JP6273105B2 - クランプ装置 - Google Patents

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Description

本発明はクランプ装置に関し、特に出力部材が進退方向の所定の動作領域にあるときに、出力部材と流量調整弁機構との協働により加圧流体の流量を絞ることで、出力部材の動作速度を制限可能なクランプ装置に関する。
従来から、種々のクランプ対象物をクランプする流体圧シリンダを備えた種々の形式のクランプ装置が実用に供されている。このクランプ装置は、クランプ本体と、このクランプ本体に進退可能に装備された出力部材と、この出力部材を進出側と退入側の少なくとも一方に駆動する為の流体圧作動室等を有し、加圧油や加圧エア等の加圧流体を利用して出力部材を駆動することでクランプ対象物をクランプする。
ところで、流体圧シリンダに、流体室に供給される又は流体室から排出される加圧流体の流量を調整可能な流量調整弁機構を設けることにより、出力部材の進出速度や退入速度を所望の速度に調節することができる。しかし、この場合、出力部材の進出又は退入の全動作期間に亙って共通の速度に設定することになる。
他方、流体圧シリンダのストロークエンド近傍部における加圧流体の流量を絞ることで、ストロークエンド近傍部における動作速度を減速し、クッション作用を発揮させる種々の技術が採用されている。
例えば、特許文献1の速度制御機構付シリンダにおいては、クランプ本体の両端部に、流体圧作動室に連なるクッション室が夫々形成され、ピストンロッドがストロークエンド近傍に達した場合に、ピストンロッドに装着された環状リング部材によってクッション室と流体圧作動室とが遮断されることで、ピストンロッドの動作速度が制限される構造が開示されている。
特許文献1には、クランプ本体の端壁部に、クッション室を介して流体圧作動室と外部とを連通する第1連通路及び流体圧作動室と外部とを直接連通する第2連通路が形成され、この第2連通路に第1,第2連通路の加圧流量の流量を調節可能な開口調節装置(流量調整弁手段)が配設され、この開口調節装置を介してピストンロッドの動作速度を調整する構造も開示されている。しかし、この開口調節装置は、ピストンロッドと協働して流量調節するものではなく、クッション機能を調節可能にしたものにすぎない。
特許文献2の油圧シリンダにおいては、ピストンロッドのロッド部の外周面にクッションリングが装着され、クランプ本体のロッド端壁部に流体圧作動室より小径のクッション孔が形成され、ピストンロッドが伸長動作する際のストロークエンド付近のとき、クッションリングがクッション孔に挿入されて、流体圧作動室から外部に連なる流体通路が絞られることで、ピストンロッドの動作速度が制限され、ピストンロッド停止時のクッション機能を発揮する構造が開示されている。
特許文献3の旋回式クランプ装置においては、流体圧作動室の上端部に環状の弁室を形成し、ピストンの近傍部位においてピストンロッドの外周面にシャトル部材を遊嵌状に設け、ピストンロッドの上昇旋回動作の上昇終期(ストロークエンド近傍)に、シャトル部材が弁室に挿入され、シャトル部材の内周面とピストンロッドとの間の絞り隙間によって流体圧作動室から排出される加圧流体の流量を制限して動作速度を制限し、ストロークエンドにおける衝撃を緩和する。また、ピストンロッドの下降旋回動作の下降初期には前記弁室の外周面とシャトル部材との間の絞り隙間によって流体圧作動室に供給される加圧流体の流量を制限して動作速度を制限し、旋回機構に作用する負荷を軽減する。
実開昭53−71198号公報 特開2003−49807号公報 国際公開WO2007/145142号公報
上記の特許文献1〜3の構造では、ピストンロッド等の出力部材がストロークエンド近傍部に達した場合に限り、クッション機能を得る為に出力部材の動作速度が制限され、ストロークエンドにおける衝撃等を軽減している。しかし、特許文献1〜3の構造では、出力部材のストロークエンド近傍部に至る途中の所望の動作領域におけるピストンロッドの動作速度を制限することができない。
特に、特許文献3の旋回式クランプ装置においては、クランプ解除時に、クランプロッドが平行移動(直動)してから旋回動作する旋回領域のストロークエンド近傍部でのみピストンロッドの動作速度が制限される構造であるので、旋回動作の全領域のうちのストロークエンド近傍に至るまでの領域では、クランプロッドの動作速度が制限されず、平行移動の時の昇降速度と同じ昇降速度で動作する。
しかし、旋回中には旋回機構にクランプアームの慣性モーメントに比例する力が作用するため、旋回時の昇降速度を大きくすると、旋回機構の耐久性が低下する。そこで、旋回時の昇降速度を低く設定すると、平行移動(直動)時の速度も低くなるため、クランプ、アンクランプ動作の所要時間が長くなる。
特に、小さな厚さのクランプ対象物だけでなく、大きな厚さのクランプ対象物もクランプ可能にした大ストロークの旋回式クランプ装置では、クランプ、アンクランプ動作の所要時間を如何に短縮するかが重要である。
本発明の目的は、クランプ本体の壁部内に形成した流量調整機構と出力部材の協働により所定の動作領域で出力部材の動作速度を制限可能なクランプ装置を提供すること、前記流量調整機構と出力部材の協働により出力部材の旋回動作時の昇降速度を平行移動(直動)時の昇降速度よりも小さくすることのできる旋回式クランプ装置を提供すること等である。
請求項1のクランプ装置は、クランプ本体と、このクランプ本体に進退可能に装備された出力部材と、この出力部材を進出側と退入側の少なくとも一方に駆動する為の流体圧作動室とを有するクランプ装置において、進出用又は退入用の加圧流体を流す為の流体通路であって前記クランプ本体の壁部内に形成された流体通路と、前記流体通路を流れる加圧流体の流量を調整可能に、前記クランプ本体の壁部内に形成された流量調整弁機構であって、前記クランプ本体の壁部に形成された装着孔と、前記装着孔に軸心方向へ可動に装着された弁体と、前記装着孔に前記弁体に対向するように設けられた流量調整用弁面と、前記出力部材のカム部に当接する鋼球を介して前記出力部材と前記弁体とを協働させる協働機構とを有する流量調整弁機構とを備え、前記出力部材が進退方向の所定の動作領域にあるときに、前記出力部材と前記流量調整弁機構との協働により前記加圧流体の流量を絞ることで、前記出力部材の動作速度を制限するように構成したことを特徴としている。
請求項2のクランプ装置は、請求項1の発明において、前記出力部材が前記所定の動作領域にあるとき前記出力部材をその軸心回りに所定角度旋回させる旋回機構を有し、前記旋回機構により前記出力部材を旋回駆動中の全期間に亙って前記出力部材の旋回動作速度を制限することを特徴としている。
請求項3のクランプ装置は、請求項の発明において、前記協働機構は、前記出力部材に形成したカム部と、このカム部に当接する鋼球と、前記弁体に形成され且つ前記鋼球が部分的に係合した環状係合凹部と、前記流量調整用弁面に対して前記弁体を離隔方向へ弾性付勢する圧縮スプリングとを備え、前記出力部材が所定の動作領域にあるときに、前記出力部材のカム部で前記鋼球を前記環状係合凹部側へ押動することにより前記弁体が前記流量調整用弁面に接近する方向に押動されて前記加圧流体の流量が絞られることを特徴としている。
請求項のクランプ装置は、請求項の発明において、前記流体通路の一部が前記弁体の軸心近傍部に貫通状に形成され、前記流量調整用弁面は、前記装着孔に前記弁体と直列状に装着された弁面形成部材に形成されたことを特徴としている。
請求項のクランプ装置は、請求項の発明において、前記弁面形成部材の前記装着孔に対する位置を調整する位置調整部材であって前記弁体と前記流量調整用弁面との間の絞り隙間を調整可能な位置調整部材が設けられたことを特徴としている。
請求項のクランプ装置は、請求項1の発明において、前記流量調整弁機構は、前記クランプ本体のヘッド側端壁部材のうちの外周側壁部の壁部内に設けられたことを特徴としている。
請求項のクランプ装置は、請求項1の発明において、前記流量調整弁機構は、前記クランプ本体のヘッド側端壁部材のうちの中心側端壁部の壁部内に設けられたことを特徴としている。
請求項のクランプ装置は、請求項2の発明において、前記所定の動作領域は、前記出力部材の進出動作時と退入動作時の少なくとも一方における旋回動作する領域であることを特徴としている。
請求項のクランプ装置は、請求項2の発明において、前記所定の動作領域は、前記出力部材の進出動作時と退入動作時の両方における旋回動作する領域であることを特徴としている。
請求項10のクランプ装置は、請求項1の発明において、前記所定の動作領域は、進出側限界位置の近くの動作領域又は退入側限界位置の近くの動作領域であることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、出力部材が進退方向の所定の動作領域にあるときに、出力部材と流量調整弁機構との協働により加圧流体の流量を絞ることで、出力部材の動作速度を制限するように構成したので、出力部材の動作に関連付けて所定の動作領域を自由に設定することができる。流量調整弁機構をクランプ本体の壁部内に形成するため、クランプ本体の壁部内のデッドスペースに流量調整弁機構を配置することができるから、クランプ本体が大型化することがなく、製作費も節減できる。
また、流量調整弁機構は、クランプ本体の壁部に形成した装着孔と、装着孔に装着された弁体と、装着孔に弁体と対向状に設けた流量調整用弁面と、出力部材のカム部に当接する鋼球を介して出力部材と弁体とを協働させる協働機構とを有するので、出力部材と流量調整弁機構を確実に協働させることができる。
請求項2の発明によれば、旋回機構により出力部材を旋回駆動中の全期間に亙って出力部材の旋回動作速度を制限するので、旋回駆動中に旋回機構に過大な負荷がかかるのを防止でき、旋回機構の耐久性を確保しつつ、クランプ、アンクランプ動作の所要時間を短縮できる。
請求項の発明によれば、協働機構は、前記出力部材に形成したカム部と、このカム部に当接した鋼球と、鋼球が部分的に係合するように弁体に形成した環状係合凹部と、流量調整用弁面に対して弁体を離隔方向へ弾性付勢する圧縮スプリングとを備え、出力部材が所定の動作領域にあるとき、出力部材のカム部で鋼球を環状係合凹部側へ押動することにより弁体が流量調整用弁面に接近する方向に押動されて加圧流体の流量が絞られるので、簡単な機構により、出力部材の動作に連動させて弁体の位置を微調節することができる。
請求項の発明によれば、流体通路の一部が弁体の軸心近傍部に貫通状に形成され、流量調整用弁面は、装着孔に弁体と直列状に装着された弁面形成部材に形成されたので、流量調整弁機構をコンパクトに構成することができる。
請求項の発明によれば、弁面形成部材の装着孔に対する位置を調整する位置調整部材を設け、この位置調整部材により弁体と流量調整用弁面との間の絞り隙間を調整可能に構成したので、流量調整弁機構の汎用性を高めることができる。
請求項の発明によれば、流量調整弁機構は、クランプ本体のヘッド側端壁部材のうちの外周側壁部内に設けられたので、クランプ本体の壁部内に流量調整弁機構を組み込むことで、クランプ本体が大型化することがない。
請求項の発明によれば、流量調整弁機構は、クランプ本体のヘッド側端壁部材のうちの中心側壁部内に設けられたので、クランプ本体の壁部内に流量調整弁機構を組み込むことで、クランプ本体が大型化することがない。
請求項の発明によれば、所定の動作領域は、出力部材の進出動作時と退入動作時の少なくとも一方における旋回動作する領域であるので、この動作領域では、出力部材の動作速度を確実に制限することができる。
請求項の発明によれば、所定の動作領域は、出力部材の進出動作時と退入動作時の両方における旋回動作する領域であるので、これらの動作領域では、出力部材の動作速度を確実に制限することができる。
請求項10の発明によれば、所定の動作領域は、進出側限界位置の近くの動作領域又は退入側限界位置の近くの動作領域であるので、この動作領域では、出力部材の動作速度を確実に制限することができる。
本発明の実施例1のクランプ装置の平面図である。 図1のクランプ装置(アンクランプ状態)の断面図である。 図2のIII-III 線断面図である。 クランプロッドの要部正面図である。 図2のA部の拡大図である。 図1のクランプ装置(旋回完了状態)の断面図である。 図6のB部の拡大図である。 図1のクランプ装置の油圧回路図である。 実施例2のクランプ装置(クランプ直前状態)の断面図である。 図9のクランプ装置の油圧回路図である。 実施例3のクランプ装置(クランプ直前状態)の断面図である。 図11のクランプ装置(旋回完了状態)の断面図である。 図11のクランプ装置の油圧回路図である。 実施例4のクランプ装置(アンクランプ状態)の断面図である。 図14のC部の拡大図である。 図14のクランプ装置(旋回完了状態)の断面図である。 図14のD部の拡大図である。 図14のクランプ装置の油圧回路図である。 実施例5のクランプ装置(アンクランプ状態)の断面図である。 図19のXX−XX線断面図である。 図19のピストン部材の要部正面図である。 図19のE部の拡大図である。 図19のクランプ装置(旋回完了状態)の断面図である。 図23のF部の拡大図である。 図19のクランプ装置の油圧回路図である。 実施例6のクランプ装置(アンクランプ作動状態)の断面図である。 図26のクランプ装置(旋回完了状態)の断面図である。 図26のクランプ装置の油圧回路図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
この実施例は、油圧シリンダ(流体圧シリンダ)により出力部材(ピストン部と出力ロッドとを含むピストン部材)を駆動するように構成した旋回式クランプ装置に本発明を適用した場合の例である。
この旋回式クランプ装置1について、図1〜図8に基づいて説明する。
この旋回式クランプ装置1は、油圧シリンダ2と、この油圧シリンダ2の出力ロッド6の上端部に固定したクランプアーム3と、出力ロッド6をその軸心回りに設定角度(本実施例では90度)旋回させる旋回機構8とを備えている。クランプアーム3の基端部が出力ロッド6のテーパ軸部6aに外嵌されて出力ロッド6の上端部に螺合させたナット3aにより固定されている。
このクランプ装置1は、出力ロッド6を下限位置から進出させていくと図2に示すアンクランプ状態になり、クランプアーム3(Y)は図1に示す位置になる。出力ロッド6がアンクランプ状態から所定ストローク以上退入してクランプ状態になる。このときのクランプアーム3(X)は図1に示す位置になる。出力ロッド6が下限位置からアンクランプ状態まで上昇する最終段階において、出力ロッド6は平面視にて時計回り方向へ90°旋回する。また、出力ロッド6がアンクランプ状態から下降する際の下降初期において、出力ロッド6は平面視にて反時計回り方向へ90°旋回する。
最初に、油圧シリンダ2について説明する。
図1,図2に示すように、この油圧シリンダ2は、クランプ本体10と、このクランプ本体10内に形成されたロッド孔11a及びシリンダ孔11と、このクランプ本体10に進退可能に装備されたピストン部材4(ピストン部5と出力ロッド6とを含む)と、ピストン部材4を旋回させる旋回機構8と、ピストン部材4を進出側に駆動する為のアンクランプ用油圧作動室12aと、ピストン部材4を退入側に駆動する為のクランプ用油圧作動室12bと、ピストン部材4のピストン部5から下方へ延びる補助ロッド7及びロッド挿入穴13と、第1,第2流量調整弁15,16と、第1,第2油圧通路21,22と、流量調整弁機構30等を備えている(図8参照)。
クランプ本体10は、主クランプ本体10Aと、ヘッド側端壁部材10Bとを有する。主クランプ本体10Aは、平面視矩形の矩形クランプ本体部10aと、この矩形クランプ本体部10aの下端から下方へ延びる筒形の筒形クランプ本体部10bとを有する。矩形クランプ本体部10aの下端にベース部材14の上面に据え付ける為の据え付け面10cが形成されている。
矩形クランプ本体部10aには、出力ロッド6が貫通するロッド孔11aが形成され、主クランプ本体10Aの内部には、ロッド孔11aよりも大径で同心状のシリンダ孔11が形成され、このシリンダ孔11の下端はヘッド側端壁部材10Bで閉塞されている。ロッド孔11aの内周部にはシール部材17とダストシール18が装着されている。
筒形クランプ本体部10bはベース部材14に形成された装着穴14aに上方から装着されている。クランプ本体10は4つのボルト孔19に挿入される4本のボルトでベース部材14に固定されている。
ヘッド側端壁部材10Bは、シリンダ孔11の下側に連なる嵌合孔11bに嵌合されてシール部材11sでシールされている。ヘッド側端壁部材10Bの下端部と、筒形クランプ本体部10bの下端部との間に環状隙間が形成され、この環状隙間にリング部材20が装着されて筒形クランプ本体部10bの雌ネジ穴11cに螺合され、このリング部材20によりヘッド側端壁部材10Bが主クランプ本体10Aに固定されている。ヘッド側端壁部材10Bには、油圧作動室12aに連通するロッド挿入穴13であって補助ロッド7が挿入されるロッド挿入穴13が形成されている。
次に、ピストン部材4について説明する。
図2、図4に示すように、ピストン部材4は、シリンダ孔11内に上下方向に摺動自在に装着されたピストン部5と、このピストン部5から上方へクランプ本体10外まで延びる出力ロッド6と、クランプ本体10の内部においてピストン部5から下方へ出力ロッド6と反対側へ延びる補助ロッド7とを有する。ピストン部5の外周部にはシール部材5aが装着されている。出力ロッド6の上端にはレンチ挿入用の六角穴6bが形成されている。
シリンダ孔11はピストン部5で上下に仕切られ、ピストン部5の下側にアンクランプ用油圧作動室12aが形成され、ピストン部5の上側にクランプ用油圧作動室12bが形成されている。油圧作動室12bに供給された加圧油により、ピストン部材4がクランプ方向(下方)へ駆動される。油圧作動室12aに供給された加圧油により、ピストン部材4がアンクランプ方向(上方)へ駆動される。
次に、旋回機構8について図2〜図4に基づいて説明する。
旋回機構8は、ピストン部材4が所定の動作領域にあるとき、ピストン部材4の進退動作に連動してピストン部材4をその軸心回りに設定角度旋回させるものであり、クランプ本体10と補助ロッド7とに組み込まれている。旋回機構8は、3つの鋼球8aと、これら3つの鋼球8aが係合した3つの半球凹部8bと、3つの鋼球8aが係合する3つのガイド溝8cとを備えている。
ヘッド側端壁部材10Bのロッド挿入穴13の外周壁部に形成した3つの半球状の半球凹部8bの各々に鋼球8aの半分が係合している。補助ロッド7の外周部には、3つの鋼球8aを係合させる3つのガイド溝8cが周方向3等分位置に形成されており、各ガイド溝8cに鋼球8aの半分が係合している。各ガイド溝8cは、鉛直向きの長い直線溝8dと、螺旋溝8eと、短い直線溝8fと備えている。
従って、ピストン部材4がアンクランプ位置(上限位置)から下降する下降初期には、上記の旋回機構8によりピストン部材4がその軸心真回りに平面視にて反時計回り方向へ約90度旋回し、その後平行移動(直動)して下降する。ピストン部材4がクランプ位置からアンクランプ位置へ上昇する際には、上記とは反対にピストン部材4は最初旋回することなく平行移動(直動)にて上昇し、上昇の最終段階において時計回り方向へ約90度旋回する(図1参照)。
次に、油圧シリンダ2に加圧油を流す為の油圧通路(流体通路)について説明する。
図1,図2,図6、図8に示すように、クランプ装置1は、アンクランプ用油圧作動室12aに加圧油を供給する為の第1油圧通路21と、クランプ用油圧作動室12bに加圧油を供給する為の第2油圧通路22とを備えている。
第1油圧通路21は、矩形クランプ本体部10aに形成され且つベース部材14に形成された通路21aに接続された通路21bと、主クランプ本体10Aに形成された通路21c及び環状通路21dと、ヘッド側端壁部材10Bに形成された環状通路21eと、流量調整弁機構30において流量調整する可変通路31及び弁体34内の弁体内通路32とを備えている。通路21bと通路21cは第1流量調整弁15を介して接続され、通路21cと環状通路21d,21eと可変通路31と弁体内通路32は連通している。
上記の弁体内通路32は油圧作動室12aに連通している。尚、通路21aは油圧供給源45に接続される。
また、第1油圧通路21は、環状通路21eから分岐した分岐通路21fであって、ヘッド側端壁部材10B内に形成され油圧作動室12aに連なる分岐通路21fを備えている。分岐通路21fには、油圧作動室12aからの加圧油の排出のみを許可するチェック弁23が設けられている。このチェック弁23は、通路21fの周壁部に形成された環状弁座23aと、この環状弁座23aに当接する鋼球23bと、この鋼球23bを環状弁座23aに付勢する圧縮スプリング23cとで構成されている。
次に、第2油圧通路22について図1、図8に基づいて説明する。
第2油圧通路22は、矩形クランプ本体部10aに形成され且つベース部材14に形成された通路(図示略)に接続された通路22b(通路21bと同様の通路である)と、矩形クランプ本体部10aに形成されてクランプ用の油圧作動室12bに接続された通路22cとを有し、通路22bと通路22cは第2流量調整弁16を介して接続されている。
次に、第1,第2流量調整弁15,16について説明する。
図1に示すように、矩形クランプ本体部10aには、第1油圧通路21を流れる加圧油の流量を調整する第1流量調整弁15と、第2油圧通路22を流れる加圧油の流量を調整する第2流量調整弁16が設けられている。尚、第1,第2流量調整弁15, 16は同じ構造であるので、第1流量調整弁15について説明し、第2流量調整弁16についての説明は省略する。
図2に示すように、第1流量調整弁15は、矩形クランプ本体部10aに形成された取付穴に螺合にて固定された弁ケース24と、この弁ケース24の装着孔に装着された弁体25であって弁ケース24に螺合されたネジ軸部を有する弁体25と、弁体25内に装着されたチェック弁26であって油圧作動室12aからの加圧油を排出する方向の流れのみ許容するチェック弁26とを有する。第1流量調整弁15においては環状可変通路15aにより流量が調整される。
環状可変通路15aの大きさを調整する際には、ロックナット27を緩めてから、六角穴28に挿入したレンチにより弁体25の位置を図2において左方に調整すると流量が少なくなり、弁体25の位置を右方に調整すると流量が多くなる。チェック弁26は、図2に示すように先端通路と、鋼球と、圧縮スプリングと、弁体25に形成した横断通路とを有し、先端通路から横断通路への流れは許可され、その逆の流れは禁止されている。
次に、流量調整弁機構30について図2〜図7に基づいて説明する。
流量調整弁機構30は、ヘッド側端壁部材10Bのうちの外周側壁部の壁部内に設けられている。ピストン部材4(これが出力部材に相当する)が進退方向の所定の動作領域にあるときに、ピストン部材4と流量調整弁機構30との協働により加圧油の流量を絞ることで、ピストン部材4の動作速度を制限するように構成されている。
本実施例では、前記進退方向の「所定の動作領域」は、ピストン部材4が上昇しながら旋回する旋回動作領域である。旋回機構8によりピストン部材4を上昇旋回駆動中の全期間に亙って、流量調整弁機構30によって第1油圧通路21を流れる加圧油の流量が少量に調整され、ピストン部材4(つまり、出力ロッド6)の上昇速度及び旋回動作速度を低い速度に制限する。
流量調整弁機構30は、第1油圧通路21の一部を構成する可変通路31と弁体内通路32を備えている。流量調整弁機構30は、ヘッド側端壁部材10Bの外周側壁部の壁部内に縦向きに形成された装着孔33と、この装着孔33の上部に軸心方向へ可動に装着された弁体34と、装着孔33の下部に弁体34と直列状に装着された弁面形成部材35と、この弁面形成部材35の上端に弁体34に対向するように設けられた流量調整用弁面35cと、弁面形成部材35に対して弁体34を上方へ付勢する圧縮スプリング36と、弁面形成部材35の上下方向位置を調整する位置調整部材37と、補助ロッド7のカム部39に当接する鋼球38を介してピストン部材4と弁体34とを協働させる協働機構40とを有する。
装着孔33は、大径孔33aと、この大径孔33aの下端に連なる小径孔33bとを有する。弁面形成部材35は大径部35aと小径部35bとを備えている。装着孔33の大径孔33aに、弁体34と、弁面形成部材35の大径部35aが上下方向へ移動可能に装着され、装着孔33の小径孔33bに小径部35bが挿入されている。弁体34の下部の外周部と弁面形成部材35の外周部にはシール部材41,42が装着されている。
小径孔33bの底部から同軸状に下方へ延びるネジ孔43が形成され、ネジ孔43には位置調整部材37が螺合にて装着され、位置調整部材37の上端が弁面形成部材35の下端面に当接している。位置調整部材37の下端部分にはレンチを係合させる為の六角穴37aが形成されている。
弁体34の中段部の外周部には環状係合凹部34aが形成されている。弁体34の軸心近傍部には、弁体内通路32が貫通状に形成されている。弁体34の下端部には下方程小径化する環状テーパ面34bが形成されている。環状係合凹部34aは、その中段の小径円筒面aと、上方程大径化する上部部分円錐面bと、下方程大径化する下部部分円錐面cとを有する。
弁面形成部材35の大径部35aに形成された収容穴35dには圧縮スプリング36が装着され、この圧縮スプリング36により弁体34は上方の油圧作動室12aの方へ付勢されている。弁面形成部材35の上端部には、弁体34の下端の環状テーパ面34bに対向する環状の流量調整用弁面35cが形成されている。この流量調整用弁面35cと環状テーパ面34bとの間の隙間に流量調整用の可変通路31が形成されている。可変通路31を介して環状通路21eと弁体内通路32が接続されている。尚、図5に示す可変通路31は、弁面35cと環状テーパ面34b間の隙間を絞った状態を示す。
ヘッド側端壁部材10Bの外周壁部のうちの装着孔33の上端寄り部位におけるロッド挿入穴13と装着孔33の間の外周壁部には、鋼球38を保持する保持穴38aが形成されている。この保持穴38aは水平な円筒穴である。保持穴38aに鋼球38が水平方向へ可動に装着され、鋼球38は環状係合凹部34aに部分的に係合している。また、弁体34は圧縮スプリング36で上方へ付勢されている関係上、常に弁体34の下部部分円錐面cが鋼球38に当接している。
次に、協働機構40について図2〜図7に基づいて説明する。
協働機構40は、ピストン部材4の補助ロッド7に形成したカム部39に当接する上記の鋼球38を介してピストン部材4と弁体34とを協働させるものである。協働機構40は、補助ロッド7に形成したカム部39と、鋼球38と、環状係合凹部34aと、圧縮スプリング36とを備えている。
図4に示すように、カム部39は、補助ロッド7の外周部に形成された直線溝39aであって旋回機構8の隣接する直線溝8dの間に形成された直線溝39aと、この直線溝39aに連なるように補助ロッド7の外周面に形成された螺旋カム部39bであって旋回機構8の隣接する螺旋溝8eの間に形成された螺旋カム部39bとを備えている。直線溝39aは、鋼球38の直径の約1/5〜1/4の深さの溝である。螺旋カム部39bは約1mm程度の深さの螺旋溝であるが、この螺旋カム部39bは必ずしも溝に形成する必要はなく補助ロッド7の外周面に形成してもよい。
このクランプ装置1の油圧回路は図8のようになり、油圧供給源45から電磁方向切換弁46を介して油圧シリンダ2の油圧作動室12aに加圧油を供給する際に、ピストン部材4が所定の動作領域にあるとき、メータイン方式にてピストン部材4の速度を制限するように構成されている。
次に、クランプ装置1の作用及び効果について説明する。
第1油圧通路21から油圧作動室12aに加圧油を供給し、ピストン部材4を上昇させる際には、第1流量調整弁15の環状可変通路15aにより流量調整が行われ、さらに、流量調整弁機構30の可変通路31によって流量調整が可能である。
油圧供給源45から第1油圧通路21を介して油圧作動室12aに加圧油を供給し、油圧作動室12bから第2油圧通路22を介して加圧油を排出するとき、ピストン部材4が上昇行程の最終段階において旋回する動作領域では、鋼球38が螺旋カム部39bに当接するため、鋼球38は弁体34側へ移動して弁体34を下方へ移動させるため、図2、図5に示すように、可変通路31が小さく絞られ、第1油圧通路21を流れる加圧油の流量が少量に制限される。そのため、ピストン部材4の上昇速度が小さく制限される。
仮に、旋回時に直動時と同じ上昇速度でピストン部材4を上昇させる場合には、クランプアーム3の慣性により、旋回機構8の螺旋溝8eの壁面に作用する面圧も高くなるが、上記のようにピストン部材4の上昇速度を低く制限することで、上記の面圧を下げて摩耗しにくくし、耐久性を高めることができ、作業者に対する安全性の面でも好ましい。
ピストン部材4が下限位置から直動して上昇していく際には、図6、図7に示すように、鋼球38が直線溝39aに係合し、鋼球38が弁体34から離れる方向へ僅かに移動するため、弁体34が上方へ移動し、可変通路31が拡大する。そのため、ピストン部材4の上昇速度が制限されず、速い速度で上昇する。それ故、ピストン部材4がアンクランプ位置に移動するのに要する時間を短縮できる。
油圧供給源45から第2油圧通路22を介して油圧作動室12bに加圧油を供給し、油圧作動室12aから第1油圧通路21を介して加圧油を排出し、ピストン部材4を下降させる際には、油圧作動室12aから排出される大部分の加圧油はチェック弁23を通って環状通路21e,21d及び通路21cへ流れ、一部の加圧油は弁体内通路32と可変通路31を通って環状通路21e,21d及び通路21cへ流れる。その後、通路21cから通路21bへ流れる際に、大部分の加圧油はチェック弁26を通って流れ、一部の加圧油は環状可変通路15aを通って流れる。この場合、ピストン部材4は、下降動作の全領域に亙って第2流量調整弁16で設定された流量に依存する速度で下降する。
ピストン部材4と流量調整弁機構30との協働により加圧油の流量を絞ることで、ピストン部材4の動作速度を制限するように構成したので、ピストン部材4の動作に関連付けて所定の動作領域を自由に設定することができるため、汎用性に優れる。
流量調整弁機構30をクランプ本体10の壁部内に形成するため、クランプ本体10の壁部内のデッドスペースに流量調整弁機構30を配置することができるから、クランプ本体10が大型化することがなく、製作費も節減できる。
ピストン部材4を上昇させるとき、旋回駆動中の全期間に亙ってピストン部材4の上昇速度及び旋回動作速度を制限するので、旋回駆動中に旋回機構8に過大な負荷がかかるのを防止でき、旋回機構8の耐久性を確保しつつ、アンクランプ動作の所要時間を短縮できる。
流量調整弁機構30は、装着孔33と、弁体34と、流量調整用弁面35cと、ピストン部材4と弁体34とを協働させる協働機構40を有するので、ピストン部材4と流量調整弁機構30を確実に協働させることができる。
協働機構40は、カム部39と、鋼球38と、弁体34に形成した環状係合凹部34aと、流量調整用弁面35cに対して弁体34を離隔方向へ弾性付勢する圧縮スプリング36とを備え、ピストン部材4が所定の動作領域にあるとき、ピストン部材4のカム部39で鋼球38を環状係合凹部34a側へ押動することにより弁体34が流量調整用弁面35cに接近する方向に押動されて加圧油の流量が絞られるので、簡単な機構により、ピストン部材4の動作に連動させて弁体34の位置を微調節することができる。
第1油圧通路21の一部である弁体内通路32が弁体34の軸心近傍部に貫通状に形成され、流量調整用弁面35cは、装着孔33に弁体34と直列状に装着された弁面形成部材35に形成されたので、流量調整弁機構30をコンパクトに構成することができる。
弁面形成部材35の装着孔33に対する位置を調整する位置調整部材37を設け、この位置調整部材37により弁体34と流量調整用弁面35cとの間の絞り隙間(可変通路31)を調整可能に構成したので、流量調整弁機構30の汎用性を高めることができる。
上記の位置調整部材37の位置を上方へ調整すると、可変通路31が縮小する。その反対に下方へ調整すると、圧縮スプリング36の付勢力で弁面形成部材35が下方へ移動するため可変通路31が拡大する。
流量調整弁機構30は、クランプ本体3のヘッド側端壁部材10Bのうちの外周側壁部の壁部内(クランプ本体10の壁部内)に設けられたので、クランプ本体10が大型化することがない。
実施例2の旋回式クランプ装置1Aと、その油圧シリンダ2Aについて図9、図10に基づいて説明する。このクランプ装置1Aは、前記クランプ装置1の第1油圧通路21Aにおける分岐通路21fとチェック弁23を省略し、カム部39に変更を加えたものである。尚、クランプ装置1と同様の構成要素に同様の符号を付して説明を省略する。
カム部39Aにおいて、前記直線溝39aの長さが短縮され、実施例1の直線溝39aの上部に対応する所定長さ部分が、螺旋カム部39b(図4参照)と同様に浅い直線浅溝39cに形成されている。但し、直線浅溝39cは必ずしも溝に形成する必要はなく、補助ロッド7の外周面で構成してもよい。
実施例1の分岐通路21fとチェック弁23を省略したため、ピストン部材4の下降時の下降速度は、第2流量調整弁16における環状可変通路16a(図10参照)の流量に依存すると共に、油圧作動室12aから排出される流量にも依存する。前者の流量よりも後者の流量の方が少ない場合には、ピストン部材4の下降速度は流量調整弁機構30の可変通路31を流れる流量で決まる。
その結果、ピストン部材4を下降させる下降駆動の後期(鋼球38が直線浅溝39cに当接するとき)に、油圧作動室12aから排出する加圧油の流量を可変通路31で絞ることで、クランプ対象物をクランプする際のピストン部材4の速度を低速にしてクランプ対象物に対する衝撃を緩和することができる。但し、ピストン部材4を下限位置から上昇させる上昇初期にも、ピストン部材4の上昇速度は低速になるので、作業者に対する安全性が高くなる。このように、加圧油の流量を絞る「所定の動作領域」は、ピストン部材4の退入側限界位置の近くの動作領域を含む。
また、カム部39Aの螺旋カム部39bは実施例1と同様であるので、ピストン部材4を上昇駆動する際の旋回動作領域において、流量調整弁機構30の可変通路31により流量が少量に調整される点は、実施例1と同様である。この場合の旋回動作領域は、ピストン部材4の進出限界位置の近くの動作領域である。
また、ピストン部材4を下降する際の旋回動作領域において、流量調整弁機構30の可変通路31により流量が小さく制限され、下降速度と旋回速度が小さく制限される。このように、加圧油の流量を絞る「所定の動作領域」は、ピストン部材4の進出動作(上昇)時と退入動作(下降)時の両方における旋回動作する領域を含む。この領域において、ピストン部材4の動作速度を確実に制限することができる。その他、実施例1と同様の作用、効果を奏する。
実施例3の旋回式クランプ装置1Bと、その油圧シリンダ2Bについて図11〜図13に基づいて説明する。このクランプ装置1Bは、メータアウト方式にてピストン部材4の速度を制限するようにしたものであり、第1,第2流量調整弁15B,16Bのチェック弁26B,16bと、カム部39Bと、分岐通路21fのチェック弁23Bが実施例1のものと相違しているため、これらの異なる構成について説明し、実施例1と同様の構成要素については同様の符号を付して説明を省略する。
カム部39Bにおいて、前記直線溝39aの長さが短縮され、実施例1の直線溝39aの上部に対応する所定長さ部分が、螺旋カム部39bと同様に浅い直線浅溝39dに形成されている。尚、この直線浅溝39dは実施例2の直線浅溝39cと同様のものである。また、螺旋カム部39bは実施例1と同様である。第1流量調整弁15Bのチェック弁26Bは、通路21cから通路21bへの流れを禁止し、通路21bから通路21cへの流れを許可する。このチェック弁26Bは、図11に示すように先端通路と鋼球と圧縮スプリングと横断通路とを備えている。尚、第2流量調整弁16Bは第1流量調整弁15Bと同じ構造であるので説明を省略する。
分岐通路21fのチェック弁23Bは、環状弁座23dと、鋼球23bと、圧縮スプリング23eとを備えており、分岐通路21fから環状通路21eへの流れを禁止し、環状通路21eから分岐通路21fへの流れを許可するように構成されている。
メータアウト方式であるため、図13の油圧回路図からも分かるように、ピストン部材4が上昇する時の速度は、第2流量調整弁16Bを流れる流量で決まり、ピストン部材4が下降する時の速度は、第1流量調整弁15Bを流れる流量と、流量調整弁機構30の可変通路31を流れる流量のうちの少ない方の流量で決まる。
ピストン部材4が上限のアンクランプ位置から下降する下降初期に旋回動作する際には、螺旋カム部39bにより流量調整弁機構30の可変通路31が狭く絞られるため、低速で旋回しながら下降し、その後ピストン部材4が平行移動(直動)にて下降する際、鋼球38が直線溝39aに係合している間は、流量調整弁機構30の可変通路31が拡大するためピストン部材4は高速で下降し、下降の後期に下降限界位置の近くに達した時点から鋼球38が直線浅溝39dに係合するため、流量調整弁機構30の可変通路31が狭く絞られるため低速で下降し、クランプ状態になる。そのため、クランプ対象物をクランプするときの衝撃が緩和される。
このように、加圧油の流量を絞る「所定の動作領域」は、ピストン部材4が下降しながら旋回する動作領域と、ピストン部材4の退入側限界位置の近くの動作領域を含む。
そのため、ピストン部材4の下降時における旋回機構8の負荷を軽減することができ、また、クランプ対象物をクランプする際の衝撃を緩和しつつ、クランプ動作の所要時間を短縮できる。その他、実施例1と同様の作用、効果を奏する。
実施例4の旋回式クランプ装置1Cと、その油圧シリンダ2Cについて図14〜図18に基づいて説明する。このクランプ装置1Cは、メータイン方式にてピストン部材4の速度を制限するようにしたものであり、流量調整弁機構30Cの構造が変更されただけであるので、変更された構成について説明し、実施例1と同様の構成要素には同様の符号を付して説明を省略する。
流量調整弁機構30Cは、カム部39Cと鋼球38と環状係合凹部34aと圧縮スプリング36Cを有する協働機構40と、装着孔33Cと、この装着孔33Cに昇降可能に装着された弁体34Cと、弁体34Cを下方へ付勢する圧縮スプリング36Cと、位置調整部材37とを備えている。装着孔33Cの上端側においてヘッド側端壁部材10Bには内鍔48が形成され、この内鍔48の下面には、テーパ状の環状弁面48a(流量調整用弁面)が形成されている。協働機構40については実施例1と同様である。但し、カム部39Cは、実施例3のカム部39Bと同様であり、直線浅溝39eは直線浅溝39dと同様のものである。
弁体34Cは、大径部34cと、この大径部34cの上端から延びる上小径部34dと、大径部34cの下端から下方へ延びる下小径部34eとを有し、大径部34cの外周部にはシール部材41が装着されている。上小径部34dの上端には環状弁面48aに接近して対向する環状弁部34vが形成されている。この環状弁部34vには、半径方向向きの例えば4本の細溝34gが形成されている。
上小径部34dの外側には弁体内通路32Cが形成され、この弁体内通路32Cは可変通路31Cと上端通路32tを介して油圧作動室12aに連通され、弁体内通路32Cは環状通路21e,21dに接続されている。上小径部34dに外装された圧縮スプリング36Cによって弁体34Cは下方へ付勢されている。そのため、環状係合凹部34aの上部部分円錐面bが常に鋼球38に当接している。
この流量調整弁機構30Cにおいては、ピストン部材4が下限位置から上昇する上昇初期には鋼球38が直線浅溝39eに当接するため、環状弁面48aと環状弁部34v間の隙間が小さく調整されて可変通路31Cが絞られ、ピストン部材4の上昇速度は低速になる。また、図14、図15に示すように、ピストン部材4の上昇時に、鋼球38が螺旋カム部39bに当接している場合には、鋼球38が弁体34Cへ接近する方向へ移動するため、弁体34Cが上方へ押動されて、環状弁面48aと環状弁部34v間の隙間が小さく調整されて可変通路31Cが絞られる。図16、図17に示すように、鋼球38が直線溝39aに係合している場合には、弁体34Cが僅か下降し、可変通路31Cが拡大する。尚、図18に示す油圧回路は、実施例1の油圧回路と同様であるので、作用についての説明は省略する。その他、実施例1と同様の作用、効果を奏する。
実施例5の旋回式クランプ装置1Dと、その油圧シリンダ2Dについて図19〜図25に基づいて説明する。このクランプ装置1Dは、メータイン方式にてピストン部材4の上昇時の速度を制限するようにしたものである。実施例1と同様のものに同様の符号を付して説明を省略する。
クランプ本体10Dは、主クランプ本体10Mとヘッド側端壁部材10Hとを備えており、クランプ本体10Dの内部には、シリンダ孔11Dと、大径ロッド孔11dと、小径ロッド孔11eとが形成されている。ピストン部材4Dは、ピストン部5Dと、大径ロッド部6bと小径ロッド部6cとからなる出力ロッド6Dとを備えている。ピストン部5Dがシリンダ孔11Dに上下摺動自在に装着され、大径ロッド部6bが大径ロッド孔11dに挿入され、小径ロッド部6cが小径ロッド孔11eを貫通して上方へ延びている。
ピストン部材4Dが図19に示すアンクランプ位置から下降する下降前期に、ピストン部材4Dを平面視にて反時計回り方向へ90°旋回させる旋回機構8Dが設けられ、この旋回機構8Dは、ピストン部材4Dが下限位置から上昇する上昇後期にピストン部材4Dを平面視にて時計回り方向へ90°旋回させる。
旋回機構8Dは、基本的に実施例1の旋回機構8と同様のものであるので、簡単に説明する。大径ロッド孔11dの下端部の周壁部に3つの半球凹部8bが形成され、これら半球凹部8bに係合された3つの鋼球8aの各々は、ピストン部材4Dの大径ロッド部6bの外周部に形成されたガイド溝8hに係合されている。図21に示すように、ガイド溝8hの上半部は直線溝8iであり、下半部は螺旋溝8jである。
ピストン部5Dと大径ロッド部6bの軸心側の中心部分にロッド挿入穴50が下端開放状に形成されている。このロッド挿入穴50は油圧作動室12aに連通している。ヘッド側端壁部材10Hの一部がシリンダ孔11Dの下端に連なる嵌合孔11fに嵌合され、ヘッド側端壁部材10Hの下部が主クランプ本体10Mの下端部に螺合されている。
ヘッド側端壁部材10Hの軸心側の中心部分から上方へ延びる補助ロッド51が形成され、この補助ロッド51に流量調整弁機構30Dが組み込まれている。
実施例1のクランプ装置1と同様に、第1,第2流量調整弁15,16と、第1,第2油圧通路21D,22Dとが設けられている(図25参照)。第1油圧通路21Dは、通路21aと、通路21bと、通路21cと、環状通路21eと、ヘッド側端壁部材10Hに形成された水平な横断通路21hと、流量調整弁機構30D内の内部通路52と、弁体内通路32Dと、横断通路21hから分岐する2つの分岐通路21iとを備えている。分岐通路21iにはチェック弁23Dが設けられている。このチェック弁23Dは、図19に示すように環状弁座と鋼球と圧縮スプリングとを備え、油圧作動室12aから分岐通路21iを通り横断通路21hへの流れを許可し、横断通路21hから油圧作動室12aへの流れを禁止する。
図22に示すように、流量調整弁機構30Dは、補助ロッド51とヘッド側端壁部材10Hに形成された装着孔53と、弁体54と、弁面形成部材55及び流量調整用弁面55aと、位置調整部材56と、協働機構57とを備えている。協働機構57は、環状係合凹部54aと、複数の鋼球58と、ロッド挿入穴50の内周壁面に形成されたカム部59を備え、ピストン部材4D側のカム部59に当接する複数の鋼球58を介してピストン部材4Dと弁体54とを協働させるものである。カム部59は上部の大径カム部59aと下部の小径カム部59bとを備えている。
弁体54は装着孔53に可動に装着され、弁体54の中段部には環状係合凹部54aが形成され、弁体54の外周部にはシール部材54bが装着されている。環状係合凹部54aは小径円筒面aと上部部分円錐面bと下部部分円錐面cとを備えている。弁体54の軸心側中心部分には弁体内通路32Dが貫通状に形成されている。弁体54の下端には、環状テーパ面54cが形成されている。
環状係合凹部54aの外周側において補助ロッド51の4つの保持穴58aに4つの鋼球58が水平方向へ可動に保持され、これら鋼球58は環状係合凹部54aに部分的に係合し、鋼球58の一部は補助ロッド51の外周面外へ突出してカム部59に当接している。
弁面形成部材55は、装着孔53のうちの弁体54の下側部位に直列的に装着されている。弁面形成部材55は、細長い小径部55bと、短い大径部55cとを有し、小径部55bに外装された圧縮スプリング60によって弁体54が上方へ付勢されている。小径部55bの上端部には環状の流量調整用弁面55aが形成され、環状テーパ面54cと流量調整用弁面55aの間に流量調整用の可変通路31Dが形成されている。小径部55bの外周側には横断通路21hに連通した筒状の内部通路52が形成され、この内部通路52と可変通路31Dと弁体内通路32Dは連通している。この弁体内通路32Dは、ロッド挿入穴50を介して油圧作動室12aに連通している。
弁面形成部材55の大径部55cの外周部にはシール部材55dが装着されている。位置調整部材56は、弁面形成部材55の上下方向位置を調整する為の部材であり、装着孔53の下側のネジ孔61に螺合されており、位置調整部材56にはレンチで操作する為の六角穴56aが形成されている。カム部59は、上部約3/5部分に形成された大径カム部59aと、下部約2/5部分に形成された小径カム部59bとを備えている。
油圧作動室12aに加圧油を供給して、ピストン部材4Dを下限位置から上昇させるとき、上昇動作の前期には、図23、図24に示すように、4つの鋼球58が大径カム部59aに当接するため、弁体54は上側に移動し、可変通路31Dが拡大し、加圧油の流量が絞られないため、ピストン部材4Dは高速で上昇する。
その後、上昇動作の後期には、図19、図22に示すように、4つの鋼球58が小径カム部59bに当接するため、弁体54は下側に移動し、可変通路31Dが狭く絞られ、加圧油の流量が絞られるためピストン部材54は低速で上昇する。
即ち、ピストン部材4Dの上昇の後期の旋回動作領域、つまり、ピストン部材4Dの進出限界位置の近くの動作領域において、低速で上昇しながら旋回する。このように、「所定の動作領域」は、上昇旋回する動作領域と、進出限界位置の近くの動作領域を含む。
このクランプ装置1Dの油圧回路は図25に示すように、実施例1の油圧回路と同様であるから、その他の作用については説明を省略する。
このクランプ装置1Dにおいては、流量調整弁機構30Dが、クランプ本体10のヘッド側端壁部材10Hのうちの中心側壁部の壁部内に設けられたので、クランプ本体10の壁部内のデッドスペースを活用して流量調整弁機構30Dを配置することができ、流量調整弁機構30Dを設けても、クランプ本体10が大型化することがない。しかも、ピストン部材4Dの壁部内にロッド挿入穴50を形成し、その壁部内のスペースを活用する関係上、ヘッド側端壁部材10Hの大部分(補助ロッド51以外の部分)の厚さを小さくすることができる。また、複数の鋼球58が円筒状のカム部59に当接する構造であるため、カム部59と鋼球58が摩耗しにくく、耐久性に優れる。その他、実施例1と同様の作用、効果を奏するので説明を省略する。
実施例6の旋回式クランプ装置1Eと、その油圧シリンダ2Eについて図26〜図28に基づいて説明する。このクランプ装置1Eは、メータイン方式にてピストン部材4の下降時の速度を制限するようにしたものである。実施例5と同様のものに同様の符号を付して説明を省略する。
図26〜図28には、実施例5の第1流量調整弁15と第1油圧通路21に代えて、第2流量調整弁16Dと第2油圧通路22Dが図示されている。第2流量調整弁16Dは 実施例5の第1流量調整弁15と同様のものであり、前記チェック弁26と同様のチェック弁16cを有する。ロッド挿入穴50の下端部分には、補助ロッド51が摺動自在に挿通された摺動孔62が形成され、この摺動孔62の内周壁部に装着されたシール部材63によって、油圧作動室12aとロッド挿入穴50が遮断されている。そして、ロッド挿入穴50は大径ロッド部6bに形成された複数の貫通孔6hにより大径ロッド孔11dに連通し、大径ロッド孔11dは油圧作動室12bに連通している。
第2油圧通路22Dは、ベース部材14に形成された通路22aと、クランプ本体10Dの壁部内に形成された通路22b,22cと、環状通路22dと、ヘッド側端壁部材10H内に形成された横断通路22eと、内部通路52と、可変通路31Dと、弁体内通路32Dと、ロッド挿入穴50と、複数の貫通孔6hとを備えている。
クランプ本体10Dには通路22cから分岐して大径ロッド孔11dに接続された分岐通路22fが形成され、この分岐通路22fに大径ロッド孔11dから通路22cへの流れを許可し、通路22cから大径ロッド孔11dへの流れを禁止するチェック弁64が設けられている。このチェック弁64は実施例1のチェック弁23と同様のものである。
第1油圧通路21Dは、実施例5における通路21a〜21c,21eと同様の通路を備え、通路21eと同様の通路はヘッド側端壁部材10H内の通路(図示略)を介して油圧作動室12aに接続されている。流量調整弁機構30Dは、実施例5の流量調整弁機構と同様のものであり、カム部59は、上部の大径カム部59aと下部の小径カム部59bとを備えている。
このクランプ装置1Dの油圧回路は、図28に示すとおりである。油圧作動室12bに加圧油を供給して、ピストン部材4Dをアンクランプ位置(上限位置)から下降させる際に、その下降前期にピストン部材4Dが90°旋回する際には、図26に示すように、鋼球58が小径カム部59bに当接するため、弁体54が下方へ移動し、可変通路31Dが狭く絞られるため、ピストン部材4Dが低速で下降する。旋回終了後の下降後期には、図27に示すように、鋼球58が大径カム部59aに当接するため、弁体54が上方へ移動し、可変通路31Dが拡大するため、ピストン部材4Dが高速で下降する。
即ち、「所定の動作領域」は、ピストン部材4Eが下降しながら旋回する動作領域であって、ピストン部材4Eの進出限界位置の近くの動作領域である。その他、実施例1と同様の作用、効果を奏するので説明を省略する。
次に、前記実施例を部分的に変更する変更形態について説明する。
1)油圧シリンダの油圧作動室12a,12bの何れか1つを省略し、その皿バネ積層体やコイルスプリング等のスプリング部材でアンクランプ用又はクランプ用の駆動力を発生させるように構成してもよい。
2)油圧シリンダに代えて加圧エアで駆動するエアシリンダを採用してもよく、本発明は種々の流体圧シリンダを備えたクランプ装置に適用することができる。また、本発明は、旋回式クランプ装置以外の種々の形式のクランプ装置にも同様に適用できる。
3)流量調整弁機構の構造は一例を示すものであり、ピストン部材 のカム部 と協働して流量調整機能を発揮するものであれば、種々の構造のものを採用可能である。
4)補助ロッド7の直径がある程度大きい場合、実施例1の流量調整弁機構30と、実施例6の流量調整弁機構30Dの両方を組み込んだクランプ装置及び油圧シリンダを構成することも可能である。
5)その他、当業者ならば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施例に種々の変更を加えた形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
1,1A〜1E クランプ装置
2,2A〜2E 油圧シリンダ
4,4D,4E ピストン部材
7 補助ロッド
8 旋回機構
10,10D クランプ本体
10B,10H ヘッド側端壁部材
12a,12b 油圧作動室
13 ロッド挿入穴
15,16 第1,第2流量調整弁
21,21A,21B,21D 第1油圧通路
22,22B,22D 第2油圧通路
23,23D,26 チェック弁
30,30C,30D 流量調整弁機構
31,31C,31D 可変通路
32,32C,32D 弁体内通路
33,33C,53 装着孔
34,34C,54 弁体
35,55 弁面形成部材
35c,48a,55a 流量調整用弁面
37,56 位置調整部材
38,58 鋼球
39,59 カム部
40,57 協働機構
50 ロッド挿入穴
51 補助ロッド

Claims (10)

  1. クランプ本体と、このクランプ本体に進退可能に装備された出力部材と、この出力部材を進出側と退入側の少なくとも一方に駆動する為の流体圧作動室とを有するクランプ装置において、
    前記出力部材を進出又は退入させる加圧流体を流す為の流体通路であって前記クランプ本体の壁部内に形成された流体通路と、
    前記流体通路を流れる加圧流体の流量を調整可能に、前記クランプ本体の壁部内に形成された流量調整弁機構であって、
    前記クランプ本体の壁部に形成された装着孔と、前記装着孔に軸心方向へ可動に装着された弁体と、前記装着孔に前記弁体に対向するように設けられた流量調整用弁面と、前記出力部材のカム部に当接する鋼球を介して前記出力部材と前記弁体とを協働させる協働機構とを有する流量調整弁機構とを備え、
    前記出力部材が進退方向の所定の動作領域にあるときに、前記出力部材と前記流量調整弁機構との協働により前記加圧流体の流量を絞ることで、前記出力部材の動作速度を制限するように構成したことを特徴とするクランプ装置。
  2. 前記出力部材が前記所定の動作領域にあるとき前記出力部材をその軸心回りに所定角度旋回させる旋回機構を有し、
    前記旋回機構により前記出力部材を旋回駆動中の全期間に亙って前記出力部材の旋回動作速度を制限することを特徴とする請求項1に記載のクランプ装置。
  3. 前記協働機構は、前記出力部材に形成したカム部と、このカム部に当接する鋼球と、前記弁体に形成され且つ前記鋼球が部分的に係合した環状係合凹部と、前記流量調整用弁面に対して前記弁体を離隔方向へ弾性付勢する圧縮スプリングとを備え、
    前記出力部材が前記所定の動作領域にあるときに、前記出力部材のカム部で前記鋼球を前記環状係合凹部側へ押動することにより前記弁体が前記流量調整用弁面に接近する方向に押動されて前記加圧流体の流量が絞られることを特徴とする請求項1に記載のクランプ装置。
  4. 前記流体通路の一部が前記弁体の軸心近傍部に貫通状に形成され、前記流量調整用弁面は、前記装着孔に前記弁体と直列状に装着された弁面形成部材に形成されたことを特徴とする請求項3に記載のクランプ装置。
  5. 前記弁面形成部材の前記装着孔に対する位置を調整する位置調整部材であって前記弁体と前記流量調整用弁面との間の絞り隙間を調整可能な位置調整部材が設けられたことを特徴とする請求項4に記載のクランプ装置。
  6. 前記流量調整弁機構は、前記クランプ本体のヘッド側端壁部材のうちの外周側壁部の壁部内に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のクランプ装置。
  7. 前記流量調整弁機構は、前記クランプ本体のヘッド側端壁部材のうちの中心側壁部の壁部内に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のクランプ装置。
  8. 前記所定の動作領域は、前記出力部材の進出動作時と退入動作時の少なくとも一方における旋回動作する領域であることを特徴とする請求項2に記載のクランプ装置。
  9. 前記所定の動作領域は、前記出力部材の進出動作時と退入動作時の両方における旋回動作する領域であることを特徴とする請求項2に記載のクランプ装置。
  10. 前記所定の動作領域は、進出側限界位置の近くの動作領域又は退入側限界位置の近くの動作領域であることを特徴とする請求項1に記載のクランプ装置。
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