、本実施形態のブラシ器具7は、全体が平面視で円環状に構成されているが、これに限定されず、円環状の収容凹部6の内の、周方向の一部に収容される形状としても良い。
ブラシ部材8は、装着筒3の外側に配置される内筒部8aと、内筒部8aの下端部から外側に延びる円環板状の底板8bと、底板8bの下面(ブラシ面)から下方に向けて突出する多数の突起8cと、を有する。
枠部材9は、内筒部8aの外側で底板8bの上面に配置される円環板状の上板9aと、上板9aの外縁から上方に立設する外筒部9bと、上板9aの外縁から下方に突出して底板8bの外縁を嵌合保持する保持部9cとを有する。外筒部9bの外面下端部には、外筒4の内面4aに対して摺動可能、且つ、外筒4の内面4a下端部に設けられた抜け止め突起4bに係合することでブラシ器具7を収容凹部6の内部で抜け止め保持する凸部9dが設けられている。なお、抜け止め保持するための構成は、本実施形態に限定されない。また、抜け止め突起4b及び凸部9dの軸線方向における位置は、突起8cの高さや、要求される外筒4からの突出量等に応じて決定される。
本実施形態において、ブラシ器具7と天壁5との間には、弾性部としてのスプリング10が設けられている。スプリング10は、ブラシ部材8の内筒部8aの内面下端に設けられた支持部8dの上面と、天壁5の下面とによって上下方向(軸線方向)に挟まれている。また、スプリング10は、装着筒3の外側、且つ、内筒部8aの内側に設けられている。なお、スプリング10の配設位置は本実施形態に限定されず、例えば、内筒部8aの外側としてもよい。また、本実施形態のスプリング10は金属製であるが、これに限定されず、樹脂材料からなるものでもよい。
スプリング10は、所謂圧縮ばねとして作用するものである。図1に示すキャップ1の装着状態において、スプリング10は軸線方向に圧縮されており、その復元力により、ブラシ器具7を天壁5から離間する方向に付勢している。なお、本実施形態において、装着状態におけるブラシ器具7の下端(突起8cの先端)は、容器2の肩部2bに当接している。
図1に示す装着状態からキャップ1を取り外す場合には、容器2に対してキャップ1を回転させて、装着筒3を口部2aから螺脱する。キャップ1が容器2に対して上昇していくと、スプリング10の復元力により、ブラシ器具7は次第に天壁5から離間していき、図2に示すように凸部9dが抜け止め突起4bに係合するとブラシ器具7は停止する。
容器2からキャップ1を取り外した後は、容器2が開栓されるため、内容物の注出が可能となり、同時に、キャップ1に設けられたブラシ器具7を用いて、頭皮の洗浄やマッサージを行うことができる。
図3に示すように、ブラシ器具7のブラシ面に設けられた突起8cを頭皮等の当接面11に押し当てた際、押し当てる強さに応じてスプリング10が弾性変形してブラシ器具7が軸線方向に移動するため、当接面11に対して突起8cが強く当たることを防止することができる。なお、突起8cの材料、形状、スプリング10の剛性等により、洗浄やマッサージに適した感触となるよう当たりの強さを調整することができる。
キャップ1を容器2に装着する場合には、キャップ1を、取り外し時とは逆方向に回転させて装着筒3を口部2aに螺着していく。キャップ1が容器2に対して接近していくと、容器2の肩部2b上面に、ブラシ器具7の下端、すなわち突起8cの下端が当接し、さらにキャップ1を回転させると、スプリング10を圧縮させながら、ブラシ器具7が天壁5に接近していく。装着筒3を口部2aに最後まで螺着させると、図1に示す装着状態となり、ブラシ器具7が収容凹部6内に完全に収容される。なお、本実施形態のように、ねじ係合するキャップ1においては、口部2aと装着筒3との間に、キャップ1の締め込みにより乗り越えて係合する凹凸状のロック機構を設けて回り止めとすることができ、このような構成とすることで、キャップ1が誤って回転して緩んだり、容器2から外れたりすることを防止することができる。
上記のような本実施形態のブラシ器具付きキャップ1にあっては、容器2の内容物の使用に際し用いられるブラシ器具7を、キャップ1の内側の収容凹部6に収容する構成としたことで、キャップ1の装着状態では容器2とブラシ器具7とが一体となる。これにより、ブラシ器具7を容器2と別に保管するための空間が不要となるとともに、ブラシ器具7の紛失を防止することができる。また、一体として持ち運ぶことができるので、携帯して移動する際にも便利である。また、容器2にキャップ1を装着した状態では、キャップ1の内側に収容したブラシ器具7が、ほとんど又は全く外部に露出しないため、容器2の外部にブラシ器具7を取り付ける場合に比べて、外観上もすっきりとしたものとなる。
また、キャップ1を容器2から取り外す作業のみで、容器2の内容物の注出が可能となり、同時に、スプリング10により押し出されたブラシ器具7が使用可能となるため、使用時の利便性に優れている。
また、本実施形態のブラシ器具付きキャップ1にあっては、ブラシ器具7を比較的軟質の樹脂材料からなるブラシ部材8と、ブラシ部材8よりも硬質の樹脂材料等からなる枠部材9とで構成したことにより、当接面11に対しては適度な弾力を持つ突起8cを当接させるとともに、枠部材9で適度な剛性を保持して、ブラシ器具7の軸線方向の移動を安定させることができる。
また、本実施形態のブラシ器具付きキャップ1にあっては、ブラシ器具7を天壁5側に最大に押し込んだ状態で、外筒4の下端よりも突起8cの下端が突出していることが好ましい。このような構成とすることで、頭皮等の当接面11に対して外筒4を接触し難くして、ブラシ面の突起8cのみを当接面に接触させることができる。なお、ブラシ器具7を天壁5側に最大まで押し込んだ際の、突起8cの外筒4からの突出量は、ブラシ器具7の高さ、すなわち、本実施形態においては内筒部8a又は外筒部9bの高さを変えること等により調整することができる。また、外筒4の内面又は天壁5の下面から立設するリブを設けて、当該突出量を調整することも可能である。
図4は、本発明の他の実施形態に係るブラシ器具付きキャップ20の断面図であり、右側半部は、ブラシ器具27が最大まで押し出された(天壁5から最大に離間した)状態を表し、左側半部は、ブラシ器具27が天壁5に向けて押し込まれた状態を表している。
本実施形態のブラシ器具付きキャップ20においては、弾性部がブラシ器具27に一体に成形されている。ブラシ器具27は、装着筒3の外面3aに対して摺動可能な内筒部27aと、内筒部27aの上端から外側に向かって上方に延びる弾性部としての板ばね部27bと、板ばね部27bの上端から外側に延びて天壁5の下面に当接する天板27cと、内筒部27aの下端部から外側に延びる円環板状の底板27dと、底板27dの下面(ブラシ面)から下方に向けて突出する多数の突起27eと、を有する。なお、弾性部を構成する板ばね部27bは、特に限定されるものではなく、例えば、断面視で軸線方向に平行に延在する構成としても良く、また、平面視で環状であっても良いし、周方向に間欠した形状として部分的に底板27dと天板27cとを連結する構成としても良い。
本実施形態のブラシ器具付きキャップ20にあっては、先の実施形態と同様に、キャップ20の装着状態において、ブラシ器具27と容器2とを一体とすることができるので、保管を容易にし、ブラシ器具27の紛失を防止することができる。また、使用時には、キャップ20を取り外す作業のみで、容器2の内容物の注出と、ブラシ器具27の使用とが可能となる。また、ブラシ面を当接面11に押し当てた際には、適度な弾力を持って突起27eを当接させることができる。
また、本実施形態のブラシ器具付きキャップ20にあっては、弾性部をブラシ器具27に一体に成形したことにより、部品数を削減することができる。これにより、成形に係るコスト及び、組立てに係る工数等を低減することが可能となる。
以上、図示例に基づき説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更することができるものであり、例えば、装着筒3と容器2の口部2aとの係合態様を、ねじ係合ではなく、アンダーカット係合とし、軸線方向の圧入及び引き抜きにより着脱可能な構成としても良い。また、上述の実施形態では、ブラシ器具7を頭皮の洗浄やマッサージを行うためのマッサージブラシとして説明したが、これに限定されず、例えば、洗顔料を収容する容器に装着される、洗顔用ブラシとすることも可能である。また、洗濯用洗剤を収容する容器に装着される、汚れた衣類に洗剤を塗布するための器具、または擦ることで汚れを落とすための洗濯用ブラシ等としても良い。
1、20 ブラシ器具付きキャップ(キャップ)
2 容器
3 装着筒
4 外筒
4a 内面
4b 抜け止め突起
5 天壁
6 収容凹部
7、27 ブラシ器具
8 ブラシ部材
8a 内筒部
8b 底板
8c 突起
8d 支持部
9 枠部材
9a 上板
9b 外筒部
9c 保持部
9d 凸部
10 スプリング(弾性部)
11 当接面
27a 内筒部
27b 板ばね部(弾性部)
27c 天板
27d 底板
27e 突起

Claims (5)

  1. 内容物を収容する容器の口部に対して着脱可能に装着される装着筒と、
    該装着筒の外側に設けられた外筒と、
    該外筒及び装着筒の上端部を連結する天壁と、
    前記装着筒、前記外筒、及び前記天壁によって囲まれる環状の収容凹部に、前記装着筒の軸線方向に沿って移動可能に配置されたブラシ器具と、
    前記天壁及び前記ブラシ器具の間に設けられた弾性部と、を備え、
    該弾性部は、前記口部に対して装着筒を装着する際には、前記ブラシ器具の天壁側への移動により圧縮されて弾性変形するとともに、前記装着筒を前記口部から取り外す際には、復元力により前記ブラシ器具を天壁から離間する方向に押し出すことを特徴とするブラシ器具付きキャップ。
  2. 前記外筒の内面に設けられ、前記収容凹部の内部で前記ブラシ器具を抜け止め保持する抜け止め突起を有する、請求項1に記載のブラシ器具付きキャップ。
  3. 前記口部に対して装着筒を装着する際に、前記ブラシ器具の下端が、前記容器の口部の下端から外側に延びる肩部に当接する、請求項1又は2に記載のブラシ器具付きキャップ。
  4. 前記弾性部は、前記ブラシ器具に一体に成形されてなる、請求項1〜3の何れか一項に記載のブラシ器具付きキャップ。
  5. 前記ブラシ器具は、前記装着筒の外面に対して摺動可能な内筒部、又は、前記外筒の内面に対して摺動可能な外筒部を備える、請求項1〜4の何れか一項に記載のブラシ器具付きキャップ。
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