JP6261422B2 - 誘導加熱式非鉄金属溶解炉システム - Google Patents

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Description

本発明は、ダイカストマシン等の鋳造装置に供給する原料(アルミニウム,アルミニウム合金,銅合金,亜鉛合金,マグネシウム合金などの非鉄金属)の溶湯を製造する誘導加熱式の非鉄金属溶解炉システムに関する。
周知のように、従来における溶解・保持炉は、黒鉛などで作られたルツボに溶解原料の地金(インゴットなど)を入れ、ガスバーナ等の火炎,燃焼ガスにより加熱して地金の溶解,および溶湯保持を行う方式のものが一般的であった。
ところで、ルツボをガスバーナ等により加熱する方式の溶解・保持炉は、加熱効率が低くて環境への負荷(CO2)も大きく、また所定の溶湯設定温度に対して溶湯の温度を精度よく保持する調節が難しい等の問題がある。この問題を解決するため、磁性金属材で形成したルツボを誘導加熱し、この熱によりルツボに投入した原料の地金を溶解するようにした誘導加熱式のアルミ溶解炉が本発明と同一出願人から先に提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
この誘導加熱式溶解炉はガスバーナ加熱式に較べて熱効率が高く、環境への負荷も小さい。また、誘導加熱コイルで発生した磁束(高周波交番磁束)は磁性金属製のルツボの外周面側に集中して流れる(表皮効果)のでルツボに収容した溶解原料(非鉄金属)の溶湯に働く電磁攪拌力の影響が小さく、これにより溶湯中に沈降,滞留している不純物が溶湯内の全域に拡散するのを抑えてルツボから出湯する溶湯の品質向上が図れる。
また前記問題とは別に、多数台のダイカストマシンを設備して鋳造製品を量産する工場などに設置する溶解炉として、従来では大型の溶解・保持炉を一箇所に集約して設置し、この溶解・保持炉から溶湯を搬送用のトリベ(取鍋)等に移して工場内のダイカストマシンに供給する配湯方法が多く採用されているが、この配湯方式では溶湯の搬送過程での熱放散による熱損失が大きく、また一箇所に集約して設置した大型溶解・保持炉は連続運転が基本となるため、鋳造ラインの一部が稼働停止した状況でも溶融炉の運転を続けなければならず、このためにエネルギー消費量が必要以上に多くなる。そのほか、溶解原料の種類を変更することも難しい。
かかる点、先記した特許文献2には、第3の実施例(図7およびその説明参照)として、溶解炉を小容量の磁性金属製ルツボを内蔵した複数の炉体で構成し、この複数の炉体を間欠的に回転送りするターンテーブル式旋回架台(回転台)の周域に割り付けて搭載するとともに、前記旋回架台の周上に溶解原料の投入位置,および溶湯の出湯位置を設定し、前記投入位置で炉体のルツボに投入した溶解原料の地金を旋回架台の回転送りする途上で誘導加熱により溶解し、出湯位置に到達した炉体からルツボを取り出して溶湯を鋳造装置(ダイカストマシンなど)に給湯するよう構築したアルミニウム溶解炉設備が開示されている。
この溶解炉設備によれば、ルツボを複数の小容量なルツボに分けて配置したことで大容量の大形炉に較べて稼働時におけるスタートアップが速く、溶解炉を短時間で立ち上げることが可能となる。また、従来のように一箇所に集約して大量の溶湯を保持することが不要となるため、稼働待機時における不要な電力消費を抑えることができほか、多品種少量の原料溶解にも対応できる利点がある。
また、この溶解炉をダイカストマシン等の鋳造装置の近傍に配備し、前記旋回架台に搭載した各個のルツボ容量をダイカストマシンの1回の鋳造ショットに必要な溶湯量に対応させた上で、旋回架台に搭載するルツボの個数、およびその回転送りのタイミングをダイカストマシンの鋳造サイクルタイムに合わせて運転制御するようにすれば、従来方式における保持炉を省略し、鋳造で使用する必要な溶湯量を溶解炉の各炉体から直接ダイカストマシンへ連続的に供給することができるので、鋳造設備の省エネルギーおよび稼働効率向上が可能となる。
特開2012−141081号公報 特開2011−220598号公報(図7,実施例3の説明)
ところで、特許文献2の第3実施例に開示されている従来の溶解炉設備を鋳造ラインに適用するには次記のような解決すべき課題がある。
すなわち、特許文献2に開示されている誘導加熱式溶解炉設備において、旋回架台に搭載する各個の炉体は、鍋形のルツボを囲んでその外周側に螺旋状の誘導加熱コイルを巻装し、その周りを炉枠の断熱材で覆ってルツボと誘導加熱コイルを一体化した構造であり、そのために個々の炉体が大型化してその重量も大となる。また、溶湯の出湯位置で旋回架台に搭載した炉体のルツボから溶湯を出湯する方式として特許文献2では炉体を傾動して出湯する、あるいは炉体からルツボだけを抜き出して配湯する方式が開示されているが、大形,重量物の炉体を傾動して溶湯をルツボから出湯するにはパワーシリンダなどの大掛かりな駆動装置を旋回架台上に設置することが必要で設備コスト,ランニングコストが嵩む。
また、炉体の誘導加熱コイルと外部電源(高周波電源)との間には給電ケーブルを配線する必要であるが、この炉体を旋回架台に搭載して原料投入位置から出湯位置まで定方向に回転して回転送りする行程で誘導加熱コイルを給電し続けるには、旋回架台と一緒に回転移動する炉体の誘導加熱コイルと固定側(床面)に配置した外部電源との間のケーブル配線経路が複雑化し、さらに溶湯の出湯位置で炉体自身を傾動させる際には炉体と一体な誘導加熱コイルのコイル接続端子と給電ケーブルとの間を一時的に切り離すなどの手段も講じる必要があり、このような複雑な配線構造を実現するためには設備コストがさらに嵩むことになる。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決して設備コスト、ランニングコストの低減を図るとともに、さらに金属ルツボの温度、出湯量の適正管理、およびルツボに投入する溶解原料の地金に付着している水分などの不純物を除去して鋳造装置に向けて出湯する溶湯の品質向上が図れるような手段を加えて構築した誘導加熱式の非鉄金属溶解炉システムを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明によれば、個々に磁性金属製ルツボで構成した複数の炉体を旋回架台の周域に沿って搭載するとともに、前記旋回架台の周上に溶解原料の投入位置、および溶湯の出湯位置を設定し、前記投入位置で溶解原料の非鉄金属地金の投入された炉体のルツボを、旋回架台を回転さて出湯位置に向けて移動する間に誘導加熱により前記地金を溶解し、出湯位置でルツボから溶湯を出湯して鋳造装置に供給するようにした誘導加熱式の非鉄金属溶解炉システムにおいて、
前記炉体のルツボを加熱する誘導加熱コイルを、各個の炉体から分離してルツボの底面に近接対向配置された渦巻きコイルとした上で、該誘導加熱コイルを前記旋回架台上の炉体の配置間隔と合わせて旋回架台の下側に配した固定ステージ上に割り付け配置する(請求項1)。
また、前記炉体、およびこの炉体を旋回架台に複数搭載して構築した溶解炉システムは、具体的に次記のような態様で構成することができる。
(1)前記炉体は、上端縁に出湯口を備えたルツボを断熱材で包囲した炉枠に収容して前記旋回架台に傾動可能に搭載支持するとともに、溶湯の出湯位置に対応して旋回架台の下側に配した前記固定ステージには、出湯位置に移動して来た炉体に連結して該炉体を出湯姿勢に傾動させる炉体傾動装置を設置する(請求項2)。
(2)前記旋回架台の間欠的な回転,および炉体傾動装置の操作タイミングを、当該溶解炉システムの近傍に配置した鋳造装置の鋳造サイクルタイムに合わせて制御するようにする(請求項3)。
(3)また、前記の出湯位置より1ステップ手前の間欠停止位置に合わせて、この停止位置に移動して来た炉体に対してルツボの温度測定値から溶湯温度を求めつつ、上方からアクセスしてルツボ内の湯面高さを測定する溶湯調整装置を配備し、該溶湯調整装置で得たルツボ内の湯面高さの測定情報と基にして誘導加熱コイルへの給電電力の制御、および溶湯の出湯位置で傾ける炉体の傾動角制御を行うようにする。(請求項4)。
(4)さらに、前記旋回架台の原料投入位置に対応してその前段側に、ルツボに供給する溶解原料の非鉄金属地金に付着している水分を除去する誘導加熱式の原料予熱装置を付設する(請求項6)。
上記した本発明の溶解炉システムによれば、次記効果を奏することができる。
(1)先ず、旋回架台に搭載した前記炉体のルツボを加熱する誘導加熱コイルを、各個の炉体から分離してルツボの底面に近接対向配置した渦巻きコイルとした上で、該誘導加熱コイルを前記旋回架台上の炉体の配置間隔と合わせて旋回架台の下側に配した固定ステージ上に割り付け配置したことにより、原料投入位置から溶湯出湯位置に向け間欠的に回転送りする炉体の移動ステップに合わせてルツボを誘導加熱するとともに、この誘導加熱コイルと外部電源の間を接続する給電ケーブルを旋回架台との干渉なしに固定ステージ側に布設することかでき、これにより先記特許文献2の溶解炉設備と較べて給電ケーブルの配線経路,配線構造を簡素化できる。
(2)また、旋回架台に搭載した炉体を傾動式とした上で、前記旋回架台の下側に配した固定ステージには溶湯の出湯位置に移動して来た炉体に連結して出湯姿勢に傾動する炉体傾動装置を設置したことにより、この炉体傾動装置(1基)で旋回架台に搭載した各個の炉体の傾動,出湯操作を旋回架台の間欠回転送りに合わせて行うことができる。
(3)そして、前記旋回架台の間欠回転送り、および炉体傾動装置の駆動操作のタイミングを、当該溶解炉システムの近傍に配置した鋳造装置の鋳造サイクルタイムに合わせて制御することで、各個の炉体で加熱溶解した原料の溶湯を鋳造装置の鋳造サイクルに連係して自動供給することができて鋳造ラインの稼働効率を高めることができる。
(4)また、前記旋回架台の出湯位置より1ステップ手前の停止位置に対応して、この停止位置に移動して来た炉体に対して、測定したルツボの温度から溶湯温度を求めつつ、上方からアクセスしてルツボ内の湯面高さを測定する溶湯調整装置を配備し、該溶湯調整装置で得たルツボ内の湯面高さの測定情報を基にして誘導加熱コイルへの給電電力の制御、および溶湯の出湯位置で傾ける炉体の傾動角制御を行うようにしたことにより、溶湯温度、および炉体からの出湯量を適正管理でき、鋳造装置に向けて出湯する溶湯の出湯量の精度を高めることができる。
(5)さらに、前記旋回架台の原料投入位置に対応して、その前段側にルツボへ投入する溶解原料の非鉄金属地金(インゴット)に付着している水分を除去する誘導加熱式の原料予熱装置を付設したことにより、原料地金の流通,保管の段階で地金に付着した水分(結露水)などを除去した上で、この地金を炉体のルツポに供給して溶湯品質の向上に寄与できる。また、この原料予熱装置を誘導加熱方式としたことで、ガス加熱方式と較べて高い加熱効率と省エネ効果が得られる。
本発明に基づいて構築した溶解炉システム全体の構成図であって、(a)は平面図、(b),(c)はそれぞれ(a)の正面図、および側面図ある。 図1における溶解炉装置の構成図であって、(a)は装置全体の平面図、(b)は(a)の正面図である。 図2に示した溶解炉装置の補足説明図であって、(a)は装置の固定ステージ上に割り付け配置した誘導加熱コイルを表す平面図、(b)は装置の炉体傾動姿勢を表す側面図である。 図2の旋回架台に搭載した炉体の構造図であって、(a)は炉体の平面図、(b),(c)は(a)の正面図、および側面図、(d)は(c)の縦断面図である。 図1(a)のD位置に対応して旋回架台の外周側に付設配備した溶湯調整装置の構造図であって、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は平面図である。 図1における原料予熱装置の構成図であって、(a)は装置全体の正面図、(b)は(a)における誘導加熱部の断面拡大図、(c)は(b)の側面図である。
以下、本発明による非鉄金属溶解炉システムの実施の形態を図1〜図6に示す実施例に基づいて説明する。
先ず、本発明に基づく非鉄金属溶解炉システムの全体構成を図1(a)〜(c)に示す。図において、100は当該溶解炉システムの主要部をなす誘導加熱式の溶解炉装置、200は溶解原料であるアルミニウム,アルミニウム合金などの非鉄金属地金(インゴット)Mを前記溶解炉装置100に供給する原料フィーダ、300は原料フィーダ200から送られて来た地金Mを溶解炉装置100に搭載したルツボに投入する前に加熱してその地金表面に付着している水分を除去する誘導加熱式の原料予熱装置、400は溶解炉装置100に付設して後記のようにルツボ内の溶湯温度,湯量などを測定管理する溶湯調整装置であり、これらの装置を組み合わせて溶解炉システムを構築している。
次に、図1の溶解炉システムを構築している溶解炉装置100、該溶解炉装置100の旋回架台に搭載した炉体、溶解炉装置100の前段側に付設した誘導加熱式の原料予熱装置300、および溶解炉100に付設した溶湯調整装置400について、その詳細構造を個別に説明する。
[溶解炉装置,炉体]
先記した溶解炉装置100の組立構造を図2(a),(b)および図3(a),(b)に示す。この溶解炉装置100は、旋回架台110と、該旋回架台110の回転軸に連結して架台を矢印P(反時計方向)に向け間欠的に回転送りする駆動モータ120と、旋回架台110の周域に沿い等間隔に割り付けて搭載した複数の炉体130(図示例では合計5個)と、旋回架台110の下側に配した固定ステージ140の上に割り付け配置して前記炉体130の底面に近接対向させた誘導加熱コイルユニット150と、旋回架台110の周上に設定した後記の溶融出湯位置に対応して配置した炉体傾動装置160とで構成されている。
ここで、枠組構造になる旋回架台110の周域には、図示のように炉体130の搭載数(5個)に対応する二股形状の支持アーム111が放射状に形成されており、この支持アーム111の先端に設けたヒンジ軸受112を介して各個の炉体130を傾動可能に支持している。なお、図3(b)の図中には破線で炉体130の傾動状態を表しており、θ(θ≒100°)は炉体130の最大傾動角度である。
次に、旋回架台110に搭載した前記炉体130の詳細構造を図4(a)〜(d)に示す。すなわち、各個の炉体130は、上端縁に溶湯の出湯口131を形成した磁性金属材(例えば、SS鋼)になる平底鍋形のルツボ132と、該ルツボ132を断熱材133で包囲して収容支持した炉枠134からなる。炉枠134の上縁フランジ部の両端に設けたヒンジ軸135(図2(a)参照)を旋回架台110の支持アーム111に設けたヒンジ軸受112により軸支することにより炉体130が傾動可能に担持されている。
一方、図2(a)において、旋回架台110の周上に表示したA〜Eは、炉体130を搭載して矢印P方向に間欠的に回転送りされる旋回架台110の各ステップ位置(間欠停止位置)を表しており、ここで、A位置に溶解原料(インゴット)の投入位置、E位置に溶湯の出湯位置を設定している。なお、旋回架台110に搭載した炉体130の数が5個である場合には、1ステップの回転送り角度は72°(360°/5)となる。
一方、前記固定ステージ140の上面に割り付け配置して旋回架台110に搭載した炉体130の磁性金属製ルツボ132を加熱する誘導加熱コイルユニット150は、図3(a)で示すように渦巻き形の平板状の誘導加熱コイル151とコイルの冷却ファン152との組立体からなり、この誘導加熱コイルユニット150を次記のように位置決めして固定ステージ140の上に割り付け配置している。
すなわち、旋回架台110の各ステップ(回転送りの停止位置)A〜Eのうち、出湯位置Eを除いた各ステップA〜Dに位置を合わせてこの位置に移動して来た炉体130の底面と近接対峙するように誘導加熱コイルユニット150を固定ステージ140の上に割り付け配置した上で、誘導加熱コイル151と外部の高周波電源(不図示)との間に給電ケーブル配線接続して電力を給電する。そして、旋回架台110を回転送りする途上で各個の炉体130に収容した磁性金属製のルツボ132を誘導加熱し、該ルツボに投入した原料(インゴット)を溶解して溶湯を製造する。
また、前記の出湯位置Eに対応配置した炉体傾動装置160は、図2(a)で示すように、ギヤードモータ161をキャリッジ162に搭載して矢印方向に前進,後退するように配置する。旋回架台110に搭載した炉体130が出湯位置Eに到達すると、これにタイミングを合わせてギヤードモータ161が待機位置から前進して炉体130の炉枠に設け支軸135に軸継手を介して連結し、ギヤードモータ161の駆動により炉体130を出湯姿勢8(支軸135を支点に前傾した姿勢(図3(b)参照))に傾動してルツボ132に収容されている溶湯を出湯口131(図4参照)を通じて出湯する。
ところで、前記した溶湯の出湯に際して出湯位置Eに到達した炉体130から出湯する溶湯は、鋳造装置の生産ラインに適した溶湯温度に保持され、かつその出湯量は鋳造装置の1回の鋳造ショットに必要な湯量であることが要求される。
そこで、このような溶湯品質の管理を行うために図示実施例の溶解炉システムでは、図2(a)におけるステップ位置D(出湯位置Eより1ステップ手前の停止位置)に合わせて旋回架台110の外周側に溶湯調整装置400を配備する。溶湯調整装置400は、このステップ位置Dに到達した炉体130に対し、非接触温度検出器500によってその側面からルツボ132の表面温度を測定し、その測定値から溶湯温度を演算によって求めつつ、その上方からアクセスしてルツボ135に収容されている湯面高さの測定を行うようにしている。なお、ルツボ132の表面温度を測定するために断熱材133には非接触温度検出器500に対応する位置に温度測定用穴501が形成されている。また、非接触温度検出器500は溶湯出湯位置Eにも設けるとよく、これにより溶湯出湯位置Eに到達したルツボ132内の溶湯温度も算出することができる。次にこの溶湯調整装置400についての構成,機能を図4で説明する。
[溶湯調整装置]
図5(a)〜(c)に示すように溶湯調整装置400は、固定スタンド401に搭載した昇降駆動機構402、該昇降駆動機構402から前方に延在する移動アーム403、該移動アーム403の先端側に吊り下げ支持した湯面高さ測定用電極405、および装置のコントローラ(制御ボックス)407から構成されている。次にその機能,動作を説明する。
すなわち、旋回架台110に搭載した炉体130がステップDに到達すると、コントローラ407からの指令により先ず昇降駆動機構402が待機位置から下降動作して湯面測定用電極棒405を下降させ、炉体130のルツボ132に上方からアクセスして
湯面測定用電極棒405の先端が湯面に接触すると下降動作を停止する。湯面測定用の電極棒405には高さを揃えて2〜3本の電極棒を備え、この電極棒405の先端が溶湯の湯面に接触することで短絡回路が形成されて上位のコントローラ407にて検知する。また、昇降駆動装置402の操作シリンダには昇降移動距離のメジャー機能を備えており、コントローラ407では昇降装置402の下降移動距離からルツボ132内に溜まっている溶湯の湯面高さHを求める。この溶湯高さHからルツボ内の溶湯量が求め、これを基に次の出湯位置(ステップE(図2(a)参照))でルツボ132から出湯すべき湯量に合わせて炉体130の傾動角度を内部データから選定する。なお、これら湯面高さ測定の演算処理は制御部407で行う。
そして、このステップ位置Dを通過した炉体130が回転送りされて次の出湯位置Eに移動すると、先記した炉体傾動装置160(図2参照)が始動して炉体に連結し、前記ステップ位置Dで求めた炉体傾動角度の指令にしたがって炉体130を傾動操作し、ルツボ132から所定量の溶湯を出湯させる。なお、ここで、ルツボ132に残存した溶湯は種湯として次のサイクルで新たに投入される溶解原料の地金(インゴット)を加熱,溶解するのに有効利用される。
[原料予熱装置]
次に図1の溶融炉システムで溶解炉装置100の前段に配置して原料フィーダ200から送られて来た溶解原料(地金)Mを誘導加熱してその原料に付着している水分を除去する原料予熱装置300について、その構成,動作を図6により説明する。
図6において、原料予熱装置300は、原料フィーダ200から送られてきた溶解原料の地金Mを移載手段301により一個ずつ切り出して誘導加熱部302の前段部に移送する。この誘導加熱部302の中を移動通過する行程で地金Mを誘導加熱して、その表面に付着している水分(結露水)を蒸発させて除去する。誘導加熱部302の前段部を出た地金Mは、原料予熱装置300の右端側の移載手段308により誘導加熱部302の後段部に移送されて、ここでも加熱による表面浄化が行われる。原料予熱装置300で表面が清浄化され地金Mは、溶解炉装置100の原料投入位置(図2(a)のステップ位置A)で旋回架台110に搭載待機している炉体130に向け所定個数送出され、炉体のルツボ132に投入される。
ここで、図示実施例の誘導加熱部302には複数列の加熱部を備えている(図1参照)。その各列の加熱部は円筒状の耐熱樹脂筒等で形成された絶縁筒303の長手方向に沿ってその外周面に誘導加熱コイル(リッツ線)304を巻装しており、前記樹脂筒303の内側に形成した通路穴(地金Mの外形よりも一回り大きな穴)に沿ってインゴットMを搬送用キャリッジ305により順送りする。なお、306は前記加熱部302を包囲した保護筒、307は誘導コイル304の冷却ファンである(図6(b)参照)。
上記構成になる原料予熱装置300によれば、その熱源に誘導加熱方式を採用したことでガスバーナ方式のような環境への影響も少なく、かつ溶解原料の地金を熱効率よく加熱して水分を効果的に除去できる。
次に、以上説明した各装置を組み合わせて構築した溶解炉システムについて、溶解原料Mの投入から溶解,出湯までの全体の工程を総括的に説明する。
先述のように旋回架台110の出湯位置Eを経て投入位置Aに到達した炉体130のルツボ132には種湯として残った溶湯が保持されており、図2(a)の投入位置Aで新たに投入された溶解原料の地金Mは、炉体130の底部側に近接対向して固定ステージ140に配置した誘導加熱コイルユニット150の加熱コイル151によって磁性金属製のルツボ132を加熱し、その熱を種湯に伝えて新たに投入した原料を加熱、溶解する。ここで間欠的に回転送りされる旋回架台110が所定のタイミングで次のステップ位置Bに移動すると、このステップ位置Bでも前記と同様な誘導加熱により原料の加熱・溶解が進行する。
以下同様な旋回架台110の回転送りにより、炉体130がステップ位置Dまで移動すると、この位置Dでは前記と同様な誘導加熱に併せて、旋回架台110の外周側に配置した溶湯調整装置400が溶湯の各種調整を行う。ここで、側面から測定したルツボ132の温度から溶湯温度を求め、その偏差を基にしてステップ位置Dに配置した誘導加熱コイル151に給電する電力を制御して溶湯の温度が設定温度になるよう調整する。また、湯面高さ測定用電極棒405で検出した湯面高さからルツボ内に滞留している溶湯の量を算出する。
そして、前記の溶湯調整が済んだ炉体130は次のステップ位置E(出湯位置)に移動し、この位置で炉体傾動装置160を駆動することにより炉体130を傾動させてルツボ132から所定量の溶湯を出湯する。この場合の炉体130の傾動角度は、前記溶湯調整装置400のコントローラ407で求めた溶湯量を基に算出して決定する。そして、出湯後に炉体130は水平姿勢の状態に戻り、炉体傾動装置160は旋回架台110と干渉しない待機位置に後退移動する。また、出湯動作を済ませた炉体130は旋回架台110の回転送りにより再びステップAの原料投入位置に戻り、この位置で原料フィーダ200から原料予熱装置300を経て溶解原料の地金Mの供給を受ける。
なお、前記の出湯位置Eに対応して溶解炉装置100の近傍にダイカストマシンなどの鋳造装置を配備し、ここで鋳造装置の鋳造サイクルタイムに合わせて前記旋回架台110の回転送り,および炉体傾動装置160の操作タイミングを連係制御するようにすれば、鋳造装置の生産サイクルに合わせて各炉体130から出湯した溶湯を鋳造装置に向けてダイレクトに自動供給することできる。
以上述べたように、本発明に基づく誘導加熱式の非鉄金属溶解システムによれば、従来の溶解炉設備に較べて炉体の軽量化、および誘導加熱コイルと外部電源との間を接続する給電ケーブルの配線経路,配線構造の簡素化が図れて溶解炉装置の設備コスト、ランニングコストの低減化が図れるほか、連続的な溶解・出湯を行うことをシステム化することができる。さらに溶湯温度,出湯量の適正管理、およびルツボに投入する溶解原料の地金に付着している水分などの不純物を除去して鋳造装置に供給する溶湯の品質向上が図れる。
100:溶解炉装置
110:旋回架台
130:炉体
132:磁性金属製ルツボ
134:炉枠
140:固定ステージ
150:誘導加熱コイルユニット
151:渦巻き形の誘導加熱コイル
160:炉体傾動装置
200:原料フィーダ
300:原料予熱装置
303:誘導加熱部
305:誘導加熱コイル
400:溶湯調整装置
402:昇降駆動機構
403 移動アーム
405:湯面測定用電極棒
500:非接触温度検出器

Claims (5)

  1. 個々に磁性金属製ルツボで構成した複数の炉体を旋回架台の周域に沿って搭載するとともに、前記旋回架台の周上に溶解原料の投入位置、および溶湯の出湯位置を設定し、前記投入位置で溶解原料の非鉄金属地金の投入された炉体のルツボを、旋回架台を回転さて出湯位置に向けて移動する間に誘導加熱により前記地金を溶解し、出湯位置でルツボから溶湯を出湯して鋳造装置に供給するようにした誘導加熱式の非鉄金属溶解炉システムにおいて、
    前記炉体のルツボを加熱する誘導加熱コイルを、各個の炉体から分離してルツボの底面に近接対向配置された渦巻きコイルとした上で、該誘導加熱コイルを前記旋回架台上の炉体の配置間隔と合わせて旋回架台の下側に配した固定ステージ上に割り付け配置することを特徴とする誘導加熱式非鉄金属溶解炉システム。
  2. 前記炉体は、上端縁に出湯口を備えたルツボを断熱材で包囲した炉枠に収容して前記旋回架台に傾動可能に搭載支持するとともに、溶湯の出湯位置に対応して旋回架台の下側に配した前記固定ステージには、出湯位置に移動して来た炉体に連結して該炉体を出湯姿勢に傾動させる炉体傾動装置を設置することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱式非鉄金属溶解炉システム。
  3. 前記旋回架台の間欠的な回転,および炉体傾動装置の操作タイミングを、当該溶解炉システムの近傍に配置した鋳造装置の鋳造サイクルタイムに合わせて制御することを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱式非鉄金属溶解炉システム。
  4. 前記の出湯位置より1ステップ手前の間欠停止位置に合わせて、この停止位置に移動して来た炉体に対してルツボの温度値から溶湯温度を求めつつ、上方からアクセスしてルツボ内の湯面高さを測定する溶湯調整装置を配備し、該溶湯調整装置で得たルツボ内の湯面高さの測定情報を基にして誘導加熱コイルへの給電電力の制御、および溶湯の出湯位置で傾ける炉体の傾動角制御を行うようにすることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱式非鉄金属溶解炉システム。
  5. 前記旋回架台の原料投入位置に対応してその前段側に、ルツボに供給する溶解原料の非鉄金属地金に付着している水分を除去する誘導加熱式の原料予熱装置を付設することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱式非鉄金属溶解炉システム。
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