JP6264226B2 - 空気調和機の室外機 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和機の室外機に関する。
従来の空気調和機の室外機には、側面から空気を吸込んで冷媒と熱交換した後に天面から空気を吹出すものがある。この天面から空気を吹出す室外機は、ビルや商業施設などの屋上に設置され、複数の室内機と冷媒配管を介して接続される大型の室外機であり、略直方体形状の筐体と、筐体の内部に熱交換器、圧縮機、アキュムレータ、送風ファン、電装品箱等を備えている。
この天面から空気を吹出す室外機は、吸込口が筺体の両側面と背面に形成され、吹出口が筺体の天面に形成されている。筺体の吸込口側には、吸込口から吸込んだ空気と冷媒を熱交換する熱交換器が配置され、筺体の底面には、圧縮機やアキュムレータが配置されている。また、筺体の吹出口側には、吸込口から吸込み熱交換器で冷媒と熱交換した空気を吹出口から吹き出す送風ファンが配置されている。
この天面から空気を吹出す室外機としては、筐体の前面側には、圧縮機や送風ファンなどを制御するための電装部品が収納された電装品箱が配置され、この電装品箱には商用電源の電源電圧を変圧(降圧)するトランスが収納されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この電装品箱の位置は、吸込口と吹出口とを結ぶ送風路に露出し、送風路には天面の吹出口から雨水が浸入する可能性があるため、電装品箱には隙間をシール材で埋めるなどの雨水対策が施されている。
しかしながら、このような天面から空気を吹出す室外機において、商用電源の電源電圧が高くなると、トランスが大型化し重量物(例えば、5.5kg)となるため、このような大型のトランスが収納された電装品箱を筐体に取り付ける場合、電装品箱の総重量が重くなって電装品箱の取付け作業が困難になる。
そこで、電装品箱と大型のトランスを筐体に別々に取り付けることが考えられるが、大型のトランスも、電装品箱と同様に、吸込口と吹出口とを結ぶ送風路に露出させて配置するため、大型のトランスにも雨水対策が必要になる。この大型のトランスを取付ける位置は、筐体が大型化することがなく、熱交換器や圧縮機などの配置に影響を与えない場所が良いため、大型のトランスを電装品箱の背面に取付けることが考えられる。さらに、大型のトランスを電装品箱の背面に取付ける場合には、ネジなどの取付用の部材を用いると、電装品箱の背面に取付用の孔を形成する必要があり、電装品箱の内部に雨水が浸入しないように、電装品箱の背面にも雨水対策が必要になる。
特開2009−180388号公報
本発明は上記問題点に鑑み、大型のトランスを室外機に配置される電装品箱に取付ける場合、電装品箱と大型のトランスが雨水の影響を受けることがない空気調和機の室外機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の空気調和機の室外機は、箱状の筐体と、筐体の内部に電装品箱とトランスを備え、電装品箱の背面に固定される一対の背面固定具と、背面固定具に固定される固定具を有しトランスを搭載するトランスユニットとを設け、背面固定具は、電装品箱の背面に溶着され、トランスの取付用の部材が電装品箱の背面に突き当たらないように電装品箱との間に間隙を持たせるために断面台形状に形成され、固定具が固定されていることを特徴とする。
また、トランスユニットは、固定具に固定されトランスを覆って内部を密閉する箱状のカバーを備え、固定具は、カバーで覆われる部分とカバーで覆われていない部分を有し、カバーで覆われていない部分が背面固定具に固定されていることを特徴とする。
さらに、固定具は、カバーで覆われていない部分に手掛け用の孔を備えることを特徴とする。
本発明の空気調和機の室外機によれば、箱状の筐体と、筐体の内部に電装品箱とトランスを備え、電装品箱の背面に固定される一対の背面固定具と、背面固定具に固定される固定具を有しトランスを搭載するトランスユニットとを設け、背面固定具は、電装品箱の背面に溶着され、トランスの取付用の部材が電装品箱の背面に突き当たらないように電装品箱との間に間隙を持たせるために断面台形状に形成され、固定具が固定されていることにより、大型のトランスを室外機に配置される電装品箱に取付ける場合、電装品箱の内部への雨水の浸入を防ぐことができる。
また、トランスユニットは、固定具に固定されトランスを覆って内部を密閉する箱状のカバーを備え、固定具は、カバーで覆われる部分とカバーで覆われていない部分を有し、カバーで覆われていない部分が背面固定具に固定されていることにより、電装品箱とトランスユニットのいずれにおいても、別途、雨水対策を施す必要がなく、電装品箱とトランスユニットの内部への雨水の浸入を防ぐことができる。
さらに、固定具は、カバーで覆われていない部分に手掛け用の孔を備えることにより、手掛け用の孔に手を掛けてトランスユニットを持ち上げることができ、トランスユニットの背面固定具への取付けを容易に行うことができる。
本発明による空気調和機の室外機を示す外観斜視図である。 室外機の前面パネルを取外した状態を示す外観斜視図である。 室外機の送風ファンを中心にして見た断面図である。 室外機の前面パネルを取外して電装品箱を回動させた状態を示す外観斜視図である。 図4の電装品箱からトランスユニットを取外した状態を示す要部斜視図である。 図5に示すトランスユニットをA方向から見た要部斜視図である。 図5に示すトランスユニットを示す分解斜視図である。 図7に示す固定具にトランスを固定した状態を示す分解斜視図である。 図8に示す固定具にカバーを固定した状態を示す分解斜視図である。 室外機の電装品箱とトランスユニットを中心にして見た要部側面図である。 図4をA方向からトランスユニットを中心にして見た部分拡大側面図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1乃至図10は、本実施形態における空気調和機の室外機1を説明する図である。本実施形態における空気調和機の室外機1は、ビルや商業施設などの屋上に設置され、複数の室内機と冷媒配管を介して接続されるビル用マルチタイプの空気調和機に用いられる。本実施形態における空気調和機の室外機1では、側面の吸込口20から空気を吸込んで冷媒と熱交換した後に天面の吹出口13から空気を吹出す大型の室外機1を例に挙げて説明する。
空気調和機の室外機1は、図1乃至図3に示すように、筐体10と、筐体10の内部に収納された室外側冷媒回路3とを備えている。筐体10は、大型で縦長な略直方体形状であり、ベース11と、ベース11の四方の角部または角部付近にそれぞれ配置され上端から下端まで鉛直に延びる支柱12a〜12eと、支柱12a〜12eの上端に固定される吹出口13を備えた天板14と、前面側の支柱12aと支柱12dを連結する連結板15と、各支柱12a〜12eの上端を接続する4枚の連結パネル16からなる。ベース11の下面には、筐体10を設置場所に固定するための基礎脚11aが据え付けられている。これらは鋼板材をプレス加工して形成される。
前面側の支柱12aと支柱12dの間には前面側を覆う前面パネル17が取り付けられている。前面パネル17は、連結パネル16の下側に配置される上部前面パネル17aと、上部前面パネル17aの下側に配置される下部前面パネル17bとからなり、それぞれ支柱12aと支柱12dにネジで着脱自在に取り付けられ、図2に示すように設置時やメンテナンス時には取り外すことができる。
なお、以下、図1において前面パネル17のある側を前面とし、前面から見て支柱12a、支柱12bのある側を左側面とし、支柱12c、支柱12dのある側を右側面とし、支柱12bと支柱12cのある側を背面とし、天板14のある側を天面として説明する。
天板14の中央が開口された吹出口13はファンガード18で覆われている。吹出口13の内部には、図3に示すように、送風ファン19と送風ファン19を取り囲むベルマウス(図示省略)が配置されている。送風ファン19は連結パネル16に固定されたモータ支持台22に据付けられたファンモータ23により回転駆動される。また、支柱12aと支柱12b、支柱12bと支柱12c、支柱12cと支柱12dの間はそれぞれ吸込口20が形成されている。
図2に示すように、空気調和機の室外機の設置時やメンテナンス時に前面パネル17を取り外すと、筺体10の内部には、室外側冷媒回路3と、電装品箱4と、連結板15が現れる。
室外側冷媒回路3は、熱交換器31、圧縮機(図示省略)、圧縮機用アキュムレータ(図示省略)、オイルタンク(図示省略)、レシーバータンク(図示省略)、アキュムレータ32と、操作弁33などの部品およびこれらの部品を接続する冷媒配管(図示省略)等とからなる。熱交換器31は、ベース11上に背面と左右側面の三方の吸込口20に沿って設けられる。圧縮機と圧縮機用アキュムレータは、筺体10内の前面側に鋼板材を折り曲げ加工して形成した空間を圧縮機室35として形成し、その圧縮機室35の内部にそれぞれ配置されている。
上記の構成により、吸込口20と吹出口13を結ぶ送風路24が形成され、送風ファン19の回転により筺体10の三方の吸込口20から吸い込まれた空気は、送風路24を通る間に、熱交換器31で冷媒と熱交換し、筐体10のベルマウスと送風ファン19で上部に導かれ吹出口13から吹き出される。
電装品箱4は、前面側は前面パネル17の裏側で、背面側は送風路24に配置され、送風路24を通過する空気にさらされるようになっており、図2および図3に示すように、鋼板材を折り曲げ加工して形成した前面が開口された箱状の電装品箱本体40と、電装品箱本体40の前面の開口を塞ぐように取付けられた電装品箱蓋41とからなる。電装品箱本体40の左側面には作業者が電装品箱4を持つための把手42を備えている。
電装品箱4は、電装品箱本体40の右側面上端が連結パネル16に、右側面下端が連結板15に片持ちヒンジ25、26によって、それぞれ回動可能に軸支されており、図4に示すように、開き戸のように開閉するようになっている。これにより、筐体10内で電装品箱4の奥側に配置されている室外側冷媒回路3の各部品がメンテナンス可能となる。
図5に示すように、電装品箱本体40は、背面と左側面と右側面からなる背面板401と、四辺から下方にフランジがある箱型で背面板に被さる上面板402と、背面板401の左側面と右側面の内面に背面板401を補強するために固着される側面板(図示省略)とからなる。電装品箱蓋41は、背面板401に固着される側面板の前端の折り曲げられた部分にネジ止め固定されている。
電装品箱本体40の背面板401には、内面に圧縮機や送風ファン19などを制御するための各種の電装部品が取付けられている。電装品箱蓋41の下端側は、L字状に折り曲げられた折曲部(図示省略)に沿ってシール部材(図示省略)が貼り着けられ、シール部材が電装品箱4の下面開口から引き出されるケーブル(図示省略)に密着するため、ケーブルの隙間から虫や雨水などの侵入を防ぐ。
従来の空気調和機の室外機においては、電装品箱の内部に取付けられる電装部品の中に商用電源の電圧を変圧するトランスがある。本実施形態の空気調和機の室外機1においては、図7と図8に示すように、このトランスとして、例えば、商用電源の電源電圧460Vを電源電圧230Vに変圧(降圧)する大型のトランス72を用いており、このような大型のトランス72は重量物(例えば、5.5kg)となる。しかしながら、従来の空気調和機の室外機と同じように、内部に大型のトランス72を搭載した電装品箱4を筐体10に配置する場合、電装品箱4の総重量が非常に重くなって電装品箱4の取付け作業が困難になる。そこで、本実施形態の空気調和機の室外機1においては、電装品箱4と大型のトランス72を筐体10に配置する際、電装品箱4と大型のトランス72とを別々に取付けることができる構成になっている。
電装品箱本体40は、図3乃至図6に示すように、電装品箱本体40の背面板401にトランス72を搭載したトランスユニット7が取付けられている。電装品箱本体40の背面板401には、トランスユニット7を取付けるための左右一対の縦長形状の背面固定具6が固定されている。背面固定具6は、電装品箱本体40の背面板401に、電装部品のうちの発熱部品を冷却するヒートシンク5が配置されていない位置に固定されている。背面固定具6とトランスユニット7は、図3と図4に示すように、圧縮機室35の上方で室外側冷媒回路3の熱交換器31、アキュムレータ32よりも前方の位置にあり、周囲には圧縮機や操作弁33やファンモータ23と電装品箱4内の電装部品を接続するケーブル(図示省略)が納まっているだけで、熱交換器31や圧縮機などの部品の配置に影響を与えることがない。しかしながら、背面固定具6とトランスユニット7の位置は、吸込口20と吹出口13を結ぶ送風路24に存在し、天井の吹出口13から雨水が浸入する可能性があるため、電装品箱本体40の背面板401とトランスユニット7に対し、雨水対策が必要となる。
背面固定具6は、図5および図6に示すように、電装品箱本体40の背面板401に取付用の孔をあけずに電装品箱4内に雨水が浸入するのを防ぐため、電装品箱本体40の背面板401にスポット溶接により溶着されている。さらに、背面固定具6は、電装品箱本体40の背面板401に取付用の孔をあける替わりに、トランスユニット7が取付けられたとき、図11に示すように、トランスユニット7から突出するトランス取付用のネジ74や、トランスユニット7を背面固定具6に取付けるトランスユニット取付用のネジ75が、電装品箱本体40の背面板401の背面に突き当たらないように、電装品箱本体40の背面板401の背面との間に間隙Sを持たせるために断面台形状の板金製の部材になっている。この隙間Sの寸法は、固定具71の板厚や背面固定具6の板厚を、ネジ74のネジを切った軸部74aの長さL1、ネジ75のネジを切った軸部75aの長さL2から引いた寸法よりも大きい寸法に設定されている。背面固定具6は背面65と左側面66と右側面67と、左側面66から電装品箱本体40の背面板401の背面に沿って折れ曲がった左フランジ61と、右側面67から電装品箱本体40の背面板401の背面に沿って折れ曲がった右フランジ62とからなる。背面固定具6の背面65は、トランスユニット7を取付けるために、左側の背面固定具6の背面65には、少なくとも、逆L字形状の孔63が左辺に沿って形成され、また、右側の背面固定具6の背面65には、縦長矩形状の孔64が右辺に沿って形成されている。本実施形態における背面固定具6は、電装品箱本体40の背面板401の背面に、同一構造の背面固定具6を上下反転して左側用と右側用として固定できるように、背面固定具6の背面65には、逆L字形状の孔63と縦長矩形状の孔64とを交互に2カ所ずつ形成されている。なお、背面固定具6は、左右一対の縦長形状の背面固定具6を備えるようにしたが、上下一対の横長形状の背面固定具を備えるようにしてもよい。
以上説明してきた背面固定具6の左フランジ61と右フランジ62は、電装品箱本体40の背面板401の背面にスポット溶接により溶着されているため、電装品箱本体40の背面板401への背面固定具6の取付に際し、電装品箱本体40の背面板401にネジで取付けるための取付孔をあける必要がないので、電装品箱本体40の背面板401から電装品箱4内に雨水が浸入するのを防ぐことができる。また、背面固定具6は、電装品箱本体40の背面板401に取付用の孔をあける替わりに、トランスユニット7が取付けられたとき、トランスユニット7から突出するトランス取付用のネジ74やトランスユニット7を背面固定具6に取付けるトランスユニット取付用のネジ75が、電装品箱本体40の背面板401の背面に突き当たらないように、電装品箱本体40の背面板401の背面との間に間隙Sを持たせるために断面台形状に形成されている。なお、背面固定具6は、本実施形態では断面台形状に形成されているが、本発明はこれに限らず、背面固定具6は、トランスユニット7と電装品箱本体40の背面板401の背面との間に間隙Sを持たせることができれば、断面矩形状に形成されていてもよく、また、左側の背面固定具6と右側の背面固定具6は、それぞれが背面固定具6の背面65で2分割されていてもよい。
一方、トランスユニット7は、図6および図7に示すように、トランスユニット7内に雨水が浸入するのを防ぐため、大型のトランス72を覆って密閉される構造になっている。このトランスユニット7は、左側および右側の背面固定具6に固定される略正方形状の板金製の固定具71と、固定具71に固定される大型のトランス72と、固定具71に固定され、大型のトランス72を覆って内部を密閉する箱状の板金製のカバー73とからなる。トランスユニット7は、大型のトランス72はカバー73より外形寸法が小さく、カバー73は固定具71より外形寸法が小さいものになっており、カバー73の厚さは、例えば、0.8mmで、固定具71の厚さは、例えば、1.6mmになっている。
また、トランスユニット7は、大型のトランス72が重量物であるため、大型のトランス72が固定される固定具71と、固定具71に固定されるカバー73とを工夫することで、大型のトランス72の重量に耐えられる強度を持ちつつ、総重量が重くならないようにし、背面固定具6への取付け作業を容易に行えるようにしている。なお、以下の説明において、図7に示すように、固定具71の固定面71fの4辺を、左辺71f1、右辺71f2、上辺71f3、下辺71f4として説明する。すなわち、固定具71は、図6および図9に示すように、カバー73で覆われている部分71jとカバー73で覆われていない部分71kとを有し、カバー73で覆われていない部分71kには、左辺71f1から前面側に折れ曲がった逆L字状の一対の左固定片71aと、右辺71f2から前面側に折れ曲がった縦長矩形状の一対の右固定片71bと、右辺71f2から背面側に折れ曲がった右フランジ71cと、上辺71f3から背面側に折れ曲がった上フランジ71dと、下辺71f4から背面側に折れ曲がった下フランジ71eとを備える。固定具71は、右フランジ71cと上フランジ71dと下フランジ71eを、固定面71fの右辺71f2、上辺71f3および下辺71f4においてそれぞれ折り曲げ形成しているため、固定面71fに固定されるトランス72の重量に耐えられる強度に補強することができる。また、カバー73は、直接トランス72が固定されない部品であることから、固定具71の厚さよりも薄くすることによって、トランスユニット7の総重量(例えば、7.0kg)を軽くすることができる。さらに、カバー73で覆われていない部分71kに存在する左固定片71aと右固定片71bは、左側および右側の背面固定具6にトランスユニット7を取付ける際に用いられる。
また、固定具71は、図7に示すように、大型のトランス72の固定面71fに、大型のトランス72の台座72aの一辺の両側の角部72bと係合して大型のトランス72を位置決めするための一対の切欠きポケット71gを備える。固定具71の右フランジ71cおよび下フランジ71eは、カバー73の後述する右フランジ73bと下フランジ73dを当接させてカバー73を位置決めするためのフランジを兼ねている。また、カバー73で覆われていない部分71kに存在する固定具71の上フランジ71dは、中央に手掛け可能な手掛け用の孔71hが形成されている。この上フランジ71dに形成された手掛け用の孔71hに手を掛けることでトランスユニット7を持ち上げることができ、トランスユニット7の背面固定具6への取付け作業を容易に行うことができる。さらに、固定具71の下フランジ71eは、天面側に折れ曲がった先端部71iが形成されている。この先端部71iの形成により固定具71の下フランジ71eを筐体10の連結板15に弾性を持った状態で当接させて、電装品箱4とトランスユニット7の荷重の一部を連結板15で受けることができる。なお、固定具71は、切欠きポケット71gの替わりに、大型のトランス72の固定面71fに、大型のトランス72の台座72aの連続する2辺を当接させて大型のトランス72を位置決めするための複数のダボを備えてもよい。
カバー73は、背面73eと左側面73fと右側面73gと天面73hと底面73iとを有し、左側面73fから固定具71の左辺に向かって折れ曲がった左フランジ73aと、右側面73gから固定具71の右フランジ71cに向かって折れ曲がった右フランジ73bと、天面73hから固定具71の上フランジ71dに向かって折れ曲がった上フランジ73cと、底面73iから固定具71の下フランジ71eに向かって折れ曲がった下フランジ73dとを備える。このように、カバー73の左フランジ73a、右フランジ73b、上フランジ73cおよび下フランジ73dは、固定具71の左辺71f1、右フランジ71c、上フランジ71dおよび下フランジ71eよりも内側の位置にあり、カバー73でトランス72を覆ったとき、固定具71のトランス72の固定面71fに当接させることができるようになっている。カバー73は、これらの左フランジ73a、右フランジ73b、上フランジ73cおよび下フランジ73dを、固定具71のトランス72の固定面71fにシール部材(図示省略)を挟んで当接させて、固定具71に固定することで、トランス72を覆って内部を密閉することができ、トランスユニット7への雨水の浸入を防ぐことができる。
次に、以上のように構成されたトランスユニット7の組立について説明する。トランスユニット7の組立は、図7乃至図9に示すように、固定具71の左固定片71aと右固定片71bとを下側になるように、床面などの平坦面に固定具71を置く。その後、トランス72の台座72aの角部72bを固定具71の切欠きポケット71gに係合させ、トランス72を固定具71に位置決めし、トランス72をネジ(図示省略)で固定具71に取付ける。次に、カバー73によりトランス72を覆い、カバー73の右フランジ73bと下フランジ73dを、固定具71の右フランジ71cと下フランジ71eに当接させ、カバー73を固定具71に位置決めし、カバー73をネジ(図示省略)で固定具71の固定面71fに取付ける。このとき、例えば、カバー73の左フランジ73a、右フランジ73b、上フランジ73cおよび下フランジ73dと、固定具71の固定面71fとの間にシール部材を挟み込み、カバー73の上フランジ73cおよび下フランジ73dが固定具71の固定面71fにネジ止めされる。
組立てたトランスユニット7は、カバー73の下フランジ73dが固定具71の固定面71fにネジ止めされるため、カバー73の底面が固定具71の下フランジ71eと離れた位置になり、カバー73が、筐体10の連結板15に固定具71の下フランジ71eを当接させるときの妨げにならない。また、カバー73の上フランジ73cが固定具71の固定面71fにネジ止めされるため、カバー73の天面が固定具71の上フランジ71dと離れた位置になり、カバー73が、上フランジ71dの手掛け用の孔71hに手を掛けるときの妨げにならない。なお、トランス72に接続されたケーブル72cは、固定具71の固定面71fの左辺とカバー73の左フランジ73aとの間からシール部材に密着させた状態で引き出される。
次に、組立てたトランスユニット7の背面固定具6への取付について説明する。トランスユニット7の背面固定具6への取付は、図4に示すように、まず、電装品箱4を筐体10の前面側に回動し、電装品箱本体40の背面板401に固定された背面固定具6が見えるようにする。その後、図5と図6に示すように、床面などに置いたトランスユニット7を上フランジ71dの手掛け用の孔71hに下側から手を掛けて持ち上げた状態で、固定具71の左固定片71aを、左側の背面固定具6の背面に形成された逆L字形状の孔63の下端に引っ掛けて嵌合させる。次に、トランスユニット7が左側の背面固定具6に片持ち状態になっているため、トランスユニット7を右側の背面固定具6側に回動することで、固定具71の右固定片71bを、右側の背面固定具6の背面に形成された縦長矩形状の孔64に嵌合させる。次に、図11に示すように、固定具71をネジ75で左側および右側の背面固定具6に取付ける。このとき、固定具71のカバー73で覆われていない部分71k(例えば、固定具71の固定面71fの4つの角部)が、左側および右側の背面固定具6の背面65にネジ止めされる。
背面固定具6へ取付けられたトランスユニット7は、図11に示すように、大型のトランス72の取付用のネジ74や、トランスユニット72の取付用のネジ75が、固定具71から左固定片71aおよび右固定片71bの方向に外側に突出した状態になっている。しかしながら、固定具71は、背面65、左側面66および右側面67からなる断面台形状に形成された左側および右側の背面固定具6に、ネジ74の軸部74aの長さL1の寸法やネジ75aの軸部75aの長さL2の寸法から固定具71の板厚や背面固定具6の板厚を引いた寸法よりも大きい間隙Sの寸法を持たせた状態で取付けられているため、大型のトランス72の取付用のネジ74や、トランスユニット72の取付用のネジ75が、電装品箱本体40の背面板401の背面に突き当たることがない。このように、トランスユニット72は、電装品箱本体40の背面板401に取付用の孔が要らず、背面固定具6に取付けることができる。また、トランスユニット7の荷重は左右一対の背面固定具6で受けて電装品箱本体40の背面板401に対し分散することができ、大型のトランス72の重量に応じて電装品箱4の板厚を厚くすることなく、電装品箱4の強度を補強することができる。
次に、背面固定具6へ取付けられたトランスユニット7は、図2に示すように、筐体10の背面側に電装品箱4を回動させ、電装品箱4を筐体10の支柱12a、支柱12eにネジ(図示省略)で固定すると、図10に示すように、固定具71の下フランジ71eが筐体10の連結板15に当接し支持されるため、電装品箱4とトランスユニット7の荷重を連結板15で受けることができ、筐体10の支柱12a、支柱12eへの電装品箱4の固定状態を補強することができる。
以上説明してきた本実施形態による空気調和機の室外機1によれば、箱状の筐体10と、筐体10の内部に電装品箱4とトランス72を備え、電装品箱4の背面に固定される一対の背面固定具6と、背面固定具6に固定される固定具71を有しトランス72を搭載するトランスユニット7とを設け、背面固定具6は、電装品箱4の背面に溶着され、トランス72の取付用の部材が電装品箱4の背面に突き当たらないように電装品箱4との間に間隙Sを持たせるために断面台形状に形成され、固定具71が固定されていることにより、大型のトランス72を室外機1に配置される電装品箱4に取付ける場合、電装品箱4の内部への雨水の浸入を防ぐことができる。
また、トランスユニット7は、固定具71に固定されトランス72を覆って内部を密閉する箱状のカバー73を備え、固定具71は、カバー73で覆われている部分71jとカバー73で覆われていない部分71kを有し、カバー73で覆われていない部分71kが背面固定具6に固定されていることにより、電装品箱4とトランスユニット7のいずれにおいても、別途、雨水対策を施す必要がなく、電装品箱4とトランスユニット7の内部への雨水の浸入を防ぐことができる。さらに、固定具71は、カバー73で覆われていない部分71kに手掛け用の孔71hを備えることにより、手掛け用の孔71hに手を掛けてトランスユニット7を持ち上げることができ、トランスユニット7の背面固定具6への取付けを容易に行うことができる。
1 室外機
10 筐体
11 ベース
11a 基礎脚
12a〜12e 支柱
13 吹出口
14 天板
15 連結板
16 連結パネル
17 前面パネル
17a 上部前面パネル
17b 下部前面パネル
18 ファンガード
19 送風ファン
20 吸込口
22 モータ支持台
23 ファンモータ
24 送風路
25、26 片持ちヒンジ
3 室外側冷媒回路
31 熱交換器
32 アキュムレータ
33 操作弁
35 圧縮機室
4 電装品箱
40 電装品箱本体
401 背面板
402 上面板
41 電装品箱蓋
5 ヒートシンク
6 背面固定具
61 左フランジ
62 右フランジ
63 逆L字形状の孔
64 縦長矩形状の孔
65 背面
66 左側面
67 右側面
7 トランスユニット
71 固定具
71a 左固定片
71b 右固定片
71c 右フランジ
71d 上フランジ
71e 下フランジ
71f 固定面
71f1 左辺
71f2 右辺
71f3 上辺
71f4 下辺
71g 切欠きポケット
71h 手掛け用の孔
71i 先端部
71j カバー73で覆われている部分
71k カバー73で覆われていない部分
72 トランス
72a 台座
72b 角部
72c ケーブル
73 カバー
73a 左フランジ
73b 右フランジ
73c 上フランジ
73d 下フランジ
73e 背面
73f 左側面
73g 右側面
73h 天面
73i 底面
74、75 ネジ
74a、75a 軸部
S 隙間
L1 軸部74aの長さ
L2 軸部75aの長さ

Claims (3)

  1. 箱状の筐体と、前記筐体の内部に電装品箱とトランスを備え、
    前記電装品箱の背面に固定される一対の背面固定具と、前記背面固定具に固定される固定具を有しトランスを搭載するトランスユニットとを設け、
    前記背面固定具は、前記電装品箱の背面に溶着され、前記トランスの取付用の部材が前記電装品箱の背面に突き当たらないように前記電装品箱との間に間隙を持たせるために断面台形状に形成され、前記固定具が固定されていることを特徴とする空気調和機の室外機。
  2. 前記トランスユニットは、前記固定具に固定され前記トランスを覆って内部を密閉する箱状のカバーを備え、
    前記固定具は、前記カバーで覆われる部分と前記カバーで覆われていない部分を有し、前記カバーで覆われていない部分が前記背面固定具に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室外機。
  3. 前記固定具は、前記カバーで覆われていない部分に手掛け用の孔を備えることを特徴とする請求項2に記載の空気調和機の室外機。
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