JP6272985B2 - 基地局装置及び通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、無線伝送路を介して移動局と通信可能な基地局装置及びその基地局装置を備えた通信システムに関するものである。
近年の移動通信システムにおけるトラフィックの急増に対応すべく、従来のマクロ基地局やピコ基地局よりもセル(無線通信エリア)が狭い小型基地局(例えば特許文献1、2参照)の需要が高まっている。
特開2006−093778号公報 特開2007−259289号公報
図10、11はそれぞれ、従来例に係る小型基地局を含む通信システムの概略構成の一例を示す説明図である。図10、11に示すように、小型基地局20は、無線伝送路22を介して移動局としての移動機10との間で双方向に通信することができる。また、小型基地局20は、バックホール回線26、ルータ24及びインターネット30を介して、コアネットワークに設置された各種のコアネットワーク装置40と通信することができる。
図10の通信システムにおいて、移動機10へ向かうダウンリンク(DL)のデータ通信を行う場合、バックホール回線26の通信速度(スループット)は例えば100Mbpsであり、無線伝送路22のダウンリンク(DL)の通信速度(例えば75Mbps)よりも高い。また、移動機10からのアップリンク(UL)のデータ通信を行う場合、バックホール回線26の通信速度は例えば50Mbpsであり、無線伝送路22のダウンリンク(DL)の通信速度(例えば37Mbps)よりも高い。このようにダウンリンク及びアップリンクのいずれの場合も、バックホール回線26の通信速度が無線伝送路22の通信速度よりも高いので、小型基地局20でデータの滞留は発生しない。
しかしながら、小型基地局は、上記マクロ基地局やピコ基地局のような公共エリアだけでなく、ユーザの個宅に設置されるケースも想定される。このようなケースの場合、図11に示すように、小型基地局のバックホール回線26としてADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等の低速回線が使用されることがある。
例えば図11の通信システムにおいて、移動機10へ向かうダウンリンク(DL)のデータ通信では、バックホール回線26の通信速度は例えば10Mbpsであり、無線伝送路22のダウンリンク(DL)の通信速度(例えば75Mbps)よりも低い。このように小型基地局のバックホール回線として低速回線が使われる場合、無線伝送路22において無線リソースの無駄が発生してしまうおそれがある。無線リソースの無駄に使用すると、隣接する基地局のセル(無線通信エリア)の移動局へのDL/ULの干渉が発生しやすくなる。
また、移動機10からのアップリンク(UL)のデータ通信では、バックホール回線26の通信速度は例えば7Mbpsであり、無線伝送路22のアップリンク(UL)の通信速度(例えば37Mbps)よりも低い。このように小型基地局20のバックホール回線26として低速回線が使われる場合、小型基地局20側で上りデータのバッファオーバーフローを引き起こすおそれがある。
本発明の一態様に係る基地局装置は、無線伝送路を介して移動局と通信可能な基地局装置であって、当該基地局装置のバックホール回線の通信速度の情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段で取得した前記バックホール回線の通信速度の情報と、前記無線伝送路のチャネル帯域幅とに基づいて、前記無線伝送路の通信速度が前記バックホール回線の通信速度以下になるように、前記無線伝送路の通信パラメータを調整するパラメータ調整手段と、を備える。
前記基地局装置において、前記パラメータ調整手段は、前記移動局との間の回線品質の情報を取得し、前記取得した回線品質に対応するMCS(変調符号化方式)を示すMCSインデックスと同等又はより低位のMCSインデックスを選択し、TBS(搬送ブロックサイズ)を示すTBSインデックスとTBSの値とPRB(物理リソースブロック)の数との間の対応関係を示す対応データと、前記選択したMCSインデックスに対応するTBSインデックスと、前記無線伝送路のチャネル帯域幅に応じたRBG(リソースブロックグループ)サイズと、前記バックホール回線の通信速度の情報とに基づいて、前記無線伝送路の通信速度が前記バックホール回線の通信速度以下になるTBSの最大値を選択し、前記無線伝送路を介した移動局との通信に用いるMCSインデックス及びPRBの数として、前記選択したTBSの最大値に対応するMCSインデックス及びPRBの数を決定してもよい。
また、前記基地局装置において、前記パラメータ調整手段は、前記選択したMCSインデックスに相当するTBS(搬送ブロックサイズ)インデックスに基づいて、前記バックホール回線の通信速度以下となるTBSの候補を選択し、前記選択したTBSの候補から、前記無線伝送路のチャネル帯域幅に応じたRBG(リソースブロックグループ)サイズの整数倍となるPRB(物理リソースブロック)に対応するTBSの候補の最大値を選択してもよい。
また、前記基地局装置において、前記パラメータ調整手段は、前記無線伝送路の通信速度が、前記バックホール回線の通信速度に補正係数C(0<C≦1)を掛けた値以下になるように、前記無線伝送路の通信パラメータを調整してもよい。
本発明の他の態様に係る基地局装置は、無線伝送路を介して移動局と通信可能な基地局装置であって、当該基地局装置のバックホール回線の通信速度の情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段で取得した前記バックホール回線の通信速度の情報に基づいて、前記無線伝送路の通信速度が、前記バックホール回線の通信速度に補正係数C(0<C≦1)を掛けた値以下になるように、前記無線伝送路の通信パラメータを調整するパラメータ調整手段と、を備える。
前記いずれかの基地局装置において、前記情報取得手段は、前記バックホール回線の通信速度の情報を定期的に取得し、前記パラメータ調整手段は、前記バックホール回線の通信速度が所定の閾値以下になったときに、前記無線伝送路の通信パラメータの調整を実行してもよい。
また、前記いずれかの基地局装置において、前記無線伝送路で空間多重可能に構成され、前記パラメータ調整手段は、前記無線伝送路のダウンリンクにおける空間多重を行わないように調整してもよい。
また、前記いずれかの基地局装置において、前記無線伝送路で複数種類の変調符号化方式を選択可能に構成され、前記パラメータ調整手段は、前記無線伝送路における変調符号化方式を低速度対応の変調符号化方式に変更するように調整してもよい。
また、前記いずれかの基地局装置において、前記情報取得手段は、前記バックホール回線の通信速度の情報をサーバ装置から取得してもよい。
また、本発明の一態様に係る通信システムは、前記基地局装置を備え、その基地局装置のバックホール回線の通信速度を測定するサーバ装置を、コアネットワーク側に備える。
本発明によれば、バックホール回線の通信速度に応じて移動局との間で適切な通信が可能になるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの概略構成の一例を示す説明図である。 図2は、本実施形態の小型基地局を構成する基地局装置の要部の概略構成例を示す機能ブロック図である。 図3Aは、本実施形態の通信システムの無線伝送路におけるダウンリンクの通信パラメータ(空間多重数、変調方式、帯域幅)を決定する通常の決定手順の一例を示す説明図である。 図3Bは、本実施形態の通信システムの無線伝送路におけるダウンリンクの通信パラメータ(空間多重数、変調方式、帯域幅)を決定する通常の決定手順の他の一例を示す説明図である。 図4は、本実施形態の通信システムの無線伝送路におけるアップリンクの通信パラメータ(変調方式、帯域幅)を決定する通常の決定手順の一例を示す説明図である。 図5は、本実施形態の通信システムにおいてバックホール回線が低速の場合の無線伝送路におけるダウンリンクの通信パラメータを調整する調整手順の一例を示す説明図である。 図6は、リソースブロックグループ(RBG)の一例を示す説明図である。 図7は、図5の通信パラメータ調整における物理リソースブロック(PRB)数及びMCSインデックスの決定手順の一例を示す説明図である。 図8は、本実施形態の通信システムにおいてバックホール回線が低速の場合の無線伝送路におけるアップリンクの通信パラメータを調整する調整手順の一例を示す説明図である。 図9は、図8の通信パラメータ調整における物理リソースブロック(PRB)数及びMCSインデックスの決定手順の一例を示す説明図である。 図10は、従来例に係る小型基地局と高速のバックホール回線とを含む通信システムの概略構成を示す説明図である。 図11は、従来例に係る小型基地局と低速のバックホール回線とを含む通信システムの概略構成を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの概略構成の一例を示す説明図である。図1において、本実施形態の通信システムは、LTE(Long Term Evolution)の仕様に準拠した通信システムであり、無線伝送路22を介して移動局としての移動機10と通信可能な小型基地局20を備えている。更に、本実施形態の通信システムは、各種のコアネットワーク装置40のほか、小型基地局20のバックホール回線26の通信速度を測定するサーバ装置としてのスループット測定サーバ50を備えている。なお、図1では、移動機10及び小型基地局20をそれぞれ1台ずつ図示しているが、移動機10及び小型基地局20はそれぞれ複数であってもよい。
小型基地局20は、広域のマクロ基地局やピコ基地局とは異なり、無線通信可能距離が数m乃至数百m程度であり、一般家庭、店舗、オフィス等の屋内にも設置することができる小容量の基地局である。小型基地局20は、移動体通信網における広域のマクロ基地局がカバーするエリアよりも小さなエリアをカバーするように設けられるため「フェムト基地局」と呼ばれたり、「Home e−Node B」や「Home eNB」と呼ばれたりする場合もある。小型基地局20は、ADSL回線や光回線等のブロードバンド公衆通信回線などのバックホール回線26と、バックホール回線26の途中に設けられたルータ24と、インターネット30とを介して、移動体通信網のコアネットワークに接続され、コアネットワーク上に設けられた各種のコアネットワーク装置40及びスループット測定サーバ50それぞれとの間で所定の通信インターフェースにより通信することができる。
移動機10は、携帯電話機やスマートホンなどの通信端末からなるユーザ装置(UE)であり、小型基地局20のセルに在圏するときに、その在圏するセルに対応する小型基地局と間で所定の通信方式及び無線リソースを用いて無線通信することができる。移動機10は、例えばCPUやメモリ等を有するコンピュータ装置、無線通信部などのハードウェアを用いて構成され、所定のプログラムが実行されることにより小型基地局20等との間の無線通信等を行うことができる。
スループット測定サーバ50は、例えばCPUやメモリ等を有するコンピュータ装置、コアネットワークに対する外部通信インターフェース部などのハードウェアを用いて構成されている。スループット測定サーバ50は、所定のプログラムが実行されることにより、小型基地局20のバックホール回線26の通信速度を測定する。例えば、スループット測定サーバ50は、所定のタイミングに(例えば定期的に)、バックホール回線26を介して小型基地局20と通信を行い、バックホール回線26の小型基地局側に向かうダウンリンク(DL)及びコアネットワーク側に向かうアップリンク(UL)それぞれにおける通信速度を測定する。その測定結果は、スループット測定サーバ50内の所定の記憶装置に保存される。また、スループット測定サーバ50は、小型基地局20から受信した情報取得要求に応じて、上記バックホール回線26の通信速度の測定結果の情報を小型基地局20に送信する。
図2は、本実施形態の小型基地局20を構成する基地局装置200の要部の概略構成例を示す機能ブロック図である。基地局装置200は、例えばCPUやメモリ等を有するコンピュータ装置、コアネットワークに対する外部通信インターフェース部、無線通信部などのハードウェアを用いて構成され、所定のプログラムが実行されることにより、後述のバックホール回線26の通信速度の情報を取得する処理を実行したり、移動機10との間の無線伝送路の通信パラメータを調整する処理を行ったりすることができる。
図2において、基地局装置200は、送受共用器(DUP:Duplexer)201と上り無線受信部202とSC−FDMA(Single-Carrier Frequency-Division Multiple Access)復調部203とCQI・RI抽出部204と上りSINR測定部205とを備える。更に、基地局装置200は、制御信号生成部206とOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調部207と下り無線送信部208と制御部210とバックホール通信部211とを備える。基地局装置200は、CPU、RAM、ROMなどからなるコンピュータ装置や、高周波回路装置等のハードウェアで構成される。なお、基地局装置200にはアンテナを含めてもよい。
上り無線受信部202は、LTEに規定されているアップリンク用のSC−FDMA方式で変調された情報を含む無線信号を、アンテナ及び送受共用器201を介して、移動機10から受信する。
SC−FDMA復調部203は、SC−FDMA方式で変調されている受信信号を復調して受信データを得る。
CQI・RI抽出部204は、SC−FDMA復調部203で復調された受信データから、下り通信品質情報としてのチャネル品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)と、適切な送信レイヤ数に関するランク情報(RI:Rank Indicator)とを抽出する。
上りSINR測定部205は、上り無線受信部202で受信された参照信号(DMRS:Demodulation Reference Signal,SRS:Sounding Reference Signal)に基づいて、上り通信品質情報としての所望波対干渉波の雑音電力比(SINR:Signal to Interference plus Noise Ratio)を測定し、そのSINRの測定結果を制御部210に渡す。
また、制御信号生成部206は、制御部210が決定した通信パラメータの情報に基づいて、ダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)を含む制御信号としての物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)信号を生成する。
OFDM変調部207は、制御信号生成部206から受けた物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)信号や物理共有チャネル(PUSCH)信号などの下り信号のデータを、所定の電力で送信されるように、OFDM方式で変調する。
下り無線送信部208は、OFDM変調部207で変調した送信信号を、送受共用器201及びアンテナを介して送信する。
制御部210は、例えばコンピュータ装置で構成され、所定のプログラムが読み込まれて実行されることにより、各部を制御したり各種処理を実行したりする。
また、制御部210は、バックホール通信部211と協働して、バックホール回線26の通信速度の情報をスループット測定サーバ50から受信する情報受信手段として機能する。
図3A及び図3Bはそれぞれ、本実施形態の通信システムの無線伝送路22におけるダウンリンクの通信パラメータ(空間多重数、変調方式、帯域幅)を決定する通常の決定手順の一例を示す説明図である。ここで、ダウンリンクの場合の通信速度(伝送速度)は、その無線伝送路22におけるMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)の空間多重数と、変調方式と、帯域幅とによって決まる。
図3Aの例において、まず手順(1)に示すように、移動機10は、小型基地局20からの下り通信品質や無線伝送路22の状況に基づいて、MIMOの空間多重の受信が可能かどうかを判断し、その判断結果を送信レイヤ数に関するランク情報(RI)として小型基地局20に報告する。ここで、RI=1の場合はMIMOによる空間多重の受信ができないことを意味し、RI=2の場合は、2×2のMIMOによる空間多重の受信が可能であることを意味する。
次に、手順(2)に示すように、小型基地局20は、移動機10から受信したRIに基づいて、MIMOによる空間多重の送信を行うか否かを決定する。
次に、小型基地局20は、上記決定したMIMOによる空間多重数、変調方式及びPRB数等に従い、下りデータ信号を移動機10に送信する。
図3Bの例において、まず手順(1)に示すように、移動機10は、小型基地局20からの下り通信品質をCQI(Channel Quality Indicator)として、小型基地局20に報告する。
次に、手順(2)に示すように、小型基地局20は、移動機10から受信したCQIや、QoS(Quality of Service)を実現するための所要データレート、スケジューリング、移動機の数等に基づいて、下りリンクの変調方式と、帯域幅に対応する物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)の数とを決定する。
次に、小型基地局20は、上記決定した変調方式及びPRB数等に従い、下りデータ信号を移動機10に送信する。
図4は、本実施形態の通信システムの無線伝送路22におけるアップリンクの通信パラメータ(変調方式、帯域幅)を決定する通常の決定手順の一例を示す説明図である。ここで、アップリンクの場合の通信速度(伝送速度)は、その無線伝送路22における変調方式と帯域幅とによって決まる。
図4の例において、まず手順(1)に示すように、小型基地局20は、移動機10からから送信される参照信号(DMRS:Demodulation Reference Signal,SRS:Sounding Reference Signal)に基づいて、上りSINR(所望波対干渉波の雑音電力比)を測定する。
次に、手順(2)に示すように、小型基地局20は、上りSINRや、QoSを実現するための所要データレート、スケジューリング、移動機の数等に基づいて、上りリンクの変調方式と、帯域幅に対応する物理リソースブロック(PRB)の数等を決定し、DCI(Downlink Control Information)として移動機10に指示する。
次に、手順(3)に示すように、移動機10は、小型基地局20からDCIにて指示された変調方式及びPRB数等に従い、上りデータ信号を送信する。
図5は、本実施形態の通信システムにおいてバックホール回線26が低速の場合の無線伝送路22におけるダウンリンクの通信パラメータを調整する調整手順の一例を示す説明図である。なお、図5において、通信パラメータの調整前の無線伝送路22のダウンリンク(DL)の通信速度は75Mbpsである。
図5において、まず手順(1)に示すように、小型基地局20は、定期的にスループット測定サーバ50に接続し、バックホール回線26の下り回線速度(図示の例では1Mbps)の情報を取得する。
次に、図5中の手順(2)に示すように、移動機10は、定期的に下り回線品質を測定し、その測定結果であるCQIインデックス及びRIを小型基地局20に報告する。ここでは、例として、CQIインデックス=12及びRI=2が報告されたものとする。
次に、図5中の手順(3)に示すように、小型基地局20は、手順(1)で取得したバックホール回線26の下り回線速度の情報と、手順(2)で移動機10から受信した下り回線品質の情報とに基づいて、例えば以下に示すように移動機10に対する無線伝送路22の通信パラメータを調整する。
表1は、CQIインデックスと変調方式と符号化率との関係を示す対応データのCQIテーブルの一例である。この表1によれば、移動機10は、CQIインデックス=12を報告しているので、変調方式:64QAM及び符号化率666/1024=0.65を要求している。
Figure 0006272985
また、表2はダウンリンクの場合の変調符号化方式(MCS:Modulation and Coding
Scheme)を示すMCSインデックスと、変調方式と、搬送ブロックサイズ(TBS:Transport Block Size)インデックスとの関係を示す対応データのMCSテーブルの一例である。ここで、搬送ブロックサイズ(TBS)は、1送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)=1ミリ秒で送信し得るビット数である。また、表3は、搬送ブロックサイズ(TBS)インデックスとPRB数との関係を示す対応データのTBSテーブルの一例である。また、表4は、無線伝送路のチャネル帯域幅[MHz]とリソースブロックグループ(RBG:Resource Block Group)サイズ[PRB]との関係を示す対応データのテーブルの一例である。
Figure 0006272985
Figure 0006272985
Figure 0006272985
表4のRBGは、下り制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)のオーバーヘッド削減を目的としたものである。PDCCHは、ダウンリンクのデータを送信するための共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)に付帯するチャネルであるが、PDCCH自体に下りデータを重畳することは無いため、極力そのサイズを小さくすることが望ましい。
図6はRBGの一例を示す説明図である。図6の例は、RBGサイズが4PRBの場合の例である。ここで、チャネル帯域幅が20MHz(100PRB)である例にとると、RBGの概念が無い場合、つまり、1PRB単位でPDSCHの無線リソースを割り当てた場合、当該PRBのマッピングを示す制御情報量は100bitとなる。一方、RBGの概念を取り入れた場合、表4よりRBGサイズが4PRBであるため、つまり4PRB単位でPDSCHの無線リソースを割り当てるため、所要制御情報量は100/4=25bitとなる。つまり、RBGの概念を導入することで、無線リソースの割り当て粒度は荒くなるものの、約1/4のビット数でPDSCHの無線リソース割り当てが表現可能となる。
図5の例では、上記表2、表3及び表4を用いて、例えば、ダウンリンクの通信パラメータであるMIMOのレイヤ数(空間多重信号数)、変調符号化方式(MCS)及び物理リソースブロック(PRB)を、次の(3A)〜(3C)に示すように調整する。
(3A)バックホール回線26の通信速度が所定の閾値(例えば5Mbps)以下であるので、小型基地局20は、移動機10からの報告中のRI=2を無視し、MIMOのレイヤ数=1を決定する。同時に、表1のCQIインデックス=12の場合のMCS(移動機から要求されたMCS)と同等かあるいはより低位のMCSを、表2より選択する。例えば、16QAMを選択する。
(3B)次に、上記選択したMCSに相当するTBSインデックス(=9〜15)に基づいて、無線伝送路22の通信速度がバックホール回線速度以下となるTBSの候補を、表3から選択する。本例のバックホール回線速度は1Mbpsであるため、TBS=1000以下となるTBSの候補を選択する。例えば、表3の例では、TBSインデックスが9以上15以下の範囲内のTBS(表3中の太線内)であり、且つ、TBS=1000以下となるTBSの候補を選択する。
(3C)次に、上記(3B)で選択したTBSの候補のうち、無線伝送路22のチャネル帯域幅に応じたRBGサイズの整数倍となるPRB数の列のみに属するTBSの候補を選択する。ここでは、表4により、チャネル帯域幅は20MHzとしているためRBGサイズは4PRBであり、上記(3B)で選択したTBSの候補のうちPRB数が4の列に属する5個のTBSの候補(616,680,776,904,1000)が選択される。
次に、上記(3C)で残ったTBSの候補のうち最大のTBSを選択する。図7の例では、TBS=1000を選択する。この最大のTBSに対応したPRB数及びMCSインデックスを、最終的に選択したPRB数及びMCSインデックスとする。図7の例では、PRB数=4及びMCSインデックス=14となる。
以上の通信パラメータの調整により、次のように無線伝送路22のダウンリンクの通信パラメータを決定する。
−MIMOのレイヤ数:1(=送信ダイバーシチ)
−PRB数:4
−MCSインデックス:14(=16QAM)
なお、上記決定した通信パラメータの場合、無線伝送路22のダウンリンクの通信速度(スループット)は、1000(bit)×1000(TTI/sec)=1[Mbps]となる。
次に、図5中の手順(4)に示すように、小型基地局20は、上記調整後の通信パラメータに従い、移動機10に対して下りデータを送信する。
以上、図5で示した無線伝送路22におけるダウンリンクの通信パラメータの調整により、無線伝送路22の無線リソースを有効利用でき、周辺の無線通信エリア(セル)の移動局10への干渉を低減できる。特に、図5の例では、バックホール回線26の通信速度の情報だけでなく無線伝送路22のチャネル帯域幅を考慮して、無線伝送路22の通信パラメータを調整している。従って、無線伝送路22のチャネル帯域幅の影響を受けることなく、無線伝送路22の無線リソースの有効利用及び周辺の無線通信エリア(セル)の移動局10への干渉低減をより確実に実現できる。
図8は、本実施形態の通信システムにおいてバックホール回線26が低速の場合の無線伝送路22におけるアップリンクの通信パラメータを調整する調整手順の一例を示す説明図である。なお、図8において、通信パラメータの調整前の無線伝送路22のアップリンク(UL)の通信速度は37Mbpsである。
図8において、まず手順(1)に示すように、小型基地局20は、定期的にスループット測定サーバ50に接続し、バックホール回線26の上り回線速度(図示の例では500kbps)の情報を取得する。
次に、図8中の手順(2)に示すように、小型基地局20は、定期的に移動機10が送信する信号(例えばSRS)に基づいて、上り回線品質として、上りSINR(所望波対干渉波の雑音電力比)を測定する。
次に、図中の手順(3)に示すように、小型基地局20は、手順(1)で取得したバックホール回線26の上り回線速度の情報と、手順(2)で測定した上り回線品質の情報とに基づいて、例えば以下に示すように移動機10に対する無線伝送路22の通信パラメータを調整する。
表5はアップリンクの場合の変調符号化方式(MCS)を示すMCSインデックスと、変調方式と、搬送ブロックサイズ(TBS)インデックスとの関係を示す対応データのMCSテーブルの一例である。また、表6は、搬送ブロックサイズ(TBS)インデックスとPRB数との関係を示す対応データのTBSテーブルの一例である。
Figure 0006272985
Figure 0006272985
上記表5及び表6を用いて、例えば、アップリンクの通信パラメータである変調符号化方式(MCS)及び物理リソースブロック(PRB)を、次の(3A)〜(3C)に示すように調整する。
(3A)バックホール回線26の通信速度が閾値(例えば5Mbps)以下であるので、小型基地局20は、移動機10との間の無線伝送路22について測定された上り回線品質の測定結果に基づく最適なMCSより低位のMCSを表5より選択する。例えば、QPSKを選択する。
(3B)次に、上記選択したMCSに相当するTBSインデックス(=0〜10)に基づいて、無線伝送路22の通信速度がバックホール回線速度以下となるTBSの候補を、表6から選択する。本例のバックホール回線速度は500kbpsであるため、TBS=500以下となるTBSの候補を選択する。例えば、表6の例では、TBSインデックスが0以上10以下の範囲内のTBS(表6中の太線内)であり、且つ、TBS=500以下となるTBSの候補を選択する。
(3C)次に、上記(3B)選択したTBSの候補のうち最大のTBSを選択する。図9の例では、TBS=472を選択する。この最大のTBSに対応したPRB数及びMCSインデックスを、最終的に選択したPRB数及びMCSインデックスとする。図9の例では、PRB数=4及びMCSインデックス=7となる。
以上の通信パラメータの調整により、次のように無線伝送路22のアップリンクの通信パラメータを決定する。
−PRB数:4
−MCSインデックス:7(=QPSK)
なお、上記決定した通信パラメータの場合、無線伝送路22のアップリンクの通信速度(スループット)は、472(bit)×1000(TTI/sec)=472[kbps]となる。
次に、図8中の手順(4)に示すように、小型基地局20は、移動機10に対して上記調整後の通信パラメータであるPRB数及びMCSインデックスを指示する。
次に、図8中の手順(5)に示すように、移動機10は、上記手順(4)で小型基地局20から受けた指示に従い、上りデータを送信する。
以上、図8で示した無線伝送路22におけるアップリンクの通信パラメータの調整により、基地局装置200でのデータの滞留が無くなり、上りデータのバッファオーバーフローを防止できる。
なお、上記実施形態では、無線伝送路22の通信速度(スループット)がバックホール回線26の通信速度以下になるように無線伝送路22の通信パラメータを調整しているが、無線伝送路22の通信速度が、バックホール回線26の通信速度に補正係数Cを掛けた値以下になるように、無線伝送路22の通信パラメータを調整してもよい。このように補正係数Cを用いることにより、通信サービス維持のための帯域を確保しつつ、より確実にバックホール回線の輻輳を回避することができる。
例えば、無線伝送路22のダウンリンクの通信速度(スループット)がバックホール回線26の下り通信速度に補正係数Cを掛けた値以下になるように、無線伝送路22の通信パラメータを調整してもよい。また、無線伝送路22のアップリンクの通信速度(スループット)がバックホール回線26の上り通信速度に補正係数Cを掛けた値以下になるように、無線伝送路22の通信パラメータを調整してもよい。すなわち、上記各実施形態において、ターゲットとする無線伝送路22のダウンリンク/アップリンクのスループットは、バックホール回線26の下り/上り回線速度に補正係数Cをかけたものとしてもよい。この補正係数Cは、例えば0<C≦1を満たす範囲内の値である。
また、上記補正係数Cは、移動機10による無線伝送路22を介した通信サービスの品質の識別子(QCI:QoS Class Identifier)に基づいて設定してもよい。例えば、表7に示すように、上記補正係数Cは、各移動機10の通信サービスのQoS(Quality of Service)を示すQCI(QoS Class Identifier)に対応付けて設定してもよい。
Figure 0006272985
例えば、表7においてQCI=1は音声サービスを示す。この代表例がVoLTE(Voice over LTE)であるが、音声コーデックは高音質規格AMR−WB(Adaptive Multi-Rate Wide Band)であっても最大23.85kbpsに過ぎない反面、通信サービス維持のため帯域保証が要求される(GBR:Guaranteed Bit Rate)。この場合、上記補正係数Cを大きくとり(例えば0.9)、より確実にバックホール回線の輻輳を回避したほうがよい。
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
10 移動機(移動局、ユーザ装置、MUE)
20 小型基地局
22 無線伝送路
24 ルータ
26 バックホール回線
30 インターネット
40 コアネットワーク装置
50 スループット測定サーバ

Claims (9)

  1. 無線伝送路を介して移動局と通信可能な基地局装置であって、
    当該基地局装置のバックホール回線の通信速度の情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段で取得した前記バックホール回線の通信速度の情報と、前記無線伝送路のチャネル帯域幅とに基づいて、前記無線伝送路の通信速度が前記バックホール回線の通信速度以下になるように、前記無線伝送路の通信パラメータを調整するパラメータ調整手段と、を備え
    記パラメータ調整手段は、
    前記移動局との間の回線品質の情報を取得し、
    前記取得した回線品質に対応するMCS(変調符号化方式)を示すMCSインデックスと同等又はより低位のMCSインデックスを選択し、
    TBS(搬送ブロックサイズ)を示すTBSインデックスとTBSの値とPRB(物理リソースブロック)の数との間の対応関係を示す対応データにおいて、前記選択したMCSインデックスに対応する複数のTBSインデックスに基づき、前記無線伝送路の通信速度が前記バックホール回線の通信速度以下となるTBSの複数候補の範囲を選択し、前記選択したTBSの複数候補の範囲から、前記無線伝送路のチャネル帯域幅に応じて決定したRBG(リソースブロックグループ)サイズの整数倍となるPRB(物理リソースブロック)に対応するTBSの候補の最大値を選択し、
    前記無線伝送路を介した移動局との通信に用いるMCSインデックス及びPRBの数として、前記選択したTBSの最大値に対応するMCSインデックス及びPRBの数を決定することを特徴とする基地局装置。
  2. 請求項1の基地局装置において、
    前記パラメータ調整手段は、前記無線伝送路の通信速度が、前記バックホール回線の通信速度に補正係数Cを掛けた値以下になるように、前記無線伝送路の通信パラメータを調整することを特徴とする基地局装置。
  3. 請求項2の基地局装置において、
    前記補正係数Cは、0<C≦1を満たす範囲内の値であることを特徴とする基地局装置。
  4. 請求項2又は3の基地局装置において、
    前記補正係数Cは、前記無線伝送路を介した通信サービスの品質の識別子に基づいて設定されていることを特徴とする基地局装置。
  5. 請求項1乃至のいずれかの基地局装置において、
    前記情報取得手段は、前記バックホール回線の通信速度の情報を定期的に取得し、
    前記パラメータ調整手段は、前記バックホール回線の通信速度が所定の閾値以下になったときに、前記無線伝送路の通信パラメータの調整を実行することを特徴とする基地局装置。
  6. 請求項1乃至のいずれかの基地局装置において、
    前記無線伝送路で空間多重可能に構成され、
    前記パラメータ調整手段は、前記無線伝送路のダウンリンクにおける空間多重を行わないように調整することを特徴とする基地局装置。
  7. 請求項1乃至のいずれかの基地局装置において、
    前記無線伝送路で複数種類の変調符号化方式を選択可能に構成され、
    前記パラメータ調整手段は、前記無線伝送路における変調符号化方式を低速度対応の変調符号化方式に変更するように調整することを特徴とする基地局装置。
  8. 請求項1乃至のいずれかの基地局装置において、
    前記情報取得手段は、前記バックホール回線の通信速度の情報をサーバ装置から取得することを特徴とする基地局装置。
  9. 通信システムであって、
    請求項の基地局装置を備え、
    前記基地局装置のバックホール回線の通信速度を測定するサーバ装置を、コアネットワーク側に備えることを特徴とする通信システム。
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