JP6272892B2 - 自動特徴解析、比較、及び異常検出 - Google Patents

自動特徴解析、比較、及び異常検出 Download PDF

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Description

本発明は、自動データ解析に関する。より具体的には、本発明は、自動特徴解析、比較及び異常検出のためのシステム、デバイス及び方法に関する。
[関連出願の相互参照]
本願は、2012年11月9日付け出願の米国仮特許出願第61/724,813号の優先権を主張し、その開示は、参照によりここに全てが組み込まれる。
[政府の権利に関する記述]
本発明は、陸軍研究所(ARO)によって与えられた認可番号W81XWH-09-1-0266による政府助成によってなされた。政府は、本発明においてある種の権利を有する。
本発明の第1の態様では、コンピュータに実装された方法が記載される。このコンピュータに実装された方法は、複数の物理的オブジェクトを記述する複数の物理的特徴を検出するように構成された複数のセンサを備えるセンシング及び解析デバイスを提供するステップと、前記センシング及び解析デバイスにより、前記複数の物理的特徴に基づいて、前記複数の物理的オブジェクトを表す複数の特徴ベクトルを生成するステップであって、該複数の特徴ベクトルは、前記複数の物理的特徴を記述する複数の成分を含み、該複数の成分の各成分は、数値的範囲を有し、前記複数の物理的特徴の各物理的特徴は、各特徴ベクトル内の少なくとも1つの成分によって表される、該生成するステップと、前記センシング及び解析デバイスにより、前記各成分の前記数値的範囲を0及び1の間の範囲に変換するステップであって、該変換は、以下の式により実行され、
ここで、F1ijは、オブジェクトith及び特徴成分jthの正規化値であり、OrigFijは、オブジェクトithのオリジナルの特徴成分jthであり、MinF及びMaxFは、特徴成分jthの最小値及び最大値であり、それにより得られた、第1の複数の正規化特徴ベクトルは、第1の複数の正規化成分を含み、前記第1の複数の正規化特徴ベクトルの各第1の正規化特徴ベクトルの各物理的特徴のために、全数の成分をさらに含む、該変換するステップと、前記第1の複数の特徴ベクトルの各第1の正規化特徴ベクトルのために、前記センシング及び解析デバイスにより、各第1の正規化特徴ベクトルの各物理的特徴のための前記複数の正規化成分を、前記第1の正規化特徴ベクトルの各物理的特徴のための前記全数の成分で割るステップであって、それにより第2の複数の正規化特徴ベクトルを得る、該割るステップと、前記センシング及び解析デバイスにより、前記第2の複数の正規化特徴ベクトルを以下の式により正規化するステップであって、
ここで、F2ijは、前記第2の複数の正規化特徴ベクトルの特徴ベクトルの成分であり、F3ijは、第3の複数の正規化特徴ベクトルの各特徴ベクトルの合成成分である、該正規化するステップと、前記センシング及び解析デバイスにより、前記第3の複数の正規化特徴ベクトルをクラスタリングするステップであって、それにより、複数のクラスタ正規化特徴ベクトルを得る、該クラスタリングするステップと、前記センシング及び解析デバイスにより、前記複数のクラスタ正規化特徴ベクトルに主成分解析を適用するステップであって、それにより、距離フラグ値及び第1の評価された複数の正規化特徴ベクトルを得る、該適用するステップと、前記センシング及び解析デバイスにより、閾値に基づいて、前記複数のクラスタ正規化特徴ベクトルの各特徴ベクトルを数えることにより、数フラグ値を計算するステップであって、それにより、第2の評価された複数の正規化特徴ベクトルを得る、該計算するステップと、前記センシング及び解析デバイスにより、前記第1又は第2の評価された複数の正規化特徴ベクトルに基づいて、前記複数の物理的オブジェクトを解析するステップと、を含む。
AGFAのための一般的なワークフローを示す図である。 クラスタリングの概要例として、幾何学的形状の集合体を示す図である。 例示的なセンシング及び解析デバイスを示す図である。 本発明に係る一実施形態を実施するための、ターゲットハードウェアの例示的な実施形態を示す図である。
添付図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本発明の一以上の実施形態を例示し、例示的な実施例の記載と併せて本発明の原理及び実施態様を説明するために用いられる。
本発明は、多種多様な応用分野からデータを集計して特徴を抽出することに適用することができる、自動データ解析に関する。あるデータセットから特徴を抽出する類似の技術は、別のデータセットに適用することができる。例えば、地質調査は、地球又は火星の領域についてのデータを収集することができる。収集されるデータは、視覚画像、X線画像、質量解析、化学サンプル等を含むことができる。本開示では、特徴空間内のそのようなデータを集計し、それらを記述する数学的エンティティを定義し、そのデータから特徴を抽出し、さらに解析結果を出力する方法を記載する。例えば、ある視覚的な特徴は、ある鉱物の存在を示すことができ、その一方で、X線画像又はハイパースペクトル画像は、その鉱物の存在を示す違った機会を与えることができる。そのような場合では、例えば視覚的画像に対するX線画像のような、各データセットの相対的な重要性及び信頼性を決定するために、人道的介入が、通常、必要になり得る。本発明では、特徴ベクトルである数学的エンティティを、自動比較解析を可能とするフォーマット(特徴ベクトル)の異なるデータセット(例えば、視覚的画像に対してX線画像)に含まれる情報を表現するために用いる。従って、本発明の自動システム、デバイス又は方法は、異なるデータセットの特徴を自動解析することができる。同様の方法は、他の用途に用いることができ、他の用途として、例えば、医療診断、金融システム及び軍事偵察が挙げられる。よって、そのような方法、デバイス又はシステムは、自動汎用特徴解析(AGFA)と称することができる。
全ての用途に対して、AGFAは、特徴ベクトルで構成される特徴を抽出して提供することができる。一度、特徴ベクトルを生成すれば、その後、AGFAフレームワークは、作動することができる。結果として、AGFAは、データをクラスタ化することができ、さらに、特徴空間に基づいて異常を検出することができる。言い換えれば、特徴空間内でデータは変換され、その後、その空間内でそのデータを解析することができる。この変換を経て、データの由来に関係なく、データの自動解析が可能になる。さらに、AGFAは、各々の特徴ベクトルに基づいて、オブジェクトを他のオブジェクトと比較することを可能にする。ある実施形態では、異なる時刻間での特徴ベクトルの差異を解析することにより、経時的変化の解析を実行することができる。例えば、同一特徴ベクトルを、時刻1及び時刻2で、それ自体と比較してもよい。
図1は、AGFA105を、特徴空間110内の多種多様な用途に適用させ、各用途110に対し結果115を与える様子を示す図である。
例えば、地質、鉱業、資源配分、及び(軍事)偵察への適用に関して、特徴空間は、特定の特徴からなる特徴ベクトルを含むことができる。ある実施形態において、特徴ベクトルに含まれる特徴のリストは、以下のものを含むことができる:色;アルベド(明るさ);セグメント化されたオブジェクト円周の楕円フィット(この楕円フィットによって、長半径及び短半径を生成し、これらの比率によって、オブジェクトの円形度を測ることができる);程度;斜度;密集度;サイズ;テクスチャ評価のためのガボールフィルタ;マルチスペクトルデータ;ハイパースペクトルデータ;分光分析データ;生物学的汚染濃度;化学的汚染濃度;放射能汚染。
上記の特徴へのAGFAの適用後、得ることができる結果は、以下のものを含むことができる:関心領域の境界/描写;異常検出;自動車両制御;探査機器のためのガイダンス。ある実施形態において、本発明による方法は、ステロイド開発に適用することができる。
他の例として、医療診断において、AGFAを適用することができる特徴は、以下のものを含むことができる:患者固有のデータ(例えば:年齢、身長、体重、性別);血液検査結果;尿/糞便検査結果;X線、CT、MRI、fMRI、超音波画像/結果;マルチスペクトルデータ;ハイパースペクトルデータ;パルス;心拍数;眼圧;頭蓋内圧;血圧;肺容量。
上記の特徴へのAGFAの適用後、得ることができる結果は、以下のものを含むことができる:医療診断;手術用機器のガイダンス(例えば、腹腔鏡手術);腫瘍治療のための関心領域の境界/描写;異常検出。
他の例として、金融市場において、AGFAを適用することができる特徴は、以下のものを含むことができる:株式価値;開始入札;最終入札;取引期間を通じた入札;金価格;株価指数(ダウ・ジョーンズ、S&P500等);取引量(例えば、株の#)。
上記の特徴へのAGFAの適用後、得ることができる結果は、以下のものを含むことができる:買い/維持/売りの決定;トレンドにおける異常検出。
AGFAを適用する他の例に、視野がある。ある状況では、人間の目における視野欠損の医療診断は、大規模に(例えば、世界中で数千から数百万の人々)行われることがあり、又は、それは遠隔的に行われることがあり、例えば、地球上の遠隔地で、又は、宇宙飛行士の場合は火星への宇宙ミッション上で、又は月の人間定住地で、行われてもよい。
そのような場合において、視野欠損の検出のための自動システムは有利である。そのような状況において、臨床専門家が存在しない場合でも、統合自動評価システムは、3D計算機化閾値アムスラーグリッド(3D−CTAG)の視野データを解析して、客観的に視野欠損(例えば、視野領域の欠損による暗点)の識別及び評価をすることができる。視野欠損の識別及び評価は、以下の数値的方法によって行うことができる:(1)「視野データ変換」であり、これは、視野欠損の面積及び体積、欠損及び保存面積勾配、及び傾斜分布を含む;(2)「暗点データ変換」であり、これは、暗点周辺部/波形度、及び暗点中心の位置を含む。当業者に知られるように、アムスラー検査は、視野検査である。さらに、AGFAフレームワークは、他の視野検査データにも、同様に適用することができ、例えば、ハンフリー視野アナライザーに適用することができる。
[視野データ変換]
[コントラストレベル毎の視野欠損面積の計算]
未加工の3D−CTAGデータは、体系的に評価することができ、まず、データに存在する別個のコントラスト感度レベルの数nを評価し、次に、平方度(例えば、格子点)の数における面積(面積はAiで示す、ここで、0%≦i≦100%は、パーセントコントラストレベルを示す)を評価し、そして、各コントラストレベルでの視野欠損のパーセンテージ(A/検査面積)を評価する。従って、パーセンテージ及び面積は、存在する最低コントラストでの健全な視野を示す最上位レベル100と伴に、コントラスト感度の関数として視野欠損を提供する。
[損失及び保存面積勾配の計算]
欠損面積勾配(LAG)は、最低検査コントラストレベル(A100)での暗点面積で、最高検査コントラストレベル(A)での暗点面積を割ることにより計算される。次に、この面積比率に、コントラスト感度スケーリング係数を乗算し、ここで、コントラスト感度スケーリング係数は、暗点深さ(100−h)を全深さ(100)で割り、その後、二乗して縮退を除去した:((100−h)/100)から成る。従って、完全な尺度は、(A/A100)×((100−h)/100)である。保存面積勾配(PAG)は、最高検査コントラストレベル(A)での保存視野面積で、最低検査コントラストレベル(A100)での保存視野面積を割り、その後、上記のようなコントラスト感度スケーリング係数を乗算することにより計算され、(A100/A)×((100−h)/100)である。コントラスト感度スケーリング係数を二乗しなければ、これらの2つの尺度(例えば、LAG及びPAG)において、縮退が発生する。例えば、浅い暗点は、とても広い面積比率のLAG及びPAGを与えることがあるため、そのLAG及びPAGは、十分に小さい面積比率を与える急勾配の暗点によるLAG及びPAGと一致するかもしれない。
[視野欠損の体積計算]
100未満のコントラスト感度の各レベルでのデータポイントの数は、視野欠損の体積(Σ{i}Ai(100−i))を決定するために、各データポイントでのコントラスト感度における欠損によって乗算される。その後、視野欠損の体積は、視野欠損体積のパーセンテージを決定するために、視野検査体積全体で割られる。
[視野欠損の傾斜勾配(及び傾斜勾配のヒストグラム)]
傾斜勾配は、独立して決定され、例えば、水平方向(x)及び垂直方向(y)の両方において決定される。傾斜勾配は、コントラスト感度(例えば、100−i)の欠損を度数(Δx又はΔy)で割ったものとして定義され、ここで、度数(Δx又はΔy)は、欠損が起こる個所である。傾斜勾配は、水平方向に対しては((100−i)/Δx)、垂直方向に対しては((100−i)/Δy)である。傾斜ヒストグラムは、垂直方向又は水平方向どちらかの傾斜勾配の分布を表す。暗点の中心から計算された放射傾斜勾配は、同様の方法で処理することができる。
[暗点データ変換]
[暗点中心]
各検査コントラスト感度レベルでの全ての暗点データポイントのx値及びy値は、各検査コントラスト感度レベルでの暗点中心のための座標を得るために、平均化される。中心の各々は、視野全体のデータポイントと一緒に、3Dにおいてプロットされる。続いて、この中心は、平均中心を得るために、平均化される。その後、各中心から平均中心への平均距離及び距離の標準偏差が計算される。そして、各暗点に対する全中心及び平均中心は、散布図にプロットされる。
[暗点周辺部]
各検査コントラスト感度レベルでの暗点周辺部ポイントは、レベルの各々での非暗点ポイント(例えば、現在のレベルよりも大きいコントラスト感度レベルを持つもの)に水平的及び/又は垂直的に隣接するポイントに対して、暗点内にあるポイントのリストをスキャンニングすることにより、測定され記憶される。
[波形度]
波形度の測定では、各コントラスト感度レベルでの暗点周辺部を、曲率の変化として評価する。周辺部上の全ポイントには、順次番号が付される。第1ポイント(p=1)から開始し、ユークリット距離は、周辺部(p)に沿った各ポイントと、周辺部(p)のリスト(p+x)の下でユーザ定義の指標オフセット(x)であるポイントとの間で、計算される。全ユークリット距離は、平均化され、その後、ヒストグラムとして表示される。処理は、各コントラスト感度レベルにおいて、例えば、異なる2つのユーザ定義の指標オフセットを用いて、実行される。鋭いピークのヒストグラム(例えば、1つのピーク)は、滑らかな周辺部(波形のない)を持つ暗点を示し、ヒストグラム左端の方のピークは、より強い湾曲した周辺部(例えば、曲率半径の小さな周辺部)を示し、その一方で、ヒストグラム右端の方のピークは、曲率半径の大きな周辺部を示す。
[変形視症を評価する一般的な指標セット]
変形視症による現象(例えば、欠損の代わりにアムスラーグリッド線の一直線が、歪み又はうねること)を評価するために、3Dにおいて、乱視(例えば、変形視症)及び視野欠損(例えば、暗点)の両方の自動特徴評価のため、アルゴリズムのより一般的な上位セットを、実装することができる。以下の客観的な特徴評価指標は、視野欠損を説明するために用いることができる。
見えてない位置検査での絶対#:コントラストに関係なく、見えてないアムスラーグリッド点の数。
見えてない位置検査での相対#:コントラストに関係なく、見えてない位置検査の絶対数を、利用可能な検査位置の全数で割ったものであり、[パーセント]で与えられる。
XX%コントラストでの視野障害の面積:所定のアムスラーグリッドコントラストで、見えないものとしてマークされたアムスラーグリッド点の数。
XX%コントラストでの視野障害の相対面積:所定のアムスラーグリッドコントラストで見えないものとしてマークされたアムスラーグリッド点の数を、その所定のアムスラーグリッドコントラストでの利用可能な検査位置の全数で割ったものであり、[パーセント]で与えられる。
絶対視力の丘の欠損“体積”:見えてない視野の総和面積に、測定された検査コントラストレベル(%で)の各々を乗算したものであり、[パーセント度]で与えられる。
相対視力の丘の欠損“体積”:絶対欠損体積を、測定された検査視力の丘の全体で割ったもので、[パーセント]で与えられる。
欠損面積勾配(LAG):最高検査コントラストレベルにおいて存在する暗点面積を、最低検査コントラストレベルにおいて存在する暗点面積で割ったものに、測定した実際の暗点深さを乗算したもので、[パーセント]コントラストで与えられる。
保存面積勾配(PAG):最低検査コントラストレベルにおいて存在する保存視野面積を、最高検査コントラストレベルにおいて存在する保存視野面積で割ったものに、測定した実際の暗点深さを乗算したもので、[パーセント]コントラストで与えられる。
逆欠損面積勾配(ILAG):最低検査コントラストレベルにおいて存在する暗点面積を、最高検査コントラストレベルにおいて存在する暗点面積で割ったものに、測定した実際の暗点深さを乗算したもので、[パーセント]コントラストで与えられる。
逆保存面積勾配(IPAG):最高検査コントラストレベルにおいて存在する保存視野面積を、最低検査コントラストレベルにおいて存在する保存視野面積で割ったものに、測定した実際の暗点深さを乗算したもので、[パーセント]コントラストで与えられる。
上記の特徴評価指標は、被験者の視野の時間的変化における定性的及び定量的分析を可能にする。上記指標の変形例があり、また、当業者に公知の追加の指標がある。
以下において、視野検査の例を用いて、AGFAによる異なる特徴評価を説明する。具体的な例を用いてAGFAを説明するが、異なる用途が想定されることを、当業者は理解できるであろう。
ある実施形態において、AGFAは、フラグ演算によるステップを含むことができる。フラグ演算ステップは、特徴ベクトル正規化処理を含んでいてもよい。
[特徴ベクトル正規化処理]
AGFAは、オブジェクトを解析するために用いることができる。オブジェクトは、例えば、視野データセット、画像内の要石等であってよい。各オブジェクトは、全ての特徴成分値を用いて与えられる特徴(成分)ベクトルを持つ。言い換えれば、特徴ベクトルは、異なる成分を含むことができ、各成分は、特定の値を持つ。特徴成分値は、(最大値及び最小値の点で)異なる範囲であってもよい。さらに、特徴成分は、離散的又は連続的な値を持つことができる。画像内のオブジェクトを比較するために、特徴内の成分の範囲及び数から独立した特徴成分値を生成するため、それらを正規化することが必要となるかもしれない。
言い換えれば、オブジェクトには、特徴ベクトルが割り当てられる。特徴ベクトルは、異なる成分を含んでいてもよい。各成分は、他の成分とは異なる一定の範囲を持つことができる。特徴ベクトルを比較するために、特徴ベクトルの比較が可能になる各成分の範囲の正規化は、有利でありえる。
例えば、色(整数値範囲[0,255]を用いた、R、G、B成分)と傾斜度(1成分のみを用いた実数値範囲[0,1])とのような2つの特徴に基づく2つのオブジェクトを比較することは不可能である。この例では、色の特徴は、傾斜度の特徴と比較すると、成分の数が3倍である。従って、成分の数に基づいて重みが割り当てられれば、色の特徴は、傾斜度の3倍の重みとなるだろう。さらに、各色の成分は、傾斜度の特徴が範囲[0,1]であるのに対して、範囲[0,255]を持つ。従って、色の成分は、傾斜度よりも、255倍以上の重みを与えることになる。この問題を解決するために、範囲[0,1]の各成分を正規化するための三段階の正規化処理を、実施することができる。さらに、この正規化処理は、特徴内の成分の数とは関係なく比較をレンダリングする。
ある実施形態では、最小―最大正規化と称される正規化の第1ステップにおいて、特徴特成分値を、以下の公式を用いて、実数値範囲[0,1]内に変換する。
ここで、F1ijは、オブジェクトith及び特徴成分jthの最小―最大正規化値であり、OrigFijは、オブジェクトithのオリジナルの特徴成分jthであり、MinF及びMaxFは、特徴成分jthの最小値及び最大値である。各特徴成分に対する最小値及び最大値は、例えばRGB色のための[0,255]のような、モデル内のその特徴のための理論的な範囲であってよい。他の実施形態では、最小値及び最大値は、理論的な範囲の特定のサブセット範囲とすることができ、例えば、オブジェクトの特定コレクションにおけるRGB色のための[20,120]であって、この場合、20以下の値又は120以上の値は、存在しない。さらに、他の実施形態では、最小値及び最大値は、ユーザ定義であってもよい。
正規化の第2ステップは、特徴次元正規化と称すことができ、ここでは、各特徴成分値は、特徴内の成分の数で割ることができ、以下の式による。
ここで、F2ijは、オブジェクトith及び特徴成分jthの特徴次元正規化値であり、Nは、特徴jthの次元の数である。
正規化の第3のステップは、絶対的正規化と称することができ、ここでは、以下の式が適用される。
上記の3つの正規化ステップによって、特徴値が、実数値範囲[0,1]内になり、さらに、成分の数から独立することを保証する。これは、例えばオブジェクトが異常であるか否かを決定するために、各特徴成分値が、オブジェクトの特徴分析において等しく寄与することを保証する。
特徴ベクトルの正規化処理後、フラグ演算ステップは、逐次クラスタリングを含む。
[逐次クラスタリング]
ある実施形態では、前のステップにおいて得られた特徴成分ベクトルによって、画像内のオブジェクトを特徴付けることができる。1つ又は複数のオブジェクトが異常であるか否かを決定付ける次の可能なステップは、そのオブジェクトを異なるグループに分類することである。一実施形態において、逐次クラスタリング方法を実施することができ、この方法によって、入力ベクトルは、実時間内の自然数のクラスタに分類される。K平均クラスタリングのような他のクラスタリングに対するこの方法の想定される利点は、ベクトルを分類するクラスタの数を、設定する必要がないことである。この方法は、ベクトルをクラスタリングするだけでなく、クラスタの自然数を決定する。
他の(教師あり又は教師なし)クラスタリング方法を用いることができ、例えば、レベルセット解析を用いることができる。そのようなアルゴリズムは、データ自体からクラスタの自然数を自動的に決定し、これは当業者に公知である。
当業者に公知のように、基本的な逐次クラスタリング方法は、1つの閾値を含み、これにより、クラスタ中心からの距離が閾値未満となるベクトルは特定のクラスタに分類され、実質的に単一パス内の全てのベクトルはクラスタリングされる。ある実施形態において、本発明で実施される逐次クラスタリング方法は、閾値が2つあり、全てのベクトルをクラスタリングするためのパス数が複数あってもよいという意味で、基本的な方法とは異なる。
逐次クラスタリングの基本的な形式では、最初の入力ベクトルは、その中心となる最初のクラスタにビニングされる。次の入力ベクトルは、そのベクトルから既存クラスタの中心までの距離が所定の閾値未満であれば、その既存クラスタの1つにビニングされ、そのベクトルから既存クラスタの中心までの距離が所定の閾値以上であれば、新しいクラスタにビニングされる。この方法の起こり得る欠点は、全てのベクトルが単一パス内でクラスタリングされるため、クラスタの形成及びクラスタメンバが、ベクトルが入力する順番に依存することである。他の起こり得る欠点として、閾値の選択が結果に影響することがあり、例えば、閾値を変化させることによって、クラスタの数に違いが生じたり、異なるメンバを持つ同じ数のクラスタが生成されたりする。
本発明のある実施形態では、別の方法が実施され、これにより、ベクトルとクラスタ中心との間の距離を計算するとき、ユークリット距離が考慮される。これは、標準的な逐次クラスタリング方法の改良版で構成される。本開示では、この改良された方法を、確実逐次クラスタリングと称する。
確実逐次クラスタリングでは、2つの閾値t,t(t>t)は、ベクトルF3と最近接クラスタCの中心との間のユークリッド距離d(F3,C)がt未満となる場合にそのベクトルは対応するクラスタに属するように選択される。次に、d(F3,C)がt以上となる場合、ベクトルF3はクラスタCに属さない。しかし、t<d(F3,C)<tである場合、ベクトルF3がCに属することは確実ではなく、そのビニングは延期される。2つの閾値を導入することで、最もよくデータに反映する1つのみの閾値を選択することの困難さを克服する。さらに、不確定性の場合におけるベクトルの分類を延期することは、複数パスをもたらし、入力するデータ又はベクトルの順番による起こり得る欠点を克服する。確実逐次クラスタリングは、例えば、「効率的な逐次クラスタリング方法(An efficient sequential clustering method)(Trahanias P 等による パターン認識22:449-53,1989)」に記載され、その開示は参照により、本開示に組み込まれる。
他の実施形態では、K平均クラスタリングをさらに用いることができるが、逐次クラスタリングとは異なり、事前にクラスタの数を設定する必要がある。
逐次クラスタリング後、フラグ演算ステップは、主成分解析を含むことができる。
[主成分解析]
前節で説明した特徴成分ベクトルのクラスタリングによれば、画像又はデータセット内で検出される他のオブジェクトから異常であるどのオブジェクトに関する情報でも、与えることができる。異常は、特徴、又は特徴のセット又は組み合わせ(例えば、「指紋」)のいずれであってもよい。しかし、この方法によって、さらなる調査のために、異常が実際に関心のあるものか否かを決定できる必要はないかもしれない。
図2は、クラスタリングの概要例として、幾何学的形状の集合体を示す図である。図2において、各幾何学的形状は、1つのオブジェクトを表す。図2に示すオブジェクト201,202,203,204,206,207,208,210,211,212,213は、類似の形状を持つように一緒にクラスタリングすることができ、これらに含まれないオブジェクト205は、他のオブジェクト201,202,203,204,206,207,208,210,211,212,213と類似の形状を有するが、異なるパターン又はテクスチャを有し、さらにオブジェクト209は、他のオブジェクト201,202,203,204,206,207,208,210,211,212,213とは異なる形状を有する。従って、2つのオブジェクト205,209は、残りのオブジェクト201,202,203,204,206,207,208,210,211,212,213と共に、クラスタリングされるべきではない。2つのオブジェクト205,209は、異常であり、それら自身でクラスタリングされるべきである。図2の人間の目視検査から、オブジェクト205,209は、異なる形状、パターン又はテクスチャを有することを理解することが可能である。しかしながら、自動クタスタリング方法では、人間の目視検査なしで、どの程度の異常が“真”の異常であるかを、重要性に関する限り、特定しない。言い換えれば、オブジェクト205のパターン異常又はテクスチャ異常やオブジェクト209の形状異常が、さらなる調査のために、実際に重要性がある場合、その程度までの異常が特定される。従って、異常の重要性は、クラスタリング段階のみでは、定量化することができない。そのような異常の重要性の定量化は、主成分解析ステップを経て、実行することができる。他の例では、異なる違いが存在してもよく、例えば、パターン又はテクスチャの代わりに、色が存在してもよい。
主成分解析(PCA)は、データを新しい座標系に変換する直交線形変換として定義することができ、そのような新しい座標系では、データの予測による最大分散が第1座標(第1主成分と呼ぶ)となるようにし、第2の最大分散が第2成分となるようにしていく。そのような方法は、当業者に公知であり、例えば、Jolliffe I.T.において、「主成分解析(Principal component analysis)(Wily Online Library, 2002)」に記載され、その開示は、参照により本開示に組み込まれる。
主成分の数は、変数又はベクトルの数より、大きくない。この着想は、各クラスタの第1主成分を決定することであり、これにより、特徴ベクトル空間内の1つ又は複数の成分の方向に沿った特徴ベクトルの1つ又は複数の構成成分のための、最大分散を示すことができる。
表1に、図2示すオブジェクトのクラスタリングを詳述する。
図2に示すオブジェクトの例では、各クラスタの第1主成分を決定することが目的である。特徴成分値の番号Nは、特徴成分ベクトルの次元である。FがM×N行列であって、ここで、Mがクラスタ内の特徴成分ベクトルの番号であり、各ベクトルが行列の一行を構成する場合、そのとき、主成分を評価するために用いられる典型的な方法は、固有値及び固有ベクトルを決定するために、Fの共分散行列を分解することである。この処理の例として、例えば、Press等らにおいて、「C言語による数値計算のレシピ(Numerical Recipes in C)(ケンブリッジ大学出版局、1992)」があり、その開示は、参照により本開示に組み込まれる。固有ベクトルは、主成分に沿った単位ベクトルであり、固有値は、それらに対応する大きさである。特異値分解は、以下の式を用いて、固有値及び固有ベクトルを決定するために、用いることができる。

CоvF=U×D×V‘

ここで、CоvFは、行列FのN×N共分散行列であり、Uは、行列CоvFの固有ベクトルのN×Nユニタリ行列であり、Dは、固有値であるN対角値を有するN×Mの長方形対角行列であり、V‘は、M×Nユニタリ行列である。
最大固有値は、クラスタの第1主成分の大きさであり、すなわち、最大固有値は、そのクラスタ内のベクトルの最大分散と伴にその方向を定量化する。固有値は、固有ベクトルの長さであり、ここで、固有ベクトルは、クラスタの主成分の最大分散の方向を与える。例えば、表2は、表1及び図2に示すクラスタの最大固有値を示す。
2つのクラスタが共通する要素がないか否かを決定するために、特徴空間におけるクラスタの中心間のユークリッド距離と、各クラスタの最大固有値の和を比較することができる。ユークリット距離がその和より小さい場合、そのとき、2つのクラスタは重複し、そうでない場合、2つのクラスタは特徴空間内で共通する要素がない。他の実施形態では、より正確な距離を測定するために、各固有値に属し対応する固有ベクトルが、2つのクラスタ間の各距離ベクトル上に投影される。2つのクラスタに共通する要素がない場合、すなわち、ユークリット距離が最大固有値の和より小さい場合には、クラスタの1つに属するオブジェクトは、その特徴に関して、他のクラスタに属するオブジェクトとは大きく異なる可能性がある。クラスタが重なる場合、そのときは、異常がある。この特性は、距離フラグにより、定量化することができる;クラスタに共通する要素がない場合、距離フラグは赤として設定することができ(数値的には、例えば、1の値)、クラスタが重複する場合、距離フラグは緑として設定することができる(数値的には、例えば、0の値)。表1及び表2の例に続いて、表3は、表2に示す3つのクラスタ間のペアワイズ関係に対する距離フラグ値を示す。表3から分かるように、全てのクラスタは、各々、共通する要素がなく、それらの距離フラグは1の値となる。クラスタに共通する要素がないことを示すために、異なる値を使用してもよいことが、当業者によって理解されよう。例えば、ある実施形態では、距離フラグは、クラスタに共通する要素がないことを示すために、0に設定してもよく、又は、別の実施形態では、距離フラグは、連続的な値をとることができ、例えば、重複又は共通する要素のなさの程度に比例して、0又は1の間の値をとることができる。ある実施形態では、ユークリット距離の代わりに、距離の別の形式を採用してもよい。
クラスタが異常であるか否かについて、距離フラグのみからでは、必ずしも、決定することができない。より少ない数のクラスタオブジェクトを有するクラスタは異常であると仮定することができ、この特性は、数フラグで表すことができる。例えば、クラスタ内のオブジェクトの数が、他のクラスタ内のオブジェクトの数の10パーセント(例えば、ユーザ定義の閾値)未満である場合、数フラグは、赤として設定することができ(数値的には、例えば、1の値)、他の場合は、数フラグは、緑として設定することができる(数値的には、例えば、0の値)。表3に示す例に続いて、表4にこのステップの結果を詳述する。表4から、クラスタ1及び2に対する数フラグは1であり、クラスタ1及び3に対する数フラグは1であり、クラスタ2及び3に対する数フラグは0であることが分かる。他の実施形態では、数フラグに対して別の値を使用してもよい。ある実施形態では、別の閾値を使用してもよい。例えば、閾値は、10パーセントの代わりに、20パーセントにしてもよく、或いは、10又は20パーセントとは別の他の値にしてもよい。他の実施形態では、数フラグは、連続的な値をとることができ、例えば、1つのクラスタと別のクラスタとの間のクラスタメンバの数の比率を反映して、0又は1の間の値をとることができる。
距離フラグは、クラスタの各固有ペアの距離と、対応するクラスタの最大固有値の和とに基づいて、設定することができる。他の実施形態では、別のフラグを用いてもよい。
数フラグは、各クラスタにおけるメンバの数に基づいて、設定することができる。他の実施形態では別のフラグを用いてもよい。
フラグ演算後、特徴ベクトルの解析を、所望の特定の用途に適用することができる。例えば、フラグ演算は、視野比較及び時間的変化解析に適用することができる。
[視野比較及び時間的変化解析]
視野分類目的のために、上述した方法で得られた指標は、3D−CTAG検査結果の特性である特徴ベクトルを形にするために、一緒に用いることができ、このとき、特徴ベクトルは、すなわち、視野である。結果として、視野を、例えばウェブベースの包括的な視野検査及び診断システムを用いて評価し、各特徴ベクトルを介して、(特徴ベクトルの適切な正規化後)相互に比較することができ、そして、異常を検出することができる。
本発明は、例えば、距離フラグ及び数フラグの指標を含む上述の方法に従って特徴ベクトルを決定した後、特徴ベクトルの比較が可能になるという利点を有する。
視野間の比較、及び、例えば経時的に取得した特定患者の視野セットのような、視野セット間の異常検出は、自動汎用特徴解析(AGFA)に基づく自動分類システムにより、行うことができる。
視野データ分類の場合における特徴ベクトルは、上記の相対特性指標を含むことができる:見えない位置検査の相対#、相対視力の丘の欠損体積、LAG、ILAG、PAG、IPAG。特徴ベクトルに対して、絶対的なものではなく、相対的な特性評価指標を用いる理由は、結果として生じる特徴ベクトルが、例えば視野検査面積及び保存コントラストレベルといった、各視野検査仕様から、概ね独立するためである。さもなければ、異なる検査パラメータが設定された異なる検査機で取得された異なる視野の比較は、難題となる。他の用途において、特性指標は、視野比較のために引用されたものとは、異なってもよい。例えば、金融市場及び他の用途のための特徴の指標は、本開示において上記されたものでよい。
視野比較の場合において、特徴ベクトルは、被験者の視野の時間的変化の定性的解析及び定量的解析の両方を、可能にすることができる。これらの時間的変化は、各被験者に対して異なる3D−CTAG間で以下の比較量を計算することにより、評価することができる。
重複パラメータ:2つの特徴ベクトル間のN次元スカラー積として定義され、−1から+1までの範囲であり、−1は2つの視野が互いに完全に正反対/非類似であることを示し、0は2つの視野が互いに直交していることを示し、+1は2つの視野が同一であることを示し、もちろん、これらの値の間の全ての連続的な変数が用いられる。重複パラメータは、2つの特徴ベクトル間の類似性の尺度である。
ハミング距離:特徴ベクトル成分間の差を二乗して総和したものを、特徴ベクトルの次元Nで割ったものとして定義される。ハミング距離は、常に、≧0であり、2つの特徴ベクトル間の類似性の尺度である。
ユークリッド距離:特徴ベクトル成分間の差を二乗して総和したものの平方根として定義される。ユークリット距離は、常に、≧0であり、2つの特徴ベクトル間の類似性の尺度である。
加えて、AGFAは、1人又は複数人の患者の視野検査を各特徴ベクトルに基づいて類似のクラスタに分類する他のクラスタリング技術の中で、逐次クラスタリングを行うことができ、その後、クラスタ間の比較に基づく異常解析を行うことができる。異常は、特定の特徴ベクトルや、特定の特徴ベクトルの成分(例えば、見えない位置検査の相対#、相対視力の丘の欠損体積、LAG、ILAG、PAG、IPAG)として、定義することができ、これらは、他の特徴ベクトル又は他の特徴ベクトル内の同一成分とは、大きく異なる。重複パラメータ、ハミング距離、及びユークリット距離と伴に、クラスタリング及び異常検出は、視野分類及び視野比較のための手段を提供することができる。さらに、このツールセットは、AGFAにより提供され、所定の時点での各視野を示す根本的な特徴ベクトルを解析することで、経時的な(例えば、時間的変化)視野悪化又は視野改善の評価を可能にすることができる。
また、特徴ベクトルは、予備的な診断を行うために、例えば、単層又は多層パーセプトロンシステム、並びにホップフィールドアトラクタネットワークといった、人工ニューラルネットワークへの入力として機能することができる。特に、所定の検査端末/デバイス上での各視野面積及び形状の検査へ、ホップフィールドアトラクタネットワークを適用することは簡単であり、なぜなら、ホップフィールドアトラクタネットワークのニューロンによる空間的配置の仮設は、所定の検査端末/デバイスのための実際の視野形状に対して行われないためである。
客観的な派生視野、暗点、及び変形視症の特性データによって、以下のことを行うことができる。
1.統計的方法及び人工ニューラルネットワークを介して、病気を確率的に予測すること(例を参照すると、視野分類ニューラルネットワークへの3D−CTAG適用版が、Fink Wにおいて、「視野データ分類に適用するためのニューラルアトラクタネットワーク(Neural attractor network for application in visual field data classification)(Phys Med Biol 49(13):2799-2809、2004)」に記載され;その開示は、参照によりここに完全に組み込まれる。)
2.自律惑星探査機から派生した分類方法を用いて、経時的な患者の視野における時間的変化の定性的及び定量的の両方を示すこと(例を参照すると、「自動汎用特徴解析 AGFA(Automated Global Feature Analyzer AGFA)(Fink等ら、2005;Fink等ら、2008)」;その開示は、参照によりここに完全に組み込まれる。)
このような発展した包括的視野検査及び診断システムは、以下のことを可能にする。
1.早期段階で見え方に影響する状態を検出及び診断することで、治療対策を適時に行えるようにすること。
2.状態への治療的処置の効率性及び有効性を経時的に監視すること。
本開示に記載される方法は、ハードウェアデバイスを通じて、コンピュータに実装してもよい。そのようなハードウェアデバイスは、プロセッサ、メモリ、及び複数のセンサを備える。センサは、当業者に理解されるように、多種多様の異なるセンサを含む。センサは、例えば、カメラセンサ、放射能センサ、磁気センサ、電気センサ、化学センサ、赤外線センサ、分光分析器、質量分析センサ、圧力センサ、湿度センサ、血糖値センサ、温度センサ、地震センサ、塩分センサ、速度センサ、及び加速度計、電圧計、磁気計等である。
ある実施形態では、ハードウェアデバイスは、センシング及び解析デバイスと称してもよい。ある実施形態では、デバイスは、スマートフォン又はタブレットであってよい。
図3は、例示的なセンシング及び解析デバイスを示し、プロセッサ305、メモリ310、及び複数のセンサ320,325,330,335,340,345を含む。
図4は、図1及び図2に示す実施形態を実施するための、ターゲットハードウェア10(例えば、コンピュータシステム)の例示的な実施形態を示す。このターゲットハードウェアは、プロセッサ15、メモリバンク20、ローカルインターフェースバス35、及び一以上の入力/出力デバイス40を備える。プロセッサは、図1及び図2に示す実施に関連する一以上の命令を実行することができ、命令は、メモリ20内に格納された実行可能プログラム30に基づくオペレーションシステム25により提供される。これらの命令は、ローカルインターフェース35を介して、プロセッサ15に運ばれ、これは、ローカルインターフェース及びプロセッサ15に特有のあるデータインターフェースプロトコルにより行われる。ローカルインターフェース35は、アドレス、制御、及び/又はプロセッサベースのシステムの複数要素間におけるデータ通信を提供するために一般的に方向付けられた、例えばコントローラ、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータ、及びレシーバといった、複数要素の記号表現であることに留意されたい。ある実施形態では、プロセッサ15は、幾つかのローカルメモリ(キャッシュ)を取り付けることができ、これにより、いくらか実行速度を上げるために、実行命令の一部を、そのローカルメモリ(キャッシュ)に格納することができる。プロセッサによる実行命令によって、幾つかの入力/出力デバイス40の使用を要求することができ、例えば、ハードディスク上に格納されたファイルからデータを入力し、キーボードからコマンドを入力し、タッチスクリーンからデータ及び/又はコマンドを入力し、ディスプレイにデータを出力し、USBフラッシュデバイスにデータを出力することができる。ある実施形態では、オペレーションシステム25は、プログラムの実行に必要な各種データ及び命令を中心要素に集めることによって、これらのタスクを容易にし、これらをマイクロプロセッサに提供する。ある実施形態では、ターゲットハードウェア10の基本的なアーキテクチャは、図4に示すものと同様であるが、オペレーションシステムが存在しない場合があり、全てのタスクは、プロセッサ15の直接制御の下で行われる。ある実施形態では、実行スピードを上げるために、複数のプロセッサを並列構成にして使用してもよい。このような場合、実行可能プログラムは、特に並列実行に合せて調整することができる。さらに、ある実施形態では、プロセッサ15は、図1及び図2に示す実施の一部を実行してもよく、他の部分は、ローカルインターフェース35を介してターゲットハードウェア10によりアクセス可能な入力/出力位置に配置された専用ハードウェア/ファームウェアを使用して、実施してもよい。ターゲットハードウェア10は、複数の実行可能プログラム30を含み、この場合、各プログラムは、独立に実行してもよく、又は、互いに組み合わせて実行してもよい。
本開示に記載される方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで、実施されてもよい。ブロック、モジュール、又は構成要素として記載された特徴は、(例えば、集積論理デバイスのような論理デバイスで)一緒に実装してもよく、又は、(例えば、別個に接続された論理デバイスのように)別々に実装してもよい。本開示の方法によるソフトウェア部分は、コンピュータ可読媒体を備え、コンピュータ可読媒体は、命令を含み、この命令は、実行されるとき、記載された方法を少なくとも部分的に実行する。コンピュータ可読媒体は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び/又は読み取り専用メモリ(ROM)を備えることができる。命令は、プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP))、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、グラフィック処理ユニット(GPU)、又は汎用計算(GPU)により、実行することができる。
本発明については、複数の実施形態に基づいて記述した。けれども、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な改変がされ得ることが理解できる。従って、他の実施形態も以下の特許請求の範囲に包含される。
上述の例により、本発明の全範囲に対応付けられる実施形態の作成及び使用する方法の完全な開示及び説明が当業者に提供され、また、上述の例は、発明者らが本発明とみなす範囲を制限することを意図しない。
ここに開示された方法及びシステムを実行するために、上記形態の修正は、当業者にとって明らかであり、この修正も、以下の特許請求の範囲内であることが意図される。明細者内で言及される全ての特許及び刊行物は、本発明に属する当業者の技術レベルを示すものである。本明細書で引用された全ての参考文献は、参照により同程度に組み込まれ、各参考文献は、参照によりその全てが個々に組み込まれる。
本発明は、特定の方法又はシステムに限定されないことが理解され、これは、当然に変更することができる。また、本明細書の用語は、特定の実施形態のみを説明する目的で使用されることが理解され、限定を意図するものではない。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、「ある」、「1つ」、及び「前記」は、その性質に反しない限り、複数の指示対象を含む。用語「複数」は、要旨が明らかに指示しない限り、2以上の指示対象を含む。定義されない限り、ここで使用される技術用語及び科学用語は、当業者によって通常に理解されるものと、同じような意味を有する。

Claims (12)

  1. コンピュータに実装された方法であって、
    複数の物理的オブジェクトを記述する複数の物理的特徴を検出するように構成された複数のセンサを備えるセンシング及び解析デバイスを提供するステップと、
    前記センシング及び解析デバイスにより、前記複数の物理的特徴に基づいて、前記複数の物理的オブジェクトを表す複数の特徴ベクトルを生成するステップであって、該複数の特徴ベクトルは、前記複数の物理的特徴を記述する複数の成分を含み、該複数の成分の各成分は、数値的範囲を有し、前記複数の物理的特徴の各物理的特徴は、各特徴ベクトル内の少なくとも1つの成分によって表される、該生成するステップと、
    前記センシング及び解析デバイスにより、前記各成分の前記数値的範囲を0及び1の間の範囲に変換するステップであって、該変換は、以下の式により実行され、
    ここで、F1ijは、オブジェクトith及び特徴成分jthの正規化値であり、OrigFijは、オブジェクトithのオリジナルの特徴成分jthであり、MinF及びMaxFは、特徴成分jthの最小値及び最大値であり、それにより得られた、第1の複数の正規化特徴ベクトルは、第1の複数の正規化成分を含み、前記第1の複数の正規化特徴ベクトルの各第1の正規化特徴ベクトルの各物理的特徴のために、全数の成分をさらに含む、該変換するステップと、
    前記第1の複数の特徴ベクトルの各第1の正規化特徴ベクトルのために、前記センシング及び解析デバイスにより、各第1の正規化特徴ベクトルの各物理的特徴のための前記複数の正規化成分を、前記第1の正規化特徴ベクトルの各物理的特徴のための前記全数の成分で割るステップであって、それにより第2の複数の正規化特徴ベクトルを得る、該割るステップと、
    前記センシング及び解析デバイスにより、前記第2の複数の正規化特徴ベクトルを以下の式により正規化するステップであって、
    ここで、F2ijは、前記第2の複数の正規化特徴ベクトルの特徴ベクトルの成分であり、F3ijは、第3の複数の正規化特徴ベクトルの各特徴ベクトルの合成成分である、該正規化するステップと、
    前記センシング及び解析デバイスにより、前記第3の複数の正規化特徴ベクトルをクラスタリングするステップであって、それにより、複数のクラスタ正規化特徴ベクトルを得る、該クラスタリングするステップと、
    前記センシング及び解析デバイスにより、前記複数のクラスタ正規化特徴ベクトルに主成分解析を適用するステップであって、それにより、距離フラグ値及び第1の評価された複数の正規化特徴ベクトルを得る、該適用するステップと、
    前記センシング及び解析デバイスにより、閾値に基づいて、前記複数のクラスタ正規化特徴ベクトルの各特徴ベクトルを数えることにより、数フラグ値を計算するステップであって、それにより、第2の評価された複数の正規化特徴ベクトルを得る、該計算するステップと、
    前記センシング及び解析デバイスにより、前記第1又は第2の評価された複数の正規化特徴ベクトルに基づいて、前記複数の物理的オブジェクトを解析するステップと、
    を含む、方法。
  2. 請求項1に記載のコンピュータに実装された方法であって、該クラスタリングするステップは、
    前記センシング及び解析デバイスにより、第1のパラメータt及び第2のパラメータtを定義するステップであって、前記第2のパラメータは、前記第1のパラメータより大きい、該定義するステップと、
    前記センシング及び解析デバイスにより、クラスタcのために、クラスタ中心Cを計算するステップであって、ここで、jは、第1の計数パラメータである、該計算するステップと、
    前記センシング及び解析デバイスにより、前記第3の複数の正規化特徴ベクトルの各特徴ベクトルと前記クラスタ中心Cとの間の距離d(F3,C)を計算するステップであって、各特徴ベクトルは、F3と称され、iは、第2の計数パラメータである、該計算するステップと、
    前記センシング及び解析デバイスにより、前記第1のパラメータt及び前記第2のパラメータtに基づいて、前記第3の複数の正規化特徴ベクトルの各特徴ベクトルF3を、クラスタcに割り当てるステップであって、該割り当てるステップは、繰り返しステップa)乃至c)を含み、該繰り返しステップa)乃至c)は、
    a)前記距離d(F3,C)が前記第1のパラメータtより小さい場合、前記特徴ベクトルF3を、前記クラスタ中心Cを有する前記クラスタcに割り当てる、
    b)前記距離d(F3,C)が前記第2のパラメータtより大きい場合、前記特徴ベクトルF3を、前記クラスタ中心Cを有する前記クラスタcに割り当てず、jをインクリメントさせ、前記特徴ベクトルF3を、前記クラスタ中心Cを有する前記クラスタcに割り当てる、
    c)前記距離d(F3,C)が前記第1のパラメータtより大きく前記第2のパラメータtより小さい場合、割り当てを延期する、であって、
    一度、所望の条件に到達し、各特徴ベクトルF3がクラスタリングされれば、前記繰り返しステップa)乃至c)は止まり、それにより、複数のクラスタ正規化特徴ベクトルを得る、前記割り当てステップと、を含む方法。
  3. 請求項1に記載のコンピュータに実装された方法であって、前記クラスタリングするステップは、逐次クラスタリング、K平均クラスタリング、又はレベルセット解析クラスタリングにより、行われる、方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンピュータに実装された方法であって、前記複数の物理的特徴は、色、アルベド、形状、程度、斜度、密集度、サイズ、テクスチャ、マルチスペクトルデータ、ハイパースペクトルデータ、分光分析データ、生物学的汚染濃度、化学的汚染濃度、放射能汚染を含む、方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコンピュータに実装された方法であって、前記解析するステップは、関心領域境界/描写、異常検出、自動車両制御、又は探査機器のためのガイダンスのために、行われる、方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコンピュータに実装された方法であって、前記解析するステップは、地質、鉱業、資源配分、又は偵察のために、行われる、方法。
  7. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンピュータに実装された方法であって、前記解析するステップは、医療診断のために行われ、前記複数の物理的特徴は、患者固有のデータ、血液検査結果、尿/糞便検査結果、X線、CT、MRI、fMRI、超音波画像、マルチスペクトルデータ、ハイパースペクトルデータ、パルス、心拍数、眼圧、頭蓋内圧、血圧、肺容量を含む、方法。
  8. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンピュータに実装された方法であって、前記解析するステップは、金融市場のために行われ、前記複数の物理的特徴は、データ線上で検知された電気信号であり、前記電気信号は、株式価値、開始入札、最終入札、取引期間を通じた入札、金価格、株価指数、及び取引量を含むデータを示す、方法。
  9. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンピュータに実装された方法であって、前記解析するステップは、視野検査のために行われ、前記複数の物理的特徴は、暗点周辺部、波形度、見えない位置検査の絶対的数値、欠損視野面積、絶対的な視力の丘の欠損体積、欠損面積勾配、保存面積勾配、逆欠損面積勾配、及び逆保存面積勾配を含む、方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のコンピュータに実装された方法であって、前記MinF及び前記MaxFは、ユーザ定義される、方法。
  11. 請求項2に記載のコンピュータに実装された方法であって、前記距離は、ユークリッド距離である、方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載のコンピュータに実装された方法であって、さらに解析するステップを含み、該解析するステップは、前記センシング及び解析デバイスにより、時間的変化に基づき、前記複数の物理的オブジェクトを解析する、方法。
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