JP6272998B2 - 頑丈な装着感のウエストバンド構造体を備えた着用可能な吸収性物品 - Google Patents

Description

製造技術の改善及び材料技術の開発により、使い捨ておむつの製造業者は、製造で使用する材料の量を減らし、並びに製品の様々な構成要素の寸法、嵩及び／又は重量を減らことが可能になっている。例えば、超吸収性ポリマ（別名、吸収性ゲル化材料）の開発及び改善、並びに吸収性コア設計の改善により、製造業者が吸収性コア構成要素の寸法及び嵩を減らすことが可能になった。ポリマ材料及び加工技術の改善により、製造業者が不織ウェブ材料及びフィルム材料を含む更に低い坪量の構成要素を使用するのが可能になった。これにより、製品の吸収又は収容機能を損なうことなく、材料及び輸送の費用の単位当たりの節減を可能にした。

これらの改善の結果として、比較的軽量かつかさばらないと同時に、現在の使い捨ておむつの設計は、意識的であれ無意識的であれ一部の消費者から否定的に認識されている特性も有することができる。いくつかの現在の設計において、おむつの上部腰部領域は、吸収性構成要素を比較的ほとんど有しない又は全く有せず、及び、比較的低い坪量の薄いウェブ材料のわずかな層だけからなることができる。このような現在の設計では、上部腰部領域が消費者にとって堅固でない薄っぺらな感触を有し得る。

おむつを子どもに適用することに関して介護者の習慣及びやり方が、観察されてきた。おむつを子どもに締結したあと、一部の介護者は子どもの横に並んで、最適な適合のため子どものおむつをぐいと引っ張って調整する目的で、介護者の右手及び左手の親指と他の指との間でおむつを把持する傾向があることが観察された。上部腰部領域が比較的薄い構造を有しているいくつかの現在のおむつの設計では、おむつの最終的な調整をするために、介護人が親指及び／又は他の指をおむつに入れて吸収性コア領域に向かって伸ばし、介護者が構造的により頑丈であると理解していると考えられている前後の位置でおむつを把持する傾向があることが観察された。このやり方及び習慣は、わずかにだが不適切に、おむつを当てる工程の介護者からもたらされる全体の精神的及び肉体的努力の原因となると考えられている。

したがって、この余分な努力及び／若しくはそのための認識された必要性を減らす又は排除する費用効果の高い方法が、望ましい。

着用者に面する表面が見る人に向いている、広げられて平らに配置されている使い捨ておむつの概略平面図である。 図１の線２−２で切り取られて、例示目的のため部分的に切り離された構成要素で概略的に示される、図１の使い捨ておむつの概略的長手方向断面図である。 本明細書に記載される剛性試験方法にしたがって剛性を試験するための固定具の構成要素の概略的正面図である。 図３の固定具のプランジャブレード構成要素の概略的側面図である。 トップシート／バックシートの組み合わせを覆う、別個の弾性ウエストバンド構造の例の概略的横方向断面図である。 トップシート／バックシートの組み合わせを覆う、別個の弾性ウエストバンド構造の例の概略的横方向断面図である。

本明細書で使用する場合、以下の用語は下記で記載される意味を有する。
「吸収性ポリマ材料」、「吸収性ゲル材料」、「ＡＧＭ」、「超吸収体」及び「超吸収性材料」とは、本明細書で互換的に使用され、遠心分離保持容量試験（Ｅｄａｎａ ４４１．２−０１）を使用して測定されたときに、０．９％食塩水溶液をその重量の少なくとも５倍吸収可能な架橋されたポリマ材料を指す。

「キャリパー」は、本明細書に記載されるキャリパー測定法によるおむつの測定値である。

「弾性」又は「エラストマー」とは、ヒステリシス試験にしたがって測定された場合の伸びの１０％以下の歪み付与で、ヒステリシス試験で１００％の歪みまで実質的に破裂又は破損することなく伸びることができる材料の性質を指す。例えば、初期長さ２５ミリメートルを有し、ヒステリシス試験を受けた場合、歪み２ミリメートル（伸びの８％）付与で、２５ミリメートルから５０ミリメートル（伸び１００％）まで伸びることができる材料が弾性とみなされる。

「フィルム」とは１つ以上のポリマより形成された皮膚状又は膜状材料を意味し、それは圧密化されたポリマ繊維及び／又は他の繊維のウェブ状構造から主になる形を有しない。

「内側寄り」及び「外側寄り」とは、おむつの１つの機構の位置と別の機構又は位置とを関係づける、並びに、それらと長手方向並びに横方向軸の１つ又は両方を関係づけるために用いる用語である。例えば、機構Ａが機構Ｂの長手方向に「外側寄り」にあると言われるとき、機構Ａは機構Ｂより横軸（の同じ側であるが）から更に離れたところにある。機構Ａが機構Ｂの横方向に「外側寄り」にあると言われるとき、機構Ａは機構Ｂより長手方向軸線（の同じ側であるが）から更に離れたところにある。逆に、機構Ａが機構Ｂの長手方向に「内側寄り」にあると言われるとき、機構Ａは機構Ｂより横軸（の同じ側であるが）に更に近いところにあり、機構Ａが機構Ｂの横方向に「内側寄り」にあると言われるとき、機構Ａは機構Ｂより長手方向軸線（の同じ側であるが）から更に離れたところにある。横及び縦軸の交点は、おむつの最も内側寄りの点である。

使い捨ておむつに関連して「横方向」とは、おむつの長手方向軸線に垂直な方向を意味する。

使い捨ておむつに関連して「長手方向」とは、おむつの長手方向軸線に平行な方向を意味する。

使い捨ておむつの「長手方向軸線」とは、おむつシャーシの各前後腰部縁部の中点を通過する線である。

使い捨ておむつと関連して「長」、「長さ」及び他の形態は、おむつの長手方向軸線に平行な方向に沿って測定された寸法を指す。

「不織布」とは、最初に芯状に形成されて、次いで圧密化されて、摩擦、粘着、接着若しくは結合及び局部的圧縮、並びに／若しくは圧力、熱、超音波若しくは熱エネルギー又はそれらの組み合わせの使用により作製される結合効果の１つ以上のパターンにより互いに接合された、一方向に若しくは不規則に配向された繊維で製造されたシート又はウェブである。本用語には、織られた、編まれた、又は糸若しくはフィラメントで縫い合わされた布地は含まれない。繊維は、天然起源のものであっても人工起源のものであってもよく、ステープル若しくは連続フィラメントでもよく、又はその場で形成されたものでもよい。市販の繊維は、約０．００１ｍｍ未満〜約０．２ｍｍを上回る範囲の直径を有し、いくつかの異なる形態、すなわち短繊維（ステープル又は細断繊維として知られる）、連続単繊維（フィラメント又はモノフィラメント）、撚り合わせていない連続フィラメントの束（タウ糸）、及び連続フィラメントの撚り束（編み糸）として提供されている。不織布は、メルトブロー、スパンボンディング、スパンメルティング、溶剤紡糸、電界紡糸、カーディング、フィルムフィブリル化、溶融フィルムフィブリル化、エアレイイング、ドライレイイング、短繊維によるウェットレイイング、及び、当技術分野において既知のこれらの方法の組み合わせを含む多くの方法により形成されることができるが、これらに限定されない。不織布の坪量は、通常、１平方メートル当たりのグラム数（ｇｓｍ）で表される。

「剛性」とは、以下で説明する剛性試験方法にしたがって測定される特性である。

使い捨ておむつと関連して「広さ」、「幅」及び他の形態は、おむつの長手方向軸線に垂直方向に沿って測定された寸法を指す。

ここで図を参照すると、使い捨ておむつシャーシ５は、液体透過性トップシート１０及び液体不透過性バックシート２０、並びにそれらの間に配置された吸収性コア３０から形成されてよい。トップシート１０及びバックシート２０は、およそその外周部周辺で互いに貼り付けられて吸収性コア３０を包み、シャーシ５構造体を形成してもよい。シャーシ５は、横軸９０の前側にあって前側腰部縁部３６で終端する前側領域３５と、横軸９０の後側にあって後側腰部縁部３８で終端する後側領域３７とを有する。参考までに、長手方向軸線９１は、おむつ幅を二分する腰部縁部３６、３８の中間点を通過する線として定義されてもよく、横軸９０は、縦軸に対して垂直で及びおむつ長さを二分する線として定義されてもよい。

シャーシ５及び吸収性コア３０は、おむつの複合構造を形成するために追加される他の機構と共におむつの主構造を形成することができる。トップシート１０、バックシート２０、及び吸収性コア３０は様々な周知の構造で組み立てられることができ、好ましいおむつの構造は、米国特許第５，５５４，１４５号、同第５，５６９，２３４号、並びに同第６，００４，３０６号に一般に記載される。

トップシート１０は、全体的に若しくは部分的に弾性でもよく、及び／又は、短縮されてトップシート１０と吸収性コア３０との間に空隙を作成してもよい。弾性のある又は短縮されたトップシートを含む代表的な構造が、米国特許第５，０３７，４１６号及び同第５，２６９，７７５号に更に詳細に記載されている。

バックシート２０は、トップシート１０に接合されてもよい。バックシート２０は、吸収性コア３０によって吸収されておむつ内に収容される排出物が、ベッドシーツ及び衣類などおむつに接触する可能性がある他の外部物品を汚すのを防ぐのに役立ち得る。バックシート２０は、液体（例えば、尿）に対して実質的に不透過性であってもよく、及び、不織ウェブと、厚さ約０．０１２ｍｍ（０．５ミル）〜約０．０５１ｍｍ（２．０ミル）を有する熱可塑性フィルムのような薄いポリマーフィルムとの積層体から形成されてもよい。好適なバックシートフィルムとしては、Ｔｒｅｄｅｇａｒ Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅｓ Ｉｎｃ．（Ｔｅｒｒｅ Ｈａｕｔｅ，Ｉｎｄ．）の製造する、Ｘ１５３０６、Ｘ１０９６２、及びＸ１０９６４の商品名で販売されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材料としては、蒸気をおむつから逃がす一方で液体排出物がバックシート２０を通過するのを依然として防止する通気性材料が挙げられる。代表的な通気性材料には、織りウェブ、不織ウェブなどの材料、フィルムコートされた不織ウェブなどの複合材料、並びに日本のＭｉｔｓｕｉ Ｔｏａｔｓｕ Ｃｏ．よりＥＳＰＯＩＲの名称で、及びＥＸＸＯＮ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．（Ｂａｙ Ｃｉｔｙ、Ｔｅｘａｓ）よりＥＸＸＡＩＲＥの名称で製造されているような微多孔性フィルムを挙げることができる。ポリマーブレンドを含む好適な通気性複合材料は、Ｃｌｏｐａｙ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（Ｃｉｎｃｉｎｎａｔｉ，Ｏｈｉｏ）よりＨＹＴＲＥＬ ｂｌｅｎｄ ＰＩ ８−３０９７の名称で入手可能である。通気性材料の他の例が、国際公開特許出願第ＷＯ ９５／１６７４６号により詳細に記載されている。不織ウェブ及び孔形成フィルムを含む他の通気性バックシートは、米国特許第５，５７１，０９６号に記載されている。

バックシート２０又はその層を形成するのに有用な不織ウェブ材料には、スパンボンド、メルトブロー、スパンメルト、溶剤紡糸、電界紡糸、カーディング、フィルムフィブリル化、溶融フィルムフィブリル化、エアレイド、ドライレイド、短繊維によるウェットレイドなどの不織ウェブ材料、及び、一部又は全部がポリマ繊維で形成された他の不織ウェブ材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適な不織ウェブ材料は、スパンボンドされた、メルトブローされた及び更にスパンボンドされた薄層若しくは層、又は、ＳＭＭＳ若しくはＳＳＭＭＳなどのスパンボンドされた並びにメルトブローされた層の他の組み合わせを含む、ＳＭＳ材料でもよい。例としては、１μｍ未満の直径を有する繊維の１つ以上の層（ナノ繊維及びナノファイバ層）が挙げられ、これらの例は、ＳＭＳ、ＳＭＮＳ、ＳＳＭＮＳ又はＳＭＮＭＳ不織ウェブ（「Ｎ」がナノ繊維層を示す）の組み合わせが挙げられる。いくつかの例では、永久的に親水性の不織布、特に耐久的に親水性のコーティングを備えた不織布が望ましい場合がある。典型的には、好適な不織布は空気透過性である。典型的には、好適な不織布は水又は液体透過性であるが、繊維サイズ及び密度並びに繊維の疎水性の理由から水不透過性であってもよい。水又は液体透過性は、繊維に親水性にする処理により強化されることができる。

バックシートの不織ウェブは、ポリマ分子繊維で主に形成されることができる。いくつかの例において、好適な不織繊維材料としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド若しくは特にポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）及び／又はこれらのブレンドなどのポリマ材料が挙げられるが、これらに限定されない。不織繊維は、脂肪族ポリエステル、熱可塑性ポリサッカライド若しくは他の生体ポリマ（生体系若しくは再生可能ポリマ）などの成分から形成されてもよく、又は添加剤若しくは変性剤として含んでもよい。

個々の繊維は、単一成分又は多成分でもよい。多成分繊維は、芯鞘型又は並列型配列等の２成分であってもよい。多くの場合、個々の成分は、ポリプロピレン若しくはポリエチレン若しくはこれらのコポリマなどの脂肪族ポリオレフィン、脂肪族ポリエステル、熱可塑性ポリサッカライド又はこれらの生体ポリマを含む。

更に有用な不織布、繊維組成物、繊維及び不織布の形成及び関連する方法が、Ｃｒａｍｅｒらに対する米国特許第６，６４５，５６９号、Ｃｒａｍｅｒらに対する米国特許第６，８６３，９３３号、Ｒｏｈｒｂａｕｇｈらに対する米国特許第７，１１２，６２１号；Ｃｒａｍｅｒらによる同時係属米国特許出願第１０／３３８，６０３号並びに同第１０／３３８，６１０号、並びにＬｕらによる同第１３／００５，２３７号に記載されており、これらの開示は本明細書に参照により組み込まれる。

おむつは、トップシート１０及びバックシート２０によって形成された封筒状構造内に吸収性コア３０を有し得る。吸収性コア３０は、一般に圧縮性であり、適合性があり、着用者の皮膚に対して刺激がなく、並びに尿及び他のある種の身体排出物などの液体を吸収して保持できる、任意の吸収性材料を含んでもよい。吸収性コア３０は、一般にエアフェルトと呼ばれている粉砕木材パルプなどの、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品に通常使用される多種多様な液体吸収性材料を含んでもよい。他の好適な吸収性材料の例として、縮みセルロース詰め物；コフォームを含むメルトブローポリマ；化学的に剛化、変性又は架橋されたセルロース繊維；ティッシュラップとティッシュラミネートとを含むティッシュ；吸収性フォーム；吸収性スポンジ；超吸収性ポリマ；吸収性ゲル化材料；又は任意の他の既知の吸収性材料若しくはこれらの材料の組み合わせが挙げられる。

吸収性コア３０は、液体獲得／分配材料の別個の層、及び貯蔵材料から形成される領域を含むことができる。一般に、獲得／分配材料は、比較的迅速な吸収特性及び吸上特性を有し得るが、限定された吸収能力を有してもよい。反対に、一般に、貯蔵材料は、比較的遅い吸収特性及び吸上特性を有し得るが、より大きな吸収能力を有してもよい。つまり、獲得／分配材料は、尿などの液体の流出を迅速に吸収及び分配する役割を果たし得る一方で、より大きな吸収能力を有する貯蔵材料は、獲得／分配材料からかかる液体を吸収して、それをインサートが交換され得るまでの必要な時間貯蔵する役割を果たし得る。

吸収性コア３０は、多種多様な寸法及び形状（例えば、矩形、砂時計形、「Ｔ」字形など）に製造され得る。吸収性コア３０の形状及び構成もまた多様であり得る（例えば、吸収性コア又は他の吸収性構造体は、多様なキャリパー領域、親水性勾配、超吸収性勾配、若しくは平均密度が低く及び平均坪量が低い獲得領域を有する場合もあれば、若しくは１つ以上の層若しくは構造体を含む場合もある）。吸収性コア３０として使用される吸収性構造体の例としては、米国特許第４，６１０，６７８号、同第４，６７３，４０２号、同第４，８３４，７３５号、同第４，８８８，２３１号、同第５，１３７，５３７号、同第５，１４７，３４５号、同第５，３４２，３３８号、同第５，２６０，３４５号、同第５，３８７，２０７号、及び同第５，６２５，２２２号に記載されているものを挙げることができる。

吸収性コアの全体の寸法及び／又は厚みを減らし、これによって着用者の快適さを改善し、汚れたインサートで生じる使い捨て廃棄物の量を減らすために、性能制約内で可能な最低量のコア材料を用いた吸収性コアを作成することが望ましい場合がある。このような目的で、好適な吸収性コアの好適な材料及び構成の例が、同時係属米国特許出願第１２／１４１，１２２号、同第１２／１４１，１２４号、同第１２／１４１，１２６号、同第１２／１４１，１２８号、同第１２／１４１，１３０号、同第１２／１４１，１３２号、同第１２／１４１，１３４号、同第１２／１４１，１４１号、同第１２／１４１，１４３号、並びに同第１２／１４１，１４６号に記載されているが、これらに限定されない。これらの出願は、超吸収性ポリマ粒子と組み合わされる、エアフェルト又は他の形態のセルロース繊維の必要性及びこれらの混入を最小限にする若しくは排除する吸収性コア構造（以下「実質的にエアフェルトを含まないコア」と称する）を一般的に記述している。エアフェルト及びその他のセルロース繊維は、使い捨ておむつの吸収性コアの吸収性充填剤として使用されてきた。そのような繊維は吸収特性を有しており、いくらかの吸収能力を吸収性コアに付与するが、更に、構造マトリックスを提供して超吸収性ポリマ及び／又は吸収性ゲル化材料の分散した粒子を保持するために含まれる。そのような粒子の含有は吸収能力を強化する一方で、そのような粒子を適切に分散した状態に保つことは、使用中に粒子が液体を吸収して膨張したときに「ゲルブロッキング」して、吸収能力の損失をもたらすのを防止するために重要であり得る。エアフェルト又はその他のセルロース繊維を、超吸収性粒子のためのマトリックスとして含ませることは、ゲルブロッキングを低減又は防止するのに役立つ可能性がある。しかしながら、このことはまた、あらゆる液体を吸収する前に吸収性コアに嵩を付与する。

すぐ上で示した出願の開示によれば、実質的にエアフェルトがない部分を有する吸収性コア３０が、トップシート１０とバックシート２０との間に配置されてもよい。コア３０は、ＡＧＭ粒子が分散した基材、及び、分散したＡＧＭ粒子を捕捉して、基材の少なくとも一部に付着させて、それによってＡＧＭ粒子を基材の上に、又は基材に関連してすぐ近くに固定化する熱可塑性接着性組成物の少なくとも一部で形成された層を含むことができる。

嵩の低い吸収性コアを提供することに加えて、実質的にエアフェルトを含まないコアは、一般に、相当量のエアフェルト又はその他のセルロース繊維を含有する吸収性コアよりも可撓性であり得る。この強化された可撓性は、コア及びおむつが、改善された快適さ及びおむつのより嵩ばらない外観を提供することで、使用中着用者の体により適合するのを可能にし得る。

そのうえエアフェルト又は他のセルロース繊維材料を減らす又は除去することによって、実質的にエアフェルトのないコアが、製造で消費される材料の量を減らして、その点で資源を節約することで包装又は輸送されなければならない単位当たりの空間（及び、いくつかの状況では重量）の量を減らして、並びに、使用された／汚れたおむつを処分することに関連して処分されなければならない材料及び嵩の量を減らす。

上述の説明にしたがって設計されて構成された吸収性コアは、おむつに吸収性コア後側部分のキャリパーを与える、通常更にかさばる市場の更に古い製品より実質的にかさばらないおむつを作製して、事実上吸収性であるが比較的かさばらない、例えば、４．０ｍｍ未満、３．５ｍｍ未満又は３．０ｍｍ未満の吸収性構造をもたらすことができる。（本明細書の目的のために、おむつのキャリパーは下記のキャリパー測定法を使用して測定される）。おむつが装着される際に存在して及び後部から見える嵩の量を反映するので、吸収性コアの後側部分のキャリパーが関連するとみなすことができる。一般に、快適さのために、着用されるときのおむつの外観のために、及び包装及び輸送でより少ないスペースを占めるために、かさばらないことが好ましい場合がある。

おむつは、後側領域３７のシャーシ５の左側及び右側それぞれから横に伸びている、向かい合って配置された一対の締結部材４０を含むことができる。締結部材４０は弾性的延伸性ウェブ材料で形成されることができて、及び、横方向に弾性的延伸性であり得る。好適な弾性的延伸性締結部材の例は、米国特許出願第１２／９０４，２２０号に記載されている。各締結部材４０は、その遠位端に近接する機械的締結具４２を有することができる。機械的締結具４２は、おむつの着用者に面する表面の締結部材４０を形成する材料に貼り付けられた又は接着された、フック材料の細片又は小片（ベルクロ締着装置のフック構成要素が挙げられる）でもよい。

おむつは、前側領域３５の外側に向いた面にランディング領域４５を含むことができる。ランディング領域４５は、外側に向いた面に接着された、（ベルクロ締着装置のループ材料構成要素で例示された）ループ材料の細片又は小片で形成されることができる。様々な材料は、好適なループ材料、すなわちループ化繊維及び／又は外側表面で捕捉される端を備える繊維の長さを有する材料として機能することができ、該捕捉される端とは、対向して接触するフック材料を受けて、締結するように捕捉して、保持するように機能する。好適なランディング領域材料の例が、米国特許第８，３８８，５９６号、同第７，８９５，７１８号、同第７，８９５，１７８号、及び同第７，８０５，８１８号、並びに米国特許出願第１３／５３８，１４０号に記載されている。フック材料及びランディング領域材料は、望ましい締結並びに保持性能、費用、並びにおむつ製造での取扱い／処理の容易さの組み合わせのために選択されることができる。しかしながら、いくつかの実施例では、バックシートの外層を形成する不織ウェブ材料が、繊維構成、繊維強さ及び繊維結合構成を有して、対向して接触する好適なフックを受けて、締結するように捕捉して保持するのに適するように、並びに、好適な保持強さを提供するためにフックからの強制的な分離に抵抗するのに十分な強さを有するように製造されてもよく、そうすることでループ材料の別個の小片はランディング領域を形成するために必要でなくなる。

おむつは、前側領域３５のシャーシ５の左側及び右側それぞれから横に伸びて、向かい合って配置された一対の前耳部５０を含むことができる。前耳部５０は、トップシート１０及び／若しくはバックシート２０を形成する材料の単なる延長部でもよく、又は（不織ウェブ材料など）ウェブ材料で別途形成されてシャーシ５に結合及び／若しくは接着されてもよい。前耳部５０は、介護者が前側領域でおむつを把持するために用いることができ、一方で、締結部材４０を引っ張って、機械的締結具４２をランディング領域４５に適用して、子どもの周りにおむつを固定するのに使用される。

おむつは、一対のバリアカフ３２を含むことができる。好適なバリアカフ構造の例が、米国出願第１３／５３７，６２６号、同第１３／４５７，５２１号、及び同第１３／４５７／５２３号に示されて記載されている。

図２からわかるように、腰部縁部３６、３８の中で長手方向内側すぐにある、前側及び後側領域３５、３７の前側及び後側の薄い部分６０、６２は、いくつかの、場合によっては２つほどのわずかな材料だけからなることができる。例えばこれらの薄い部分は、嵩を増すために存在する吸収性コア構成要素をほとんど若しくは全く備えない、トップシート１０及びバックシート３０、又はトップシート１０、バックシート３０及びランディング領域４５だけからなることができる。前述のように、このことで、介護者にこれらの薄い部分がもろい又はやぶれやすいという認識をもたらす可能性がある。この認識が、介護者に、吸収性コア領域に手を伸ばさせて、認知できるほどより頑丈な前後の構造体部分でおむつを把持して、締結後に引っ張ることで適切な調節を実行させる原因になる。

理論に束縛されるものではないが、介護者のやり方を観察した結果、より大きな重さ、厚み及び／又は剛性の１つ以上をおむつに与えることによって腰部縁部に近接したおむつの薄い部分６０、６２を増加することで、介護者により高い位置でおむつを把持して、締結後に吸収性コア領域に手を伸ばして引っ張って調整することを控えさせると考えられている。理論に束縛されるものではないが、手触りによって認識できる、比較的より大きな重さ、厚み及び／又は剛性が、介護者に、おむつ構造体が腰部縁部に近接するこれらの領域で把持して引っ張ることに耐えられるほど十分に頑丈であると、暗黙のうちに合図する結果につながると考えられている。介護者へのこの合図が、コア領域に手を伸ばしておむつを把持して引っ張るために認知できるほどより頑丈な構造体部分を把持することが不必要であることを意味すると、意識的に又は無意識に解釈されると考えられている。すなわち、前記増加によって、介護者がおむつを子どもに適用する際に意識的又は無意識に行使する肉体的及び精神的努力を減らすことができると考えられている。

提供された増加分の種類及び性質に応じて、ウエストバンド領域が、異なる種類の調整部を裂けないまま引っ張ることに耐えるのを更に可能にすることもできる。前記増加は、以下の多くのおむつの適用及び除去の工程中、後側領域からおむつを引っ張って横になっている子どもの下に滑り入れること；後側領域からおむつ側部を引っ張って子どもをくるむこと；締結中前側領域でおむつを把持して保持して、それから最終的に調整部を引っ張ること；並びに除去では、おむつを開いて積極的にそれを取り除くこと、において介護者のために有利であり得る。薄い部分の増加によって、介護者がより大きな自信を持って、おむつを把持して扱う、必要とされる特別な注意若しくは思慮の認識を除去する又は回避するのを助けることができる。

認知できる重さ、剛性及び／又は頑丈さが、様々な方法で領域を増加するため付与され得る。これらは、材料又は材料の層を基材に加えることを含む。図に示されるように、前後の増加したウエストバンド領域６４、６６が、トップシート、バックシート及びランディング領域を含むおむつ構造体を形成する材料の他の層に加えて、増加する材料７０、７２の対応する前後の層を含むことより提供されることができる。増加する材料は、増加したウエストバンド領域に局限される追加の剛性、重さ及び／又は機械的強度を構造体に付与する任意の材料であってもよい。非限定例として、増加する材料は、不織ウェブ材料の追加の層、フィルムの追加の層又はポリマ接着剤の追加量でもよい。図２に示されるように、増加する材料は、バックシート２０とトップシート３０との間に配置されてもよく、けれどもバックシートの外側表面に、若しくはトップシートの内側表面に、又は薄い部分６０、６２におけるおむつを形成する層のうちの他の任意の位置に配置されてもよい。

しばしば使い捨ておむつの構成要素として使用される種類の弾性フィルム、弾性片又は弾性ストランドの形態のエラストマー材料は、一般的に比較的柔軟で、可撓性及び伸縮性である。これらの特性により、それが所望の程度の剛性又は適切に認識できる構造的頑丈さを加えるのに十分でない場合があるので、経済的に望ましい量／重量／坪量において、これらの形態の１つのエラストマー材料を、増大する材料として使用するのに不適当になることがある。したがって、増加する材料がエラストマーフィルム、エラストマーストランド又はエラストマー片の形態だけではないことが望ましい場合がある。このような形態のエラストマー材料が構造体に含まれる場合、該エラストマー材料に加えて、増加する材料の層が伴うことが望ましい場合がある。

増加する材料のおむつへの追加が、材料使用を最小化することで経費を制御することに逆効果になり得る。このため、増加する材料の使用を最小化することが望ましい場合がある。同時に、特定の最小性及び／又はその値が、所望の手触り及び介護者の努力の減少を提供するのに必要であると信じられている。これらは、加えた増加する材料の平面寸法に、加えた増加する材料の重量に、及び加えた増加する材料によって薄い部分６０、６２に付与される剛性に、反映され得る。

したがって、増加する材料の層７０、７２が、図１に示されるように実質的に長手方向軸線を中心にして横方向にあることが望ましい場合がある。増加する材料の層の１つ又は両方の幅Ｗが、少なくとも６０ｃｍ、より好ましくは少なくとも８０ｃｍ、及び更により好ましくは少なくとも１００ｃｍであることが望ましい場合がある。理論に束縛されるものではないが、別の考察では、増加する材料７０、７２の最小幅が、腰部縁部３６、３８の全体の幅ＴＷによって示されることができると考えられている。これは、腰部縁部の全体の幅が、介護者がそれを把持する位置の横方向の変動性に影響を及ぼすことができるからであると考えられている。より広い腰部縁部はより大きな横方向の変動性をもたらし、及び逆もまた同様である。したがって、増加する材料の層７０、７２の１つ又は両方の幅Ｗが、そこに近接する腰部縁部３６、３８の全体の幅ＴＷの少なくとも３０％、より好ましくは少なくとも３５％、及び更により好ましくは少なくとも４０％であることが望ましい場合がある（本明細書の目的のために、腰部縁部の全体の幅ＴＷは、当該腰部縁部に近接するおむつの前側領域３５又は後側領域３７の、バックシートの横方向に最も外側に、長手方向に配向された端の間で測定される）。しかし材料コスト削減のために、増加する材料の層７０、７２の１つ又は両方の幅Ｗが、近接する腰部縁部３６、３８の全体の幅ＴＷより短く、より好ましくはＴＷの７５％以下、及び更により好ましくはＴＷの５０％以下であることが望ましい場合がある。

親指及び他の指のつかみ方の寸法に基づいて、介護者が触覚的に満足するように構成された高さＨの増加したウエストバンド領域を提供することと、材料コスト管理との間のバランスをとるために、増加する材料７０、７２の１つ又は両方の層が、１０ｍｍ〜３０ｍｍ、より好ましくは１２ｍｍ〜２８ｍｍ、更により好ましくは１５ｍｍ〜２５ｍｍの高さＨを有することが望ましい場合がある。

図１が増加する材料の層及びそれによって画定される増加したウエストバンド領域が矩形の形状になることを示すにもかかわらず、増加する材料の層に十分な幅と高さがある限り、これは必ずしも必要とされるわけではない。

上記の最小寸法と組み合わせて又はその代わりに、増加する材料７０、７２の層が、それらが画定する増加したウエストバンド領域６４、６６に剛性を加えることが望ましい場合がある。介護者の認識の所望の効果に対して、増加したウエストバンド領域は、少なくとも０．５０Ｎの剛性（剛性は下記の剛性試験方法を使用して測定される）を有しなければならないと考えられる。しかし剛性があまり大きいのは望ましくないと考えられており、その理由は過度に硬いウエストバンド領域は着用者に不快感をもたらす場合があるからである。したがって、増加したウエストバンド領域の剛性が２．０Ｎを超えないことが望ましい場合がある。増加したウエストバンド領域の剛性が、０．５０Ｎ〜２．０Ｎ、より好ましくは０．５５〜１．８０Ｎ、並びに更により好ましくは０．６０Ｎ〜１．７０Ｎ、又はこれらの範囲の上限及び下限の任意の組み合わせの間であることが望ましい場合がある。

上記の特徴との更なる組み合わせにおいて、又はそれに代わって、増加する材料の層７０、７２を合わせて、増加する材料の層を加えない／加える前の使い捨ておむつの総重量の、少なくとも１．０％、より好ましくは少なくとも１．５％、及び更により好ましくは２．０％を占めることが望ましい場合がある。

上記の特徴の任意の更なる組み合わせにおいて、増加したウエストバンド領域の長手方向に外側寄りにある薄い部分６０、６２の外側端部ＯＭの１つ又は両方が、５．０ｍｍ以下、より好ましくは２．０ｍｍ以下、及び更により好ましくは外側端部ＯＭの１つ又は両方がゼロに制限される、すなわち、増加したウエストバンド領域の長手方向に最も外側の端部は同一の広がりを持ち、及び、腰部縁部３６、３８と隣接していることが望ましい場合がある。（本明細書の目的のために、外側端部ＯＭは、増加したウエストバンド領域の長手方向に最も外側の端から近接する腰部縁部まで測定される）。これにより、介護者がおむつの中に手を伸ばして把持して構造の頑丈さを認識しなければならない深さを最小化する、腰部縁部のできるだけ近くに増大したウエストバンド領域を配置する効果が生じる。

前述のように、本明細書で開示される構造体の目的は、おむつ構造体の丈夫な部分を見つけて把持するために吸収性コア領域に手を伸ばすことが不必要であると介護者に伝えることによって、介護者の努力を減らすことである。したがって、吸収性コアに長手方向に重なり合う、増加する材料の１つ方又は両方の層は、望ましくない場合がある。このように、増加する材料７０、７２の１つ方又は両方の層が、吸収性コア３０の一部の吸収性構造を効果的に形成する吸収性ゲル化材料のセルロース繊維及び／若しくは粒子の十分な堆積物に、長手方向に重なり合わない、裏打ちしない、若しくは覆わないことが望ましい場合がある。

おむつは、前後の１つ又は両方の弾性ウエストバンド（図示せず）を含むこともできる。一例として、ウエストバンドは、トップシートとバックシートとの間に挟まれるエラストマー材料（図示せず）（弾性部材）の、１つ以上の横方向に配置された細片又はストランドの含有によって弾性を持たされてもよい。製造完了及び緩和時に、弾性部材が横方向に収縮して、トップシート及びバックシートを横方向に縮めさせて、おむつが着用されるとき横方向の伸びに適応するトップシート及びバックシート材料の波形又はしわを形成するように、エラストマー材料の細片又はストランドは、おむつの他の構成成分の上に／中に適用されるとき予歪みして伸長されることができる。

別の例として図５Ａを参照すると、別個の弾性ウエストバンド構造３００は、ウエストバンド領域のトップシート１０及びバックシート２０を含む複合ウェブ構造内部に適用されることができて、及び内側（着用者に面する側）上のトップシートに、又は外側上のバックシートに適用されることができる。特定の例では、別個の弾性ウエストバンド構造が、弾性部材を覆う不織ウェブ材又はフィルム材料３０２の横方向に配置されたカバー細片に付着した、１つ以上の横方向に配置された弾性部材３０１で形成されることができる。別の特定の例では、別個の弾性ウエストバンド構造３００が、弾性部材を取り囲んで伸縮性バンド構造を形成する、不織ウェブ材料及び／又はフィルム材料３０２の２つの横方向に配置されたカバー細片の間に挟まれて付着した、１つ以上の横方向に配置された弾性部材３０１で形成されることができる。図５Ｂに示されるように、製造完了及び緩和時に、弾性部材が横方向に収縮して、トップシート及びバックシートを横方向に縮めさせて、おむつが適用されて着用されるとき横方向の弾性伸びを提供するトップシート及びバックシート材料の長手方向の波形／横方向のしわを形成するように、別個の弾性ウエストバンド構造３００が、おむつの他の構成要素の上へ適用されるとき予歪みして伸長されることができる。別個のウエストバンド構造が、増加する材料の層とひとまとめに配置される、及び／又は同一の広がりを持つことができる。特定の例では、別個の弾性ウエストバンド構造及び／又はその構成要素は、本明細書の目的のため増加する材料の層として機能することができる。好適な別個の弾性ウエストバンド構造の例が、米国特許出願第１３／４９０，５４３号、同第１３／４９０，５４８号、及び同第１３／４９０，５５４号に記載されている。

増加したウエストバンド領域６４、６６を提供することによって、介護者が自信を持っておむつを把持して引っ張る領域６４、６６の位置で、おむつ構造体の頑丈さの手触りの合図を介護者に提供すると考えられている。更に合図の強さ又は効果が、視覚的手がかりによって強化され得ると考えられている。したがって、増加する材料７０、７２の層の１つ又は両方に、直接取り囲む及び／又は上に重なる材料の色と明らかに対照をなす色が付与されることが所望されてもよい。例えばバックシートが白である又は白色の背景を有する場合、関連する増加したウエストバンド領域を直接取り囲むバックシート材料とは明らかに異なるようにして、バックシートの上に重なる又は下にある増加する材料の層（半透明でもよい）が着色されてもよい。可視的な対照を作成するために、増加する材料の層が、おむつの外側から見て、長手方向及び横方向の増加する材料を直接取り囲むすべての可視材料の中に若しくは上に存在しない着色剤で着色される（印刷、染色、着色又は別の方法によって）ことができる。

別の代替手段として、増加したウエストバンド領域及び／又はその位置が、下にある若しくは上に重なる材料に印刷することによって視覚的に識別される、強調される若しくは明らかに分画されることができる。例えばバックシートの材料が、例えばバックシートの下にある増加する材料の層の存在、位置及び／若しくは形状に対応する、並びに示す、ブロック、形、輪郭又は類似の特徴で印刷され得る。

特徴の組み合わせの以下の非限定例が、考察される。
１．使い捨ておむつであって、
着用に面する面を形成する液体透過性トップシートと、外側に面する面を形成する液体不透過性バックシートと、前側腰部縁部で終端する前側領域と、後側腰部縁部で終端する後側領域と、前記前側腰部縁部から前記後側腰部縁部まで測定された全長と、前記前側腰部縁部及び前記後側腰部縁部に接続している左右の長手方向縁部と、バックシートを左右半分に分けている長手方向軸線と、前記後側領域の前記左右それぞれの長手方向縁部から横方向にそれぞれ延在するとともにその終端に近接する機械的締結具をそれぞれ有する、弾性的延伸性の左右の締結部材と、前記機械的締結具と協働してその間で付着をもたらすために構成される前記前側領域のランディング領域と、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される吸収性コアと、を備え、前記吸収性コアが前側コア縁部、後側コア縁部、及び前記前側コア縁部から前記後側コア縁部まで測定されたコア長を有し、前記コア長が前記全長未満であり、前記吸収性コアが超吸収性粒子を含み、
前記前側及び後側それぞれの腰部領域に対応する前側及び後側の増加したウエストバンド領域を含み、前記増加したウエストバンド領域のそれぞれが前記トップシート及びバックシートに加えて増加する材料の層によって画定されており、前記増加する材料の層が上部分、下部分及び左右の側部分を有し、前記左側部分から前記右側部分まで測定された幅が少なくとも６０ｍｍであり、実質的に長手方向軸線の周りを中心にしており、前記上部分から前記下部分まで測定された高さが少なくとも１０ｍｍであり、
前記増加する材料の層がエラストマーフィルム、エラストマーストランド又はエラストマー片だけでは形成されず、
前記前側及び後側の増加したウエストバンド領域の両方が少なくとも０．５０Ｎの剛性を有する、使い捨ておむつ。
２．前記前側及び後側の増加したウエストバンド領域のうちの少なくとも１つの前記増加する材料の層の前記上部分が、前記対応する前側又は後側腰部縁部の５ｍｍ以内にある、組み合わせ１に記載のおむつ。
３．前記前側及び後側の増加したウエストバンド領域のうちの少なくとも１つの前記増加する材料の層の前記上部分が、前記対応する前側又は後側腰部縁部と同一の広がりを持つ、組み合わせ２に記載のおむつ。
４．前記前側及び後側の増加したウエストバンド領域のうちの前記増加する材料の層の統合された重量が、前記増加する材料の層を除いたおむつ総重量の少なくとも１．０％を含む、組み合わせ１〜３のいずれか１つに記載のおむつ。
５．前記増加する材料の層の１つ若しくは両方がその中に又はその上に着色剤を有しており、該着色剤は、おむつの外側から見て、長手及び横方向の前記増加する材料を直接取り囲むすべての可視材料の中に若しくは上に存在しない、組み合わせ１〜４のいずれか１つに記載のおむつ。
６．使い捨ておむつであって、
着用に面する面を形成する液体透過性トップシートと、外側に面する面を形成する液体不透過性バックシートと、前側腰部縁部で終端する前側領域と、後側腰部縁部で終端する後側領域と、前記前側腰部縁部から前記後側腰部縁部まで測定された全長と、前記前側腰部縁部及び前記後側腰部縁部に接続している左右の長手方向縁部と、バックシートを左右半分に分けている長手方向軸線と、前記後側領域の前記左右それぞれの長手方向縁部から横方向にそれぞれ延在するとともにその終端に近接する機械的締結具をそれぞれ有する、弾性的延伸性の左右の締結部材と、前記機械的締結具と協働してその間で付着をもたらすために構成される前記前側領域のランディング領域と、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される吸収性コアと、を備え、前記吸収性コアが前側コア縁部、後側コア縁部、及び前記前側コア縁部から前記後側コア縁部まで測定されたコア長を有し、前記コア長が前記全長未満であり、前記吸収性コアが超吸収性粒子を含み、
前記前側及び後側それぞれの腰部領域に対応する前側及び後側の増加したウエストバンド領域を含み、前記増加したウエストバンド領域のそれぞれが前記トップシート及びバックシートに加えて増加する材料の層によって画定されており、前記増加する材料の層が上部分、下部分及び左右の側部分を有し、前記左側部分から前記右側部分まで測定された幅が、対応する前側又は後側腰部縁部のうちの最も近い全体の幅の少なくとも３０％を含み、実質的に長手方向軸線の周りを中心にしており、前記上部分から前記下部分まで測定された高さが少なくとも１０ｍｍであり、
前記増加する材料の層がエラストマーフィルム、エラストマーストランド又はエラストマー片だけでは形成されず、
前記前側及び後側の増加したウエストバンド領域の両方が少なくとも０．５０Ｎの剛性を有する、使い捨ておむつ。
７．前記前側及び後側領域の１つ又は両方が別個の弾性ウエストバンド構造を含む、組み合わせ１〜６のいずれか１つに記載のおむつ。
８．４．０ｍｍ未満のキャリパーを有する、組合せ１〜７のいずれか１つに記載のおむつ。

キャリパー測定法
本明細書の目的のため、「キャリパー」測定は、０．０１ｍｍ単位まで測定可能な小野測器デジタルキャリパー（株式会社小野測器（日本）のＤＧ−３６１０デジタルゲージを備えるＧＳ−５０３リニアゲージセンサ、又は同等のもの）を使用して行われる。円形足部の直径は１．００ｃｍであり、及び加える圧力は２．１ｋＰａ（０．３０ｐｓｉ）である。

試料物品を、着用者に面する表面を上向きにして実験台に置く。はさみを使用して、任意の長手方向に配向された弾性部材を、効果的に物品が実質的に平らに静置されるように、バリアカフに若しくは脚縁部周りに、約２．５センチメートル（１インチ）間隔で又はその他の方法で留める。

３つの測定部位が、以下の通り試料物品で確認される。
（１）横方向に中心で（すなわち、おむつの長手方向中心線に沿って）及び吸収性コアの吸収性構造の最も後側端部の５ｍｍ内側寄り
（２）測定部位（１）の左に横方向に２０ｍｍ
（３）測定部位（１）の右に横方向に２０ｍｍ

各測定部位で、キャリパーは、足部を直接アンビルにおいて、デジタルゲージをゼロにセットすることによって、最初にゼロの目盛りに合わされる。次いで足部が上げられて、試料が、着用者に面する表面を上に及び測定部位を足部下の中央にして、キャリパーアンビルの上に置かれる。足部が試料に載るまで、約５ｍｍ／秒で下げられる。５秒の滞留時間後の測定値を取り、０．０１ｍｍ単位で記録する。足部を上げて、他の測定部位でも同様のやり方で測定を繰り返す。３つの部位の測定値が平均されて、０．０１ｍｍ単位で報告される。３つの実質的に同一の試料全部が測定されて、それぞれの３つの測定部位の測定値が平均されて、０．０１ｍｍ単位で報告される。

剛性試験方法
ウエストバンド領域の剛性が、１０Ｎのロードセルを装着したコンピュータインタフェースを有する一定速度の拡張引張試験機（好適な計器は、ＭＴＳ Ｓｙｓｔｅｍｓ Ｃｏｒｐ．（Ｅｄｅｎ Ｐｒａｉｒｉｅ、Ｍｉｎｎｅｓｏｔａ）から入手可能な、ＴｅｓｔＷｏｒｋｓ ４ソフトウェアという名称のＭＴＳ Ｉｎｓｉｇｈｔ Ｍｏｄｅｌ １ ＥＬである）を使用して測定される。図３及び図４に示されるプランジャブレード１００が上部可動試験用固定具に使用されて、及び支持プラットフォーム２００が下部定置試験用固定具として使用される。すべての試験は、２３℃±２℃、及び５０％±２％の相対湿度に維持された空調室で行われる。

本試験方法の説明の、すべての寸法及び「左」及び「右」の意味は、図３に示される図に関連する。

上部固定具１００の構成要素は軽量な材料から作製されて、利用可能なロードセル容量を最大化する。シャフト１０１は引張試験機に合うように機械加工されて及び固定輪１０２を有して、プランジャブレード１０３を安定させて並びに下部固定具２００の試験面２０５と直交する垂直面と一致するのを維持する。プランジャブレード１０３は奥行き１１０ｍｍ×高さ３５ｍｍ×厚さ０．９ｍｍであり、及び半径０．４５ｍｍの丸い底縁部１０４を有する。ブレードは、底縁部１０４が試験面２０５の表面と平行であるように、シャフトに固定される。

下部固定具２００が、引張試験機に合うように機械加工したシャフト２０１及び固定輪２０２を備える引張試験機に取り付けられる。横方向に移動可能な支持プラットフォーム２０４がレール２０３に取り付けられて、調整後その位置を係止するため止めネジ２０７を有する。試験面２０５は、幅９０ｍｍ×奥行き１１５ｍｍの研磨したステンレス鋼から作製されており、支持プラットフォーム２０４の最上部に取り付けられる。カバープレート２０６が、幅１４０ｍｍ×奥行き９０ｍｍで厚さ５．６ｍｍのプレキシグラスから作製される。厚さ５．６ｍｍ×幅２５ｍｍ×奥行き９０ｍｍのシム部分２０７が、１０ｍｍのカバープレート２０６の底部に付着し、及び、カバープレート２０６の左縁部と平行である。９０７ｇ±５ｇ、幅約５０ｍｍ、奥行き１２５ｍｍの重り２０８が、試験中、図３に示すようにシムの右縁部と整列した左縁部を備えたカバープレート２０６の上に置かれる。

試験前に、２３℃±２℃、及び５０％±２％の相対湿度で２時間、試料を調整する。試験片が、おむつから、７６．２ｍｍ±１ｍｍの正方形の切断ダイを使用して取り除かれる。おむつは、着用者に面する側を下にして、ＬＥＸＡＮポリカーボネート樹脂熱可塑性物質から作製された平らな表面のプレート上に置かれる。前側腰部が弾性体を含む場合、物品は試験のために弛緩した未延伸状態で維持される。おむつの長手方向中心線に沿って、前側腰部から７４ｍｍの部位を測定して、印をつける。ダイの中心と印をつけた部位を一致させて、ダイ縁部と物品の中心線を平行及び垂直に合わせて、ダイを物品の上に置く。位置合わせをしたあと、液圧プレスを使用して、おむつから試験片を切り取る。

プランジャブレード１０３の底部が試験面２０５上部平面より２５．００±０．０１ｍｍ上になるように、ゲージ高さを設定する。ブレード１０３の左垂直面が試験面２０５（距離２０９）の右側縁部の右側に５．００ｍｍ±０．０１ｍｍずれるように、プラットフォーム２０４の位置を設定する。引張試験機をプログラムして、クロスヘッドを１２７ｍｍ／分の速度で３５．００ｍｍ下方へ下げて、同時に変位及び力データを周波数１００Ｈｚで収集する。

図３を参照すると、試験片２１１を着用者に面する側を下にして、試験片の前側腰部縁部と試験面２０５の右縁部を平行にして、試験面２０５上に置く。試験片の１．００ｃｍ±０．０５ｃｍが試験面２０５の右縁部の先に伸びるように（距離２１０）、試験片を調整する。カバープレート２０６の右縁部を試験面２０５の右縁と一直線に合わせて、試験片の上にカバープレート２０６を置く（シムは試料のうしろで試験面に載せる）。次に、左端部とシム２０７の右縁部を整列させたカバープレート２０６の上に、重り２０８を置く。

ロードセル及びクロスヘッド位置をゼロに合わせる。試験を開始して、データを収集する。結果として生じる力（Ｎ）対変位曲線（ｍｍ）からピーク力を算出して、０．０１Ｎ単位まで報告する。全部で１５つの実質的に同一の物品で試験を繰り返す。ウエストバンド領域の剛性を１５つの繰り返し実験の平均値として、０．０１Ｎの単位まで報告する。

ヒステリシス試験方法
活性化、又は別の方法でまだ実質的に伸長されていない対象材料の試料を得る試料は、試験における伸縮方向に沿って少なくとも１５ｍｍのゲージ長を提供するのに十分でなければならず、少なくとも５ｍｍの一定幅（試験における伸縮方向に垂直）を有するものでなければならない。

ヒステリシス試験は、様々な特定された歪み値に使用することができる。ヒステリシス試験は、コンピュータと接続された市販の引張試験機（例えば、Ｉｎｓｔｒｏｎ Ｅｎｇｉｎｅｅｒｉｎｇ Ｃｏｒｐ．（Ｃａｎｔｏｎ、ＭＡ）製、ＳＩＮＴＥＣＨ−ＭＴＳ Ｓｙｓｔｅｍｓ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（Ｅｄｅｎ Ｐｒａｉｒｉｅ，ＭＮ）製又は同等のもの）を利用する。コンピュータを使用して、試験速度及び他の試験パラメータを制御し、データの収集、計算、及び報告をする。試験は、２３℃±２℃及び湿度５０％±２％の実験室条件下で行われる。試料は、試験前２４時間調整される。

試験プロトコル
１．適切なグリップ及びロードセルを選択する。グリップは、平面を有していなければならず、その全幅に沿って試料を把持するのに十分広くなければならない。また、グリップは、試料が試験中に滑らないことを確実にするのに十分な力を提供しなくてはならない。ロードセルは、試験する試料からの引張応答がロードセル容量の２５％〜７５％の間であるように選択される。
２．製造者の指示書にしたがって試験機を較正する。
３．グリップ間の距離（ゲージ長）を１５ｍｍに設定する。
４．均一な幅がゲージ長方向に垂直な方向に沿って位置するように、グリップの平面に試料を設置する。試料を上グリップで固定し、試料をたるんだ状態で垂れ下がるようにし、次いで下グリップを閉じる。予負荷された緩みを０．０２Ｎ／ｃｍに設定する。これは、緩みが０．０２Ｎ／ｃｍの力で取り除かれる（１０ｍｍ／分の一定のクロスヘッド速度で）ときに、データ収集が開始することを意味する。歪みは、調整されたゲージ長（ｌ_ｉｎｉ）に基づいて計算されて、該調整されたゲージ長は０．０２Ｎ／ｃｍの力の引張試験機のグリップの間の試料の長さである。この調整されたゲージ長が最初の試料長さとされて、それは歪み０％に対応している。試験の任意の時点の歪み率が、調整されたゲージ長で割って１００を掛けた長さの変化として定義される。
５（ａ）第１サイクル負荷：試料を、一定のクロスヘッド速度１００ｍｍ／分で特定の歪み（ここでは１００％）まで引っ張る。グリップの間に伸びた試料長さをｌ_ｍａｘとして報告する。
５（ｂ）第１サイクル除荷：試料を特定の歪みで３０秒間保持し、続いてクロスヘッドを１００ｍｍ／分の一定のクロスヘッド速度でその開始位置に戻す（歪み０％又は最初の試料長さｌ_ｉｎｉ）。試料を１分間緩めた状態に保つ。
５（ｃ）第２サイクル負荷：試料を、一定のクロスヘッド速度１００ｍｍ／分で特定の歪みまで引っ張る。
５（ｄ）第１サイクル除荷：次いでクロスヘッドを１００ｍｍ／分の一定のクロスヘッド速度でその開始位置（すなわち、０％変形）まで戻す。

コンピュータデータシステムは、試験中に試料に加えられた力を、適用された歪みの関数として記録する。発生した得られたデータから、以下の量が報告される（負荷が試料の幅で割った力として報告されており、試料の厚みを考慮していない点に注意する）。
ｉ．予負荷された緩み０．０２Ｎ／ｃｍ（ｌ_ｉｎｉ）のグリップ間の０．００１ｍｍ単位の試料長さ。
ｉｉ．特定の歪み（ｌ_ｍａｘ）での第１サイクルでのグリップ間の０．００１ｍｍ単位の試料長さ。
ｉｉｉ第２サイクル負荷力０．０２Ｎ／ｃｍ（ｌ_ｅｘｔ）のグリップ間の０．００１ｍｍ単位の試料長さ。
ｉｖ．０．００１ｍｍ単位の、（ｌ_ｅｘｔ−ｌ_ｉｎｉ）／（ｌ_ｍａｘ−ｌ_ｉｎｉ）^＊１００％と定義される、％歪み。

試験は６つの別個の試料で繰り返されて、平均値及び標準偏差が報告された。

ヒステリシス試験は、測定される特定の材料試料の予測された特質及び／又は特性に応じて、適切に修正されることができる。例えば、試験は、上記で指定される長さ及び幅の試料が対象のパンツから利用可能ではない場合、適切に修正されてよい。

本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「４０ｍｍ」と開示された寸法は、「約４０ｍｍ」を意味するものである。

いずれの文献の引用もこうした文献が本明細書中で開示又は特許請求の範囲に記載されるいずれかの発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のあらゆる参照文献との組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献（単数若しくは複数）と組み合わせたときに、そのような発明すべてを教示、提案、又は開示するとはみなされない。更には、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。

本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内であるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

Claims (8)

1. 使い捨ておむつであって、
   着用に面する面を形成する液体透過性トップシート（１０）と、外側に面する面を形成する液体不透過性バックシート（２０）と、前側腰部縁部（３６）で終端する前側領域（３５）と、後側腰部縁部（３８）で終端する後側領域（３７）と、前記前側腰部縁部から前記後側腰部縁部まで測定された全長（ＤＬ）と、前記前側腰部縁部及び前記後側腰部縁部に接続している左右の長手方向縁部と、バックシートを左右半分に分けている長手方向軸線（９１）と、前記後側領域の前記左右それぞれの長手方向縁部から横方向にそれぞれ延在するとともにその終端に近接する機械的締結具（４２）をそれぞれ有する、弾性的延伸性の左右の締結部材（４０）と、前記機械的締結具と協働してその間で付着をもたらすために構成される前記前側領域のランディング領域（４５）と、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される吸収性コア（３０）と、を備え、前記吸収性コアが前側コア縁部、後側コア縁部、及び前記前側コア縁部から前記後側コア縁部まで測定されたコア長（ＣＬ）を有し、前記コア長が前記全長未満であり、前記吸収性コアが超吸収性粒子を含み、
   前記前側及び後側それぞれの腰部領域に対応する前側及び後側の増加したウエストバンド領域（６４、６６）を含み、前記増加したウエストバンド領域のそれぞれが前記トップシート及びバックシートに加えて増加する材料の層（７０、７２）によって画定されており、前記前側コア縁部及び前記後側コア縁部は、前記増加する材料の層に重なり合っておらず、前記増加する材料の層が上部分、下部分及び左右の側部分を有し、前記左側部分から前記右側部分まで測定された幅（Ｗ）が少なくとも６０ｍｍであり、長手方向軸線の周りを中心にしており、前記上部分から前記下部分まで測定された高さ（Ｈ）が少なくとも１０ｍｍであり、
   前記増加する材料の層がエラストマーフィルム、エラストマーストランド又はエラストマー片だけでは形成されず、
   前記前側及び後側の増加したウエストバンド領域の両方が０．５０Ｎ〜２．０Ｎの剛性を有する、使い捨ておむつ。
2. 前記前側及び後側の増加したウエストバンド領域のうちの少なくとも１つの前記増加する材料の層の前記上部分が、前記対応する前側又は後側腰部縁部の５ｍｍ以内にある、請求項１に記載のおむつ。
3. 前記前側及び後側の増加したウエストバンド領域のうちの少なくとも１つの前記増加する材料の層の前記上部分が、前記対応する前側又は後側腰部縁部と同一の広がりを持つ、請求項２に記載のおむつ。
4. 前記前側及び後側の増加したウエストバンド領域のうちの前記増加する材料の層の統合された重量が、前記増加する材料の層を除いたおむつ総重量の少なくとも１．０％を含む、請求項１〜３のいずれか一項に記載のおむつ。
5. 前記増加する材料の層の１つ若しくは両方がその中に又はその上に着色剤を有しており、前記着色剤は、おむつの外側から見て、長手及び横方向の前記増加する材料を直接取り囲むすべての可視材料の中に若しくは上に存在しない、請求項１〜４のいずれか一項に記載のおむつ。
6. 前記前側及び後側領域の１つ又は両方が別個の弾性ウエストバンド構造を含む、請求項１〜５のいずれか一項に記載のおむつ。
7. ４．０ｍｍ未満のキャリパーを有する、請求項１〜６のいずれか一項に記載のおむつ。
8. 前記左側部分から前記右側部分まで測定された幅（Ｗ）が、対応する前側又は後側腰部縁部のうちの最も近い全体の幅の少なくとも３０％を含む、請求項１〜７のいずれか一項に記載のおむつ。

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