JP6271403B2 - 再熱割れ感受性評価方法及び再熱割れ抑制方法 - Google Patents

再熱割れ感受性評価方法及び再熱割れ抑制方法 Download PDF

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本開示は、評価対象物の再熱割れの感受性を評価するための再熱割れ感受性評価方法及び再熱割れ抑制方法に関する。
発電プラントや化学プラント等の各種プラントにおいては、例えば溶接継手部のような金属部位において再熱割れが発生することがある。再熱割れが発生した場合、プラント全体の運転停止に至る可能性もあり、プラントの円滑な運転継続のためには再熱割れの発生を抑制することが重要な課題となっている。
再熱割れ発生を抑制する対策を講じるためには、評価対象物(例えば溶接継手部)の再熱割れに対する感受性を明確にする必要性がある。
そこで、評価対象物の再熱割れ感受性評価の方法として、例えば、特許文献1に記載された方法が提案されている。この特許文献1に記載された再熱割れ感受性評価の方法では、まず、評価対象物から採取した円筒状の部材から試験片を作製する。この試験片は、採取した部材の外周部に長手方向全長に亘ってノッチが形成され、このノッチと対向する部材の外周部の位置において、ノッチに沿って延びて長手方向全長に亘って部材の内部に連通する長孔が形成され、部材の両側から外力を作用させて長孔を密着させた状態で溶接して固定されている。
特開2013−144842号
特許文献1の方法では、試験片を所定温度まで加熱し、所定時間経過した後に冷却するようになっている。そして、試験片の断面のマクロ観察により割れの有無が調査される。この従来の再熱割れ感受性評価の方法は、割れの再現が主となるため割れ発生の有無を相対的に評価することはできるものの、再熱割れの感受性を定量的に評価することは難しかった。そのため、再熱割れに対して適切な対策を選択するためにも、再熱割れの感受性を定量的に評価可能な手法が求められている。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも幾つかの実施形態は、再熱割れの感受性を定量的に評価し得る再熱割れ感受性評価方法及び再熱割れ抑制方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る再熱割れ感受性評価方法は、
評価対象物の再熱割れに対する感受性を評価する再熱割れ感受性評価方法であって、
前記評価対象物と同じ材質で構成され、且つ、初期ひずみが異なる複数の試験片を形成するステップと、
前記複数の試験片のそれぞれについて再熱割れの有無を評価するステップと、
各試験片に関する再熱割れの評価結果から、再熱割れの発生限界を規定する、クリープひずみと初期ひずみとの相関関係を取得するステップと、
前記相関関係に基づき、前記評価対象物の初期ひずみ及びクリープひずみから前記評価対象物の再熱割れの感受性を評価するステップと、を備えることを特徴とする。
上記(1)の方法によれば、再熱割れの発生限界を規定する、クリープひずみと初期ひずみとの相関関係を取得しておき、この相関関係に基づき、評価対象物の初期ひずみ及びクリープひずみから評価対象物における再熱割れの感受性を評価するようにしている。これにより、評価対象物における再熱割れ感受性の定量的な評価が可能となる。また、再熱割れの発生に対する影響の大きい初期ひずみ及びクリープひずみを用いているので、評価対象物の感受性を正確に評価することができる。そのため、ここで得られた定量的な評価に基づいて、再熱割れに対して適切な対策を選択することも可能となる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、
前記試験片を形成するステップでは、
各々の前記試験片に外力を加えることで、各試験片に前記初期ひずみを与え、
大きさが異なる前記クリープひずみに相当する複数種の加熱条件にて、前記外力を加えた状態の各試験片を加熱して、各試験片に前記クリープひずみを与える。
上記(2)の方法によれば、初期ひずみが異なる複数条件の試験片を容易に作成でき、且つ、各試験片を実際の評価対象物の条件に近づけることができるので、再熱割れの感受性評価における信頼性を向上させることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の方法において、
前記試験片を形成するステップでは、
複数種の時効条件にて各試験片を時効処理し、前記初期ひずみ及び前記クリープひずみが異なる前記複数の試験片を各時効条件について形成し、
前記相関関係を取得するステップでは、
前記複数種の時効条件のそれぞれについて、前記再熱割れの発生限界を規定する前記相関関係を取得し、
前記感受性を評価するステップでは、
前記評価対象物の過去の熱履歴に相当する前記時効条件を選択し、
選択された前記時効条件に対応する前記相関関係を用い、前記評価対象物の再熱割れの感受性を評価する。
一般的に、評価対象物の再熱割れに影響を及ぼす因子として、熱応力や拘束状態などの力学的因子と、結晶粒の強化や結晶粒界の脆化などの材料因子と、が挙げられる。上述した(1)又は(2)の方法は、主として力学的因子(クリープひずみ及び初期ひずみ)を用いて再熱割れ感受性を評価するものである。これに対して、上記(3)の方法によれば、力学的因子に加えて材料因子を用いるようにしている。すなわち、複数種の時効条件のそれぞれについて、再熱割れの発生限界を規定する前記相関関係を取得し、評価対象物の過去の熱履歴に応じて選択された時効条件に対応する前記相関関係を用いて、評価対象物の再熱割れ感受性を評価する。これにより、評価対象物の時効による変化を加味した評価を行うことが可能となり、再熱割れ感受性の評価精度をより一層向上させることができる。
(4)一実施形態では、上記(3)の方法において、
前記評価対象物と同種の材料についての時効析出状態と時効時間との相関に基づき、時効析出の進行段階に応じた複数の時効時間領域を設定するステップと、をさらに備え、
前記試験片を形成するステップで用いられる前記複数種の時効条件は、時効温度が同一であり、かつ、時効時間が互いに異なる前記時効時間領域に属する時効条件である。
上記(4)の方法によれば、時効析出の進行段階に応じた複数の時効時間領域を設定して、時効時間が互いに異なる時効時間領域に属する複数種の時効条件のそれぞれについて前記相関関係を取得するようにしている。その際、時効時間領域を適切に設定すれば、所望の評価精度且つ作業時間で再熱割れ感受性の評価を行うことができる。例えば、時効時間領域を細かく設定することにより、評価精度を向上させることができる。一方、時効時間領域を大まかに設定することにより、取得すべき前記相関関係が少なくなるため作業時間を短くすることができる。
(5)一実施形態では、上記(4)の方法において、
前記複数の時効時間領域を設定するステップでは、前記時効析出状態を示す前記材料の硬さを表すパラメータ又は前記材料の粒子間距離を表すパラメータと、前記時効時間との前記相関に基づき、前記時効時間領域を設定する。
上記(5)の方法によれば、材料因子の観点から再熱割れに影響の大きい硬さを又は粒子間距離を用いているので、再熱割れ感受性をより適切に評価することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの方法において、
前記評価対象物は、プラントの溶接継手部であり、
前記再熱割れの感受性を評価するステップでは、
前記溶接継手部の溶接条件から前記溶接継手部の初期ひずみを求めるとともに、前記プラントの運転条件から予想される前記溶接継手部のクリープひずみを求め、
求められた前記溶接継手部の初期ひずみ及びクリープひずみから、前記相関関係に基づいて前記溶接継手部の感受性を評価する。
上記(6)の方法によれば、再熱割れの感受性を評価するステップにおいて、溶接継手部の初期ひずみは溶接継手部の溶接条件から求められ、溶接継手部のクリープひずみはプラントの運転条件から求められ、求められた初期ひずみ及びクリープひずみから、相関関係に基づいて溶接継手部の感受性を評価するので、プラントの実際に存在する溶接継手部の感受性を、取得された相関関係から定量的に評価することができる。
(7)一実施形態では、上記(6)の方法において、
前記再熱割れの感受性を評価するステップでは、求められた前記溶接継手部の初期ひずみから、規定時間経過後における前記溶接継手部の再熱割れの有無の評価を行う。
上記(7)の方法によれば、規定時間経過後における溶接継手部の再熱割れの有無の評価を行うことによって、再熱割れの対策を講じる時期や処理(例えば熱処理)を適切に選択することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(6)又は(7)の方法において、
前記再熱割れの感受性を評価するステップでは、求められた前記溶接継手部の初期ひずみから、前記再熱割れの発生時点を推定する。
上記(8)の方法によれば、求められた溶接継手部の初期ひずみから、溶接継手部の再熱割れの発生時間が求められるので、再熱割れの発生時期を特定することができ、必要以上に溶接継手部に再熱割れ対策に関する処理(例えば熱処理)を行う事態を防止することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(6)乃至(8)の何れかの方法において、
前記再熱割れの感受性を評価するステップでは、
求められた前記溶接継手部の初期ひずみ及びクリープひずみが、前記相関関係によって規定される前記再熱割れの発生限界を超えているか否かを判定する。
上記(9)の方法によれば、求められた溶接継手部の初期ひずみ及びクリープひずみが、相関関係によって規定される再熱割れの発生限界を超えているか否かによって判定されるので、再熱割れの発生の有無を容易に判定することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかの方法において、
前記評価対象物は、Ni基合金又はオーステナイト系ステンレス鋼を含む。
上記(10)の方法によれば、評価対象物は、Ni基合金又はオーステナイト系ステンレス鋼が含まれるので、温度が高い環境下で使用可能な評価対象物の再熱割れの感受性を評価することができる。
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係る再熱割れ抑制方法は、
上記(1)乃至(10)の何れかに記載の再熱割れ感受性評価方法によって評価された前記再熱割れの感受性に基づき、前記評価対象物における再熱割れ耐性を向上させるための施工の必要性を判定するステップと、
前記施工が必要だと判定された場合、前記評価対象物に前記施工を施すステップと、
を備えることを特徴とする。
上記(11)の方法によれば、再熱割れ感受性の定量的な評価結果に基づいて、評価対象物における再熱割れ耐性を向上させるための施工(例えば、溶接部の熱処理や溶接止端部の仕上げ等)の必要性を判定し、必要に応じて評価対象物に施工を施すようにしている。そのため、再熱割れの発生リスクに対して、不要な対策は省略し、経済的で且つ効果的な対策の選定を行うことができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(11)の方法において、
前記再熱割れ評価方法によって、前記施工後における前記評価対象物の前記再熱割れの感受性を前記施工の実施前に事前評価するステップをさらに備える。
上記(12)の方法によれば、施工後における評価対象物の再熱割れの感受性を施工前に事前評価するようにしたので、施工による再熱割れ抑制の効果を事前に把握できる。よって、適切な施工法を評価対象物に対して実施でき、評価対象物における再熱割れの発生を効果的に抑制することができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(11)又は(12)の方法において、
前記再熱割れの感受性を事前評価するステップでは、複数種の施工法のうち、事前評価の結果が規定条件を満たす施工法を選別し、
前記施工を施すステップでは、選別された前記施工法を前記評価対象物に対して実施する。
上記(13)の方法によれば、規定条件を満たす適切な再熱割れ対策を実施することができる。
(14)一実施形態では、上記(13)の方法において、
前記再熱割れの感受性を事前評価するステップでは、予め設定された優先順位に従って前記複数種の施工法について順に前記事前評価を行い、
前記施工を施すステップでは、最初に前記事前評価が前記規定条件を満たした施工法を実施する。
上記(14)の方法によれば、複数種の施工法に対して予め優先順位を設定しておき、この優先順位に従って複数種の施工法について順に前記事前評価を行うようになっている。そのため、優先順位に対応した最適な施工法を容易に選別することが可能となる。
(15)一実施形態では、上記(14)の方法において、
前記優先順位は、施工費用又は施工時間の少なくとも一方に応じて予め設定されている。
上記(15)の方法によれば、施工費用又は施工時間の少なくとも一方を考慮した適切な施工法を選別することが可能となる。
本発明の少なくとも幾つかの実施形態によれば、評価対象物の再熱割れ感受性を定量的に評価することができ、再熱割れに対して適切な対策を選択することも可能となる。
再熱割れ感受性評価方法に使用される試験片に初期ひずみを与える三点曲げ試験機の一構成例を示す斜視図である。 一実施形態に係る再熱割れ感受性評価方法のフローチャートである。 複数の異なる大きさの初期ひずみが与えられた試験片が所定環境下で破断するまでの時間を示したグラフである。 一実施形態における、再熱割れの発生限界を規定する、クリープひずみと初期ひずみとの相関関係の一例を示したグラフである。 再熱割れの発生に影響を与える各因子の運転時間に対する変化を示すグラフである。 他の実施形態に係る再熱割れ感受性評価方法のフローチャートである。 硬さと時効時間との相関を示す図である。 析出物粒間距離と時効時間との相関を示す図である。 他の実施形態における、再熱割れの発生限界を規定する、クリープひずみと初期ひずみとの相関関係の一例を示したグラフである。 再熱割れ抑制方法の一例を示すフローチャートである。 優先順位が付与された施工法データベースの一例を示す図である。 施工法の適用対象である溶接継手部のFEM解析モデルを示す図である。 施工法を適用した場合の溶接継手部のひずみを算出したFEM解析結果を示す図である。
以下、添付図面に従って本発明の再熱割れ感受性評価方法の実施形態について説明する。本実施形態は、評価対象物として、発電プラントや化学プラント等のプラントにおいて、Ni基合金で形成された溶接継手部を例にして説明する。なお、この実施形態に記載されている構成部品の材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
本発明の再熱割れ感受性評価方法は、プラントにおいて実際に存在する溶接継手部の代わりに形成された試験片から、再熱割れの発生限界を規定する、クリープひずみと初期ひずみとの相関関係を取得し、この相関関係に基づいて、評価対象物の初期ひずみ及びクリープひずみから評価対象物の再熱割れの感受性を評価するものである。
まず、本発明の再熱割れ感受性評価方法を説明する前に、この評価方法に使用される試験片及び試験片に初期ひずみを与える三点曲げ試験機について説明する。幾つかの実施形態において、試験片1は、図1(正面側斜視図)に示すように、平面視において、長方形状に形成された板状の部材である。試験片1は、評価対象物の材質と同じ材質、例えば、Ni基合金で形成されている。なお、試験片1の材質は、オーステナイト系ステンレス鋼でもよい。試験片1の中央部の上面1aには、試験片1の幅方向一端から他端へ延びるノッチ1bが設けられている。
このノッチ1bが設けられた部位に対向する試験片1の下面1cには、三点曲げ試験機10に突出量調整可能に設けられたボルト40の軸部40bが突き当てられている。ボルト40の突出量調整によって、試験片1の変形量の大きさを変えて、試験片1に与える初期ひずみの大きさ調整が可能である。試験片1の変形の詳細については後述する。
この試験片1に初期ひずみを与える三点曲げ試験機10は、試験機本体11とボルト40とを有してなる。幾つかの実施形態において、試験機本体11は、金属材料で形成され、直方体状に形成されて試験片1を設置する設置部12と、設置部12の長手方向両側から上方へ延びて試験片1の長手方向両端部を保持する一対の保持部20L、20Rとを有してなる。
幾つかの実施形態では、設置部12は、その上面12aが試験片1を載置可能な平面状に形成されている。この設置部12の中央部には、上下方向に延びてボルト40の軸部40bが螺合可能なねじ孔部13が設けられている。このため、ボルト40の軸部40bをねじ孔部13に螺合してボルト40を回転させることで、設置部12の上面12aに対してボルト40の軸部40bの上方への突出量の調整が可能である。
幾つかの実施形態では、保持部20L、20Rは、立方体状に形成され、設置部12の長手方向の両端部から上方へ延びる。保持部20L、20Rは設置部12と一体的に形成されている。保持部20L、20Rの内側下部には、保持部20L、20Rの幅方向に延びる係止溝21L、21Rが設けられている。この係止溝21L、21Rは、保持部20L、20Rの幅方向一端から他端に延びるとともに、保持部20L、20Rの幅方向一端、幅方向他端及び内側端が開口している。
係止溝21L、21Rの高さ方向の寸法hは、試験片1の厚さtよりも大きな寸法を有している。また、係止溝21L、21Rの奥行きの寸法xは、一対の係止溝21L、21R内に試験片1の両端部を挿入した状態で、ボルト40を介して試験片1の中央部を上方へ変形させたときに試験片1の長手方向両端部が係止溝21L、21Rから抜脱する虞がない大きさを有している。また、一対の係止溝21L、21Rの奥側端間の距離Lは、試験片1の長手方向両端部間の寸法よりも大きな寸法を有している。このため、試験片1は、三点曲げ試験機10の幅方向一端側(正面側)及び幅方向他端側(裏面側)のいずれか一方側から一対の係止溝21L、21R間に挿入可能である。
保持部20L、20Rの幅方向長さBは、設置部12の幅方向長さC及び試験片1の幅方向長さDと略同一である。また、保持部20L、20Rの幅方向一方側の面22L、22Rは、設置部12の幅方向一方側の面14と同一平面上に形成され、保持部20L、20Rの幅方向他方側の面23L、23Rは、設置部12の幅方向他方側の面と同一平面上に形成されている。
幾つかの実施形態では、ボルト40は、三点曲げ試験機10の設置部12及び試験片1を貫通可能な長さを有するとともに、設置部12の下面12bから下方へ延出可能な長さを有した軸部40bを備える。軸部40bには、ナット45が螺合している。
このように構成された三点曲げ試験機10に試験片1を設置して、試験片1に初期ひずみを与える方法について説明する。まず、ノッチ1bを上方へ向けた試験片1を三点曲げ試験機10の一対の係止溝21L、21R間に挿入する。そして、三点曲げ試験機10の試験機本体11に螺合するボルト40を回して、ボルト40の軸部40bを試験機本体11の設置部12の上面12aから突出させて軸部40bの先端部を試験片1の下面1cに接触させる。
そして、さらにボルト40を設置部12に対して上方へ移動させて、試験片1の長手方向両端部を一対の係止溝21L、21Rの上面に当接させる。そして、ナット45の上面が設置部12の下面12bに接触するようにナット45を回転させる。ナット45が設置部12の下面12bに接触した状態にあるときの、ボルト40の設置部12に対する相対位置を初期状態として設定する。なお、初期状態では、試験片1は何ら変形していない状態である。
そして、この初期状態からボルト40を所定方向に回転させる。ボルト40を回転させると、その回転角度に応じてボルト40の軸部40bの上方へ突出量が増大し、試験片1は、試験片1の長手方向両端部が一対の係止溝21L、21Rの上端部に当接した状態で、試験片1の長手方向中央部が上方へ変形する。その結果、試験片1は上方に凸状に湾曲変形して、試験片1に初期ひずみが与えられた状態になる。なお、初期ひずみの大きさは、初期状態を始点として、ボルト40の回転角度に応じて変化させることができる。
次に、上述した三点曲げ試験機10を用いた再熱割れ感受性の評価方法について、図2〜図4を参照しながら説明する。ここで、再熱割れ感受性の評価方法における評価対象物となる溶接継手部は、例えば、発電プラントや化学プラント等のプラントにおいて配設された高温になる配管に設けられた溶接継手部である。本実施形態に係る再熱割れ感受性の評価方法のより具体的な適用例としては、プラントに設置されたボイラの配管(例えば700℃程度の高温蒸気が流れる蒸発管)が挙げられる。但し、本実施形態にかかる評価対象物は、溶接継手部に限定されるものではなく、他の溶接部であってもよい。
図2を参照して、一実施形態に係る再熱割れ感受性の評価方法では、まず、ステップS1において、評価対象物となる溶接継手部と同じ材質で構成され、且つ、初期ひずみが異なる複数の試験片を形成する。なお、初期ひずみが異なるとクリープひずみも異なるため、このステップS1では、初期ひずみ及びクリープひずみが異なる複数の試験片が得られる。試験片を形成する際、各々の試験片に外力を加えることで、各試験片に初期ひずみを与え、大きさが異なるクリープひずみに相当する複数種の加熱条件にて、外力を加えた状態の各試験片を加熱して、各試験片にクリープひずみを与えるようにしてもよい。具体的には、図1に示すようにNi基合金で形成された試験片1を複数準備する(本実施形態では5個)。そして、試験片1の数と同数の三点曲げ試験機10を用意し、各三点曲げ試験機10に試験片1を装着し、複数の試験片1のそれぞれに大きさの異なる初期ひずみを与えるように、各三点曲げ試験機10のボルトの上下位置調整を行って複数の各試験片1に外力を加える。なお、大きさの異なる複数の初期ひずみは、発電プラント等に設けられた溶接継手部から推測される。そして、大きさの異なる初期ひずみが与えられた各試験片1に対して、大きさの異なるクリープひずみに相当する複数種の加熱条件にて外力を加えた状態の各試験片1を加熱して、各試験片にクリープひずみを与える。これにより、初期ひずみ及びクリープひずみが異なる複数条件の試験片を容易に作成でき、且つ、各試験片を実際の評価対象物の条件に近づけることができるので、再熱割れの感受性評価における信頼性を向上させることができる。
そして、ステップS2において、初期ひずみ及びクリープひずみが異なる複数の試験片のそれぞれについて再熱割れの有無を評価する。具体的には、ステップS1において大きさの異なる初期ひずみが与えられた各試験片に対して、大きさの異なるクリープひずみに相当する加熱条件にて外力を加えた状態の各試験片を加熱し、ステップS2において複数の試験片のそれぞれについて再熱割れの有無を評価する。各試験片に関する再熱割れの評価から、例えば図3に示すグラフが得られる。ここで、図3は、複数の異なる大きさの初期ひずみが与えられた試験片が所定環境下で破断するまでの時間を示したグラフである。なお、図3は、縦軸が初期ひずみ(%)を示し、横軸が加熱時間(h)を示している。図3中の×印は再熱割れが発生したことを示し、○印は再熱割れが発生していないことを示している。図3に示す例では、5個の試験片のうちの4個の試験片において再熱割れが生じている。また、初期ひずみが大きくなると、再熱割れが発生する経過時間が短くなることがわかる。また、図3に示す実線は、再熱割れの発生限界を示している。
図2に戻り、ステップS3では、各試験片に関する再熱割れの評価結果から、再熱割れの発生限界を規定する、クリープひずみと初期ひずみとの相関関係を取得する。クリープひずみと初期ひずみとの相関関係の一例を図4に示す。ここで、再熱割れの発生限界を規定する、クリープひずみと初期ひずみとの相関関係を示したグラフである。なお、図4に示すグラフの縦軸はクリープひずみ(%)を示し、横軸は初期ひずみ(%)を示している。図4中の○印は、図3において再熱割れが生じた試験片の初期ひずみと、この再熱割れが生じる過程のクリープひずみから規定される。このクリープひずみは計算によって算出される。このクリープひずみの算出は、試験片の形状、温度、経過時間等を考慮して算出される。算出方法としては、例えば有限要素法等の解析が用いられる。図4に示す例では、4個の○印が図4中に記載されている。この4個の○印を繋ぐ実線は、試験片に再熱割れが発生する再熱割れの発生限界を示すマスターカーブ(クリープひずみと初期ひずみとの相関関係)25である。図4において、再熱割れの発生限界を示すマスターカーブ25を超える領域A1では、再熱割れが発生するリスクが大きく、マスターカーブ25を超えない領域A2では、再熱割れの発生リスクが小さい。
図2に示すようにステップS4では、評価対象物である溶接継手部の実際の初期ひずみ及びクリープひずみを取得する。ここで、評価対象物が溶接継手部である場合、溶接継手部に残留する応力は熱応力が主であると考えられる。このため、初期ひずみの算出に際しては、例えば、熱応力を算出し、算出された熱応力から初期ひずみを算出する。クリープひずみは、例えば溶接継手部の形状、温度、経過時間を考慮して算出される。初期ひずみ又はクリープひずみの算出方法としては、有限要素法等の解析が用いられる。
そして、ステップS5において、ステップS3で取得された相関関係に基づき、ステップS4で得られた溶接継手部の実際の初期ひずみ及びクリープひずみから溶接継手部の再熱割れの感受性を評価する。この際、算出された初期ひずみ及びクリープひずみが、前述した図4の領域A1及び領域A2のいずれかに属するかによって感受性を評価してもよい。例えば、算出された初期ひずみ及びクリープひずみが、図4の領域A1に属する場合、溶接継手部は再割れの発生リスクが大きく、図4の領域A1に属していない場合、すなわち領域2に属する場合、溶接継手部は再割れの発生リスクが小さいと評価することができる。この評価結果に基づいて、初期ひずみ及びクリープひずみが領域A1に属すると判定された場合には再熱割れ対策を実施し、初期ひずみ及びクリープひずみが領域A1に属していないと判定された場合には、再熱割れ対策は不要と判断する。
上述したように、一実施形態に係る再熱割れ感受性の評価方法によれば、再熱割れの発生限界を規定する、クリープひずみと初期ひずみとの相関関係を取得しておき、この相関関係に基づき、評価対象物(溶接継手部)の初期ひずみ及びクリープひずみから評価対象物における再熱割れの感受性を評価するようにしている。これにより、評価対象物における再熱割れ感受性の定量的な評価が可能となる。また、再熱割れの発生に対する影響の大きい初期ひずみ及びクリープひずみを用いているので、評価対象物の感受性を正確に評価することができる。そのため、ここで得られた定量的な評価に基づいて、再熱割れに対して適切な対策を選択することも可能となる。また、再熱割れを防止するために、必要以上に溶接継手部を再加熱する必要性を無くすことができ、発電プラント等の溶接継手部の保守点検作業のコストの増大を抑制することができる。
次に、他の実施形態に係る再熱割れ感受性の評価方法について説明する。
一般的に、評価対象物である溶接継手部の再熱割れの発生に影響を及ぼす因子としては、熱応力や拘束状態などの力学的因子と、結晶粒の強化や結晶粒界の脆化などの材料因子と、が挙げられる。図5は、Ni基合金で形成された評価対象物において、再熱割れの発生に影響を与える各因子の運転時間に対する変化を示すグラフである。ここでは一例として、力学的因子(実線)として評価対象物の残留応力を示しており、材料因子(一点鎖線)して粒内強化及び粒界脆化に起因した評価対象物の結晶の変形能を示している。同図に示すように、Ni基合金により形成された溶接継手部の再熱割れは、溶接による残留応力及び材料の時効による結晶の変形能の低下(結晶粒の強化及び結晶粒界の脆化)によって発生する。すなわち、評価対象物の再熱割れの発生には、残留応力に代表される力学的因子と、結晶の変形能に代表される材料因子とが影響している。
そこで、他の実施形態では、より信頼性の高い評価を行うことを目的として、力学的因子と材料因子とを考慮した再熱割れ感受性の評価を行うようになっている。
他の実施形態に係る再熱割れ感受性の評価方法では、まず、溶接継手部と同じ材質で構成され、且つ、初期ひずみが異なる複数の試験片を形成する。なお、初期ひずみが異なるとクリープひずみも異なるため、初期ひずみが異なることで、初期ひずみ及びクリープひずみが異なる複数の試験片が得られる。この際、複数種の時効条件にて各試験片を時効処理し、初期ひずみ及びクリープひずみが異なる複数の試験片を各時効条件について形成する。そして、複数の試験片のそれぞれについて再熱割れの有無を評価する。次いで、各試験片に関する再熱割れの評価結果から、再熱割れの発生限界を規定する、クリープひずみと初期ひずみとの相関関係を取得する。このとき、複数種の時効条件のそれぞれについて、再熱割れの発生限界を規定する前記相関関係を取得する。そして、前記相関関係に基づき、溶接継手部の初期ひずみ及びクリープひずみから溶接継手部の再熱割れの感受性を評価する。その際、溶接継手部の過去の熱履歴に相当する時効条件を選択し、選択された時効条件に対応する前記相関関係を用い、溶接継手部の再熱割れの感受性を評価する。
このように、複数種の時効条件のそれぞれについて、再熱割れの発生限界を規定する前記相関関係を取得し、溶接継手部の過去の熱履歴に応じて選択された時効条件に対応する前記相関関係を用いて、溶接継手部の再熱割れ感受性を評価する。これにより、溶接継手部の時効による変化を加味した評価を行うことが可能となり、再熱割れ感受性の評価精度をより一層向上させることができる。
以下、他の実施形態に係る再熱割れ感受性の評価方法について、図6〜図8を参照して具体的に説明する。
図6は、他の実施形態に係る再熱割れ感受性評価方法のフローチャートである。
同図に示すように、まず、ステップS11において、評価対象物である溶接継手部と同種の材料についての時効析出状態と時効時間との相関に基づき、時効析出の進行段階に応じた複数の時効時間領域を設定する。このステップでは、時効析出状態を示す材料の硬さを表すパラメータ又は材料の粒子間距離を表すパラメータと、時効時間との相関に基づき、時効時間領域を設定してもよい。
図7A及び図7Bは、時効析出の進行段階に応じた複数の時効時間領域の設定例であり、図7Aは硬さと時効時間との相関を示す図で、図7Bは析出物粒間距離と時効時間との相関を示す図である。
時効時間領域を設定する際に材料の硬さを表すパラメータを用いる場合、時効時間に応じた任意の硬さ試験によって硬さを測定して、図7Aに示すように図中に測定結果をプロットし、硬さと時効時間との相関を取得する。同図において、硬さが大きい程材料因子は高く、硬さが小さい程材料因子は小さい。そして、この相関に基づいて時効時間領域I〜IIIを設定する。なお、硬さを表すパラメータとしては、例えばビッカース硬さやロックウェル硬さ等の各種の硬さを用いることができる。
時効時間領域を設定する際に材料の粒子間距離を表すパラメータを用いる場合、時効時間に応じた析出物粒間距離を測定して、図7Bに示すように図中に測定結果をプロットし、析出物粒間距離と時効時間との相関を取得する。同図において、析出物粒間距離が大きい程材料因子は高く、析出物粒間距離が小さい程材料因子は小さい。そして、この相関に基づいて時効時間領域I〜IIIを設定する。なお、粒子間距離を表すパラメータとしては、析出物粒間距離の他に、材料密度を用いることもできる。
図6に戻り、ステップS12では、溶接継手部と同じ材質で構成され、且つ、初期ひずみが異なる複数の試験片を形成する。なお、初期ひずみが異なるとクリープひずみも異なるため、このステップS12では、初期ひずみ及びクリープひずみが異なる複数の試験片が得られる。この際、複数種の時効条件にて各試験片を時効処理し、初期ひずみ及びクリープひずみが異なる複数の試験片を各時効条件について形成する。複数種の時効条件は、時効温度が同一であり、かつ、時効時間が互いに異なる前記時効時間領域に属する時効条件であってもよい。初期ひずみ及びクリープひずみに関しては、図2にて説明した一実施形態と同様に、各々の試験片に外力を加えることで各試験片に初期ひずみを与え、大きさが異なるクリープひずみに相当する複数種の加熱条件にて、外力を加えた状態の各試験片を加熱して、各試験片にクリープひずみを与えるようにしてもよい。具体的には、初期ひずみは、図1に示した三点曲げ試験機10によって与えられる。クリープひずみは、初期ひずみを与えた各試験片に対して複数種の時効条件にて時効処理することによって与えられる。その際、クリープひずみは、時効処理された各試験片の形状、温度、経過時間等を考慮して、有限要素法等の解析によって算出される。
ステップS13では、ステップS12で形成された複数の試験片のそれぞれについて再熱割れの有無を評価する。具体的には、ステップS12において複数種の時効条件のそれぞれについて作成された初期ひずみの異なる各試験片に対して、大きさの異なるクリープひずみに相当する加熱条件にて外力を加えた状態の各試験片を加熱し、ステップS13において複数の試験片のそれぞれについて再熱割れの有無を評価する(図3参照)。
次いで、ステップS14において、各試験片に関する再熱割れの評価結果から、再熱割れの発生限界を規定する、クリープひずみと初期ひずみとの相関関係を取得する。このとき、時効時間領域I〜IIIのそれぞれについて、再熱割れの発生限界を規定する前記相関関係を取得する。
図8は、他の実施形態における、再熱割れの発生限界を規定する、クリープひずみと初期ひずみとの相関関係の一例を示したグラフである。同図に示すように、時効時間領域I〜IIIのそれぞれについて、クリープひずみと初期ひずみとの相関関係を示すマスターカーブ26〜28を取得する。ここで、マスターカーブ26は時効時間領域Iに対応し、マスターカーブ27は時効時間領域IIに対応し、マスターカーブ28は時効時間領域IIIに対応している。各マスターカーブ26〜28を超える領域A1は再熱割れの発生するリスクが大きく、且つマスターカーブ26〜28から離れるほど再熱割れの発生するリスクがより一層大きくなる。また、各マスターカーブ26〜28を下回る領域A2は再熱割れの発生するリスクが小さい。
図6に戻り、ステップS15では、評価対象物である溶接継手部の実際の初期ひずみ及びクリープひずみを取得する。初期ひずみの算出に際しては、例えば、熱応力を算出し、算出された熱応力から初期ひずみを算出する。クリープひずみは、例えば溶接継手部の形状、温度、経過時間を考慮して算出される。初期ひずみ又はクリープひずみの算出方法としては、有限要素法等の解析が用いられる。
そして、ステップS16において、ステップS14で取得された相関関係に基づき、ステップS15で得られた溶接継手部の初期ひずみ及びクリープひずみから溶接継手部の再熱割れの感受性を評価する。ここでは、評価対象物である溶接継手部の過去の熱履歴に相当する時効時間領域I〜III(図7A又は図7B参照)を選択し、選択された時効時間領域に対応するマスターカーブ26〜28を用いて溶接継手部の再熱割れの感受性を評価する。例えば、評価対象物である溶接継手部の初期ひずみを熱応力等から算出するとともに、溶接継手部の形状、温度、経過時間を考慮した有限要素法等の解析によって溶接継手部のクリープひずみを算出する。例えば、溶接継手部の時効時間が時効時間領域IIに相当する場合、時効時間領域IIに対応するマスターカーブ27(図8参照)を選択し、算出された初期ひずみ及びクリープひずみが、マスターカーブ27を超える領域A1に属する場合、溶接継手部は再割れの発生リスクが大きく、マスターカーブ27を下回る領域A2に属する場合、溶接継手部は再割れの発生リスクが小さいと評価する。なお、他の時効時間領域I,IIIにおいても、再熱割れの発生限界を規定するマスターカーブ26,28を境界として、再熱割れ発生リスクの大きい領域と小さい領域とに区分されている。さらに、算出された初期ひずみ及びクリープひずみが、マスターカーブ26〜28からどの程度離れているかによって再熱割れ発生リスクの可能性を判断することもできる。すなわち、算出された初期ひずみ及びクリープひずみが領域A1に属する場合においては、初期ひずみ及びクリープひずみがマスターカーブから離れる程再熱割れ発生リスクは大きくなる。また、算出された初期ひずみ及びクリープひずみが領域A2に属する場合においては、初期ひずみ及びクリープひずみがマスターカーブ26〜28から離れる程再熱割れ発生リスクはより一層小さくなる。
上述の他の実施形態によれば、実機運転中の再熱割れ発生リスクに対して評価制度を向上させることができ、高精度な対策の要否判断を行うことも可能となる。また、再熱割れ対策が必要となった場合には、より適切な対策を実施することができるため、コストの低減及び信頼性の向上が期待できる。
また、上述の他の実施形態では、時効析出の進行段階に応じた複数の時効時間領域を設定して、時効時間が互いに異なる時効時間領域に属する複数種の時効条件のそれぞれについて前記相関関係を取得するようにしている。その際、時効時間領域を適切に設定すれば、所望の評価精度且つ作業時間で再熱割れ感受性の評価を行うことができる。例えば、時効時間領域を細かく設定することにより、評価精度を向上させることができる。一方、時効時間領域を大まかに設定することにより、取得すべき前記相関関係が少なくなるため作業時間を短くすることができる。
図2等に示した一実施形態及び図6等に示した他の実施形態において、再熱割れの感受性を評価するステップS5、S16では、求められた溶接継手部の初期ひずみから、規定時間経過後における溶接継手部の再熱割れの有無の評価を行うようにしてもよい。このように、規定時間経過後における溶接継手部の再熱割れの有無の評価を行うことによって、再熱割れの対策を講じる時期や処理(例えば熱処理)を適切に選択することができる。
また、再熱割れの感受性を評価するステップS5、S16では、求められた溶接継手部の初期ひずみから、再熱割れの発生時点を推定するようにしてもよい。これにより、求められた溶接継手部の初期ひずみから、溶接継手部の再熱割れの発生時間が求められるので、再熱割れの発生時期を特定することができ、必要以上に溶接継手部に再熱割れ対策に関する処理(例えば熱処理)を行う事態を防止することができる。
ここで、上述の各実施形態に適用可能な再熱割れ抑制方法について説明する。なお、上述の各実施形態とは、図2等に示した一実施形態及び図6等に示した他の実施形態を含む。
図9は、再熱割れ抑制方法の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、ステップS21では、上述の再熱割れ感受性評価方法によって評価された再熱割れの感受性に基づき、溶接継手部における再熱割れ耐性を向上させるための施工の必要性を判定する。このステップでは、溶接継手部の初期ひずみ及びクリープひずみが、該溶接継手部に対応するマスターカーブ25〜28(図4及び図8参照)を超える再熱割れ発生領域A1に属するか否かによって施工の必要性を判定してもよい。すなわち、溶接継手部の初期ひずみ及びクリープひずみが、再熱割れの発生リスクの大きい領域A1(図4又は図8参照)に属する場合施工の必要性ありと判定し、溶接継手部の初期ひずみ及びクリープひずみが、再熱割れの発生リスクの小さい領域A2(図4又は図8参照)に属する場合施工の必要性なしと判定する。
施工が必要であると判定された場合、ステップS22以降において、施工後における溶接継手部の再熱割れの感受性を、施工の実施前に事前評価する。通常、溶接継手部の再熱割れ対策のための施工法は複数存在する。例えば、施工法としては、溶接部の止端仕上げ、溶接継手部外面への圧縮応力付与、溶接継手部外面の局所加熱、溶接後後処理、固溶化熱処理等が挙げられる。これらの複数種の施工法は、それぞれ、溶接継手部に与える再熱割れ耐性向上効果が異なる。そのため、施工が必要であると判断された溶接継手部に対して、プラントの運転を継続可能な再熱割れ耐性を付与することができる適切な施工法を選択する必要がある。
そこで、ステップS22以降において、任意の施工法に関して、施工後における溶接継手部の再熱割れの感受性を、施工の実施前に事前評価するようになっている。
このとき、予め設定された優先順位に従って、複数種の施工法について順に事前評価を行ってもよい。図10は、優先順位が付与された施工法データベースの一例を示す図である。なお、同図において、コストは、数字が大きくなるほどコストが高くなるような10段階評価としている。この施工法データベースでは、コスト又は工期に応じて優先順位が設定されている。すなわち、コスト又は工期が小さい程優先順位が高くなるように、施工法の優先順位が設定されている。なお、コスト及び工期の両方に応じて優先順位が設定されてもよい。
図9に示すステップS22では、このようにして設定された優先順位の高い順から候補となる施工法を選択する。これにより、優先順位に対応した最適な施工法を容易に選別することが可能となる。
続いて、ステップS23において、ステップS22で候補として選択された施工法について、施工後における溶接継手部の初期ひずみ(例えば溶接残留応力)及び運転中に発生するクリープひずみを有限要素法等の解析によって算出する。図11Aは、施工法の適用対象である溶接継手部のFEM解析モデルを示す図であり、図11Bは、施工法を適用した場合の溶接継手部のひずみを算出したFEM解析結果を示す図である。図11Aに示すように、母材31の接合に用いられた既存の溶接継手部32と、ステップS22で選択された施工法の適用により形成されると推定される補修溶接部33と、を含むFEM解析モデルを作成し、図11Bに示すように、有限要素法によって初期ひずみ及びクリープひずみを算出する。
そして、ステップS24において、ステップS23で算出された施工後の溶接継手部の初期ひずみ及びクリープひずみから、評価対象物である溶接継手部に対応するマスターカーブを用いて再熱割れ感受性を事前評価する。このマスターカーブは、再熱割れの発生限界を規定する、クリープひずみと初期ひずみとの相関関係であって、図4又は図8で説明したマスターカーブ25〜28と同一であってもよい。具体的には、算出された初期ひずみ及びクリープひずみがマスターカーブを超える再熱割れ発生領域A1に属するか否かによって、選択された施工法の適正を判断する。算出された初期ひずみ及びクリープひずみが再熱割れ発生領域A1に属する場合、選択された施工法は再熱割れ対策として不適切であると判断し、ステップS22の施工法の事前評価に戻る。算出された初期ひずみ及びクリープひずみが再熱割れ発生領域A1に属さない場合(すなわち領域A2に属する場合)、選択された施工法が再熱割れ対策として適していると判断する。そして、ステップS25にて、事前評価した施工法を溶接継手部に対して実施する。
このように、施工後における溶接継手部の再熱割れの感受性を、施工の実施前に事前評価するようにしたので、施工による再熱割れ抑制の効果を事前に把握できる。よって、適切な施工法を評価対象物に対して実施でき、評価対象物における再熱割れの発生を効果的に抑制することができる。すなわち、再熱割れ感受性の評価方法による再熱割れ感受性の定量的な評価結果に基づいて、溶接継手部における再熱割れ耐性を向上させるための施工(例えば、溶接部の熱処理や溶接止端部の仕上げ等)の必要性を判定し、必要に応じて、事前評価に基づいて選択された施工法を溶接継手部に実施するようにしている。そのため、再熱割れの発生リスクに対して、不要な対策は省略し、経済的で且つ効果的な対策の選定を行うことができる。
上述したように、本発明の幾つかの実施形態によれば、評価対象物の再熱割れ感受性を定量的に評価することができ、再熱割れに対して適切な対策を選択することも可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。例えば、上述した各種実施形態を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述の実施形態では、評価対象物として、発電プラントや化学プラント等のプラントにおけるNi基合金で形成された溶接継手部を例示して説明したが、評価対象物はこれに限定されるものではなく、他の溶接部を評価対象物としてもよい。
また、上述の実施形態では、再熱割れ対策の施工法として一種類の施工法を評価対象物に施工する場合について説明したが、複数種類の施工法を順に評価対象物に施工するようにしてもよい。
1 試験片
1a 上面
1b ノッチ
1c 下面
3 ナット部
3a 雌ねじ部
10 三点曲げ試験機
12 設置部
12a 上面
12b 下面
13 ねじ孔部
14、22L、22R、23L、23R 面
20L、20R 保持部
21L、21R 係止溝
25〜28 マスターカーブ
31 母材
32 溶接継手部
33 補修溶接部
40 ボルト
40a ボルト頭部
40b 軸部
45 ナット
A1、A2 領域

Claims (15)

  1. 評価対象物の再熱割れに対する感受性を評価する再熱割れ感受性評価方法であって、
    前記評価対象物と同じ材質で構成され、且つ、初期ひずみが異なる複数の試験片を形成するステップと、
    前記複数の試験片のそれぞれについて再熱割れの有無を評価するステップと、
    各試験片に関する再熱割れの評価結果から、再熱割れの発生限界を規定する、クリープひずみと初期ひずみとの相関関係を取得するステップと、
    前記相関関係に基づき、前記評価対象物の初期ひずみ及びクリープひずみから前記評価対象物の再熱割れの感受性を評価するステップと、を備えることを特徴とする再熱割れ感受性評価方法。
  2. 前記試験片を形成するステップでは、
    各々の前記試験片に外力を加えることで、各試験片に前記初期ひずみを与え、
    大きさが異なる前記クリープひずみに相当する複数種の加熱条件にて、前記外力を加えた状態の各試験片を加熱して、各試験片に前記クリープひずみを与えることを特徴とする請求項1に記載の再熱割れ感受性評価方法。
  3. 前記試験片を形成するステップでは、
    複数種の時効条件にて各試験片を時効処理し、前記初期ひずみ及び前記クリープひずみが異なる前記複数の試験片を各時効条件について形成し、
    前記相関関係を取得するステップでは、
    前記複数種の時効条件のそれぞれについて、前記再熱割れの発生限界を規定する前記相関関係を取得し、
    前記感受性を評価するステップでは、
    前記評価対象物の過去の熱履歴に相当する前記時効条件を選択し、
    選択された前記時効条件に対応する前記相関関係を用い、前記評価対象物の再熱割れの感受性を評価することを特徴とする請求項1又は2に記載の再熱割れ感受性評価方法。
  4. 前記評価対象物と同種の材料についての時効析出状態と時効時間との相関に基づき、時効析出の進行段階に応じた複数の時効時間領域を設定するステップと、をさらに備え、
    前記試験片を形成するステップで用いられる前記複数種の時効条件は、時効温度が同一であり、かつ、時効時間が互いに異なる前記時効時間領域に属する時効条件であることを特徴とする請求項3に記載の再熱割れ感受性評価方法。
  5. 前記複数の時効時間領域を設定するステップでは、前記時効析出状態を示す前記材料の析出物粒間距離又は硬さと、前記時効時間との前記相関に基づき、前記時効時間領域を設定することを特徴とする請求項4に記載の再熱割れ感受性評価方法。
  6. 前記評価対象物は、プラントの溶接継手部であり、
    前記再熱割れの感受性を評価するステップでは、
    前記溶接継手部の溶接条件から前記溶接継手部の初期ひずみを求めるとともに、前記プラントの運転条件から予想される前記溶接継手部のクリープひずみを求め、
    求められた前記溶接継手部の初期ひずみ及びクリープひずみから、前記相関関係に基づいて前記溶接継手部の感受性を評価することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の再熱割れ感受性評価方法。
  7. 前記再熱割れの感受性を評価するステップでは、求められた前記溶接継手部の初期ひずみから、規定時間経過後における前記溶接継手部の再熱割れの有無の評価を行うことを特徴とする請求項6に記載の再熱割れ感受性評価方法。
  8. 前記再熱割れの感受性を評価するステップでは、求められた前記溶接継手部の初期ひずみから、前記再熱割れの発生時点を推定することを特徴とする請求項6又は7に記載の再熱割れ感受性評価方法。
  9. 前記再熱割れの感受性を評価するステップでは、求められた前記溶接継手部の初期ひずみ及びクリープひずみが、前記相関関係によって規定される前記再熱割れの発生限界を超えているか否かを判定することを特徴とする請求項6乃至8の何れか一項に記載の再熱割れ感受性評価方法。
  10. 前記評価対象物は、Ni基合金又はオーステナイト系ステンレス鋼を含むことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の再熱割れ感受性評価方法。
  11. 請求項1乃至10の何れか一項に記載の再熱割れ感受性評価方法によって評価された前記再熱割れの感受性に基づき、前記評価対象物における再熱割れ耐性を向上させるための施工の必要性を判定するステップと、
    前記施工が必要だと判定された場合、前記評価対象物に前記施工を施すステップと、
    を備えることを特徴とする再熱割れ抑制方法。
  12. 前記再熱割れ感受性評価方法によって、前記施工後における前記評価対象物の前記再熱割れの感受性を前記施工の実施前に事前評価するステップをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の再熱割れ抑制方法。
  13. 前記再熱割れの感受性を事前評価するステップでは、複数種の施工法のうち、事前評価の結果が規定条件を満たす施工法を選別し、
    前記施工を施すステップでは、選別された前記施工法を前記評価対象物に対して実施することを特徴とする請求項11又は12に記載の再熱割れ抑制方法。
  14. 前記再熱割れの感受性を事前評価するステップでは、予め設定された優先順位に従って前記複数種の施工法について順に前記事前評価を行い、
    前記施工を施すステップでは、最初に前記事前評価が前記規定条件を満たした施工法を実施することを特徴とする請求項13に記載の再熱割れ抑制方法。
  15. 前記優先順位は、施工費用又は施工時間の少なくとも一方に応じて予め設定されていることを特徴とする請求項14に記載の再熱割れ抑制方法。
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