初めに、図1を用いて一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
上述の通り、所定の条件を満たす幅の物体を、非接触で検出することに貢献する検出装置が望まれる。
そこで、一例として図1に示す検出装置100を提供する。検出装置100は、出射部101と、走査部102と、受光部103と、制御部104と、を備える。
出射部101は、光を出射する。走査部102は、出射部101が出射した光を所定の方向に走査する。受光部103は、走査部102が走査した光を受光する。ここで、走査部102と受光部103との間の光路に、物体が存在する場合、当該物体によって、走査部102が走査した光は遮られる。その結果、走査部102と受光部103との間の光路に、物体が存在しない場合に比べ、走査部102と受光部103との間の光路に、物体が存在する場合、受光部103が受光する光量は減少する。
ここで、上記物体において、走査面に対向する、面の幅が狭いほど、出射光量に対する受光量の減少割合は小さい。そこで、制御部104は、出射部101が出射した出射光量に対する、受光部103が受光した受光量の減少割合に基づいて、走査部102と受光部103との間の光路に存在する、被検出物体の物体幅が所定の条件を満たすか否かを判断する。従って、検出装置100は、所定の条件を満たす幅の物体を、非接触で検出することに貢献する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る検出システム2の全体構成の一例を示す図である。なお、図2は、検出システム2が含む検出装置1の数を2つに限定する趣旨ではない。検出システム2は、1つ又は3以上の検出装置1を含んでも良い。検出装置1の数は、後述する光の走査幅等に応じて、適宜、決定しても良い。また、検出装置1が配置される位置は、後述する光学系の構成等に応じて、適宜、決定しても良い。
図2に示す検出システム2は、検出装置1と、表示部3と、タッチパネル4と、を含んで構成される。ここで、検出装置1と、表示部3とは接続されていても良い。
表示部3は、液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル等である。タッチパネル4は、物体の接触を検出する。
タッチパネル4は、表示部3の上に、入力検出部と、ガラスと、を組み合わせた外付け型であってもよい。または、タッチパネル4は、表示部3の上に平板上のタッチセンサを組み合わせたオンセル型であってもよい。あるいは、タッチパネル4は、表示部3にタッチセンサを内蔵したインセル型であっても良い。このように、タッチパネル4を実現する方法は、各種あるが、その方式は問わない。
検出装置1は、表示部3から所定の範囲内の位置に配置される。図2に示すように、検出装置1は、表示部3の左右に、配置されても良い。
検出装置1は、表示部3から所定の距離の範囲内に、所定の条件を満たす幅の物体が存在するか否かを判断する。そして、検出装置1は、表示部3から所定の距離の範囲内に、所定の条件を満たす幅の物体が存在する場合、アラーム音等を出力し、注意喚起する。
具体的には、検出装置1は、表示部3から所定の距離の範囲内に、物体が存在するか否かを判断する。そして、検出装置1は、出射光量に対する受光量の減少割合が、所定の条件を満たす場合、アラーム処理を実行する。
より具体的には、検出装置1は、出射光量に対する受光量の減少割合が、所定の第1の閾値を超え、所定の第2の閾値以下である場合、アラーム処理を実行する。以下、判断対象の物体を、被検出物体と呼ぶ。また、以下、走査方向に対する、判断対象物体の幅を、簡単のため、物体幅とも呼ぶ。
例えば、ユーザがタッチパネル4を操作する時に、所定の条件を満たす幅の物体を表示部3に接近させたとする。その場合、検出装置1は、出射光量に対する受光量の減少割合が、所定の条件を満たすか否かを判断する。
出射光量に対する受光量の減少割合が、所定の条件を満たす場合、検出装置1は、被検出物体の物体幅が所定の条件を満たすと判断する。ここで、物体幅が所定の閾値以下の物体が表示部3に接触した場合、表示部3の表面が損傷、又は破損する恐れがある。そのため、検出装置1は、物体幅が所定の閾値以下の物体を、表示部3に接触前に検出し、表示部3の表面の損傷、又は破損を防止することに貢献する。
なお、検出システム2において、検出装置1は、表示部3に対して、2以上の方向から光を受光し、被検出物体が存在するか否かを判断しても良い。例えば、検出装置1は、表示部3に対して、上下、左右、斜め方向等から光を受光し、被検出物体が存在するか否かを判断しても良い。光を検出する方向が増加するほど、被検出物体を検出できる可能性が増加する。
図3は、検出装置1の内部構成の一例を示すブロック図である。検出装置1は、光学系10と、制御部20と、アラーム出力部30と、を含んで構成される。光学系10は、出射部11と、走査部12と、受光部13と、を含んで構成される。なお、図3は、本実施形態に係る検出装置1に関係するモジュールを主に記載する。
出射部11は、光を出射する。具体的には、出射部11は、入力された電気信号に基づいて、レーザ光を出射する。出射部11は、半導体レーザ、即ちレーザダイオードを含んで構成されても良い。出射部11は、光を出射できれば良く、例えば、ガスレーザ、固体レーザ等を用いて構成されても良く、その詳細は問わない。
走査部12は、出射部11が出射した光を、所定の方向に走査する。走査部12は、例えば、ミラー(図示せず)と、当該ミラーを駆動する駆動部(図示せず)と、を含んでいても良い。そして、走査部12が有するミラーが、出射部11から出射された光を反射し、当該反射光が所定の方向に走査されても良い。
例えば、走査部12は、振動ミラー、回転多面鏡等を用いて、実現されても良い。なお、振動ミラーは、ガルバノミラ−方式を用いて実現されても良い。また、回転多面鏡は、ポリゴンミラー方式を用いて実現されても良い。以下、走査部12が走査した光が入射する面を、走査面と呼ぶ。なお、走査部12の詳細は後述する。
ここで、検出装置1は、表示部3から所定の距離の範囲内を、検出範囲として設定するとする。その場合、走査部12は、走査面が、表示部3から所定の距離の範囲内となるように、駆動することが好ましい。
受光部13は、受光素子を含んで構成され、走査部12が走査した光を受光する。そして、受光部13は、受光量に応じた電気信号を出力する。例えば、受光部13は、フォトダイオードを含んで構成されても良い。
制御部20は、出射部11が出射した出射光量に対する、受光部13が受光した受光量の減少割合に基づいて、当該減少割合が所定の条件を満たすか否かを判断する。
ここで、走査部12と、受光部13との間に被検出物体が存在しない場合であっても、出射部11から出射された光量が、後述する光学系構成において、受光部13に到達するまでに微小量、減少する場合がある。制御部20は、そのような光量の微小な減少を無視することが好ましい。一方、先端が十分に太い被検出物体については、表示部3に接触したとしても、先端が細い被検出物体に比べ、単位面積当たりの表示部3に対する衝撃は小さい。そこで、制御部20は、出射光量に対する受光量の減少割合が、第1の閾値を超え、第1の閾値より大きい第2の閾値以下である場合、被検出物体の物体幅が第1の幅を超え、第1の幅より大きい第2の幅以下である、と判断する。
アラーム出力部30は、報知処理を実行する。例えば、アラーム出力部30は、音、光、文字等を用いて、報知処理を実行する。具体的には、制御部20は、報知処理の実行を指示する電気信号を、アラーム出力部30に送信する。アラーム出力部30は、制御部20から、報知処理の実行を指示する電気信号を受信した場合、報知処理を実行する。
例えば、検出装置1がスピーカ(図示せず)を備える場合、アラーム出力部30は、報知処理として、アラーム音を出力しても良い。または、検出装置1が、出射部11と異なるLED(Light Emitting Diode)を備える場合、アラーム出力部30は、報知処理として、LEDを発光させても良い。また、アラーム出力部30は、報知処理として、表示部3にアラームメッセージを表示させても良い。なお、報知処理は、各種あるが、その詳細は問わない。
制御部20は、出射光量に対する受光量の減少割合が、第1の閾値を超え、第1の閾値より大きい第2の閾値以下である場合、アラーム出力部30に報知処理を実行させる。
なお、受光部13に受光する光束の径に応じて、検出対象とする物体幅が決定される。つまり、制御部20は、受光部13において受光される、光束の径を変更することで、検出対象とする物体幅を変更できる。そして、受光部13において受光される、光束の径が小さくなるほど、制御部20は、細い物体幅の物体を、検出対象の物体を検出することが容易になる。
また、走査方向の幅に応じて、検出対象とする物体幅が決定される。つまり、制御部20は、走査方向の幅を変更することで、検出対象とする物体幅を変更できる。そして、走査方向の幅が小さくなるほど、制御部20は、細い物体幅の物体を、検出対象の物体を検出することが容易になる。
以下、図4〜図10を参照し、光学系10について、詳細に説明する。具体的には、本書では、
(光学系構成I)受光部13が、走査部12を透過した光を直接受光する光学系(図4〜図6参照)
(光学系構成II)走査部12を透過した光を集光するレンズを含み、受光部13が集光した光を受光する光学系(図7、図8参照)
(光学系構成III)走査部12を透過した光を反射するミラーを含み、受光部13が、当該ミラーを反射した光を受光する光学系(図9、図10参照)
について説明する。なお、本書で説明する光学系構成I〜光学系構成IIIは、本実施形態に係る光学系10の一例であり、本実施形態に係る光学系10の構成を限定する趣旨ではない。上述の出射部11、走査部12、受光部13、制御部20の機能を実現できれば、光学系10の内部構成、光路は、適宜決定しても良いことは勿論である。
(光学系構成I)
まず、光学系構成Iについて説明する。
図4は、光学系構成Iに係る光学系10Aの内部構成の一例を示す図である。
まず、図4に示す光学系10Aについて説明する。
光学系10Aは、出射部11と、コリメートレンズ14と、走査部12と、受光部131を含んで構成される。走査部12は、光偏向部15と、第1の走査レンズ16と、を含んで構成される。
ここで、光偏向部15について説明する。
図5は、光偏向部15の内部構成の一例を示すブロック図である。光偏向部15は、第1のミラー151と、光偏向駆動部152と、を含んで構成される。図5は、簡単のため、本実施形態に係る光偏向部15に関係するモジュールを記載する。
第1のミラー151は、入射光を偏向する。光偏向駆動部152は、第1のミラー151を駆動する。具体的には、光偏向駆動部152は、第1のミラー151の反射光が、所定の方向に偏向されるように、第1のミラー151を駆動することが好ましい。例えば、光偏向部15は、振動ミラー、回転多面鏡等を実現しても良い。
次に、図4を参照し、光学系10Aについて詳細に説明する。
出射部11は、光を出射する。コリメートレンズ14は、出射部11から出射された光が入射し、平行光として出射する。具体的には、コリメートレンズ14は、出射部11から出射された発散光が入射し、所定の径の光束として出射する。
コリメートレンズ14を透過した光は、光偏向部15に入射する。具体的には、コリメートレンズ14を透過した光は、第1のミラー151に入射する。そして、光偏向駆動部152が第1のミラー151を駆動することで、第1のミラー151の反射光は、所定の方向に走査される。
第1のミラー151の反射光は、第1の走査レンズ16に入射する。そして、第1の走査レンズ16は、第1のミラー151が走査した各光を平行光として出射する。例えば、第1の走査レンズ16は、f−θレンズであることが好ましい。f−θレンズにおいては、焦点距離f、入射角度θ、像高Yとした場合、Y=fθの関係が成立する。そのため、f−θレンズを用いることで、等速で走査することが可能となる。
そして、第1の走査レンズ16を透過した平行光は、受光部131に入射する。つまり、第1の走査レンズ16は、第1のミラー151と、受光部131との間に配置される。
ここで、受光部131は、第1の走査レンズ16を透過した光を、受光する。受光部131は、第1の走査レンズ16から出射された、光が走査する幅を満たす、長さの受光面を有することが好ましい。例えば、受光部131は、当該長さの受光面を有する受光素子を含んで構成されても良い。または、受光部131は、直線上に配置された、2以上の受光素子を含んで構成されても良い。ここで、受光部131の受光面が、走査面に対向する向きとなるように、受光部131が配置されることが好ましい。
なお、受光部131は、直線上に配置された、2以上の受光素子を含む場合、各受光素子間に空間が生じる恐れがある。そのため、第1の走査レンズ16と、各受光素子との間に、集光レンズ(図示せず)を配置しても良い。そして、各受光素子間の空間に向かって進行する光を、当該集光レンズで集光し、受光素子に入射させても良い。
なお、出射部11が平行光を出射する場合、コリメートレンズ14は不要となる。具体的には、出射部11が、ガスレーザ等を用いて、平行光を出射する場合、コリメートレンズ14は不要となる。
次に、走査部12と、受光部131との間に、被検出物体が存在する場合について説明する。
図6は、光学系10Aにおいて、第1の走査レンズ16と、受光部131との間の光路に、被検出物体301が存在する場合の一例を示す図である。
第1の走査レンズ16を透過した光が、第1の走査レンズ16と、受光部131との間の光路に存在する、被検出物体301に入射した場合、被検出物体301の入射面で反射(散乱等)する。その場合、第1の走査レンズ16を透過後に、被検出物体301に入射した光は、受光部131に到達(入射)しない。そのため、第1の走査レンズ16と、受光部131との間の光路に、被検出物体301が存在すると、図4に示す光学系10Aの状態に比べ、受光部131に入射する光量が減少する。
その結果、第1の走査レンズ16と、受光部131との間の光路に、被検出物体301が存在する場合、出射部11から出射された出射光量に対して、受光部131が受光する受光量は、減少する。そして、出射光量に対して、受光量の減少割合が大きいほど、被検出物体301の物体幅が大きいことを意味する。
(光学系構成II)
次に、光学系構成IIについて説明する。なお、光学系構成IIにおいて、光学系構成Iと同一の箇所については、説明を省略する。
図7は、光学系構成IIに係る光学系10Cの内部構成の一例を示す図である。
まず、図7に示す光学系10Cについて説明する。
光学系10Cは、出射部11と、コリメートレンズ14と、走査部12と、第2の走査レンズ17と、受光部132と、を含んで構成される。走査部12は、光偏向部15と、第1の走査レンズ16と、を含んで構成される。図4に示す光学系10Aとの相違点は、図7に示す光学系10Cは、第2の走査レンズ17を含む点である。出射部11、コリメートレンズ14、光偏向部15、第1の走査レンズ16については、図4に示す光学系10Aと同一であるため、詳細な説明は省略する。
第2の走査レンズ17は、第1の走査レンズ16と、受光部132との間に配置される。第1のミラー151が走査し、第1の走査レンズ16を透過した平行光は、第2の走査レンズ17に入射する。第2の走査レンズ17は、第1の走査レンズ16から出射した平行光を集光させる。
受光部132は、第2の走査レンズ17から出射された光が入射する。ここで、受光部132は、第2の走査レンズ17から出射された、光束を受光可能な大きさの受光面を有するものとする。
次に、走査部12と、第2の走査レンズ17との間に、被検出物体が存在する場合について説明する。
図8は、光学系10Cにおいて、第1の走査レンズ16と、第2の走査レンズ17との間の光路に、被検出物体311が存在する場合の一例を示す図である。
第1の走査レンズ16を透過した光が、第1の走査レンズ16と、第2の走査レンズ17との間の光路に存在する、被検出物体311に入射した場合、被検出物体311の入射面で反射(散乱等)する。その場合、第1の走査レンズ16を透過後に、被検出物体311に入射した光は、第2の走査レンズ17に到達(入射)しない。そのため、第1の走査レンズ16と、第2の走査レンズ17との間の光路に、被検出物体311が存在すると、図7に示す光学系10Cの状態に比べ、第2の走査レンズ17から出射する光量が減少する。
そして、第1の走査レンズ16と、第2の走査レンズ17との間の光路に、被検出物体311が存在すると、図7に示す光学系10Cの状態に比べ、受光部132に入射する光量が減少する。
その結果、第1の走査レンズ16と、第2の走査レンズ17との間の光路に、被検出物体311が存在する場合、出射部11から出射された出射光量に対して、受光部132が受光する受光量は、減少する。そして、上述の通り、出射光量に対して、受光量の減少割合が大きいほど、被検出物体311の物体幅が大きいことを意味する。
(光学系構成III)
次に、光学系構成IIIについて説明する。なお、光学系構成IIIにおいて、光学系構成Iと同一の箇所については、説明を省略する。
図9は、光学系構成IIIに係る光学系10Eの内部構成の一例を示す図である。
まず、図9に示す光学系10Eについて説明する。
光学系10Eは、出射部11と、コリメートレンズ14と、ハーフミラー18と、走査部12と、第2のミラー19と、受光部133と、を含んで構成される。走査部12は、光偏向部15と、第1の走査レンズ16と、を含んで構成される。出射部11、コリメートレンズ14、光偏向部15、第1の走査レンズ16については、図4に示す光学系10Aと同一であるため、詳細な説明は省略する。
まず、図9(a)を参照し、出射部11から出射され、第2のミラー19で反射するまでの光路について説明する。
出射部11から出射された光は、コリメートレンズ14に入射する。コリメートレンズ14は、入射された光を、平行光として出射する。光学系10Eにおいては、コリメートレンズ14と、光偏向部15との間に、ハーフミラー18が配置される。
コリメートレンズ14から出射された光の約半分の光量は、ハーフミラー18を透過し、光偏向部15に入射する。具体的には、コリメートレンズ14から出射された光の約半分の光量は、ハーフミラー18を透過し、第1のミラー151に入射する。そして、光偏向駆動部152が第1のミラー151を駆動することで、第1のミラー151の反射光は、所定の方向に走査される。ハーフミラー18は、波長依存性のある誘電体多層膜のミラーであっても良く、出射部11から出射されるレーザ光の波長で、約1:1に光を、直進と、反射とに分けるものであっても良い。また、波長依存性の少ないクロム膜を蒸着したものでも良く、出射部11から出射されるレーザ光の波長で、約1:1に光を、直進と反射とに分けるものであっても良い。
第1のミラー151の反射光は、第1の走査レンズ16の第1の面161に入射する。そして、第1の走査レンズ16は、第1の面161から入射した光を、第2の面162から平行光として出射する。
第2のミラー19は、第1の走査レンズ16から出射された光を反射する。具体的には、第2のミラー19は、第1の走査レンズ16の第2の面162から出射された、光を入射し、第2のミラー19の反射面で約半分の光量を反射する。
次に、図9(b)は、第2のミラー19の反射光が、受光部133に入射するまでの光路を示す図である。
第2のミラー19の反射光は、第1の走査レンズ16の第2の面162に入射する。第1の走査レンズ16は、第2の面162から入射した光を集光させる。
第1の走査レンズ16の第1の面161から出射された光は、第1のミラー151で反射し、ハーフミラー18に入射する。ハーフミラー18は、第1のミラー151の反射光を反射する。そして、受光部133は、ハーフミラー18の反射光を受光する。ここで、受光部133は、第2のミラー19を反射した、光を受光可能な大きさの受光面を有するものとする。
なお、第1のミラー151の反射光が出射部11に入射しないように、光学系10Eを構成することが好ましい。そこで、レーザの戻り光によるレーザの出射光量変動の原因とならないように、第1のミラー151の反射光の光軸と、コリメートレンズ14から出射された光の光軸とをわずかにずらし、第2のミラー19を配置することが好ましい。第1のミラー151の反射光が出射部11に入射した場合、出射部11から出射される光量が変化してしまう恐れがある。また、その結果、受光部133が受光する光量も変化してしまう。
また、ハーフミラー18に替えて、偏光ビームスプリッタと1/4波長板とを使用しても良い。偏光ビームスプリッタがレーザ光を最も透過するように、レーザ光の偏光面の向きを調整しても良い。1/4波長板は偏光ビームスプリッタを通過した側、即ち出射側に設ける。それにより、出射部11から出射された時には直線偏光であったレーザ光が、1/4波長板を通ると、円偏光に変わり、第2のミラー19で反射される時に、円偏向の回転の方向が逆になる。そして、第2のミラー19で反射された戻り光が、再度、1/4を通ると、出射部11から出射された光(1回目に偏光ビームスプリッタに入射した光)に対して、垂直方向の直線偏光になる。そして、1回目に偏光ビームスプリッタに入射した時には、偏光ビームスプリッタを透過した光が、今度は、偏光ビームスプリッタで反射される。その結果、偏光ビームスプリッタと1/4波長板とを使用する場合、ハーフミラー18を使用する場合より、光の利用効率が良い。すなわち、偏光ビームスプリッタと1/4波長板とを使用する場合、ハーフミラー18を使用する場合より、ロスが少なく、受光部133に入る光量が増加する。
次に、走査部12と、第2のミラー19との間に、被検出物体が存在する場合について説明する。
図10は、光学系10Eにおいて、第1の走査レンズ16と、第2のミラー19との間の光路に、被検出物体321が存在する場合の一例を示す図である。図10(a)は、光学系10Eにおいて、出射部11から出射され、第2のミラー19で反射するまでの光路を示す図である。図10(b)は、光学系10Eにおいて、第2のミラー19の反射光が、受光部133に入射するまでの光路を示す図である。
第1の走査レンズ16の第2の面162から出射された光が、第1の走査レンズ16と、第2のミラー19との間の光路に存在する、被検出物体321に入射した場合、被検出物体321の入射面で反射(散乱等)する。その場合、第1の走査レンズ16の第2の面162から出射後に、被検出物体321に入射した光は、第2のミラー19に到達(入射)しない。そのため、図10(a)に示す通り、第1の走査レンズ16と、第2のミラー19との間の光路に、被検出物体321が存在すると、図9に示す光学系10Eの状態に比べ、第2のミラー19に入射する光量が減少する。
そして、図10(b)に示す通り、第1の走査レンズ16と、第2のミラー19との間の光路に、被検出物体321が存在すると、図9(b)に示す光学系10Eの状態に比べ、第1の走査レンズ16の第1の面161から出射される光量が減少する。
その結果、第1の走査レンズ16と、第2のミラー19との間の光路に、被検出物体321が存在する場合、出射部11から出射された出射光量に対して、受光部133が受光する受光量は、減少する。そして、上述の通り、出射光量に対して、受光量の減少割合が大きいほど、被検出物体321の物体幅が大きいことを意味する。
次に、検出装置1の動作について説明する。
図11は、検出装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS1において、出射部11が光の出射を開始したか否かを、制御部20は判断する。例えば、制御部20は、表示部3に情報の表示を開始させた場合、出射部11に光の出射を開始させても良い。つまり、制御部20は、表示部3に情報の表示を開始させた場合、所定の物体幅以下の被検出物体を検出するために、出射部11に光の出射を開始させても良い。
出射部11が光の出射を開始した場合(ステップS1のYes分岐)には、ステップS2に遷移する。一方、出射部11が光の出射を開始していない場合(ステップS1のNo分岐)には、ステップS1の処理を繰り返す。
ステップS2において、光偏向部15を駆動開始したか否かを、制御部20は判断する。制御部20が光偏向部15を駆動開始した場合(ステップS2のYes分岐)には、ステップS4に遷移する。一方、制御部20が光偏向部15を駆動開始していない場合(ステップS2のNo分岐)には、制御部20は、光偏向部15を駆動開始する(ステップS3)。具体的には、制御部20は、光偏向駆動部152を駆動開始する。そして、ステップS4に遷移する。
ステップS4において、制御部20は、出射光量に対する受光量の減少割合を算出する。
ステップS5において、出射光量に対する受光量の減少割合が、第1の閾値を超え、前記第1の閾値より大きい第2の閾値以下であるか否かを、制御部20は判断する。出射光量に対する受光量の減少割合が、第1の閾値を超え、第2の閾値以下である場合(ステップS5のYes分岐)には、制御部20は、物体幅が所定の条件を満たす、と判断する(ステップS6)。そして、ステップS7に遷移する。一方、出射光量に対する受光量の減少割合が、第1の閾値以下である、又は、第2の閾値を超える場合(ステップS5のNo分岐)には、ステップS9に遷移する。
ステップS7において、制御部20は、報知処理の実行を指示する電気信号を、アラーム出力部30に対して出力する。そして、ステップ8において、アラーム出力部30は、アラーム音の出力、アラームメッセージの表示等、報知処理を実行する。そして、ステップS9に遷移する。
ステップS9において、出射部11が光の出射を終了したか否かを、制御部20は判断する。例えば、制御部20は、表示部3に情報の表示を終了させた場合、出射部11に光の出射を終了させても良い。
出射部11が光の出射を終了した場合(ステップS9のYes分岐)には、検出装置1は処理を終了する。一方、出射部11が光の出射を終了していない場合(ステップS9のNo分岐)には、ステップS4に戻り、処理を終了する。
[変形例1]
本実施形態に係る検出装置1の変形例1として、出射部11と、光偏向部15との間の光路上に、所定の径の穴を有する物体を配置しても良い。つまり、出射部11から出射された光を、所定の径の穴を通過させ、所定の径の光束としても良い。
[変形例2]
本実施形態に係る検出装置1の変形例2として、第1の走査レンズ16から出射された光を、所定の方向(例えば、直角)に屈折させるように、第3のミラー(図示せず)を配置しても良い。つまり、第1の走査レンズ16から出射された光が、第3のミラーで反射し、所定の方向に屈折しても良い。このように光を所定の方向に屈折させることで、光学系10が表示部3とタッチパネル4とを取り囲み、検出システム2の全体の大きさを小さくできる。
[変形例3]
本実施形態に係る検出装置1の変形例3として、出射部11が出射する光に、所定の変調をかけても良い。例えば、出射部11が、ガスレーザを含んで構成されるとする。その場合、A/O(acousto-optic)変調器(音響光学変調器)、E/O(electro-optic)変調器(電気光学変調器)を使用しても良い。また、出射部11がレーザダイオードを含んで構成されるとする。その場合、レーザダイオードの直接変調を使用しても良い。
そして、制御部20は、受光部13が受光する光において、出射部11から出射される光の周波数と一致する光に関して、光量の最大値等を算出しても良い。そして、制御部20は、出射部11から出射された、対応する周波数の光の光量に対して、算出された光量の最大値の減少割合を算出しても良い。その結果、制御部20は、出射光量と受光量との減少割合の算出において、変調されていない他の光(即ち、外乱光)と、検出対象とする光とを区別できる。つまり、受光部13が所定の変調がされた光を受光することで、外乱光の影響を除去できる。
以上のように、本実施形態に係る検出装置1は、出射光量に対する受光量の割合に基づいて、所定の条件を満たす幅の物体が接近したか否かを判断する。従って、本実施形態に係る検出装置1は、先端が尖っている物体を、非接触で検出することに貢献する。
また、本実施形態に係る検出装置1は、光学系構成を限定する必要がない。そのため、本実施形態に係る検出装置1は、状況に応じて、適宜、有益な光学系構成を採用することが可能である。
また、本実施形態に係る検出装置1は、既存の表示部等に隣接して設置することで、表示部に所定の条件を満たす幅の物体が接近することを防止できる。その際、本実施形態に係る検出装置1と、表示部とは独立していても良い。従って、本実施形態に係る検出装置1は、表示部等を有する既存のシステムに、容易に導入することができる。
[第2の実施形態]
本実施形態は、走査された光が被検出物体によって遮られた時間に基づいて、被検出物体の幅を判断する形態である。なお、本実施形態における説明では、上記の実施形態と重複する部分の説明は省略する。さらに、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の作用効果についても、その説明を省略する。
本実施形態に係る検出装置1の内部構成は、図3に示す通りである。
上述の通り、走査部12と受光部13との間の光路に、物体が存在する場合、当該物体によって、走査部12が走査した光は遮られる。ここで、被検出物体の幅が細いほど、被検出物体によって光が遮られる時間は短い傾向がある。そこで、本実施形態に係る検出装置1は、被検出物体によって光が遮られる時間を、被検出物体の幅を判断するための基準として利用する。
本実施形態に係る制御部20は、走査された光の径が所定の閾値以下である場合、走査された光が被検出物体によって遮られた時間に基づいて、被検出物体の幅を判断する。一方、本実施形態に係る制御部20は、走査された光の径が所定の閾値を超える場合、出射光量に対する、受光量の減少割合に基づいて、被検出物体の幅を判断する。
このように、本実施形態に係る検出装置1は、走査された光の径に応じて、異なる判断基準を採用する。なお、走査された光の径は、光学系10の構成等に応じて決定される。そのため、制御部20に、予め、走査された光の径が設定されていても良い。従って、本実施形態に係る検出装置1は、異なる判断基準を採用することで、より一層、効率的に、所定の条件を満たす幅の物体を検出できる。
[第3の実施形態]
本実施形態は、被検出物体が金属であるか否かを判断する形態である。なお、本実施形態における説明では、上記の実施形態と重複する部分の説明は省略する。さらに、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の作用効果についても、その説明を省略する。
図12は、本実施形態に係る検出装置1Aの内部構成の一例を示すブロック図である。図3に示す検出装置1と、図12に示す検出装置1Aとの相違点は、図12に示す検出装置1Aは、金属検出部40を含む点である。光学系10、アラーム出力部30については、上記の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
金属検出部40は、走査部12と受光部13との間の光路に存在する、金属を検出する。例えば、金属検出部40は、表示部3、及びタッチパネル4を有する、筐体内等に配置されても良い。
金属検出部40は、所定の距離以内の金属を検出可能である、公知の金属センサを含んで構成されても良い。例えば、金属検出部40は、電磁コイル(図示せず)を含んで構成されても良い。その場合、金属検出部40は、被検出物体に発生する渦電流による磁気損失に基づいて、被検出物体が、検出対象の金属に該当するか否かを判断しても良い。そして、被検出物体が、検出対象の金属に該当する場合、金属検出部40は、所定の電気信号を制御部20に対して出力する。なお、これは、金属検出方法の一例であり、他の方法を用いて、金属を検出しても良く、その詳細は問わない。
制御部20は、出射光量に対する受光量の減少割合、及び、金属検出部40の出力信号に基づいて、物体幅が所定の条件を満たすか否かを判断する。具体的には、制御部20は、出射光量に対する受光量の減少割合が第1の閾値を超え、前記第1の閾値より大きい第2の閾値以下であるとともに、金属検出部40が金属を検出した場合、アラーム出力部30に報知処理を実行させる。
次に、本実施形態に係る検出装置1Aの動作について説明する。
図13は、本実施形態に係る検出装置1Aの動作の一例を示すフローチャートである。なお、図13に示すステップS101〜S103は、図11に示すステップS1〜S3と同一であるため、詳細な説明を省略する。
光偏向部15が駆動開始した場合、制御部20は、金属検出部40を駆動開始する。そして、金属検出部40が金属を検出したか否かを、制御部20は判断する(ステップS104)。金属検出部40が金属を検出した場合(ステップS104のYes分岐)には、図11に示すステップS4に遷移する。一方、金属検出部40が金属を検出しない場合(ステップS104のNo分岐)には、ステップS104の処理を繰り返す。
以上のように、本実施形態に係る検出装置1Aは、被検出物体が所定の条件を満たす幅の物体であるか否かを判断すると共に、被検出物体が金属であるか否かを判断する。例えば、アルミニウムで構成された物体に比べ、プラスチック、ゴム等で構成された物体は、表示部3を損傷する恐れは少ない。そこで、本実施形態に係る検出装置1Aは、プラスチック、ゴム等で構成された物体を検出した場合、報知処理を実行しない。従って、本実施形態に係る検出装置1Aは、第1の実施形態と同様の効果を奏すると共に、不必要な報知処理の実行を防止することに貢献する。
なお、上記した実施形態においては、光の走査面が、表示部から所定の距離離れた面である場合について説明した。しかし、これは、光の走査面を、表示部から所定の距離離れた面に限定する趣旨ではない。走査面と、表示部とが独立していることは勿論である。
また、上記した実施形態においては、検出システムが、表示部を含む構成について説明した。しかし、これは、検出システムを、表示部を含む構成に限定する趣旨ではない。検出システムは、表示部と異なる装置を含んでいても良いことは勿論である。また、検出システムは、表示部を含まなくても良いことも勿論である。
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)上記第1の視点に係る検出装置の通りである。
(付記2)前記制御部は、前記減少割合が、第1の閾値を超え、前記第1の閾値より大きい第2の閾値以下である場合、前記物体幅が第1の幅を超え、前記第1の幅より大きい第2の幅以下である、と判断する、付記1に記載の検出装置。
(付記3)報知処理を実行するアラーム出力部をさらに備え、前記制御部は、前記減少割合が、前記第1の閾値を超え、前記第2の閾値以下である場合、前記アラーム出力部に前記報知処理を実行させる、付記2に記載の検出装置。
(付記4)前記走査部と前記受光部との間の光路に存在する、金属を検出する金属検出部をさらに備え、前記制御部は、前記減少割合が前記第1の閾値を超え、前記第2の閾値以下であるとともに、前記金属検出部が金属を検出した場合、前記アラーム出力部に前記報知処理を実行させる、付記3に記載の検出装置。
(付記5)前記制御部は、前記被検出物体によって光が遮られる時間に基づいて、前記物体幅が前記所定の条件を満たすか否かを判断する、付記1乃至4のいずれか一に記載の検出装置。
(付記6)前記走査部は、入射光を偏向する、第1のミラーと、前記第1のミラーを駆動する駆動部と、前記第1のミラーが偏向した各光を平行光として出射する、第1の走査レンズを備える、付記1乃至5のいずれか一に記載の検出装置。
(付記7)前記第1の走査レンズは、前記第1のミラーと、前記受光部との間に配置され、前記受光部は、前記第1の走査レンズから出射された、光が走査する幅を満たす、長さの受光面を有する、付記6に記載の検出装置。
(付記8)前記第1の走査レンズから出射した平行光を集光させる、第2の走査レンズをさらに備え、前記第2の走査レンズは、前記第1の走査レンズと、前記受光部との間に配置され、前記受光部は、前記第2の走査レンズから出射された、前記光束を受光可能な大きさの受光面を有する、付記6に記載の検出装置。
(付記9)前記第1の走査レンズから出射された光を反射する、第2のミラーをさらに備え、前記受光部は、前記第2のミラーを反射した、光を受光可能な長さの受光面を有する、付記6に記載の検出装置。
(付記10)上記の第2の視点に係る検出方法の通りである。
(付記11)前記制御工程において、前記減少割合が、第1の閾値を超え、前記第1の閾値より大きい第2の閾値以下である場合、前記物体幅が第1の幅を超え、前記第1の幅より大きい第2の幅以下である、と判断する、付記10に記載の検出方法。
(付記12)報知処理を実行する工程をさらに含み、前記制御工程において、前記減少割合が、前記第1の閾値を超え、前記第2の閾値以下である、と判断した場合、前記報知処理を実行させる電気信号を出力する、付記11に記載の検出方法。
(付記13)金属を検出する工程をさらに含み、前記制御工程において、前記減少割合が前記第1の閾値を超え、前記第2の閾値以下であるとともに、金属が検出された場合、前記報知処理を実行させる電気信号を出力する、付記12に記載の検出方法。
(付記14)前記制御工程において、前記被検出物体によって光が遮られる時間に基づいて、前記物体幅が前記所定の条件を満たすか否かを判断する、請求項10乃至13のいずれか一に記載の検出方法。
なお、上記の特許文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。