JP6270654B2 - 電磁波制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電磁波の伝搬を制御する電磁波制御装置に関するものである。
近年、電磁波の反射、透過又は吸収を自在にコントロールすることが可能な材料として、プラズマ媒質が注目を浴びている。例えば、以下の特許文献1〜3には、プラズマを用いて、電磁波の伝搬を制御している電磁波制御装置が開示されている。
特許文献1に開示されている電磁波制御装置は、電磁波を反射するというプラズマの性質を利用するものである。
この電磁波制御装置では、チャンバ内の天井面に陽極を配置して、チャンバ内の床面に複数の陰極をマトリックス上に配置しており、これらの陰極の組み合わせによって、電磁波を反射させる仮想的な平面又は曲面を有するプラズマ反射板を任意に形成することができる。
これにより、入射された電磁波の反射方向をコントロールすることができるが、チャンバのサイズが大きくなると、陽極と陰極間の距離が長くなるため、反射面である仮想的な平面等をコントロールすることが難しくなる。また、電磁コイル等が必要になるため、装置が大規模化する可能性が高い。
特許文献2に開示されている電磁波制御装置は、プラズマを用いて、特定の周波数帯の電磁波を反射又は透過させる周波数選択板である。
この周波数選択板を構成している誘電体は、中空の構造をなしており、誘電体の中空に均一なプラズマを発生させる電極などを備えている。
この周波数選択板では、誘電体の上面に空けられているスロットの大きさを調整することで、電磁波の透過周波数を動的に変更することができる。
特許文献3に開示されている電磁波制御装置は、プラズマを用いるレドーム(レーダドーム)に関するものである。
このレドームは、電磁波の周波数選択性を有しており、この周波数選択性は、2層の周波数選択板によって実現されている。2層の周波数選択板の間には、ハニカム形状のプラズマ封入層を設けられて、ガスが密閉されている。
ハニカム形状のプラズマ封入層に沿って張り巡らされている電極が、各プラズマ封入層に電力が与えられることでプラズマを発生する。これにより、プラズマが発生していなければ、レドームを透過していた周波数帯の電波が、レドームの表面で反射されるようになる。
特開2001−127533号公報(段落番号[0008]) 特開2013−225797号公報 US 2009/0109115 A1
従来の電磁波制御装置は以上のように構成されているので、特許文献1の場合、電磁波を反射させるプラズマ反射板を任意の位置に形成することで、電磁波の反射方向をコントロールすることができるが、プラズマ反射板を形成することができる位置は、チャンバ内の密閉された空間に限られる。このため、巨大なプラズマ反射板を得る必要がある場合には(例えば、飛行機や船等の全体を覆う数メートルクラスのプラズマ反射板)、巨大なプラズマ反射板より更に大きなチャンバを用意する必要があり、装置の大型化や複雑化を招くとともに、現実的に製作することが困難であるという課題があった。
一方、特許文献2,3の場合、電磁波の透過周波数を動的に変更することができるが、電磁波の反射方向や透過方向を制御することができないという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、装置の大型化や複雑化を招くことなく、電磁波の進行方向を制御することができる電磁波制御装置を得ることを目的とする。
この発明に係る電磁波制御装置は、電離することでプラズマを発生するガスが内部の密閉された空間に充填され、その空間内の両端に電極が配置されている中空誘電体棒と、中空誘電体棒の電極に供給する電流を調整することで、中空誘電体棒に充填されているガスの状態を、プラズマが発生するプラズマ状態又はプラズマが発生しない気体状態に設定する状態制御手段とを備え、状態制御手段が、同一平面上に複数配置されている中空誘電体棒のうち、少なくとも1以上の中空誘電体棒に充填されているガスの状態をプラズマ状態に設定することで、入射された電磁波の進行方向を制御し、入射された電磁波の到来方向を探知し、到来方向と予め設定された電磁波の進行方向との関係から、複数の中空誘電体棒の中で、ガスの状態をプラズマ状態に設定する中空誘電体棒を選択する中空誘電体棒選択手段をさらに備え、状態制御手段は、中空誘電体棒選択手段により選択された中空誘電体棒に充填されているガスの状態をプラズマ状態に設定する。
この発明によれば、状態制御手段が、同一平面上に複数配置されている中空誘電体棒のうち、少なくとも1以上の中空誘電体棒に充填されているガスの状態をプラズマ状態に設定することで、入射された電磁波の進行方向を制御するように構成したので、装置の大型化や複雑化を招くことなく、電磁波の進行方向を制御することができる効果がある。
この発明の実施の形態1による電磁波制御装置を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1による電磁波制御装置の中空誘電体棒1を示す構造図である。 この発明の実施の形態1による電磁波制御装置の中空誘電体棒1を示す構造図である。 この発明の実施の形態1による電磁波制御装置の中空誘電体棒1及び散乱体6を示す上面図である。 全ての中空誘電体棒1のガスが気体状態であるときの図4のA−A’断面を示す説明図ある。 一部の中空誘電体棒1のガスがブラズマ状態であるときの図4のA−A’断面を示す説明図ある。 管軸方向がz軸方向である中空誘電体棒1と、管軸方向がy軸方向である中空誘電体棒1とが交互に配置されている例を示す説明図である。 複数の中空誘電体棒1が散乱体7を取り囲んでいる状態を示す説明図である。 複数の中空誘電体棒1が散乱体7を取り囲んでいる状態を示す説明図である。 複数の中空誘電体棒1が散乱体7を取り囲んでいる状態を示す説明図である。 ガスが気体状態である中空誘電体棒1とガスがプラズマ状態である中空誘電体棒1が交互に配置されている例を示す説明図である。 ガスが気体状態である中空誘電体棒1とガスがプラズマ状態である中空誘電体棒1が交互に配置されている例を示す説明図である。 ガスがプラズマ状態である中空誘電体棒1が斜めに一定間隔で配置されている例を示す説明図である。 複数の中空誘電体棒1が多層化されている例を示す説明図である。 この発明の実施の形態6による電磁波制御装置の中空誘電体棒1を示す構造図である。 この発明の実施の形態6による電磁波制御装置の一部を示す構成図である。 この発明の実施の形態7による電磁波制御装置を示す構成図である。 複数の仮想的平面を形成している状態を示す説明図ある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による電磁波制御装置を示す斜視図であり、また、図2及び図3はこの発明の実施の形態1による電磁波制御装置の中空誘電体棒1を示す構造図である。
図1〜3において、中空誘電体棒1は電離することでプラズマを発生するガスが内部の密閉された空間に充填され、その空間内の両端に電極2が配置されている。
図1の例では、9個の中空誘電体棒1が3×3のマトリックス状に配置されているが、これは一例に過ぎず、N×Mのマトリックス状に配置されているものであってもよい。N,Mは1以上の整数である。
なお、これらの中空誘電体棒1の管軸方向は、全て同一方向である。図1における中空誘電体棒1の管軸方向は、全てz軸方向である。
中空誘電体棒1としては、低誘電損失で、かつ、低誘電率であるものが望ましい。また、中空誘電体棒1の空間に充填されるガスとしては、第18族元素(希ガス元素)を含むものが望ましいが、窒素や酸素等の媒質でもよいし、これらの混合媒質を用いてもよい。また、プラズマの生成度合を調整するために、HgやフラクトゲルTMAE等の他の媒質を添加するようにしてもよい。
また、中空誘電体棒1は、図3に示すように、内部に誘電体3などを含んでいてもよい。
電流調整装置5は電源4から中空誘電体棒1の電極2に供給される電流を調整することで、中空誘電体棒1に充填されているガスの状態を、プラズマが発生するプラズマ状態又はプラズマが発生しない気体状態に設定する。なお、電源4及び電流調整装置5から状態制御手段が構成されている。
即ち、電流調整装置5は、複数の中空誘電体棒1のうち、少なくとも1以上の中空誘電体棒1に充填されているガスの状態をプラズマ状態に設定して、入射された電磁波を散乱又は透過させる仮想的な平面又は曲面を形成することで、入射された電磁波の進行方向を制御する。
散乱体6は中空誘電体棒1の奥側に配置されており、図1の例では、入射された電磁波が仮想的な平面又は曲面によって散乱されているため、その電磁波の散乱波が散乱体6に当っていない。
図4はこの発明の実施の形態1による電磁波制御装置の中空誘電体棒1及び散乱体6を示す上面図である。即ち、図4は図1の電磁波制御装置を上方から見た図である。
ただし、図1ではx軸方向に3個の中空誘電体棒1が配列されているが、説明の便宜上、図4ではx軸方向に5個の中空誘電体棒1が配列されている例を示している。
図5は全ての中空誘電体棒1のガスが気体状態であるときの図4のA−A’断面を示す説明図ある。
また、図6は一部の中空誘電体棒1のガスがブラズマ状態であるときの図4のA−A’断面を示す説明図ある。
図5及び図6において、斜線が施されている中空誘電体棒1のガスがブラズマ状態であり、斜線が施されていない中空誘電体棒1のガスが気体状態である。
なお、図5及び図6の例では、15個の中空誘電体棒1が5×5のマトリックス状に配置されている。
次に動作について説明する。
例えば、同一平面上であるx−y面にマトリックス状に15個の中空誘電体棒1が配置されているとき、電流調整装置5が、15個の中空誘電体棒1の電極2に供給される電流の値を零にすると、15個の中空誘電体棒1に充填されているガスの電離が生じないため、当該ガスからプラズマが発生しない気体状態になる。
したがって、この場合、入射された電磁波を散乱又は透過させる仮想的な平面又は曲面が形成されない。
図5は全ての中空誘電体棒1のガスが気体状態である例を示しており、仮想的な平面又は曲面が形成されていない。
中空誘電体棒1は、上述したように、誘電損失が十分に小さく、かつ、低誘電率であり、また、仮想的な平面又は曲面が形成されていないため、入射された電磁波は中空誘電体棒1を通過して散乱体6に当っている。これにより、散乱体6の表面に電流が励振されるため、再放射波(散乱波)が発生する。
したがって、散乱体6が平板であって、その散乱体6の法線方向と、入射された電磁波の方向が一致する場合、電磁波の入射方向と散乱波の散乱方向とが同一になるため、入射された電磁波の放射元であるレーダ等に大きな電力が戻ることになる。
一方、電流調整装置5が、15個の中空誘電体棒1のうち、一部の中空誘電体棒1の電極2に供給される電流の値を大きな値にすると、一部の中空誘電体棒1に充填されているガスの電離が生じるため、当該ガスからプラズマが発生するプラズマ状態になる。
図6は一部の中空誘電体棒1のガスがブラズマ状態である例を示しており、図6の例では、右上と左下の対角線上に位置している5個の中空誘電体棒1のガスがブラズマ状態になっており、その他の中空誘電体棒1のガスが気体状態になっている。
したがって、この場合、入射された電磁波を散乱させる仮想的な平面が上記の対角線上に形成される。即ち、入射される電磁波に対して45度傾いている方向に仮想的な平面が形成される。
これにより、入射された電磁波は、45度傾いている仮想的な平面によって散乱されるため、電磁波の入射方向と90度異なる方向(図6では、紙面、上方向)に散乱される。また、プラズマの導体損失によって、入射された電磁波の電磁エネルギーが大きく減少する。
この結果、入射された電磁波の放射元であるレーダ等に戻る電力が、仮想的な平面が形成されていない場合と比べて大きく減少する。したがって、レーダ等から見た入射波と散乱波の比(レーダ断面積)が、仮想的な平面が形成されていない場合と比較して小さくなる。
上記のように、中空誘電体棒1の電極2に大きな電流が供給され、その電流がガスに伝わると、ガスの状態が気体状態からプラズマ状態に遷移するが、以下、プラズマ状態に遷移する際のプラズマの導電率σについて説明する。
ガスから発生するプラズマは、非磁化、低温、かつ、衝突性のプラズマになる。
非磁化・低温・衝突性のプラズマにおける複素比誘電率εチルダ(明細書の文章中では、電子出願の関係上、文字の上に“〜”の記号を付することができないので、εチルダのように表記している)は、下記の非特許文献1に開示されているように、以下の式(1)で表される。
Figure 0006270654
式(1)において、ωはプラズマ角周波数、ωはプラズマに入射された電磁波の角周波数、νは衝突周波数(自由電子が他の粒子と衝突して消滅する1秒当たりの平均回数)、jは虚数単位である。
[非特許文献1]
R. J. Vidmar、“On the use of Atmospheric Pressure Plasmas as Electromagnetic Reflectors and Absorbers、” IEEE Trans. Plasma Sci.、Vol. 18、No. 4、1990
プラズマ角周波数ωは、下記の式(2)に示すように、電子密度n、電子の電荷e、電子質量m、真空の比誘電率εを用いて、表すことができる。
Figure 0006270654
また、複素比誘電率εチルダは、一般的に、下記の式(3)のように表される。
Figure 0006270654
式(3)において、εはプラズマの比誘電率、σはプラズマの導電率である。
式(1)と式(3)を比較すると、プラズマの比誘電率εは、下記の式(4)のように求まり、プラズマの導電率σは、下記の式(5)のように求まる。

Figure 0006270654

Figure 0006270654
式(4)より、プラズマの比誘電率εは、入射された電磁波の角周波数ωや電子密度nなどから求まる。したがって、電流調整装置5が、中空誘電体棒1の電極2に供給する電流の値を調整することで、ガスから発生するプラズマの電子密度nを調整すれば、プラズマの比誘電率εを制御することができる。
また、式(5)より、プラズマの導電率σは、入射された電磁波の角周波数ωや電子密度nなどから求まる。したがって、電流調整装置5が、中空誘電体棒1の電極2に供給する電流の値を調整することで、ガスから発生するプラズマの電子密度nを調整すれば、プラズマの導電率σを制御することができる。プラズマの導電率σは、入射された電磁波の角周波数ωに対して、導体とみなせる値となり、例えば、4〜10の値、好ましくは10以上の値になる。
このように、プラズマの導電率σを制御することで、ガスの状態を気体状態からプラズマ状態に遷移させることができる。また、プラズマの比誘電率εを制御することで、プラズマの導体損失を調整して、入射された電磁波の電磁エネルギーの減少量を適正な量に制御することができる。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、電流調整装置5が、同一平面上に複数配置されている中空誘電体棒1のうち、少なくとも1以上の中空誘電体棒1に充填されているガスの状態をプラズマ状態に設定することで、入射された電磁波の進行方向を制御するように構成したので、入射された電磁波を散乱させる仮想的な平面より大きなチャンバを実装することなく、入射された電磁波の散乱方向及び減少量を制御することができるようになる。したがって、装置の大型化や複雑化を招くことなく、電磁波の散乱方向及び減少量を制御することができる効果を奏する。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、プラズマ状態である中空誘電体棒1が1つの仮想的な平面あるいは曲面を形成するものを示したが、プラズマ状態である中空誘電体棒1が複数の仮想的な平面あるいは曲面を形成するようにしてもよい。この実施の形態2では、一例として、2つの仮想的な平面を形成するものについて説明する。
また、上記実施の形態1では、全ての中空誘電体棒1の管軸方向が同一方向である例を示したが、管軸方向が直交している中空誘電体棒1が混在してもよい。
この実施の形態2では、一例として、管軸方向がz軸方向である中空誘電体棒1と、管軸方向がy軸方向である中空誘電体棒1とが交互に配置されている例を説明する。
図7は管軸方向がz軸方向である中空誘電体棒1と、管軸方向がy軸方向である中空誘電体棒1とが交互に配置されている例を示す説明図である。
図7の例では、管軸方向がz軸方向である中空誘電体棒1が12×12のマトリックス状に配置され、管軸方向がy軸方向である中空誘電体棒1が12×12のマトリックス状に配置されている。
また、管軸方向がz軸方向である中空誘電体棒1と、管軸方向がy軸方向である中空誘電体棒1とが交互に配置されており、最も電磁波の入射側に配置されている12個の中空誘電体棒1からなるプラズマ層を第1プラズマ層、電磁波の入射側から2番目に配置されている12個の中空誘電体棒1からなるプラズマ層を第2プラズマ層のように表現すると、奇数番目のプラズマ層(第1プラズマ層、第3プラズマ層、第5プラズマ層・・・、第23プラズマ層)を構成する中空誘電体棒1は、図7(a)に示すように、管軸方向がz軸方向である。
一方、偶数番目のプラズマ層(第2プラズマ層、第4プラズマ層、第6プラズマ層・・・、第24プラズマ層)を構成する中空誘電体棒1は、図7(b)に示すように、管軸方向がy軸方向である。
電流調整装置5は、上記実施の形態1と同様の方法で、管軸方向がz軸方向である12×12個の中空誘電体棒1のうち、一部の中空誘電体棒1のガスをブラズマ状態に設定することで、入射された電磁波を散乱させる第1の仮想的な平面を形成する。
この実施の形態2では、図7(a)に示すように、対角線上に配置されている12個の中空誘電体棒1のガスをブラズマ状態に設定することで、x−y面に第1の仮想的な平面を形成している。
また、電流調整装置5は、上記実施の形態1と同様の方法で、管軸方向がy軸方向である12×12個の中空誘電体棒1のうち、一部の中空誘電体棒1のガスをブラズマ状態に設定することで、入射された電磁波を散乱させる第2の仮想的な平面を形成する。
この実施の形態2では、図7(b)に示すように、対角線上に配置されている12個の中空誘電体棒1のガスをブラズマ状態に設定することで、z−x面に第2の仮想的な平面を形成している。
これにより、入射された電磁波は、入射方向に対して傾いている第1の仮想的な平面によって散乱されるとともに、入射方向に対して傾いている第2の仮想的な平面によって散乱されるため、電磁波の入射方向と異なる2方向に散乱される。また、第1の仮想的な平面及び第2の仮想的な平面を形成しているプラズマの導体損失によって、入射された電磁波の電磁エネルギーが大きく減少する。
この結果、上記実施の形態1と同様に、入射された電磁波の放射元であるレーダ等に戻る電力が、仮想的な平面が形成されていない場合と比べて大きく減少する。したがって、レーダ等から見た入射波と散乱波の比(レーダ断面積)が、仮想的な平面が形成されていない場合と比較して小さくなる。
この実施の形態2では、第1の仮想的な平面をx−y面に形成し、第2の仮想的な平面をz−x面に形成している例を示しているが、x−y面に複数の仮想的な平面を形成するようにしてもよいし、z−x面に複数の仮想的な平面を形成するようにしてもよい。
この実施の形態2では、管軸方向がz軸方向である中空誘電体棒1と、管軸方向がy軸方向である中空誘電体棒1とが交互に配置されている例を示しているが、管軸方向がz軸方向である中空誘電体棒1と、管軸方向がy軸方向である中空誘電体棒1との配置は、必ずしも交互であるものに限るものでなくてもよい。
例えば、第1プラズマ層から第12プラズマ層を構成する中空誘電体棒1の管軸方向をz軸方向にして、第13プラズマ層から第24プラズマ層を構成する中空誘電体棒1の管軸方向をy軸方向にしてもよい。
実施の形態3.
上記実施の形態1,2では、式(5)から決定されるプラズマの導電率σが、入射された電磁波の角周波数ωに対して、導体とみなせる値となるものを示したが、プラズマの電子密度nが小さい場合、プラズマの比誘電率εを決定する式(4)の第1項が第2項より大きくなり、プラズマの比誘電率εが正の媒質(誘電体)のようにも振る舞う。
そこで、この実施の形態3では、プラズマの比誘電率εを、入射された電磁波の角周波数ωに対して、誘電体とみなせる値(例えば、0より大きな値)にして、プラズマの誘電体としての性質を利用するものについて説明する。
図8から図10は複数の中空誘電体棒1が散乱体7を取り囲んでいる状態を示す説明図である。
特に、図8は全ての中空誘電体棒1のガスが気体状態である例を示しており、図9及び図10は一部又は全ての中空誘電体棒1のガスがプラズマ状態である例を示している。
図9及び図10において、P1〜P5はプラズマの比誘電率εを示しており、P1>P2>P3>P4>P5の関係があるものとする。
散乱体7を取り囲んでいる全ての中空誘電体棒1のガスが気体状態である場合、図8に示すように、入射された電磁波は、中空誘電体棒1を透過して、散乱体7まで到達する。
これにより、散乱体7の表面に電流が励振されるため、再放射波(散乱波)が発生する。
したがって、入射された電磁波が当たっている散乱体7の面の法線方向と、入射された電磁波の方向が一致する場合、電磁波の入射方向と散乱波の散乱方向が同一になるため、入射された電磁波の放射元であるレーダ等に大きな電力が戻ることになり、レーダ断面積が大きくなる。
次に、散乱体7を取り囲んでいる一部又は全ての中空誘電体棒1のガスがプラズマ状態である場合を考える。
ガスがプラズマ状態である中空誘電体棒1におけるプラズマの比誘電率εと屈折率nの間には、下記の式(6)に示す関係がある。
Figure 0006270654
このため、入射された電磁波の進行方向は、ガスがプラズマ状態である中空誘電体棒1によって形成される仮想的な曲面におけるプラズマの比誘電率εによって変化する。
即ち、プラズマの比誘電率εが大きい程、屈折率nが大きくなるので、プラズマの比誘電率εが大きい部分の仮想的な曲面では、入射された電磁波の曲りが大きくなる。
図9の例では、入射された電磁波の入射方向に対して、電磁波の進行方向が直交する方向になっている。
また、図10の例では、入射された電磁波が仮想的な曲面に沿って迂回するように進行している。この場合、電磁波制御装置が、誘電体レンズのように働いていることがわかる。
電流調整装置5が、ガスがプラズマ状態である中空誘電体棒1におけるプラズマの比誘電率εを適宜調整することで、仮想的な曲面の曲面形状を調整することができるので、入射された電磁波の進行方向を自在に制御することができる。
実施の形態4.
上記実施の形態2では、管軸方向がz軸方向である中空誘電体棒1と、管軸方向がy軸方向である中空誘電体棒1とが交互に配置されている例を示したが、説明の簡単化のために、この実施の形態4では、全ての中空誘電体棒1の管軸方向がz軸方向で同一あるものについて説明する。
この実施の形態4では、複数の中空誘電体棒1のうち、ガスが気体状態である1以上の中空誘電体棒1を間に挟むように、ガスがプラズマ状態である中空誘電体棒1が等間隔に配置されているものとする。
図11及び図12はガスが気体状態である中空誘電体棒1とガスがプラズマ状態である中空誘電体棒1が交互に配置されている例を示す説明図である。
図11及び図12の例では、管軸方向がz軸方向の中空誘電体棒1が、x−y平面でマトリックス状に配置されており、y軸方向において、ガスが気体状態である中空誘電体棒1と、ガスがプラズマ状態である中空誘電体棒1が交互に配置されている。即ち、隣り合っているプラズマ状態の中空誘電体棒1の間に、気体状態の中空誘電体棒1が1個挿入されている。図11及び図12では、電極2の記載を省略している。
プラズマ状態の中空誘電体棒1が1個おきに配置されており、プラズマ状態の中空誘電体棒1の間隔が、入射される電磁波の波長と比べて十分に小さいものである場合、その電磁波の周波数帯域において、ガスから発生するプラズマが導体的な性質を有すれば、これらのプラズマ状態の中空誘電体棒1は、入射された電磁波を透過させる仮想的な平面を形成するため、x−y面方向の偏波のみを通過させる偏波グリッドとして動作する。
これにより、例えば、入射された電磁波がy−z面で45度の偏波Aであるとき、その電磁波の透過波の成分が、y軸方向に沿う偏波Bのみになるように、入射された電磁波の透過量を減少させることができる。
図12の例では、一定間隔のプラズマ状態の中空誘電体棒1が紙面縦方向に並んでいるものを示しているが、図13に示すように、紙面斜め方向に並んでいる中空誘電体棒1のガスをプラズマ状態に設定することで、偏波グリッドが斜めになっていてもよい。偏波グリッドを斜めにすることで、入射された電磁波の透過量を減少させることができるとともに、入射された電磁波の進行方向を変えることができる。
実施の形態5.
上記実施の形態4では、複数の中空誘電体棒1が同一平面上に配置されているものを示したが、複数の中空誘電体棒1が多層化されている場合(図11及び図12における中空誘電体棒1の配置構造が多層化されている場合)、各層における複数の中空誘電体棒1の管軸方向が互いに異なっているようにしてもよい。
図14は複数の中空誘電体棒1が多層化されている例を示す説明図である。
図14では、4層構造の例を示しており、図11及び図12における中空誘電体棒1の配置構造が4つ重ねられている。図14中のアンテナは、図1の散乱体6に相当する。
このとき、x軸を中心にして、第1層に対して第2層が15度回転しており、第2層に対して第3層が15度回転している。また、第3層に対して第4層が15度回転している。
このように、第1層に対して第2層から第4層が回転していることで、各層における複数の中空誘電体棒1の管軸方向が互いに異なっている。即ち、各層における複数の中空誘電体棒1の管軸方向が15度ずつずれている。
このように、第1層から第4層における中空誘電体棒1の管軸方向が異なることで、各層の偏波グリッドを通過できる偏波方向が異なる。
例えば、第1層の偏波グリッドを通過できる偏波方向が偏波A、第2層の偏波グリッドを通過できる偏波方向が偏波B、第3層の偏波グリッドを通過できる偏波方向が偏波C、第4層の偏波グリッドを通過できる偏波方向が偏波Dであるとする。
この場合、第1層の偏波グリッドが通す偏波Aは、y軸方向を向いているが、第4層の偏波グリッドは、y−z平面において、x軸を中心に45度傾いている偏波Dを通すことになる。
このような多層構造にすることで、通過可能な偏波が制限されるため、各偏波グリッド面での反射波の影響を低減することができる。
この実施の形態5では、各層における複数の中空誘電体棒1の管軸方向のずれの角度が15度である例を示しているが、これに限るものではなく、管軸方向のずれの角度が15度以外であってもよい。
また、各層における複数の中空誘電体棒1の管軸方向のずれの角度が、それぞれ15度で均等である例を示しているが、管軸方向のずれの角度が不均等であってもよい。
実施の形態6.
上記実施の形態1〜5では、電流調整装置5が、複数の中空誘電体棒1のうち、少なくとも1以上の中空誘電体棒1に充填されているガスの状態をプラズマ状態に設定することで、入射された電磁波の進行方向を制御するものを示したが、中空誘電体棒1の内部の空間に充填されているガスの密度を調整するようにしてもよい。
図15はこの発明の実施の形態6による電磁波制御装置の中空誘電体棒1を示す構造図であり、図16はこの発明の実施の形態6による電磁波制御装置の一部を示す構成図である。
図16では、電源4及び電流調整装置5の記載を省略しており、図15及び図16において、図1及び図2と同一符号は同一または相当部分を示している。
ガス排気孔8は中空誘電体棒1の両端に施されている孔であり、ホース9が接続されている。
ガス密度調整装置10はホース11を介してガスボンベ12と接続されており、ガスボンベ12に貯蔵されているガスを中空誘電体棒1の内部の空間内に封入、または、中空誘電体棒1の内部の空間に充填されているガスを排気することで、中空誘電体棒1の内部の空間に充填されているガスの密度を調整する装置である。
なお、ホース9,11、ガス密度調整装置10及びガスボンベ12からガス密度調整手段が構成されている。
非磁化・低温・衝突性のプラズマにおける複素比誘電率εチルダは、上記の式(1)に示すように、衝突周波数νによって変化する。
衝突周波数νは、自由電子が他の粒子と衝突して消滅する1秒当たりの平均回数であり、電子の運動は、電源4の印加電圧によって決定される。
以下の非特許文献2の記載より、衝突周波数νは下記の式(7)で定義される。
Figure 0006270654
式(7)において、nは粒子の密度、ρは粒子が弾性衝突する場合の等価断面積、sは粒子の速度である。なお、ρsバー(明細書の文章中では、電子出願の関係上、文字の上に“−”の記号を付することができないので、ρsバーのように表記している)は、等価断面積ρと速度sの積の平均値を表している。
[非特許文献2]
Francis F. Chen著、内田岱二郎訳『プラズマ物理入門』、丸善、1977年
式(7)より、ガスの粒子の大きさが大きくなるか、ガスの密度が高くなれば、衝突周波数νが高くなることが分かる。
したがって、ガス密度調整装置10が、中空誘電体棒1の内部の空間に充填されているガスの密度を調整、あるいは、ガスボンベ12から、中空誘電体棒1の内部の空間に現在充填されているガスと異なるガスを封入することで、衝突周波数νを調整することができる。
このように、衝突周波数νを調整することで、プラズマの比誘電率εと導電率σを更に広い範囲で制御することができるため、電磁波の散乱方向及び減少量の制御範囲を広げることができる。
実施の形態7.
上記実施の形態1〜6では、入射される電磁波の到来方向及び属性(例えば、電磁波の角周波数ω、偏波など)が事前に分かっているものとして説明しているが、事前に分からない場合もある。
この実施の形態7では、事前に分からない場合、入射される電磁波の到来方向及び属性を分析する機能を備えている電磁波制御装置について説明する。
図17はこの発明の実施の形態7による電磁波制御装置を示す構成図であり、図17において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
入射波探知機21は中空誘電体棒1に入射される電磁波の入射方向(到来方向)及び属性(例えば、電磁波の角周波数ω、偏波など)を探知する探知機である。
計算装置22は入射波探知機21により探知された電磁波の入射方向と予め設定された電磁波の散乱方向(進行方向)の関係から、複数の中空誘電体棒1の中で、プラズマ状態に設定する必要がある中空誘電体棒1を選択する処理を実施する。
また、計算装置22は入射される電磁波の属性である角周波数ωなどを用いて、その選択した中空誘電体棒1におけるプラズマの比誘電率εと導電率σを算出する処理を実施する。
なお、入射波探知機21及び計算装置22から中空誘電体棒選択手段が構成されている。
次に動作について説明する。
入射波探知機21は、中空誘電体棒1に入射される電磁波の入射方向のほか、その電磁波の角周波数ωなどを探知する。入射波探知機21のような探知機自体は公知のものであるため詳細な説明を省略する。
計算装置22は、入射波探知機21から探知結果を受けると、その電磁波の入射方向と予め設定された電磁波の散乱方向の関係から、複数の中空誘電体棒1の中で、プラズマ状態に設定する必要がある中空誘電体棒1を選択する。
即ち、計算装置22は、電磁波の入射方向と散乱方向のなす角を求め、当該なす角に対応する角度の仮想的平面を形成する中空誘電体棒1を選択する。
例えば、図17に示すように、電磁波の入射方向がx軸と水平な方向であり、電磁波の散乱方向がy軸と平行な方向であれば、右上と左下の対角線上に位置している5個の中空誘電体棒1を、プラズマ状態に設定する中空誘電体棒1として選択すればよい。
ただし、複数の中空誘電体棒1がマトリックス状に配置されているものであるため、電磁波の入射方向と散乱方向のなす角と完全に対応する角度の仮想的平面を形成する中空誘電体棒1が存在していない場合もある。
この場合、当該なす角と概ね対応する角度の仮想的平面を形成する中空誘電体棒1を選択し、その中空誘電体棒1におけるプラズマの比誘電率εを調整して、プラズマの屈折率nを制御すれば、電磁波の入射方向と散乱方向のなす角と完全に対応する角度の仮想的平面を形成することができる。
計算装置22は、仮想的平面を形成する中空誘電体棒1を選択すると、入射される電磁波の属性である角周波数ωを式(4)及び式(5)に代入することで、ガスの状態を気体状態からプラズマ状態に遷移させる際のプラズマの比誘電率ε及びプラズマの導電率σを算出する。
プラズマの比誘電率εを制御することで、入射された電磁波の電磁エネルギーの減少量を適正な量に制御することができるが、上記のように、電磁波の入射方向と散乱方向のなす角と完全に対応する角度の仮想的平面を形成するために、プラズマの比誘電率εを調整している場合には、その比誘電率εを採用する必要があるので、プラズマの比誘電率εの算出処理を行わない。
電流調整装置5は、計算装置22から中空誘電体棒1の選択結果と、プラズマの比誘電率ε及び導電率σの算出結果を受けると、その選択結果が示す中空誘電体棒1のガスがプラズマ状態になり、かつ、そのプラズマの比誘電率ε及び導電率σが当該算出結果と一致するように、その中空誘電体棒1の電極2に供給する電流の値を調整する。
これにより、入射される電磁波の到来方向や角周波数ω等が分からない場合でも、その電磁波の進行方向を適正に制御することができる。
実施の形態8.
上記実施の形態1では、同一平面内に1つの仮想的平面を形成するものを示したが、同一平面内に複数の仮想的平面を形成するようにしてもよい。
図18は複数の仮想的平面を形成している状態を示す説明図ある。
図18の例では、4つの仮想的平面(第1の仮想的平面、第2の仮想的平面、第3の仮想的平面、第4の仮想的平面)を形成しており、第1の仮想的平面〜第4の仮想的平面におけるプラズマの比誘電率εが異なっている。例えば、電磁波の入射側の仮想的平面におけるプラズマほど、比誘電率εが大きくなっている。
具体的には、外部空間(図18において、第1の仮想的平面より左側)と第1の仮想的平面との電気的な整合条件(波動インピーダンス)が一致するように、電流調整装置5が、第1の仮想的平面を形成する中空誘電体棒1の電極2に供給する電流の値を調整することで、第1の仮想的平面におけるプラズマの比誘電率ε及び導電率σを調整する。
また、第1の仮想的平面と第2の仮想的平面との電気的な整合条件(波動インピーダンス)が一致するように、電流調整装置5が、第2の仮想的平面を形成する中空誘電体棒1の電極2に供給する電流の値を調整することで、第2の仮想的平面におけるプラズマの比誘電率ε及び導電率σを調整する。
同様に、第2の仮想的平面と第3の仮想的平面との電気的な整合条件(波動インピーダンス)が一致するように、電流調整装置5が、第3の仮想的平面を形成する中空誘電体棒1の電極2に供給する電流の値を調整することで、第3の仮想的平面におけるプラズマの比誘電率ε及び導電率σを調整し、第3の仮想的平面と第4の仮想的平面との電気的な整合条件(波動インピーダンス)が一致するように、電流調整装置5が、第4の仮想的平面を形成する中空誘電体棒1の電極2に供給する電流の値を調整することで、第4の仮想的平面におけるプラズマの比誘電率ε及び導電率σを調整する。
これにより、外部空間と第1の仮想的平面での反射、各仮想的平面間での反射を伴うことなく、第1の仮想的平面〜第4の仮想的平面において、入射された電磁波の電磁エネルギーを減少させることができるようになり、その結果、図18(b)に示すように、入射された電磁波の振幅を徐々に小さくして、入射された電磁波を効率的に吸収することができる。
この実施の形態8では、入射された電磁波を吸収する例を示しているが、複数の仮想的平面の角度を斜めに変えれば、上記実施の形態と同様に、入射された電磁波を散乱させることもできる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 中空誘電体棒、2 電極、3 誘電体、4 電源、5 電流調整装置、6,7 散乱体、8 ガス排気孔、9,11 ホース(ガス密度調整手段)、10 ガス密度調整装置(ガス密度調整手段)、12 ガスボンベ(ガス密度調整手段)、21 入射波探知機(中空誘電体棒選択手段)、22 計算装置(中空誘電体棒選択手段)。

Claims (9)

  1. 電離することでプラズマを発生するガスが内部の密閉された空間に充填され、前記空間内の両端に電極が配置されている中空誘電体棒と、
    前記中空誘電体棒の電極に供給する電流を調整することで、前記中空誘電体棒に充填されているガスの状態を、プラズマが発生するプラズマ状態又はプラズマが発生しない気体状態に設定する状態制御手段とを備え、
    前記中空誘電体棒が同一平面上に複数配置されており、
    前記状態制御手段が、前記複数の中空誘電体棒のうち、少なくとも1以上の中空誘電体棒に充填されているガスの状態を前記プラズマ状態に設定することで、入射された電磁波の進行方向を制御し、
    前記入射された電磁波の到来方向を探知し、前記到来方向と予め設定された電磁波の進行方向との関係から、前記複数の中空誘電体棒の中で、前記ガスの状態を前記プラズマ状態に設定する中空誘電体棒を選択する中空誘電体棒選択手段をさらに備え、
    前記状態制御手段は、前記中空誘電体棒選択手段により選択された中空誘電体棒に充填されているガスの状態を前記プラズマ状態に設定することを特徴とする電磁波制御装置。
  2. 前記ガスの状態が前記プラズマ状態である前記1以上の中空誘電体棒によって、前記入射された電磁波を散乱又は透過させる仮想的な面が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁波制御装置。
  3. 前記ガスの状態が前記プラズマ状態である前記1以上の中空誘電体棒の管軸方向が同一方向であることを特徴とする請求項2記載の電磁波制御装置。
  4. 前記ガスの状態が前記プラズマ状態である前記1以上の中空誘電体棒によって、前記入射された電磁波を散乱又は透過させる仮想的な面が複数形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁波制御装置。
  5. 前記ガスの状態が前記プラズマ状態である前記1以上の中空誘電体棒によって、第1の仮想的な面と第2の仮想的な面が形成されており、
    前記第1の仮想的な面を形成している中空誘電体棒の管軸方向と、前記第2の仮想的な面を形成している中空誘電体棒の管軸方向とが直交していることを特徴とする請求項4記載の電磁波制御装置。
  6. 前記複数の中空誘電体棒のうち、前記ガスの状態が前記気体状態である1以上の中空誘電体棒を間に挟むように、前記ガスの状態が前記プラズマ状態である中空誘電体棒が等間隔にそれぞれ配置されており、
    前記等間隔に配置されている前記プラズマ状態である複数の中空誘電体棒によって、入射された電磁波を散乱又は透過させる仮想的な面が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁波制御装置。
  7. 前記入射された電磁波を散乱又は透過させる仮想的な面を形成している前記複数の中空誘電体棒が多層化されており、各層における前記複数の中空誘電体棒の管軸方向が互いに異なっていることを特徴とする請求項6記載の電磁波制御装置。
  8. 前記中空誘電体棒の内部の空間に充填されているガスの密度を調整するガス密度調整手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の電磁波制御装置。
  9. 前記複数の仮想的な面におけるプラズマの比誘電率が互いに異なっていることを特徴とする請求項4記載の電磁波制御装置。
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