JP6275369B2 - 流体動圧軸受用の素材、同素材を用いた軸部材および同軸部材を用いた流体動圧軸受 - Google Patents
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Description
本実施形態では、軸部材2を内周に挿入した軸受スリーブ8と、軸受スリーブ8を内周に保持(固定)したハウジング7とで軸受部材9が構成される。なお、以下では、便宜上、蓋部材10が設けられた側を下側、その軸方向反対側を上側として説明を進める。
軸部材2は図1、図2(A)に示すように、外周面21aの軸方向の二箇所に、対向する軸受スリーブ8の内周面8aとの間にラジアル軸受隙間を形成する動圧溝パターンA1、A2が形成されている。この軸部材2は、図2(B)の形状の軸素材2’から形成する。この軸素材2’は、例えば焼入れされたステンレス鋼(例えばSUS420J2)等を鍛造等により図示の形状に形成したもので、その外周面には、円筒状の逃げ部2aと、当該逃げ部2aを両側から挟むように形成された動圧溝形成用領域としての円筒部2b1、2c1と、その外側の環状の逃げ溝2d、2eと、さらにその外側の円筒部2b2、2c2が形成されている。
以上の構成を有する軸部材2は、図3に示すように、軸素材形成工程P1、熱処理工程P2、除去工程P3、転造工程P4および仕上げ工程P5を順に経て製作された軸部材2の下端に、別工程で製作したフランジ部2fを固定することで完成する。
この軸素材形成工程P1では、長尺のバー材から所定長さに切り出された短尺のバー材に所定の加工を施すことにより、動圧溝Gを除く部位が完成品としての軸部材2に近似した形状に仕上げられた図2(B)の軸素材2’を得る。図2(B)の形状は鍛造等の塑性加工や旋削等の機械加工で得ることができる。
この熱処理工程P2では、軸素材形成工程P1で得られた軸素材2’のうち、少なくとも外周面に熱処理を施すことにより、硬度がHV450以上、より好ましくはHV500以上の表面硬化層を有する焼入れ軸を得る。この熱処理工程P2は通常は転造工程P4の後に行うのが普通であるが、順番を逆にすることで後工程での作業を容易化等することができる。熱処理方法は特に問わず、高周波焼入れ、真空焼入れ、浸炭焼入れあるいは浸炭窒化焼入れ等の焼入れ、および焼入れ後の焼戻しなどを適宜組み合わせることができる。熱処理は、形成すべき動圧溝Gの溝深さよりも厚みの大きい表面硬化層が形成されるように施せば良く、必ずしも軸素材2’の全体が高硬度化(焼入れ)されるように施さなくても良い。
この粗仕上げ工程P3では、軸素材2’に熱処理を施すことにより焼入れ軸(表面硬化層)を形成するのに伴って、焼入れ軸の表面に形成される黒皮とも称される酸化皮膜が除去される。黒皮(酸化皮膜)は、例えば焼入れ軸にセンタレス研磨を施すことによって除去される。なお、当該センタレス研磨により、熱処理による変形の除去と寸法出しも期待できる。
この転造工程P4では、(表面の黒皮が除去された)焼入れ軸の表面硬化層に転造加工を施すことにより、焼入れ軸の外周面の動圧面形成領域としての円筒部2b1、2c1に動圧溝Gによる動圧溝パターンA1、A2を形成する。本実施形態では、相対スライド可能に設けられた一対の転造型を用いて焼入れ軸の外周面に動圧溝パターンA1、A2を転造形成する。
この仕上げ工程P5では、転造工程P4にて外周面に動圧溝パターンA1、A2が転造形成された焼入れ軸の外周面が所定精度に仕上げられる。これにより、完成品としての軸部材2が得られる。
そして、完成品の軸部材2の一方の円筒部2b2に、図1のようにフランジ部2fが取り付けられる。フランジ部2fは、例えば、軸素材2’と同種のステンレス鋼、あるいは焼結金属の多孔質体で円環状に形成され、軸部材2の下端外周に対して圧入、接着、圧入接着、溶接等の適宜の手段で固定される。また他方の円筒部2c2に、図6のようにディスクハブ3が取り付けられる。
以上の構成からなる流体動圧軸受1において、軸部材2が回転すると、軸部材2の動圧溝パターンA1、A2と、これらに対向する軸受スリーブ8の内周面8aとの間にそれぞれラジアル軸受隙間が形成される。そして軸部材2の回転に伴い、両ラジアル軸受隙間に形成される油膜の圧力が動圧溝G、Aaの動圧作用によって高められ、その結果、軸部材2をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部R1、R2が軸方向の二箇所に離隔形成される。
による潤滑油の引き込み力は上側領域が下側領域に比べて相対的に大きくなる。このような引き込み力の差圧により、軸受スリーブ8の内周面8aと軸部材2の外周面21a1との間の隙間に充満された潤滑油は下方に流動し、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間→軸受スリーブ8の軸方向溝8d1で形成される軸方向の流体通路11→軸受スリーブ8の上端外周チャンファ等で形成される環状空間→軸受スリーブ8の環状溝8c1および径方向溝8c2で形成される流体通路という経路を循環して、第1ラジアル軸受部R1のラジアル軸受隙間に再び引き込まれる。
成領域としての円筒部102b1にのみ動圧溝Gを有する動圧溝パターンAを形成し、反対側にある円筒部102cには動圧溝がない形式である。動圧溝パターンAの逃げ部102aとは反対側に図2の逃げ溝2dと同様の逃げ溝102dが形成され、さらにその外側の円筒部102b2に図1のフランジ部2fが取り付けられる。この形式の軸部材102においても、動圧溝パターンAの片側Aaと反対側Abの動圧溝Gの深さは、図4と同様に軸方向勾配がなく左右でバランスが取れて安定した動圧効果とラジアル方向軸受剛性が得られる。
2 軸部材
2’ 軸素材
2a 逃げ部
2b1、2c1 円筒部(動圧溝形成用領域)
2d、2e、102d 逃げ溝
2f フランジ部
7 ハウジング
8 軸受スリーブ
9 軸受部材
10 蓋部材
A、A1、A2 動圧溝パターン
Aa 動圧溝
R1、R2 ラジアル軸受部
T1 第1スラスト軸受部
T2 第2スラスト軸受部
Claims (6)
- 軸受部材に軸部材を挿入し両部材間にラジアル軸受部を形成した流体動圧軸受に使用する前記軸受部材又は軸部材のための流体動圧軸受用素材であって、前記ラジアル軸受部に動圧作用を発生させる複数の動圧溝を転造によって形成するための動圧溝形成用領域と、当該動圧溝形成用領域の片側に隣接して前記動圧溝に供給する流体を保持可能に前記動圧溝よりも大きな深さを有する逃げ部と、前記動圧溝形成用領域の他側に隣接した逃げ溝とを有し、当該逃げ溝の深さを前記動圧溝の深さ以上かつ前記逃げ部の深さ以下にしたことを特徴とする流体動圧軸受用被転造軸素材。
- 前記動圧溝形成用領域が前記逃げ部を間に挟んで少なくとも2箇所に形成されていることを特徴とする請求項1の流体動圧軸受用被転造軸素材。
- 前記逃げ溝の深さを20μm以上50μm以下にしたことを特徴とする請求項1又は2の流体動圧軸受用被転造軸素材。
- 前記逃げ溝の幅を0.5mm以下にしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1の流体動圧軸受用被転造軸素材。
- 前記逃げ部と逃げ溝の深さを同じにしたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の流体動圧軸受用被転造軸素材。
- 前記軸素材に表面硬化層が形成された請求項1から5のいずれか1の流体動圧軸受用被転造軸素材。
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