JP6264194B2 - レーダ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、観測海域に周波数変調した送信波を送信し、その目標物による反射波を受信することで、海洋上に存在する目標物を検出するレーダ装置に関する。
周波数変調された送信波を送信し、その目標物からの反射波を使用して目標物の検出と測距を行なうFMCW(Frequency Modurated Continuous Wave)方式や、FMICW(Frequency Modurated Interrupted Continuous Wave)方式のレーダ装置では、送信波と反射波とを合成することで得られるビート信号を処理することにより、目標物の検出と距離の算出を行なう。送信波には周波数変調がされているため、送信波と反射波の間の時間遅れによって生じる周波数差により、ビート信号の周波数は、目標物までの距離に応じたものとなる。このため、このようなレーダ装置では、目標物が検出されるビート信号の周波数を測定することにより、目標物までの距離を算出する。また、ビート信号の信号強度は、反射波の信号強度と比例するため、反射波の強度が微弱な場合、ビート信号の強度も微弱なものとなる。FMCW方式やFMICW方式のレーダ装置は、同じビート信号の同じ周波数の成分を、送信波の周波数変調の周期にわたり集めて処理することができるため、短時間の信号であるパルスを使用するレーダ装置に比べ、微弱なビート信号からも目標検出を行なうことが可能である。このため、FMCW方式やFMICW方式のレーダ装置は、遠距離から到達する微弱な反射信号から目標物を検出することも可能である。この特徴を利用し、電波を反射する海水面を目標物とし、遠方の海洋上などの広範囲に存在する海水面から反射する反射波を受信することで、FMCW方式やFMICW方式のレーダ装置により海面の海水の流れや津波の観測を行ない、防災に関する情報を得ることができる。
レーダ装置により海面の海水の流れや津波の観測を行なう場合、電波の反射面である海水面の状況は、観測対象である海洋の現象のほか、気象や海底の地形などの条件によっても影響を受ける。このため、海水面の電波を反射する面積は様々なものとなり、電波を反射する面積に応じて反射波は様々な信号強度になる。また、防災に関する情報を得るために使用する場合、レーダ装置は、近距離から水平線以遠までの遠距離にわたる、広範囲を監視することに用いられることが多い。このため、受信される反射波は、目標物からの反射波の空間伝搬ロスの距離による違いにより、目標物が遠距離の場合は信号強度が弱く、目標物が近距離では信号強度が強く、目標物の距離により変動する。目標物の電波を反射する面積の違いと目標物までの距離の違いとにより、海洋上で防災に関する情報を得るために使用されるレーダ装置は、信号強度のばらつきが大きい反射波を受信し、分析することが要求される。また、防災に関する情報を得る場合、災害に対する対応に十分な時間を確保するため、津波などの災害となる現象が遠方にあるうちから探知することが必要である。さらに、海洋の状態を監視する手段として、遠距離を監視できるセンサは、他に無いことから、防災に使用するレーダ装置においては、遠距離における海洋の現象を正確に検出することは、特に重要である。このため、レーダ装置は、目標物の距離が遠方であるほど、より信号強度のばらつきが大きい反射波を受信し分析する、ダイナミックレンジの広いものであることが要求される。
従来のレーダ装置では、広いダイナミックレンジを実現するために、分析するビート信号を周波数フィルタにより周波数ごとに分割し、限られた距離の信号毎に分割して扱う例がある(例えば、特許文献1参照)。限られた距離毎の信号に分割されたビート信号は、目標物までの距離の違いにより生じる、反射波の空間伝搬ロスの距離による違いが低減され、分割される前のビート信号に比べて信号強度のばらつきは、相対的に狭いものとなる。このため、ビート信号全体を受信する構成に比べて、ダイナミックレンジの狭い受信器で受信することが可能になる。この構成では、レーダ装置は、ビート信号を周波数フィルタにより周波数ごとに分割し、分割した周波数毎にダイナミックレンジの狭い受信器により、必要な周波数範囲と信号強度の範囲の信号を受信する。
また、従来のレーダ装置において、広いダイナミックレンジを実現するための他の構成としては、信号強度の強いレーダ信号を受信する低利得系と、信号強度の弱いレーダ信号を受信する高利得系の2つの受信系統で受信を行い、1つの受信器で受信する場合に比べ、広いダイナミックレンジを得ている例がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−237268号公報(第32〜42段落、図6) 特開2008−72506号公報(第13〜20段落、図1)
吉田孝監修、「改訂レーダ技術」、電子情報通信学会編、平成8年10月1日発行(pp273−275)
特許文献1のように、レーダ装置により目標物を検出する際に、分析するビート信号を周波数フィルタにより周波数ごとに分割し、限られた距離の信号毎に分割して受信する方法では、周波数フィルタにより区切られたそれぞれの周波数で、ダイナミックレンジの狭い受信器を使用する。このため、防災に使用するレーダ装置に適用しようとすると、遠方の目標物の探知において、十分に広いダイナミックレンジが得られない可能性があるという問題点があった。また、受信信号を周波数ごとに分割するため、監視しようとする距離範囲全体を同時に監視することができなくなるという問題点があった。
また、一般に、レーダ装置の受信器に用いられる増幅器に入力される、信号の合計の電力が十分大きなものであることにより増幅器が飽和すると、増幅器の増幅率が低下したり、入力信号の増幅出力とともに、入力には無い周波数の混変調による信号が出力されたりするなどの現象が発生する。このため、帯域幅を持つ信号強度の強い信号や、帯域幅が狭い場合でも、特定の周波数に甚だしく信号強度が集中している信号が存在すると、増幅器の出力については、目標物からの反射信号に対する増幅率が低下したり、目標物からの反射信号の周辺の周波数に混変調によるノイズ状の信号出力が発生したりする。この、目標信号の増幅率の低下や、ノイズ状の信号出力の発生は、レーダ装置での、目標物の検出を困難にする。海洋上の目標物を検出するレーダ装置では、近距離の海面からの強度の強い反射信号が常にノイズとして増幅器に入力している。この近距離の海面からの反射信号は、上記のような、増幅器に対する、帯域幅を持つ信号強度の強い信号となる。このため、増幅器の増幅率が低下したり、増幅器の出力の、目標物からの反射信号の周波数付近に混変調によるノイズ状の信号出力が発生したりする原因となり、レーダ装置での目標物の検出を困難にする。
このことから、特許文献2のように、低利得系と高利得系の2系統の受信器で受信することにより広いダイナミックレンジを得る方法を適用する場合、近距離の海面からの強度の強いノイズ状の反射信号により、高利得系の受信器については信号の検出が困難になり、広いダイナミックレンジを得ることが困難になるという問題点があった。
本発明は、上記の問題点を解決する為のもので、広い距離範囲について同時に監視が可能で、広いダイナミックレンジを持つレーダ装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係るレーダ装置は、周波数変調した変調信号とこの変調信号を基にした送信波の目標物からの反射を受信した受信信号とが入力され、前記目標物との間の距離に対応した周波数のビート信号を生成するミクサと、このミクサの出力が分岐され、一方の分岐出力から出力されるビート信号の少なくとも前記目標物との間の所定の距離範囲に対応する周波数の成分を除去する周波数成分除去手段と、この周波数成分除去手段から出力されるビート信号を増幅する第1の増幅器と、前記ミクサの他方の分岐出力から出力されるビート信号を、前記第1の増幅器に比べて低い利得で増幅する第2の増幅器と、前記第1の増幅器および前記第2の増幅器から出力されるビート信号を分析し、前記第2の増幅器から出力されるビート信号から前記所定の距離範囲の目標物を検出し、前記第1の増幅器および前記第2の増幅器から出力されるビート信号から前記所定の距離範囲以外の距離にある目標物を検出する信号処理器とを備え、前記ビート信号には前記目標物からの反射のほかにノイズも含まれ、前記周波数成分除去手段は、前記ノイズの信号強度が前記第1の増幅器の飽和レベルに達する範囲を前記所定の距離範囲とするようにしたものである。
この発明に係るレーダ装置は、所定の周波数範囲を除くビート信号を増幅する第1の増幅器と、ビート信号全体の周波数範囲を増幅する第2の増幅器とにより増幅した信号から信号検出器で目標を検出するため、広い距離範囲について同時に監視が可能である。また、信号強度の強い反射波が入力される周波数範囲については、周波数成分除去手段により第1の増幅器の入力から除去することで第1の増幅器の飽和を回避するため、第1の増幅器と第2の増幅器とにより、広いダイナミックレンジを得ることができる。このため、広い距離範囲について同時に監視が可能で、広いダイナミックレンジを持つレーダ装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の距離測定の原理を表す図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の距離測定の原理を表す図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置のビート信号の周波数と信号強度との関係を表す図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の高利得系および低利得系が処理するビート信号の信号強度を表す図である。 この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の高利得系および低利得系が処理するビート信号の信号強度を表す図である。 この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の高利得系および低利得系が処理するビート信号の信号強度を表す図である。 この発明の実施の形態3に係るレーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態3に係るレーダ装置の高利得系および低利得系が処理するビート信号の信号強度を表す図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すとおり、実施の形態1に係るレーダ装置は、送信器1、送信アンテナ2、複数の受信アンテナ3、受信器4、信号処理器5、および表示器6を備えている。この構成により、実施の形態1に係るレーダ装置は、周波数変調された変調波を送信器1で増幅して送信波とし、この送信波を送信アンテナ2により海洋上の空間に送信する。レーダ装置は、FMCW又は、FMICW方式を用いるが、FMCW方式の場合は、送信機1は、変調波を連続的に増幅して送信し、FMICW方式の場合は、送信機1は、変調波を断続的に増幅して送信する。レーダ装置は、送信波が目標物により反射した反射波を複数の受信アンテナ3で受信した受信信号を受信器4で増幅及び信号変換し、信号変換された反射波から、信号処理器5で目標物からの反射信号を検出し、検出した結果を表示器6で表示する。
受信器4は、信号発生器11と、複数の受信処理器12とを備えている。信号発生器11は、送信器1と複数の受信処理器12に、周波数変調した変調信号を供給している。送信器1に供給された変調信号は、前述の通り、送信器1で増幅されて送信波とされ、送信アンテナ2により海洋上の空間に送信される。複数の受信処理器12に供給された変調信号は、ビート信号を生成するために使用される。受信処理器12は、受信アンテナ3と同数存在し、それぞれが受信アンテナ3の一つ一つに接続し、受信アンテナ3で受信した受信信号から生成したビート信号を低利得系、高利得系の受信系に分けて増幅し、信号変換し、その結果を受信系毎に出力する。それぞれの受信処理器12は、変調信号と受信信号からビート信号を生成するミクサ13、ビート信号を低利得系と高利得系に分岐させる分配器14、低利得系のビート信号を処理する減衰器15、増幅器16、AD変換器17、ならびに高利得系のビート信号を処理するバンドリジェクションフィルタ18、減衰器19、増幅器20、AD変換器21を備えている。
それぞれの受信処理器12では、ミクサ13が、受信アンテナ3で受信された受信信号を、信号発生器11から供給される変調信号と合成してビート信号を生成する。ミクサ13の出力は、分配器14で2分岐される。2分岐された一方に接続する高利得系では、ビート信号は、バンドリジェクションフィルタ18により所定の周波数成分が除去され、増幅器20に入力される信号強度が減衰器19により調整され、増幅器20で増幅された後、AD変換器21でデジタル信号に変換される。2分岐された他方に接続する低利得系では、ビート信号は、増幅器16に入力される信号強度が減衰器15により調整され、増幅器16で増幅された後、AD変換器17でデジタル信号に変換される。
信号処理器5は、受信器4のそれぞれの受信処理器12が出力する高利得系の出力を目標物の方位、距離、ドップラで分離する信号分析器32と、受信器4のそれぞれの受信処理器12が出力する低利得系の出力を目標物の方位、距離、ドップラで分離する信号分析器31と、信号分析器31、32の出力より目標物からの反射波を検出する目標検出器33を備えている。
信号分析器32は、DBF処理37、距離分離処理38、ドップラ処理39を備え、複数の受信処理器12の高利得系のビート信号の出力を集め、ビート信号を、電波を反射する目標物の方位、距離、ドップラで分離する。DBF処理37は、DBF(Digital Beam Forming)処理により、ビート信号を受信アンテナ3からの方位毎に分離する。ビート信号の周波数は、目標物の距離に対応したものである。このため、距離分離処理38は、方向毎に分離されたビート信号を、FFTなどにより周波数で分離する。これは、目標物からの反射波を距離ごとに分離することに相当する。ドップラ処理39では、DBF処理37および距離分離処理38により方位、距離ごとに分離されたビート信号の時間変化を分析し、ドップラ周波数を求めることで、目標物の速度を算出する。
信号分析器31は、DBF処理34、距離分離処理35、ドップラ処理36を備え、複数の受信処理器12の低利得系から出力されるビート信号の出力を集め、ビート信号を、電波を反射する目標物の方位、距離、ドップラで分離する。DBF処理34は、DBF(Digital Beam Forming)処理により、ビート信号を受信アンテナ3からの方位毎に分離する。ビート信号の周波数は、目標物の距離に対応したものである。このため、距離分離処理35は、方向毎に分離されたビート信号を、FFTなどにより周波数で分離する。これは、目標物からの反射波を距離ごとに分離することに相当する。ドップラ処理36では、DBF処理34および距離分離処理35により方位、距離ごとに分離されたビート信号の時間変化を分析し、ドップラ周波数を求めることで、目標物の速度を算出する。DBF処理34、距離分離処理35、ドップラ処理36の構成は、低利得系のビート信号の出力を処理すること以外は、信号分析器32におけるDBF処理37、距離分離処理38、ドップラ処理39と同様である。
目標検出器33は、信号分析器32が出力する、目標物の方位、距離、ドップラで分離された高利得系のビート信号と、信号分析器31が出力する、目標物の方位、距離、ドップラで分離された低利得系のビート信号から、それぞれ目標を検出し、検出した目標を表示するためのデータを表示器6に出力する。
次に、動作について説明する。図2および図3は、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の距離測定の原理を表す図である。図2(a)は、レーダ装置をFMCW方式としたときの、信号発生器11が発生させる変調信号の周波数の時間変化の例を示す。FMCW方式のレーダ装置では、送信器1は、図2(a)の信号発生器11が発生させる信号をそのまま増幅し、送信する。このため、送信器1の送信波形もまた、図2(a)で表す通り、変調信号と同様である。
信号発生器11は、掃引時間Tごとに掃引周波数幅Bの周波数範囲を繰り返し掃引し、図2(a)に示すように周波数変調した変調信号を発生させる。信号発生器11が発生させた変調信号は、送信器1で増幅され、送信アンテナ2より送信波として空中に送信される。他方、信号発生器11が発生させた変調信号は、受信器4の各受信処理器12のミクサ13に入力され、受信アンテナ3から入力される受信信号と合成される。
図2(b)は、反射波が受信器4のそれぞれの受信処理器12に入力する受信信号と、信号発生器11が発生している変調信号の関係を表す。目標物からの反射波は、電波が目標物までの距離Rを往復する時間Tだけ遅れる。送信信号が周波数変調を行っている場合、図2(b)のように、反射波による受信信号が送信信号に対して時間T遅れることにより、変調信号と受信信号との間に周波数差Δfが発生する。このため、目標物までの距離Rは、次の式(1)で表すことができる。但し、式(1)において、Cは光速を表す。
Figure 0006264194
式(1)からもわかる通り、本発明の実施の形態1に係るレーダ装置では、反射波の受信信号と変調信号の周波数差から、電波を送信してから受信するまでに要した時間を算出し、これにより目標物までの距離を算出する。このため、図1に示すレーダ装置では、信号発生器11で発生した変調信号と、受信アンテナ3から入力される受信信号を、各受信処理器12のミクサ13で合成する。ミクサ13の出力であるビート信号は、図2(b)に示した原理により、反射波を反射する目標物までの距離に対応した周波数の信号となる。
ところで、図2(a)で示すFMCW方式のように、レーダ電波を連続的に送信する場合、送信アンテナ2と受信アンテナ3の間のアイソレーションが十分でないと、送信アンテナ2が送信する電波が直接受信アンテナ3に回り込み、反射波を受信する上で、障害となることがある。FMCW方式のこのような課題を解決するため、FMICW方式では、送信と受信の時間を分け、送信アンテナ2から直接受信アンテナ3に回りこむ電波を受信しないようにする。図3(a)に、FMICW方式のレーダ装置の変調信号の波形と送信波の波形を示す。FMICW方式の場合、図3(a)のように、変調信号の波形を一定時間ごとに区切り、断続的に送信を行い、送信アンテナ2により送信を行う送信時間、送信アンテナ2からの送信を行わず、受信アンテナ3による受信のみを行なう受信時間を交互に繰り返す。
図3(b)は、FMICW方式において、反射波が受信器4のそれぞれの受信処理器12に入力する受信信号と、信号発生器11が発生している変調信号との関係を表す。FMICW方式においても、目標物からの反射波は、電波が目標物までの距離Rを往復する時間Tだけ遅れる。FMICW方式においても、反射波による受信信号が変調信号に対して時間T遅れることにより、変調信号と反射信号との間に周波数差Δfが発生する。このため、目標物までの距離Rは、FMCW方式と同様、式(1)で表すことができる。FMICW方式では、受信時間に受信アンテナ3から入力される反射波から、各受信処理器12のミクサ13でビート信号を合成し、反射波を反射する目標物までの距離に対応した周波数の信号を得る。
図4は、ミクサ13で生成されるビート信号の周波数と信号強度の概念図である。図4は、前述のFMCW方式、FMICW方式に共通である。斜線部が、ビート信号の周波数と信号強度の取りうる範囲である。式(1)のとおり、ビート信号の周波数は、反射する目標物からの距離に対応し、目標物の距離が遠くなると、ビート信号の周波数が高くなり、目標物の距離が近くなると、ビート信号の周波数が低くなる。また、ビート信号の信号強度は、反射波の信号強度に対応する。反射波は、反射波が空間を伝搬する伝搬ロスにより、目標物までの距離が遠くなるほど、伝搬ロスは大きくなり信号強度は弱くなり、目標物までの距離が近くなるほど、伝搬ロスは小さくなり信号強度は強くなる。このような反射波の信号強度に対応し、図4に示すように、ミクサ13で生成されるビート信号の信号強度は、ビート信号の周波数が高くなるほど信号強度は弱くなり、ビート信号の周波数が低くなるほど信号強度は強くなる。
海洋上でレーダを使用する場合、常に海水面は電波を反射するため、ビート信号には、船舶や、観測対象である海洋の現象などの目標物からの反射のほか、各周波数において、常に海面クラッタなどの地表からのノイズを含む。ミクサ13で生成されるビート信号の信号強度は、目標物による反射信号のレベルも、地表からのノイズのレベルも同様に、電波が反射する距離に従い、ビート信号の周波数が高くなるほど信号強度は弱くなり、ビート信号の周波数が低くなるほど信号強度は強くなる。
また、ビート信号の強度は、目標物までの距離が同じであっても、目標物の反射面積の違いや反射物の向きによる変動などのため、変動する。図4では、ビート信号の変動の上限を最高信号強度として示している。これに対し、図4に示す最低信号強度については、ビート信号に含まれる、ノイズの強度をもとに決められる。レーダ装置では、目標物からの反射信号であっても、ノイズに埋もれた信号の検出は困難である。このため、最低信号強度は、ノイズレベル又は、ノイズレベルから一定レベル強い信号強度等を基準とした強度に定められる。受信処理器12は、ビート信号の周波数範囲内での信号強度の下限から、ビート信号の周波数範囲内での信号強度の上限までの強度範囲の信号を受信する。目標の信号も、ノイズも、そのレーダ装置からの距離による伝搬ロスの影響を同様に受けるため、それぞれの周波数における受信対象の信号の強度は、図4にAで示す幅となる。
図5に、ビート信号の信号強度と、受信処理器12の低利得系と高利得系のそれぞれの処理する信号強度を表す。一般に増幅器は、入力される信号に対して増幅を行なうことのできるダイナミックレンジが限られている。増幅器に入力する信号の信号強度が強まり、増幅器ごとの飽和レベルに近づくにつれ、増幅器の出力は頭打ちとなり、飽和する。入力信号の信号強度の範囲が、増幅器のダイナミックレンジ以上の広がりを持つ場合は、増幅器を信号強度に合わせて複数使用するなどの構成が必要となる。このため、実施の形態1に係るレーダ装置では、図5のBに示す信号範囲を増幅器20で増幅する高利得系と、図5のCで示す信号範囲を増幅器16で増幅する低利得系との2つの受信系によりビート信号の増幅を行なう。
高利得系は、遠方における信号強度の弱い目標からの反射波を検出することを目的とする。このため、高利得系の増幅器20は、その飽和レベル以下の、ビート信号の信号強度の下限を含む信号強度の範囲を高い利得で増幅する。低利得系は、高利得系では受信不可能な、信号強度の強い、目標からの反射波を検出することを目的とする。このため、低利得系の増幅器16は、増幅器20が飽和する信号強度の信号も増幅する。増幅器16は、ビート信号の信号強度の上限を含む信号強度の範囲を高利得系に比べて低い利得で飽和せずに増幅する。増幅器16と増幅器20により、連続した信号強度のビート信号を増幅できるようにする為、増幅器16が増幅するビート信号の強度の範囲と、増幅器20が増幅するビート信号の強度の範囲は、重複するように設計することが望ましい。
ビート信号は、近距離にある目標からの反射波に対応する周波数の低い範囲では、その信号強度が増大する。図5のDに示す周波数fは、近距離からのノイズのレベルが増幅器20の飽和レベルに達する距離を表す。周波数がf以下の周波数範囲には、近距離の海面からの反射波によるノイズが、増幅器20の飽和レベル以上の信号として常に存在する。このため、高利得系にあるバンドリジェクションフィルタ18は、f以下の周波数範囲の、増幅器20を飽和させる信号を除去することにより、増幅器20が飽和することを防止する。
この構造により、周波数がf以上となる成分を含むビート信号は、高利得系、低利得系それぞれで次のように処理される。高利得系では、ビート信号から増幅器を飽和させる成分がバンドリジェクションフィルタ18により除去され、増幅器20により増幅され、信号分析器31で方位、距離、ドップラごとに分離された信号が、目標物を検出するため、目標検出器33に出力される。低利得系では、増幅器16により増幅され、信号分析器32で方位、距離、ドップラごとに分離され信号が、目標物を検出するため、目標検出器33に出力される。このため、ビート信号の、周波数がf以上となる成分については、目標検出器33では、高利得系、低利得系の両方の受信系で処理した信号から目標を検出することにより、広いダイナミックレンジを得ることができる。目標検出器33は、目標物からの信号レベルが低い場合は高利得系から、目標物からの信号レベルが高利得系の飽和レベルをこえる場合は、低利得系からそれぞれ目標物を検出する。
また、周波数がfより低いビート信号の成分については、高利得系の対象とする信号強度の信号は存在しないため、低利得系で増幅器16により増幅された信号がそれぞれ信号分析器31で方位、距離、ドップラごとに分離された信号が、目標物を検出するため、目標検出器33に出力される。このため、ビート信号の、周波数がfより低い成分については、目標検出器33では、低利得系の受信系で処理した信号から目標を検出することにより、高利得系では飽和レベルであるビート信号から目標を検出し、必要なダイナミックレンジを得ることができる。目標検出器33は、常に目標物からの信号レベルが高利得系の飽和レベルをこえるため、低利得系から目標物を検出する。
なお、上記説明では、バンドリジェクションフィルタ18は、図5のDに示すように、周波数がfより低いビート信号の成分を除去するよう構成したが、増幅器16が増幅するビート信号の強度の範囲と、増幅器20が増幅するビート信号の強度の範囲が重複するように設計されている場合は、Dに示すように、低利得系の信号強度の下限が低利得系の最低信号強度と一致する、周波数がfより低いビート信号の成分を除去するように構成しても良い。このように設定しても、f>fであるため、高利得系への入力から、高利得系を飽和させるノイズがバンドリジェクションフィルタ18により除去され、また、目標を検出する周波数範囲全体にわたり、高利得系および低利得系によりビート信号の信号強度の範囲を全て増幅でき、必要なダイナミックレンジを得る事ができる。
以上により、本発明の実施の形態1に係るレーダ装置は、周波数がfより低い、近距離の目標物からの信号に対しては、低利得系の増幅器16の増幅する信号から目標物を検出することにより、所要のダイナミックレンジを得ることができる。また、周波数がf以上となる、遠距離の目標物からの信号に対しては、バンドリジェクションフィルタ18により高利得系の飽和を回避した増幅器20が増幅する信号と低利得系の増幅器16が増幅する信号とから目標物を検出することにより、所要のダイナミックレンジを得ることができる。このため、本発明の実施の形態1に係るレーダ装置は、周波数がfより低い、近距離の目標物からの信号と、周波数がf以上となる、遠距離の目標物からの信号とを上記のように受信する構成により、広い距離範囲について同時に広いダイナミックレンジで目標物を監視することができる。
また、上記の、本発明の実施の形態1に係るレーダ装置では、高利得系について、バンドリジェクションフィルタ18により、近距離からの信号強度の強い反射を除去する構成としたが、バンドリジェクションフィルタ18の替わりに、ハイパスフィルタを使用することにより、近距離からのノイズを除去する構成としても良い。
実施の形態2.
位置を固定して使用する固定型のレーダ装置などでは、レーダ装置の覆域内に島や構造物などの大型の反射物が存在する場合、大型の反射物からの反射信号によっても、高利得系の増幅器が飽和することがある。実施の形態2では、このような大型の反射物からの反射信号による高利得系の飽和を回避する構成を示す。
図6は、この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。図6に示すとおり、実施の形態2に係るレーダ装置は、送信器1、送信アンテナ2、複数の受信アンテナ3、受信器4a、信号処理器5、および表示器6を備えている。図6に示すレーダ装置の図1の構成との違いは、受信器4の代わりに受信器4aを備えることであり、送信器1、送信アンテナ2、複数の受信アンテナ3、信号処理器5、および表示器6については同様であるため、説明を省略する。
受信器4aは、信号発生器11と、複数の受信処理器12aとを備えている。それぞれの受信処理器12aでは、図1における受信処理器12と同様、ミクサ13の出力は、分配器14で2分岐され、それぞれの分岐は、低利得系と高利得系に接続される。受信処理器12aでは、高利得系の構成が図1における受信処理器12と異なり、高利得系のビート信号を処理するバンドリジェクションフィルタ18、減衰器19、増幅器20、AD変換器21に加え、バンドリジェクションフィルタ18xを備えている。バンドリジェクションフィルタ18は、前述の通り、ビート信号から近距離からのクラッタを除去するものであるのに対し、バンドリジェクションフィルタ18xは、ビート信号から大型の反射物の反射信号を除去するものである。
図7に、ビート信号の信号強度と、受信処理器12aの低利得系と高利得系のそれぞれの処理する信号強度を表す。図7に示すように、近距離からのノイズの他に、島や構造物などの大型の反射物からの、甚だしく信号強度が集中する反射信号がEのように存在する場合、Eの部分の合計電力により、高利得系が常に飽和する。島や構造物などの大型の反射物のレーダ装置からの距離は常に一定であるため、Eの部分の信号は、当該の反射物とレーダ装置との間の距離に該当するfからfの範囲の周波数成分となる。このため、ビート信号からfからfの範囲の周波数成分を除去するバンドリジェクションフィルタ18xにより大型の反射物からの信号であるEの部分の信号を除去することにより、増幅器20が飽和することを防止する。
以上により、本発明の実施の形態2に係るレーダ装置は、島や構造物などの大型の反射物からの反射信号により高利得系を飽和させる信号入力が有る場合も、バンドリジェクションフィルタ18に加えて大型の反射物の距離に該当する周波数成分を除去するバンドリジェクションフィルタ18xを使用し高利得系の飽和を回避した増幅器20が増幅する信号と低利得系の増幅器16が増幅する信号とから目標物を検出することにより、所要のダイナミックレンジを得ることができる。
なお、図6では、高利得系を飽和させる信号入力として、近距離からのノイズおよび、大型の反射物からの反射信号の両方がある場合のレーダ信号の構成を示したが、例えば、レーダ装置が目標物を観測する距離範囲が狭く、図8の様に、大型の反射物からの反射信号のみが高利得系を飽和させる場合は、図6におけるバンドリジェクションフィルタ18を用いず、バンドリジェクションフィルタ18xのみによりビート信号から飽和レベルの信号を除去する構成としても良い。
実施の形態3.
実施の形態1、2では、高利得系と低利得系の2つの受信系により必要なダイナミックレンジを得る構成だが、レーダ装置が目標物を観測する距離範囲が広く、より高利得で増幅することが必要な信号も受信する必要等により、ダイナミックレンジが更に広くなり、2つの受信系のみでは、十分でない場合がある。そのような場合は、3つ又はそれ以上の受信系により必要なダイナミックレンジを得る構成とすることができる。
図9は、この発明の実施の形態3に係るレーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。図9に示すとおり、実施の形態3に係るレーダ装置は、送信器1、送信アンテナ2、複数の受信アンテナ3、受信器4b、信号処理器5a、および表示器6を備えている。図9に示すレーダ装置の図1や図6の構成との違いは、受信器4や4aの代わりに受信器4bを備え、信号処理器5の代わりに信号処理器5aを備えることであり、送信器1、送信アンテナ2、複数の受信アンテナ3、および表示器6については同様であるため、説明を省略する。
受信器4bは、信号発生器11と、複数の受信処理器12bとを備えている。それぞれの受信処理器12bでは、ミクサ13の出力は、分配器14aで3分岐され、それぞれの分岐は、高利得系1、高利得系2、および低利得系に接続される。高利得系1は、バンドリジェクションフィルタ18a、減衰器19a、増幅器20a、AD変換器21aを備え、高利得系2は、バンドリジェクションフィルタ18b、減衰器19b、増幅器20b、AD変換器21bを備え、低利得系は、減衰器15、増幅器16、AD変換器17を備えている。
信号処理器5aは、受信器4bのそれぞれの受信処理器12bが出力する高利得系1の出力を目標物の方位、距離、ドップラで分離する信号分析器32a、受信器4bのそれぞれの受信処理器12bが出力する高利得系2の出力を目標物の方位、距離、ドップラで分離する信号分析器32b、受信器4bのそれぞれの受信処理器12bが出力する低利得系の出力を目標物の方位、距離、ドップラで分離する信号分析器31、および信号分析器31、32a、32bの出力より目標物からの反射波を検出する目標検出器33aを備えている。
図10に、ビート信号の信号強度と、受信処理器12bの低利得系と高利得系のそれぞれの処理する信号強度を表す。高利得系1は、信号強度の下限付近を含む、レベルの低い信号を処理するものであり、図10のB1に示す信号範囲を増幅器20aで増幅する。高利得系2は、高利得系1で飽和する信号を処理するものであり、図10のB2に示す信号範囲を増幅器20bで増幅する。低利得系は、高利得系1および高利得系2で飽和する信号レベルから、ビート信号の信号強度の上限を含む信号を処理するものであり、図10のCで示す信号範囲を増幅器16で増幅する。増幅器16と増幅器20aと増幅器20bにより、連続した信号強度のビート信号を増幅できるようにする為、増幅器20aが増幅するビート信号の強度の範囲と、増幅器20bが増幅するビート信号の強度の範囲、増幅器20bが増幅するビート信号の強度の範囲と、増幅器16が増幅するビート信号の強度の範囲は、重複するように設計することが望ましい。これら3つの受信系により、B1、B2、Cをあわせたダイナミックレンジを得ることができる。
図10のD2に示す、周波数がf以下の周波数範囲には、近距離の海面などの地表からの反射によるノイズのビート信号が、増幅器20aに対する、帯域幅を持つ信号強度の高い信号として常に存在する。このため、高利得系1にあるバンドリジェクションフィルタ18aは、f以下の周波数範囲の、増幅器20aを飽和させる信号を除去することにより、増幅器20aが飽和することを防止する。
図10のD3に示す、周波数がf以下の周波数範囲には、近距離の海面などの地表からの反射によるノイズのビート信号が、増幅器20bに対する、帯域幅を持つ信号強度の高い信号として常に存在する。このため、高利得系2にあるバンドリジェクションフィルタ18bは、f以下の周波数範囲の、増幅器20bを飽和させる信号を除去することにより、増幅器20bが飽和することを防止する。
なお、上記の説明では、高利得系1、高利得系2、低利得系の3つの受信系により受信処理器を構成する例を示したが、必要なダイナミックレンジが、3つの受信系で得られるダイナミックレンジ以上の場合は、更に、高利得系2で飽和する信号を処理する高利得系3を、低利得系との間に設け、対応する高利得系3の信号分析器を設けるように構成しても良い。このようにして、必要なダイナミックレンジが得られるまで、高利得系nで飽和する信号を処理する高利得系n+1を追加し、高利得系1〜n+1、低利得系の合計n+2の受信系により受信処理器を構成し、対応するn+2の信号分析器により信号処理器を構成することにより、必要なダイナミックレンジを得ることができる。
以上により、本発明の実施の形態3に係るレーダ装置は、レーダ装置が目標物を観測する距離範囲が広いなどにより、2つの受信系のみでは、十分なダイナミックレンジが得られない場合でない場合について、3つ又はそれ以上の受信系を用いて必要なダイナミックレンジを得ることができる。実施の形態3に係るレーダ装置は、1つの低利得系と2つまたはそれ以上の、互いに異なる信号レベルのビート信号を受信する高利得系を含む構成とし、それぞれの高利得系を飽和させる周波数成分を、それぞれの高利得系のバンドリジェクションフィルタ18により除去することにより、増幅器の飽和を回避する。
1 送信器
2 送信アンテナ
3 受信アンテナ
4、4a、4b 受信器
5、5a 信号処理器
6 表示器
11 信号発生器
12、12a、12b 受信処理器
13 ミクサ
14、14a 分配器
15、19、19a、19b 減衰器
16、20、20a、20b 増幅器
17、21 AD変換器
18、18a、18b、18x バンドリジェクションフィルタ
31 信号分析器(低利得系)
32、32a、32b 信号分析器(高利得系)
33、33a 目標検出器
34、37、37a、37b DBF処理
35、38、38a、38b 距離分離処理
36、39、39a、39b ドップラ処理

Claims (7)

  1. 周波数変調した変調信号とこの変調信号を基にした送信波の目標物からの反射を受信した受信信号とが入力され、前記目標物との間の距離に対応した周波数のビート信号を生成するミクサと、このミクサの出力が分岐され、一方の分岐出力から出力されるビート信号の少なくとも所定の距離範囲に対応する周波数の成分を除去する周波数成分除去手段と、この周波数成分除去手段から出力されるビート信号を増幅する第1の増幅器と、前記ミクサの他方の分岐出力から出力されるビート信号を、前記第1の増幅器に比べて低い利得で増幅する第2の増幅器と、前記第1の増幅器および前記第2の増幅器から出力されるビート信号を分析し、前記第2の増幅器から出力されるビート信号から前記所定の距離範囲の目標物を検出し、前記第1の増幅器および前記第2の増幅器から出力されるビート信号から前記所定の距離範囲以外の距離にある目標物を検出する信号処理器と備え、前記ビート信号には前記目標物からの反射のほかにノイズも含まれ、前記周波数成分除去手段は、前記ノイズの信号強度が前記第1の増幅器の飽和レベルに達する範囲を前記所定の距離範囲とするレーダ装置。
  2. 前記ノイズは、地表からのクラッタである請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記ノイズは、島または構造物からの反射信号である請求項1に記載のレーダ装置。
  4. 前記周波数成分除去手段は、地表からのクラッタの周波数の成分を除去する第1の周波数成分除去手段と島または構造物からの反射信号の周波数の成分を除去する第2の周波数成分除去手段から成る請求項1に記載のレーダ装置。
  5. 前記第1の増幅器が増幅する前記ビート信号の強度の範囲は、前記第2の増幅器が増幅する前記ビート信号の強度の範囲と、少なくとも一部の範囲が重複する請求項1〜4の何れか1項に記載のレーダ装置。
  6. 前記一方の分岐出力は複数あり、それら分岐出力毎にそれぞれ前記周波数成分除去手段と前記第1の増幅器とを備え、それぞれの前記第1の増幅器は、前記飽和レベルが互いに異なる請求項1〜4の何れか1項に記載のレーダ装置。
  7. それぞれの前記第1の増幅器の少なくとも一つが増幅する前記ビート信号の強度の範囲は、前記第2の増幅器が増幅する前記ビート信号の強度の範囲と、少なくとも一部の範囲が重複する請求項6に記載のレーダ装置。
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