JP6267489B2 - レール軸力調整装置及びレール軸力調整方法 - Google Patents

レール軸力調整装置及びレール軸力調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄道用レールの内部に溜まっているレール軸力と呼ばれる局所的な応力を解放するレール軸力調整装置及びレール軸力の調整方法に関し、特にロングレールの軸力調整に利用して有好な技術に関する。
鉄道線路に用いられる金属製のレールは温度により伸縮してレール軸力と呼ばれる局所的な応力が発生し均一な伸びが保てなくなる等の不具合があるので、溜まっている応力を解放するレール軸力調整が行われている。なお、レール軸力の調整は、新しいレールを敷設する際や、古いレールを新しいレールに交換する際に実施される。
従来、レール軸力の調整は、レールを複数のコロの上に載置して、レールの端部を緊張器により引っ張りながら作業者が掛矢と呼ばれる木製の槌で打撃してレールを振動させることにより実施されている。
レール軸力の増加を原因として発生する不具合としては、上記の他、レールの張り出しや座屈があり、これを防ぐため、レールの軸力を測定することが行われる。レール軸力の測定方法としては、例えば特許文献1に開示されている発明がある。
特開2011−033348号公報
しかしながら、掛矢を用いて作業者がレールを打撃して軸力を解放する方法では、打撃力の強さや打撃する位置がばらついてしまい、再現性よくレールの軸力を調整することが困難であった。また、掛矢を用いたレールの打撃による軸力調整は大きな打撃音を伴うため、市街地では周辺住民に騒音被害を与えるおそれがあった。
そこで、本出願人は、レールを複数のコロの上に載置して振動を与えることでレール軸力を調整するときの作業音を抑制しつつ、レール軸力の調整作業を効率よく実施することが可能なレール軸力の調整装置及び調整方法に関する発明をなし、先に出願した(特願2012−152534号)。しかしながら、この先願発明では、レールを複数のコロの上に載置して振動を与えるものであるため、レールが直線状のものであれば有効であるが、線路のカーブに敷設される湾曲したレールの軸力を調整する際には、レールを緊張器によって引っ張った際にレールが横に移動したり転倒してしまうという課題があることが明らかとなった。
本発明は、上記のような課題に着目してなされたもので、レール軸力を調整するときの騒音を抑制しつつ、レール軸力の調整作業を再現性よく実施することが可能なレール軸力調整装置及びレール軸力調整方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、湾曲したレールの軸力を調整する際にも何ら不具合を生じることなく実施することが可能なレール軸力調整装置及びレール軸力調整方法を提供することにある。
上記課題を達成するため本発明に係るレール軸力調整装置は、
振動を発生する振動発生部および発生した振動を出力するヘッド部を備えた振動印加装置と、
前記振動印加装置の前記ヘッド部を鉄道用レールの側面に押圧して振動を伝達させるためのクランプ装置と、
前記鉄道用レールを前後左右に移動可能に支持するレール支持装置と、
前記鉄道用レールに張力を与える緊張装置と、
枕木に固定され、前記レール支持装置により支持されている湾曲した部位を有する前記レールの腹部の側面に当接されてレールの移動、転倒を防止可能なレール転倒防止装置と、
を備え、前記レール支持装置により支持されている前記レールに前記緊張装置によって張力を与えつつ前記振動発生部で発生した振動を前記ヘッド部により前記レールへ伝達することで湾曲した部位を有する鉄道用レールのレール軸力を調整するように構成した。
上記のような構成を有するレール軸力の調整装置によれば、掛矢を用いたレールの打撃による軸力調整に比べて騒音を抑制しつつ、レール軸力の調整作業を再現性よく実施することができる。
また、望ましくは、前記クランプ装置は、軸方向に移動可能に保持されたロッド状部材と、該ロッド状部材を軸方向に移動させる移動操作手段と、を備え、
前記ヘッド部はクサビ形をなし、該クサビの一方の面に前記ロッド状部材の端部が係合可能な係合部が形成され、
前記ヘッド部のクサビの他方の面と前記鉄道用レールの側面との間に介在される振動伝達部材を有し、前記ロッド状部材の端部が前記係合部に係合された状態で該ロッド状部材が前記鉄道用レール側へ押圧されることで、前記ヘッド部が前記鉄道用レールと前記クランプ装置との間に挟持され、前記ヘッド部の振動が前記振動伝達部材を介して前記鉄道用レールに伝達されるように構成する。
上記のような構成によれば、振動印加装置のヘッド部をレールの側面に強く押し付けることができるため、振動を充分にレールへ伝達させることができ、効率良くレール軸力を調整することができるようになる。
さらに、望ましくは、前記クランプ装置は、軸方向に移動可能に保持された前記ロッド状部材を保持する保持手段と、該保持手段を前記鉄道用レールの底部に着脱可能に結合するための締結手段とを備えるように構成する。
これにより、振動印加装置をレールの任意の位置に容易に取り付けることができるため、効率良くレール軸力の調整作業を行うることができるようになる。
また、望ましくは、枕木に固定され、前記レール支持装置により支持されている湾曲した部位を有する前記レールの腹部の側面に当接されてレールの移動、転倒を防止可能なレール転倒防止装置を備えるようにする。
これにより、湾曲した部位を有するレールを緊張器で引っ張った際にレールが移動したり転倒したりするのを防止することができる。
本出願の他の発明は、
鉄道用レールに張力を与えつつ振動を印加することでレール軸力を調整する前記レール軸力調整装置を構成する振動印加装置であって、
前記クランプ装置は、軸方向に移動可能に保持されたロッド状部材と、該ロッド状部材を軸方向に移動させる移動操作手段と、を備え、
前記振動印加装置は、振動を発生する振動発生部および発生した振動を出力するヘッド部を備え、前記ヘッド部はクサビ形をなし、該クサビの一方の面に前記クランプ装置の前記ロッド状部材の端部が係合可能な係合部が形成されているように構成したものである。
かかる構成の振動印加装置によれば、ヘッド部をレールの側面に強く押し付けることができるため、振動を充分にレールへ伝達させることができ、効率良くレール軸力を調整することができるようになる。
本出願の他の発明は、
鉄道用レールに張力を与えつつ振動を印加することでレール軸力を調整するレール軸力調整装置を構成するレール支持装置であって、
前記レール支持装置は、列をなすように配設された複数のフリーボールベアリングを備えるように構成したものである。
かかる構成のレール支持装置によれば、レールを前後左右移動可能に支持することができるため、湾曲した部位を有するレールを緊張器で引っ張った際にレールが移動し易くなり、それによってレール軸力を解放し易くなる。
本出願のさらに他の発明は、
湾曲した部位を有する鉄道用レールの軸力を調整するレール軸力調整方法であって、レール支持装置によって前後左右に移動可能に支持された鉄道用レールに対し、振動を発生する振動発生部および発生した振動を出力するヘッド部を備えた振動印加装置の前記ヘッド部を前記レール側部へ向って押圧するとともに、前記レールの湾曲した部位の内側に配設されたレール転倒防止装置の所定部位をレールの腹部の側面に当接させた状態で、レールに緊張装置によって張力を与えつつ、前記振動印加装置を作動させて前記振動発生部で発生した振動を前記ヘッド部により前記レールへ伝達させることでレール軸力を調整するようにしたものである。
上記のような手順のレール軸力調整方法によれば、湾曲した部位を有するレールであっても移動や転倒を防止しつつ、騒音を抑制し、レール軸力の調整作業を再現性よく実施することができる。
本発明によれば、レール軸力を調整するときの作業音を抑制しつつ、レール軸力の調整作業を効率よく実施することができる。また、湾曲したレールの軸力を調整する際にも何ら不具合を生じることなく実施することができるという効果がある。
本発明の一実施形態に係るレール軸力調整装置の構成および該装置を用いたレール軸力の調整の仕方を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係るレール軸力の調整装置を構成する振動印加装置およびクランプ装置をレールに取り付けた状態を示す側面図である。 図2のクランプ装置を構成するベースの詳細を示すもので、(A)は平面図、(B)は側面図である。 図2のクランプ装置の詳細な構成を示す平面図である。 図2のクランプ装置を構成するレールクランパの詳細を示すもので、(A)は平面図、(B)は側面図である。 実施形態に係るレール軸力調整装置を構成するレール支持装置(レールスライダ)の詳細を示すもので、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は背面図である。 実施の形態に係るレール軸力調整装置を構成するレール転倒防止装置の詳細を示すもので、(A)は側面図、(B)は背面図である。 図7のレール転倒防止装置を枕木に取り付けた状態を示す側面図である。
以下に、本発明に係るレール軸力の調整装置の実施形態および該装置を用いたレール軸力の調整作業の仕方について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るレール軸力の調整装置を用いてレール軸力の調整を行う様子を概略的に示す図である。なお、本実施形態におけるレール軸力の調整作業は、例えば25m以上200m未満の長さを有する定尺レールから200m以上の長さを有するロングレールへの交換、及びロングレールからロングレールへの交換の際にも適用することができる。また、本実施形態におけるレール軸力の調整の対象となるレールは、50Nレール及び60Kレール等を含む。また、図1には、一例として円弧状に湾曲したレールを示したが、S字状に湾曲した(反向曲線)レールあるいは直線状のレールにも適用できることは言うまでもない。
本実施形態に係るレール軸力の調整装置は、レール1を下方から支持するレール支持装置としてのレールスライダ10と、レール1の腹部側面に当接してレールの転倒や移動を防止するレール転倒防止装置20と、レール1に振動を与える振動印加装置30および該振動印加装置30をレール1に固定するクランプ装置40などから構成される。
なお、レール転倒防止装置20は、図1に示すように、作業対象となるレール1が湾曲した部位を有する場合に使用して有効であり、レールの湾曲部位の内側に配設するのが望ましい。
レール軸力の調整作業を行う際は、レール1の下に、レール1の延在方向に沿って複数のレールスライダ10が挿入され、レール1を移動可能に支持する。なお、これら複数のレールスライダ10は、枕木上に配置される。そして、レール1の一方の端部には、端部の位置を固定するためのレール固定器2が連結され、レール1の他方の端部には、レール1を引っ張るためのレール緊張器3が連結される。また、レール1の一端部と他端部との間の任意の位置には、振動印加装置30がクランプ装置(図2参照40)によって取り付けられ、振動印加装置30によってレールに振動を与えることでレール軸力を開放して、軸力を均一化させる。
なお、レール1に取り付ける振動印加装置30の数は1個に限定されるものでなく、振動印加装置30のパワーおよびレール1の長さに応じて決定すれば良く、1本のレールに対して適当な間隔をおいて複数個設けるようにしてもよい。
図2は、本実施形態に係るレール軸力調整装置を構成する振動印加装置30の側面を示す図であり、振動印加装置30をクランプ装置40によってレール1に取り付けた状態を示している。
本実施形態における振動印加装置30は、モータ31と、該モータ31を回転させることで振動を発生する振動発生部32と、該振動発生部32で振動をレール1に伝達するための楔状のヘッド部33と、該ヘッド部33の背面に装着されてクランプ装置40のロックピン45が係合される係合プレート34と、ヘッド部33の振動を効率よくレール1に伝達するための伝達プレート35と、を備えている。
伝達プレート35は、上部と下部がレール側部の上首部および下首部に、面に対して垂直な方向から接触可能な部位を有し、振動印加装置30のヘッド部33のテーパ面に対応した傾斜辺を有するほぼ三角形をなすように形成されているとともに、図2において重なる位置に2枚設けられる。そして、ヘッド部33のテーパ面には、上記2枚の伝達プレート35の傾斜辺に当接可能な押圧プレート36が装着されており、ヘッド部33の振動は、押圧プレート36および伝達プレート35を介してレール1に伝達されるように構成されている。
押圧プレート36および伝達プレート35は、例えば構造用炭素鋼であるS45C等の金属材料により形成するのが望ましい。このような押圧プレート36および伝達プレート35を介して振動発生部32で発生した振動をレール1に伝達することで、減衰量を減らし効率良く振動を伝達することができる。
また、上記のような構成を有する振動印加装置30によれば、振動発生部32が水平方向の振動を発生する場合にも、レール1の前後方向および左右方向はもちろん、上下方向にも作用する方向成分を含む振動をレールに与えることができることを実験によって確認することができた。
上記ロックピン45の頭部は半球状をなしており、係合プレート34にはロックピン45の頭部の径に対応した大きさの係合凹部34aが形成され、該係合凹部34aにロックピン45の頭部が係合されることで、確実にロックピン45でヘッド部33をレール1の側面側へ押圧できるように構成されている。
また、図示しないが、振動印加装置30は、バッテリを備え、バッテリの電源電圧によってモータ31が回転駆動されるように構成されている。なお、電源は、バッテリに限定されず、携帯用発電機や交流100V又は交流200Vといった商用電源を用いるようにしても良い。振動印加装置30には、例えばモータ軸に偏心錘を装着してなる公知の振動機を利用することができるので、詳しい構成の説明は省略する。本実施形態では、振動印加装置30として、特に限定されるわけではないが、例えば周波数が100Hz〜240Hzで、遠心力が0.69kN〜2.75kNの振動を発生できるものが使用される。
一方、本実施形態におけるクランプ装置40は、図2に示すように、レール1の底面に上面が接合されるベース部材41と、該ベース部材41の一方の端部(図では左端部)に設けられレール1の底部1aの縁部に係止されるフック42と、ベース部材41の他方の端部(図では右端部)に設けられた締結手段としてのクランパ43と、ベース部材41の右端部に一体に設けられたブラケット44と、該ブラケット44に設けられ上記ロックピン45を支持するネジ受け部46と、ロックピン45の後端に設けられたL字状のハンドル47などを備える。フック42は、図2において重なる位置に2個設けられている。
図3には上記クランプ装置40を構成するベース部材41とブラケット44の詳細が示されている。このうち(A)は平面図、(B)は側面図である。
図3に示すように、ベース部材41は、フック42を2枚の金属製プレート41a,41aで挟持した構成のものを2つ用意し、それらの前端と後端をそれぞれL字鋼41bで結合することで矩形枠状をなすように形成されている。ブラケット44は、互いに平行な台形状の2枚の垂直片44aと、これらの垂直片44aの後端面間に横架された支持プレート44bと、垂直片44aの下端に一体に設けられ当該ブラケット44をベース部材41の後部上面に固定するための固定プレート44cとからなり、後壁に相当する支持プレート44bの中央にネジ受け部46が設けられている。
さらに、固定プレート44cには、上記クランパ43を固定するための取り付け穴44dが4個設けられている。従って、固定プレート44cはクランパ43をベース部材41に固定するための固定手段を兼ねている。
また、ロックピン45の中央部分には雄ネジが形成され、ネジ受け部46にはロックピン45の雄ネジが螺合される雌ネジを有するナット46aが固着されており、ハンドル47を操作して時計回りに回転させるとロックピン45が前進して左方向へ移動し、反時計回りに回転させるとロックピン45が後退して右方向へ移動するように構成されている。
図4には、クランプ装置40を上方から見た図が示されている。図4に示すように、コの字状に形成されたブラケット44の後壁に相当する支持プレート44bの中央には、ネジ受け部46を構成するナット46aが固着され、該ナット46aにロックピン45の中央部分に形成されている雄ネジ部が螺合されている。また、ロックピン45の後端にはハンドル47が取り付けられているとともに、ロックピン45の雄ネジ部にはロックピン45の移動を阻止するためのロックナット46bが螺合されている。
このような構成によれば、ロックナット46bを緩めた状態で、ハンドル47を回転操作してロックピン45を前進させ、振動印加装置30のヘッド部33の背面に装着されている係合プレート34の係合穴にロックピン45の頭部45aを係合させて押圧した状態でロックナット46bを回して締め付けることで、振動印加装置30を作動させた際に、振動によってネジがゆるんでロックピン45が後退してしまうのを防止することができる。
図5にはクランプ装置40を構成するレールクランパ43の詳細が示されている。このうち(A)は平面図、(B)は側面図である。
図5に示すように、本実施形態におけるレールクランパ43は、ブラケット44をベース部材41の後部上面に固定するための固定プレート44c(図3参照)の側部上面に接合され、取り付け穴44dに挿通されるボルト(図示省略)によって結合される取付けプレート61と、該取付けプレート61の中央に立設された支承壁部62と、該支承壁部62にピン軸65cおよび連結アーム63を介して回動可能に取り付けられた把手部64と、支承壁部62の先端側(図では左端側)にピン軸65aを中心に回動可能に取り付けられたクランプアーム66と、該クランプアーム66の先端に頭部67aを下向きにした状態で装着された押えボルト67とから構成されている。
把手部64は連結アーム63にピン軸65bを介して連結されているとともに、連結アーム63はピン軸65cにて支承壁部62に回動可能に支承され、さらに把手部64の先端がクランプアーム66にピン軸65dを介して連結されており、これによりリンク機構が構成されている。
上記のような構成を有するレールクランパ43においては、図5(B)に示されているように把手部64を水平となるように下げた状態では、ピン軸65bの中心がピン軸65cと65dの中心を通る直線a−aよりも下側に位置するように設定され、把手部64を上方へ回動させた状態では、ピン軸65bの中心がピン軸65cと65dの中心を通る直線a−aよりも上側に位置するように設定されている。
これにより、押えボルト67の頭部67aがレールの底部1aの上面に当接した状態で把手部64を水平になるよう下げた際に、押えボルト67からの反力がクランプアーム66を介して把手部64に作用して、把手部64がピン軸65bを下方へ押圧することでクランプ状態を保持することができる。
また、図5(B)の状態から、把手部64を持ち上げて上方へ回動させると、ピン軸65bの中心がピン軸65cと65dの中心を通る直線a−aよりも上側に移動し、押えボルト67からの反力によるクランプ作用が解除され、クランプアーム66がピン軸65aを中心にして時計回り方向へ回動され、押えボルト67の頭部67aがレールの底部1aの上面から離れるようになっている。
図6には、レール1を下方から支持するレールスライダ10の詳細が示されている。このうち(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
図6に示すように、本実施形態におけるレールスライダ10は、平板状のベース11と、該ベース11上に横一列に配設された4個のフリーボールベアリング12と、ベース11の上面両端に設けられた一対の転落防止ローラ13とを備えて構成されている。4個のフリーボールベアリング12は、それぞれベース11に形成されたボルト挿入穴に下方より挿入された皿ボルト14によってベース11上に固定されている。転落防止ローラ13は、回転軸が鉛直方向となるようにベース11の上面両端に装着され、ローラ部が上記フリーボールベアリング12の上端よりも高い位置に来るように設定されている。
従来のレール軸力調整装置におけるレール支持装置は、コロあるいはローラにより構成されていたため、湾曲したレールの軸力を調整する際に、湾曲した部位を有するレールをレール緊張器で引っ張るとレールが横方向へ移動しようとするが抵抗が大きいため、より多くの引張力を必要とした。これに対し、図6に示すようなフリーボールベアリング12を備えたレールスライダ10を使用することで、湾曲した部位を有するレールをレール緊張器で引っ張る際にレールの横方向への移動抵抗が小さくなり、緊張器による引張力を低減することができるという利点がある。また、図6に示すレールスライダ10は、ベース11の両端に転落防止ローラ13が設けられているため、横へ移動したレールが装置上から転落するのを防止することができるという利点もある。
図7には、レールの転倒や移動を防止するレール転倒防止装置20の詳細が示されている。このうち(A)は側面図、(B)は背面図である。
図7に示すように、本実施形態におけるレール転倒防止装置20は、装置を枕木等に固定するための固定手段21と、該固定手段21の上面に鉛直方向上方へ立設された支承プレート22と、該支承プレート22の上端に水平姿勢で固定された保持スリーブ23と、該保持スリーブ23内に挿入された押圧ロッド24と、を備える。
押圧ロッド24の先端(図7(A)の左端)には、フリーボールベアリング25が転動面を横向きにした状態で固着されているとともに、保持スリーブ23の後端(図7(A)の右端)には後壁23aが設けられ、該後壁23aには上記押圧ロッド24を軸方向へ移動させるための位置調整用ボルト26が回転可能に挿通されている。そして、上記押圧ロッド24の後端に雌ネジ24aが形成され、該雌ネジ24aに位置調整用ボルト26の雄ネジ部26aが螺合されている。また、押圧ロッド24の先端側の外周面には回り止め用のキー溝24bが形成されており、位置調整用ボルト26を回すと押圧ロッド24が前進または後退するように構成されている。
保持スリーブ23の下面には、軸方向に沿って鉛直下方へ向って起立するフランジ部23bが一体に形成され、該フランジ部23bがボルト27により上記支承プレート22の上端に結合されることで、保持スリーブ23が支承プレート22の上端に装着されている。
また、固定手段21は、中央にボルト挿通穴21a,21bを有する2枚の水平プレート21A,21Bと、それらの側面に固着された垂直プレート21Cと、水平プレート21A,21Bの後端面に固着された保持ブロック21Dとからなり、該保持ブロック21Dに安定化用ネジ21Eが螺着されている。
図8は、上記のように構成されたレール転倒防止装置20を枕木5に取り付けた状態を示す。
図8に示すように、レール転倒防止装置20は、押圧ロッド24の先端をレール1の腹部の側面近傍に位置させた状態で、固定手段21を構成する水平プレート21A,21Bに設けられているボルト挿通穴21a,21bを貫通するように上方より固定用ボルト29を挿入し、枕木5にねじ込むことによって固定される。
この状態で位置調整用ボルト26を回して押圧ロッド24を前進させ、先端のフリーボールベアリング25をレール1の腹部の側面に当接させる。また、固定手段21の後壁に設けられている安定化用ネジ21Eを回して、ネジの頭部を枕木5に設けられている段差部の側面に当接させる。これにより、レールを緊張器3で引っ張った際に、レール1から押圧ロッド24に力が作用したとしても、固定手段21に設けられている安定化用ネジ21Eと固定用ボルト29で装置が移動したり転倒したりしないように支えることができる。
次に、上記実施形態のレール軸カ調整装置を用いて実施したレール軸力の調整結果について説明する。
本発明者らは、上記実施形態のレール軸カ調整装置による効果を検証するため、途中にR=420mのカーブを有する長さ306mのレールの一端を溶接で固定し、これを起点として約100mと200mの位置に、それぞれ振動印加装置30をクランプ装置40によって取り付けるとともに、カーブ内に、6m間隔で4個のレール支持装置(レールスライダ)10を設置し、3m間隔で2個のレール転倒防止装置20を設置した。なお、上記振動印加装置30として、振動数が200Hzであるエクセン株式会社製の建設工事用バイブレータCVPS(商品名コードレスクサビ:登録商標)を使用した。そして、レールの他端に緊張器3を結合して、振動印加装置30でレールに振動を与えながら約20tの力で引っ張って、騒音および振動の減衰量とレールの延び量を測定する実験を行なった。
その結果、騒音に関しては、掛矢を用いた軸力調整では100dB程度まで達していた騒音が、振動機から約1m離れた位置で約80dBに低減できることが分かった。また、振動の減衰量に関しては、100m間隔で2個の振動印加装置30を取り付けて同時に振動させた場合、中間地点では、レールの延設方向(X軸)、横方向(Y軸)、縦方向(Z軸)の各振動の減衰率が、それぞれ約11%、3%、9%であり、特に横方向の振動の減衰率は著しく小さく、レール全体に充分に振動を伝達させることができることが分かった。さらに、レールの延び量に関しても、5分間振動を与えた結果、ほぼ延び量が直線的に変化しており、軸力が開放されていることが分かった。また、レール転倒防止装置20を設置しない状態でレール支持装置(レールスライダ)10によって支持されたレールに横方向の力を作用させたところ、約29kgf/cm2という比較的小さな圧力でレールが動き出すことが確認できた。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、レール支持装置としてのレールスライダ10として4個のフリーボールベアリングを一列に並べたものを使用しているが、フリーボールベアリングを2列に並べた構成にしてもよい。
また、レールスライダ10は主としてレールの湾曲している部位において使用し、直線部位やレールの始端側(固定側)、終端側(引張側)は従来より使用されているローラやコロを使用する、つまりレールスライダ10とローラやコロを併用して作業を行うようにしても良い。
10 レールスライダ(レール支持装置)
12 フリーボールベアリング
20 レール転倒防止装置
24 押圧ロッド
30 振動印加装置
32 振動発生部
33 楔状ヘッド部(ヘッド部)
40 クランプ装置
41 ベース部材
42 フック
43 レールクランパ(締結手段)
44 ブラケット(保持手段)
45 ロックピン(ロッド状部材)
47 ハンドル(移動操作手段)

Claims (6)

  1. 振動を発生する振動発生部および発生した振動を出力するヘッド部を備えた振動印加装置と、
    前記振動印加装置の前記ヘッド部を鉄道用レールの側面に押圧して振動を伝達させるためのクランプ装置と、
    前記鉄道用レールを前後左右に移動可能に支持するレール支持装置と、
    前記鉄道用レールに張力を与える緊張装置と、
    枕木に固定され、前記レール支持装置により支持されている湾曲した部位を有する前記レールの腹部の側面に当接されてレールの移動、転倒を防止可能なレール転倒防止装置と、
    を備え、前記レール支持装置により支持されている前記レールに前記緊張装置によって張力を与えつつ前記振動発生部で発生した振動を前記ヘッド部により前記レールへ伝達することで湾曲した部位を有する鉄道用レールのレール軸力を調整することを特徴とするレール軸力調整装置。
  2. 前記クランプ装置は、軸方向に移動可能に保持されたロッド状部材と、該ロッド状部材を軸方向に移動させる移動操作手段と、を備え、
    前記ヘッド部はクサビ形をなし、該クサビの一方の面に前記ロッド状部材の端部が係合可能な係合部が形成され、
    前記ヘッド部のクサビの他方の面と前記鉄道用レールの側面との間に介在される振動伝達部材を有し、前記ロッド状部材の端部が前記係合部に係合された状態で該ロッド状部材が前記鉄道用レール側へ押圧されることで、前記ヘッド部が前記鉄道用レールと前記クランプ装置との間に挟持され、前記ヘッド部の振動が前記振動伝達部材を介して前記鉄道用レールに伝達されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のレール軸力調整装置。
  3. 前記クランプ装置は、軸方向に移動可能に保持された前記ロッド状部材を保持する保持手段と、該保持手段を前記鉄道用レールの底部に着脱可能に結合するための締結手段とを備えていることを特徴とする請求項2に記載のレール軸力調整装置。
  4. 鉄道用レールに張力を与えつつ振動を印加することでレール軸力を調整する請求項1に記載のレール軸力調整装置を構成する振動印加装置であって、
    前記クランプ装置は、軸方向に移動可能に保持されたロッド状部材と、該ロッド状部材を軸方向に移動させる移動操作手段と、を備え、
    前記振動印加装置は、振動を発生する振動発生部および発生した振動を出力するヘッド部を備え、前記ヘッド部はクサビ形をなし、該クサビの一方の面に前記クランプ装置の前記ロッド状部材の端部が係合可能な係合部が形成されていることを特徴とする振動印加装置。
  5. 鉄道用レールに張力を与えつつ振動を印加することでレール軸力を調整する請求項1に記載のレール軸力調整装置を構成するレール支持装置であって、
    前記レール支持装置は、列をなすように配設された複数のフリーボールベアリングを備えていることを特徴とするレール支持装置。
  6. 湾曲した部位を有する鉄道用レールの軸力を調整するレール軸力調整方法であって、レール支持装置によって前後左右に移動可能に支持された鉄道用レールに対し、振動を発生する振動発生部および発生した振動を出力するヘッド部を備えた振動印加装置の前記ヘッド部を前記レール側部へ向って押圧するとともに、前記レールの湾曲した部位の内側に配設されたレール転倒防止装置の所定部位をレールの腹部の側面に当接させた状態で、レールに緊張装置によって張力を与えつつ、前記振動印加装置を作動させて前記振動発生部で発生した振動を前記ヘッド部により前記レールへ伝達させることでレール軸力を調整することを特徴とするレール軸力調整方法。
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