JP6263138B2 - インクジェット用硬化性組成物及び電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット方式により塗工されるインクジェット用硬化性組成物に関し、基板上にレジストパターンなどの硬化物層を形成するために好適に用いられるインクジェット用硬化性組成物に関する。また、本発明は、上記インクジェット用硬化性組成物により形成された硬化物層を有する電子部品の製造方法に関する。
従来、配線が上面に設けられた基板上に、パターン状のソルダーレジスト膜であるソルダーレジストパターンが形成されたプリント配線板が多く用いられている。電子機器の小型化及び高密度化に伴い、プリント配線板では、より一層微細なソルダーレジストパターンが求められている。
微細なソルダーレジストパターンを形成する方法として、インクジェット方式によりソルダーレジスト用組成物を塗工する方法が提案されている。インクジェット方式では、スクリーン印刷方式によりソルダーレジストパターンを形成する場合よりも、工程数が少なくなる。このため、インクジェット方式では、ソルダーレジストパターンを容易にかつ効率的に形成することができる。
インクジェット方式によりソルダーレジスト用組成物を塗工する場合、塗工時の粘度がある程度低いことが要求される。一方で、近年、50℃以上に加温して印刷することが可能なインクジェット装置が開発されている。インクジェット装置内でソルダーレジスト用組成物を50℃以上に加温することにより、ソルダーレジスト用組成物の粘度が比較的低くなり、インクジェット装置を用いたソルダーレジスト用組成物の吐出性をより一層高めることができる。
また、インクジェット方式により塗工可能なソルダーレジスト用組成物が、下記の特許文献1に開示されている。下記の特許文献1には、(メタ)アクリロイル基と熱硬化性官能基とを有するモノマーと、重量平均分子量が700以下である光反応性希釈剤と、光重合開始剤とを含むインクジェット用硬化性組成物が開示されている。このインクジェット用硬化性組成物の25℃での粘度は、150mPa・s以下である。
WO2004/099272A1
特許文献1に記載のインクジェット用硬化性組成物の粘度は比較的低い。このため、特許文献1に記載の硬化性組成物は、インクジェット方式にて基板上に塗工することが可能である。
しかしながら、特許文献1に記載の硬化性組成物では、50℃以上の環境下でのポットライフが短いという問題がある。
例えば、硬化性組成物をインクジェット装置により吐出する場合には、一般に、硬化性組成物は、インクジェット装置内に供給された後、インクジェット装置内で一定時間留まる。一方で、吐出性を高めるために、インクジェット装置内の温度は50℃以上に加温されることがある。特許文献1に記載の硬化性組成物では、50℃以上に加温されたインクジェット装置内で組成物の硬化が進行したりして、組成物の粘度が高くなり、組成物の吐出が困難になることがある。
さらに、従来のインクジェット用硬化性組成物では、硬化物の耐熱性及び絶縁信頼性が低いという問題もある。
本発明の目的は、保存安定性を高めることができ、かつ硬化物の耐熱性及び絶縁信頼性を高めることができるインクジェット用硬化性組成物を提供することである。また、本発明の目的は、上記インクジェット用硬化性組成物を用いた電子部品の製造方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、インクジェット方式により塗工され、かつ光の照射と熱の付与とにより硬化可能であるインクジェット用硬化性組成物であって、光硬化性化合物と、環状エーテル基を有する化合物と、光重合開始剤と、熱硬化剤とを含有し、前記光硬化性化合物が、ウレタン(メタ)アクリレートを含み、JIS K2283に準拠して測定された25℃での粘度が160mPa・s以上、1200mPa・s以下である、インクジェット用硬化性組成物が提供される。
前記ウレタン(メタ)アクリレートが、カルボキシル基を有さないことが好ましい。前記ウレタン(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリロイル基を2個又は3個有することが好ましい。前記ウレタン(メタ)アクリレートがε−カプロラクトン由来の構造を有することが好ましい。
本発明に係るインクジェット用硬化性組成物のある特定の局面では、前記ウレタン(メタ)アクリレートの含有量が1重量%以上、40重量%以下である。
本発明に係るインクジェット用硬化性組成物のある特定の局面では、前記光硬化性化合物が、ウレタン(メタ)アクリレート以外の光硬化性化合物を含み、光硬化性化合物の全体の含有量が10重量%以上、90重量%以下である。
本発明に係るインクジェット用硬化性組成物のある特定の局面では、前記光硬化性化合物が、脂環式(メタ)アクリレートを含む。
本発明の広い局面によれば、上述したインクジェット用硬化性組成物を、インクジェット方式にて塗工し、パターン状に描画する工程と、パターン状に描画された前記インクジェット用硬化性組成物に光を照射及び熱を付与し、硬化させて、硬化物層を形成する工程とを備える、電子部品の製造方法が提供される。
本発明に係るインクジェット用硬化性組成物は、光硬化性化合物と、環状エーテル基を有する化合物と、光重合開始剤と、熱硬化剤とを含有し、前記光硬化性化合物が、ウレタン(メタ)アクリレートを含み、JIS K2283に準拠して測定された25℃での粘度が160mPa・s以上、1200mPa・s以下であるので、上記硬化性組成物の保存安定性を高めることができ、かつ硬化物の耐熱性及び絶縁信頼性を高めることができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
(インクジェット用硬化性組成物)
本発明に係るインクジェット用硬化性組成物(以下、硬化性組成物と記載することがある)は、インクジェット方式により塗工され、かつ光の照射と熱の付与とにより硬化可能である。本発明に係る硬化性組成物は、光の照射により硬化を進行させた後、熱の付与により硬化させて用いることができる。本発明に係る硬化性組成物は、光及び熱硬化性組成物である。
本発明に係る硬化性組成物は、光硬化性化合物(A)と、環状エーテル基を有する化合物(C)と、光重合開始剤(B)と、熱硬化剤(D)とを含有する。本発明に係る硬化性組成物では、光硬化性化合物(A)が、ウレタン(メタ)アクリレートを含む。
本発明に係る硬化性組成物では、JIS K2283に準拠して測定された25℃での粘度が160mPa・s以上、1200mPa・s以下である。
上記粘度は、JIS K2283に準拠して、25℃及び10rpmの条件で測定される。上記粘度は、粘度計(東機産業社製「TVE22L」)を用いて測定可能である。なお、後述する各配合成分の粘度についても、同様に測定可能である。
本発明に係る硬化性組成物は、上述した構成を備えるため、硬化性組成物において、保存安定性を高めることができ、さらに、硬化性組成物を硬化させた硬化物の耐熱性及び絶縁信頼性を高めることができる。
本発明に係る硬化性組成物は、環状エーテル基を有する化合物(C)と熱硬化剤(D)とともに、ウレタン(メタ)アクリレート(A1)を含むので、熱硬化性が阻害され、環状エーテル基を有する化合物(C)と熱硬化剤(D)とが含有されるにも関わらず、50℃以上に加温されるインクジェット装置内の環境下でもポットライフを十分に長くすることができる。また、インクジェット方式による塗工前の硬化性組成物は、50℃以上に加温されても粘度が上昇し難くなり、熱硬化が進行し難くなる。このため、硬化性組成物は、高温下での安定性に優れており、インクジェットノズルから安定して吐出することができる。このため、均一なレジストパターンなどの硬化物層を形成できる。
また、本発明では、上記の組成が採用されているので、強靭な膜特性を発現させることが可能となるため、硬化物の耐熱性及び絶縁信頼性を高めることができる。
さらに、本発明に係る硬化性組成物は、上記の組成が採用されているので、光の照射により一次硬化物を得た後、一次硬化物に熱を付与することにより本硬化させ、硬化物であるレジストパターンなどの硬化物層を得ることができる。このように、光の照射により一次硬化を行うことで、基板等の塗工対象部材上に塗工された硬化性組成物の濡れ拡がりを抑制することができる。従って、微細なレジストパターンを高精度に形成することができる。
また、本発明に係る硬化性組成物は、特に環状エーテル基を有する化合物(C)を含むため、硬化後の硬化物の耐熱性を効果的に高めることができる。
以下、本発明に係る硬化性組成物に含まれている各成分の詳細を説明する。
[光硬化性化合物(A)]
ウレタン(メタ)アクリレート(A1):
光の照射により硬化性組成物を硬化させるために、上記硬化性組成物中の光硬化性化合物(A)は、ウレタン(メタ)アクリレート(A1)を含む。従って、上記硬化性組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート(A1)を含む。ウレタン(メタ)アクリレート(A1)は、ウレタン基及びアクリロイル基を有すれば特に限定されない。ウレタン(メタ)アクリレート(A1)として、ウレタン基及びアクリロイル基を有する従来公知の化合物を用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート(A1)は、(メタ)アクリロイル基を有するため、光の照射により重合が進行し、硬化する。このため、硬化性組成物を塗工した後に光を照射することにより硬化を進行させることができ、塗工された形状を保持することができ、光が照射された硬化性組成物の一次硬化物及び硬化物が過度に濡れ拡がるのを効果的に抑制することができる。ウレタン(メタ)アクリレート(A1)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、「(メタ)アクリレート」の用語は、アクリレートとメタクリレートとを示す。「(メタ)アクリル」の用語は、アクリルとメタクリルとを示す。「(メタ)アクリロイル」の用語は、アクリロイルとメタクリロイルとを示す。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、例えば、イソシアネートに、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)の原料となるイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、及び1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)の原料となるイソシアネートとして、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物を用いてもよい。
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)の原料となる水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートや、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレートや、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレートや、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)は、カルボキシル基を有さないことが好ましい。カルボキシル基を有さないウレタン(メタ)アクリレートを用いることにより、絶縁信頼性が高い硬化物が得られる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)の一分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の官能基数は特に限定されない。官能基数2〜20のウレタン(メタ)アクリレートが例示される。官能基数2〜15のウレタン(メタ)アクリレートが好ましく、官能基数2〜10のウレタン(メタ)アクリレートがより好ましい。長期信頼性に優れた硬化物を得る観点から、官能基数2〜3のウレタン(メタ)アクリレートが更に好ましい。すなわち、ウレタン(メタ)アクリレート(A1)は、(メタ)アクリロイル基を2個又は3個有することが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)は、ε−カプロラクトン由来の構造を有することが好ましい。ε−カプロラクトン由来の構造を有するウレタン(メタ)アクリレートを用いることにより、長期信頼性に優れた硬化物が得られる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)の分子量は好ましくは500以上、好ましくは2000以下である。ウレタン(メタ)アクリレート(A1)の分子量が上記下限以上及び上記上限以下であると、インクジェット吐出性により一層優れた硬化性組成物が得られる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)の25℃での粘度は好ましくは500mPa・s以上、好ましくは15000mPa・s以下である。ウレタン(メタ)アクリレート(A1)の粘度が上記下限以上及び上記上限以下であると、インクジェット吐出性により一層優れた硬化性組成物が得られる。
硬化性組成物を得る際の各成分の混合時に、ウレタン(メタ)アクリレート(A1)は、ウレタン(メタ)アクリレート(A1)100重量部に対して、希釈剤1重量部以上が混合された状態で用いられないことが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、EBECRYL 230、EBECRYL 270、EBECRYL 4858、EBECRYL 8402、EBECRYL 8804、EBECRYL 8803、EBECRYL 8807、EBECRYL 9260、EBECRYL 1290、EBECRYL 5129、EBECRYL 4842、EBECRYL 210、EBECRYL 4827、EBECRYL 6700、EBECRYL 220、EBECRYL 2220(いずれもダイセル・オルネクス社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−122P、U−108A、U−340P、U−4HA、U−6HA、U−324A、U−15HA、UA−5201P、UA−W2A、U−1084A、U−6LPA、U−2HA、U−2PHA、UA−4100、UA−7100、UA−4200、UA−4400、UA−340P、U−3HA、UA−7200、U−2061BA、U−10H、U−122A、U−340A、U−108、U−6H、UA−4000(いずれも新中村化学工業社製)、並びにAH−600、AT−600、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I(いずれも共栄社化学社製)等が挙げられる。
ε−カプロラクトン由来の構造を有するウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、EBECRYL 8402(ダイセル・オルネクス社製)等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)の含有量は特に限定されない。上記硬化性組成物100重量%中、ウレタン(メタ)アクリレート(A1)の含有量は好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下である。
ウレタン(メタ)アクリレート以外の光硬化性化合物(A2):
上記硬化性組成物中の光硬化性化合物(A)は、ウレタン(メタ)アクリレート(A1)のみを含んでいてもよく、ウレタン(メタ)アクリレート以外の光硬化性化合物(A2)を含んでいてもよい。上記硬化性組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート以外の光硬化性化合物(A2)を含んでいてもよい。
光硬化性化合物(A2)としては、(メタ)アクリロイル基を1個有する単官能化合物、及び(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能化合物等が挙げられる。光硬化性化合物(A2)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光硬化性化合物(A2)としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3―プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエンルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、及びトリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
光硬化性化合物(A)は、脂環式(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。脂環式(メタ)アクリレートを用いることにより、耐熱性がより一層良好になる。
光硬化性化合物(A2)の含有量は特に限定されない.上記硬化性組成物100重量%中、光硬化性化合物(A2)の含有量は好ましくは0重量%(未含有)以上、より好ましくは10重量%以上、更に好ましくは20重量%以上、好ましくは85重量%以下、より好ましくは75重量%以下である。
光硬化性化合物(A)の含有量(ウレタン(メタ)アクリレート(A1)と光硬化性化合物(A2)との合計の含有量)は特に限定されない。上記硬化性組成物100重量%中、光硬化性化合物(A)の含有量は好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、更に好ましくは20重量%以上、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。
[光重合開始剤(B)]
光の照射により硬化性組成物を硬化させるために、上記硬化性組成物は、光硬化性化合物(A)とともに、光重合開始剤(B)を含む。光重合開始剤(B)としては、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤等が挙げられる。光重合開始剤(B)は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光ラジカル重合開始剤は特に限定されない。上記光ラジカル重合開始剤は、光の照射によりラジカルを発生し、ラジカル重合反応を開始するための化合物である。上記光ラジカル重合開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル類、アセトフェノン類、アミノアセトフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、ケタール類、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、リボフラビンテトラブチレート、チオール化合物、2,4,6−トリス−s−トリアジン、有機ハロゲン化合物、ベンゾフェノン類、キサントン類及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。上記光ラジカル重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ベンゾインアルキルエーテル類としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。上記アセトフェノン類としては、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン及び1,1−ジクロロアセトフェノン等が挙げられる。上記アミノアセトフェノン類としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン及びN,N−ジメチルアミノアセトフェン等が挙げられる。上記アントラキノン類としては、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン及び1−クロロアントラキノン等が挙げられる。上記チオキサントン類としては、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,4−ジイソプロピルチオキサントン等が挙げられる。上記ケタール類としては、アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等が挙げられる。上記チオール化合物としては、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール及び2−メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられる。上記有機ハロゲン化合物としては、2,2,2−トリブロモエタノール及びトリブロモメチルフェニルスルホン等が挙げられる。上記ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン及び4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤とともに、光重合開始助剤を用いてもよい。該光重合開始助剤としては、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン及びトリエタノールアミン等が挙げられる。これら以外の光重合開始助剤を用いてもよい。上記光重合開始助剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、可視光領域に吸収があるCGI−784等(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)のチタノセン化合物などを、光反応を促進するために用いてもよい。
上記光カチオン重合開始剤としては特に限定されず、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、メタロセン化合物及びベンゾイントシレート等が挙げられる。上記光カチオン重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
光硬化性化合物(A)100重量部に対して、光重合開始剤(B)の含有量は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、更に好ましくは3重量部以上、好ましくは30重量部以下、より好ましくは15重量部以下、更に好ましくは10重量部以下である。光重合開始剤(B)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、光の照射により硬化性組成物がより一層効果的に硬化する。
[環状エーテル基を有する化合物(C)]
上記硬化性組成物は、熱の付与によって硬化可能であるように、環状エーテル基を有する化合物(C)を含む。環状エーテル基を有する化合物(C)の使用により、熱の付与により硬化性組成物又は該硬化性組成物の一次硬化物をさらに硬化させることができる。このため、環状エーテル基を有する化合物(C)の使用により、レジストパターンを効率的にかつ精度よく形成することができ、更に硬化物の耐熱性及び絶縁信頼性を高めることができる。環状エーテル基を有する化合物(C)は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
環状エーテル基を有する化合物(C)は、環状エーテル基を有していれば特に限定されない。環状エーテル基としては、エポキシ基及びオキセタニル基等が挙げられる。なかでも、硬化性を高め、かつ耐熱性及び絶縁信頼性により一層優れた硬化物を得る観点からは、上記環状エーテル基はエポキシ基であることが好ましい。環状エーテル基を有する化合物(C)は、環状エーテル基を2個以上有することが好ましい。
エポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールS型エポキシ化合物、ジグリシジルフタレート化合物、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ化合物、ビキシレノール型エポキシ化合物、ビフェノール型エポキシ化合物、テトラグリシジルキシレノイルエタン化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ化合物、キレート型エポキシ化合物、グリオキザール型エポキシ化合物、アミノ基含有エポキシ化合物、ゴム変性エポキシ化合物、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ化合物、シリコーン変性エポキシ化合物及びε−カプロラクトン変性エポキシ化合物等が挙げられる。
オキセタニル基を有する化合物は、例えば、特許第3074086号公報に例示されている。
環状エーテル基を有する化合物(C)の25℃での粘度は、300mPa・sを超えることが好ましい。
環状エーテル基を有する化合物(C)の配合量は、熱の付与により適度に硬化するように適宜調整され、特に限定されない。上記硬化性組成物100重量%中、環状エーテル基を有する化合物(C)の含有量は好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、好ましくは95重量%以下、より好ましくは90重量%以下、更に好ましくは85重量%以下、特に好ましくは80重量%以下である。上記硬化性組成物100重量%中、環状エーテル基を有する化合物(C)の含有量は、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上である。ウレタン(メタ)アクリレート(A1)とともに光硬化性化合物(A2)が用いられる場合には、上記硬化性組成物100重量%中、環状エーテル基を有する化合物(C)の含有量は、特に好ましくは50重量%以下、最も好ましくは40重量%以下である。環状エーテル基を有する化合物(C)の含有量が上記下限以上であると、熱の付与により硬化性組成物をより一層効果的に硬化させることができる。環状エーテル基を有する化合物(C)の含有量が上記上限以下であると、硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
[熱硬化剤(D)]
上記硬化性組成物は、熱の付与によって効率的に硬化可能にするために、熱硬化剤(D)を含む。熱硬化剤(D)は、環状エーテル基を有する化合物(C)を硬化させる。熱硬化剤(D)は特に限定されない。熱硬化剤(D)として、従来公知の熱硬化剤を用いることができる。熱硬化剤(D)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記硬化性組成物のポットライフを長くする観点からは、熱硬化剤(D)は、潜在性熱硬化剤であることが好ましい。
熱硬化剤(D)としては、有機酸、アミン化合物、アミド化合物、ヒドラジド化合物、イミダゾール化合物、イミダゾリン化合物、フェノール化合物、ユリア化合物、ポリスルフィッド化合物及び酸無水物等が挙げられる。熱硬化剤(D)として、アミン−エポキシアダクトなどの変性ポリアミン化合物を用いてもよい。これら以外の熱硬化剤(D)を用いてもよい。
熱硬化剤(D)の具体例としては、ジシアンジアミド、ヒドラジド化合物、イミダゾール化合物、トリアジン環を有する化合物、メチル(メタ)アクリレート樹脂又はスチレン樹脂等により形成されたシェルにより、トリフェニルホスフィン(熱硬化剤)が被覆されている潜在性熱硬化剤(例えば、日本化薬社製「EPCAT−P」及び「EPCAT−PS」)、ポリウレア系重合体又はラジカル重合体により形成されたシェルにより、アミンなどの熱硬化剤が被覆されている潜在性熱硬化剤、変性イミダゾールなどの熱硬化剤をエポキシ樹脂中に分散させて閉じ込め、粉砕することにより得られた潜在性熱硬化剤、熱可塑性高分子内に熱硬化剤を分散させ、含有させた潜在性熱硬化剤、並びにテトラキスフェノール類化合物などにより被覆されたイミダゾール潜在性熱硬化剤(例えば、日本曹達社製「TEP−2E4MZ」及び「HIPA−2E4MZ」)等が挙げられる。
加温された際の粘度変化をより一層小さくし、ポットライフをより一層長くする観点からは、熱硬化剤(D)はジシアンジアミド、ヒドラジド化合物、イミダゾール化合物及びトリアジン環を有する化合物からなる群から選択された少なくとも1種であるであることが好ましい。
上記イミダゾール化合物の具体例としては、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記トリアジン環を有する化合物の具体例としては、メラミン、メラミンシアヌレート、TEPIC−S(日産化学工業社製)及び2,4,6−トリ(6’−ヒドロキシ−1’−ヘキシルアミノ)トリアジン等が挙げられる。
ジシアンジアミド粒子やヒドラジド化合物粒子の沈降やノズル詰まりを防止するため、ジシアンジアミド又はヒドラジド化合物粒子をあらかじめ、ジシアンジアミド又はヒドラジド化合物と反応しうる官能基を有する官能基含有化合物(環状エーテル基を有する化合物など)と反応させ、組成物中に溶解させてもよい。この場合でも、組成物のポットライフは良好である。
ジシアンジアミド又は上記ヒドラジン化合物と反応させる環状エーテル基を有する化合物は、環状エーテル基を1個有する化合物であることが好ましい。
上記ジシアンジアミド又は上記ヒドラジン化合物と反応させる環状エーテル基を有する化合物の具体例としては、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、オルトクレジルグリシジルエーテル、メタクレジルグリシジルエーテル、パラクレジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、パラt−ブチルフェニルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類や、グリシジル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ジシアンジアミドと上記官能基含有化合物との反応において、ジシアンジアミド1モルに対し、上記官能基含有化合物を0.2モル以上、4モル以下で反応させることが好ましい。上記ヒドラジド化合物と上記官能基含有化合物との反応において、上記ヒドラジド化合物1モルに対し、上記官能基含有化合物を好ましくは0.2モル以上、より好ましくは2モル以上、好ましくは6モル以下、より好ましくは5モル以下で反応させることが好ましい。上記官能基含有化合物の使用量が上記下限未満であると、未反応のジシアンジアミド又はヒドラジド化合物が析出するおそれがある。上記官能基含有化合物の使用量が上記上限を超えると、上記反応粘稠物の活性水素がすべて失活し、環状エーテル基を有する化合物(C)を硬化させることができなくなるおそれがある。なお、この反応では、必要に応じて溶媒又は反応促進剤の存在下、60℃〜140℃で反応させることが好ましい。
ジシアンジアミド又は上記ヒドラジド化合物と上記官能基含有化合物との反応時に、ジシアンジアミド又は上記ヒドラジド化合物を溶解させるために溶剤を用いてもよい。該溶剤は、ジシアンジアミド又はヒドラジド化合物を溶解させることが可能な溶剤であればよい。使用可能な溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド及びメチルセロソルブ等が挙げられる。
ジシアンジアミド又は上記ヒドラジド化合物と上記官能基含有化合物との反応を促進するため、反応促進剤を用いてもよい。反応促進剤として、フェノール類、アミン類、イミダゾール類及びトリフェニルフォスフィンなどの公知慣用の反応促進剤を使用できる。
インクジェット吐出性をより一層高める観点からは、上記反応粘稠物は、固体ではないことが好ましく、結晶ではないことが好ましく、結晶性固体ではないことが好ましい。上記反応粘稠物は、液状又は半固形状であることが好ましい。
上記反応粘稠物は、透明又は半透明であることが好ましい。上記反応粘稠物が透明又は半透明であるか否かは、厚み5mmの上記反応粘稠物を介して物体を見たときに、該物体が視認可能であるか否かで判断できる。
環状エーテル基を有する化合物(C)と熱硬化剤(D)との配合比率は特に限定されない。熱硬化剤(D)の配合量は、熱の付与により適度に硬化するように適宜調整され、特に限定されない。環状エーテル基を有する化合物(C)100重量部に対して、熱硬化剤(D)の含有量は、好ましくは5重量部以上、より好ましくは10重量部以上、好ましくは60重量部以下、より好ましくは50重量部以下である。
[光及び熱硬化性化合物(F)]
上記硬化性組成物は、光及び熱硬化性化合物を含むことが好ましい。光及び熱硬化性化合物(F)としては、各種の光硬化性官能基と各種の熱硬化性官能基とを有する化合物が挙げられる。光及び熱硬化性化合物(F)は、(メタ)アクリロイル基と環状エーテル基とを有することが好ましく、(メタ)アクリロイル基とエポキシ基とを有することが好ましい。光及び熱硬化性化合物(F)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
光及び熱硬化性化合物(F)としては、特に限定されないが、(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物、エポキシ化合物の部分(メタ)アクリル化物、ウレタン変性(メタ)アクリルエポキシ化合物等が挙げられる。
上記エポキシ化合物の部分(メタ)アクリル化物としては、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って触媒の存在下で反応させることにより得られる。上記エポキシ化合物の部分(メタ)アクリル化物に用いることができるエポキシ化合物としては、ノボラック型エポキシ化合物及びビスフェノール型エポキシ化合物等が挙げられる。上記ノボラック型エポキシ化合物としては、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、トリスフェノールノボラック型エポキシ化合物、及びジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物等が挙げられる。上記ビスフェノール型エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノール型エポキシ化合物、及びポリオキシプロピレンビスフェノールA型エポキシ化合物等が挙げられる。エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との配合量を適宜変更することにより、所望のアクリル化率のエポキシ化合物を得ることが可能である。エポキシ基1当量に対してカルボン酸の配合量は、好ましくは0.1当量以上、より好ましくは0.2当量以上、好ましくは0.7当量以下、より好ましくは0.5当量以下である。
上記ウレタン変性(メタ)アクリルエポキシ化合物は、例えば、以下の方法によって得られる。ポリオールと2官能以上のイソシアネートを反応させ、さらに残りのイソシアネート基に、酸基を有する(メタ)アクリルモノマー及びグリシドールを反応させる。または、ポリオールを用いず、2官能以上のイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとグリシドールとを反応させてもよい。または、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートモノマーにグリシドールを反応させても、上記ウレタン変性(メタ)アクリルエポキシ化合物が得られる。具体的には、例えば、まず、トリメチロールプロパン1モルとイソホロンジイソシアネート3モルとを錫系触媒下で反応させる。得られた化合物中に残るイソシアネート基と、水酸基を有するアクリルモノマーであるヒドロキシエチルアクリレート、及び水酸基を有するエポキシであるグリシドールを反応させることにより、上記ウレタン変性(メタ)アクリルエポキシ化合物が得られる。
上記ポリオールとしては、特に限定されず、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、及び(ポリ)プロピレングリコール等が挙げられる。
上記イソシアネートは、2官能以上であれば、特に限定されない。上記イソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、及び1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
光及び熱硬化性化合物(F)の25℃での粘度は、好ましくは100mPa・s以下である。光及び熱硬化性化合物(F)の粘度が上記上限以下であると、インクジェット吐出性により一層優れた硬化性組成物が得られる。
光及び熱硬化性化合物(F)が、下記式(11)で示されるグリシジル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
Figure 0006263138
上記式(11)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
光及び熱硬化性化合物(F)の含有量は特に限定されない。上記硬化性組成物100重量%中、光及び熱硬化性化合物(F)の含有量は好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。
[他の成分]
上記硬化性組成物は、硬化促進剤を含んでいてもよい。
上記硬化促進剤としては、第三級アミン、イミダゾール、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、有機金属塩、リン化合物及び尿素系化合物等が挙げられる。
上記硬化性組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で種々の添加剤を配合してもよい。該添加剤としては特に限定されず、消泡剤、レベリング剤及び密着性付与剤等が挙げられる。また、上記硬化性組成物は、少量であれば有機溶剤を含んでいてもよい。
上記消泡剤としては、シリコーン系消泡剤、フッ素系消泡剤及び高分子系消泡剤等が挙げられる。上記レベリング剤としては、シリコーン系レベリング剤、フッ素系レベリング剤及び高分子系レベリング剤等が挙げられる。上記密着性付与剤としては、イミダゾール系密着性付与剤、チアゾール系密着性付与剤、トリアゾール系密着性付与剤及びシランカップリング剤が挙げられる。
(インクジェット用硬化性組成物の他の詳細)
上記硬化性組成物においては、JIS K2283に準拠して測定された25℃での粘度η1(加熱前の粘度)は160mPa・s以上、1200mPa・s以下である。上記硬化性組成物の粘度が上記下限以上及び上記上限以下であると、上記硬化性組成物をインクジェットヘッドから容易にかつ精度よく吐出できる。さらに、上記硬化性組成物が50℃以上に加温されても、該硬化性組成物をインクジェットヘッドから容易にかつ精度よく吐出できる。
上記硬化性組成物の25℃での粘度は、より好ましくは1000mPa・s以下、更に好ましくは500mPa・s以下である。上記粘度が好ましい上記上限以下であると、上記硬化性組成物をヘッドから連続吐出したときに、吐出性がより一層良好になる。また、上記硬化性組成物の濡れ拡がりをより一層抑制し、硬化物層を形成する際の解像度をより一層高める観点からは、上記硬化性組成物の25℃での粘度は500mPa・sを超えることが好ましい。
上記硬化性組成物は、有機溶剤を含まないか、又は有機溶剤を含みかつ上記硬化性組成物100重量%中の上記有機溶剤の含有量は50重量%以下であることが好ましい。上記硬化性組成物100重量%中、上記有機溶剤の含有量はより好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。上記有機溶剤の含有量が少ないほど、硬化物層を形成する際の解像度がより一層良好になる。
上記硬化性組成物は、有機溶剤を含まないか、又は有機溶剤を含みかつ熱硬化剤(D)100重量部に対して上記有機溶剤の含有量は50重量部以下であることが好ましい。熱硬化剤(D)100重量部に対して、上記有機溶剤の含有量はより好ましくは20重量部以下、更に好ましくは10重量部以下、特に好ましくは1重量部以下である。上記有機溶剤の含有量が少ないほど、硬化物層を形成する際の解像度がより一層良好になる。
(電子部品の製造方法)
次に、本発明に係る電子部品の製造方法について説明する。
本発明に係る電子部品の製造方法では、上述のインクジェット用硬化性組成物が用いられる。すなわち、本発明に係る電子部品の製造方法では、先ず、上記硬化性組成物を、インクジェット方式にて塗工し、パターン状に描画する。このとき、上記硬化性組成物を直接描画することが特に好ましい。「直接描画する」とは、マスクを用いずに描画することを意味する。上記電子部品としては、プリント配線板及びタッチパネル部品等が挙げられる。上記電子部品は、配線板であることが好ましく、プリント配線板であることがより好ましい。
上記硬化性組成物の塗工には、インクジェットプリンタが用いられる。該インクジェットプリンタは、インクジェットヘッドを有する。インクジェットヘッドはノズルを有する。インクジェット装置は、インクジェット装置内又はインクジェットヘッド内の温度を50℃以上に加温するための加温部を備えることが好ましい。上記硬化性組成物は、塗工対象部材上に塗工されることが好ましい。上記塗工対象部材としては、基板等が挙げられる。該基板としては、配線等が上面に設けられた基板等が挙げられる。上記硬化性組成物は、プリント基板上に塗工されることが好ましい。
また、本発明に係る電子部品の製造方法により、基板をガラスを主体とする部材に変え、液晶表示装置等の表示装置用のガラス基板を作製することも可能である。具体的には、ガラスの上に、蒸着等の方法によりITO等の導電パターンを設け、この導電パターン上に本発明に係る電子部品の製造方法により、インクジェット方式で硬化物層を形成してもよい。この硬化物層上に、導電インク等でパターンを設ければ、硬化物層が絶縁膜となり、ガラス上の導電パターンの中で、所定のパターン間にて電気的接続が得られる。
次に、パターン状に描画された上記硬化性組成物に光を照射及び熱を付与し、硬化させて、硬化物層を形成する。このようにして、硬化物層を有する電子部品を得ることができる。該硬化物層は、絶縁膜であってもよく、レジストパターンであってもよい。該絶縁膜は、パターン状の絶縁膜であってもよい。該硬化物層はレジストパターンであることが好ましい。上記レジストパターンはソルダーレジストパターンであることが好ましい。
本発明に係る電子部品の製造方法は、レジストパターンを有するプリント配線板の製造方法であることが好ましい。上記硬化性組成物を、インクジェット方式にて塗工し、パターン状に描画し、パターン状に描画された上記硬化性組成物に光を照射及び熱を付与し、硬化させて、レジストパターンを形成することが好ましい。
パターン状に描画された上記硬化性組成物に、光を照射することにより一次硬化させ、一次硬化物を得てもよい。これにより描画された硬化性組成物の濡れ拡がりを抑制することができ、高精度なレジストパターンが形成可能となる。また、光の照射により一次硬化物を得た場合には、一次硬化物に熱を付与することにより本硬化させ、硬化物を得て、レジストパターンなどの硬化物層を形成してもよい。本発明に係る硬化性組成物は、光の照射及び熱の付与により硬化可能である。光硬化と熱硬化とを併用した場合には、耐熱性により一層優れたレジストパターンなどの硬化物層を形成することができる。熱の付与により硬化させる際の加熱温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。
上記光の照射は、描画の後に行われてもよく、描画と同時に行われてもよい。例えば、硬化性組成物の吐出と同時又は吐出の直後に光を照射してもよい。このように、描画と同時に光を照射するために、インクジェットヘッドによる描画位置に光照射部分が位置するように光源を配置してもよい。
光を照射するための光源は、照射する光に応じて適宜選択される。該光源としては、UV−LED、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ及びメタルハライドランプ等が挙げられる。照射される光は、一般に紫外線であり、電子線、α線、β線、γ線、X線及び中性子線等であってもよい。
上記硬化性組成物の塗工時における温度は、上記硬化性組成物がインクジェットヘッドから吐出できる粘度となる温度であれば特に限定されない。上記硬化性組成物の塗工時における温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、好ましくは100℃以下である。塗工時における上記硬化性組成物の粘度は、インクジェットヘッドから吐出できる範囲であれば特に限定されない。
また、印刷時に、基板を冷却するという方法もある。基板を冷却すると、着弾時に硬化性組成物の粘度が上がり、解像度が良くなる。この際には、結露しない程度に冷却をとどめるか、結露しないよう雰囲気の空気を除湿することが好ましい。また、冷却することで、基板が収縮するので、寸法精度を補正してもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(合成例1)
攪拌器、温度計、滴下ロートを備えた3つ口フラスコに、メチルセロソルブ50g、ジシアンジアミド15g、及び2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン1gを加え、100℃に加熱してジシアンジアミドを溶解させた。溶解後、ブチルグリシジルエーテル130gを滴下ロートから20分かけて滴下し、1時間反応させた。その後60℃に温度を下げ、減圧にして溶媒を除去し、黄色及び半透明の反応粘稠物を得た。得られた反応粘稠物は溶媒を含んでいなかった。
(合成例2)
攪拌器、温度計、滴下ロートを備えた3つ口フラスコに、メチルセロソルブ50g、ジシアンジアミド15g、及び2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン1gを加え、100℃に加熱してジシアンジアミドを溶解させた。溶解後、オルソクレジルグリシジルエーテル40gを滴下ロートから20分かけて滴下し、1時間反応させた。その後60℃に温度を下げ、減圧にして溶媒を除去し、黄色及び半透明の反応粘稠物を得た。得られた反応粘稠物は溶媒を含んでいなかった。
(実施例1)
ウレタンアクリレート(ウレタン(メタ)アクリレート(A1)、2官能、脂肪族系、ダイセル・オルネクス社製「EBECRYL8402」)23重量部と、イソボルニルアクリレート(光硬化性化合物(A2)、ダイセル・オルネクス社製「IBOA−B」)40重量部と、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(光硬化性化合物(A2)、ダイセル・オルネクス社製「EBECRYL180」12重量部と、光ラジカル重合開始剤(光重合開始剤(B)、α−アミノアルキルフェノン型、BASFジャパン社製「Irgacure 369」)5重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(環状エーテル基を有する化合物(C)、新日鐵住金化学社製「YD−127」)10重量部と、合成例1で得られた反応粘稠物(熱硬化剤(D))10重量部とを混合し、インクジェット用硬化性組成物を得た。
(実施例2〜20及び比較例1〜10)
配合成分の種類及び配合量を下記の表1〜3に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット用硬化性組成物を得た。
(1)粘度
JIS K2283に準拠して、粘度計(東機産業社製「TVE22L」)を用いて、作製直後の硬化性組成物の25℃及び10rpmでの粘度η1を測定した。硬化性組成物の粘度η1を下記の判定基準で判定した。
[粘度の判定基準]
A:粘度η1が1200mPa・sを超える
B:粘度η1が1000mPa・sを超え、1200mPa・s以下
C:粘度η1が500mPa・sを超え、1000mPa・s以下
D:粘度η1が160mPa・s以上、500mPa・s以下
E:粘度η1が160mPa・s未満
(2)粘度上昇(保存安定性及びポットライフの長さ)
JIS K2283に準拠して、粘度計(東機産業社製「TVE22L」)を用いて、作製直後のインクジェット用硬化性組成物の25℃での粘度η1を測定した。次に、作製直後のインクジェット用硬化性組成物を80℃で24時間加熱した。加熱後のインクジェット用硬化性組成物の粘度η2を粘度η1と同様にして測定した。粘度上昇を下記の判定基準で判定した。なお、加熱は、酸素が存在しない環境下で行った。
[粘度の判定基準]
○○:比(η2/η1)が1以上、1.1以下
○:比(η2/η1)が1.1を超え、1.2以下
△:比(η2/η1)が1.2を超え、1.3以下
×:比(η2/η1)が1.3以上
(3)インクジェット吐出性
紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドから、得られたインクジェット用硬化性組成物の吐出試験を行い、下記の判断基準で評価した。なお、粘度が500mPa・s以下である硬化性組成物の吐出試験時には、ヘッド温度を80℃とし、粘度が500mPa・sを超える硬化性組成物の吐出試験時には、ヘッド温度を95℃とした。
[インクジェット吐出性の判断基準]
○○:硬化性組成物をヘッドから10時間以上連続して吐出可能であった
○:硬化性組成物をヘッドから10時間以上連続して吐出可能であるが、10時間の連続吐出の間にわずかに吐出むらが生じる
△:硬化性組成物をヘッドから連続して吐出可能であるが、10時間以上連続して吐出不可能であった
×硬化性組成物をヘッドから吐出の初期段階で吐出不可能であった
(4)濡れ拡がり
銅箔が上面に貼り付けられている銅箔付きFR−4基板を用意した。この基板上に銅箔の表面の全体を覆うようにインクジェット用硬化性組成物を、紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドから、ラインの幅80μmでライン間の間隔が80μmとなるように吐出して塗工し、パターン状に描画した。なお、粘度が500mPa・s以下であるインクジェット用硬化性組成物の吐出試験時には、ヘッド温度を80℃とし、粘度が500mPa・sを超えるインクジェット用硬化性組成物の吐出試験時には、ヘッド温度を95℃とした。
基板上に塗工されたインクジェット用硬化性組成物(厚み20μm)に波長365nmの紫外線を、照射エネルギーが1000mJ/cmとなるように照射した。
紫外線を照射して5分後に、パターンの濡れ拡がりを目視により観察し、濡れ拡がりを下記の基準で判定した。
[濡れ拡がりの判定基準]
○:濡れ拡がりの状態が、狙いのライン幅+75μm以下
×:描画部分から組成物層が濡れ拡がっており、ライン間の間隔が無くなっているか、又は濡れ拡がりの状態が、狙いのライン幅+75μmを超える
(5)ポットライフの長さ
5μmのメンブレンフィルターを用いて、得られたインクジェット用硬化性組成物をろ過し、ろ過したインクジェット用硬化性組成物を80℃で12時間加熱した。
銅箔が上面に貼り付けられている銅箔付きFR−4基板を用意した。基板上の銅箔上に、インクジェット用硬化性組成物を、紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドから、ラインの幅80μmでライン間の間隔が80μmとなるように吐出して塗工し、パターン状に描画しようと試みた。このときのインクジェットヘッドからの吐出性から、ポットライフの長さを下記の判定基準で判定した。なお、粘度が500mPa・s以下である硬化性組成物の吐出試験時には、ヘッド温度を80℃とし、粘度が500mPa・sを超える硬化性組成物の吐出試験時には、ヘッド温度を95℃とした。
[ポットライフの長さの判定基準]
○○:インクジェットヘッドから組成物を吐出できた
○:吐出前に組成物の硬化がわずかに進行しているか、又は組成物の粘度がわずかに上昇しているが、インクジェットヘッドから組成物を吐出できた
△:吐出前に組成物が硬化しているか、又は組成物の粘度が上昇しており、インクジェットヘッドから組成物を吐出できなかった
×:組成物がかなり硬化している
(6)ゲル化
酸素が存在しない環境下で80℃で24時間加熱することにより、ゲル化を評価した。ゲル化を下記の基準で判定した。
[ゲル化の判定基準]
○:ゲルが発生していない
×:ゲルが発生している
(7)耐熱性
銅箔が上面に貼り付けられている銅箔付きFR−4基板を用意した。基板上の銅箔上に、インクジェット用硬化性組成物を、紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドから、ラインの幅80μmでライン間の間隔が80μmとなるように吐出して塗工し、パターン状に描画した。なお、粘度が500mPa・s以下である硬化性組成物の吐出試験時には、ヘッド温度を80℃とし、粘度が500mPa・sを超える硬化性組成物の吐出試験時には、ヘッド温度を95℃とした。
パターン状に描画されたインクジェット用硬化性組成物(厚み20μm)に波長365nmの紫外線を、照射エネルギーが1000mJ/cmとなるように照射し、一次硬化物を得た。次に、一次硬化物を150℃で60分間加熱し、本硬化させ、硬化物であるレジストパターンを得た。
得られた基板とレジストパターンとの積層体を270℃のオーブン内で5分間加熱した後、加熱後のレジストパターンの外観を目視で検査した。さらに、加熱後のレジストパターンにセロハンテープを貼り付けて、90度方向にセロハンテープを剥離した。外観検査及び剥離試験により、耐熱性を下記の基準で判定した。
[耐熱性の判定基準]
○:外観検査において加熱前後でレジストパターンに変化がなく、かつ剥離試験においてレジストパターンが基板から剥離しなかった
×:外観検査においてレジストパターンにクラック、剥離及び膨れの内の少なくとも1つがあるか、又は剥離試験においてレジストパターンが基板から剥離した
(8)絶縁信頼性(耐マイグレーション性)
IPC−B−25のくし型テストパターンBを用意した。このくし型テストパターンBを80℃に加温して、くし型テストパターンBの表面の全体を覆うようにインクジェット用硬化性組成物を、紫外線照射装置付きピエゾ方式インクジェットプリンタのインクジェットヘッドから、吐出して塗工した。なお、粘度が500mPa・s以下であるインクジェット用硬化性組成物の吐出試験時には、ヘッド温度を80℃とし、粘度が500mPa・sを超えるインクジェット用硬化性組成物の吐出試験時には、ヘッド温度を95℃とした。
塗工されたインクジェット用硬化性組成物(厚み20μm)に、高圧水銀灯を用いて、波長365nmの紫外線を、照射エネルギーが1000mJ/cmとなるように照射した。次に、一次硬化物を150℃で60分間加熱し、本硬化させ、硬化物であるレジストパターンを形成し、テストピースを得た。
得られたテストピースを、85℃及び相対湿度85%及び直流50Vを印加した条件で、500時間加湿試験を行った。加湿試験後の絶縁抵抗を測定した。
結果を下記の表1〜3に示す。なお、(2)粘度上昇(保存安定性及びポットライフの長さ)の評価以外の評価では、80℃で12時間加熱していないインクジェット用硬化性組成物を用いた。
Figure 0006263138
Figure 0006263138
Figure 0006263138

Claims (8)

  1. インクジェット方式により塗工され、かつ光の照射と熱の付与とにより硬化可能であるインクジェット用硬化性組成物であって、
    光硬化性化合物と、環状エーテル基を有する化合物と、光重合開始剤と、熱硬化剤とを含有し、
    前記光硬化性化合物が、ウレタン(メタ)アクリレートを含み、
    JIS K2283に準拠して測定された25℃での粘度が160mPa・s以上、1200mPa・s以下である、インクジェット用硬化性組成物。
  2. 前記ウレタン(メタ)アクリレートが、カルボキシル基を有さない、請求項1に記載のインクジェット用硬化性組成物。
  3. 前記ウレタン(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリロイル基を2個又は3個有する、請求項1又は2に記載のインクジェット用硬化性組成物。
  4. 前記ウレタン(メタ)アクリレートがε−カプロラクトン由来の構造を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用硬化性組成物。
  5. 前記ウレタン(メタ)アクリレートの含有量が1重量%以上、40重量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用硬化性組成物。
  6. 前記光硬化性化合物が、ウレタン(メタ)アクリレート以外の光硬化性化合物を含み、
    光硬化性化合物の全体の含有量が10重量%以上、90重量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用硬化性組成物。
  7. 前記光硬化性化合物が、脂環式(メタ)アクリレートを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット用硬化性組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用硬化性組成物を、インクジェット方式にて塗工し、パターン状に描画する工程と、
    パターン状に描画された前記インクジェット用硬化性組成物に光を照射及び熱を付与し、硬化させて、硬化物層を形成する工程とを備える、電子部品の製造方法。
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