JP6266941B2 - 眼瞼下垂防止用テープ - Google Patents

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Description

本発明は、瞼の上部に貼付することにより、皮膚のたわみを抑え、眼瞼下垂を防止することが可能な眼瞼下垂防止用テープに関する。
人の瞼の周辺は、上眼瞼挙筋、重瞼溝、瞼板、眼縁等からなり(図1)、開瞼や閉瞼の機能において、上眼瞼挙筋及び瞼板が重要な役割を果たす。加齢等により上眼瞼挙筋の筋力が衰えたり、コンタクトレンズの装着や眼をこすること等により上眼瞼挙筋や瞼板周辺の組織が傷つけられると、上眼瞼(上瞼)を挙上する能力を失う。その結果、上眼瞼が垂れ下がった状態、即ち、眼瞼下垂となる(図2及び図3)。眼瞼下垂が引き起こされると、上眼瞼によって視界が妨げられるのみならず、視界確保のために後屈姿勢を取ることが多くなり、肩こりや頭痛などが併発し得る(図4)。また、上眼瞼を持ち上げる力を前頭筋(眉毛下の筋力)によって補おうとし、額の皺の原因になる(図5)。更に、眼瞼下垂によって上眼瞼が下がった状態となるため、まつ毛が下向きとなり易く眼を小さく見せてしまう(図6)、目元付近に老けた印象を与える(図7)、といったように、人の外観にも影響を与える。このような眼瞼下垂は、形成外科手術により治療可能であるが、眼の周囲を切開することへの忌避感や費用等の面から、外科手術等を行わずとも眼瞼下垂を簡易に防止可能な手段が求められている。
眼瞼下垂を防止する手段として、例えば特許文献1には、瞼引き上げ介助具が開示されている。当該介助具は、通常の眼鏡に別途取り付ける器具であり、薄板状の弾性体を撓めた状態で瞼に押しつけることで、当該弾性体の弾性力及び瞼との摩擦力により、瞼を引き上げることを可能とする介助具である。また、特許文献2には、基材層と粘着剤層を有し、基材層は、特定のポリウレタンエラストマーを主成分とする層であり、粘着剤層は、特定のアクリル粘着剤を主成分とする層からなる貼付材が開示されている。その用途として、当該貼付材を略三角形状に形成し瞼に貼付することによって、眼瞼下垂が防止できることが例示されている。
特開2007−181589号公報 特開2011−172831号公報
しかしながら、特許文献1に係る発明では、容易に上眼瞼を引き上げることが可能であるが、瞼をバネ等により強制的に押し広げるため目元が不自然となり、更には対象者の瞼に負担がかかる等の問題があった。また、特許文献2に係る発明では、パッチ自体が多いために外観上目立ち易いことに加え、単にパッチを瞼に貼付するのみであるため、大きな動きが生じる瞼に対して追従性を有せず、装着感が良好ではなかった。
そこで本発明は、簡単に適用可能でありながら、装着感が良好であり、外観上も目立ち難い眼瞼下垂防止用テープを提供することを課題とする。
本発明者らは、特定の性質を有する材質及び形状の基材上に粘着剤を塗着することにより、優れた眼瞼下垂防止を発揮するテープとなることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、延伸可能でその延伸後にも弾性的な伸縮性を有する合成樹脂により形成した細いテープ状部材上に、粘着剤層が設けられている、眼瞼下垂防止用テープである。
更に、前記粘着剤は、上記テープ状部材の両面又は片面に設けられていてもよい。
本発明によれば、簡単に適用可能でありながら、装着感が良好であり、外観上も目立ち難い眼瞼下垂防止用テープを提供することが可能となる。
人体における上眼瞼周辺の構造を示す概念図である。 眼瞼下垂の一般的な状態を示す概念図である。 眼瞼下垂の一般的な状態を示す概念図である。 眼瞼下垂によって生じる弊害を示す概念図である。 眼瞼下垂によって生じる弊害を示す概念図である。 眼瞼下垂によって生じる弊害を示す概念図である。 眼瞼下垂によって生じる弊害を示す概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る眼瞼下垂防止用テープの概念側面図である。 本発明の一形態に係る両面粘着テープの概念側面図である。 本発明の一形態に係るクロス状基材の概念図である。 本発明の一形態に係るクロス状基材の概念図である。 本発明の測定方法1の概要図(写真)である。 本発明の一形態に係る、粘着面保護シートの表面加工による効果を示す概念図(写真)である。 本発明の一形態に係る、粘着面保護シートに関する概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る、眼瞼下垂防止用テープの製造方法である平圧式打ち抜きに関する概念図である。 眼裂高及び眼裂幅の計測方法を示す概念図である。 東洋人及び西洋人の、上眼瞼周辺の構造の違いを示す概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る両面粘着テープ領域の形成方法に関する概念図である。 本発明の実施形態に係る両面粘着テープ領域の、上眼瞼への貼付方法に関する概念図である。 本発明の実施形態に係る両面粘着テープ領域の、上眼瞼への貼付箇所に関する概念図である。 本発明の実施形態に係る両面粘着テープ領域の、上眼瞼への貼付箇所に関する概念図である。 本発明の第2の実施形態に係る眼瞼下垂防止用テープの概念側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る、眼瞼下垂防止用テープの製造方法である平圧式打ち抜きに関する概念図である。 本発明の第2の実施形態に係る両面粘着テープ領域の形成方法に関する概念図である。 本発明の第2の実施形態に係る捩れ構造体の形成方法に関する概念図である。 本発明の実施例に係る、両面粘着テープの基材に関するDSC分析の測定結果である。 本発明の実施例に係る、両面粘着テープの基材に関するDSC分析の測定結果である。 本発明の実施例に係る、両面粘着テープの基材に関するDSC分析の測定結果である。 本発明の実施形態に係る、粘着成分に関するNMR分析の測定結果である。 本発明の実施形態に係る、粘着成分に関するGPC分析の分析結果である。 本発明の実施形態に係る、粘着成分に関するNMR分析の測定結果である。 本発明の実施形態に係る、粘着成分に関するNMR分析の測定結果である。 実施例1に係る両面粘着テープの変形−荷重曲線である。 実施例に係る眼瞼下垂防止用テープの適用写真である。
[第1の実施形態]
以下、本形態の全体構成及び各構成部の説明を行い、次いで製造方法、使用方法(用途)を順に行う。但し、本発明の技術的範囲は当該形態には限定されない。
≪全体構成≫
はじめに、図8及び図9を参照しながら、本形態に係る眼瞼下垂防止用テープの全体構成を説明する。本形態に係る眼瞼下垂防止用テープAは、粘着成分(粘着成分層、粘着剤層)が両面に適用された両面粘着テープ100、両面粘着テープ100の粘着成分を外部の汚れ等から保護する(使用前)と共に把持箇所(使用時)となる、両面粘着テープ100の両面に適用された粘着面保護シート200(210及び220)を有する。以下、各構成部を詳述する。尚、本形態においては上述の通り、「粘着剤層/基材/粘着剤層」という構造、即ち、粘着成分が基材の両面に適用されている両面粘着テープ(又は眼瞼下垂防止用テープ)について述べるが、これには限定されず、「粘着剤層/基材」という構造、即ち、粘着成分が基材の片面に適用された両面粘着テープ(又は眼瞼下垂防止用テープ)であってもよい。更には、「粘着剤層/基材/粘着剤層/基材層/粘着剤層」としたり、「粘着剤層/粘着剤層/基材/粘着剤層」とするなど、基材及び粘着剤層を、合計4層以上に積層させた構造の両面粘着テープ(又は眼瞼下垂防止用テープ)であってもよい。また、複数の粘着剤層(複数の基材)を有する眼瞼下垂防止用テープとした場合には、各粘着剤層(各基材)を、同様の材質、構造、物性等の層としてもよいし、異なるものとしてもよい。
<両面粘着テープ>
{両面粘着テープ/全体構成}
図9に、本形態において適用可能な両面粘着テープの一形態を示す。両面粘着テープ100は、芯材としての基材120と、当該基材120の上面と底面にそれぞれ適用された、粘着成分110a及び110bと、を有している。以下、両面粘着テープ100の構成要素である基材120及び粘着剤層110に関して詳述する。
(両面粘着テープ/構成要素/基材)
・材質、物性
基材120の材質は、延伸可能でその延伸後にも弾性的な伸縮性を有する合成樹脂であればよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系ポリマー、ポリエーテルアミド等のアミド系ポリマー、ポリアクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリエステルやポリエーテルエステル等のエステル系ポリマー、ポリエーテルウレタン等のウレタン系ポリマー、ポリエーテルが例示される。
この中でも、適度な弾性を有することや成形の容易性から、ポリエチレンであることが好適である。ここで、ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン(密度範囲:930〜970kg/m程度)、中密度ポリエチレン(密度範囲:930〜970kg/m程度)、低密度ポリエチレン(密度範囲:900〜930kg/m程度)、のいずれでもよく、目的に合わせて適宜選択することが可能である。例えば、高密度ポリエチレン及び中密度ポリエチレンを用いた場合には、基材が丈夫となるため、強く引張した際にも切れ難くなり、強く皮膚に食い込ませやすくなる。他方、低密度ポリエチレンを用いた場合には、装着時にゴロゴロ感が出ず、よりフィット感に優れる。低密度ポリエチレンとしては、高圧法低密度ポリエチレンや、直鎖状短鎖分岐ポリエチレンなどが挙げられる。一般的に、高圧法低密度ポリエチレンは高圧高温化のラジカル重合によって得られるポリエチレンであり、直鎖状短鎖分岐ポリエチレンは、中〜低圧化のイオン重合により得られる、短鎖分岐が導入されたポリエチレンである。直鎖状短鎖分岐ポリエチレンは、高圧法低密度ポリエチレンと比較し直鎖状であると共に、一般に分子量の分布範囲が狭いことから、より強度が高く、透明性が高くなる。即ち、フィット感と強度がともに優れたものとなり、外部から視認し難くなる(外観性がより優れたものとなる)ことから、低密度ポリエチレンの中でもより好適に使用可能である。また、直鎖状短鎖分岐ポリエチレンの中でも、メタロセン触媒を用いて重合されたメタロセン触媒直鎖状短鎖分岐ポリエチレンは、重合性が均一となり(分子量分布が狭くなる、αオレフィンの挿入が均一化される)、従来の直鎖状短鎖分岐ポリエチレンよりも強度が高いポリエチレンとなるため、特に好適に使用可能である。尚、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び直鎖状(線状)低密度ポリエチレンに関しては、周知手法の通り、例えば、50〜250℃、常圧〜20MPaで重合させることにより得られる。また、高圧法低密度ポリエチレンに関しては、周知手法の通り、例えば、150〜350℃、100〜350MPaで重合させることにより得られる。
尚、ポリエチレンの材質を分析する際には、DSC分析を行うことが考えられる。例えば、基材を高圧法低密度ポリエチレンとした場合、DSC分析した際の、昇温時の融解ピークトップ温度は、好適には90〜150℃であり、より好適には95〜145℃であり、特に好適には100〜140℃である。また、降温時における結晶化ピークトップ温度(主ピークトップ温度)は、好適には80〜140℃であり、より好適には85〜135℃であり、特に好適には90〜130℃である。更に、再昇温時における融解ピークトップ温度は、好適には90〜150℃であり、より好適には95〜145℃であり、特に好適には100〜140℃である。尚、これらのピークトップ温度は、後述の<測定方法1>に記載する方法で測定される。
<測定方法1>
基材を約2〜3mgアルミ製容器に入れ、クリンプしたものに関してDSC分析を行う。測定条件としては、装置:TA Instrument Q−2000、測定速度:10℃/min、温度プログラム:−30℃→180℃→−30℃→180℃、雰囲気:窒素ガス(50ml/min)である。
・構造
基材は単層であっても複数の層からなる積層体でもよく、積層体の場合には、各層が同一材料からなるものでも、異なる種類の材料からなるものでもよい。また、基材の形状なども特に限定されず、平板状や、凹凸状、開口部又は孔部を有する形状、クロス等、適宜選択可能である。
ここで、眼瞼下垂防止テープAを皮膚に適用した際の蒸れ等を防止するという観点からは、眼瞼下垂防止テープAが、適度なガス透過性(特には水蒸気透過性)を有することが好適である。このようなガス透過性を基材に付与するためには、例えば、ガス透過性(特には水蒸気透過性)を有する材料を基材とすること、基材を不織布状又は織布状に形成すること、基材に孔部を設けること、等が考えられる。当該孔部としては、孔部の個数(孔部同士の間隔)、孔部の設置範囲及び孔部の口径等は、眼瞼下垂防止テープAの機能を実現し得る範囲において、適宜設定可能である。尚、ここで示す孔部とは、貫通した孔であっても、貫通されていない孔(凹状部)であってもよい(基材を貫通していなくても、当該凹状部において基材が局所的に薄くなることから、当該凹状部を設けない場合よりもガス透過性が向上し得る)。
また、後述のように、眼瞼下垂防止用テープAを上眼瞼に適用する際に、ハサミ等の鋭利な器具でテープの余剰部(把持部等)を切除する工程が含まれ得る。しかし、眼瞼下垂防止用テープAの適用者は、眼瞼下垂によって視野が遮られることに加え、特に適用者が高年齢の場合を想定すると視力自体が低下していると考えられる。このように、通常よりも視野が狭い中、眼の周辺で鋭利な器具を用いる細かい作業を行うことには困難が伴い得る。従って、眼瞼下垂防止用テープAの適用を更に安全かつ容易にする、という観点からは、手で眼瞼下垂防止用テープAの余剰分を切除可能であることが好適である(尚、本発明においては、このような手でも容易に切除可能である性質を、手切れ性とする)。手切れ性を有する基材の構造としては、例えば上述のように、基材に孔部を設けることが挙げられる(貫通孔や基材が薄くなる箇所を設けることにより、当該箇所において容易に千切ることが可能となる)。また、基材に手切れ性を与えるために、特に好適な基材の形態として、合成樹脂をクロス形状(メッシュ状)に形成することが挙げられる(図10等参照)。尚、ここでいうクロス形状とは、複数の繊維121を、間隔122を有するよう織り込んだ織布(図10a)や、当該繊維121同士の接点を融着(例えば、熱融着)したシート状(図10b)のみならず、シート(平板状、織布又は不織布等のシート)に貫通した孔を略規則的に複数設け、間隔122を形成したシート状(図10c)を含んでいてもよい。尚、当該孔部としては、孔部の個数(孔部同士の間隔)、孔部の設置範囲及び孔部の口径等(特に、クロス形状とした場合には、その繊維121の径や間隔122の大きさ等)は特に限定されず、眼瞼下垂防止テープAの機能を実現し得る範囲において適宜設定可能である。例えば、図10aに示された基材にて、間隔122を可能な限り小さくする(繊維121の目を詰まらせる)態様であってもよい(図10d)。
この際、眼瞼下垂防止テープAを引張する(横方向に延伸させる)ことは可能としつつも、手で千切ることを可能とする(縦方向の手切れ性を与える)ための構成として、縦方向に対する特性(特には機械的特性)と、横方向に対する特性と、を変化させることが好適である。例えば、基材を経糸121aと、緯糸121bと、からなる不織布状のシートにおいて、経糸121aと緯糸121bの繊維径を変更する(図11a)、経糸121aと緯糸121bを別の材料とする(延伸方向の材料:延伸可能でその延伸後にも弾性的な伸縮性を有する材料、手切れ方向の材料:手切れし易い材料)、(図11b)、等により、縦方向と、横方向と、で特性の異なる基材シートとなる。
基材120の厚さに関しては、0.01〜5mmであれば実用的と考えられるが、適用方法や適用対象等に合わせて選択可能であり、本形態に係る眼瞼下垂防止用テープにおいては、眼瞼下垂の症状(眼瞼下垂初期〜後期の何れかか)によって、必要とされる上眼瞼拳上力が異なるものとなる(これらに関しては後述する)。例えば、眼瞼下垂初期〜中期といった、上眼瞼の垂れ下がり部分が少ない場合には、好適には0.05〜0.1mmであり、更に好適には0.05〜0.09mmであり、特に好適には0.07〜0.08mmである。また、眼瞼下垂後期のような、上眼瞼の垂れ下がり部分が多い場合には、基材の厚さをより厚くすることが好適である。このように基材を厚くすることにより、基材自体の強度が増すと共に、より強く皮膚への食い込むため、上眼瞼をより多く拳上することが可能となる。従って、この場合の基材120の厚さは、好適には0.1〜0.2mmであり、更に好適には0.1〜0.18mmであり、特に好適には0.14〜0.16mmである。
(両面粘着テープ/構成要素/粘着成分)
・材質、物性
粘着成分110a及び110bの種類としては特に限定されるものではなく、生体用として使用可能な粘着成分であればよいが、例えば下記の性質を備えることが好適である。一点目は、使用時(両面粘着テープ領域形成段階、両面粘着テープ領域については後述)を想定した、基材に引張力が印加される際に求められる性質である。具体的には、基材が引っ張られた際に追従して適度に伸びる粘弾性を有する必要がある。二点目は、適度に高められた粘着性を有することである。三点目は、使用時(上眼瞼への適用段階)を想定した、上眼瞼への付着適合性と、油脂、汗及び涙等への耐付着低減性(持続性)である(適用性)。更に、眼瞼下垂防止用テープの適用者として特に高齢者を対象とする眼瞼下垂防止用テープにおいては、加齢によって皮膚の水分量や油分量が低下していると考えられるため、上記3点の性質(粘弾性、適合性、持続性)以外にも、肌に負担や刺激が少ない(低刺激性)材料であることが好適である。
上述した低刺激性という観点において特に優れた粘着成分110a及び110bの材質としては、特許第5138995号に記載された粘着剤等を例示出来る。即ち、粘着成分を、末端に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリエーテル系重合体を少なくとも2種類以上と、分子中に1〜10個のヒドロシリル基を有する化合物と、ヒドロシリル化触媒と、を少なくとも含む混合物を硬化してなる粘着成分とすることにより、低刺激性を達成可能である。更にこの場合、上記ポリエーテル系重合体がオキシアルキレン系重合体を含む粘着成分であることが好適である。
上述した粘弾性、粘着性、適用性という観点において優れた粘着成分110a及び110bの材質としては、アクリル系粘着剤を主成分とする粘着成分を例示出来る。アクリル系粘着剤の中では、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体であるアクリル系粘着剤が好適である。ここで、(メタ)アクリル酸エステルとしては、好適には、アルキル基の炭素数が1〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの内、より高い効果の実現の観点からは、(メタ)アクリル酸エステルとして(メタ)アクリル酸イソオクチルが好適である(特にアクリル酸イソオクチル)。ここで、アクリルポリマーを構成するモノマーの主成分である(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸のmol比{(メタ)アクリル酸エステル:(メタ)アクリル酸}が、好適には70:30であり、より好適には85:15〜99:1であり、更に好適には92.5:7.5〜99:1であり、特に好適には95:5〜99:1である。尚、アクリルポリマーの構成モノマーにおける、ポリマーの構成比は、後述の<測定方法2>及び<測定方法3>に従って分析されるものである。また、粘着成分におけるアクリルポリマー含有量は、好適には50〜90重量%であり、より好適には55〜80重量%であり、更に好適には60〜75重量%である。また、アクリル系粘着剤としては、その他の成分として粘着付与剤を含有することが好適である。ここで、粘着成分におけるアクリルポリマーと、粘着付与剤を含むその他の成分と、の重量比は、後述の<測定方法2>及び<測定方法4>に従って分析されるものである。即ち、<測定方法2>のメタノール抽出量と、加熱メタノール可溶分のGPCクロマトグラムより、粘着成分中のアクリルポリマーと、粘着付与剤を含むその他の成分と、の含有量比を分析する。粘着成分のアクリルポリマー以外の成分としては、特に限定されないが、ロジンエステル系樹脂を含有する粘着付与剤を添加することが好適であり、パラ置換ベンゼン骨格を有する成分が添加されていてもよい。尚、粘着成分のアクリルポリマー以外の成分におけるロジンエステル系樹脂の含有量としては、好適には50〜100重量%であり、より好適には60〜100重量%であり、更に好適には80〜100重量%である。また、180度方向剥離力は、好適には7.5〜27N/25mmであり、より好適には9.0〜22N/25mmであり、更に好適には10.5〜17N/cmである。ここで、当該数値は、対ステンレス板(SUS 304 BA)厚さ25μmPETフィルム裏打ち、圧着2kgローラー、1往復、室温20分養生、引張速度300mm/分での測定値である(10回平均)。
<測定方法2>
ホットプレート上にメタノール30ml及び粘着成分(粘着剤層)0.102gを注入したビーカーを載せ、ホットプレートの設定温度を50℃とし、30分加熱し加熱メタノール抽出を行う。その後メタノールを不溶分と可溶分に分離し、それぞれを秤量する(5回平均)。
<測定方法3>
<測定方法2>の加熱メタノール不溶分に関して13CNMR測定を行う。測定条件としては、装置:Bruker Biospin AVANCE3−600 with Cryo Probe、観測周波数:150MHz、フリップ角:45°、測定溶媒:CDCl(ピリジン―dを数滴添加)、化学シフト基準:測定溶媒(CDCl;77.05ppm)である。詳細な測定条件を表1に記載する。尚、NMR測定においては、粘着成分全体に対する分析を行うことでも、ある程度の成分分析が可能であるが、当該加熱メタノール不溶分に対する分析により、より詳細な情報を得ることが可能である。
<測定方法4>
<測定方法2>における加熱メタノール可溶分に対して、GPCクロマトグラムを用いた分析を行う。加熱メタノール可溶分を1.0g/lTHF溶液となるように調整し、一晩静置する。当該溶液を0.45μmメンブレインフィルターでろ過し、GPC測定を行う。測定条件としては、装置:TOSOH HLC−8120GPC、カラム:TSKgel SuperHZM−H/HZ4000/HZ3000/HZ2000、カラムサイズ:6.0mmI.D.×150mm、溶離液:THF、流量:0.6ml/min、検出器:RI、カラム温度:40℃、注入量:20μlである。詳細な測定条件を表2に示す。
・構造
粘着成分(粘着成分層)の厚さは、特に限定されないが、前述した三点の性質(粘弾性、粘着性、適用性)に影響を与える。そのため、粘着成分の厚さは、好適には0.01〜0.04mmであり、より好適には0.01〜0.03mmであり、特に好適には0.01〜0.025mmである。
{両面粘着テープ/構造}
(両面粘着テープ/全体の厚さ)
両面粘着テープの厚さは、基材及び粘着成分(4層構造以上の場合には、すべての基材厚+すべての粘着層厚)と合わせて、前述した三点の性質(粘弾性、粘着性、適用性)に影響を与える。そのため、両面粘着テープの厚さは、好適には0.09〜0.20mmであり、より好適には0.10〜0.18mmであり、特に好適には0.11〜0.16mmである。
(両面粘着テープ/基材と粘着成分層の厚さ比)
基材/粘着成分層の厚さ比(基材厚さ:粘着成分層の合計厚さ)は、好適には1.5:1〜3:1であり、より好適には1.75:1〜2.5:1であり、特に好適には1.85:1〜2.25:1である。ここで、4層構造以上の場合、例えば、粘着剤層/粘着剤層/基材/粘着剤の4層構造の場合には、基材の厚さ/3層の粘着剤層の合計厚さであり、粘着剤層/基材/粘着剤層/基材/粘着剤の5層構造の場合には、基材+粘着剤層+基材の合計厚さ/最外層である2層の粘着剤層の合計厚さである。
(両面粘着テープ/幅)
両面粘着テープの幅も、前述した三点の性質に大きく影響を与える。特に、幅が広すぎると眼瞼下垂防止用を瞼に貼付しにくくなり、幅が狭すぎると眼瞼下垂防止用の粘着面が十分に確保されない。また、眼瞼下垂防止用である本発明においては、上眼瞼を拳上するために十分な粘着性が必要となる{特に、瞼の眼裂高(これに関しては後述する。)が高くなり、上眼瞼拳筋の筋力が弱まるため、より強い眼瞼拳上力(又はより強い粘着性)が必要となり、テープ幅を広くする必要がある}。従って、両面粘着テープの幅は、好適には0.4〜3mmであり、より好適には0.4〜2mmであり、特に好適には1〜2mmである。
(両面粘着テープ/長さ)
両面粘着テープの長さは、何ら限定されるものではないが、長すぎると瞼に眼瞼下垂防止用テープを貼付しにくくなり、短すぎると眼瞼下垂防止効果が不十分となる。そのため、両面粘着テープの長さは、20mm〜100mmであり、好適には25〜30mmであり、より好適には26〜29.5mmであり、特に好適には27〜29mmである。
{両面粘着テープ/物性}
両面粘着テープの全体としての塑性変形後のテープ寸法変化特性(荷重解放60秒後)は、変形量100%の場合には、好適には110〜150%であり、より好適には115〜145%であり、更に好適には120〜140%であり、変形量150%の場合には、好適には150〜240%であり、より好適には160〜210%であり、更に好適には170〜190%である。ここで、当該数値は、下記方法により測定される。尚、当該値は、10回の平均値である。
<測定方法5>
まず、両面粘着テープサンプルを25mm幅×200mmにカットする。このときテープの長さ方向がテストサンプルの長手方向となるようにする。そして、サンプルの中心に50mmの間隔で標線を引く(図12参照)。100mmの間隔で定速引張試験機に固定する。次に、300mm/分の速さで、100%、150%の変形を与えた後、荷重を解放しフリーの状態として60秒放置する。そして、引張前、引張直後、荷重解放60秒後の3度のタイミングで標線間の間隔を金尺で測定し、記録する。
また、両面粘着テープの全体としての比例限度は、例えば基材としてポリエチレンシートを用いた場合等では、好適には5〜25N/25mm、より好適には7.5〜20N/25mm、更に好適には10〜15N/25mmである。ここで、当該数値は、下記方法により測定される。尚、当該値は、10回の平均値である。
<測定方法6>
まず、幅25mm×長さ150mmのサンプルを切り出し、長さ方向に100mmの間隔で定速引張試験機に固定する。そのあと、300mm/分の速さで引張り、その際の変形と荷重を記録する。そして、当該変形−荷重曲線から、荷重と歪とが比例関係にある最大荷重を比例限度とする。
<粘着面保護シート>
{粘着面保護シート/構造}
(粘着面保護シート/構造/加工)
粘着面保護シート200は、両面粘着テープの粘着成分を保護すると共に、両面粘着テープ領域を瞼に適用する際には把持箇所としても機能する。従って、両面粘着テープ領域を瞼に適用する際には粘着面保護シートが阻害なく分断し保持箇所となるために、粘着面保護シート200に、溝加工、切り込み加工、切り取り線加工及び切断加工等の易分離加工を設けてもよい。ここで、粘着面保護シート200は、外側面(両面粘着テープと接触しない面)に凹凸加工等の滑り止め加工がされていてもよい。更に、粘着面保護シート200の内側面(両面粘着テープと接触する面)には、両面粘着テープの粘着面と干渉し難くなるような表面加工を施すことが好適である。当該粘着面保護シート表面に施す表面加工としては研磨加工、切削加工、表面コート等特に限定されず、例えば鏡面加工が挙げられる。粘着面保護シートの内側面は、シボ仕上(細かい凹凸加工)が施されていたり、元々の細かい凹凸等が存在するような、粗面となっている場合がある。そのような粘着面保護シートに両面粘着テープを適用した際には、当該凹凸部等に両面粘着テープの粘着成分が入り込み、粘着面保護シートと両面粘着テープが密着してしまう。従って、テープを延伸させた際に、両面粘着テープを巻き込んで粘着面保護シートが分断される。その結果、両面粘着テープに負荷が加わり、両面粘着テープが破断したり、両面粘着テープに粘着成分のダマが形成される等、粘着成分の不均一により粘着力及び透明度が低下してしまう{図13(2)参照、黒丸で囲われた白色点は粘着成分のダマを示す}。対して、粘着面保護シートの内側面を平滑となるよう加工することで、テープを延伸させる際に、両面粘着テープに負荷をかけずに伸長出来るため、両面粘着テープの破断を防ぐことが可能となる。更に、両面粘着シートの粘着成分が均一な状態に保たれるため、粘着力及び透明度の高い眼瞼下垂防止用テープを実現出来る{図13(1)参照}。更に、粘着面保護シートの表面には、製造過程等においてシリコーンゴムの表面を保護するための保護フィルムが配してあってもよい。当該保護フィルムは、両面粘着テープの粘着成分と粘着面保護シートの密着性を阻害するために好適に作用する。
(粘着面保護シート/構造/厚さ)
粘着面保護シートは、両面粘着テープの粘着成分を保護すると同時に眼瞼下垂防止用テープの把持箇所として機能するため、外部からの汚れなどを可能な限り防ぎつつも、持ちやすく使いやすい厚さであることが望ましい。そのため、粘着面保護シートの厚さは、粘着面保護シートの表面に前記保護フィルムを配する場合は当該フィルムの厚さも含め、好適には0.2〜0.5mmであり、より好適には0.2〜0.45mmであり、特に好適には0.2〜0.4mmである。尚、粘着面保護シートの表面に保護フィルムを配する場合、保護フィルムの厚さは、好適には0.01〜0.1mmであり、より好適には0.025〜0.085mmであり、特に好適には0.04〜0.07mmである。
(粘着面保護シート/構造/幅)
粘着面保護シートの幅としては、両面粘着テープの幅と合わせて、両面粘着テープ領域を形成する前の状態の両面粘着テープ100を過不足なく覆う態様が望ましい。
(粘着面保護シート/構造/長さ)
粘着面保護シートの長さとしては、両面粘着テープの形状と合わせて、両面粘着テープ領域を形成する前の状態の両面粘着テープ100を過不足なく覆う態様が望ましい。
{粘着面保護シート/材質、物性}
粘着面保護シートは、両面粘着テープの粘着成分を保護すると同時に眼瞼下垂防止用テープの把持箇所として機能するため、両面粘着テープの粘着成分とは干渉せず、外部からの汚れなどを可能な限り防ぎ、また、指で摘んだ際に滑りにくく把持しやすい材質であることが望ましい。よって、粘着面保護シートの材質としては、硬度40°以上のシリコーンゴムが好適であり、硬度50°以上のシリコーンゴムが好適であり、硬度60°以上のシリコーンゴムが好適である。この場合、アクリル系樹脂をベースとしてロジンエステル樹脂を含有する粘着剤層との相性も良くなる。ここで、当該硬度は、JIS K 6253準拠のデュロメータで測定した値である。尚、上限値は特に限定されないが硬度80°である。尚、粘着面保護シートの表面に保護フィルムを配する場合、表面保護フィルムの材質としては特に限定されないが、好適には熱可塑性樹脂であり、より好適にはポリエステルであり、特に好適にはPETフィルムである。
ここで、本形態に係る粘着面保護シート200としては、上記とは別の構成であってもよい。例えば、図14に示されるように、把持箇所となる範囲(把持領域200a)と、上眼瞼へ適用される粘着剤をカバーする範囲(カバー領域200b)を予め別部材とする(図14a)、又は、把持領域200aと、カバー領域200bと、の境界となる箇所に易分離加工を施す(図14b)、等であってもよい(粘着面保護シート200を連続的な平板としなくてもよい)。このような構成とすることにより、カバー領域200bが容易に両面粘着テープ100から剥離する(両面粘着テープ100の粘着面を簡単に露出させることが出来る)ため、適用時の操作性を増すことが出来る。例えば、図14cに示されるように、把持領域200aを把持して左右に引張するのみでも、カバー領域200bを剥離させる(両面粘着テープの粘着剤層を露出させる)ことが可能となる。更に、把持領域200aと、カバー領域200bと、を別部材とした場合には、把持領域200aに求められる性質(指で摘んだ際に滑りにくく把持しやすい)と、カバー領域200bに求められる性質(両面粘着テープ100の粘着成分とは干渉せず、外部からの汚れなどを可能な限り防ぐ)とを、別々に達成すればよいため、材料の選択性が向上する(例えば、把持領域200aはPET等のフィルムとする一方で、カバー領域200bは、シリコーンゴム等とすることも、好適に採用され得る)。また、把持領域200aのみ、しっかりと両面粘着テープ100に固定する一方(把持領域200aは最終的には切除されるため、両面粘着テープ100に強く固定されていても問題ない)、カバー領域200bは容易に両面粘着テープ100から脱離する、等とすることも可能となる。尚、粘着面保護シート200における把持領域200aの長さとしては、何ら限定されず、また両面粘着テープの長さにもよるが、好ましくは0.5〜5.0mm程度であり、より好ましくは0.6〜2.0mm程度であり、更に好ましくは0.7〜1.5mm程度である。
≪製造方法≫
本実施形態に係る眼瞼下垂防止用テープAの製造方法は、粘着剤を基材上に設ける第一工程と、粘着面保護シートを粘着剤上に設ける第二工程を含む。但し、第一工程と第二工程とは同時に行ってもよく、先に第二工程を行った後第一工程を行ってもよい。ここで、第一工程としては、特に限定されず、例えば、液体又は粘体状の粘着剤を部材に塗布する工程、予め粘着剤層(例えばシート状の粘着剤層)を形成し部材に張り合わせる工程等、が挙げられる。また、第二工程としては、例えば、両面粘着テープ及び粘着面保護シートの、シート状体を巻き取ったロール原反から、それぞれのシート状体を引き出し重ねて、シート状積層体を形成した後、当該シート状積層体を打ち抜き(例えば平圧式3ヘッド打ち抜き)により所望の大きさに形成することが好適である(平圧式3ヘッド打ち抜きの概念は図15参照)。当該製造方法によれば、連続的にテープを形成する手法であるため、粘着力にムラのない眼瞼下垂防止用テープAを安定して形成することが可能となる。
≪用途≫
本実施形態に係る眼瞼下垂防止用テープAの具体的な用途(適用方法及び適用対象)に関する説明に先立ち、年齢に伴う眼瞼下垂の症状の進行や、適用対象としての東洋人と西洋人との相違点、を説明すると共に、本発明の技術的な意義に関して説明する。
表3及び表4は、眼裂高及び眼裂幅の、年代別の変化を示した表である。尚、眼裂とは目を開いた状態での上眼瞼縁と下眼瞼縁の高さを示し、眼裂幅とは、目尻縁と目頭縁の幅(横)を示す(図16)。表3の通り、眼裂高は、30代をピークに徐々に低くなる(即ち、上眼瞼が下垂してくる)ことが分かる。合わせて、眼裂幅も30代をピークに小さくなることがわかる。また、表5は、眼瞼挙筋機能の年代別変化を示す。眼瞼挙筋機能計測方法としては、下方視の上眼瞼縁の位置を0とし、上方視させたとき上眼瞼縁が挙上した距離(mm)を測定したものである。表5に示されるように、20代をピークに上眼瞼を持ち上げる力(眼瞼挙筋)が衰えることがわかる(参考文献:臨床報告 日本人の眼瞼の形態及び上眼瞼挙筋機能)。
ここで、東洋人の眼瞼周辺と、西洋人の眼瞼周辺と、をより詳細に比較すると、西洋人は目の上の脂肪が少なく、瞼を拳上するための斜めの繊維が多い(図17a)のに対して、東洋人は上眼瞼の眼窩脂肪が瞼板上縁より下の瞼板前部分にまで垂れ下がっている。また、皮下脂肪、脂肪、瞼板前脂肪も全て西洋人に比較して多く厚く、脂肪だけでなく眼輪筋(眼窩周囲にかけての筋肉の一部)や上眼瞼の皮下組織も西洋人より厚く多い(図17b)。また、東洋人は瞼を拳上するための斜めの繊維が少ない(特に東洋人に特有の一重瞼においては、図17cのように、このような繊維がほとんどない)。
また、同図に見られるように、二重の瞼は一重の瞼にはない上眼瞼溝(二重の線)が存在する。この上眼瞼溝は皮膚表面にある溝のひとつであり、皮膚の折れ目となる。この折れ目は上眼瞼縁からほぼ6〜7mm程の所にあり、この折れ目の裏側から、繊維性の薄い膜構造が目を開く時に用いる上眼瞼挙筋と結合している。この上眼瞼挙筋は上瞼を眼球に沿って、上方(むしろ上後方)に瞼を引き上げる作用を持っている。従って、目を開く動作を行うと、この折れ目よりも下部の瞼が上部にある瞼の後方へ引き上げられる(この際に、二重瞼等が形成される)。元来が一重瞼の場合は、この上眼瞼溝(二重の線)あるいは折れ目から上眼瞼挙筋の動きを伝える薄い膜構造のようなものが欠損している状態であり、上眼瞼挙筋と折れ目の連続性を有しない。
以上説明したように、加齢による眼瞼拳筋の低下のみならず、東洋人は基本的に、上眼瞼を拳上するための力が弱いが、西洋人は、もともとの眼瞼を拳上する力(瞼の引き込み力)が強い。従って、例えば、西洋人に対しては、あまり眼瞼下垂が進行していない場合、シート状等の幅広いパッチ等を瞼に貼付した場合においても、自然と瞼が目の後ろに引き込まれ、パッチ貼付箇所が折りたたまれることにより、眼瞼下垂が防止されることとなる。他方、東洋人の場合には、眼瞼下垂がある程度進行してしまうと、このようなパッチ形状を配するのみでは、上眼瞼が上方に引き込まれることがないため、上眼瞼は垂れ下がったままとなり眼瞼下垂に対する防止能があまり得られない。
そこで、本発明においては、このような幅広いパッチ状等ではなく、テープ状とすることで、能動的にテープを皮膚に強く食い込ませ適当な皮膚の折り目を形成し、瞼が持ち上げられる際に上眼瞼が巻き込みながら引き上げられるようにすることで、眼瞼下垂を防止することを可能としたものである。このように、本発明は、元来上眼瞼を拳上する能力が弱い東洋人等に対しても効果的な、強い眼瞼防止効果を有するものである。
<一般的な適用方法>
図18及び図19を用いて、眼瞼下垂防止用テープAの瞼への一般的な使用方法(貼付方法)を詳述する。図18に示すように、粘着面保護シート210及び220を摘み、眼瞼下垂防止用テープA全体を左右に延伸させる。この際、粘着面保護シートは把持部へと分離し、両面粘着テープのみからなる箇所すなわち両面粘着テープ領域300と、把持部410及び420と、が形成される。次に、図19aに示すように、当該両面粘着テープ領域300を、眼瞼下垂箇所に配し固定した後、図19bのように、把持部を切除する。この際、眼瞼下垂防止用テープAの適用箇所としては、重瞼よりも高い位置(通常、眼縁から7mm以上の箇所)となる(図20参照)。この点が、類似品でありながら目的が相違する二重瞼形成用テープと大きく相違する(二重瞼形成用テープの適用箇所は重瞼の位置)。即ち、眼瞼下垂防止用テープの場合には、適用対象者は、上眼瞼が下垂し、上眼瞼挙筋が筋力低下しているため、二重用の折り目を造る場合等と比較し、瞼を上に引き上げる力がより必要となることから、眼縁からある程度高い位置(重瞼よりも高い位置)に貼付する必要があるのである。
<適用対象>
次に、本実施形態に係る眼瞼下垂防止用テープAの適用対象に関して詳述する。当該眼瞼下垂防止用テープAの適用対象としては、先天性眼瞼下垂症及び後天性眼瞼下垂症のいずれに対しても適用可能である。
(上眼瞼下垂初期〜中期段階)
上眼瞼下垂初期〜中期段階は、脂肪が多く、上眼瞼が眼窩縁より前方にせり出しているが、本実施形態に係る眼瞼下垂防止用テープAを上記の通り適用することにより、瞼に食い込みが生じ、眼を開けた際の瞼の引き込みにより、上眼瞼が引き上げられ、眼瞼下垂が防止されることとなる。
(上眼瞼下垂中期〜後期段階)
上眼瞼下垂中期〜後期段階は、上眼瞼が眼窩縁より前方にあり、目の外側が下垂している。この場合、本実施形態に係る眼瞼下垂防止用テープAとしては、先述のように、基材の厚さを増やす等により、眼瞼下垂防止用テープAの眼瞼下垂防止能を増やしたものとすることが好適である。また、このような後期段階においては、図21のように、眼瞼下垂防止用テープAを2箇所以上適用することが好適となる。
(加齢に伴う眼瞼下垂)
特に、加齢に伴う眼瞼下垂の症状は目の外側より起こる。この場合、図21にも示されているように、眼瞼の下垂状態に沿って、眼の内側から外側に向かって(目頭方向から目尻方向に向かって)、傾斜するように貼付することが好適である。
[第2の実施形態]
ここで、本発明に係る眼瞼下垂防止用テープは、基材の両面に粘着剤層が設けられている両面粘着テープを複数有し、当該複数の両面粘着テープが剥離基材を介して積層されている両面粘着テープ積層体と、両面粘着テープ積層体の両面それぞれに存在する粘着剤層上に設けられた粘着面保護基材とを有する、眼瞼下垂防止用テープであってもよい{ここで、「両面粘着テープを複数有し・・・両面粘着テープ積層体」とは、X−(Y−X)(ここで、Xは両面粘着テープ、Yは剥離基材であり、nは1以上の整数である)なる構造を有する積層体であり、好適にはn=1〜3であり、より好適にはn=1である}。次に、当該構成(特には、上記にてn=1とした構成)を有する眼瞼下垂防止用テープを、第2の実施形態に係る眼瞼下垂防止用テープ(以下、眼瞼下垂防止用テープBとする。)として、その全体構成を説明し、次いで製造方法、使用方法(用途)に関して順次説明を行う。
≪全体構成≫
先ず、図22を参照しながら、眼瞼下垂防止用テープBの全体構成を説明する。眼瞼下垂防止用テープBは、粘着成分(粘着成分層、粘着剤層)が両面に適用された2枚の両面粘着テープ1100(1110及び1120);捩れ構造体(これについては後述する)を形成する前に2枚の両面粘着テープ1100(1110及び1120)同士が接合してしまうのを防ぐために、両面粘着テープ1110及び1120の間に挿入されている剥離基材1200(これら2枚の両面粘着テープ1110及び1120間に剥離基材1200が介在することで両面粘着テープ積層体1300が形成);両面粘着テープ1110及び1120の粘着成分を外部の汚れ等から保護する(使用前)と共に把持箇所(使用時)となる、2枚の粘着面保護シート1400(1410及び1420);を有する。
<両面粘着テープ>
両面粘着テープ1100(1110及び1120)に関して、基本的な構成は眼瞼下垂防止用テープAの両面粘着テープ100と同様であるため省略する。
<剥離基材>
{剥離基材/構造}
(剥離基材/構造/位置)
剥離基材は、捩れ構造体を形成する前段階で両面粘着テープ1110及び1120の粘着面同士が接合しないように、当該テープの間に介在している。
(剥離基材/構造/加工)
図22に示されるように、剥離基材1200に易分離加工(本例では切断加工)を施し、テープを延伸した際には容易に分断するようにすることが好適である。更に、剥離基材1200の表面(両面粘着テープと接触する面)には、両面粘着テープの粘着面と干渉し難くなるような表面加工を施すことが好適である。当該剥離基材表面に施す表面加工としては研磨加工、切削加工、表面コート等特に限定されず、例えば鏡面加工が挙げられる。剥離基材の表面は、シボ仕上(細かい凹凸加工)が施されていたり、元々の細かい凹凸等が存在するような、粗面となっている場合がある。そのような剥離基材を用いて両面粘着テープ積層体を形成した際には、当該凹凸部等に両面粘着テープの粘着成分が入り込み、剥離基材と両面粘着テープが密着してしまう。従って、テープを延伸させた際に、両面粘着テープを巻き込んで剥離基材が分断される。その結果、両面粘着テープに負荷が加わり、両面粘着テープが破断したり、両面粘着テープに粘着成分のダマが形成される等、粘着成分の不均一により粘着力及び透明度が低下してしまう。対して、剥離基材表面を平滑となるよう加工することで、テープを延伸させる際に、両面粘着テープに負荷をかけずに伸長出来るため、両面粘着テープの破断を防ぐことが可能となる。更に、両面粘着シートの粘着成分が均一な状態に保たれるため、粘着力及び透明度の高い眼瞼下垂防止用テープを実現出来る。更に、剥離基材の表面には、製造過程等においてシリコーンゴムの表面を保護するための保護フィルムが配してあってもよい。当該保護フィルムは、両面粘着テープの粘着成分と剥離基材の密着性を阻害するために好適に作用する。
(剥離基材/構造/厚さ)
剥離基材は把持部に残る(即ち、捩れ構造体には残らない)ため、剥離基材の厚さは捩れ構造体の特性等には影響を与えない。但し、剥離基材内部の分断し易さや捩れ構造体の形成のし易さに影響を与えるといえる。そのため、剥離基材の厚さは、剥離基材の表面に前記保護フィルムを配する場合は当該フィルムの厚さも含め、好適には0.2〜0.5mmであり、より好適には0.2〜0.45mmであり、特に好適には0.2〜0.4mmである。尚、剥離基材の表面に保護フィルムを配する場合、保護フィルムの厚さは、好適には0.01〜0.1mmであり、より好適には0.025〜0.85mmであり、特に好適には0.04〜0.07mmである。
(剥離基材/構造/幅)
剥離基材の幅に関しては、両面粘着テープの幅に合わせて、捩れ構造体を形成する前の状態の両面粘着テープ1110及び1120同士を過不足なく遮断する態様が望ましい。
(剥離基材/構造/長さ)
剥離基材の長さに関しては、両面粘着テープの形状に合わせて、捩れ構造体を形成する前の状態の両面粘着テープ1110及び1120同士を過不足なく遮断する態様が望ましい。
{剥離基材/材質、物性}
剥離基材は、両面粘着テープの粘着成分と干渉しない材質であることが望ましい。加えて、易分離加工が切断加工以外の場合(眼瞼下垂防止用テープを引っ張る前において、剥離基材が物理的に結合した状態にある場合)においては、剥離基材は、分断し易い性質であることが好適である。従って、剥離基材の材質としては、アクリル系樹脂をベースとしてロジンエステル樹脂を含有する粘着剤層を使用する場合には、硬度40°以上のシリコーンゴムが好適であり、硬度50°以上のシリコーンゴムがより好適であり、硬度60°以上のシリコーンゴムが特に好適である。ここで、当該硬度は、JIS K 6253準拠のデュロメータで測定した値である。尚、上限値は特に限定されないが硬度80°である。尚、剥離基材の表面に保護フィルムを配する場合、保護フィルムの材質としては特に限定されないが、好適には熱可塑性樹脂であり、より好適にはポリエステルであり、特に好適にはPETフィルムである。
<粘着面保護シート>
粘着面保護シート1400に関して、基本的な構成は眼瞼下垂防止用テープAの粘着面保護シート200と同様であるため省略する。
≪製造方法≫
本実施形態に係る眼瞼下垂防止用テープBの製造方法は、特に限定されないが、両面粘着テープ、剥離基材及び粘着面保護シートの、シート状体を巻き取ったロール原反から、それぞれのシート状体を引き出し重ねて、シート状積層体を形成した後、当該シート状積層体を打ち抜き(例えば平圧式3ヘッド打ち抜き)により所望の大きさに形成することが好適である(平圧式3ヘッド打ち抜きの概念は図23参照)。当該製造方法によれば、連続的にテープを形成する手法であるため、粘着力にムラのない眼瞼下垂防止用テープBを安定して形成することが可能となる。
≪用途≫
本実施形態に係る眼瞼下垂防止用テープBの用途としては、眼瞼下垂防止用テープAと同様に使用することが出来るが、以下に、眼瞼下垂防止用テープAとの相違点のみに関して説明する。
<一般的な適用方法>
図24及び図25を用いて、捩れ構造体1550の形成方法及び瞼への使用方法(貼付法)を詳述する。図24に見られるように、粘着面保護シートを摘み、眼瞼下垂防止用テープA全体を左右に延伸させる。この際、剥離基材と粘着面保護シートは把持部へと分離し、両面粘着テープのみからなる箇所すなわち両面粘着テープ領域1500と、把持部1610及び1620と、が形成される。次に、図25に見られるように、把持部1610を長軸方向に延伸させながら時計のねじを巻くように捩る。こうすることで、両面粘着テープ1110及び1120同士が接合されながら、捩られながら延伸し、螺旋状の捩れ構造体550が形成される。後は、眼瞼下垂防止用テープAの適用方法と同様に、当該捩れ構造体1550を、所定箇所に配し固定した後、把持部1610及び1620を片側ずつ切除する(図19)。この際、眼瞼下垂防止用テープBの適用箇所としては、眼瞼下垂防止用テープAと同様に、通常は、眼縁から7mm以上の箇所となる。
<適用対象>
上述のように、本実施形態に係る眼瞼下垂防止用テープBの適用方法は、基本的には眼瞼下垂防止用テープAと同様であるが、眼瞼下垂防止用テープBは、眼瞼下垂防止用テープAのように両面粘着テープ領域を直接適用するのではなく、両面粘着テープ領域を捩れ構造体とした後に、上眼瞼へ適用することを想定している。当該眼瞼下垂防止用テープBによれば、一度上捩れ構造体を形成するため、粘着面が全方位的に設けられること、断面形状が方形状となること、更に、捩れ構造体として眼瞼下垂防止効果を強力に発揮可能な適度な厚さとなること、等により、より強い上眼瞼への食い込みと上眼瞼の拳上力を発揮し得る。従って、眼瞼下垂防止用テープBの適用対象としては、上眼瞼下垂中期〜後期段階等の、眼瞼下垂の症状が重い場合に、特に効果的に使用可能である。
以下、本発明の実施例を詳述するが、本発明の技術的範囲は本実施例には限定されない。尚、本実施例における眼瞼下垂防止用テープの基本的な構成は図8、図9及び図22に示す通りである。
≪製造例≫
<製造例1>
まず、基材としては、厚さ3mil(約0.076mm)の低密度ポリエチレンを使用した。本製造例における基材の物性として、<測定方法1>に係るDSC分析により、昇温時(図26)、降温時(図27)及び再温時(図28)における熱履歴が得られた。昇温時、降温時及び再昇温時のピーク温度特性をまとめたものを表6に示す。また、粘着成分110としては、アクリル酸イソオクチル約97mol%及びアクリル酸約3mol%を構成モノマーとしたアクリルポリマーと、その他の成分(ロジンエステル系樹脂を主成分とする粘着付与剤に、パラ置換ベンゼン骨格を有する添加材や別の成分を、微量添加してなる組成物)が、質量比(アクリルポリマー:その他の成分)がおよそ63:37となるよう配合された粘着剤(粘着力:14.7N/25mm)を使用した(基材の両面に塗布、片面の厚さが0.02mm)。ここで、本製造例に係る粘着成分構成要素の測定方法及び分析結果を述べる。まず、先述の<測定方法2>に係る加熱メタノール抽出により、粘着成分を、不溶分と可溶分に分離する。次に、当該不溶分に対して先述の<測定方法3>に係るNMRスペクトル分析を行うことで、ポリマーの構成モノマー組成比(アクリル酸イソオクチルとアクリル酸の組成比)を分析可能である。具体的には、<測定方法3>に係るNMRスペクトルの177ppm(アクリル酸)及び174ppm(アクリル酸イソオクチル)のピーク積分強度比を用いることで、アクリル酸及びアクリル酸イソオクチルの組成比が算出される。当該製造例における粘着成分の、<測定方法3>に係るNMRスペクトル分析結果を図29に示す。次に、先述の<測定方法4>により、当該可溶分に対するGPCクロマトグラムを作成した(図30参照)。具体的には、<測定方法2>に係る加熱メタノール可溶分のGPCクロマトグラムのピーク1(ポリマー)とピーク2(粘着付与剤+パラ置換ベンゼン骨格を有する成分)のピーク面積比を算出した。更に、粘着成分の、<測定方法2>に係る秤量結果及び<測定方法4>に係るGPCクロマトグラムの分析結果をまとめた結果を表7に示す。以上より、本製造例に係る基材の熱履歴特性及び粘着成分の含有量比等が分析可能である。
尚、<測定方法2>に係る、粘着成分を加熱メタノール抽出することで得られた不溶分に対してのみならず、粘着成分に対して直接、13CNMR分析及びHNMR分析を行った。それぞれの測定結果を図31及び図32に示す。測定条件としては、装置:Bruker Biospin AVANCE3−600 with Cryo Probe、観測周波数:(13C;150MHz、H;600MHz、フリップ角:45°、測定溶媒:CDCl13C測定時にピリジン―d5を数滴添加)、化学シフト基準:測定溶媒(CDCl13C;77.05ppm、H;7.25ppm)である。詳細な測定条件は各図中に示す。
ここで、粘着成分を両面に有する基材(図9に示す両面粘着テープ100)に関し、前述の<測定方法5>に基づき、塑性変形後のテープ寸法変化特性を試験した。その結果を表8に示す。同様に、粘着成分を両面に有する基材に関し、前述の<測定方法6>に基づき、比例限度を測定した。その結果を図33に示す。図33から、本製造例に係る両面粘着テープの比例限度は、約12N/25mmであった。
次に、基材の両面に粘着成分(層)が適用された積層体(両面粘着テープ)の、最外層の粘着成分(層)上に、粘着成分(層)と接触する側の面に鏡面加工が施されたシリコーンゴム(厚さ:0.25mm、硬度:70°)の両面にPETフィルム(厚さ:0.05mm)を設けて形成された粘着面保護シート(厚さ:0.35mm)を貼付し、積層体を得た。両面粘着テープ及び粘着面保護シートは、ロール状の原反から引き抜かれたシート状体であるため、当該積層体は連続的な面を有する板状となる。その後、図8に示すように、側断面の略中央に易分離加工を施した箇所が配されるよう、当該積層体を平圧式3ヘッド打ち抜き機にて切断し、製造例1に係る眼瞼下垂防止用テープ(幅:1.5mm、長さ:28mm、厚さ:0.82mm)を得た。
幅を変更したこと以外は、製造例1と同様に、製造例2に係る眼瞼下垂防止用テープ(幅:1.8mm、長さ:28mm、厚さ:0.82mm)を得た。
<製造例3>
次に、基材の両面に粘着成分(層)が適用された積層体(両面粘着テープ)2枚で、両面に鏡面加工が施されたシリコーンゴム(厚さ:0.25mm、硬度:70°)の両面にPETフィルム(厚さ:0.05mm)を設けて形成された剥離基材(厚さ:0.35mm)をサンドし、更に、最外層の粘着成分(層)上に、粘着成分(層)と接触する側の面に鏡面加工を施されたシリコーンゴム(厚さ:0.25mm、硬度:70°)の両面にPETフィルム(厚さ:0.05mm)を設けて形成された粘着面保護シート(厚さ:0.35mm)を貼付し、積層体を得た後、図22に示すように、側断面の略中央に易分離加工を施した箇所が配されるよう、当該積層体を平圧式3ヘッド打ち抜き機にて切断したこと以外は、製造例1と同様に、製造例3に係る眼瞼下垂防止用テープ(幅:1.2mm、長さ:28mm、厚さ:1.28mm)を得た。
≪試験結果≫
製造例1及び製造例2に係る眼瞼下垂防止用テープを、第1の実施形態に係る適用方法に従って目縁より7mm以上の箇所に適用したところ、適用が容易であり、装着感が良好であり、外観上の違和感も少なく、上眼瞼が拳上されることを確認した(眼瞼下垂防止用テープの適用前後の写真を、図34に示す)。また、製造例3に係る眼瞼下垂防止用テープを、第2の実施形態に係る適用方法に従って、目縁より7mm以上の箇所に適用したところ、眼瞼下垂後期段階の適用者においても、上眼瞼が拳上されることを確認した。
A、B:眼瞼下垂防止用テープ
100:両面粘着テープ
110a、110b:粘着成分層
120:基材
210、220:粘着面保護シート
300:両面粘着テープ領域
410、420:把持部
1110、1120:両面粘着テープ
1111a、1111b:粘着成分層
1112:基材
1200:剥離基材
1300: 両面粘着テープ積層体
1410、1420:粘着面保護シート
1500:両面粘着テープ領域
1550:捩れ構造体
1610、1620:把持部

Claims (3)

  1. ポリエチレンにより形成した細いテープ状部材上に、粘着剤層が設けられており、
    前記テープ状部材を延伸させると共に塑性変形させ、
    重瞼よりも高い位置に貼付して皮膚に食い込むように押し込んで使用する、ことを特徴とする眼瞼下垂防止用テープ。
  2. 前記テープの幅が、0.4〜3mmである、請求項1記載の眼瞼下垂防止用テープ。
  3. 前記テープ状部材の厚さが、0.01〜5mmである、請求項1又は2記載の眼瞼下垂防止用テープ。
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