JP6275070B2 - 設備点検順位設定装置及びプログラム - Google Patents

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本発明は、設備点検順位設定装置及びプログラム、特に冷熱設備などの設備から収集される故障履歴に基づいて保守点検を行う設備の優先順位の決定に関する。
従来から、複数の冷熱設備などの設備を、監視センタから監視する遠隔監視サービスがある。この遠隔監視サービスでは、稼動中の設備の温度、圧力等各設備の稼動の状態を示す設備状態データを各設備から収集している。収集した設備状態データの解析により設備の異常が検知されると、保守員は、作成された点検スケジュールに従って異常が検知された設備に対する点検を実施する。
近年では、異常が検知されなくても故障の予兆が発生された設備も点検対象とすることで、異常の発生を未然に防ぐように点検スケジュールを作成する場合がある。異常の発生をより確実に防ぐためには、予兆が発生した設備に対して、早期に故障すると予測される設備、換言すると故障が発生する確率の高い設備を優先して点検するよう点検スケジュールを作成し、故障の発生を低減することが好ましい。
例えば、特許文献1では、故障履歴を予め定められた条件に従ってクラスタリングを行い、クラスタリングした故障履歴のグループ(以下、「故障グループ」)毎に、故障確率分布を作成し、いずれかの故障グループに属することになる設備に対し、当該故障グループに対して作成した故障確率分布に基づき当該設備の保守点検を行う優先度を算出する技術が提案されている。特許文献1では、更に保守員を出動させなければならない設備が故障する限界の時間(出動限界時間)を算出し、この出動限界時間に基づいて保守員を出動させることで設備の故障を一層低減させる技術が提案されている。
特開2014−167667号公報 特開2003−307469号公報 特開2010−97392号公報 特開2014−84774号公報 特開2005−38098号公報 特開2013−25461号公報
従来においては、故障履歴を現場の特性を示すどの特性情報に基づきクラスタリングするかという、その特性情報をクラスタリングするための条件として予め定めていた。そして、予め定められた特性情報に基づきクラスタリングを行って故障グループを形成し、故障グループ毎に故障確率分布を作成していた。保守点検を行う各設備の優先度は、故障グループ毎に求める故障確率分布に基づき算出するので、優先度の精度は故障グループの形成に依存すると考えられる。
本発明は、保守点検を行う各設備の優先度の算出単位となる故障履歴情報のグループを、優先度が高精度となるよう形成することを目的とする。
本発明に係る設備点検順位設定装置は、複数の設備それぞれの設置に関する設置環境情報と、当該設備における故障の予兆の発生状況及び予兆後に当該設備に発生した故障に関する発生状況情報と、を含む故障履歴情報を、現場の特性を示す特性情報のうち予め設定された1又は複数の特性情報が指定された複数の分類条件それぞれに従ってグループ化することで複数のグループモデルを作成するグループモデル作成手段と、前記グループモデル作成手段により作成された複数のグループモデルそれぞれに対して、予め設定された評価方法に基づき評価を行い、その評価結果に基づき前記複数のグループモデルの中から、前記故障履歴情報を分類するために用いるグループモデルを決定するグループモデル決定手段と、前記グループモデル決定手段により決定されたグループモデルを作成したときの分類条件に従って前記故障履歴情報を分類することでグループ化し、そのグループ化により形成したグループ毎に、予兆発生から故障するまでの経過時間に伴って変化する故障確率を算出する故障確率算出手段と、前記故障確率算出手段により算出され故障確率に基づいて保守点検を行う設備の優先度を算出する優先度算出手段と、を有するものである。
また、前記グループモデル候補作成手段は、第1グループモデルを作成したときの分類条件に従って分類することで形成されるグループに含まれる前記故障履歴情報を包含するグループを形成するための第2のグループモデルを作成するものである。
また、前記グループモデル決定手段は、予め決められた1又は複数の評価指標に基づいてグループモデルを決定するものである。
また、前記グループモデル決定手段は、複数の評価指標を用いてグループモデルを決定する場合、評価指標に重み付けをするものである。
また、前記グループモデル決定手段が各グループモデルの候補を評価する際に出動限界時間と故障確率との関係を評価指標として用いる場合、出動限界時間に従って保守員を出動させるよう運用を開始した後に得られた故障履歴情報に基づく出動限界時間と故障確率との関係を示すデータのうち故障確率が所定の閾値以上に増加しなくなった出動限界時間以降のデータを、実際の故障確率より高くなるよう補正する補正手段を有するものである。
また、所定期間における故障履歴情報に基づき得られる故障した設備の数が閾値を超えた場合に前記故障履歴情報を分類するために用いるグループモデルを更新させる更新手段を有するものである。
また、前記閾値は、時間の経過に伴い小さい値になるよう更新されるものである。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、複数の設備それぞれの設置に関する設置環境情報と、当該設備における故障の予兆の発生状況及び予兆後に当該設備に発生した故障に関する発生状況情報と、を含む故障履歴情報を、現場の特性を示す特性情報のうち予め設定された1又は複数の特性情報が指定された複数の分類条件それぞれに従ってグループ化することで複数のグループモデルを作成するグループモデル作成手段、前記グループモデル作成手段により作成された複数のグループモデルそれぞれに対して、予め設定された評価方法に基づき評価を行い、その評価結果に基づき前記複数のグループモデルの中から、前記故障履歴情報を分類するために用いるグループモデルを決定するグループモデル決定手段、前記グループモデル決定手段により決定されたグループモデルを作成したときの分類条件に従って前記故障履歴情報を分類することでグループ化し、そのグループ化により形成したグループ毎に、予兆発生から故障するまでの経過時間に伴って変化する故障確率を算出する故障確率算出手段、前記故障確率算出手段により算出され故障確率に基づいて保守点検を行う設備の優先度を算出する優先度算出手段、として機能させるためのものである。
本発明によれば、保守点検を行う各設備の優先度の算出単位となる故障履歴情報のグループを、優先度が高精度となるよう形成することができる。
また、第1分類条件に従い作成された複数のグループモデルを包含するようグループモデルを作成することで第1分類条件に従い作成されたグループモデルより多くの故障履歴情報を含むグループモデルを作成することができる。
また、本発明適用後において得られた出動限界時間と累積故障確率との関係を、累積故障確率を高くなるよう補正することによってグループモデルを変更する際に適切なグループモデルが選ばれるように調整することができる。
また、優先度を精度の高い状態に維持することができる。
本発明に係る設備点検順位設定装置の実施の形態1を示したブロック構成図である。 実施の形態1における故障履歴データベースに蓄積される故障履歴を示す故障履歴情報のデータ構成例を示した図である。 実施の形態1における設備点検順位設定装置を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。 実施の形態1における分布特性値抽出部の処理を示したフローチャートである。 実施の形態1において分布特性値の抽出のための故障累積確率分布を示すグラフ図である。 実施の形態1における分布特性値抽出部により分布特性値蓄積部に蓄積された分布特性値の一例を示す図である。 実施の形態2における設備点検順位設定装置のブロック構成図である。 実施の形態2において実施の形態1における設備点検順位設定装置の適用前後の出動限界時間と累積故障確率との関係を示したグラフ図である。 図8Aに対し、更に設備点検順位設定装置の適用後の出動限界時間と累積故障確率との関係を補正した後のグラフを示した図である。 実施の形態3における設備点検順位設定装置のブロック構成図である。 実施の形態3において時間(月)と故障設備率との関係を示した図である。
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る設備点検順位設定装置の一実施の形態を示したブロック構成図である。図1には、冷熱設備2、稼動履歴受信部3、故障履歴データベース(DB)4及び設備点検順位設定装置10が示されている。図1に示すように、設備点検順位設定装置10には、稼動履歴受信部3と故障履歴データベース4とを介して複数の契約先施設に設置された複数の冷熱設備2が接続されている。本実施の形態では、冷熱設備2を点検対象の設備として図示しているが、点検が必要となるその他の設備でもよい。
設備点検順位設定装置10、稼動履歴受信部3及び故障履歴データベース4は、例えば監視センタに設置されている。稼動履歴受信部3は、冷熱設備(以下、単に「設備」と称する)2から設備状態を示す設備状態データを受信し、予兆及び異常が発生したときの設備状態データ、また受信した設備状態データを必要により集計するなどして故障履歴情報を生成し故障履歴データベース4に蓄積する。稼動履歴受信部3は通信機能を有するコンピュータにより、故障履歴データベース4はデータベースサーバによりそれぞれ実現してよい。設備状態データを受信して故障履歴データベース4に蓄積する方法としては、設備2の制御装置(図示省略)に搭載された通信ソフトウェアにより、電話回線およびインターネット回線を経由してオンラインで送信する方法などがある。
図2は、本実施の形態における故障履歴データベース4に蓄積される故障履歴を示す故障履歴情報のデータ構成例を示した図である。故障履歴情報は、故障の予兆が発生した日時を示す予兆発生日時に、故障時間間隔、設置環境情報及び発生状況情報が対応付けして構成される。予兆発生日時は、稼動履歴受信部3が設備2から送信されてくる設備状態データを参照することにより予兆の発生が検知された日時である。故障時間間隔は予兆の発生から設備2が故障するまでの時間間隔であり、異常発生日時と予兆発生日時との差分を示した値である。本実施の形態では、日数で示しているが時間でもよい。ここで、「異常」とは、1つの設備状態データが正常範囲内の値を示す正常状態から逸脱した場合をいう。「故障」とは、設備状態データが異常の発生により設備2が停止することをいう。また、「予兆」とは、設備状態データが正常範囲内であっても異常状態に近い状態であることを示す閾値を超えた場合をいう。
設置環境情報は、設備2の仕様及び設置場所に関する情報であり、設備2を特定する設備番号、設備2が設置された建物を特定する建物番号、設備2が備え付けられた住所を示す据付先、据え付けた年度を示す据付開始、設備2の型名及び建物内において設備2が設置された方角を示す設置方向に関する各種情報を含む。本実施の形態では、建物番号と設備番号との組合せを設備2が設置された現場を識別する情報として用いる。
発生状況情報は、予兆及び異常が発生したときの発生状況に関する情報であり、発生した予兆の内容を示す予兆内容、予兆が発生した時点の気温と湿度、予兆が発生した時点の気温と設定温度との温度差、カウントが開始されてから予兆が発生するまでに設備2のサーモスタットがON/OFFされた切替回数を示す発停回数、カウントが開始されてから予兆が発生するまでの間に設備2が稼動しているときの時間が積算された運転時間、カウントが開始されてから予兆が発生するまでに設備2のサーモスタットがONのときの時間が積算されたサーモON時間、運転時間当たりの発停回数を示す発停回数割合、運転時間当たりのサーモON時間を示すサーモON時間割合、カウントが開始されてから予兆が発生するまでの間に設備2の室内温度が設定温度に到達する平均時間を示す目標温度到達時間、異常の発生により設備2が停止したときの日時を示す異常発生日時及び発生した異常の内容を示す異常内容に関する各種情報を含む。なお、図2には、上記記載した発生状況情報の一部を図示している。
図3は、本実施の形態における設備点検順位設定装置10を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。本実施の形態において設備点検順位設定装置10を形成するコンピュータは、従前から存在する汎用的なパーソナルコンピュータ(PC)のハードウェア構成で実現できる。すなわち、コンピュータは、図3に示したようにCPU21、ROM22、RAM23、ハードディスクドライブ(HDD)24を接続したHDDコントローラ25、入力手段として設けられたマウス26とキーボード27、及び表示装置として設けられたディスプレイ28をそれぞれ接続する入出力コントローラ29、通信手段として設けられたネットワークコントローラ30を内部バス31に接続して構成される。
図1に戻り、設備点検順位設定装置10は、分布特性値抽出部11、優先度算出部12、出動限界時間算出部13及び分布特性値蓄積部14を有している。なお、本実施の形態の説明に用いない構成要素については図1から省略している。
分布特性値抽出部11は、複数の設備2から収集され故障履歴データベース4に蓄積された故障履歴情報を、現場の特性を示す特性情報に基づき分類(クラスタリング)することで、予兆発生状況および設置環境の条件が類似する故障履歴情報毎にグループ化し、そのグループ化された故障履歴情報(故障グループ)毎に予兆発生から故障するまでの経過時間に伴って変化する故障確率を算出して故障累積確率分布を作成し、当該故障累積確率分布から分布特性値を抽出する。本実施の形態における分布特性値抽出部11は、グループモデル作成部111、グループモデル決定部112、故障確率算出部113、グループモデル蓄積部116及びグループモデル記憶部117を有している。
グループモデル作成部111は、グループモデル候補作成手段として設けられ、故障履歴データベース4に蓄積された故障履歴情報を、予め設定された1又は複数の特性情報が指定された分類条件に基づきグループ化することで、複数のグループモデルを、故障確率算出部113が故障確率を算出するグループの候補として作成する。グループモデル蓄積部116には、グループモデル作成部111により作成されたグループモデルの候補が記憶される。グループモデル決定部112は、グループモデル決定手段として設けられ、グループモデル作成部111により作成された複数のグループモデルそれぞれに対して、予め設定された評価方法に基づき評価を行い、その評価結果に基づき複数のグループモデルの候補の中から故障確率算出部113に故障確率を算出させるグループモデルを決定する。グループモデル記憶部117には、グループモデル決定部112により決定されたグループモデル及び当該グループモデルを形成した分類条件が記憶される。故障確率算出部113は、故障確率算出手段として設けられ、グループモデル決定部112により決定されたグループモデルを作成したときの分類条件に従って分類することで故障履歴データベース4に蓄積された故障履歴情報をグループ化し、そのグループ化により形成したグループ毎に故障確率を算出する。
優先度算出部12は、優先度算出手段として設けられ、分布特性値抽出部11により算出された故障確率に基づいて予兆が発生した各設備に対して保守点検を行う優先度を算出する。例えば、あるタイミング(例えば、4月1日の6時)に予兆が発生している設備2に対して点検を実施するための点検スケジュールを作成する場合、優先度算出部12は、このときに各設備2に対して故障確率に基づき得られる分布特性値を参照して優先度を算出することになる。出動限界時間算出部13は、優先度算出部12により算出された優先度に基づいて出動限界時間を算出する。保守員は、支社等に待機しており、必要により保守点検先となる建物に向かうことになる。基本的には、故障の予兆が発生した場合、その予兆が発生した設備に対して故障の発生を未然に防ぐために故障が発生すると予測される時間の前に保守点検を実施するのが好適である。「出動限界時間」とは、保守員を出動させなければ設備2が故障する限界の時間のことである。分布特性値蓄積部14には、分布特性値抽出部11により抽出された分布特性値が蓄積される。
設備点検順位設定装置10における各構成要素111〜113,12,13は、設備点検順位設定装置10を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU21で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶手段116,117,14は、設備点検順位設定装置10に搭載されたHDD24にて実現される。あるいは、RAM23又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
次に、本実施の形態における設備点検順位設定装置10の動作について説明する。なお、以降の説明では、現場と設備2とは1対1の関係にあるものとし、「設備」と「現場」とをほぼ同義に用いることにする。すなわち、予兆が発生するのは設備2だが、説明の便宜上、予兆が発生するのは現場であるように記載する場合がある。
設備2が稼動している間、稼動履歴受信部3には、予兆又は異常が発生した設備2から故障履歴情報の生成に必要な情報が含まれる設備状態データが送信されてくる。稼動履歴受信部3は、受信した設備状態データを解析することで予兆の発生を検知すると、設備状態データに基づき予兆発生日時、設置環境情報、発生状況情報に含まれる予兆内容、気温、湿度、温度差、発停回数、運転時間、サーモON時間、発停回数割合、サーモON時間割合及び目標温度到達時間を設定して故障履歴情報を生成する。また、稼動履歴受信部3は、受信した設備状態データを解析することで異常の発生を検知すると、予兆の発生により生成された故障履歴情報の中から設置環境情報等を参照して異常が発生した設備2に対応する故障履歴情報を特定し、受信した設備状態データに基づき、故障履歴情報の異常発生日時及び異常内容を設定登録する。更に、稼動履歴受信部3は、予兆の発生から異常の発生までの時間間隔を算出して故障時間間隔を設定登録する。
以上のようにして予兆及び故障の発生に伴い稼動履歴受信部3により故障履歴情報が生成されて故障履歴データベース4に蓄積される。
続いて、本実施の形態における分布特性値抽出部11が実施する処理について図4に示したフローチャートを用いて説明する。
グループモデル作成部111は、故障履歴データベース4に蓄積された故障履歴情報を取得し(ステップ101)、次のようにして1又は複数の特性情報が指定された分類条件に基づき故障確率算出部113が故障確率を算出する単位となるグループモデルの候補を作成する(ステップ102)。なお、クラスタリング対象とする故障履歴情報を特定するために期間を指定してもよい。そして、グループモデル作成部111は、特性情報として、例えば据付先という属性が設定されている場合、兵庫県、大阪府という属性の項目値(属性値)毎にクラスタリングを行ってグループモデルを作成する。また、予兆発生日時という属性が設定されている場合、時間を例えば1ヶ月などの所定期間に区切って例えば2013年4月というグループモデルを作成する。そして、据付先でのクラスタリングにより作成されたグループをグループモデル1、予兆発生日時でのクラスタリングにより作成されたグループをグループモデル2、などのようにして複数のグループモデルの候補を作成する。
上記例では、1つの属性が指定された分類条件によってグループモデルを作成する例を示したが、例えば据付先が兵庫県でかつ予兆発生日時が2009年3月の故障履歴情報というように複数の属性によるAND(論理積)をとって、あるいはOR(論理和)をとってグループモデルを作成してもよい。例えば、11月に予兆が発生して作成された故障履歴情報というグループモデルではなく、11月の寒冷地域(北海道及び東北地方)、11月の温暖地域などとクラスタリングすることで、時節の異なる地域を別のグループモデルに分類することが可能になる。
また、上記のように属性値毎にクラスタリングを行うことで排他的なグループモデルを作成してもよいし、グループモデルに含まれる故障履歴情報の数が増えるようにグループモデルを作成してもよい。例えば、据付先であれば兵庫県、大阪府等据付先の最小単位である属性値毎のクラスタリングにより作成されたグループをグループモデル1に対し、グループモデル1を包含するように拡げ、最小単位である属性値(都道府県、例えば大阪府)に隣接した都道府県(兵庫県、京都府、奈良県、和歌山県)というように、最小単位(属性値)を組み合わせて構成される隣接都道府県毎のクラスタリングにより作成されたグループをグループモデル2、さらにグループモデル2を拡げ、兵庫県、大阪府等を含む近畿地方、静岡県、愛知県等を含む中部地方などと地方毎のクラスタリングにより作成されたグループをグループモデル3として作成する。
このように、狭い範囲となる第1分類条件(上記例の都道府県毎)に従って作成された複数のグループモデル1を包含する第2分類条件(上記例の隣接県)を作成してもよい。なお、グループモデルの範囲を拡げる関係において、グループモデル1とグループモデル2のように包含関係を持たせなくても、グループモデル2とグループモデル3との関係のようにしてもよい。具体的には、兵庫県と広島県との関係のように隣接県ではあるものの異なる地方であるため、都道府県の数は増えることによってグループモデル3に含まれる故障履歴情報の数は増えるものの、グループモデル2に分類される全ての故障履歴情報が含まれるわけではない。
後述するように、故障確率を算出するグループモデルを分類する分類条件を絞り込むと優先度を精度良く算出できる。例えば、大阪府に設置された設備2に予兆が発生すると、大阪府で発生した故障に基づく故障履歴情報を参照することで優先度を精度良く算出することができると考えられる。据付先が大阪府という同じ属性値のみの故障履歴情報を参照するからである。ただ、据付先が大阪府という同じ属性値に絞り込むと、故障履歴情報の数が少なすぎて、ある1つの設備2の故障の影響を多大に受けてしまう可能性が生じうる。つまり、優先度を精度良く算出できているとは言えなくなってくる。
一方、据付先が大阪府の隣接県まで拡げる(つまり、類似した属性値を持つ特性情報に拡げる)分類条件に従いグループモデルを作成すると、優先度の精度が若干低下すると考えられるが、類似する属性値(関連性のある属性値)の故障履歴情報をまとめ情報数を増やすことによって優先度を精度良く算出することができるようになるかもしれない。
本実施の形態では、このように故障履歴情報の数を増やすような分類条件を設定するなどして複数のグループモデルの候補を作成し、後述するようにグループモデル決定部112によって各グループモデルの候補を評価し、その中から故障履歴情報の分類に最適なグループモデル、すなわち故障履歴情報をグループ化するのに最適な特性情報を決定するようにしたことを特徴としている。
さらにグループモデルの候補に作成について、予兆発生年月を例にして説明する。2015年4月1日の保守点検の優先順位を設定する場合、予兆発生年月が前年同月である2014年4月あるいは3月16日〜4月15日という1月間に含まれる故障履歴情報にてグループモデル1を作成する。続いて、属性値の範囲を少し広げて、予兆発生年月が前年同月である2014年4月±1月(3月〜5月)あるいは2月16日〜5月15日という3月間に含まれる故障履歴情報にてグループモデル2を作成する。更に、属性値の範囲を広げて、予兆発生年月が前年同月である2014年4月±2月(2月〜6月)あるいは1月16日〜6月15日という5月間に含まれる故障履歴情報にてグループモデルを作成する。
このように、他のグループモデルに対してより多くの故障履歴情報が含まれるようにグループモデルを作成する。この際、同じグループモデルに含まれる故障履歴情報には、地域性とか時節性とか、何らかの関連性のある特性情報が含まれるようにするのが好適である。
グループモデル作成部111は、以上のようにして複数のグループモデルの候補を作成すると、故障履歴情報と各故障履歴情報が属することになるグループモデルとの対応関係がわかるようにグループモデル蓄積部116に登録する。以上の例から明らかなように、グループモデルに含まれる故障履歴情報は、いずれか1つのグループモデルのみに属するというわけではなく、複数のグループモデルに含まれる場合もある。
複数のグループモデルの候補が作成されると、グループモデル決定部112は、各グループモデルを評価し、その評価結果に従いグループモデルの中から故障確率を算出し、故障確率分布を求めるためのグループモデルを決定する(ステップ103)。上記据付先の例の場合、グループモデル決定部112は、都道府県毎、隣接県毎、地方毎のいずれの分類条件に従い故障履歴情報をクラスタリングするのが最適であるかを評価することになる。
本実施の形態におけるグループモデル決定部112によるグループモデルの評価指標として、本実施の形態では、5種類の評価指標を提案する。これらのうち、グループモデルを形成する分類条件等に合わせて適正な評価指標を適宜選択すればよい。場合によっては、複数の評価指標を用いて評価し、その評価結果の平均若しくは適宜重み付けをして各グループモデルを評価してもよい。
グループモデルを評価するに当たり、本実施の形態では、保守員は出動限界時間になった時点で予兆が発生した設備2に出動して保守点検を実施するものと仮定する。ここで、グループモデル決定部112が評価の際に用いる出動限界時間について説明する。
グループモデル決定部112は、評価の際にグループモデル毎に出動限界時間を求めるが、以下に説明する3通りの方法のうち所望の方法にて出動限界時間を求めればよい。
第1に、出動限界時間算出部13と同じ計算方法にて算出する。これは、本願と同一出願人による特許出願(特開2014−167667号公報(特許文献1)、発明の名称「設備点検順位設定装置」)の明細書に記載されたのと同じ方法にて算出する。
第2に、当該グループモデルに含まれる故障履歴情報の故障時間間隔の平均値又は中央値を出動限界時間として算出する。このとき、例えば、グループモデル1を2014年4月、グループモデル2を2014年4月±1月、グループモデル3を2014年4月±2月として作成されている場合、グループモデル1の故障時間間隔に重み3、グループモデル2の故障時間間隔に重み2、グループモデル3の故障時間間隔に重み1を設定し、中心に近い故障履歴情報に含まれる故障時間間隔ほど重み付けをして算出するようにしてもよい。
第3に、累積故障確率のうち特定の確率(例えば、0.8)に対応した時間を出動限界時間として設定する。なお、累積故障確率については後述する。
グループモデル決定部112は、以上のいずれかの方法にて出動限界時間を求めておく。そして、以下の5種類の評価指標を用いてグループモデルの候補毎に評価結果を算出する。本実施の形態では、故障設備数数、故障停止時間、出動回数、不快度及び苦情数を評価指標として用いる。
まず、第1の故障グループモデルの評価指標として故障設備数を用いる。図2に示した故障履歴情報を参照すると、各設備2に対し故障時間間隔が算出されている。ここで、設備2が故障したということは、保守員が出動限界時間に出動したけれども間に合わず故障が発生したということである。従って、グループモデル決定部112は、当該グループモデルにおける出動限界時間と当該グループモデルに含まれる故障履歴情報の各故障時間間隔とをそれぞれ比較し、出動限界時間が故障時間間隔以上の数を求める。つまり、保守員が故障の発生前に到着できずに故障を発生させてしまったと仮定される数を求める。
故障設備数は少ないほどよいと考えられる。従って、グループモデル決定部112は、グループモデル毎に算出した故障設備数を比較し、その中から最小値となるグループモデルが最適なクラスタリングであると評価し、故障履歴情報を分類するために用いるグループモデルとして決定する。
第2の故障グループモデルの評価指標として故障停止時間を用いる。故障停止時間というのは、設備2が故障していて停止していた時間、換言すると故障から復旧するまでに要した時間である。故障停止時間は、保守点検の履歴情報が蓄積されている記憶手段(図示せず)から取得した当該設備2の復旧日時から当該設備2の故障履歴情報に含まれる異常発生日時を減算して得られる時間である。当該グループモデルに含まれる設備毎に得られた故障停止時間の平均値を算出し、これを当該グループモデルの故障停止時間とする。このとき、前述した第2の出動限界時間の算出方法と同様に各故障履歴情報に重み付けをして故障停止時間を算出するようにしてもよい。
故障停止時間は短いほどよいと考えられる。従って、グループモデル決定部112は、グループモデル毎に算出した出動回数を比較し、その中から最小値となるグループモデルが最適なクラスタリングであると評価し、故障履歴情報を分類するために用いるグループモデルとして決定する。
第3の故障グループモデルの評価指標として出動回数を用いる。出動限界時間は、設備2において予兆が発生した時点を始期とし、保守員が出動しなければならない日時を終期としているが、この終期が来る前に当該設備2に対して予兆がさらに発生する場合がある。例えば、出動限界時間が10時間の場合、直前の保守点検実施後、予兆が最初に発生してから10時間経過後に保守員は当該設備2の保守点検のために出動することになるが、予兆が最初に発生してから10時間を経過する前に2回目、3回目と予兆が更に発生する場合もありうる。この場合、予兆が最初に発生してから10時間経過後に保守員が出動すれば、保守員は10時間を経過する前に発生した予兆に対して改めて出動する必要はない。従って、グループモデル決定部112は、直前の保守点検実施後、保守員は予兆が最初に発生してから出動限界時間が経した時点で出動し、出動限界時間が経過する前に発生した予兆に対しては出動しないものと仮定して、保守員の出動回数をカウントする。このようにして保守員の出動回数をグループモデルの候補毎に積算する。
出動回数は少ないほどよいと考えられる。従って、グループモデル決定部112は、グループモデル毎に算出した出動回数を比較し、その中から最小値となるグループモデルが最適なクラスタリングであると評価し、故障履歴情報を分類するために用いるグループモデルとして決定する。
第4の故障グループモデルの評価指標として不快度を用いる。不快度というのは、不快指数に上記第2の評価方法で算出した故障停止時間を乗算して得られる指標値である。故障停止時間が長いほど、不快度は高くなると考えられる。不快指数は、一般的な計算式、例えば、
不快指数=0.81Td+0.01H(0.99Td−14.3)+46.3
にて算出すればよい。但し、Tdは外気温度(℃)、Hは湿度(%)である。グループモデル決定部112は、当該グループモデルに含まれる設備毎に不快度を算出し、これらの不快度の平均値を算出し、これを当該グループモデルの不快度とする。
不快度は小さいほどよいと考えられる。従って、グループモデル決定部112は、グループモデル毎に算出した不快度を比較し、その中から最小値となるグループモデルが最適なクラスタリングであると評価し、故障履歴情報を分類するために用いるグループモデルとして決定する。
第5の故障グループモデルの評価指標として苦情数を用いる。設備2が故障の発生により停止してから一定時間経過すると設備管理者等から苦情が発生されると仮定する。従って、グループモデル決定部112は、当該グループモデルに含まれる設備に対して発生したと仮定した苦情の数を積算し、これを当該グループモデルの苦情数とする。
苦情数は少ないほどよいと考えられる。従って、グループモデル決定部112は、グループモデル毎に積算した苦情数を比較し、その中から最小値となるグループモデルが最適なクラスタリングであると評価し、故障履歴情報を分類するために用いるグループモデルとして決定する。
以上の評価指標に従って各グループモデルの候補の評価を数値化し、この評価結果に基づいてグループモデルを決定し、故障履歴情報をグループ化するために最適な分類条件(特性情報)を決定する。上記例に従うと、都道府県毎、隣接県毎、あるいは地方毎のいずれによって故障履歴情報をクラスタリングするのが最適であるかが決定される。
以上のようにして、グループモデルが決定されると、故障確率算出部113は、決定されたグループモデルの作成に用いられた分類条件に指定された特性情報に従い故障履歴情報を分類(クラスタリング)することでグループ化する(ステップ104)。そして、故障確率算出部113は、故障履歴情報のグループ(故障グループ)毎に故障確率を算出し(ステップ105)、故障累積確率分布を作成する(ステップ106)。
図5は、ある故障グループの故障確率と累積故障確率(分布特性値の抽出のための故障累積確率分布)との関係を示すグラフ図である。図5において、横軸は時間、縦軸は確率を示す。本実施の形態では、図5に示したように累積故障確率を、予兆発生後、時間t以内に故障する確率P(t)として定義する。ある故障グループに含まれる全ての故障履歴情報の数に対する所定の時間間隔xでの故障履歴情報の数の割合(故障確率)をp(x)として累積故障確率を以下の数式で求める。
Figure 0006275070
続いて、故障確率算出部113は、作成した故障累積確率分布を参照して分布特性値を抽出し、分布特性値蓄積部14に登録する(ステップ107)。分布特性値の一例として、予兆が発生してからt3時間(例えば6時間)経過した時点での故障累積確率のように一定時間経過した時点での故障累積確率b、予兆が発生してからt1時間経過した時点における故障累積確率の立ち上がり度(傾き)、故障累積確率の上昇率が初めて所定の値(k)%以下になるなどの特徴的な上昇がみられなくなる時間(収束時間)t2、その収束時間における故障累積確率a、故障グループ毎の故障件数、故障グループ毎の故障件数の順位などがある。
図6は、本実施の形態における分布特性値抽出部11により分布特性値蓄積部14に蓄積された分布特性値の一例を示す図である。分布特性値蓄積部14には、故障グループ1〜4毎にステップ107で抽出された複数の分布特性の分布特性値が蓄積されており、複数の分布特性としては、故障累積確率フィールド、傾きフィールド、収束時間フィールド、収束時間における故障累積確率フィールドなどが含まれる。
以上のようにして分布特性値抽出部11により分布特性値が作成されると、優先度算出部12は、その分布特性値に基づき予兆が発生している各設備2に対して優先度を算出する。この優先度の算出方法は、上記特許文献1と同じ方法にて算出するので説明を省略する。また、優先度算出部12により算出された優先度に基づく出動限界時間算出部13における出動限界時間の算出方法も上記特許文献1と同じ方法にて算出するので説明を省略する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、保守点検を行う各設備の優先度の算出に適した故障履歴のグループ形成することができるので、優先度を精度良く算出することができる。
実施の形態2.
図7は、本実施の形態における設備点検順位設定装置10のブロック構成図である。なお、実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付け説明を省略する。本実施の形態における設備点検順位設定装置10は、実施の形態1の分布特性値抽出部11に出動限界時間補正部114を加えた構成を有している。出動限界時間補正部114は、補正手段として設けられ、グループモデル決定部112が各グループモデルの候補を評価する際に出動限界時間と故障確率との関係を評価指標として用いる場合、出動限界時間に従って保守員を出動させるよう運用を開始した後に得られた故障履歴情報に基づく出動限界時間と故障確率との関係を示すデータのうち故障確率が所定の閾値以上に増加しなくなった後のデータを、実際の故障確率より高くなるよう補正する。
図8Aには、実施の形態1における設備点検順位設定装置10が適用される前のグラフ31と適用後のグラフ32とが示されている。図8Aでは、実施の形態1における設備点検順位設定装置10が適用されることによって出動限界時間が5時間から8時間に長期化したことを示している。
実施の形態1における設備点検順位設定装置10が適用される後は、優先度が高精度に算出されることになる。その優先度に基づき算出される出動限界時間に従って保守員が出動するようになると、予兆は発生するものの故障の発生は未然に抑えることができる可能性が高くなる。このため、故障の発生回数が減少した設備2の優先度は下がることになるが、これに伴い、図8Aに例示したように出動限界時間が長期化する可能性が生じてくる。出動限界時間が長期化すると保守員の出動間隔があくことになるので、今度は故障が発生しやすい状況になってくる。グループモデル決定部112が故障確率に基づき出動限界時間を算出する第3の方法を採用する場合、前述した現象が発生しうる。
そこで、本実施の形態では、出動限界時間に従って保守員を出動させるよう運用を開始する後、すなわち実施の形態1における設備点検順位設定装置10の適用後に得られた故障履歴情報に基づく出動限界時間と故障確率との関係を示すデータ(すなわち、グラフ32)のうち故障確率が所定の閾値以上に増加しなくなった(図8Bでは、「6時間」)以降のデータ(図8Bでは、6時間以降のグラフ32a)を、出動限界時間に従って保守員を出動させるよう運用を開始する前、すなわち実施の形態1における設備点検順位設定装置10の適用前に得られた故障履歴情報に基づく出動限界時間と故障確率との関係を示すデータ(すなわち、グラフ31)のうちグラフ32aに対応するグラフ31aで補正することを特徴としている。図8Bでは、補正部分をと二点鎖線のグラフ32bで表しているが、グラフ32bは、グラフ31aを平行移動して形成されると言える。
このように、実際の累積故障確率はグラフ31(グラフ32aを含む)のように表されるが、本実施の形態では、故障確率が所定の閾値以上に増加しなくなった以降は、補正したグラフ32bを適用することで、グループモデルを変更する際に適切なグループモデルが選ばれるように調整することができる。
なお、本実施の形態では、故障確率が所定の閾値以上に増加しなくなった以降のデータを、実施の形態1における設備点検順位設定装置10の適用前に得られたデータを少なくとも参照し、グラフ31aの部分をそのまま用いるようにした。ただ、本実施の形態における作用効果を奏するには、故障確率が所定の閾値以上に増加しなくなった以降の累積故障確率をグラフ32aで表される実際のデータより高くなるように補正すればよい。一方、累積故障確率を本装置適用前のグラフ31aより高くなるように補正する必要はない。つまり、グラフ32bは、グラフ31aとグラフ32aとの間に補正後のグラフが形成されればよい。従って、前述したようにグラフ31a部分をそのまま平行移動して使用しなくても、例えば、グラフ31とグラフ32との平均値を算出するなどして補正後のグラフ32bを求めるようにしてもよい。
実施の形態3.
図9は、本実施の形態における設備点検順位設定装置10のブロック構成図である。なお、実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付け説明を省略する。本実施の形態における設備点検順位設定装置10は、実施の形態1に示した構成に、モデル更新指示部15を加えた構成を有している。モデル更新指示部15は、更新手段として設けられ、所定期間(本実施の形態では、月単位)における故障履歴情報に基づき得られる故障した設備の数が閾値を超えた場合に故障確率を算出するグループモデルを更新させるように分布特性値抽出部11に指示する。
図10は、時間と故障設備率との関係を示した図である。故障設備率とは、保守点検対象の全設備を占める、当該月内において故障した設備の割合である。図10では、月毎に算出した故障設備率がプロットされている。グラフ34は閾値であるが詳細は後述する。
設備点検順位設定装置10は、決定したグループモデルに基づく故障グループ毎に算出された優先度や出動限界時間に基づき保守点検のスケジュールが作成され運用される。故障確率情報は、最適なクラスタリングが実行されたことで、設備2の故障の発生数は抑えられ、図10に例示したように減少することになる。ただ、時間の経過に伴い、決定したグループモデルに基づく故障履歴情報のグループ分けが適切でなくなってくる可能性が生じてくる。
そこで、本実施の形態では、モデル更新指示部15を設け、閾値34を設定し、故障設備率がその閾値34を超えた場合にグループモデルの更新、すなわち図4に示した処理の再実行を分布特性値抽出部11に指示するようにした。これにより、算出される優先度の精度を高い状態に維持することができる。
ところで、閾値34は、固定値として予め設定しておいてもよいが、本実施の形態では、図10に例示したように閾値34を右下がりに設定した。つまり、直前の所定期間(本実施の形態では、前月)の閾値に所定の減少期待率p(0<p<1)を乗算して当月の閾値を算出するようにした。これは、高精度の優先度が算出される本装置適用後においては、故障する設備の数(つまり、設備故障率)が一定未満であればよいというだけでなく、改善により減少することが期待されるはずである。そこで、本実施の形態では、時間の経過に伴い閾値34が小さい値になるよう更新するようにした。
なお、当月の閾値を直前の期間(同年前月)に限らず、例えば前年同月、当月の予測故障設備数等に減少期待率を乗算するようにして算出してもよい。
2 冷熱設備、3 稼動履歴受信部、4 故障履歴データベース、10 設備点検順位設定装置、11 分布特性値抽出部、12 優先度算出部、13 出動限界時間算出部、14 分布特性値蓄積部、15 モデル更新指示部、、21 CPU、22 ROM、23 RAM、24 ハードディスクドライブ(HDD)、25 HDDコントローラ、26 マウス、27 キーボード、28 ディスプレイ、29 入出力コントローラ、30 ネットワークコントローラ、31 内部バス、111 グループモデル作成部、112 グループモデル決定部、113 故障確率算出部、114 出動限界時間補正部、116 グループモデル蓄積部、117 グループモデル記憶部。

Claims (8)

  1. 複数の設備それぞれの設置に関する設置環境情報と、当該設備における故障の予兆の発生状況及び予兆後に当該設備に発生した故障に関する発生状況情報と、を含む故障履歴情報を、現場の特性を示す特性情報のうち予め設定された1又は複数の特性情報が指定された複数の分類条件それぞれに従ってグループ化することで複数のグループモデルを作成するグループモデル作成手段と、
    前記グループモデル作成手段により作成された複数のグループモデルそれぞれに対して、予め設定された評価方法に基づき評価を行い、その評価結果に基づき前記複数のグループモデルの中から、前記故障履歴情報を分類するために用いるグループモデルを決定するグループモデル決定手段と、
    前記グループモデル決定手段により決定されたグループモデルを作成したときの分類条件に従って前記故障履歴情報を分類することでグループ化し、そのグループ化により形成したグループ毎に、予兆発生から故障するまでの経過時間に伴って変化する故障確率を算出する故障確率算出手段と、
    前記故障確率算出手段により算出され故障確率に基づいて保守点検を行う設備の優先度を算出する優先度算出手段と、
    を有することを特徴とする設備点検順位設定装置。
  2. 前記グループモデル候補作成手段は、第1グループモデルを作成したときの分類条件に従って分類することで形成されるグループに含まれる前記故障履歴情報を包含するグループを形成するための第2のグループモデルを作成することを特徴とする請求項1に記載の設備点検順位設定装置。
  3. 前記グループモデル決定手段は、予め決められた1又は複数の評価指標に基づいてグループモデルを決定することを特徴とする請求項1に記載の設備点検順位設定装置。
  4. 前記グループモデル決定手段は、複数の評価指標を用いてグループモデルを決定する場合、評価指標に重み付けをすることを特徴とする請求項3に記載の設備点検順位設定装置。
  5. 前記グループモデル決定手段が各グループモデルの候補を評価する際に出動限界時間と故障確率との関係を評価指標として用いる場合、出動限界時間に従って保守員を出動させるよう運用を開始した後に得られた故障履歴情報に基づく出動限界時間と故障確率との関係を示すデータのうち故障確率が所定の閾値以上に増加しなくなった出動限界時間以降のデータを、実際の故障確率より高くなるよう補正する補正手段を有することを特徴とする請求項1に記載の設備点検順位設定装置。
  6. 所定期間における故障履歴情報に基づき得られる故障した設備の数が閾値を超えた場合に前記故障履歴情報を分類するために用いるグループモデルを更新させる更新手段を有することを特徴とする請求項1に記載の設備点検順位設定装置。
  7. 前記閾値は、時間の経過に伴い小さい値になるよう更新されることを特徴とする請求項6に記載の設備点検順位設定装置。
  8. コンピュータを、
    複数の設備それぞれの設置に関する設置環境情報と、当該設備における故障の予兆の発生状況及び予兆後に当該設備に発生した故障に関する発生状況情報と、を含む故障履歴情報を、現場の特性を示す特性情報のうち予め設定された1又は複数の特性情報が指定された複数の分類条件それぞれに従ってグループ化することで複数のグループモデルを作成するグループモデル作成手段、
    前記グループモデル作成手段により作成された複数のグループモデルそれぞれに対して、予め設定された評価方法に基づき評価を行い、その評価結果に基づき前記複数のグループモデルの中から、前記故障履歴情報を分類するために用いるグループモデルを決定するグループモデル決定手段、
    前記グループモデル決定手段により決定されたグループモデルを作成したときの分類条件に従って前記故障履歴情報を分類することでグループ化し、そのグループ化により形成したグループ毎に、予兆発生から故障するまでの経過時間に伴って変化する故障確率を算出する故障確率算出手段、
    前記故障確率算出手段により算出され故障確率に基づいて保守点検を行う設備の優先度を算出する優先度算出手段、
    として機能させるためのプログラム。
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