JP6273468B2 - リン脂質ポリマー含有粘着テープ剤 - Google Patents
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Description
本発明は、適度な粘着力を有し、皮膚への物理的刺激が小さく、かつ皮膚のバリア機能回復効果に優れたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、両親媒性高分子、多価アルコール、水、有機酸、アルミニウム塩およびリン脂質ポリマーを使用することにより、適度な粘着力を有し、皮膚への物理的刺激が小さく、かつ皮膚のバリア機能回復効果に優れたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤に関するものである。
関節などの固定やスポーツ用テーピングなどに用いる皮膚貼付用の粘着テープ剤は、適用した皮膚からの脱落を防止するため、適度な粘着力を有する必要がある。しかし、粘着力が大きくなる程、皮膚から剥離する際の皮膚への物理的刺激が大きく、皮膚のバリア機能が損なわれ、かぶれや炎症の原因となる恐れがあった。このため、皮膚に貼付する粘着テープ剤は、適度な粘着力を有することは当然であるが、皮膚への物理的刺激が小さいことも重要な特性であった。
当該特性を満たすため、例えば、剪断応力を加えた際に特定のずれ変形を起こす粘着剤層を用いることで、皮膚に対してソフト感を与える方法(特許文献1参照)、剥離する際に冷却させることで剥離強度を低下させる方法(特許文献2参照)などが開示されている。
しかしながら、粘着力を有するテープ剤を皮膚に貼付する性質上、剥離による物理的刺激を完全に回避することはできない。このため、上記のような皮膚への物理的刺激が小さいことを特徴とする粘着テープ剤であっても、同一箇所に複数回貼付した場合などは累積的に物理的刺激が大きくなり、依然かぶれや炎症の原因となるおそれがあった。そこで、粘着テープ剤には、皮膚への物理的刺激が小さいことに加え、貼付時に物理的刺激によって損傷した皮膚のバリア機能を回復する特性が求められてきた。
皮膚のバリア機能を回復する物質として、生体膜の主要な構成成分であるリン脂質を範として分子設計されたメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体(以下、リン脂質ポリマー)が知られている(非特許文献1および特許文献3参照)。当該リン脂質ポリマーは、水中で自己集合化分散体を形成し、その乾燥被膜が細胞間脂質と類似のラメラ構造を形成することにより、損傷した皮膚のバリア機能を回復する(非特許文献2参照)。ローション剤やゲル剤などは、元来水を含有しているため、リン脂質ポリマーを配合することでその分散体を容易に保持することができる。このため、リン脂質ポリマーの分散体を含有し皮膚のバリア機能を回復することを特徴とするローション剤やゲル剤などの開発は既に実施されている。
しかしながら、リン脂質ポリマーを含有し、皮膚のバリア機能を回復する粘着テープ剤の検討は全く実施されていない。これは、ローション剤やゲル剤などと異なり、粘着テープ剤としての適度な粘着力を有しながら、かつ粘着層にリン脂質ポリマーの水分散体を保持させることが困難であるという課題があったためである。一般的な親水性高分子を用いた含水系粘着テープ剤の場合、水分散体を保持することはできるが、粘着力が弱いために膏体を厚くする必要がある。このため、関節などの固定やスポーツ用テーピングなどに用いる粘着テープ剤の使用には適さない。また、一般的な疎水性高分子を用いた非水系粘着テープ剤の場合、粘着力には優れているが、リン脂質ポリマーの水分散体を粘着層に保持させることができず、皮膚のバリア機能回復効果を発揮するものではなかった(特許文献4参照)。
そこで、適度な粘着力を有し、皮膚への物理的刺激が小さく、かつ皮膚のバリア機能回復効果に優れたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤の開発が望まれていた。
尾家重治,他1名,新しい湿潤剤を配合した速報性手指消毒薬の抗菌効果ならびに保湿効果,環境感染誌,24,260−263(2009)
福井洋樹,他1名,ラメラ構造を有するポリマーナノスフィア型新規化粧品原料,高分子,55(10),798−801(2006)
本発明の目的は、上記の状況を鑑みてなされたもので、適度な粘着力を有し、皮膚への物理的刺激が小さく、かつ皮膚のバリア機能回復効果に優れたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究の結果、両親媒性高分子、多価アルコール、水、有機酸、アルミニウム塩およびリン脂質ポリマーを必須成分として含有し、含水ゲル状の粘着テープ剤中にリン脂質ポリマーの水分散体を保持させることにより、適度な粘着力を有し、皮膚への物理的刺激が小さく、かつ皮膚のバリア機能回復効果に優れたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤を得ることができることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。さらに、特定の割合で天然保湿因子、細胞間脂質のラメラ構造を安定化させるラフィノースを配合することにより、皮膚のバリア機能回復効果が増強することを見出した。
すなわち、本発明は以下の(1)から(4)に示したものである。
(1)両親媒性高分子、多価アルコール、水、有機酸およびアルミニウム塩を必須成分として含有する含水ゲル状の粘着基剤が積層されてなり、前記粘着基剤中にリン脂質ポリマーを含有することを特徴とするリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤。
(2)前記リン脂質ポリマーの含量が、粘着基剤中の0.01〜10.0質量%である上記(1)に記載のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤。
(3)前記粘着基剤中に、天然保湿因子およびラフィノースをそれぞれ0.01〜3.0質量%含有する、上記(1)または上記(2)に記載のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤。
(4)前記天然保湿因子が、プロリンおよびロイシンからなる上記(3)に記載のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤。
すなわち、本発明は以下の(1)から(4)に示したものである。
(1)両親媒性高分子、多価アルコール、水、有機酸およびアルミニウム塩を必須成分として含有する含水ゲル状の粘着基剤が積層されてなり、前記粘着基剤中にリン脂質ポリマーを含有することを特徴とするリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤。
(2)前記リン脂質ポリマーの含量が、粘着基剤中の0.01〜10.0質量%である上記(1)に記載のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤。
(3)前記粘着基剤中に、天然保湿因子およびラフィノースをそれぞれ0.01〜3.0質量%含有する、上記(1)または上記(2)に記載のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤。
(4)前記天然保湿因子が、プロリンおよびロイシンからなる上記(3)に記載のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤。
以上に述べたように、本発明は、適度な粘着力を有し、皮膚への物理的刺激が小さく、かつ皮膚のバリア機能回復効果に優れたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤を提供することができる。
以下、本発明のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤を詳細に説明する。なお、本明細書に記載の例示は、本発明を特に限定するものではない。
本発明の「粘着力」とは、フィルムライナーを剥がした粘着テープ剤を試験台に粘着面を上にして固定し、直径5mmの円形プローブを接触荷重20g、接触時間1.0秒で圧着後、引き剥がし速さ10mm/秒で垂直方向に引き離すのに要する応力(g)を意味する。応力が100〜200gの範囲内のものを、適度な粘着力を有するとした。
本発明の「物理的刺激」とは、粘着テープ剤を剥離した際の物理的刺激を意味する。前腕内側部の皮膚に対して、20回粘着テープ剤を貼付・剥離した後の経表皮水分損失量(TEWL)の値が、貼付・剥離前のTEWL値と比較し200%以下のものを、皮膚への物理的刺激が小さいとした。
本発明の「皮膚のバリア機能」とは、外部から体内への異物の侵入を防ぎ、体内から外部への水分の蒸散を防ぐ皮膚が有する機能を意味する。肌荒れを人工的に形成させた皮膚に対して、1日1回粘着テープ剤を貼付し、7日後のバリア機能改善指数が80以上のものを、皮膚のバリア機能回復効果を有するとした。
本発明に用いるリン脂質ポリマーとしては、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位にもつポリマーであり、例えば、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチルの共重合体(ポリオクタニウム−51、日油(株))、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ステアリルメタクリレートの共重合体(ポリオクタニウム−61、日油(株))、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・ヒドロキシアクリロイルオキシプロピルトリメチウムクロリドの共重合体(ポリクオタニウム−64、日油(株))などが挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができるが、好ましくは、疎水性を有し、水中で自己組織化ナノ粒子を形成するポリオクタニウム−61である。リン脂質ポリマーの含量は、製剤化が可能である限り、特に制限はないが、粘着基剤全体の0.01〜10.0質量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜1.0質量%である。リン脂質ポリマーの含量が、0.01質量%より少ないと、十分な皮膚のバリア機能回復効果を発揮させることができず、好ましくない。また、10.0質量%より多いと、効果が頭打ちになり経済的でなく、好ましくない。
本発明に用いる両親媒性高分子としては、疎水性官能基と親水性官能基を有する高分子で、水性媒体および油性媒体の両者に親和性を有するものであり、例えば、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、アクリルアミド・メチルプロパンスルホン酸共重合体、N−ビニルアセトアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体、アルカリゲネス レータス B16ポリマーなどが挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができるが、好ましくは、多価アルコールとの相溶性が高く増粘作用が強い、N−ビニルアセトアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体である。
本発明に用いる多価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、イソブチレングリコール、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトールなどが挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができるが、好ましくは、水と相溶性が高く包水作用が強い、濃グリセリン、1,3−ブタンジオールである。
本発明に用いる水としては、例えば、精製水、滅菌水、天然水、常水、注射用水などが挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができるが、好ましくは、精製水である。
本発明に用いる有機酸としては、例えば、酢酸、ギ酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、安息香酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、ステアリン酸およびこれらの塩などが挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明に用いるアルミニウム塩としては、例えば、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、含水ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムカリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートなどが挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明に用いる天然保湿因子としては、例えば、セリン、グリシン、ピロリドンカルボン酸、アラニン、ロイシン、リジン、システイン、グルタミン酸、プロリンおよびアスパラギン酸などのアミノ酸ならびにその誘導体、乳酸塩、尿素などが挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができるが、好ましくは、プロリンおよびロイシンである。天然保湿因子の含量は、製剤化が可能である限り、特に制限はないが、粘着基剤全体の0.01〜3.0質量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜0.3質量%である。天然保湿因子の含量が0.01質量%より少ないと、保湿効果を十分に発揮できず、好ましくない。また、3.0質量%より多いと、経済的でなく、好ましくない。
本発明に用いるラフィノースの含量は、製剤化が可能である限り、特に制限はないが、粘着基剤全体の0.01〜3.0質量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜0.3質量%である。ラフィノースの含量が、粘着基剤中の0.01質量%より少ないと、リン脂質ポリマーのラメラ構造安定化作用を十分に発揮できず、好ましくない。また、3.0質量%より多いと、経済的でなく、好ましくない。
本発明のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤は、上記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、pH調整剤、香料・清涼化剤、温感付与剤、賦形剤、界面活性剤、キレート剤、酸化防止剤、防腐剤などを適宜配合することができる。
pH調整剤としては、例えば、酢酸、ギ酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、安息香酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸およびこれらの塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アルギニン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、アンモニア水、炭酸グアニジン、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
香料・清涼化剤としては、例えば、ハッカ油、ハッカハク油、ケイヒ油、チョウジ油、ウイキョウ油、ヒマシ油、テレピン油、ユーカリ油、オレンジ油、ラベンダー油、レモン油、ローズ油、レモングラス油、ダイウイキョウ油、チミアン油、ヘノポジ油、ヤマジン油、トウカ油、ベルガモット油、シトロネラ油、樟脳油、ゼラニウム油などやローズマリーやセージをはじめとする植物抽出物などの香料、l−メントール、カンフル、チモール、N−エチル−p−メンタン−カルボキシアミド、p−メンタン−3,8−ジオール、l−イソプレゴール、l−メンチルグリセリルエーテルなどの清涼化剤が挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
温感付与剤としては、例えば、カプサイシン、ジヒドロキシカプサイシン、カプサンチン、カプサイシノイド、カプシコシド、トウガラシエキス、トウガラシチンキ、トウガラシ末、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、N−アシルワニルアミド、ノニル酸ワニルアミド、バニリルアルコールアルキルエーテルなどが挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
賦形剤としては、例えば、タルク、酸化亜鉛、含水シリカ、炭酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、カオリン、無水ケイ酸、酸化チタンなどが挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピルアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルサルフェート塩、2−エチルヘキシルアルキル硫酸エステルナトリウム塩、ノルマルドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
キレート剤としては、例えば、エデト酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、酢酸、酒石酸およびそれらの塩などが挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤としては、例えば、アスコルビン酸、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアヤレチン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロールなどが挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
防腐剤としては、例えば、チモール、イソプロピルメチルフェノール、安息香酸、安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどが挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤の支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタンなどを単独あるいは2種以上組み合わせて用いた、伸縮性または非伸縮性である積層体、多孔質体、発泡体、織布および不織布などを用いることができる。
本発明のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤のフィルムライナーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、紙などが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。また、フィルムライナーと粘着層の接着性をコントロールするために、必要に応じて、コロナ放電処理、薬品酸化処理、オゾン処理、下塗り加工処理、エンボス処理などを施しても良い。
本発明のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤の粘着層の厚みは、薄くなるとリン脂質ポリマーを必要量含有できず、厚くなると皮膚に対する追従性の低下や粘着層の凝集性の悪化、ブレードなどの問題が発生するため、100〜300μmが好ましい。
本発明のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤の製造に際しては、従来公知の常法または今後新しく提供される方法で製造することができる。その代表的な製造方法としては、リン脂質ポリマーを濃グリセリンおよび1,3−ブタンジオール中に溶解させた後、ポリビニルアルコール16.7%水溶液、乾燥水酸化アルミニウムゲルを添加し、混合する。それにN−ビニルアセトアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体を添加し混合した後、精製水、クエン酸を混合させたものを添加し、混合する。さらにエタノールを加え均一になるまで混合し、粘着基剤を得る。得られた粘着基剤をフィルムライナー上に乾燥後の厚さが200μmとなるように塗布展延して粘着層を形成する。その後、塗布面に支持体を貼り合わせ、所望の大きさに裁断することにより、製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示す配合に基づき、後述する調製法1の方法により調製し、本発明のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤1を得た。得られたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤1を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、179gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、112%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ23.8および87.3であった。結果を表2および図1に示す。
(実施例1)
表1に示す配合に基づき、後述する調製法1の方法により調製し、本発明のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤1を得た。得られたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤1を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、179gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、112%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ23.8および87.3であった。結果を表2および図1に示す。
(調製法1)
リン脂質ポリマーを濃グリセリンおよび1,3−ブタンジオール中に溶解させた後、ポリビニルアルコール16.7%水溶液、乾燥水酸化アルミニウムゲルを添加し、混合した。それにN−ビニルアセトアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体を添加し混合した後、精製水およびクエン酸を混合したものを添加し、混合した。さらにエタノールを加え均一になるまで混合し、粘着基剤を得た。得られた粘着基剤をフィルムライナー上に乾燥後の厚さが200μmとなるように塗布展延して粘着層を形成した。その後、塗布面に支持体を貼り合わせ、所望の大きさに裁断してリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤を得た。
リン脂質ポリマーを濃グリセリンおよび1,3−ブタンジオール中に溶解させた後、ポリビニルアルコール16.7%水溶液、乾燥水酸化アルミニウムゲルを添加し、混合した。それにN−ビニルアセトアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体を添加し混合した後、精製水およびクエン酸を混合したものを添加し、混合した。さらにエタノールを加え均一になるまで混合し、粘着基剤を得た。得られた粘着基剤をフィルムライナー上に乾燥後の厚さが200μmとなるように塗布展延して粘着層を形成した。その後、塗布面に支持体を貼り合わせ、所望の大きさに裁断してリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤を得た。
(試験例1)
粘着力試験(プローブタック法)
前述の実施例1のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤、後述する実施例2〜4のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤および比較例1〜5の粘着テープ剤を使用し、次に示す方法で粘着力試験を行った。
フィルムライナーを剥がした後の粘着テープ剤を試験台に粘着面を上にして固定し、直径5mmの円形プローブを接触荷重20g、接触時間1.0秒で圧着後、引き剥がし速さ10mm/秒で垂直方向に引き離すのに要する応力(g)を各々測定し、それらの平均値を粘着力(g)とした。
粘着力試験(プローブタック法)
前述の実施例1のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤、後述する実施例2〜4のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤および比較例1〜5の粘着テープ剤を使用し、次に示す方法で粘着力試験を行った。
フィルムライナーを剥がした後の粘着テープ剤を試験台に粘着面を上にして固定し、直径5mmの円形プローブを接触荷重20g、接触時間1.0秒で圧着後、引き剥がし速さ10mm/秒で垂直方向に引き離すのに要する応力(g)を各々測定し、それらの平均値を粘着力(g)とした。
(試験例2)
剥離による物理的刺激試験
前述の実施例1のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤、後述する実施例2〜4のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤および比較例1〜5の粘着テープ剤を使用し、次に示す方法で剥離による物理的刺激試験を行った。
石鹸で洗浄した前腕内側部の経表皮水分損失量(TEWL)を水分蒸発量測定装置(Cutometer MPA 580(Courage+Khazaka electronic社製))を用いて測定し、初期TEWL値とした。その後、前腕内側部に粘着テープ剤を貼付し、1分後剥離した。この貼付と剥離の操作を同一部位で20回繰り返した後、TEWLを測定した。TEWL変化率(%)は、次の式1に従って算出した。
(式1)
TEWL変化率(%)=20回貼付・剥離後のTEWL値/初期TEWL値×100
剥離による物理的刺激試験
前述の実施例1のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤、後述する実施例2〜4のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤および比較例1〜5の粘着テープ剤を使用し、次に示す方法で剥離による物理的刺激試験を行った。
石鹸で洗浄した前腕内側部の経表皮水分損失量(TEWL)を水分蒸発量測定装置(Cutometer MPA 580(Courage+Khazaka electronic社製))を用いて測定し、初期TEWL値とした。その後、前腕内側部に粘着テープ剤を貼付し、1分後剥離した。この貼付と剥離の操作を同一部位で20回繰り返した後、TEWLを測定した。TEWL変化率(%)は、次の式1に従って算出した。
(式1)
TEWL変化率(%)=20回貼付・剥離後のTEWL値/初期TEWL値×100
(試験例3)
皮膚のバリア機能回復効果試験
前述の実施例1のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤、後述する実施例2〜4のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤および比較例1〜5の粘着テープ剤を使用し、次に示す方法で皮膚のバリア機能回復効果試験を行った。
石鹸で洗浄した前腕内側部のTEWLを測定し、健常時のTEWL値とした。その後、アセトン/ジエチルエーテル処理(1:1、15分)により、前腕内側部に人工的な肌荒れを形成させ、TEWLを測定し肌荒れ後のTEWL値とした。次に、肌荒れ形成部位に粘着テープ剤を1日1回貼付し、貼付4日後および7日後にTEWLを測定し、粘着テープ剤貼付後のTEWL値とした。バリア機能改善指数は、次の式2に従って算出した。
(式2)
バリア機能改善指数=(T1−T2)/(T1−T0)×100
T0:健常時のTEWL値、T1:肌荒れ後のTEWL値、T2:粘着テープ剤貼付後のTEWL値
皮膚のバリア機能回復効果試験
前述の実施例1のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤、後述する実施例2〜4のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤および比較例1〜5の粘着テープ剤を使用し、次に示す方法で皮膚のバリア機能回復効果試験を行った。
石鹸で洗浄した前腕内側部のTEWLを測定し、健常時のTEWL値とした。その後、アセトン/ジエチルエーテル処理(1:1、15分)により、前腕内側部に人工的な肌荒れを形成させ、TEWLを測定し肌荒れ後のTEWL値とした。次に、肌荒れ形成部位に粘着テープ剤を1日1回貼付し、貼付4日後および7日後にTEWLを測定し、粘着テープ剤貼付後のTEWL値とした。バリア機能改善指数は、次の式2に従って算出した。
(式2)
バリア機能改善指数=(T1−T2)/(T1−T0)×100
T0:健常時のTEWL値、T1:肌荒れ後のTEWL値、T2:粘着テープ剤貼付後のTEWL値
(実施例2)
実施例1において、精製水を42.8質量%から42.4質量%にし、ラフィノース0.1質量%、プロリン0.2質量%およびロイシン0.1質量%を加えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して本発明のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤2を得た。得られたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤2を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、167gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、117%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ75.1および119.6であった。結果を表2および図1に示す。
実施例1において、精製水を42.8質量%から42.4質量%にし、ラフィノース0.1質量%、プロリン0.2質量%およびロイシン0.1質量%を加えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して本発明のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤2を得た。得られたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤2を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、167gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、117%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ75.1および119.6であった。結果を表2および図1に示す。
(実施例3)
実施例1において、リン脂質ポリマーを1.0質量%から0.1質量%にし、精製水を42.8質量%から43.3質量%にした以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して本発明のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤3を得た。得られたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤3を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、161gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、121%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ38.3および70.8であった。結果を表2に示す。
実施例1において、リン脂質ポリマーを1.0質量%から0.1質量%にし、精製水を42.8質量%から43.3質量%にした以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して本発明のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤3を得た。得られたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤3を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、161gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、121%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ38.3および70.8であった。結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1において、リン脂質ポリマー1.0質量%を0.1質量%、精製水を42.8質量%から43.2質量%にし、ラフィノース0.1質量%、プロリン0.2質量%およびロイシン0.1質量%を加えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して本発明のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤4を得た。得られたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤4を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、165gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、123%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ20.8および84.3であった。結果を表2に示す。
実施例1において、リン脂質ポリマー1.0質量%を0.1質量%、精製水を42.8質量%から43.2質量%にし、ラフィノース0.1質量%、プロリン0.2質量%およびロイシン0.1質量%を加えた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して本発明のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤4を得た。得られたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤4を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、165gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、123%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ20.8および84.3であった。結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1においてリン脂質ポリマー1.0質量%を除き、精製水を42.8質量%から43.8質量%にした以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して、粘着テープ剤1を得た。得られた粘着テープ剤1を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、162gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、131%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ13.1および21.4であった。結果を表2に示す。
実施例1においてリン脂質ポリマー1.0質量%を除き、精製水を42.8質量%から43.8質量%にした以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して、粘着テープ剤1を得た。得られた粘着テープ剤1を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、162gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、131%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ13.1および21.4であった。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1においてリン脂質ポリマー1.0質量%を除き、ラフィノース0.1質量%、プロリン0.2質量%およびロイシン0.1質量%を加え、精製水を42.8質量%から43.4質量%にした以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して、粘着テープ剤2を得た。得られた粘着テープ剤2を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、164gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、136%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ−4.1および6.6であった。結果を表2に示す。
実施例1においてリン脂質ポリマー1.0質量%を除き、ラフィノース0.1質量%、プロリン0.2質量%およびロイシン0.1質量%を加え、精製水を42.8質量%から43.4質量%にした以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して、粘着テープ剤2を得た。得られた粘着テープ剤2を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、164gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、136%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ−4.1および6.6であった。結果を表2に示す。
(比較例3)
表3に示す配合に基づき、後述する調製法2の方法により調製し、粘着テープ剤3を得た。得られた粘着テープ剤3を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、157gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、165%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ−50.1および−236.2であった。結果を表2および図1に示す。
表3に示す配合に基づき、後述する調製法2の方法により調製し、粘着テープ剤3を得た。得られた粘着テープ剤3を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、157gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、165%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ−50.1および−236.2であった。結果を表2および図1に示す。
(調製法2)
リン脂質ポリマーとシリコーン系粘着剤、ジメチルポリシロキサンおよびエタノールを混合し、粘着基剤を得た。得られた粘着基剤をフィルムライナー上に乾燥後の厚さが200μmとなるように塗布展延して粘着層を形成した。その後、塗布面に支持体を貼り合わせ、所望の大きさに裁断して粘着テープ剤を得た。
(比較例4)
比較例3において、リン脂質ポリマーを1.0質量%から0.1質量%にし、シリコーン系粘着剤を94.0質量%から94.9質量%にした以外は、比較例3と全く同じ調製法を繰り返して粘着テープ剤4を得た。得られた粘着テープ剤4を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、162gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、159%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ−204.3および−286.5であった。結果を表2に示す。
リン脂質ポリマーとシリコーン系粘着剤、ジメチルポリシロキサンおよびエタノールを混合し、粘着基剤を得た。得られた粘着基剤をフィルムライナー上に乾燥後の厚さが200μmとなるように塗布展延して粘着層を形成した。その後、塗布面に支持体を貼り合わせ、所望の大きさに裁断して粘着テープ剤を得た。
(比較例4)
比較例3において、リン脂質ポリマーを1.0質量%から0.1質量%にし、シリコーン系粘着剤を94.0質量%から94.9質量%にした以外は、比較例3と全く同じ調製法を繰り返して粘着テープ剤4を得た。得られた粘着テープ剤4を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、162gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、159%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ−204.3および−286.5であった。結果を表2に示す。
(比較例5)
比較例3においてリン脂質ポリマー1.0質量%を除き、シリコーン系粘着剤を94.0質量%から95.0質量%にした以外は、比較例3と全く同じ調製法を繰り返して粘着テープ剤5を得た。得られた粘着テープ剤5を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、159gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、180%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ−324.9および−313.3であった。結果を表2に示す。
比較例3においてリン脂質ポリマー1.0質量%を除き、シリコーン系粘着剤を94.0質量%から95.0質量%にした以外は、比較例3と全く同じ調製法を繰り返して粘着テープ剤5を得た。得られた粘着テープ剤5を試験例1に従って粘着力試験を実施した際の粘着力は、159gであった。また、試験例2に従って剥離による物理的刺激試験を実施した際のTEWL変化率は、180%であった。さらに、試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数は、それぞれ−324.9および−313.3であった。結果を表2に示す。
(参考例)
粘着テープ剤を貼付せずに試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数はそれぞれ10.7および53.0であった。結果を表2および図1に示す。
粘着テープ剤を貼付せずに試験例3に従って皮膚のバリア機能回復効果試験を実施した際の経過4日後および7日後のバリア機能改善指数はそれぞれ10.7および53.0であった。結果を表2および図1に示す。
本発明は、適度な粘着力を有し、皮膚への物理的刺激が小さく、かつ皮膚のバリア機能回復効果に優れたリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤に関するものであって、産業上十分に利用できるものである。
Claims (4)
- 両親媒性高分子、多価アルコール、水、有機酸およびアルミニウム塩を必須成分として含有する含水ゲル状の粘着基剤が積層されてなり、前記粘着基剤中にリン脂質ポリマーを含有することを特徴とするリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤。
- 前記リン脂質ポリマーの含量が、粘着基剤中の0.01〜10.0質量%である請求項1に記載のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤。
- 前記粘着基剤中に、天然保湿因子およびラフィノースをそれぞれ0.01〜3.0質量%含有する、請求項1または2に記載のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤。
- 前記天然保湿因子が、プロリンおよびロイシンからなる請求項3に記載のリン脂質ポリマー含有粘着テープ剤。
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