JP6267610B2 - 電動グリッパ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動グリッパ装置に関し、特に、FA(Factory Automation)組立工程における製品の自動組立、部品搬送、検査等において、ワークを把持して位置決めや測長等を行うためのモータ駆動による電動グリッパ装置に関する。
従来、電動グリッパ装置においては、モータによって正逆回転されるカム部材と、レールに沿って直線摺動する一対の把持部材とを備え、一対の把持部材のそれぞれのカムフォロア(駆動ピン)をカム部材に摺動自在に嵌合させる一対のカム溝がカム部材に螺旋状に形成され、モータによるカム部材の正逆回転により一対の把持部材がレールに沿って互いに接近・離隔摺動するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この種の電動グリッパ装置におけるカム部材のカム溝は、モータの回転トルクによって生ずる把持部材の推力がどの位置でも一定となるように、アルキメデスの渦巻き線に沿う螺旋状に形成されている。
特開2009−226506号公報
しかしながら特許文献1の電動グリッパ装置においては、モータによるカム部材の回転運動を把持部材のカムフォロア(駆動ピン)における直線運動に変換したときの把持部材のストローク範囲がカム部材の半径に制限されているために短く、このストローク範囲を長くするにはカム部材の半径を大きくしなければならず、その場合には装置全体が大型化してしまうという問題があった。
また、特許文献1の電動グリッパ装置においては、カム部材、カムフォロアおよび把持部材を直線摺動させるための直線ガイドが必要であり、その直線ガイドには有限軌道方式および無限軌道方式の双方共に高精度な研削加工が要求され、その構成が複雑化するという問題があった。
さらに、把持部材をクリーンルーム等のクリーンな環境で使用する場合、直線ガイドにグリス飛散対策としてカバーを付けたり、直線ガイドをジャバラ状のカバーで覆ったりすることが一般的であり、これらカバーの存在により更に大型化してしまうという問題があった。
本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、小型であり、かつ簡易な構成でありながら直線ガイドを用いることなく把持部材を直線運動させ、そのストローク範囲を長くすることのできる電動グリッパ装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、モータ(2)と、前記モータ(2)に固定されたモータ台板(3)と、前記モータ(2)のモータ軸(2a)の先端にその中央部が固定され、このモータ軸(2a)の一方向への回転または他方向への回転に応じて前記中央部を中心として回動する主アーム(5)と、前記主アーム(5)の一端部(5a)に当該主アーム(5)の回動方向と同じ水平面上でその基端部(10a)が回動自在に支持され、その先端に第1ワーク把持部(10c)が設けられた所定の腕長でなる第1腕部(10)と、前記主アーム(5)の他端部(5b)に当該主アーム(5)の回動方向と同じ水平面上でその基端部(20a)が回動自在に支持され、その先端に第2ワーク把持部(20c)が設けられた前記第1腕部(10)よりも短い腕長でなる第2腕部(20)と、前記主アーム(5)と平行な状態に配置され、前記主アーム(5)の動きに従動して前記第1腕部(10)および前記第2腕部(20)が互いの平行状態を維持したまま近接離反するように、前記第1腕部(10)および前記第2腕部(20)間で回動自在に支持された副アーム(7)とを備え、前記副アーム(7)は、前記モータ台板(3)から突出した軸(2c)に回転自在に支持されているようにする。
また本発明において、前記第1ワーク把持部(10c)および前記第2ワーク把持部(20c)は、その形状が側面視L字状に形成されているようにする。
さらに本発明において、前記第1ワーク把持部(10c)および前記第2ワーク把持部(20c)は、その形状が側面視円弧状に形成されているようにする。
さらに本発明において、前記第1腕部(10)および前記第2腕部(20)の互いに近接または離反するときの移動量は、前記モータ軸(2a)の回転とともに前記主アーム(5)が回転したときの回転角度(θ)に応じて制御されるようにする。
さらに本発明において、前記第1ワーク把持部(10c)および前記第2ワーク把持部(20c)によるワーク把持力は、前記モータ軸(2a)の回転とともに前記主アーム(5)が回転したときの回転角度(θ)に応じて制御されるようにする。
本発明によれば、主アーム(5)と平行な状態で第1腕部(10)および第2腕部(20)に対して回動自在に副アーム(7)が支持され、モータ軸(2a)の回転により主アーム(5)が回動されることに応じて当該第1腕部(10)および第2腕部(20)が互いの平行状態を維持したまま近接離反することができるので、直線ガイドを使用することなく、かつ、大型化することなく簡易な構成でありながら第1腕部(10)および第2腕部(20)を直線運動させるとともに、主アーム(5)および副アーム(7)を長く設定するだけでワーク(wk)を保持または解放する際のストローク範囲を一段と長くすることができる。
本発明によれば、第1ワーク把持部(10c)および第2ワーク把持部(20c)の形状が側面視L字状に形成されているため、常に一定の把持位置で矩形状のワークを確実に把持することができる。
本発明によれば、第1ワーク把持部(10c)および第2ワーク把持部(20c)は、その形状が側面視円弧状に形成されているため、円形状のワークを確実に把持することができる。
本発明によれば、第1腕部(10)および第2腕部(20)の互いに近接または離反するときの移動量が、モータ軸(2a)の回転とともに主アーム(5)が回転したときの回転角度(θ)に応じて制御されるので、ワーク(wk)を把持させる際の第1腕部(10)および第2腕部(20)の移動量を容易に制御することができる。
本発明によれば、第1ワーク把持部(10c)および第2ワーク把持部(20c)によるワーク把持力が、モータ軸(2a)の回転とともに主アーム(5)が回転したときの回転角度(θ)に応じて制御されるので、主アーム(5)に連結された第1腕部(10)の第1ワーク把持部(10c)および第2腕部(20)の第2ワーク把持部(20c)におけるワーク(wk)に対するワーク把持力についても容易に制御することができる。
本実施の形態における電動グリッパ装置の全体外観構成(1)を示す外観図である。 本実施の形態における電動グリッパ装置の全体外観構成(2)を示す外観図である。 本実施の形態における電動グリッパ装置の全体外観構成(3)を示す外観図である。 本実施の形態における電動グリッパ装置の全体外観構成(4)を示す外観図である。 本実施の形態における電動グリッパ装置のワーク把持状態を示す全体外観構成(1)を示す外観図である。 本実施の形態における電動グリッパ装置のワーク把持状態を示す全体外観構成(2)を示す外観図である。 本実施の形態における電動グリッパ装置のワーク把持状態を示す全体外観構成(3)を示す外観図である。 本実施の形態における電動グリッパ装置のワーク把持状態を示す全体外観構成(4)を示す外観図である。 本実施の形態におけるワークの構成を示す斜視図である。 本実施の形態における第1腕部および第2腕部の移動の軌跡を示す図である。
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
<電動グリッパ装置の構成>
図1乃至図8に示すように、本実施の形態におけるリンク式電動グリッパ装置1は、例えばステッピングモータ(以下、これを「モータ」と呼ぶ。)2と、当該モータ2に接続された把持部4とによって構成されている。
モータ2には、断面L字状のモータ台板3が固定されている。モータ台板3の貫通孔に当該モータ2のモータ軸基部2bが嵌合固定されており、そのモータ軸基部2bから突出したモータ軸2aに対して把持部4の主アーム5が一体に固定されている。
把持部4は、モータ2のモータ軸2aに固定された主アーム5、当該主アーム5の一端部5aおよび他端部5bに取り付けられた第1腕部10および第2腕部20、第1腕部10および第2腕部20間を連結する副アーム7によって構成されている。
主アーム5は、所定の長さを有する棒状部材であり、その中央の貫通孔に対してモータ2のモータ軸2aが一体に固定されている。したがって、主アーム5はモータ2のモータ軸2aが回転すると、当該モータ軸2aの回転と共に、モータ軸2aを回転中心として図中時計周り方向または図中反時計周り方向へ回転する。
主アーム5では、その一端部5aから回動軸5ajが突出して設けられているとともに、その他端部5bから回動軸5bjが突出して設けられている。
第1腕部10は、主アーム5よりも長い腕長を有し、その先端にワークwk(図5)を把持するための側面視L字状でなるワーク把持部10cが形成されている。図2において側面視L字状のワーク把持部10cは、L字状の底面部10cdおよびL字状の側面部10ceにより形成されている。
したがって、第1腕部10は、ワーク把持部10cの底面部10cdおよび側面部10ceにより、図9に示すようなワークwkの上面wkt(または下面)、側面wks、および天面wku(または底面)の3面を把持可能である。
また第1腕部10は、その基端部に形成された貫通孔10aに玉軸受からなるベアリング31が取り付けられている。さらに第1腕部10は、貫通孔10aからワーク把持部10cへ向かって所定距離だけ離れた位置に貫通孔10bが形成されており、その貫通孔10bに玉軸受からなるベアリング32が取り付けられている。
第2腕部20は、第1腕部10よりも短い腕長を有し、その先端にワークwk(図5)を把持するための側面視L字状でなるワーク把持部20cが形成されている。図2において側面視L字状のワーク把持部20cは、L字状の底面部20cdおよびL字状の側面部20ceにより形成されている。
したがって、第2腕部20は、ワーク把持部20cの底面部20cdおよび側面部20ceにより、図9に示すようなワークwkの上面wkt(または下面)、側面wks、および天面wku(または底面)の3面を把持可能である。
また第2腕部20は、その基端部に形成された貫通孔20aに玉軸受からなるベアリング33が取り付けられている。さらに第2腕部20は、貫通孔20aからワーク把持部20cへ向かって所定距離だけ離れた位置で、かつ、第1腕部10の貫通孔10aおよび貫通孔10b間と同じ距離だけ隔てた位置に貫通孔20bが形成されており、その貫通孔20bに玉軸受からなるベアリング34が取り付けられている。なお、第2腕部20の貫通孔20bは、貫通孔20aとワーク把持部20cとの間に形成されている。
副アーム7は、主アーム5と同一の長さを有する棒状部材であり、その中央の有底孔(図示せず)に対して、モータ台板3から突出した軸2cが回転自在に支持されている。また副アーム7は、その一端部7aから回動軸7ajが突出して設けられているとともに、その他端部7bから回動軸7bjが突出して設けられている。
主アーム5の一端部5aから突出した回動軸5ajに対し、第1腕部10の貫通孔10aに取り付けられたベアリング31を介して第1腕部10が回動自在に支持される。同様に、主アーム5の他端部5bから突出した回動軸5bjに対し、第2腕部20の貫通孔20aに取り付けられたベアリング33を介して第2腕部20が回動自在に支持される。
副アーム7の一端部7aから突出した回動軸7ajに対し、第1腕部10の貫通孔10bに取り付けられたベアリング32を介して第1腕部10が回動自在に支持される。同様に、副アーム7の他端部7bから突出した回動軸7bjに対して、第2腕部20の貫通孔20bに取り付けられたベアリング34を介して第2腕部20が回動自在に支持される。
すなわち、主アーム5および副アーム7の双方に対して、第1腕部10と第2腕部20とが互いの平行状態を維持したまま回動自在に支持されている。言い換えれば、第1腕部10および第2腕部20の双方に対して、主アーム5と副アーム7とが互いの平行状態を維持したまま回動自在に支持されている。
この場合、把持部4では、モータ2のモータ軸2aの回転に応じて主アーム5が回転することにより、主アーム5、第1腕部10、第2腕部20および副アーム7によって構成されるリンク機構が図1乃至図4に示す長方形から図5乃至図8に示す平行四辺形に変化することになる。
<電動グリッパ装置の動作>
このような構成のリンク式電動グリッパ装置1における把持部4によりワークwkを把持する動作およびワークwkを解放する動作について説明する。
リンク式電動グリッパ装置1においては、ワークwkを把持部4における第1腕部10のワーク把持部10cおよび第2腕部20のワーク把持部20cにより把持する場合、図3に示すようなワークwkを把持していない解放状態から開始する。
最初に、モータ2のモータ軸2aの図中反時計回り方向への回転とともに主アーム5が図中反時計周り方向へ回転されると、この主アーム5との平行状態が維持された副アーム7についても主アーム5と連動して図中反時計回り方向へ回転される。
ワークwkの解放状態では、把持部4の主アーム5、第1腕部10、第2腕部20および副アーム7によるリンク機構が側面視長方形となっており、第1腕部10のワーク把持部10cおよび第2腕部20のワーク把持部20c間の距離が最も広がっている。
したがって、リンク式電動グリッパ装置1によりワークwkを把持するには、ワーク把持部10cおよびワーク把持部20c間の任意の場所(実線および破線で示す)にワークwkを配置すればよい。
ここで、主アーム5および副アーム7は、図2において、それぞれの一端部5a、7aおよび他端部5b、7bにおいて第1腕部10および第2腕部20を回動自在に支持しているため、主アーム5および副アーム7が図中反時計回り方向へ回転されると、図10に示すように、第1腕部20と第2腕部20との平行状態が維持されたまま、第1腕部10が全体的に矢印A方向へ移動されるとともに、第2腕部20が全体的に矢印B方向へ移動される。
このとき、第1腕部10および第2腕部20は、モータ2のモータ軸2aによる主アーム5の回転の影響を受けているため、第1腕部10が全体的に矢印A方向へ移動されるとともに矢印D方向へ僅かに移動され、第2腕部20が全体的に矢印B方向へ移動されるとともに矢印C方向へ僅かに移動される。つまり第1腕部10および第2腕部20は主アーム5の回転に応じて円弧を描きながら移動される。
かくして第1腕部10および第2腕部20は、図3、図7および図10に示すように、主アーム5および副アーム7の図中反時計回り方向への回転に応じて、ワーク把持部10cおよびワーク把持部20cがワークwkの対角線に沿って互いに向かい合うように近接していく。
これによりリンク式電動グリッパ装置1は、ワーク把持部10cの底面部10cdおよび側面部10ce、および、ワーク把持部20cの底面部20cdおよび側面部20ceによりワークwkの角部wk1およびwk2をそれぞれ3面で把持することができる。
この場合、図6に示すように、ワーク把持部10cおよびワーク把持部20cが側面視L字状に形成されているため、ワークwkの角部wk1およびwk2を両側から挟み付けるように把持することになる。
これにより、ワークwkの解放状態(図3)においてワーク把持部10cおよび20cの間の何れの場所にワークwkが置かれていても(破線で示す)、最終的には実線で示されるようなワーク把持部10cおよびワーク把持部20cの中間位置(図7)で強固に把持される。
このワークwkの把持状態では、把持部4の主アーム5、第1腕部10、第2腕部20および副アーム7によるリンク機構が平行四辺形となっており、第1腕部10のワーク把持部10cおよび第2腕部20のワーク把持部20c間の距離がワークwkのサイズに合わせて狭くなる。
次に、電動グリッパ装置1において、把持部4における第1腕部10のワーク把持部10cおよび第2腕部20のワーク把持部20cによりワークwkを把持した状態から解放する場合、図7に示すような把持部4によるワークwkを把持している把持状態から開始する。
最初に、モータ2のモータ軸2aの図中時計回り方向への回転とともに主アーム5が図中時計周り方向へ回転されると、この主アーム5との平行状態が維持された副アーム7についても主アーム5と連動して図中時計回り方向へ回転される。
ここで、主アーム5および副アーム7は、それぞれの一端部5a、7aおよび他端部5b、7bにおいて第1腕部10および第2腕部20を回動自在に支持しているため、図10に示すように、第1腕部20と第2腕部20との平行状態が維持されたまま、第1腕部10が全体的に矢印B方向へ移動されるとともに、第2腕部20が全体的に矢印A方向へ移動される。
このとき、第1腕部10および第2腕部20は、モータ2のモータ軸2aによる主アーム5の回転の影響を受けているため、第1腕部10が全体的に矢印B方向へ移動されるとともに矢印C方向へ僅かに移動され、第2腕部20が全体的に矢印A方向へ移動されるとともに矢印D方向へ僅かに移動される。つまり第1腕部10および第2腕部20は主アーム5の回転に応じて円弧を描きながら移動される。
かくして、第1腕部10および第2腕部20は、図3、図7および図10に示すように、主アーム5および副アーム7の図中時計周り方向への回転に応じて、ワーク把持部10cおよびワーク把持部20cがワークwkの対角線に沿って互いに離反するように離れていく。
これによりリンク式電動グリッパ装置1は、ワーク把持部10cの底面部10cdおよび側面部10ce、および、ワーク把持部20cの底面部20cdおよび側面部20ceにより3面で把持していたワークwkが解放される。
このワークwkの解放状態では、把持部4の主アーム5、第1腕部10、第2腕部20および副アーム7によるリンク機構が長方形に戻ることになる。
<電動グリッパ装置の効果>
リンク式電動グリッパ装置1は、把持部4において主アーム5、第1腕部10、第2腕部20および副アーム7によって長方形から平行四辺形に変化するリンク機構が構成され、そのリンク機構の主アーム5が1つのモータ2のモータ軸2aにより一方向(時計周り方向)または他方向(反時計周り方向)へ回転されるようにした。
これによりリンク式電動グリッパ装置1は、第1腕部10および第2腕部20が互いの平行状態を維持したまま、この第1腕部10のワーク把持部10cおよび第2腕部20のワーク把持部20cをワークwkの対角線に沿った方向へ近接または離反するように協調的に移動させることができる。
かくしてリンク式電動グリッパ装置1は、直線ガイド等を特に必要とすることなく、第1腕部10および第2腕部20の平行状態を維持したまま互いに近接または離反する方向に平行移動させ、ワークwkを把持することができる。
なおリンク式電動グリッパ装置1は、主アーム5および副アーム7を更に長く設定し、第1腕部10および第2腕部20間の間隔を長くするだけで、基本構造を変更することなく簡易な構成のまま第1腕部10のワーク把持部10cおよび第2腕部20のワーク把持部20cによりワークwkを保持または解放する際のストローク範囲を一段と長くすることができる。
またリンク式電動グリッパ装置1は、モータ2のモータ軸2aによる主アーム5の回転に応じて、第1腕部10のワーク把持部10cおよび第2腕部20のワーク把持部20cが円弧状の移動軌跡を描きながら互いに近接離反する。
これにより、リンク式電動グリッパ装置1は、第1腕部10のワーク把持部10cおよび第2腕部20のワーク把持部20cの移動量を、主アーム5の回転角度θ(図10)を調整することにより容易かつリニアに制御することができる。
続いてリンク式電動グリッパ装置1における第1腕部10のワーク把持部10cおよび第2腕部20のワーク把持部20cの運動と、ワーク把持部10cおよびワーク把持部20cによるワークwkに対する把持力との関係について説明する。
図10において、モータ2のモータ軸2aの中心点Oを中心として回転する主アーム5の運動は、この主アーム5における一端部5bの回動軸5bjの中心点を「P0」および他端部5aの回動軸5ajの中心点を「Q0」とすると、その中心点P0および中心点Q0の位置の変化として考えることができ、次の(式1)乃至(式4)により表される。
P0=r・cosθ………………………………………………………………(式1)
P0=r・sinθ………………………………………………………………(式2)
Q0=−r・cosθ……………………………………………………………(式3)
Q0=−r・sinθ……………………………………………………………(式4)
また、主アーム5における回動軸5bjの中心点P0および回動軸5ajの中心点Q0の運動の方向を角度「θ」とすると、この角度「θ」は次の(式5)により表される。
θ=ωt……………………………………………………………………………(式5)
ここで、「ω」は、主アーム5の回転により、主アーム5の回動軸5bjの中心点P0(XP0、YP0)および回動軸5ajの中心点Q0(XQ0、YQ0)が仮想円の接線方向へ移動する際の回転角速度である。また、「t」は時間である。
回動軸5bjの中心点P0の速度VP0は、中心点P0(XP0、YP0)の位置におけるX成分の速度vP0(dXP0/dt)およびY成分の速度uP0(dYP0/dt)の合成速度である。
ここで、X成分の速度vP0(dXP0/dt)およびY成分の速度uP0(dYP0/dt)は、次の(式6)、(式7)で表される。
P0=−rωsinωt……………………………………………………………(式6)
P0=rωcоsωt………………………………………………………………(式7)
したがって、回動軸5bjの中心点P0の速度VP0は、次の(式8)により表される。
P0=√(vP0 2+uP0 2)=rω…………………………………………………(式8)
なお、回動軸5ajの中心点Q0の速度VQ0についても、回動軸5bjの中心点P0の速度VP0と同様に成立するため、回動軸5ajの中心点Q0の速度VQ0は、次の(式9)により表される。
Q0=rω………………………………………………………………………………(式9)
ところで、ワークwkを第1腕部10のワーク把持部10cおよび第2腕部20のワーク把持部20cにより把持する把持点P1、Q1は、主アーム5における回動軸5bjの中心点P0および回動軸5ajの中心点Q0の運動の軌跡がオフセットされたものである。したがって、把持点P1、Q1の把持力を求めるに当たって、主アーム5における回動軸5bjの中心点P0および回動軸5ajの中心点Q0に基づいて計算する。
モータ2におけるモータ軸2aの軸トルクを「τm」とすると、それぞれの回動軸5bjの中心点P0および回動軸5ajの中心点Q0には、1/2の軸トルクτmが作用することになる。
モータ2の出力(モータ軸2aの軸出力)は、軸トルクτm×回転角速度ωで表されるため、回動軸5bjの中心点P0(またはQ0)に作用する軸出力は、(τm×ω)/2により表される。
ここで、主アーム5の回転により回動軸5bjの中心点P0に作用する力は(FP0×VP0)により表されるので、軸出力((τm×ω)/2)と中心点P0に作用する力(FP0×VP0)とは、次の(式10)の関係を満たす。なお、上述の通り、(式8)により、速度VP0=rωである。
(τm×ω)/2=FP0×VP0=FP0×rω………………………………………(式10)
この(式10)を整理すると、回動軸5bjの中心点P0に作用する把持力「FP0」は次の(式11)により表される。
P0=τm/2r……………………………………………………………………(式11)
この把持力「FP0」は、回動軸5bjの中心点P0における水平方向の把持力「FxP0」および垂直方向の把持力「FyP0」の合成把持力であり、角度「θ」に拘らず一定となる。
ここで、回動軸5bjの中心点P0における水平方向の把持力「Fxp0」は、次の(式12)により表される。
xP0=FP0×(vP0/VP0)=(τm/2r)×(−rωsinωt/rω)
=−(τm/2r)×sinωt……………………………………………………(式12)
同様に、回転軸5bjの中心点P0における垂直方向の把持力「Fyp0」は、次の(式13)により表される。
yP0=(τm/2r)×cosωt………………………………………………(式13)
ここで、把持力FP0は、ワーク把持部10cの把持点P1の把持力FP1と同じであると考えられるので、以上の結果より、図10において、角度「θ(=ωt)」がθ=0度の場合、把持点P1における水平方向の把持力FxP1=0(最少)、把持点P1における垂直方向の把持力FyP1=τm/2r(最大)となる。
また、図10において、角度「θ(=ωt)」がθ=45度の場合、把持点P1における水平方向の把持力FxP1=τm/(2・√2・r)、把持点P1における垂直方向の把持力FyP1=τm/(2・√2・r)となる。
さらに、図10において、角度「θ(=ωt)」がθ=90度の場合、把持点P1における水平方向の把持力FxP1=τm/2r(最大)、把持点P1における垂直方向の把持力FyP1=0(最少)となる。
このように、主アーム5の中心点P0の角度「θ」を適当に設定することにより、把持点P1の合成把持力FP1を、水平方向の把持力FxP1と、垂直方向の把持力FyP1とに分散することができる。
同様に、主アーム5の中心点P0の角度「θ」を適当に設定することにより、把持点点Q1の合成把持力FQ1を、水平方向の把持力FxQ1と、垂直方向の把持力FyQ1とに分散することができる。
かくして、リンク式電動グリッパ装置1における第1腕部10のワーク把持部10cおよび第2腕部20のワーク把持部20cによるワークwkに対する合成把持力FP1、FQ1を、主アーム5の中心点P0の角度「θ」により容易かつリニアに制御することができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態においては、主アーム5に対して平行状態が維持された1本の副アーム7により第1腕部10および第2腕部20を回動自在に支持するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、主アーム5に平行な複数本の副アーム7を設け、これらにより第1腕部10および第2腕部20を回動自在に支持するようにしてもよい。この場合、第1腕部10および第2腕部20の剛性を上げることができる。
また、上述した実施の形態においては、第1腕部10と、この第1腕部10よりも腕長が短い第2腕部20とによりリンク式電動グリッパ装置1を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1腕部10と、この第1腕部10よりも腕長が長い第2腕部20とによりリンク式電動グリッパ装置1を構成するようにしてもよい。
さらに上述した実施の形態においては、その先端にワークwkを把持するための側面視L字状でなるワーク把持部10cが形成された第1腕部10、および、その先端にワークwkを把持するための側面視L字状でなるワーク把持部20cが形成された第2腕部20を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その先端にワークwkを把持するための側面視円弧状でなるワーク把持部が形成された第1腕部および第2腕部を用いるようにしてもよい。要は、ワークの形状に合わせたワーク把持部が形成された第1腕部および第2腕部を用いることが可能である。
さらに、上述した実施の形態においては、第1腕部10、20の先端に形成されたワーク把持部10c、20cによりワークwkを直接保持するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1腕部10、20の先端にワーク把持部10c、20cとは別構造の爪部をそれぞれ取り付け、その別構造の爪部によりワークwkを挟み付けて保持するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、主アーム5および副アーム7を第1腕部10および第2腕部20の一方の面に回動自在に支持するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、主アーム5を第1腕部10および第2腕部20の一方の面に回動自在に支持すると共に、副アーム7を第1腕部10および第2腕部20の他方の面に回動自在に支持するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、主アーム5および副アーム7と第1腕部10および第2腕部20とを玉軸受からなるベアリング31〜34により回動自在に支持するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、コロ軸受けやすべり軸受等により回動自在に支持するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、主アーム5および副アーム7と第1腕部10および第2腕部20とを玉軸受からなるベアリング31〜34により回動自在に支持するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ベアリング31乃至34の取り付けられた第1腕部10の貫通孔10a、10b、第2腕部20の貫通孔20a、20bを図示しないシール部材により封止するようにしてもよい。
この場合、ジャバラ等を用いる場合に比べて大型化することなく、グリスや磨耗粉およびゴミ等の異物が出ることを未然に防止することができるので、環境に優しくかつクリーンルーム等の使用条件の厳しい環境下においてもリンク式電動グリッパ装置1を使用することが可能となる。
本願発明の電動グリッパ装置は、FA(Factory Automation)組立工程における製品の自動組立、部品搬送、検査等に利用するようにした場合について述べた。しかしながら、これに限らず、食品トッピング工程、光学機器アライメント自動化工程、医療用および創薬市場のロボット先端グリッパに利用することが可能である。
1……リンク式電動グリッパ装置、2……モータ、2a……モータ軸、2b……モータ軸基部、2c……軸、3……モータ台板、4……把持部、5……主アーム、5a……一端部、5b……他端部、7……副アーム、10……第1腕部、10a、10b……貫通孔、10c……ワーク把持部(第1ワーク把持部)、20……第2腕部、20a、20b……貫通孔、20c……ワーク把持部(第2ワーク把持部)、31〜34……ベアリング、wk……ワーク。

Claims (5)

  1. モータと、
    前記モータに固定されたモータ台板と、
    前記モータのモータ軸の先端にその中央部が固定され、このモータ軸の一方向への回転または他方向への回転に応じて前記中央部を中心として回動する主アームと、
    前記主アームの一端部にこの主アームの回動方向と同じ水平面上でその基端部が回動自在に支持され、その先端に第1ワーク把持部が設けられた所定の腕長でなる第1腕部と、
    前記主アームの他端部にこの主アームの回動方向と同じ水平面上でその基端部が回動自在に支持され、その先端に第2ワーク把持部が設けられた前記第1腕部よりも短い腕長でなる第2腕部と、
    前記主アームと平行な状態に配置され、前記主アームの動きに従動して前記第1腕部および前記第2腕部が互いの平行状態を維持したまま近接離反するように、前記第1腕部および前記第2腕部間で回動自在に支持された副アームとを備え、
    前記副アームは、前記モータ台板から突出した軸に回転自在に支持されていることを特徴とする電動グリッパ装置。
  2. 前記第1ワーク把持部および前記第2ワーク把持部は、その形状が側面視L字状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動グリッパ装置。
  3. 前記第1ワーク把持部および前記第2ワーク把持部は、その形状が側面視円弧状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動グリッパ装置。
  4. 前記第1腕部および前記第2腕部の互いに近接または離反するときの移動量は、前記モータ軸の回転とともに前記主アームが回転したときの回転角度に応じて制御される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動グリッパ装置。
  5. 前記第1ワーク把持部および前記第2ワーク把持部によるワーク把持力は、前記モータ軸の回転とともに前記主アームが回転したときの回転角度に応じて制御される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動グリッパ装置。
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