JP6263727B2 - 皮下埋め込み型薬液注入具 - Google Patents

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Description

本発明は、薬液を患者の体内に注入する薬液注入具に関するものであり、詳しくは、化学療法等の治療に際して用いる皮下埋め込み型の薬液注入具に関するものである。
癌などの治療で、体内に薬液を注入する薬液注入療法が行われている。そして、このような薬液注入療法に用いるため皮下埋め込み型薬液注入具が利用されている。薬液注入具としては、例えば、特許文献1(特許公報第2908503号)、特許文献2(WO2009/35582)などがある。
これら薬液注入具は、リング状上部部材と底部部材とからなる本体と、上部部材と底部部材間により周縁部が押圧された状態にて、本体内収納されたシール部材(セプタム)とを備える。そして、シール部材(セプタム)の下面と本体内面により、薬剤注入用の内部空間が形成され、本体には、この空間に連通する薬液流出用の流路が設けられている。そして、シール部材(セプタム)は、ゴム製の栓体であり、薬剤注入用針による複数回の穿刺が可能となっている。
特許第2908503号 WO2009/35582
上記特許文献1および2のような従来の埋め込み型薬液注入器では、シール部材(セプタム)は、本体を形成する上部部材と底部部材間に周縁部が押圧されかつ挟持された状態となっているとともに、セプタムの下部は、底部部材内に侵入している。そして、特許文献1のものでは、高粘度の薬液が付着し難くなるように、内部空間を規制する内壁面(内周面3a、底面3b)や内腔10の内面10a等に例えば、フッ素樹脂、シリコーン等のコーティングや研磨等の表面平滑化処理のような表面処理を施すこともできるとの開示がある。
しかし、埋め込み型薬液注入器は、上述したように、シール部材(セプタム)は、薬剤注入用針による複数回の穿刺を受け、セプタムを刺通した注入用針の先端は、セプタムと向かい合う底部部材の内底面に当接する。当接した注入用針の刃先が、内底面に被覆されているコーティングに傷を与えることがある。特に、セプタムの中心付近に注入用針が刺通されることが多いため、損傷を受ける部位も底部部材の内底面の中心部付近に集中する。これにより、損傷部が集中する内底面の中心部には、無数の点状にコーティングが、消失し、内底面の形成材料が露出する部分が形成される。この部分において、血栓等が発生すること及び微生物が付着することを本願発明等が知見した。
本発明の目的は、注入用針の当接により形成される当接痕に起因する血栓形成の発生がなく、微生物の付着を抑制した皮下埋め込み型薬液注入具(アクセスポート)を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
開口部と、前記開口部と連通する薬液流入空間とを有する注入具本体と、前記注入具本体に取り付けられ、前記薬液流入空間と連通する排出ポートと、前記注入具本体の前記開口部を封止するとともに薬液注入用針の刺通が可能なシール部材とを備える皮下埋め込み型薬液注入具であって、前記シール部材は、前記薬液注入用針の複数回の刺通が可能であり、かつ、前記シール部材と向かいあう前記注入具本体の内底面には、抗血栓性および微生物付着抑制被膜が設けられており、さらに、前記抗血栓性および微生物付着抑制被膜は、前記シール部材を刺通し、前記注入具本体の内底面に当接した前記薬液注入用針による損傷を回復可能な自己回復性を有する抗血栓性非固化被膜であり、低流動性を有している皮下埋め込み型薬液注入具。
図1は、本発明の薬液注入具の斜視図である。 図2は、本発明の薬液注入具の平面図である。 図3は、図2に示した薬液注入具の正面図である。 図4は、図2のA−A線断面図である。 図5は、図3のB−B断面図である。 図6は、本発明の薬液注入具に用いられるシール部材(セプタム)の正面図である。 図7は、図6に示したシール部材の底面図である。 図8は、図6のC−C線拡大断面図である。 図9は、本発明の薬液注入具に用いられる底部部材の平面図である。 図10は、図9のD−D線断面図である。 図11は、本発明の薬液注入具の固定前の状態を説明するための説明図である。 図12は、図4に示した薬液注入具におけるシール部材のみの拡大図である。 図13は、カテーテルを装着した状態の本発明の薬液注入具の外観図である。 図14は、実験結果を示す写真である。 図15は、実験結果を示す写真である。
本発明の皮下埋め込み型薬液注入具を図示する実施例を用いて説明する。
本発明の皮下埋め込み型薬液注入具1は、リング状の上部部材3と上部部材3の底面を閉塞する底部部材2とからなる注入具本体と、上部部材3と底部部材2間に収納され、上部部材3の開口を閉塞し、かつ、注入具本体内に薬液流入空間10を形成するシール部材4と、薬液流入空間10と連通する排出ポート5とを備える。
シール部材4は、薬液注入用針の複数回の刺通が可能であり、かつ、シール部材4と向かいあう注入具本体の内底面21aには、抗血栓性および微生物付着抑制被膜62が設けられている。さらに、抗血栓性および微生物付着抑制被膜62は、シール部材4を刺通し、注入具本体の内底面21aに当接した薬液注入用針による損傷を回復可能な自己回復性を有する非固化被膜である。
この実施例の皮下埋め込み型薬液注入具1は、図1ないし図5に示すように、注入具本体と、シール部材4とにより構成されている。そして、注入具本体は、薬液流入空間10を形成する凹部を有する底部部材2と、底部部材2の上面側に装着されるリング状の上部部材3と、底部部材2の側部に取り付けられた排出ポート5とを備える。そして、シール部材4は、底部部材2と上部部材3間に配置されており、フランジ部42が、底部部材2と上部部材3により挟圧され、底部部材2と上部部材3間を液密にシールしている。
そして、この実施例では、底部部材2は、底板部21と、底板部21より突出する環状壁部22と、環状壁部22の上面の外縁側部分により形成されたシール部材周縁部押圧部22bと、環状壁部22の上面の内縁側部分に形成され、上方に突出し、内径が上方に向かって拡径する環状傾斜面を有し、かつシール部材4内に刺入可能な環状エッジ部25とを備える。
また、リング状の上部部材3は、シール部材4の中央部が露出(突出)する状態にてシール部材4を収納する本体部31と、本体部31の開口部より内部に突出し、シール部材4の周縁部を押圧するため環状突出部32とを備える。
シール部材4は、本体部41と、本体部41の周縁部に形成され、上部部材3の環状突出部32の下面と底部部材の環状壁部22の上面により押圧されるためのフランジ部42と、フランジ部42より下部により形成された底部部材内挿入部41bと、底部部材内挿入部41bの下面周縁部に形成され、端部に向かって肉薄となるスカート状突出部43とを備える。
そして、この実施例における上部部材の底面形態は、図2、図9および図10に示すように、基端両側部が膨らんだ半楕円状のものとなっており、上面は、中心が底面形態の基端側によった円形のものとなっている。
底部部材2は、図3,図5、図9および図10に示すように、底板部21と、底板部21より、突出する環状壁部22と、後端部23を備える。環状壁部22は、ほぼ円筒状のものであり、内部に薬液流入空間10を形成するための凹部26を備えている。さらに、環状壁部22は、その側面下部に、凹部26と連通する排出ポート装着部24を備えている。排出ポート装着部24は、底部部材2の環状壁部22より突出する筒状部であり、排出ポート5の基端部が挿入可能な内腔部を備えている。底板部21は、図9に示すように、基端両側部が欠けた半楕円状のものとなっており、環状壁部は、その中心が底面形態の基端側によった位置に設けられている。
さらに、この実施例のものでは、底部部材2は、環状壁部22の上面の外縁側部分により形成されたシール部材周縁部押圧部22bを有する。さらに、環状壁部22の上面の内縁側部分(言い換えれば、シール部材周縁部押圧部22bの内側)に形成され、上方に突出し、内径が上方に向かって拡径する環状傾斜面を有する環状エッジ部25を備えている。環状エッジ部25は、シール部材4のフランジ部42の下面に刺入可能なものとなっている。
そして、底部部材2の底板部21の内底面21a(言い換えれば、凹部26の内底面)には、抗血栓性かつ微生物付着抑制物質が被覆され、抗血栓性および微生物付着抑制被膜62を有している。この被膜62は、抗血栓性を有することにより、埋め込み型薬液注入具内での血栓の形成を抑制する。このため、埋め込み型薬液注入具内における血栓の付着による薬液注入不良が極めて少ない。さらに、この被膜62は、微生物付着抑制能を備えているため、埋め込み型薬液注入具内における微生物の増殖を防止し、感染性堆積物の形成を防止する。
また、この実施例では、抗血栓性および微生物付着抑制被膜62は、環状壁部22の内面22aにも形成されている。このため、シール部材4は、底部部材2の開口部より内部に進入する底部部材内進入部を備え、底部部材内進入部の先端部側面は、環状壁部22の内面22aに設けられた抗血栓性および微生物付着抑制被膜62を介して、底部部材2の環状壁部22の内面22aと密着している。特に、この実施例では、図4,図5、図11に示すように、底部部材2と上部部材3間に収納されたシール部材4のスカート状突出部43の側面と接触するように、環状壁部22の上部付近まで、抗血栓性および微生物付着抑制被膜62が設けられている。よって、スカート状突出部43の先端と底部部材2の環状側面間に、確実に抗血栓性および微生物付着抑制被膜62が存在するものとなっている。このため、スカート状突出部43の先端と底部部材2の環状側面間における血栓形成を確実に防止できる。また、この実施例では、シール部材4の底部部材内挿入部41bの下面44にも抗血栓性物質61が被覆されている。なお、底部部材2の環状壁部22の開口部付近の内面には、抗血栓性および微生物付着抑制被膜が設けられていないことが好ましい。この実施例では、抗血栓性および微生物付着抑制被膜62は、環状壁部22の上端に達しないものとなっている。
そして、抗血栓性および微生物付着抑制被膜62としては、シール部材4を刺通し、注入具本体の内底面21aに当接した薬液注入用針による損傷を回復可能な自己回復性を有する非固化被膜が用いられている。そして、抗血栓性および微生物付着抑制被膜62は、完全な硬質被膜ではなく、低流動性を有していることが好ましい。特に、抗血栓性および微生物付着抑制被膜62は、低流動性を有するゴム状被膜であることが好ましい。
本発明に用いている抗血栓性および微生物付着抑制被膜62は、上記のような自己回復性を有する非固化被膜である。このため、薬液注入用針による当接(被膜の刺通)、薬液注入用針としてよく用いられるヒューバー針の先端部による被膜の切削を受けても、刺通痕、切削痕には、その周りの抗血栓性物質が流れこむ。これにより、被膜に形成された刺通痕、切削痕は、消失する。これは、抗血栓性および微生物付着抑制被膜62を形成する抗血栓性物質が有する流動性により、被膜の表面を平滑化しようとする作用によるものである。しかし、抗血栓性物質が持つ流動性は、かなり低いものであるため、被膜自体が、ある部分に向かって流れ、底部部材2の内面が露出することはない。本発明における抗血栓性および微生物付着抑制被膜62は、低流動性と被膜形態保持性の両者を有するものとなっている。
上記のような性質を有する抗血栓性かつ微生物付着抑制物質としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートを構成成分とする重合体が好適である。特に、ヒドロキシル基を含まないものが好ましい。 アルコキシアルキル(メタ)アクリレートの重合体としては、下記のごときアルコキシアルキル(メタ)アクリレートの1種または2種以上の単量体の単独重合体または共重合体あるいは該アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとこれと共重合し得る単量体との共重合体である。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシプロピルアクリレート、エトキシメチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルアクリレート、エトキシブチルアクリレート、プロポキシメチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシブチルアクリレート、メトキシメチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、プロポキシメチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート等があり、このうち、経済性や操作性の点より特にメトキシエチルアクリレートが好ましい。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートと共重合し得る単量体としては、例えば、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、アミノメチルアクリレート、アミノエチルアクリレート、アミノイソプロピルアクリレート、ジアミノメチルアクリレート、ジアミノエチルアクリレート、ジアミノブチルアクリレート、メタアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、アミノメチルメタクリレート、アミノエチルメタクリレート、ジアミノメチルメタクリレート、ジアミノエチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、エチレン、プロピレン等がある。
共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれでもよく、ラジカル重合やイオン重合、マクロマーを利用した重合等の公知の方法で使用できる。アルコキシアルキル(メタ)アクリレート重合体の数平均分子量は10,000〜300,000、好ましくは30,000〜100,000である。
抗血栓性物質の被覆は、上記のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート重合体の溶液を浸漬法、スプレー法、フローコーター法等公知の方法により被覆し、ついで乾燥することにより行なわれる。その膜厚は1μm以上であれば充分であり、好ましくは1mm以下である。
本発明で用いられる抗血栓性物質の具体例としては、メトキシエチルアクリレートを所定量含むメタノール溶液中にアゾビスイソブチルニトリルを開始剤として、重合して得られるポリメトキシエチルアクリレート、メトキシブチルアクリレートを所定量含むメタノール溶液中にアゾビスイソブチルニトリルを開始剤として、重合して得られるポリメトキシブチルアクリレート、メトキシエチルアクリレートとエチルメタクリレートをブタノール中で、ベンゾインパーオキサイドを開始剤として重合させて得られるランダム共重合体、メトキシエチルアクリレートとエチルメタクリレートをベンゼン中で、ベンゾインパーオキシドを開始剤として重合させて得られるランダム共重合体がある。
シール部材4は、フランジ部42の上面側が上部部材3の環状突出部32により押圧され、フランジ部42の下面側の外縁部が底部部材2の環状壁部22の上面のシール部材周縁部押圧部22bにより押圧されるとともに、フランジ部42の下面側の内縁部に、底部部材2の環状壁部22の環状エッジ部25が刺入しており、シール部材4は、上部部材3と底部部材2間による強圧縮と、底部部材2の環状エッジ部25の刺入により変形し、フランジ部42の高さが減少し、かつ底部部材内挿入部41bの高さが増加し、さらに、シール部材4のスカート状突出部43が減少するとともに、底部部材内挿入部41bの下端外周面が、底部部材2の環状壁部22の内面に密着している。
リング状の上部部材3は、シール部材4の中央部が露出する状態にてシール部材4を収納するリング状の本体部31と、本体部31の上部開口部より、開口部の内部(中心方向)に突出する環状突出部32を有している。環状突出部32は、その下面にて、シール部材4の周縁部(フランジ部)42の上面を押圧するためのものである。さらに、この実施例のものでは、環状突出部32は、環状突出部32の下面の内縁側部分に形成され、下方に突出し、内径が下方に向かって拡径する環状傾斜面を有する環状エッジ部39を備えている。環状エッジ部39は、シール部材4のフランジ部の上面に刺入可能なものとなっている。そして、環状突出部32は、環状エッジ部39の外側に形成された環状かつ平坦面となったシール部材周縁部押圧部32aを有している。このシール部材周縁部押圧部32aが、シール部材4のフランジ部42を押圧(圧縮)する。
また、上部部材3は、図2、図3および図5に示すように、上部部材3の先端部の両側部に設けられた側部膨出部34,35を備えている。また、側部膨出部34,35間に排出ポート5が位置している。さらに、上部部材3は、図1および図3(特に、図1)に示すように、後端部33と側部膨出部34,35間に形成され、ほぼ起立面でありかつ、側部膨出部34,35付近にて、他の部分に比べて大きく湾曲する向かい合う2つの把持用起立側面部37,38を備えている。そして、向かい合う2つの把持用起立側面部37,38間に、シール部材4の中心が位置している。また、この実施例のものでは、向かい合う2つの把持用起立側面部37,38の側部膨出部34,35付近にて大きく湾曲する部分付近間に、シール部材4の中央部が位置している。
さらに、上部部材3は、排出ポート5と向かい合う位置に、言い換えれば、環状突出部の外縁より、排出ポート5と反対側に延びる後端部33を有している。後端部33は、後端側に向かって肉薄となるとともに、幅も狭くなっている。この実施例のものでは、後端部33は、図2に示すように、少しつぶれた三日月状のものとなっている。
さらに、この起立側面部37,38は、図1および図3に示すように、後端部33より側部膨出部34,35に向かって延び、かつ、起立側面部の高さが徐々に高くなり、環状突出部32の中央部側部付近が、最も高く、側部膨出部34,35に向かって急激に低くなるものとなっている。このように、把持用起立側面部37,38は、環状突出部32の中央部側部付近が最も高いため、環状突出部32の中央部側部を容易に把持することができる。さらに、把持したとき、側部膨出部34,35付近にて大きく湾曲する部分を指先に感じるため、把持部分間に、環状突出部32の中央部(言い換えれば、シール部材4の中央部)があることを容易に認識できる。このような把持用起立側面部37,38を設けることにより、皮下に埋設した後の薬剤注入用針の穿刺作業が容易になるとともに、皮下への埋め込み手技における取り扱いも容易なものとなる。
さらに、上部部材3は、起立側面部37,38と上部部材3の上端間に形成されたほぼ円筒状もしくは若干上端方向に向かって縮径する筒状部36を備えている。この実施例のものでは、図3に示すように、筒状部36は、上方に向かってなだらかに縮径するものとなっている。この筒状部36を有することにより、皮下埋設後において、皮膚面上からの筒状部36(言い換えれば、環状突出部32の中央部、シール部材4の中央部)の認識が可能となる場合がある。また、この筒状部36を有することにより、薬液注入具1の上部の把持も容易であり、上部の把持によっても、シール部材を容易に認識することができるとともに、確実に把持できるため、薬剤注入用針の穿刺操作を迅速に行うことができる。
さらに、図1ないし図3および図5に示すように、側部膨出部34,35は、側部膨出部34,35の端部に向かって肉薄となるとともに、上面から下面まで貫通する貫通孔を備え、貫通孔には、縫合針による刺通可能な弾性部材8,9が埋め込まれており、側部膨出部34,35は、生体への縫着部となっている。
弾性部材8,9は、弾性材料により形成されている。弾性部材の形成材料としては、シリコーンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム等の各種ゴム類、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリブタジエン、軟質塩化ビニル等の各種樹脂、またはこれらのうち2以上を組み合わせたもの等が挙げられるが、そのなかでも特に、生体に対し不活性で、比較的物性変化の少ないシリコーンゴムが好ましい。
シール部材4は、円柱状の本体部41と、本体部41の周縁部に、本体部より突出するように形成された環状のフランジ部42を有する。フランジ部42は、上部部材3の環状突出部32の下面と底部部材の環状壁部22の上面により押圧されるための部位である。さらに、この実施例のシール部材4は、フランジ部42より下部に形成され、外径がフランジ部より小さく、かつ、上述した環状壁部の内径とほぼ等しい底部部材内挿入部41bと、フランジ部42より上部に形成され、外径がフランジ部より小さく、かつ、上述した上部部材3の環状突出部の内径とほぼ等しいもしくは若干小さい上部部材内挿入部41aを備える。
さらに、このシール部材4では、底部部材内挿入部41bの下面44の周縁部に形成され、端部に向かって肉薄となるスカート状突出部43を備えている。スカート状突出部43は、図8に示すように、下端に向かって肉薄となるとともに、内径が拡径するものとなっている。このため、スカート状突出部43の内面は、下端に向かって拡径する傾斜面(具体的には、下端に向かって拡径する湾曲傾斜面)となっている。
そして、シール部材4の上部部材内挿入部41aは、上部部材3の開口部内に挿入され、その上端部は、図1ないし図5に示すように、上部部材3の上面より突出している。また、シール部材4の底部部材内挿入部41bは、図4および図5に示すように、底部部材2の環状壁部22内に収納され、進入している。そして、シール部材4の底部部材内挿入部41bの下面44と底部部材2の凹部26の内面間により、薬液流入空間10が形成されている。
注入具本体(底部部材2,上部部材3)の形成材料としては、耐薬品性、生体適合性を有する材料が好ましく、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、エポキシ樹脂、ポリアセタールなどが用いられる。
シール部材4は、薬液注入用針の刺通が可能であり、薬液注入用針の抜去後に刺通部がシールされるものとなっている。シール部材4は、弾性材料により形成されている。シール部材4の形成材料としては、シリコーンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム等の各種ゴム類、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリブタジエン、軟質塩化ビニル等の各種樹脂、またはこれらのうち2以上を組み合わせたもの等が挙げられるが、そのなかでも特に、生体に対し不活性で、比較的物性変化の少ないシリコーンゴムが好ましい。
そして、この実施例のものでは、図6ないし図8に示すように、シール部材4は、フランジ部42の上面側42aが上部部材3の環状突出部32により押圧され、フランジ部42の下面側42bの外縁部が底部部材2の環状壁部22の上面のシール部材周縁部押圧部22bにより押圧されるとともに、フランジ部42の下面側の内縁部に、底部部材2の環状壁部22の環状エッジ部25が刺入している。
さらに、この実施例のものでは、フランジ部42の上面側の外縁部は、上部部材3の環状突出部32の下面のシール部材周縁部押圧部32aにより押圧され、フランジ部42の上面側の内縁部に、上部部材3の環状突出部32の環状エッジ部39が刺入したものとなっている。
上述したように、この実施例の薬液注入具1では、シール部材4のフランジ部42には、上面および下面に環状エッジ部25,39が刺入したものとなっているので、シール部材が確実に把持され、かつ液密状態を確実に保持するものとなっている。
そして、シール部材4は、上部部材3と底部部材2間による強圧縮(具体的には、底部部材2のシール部材周縁部押圧部22bと上部部材3のシール部材周縁部押圧部32aによる押圧による強圧縮)と、底部部材2の環状エッジ部25の刺入により、図6ないし図8および図11の状態から、図4および図5に示す形態に変形している。図11は、この実施例の薬液注入具1の上部部材と底部部材を固定する前の状態を説明するための説明図である。図11に示すように、底部部材2上にシール部材4を載せ、シール部材4の上に上部部材を被せた状態では、上部部材3の下面と底部部材2の上面間は、所定距離離間し、上部部材3が浮いた状態となっている。そして、上部部材3と底部部材2間により圧縮されることにより、シール部材4は、図11の状態から、図4および図5に示す形態に変形し、上部部材3と底部部材2は、当接し、その状態にて固着されている。
図11の状態から、図4および図5に示す形態に変形することにより、シール部材4は、フランジ部42の高さが、20〜45%、好ましくは、25〜40%減少し、底部部材内挿入部41bの高さが、1.5〜3倍に増加し、上部部材内挿入部41aの高さが、1.3〜2倍に増加し、シール部材の中央部での高さ(厚さ)が、1.5〜2.5倍に増加している。
そして、フランジ部42の高さの減少と、底部部材内挿入部41bの高さの増加により、底部部材内挿入部41bの底部部材内への侵入深さは増加している。同様に、フランジ部42の高さの減少と、上部部材内挿入部41aの高さの増加により、上部部材内挿入部41aの上部部材の開口部内への侵入深さは増加し、その上部は、図4および図5に示すように、上部部材2の開口部より突出するものとなっている。さらに、図4および図5に示すように、シール部材4のスカート状突出部43が減少するとともに、底部部材内挿入部41bの下端外周面が、底部部材2の環状壁部22の内面(抗血栓性および微生物付着抑制被膜面)に密着している。
さらに、この実施例のものでは、シール部材4は、上部部材3と底部部材2間による強圧縮(具体的には、フランジ部の高さ(厚さ)を20%以上減少させるような圧縮)と、底部部材2の環状エッジ部25の刺入による変形により、シール部材4のスカート状突出部43がほぼ消失した状態となっている。上述のシール部材4のフランジ部42の上下面からの高圧縮により、シール部材は、フランジ部の高さ(厚さ)が減少するとともに、全体(中央部)として高さ(厚さ)が増加し、消失した状態となったものと予想される。
また、上記の強圧縮による厚さの増加は、シール部材4の底部部材挿入部41bの側面を底部部材2の環状壁部22の内面に押しつけるものとなり、両者間の密着がより確実になるものと考える。
なお、スカート状突出部43を設けることなく、シール部材4のフランジ部42の下面の内側角部に、底部部材2の環状エッジ部25が刺入すると、内側角部付近が外側に引っ張られた状態となり、この引っ張りにより、シール部材4の底部部材内挿入部41bの側面部が引き上げられ、底部部材内挿入部41bの側面部の下端と底部部材2の環状壁部22の内面間に空隙が形成される可能性が高いものとなる。
また、この実施例の薬液注入具1では、シール部材4の上記変形に起因するものと考えるが、シール部材4の底部部材内挿入部41bの下面は、中央部が、若干窪んだ状態となっている。このようにシール部材4の底部部材内挿入部41bの下面の中央部が窪むことにより、薬液流入空間10の中央部分が高くなっている。
そして、この実施例の薬液注入具1では、薬液流入空間10は、シール部材4の内面、凹部26の内面(環状壁部22の内面と底板部21の上面)により、形成された所定の高さを有する円柱状空間となっている。
シール部材4の底部部材内挿入部41bの薬液流入空間側内面は微少凹凸面44となっている。微少凹凸面44は、シール部材4を成型する金型における薬液流入空間側内面形成部をブラスト処理などによるエンボス加工を行うことにより、形成することが好ましい。シール部材4は、図8の状態から、上部部材と底部部材による圧縮を受けることにより、図12(図4)の状態に変形する。図8および図12に示すように、薬液流入空間側内面の形態も変形する。薬液流入空間側内面の面積自体の変化をそれほど大きくないため、微少凹凸面における凹凸形態の変化はあまり大きなものではないと思われるが、それでも若干の変形が生じているものと思われる。
微少凹凸面44における凹凸の大きさは、シール部材4を成型する金型における薬液流入空間側内面形成部のブラスト処理に用いられる粗面化用粒子の大きさにより調整することができる。本願発明者が検討したところ、粒子の大きさがASTMメッシュ18番(目開き1.00mm)〜ASTMメッシュ70番(目開き0.210mm)を通過し、ASTMメッシュ80番(目開き0.177mm)を通過しない金属粒子にて、粗面化処理したものが好ましい。特に、粒子の大きさがASTMメッシュ20番(目開き0.841mm)〜ASTMメッシュ60番(目開き0.250mm)を通過し、ASTMメッシュ80番(目開き0.177mm)を通過しない金属粒子にて、粗面化処理したものが好ましい。
シール部材4は、薬液注入用針の刺通が可能であり、薬液注入用針の抜去後に刺通部がシールされるものとなっている。シール部材4は、弾性材料により形成されている。シール部材4の形成材料としては、撥水性軟質材料により形成される。形成材料としては、具体的には、シリコーンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム等の各種ゴム類、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリブタジエン、軟質塩化ビニル等の各種樹脂、またはこれらのうち2以上を組み合わせたもの等が挙げられるが、そのなかでも特に、生体に対し不活性で、比較的物性変化の少ないシリコーンゴムが好ましい。
そして、シール部材4の薬液流入空間側内面である微少凹凸面44には、無数に点在するもしくは被膜となった抗血栓性物質61が付与されている。そして、抗血栓性物質含有液体の撥液によるシール部材4の形成材料の部分的露出が、微少凹凸面に形成された微少凹凸により抑制されることにより、抗血栓性物質61は、シール部材4の薬液流入空間側内面の全体にほぼ均一に点在もしくは被覆を形成している。また、微少凹凸面44に付与された抗血栓性物質は、抗血栓性非固化物であり、また、薬液流入空間側内面が微少凹凸を有するため、上記変形に追従し、微少凹凸面44の全面を付与された形態を維持する。
そして、抗血栓性物質61としては、完全な硬質物ではなく、低流動性を有していることが好ましい。特に、抗血栓性物質61は、低流動性を有するゴム状物であることが好ましい。また、抗血栓性物質61は、非固化被膜となっていてもよい。この場合には、薬液注入用針による刺通を受けても、刺通痕には、その周りの抗血栓性物質が流れ込む。これにより、被膜に形成された刺通痕が消失する。これは、抗血栓性および微生物付着抑制被膜を形成する抗血栓性物質が有する流動性により、被膜の表面を平滑化しようとする作用によるものである。抗血栓性物質61としては、抗血栓性および微生物付着抑制被膜62において説明したものが好適に使用される。
さらに、この実施例の薬液注入具1には、図1ないし図5に示すように、排出ポート5が装着されている。排出ポート5は、筒状体であり、先端側に設けられたカテーテル基端部装着部53と、基端側に設けられた底部部材装着部52と、内部に設けられた流通路51とを備えている。また、基端開口50は、流通路51の基端であり、底部部材装着部24の基端に位置している。
そして、カテーテル基端部装着部53の外面には、カテーテル抜け止め用の環状突出部が設けられている。底部部材装着部52は、底部部材2の排出ポート装着部24内に挿入され、液密に固定されている。
排出ポート5の形成部材としては、チタン、チタン合金、ステンレス鋼などが使用でき、特に、チタン、チタン合金が好ましい。
また、本発明の薬液注入具1は、使用時に、図13に示すようなカテーテル7およびプロテクター6が接続される。カテーテル7の基端部71は、カテーテル基端部装着部53を被包するように排出ポート5に装着され、プロテクター6は、カテーテル基端部装着部53に装着されたカテーテル7の基端部71を被嵌するとともに圧迫し、カテーテルの離脱を防止している。カテーテル7としては、少なくとも先端部が体内(具体的には、血管(静脈または動脈)、胆管、尿管などの脈管、硬膜外、くも膜下、腹腔)に挿入可能なものが用いられる。
カテーテル7は、先端側開口部と内部ルーメンとを有するチューブ体であり、ほぼ全体に渡り同一外径および同一内径を有するものとなっている。カテーテルの外径は、0.3〜5mmが好ましく、特に、0.9〜2.8mmが好ましい。また、カテーテルの内径は、0.1〜2.6mmが好ましく、特に、0.6〜1.8mmが好ましい。
また、カテーテル7は、可撓性、好ましくはある程度の弾性を有するものが用いられる。カテーテルの形成材料としては、例えば、オレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー)、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタンおよびウレタン系エラストマー、ポリアミドおよびアミド系エラストマー(例えば、ポリアミドエラストマー)、フッ素樹脂エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム等の可撓性を有する高分子材料により形成される。
(実験1)
ポリエーテルスルフォンを用いて、図9および図10に示す形態の底部部材を作製し、チタン合金により作製した排出ポート5を装着したものを作製した。
メトキシエチルアクリレートを20重量部含むメタノール溶液中にアゾビスイソブチルニトリル(0.5重量部)を開始剤として、50℃、3時間重合してポリメトキシエチルアクリレートを得た。得られたポリメトキシエチルアクリレートをメタノールと水の混合液により希釈し、コーティング液を調整した。排出ポートの先端を封止した後、コーティング液を底部部材の凹部に所定量注入した。そして、排出ポートの封止を維持した状態にて、注入したコーティング液に熱風を付与して、溶媒を揮発させ、底部部材の内面に抗血栓性および微生物付着抑制被膜を形成した。被膜の厚さは、0.02mmであった。 上記の抗血栓性および微生物付着抑制被膜を有する底部部材の内底面を薬剤注入用針(ヒューバー針)を用いて、擦過したところ、図14(写真1)に示すような擦過痕が形成された。そして、30分後に観察したところ、図15(写真2)に示すように、擦過痕が視認できないものとなっていた。
(実施例1)
図1ないし図5に示す形状のリング状の上部部材をポリエーテルスルフォンを用いて作製した。図6ないし図8に示す形態のシール部材(セプタム)をシリコーンゴムにより作製した。また、底部部材として、上記実験1にて作製した底部部材の内面に抗血栓性および微生物付着抑制被膜を有するものを用いた。
そして、シール部材を底部部材内挿入部の下面が上方を向く状態とし、下面が形成する凹部に、実験1にて用いたコーティング液を所定量注入した。そして、注入したコーティング液に熱風を付与して、溶媒を揮発させシール部材の底部部材内挿入部の下面全体に抗血栓性および微生物付着抑制被膜を形成した。被膜の厚さは、0.02mmであった。
そして、上記の底部部材、上部部材およびシール部材を図11に示すように配置した後、上部部材を押圧することによりシール部材を圧縮した後、上部部材を底部部材に超音波シールし、図1ないし図5に示すような本発明の薬液注入具を作製した。
(比較例1)
底部部材として、抗血栓性および微生物付着抑制被膜を持たないもの、シール部材として、底部部材内挿入部の下面への抗血栓性および微生物付着抑制被膜を持たないものを用いた以外は、実施例1と同様に行い比較例の薬液注入具を作製した。
(実験2)
微生物(細菌:コアグラーゼ陰性ブドウ球菌)を用い、かつ含有量を2マクファーランド(6×10CFU/mL)に調整した菌含有液を作製した。そして、菌含有液を薬液注入用針を装着したシリンジに充填した。実施例1および比較例1の薬液注入具のシール部材に上記シリンジの薬液注入用針を穿刺し、薬液注入具内に、菌含有液を注入した。48時間経過後、生理食塩液を充填した薬液注入用針付きシリンジを各薬液注入具のシール部材に穿刺し、薬液注入具内に、生理食塩液を注入し、菌含有液を洗い流した。その後、各薬液注入具を破断し、底部部材の内底面における菌数を測定し比較したところ、実施例1の薬剤注入具に付着していた菌数は、比較例1の薬剤注入具における菌数の約4%であった。
(実験3)
微生物(細菌:コアグラーゼ陰性ブドウ球菌)を用い、かつ含有量を 2マクファーランド(6×10CFU/mL)に調整した菌含有液を作製した。そして、菌含有液を薬液注入用針を装着したシリンジに充填した。また、血液を充填した薬液注入用針付きシリンジを実施例1および比較例1の薬液注入具のシール部材に穿刺し、薬液注入具内に、血液を注入し、5分経過後生理食塩液を注入して血液を排出する作業を3回繰り返した。各薬液注入具のシール部材に上記シリンジの薬液注入用針を穿刺し、薬液注入具内に、菌含有液を注入した。48時間経過後、生理食塩液を充填した薬液注入用針付きシリンジを各薬液注入具のシール部材に穿刺し、薬液注入具内に、生理食塩液を注入し、菌含有液を洗い流した。その後、各薬液注入具を破断し、底部部材の内底面における菌数を測定し比較したところ、実施例1の薬剤注入具に付着していた菌数は、比較例1の薬剤注入具における菌数の1%以下であった。
本発明の皮下埋め込み型薬液注入具は、以下のものである。
(1) 開口部と、前記開口部と連通する薬液流入空間とを有する注入具本体と、前記注入具本体に取り付けられ、前記薬液流入空間と連通する排出ポートと、前記注入具本体の前記開口部を封止するとともに薬液注入用針の刺通が可能なシール部材とを備える皮下埋め込み型薬液注入具であって、前記シール部材は、前記薬液注入用針の複数回の刺通が可能であり、かつ、前記シール部材と向かいあう前記注入具本体の内底面には、抗血栓性および微生物付着抑制被膜が設けられており、さらに、前記抗血栓性および微生物付着抑制被膜は、前記シール部材を刺通し、前記注入具本体の内底面に当接した前記薬液注入用針による損傷を回復可能な自己回復性を有する抗血栓性非固化被膜であり、低流動性を有している皮下埋め込み型薬液注入具。
この皮下埋め込み型薬液注入具では、シール部材(セプタム)を刺通した薬剤注入用針が、底部部材の内底面に当接することにより、抗血栓性および微生物付着抑制被膜に損傷が与えられても、抗血栓性および微生物付着抑制被膜は、損傷を回復可能な自己回復性を有するため、注入用針の当接により形成される当接痕に起因する血栓形成の発生がない。
そして、本発明の実施形態としては、以下のものであってもよい。
(2) 前記シール部材は、撥水性軟質材料により形成され、前記薬液注入用針の複数回の刺通が可能であり、さらに、前記シール部材の薬液流入空間側内面は、微少凹凸面となっており、かつ、前記微少凹凸面には、無数に点在するもしくは被膜となった抗血栓性物質が付与されている上記(1)に記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
(3) 前記皮下埋め込み型薬液注入具は、前記抗血栓性物質含有液体の撥液による前記シール部材の形成材料の部分的露出が、前記微少凹凸面に形成された微少凹凸により抑制されることにより、前記抗血栓性物質は、前記シール部材の薬液流入空間側内面の全体にほぼ均一に点在もしくは被覆を形成している上記(2)に記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
(4) 前記抗血栓性および微生物付着抑制被膜は、前記低流動性と被膜形態保持性の両者を有している上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
(5) 前記抗血栓性および微生物付着抑制被膜は、低流動性を有するゴム状被膜である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
(6) 前記注入具本体は、リング状の上部部材と、前記開口部と前記シール部材と向かいあう前記注入具本体の内底面を備える底部部材とを備え、前記シール部材は、前記上部部材と前記底部部材間に収納され、前記開口部を閉塞し、前記注入具本体内に前記薬液流入空間を形成するものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
(7) 前記底部部材は、前記内底面と、前記内底面より前記シール部材方向に延びる環状壁部を備え、前記環状壁部の内面は、前記抗血栓性および微生物付着抑制被膜を備えている上記(6)に記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
(8) 前記シール部材は、前記底部部材の前記開口部より内部に進入する底部部材内進入部を備え、前記底部部材内進入部の先端部側面は、前記環状壁部の内面に設けられた前記抗血栓性および微生物付着抑制被膜を介して、前記底部部材の前記環状壁部の内面と密着している上記(7)に記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
(9) 前記排出ポートは、内面全体に前記抗血栓性および微生物付着抑制被膜を備えている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
(10) 前記底部部材は、底板部と、前記底板部より、突出する環状壁部と、前記環状壁部の上面の外縁側部分により形成されたシール部材周縁部押圧部と、前記環状壁部の上面の内縁側部分に形成され、上方に突出し、内径が上方に向かって拡径する環状傾斜面を有し、かつ前記シール部材内に刺入可能な環状エッジ部とを備え、前記リング状の上部部材は、前記シール部材の中央部が突出する状態にて前記シール部材を収納する本体部と、前記本体部の開口部より内部に突出し、前記シール部材の周縁部を押圧するため環状突出部とを備え、前記シール部材は、本体部と、前記本体部の周縁部に形成され、前記上部部材の前記環状突出部の下面と前記底部部材の環状壁部の上面により押圧されるためのフランジ部と、前記フランジ部より下部に形成された底部部材内挿入部と、前記底部部材内挿入部の下面周縁部に形成され、端部に向かって肉薄となるスカート状突出部とを備え、前記シール部材は、前記フランジ部の上面側が前記上部部材の環状突出部により押圧され、前記フランジ部の下面側の外縁部が前記底部部材の前記環状壁部の上面の前記シール部材周縁部押圧部により押圧されるとともに、前記フランジ部の下面側の内縁部に、前記底部部材の前記環状壁部の前記環状エッジ部が刺入しており、前記シール部材は、前記上部部材と前記底部部材間による強圧縮と、前記底部部材の前記環状エッジ部の刺入により変形し、前記フランジ部の高さが減少し、かつ前記底部部材内挿入部の高さが増加し、さらに、前記スカート状突出部が減少するとともに、前記底部部材内挿入部の下端外周面が、前記底部部材の前記環状壁部の内面に密着している上記(6)ないし(9)のいずれかに記載の皮下埋め込み型薬液注入具。

Claims (10)

  1. 開口部と、前記開口部と連通する薬液流入空間とを有する注入具本体と、前記注入具本体に取り付けられ、前記薬液流入空間と連通する排出ポートと、前記注入具本体の前記開口部を封止するとともに薬液注入用針の刺通が可能なシール部材とを備える皮下埋め込み型薬液注入具であって、
    前記シール部材は、前記薬液注入用針の複数回の刺通が可能であり、かつ、前記シール部材と向かいあう前記注入具本体の内底面には、抗血栓性および微生物付着抑制被膜が設けられており、さらに、前記抗血栓性および微生物付着抑制被膜は、前記シール部材を刺通し、前記注入具本体の内底面に当接した前記薬液注入用針による損傷を回復可能な自己回復性を有する抗血栓性非固化被膜であり、低流動性を有していることを特徴とする皮下埋め込み型薬液注入具。
  2. 前記シール部材は、撥水性軟質材料により形成され、前記薬液注入用針の複数回の刺通が可能であり、さらに、前記シール部材の薬液流入空間側内面は、微少凹凸面となっており、かつ、前記微少凹凸面には、無数に点在するもしくは被膜となった抗血栓性物質が付与されている請求項1に記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
  3. 前記皮下埋め込み型薬液注入具は、前記抗血栓性物質含有液体の撥液による前記シール部材の形成材料の部分的露出が、前記微少凹凸面に形成された微少凹凸により抑制されることにより、前記抗血栓性物質は、前記シール部材の薬液流入空間側内面の全体にほぼ均一に点在もしくは被覆を形成している請求項2に記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
  4. 前記抗血栓性および微生物付着抑制被膜は、前記低流動性と被膜形態保持性の両者を有している請求項1ないし3のいずれかに記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
  5. 前記抗血栓性および微生物付着抑制被膜は、低流動性を有するゴム状被膜である請求項1ないし3のいずれかに記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
  6. 前記注入具本体は、リング状の上部部材と、前記開口部と前記シール部材と向かいあう前記注入具本体の内底面を備える底部部材とを備え、前記シール部材は、前記上部部材と前記底部部材間に収納され、前記開口部を閉塞し、前記注入具本体内に前記薬液流入空間を形成するものである請求項1ないし5のいずれかに記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
  7. 前記底部部材は、前記内底面と、前記内底面より前記シール部材方向に延びる環状壁部を備え、前記環状壁部の内面は、前記抗血栓性および微生物付着抑制被膜を備えている請求項6に記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
  8. 前記シール部材は、前記底部部材の前記開口部より内部に進入する底部部材内進入部を備え、前記底部部材内進入部の先端部側面は、前記環状壁部の内面に設けられた前記抗血栓性および微生物付着抑制被膜を介して、前記底部部材の前記環状壁部の内面と密着している請求項7に記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
  9. 前記排出ポートは、内面全体に前記抗血栓性および微生物付着抑制被膜を備えている請求項1ないし8のいずれかに記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
  10. 前記底部部材は、底板部と、前記底板部より突出する環状壁部と、前記環状壁部の上面の外縁側部分により形成されたシール部材周縁部押圧部と、前記環状壁部の上面の内縁側部分に形成され、上方に突出し、内径が上方に向かって拡径する環状傾斜面を有し、かつ前記シール部材内に刺入可能な環状エッジ部とを備え、
    前記リング状の上部部材は、前記シール部材の中央部が突出する状態にて前記シール部材を収納する本体部と、前記本体部の開口部より内部に突出し、前記シール部材の周縁部を押圧するため環状突出部とを備え、
    前記シール部材は、本体部と、前記本体部の周縁部に形成され、前記上部部材の前記環状突出部の下面と前記底部部材の環状壁部の上面により押圧されるためのフランジ部と、前記フランジ部より下部に形成された底部部材内挿入部と、前記底部部材内挿入部の下面周縁部に形成され、端部に向かって肉薄となるスカート状突出部とを備え、
    前記シール部材は、前記フランジ部の上面側が前記上部部材の環状突出部により押圧され、前記フランジ部の下面側の外縁部が前記底部部材の前記環状壁部の上面の前記シール部材周縁部押圧部により押圧されるとともに、前記フランジ部の下面側の内縁部に、前記底部部材の前記環状壁部の前記環状エッジ部が刺入しており、前記シール部材は、前記上部部材と前記底部部材間による強圧縮と、前記底部部材の前記環状エッジ部の刺入により変形し、前記フランジ部の高さが減少し、かつ前記底部部材内挿入部の高さが増加し、さらに、前記スカート状突出部が減少するとともに、前記底部部材内挿入部の下端外周面が、前記底部部材の前記環状壁部の内面に密着している請求項6ないし9のいずれかに記載の皮下埋め込み型薬液注入具。
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