JP6266859B2 - 銀ナノワイヤの製造方法 - Google Patents
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ハロゲン化合物(ハロゲン元素として)/銀=0.01〜0.1
有機アミン/銀=0.5〜6.0
これは、ハロゲン化合物と銀のモル比が上記範囲外の場合や有機アミンと銀のモル比が上記範囲より小さい場合には、銀ナノワイヤの収率が低下する場合があり、有機アミンと銀のモル比が上記範囲より大きい場合には、後述する銀ナノワイヤの洗浄工程において、洗浄効率が低下するおそれがあるためである。
(比較例1)
0.479gの硝酸銀とエチレングリコール30mlからなる溶液(溶液X)と、の0.492gポリビニルピロリドン(平均分子量55000、N−ビニル−2−ピロリドンのモル濃度として0.144mol/l)と0.0233gの鉄(III)−アセチルアセトナートと0.105gのNaClとエチレングリコール30mlからなる溶液(溶液Y)を準備した。50mlのエチレングリコールを160℃まで加熱、攪拌し、ここに液温25℃の溶液Xと液温25℃の溶液Yを同時に4分間かけて添加して、銀ナノワイヤを含有する分散液を得た。
1回あたりに添加するアセトンの量を300mlから100mlに変更した以外は比較例1と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価を試みた。結果、アセトン100mlを加えて攪拌した後、24時間静置しても固形物が十分沈殿せず、洗浄を進めることができなかった。
1回あたりに添加するアセトンの量を300mlから100mlに変更し、アセトンを加えて攪拌した後に静置することに変えて500rpm、45分間の条件で遠心分離することに変更した以外は比較例1と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価を試みた。結果、500rpm、45分間の条件で遠心分離しても固形物が十分沈殿せず、洗浄を進めることができなかった。
1回あたりに添加するアセトンの量を300mlから100mlに変更し、アセトンを加えて攪拌した後に静置することに変えて3000rpm、45分間の条件で遠心分離することに変更した以外は比較例1と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価を試みた。銀ナノワイヤをSEMで観察したところ、銀ナノワイヤ同士が接合したような形態であり、一部は板状の形態となっていた。
70mlのベンジルアルコールにオレイルアミン(シグマアルドリッチ製)4.8gとテトラブチルアンモニウムクロライド(和光純薬工業製)0.083gを添加し、溶解させて溶液Aを得た。次に、20mlのベンジルアルコールに硝酸銀0.85gを添加し、溶解させて溶液Bを得た。
溶液Bの添加時間を20分間から2秒間に変更し、加熱温度を130℃から120℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で銀ナノワイヤの合成と評価をおこなった。なお、溶液Bの添加直後の液温は、一時的に100℃まで低下した。実施例2の製造方法で得られた銀ナノワイヤをSEMで観察した結果、実施例1と同様にワイヤ状の生成物が確認された。また、得られたX線回折スペクトルは実施例1と同様であった。これらの結果から、実施例2の製造方法により、正常に銀ナノワイヤが得られることが確認された。なお、実施例2〜15について、SEM写真で得られた100個の銀ナノワイヤを測定対象として、銀ナノワイヤの長さおよび幅を求めた結果、いずれの実施例も、長さは15〜20μm、幅は45〜60nmの範囲内であった。
溶液Bの添加時間を2秒間から4分間に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価をおこなった。合成された銀ナノワイヤをSEMで観察した結果、実施例1と同様にワイヤ状の生成物が確認された。また、得られたX線回折スペクトルは実施例1と同様であった。これらの結果から、実施例3の製造方法により、正常に銀ナノワイヤが得られることが確認された。
溶液Bの添加時間を2秒間から8分間に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価をおこなった。合成された銀ナノワイヤをSEMで観察した結果、実施例1と同様にワイヤ状の生成物が確認された。また、得られたX線回折スペクトルは実施例1と同様であった。これらの結果から、実施例4の製造方法により、正常に銀ナノワイヤが得られることが確認された。
溶液Bの添加時間を20分間から8分間に変更し、加熱温度を130℃から110℃に変更し、遠心分離の回転数を100rpmから500rpmに変更し、テトラブチルアンモニウムクロライドの添加量を0.081gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価をおこなった。合成された銀ナノワイヤをSEMで観察した結果、実施例1と同様にワイヤ状の生成物が確認された。また、得られたX線回折スペクトルは実施例1と同様であった。これらの結果から、実施例5の製造方法により、正常に銀ナノワイヤが得られることが確認された。
硝酸銀の添加量を0.085gに変更し、添加するアミンをオレイルアミン4.8gからドデシルアミン(和光純薬工業製)3.7gに変更し、溶液Bの添加時間を20分間から8分間に変更し、テトラブチルアンモニウムクロライドの添加量を0.081gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価をおこなった。合成された銀ナノワイヤをSEMで観察した結果、実施例1と同様にワイヤ状の生成物が確認された。また、得られたX線回折スペクトルは実施例1と同様であった。これらの結果から、実施例6の製造方法により、正常に銀ナノワイヤが得られることが確認された。
添加するアミンをドデシルアミン3.7gからヘキサデシルアミン(和光純薬工業製)4.8gに変更した以外は、実施例6と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価をおこなった。合成された銀ナノワイヤをSEMで観察した結果、実施例1と同様にワイヤ状の生成物が確認された。また、得られたX線回折スペクトルは実施例1と同様であった。これらの結果から、実施例7の製造方法により、正常に銀ナノワイヤが得られることが確認された
添加するアミンの種類をヘキサデシルアミンからオクタデシルアミン(和光純薬工業製)に変更し、攪拌回転数を100rpmから130rpmに変更し、130℃の温度を維持する時間を1時間から30分間に変更した以外は、実施例7と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価をおこなった。合成された銀ナノワイヤをSEMで観察した結果、実施例1と同様にワイヤ状の生成物が確認された。また、得られたX線回折スペクトルは実施例1と同様であった。これらの結果から、実施例8の製造方法により、正常に銀ナノワイヤが得られることが確認された。
溶液Bの添加時間を20分間から15分間に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価をおこなった。合成された銀ナノワイヤをSEMで観察した結果、実施例1と同様にワイヤ状の生成物が確認された。また、得られたX線回折スペクトルは実施例1と同様であった。これらの結果から、実施例9の製造方法により、正常に銀ナノワイヤが得られることが確認された。
硝酸銀の量を0.85gから1.7gに変更し、有機アミンをオレイルアミン4.8gからドデシルアミン7.4gに変更し、テトラブチルアンモニウムクロライドの量を0.083gから0.17gに変更し、加熱温度を130℃から150℃に変更し、加熱温度の維持時間を1時間から30分間に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価をおこなった。合成された銀ナノワイヤをSEMで観察した結果、実施例1と同様にワイヤ状の生成物が確認された。また、得られたX線回折スペクトルは実施例1と同様であった。これらの結果から、実施例10の製造方法により、正常に銀ナノワイヤが得られることが確認された。
硝酸銀の量を1.7gから3.4gに変更し、ドデシルアミンの量を7.4gから14.8gに変更し、テトラブチルアンモニウムクロライドの量を0.17gから0.32gに変更した以外は、実施例10と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価をおこなった。合成された銀ナノワイヤをSEMで観察した結果、実施例1と同様にワイヤ状の生成物が確認された。また、得られたX線回折スペクトルは実施例1と同様であった。これらの結果から、実施例11の製造方法により、正常に銀ナノワイヤが得られることが確認された。
ドデシルアミンの量を7.4gから6.8gに変更し、使用するハロゲン化合物をテトラブチルアンモニウムクロライド0.17gから塩化ナトリウム(NaCl)0.034gに変更した以外は、実施例10と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価をおこなった。合成された銀ナノワイヤをSEMで観察した結果、実施例1と同様にワイヤ状の生成物が確認された。また、得られたX線回折スペクトルは実施例1と同様であった。これらの結果から、実施例12の製造方法により、正常に銀ナノワイヤが得られることが確認された。
使用するハロゲン化合物を塩化ナトリウム(NaCl)0.034gから塩化カリウム(KCl)0.044gに変更した以外は、実施例12と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価をおこなった。合成された銀ナノワイヤをSEMで観察した結果、実施例1と同様にワイヤ状の生成物が確認された。また、得られたX線回折スペクトルは実施例1と同様であった。これらの結果から、実施例13の製造方法により、正常に銀ナノワイヤが得られることが確認された。
使用するハロゲン化合物を塩化ナトリウム(NaCl)0.034gから塩化アンモニウム(NH4Cl)0.032gに変更した以外は、実施例12と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価をおこなった。合成された銀ナノワイヤをSEMで観察した結果、実施例1と同様にワイヤ状の生成物が確認された。また、得られたX線回折スペクトルは実施例1と同様であった。これらの結果から、実施例14の製造方法により、正常に銀ナノワイヤが得られることが確認された。
使用するハロゲン化合物を塩化ナトリウム(NaCl)0.034gからHClを0.022g含む濃塩酸水溶液に変更した以外は、実施例12と同様の方法で、銀ナノワイヤの合成と評価をおこなった。合成された銀ナノワイヤをSEMで観察した結果、実施例1と同様にワイヤ状の生成物が確認された。また、得られたX線回折スペクトルは実施例1と同様であった。これらの結果から、実施例15の製造方法により、正常に銀ナノワイヤが得られることが確認された。
Claims (8)
- 1価のアルコールのみから成る溶媒と、ハロゲン化合物と、1分子中に10以上のCを含有する有機アミンとから成る溶液Aに、1価のアルコールのみから成る溶媒と、銀化合物とから成る溶液Bを添加することにより銀ナノワイヤを生成する、銀ナノワイヤの製造方法。
- 前記有機アミンは、オレイルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミンのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の銀ナノワイヤの製造方法。
- 前記1価のアルコールは、1分子中に7〜12のCを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の銀ナノワイヤの製造方法。
- 前記1価のアルコールは、ベンジルアルコール、ヘプタノール、オクタノールのいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の銀ナノワイヤの製造方法。
- 前記溶液Bを前記溶液Aに添加する際の前記溶液Aの温度を70℃以上、かつ、前記1価のアルコールの沸点以下とした状態で、10分間以上保持することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の銀ナノワイヤの製造方法。
- 前記溶液Bの温度は、5〜50℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の銀ナノワイヤの製造方法。
- 前記ハロゲン化合物中のハロゲン元素と前記銀化合物中の銀とのモル比が0.01〜0.1であり、前記有機アミンと前記銀化合物中の銀とのモル比が0.5〜6.0であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の銀ナノワイヤの製造方法。
- 前記溶液Bを前記溶液Aに添加した後の溶液中の銀濃度は、0.04〜1mol/lであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の銀ナノワイヤの製造方法。
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