JP6263099B2 - 撥水撥油膜状硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、撥水性、撥油性を発現可能なフッ素を含まない撥水撥油膜状硬化物に関する。
これまで撥水性、撥油性を発現するために、フルオロアルキル基のようなフッ素を含む官能基の導入一般に行われている。特許文献1によれば、フルオロアルキル基を含むシルセスキオキサンが撥水撥油性に優れた表面処理剤として有効あることが開示されている。
また、特許文献2によれば、ペンタフルオロスルファニル基を有する重合性化合物が撥水・撥油性を付与できる化合物として開示されている。
フッ素を含まない撥水撥油性の検討も行われており、例えば、特許文献3によれば、オクタデシル基のような長鎖炭化水素を導入する事で撥水・撥油性が付与できることが開示されている。
一方、特許文献4によれば、表面に微細凹凸パターンを形成する事で超撥水性が付与可能であることが開示されている。
特開2012−1724号公報 特開2010−222279号公報 特開2011−148718号公報 特開2000−144116号公報
撥水性、撥油性の発現にフッ素を含む官能基の適用が最も有効であるが、フッ素を含む撥水撥油膜の分解、廃棄における環境へのフッ素の拡散が問題となっており、フッ素を含まない撥水撥油膜状硬化物の開発が求められている。
特許文献3のような長鎖アルキル基を用いた撥水撥油処理材の形成も可能であるが、フッ素含有材料に比べ特性が劣るだけでなく、熱的安定性が低くなる傾向にある。
一方、特許文献4に開示された無機化合物を利用して表面に凹凸パターンを形成する事で得られる撥水膜は耐熱性に問題がないが、多孔性であるためにその機械特性が不十分である。
本発明の撥水撥油膜状硬化物は、環境汚染の一因となるフッ素原子を含まずに優れた撥水性、撥油性を発現することが可能な撥水撥油膜状硬化物であって、以下の特徴を有する撥水撥油膜状硬化物である。
〔1〕 フッ素及び炭素数5を超える長鎖アルキル基並びに無機酸化物及び金属を含まない撥水撥油膜状硬化物において、親水性ドメインが撥水性マトリックスの最表面に分散して形成され、前記親水性ドメイン面積が2から50%であり、前記親水性ドメイン形状が異方性を有し、その短軸長さが5から100nmであることを特徴とする撥水撥油膜状硬化物。
〔2〕 前記親水性ドメインは、極性を有し表面自由エネルギーを大きくする効果を有する反応により極性基の結合から形成されており、前記反応により極性基が結合したものとしては、ウレタン結合、ウレア結合およびエーテル結合のいずれか1つ以上であり、
前記撥水性マトリックスは、極性が低く表面自由エネルギーを小さくする効果を有する非極性基および/または反応により非極性基の結合から形成されており、前記非極性基を有する基としては、長鎖が炭素数5以下の脂肪族炭化水素基およびベンゼン環1つの芳香族炭化水素基のいずれか1つ以上の基であり、前記反応により非極性基が結合したものとしては、炭素−ケイ素結合およびシロキサン結合のいずれか1つ以上の結合であることを特徴とする前記〔1〕に記載の撥水撥油膜状硬化物。
本発明で得られるフッ素含まない撥水撥油膜状硬化物は、フッ素を含まないことにより環境負荷が非常に小さな材料となる。塗膜としたときに透明性、防汚性、撥水撥油性、表面滑り性、耐擦傷性及び耐熱性等の特性を有することから、光ファイバーの鞘材、ガラスフィルター用保護膜、太陽電池等の光学材料部材の表面処理材として用いられる。また、耐熱性と耐摩耗性に優れることより、半導体用封止剤、半導体用絶縁膜等の半導体用材料、ガラストップコンロ、IHヒータ用天板、摺動表面処理膜等の各用途に適用することができる。
実施例1のAFM像。(a)位相モードイメージ像、(b)親水疎水部の黒白表示像 実施例1の紫外可視透過スペクトル 実施例2のTG−DTAチャート
本発明の撥水撥油膜状硬化物は、フッ素含有官能基及び炭素数5を超える長鎖アルキル基を含まないものであり、親水性ドメインが撥水性マトリックス中分散して存在する構造により、単一物質のみで達成可能な撥油特性を超える撥水撥油性を発現するものである。
本発明の撥水撥油膜状硬化物は、アルキル基を含んでも良いが、その炭素数が5を超えないものであることが好ましい。5を超えると撥水撥油膜状硬化物の耐熱性が大きく低下するためその適用範囲が限定され好ましくない。
本発明の撥水撥油膜状硬化物は、親水性ドメインが撥水性マトリックス中に分散する構成が最表面に形成されることでその特性が発現される。更には、最表面の親水性、撥水性の構成比率や形状が後述の形態を満足するのが好ましい。
本発明の撥水撥油膜状硬化物は、撥水性マトリックスに親水性ドメインを分散させてあることを特徴とし、撥水性組成物に対して親水性組成物を後記する割合で混合することによって生産することが可能である。親水性組成物の混合割合は、撥水性組成物に対して50%以下であればよいが、少なくとも撥水撥油膜状硬化物の表面において親水性ドメインの面積が2%以上になるように混合する必要がある。
すなわち、本発明の撥水撥油膜状硬化物は、表面における親水ドメイン面積が2から50%が好ましい。2%に満たない場合は目的とする撥油性を得ることが出来ない。50%を超える場合、親水性が高くなり目的とする撥水性を発現する事が出来ない。好ましくは、10から45%である。
本発明での親水性ドメインと撥水性マトリックスの面積は、走査型プローブ顕微鏡の位相モードによる測定により得られデータの位相の異なる状態により測定する。(位相差が小さい状態が撥水、位相差が大きい状態が親水)。すなわち、位相の異なる状態をイメージングした後、親水性ドメイン面積比率は、異なる位相像の面積比率により算出することができる。
本発明の親水性ドメインの形状は均質に分散しても構わないが、異方性を有する形状の方がより少ない面積で目的とする撥水撥油特性を発現する事が可能となるので好ましい。
親水性ドメインの形状は、後述する相分離による自己組織化により形成され、粒子状(球状、楕円球状及びその変形した形状)、繊維状等の形状をとるが、自己組織化によって繊維状になっている割合が高い。そして、親水性ドメインの長軸は1μm以下、好ましくは500nm以下で、短軸長さが5から100nmである事が好ましい。短軸長さが、5nmに満たない場合は目的とする撥油性を得ることが出来ない。100nmを超える場合、親水性が高くなり目的とする撥水性を発現する事が出来ない。好ましくは短軸長さは、10から50nmである。
自己組織化によって生成した撥水性マトリックス中に分散する親水性ドメインの形状の表面は、通常滑らかではなく、凹凸を有する複雑な形状になっていると推測される。また、細長い繊維状に成長した親水性ドメインは、直線状ではなく複雑に曲がった形で撥水性マトリックス中に分散する。
本発明の撥水撥油膜状硬化物は、親水性置換基(官能基)を有する組成物(以下適宜「親水性組成物」という場合がある。)と撥水性置換基を有する組成物(以下適宜「撥水性組成物」という場合がある。)を組合せ、自己組織的な相分離により形成される。自己組織化とは、比較的小さな分子が自然に集まって高次構造を構築するものであり、化学の分野でも色々活用されている。例えば、結晶やミセル、単分子膜、メソポーラス構造化等が挙げられる。
本発明の撥水撥油膜状硬化物は、撥水撥油材料を基板上に塗布することにより、親水性ドメインと撥水性マトリックスが最表面に分散して存在するように撥水撥油性膜が形成される。
親水性ドメインは、極性を有し表面自由エネルギーを大きくする効果を有する組成から形成され、撥水性マトリックスは、極性が低く表面自由エネルギーを小さくする効果を有する組成から形成される。
前記親水性ドメインは、極性を有し表面自由エネルギーを大きくする効果を有する親水性の極性を有する基および/または反応により極性基の結合から形成されており、前記親水性の極性を有する基としては、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アミノ基、(メタ)アクロイル基、エポキシ基、チオール基、カルボキシル基、酸無水物変性基およびシアノ基のいずれか1つ以上の基であり、前記反応により極性基が結合したものとしては、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、ペプチド結合、エーテル結合、エステル結合、スルフィド結合およびチオエステル結合のいずれか1つ以上である。
前記撥水性マトリックスは、極性が低く表面自由エネルギーを小さくする効果を有する非極性基および/または反応により非極性基の結合から形成されており、前記非極性基を有する基としては、ビニル基、脂肪族炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルケニレン基、アルコキシ基、アダマンチル基)および芳香族炭化水素基(アリール基、アラルキル基、アリーレン基)のいずれか1つ以上の基であり、前記反応により非極性基が結合したものとしては、炭素−ケイ素結合、シロキサン結合、アルカンおよびシクロアルカンいずれか1つ以上の結合である。
本発明の撥水撥油材料が液体である場合は、そのままあるいは溶媒で希釈することにより塗布液として用いることができる。本発明の撥水撥油材料が、個体あるいは粘性の高い液体である場合は、溶媒に溶かして塗布液として用いることができる。
本発明では、親水性置換基(官能基)を有する極性組成物と撥水性置換基を有する低極性組成物を溶媒中に混合し、溶媒が揮発するに従い極性の違いにより親水性ドメインと撥水性マトリックスの相分離構造を形成させることが好ましい。この時、親水性組成物と撥水性組成物が化学結合することが好ましい。
用いられる親水性置換基(官能基)(親水性組成物)を有する組成物と撥水性置換基を有する組成物(撥水性組成物)は、有機物、無機物の種類を含め目的とする置換基(官能基)を含むものであれば特に限定されない。
親水性組成物としては、極性を有し表面自由エネルギーを大きくする効果を有する親水性官能基であるヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルボニル基、イソシアネート基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基、チオール基を1つ以上含有する化合物(以下適宜「親水性置換基(官能基)を有する化合物」という場合がある。)が挙げられる。
親水性置換基(官能基)を有する化合物としては、アミノ化合物、アクリル化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、イミド化合物、マレイミド化合物、フェノール化合物、フタル酸化合物、チオール化合物、親水性官能基を持ったシルセスキオキサン等があげられる。
好ましくは、(メタ)アクリル化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、マレイミド化合物、イソシアネート化合物、チオール化合物、親水性官能基を持ったシルセスキオキサン等をあげることができる。
(メタ)アクリル系化合物としては、例えば、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、アクリル酸−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−ヒドロキシエチル、アクリル酸−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。
また、マクロモノマーのような反応性高分子を用いても良い。例えば、AA−6、AS−6、AN−6S、AB−6、AW−6S、AY−707S、AK−5、AK−32(東亞合成株式会社)等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリル化合物は単独、もしくは2種類以上組み合わせて使用しても良い。
アミノ化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロプレンアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メソセンジアミン、イソフェロンジアミン、ビス−4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルビペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスビロ(5,5)−ウンデカン、m−キシレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタン等が挙げられる。これらのアミノ化合物は単独、もしくは2種類以上組み合わせて使用しても良い。
エポキシ化合物としては、例えば、公知乃至慣用のものの中から任意に選択して使用することができる。中でも、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールF型エポキシ化合物、水添ビスフェノールS型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物が好ましい。これらのエポキシ化合物は単独、もしくは二種類以上組み合わせて使用しても良い。
マレイミド化合物としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2’−ビス−〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、m−フェニレンビスマレイミド、3,3’−ジメチル5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,6’-ビスマレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン等が挙げられ、これらの代表的な市販名としては、それぞれBMI、BMI−70、BMI−80(ケイアイ化成製)、BMI−3000、BMI−5100、BMI−7000、BMI−TMH(大和化成工業製)を挙げることができる。これらのマレイミド化合物は単独、もしくは二種類以上組み合わせて使用しても良い。
イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、変性ジフェニルメタンジイソシアネート(変性MDI)、水添化キシリレンジイソシアネート(H−XDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(m−TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)等が挙げられる。これらのイソシアネート化合物は単独、もしくは二種類以上組み合わせて使用しても良く、アダクト体,ビュレット体,イソシアヌレート体のプレポリマーとして使用してもよい。さらにまた、イソシアネート基の一部又は全部を、フェノール化合物やオキシム類等の公知のブロック化剤を用いてブロックしたブロックイソシアネート類を用いてもよい。
チオール化合物としては、1分子中にチオール基(メルカプト基)を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。チオール基を2個有するチオール化合物としては、例えば、メタンジチオール、エタンジチオール、1,2−エタンジチオール、プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパジチオール、ブタンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、ペンタンジチオール、1,5−ペンタンジチオールのようなアルキレンジチオール、ベンゼンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、トルエン−3,4−ジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、4,4′−チオビスベンゼンチオールのような芳香族ジチオール、ベンゼンジメタンチオール、1,2−ベンゼンジメタンチオール、1,3−ベンゼンジメタンチオール、1,4−ベンゼンジメタンチオールのような芳香族を有する炭化水素化合物のジチオール、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタンのような複素環化合物、2−メルカプト−3−チアヘキサン−1,6−ジチオール、5,5−ビス(メルカプトメチル)−3,7−ジチアノナン−1,9−ジチオール、5−(2−メルカプトエチル)−3,7−ジチアノナン−1,9−ジチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタンのようなチア化合物ジメルカプトプロパノール、ジチオエリトリトールのようなヒドロキシ基を有する化合物などが挙げられる。
チオール基を3個以上有するチオール化合物としては、例えば、トリチオグリセリン、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール(トリメルカプト−トリアジン)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、2,4,6−トリス(メルカプトメチル)メシチレン、トリス(メルカプトメチル)イソシアヌレート、トリス(3−メルカプトプロピル)イソシアヌレート、2,4,5−トリス(メルカプトメチル)−1,3−ジチオランのようなトリチオール;ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、テトラメルカプトブタン、ペンタエリトリチオールのようなテトラチオールなどが挙げられる。
上記のチオール化合物は、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、親水性官能基を持ったシルセスキオキサンとしては、無定形、ラダー型、かご型、又はその部分開裂構造体などが知られているシルセスキオキサンもあげられる。特に下記一般式(1)で表されるかご型シルセスキオキサン及び/又は一般式(2)で表されるかご型シルセスキオキサン部分開裂構造体のいずれかよりなることが好ましい。
(RSiO3/2)n (1)
式中、nは4又は4以上の整数
(RSiO3/2)n(RSiOH)m (2)
式中、mは2又は2以上の整数、n+mは4または4以上の整数
一般式(1)および(2)中の置換基Rは、水素原子、炭素数1〜5の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、芳香族置換基に加えて、少なくともメタクリル基、アクリル基、エポキシ基、ウレタン基およびチオール基のいずれかを1つ以上含む。また、mは21000以下の整数であり、n/m比は0.01以上1.0以下(モル比)であり、(m+n)は4以上である。
撥水性組成物としては、極性が低く表面自由エネルギーを小さくする効果を有する組成を含有する、変性シロキサン化合物(変性箇所としては、直鎖の片末端若しくは両末端及び/または側鎖の1つ以上の末端)及び疎水性置換基を1つ以上持ったシルセスキオキサンが挙げられる。
前記変性シロキサン化合物は、下記一般式(3)で表される構造を有するものであり、1,3−ビス(4−ヒドロキシブチル)テトラメチルジシロキサン、市販品としては例えばPAM−E、KF−8010、X−22−161A、X−22−5841、KF−9701、KF−857、KF−862、X−22−1660B−3、LS−7400(信越化学工業製)等を挙げることができる。
(CH((RSiO)SiR(CH (3)
(式中Rは、アミノ基、ヒドロキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、チオール基、カルボキシル基、酸無水物変性基、ビニル基およびそれらの置換体いずれかより選ばれ、それぞれ同一でも、異なっていても構わない。式中Rは、アミノ基、ヒドロキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、チオール基、カルボキシル基、酸無水物変性基、ビニル基水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ基またはアリロキシ基、炭素数1〜5の飽和炭化水素基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数6〜20のアラルキル基、炭素数7〜20のアリール基、及びケイ素数1〜10のケイ素原子含有基、およびそれらの置換体いずれかより選ばれ、それぞれ同一でも、異なっていても構わない。式中xは、1から60であり、好ましくは、1から20である。式中yは、1から5であり、好ましくは、1から2である。
また、疎水性官能基を持ったポリシルセスキオキサンとしては、無定形、ラダー型、かご型、又はその部分開裂構造体などが知られているシルセスキオキサンもあげられる。特に上記一般式(1)で表されるかご型シルセスキオキサン及び/又は、一般式(2)で表されるかご型シルセスキオキサン部分開裂構造体で以下の置換基Rであるいずれかよりなることが好ましい。
一般式(1)および(2)中の置換基Rは、水素原子、炭素数1〜5の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、含芳香族置換基、含ビニル基であり単独、もしくは二種類以上組み合わせて使用しても良いが、必ず疎水性基である水素原子、炭素数1〜5の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、芳香族置換基、ビニル基を1つ以上含む。mは2以上で1000以下の整数であり、n/m比は0.01以上1.0以下(モル比)であり、(m+n)は4以上である。
親水性組成物と撥水性組成物との組合せは、撥水撥油性を付与したい基材によりその組み合わせを選定するもので特に限定されないが、親水性組成物と撥水性組成物の組成比については、通常、親水性組成物が50から99重量%、撥水性組成物が1から50重量%である。好ましくは、親水性組成物が50から80重量%、撥水性組成物が20から50重量%である。
次に、基材と親水性組成物と撥水性組成物の組み合わせについて以下に説明する。
ガラス、セラミック、金属などの親水性表面を有する基材の場合、親水性組成物と撥水性組成物との組み合わせは、基材の表面には極性基が表出しておりこれと共有結合や分子間力、化学結合する官能基、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルボニル基、イソシアネート基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基、チオール基、シラノール基を有する1種類以上の親水性置換基(官能基)を有する化合物と1種類以上の撥水性組成物で構成される。
親水性ポリマーの基材の場合、親水性組成物と撥水性組成物との組み合わせは、基材の表面には極性基が表出しておりこれと共有結合や分子間力、化学結合する官能基、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルボニル基、イソシアネート基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基、チオール基、シラノール基を有する1種類以上の親水性置換基(官能基)を有する化合物と1種類以上の撥水性組成物で構成される。
疎水性ポリマーの基材の場合、親水性組成物と撥水性組成物との組み合わせは、基材の表面エネルギーが低いため、前記親水性置換基(官能基)を有する化合物に比べて前記親水性置換基の他に共有結合や分子間力で結合する官能基、例えば、アルキル基、ビニル基、シリル基等を有する1種類以上の化合物である親水性組成物と1種類以上の撥水性組成物で構成される。
本発明の撥水撥油膜状硬化物は、従来既知の方法により被処理物に適用することができる。親水性組成物と撥水性組成物を混合した撥水撥油材料をそのまま塗布液として基材へ浸漬塗布、スプレー塗布、泡塗布などのような既知の方法により塗布させても良いし塗布した後加熱や紫外線照射等により硬化固定化しても良いし、又は、親水性組成物と撥水性組成物を有機溶剤または水に分散して希釈して塗布液とした後、既知の方法により基材の表面に塗布後、乾燥させても良いし、加熱や紫外線照射等により硬化固定化させても良い。また、好ましくは、親水性組成物と撥水性組成物に適当な架橋剤を加えて混合してから既知の方法により基材の表面に塗布後、硬化固化を行うのがよい。以上の場合に、場合によっては、親水性組成物と撥水性組成物を混合した後撹拌をして塗布することが好ましい。撹拌行う場合に加温して行うことも好ましい形態である。撹拌温度は、40℃から80℃が好ましい。
親水性組成物と撥水性組成物に架橋剤を加えて架橋することにより、3次元網目構造が構築され機械的特性や耐熱性が向上する。さらに、本発明の撥水撥油材料に他の紫外線吸収剤、熱戦吸収材、防虫剤、柔軟剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、塗料定着剤、防シワ剤などの機能性成分や着色のための顔料、染料を添加して併用することも可能である。
架橋剤としては、親水性組成物および撥水性組成物と化学結合する官能基を含有する化合物である。例えば、ビニル化合物、アミノ化合物、アクリル化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、イミド化合物、マレイミド化合物、フェノール化合物、フタル酸化合物、チオール化合物等があげられる。好ましくは、アクリル化合物、エポキシ化合物、ビニル化合物である。
また、耐熱性を更に向上させる効果として、無定形、ラダー型、かご型、又はその部分開裂構造体などが知られているシルセスキオキサンを架橋剤として添加しても良い。特に上記一般式(1)で表されるかご型シルセスキオキサン及び/又は、一般式(2)で表されるかご型シルセスキオキサン部分開裂構造体のいずれかよりなることが好ましい。
一般式(1)および(2)中の置換基Rは、水素原子、炭素数1〜5の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、含芳香族置換基、含ビニル基、含メタクリル基、含アクリル基、含エポキシ基、含ウレタン基であり単独、もしくは二種類以上組み合わせて使用しても良いが必ず反応基であるビニル基、メタクリル基、アクリル基、エポキシ基、ウレタン基を2つ以上含む。また、mは2以上で1000以下の整数であり、n/m比は0.01以上1.0以下(モル比)であり、(m+n)は4以上である。
架橋剤の組成比としては、全体量の0.1から30重量%であり、5から20重量%が好ましい。
撹拌して本発明の撥水撥油膜状硬化物を形成する場合、時間により親水性ドメインとなる親水相、撥水性マトリックスとなる疎水相の相分離構造が変化するため、目的の特性を得るために最適の撹拌方法を選定する必要がある。時間としては、使用する親水性組成物と撥水性組成物の組み合わせによって異なるが、通常、48時間から1時間以上である。好ましくは、20時間から3時間である。時間が短いと親水性ドメインと撥水性マトリックスのドメインマトリックス形成が不十分のため撥水撥油効果が十分に得られない。また、時間が長すぎてもドメインマトリックス形状が大きくなり過ぎ撥水撥油効果のある親水性ドメインと撥水性マトリックスの相分離構造が得られない。
本発明の実施例について具体的に説明するが、実施例が本発明を限定するものではない。
〔測定機器類〕
NMR;Varian Unity 400 スペクトルメーター
GPC(ゲル濾過クロマトグラフィー);日本分光株式会社製 高速液体クロマトグラフィーシステム(昭和電工株式会社製 SEC用カラム(KF−804L,2本)を取り付けて測定。)
微小硬度計;島津株式会社製 島津ダイナミック超微小硬度計 DUH−211(測定圧子 稜間角 115°、ダイヤモンド 三角すい圧子を取り付けて測定。)
〔合成例1〕
(籠型ポリシルセスキオキサン側鎖イソブチル/グリシジル基の合成)
玉付還流管、攪拌棒、温度計を備えた、1L容量スリ付三つ口フラスコを窒素置換・窒素気流下とした。これに0.1規定水酸化ナトリウム水溶液20g、テトラヒドロフラン600mLを入れ、機械攪拌で攪拌(200rpm)しつつ、室温でイソブチルトリメトキシシラン40g(240mmoL)および3−グリシジルトリメトキシシラン60g(240mmoL)を加えた。次いで反応系をサーモスタット付オイルバスで60℃に加熱し、3時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後に、塩などの不溶物を濾過により除き、ロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した後、更に減圧乾燥により留去し70gの生成物、一般式(1)中のRがイソブチル基とグリシジル基である籠型ポリシルセスキオキサンPSQ−Aを得た。
無色の液体。PSQ−A; 収量70g。収率70%。
このPSQ−Aをテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて分子量測定したところ、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)で1,800、分散度(Mw/Mn)は1.1であった。
また、H−NMR(重クロロホルム、テトラメチルシラン内部基準)0.6〜0.8(4H)、1.0(6H)、1.7(2H)、1.9(1H)、2.6(1H)、2.8(1H)、3.2(1H)、3.5(3H)、3.7(2H)、29Si−NMR(重クロロホルム、テトラメチルシラン内部基準)−69、−65、−58。なお、29Si−NMRの測定結果から、シラノール基(SiOHを含むT2成分の比率は、10moL%であることがわかった。THFおよびトルエンに可溶。
〔実施例1〕
親水性組成物であるジイソシアネート10質量部(B-830:三井化学ポリウレタン製)に対し、撥水性組成物として1.1当量の両末端アミン変性ポリシロキサン(KF−8010:信越化学工業製)と1.1当量の両末端水酸基変性ポリシロキサン(1,3−Bis(4−hydroxybutyl)tetramethyldisiloxane:東京化成工業製)を混合する。また、架橋成分:ノボラック樹脂0.6質量部(7重量%)(YDCN−700−2:東都化成製)、熱開始剤0.006質量部(ノボラック樹脂に対し1重量%)(サンエイドSI−80L:三新化学工業製)を混合し、25重量%になるようTHF溶液に溶解し、室温で12時間撹拌し熱硬化性組成物溶液とした。この溶液をガラス基板上にキャストし、60℃で3分乾燥した後、80℃で1時間加熱更に180℃で9時間加熱硬化し、厚さ5μmの淡黄色で透明な膜状硬化物を得た。
得られた膜状硬化体の接触角を測定し、Zisman法から算出した表面張力は15.8mN/mとなった。また、撥水性として水の接触角は101.2°、撥油性としてn−ヘキサデカンの接触角は36.8°であった。膜状硬化体の表面を走査型プローブ顕微鏡(セイコーインスツルメント、SPA400)の位相モードにより測定し、親水疎水部のイメージング処理を行う事で親水疎水分布の測定を行った。得られた位相モードイメージ像を図1の(a)に示す。また、図1の(b)に親水疎水部の黒白表示像示す。この図から、親水性ドメイン面積比率は31%であり、短軸長さは20から100nmであった。
紫外可視透過スペクトルの測定により、全可視光領域において透明性が維持されていることが確認された。紫外可視透過スペクトルチャートを図2に示した。ガラス成膜品について90%以上の透過率であった。
機械特性評価として、超微小硬度計による硬度及び弾性率測定を行い、マルテンス硬さが195(N/mm)、弾性率が4600(N/mm)であった。
〔実施例2〕
親水性組成物であるジイソシアネート10質量部(B-830:三井化学ポリウレタン製)に対し、撥水性組成物として、1.1当量の両末端アミン変性ポリシロキサン(KF−8010:信越化学工業製)と、1.1当量の両末端水酸基変性ポリシロキサン(1,3−Bis(4−hydroxybutyl)tetramethyldisiloxane:東京化成工業製)を混合する。また、架橋成分であり耐熱性効果のあるPSQ−A0.6質量部(7重量%)、熱開始剤0.006質量部(PSQに対し1重量%)(サンエイドSI−80L:三新化学工業製)を混合し、25重量%になるようTHF溶液に溶解し、室温で12時間撹拌し熱硬化性組成物溶液とした。この溶液をガラス基板上にキャストし、60℃で3分乾燥した後、80℃で1時間加熱更に180℃で9時間加熱硬化し、厚さ5μmの淡黄色で透明な膜状硬化物を得た。
TG−DTAによる分解温度を測定する事で耐熱性の評価を行い、分解温度300℃以上である事が確認された。図4にTG−DTAチャートを示した。他の特性については実施例1とほとんど同じであった。
〔実施例3〕
親水性組成物であるジイソシアネート10質量部(B-830:三井化学ポリウレタン製)に対し、撥水性組成物として、1.1当量の両末端アミン変性ポリシロキサン(KF−8010:信越化学工業製)と、1.1当量の両末端水酸基変性ポリシロキサン(1,3−Bis(4−hydroxybutyl)tetramethyldisiloxane:東京化成工業製)を混合する。また、架橋成分であり耐熱性効果のあるPSQ−A0.6質量部(7重量%)、熱開始剤0.006質量部(PSQに対し1重量%)(サンエイドSI−80L:三新化学工業製)を混合し、25重量%になるようTHF溶液に溶解し、室温で4時間撹拌し熱硬化性組成物溶液とした。この溶液をガラス基板上にキャストし、60℃で3分乾燥した後、80℃で1時間加熱更に180℃で9時間加熱硬化し、厚さ5μmの実施例2と同様の方法で撹拌時間のみを4時間として淡黄色で透明な膜状硬化物を得た。
特性については、親水性ドメイン面積比率が24%であった以外は実施例2とほとんど同じであった。
表1に実施例1から3の撥水撥油性能評価結果として表面張力と接触角、親水性ドメインの特性として親水性ドメイン面積比率と親水性ドメイン短軸長さを示した。
水の接触角は100°以上が得られ撥水性能が得られた。n−ヘキサデカンの接触角では35°以上が得られ撥油性能が得られた。
本発明のフッ素含まない撥水撥油膜状硬化物は、透明性、防汚性、撥水撥油性、表面滑り性、耐擦傷性及び耐熱性等の特性を有し、光ファイバーの鞘材、ガラスフィルター用保護膜、太陽電池等の光学材料関係、ガラストップコンロ、IHヒータ用天板、摺動表面処理膜等の耐熱性と耐摩耗性が求められる各用途に好適である。
本発明の撥水撥油膜状硬化物で処理される被処理物としては、繊維製品、石材、フィルター、防塵マスク、厨房・グリル回り製品、洗面・浴槽回り製品、燃料電池の部品などがある。具体的な素材として、ガラス、レンガ、セメントなどの窯業製品、紙、木、皮革、毛皮、石綿、金属、プラスチック、塗面などがある。繊維製品は、布やカーペットのような最終製品の形態であってもよい。繊維製品としては、綿、麻、羊毛、絹などの動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの合成繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維などの無機繊維、あるいはこれらの混合繊維が挙げられる。
繊維製品は、繊維、布等の形態のいずれであってもよい。本発明の撥水撥油膜状硬化物で布やカーペットを処理する場合に、繊維または糸を表面処理剤で処理した後に布やカーペットを形成してもよいし、あるいは形成された布やカーペットを表面処理剤で処理してもよい。

Claims (2)

  1. フッ素及び炭素数5を超える長鎖アルキル基並びに無機酸化物及び金属を含まない撥水撥油膜状硬化物において、親水性ドメインが撥水性マトリックスの最表面に分散して形成され、前記親水性ドメイン面積が2から50%であり、前記親水性ドメイン形状が異方性を有し、その短軸長さが5から100nmであることを特徴とする撥水撥油膜状硬化物。
  2. 前記親水性ドメインは、極性を有し表面自由エネルギーを大きくする効果を有する反応により極性基の結合から形成されており、前記反応により極性基が結合したものとしては、ウレタン結合、ウレア結合およびエーテル結合のいずれか1つ以上であり、
    前記撥水性マトリックスは、極性が低く表面自由エネルギーを小さくする効果を有する非極性基および/または反応により非極性基の結合から形成されており、前記非極性基を有する基としては、長鎖が炭素数5以下の脂肪族炭化水素基およびベンゼン環1つの芳香族炭化水素基のいずれか1つ以上の基であり、前記反応により非極性基が結合したものとしては、炭素−ケイ素結合およびシロキサン結合のいずれか1つ以上の結合であることを特徴とする請求項1に記載の撥水撥油膜状硬化物。
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