[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図24を用いて説明する。
本実施形態では、表示体として透過型の液晶パネルを備えた液晶表示装置の例を挙げて説明する。
尚、以下の全ての図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
図1は本実施形態の液晶表示装置を斜め上方(視認側)から見た斜視図である。図2は液晶表示装置の断面図である。
本実施形態の液晶表示装置1(表示装置)は、図1及び図2に示すように、液晶パネル2(表示体)と、バックライト8(照明装置)と、光拡散部材9(視野角拡大部材)と、を備えている。液晶パネル2は、第1偏光板3と、第1位相差フィルム4(位相差板)と、液晶セル5と、第2位相差フィルム6(位相差板)と、第2偏光板7と、を備えている。図1では、液晶セル5を模式的に1枚の板状に図示しているが、その詳細な構造については後述する。
観察者は、光拡散部材9が配置された図1における液晶表示装置1の上側から表示を見ることになる。以下の説明では、光拡散部材9が配置された側を視認側と称する。バックライト8が配置された側を背面側と称する。また、以下の説明において、x軸は液晶表示装置の画面の水平方向、y軸は液晶表示装置の画面の垂直方向、z軸は液晶表示装置の厚さ方向、と定義する。
本実施形態の液晶表示装置1においては、バックライト8から射出された光を液晶パネル2で変調し、変調した光によって所定の画像や文字等を表示する。また、液晶パネル2から射出された光が光拡散部材9を透過すると、射出光の配光分布が光拡散部材9に入射する前より広がった状態となって光が光拡散部材9から射出される。これにより、観察者は広い視野角を持って表示を視認できる。
以下、液晶パネル2の具体的な構成について説明する。
ここでは、アクティブマトリクス方式の透過型液晶パネルを一例に挙げて説明する。ただし、本発明に適用可能な液晶パネルはアクティブマトリクス方式の透過型液晶パネルに限るものではない。本発明に適用可能な液晶パネルは、例えば半透過型(透過・反射兼用型)液晶パネルであっても良い。さらには、各画素がスイッチング用薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)を備えていない単純マトリクス方式の液晶パネルであっても良い。
図3は、液晶パネル2の縦断面図である。 図3に示すように、液晶セル5は、TFT基板10と、カラーフィルター基板12と、液晶層11と、を有している。TFT基板10は、スイッチング素子基板として機能する。カラーフィルター基板12は、TFT基板10に対向して配置されている。液晶層11は、TFT基板10とカラーフィルター基板12との間に挟持されている。
液晶層11は、TFT基板10と、カラーフィルター基板12と、枠状のシール部材(図示せず)と、によって囲まれた空間内に封入されている。シール部材は、TFT基板10とカラーフィルター基板12とを所定の間隔をおいて貼り合わせる。
本実施形態の液晶パネル2は、例えばTN(Twisted Nematic)モードで表示を行う。
液晶層11には誘電率異方性が正の液晶が用いられる。TFT基板10とカラーフィルター基板12との間には、スペーサー13が配置されている。スペーサー13は球状或いは柱状である。スペーサー13は、TFT基板10とカラーフィルター基板12との間の間隔を一定に保持する。
本発明の液晶パネル2の表示モードは上記のTNモードに限らない。例えば、VA(Vertical Alignment, 垂直配向)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、IP
S(In-Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード等を用いてもよい。
図示はしないが、TFT基板10には、複数の画素がマトリクス状に配置されている。画素は、表示の最小単位領域である。TFT基板10には、複数のソースバスラインが、互いに平行に延在するように形成されている。TFT基板10には、複数のゲートバスラインが、互いに平行に延在するように形成されている。複数のゲートバスラインは、複数のソースバスラインと直交している。TFT基板10上には、複数のソースバスラインと複数のゲートバスラインとが格子状に形成されている。隣接するソースバスラインと隣接するゲートバスラインとによって区画された矩形状の領域が一つの画素となる。ソースバスラインは、TFT19のソース電極17に接続されている。ゲートバスラインは、TFT19のゲート電極16に接続されている。
TFT基板10を構成する透明基板14の液晶層11側の面には、半導体層15、ゲート電極16、ソース電極17、ドレイン電極18等を有するTFT19が形成されている。透明基板14としては、例えばガラス基板を用いることができる。
透明基板14上には、半導体層15が形成されている。半導体層15の材料としては、例えばCGS(Continuous Grain Silicon:連続粒界シリコン)、LPS(Low-temperature Poly-Silicon:低温多結晶シリコン)、α−Si(Amorphous Silicon:非結晶シリ
コン)等の半導体材料が用いられる。
透明基板14上には、半導体層15を覆うようにゲート絶縁膜20が形成されている。ゲート絶縁膜20の材料としては、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、もしくはこれらの積層膜等が用いられる。
ゲート絶縁膜20上には、半導体層15と対向するようにゲート電極16が形成されている。ゲート電極16の材料としては、例えばW(タングステン)/TaN(窒化タンタル)の積層膜、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)等が用いられる。
第1層間絶縁膜21上には、ソース電極17およびドレイン電極18が形成されている。第1層間絶縁膜21とゲート絶縁膜20とには、コンタクトホール22およびコンタクトホール23が、第1層間絶縁膜21とゲート絶縁膜20とを貫通して形成されている。ソース電極17は、コンタクトホール22を介して半導体層15のソース領域に接続されている。ドレイン電極18は、コンタクトホール23を介して半導体層15のドレイン領域に接続されている。ソース電極17およびドレイン電極18の材料としては、上述のゲート電極16と同様の導電性材料が用いられる。
第1層間絶縁膜21上には、ソース電極17およびドレイン電極18を覆うように第2層間絶縁膜24が形成されている。第2層間絶縁膜24の材料としては、上述の第1層間絶縁膜21と同様の材料、もしくは有機絶縁性材料が用いられる。
第2層間絶縁膜24上には、画素電極25が形成されている。第2層間絶縁膜24には、コンタクトホール26が第2層間絶縁膜24を貫通して形成されている。画素電極25は、コンタクトホール26を介してドレイン電極18に接続されている。画素電極25は、ドレイン電極18を中継用電極として半導体層15のドレイン領域に接続されている。画素電極25の材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide、インジウム亜鉛酸化物)等の透明導電性材料が用いられ
る。
この構成により、ゲートバスラインを通じて走査信号が供給され、TFT19がオン状態となったときに、ソースバスラインを通じてソース電極17に供給された画像信号が、半導体層15、ドレイン電極18を経て画素電極25に供給される。また、画素電極25を覆うように第2層間絶縁膜24上の全面に配向膜27が形成されている。この配向膜27は、液晶層11を構成する液晶分子を水平配向させる配向規制力を有している。尚、TFT19の形態としては、図3に示したボトムゲート型TFTであっても良いし、トップゲート型TFTであっても良い。
一方、カラーフィルター基板12を構成する透明基板29の液晶層11側の面には、ブラックマトリクス30、カラーフィルター31、平坦化層32、対向電極33、配向膜34が順次形成されている。
ブラックマトリクス30は、画素間領域において光の透過を遮断する機能を有する。ブラックマトリクス30は、例えば、Cr(クロム)やCr/酸化Crの多層膜等の金属、もしくはカーボン粒子を感光性樹脂に分散させたフォトレジストで形成されている。
カラーフィルター31には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の色素が含まれている。TFT基板10上の一つの画素電極25に、R,G,Bのいずれか一つのカラーフィルター31が対向して配置されている。尚、カラーフィルター31は、R、G、Bの3色以上の多色構成としても良い。
平坦化層32は、ブラックマトリクス30およびカラーフィルター31を覆う絶縁膜で構成されている。平坦化層32は、ブラックマトリクス30およびカラーフィルター31によってできる段差を緩和して平坦化する機能を有している。
平坦化層32上には対向電極33が形成されている。対向電極33の材料としては、画素電極25と同様の透明導電性材料が用いられる。
対向電極33上の全面に配向膜34が形成されている。この配向膜34は、液晶層11を構成する液晶分子を水平配向させる配向規制力を有している。
図1に戻り、バックライト8は、光源36と、導光体37と、を備えている。光源36は、導光体37の端面に配置されている。光源36としては、例えば、発光ダイオード、冷陰極管等が用いられる。
本実施形態のバックライト8は、エッジライト型のバックライトである。
導光体37は、光源36から射出された光を液晶パネル2に導く機能を有する。導光体37の材料としては、例えば、アクリル樹脂等の樹脂材料が用いられる。
光源36から導光体37の端面に入射した光は、導光体37の内部を全反射しつつ伝播し、導光体37の上面(光射出面)から概ね均一な強度で射出される。図示はしないが、導光体37の上面には、散乱シート及びプリズムシートが配置されている。導光体37の上面から射出された光は、散乱シートにより散乱した後、プリズムシートによって集光され、概ね平行化されて射出される。プリズムシートとしては、例えば、住友3M社製のBEF(商品名)が用いられる。
本実施形態のバックライト8としては、光の射出方向を制御して、指向性がある程度緩やかに設定されたバックライト(以下、低指向性バックライトと称することがある)を用いる。低指向性バックライトの輝度分布については、後述する。
バックライト8と液晶セル5との間には、第1偏光板3が設けられている。第1偏光板3は、偏光子として機能する。ここで、x軸方向の正方向を基準として反時計回りに角度を表す。すると、第1偏光板3の透過軸P1は135°−315°方向に設定されている。
液晶セル5と光拡散部材9との間には、第2偏光板7が設けられている。第2偏光板7は、偏光子として機能する。第2偏光板7の透過軸P2は、第1偏光板3の透過軸P1と直交するように配置されている。第2偏光板7の透過軸P2は、45°−225°方向に設定されている。第1偏光板3の透過軸P1と第2偏光板7の透過軸P2とは、クロスニコルの配置となっている。
第1偏光板3と液晶セル5との間には、第1位相差フィルム4が設けられている。第1位相差フィルム4の遅相軸K1は、第1偏光板3の透過軸P1と直交するように配置されている。位相差フィルム4の遅相軸K1は、45°−225°方向に設定されている。
第2偏光板7と液晶セル5との間には、第2位相差フィルム6が設けられている。第2位相差フィルム6の遅相軸K2は、第2偏光板7の透過軸P2と直交するように配置されている。位相差フィルム6の遅相軸K2は、135°−315°方向に設定されている。
本実施形態の位相差フィルム(第1位相差フィルム4、第2位相差フィルム6)としては、富士フィルム社製のWVフィルムが用いられる。
次に、光拡散部材9について詳細に説明する。
光拡散部材9は、図2に示すように、基材39と、複数の遮光層40と、光拡散部41と、を備えている。複数の遮光層40は、基材39の一面(視認側と反対側の面)に形成されている。光拡散部41は、基材39の一面のうち遮光層40の形成領域以外の領域に形成されている。
光拡散部材9は、光拡散部41が設けられた側を第2偏光板7に向け、基材39の側を視認側に向けた姿勢で第2偏光板7上に配置される。光拡散部材9は、接着剤層43を介して第2偏光板7に固定される。
基材39には、例えばトリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)フィルム等の透明樹脂製の基材が好ましく用いられる。基材39は、製造プロセスにおいて、後で遮光層40や光拡散部41の材料を塗布する際の下地となる。基材39は、製造プロセス中の熱処理工程における耐熱性と機械的強度とを備える必要がある。したがって、基材39には、樹脂製の基材の他、ガラス製の基材等を用いても良い。ただし、基材39の厚さは耐熱性や機械的強度を損なわない程度に薄い方が好ましい。その理由は、基材39の厚さが厚くなる程、表示のボヤケが生じる虞があるからである。また、基材39の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られる。
本実施形態では、一例として厚さが100μmの透明樹脂製基材を用いる。
遮光層40は、基材39の主面の法線方向から見てランダムに配置されている。遮光層40は、一例として、ブラックレジスト、黒色インク等の光吸収性および感光性を有する有機材料で構成されている。その他、Cr(クロム)やCr/酸化Crの多層膜等の金属膜を用いても良い。
光拡散部41は、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の光透過性および感光性を有する有機材料で構成されている。また、光拡散部41の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られる。
光拡散部41は、光射出端面41aと、光入射端面41bと、反射面41cと、を有する。光射出端面41aは、基材39に接する面である。光入射端面41bは、光射出端面41aと対向する面である。反射面41cは、光拡散部41のテーパ状の側面である。反射面41cは、光入射端面41bから入射した光を反射する面である。光入射端面41bの面積は、光射出端面41aの面積よりも大きい。
光拡散部41は、光拡散部材9において光の透過に寄与する部分である。すなわち、光拡散部41に入射した光は、光拡散部41の反射面41cで全反射しつつ、光拡散部41の内部に略閉じこめられた状態で導光し、射出される。
光拡散部材9は、基材39が視認側に向くように配置される。そのため、光拡散部41の2つの対向面のうち、面積の小さい方の面が光射出端面41aとなる。一方、面積の大きい方の面が光入射端面41bとなる。
光拡散部41の反射面41cの傾斜角度(光入射端面41bと反射面41cとのなす角度)は、75°以上85°以下が好ましい。本実施形態では、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度が85°である。ただし、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度は、光拡散部材9から射出する際に、入射光を十分に拡散することが可能な角度であれば、特に限定されない。本実施形態において、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度は一定になっている。
光拡散部41の光入射端面41bから光射出端面41aまでの高さは、遮光層40の層厚よりも大きく設定されている。本実施形態の場合、遮光層40の層厚は一例として150nm程度である。光拡散部41の光入射端面41bから光射出端面41aまでの高さは一例として20μm程度である。光拡散部41の反射面41cと遮光層40とにより囲まれた部分は、中空部42となっている。中空部42には空気が存在している。
図4は、光拡散部材9のSEM写真である。
図4に示すように、光拡散部材9には複数の中空部42が形成されている。中空部42は光拡散部41の反射面41cと遮光層40とにより囲まれた部分に存在していることが確認される。
尚、基材39の屈折率と光拡散部41の屈折率とは略同等であることが望ましい。その理由は、以下による。例えば、基材39の屈折率と光拡散部41の屈折率とが大きく異なる場合を考える。この場合、光入射端面41bから入射した光が光拡散部41から射出する際に、光拡散部41と基材39との界面で不要な光の屈折や反射が生じることがある。この場合、所望の視野角が得られない、射出光の光量が減少する、等の不具合が生じる虞があるからである。
本実施形態の場合、中空部42(光拡散部41の外部)には空気が介在している。そのため、光拡散部41を例えば透明アクリル樹脂で形成したとすると、光拡散部41の反射面41cは透明アクリル樹脂と空気との界面となる。ここで、中空部42を他の低屈折率材料で充填しても良い。しかしながら、光拡散部41の内部と外部との界面の屈折率差は、外部にいかなる低屈折率材料が存在する場合よりも空気が存在する場合が最大となる。
したがって、Snellの法則より、本実施形態の構成においては臨界角が最も小さくなり
、光拡散部41の反射面41cで光が全反射する入射角範囲が最も広くなる。その結果、光の損失がより抑えられ、高い輝度を得ることができる。
図5は、光拡散部材9の模式図である。図5において、左側上段は光拡散部材9の平面図である。左側下段は、左側上段の平面図のA−A線に沿った断面図である。右側上段は、左側上段の平面図のB−B線に沿った断面図である。
本実施形態の光拡散部材9は、図5の左側上段に示すように、複数の遮光層40が、基材39の一面に点在して設けられている。基材39の法線方向から見た遮光層40の平面形状は細長い楕円形である。遮光層40は、長軸と短軸とを有している。ここで、長軸とは、基材39の法線方向から見た遮光層40の平面形状において最も長さの長い軸とする。短軸とは、基材39の法線方向から見た遮光層40の平面形状において最も長さの短い軸とする。本実施形態の光拡散部材9では、それぞれの遮光層40において長軸の長さに対する短軸の長さの比が概ね等しい。
基材39の法線方向から見て、遮光層40の形成領域の面積をS1とする。基材39の一面の面積をS2とする。遮光層40の形成領域の面積S1と基材39の一面の面積S2との比S1/S2が0.1以上0.4以下である。ここで、遮光層40の形成領域の面積は、基材39の一面に点在して設けられた複数の遮光層40の形成領域をすべて足し合わせた領域の面積である。以下の説明においては、遮光層40の形成領域の面積S1と基材39の一面の面積S2との比S1/S2を単に遮光層40の形成領域の面積比と称することがある。本実施形態では、遮光層40の形成領域の面積比S1/S2が0.3である。
図5の左側下段、右側上段に示すように、遮光層40の下方に相当する部分が楕円錐台状の中空部42となる。光拡散部材9は複数の中空部42を有している。複数の中空部42以外の部分には、光拡散部41が連なって設けられている。
本実施形態の光拡散部材9では、それぞれの遮光層40の平面形状をなす楕円の長軸方向(以下、遮光層の長軸方向と称することがある)が概ねX方向に揃っている。それぞれの遮光層40の平面形状をなす楕円の短軸方向(以下、遮光層の短軸方向と称することがある)が概ねY方向に揃っている。このことから、光拡散部41の反射面41cの向きを考えると、光拡散部41の反射面41cのうち、X方向に沿った反射面41cの割合はY方向に沿った反射面41cの割合よりも多い。そのため、X方向に沿った反射面41cで反射してY方向に拡散する光Lyは、Y方向に沿った反射面41cで反射してX方向に拡散する光Lxよりも多くなる。したがって、光拡散部材9の拡散性が最も強い方位角方向は、遮光層40の短軸方向であるY方向となる。
図6は、遮光層40の平面視の形状及び寸法の関係を説明するための図である。
図6は、複数の遮光層40のうちの一つの遮光層40を示す平面図である。
図6に示すように、遮光層40の長軸方向の長さをB1とする。遮光層40の短軸方向の長さをB2とする。遮光層40の長軸方向の長さB1と短軸方向の長さB2との比B1/B2が1.1以上2.5以下であることが好ましい。
本実施形態では、遮光層40の長軸方向の長さB1が20μmである。遮光層40の短軸方向の長さB2が10μmである。遮光層40の長軸方向の長さB1と短軸方向の長さB2との比B1/B2が2である。
図1に戻り、TFT基板10の配向膜27の配向制御方向を矢印H1で示す。一方、カラーフィルター基板12の配向膜34の配向制御方向を矢印H2で示す。
配向膜27には、配向制御方向H1が135°−315°方向となるように、ラビング等の配向処理がなされている。一方、配向膜34には、配向制御方向H2が45°−225°方向となるように、ラビング等の配向処理がなされている。
図7(A)、(B)は、液晶パネル2の動作を説明するための図である。
図7(A)は、液晶パネル2(図3に示す画素電極25と対向電極33との間)に電圧が印加されていないとき(電圧無印加時)の状態を示す図である。図7(B)は、液晶パネル2に一定の電圧を印加したとき(電圧印加時)の状態を示す図である。尚、図7(A)、(B)では、便宜上、第1位相差フィルム4、第2位相差フィルム6の図示を省略する。符号Mは、液晶層11を構成する液晶分子である。
電圧無印加時には、図7(A)に示すように、液晶分子Mは、配向膜27と配向膜34との間で、90°ツイストした状態となる。このとき、135°−315°方向の透過軸P1を有する第1偏光板3を透過した直線偏光の偏光面が、液晶層11の持つ旋光性により90°回転する。これにより、第1偏光板3を透過した直線偏光が、45°−225°方向の透過軸P2を有する第2偏光板7を透過する。その結果、電圧無印加時には白表示となる。
電圧印加時には、図7(B)に示すように、液晶分子Mは、配向膜27と配向膜34との間で、電界に沿った方向に立ち上がった状態となる。このとき、135°−315°方向の透過軸P1を有する第1偏光板3を透過した直線偏光の偏光面は回転しない。そのため、第1偏光板3を透過した直線偏光は、45°−225°方向の透過軸P2を有する第2偏光板7を透過しない。その結果、電圧印加時には黒表示となる。
以上のように、画素毎に電圧の印加/無印加を制御することにより白表示と黒表示とを切り替え、画像を表示することができる。
図8は、極角と方位角の定義を説明するための図である。
ここで、図8に示すように、液晶表示装置1の画面の法線方向Eを基準とした観察者の視線方向Fのなす角度を極角θとする。x軸の正方向(0°方向)を基準とした観察者の視線方向Fを画面上に射影したときの線分Gの方向のなす角度を方位角φとする。
図9は、液晶表示装置1の正面図である。
図9に示すように、液晶表示装置1の画面において、水平方向(x軸方向)を方位角φ:0°−180°方向とする。方位角φ:0°−180°方向は、端的にいうと左右方向である。具体的には、方位角φ:0°−180°方向は、地面に対して水平な軸に沿った方向である。垂直方向(y軸方向)を方位角φ:90°−270°方向とする。方位角φ:90°−270°方向は、端的にいうと上下方向である。具体的には、方位角φ:90°−270°方向は、地面に対して垂直な軸に沿った方向である。
図10は、本実施形態に係る液晶パネル2における、白表示時のコントラスト視野角特性を示す等コントラスト曲線を示す図である。図8に示した方位角方向を定義したとき、等コントラスト曲線は、図10に示すようになる。5本の等コントラスト曲線は、外側から内側に向かうにつれてコントラスト比が高くなっている。
尚、コントラスト比は、表示画像における白表示の輝度値/黒表示の輝度値のことである。コントラスト比が大きい程、表示画像の視認性が良いと判断できる。
本実施形態では、表示画像を方位角φ:270°方向の側から観察しても、表示画像の視認性が良い状態を維持できるよう、以下の構成を採用している。
図11は、本実施形態の液晶表示装置1におけるバックライト8(低指向性バックライト)の極角輝度特性を等輝度曲線で示す図である。
図12は、高指向性バックライトの極角輝度特性を等輝度曲線で示す図である。
図13は、図11及び図12の等輝度曲線に対して、方位角φ:0°−180°方向における極角輝度分布を極座標で表した図である。
図14は、図11及び図12の等輝度曲線に対して、方位角φ:90°−270°方向における極角輝度分布を極座標で表した図である。
図13及び図14において、横軸は極角θ[°]であり、縦軸は正面方向における表示輝度を1として表した規格化輝度である。
前述したように、本実施形態のバックライト8は、光の射出方向を制御して、指向性がある程度緩やかに設定された低指向性バックライトである。この低指向性バックライトの輝度分布を、方位角φを用いて視覚化したものが図11である。
図11及び図13に示すように、方位角φ:0°−180°方向においては、輝度が高い角度範囲が相対的に広い。これに対して、図11及び図14に示すように、方位角φ:90°−270°方向においては、輝度が高い角度範囲が相対的に狭い。すなわち、方位角φ:0°−180°方向においては、バックライト8の輝度変化が最も小さい。一方、方位角φ:90°−270°方向においては、極角方向のバックライト8の輝度変化が最も大きい。
ここで、「バックライト8の極角方向の輝度変化が最も大きい方位角方向」を、方位角ごとの極角・輝度カーブを測定・図示した際にカーブの傾きが大きい方向とする。
「バックライト8の極角方向の輝度変化が最も小さい方位角方向」を、方位角ごとの極角・輝度カーブを測定・図示した際にカーブの傾きが小さい方向とする。
「液晶パネル2に一定の電圧を印加した場合の極角方向の透過率変化が最も大きい方位角方向」を、TN方式においては「明視方向」とする。また、VA方式の1分割配向及び2分割配向においては「ダイレクタの倒れる方向と垂直な方向」とする。尚、ダイレクタとは、配向主軸の方向(ネマチック液晶において分子長軸の平均的に揃う方向)である。
本実施形態では、「バックライト8の極角方向の輝度変化が最も大きい方位角方向」は、方位角φ:90°−270°方向である。
「バックライト8の極角方向の輝度変化が最も小さい方位角方向」は、方位角φ:0°−180°方向である。
「液晶パネル2に一定の電圧を印加した場合の極角方向の透過率変化が最も大きい方位角方向」は、方位角φ:90°−270°方向である。
本実施形態では、バックライト8の極角方向の輝度変化が最も大きい方位角方向(方位角φ:90°−270°方向)と、液晶パネル2に一定の電圧を印加した場合の極角方向の透過率変化が最も大きい方位角方向(方位角φ:90°−270°方向)と、を概ね一致させている。
尚、バックライト8の極角方向の輝度変化が最も大きい方位角方向と、液晶パネル2に一定の電圧を印加した場合の極角方向の透過率変化が最も大きい方位角方向とは、完全に一致する必要はなく、概ね一致していればよい。一般に液晶表示装置の組立て工程において、液晶パネルとバックライトとの位置合わせの回転方向のずれは5°程度以内と考えられる。したがって、バックライト8の極角方向の輝度変化が最も大きい方位角方向と、液晶パネル2に一定の電圧を印加した場合の極角方向の透過率変化が最も大きい方位角方向とが5°程度ずれていてもよい。
図1及び図2に示したように、液晶パネル2の光射出側に光拡散部材9を配置している。本実施形態では、光拡散部材9の拡散性が最も強い方位角方向(図5に示す、遮光層40の短軸方向であるY方向)と、光拡散部材9の液晶パネル2に一定の電圧を印加した場合の極角方向の透過率変化が最も大きい方位角方向(方位角φ:90°−270°方向)と、を概ね一致させている。
尚、光拡散部材9の拡散性が最も強い方位角方向と、光拡散部材9の液晶パネル2に一定の電圧を印加した場合の極角方向の透過率変化が最も大きい方位角方向とは、完全に一致する必要はなく、概ね一致していればよい。一般に液晶表示装置の組立て工程において、液晶パネルと光拡散部材との位置合わせの回転方向のずれは5°程度以内と考えられる。したがって、光拡散部材9の拡散性が最も強い方位角方向と、光拡散部材9の液晶パネル2に一定の電圧を印加した場合の極角方向の透過率変化が最も大きい方位角方向とが5°程度ずれていてもよい。
本願発明者は、本実施形態の液晶表示装置1の効果を検証するために、本実施形態の液晶表示装置1と比較例の液晶表示装置とで階調輝度特性を比較した。比較例の液晶表示装置及び本実施形態の液晶表示装置1について、シミュレーションを行い、極角輝度特性を確認した。シミュレーションソフトとして、Light Toolsを使用した。
図15は、比較例の液晶表示装置を用いたときの等輝度曲線である。図16は、本実施形態の液晶表示装置1を用いたときの等輝度曲線である。ここで、比較例の液晶表示装置は、光拡散部材を備えていない。バックライトは、低指向性バックライトである。比較例の液晶表示装置は、本実施形態の液晶表示装置1から光拡散部材9を除いたものが相当する。
図15及び図16に示すように、比較例の液晶表示装置及び本実施形態の液晶表示装置1のいずれにおいても、方位角φ:0°−180°方向(画面横方向)においては階調反転や階調つぶれが確認されない。
しかしながら、図15に示すように、比較例の液晶表示装置では、方位角φ:90°−270°方向(画面縦方向)において階調つぶれが確認される。
これに対し、図16に示すように、本実施形態の液晶表示装置では、方位角φ:90°−270°方向(画面縦方向)においても階調反転や階調つぶれが確認されない。
従って、光を異方的に拡散させる光拡散部材を配置し、液晶パネルに一定の電圧を印加した場合の極角方向の透過率変化が最も大きい方位角方向と、光拡散部材の拡散性が最も強い方位角方向と、を概ね一致させることにより、階調反転や階調つぶれの発生を抑制できることが分かる。
ところで、視角特性の改善効果を高めるために光拡散部材の散乱特性に異方性を持たせると、液晶パネルが本来有する配光特性の左右対称性が乱れる場合がある。この場合、画面の左右の明るさに差が生じ、左右方向の視角対称性が損なわれてしまうことが本発明者の検討によって明らかになっている。
そこで、本実施形態では、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、以下の構成を採用している。具体的には、光拡散部材9において、強散乱方位φ0を中心軸として、方位φ0+Δφにおける散乱強度と、方位φ0−Δφにおける散乱強度と、が概ね等しくなるようにしている。液晶表示装置1においては、液晶パネル2の輝度分布が略線対称となるようにしている。
ここで、「強散乱方位φ0」は、方位角φに対して散乱強度lφをプロットした際、散乱強度lφがピーク値をとる方位角φを強散乱方位φ0と定義する。
図17は、散乱強度lφを説明するための図である。
図17に示すように、「散乱強度lφ」は、光拡散部材9に対して任意の方位角φ、任意の極角θから強度l0の光Linを入射させたときに、方位角φ:φ−(φ+180°)方向において、極角θ:0°≦θ≦60°の範囲に射出された光Loutの積算強度を散乱強度lφと定義する。
図18(A)、(B)は、一般的なディスプレイの視認角度を説明するための図である。ここで、一般的なディスプレイとは、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)を含むディスプレイである。
図18(A)は垂直に立てたディスプレイの中心Cpから射出される光の散乱分布をトップビューから見た図である。図18(B)は垂直に立てたディスプレイの中心Cpから射出される光の散乱分布をサイドビューから見た図である。
図18(A)に示すように、トップビューにおけるディスプレイの中心Cpから射出される光の散乱分布は、極角θ:−60°≦θ≦60°の範囲内に配置されており、特に、極角θ:−30°≦θ≦30°の範囲内に集中して配置されている。
図18(B)に示すように、サイドビューにおけるディスプレイの中心Cpから射出される光の散乱分布は、極角θ:−30°≦θ≦30°の範囲内に配置されており、特に、極角θ:−10°≦θ≦10°の範囲内に集中して配置されている。
これらの散乱分布から、ディスプレイの視認角度は、極角θ:−60°≦θ≦60の範囲内であることが確認される。そのため、本実施形態では、散乱強度lφを定義するに際し、極角θ:0°≦θ≦60°の範囲に射出された光Loutの積算強度を用いている。
図19は、本実施形態における強散乱方位に対する遮光層40の配置構成を説明するための図である。図19においては、便宜上、複数の遮光層のうち一部の遮光層を示している。
図19に示すように、遮光層40の平面形状が楕円であると、楕円は2軸対称性を有するため、短軸を対称軸として左右の形状が等しい。そのため、散乱特性が強散乱方位φ0を軸として、左右に対称となる。従って、平面形状が楕円の遮光層40においては、短軸と平行な方向が強散乱方位φ0となる。
本実施形態の遮光層40は、強散乱方位φ0を中心軸としたとき、中心軸に対して直交する長軸を有する。本実施形態の光拡散部材9において、複数の遮光層40の各々の長軸は、一方向に揃って配置されている。
尚、複数の遮光層40の各々の長軸は完全に一方向に揃って配置される必要はなく、概ね一致していればよい。以下、「概ね一致」の範囲について、一例を挙げて説明する。
図20(A)〜(C)は、遮光層の配置構成を説明するための図である。図20(A)は、複数の遮光層の各々の長軸が完全な一方向に揃って配置されている場合を示す。図20(B)は、複数の遮光層の長軸が全体として配向ベクトルVnに対して傾き角θnが30°〜40°の範囲でずれている場合を示す。図20(C)は、複数の遮光層がランダムに配置されている場合を示す。ここで、「傾き角θn」は、複数の遮光層の各々の長軸と配向ベクトルVnとのなす角の平均値を意味する。
図21は、遮光層の配置方位の範囲を説明するための図である。図21において、横軸は傾き角θn[°]であり、縦軸はオーダーパラメーターSである。
オーダーパラメーターSは、下記の式(1)によって算出される。
図20(A)及び図21に示すように、複数の遮光層の各々の長軸が完全な一方向に揃って配置されている場合、オーダーパラメーターSはS=1となる。
図20(B)及び図21に示すように、複数の遮光層の長軸が全体として配向ベクトルVnに対して傾き角θnが30°〜40°の範囲でずれている場合、オーダーパラメーターSは0.4<S<0.6の範囲となる。
図20(C)及び図21に示すように、複数の遮光層がランダムに配置されている場合、オーダーパラメーターSはS=0となる。
これらから、遮光層の配置方位の範囲としては、オーダーパラメーターSがS≧0.8となる範囲であってもよい。従って、傾き角θnがθn≦20°となる範囲で複数の遮光層の各々の長軸が配向ベクトルVnに対してずれていてもよい。
図22は、本実施形態の光拡散部材9の方位角散乱強度特性を示す図である。図22は、光拡散部材9の強散乱方位φ0を評価したシミュレーション結果である。図22において、横軸は方位角θ[°]であり、縦軸は散乱強度[a.u.]である。
図22に示すように、本実施形態の光拡散部材9の場合、方位角φ=90°、270°において散乱強度lφがピーク値をとり、強散乱方位φ0はφ0=90°、270°であることが確認された。強散乱方位φ0(90°、270°)を中心軸として、方位φ0(90°、270°)+Δφにおける散乱強度と、方位φ0(90°、270°)−Δφにおける散乱強度と、が概ね等しい。
図23及び図24は、本実施形態の液晶表示装置1の方位角輝度特性を示す図であり、液晶表示装置1の左右方向の視角対称性を評価したシミュレーション結果である。
図23は、液晶表示装置1の極角θ:45°方向における方位角輝度特性を示す図である。
図24は、液晶表示装置1の極角θ:60°方向における方位角輝度特性を示す図である。
図23及び図24において、横軸は方位角θ[°]であり、縦軸は規格化輝度[a.u.]である。符号C1は比較例の液晶表示装置であり、符号C2は本実施形態の液晶表示装置1である。比較例の液晶表示装置としては市販のTNディスプレイ(光拡散部材が無いもの)を用いた。本実施形態の液晶表示装置1としては市販のTNディスプレイの表面に光拡散部材を貼り合せたものを用いた。
図23及び図24に示すように、本実施形態の液晶表示装置1においては、光拡散部材9の散乱効果により、方位角φが225°〜315°の範囲で、輝度が向上していることが確認された。また、方位角φ=90°、270°を中心として、輝度分布が左右対称である。これにより、左右方向の視角対称性が失われていないことが分かる。
以上説明したように、本実施形態においては、液晶パネル2の光射出側に光拡散部材9が配置されているため、光拡散部材9に入射した光は、光拡散部材9に入射する前よりも角度分布が広がった状態で光拡散部材9から射出される。従って、観察者が液晶表示装置1の正面方向(法線方向)から視線を傾けていっても良好な表示を視認することができる。
さらに、本実施形態においては、遮光層40が強散乱方位φ0(中心軸)に対して直交する長軸を有しており且つ複数の遮光層40の各々の長軸が一方向に揃って配置されている。この場合、光拡散部材9においては、強散乱方位φ0(90°、270°)を中心軸として、方位φ0(90°、270°)+Δφにおける散乱強度と、方位φ0(90°、270°)−Δφにおける散乱強度と、が概ね等しくなる。これにより、液晶表示装置1においては、方位角φ=90°、270°を中心として、輝度分布が左右対称となる。従って、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材9を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置1を提供することができる。
さらに、本実施形態においては、前述したように低指向性バックライトを用いている。この場合、光拡散部材9に対してある程度広がった光が入射する。そのため、光拡散部材9からは、指向性の高いバックライトを用いる場合に比べて、角度分布が広がった状態の光が射出される。これにより、見え難いところから射出される光と見え易いところから射出される光とを混在させ、輝度変化の度合いを平均化できる。したがって、観察者が液晶表示装置1の正面方向(法線方向)から視線を傾けていっても良好な表示を視認することができる。
さらに、本実施形態においては、バックライト8の極角方向の輝度変化が最も大きい方位角方向と、液晶パネル2に一定の電圧を印加した場合の極角方向の透過率変化が最も大きい方位角方向(方位角φ:90°−270°方向)と、が概ね一致している。これにより、バックライト8から射出される光のうち相対的に指向性が高い光を強く拡散させることができる。その結果、方位角φ:90°−270°方向における液晶パネル2の輝度視野角の狭さが改善される。したがって、輝度視野角特性に優れた液晶表示装置1を提供することができる。
尚、本実施形態のバックライト8は、光の射出方向を制御して、指向性がある程度緩やかに設定された低指向性バックライトである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、バックライトとしては、指向性が低指向性バックライトよりも高く設定された高指向性バックライト(図12参照)を用いてもよい。
また、本実施形態においては、複数の遮光層40が平面視楕円の遮光層40によって構成されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、複数の遮光層に、平面形状が、円形、多角形、半円等の形状が含まれていてもよい。このような形状の遮光層が含まれていても、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、光拡散部材において、強散乱方位φ0を中心軸として、方位φ0+Δφにおける散乱強度と、方位φ0−Δφにおける散乱強度と、が概ね等しくなっていればよい。液晶表示装置においては、液晶パネル2の輝度分布が略線対称となっていればよい。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図25〜図28を用いて説明する。
図25は、第2実施形態における強散乱方位φ0に対する遮光層の配置構成を説明するための図である。図25においては、便宜上、複数の遮光層のうち一部の遮光層を示している。
図25に示すように、本実施形態の基本構成は第1実施形態と同一であり、複数の遮光層が、強散乱方位φ0(中心軸)に対して直交する長軸を有する複数の第1遮光層40v1と、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2遮光層40v2と、強散乱方位φ0に対して−45°をなす長軸を有する複数の第3遮光層40v3と、を含み、第2遮光層40v2の形状及び大きさと第3遮光層40v2の形状及び大きさとが同じであり、第2遮光層40v2の数と第3遮光層40v3の数とが同じである点、が第1実施形態と異なる。
図25〜図28において、第1実施形態で用いた図と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の遮光層の単位面積当たりの存在比(以下、単に「存在比」と称することがある)は、第1遮光層40v1の数:第2遮光層40v2の数:第3遮光層40v3の数=N1:N2:N3とすると、N1:N2:N3=2:1:1である。
図26は、本実施形態における光拡散部材の方位角散乱強度特性を第1実施形態における光拡散部材の方位角散乱強度特性とともに示す図である。図26は、光拡散部材の強散乱方位φ0を評価したシミュレーション結果である。図26において、横軸は方位角θ[
°]であり、縦軸は散乱強度[a.u.]である。本実施形態における光拡散部材の方位角散乱
強度特性を実線で示し、第1実施形態における光拡散部材の方位角散乱強度特性を破線で示す。
図26に示すように、本実施形態の光拡散部材においても、方位角φ=90°、270°において散乱強度lφがピーク値をとり、強散乱方位φ0はφ0=90°、270°であることが確認された。強散乱方位φ0(90°、270°)を中心軸として、方位φ0(90°、270°)+Δφにおける散乱強度と、方位φ0(90°、270°)−Δφにおける散乱強度と、が概ね等しい。さらに、本実施形態の光拡散部材によれば、第1実施形態の光拡散部材9に比べて、方位角ごとの散乱強度の差が緩和されている。
図27及び図28は、本実施形態の液晶表示装置の方位角輝度特性を示す図であり、液晶表示装置の左右方向の視角対称性を評価したシミュレーション結果である。
図27は、本実施形態の液晶表示装置の極角θ:45°方向における方位角輝度特性を示す図である。
図28は、本実施形態の液晶表示装置の極角θ:60°方向における方位角輝度特性を示す図である。
図27及び図28において、横軸は方位角θ[°]であり、縦軸は規格化輝度[a.u.]である。符号C1は比較例の液晶表示装置であり、符号C3は本実施形態の液晶表示装置である。比較例の液晶表示装置としては市販のTNディスプレイ(光拡散部材が無いもの)を用いた。本実施形態の液晶表示装置としては市販のTNディスプレイの表面に本実施形態の光拡散部材を貼り合せたものを用いた。
図27及び図28に示すように、本実施形態の液晶表示装置においては、光拡散部材の散乱効果により、方位角φが225°〜315°の範囲で、輝度が向上していることが確認された。また、方位角φ=90°、270°を中心として、輝度分布が左右対称である。これにより、左右方向の視角対称性が失われていないことが分かる。さらに、本実施形態の液晶表示装置においては、第1実施形態の液晶表示装置1に比べて、方位角ごとの輝度の差が緩和されている。
本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる、という第1実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、本実施形態においては、強散乱方位φ0に対する遮光層の長軸のなす角度が正負で互いに異なる遮光層を有する。そのため、本実施形態の光拡散部材においては、第1実施形態の光拡散部材9に比べて、方位角ごとの散乱強度の差を緩和することができる。これにより、本実施形態の液晶表示装置においては、第1実施形態の液晶表示装置1に比べて、方位角ごとの輝度の差を緩和することができる。従って、方位角方向における輝度変化の度合いを小さくすることができ、視認性を向上させることができる。
尚、本実施形態においては、一例として、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2遮光層40v2、強散乱方位φ0に対して−45°をなす長軸を有する複数の第3遮光層40v3、を挙げて説明したが、これに限らない。強散乱方位φ0に対する第2遮光層、第3遮光層の長軸のなす角度が、前記角度と異なっていてもよい。例えば、強散乱方位φ0に対して+30°をなす長軸を有する複数の第2遮光層、強散乱方位φ0に対して−30°をなす長軸を有する複数の第3遮光層、であってもよい。すなわち、複数の遮光層は、強散乱方位φ0に対して直交する長軸を有する複数の第1遮光層と、強散乱方位φ0に対して+αの角度をなす長軸を有する複数の第2遮光層と、強散乱方位φ0に対して−αの角度をなす長軸を有する複数の第3遮光層と、を含んでいればよい。
また、本実施形態においては、第2遮光層40v2の形状及び大きさと第3遮光層40v3の形状及び大きさとが同じである例を挙げて説明したが、これに限らない。第2遮光層の形状及び大きさと第3遮光層の形状及び大きさとがそれぞれ若干異なっていてもよい。また、遮光層の存在比は2:1:1に限らず、例えば、遮光層の存在比が1:2:2であったり3:1:1であったりしてもよい。このように異なっていても、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、第2遮光層の形状及び大きさと第3遮光層の形状及び大きさとが概ね同じであり、第2遮光層の数と第3遮光層の数とが概ね同じであればよい。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図29を用いて説明する。
図29は、第3実施形態における強散乱方位φ0に対する遮光層の配置構成を説明するための図である。図29においては、便宜上、複数の遮光層のうち一部の遮光層を示している。
図29に示すように、本実施形態の基本構成は第1実施形態と同一であり、複数の遮光層が、強散乱方位φ0(中心軸)に対して直交する長軸を有する複数の第1遮光層40v1と、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2遮光層40v2と、強散乱方位φ0に対して−45°をなす長軸を有する複数の第3遮光層40v3と、強散乱方位φ0に対して+60°をなす長軸を有する複数の第4遮光層40v4と、強散乱方位φ0に対して−60°をなす長軸を有する複数の第5遮光層40v5と、を含み、第2遮光層40v2の形状及び大きさと第3遮光層40v3の形状及び大きさとが同じであり、且つ、第4遮光層40v4の形状及び大きさと第5遮光層40v5の形状及び大きさとが同じであり、第2遮光層40v2の数と第3遮光層40v3の数とが同じであり、且つ、第4遮光層40v4の数と第5遮光層40v5の数とが同じである点、が第1実施形態と異なる。
図29において、第1実施形態で用いた図と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の遮光層の存在比は、第1遮光層40v1の数:第2遮光層40v2の数:第3遮光層40v3の数:第4遮光層40v4の数:第5遮光層40v5の数=N1:N2:N3:N4:N5とすると、N1:N2:N3:N4:N5=5:2:2:1:1である。
本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる、という第1実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、本実施形態においては、第2実施形態に比べて、強散乱方位φ0に対する遮光層の長軸のなす角度が正負で互いに異なる遮光層の種類が多い。そのため、本実施形態の光拡散部材においては、第2実施形態の光拡散部材に比べて、方位角ごとの散乱強度の差を緩和することができる。これにより、本実施形態の液晶表示装置においては、第2実施形態の液晶表示装置に比べて、方位角ごとの輝度の差を緩和することができる。従って、方位角方向における輝度変化の度合いを小さくすることができ、視認性を向上させることができる。
尚、本実施形態においては、一例として、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2遮光層40v2、強散乱方位φ0に対して−45°をなす長軸を有する複数の第3遮光層40v3、強散乱方位φ0に対して+60°をなす長軸を有する複数の第4遮光層40v4、強散乱方位φ0に対して−60°をなす長軸を有する複数の第5遮光層40v5、を挙げて説明したが、これに限らない。強散乱方位φ0に対する第2遮光層〜第5遮光層の長軸のなす角度が、前記角度と異なっていてもよい。例えば、強散乱方位φ0に対して+30°をなす長軸を有する複数の第2遮光層、強散乱方位φ0に対して−30°をなす長軸を有する複数の第3遮光層、強散乱方位φ0に対して+75°をなす長軸を有する複数の第4遮光層、強散乱方位φ0に対して−75°をなす長軸を有する複数の第5遮光層、であってもよい。すなわち、複数の遮光層が、強散乱方位φ0に対して直交する長軸を有する複数の第1遮光層と、強散乱方位φ0に対して+αの角度をなす長軸を有する複数の第2遮光層と、強散乱方位φ0に対して−αの角度をなす長軸を有する複数の第3遮光層と、強散乱方位φ0に対して+βの角度をなす長軸を有する複数の第4遮光層と、強散乱方位φ0に対して−βの角度をなす長軸を有する複数の第5遮光層と、を含んでいればよい。
また、本実施形態においては、強散乱方位φ0に対する遮光層の長軸のなす角度が正負で互いに異なる4種類の遮光層(第2遮光層〜第5遮光層)を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、強散乱方位φ0に対する遮光層の長軸のなす角度が正負で互いに異なる5種類以上の複数種類の遮光層であってもよい。
また、本実施形態においては、第2遮光層40v2の形状及び大きさと第3遮光層40v3の形状及び大きさとが同じであり、且つ、第4遮光層40v4の形状及び大きさと第5遮光層40v5の形状及び大きさとが同じである例を挙げて説明したが、これに限らない。第2遮光層の形状及び大きさと第3遮光層の形状及び大きさとがそれぞれ若干異なっていてもよく、第4遮光層の形状及び大きさと第5遮光層の形状及び大きさとがそれぞれ若干異なっていてもよい。また、遮光層の存在比は5:2:2:1:1に限らず、例えば、遮光層の存在比が4:3:3:1:1であったり3:1:1:2:2であったりしてもよい。このように異なっていても、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、第2遮光層の形状及び大きさと第3遮光層の形状及び大きさとが概ね同じであり、且つ、第4遮光層の形状及び大きさと第5遮光層の形状及び大きさとが概ね同じであり、第2遮光層の数と第3遮光層の数とが同じであり、且つ、第4遮光層の数と第5遮光層の数とが概ね同じであればよい。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図30を用いて説明する。
図30は、第4実施形態における強散乱方位φ0に対する遮光層の配置構成を説明するための図である。図30においては、便宜上、複数の遮光層のうち一部の遮光層を示している。
図30に示すように、本実施形態の基本構成は第1実施形態と同一であり、複数の遮光層が、強散乱方位φ0(中心軸)に対して直交する長軸を有する複数の第1遮光層40v1と、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2遮光層40v2と、強散乱方位φ0に対して−30°をなす長軸を有する複数の第3遮光層40v3と、強散乱方位φ0に対して−60°をなす長軸を有する複数の第4遮光層40v4と、を含み、第2遮光層40v2の形状及び大きさと第3遮光層40v3の形状及び大きさと第4遮光層40v4の形状及び大きさとが同じであり、第2遮光層40v2の数と、第3遮光層40v3の数及び第4遮光層40v4の数の合計と、が同じである点、が第1実施形態と異なる。
図30において、第1実施形態で用いた図と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の遮光層の存在比は、第1遮光層40v1の数:第2遮光層40v2の数:第3遮光層40v3の数:第4遮光層40v4の数=N1:N2:N3:N4とすると、N1:N2:N3:N4=4:2:1:1である。
本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる、という第1実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、本実施形態においては、強散乱方位φ0に対する遮光層の長軸のなす角度が正負で互いに異なる遮光層を有する。遮光層の配置パターンは左右で異なるが、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する第2遮光層40v2の数に対し、強散乱方位φ0に対して−30°をなす長軸を有する第3遮光層40v3、強散乱方位φ0に対して−60°をなす長軸を有する第4遮光層40v4が半数ずつ存在するため、−45°をなす長軸を有する遮光層が+45°をなす長軸を有する遮光層と同数あることと等価と考えられ、左右のバランスはほぼ保たれる。そのため、本実施形態の光拡散部材においては、第1実施形態の光拡散部材9に比べて、方位角ごとの散乱強度の差を緩和することができる。これにより、本実施形態の液晶表示装置においては、第1実施形態の液晶表示装置1に比べて、方位角ごとの輝度の差を緩和することができる。従って、方位角方向における輝度変化の度合いを小さくすることができ、視認性を向上させることができる。
尚、本実施形態においては、一例として、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2遮光層40v2、強散乱方位φ0に対して−30°をなす長軸を有する複数の第3遮光層40v3、強散乱方位φ0に対して−60°をなす長軸を有する複数の第4遮光層40v4、を挙げて説明したが、これに限らない。強散乱方位φ0に対する第2遮光層〜第4遮光層の長軸のなす角度が、前記角度と異なっていてもよい。例えば、強散乱方位φ0に対して+30°をなす長軸を有する複数の第2遮光層、強散乱方位φ0に対して−15°をなす長軸を有する複数の第3遮光層、強散乱方位φ0に対して−45°をなす長軸を有する複数の第4遮光層、であってもよい。すなわち、複数の遮光層は、強散乱方位φ0に対して直交する長軸を有する複数の第1遮光層と、強散乱方位φ0に対して+αの角度をなす長軸を有する複数の第2遮光層と、強散乱方位φ0に対して−βの角度をなす長軸を有する複数の第3遮光層と、強散乱方位φ0に対して−γの角度をなす長軸を有する複数の第4遮光層と、を含み、αが、α=(β+γ)/2の関係を満たしていればよい。
また、本実施形態においては、第2遮光層40v2の形状及び大きさと第3遮光層40v3の形状及び大きさと第4遮光層40v4の形状及び大きさとが同じである例を挙げて説明したが、これに限らない。第2遮光層の形状及び大きさと第3遮光層の形状及び大きさと第4遮光層の形状及び大きさとがそれぞれ若干異なっていてもよい。また、遮光層の存在比は4:2:1:1に限らず、例えば、遮光層の存在比が4:3:1:1であったり3:1:2:2であったりしてもよい。このように異なっていても、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、第2遮光層の形状及び大きさと第3遮光層の形状及び大きさと第4遮光層の形状及び大きさとが概ね同じであり、第2遮光層の数と、第3遮光層の数及び第4遮光層の数の合計と、が概ね同じであればよい。
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態について、図31を用いて説明する。
図31は、第5実施形態における強散乱方位φ0に対する遮光層の配置構成を説明するための図である。図31においては、便宜上、複数の遮光層のうち一部の遮光層を示している。
図31に示すように、本実施形態の基本構成は第2実施形態と同一であり、遮光層(第1遮光層50v1、第2遮光層50v2及び第3遮光層50v3)の平面形状が長方形である点、が第2実施形態と異なる。
図31において、第2実施形態で用いた図と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の遮光層の存在比は、第1遮光層50v1の数:第2遮光層50v2の数:第3遮光層50v3の数=N1:N2:N3とすると、N1:N2:N3=5:2:2である。
本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる。さらに、方位角方向における輝度変化の度合いを小さくすることができ、視認性を向上させることができる、という第2実施形態と同様の効果を奏する。
尚、本実施形態においては、遮光層の存在比は2:1:1に限らない。例えば、遮光層の存在比が1:2:2であったり3:1:1であったりしてもよい。このように異なっていても、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、第2遮光層の数と第3遮光層の数とが概ね同じであればよい。
[第6実施形態]
以下、本発明の第6実施形態について、図32を用いて説明する。
図32は、第6実施形態における強散乱方位φ0に対する遮光層の配置構成を説明するための図である。図32においては、便宜上、複数の遮光層のうち一部の遮光層を示している。
図32に示すように、本実施形態の基本構成は第1実施形態と同一であり、複数の遮光層が、強散乱方位φ0(中心軸)に対して直交する長軸を有し、且つ、遮光層の平面形状が二等辺三角形である複数の第1遮光層60v1と、強散乱方位φ0に対して直交する長軸を有し、且つ、遮光層の平面形状が第1遮光層60v2とは反対向きの二等辺三角形である複数の第2遮光層60v2と、を含み、第1遮光層60v1の数と第2遮光層60v2の数とが同じである点、が第1実施形態と異なる。
図32において、第1実施形態で用いた図と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の遮光層の存在比は、第1遮光層60v1の数:第2遮光層60v2の数=N1:N2とすると、N1:N2=1:1である。
本実施形態においては、遮光層の平面形状が1軸対称性を有するのみであるが、逆方向に向き合う形で同数配置されるため、左右のバランスはほぼ保たれる。従って、本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる、という第1実施形態と同様の効果を奏する。
尚、本実施形態においては、遮光層の存在比は1:1に限らない。例えば、遮光層の存在比が100:99であったり99:100であったりしてもよい。このように異なっていても、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、第1遮光層の数と第2遮光層の数とが概ね同じであればよい。
[第7実施形態]
以下、本発明の第7実施形態について、図33〜図37を用いて説明する。
図33は、第7実施形態における強散乱方位φ0に対する遮光層の配置構成を説明するための図である。図33においては、便宜上、複数の遮光層のうち一部の遮光層を示している。
図33に示すように、本実施形態の基本構成は第1実施形態と同一であり、複数の遮光層が、遮光層の平面形状が円形である複数の第1遮光層70と、強散乱方位φ0(中心軸)に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2遮光層40v2と、強散乱方位φ0に対して−45°をなす長軸を有する複数の第3遮光層40v3と、を含み、第2遮光層40v2の形状及び大きさと第3遮光層40v2の形状及び大きさとが同じであり、第2遮光層40v2の数と第3遮光層40v3の数とが同じである点、が第1実施形態と異なる。
図33〜図37において、第1実施形態で用いた図と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の遮光層の存在比は、第1遮光層70の数:第2遮光層40v2の数:第3遮光層40v3の数=N1:N2:N3とすると、N1:N2:N3=2:1:1である。
図34は、強散乱方位φ0に対する平面視円形の遮光層70の配置構成を説明するための図である。図34においては、便宜上、複数の遮光層のうち一部の遮光層を示している。
図34に示すように、本実施形態の光拡散部材においては、第2遮光層40v2及び第3遮光層40v3(図示略)を除き、平面視円形の複数の第1遮光層70が設けられている。
図35は、平面視円形の第1遮光層70のみを有する光拡散部材の方位角散乱強度特性を示す図である。図35は、光拡散部材の強散乱方位φ0を評価したシミュレーション結果である。図35において、横軸は方位角θ[°]であり、縦軸は散乱強度[a.u.]である。
図35に示すように、平面視円形の第1遮光層70のみを有する光拡散部材においては、特定の方位角φにおいて散乱強度lφがピーク値をとらず、どの方位角φを強散乱方位φ0としても散乱強度の対称性が保たれることが確認された。
図36及び図37は、平面視円形の第1遮光層70のみを有する液晶表示装置の方位角輝度特性を示す図であり、液晶表示装置の左右方向の視角対称性を評価したシミュレーション結果である。
図36は、平面視円形の第1遮光層70のみを有する液晶表示装置の極角θ:45°方向における方位角輝度特性を示す図である。
図37は、平面視円形の第1遮光層70のみを有する液晶表示装置の極角θ:60°方向における方位角輝度特性を示す図である。
図36及び図37において、横軸は方位角θ[°]であり、縦軸は規格化輝度[a.u.]である。符号C1は比較例の液晶表示装置であり、符号C4は平面視円形の第1遮光層70のみを有する液晶表示装置である。比較例の液晶表示装置としては市販のTNディスプレイ(光拡散部材が無いもの)を用いた。平面視円形の第1遮光層70のみを有する液晶表示装置としては市販のTNディスプレイの表面に平面視円形の第1遮光層70のみを有する光拡散部材を貼り合せたものを用いた。
図36及び図37に示すように、平面視円形の第1遮光層70のみを有する液晶表示装置においては、光拡散部材の散乱効果により、方位角φが225°〜315°の範囲で、輝度が向上していることが確認された。また、方位角φ=90°、270°を中心として、輝度分布が左右対称である。これにより、左右方向の視角対称性が失われていないことが分かる。
図35〜図37の結果及び上述した図26〜図28の結果から、本実施形態の液晶表示装置においても、第2実施形態の液晶表示装置と同様、第1実施形態の液晶表示装置1に比べて、方位角ごとの輝度の差が緩和されることが推定される。
本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる。さらに、方位角方向における輝度変化の度合いを小さくすることができ、視認性を向上させることができる、という第2実施形態と同様の効果を奏する。
尚、本実施形態においては、一例として、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2遮光層40v2、強散乱方位φ0に対して−45°をなす長軸を有する複数の第3遮光層40v3、を挙げて説明したが、これに限らない。強散乱方位φ0に対する第2遮光層、第3遮光層の長軸のなす角度が、前記角度と異なっていてもよい。例えば、強散乱方位φ0に対して+30°をなす長軸を有する複数の第2遮光層、強散乱方位φ0に対して−30°をなす長軸を有する複数の第3遮光層、であってもよい。すなわち、複数の遮光層は、平面視円形の複数の第1遮光層と、強散乱方位φ0に対して+αの角度をなす長軸を有する複数の第2遮光層と、強散乱方位φ0に対して−αの角度をなす長軸を有する複数の第3遮光層と、を含んでいればよい。
また、本実施形態においては、第2遮光層40v2の形状及び大きさと第3遮光層40v3の形状及び大きさとが同じである例を挙げて説明したが、これに限らない。第2遮光層の形状及び大きさと第3遮光層の形状及び大きさとがそれぞれ若干異なっていてもよい。また、遮光層の存在比は2:1:1に限らず、例えば、遮光層の存在比が1:2:2であったり3:1:1であったりしてもよい。このように異なっていても、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、第2遮光層の形状及び大きさと第3遮光層の形状及び大きさとが概ね同じであり、第2遮光層の数と第3遮光層の数とが概ね同じであればよい。
また、上記実施形態では、液晶パネル2の表示モードがTNモードである場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、液晶パネルの表示モードがVAモードであってもよい。
図38及び図39は、平面視円形の遮光層のみを有するVAモードの液晶表示装置の方位角輝度特性を示す図であり、液晶表示装置の左右方向の視角対称性を評価したシミュレーション結果である。
図38は、平面視円形の遮光層のみを有する液晶表示装置の極角θ:45°方向における方位角輝度特性を示す図である。
図39は、平面視円形の第1遮光層70のみを有する液晶表示装置の極角θ:60°方向における方位角輝度特性を示す図である。
図38及び図39において、横軸は方位角θ[°]であり、縦軸は規格化輝度[a.u.]である。平面視円形の遮光層のみを有する液晶表示装置としては市販のVAディスプレイの表面に平面視円形の遮光層のみを有する光拡散部材を貼り合せたものを用いた。
図38及び図39に示すように、平面視円形の遮光層のみを有するVAモードの液晶表示装置においても、方位角φ=90°、270°を中心として、輝度分布が左右対称であることが確認された。これにより、左右方向の視角対称性が失われていないことが分かる。従って、VAモードの液晶表示装置においても、TNモードの液晶表示装置と同様、左右方向の視角対称性を維持することができる。
[第8実施形態]
以下、本発明の第8実施形態について、図40(A)〜(D)を用いて説明する。
本実施形態の基本構成は第1実施形態と同一であり、光拡散部材における遮光層の形状が第1実施形態と異なる。 従って、本実施形態では、第1実施形態で用いた図と共通の構成要素の説明は省略し、遮光層について説明する。
図40(A)〜(D)は、本実施形態の遮光層の平面図である。
図40(A)〜(D)に示すように、本実施形態の遮光層の形状は長軸と短軸を有する異方性形状であり、2軸対称性を有する。
具体的には、図40(A)に示す遮光層80の形状は、長方形である。図40(B)に示す遮光層81の形状は、長方形の角が丸みを帯びた形状である。図40(C)に示す遮光層82の形状は、長方形の角の丸みを大きくした形状(小判形)である。図40(D)に示す遮光層83の形状は、菱形である。
本実施形態においては、強散乱方位φ0(中心軸)に対して遮光層80〜83の長軸を直交させる。
本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる、という第1実施形態と同様の効果を奏する。
[第9実施形態]
以下、本発明の第9実施形態について、図41及び図42を用いて説明する。
本実施形態の液晶表示装置の基本構成は第1実施形態と同一であり、光拡散部材109に複数の光拡散部141が配置されている点、すなわち、光拡散部と遮光層とが反転している点、が第1実施形態と異なる。そのため、本実施形態では、光拡散部材109について説明する。
図41は、光拡散部材109の模式図である。図41において、左側上段は光拡散部材109の平面図である。左側下段は、左側上段の平面図のC−C線に沿った断面図である。右側上段は、左側上段の平面図のD−D線に沿った断面図である。
本実施形態の光拡散部材109は、図41の左側上段に示すように、複数の光拡散部141が、基材139の一面に点在して設けられている。基材139の法線方向から見た光拡散部141の平面形状は細長い楕円形である。光拡散部141は、長軸と短軸とを有している。
複数の光拡散部141の長軸方向は概ねX方向に揃っている。複数の光拡散部141の短軸方向は概ねY方向に揃っている。このことから、光拡散部141の反射面141cの向きを考えると、光拡散部141の反射面141cのうち、X方向に沿った反射面141cの割合はY方向に沿った反射面141cの割合よりも多い。そのため、X方向に沿った反射面141cで反射してY方向に拡散する光Lyは、Y方向に沿った反射面141cで反射してX方向に拡散する光Lxよりも多くなる。したがって、光拡散部材109の拡散性が最も強い方位角方向は、光拡散部141の短軸方向であるY方向となる。
本実施形態においては、液晶パネル2の光射出側に光拡散部材109を配置し、さらに、光拡散部材109の液晶パネル2に一定の電圧を印加した場合の極角方向の透過率変化が最も大きい方位角方向(方位角φ:90°−270°方向)と、光拡散部材109の拡散性が最も強い方位角方向(光拡散部141の短軸方向であるY方向)と、を概ね一致させる。
図42は、本実施形態における強散乱方位φ0に対する光拡散部141の配置構成を説明するための図である。図42においては、便宜上、複数の光拡散部のうち一部の光拡散部を示している。
図42に示すように、光拡散部141の平面形状が楕円であると、楕円は2軸対称性を有するため、短軸を対称軸として左右の形状が等しい。そのため、散乱特性が強散乱方位φ0を軸として、左右に対称となる。従って、平面形状が楕円の光拡散部141においては、短軸と平行な方向が強散乱方位φ0となる。
本実施形態の光拡散部141は、強散乱方位φ0を中心軸としたとき、中心軸に対して直交する長軸を有する。本実施形態の光拡散部材109において、複数の光拡散部141の各々の長軸は、一方向に揃って配置されている。
尚、複数の光拡散部141の各々の長軸は完全に一方向に揃って配置される必要はなく、概ね一致していればよい。
本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる、という第1実施形態と同様の効果を奏する。
尚、本実施形態においては、複数の光拡散部141が平面視楕円の光拡散部141によって構成されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、複数の光拡散部に、平面形状が、円形、多角形、半円等の形状が含まれていてもよい。このような形状の光拡散部が含まれていても、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、光拡散部材において、強散乱方位φ0を中心軸として、方位φ0+Δφにおける散乱強度と、方位φ0−Δφにおける散乱強度と、が概ね等しくなっていればよい。液晶表示装置においては、液晶パネルの輝度分布が略線対称となっていればよい。
[第10実施形態]
以下、本発明の第10実施形態について、図43を用いて説明する。
図43は、第10実施形態における強散乱方位φ0に対する光拡散部の配置構成を説明するための図である。図43においては、便宜上、複数の光拡散部のうち一部の光拡散部を示している。
図43に示すように、本実施形態の基本構成は第9実施形態と同一であり、複数の光拡散部が、強散乱方位φ0(中心軸)に対して直交する長軸を有する複数の第1光拡散部141v1と、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2光拡散部141v2と、強散乱方位φ0に対して−45°をなす長軸を有する複数の第3光拡散部141v3と、を含み、第2光拡散部141v2の形状及び大きさと第3光拡散部141v2の形状及び大きさとが同じであり、第2光拡散部141v2の数と第3光拡散部141v3の数とが同じである点、が第1実施形態と異なる。
図43において、第9実施形態で用いた図と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の光拡散部の存在比は、第1光拡散部141v1の数:第2光拡散部141v2の数:第3光拡散部141v3の数=N1:N2:N3とすると、N1:N2:N3=2:1:1である。
本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる、という第9実施形態と同様の効果を奏する。 さらに、本実施形態においては、強散乱方位φ0に対する光拡散部の長軸のなす角度が正負で互いに異なる光拡散部を有する。そのため、本実施形態の光拡散部材においては、第9実施形態の光拡散部材109に比べて、方位角ごとの散乱強度の差を緩和することができる。これにより、本実施形態の液晶表示装置においては、第9実施形態の液晶表示装置に比べて、方位角ごとの輝度の差を緩和することができる。従って、方位角方向における輝度変化の度合いを小さくすることができ、視認性を向上させることができる。
尚、本実施形態においては、一例として、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2光拡散部141v2、強散乱方位φ0に対して−45°をなす長軸を有する複数の第3光拡散部141v3、を挙げて説明したが、これに限らない。強散乱方位φ0に対する第2光拡散部、第3光拡散部の長軸のなす角度が、前記角度と異なっていてもよい。例えば、強散乱方位φ0に対して+30°をなす長軸を有する複数の第2光拡散部、強散乱方位φ0に対して−30°をなす長軸を有する複数の第3光拡散部、であってもよい。すなわち、複数の光拡散部は、強散乱方位φ0に対して直交する長軸を有する複数の第1光拡散部と、強散乱方位φ0に対して+αの角度をなす長軸を有する複数の第2光拡散部と、強散乱方位φ0に対して−αの角度をなす長軸を有する複数の第3光拡散部と、を含んでいればよい。
また、本実施形態においては、第2光拡散部141v2の形状及び大きさと第3光拡散部141v2の形状及び大きさとが同じであり、第2光拡散部141v2の数と第3光拡散部141v3の数とが同じである例を挙げて説明したが、これに限らない。第2光拡散部の形状及び大きさと第3光拡散部の形状及び大きさとがそれぞれ若干異なっていてもよい。また、光拡散部の存在比は2:1:1に限らず、例えば、光拡散部の存在比が1:2:2であったり3:1:1であったりしてもよい。このように異なっていても、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、第2光拡散部の形状及び大きさと第3光拡散部の形状及び大きさとが概ね同じであり、第2光拡散部の数と第3光拡散部の数とが概ね同じであればよい。
[第11実施形態]
以下、本発明の第11実施形態について、図44を用いて説明する。
図44は、第11実施形態における強散乱方位φ0に対する光拡散部の配置構成を説明するための図である。図44においては、便宜上、複数の光拡散部のうち一部の光拡散部を示している。
図44に示すように、本実施形態の基本構成は第9実施形態と同一であり、複数の光拡散部が、強散乱方位φ0(中心軸)に対して直交する長軸を有する複数の第1光拡散部141v1と、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2光拡散部141v2と、強散乱方位φ0に対して−45°をなす長軸を有する複数の第3光拡散部141v3と、強散乱方位φ0に対して+60°をなす長軸を有する複数の第4光拡散部141v4と、強散乱方位φ0に対して−60°をなす長軸を有する複数の第5光拡散部141v5と、を含み、第2光拡散部141v2の形状及び大きさと第3光拡散部141v3の形状及び大きさとが同じであり、且つ、第4光拡散部141v4の形状及び大きさと第5光拡散部141v5の形状及び大きさとが同じであり、第2光拡散部141v2の数と第3光拡散部141v3の数とが同じであり、且つ、第4光拡散部141v4の数と第5光拡散部141v5の数とが同じである点、が第9実施形態と異なる。
図44において、第9実施形態で用いた図と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の光拡散部の存在比は、第1光拡散部141v1の数:第2光拡散部141v2の数:第3光拡散部141v3の数:第4光拡散部141v4の数:第5光拡散部141v5の数=N1:N2:N3:N4:N5とすると、N1:N2:N3:N4:N5=5:2:2:1:1である。
本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる、という第9実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、本実施形態においては、第10実施形態に比べて、強散乱方位φ0に対する光拡散部の長軸のなす角度が正負で互いに異なる光拡散部の種類が多い。そのため、本実施形態の光拡散部材においては、第10実施形態の光拡散部材に比べて、方位角ごとの散乱強度の差を緩和することができる。これにより、本実施形態の液晶表示装置においては、第10実施形態の液晶表示装置に比べて、方位角ごとの輝度の差を緩和することができる。従って、方位角方向における輝度変化の度合いを小さくすることができ、視認性を向上させることができる。
尚、本実施形態においては、一例として、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2光拡散部141v2、強散乱方位φ0に対して−45°をなす長軸を有する複数の第3光拡散部141v3、強散乱方位φ0に対して+60°をなす長軸を有する複数の第4光拡散部141v4、強散乱方位φ0に対して−60°をなす長軸を有する複数の第5光拡散部141v5、を挙げて説明したが、これに限らない。強散乱方位φ0に対する第2光拡散部〜第5光拡散部の長軸のなす角度が、前記角度と異なっていてもよい。例えば、強散乱方位φ0に対して+30°をなす長軸を有する複数の第2光拡散部、強散乱方位φ0に対して−30°をなす長軸を有する複数の第3光拡散部、強散乱方位φ0に対して+75°をなす長軸を有する複数の第4光拡散部、強散乱方位φ0に対して−75°をなす長軸を有する複数の第5光拡散部、であってもよい。すなわち、複数の光拡散部が、強散乱方位φ0に対して直交する長軸を有する複数の第1光拡散部と、強散乱方位φ0に対して+αの角度をなす長軸を有する複数の第2光拡散部と、強散乱方位φ0に対して−αの角度をなす長軸を有する複数の第3光拡散部と、強散乱方位φ0に対して+βの角度をなす長軸を有する複数の第4光拡散部と、強散乱方位φ0に対して−βの角度をなす長軸を有する複数の第5光拡散部と、を含んでいればよい。
また、本実施形態においては、強散乱方位φ0に対する光拡散部の長軸のなす角度が正負で互いに異なる4種類の光拡散部(第2光拡散部〜第5光拡散部)を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、強散乱方位φ0に対する光拡散部の長軸のなす角度が正負で互いに異なる5種類以上の複数種類の光拡散部であってもよい。
また、本実施形態においては、第2光拡散部141v2の形状及び大きさと第3光拡散部141v3の形状及び大きさとが同じであり、且つ、第4光拡散部141v4の形状及び大きさと第5光拡散部141v5の形状及び大きさとが同じである例を挙げて説明したが、これに限らない。第2光拡散部の形状及び大きさと第3光拡散部の形状及び大きさとがそれぞれ若干異なっていてもよく、第4光拡散部の形状及び大きさと第5光拡散部の形状及び大きさとがそれぞれ若干異なっていてもよい。また、光拡散部の存在比は5:2:2:1:1に限らず、例えば、光拡散部の存在比が4:3:3:1:1であったり3:1:1:2:2であったりしてもよい。このように異なっていても、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、第2光拡散部の形状及び大きさと第3光拡散部の形状及び大きさとが概ね同じであり、且つ、第4光拡散部の形状及び大きさと第5光拡散部の形状及び大きさとが概ね同じであり、第2光拡散部の数と第3光拡散部の数とが同じであり、且つ、第4光拡散部の数と第5光拡散部の数とが概ね同じであればよい。
[第12実施形態]
以下、本発明の第12実施形態について、図45を用いて説明する。
図45は、第12実施形態における強散乱方位φ0に対する光拡散部の配置構成を説明するための図である。図45においては、便宜上、複数の光拡散部のうち一部の光拡散部を示している。
図45に示すように、本実施形態の基本構成は第1実施形態と同一であり、複数の光拡散部が、強散乱方位φ0(中心軸)に対して直交する長軸を有する複数の第1光拡散部141v1と、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2光拡散部141v2と、強散乱方位φ0に対して−30°をなす長軸を有する複数の第3光拡散部141v3と、強散乱方位φ0に対して−60°をなす長軸を有する複数の第4光拡散部141v4と、を含み、第2光拡散部141v2の形状及び大きさと第3光拡散部141v3の形状及び大きさと第4光拡散部141v4の形状及び大きさとが同じであり、第2光拡散部141v2の数と、第3光拡散部141v3の数及び第4光拡散部141v4の数の合計と、が同じである点、が第9実施形態と異なる。
図45において、第9実施形態で用いた図と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の光拡散部の存在比は、第1光拡散部141v1の数:第2光拡散部141v2の数:第3光拡散部141v3の数:第4光拡散部141v4の数=N1:N2:N3:N4とすると、N1:N2:N3:N4=4:2:1:1である。
本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる、という第9実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、本実施形態においては、強散乱方位φ0に対する光拡散部の長軸のなす角度が正負で互いに異なる光拡散部を有する。光拡散部の配置パターンは左右で異なるが、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する第2光拡散部141v2の数に対し、強散乱方位φ0に対して−30°をなす長軸を有する第3光拡散部141v3、強散乱方位φ0に対して−60°をなす長軸を有する第4光拡散部141v4が半数ずつ存在するため、左右のバランスはほぼ保たれる。そのため、本実施形態の光拡散部材においては、第9実施形態の光拡散部材109に比べて、方位角ごとの散乱強度の差を緩和することができる。これにより、本実施形態の液晶表示装置においては、第1実施形態の液晶表示装置1に比べて、方位角ごとの輝度の差を緩和することができる。従って、方位角方向における輝度変化の度合いを小さくすることができ、視認性を向上させることができる。
尚、本実施形態においては、一例として、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2光拡散部141v2、強散乱方位φ0に対して−30°をなす長軸を有する複数の第3光拡散部141v3、強散乱方位φ0に対して−60°をなす長軸を有する複数の第4光拡散部141v4、を挙げて説明したが、これに限らない。強散乱方位φ0に対する第2光拡散部〜第4光拡散部の長軸のなす角度が、前記角度と異なっていてもよい。例えば、強散乱方位φ0に対して+30°をなす長軸を有する複数の第2光拡散部、強散乱方位φ0に対して−15°をなす長軸を有する複数の第3光拡散部、強散乱方位φ0に対して−45°をなす長軸を有する複数の第4光拡散部、であってもよい。すなわち、複数の光拡散部は、強散乱方位φ0に対して直交する長軸を有する複数の第1光拡散部と、強散乱方位φ0に対して+αの角度をなす長軸を有する複数の第2光拡散部と、強散乱方位φ0に対して−βの角度をなす長軸を有する複数の第3光拡散部と、強散乱方位φ0に対して−γの角度をなす長軸を有する複数の第4光拡散部と、を含み、αが、α=(β+γ)/2の関係を満たしていればよい。
また、本実施形態においては、第2光拡散部141v2の形状及び大きさと第3光拡散部141v3の形状及び大きさと第4光拡散部141v4の形状及び大きさとが同じである例を挙げて説明したが、これに限らない。第2光拡散部の形状及び大きさと第3光拡散部の形状及び大きさと第4光拡散部の形状及び大きさとがそれぞれ若干異なっていてもよい。また、光拡散部の存在比は4:2:1:1に限らず、例えば、光拡散部の存在比が4:3:1:1であったり3:1:2:2であったりしてもよい。このように異なっていても、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、第2光拡散部の形状及び大きさと第3光拡散部の形状及び大きさと第4光拡散部の形状及び大きさとが概ね同じであり、第2光拡散部の数と、第3光拡散部の数及び第4光拡散部の数の合計と、が概ね同じであればよい。
[第13実施形態]
以下、本発明の第13実施形態について、図46を用いて説明する。
図46は、第13実施形態における強散乱方位φ0に対する光拡散部の配置構成を説明するための図である。図46においては、便宜上、複数の光拡散部のうち一部の光拡散部を示している。
図46に示すように、本実施形態の基本構成は第10実施形態と同一であり、光拡散部(第1光拡散部151v1、第2光拡散部151v2及び第3光拡散部151v3)の平面形状が長方形である点、が第10実施形態と異なる。
図46において、第10実施形態で用いた図と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の光拡散部の存在比は、第1光拡散部151v1の数:第2光拡散部151v2の数:第3光拡散部151v3の数=N1:N2:N3とすると、N1:N2:N3=5:2:2である。
本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる。さらに、方位角方向における輝度変化の度合いを小さくすることができ、視認性を向上させることができる、という第10実施形態と同様の効果を奏する。
尚、本実施形態においては、光拡散部の存在比は5:2:2に限らない。例えば、光拡散部の存在比が1:2:2であったり3:1:1であったりしてもよい。このように異なっていても、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、第2光拡散部の数と第3光拡散部の数とが概ね同じであればよい。
[第14実施形態]
以下、本発明の第14実施形態について、図47を用いて説明する。
図47は、第14実施形態における強散乱方位φ0に対する光拡散部の配置構成を説明するための図である。図47においては、便宜上、複数の光拡散部のうち一部の光拡散部を示している。
図47に示すように、本実施形態の基本構成は第9実施形態と同一であり、複数の光拡散部が、強散乱方位φ0(中心軸)に対して直交する長軸を有し、且つ、光拡散部の平面形状が二等辺三角形である複数の第1光拡散部161v1と、強散乱方位φ0に対して直交する長軸を有し、且つ、光拡散部の平面形状が第1光拡散部161v2とは反対向きの二等辺三角形である複数の第2光拡散部161v2と、を含み、第1光拡散部161v1の数と第2光拡散部161v2の数とが同じである点、が第9実施形態と異なる。
図47において、第9実施形態で用いた図と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の光拡散部の存在比は、第1光拡散部161v1の数:第2光拡散部161v2の数=N1:N2とすると、N1:N2=1:1である。
本実施形態においては、光拡散部の平面形状が1軸対称性を有するのみであるが、逆方向に向き合う形で同数配置されるため、左右のバランスはほぼ保たれる。従って、本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる、という第9実施形態と同様の効果を奏する。
尚、本実施形態においては、光拡散部の存在比は1:1に限らない。例えば、光拡散部の存在比が100:99であったり99:100であったりしてもよい。このように異なっていても、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、第1光拡散部の数と第2光拡散部の数とが概ね同じであればよい。
[第15実施形態]
以下、本発明の第15実施形態について、図48を用いて説明する。
図48は、第15実施形態における強散乱方位φ0に対する光拡散部の配置構成を説明するための図である。図48においては、便宜上、複数の光拡散部のうち一部の光拡散部を示している。
図48に示すように、本実施形態の基本構成は第9実施形態と同一であり、複数の光拡散部が、光拡散部の平面形状が円形である複数の第1光拡散部171と、強散乱方位φ0(中心軸)に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2光拡散部141v2と、強散乱方位φ0に対して−45°をなす長軸を有する複数の第3光拡散部141v3と、を含み、第2光拡散部141v2の形状及び大きさと第3光拡散部141v2の形状及び大きさとが同じであり、第2光拡散部141v2の数と第3光拡散部141v3の数とが概ね同じである点、が第9実施形態と異なる。
図48において、第9実施形態で用いた図と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の光拡散部の存在比は、第1光拡散部171の数:第2光拡散部141v2の数:第3光拡散部141v3の数=N1:N2:N3とすると、N1:N2:N3=2:1:1である。
本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる。さらに、方位角方向における輝度変化の度合いを小さくすることができ、視認性を向上させることができる、という第10実施形態と同様の効果を奏する。
尚、本実施形態においては、一例として、強散乱方位φ0に対して+45°をなす長軸を有する複数の第2光拡散部141v2、強散乱方位φ0に対して−45°をなす長軸を有する複数の第3光拡散部141v3、を挙げて説明したが、これに限らない。強散乱方位φ0に対する第2光拡散部、第3光拡散部の長軸のなす角度が、前記角度と異なっていてもよい。例えば、強散乱方位φ0に対して+30°をなす長軸を有する複数の第2光拡散部、強散乱方位φ0に対して−30°をなす長軸を有する複数の第3光拡散部、であってもよい。すなわち、複数の光拡散部は、平面視円形の複数の第1光拡散部と、強散乱方位φ0に対して+αの角度をなす長軸を有する複数の第2光拡散部と、強散乱方位φ0に対して−αの角度をなす長軸を有する複数の第3光拡散部と、を含んでいればよい。
また、本実施形態においては、第2光拡散部141v2の形状及び大きさと第3光拡散部141v2の形状及び大きさとが同じである例を挙げて説明したが、これに限らない。第2光拡散部の形状及び大きさと第3光拡散部の形状及び大きさとがそれぞれ若干異なっていてもよい。また、光拡散部の存在比は2:1:1に限らず、例えば、光拡散部の存在比が1:2:2であったり3:1:1であったりしてもよい。このように異なっていても、左右方向の視角対称性を維持することができるよう、第2光拡散部の形状及び大きさと第3光拡散部の形状及び大きさとが概ね同じであり、第2光拡散部の数と第3光拡散部の数とが概ね同じであればよい。
[第16実施形態]
以下、本発明の第16実施形態について、図49(A)〜(D)を用いて説明する。
本実施形態の基本構成は第9実施形態と同一であり、光拡散部材における光拡散部の形状が第9実施形態と異なる。
従って、本実施形態では、第9実施形態で用いた図と共通の構成要素の説明は省略し、光拡散部について説明する。
図49(A)〜(D)は、本実施形態の光拡散部の平面図である。
図49(A)〜(D)に示すように、本実施形態の光拡散部の形状は長軸と短軸を有する異方性形状であり、2軸対称性を有する。
具体的には、図49(A)に示す光拡散部180の形状は、長方形である。図49(B)に示す光拡散部181の形状は、長方形の角が丸みを帯びた形状である。図49(C)に示す光拡散部182の形状は、長方形の角の丸みを大きくした形状(小判形)である。図49(D)に示す光拡散部183の形状は、菱形である。
本実施形態においては、強散乱方位φ0(中心軸)に対して光拡散部180〜183の長軸を直交させる。
本実施形態においても、視野角を拡大し且つ左右方向の視角対称性を維持することができる光拡散部材を提供することができる。また、表示品位に優れた液晶表示装置を提供することができる、という第9実施形態と同様の効果を奏する。
尚、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施形態では、表示体として液晶表示装置の例を挙げたが、これに限ることなく、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマディスプレイ等に本発明を適用しても良い。
また、上記実施形態における光拡散部材の基材の視認側に、反射防止層、偏光フィルター層、帯電防止層、防眩処理層、防汚処理層のうちの少なくとも一つを設けた構成としても良い。この構成によれば、基材の視認側に設ける層の種類に応じて、外光反射を低減する機能、塵埃や汚れの付着を防止する機能、傷を防止する機能等を付加することができ、視野角特性の経時劣化を防ぐことができる。
その他、液晶表示装置の各構成部材の材料、数、配置等に関する具体的な構成は上記実施形態に限ることなく、適宜変更が可能である。例えば上記実施形態では、液晶パネルの外側に偏光板や位相差板を配置する例を示したが、この構成に代えて、液晶パネルを構成する一対の基板の内側に偏光層や位相差層を形成しても良い。