背景技術で示したように、保存した印刷ジョブを用いて再度、印刷を指示する場合、複数の画像形成装置の中から出力先の画像形成装置を選択したり、選択した画像形成装置に対応する複数の印刷ジョブの中から所望の印刷ジョブを選択したり、印刷ジョブで指定された機能を確認したりする必要がある。しかしながら、従来のジョブ管理アプリケーションでは、印刷ジョブの一覧画面から編集画面に遷移してその印刷ジョブで指定された機能を確認したり、画像形成装置の装置情報を表示して出力先の画像形成装置が印刷ジョブで指定された機能を実行可能がどうかを確認したりする必要があり、操作が煩雑になるという問題があった。
この問題に対して、印刷ジョブの一覧画面に各々の印刷ジョブで指定された機能を表示することによって画面遷移の手間を省くこともできるが、各々の印刷ジョブで指定された機能が表示されたとしても、その機能が出力先の画像形成装置でサポートされているかを確認するためには、画像形成装置の装置情報を別途表示しなければならず、操作性を向上させることができない。
また、特許文献1の技術を利用して、印刷ジョブや画像形成装置をアイコンで表示したり、印刷ジョブの内容に応じてアイコンの表示を変更したりすることはできるが、印刷ジョブの内容に応じて印刷ジョブや画像形成装置のアイコンを設けると、アイコンの種類が多くなり、画面の構成が複雑になる。その結果、所望の印刷ジョブや画像形成装置を探すのに手間がかかり、操作性を向上させることができない。
そこで、本発明の一実施の形態では、印刷ジョブを生成するユーザ端末(又は印刷ジョブを管理するコントローラ装置や印刷ジョブを実行する画像形成装置)でジョブ設定画面を表示する際に、ジョブ設定画面に、ネットワークに接続された各々の画像形成装置を特定する情報を選択可能に表示する領域と、選択された画像形成装置に対応する各々の印刷ジョブを特定する情報を選択可能に表示する領域と、少なくとも、選択された印刷ジョブで指定された各々の機能を特定する情報を表示する領域と、を設け、一つのジョブ設定画面内で、画像形成装置と印刷ジョブと機能との対応付けができるようにする。
更に、ジョブ設定画面で、選択された印刷ジョブを他の画像形成装置に対応付ける特定の操作を可能とする。例えば、その印刷ジョブのアイコンを他の画像形成装置のアイコンにドラッグアンドドロップするといった特定の操作を可能とする。そして、その特定の操作が行われた時に、選択された印刷ジョブで指定された機能と、他の画像形成装置で実行可能な機能とを比較し、比較結果に応じて機能を表示する領域の表示形態を変更する。例えば、選択された印刷ジョブで指定された機能の内、他の画像形成装置で実行できない機能を識別可能に表示(例えば、グレイアウト)したり、他の画像形成装置で実行可能な機能の内、選択された印刷ジョブで指定されていない機能(追加可能な機能)を追加したりする。
これにより、ユーザは適切な画像形成装置に対して印刷を指示することができ、印刷ジョブで指定された機能を実行できない画像形成装置に対して印刷を指示したり、画像形成装置に機能が搭載されているにも関わらず、その機能を印刷ジョブに反映できなかったりするといった不都合を未然に防止することができる。また、画像形成装置や印刷ジョブ、機能をアイコンで表示するなど、グラフィカルに表示することにより、直感的な操作を可能とし、操作性を向上させることができる。また、アイコンをドラッグアンドドロップするなどの特定の操作を可能にすることにより、更に操作性を向上させることができる。
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る印刷制御装置及び印刷制御プログラムについて、図1乃至図11を参照して説明する。図1は、本実施例の印刷システムの構成を示すブロック図であり、図2は、画像形成装置の概略構成及び印刷部の動作を示す模式図である。また、図3は、ジョブ管理画面の一例であり、図4は、ジョブ編集画面の一例である。また、図5乃至図10は、本実施例のジョブ設定画面の一例であり、図11は、印刷制御プログラムの処理を示すフローチャート図である。
図1(a)に示すように、本実施例の印刷システムは、イントラネット上に、通信ネットワークで接続可能なユーザ端末10、コントローラ装置20、画像形成装置(以下、プリンタ30と呼ぶ。)がそれぞれ配置される。すなわち、本実施例におけるユーザ端末10又はコントローラ装置20が、プリンタ30に対して印刷指示を行う印刷制御装置として機能する。なお、通信ネットワークの規格としてEthernet(登録商標)などを用いることができるが、コントローラ装置20からプリンタ30へのデータ転送はEthernet(登録商標)以外にもIEEE1394、Parallelなどを用いることも可能である。また、図1(a)では、コントローラ装置20をプリンタ30とは別に設けているが、コントローラ装置20はプリンタ30に内包してもよい。以下、各装置について詳細に説明する。
[ユーザ端末]
ユーザ端末10はパーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器であり、図1(a)に示すように、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、通信部15などを備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)及びROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリを備えて構成され、ROMや記憶部12に記憶されている各種プログラムとの協働により各種処理を実行し、ユーザ端末10の各部を集中制御する。例えば、制御部11は、記憶部12からプリンタドライバを読み込んで処理を実行し、各種アプリケーションによって作成されたアプリケーションファイル形式のデータを、PCL(Printer Control Language)やPostScriptなどのPDL(Page Description Language))形式のデータに変換する。また、印刷部数、印刷に用いる給紙トレイ、両面/片面印刷、カラー/モノクロ印刷、2in1などの集約機能、折りやパンチ、ステープルなどの仕上げ機能などの印刷条件を設定するための印刷設定画面を表示部14に表示させ、印刷設定画面におけるユーザ操作に応じて設定された印刷条件をPDLデータ内にコマンドとして付加する。
また、制御部11は、記憶部12からジョブ管理ユーティリティなどのプログラム(印刷制御プログラム)を読み込んで処理を実行する。この印刷制御プログラムは、図1(b)に示すように、制御部11を、情報取得部、表示制御部、操作制御部、機能判定部などとして機能させる。
情報取得部は、コントローラ装置20から、ネットワークに接続されたプリンタ30の装置情報(識別情報や機能情報)、プリンタ30に対応する印刷ジョブ(後述するジョブチケットのみでもよい。)を取得し、各々のプリンタ30で実行可能な機能及び各々の印刷ジョブで指定された機能を特定する。
表示制御部は、表示部14を制御して、ジョブ設定画面に、各々のプリンタ30を特定する情報を選択可能に表示する欄(プリンタ選択欄と呼ぶ。)、選択されたプリンタ30に対応する各々の印刷ジョブを特定する情報を選択可能に表示する欄(ジョブ選択欄と呼ぶ。)、少なくとも、選択された印刷ジョブで指定された各々の機能を特定する情報を表示する欄(機能情報欄と呼ぶ。)を表示させる。また、表示制御部は、プリンタ選択欄の各プリンタ30、ジョブ選択欄の各印刷ジョブ、機能情報欄の各機能を特定する情報を、プリンタ30や印刷ジョブ、機能を模式的に表すアイコンで表示したり、機能判定部の判定結果に応じて、機能情報欄の表示形態を変更したりする。
操作制御部は、ジョブ設定画面におけるプリンタ30及び印刷ジョブの選択操作を受け付ける。また、操作制御部は、選択された印刷ジョブを特定する情報(アイコンなど)を、プリンタ選択欄のプリンタ30(その印刷ジョブに対応するプリンタ30とは異なるプリンタ30、以下、他のプリンタ30と呼ぶ。)近傍に移動させる特定の操作(後述するマウスオーバー)を受け付ける。
機能判定部は、他のプリンタ30で実行可能な機能と、選択された印刷ジョブで指定されている機能とを比較する。そして、選択された印刷ジョブで指定されている機能の内、他のプリンタ30で実行できない機能を特定し、特定した機能を表示制御部に通知する。
記憶部12は、メモリやHDD(Hard Disk Drive)などからなり、制御部11により実行されるプリンタドライバ、ジョブ管理ユーティリティ等の各種プログラム、プログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。操作部13は、マウスやキーボードを備え、これらの操作に応じた操作信号を生成して制御部11に出力する。表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイを備え、制御部11の表示制御に従って印刷設定画面やジョブ設定画面、制御部11による処理結果などを表示する。
通信部15は、ネットワークI/F等の通信用のインターフェイスを備え、コントローラ装置20とイントラネット等のネットワークを介して通信する。例えば、通信部15は、コントローラ装置20から印刷設定に必要な情報(例えば、上記プリンタ30の装置情報や印刷ジョブ)を受信したり、印刷対象のPDLデータをコントローラ装置20に送信したりする。
[コントローラ装置]
コントローラ装置20はコンピュータ機器であり、図1(a)に示すように、制御部21、記憶部22、画像処理部23、プリンタI/F部24、通信部25などを備える。
制御部21は、CPU及びROMやRAMなどのメモリから構成され、ROMや記憶部22に記憶された各種プログラムとの協働により各種処理を実行し、コントローラ装置20の各部を集中制御する。例えば、制御部21は、PDLデータを解析して、プリンタ30に対するジョブチケットを作成する。なお、ジョブチケットとは、各プリンタ30が実行すべき印刷ジョブの指示情報であり、印刷ジョブとは画像形成装置30が行うべき印刷作業である。このジョブチケットには、例えば印刷部数、印刷に用いる給紙トレイ、両面/片面印刷、カラー/モノクロ印刷、2in1などの集約機能、折りやパンチ、ステープルなどの仕上げ機能などの印刷条件が含まれる。また、ジョブとは画像形成装置30が行うべき印刷作業をいう。また、制御部21は、画像処理部23によって生成された画像データと印刷条件(ジョブチケット)とを対応付け、各プリンタ30に対応する印刷ジョブ(当該プリンタ30で実行済みの印刷ジョブや実行予定の印刷ジョブ)として記憶部22に保存する。
記憶部22は、メモリやHDDなどからなり、制御部21により用いられるプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶する。また、プリンタ30毎の印刷ジョブ(画像データ及びジョブチケット)、印刷を指示するために一時的に保存される印刷ジョブ、ネットワークに接続されたプリンタ30の装置情報などを記憶する。画像処理部23は、ユーザ端末10から送信されるPDLデータをラスタライズ処理する。ラスタライズ処理によって生成されたビットマップ形式の画像データは、ジョブチケットと共にプリンタI/F部24を介してプリンタ30に送信される。
プリンタI/F部24は、マスターであるプリンタ30に接続するための専用インターフェイスであり、画像データ、ジョブチケット等をプリンタ30に送信したり、プリンタ30から装置情報を取得したりする。通信部25は、ネットワークI/Fのような通信用のインターフェイスを備え、ユーザ端末10と通信する。例えば、通信部25は、ユーザ端末10からPDLデータを受信したり、ユーザ端末10に記憶部22に保存しているプリンタ30の装置情報や過去の印刷ジョブを送信したりする。なお、プリンタ30がネットワークに接続できる構成であれば、通信部25を介してプリンタ30に画像データ、ジョブチケットを送信したり、プリンタ30から装置情報を取得したりしてもよい。また、プリンタ30の装置情報は、MIB(Management Information Base)を用いて取得してもよい。
[プリンタ]
プリンタ30は、コントローラ装置20の指示に従って印刷を実行する複合機などであり、図1(a)に示すように、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、画像読取部35、画像処理部36、印刷部37、コントローラI/F部38などを備える。
制御部31は、CPU及びROMやRAMなどのメモリから構成され、ROMや記憶部32に記憶されている各種プログラムを読み出して各種処理を実行し、プリンタ30の各部を集中制御する。例えば、制御部31は、コントローラ装置20から送信されたジョブチケットを解析し、印刷条件の指示情報を取得する。そして、コントローラ装置20から送信された画像データに取得した印刷条件の指示情報を適用し、印刷部37に印刷処理を実行させる。また、制御部31は、画像データ及びジョブチケットを印刷ジョブ(実行済みの印刷ジョブや実行予定の印刷ジョブ)として記憶部32に保存する。
記憶部32は、メモリやHDDなどからなり、制御部31により用いられるプログラムやプログラムの実行に必要なデータを記憶する。また、記憶部32は、印刷ジョブ(画像データ及びジョブチケット)、印刷を実行するために一時的に保存される印刷ジョブ、自装置の装置情報などを記憶する。操作部33は、タッチパネルや操作キーを備え、これらの操作に応じた操作信号を生成して制御部31に送信する。表示部34は、LCDなどのディスプレイを備え、制御部31の表示制御に従って、タッチパネルに各種画面を表示する。
画像読取部35は、ADF(Auto Document Feeder)によって搬送された原稿をスキャナにより光走査し、画像信号(アナログ信号)として読み取る。画像処理部36は、画像読取部35によって読み取られた画像信号をA/D変換し、画像データ(デジタルデータ)を得る。また、画像処理部36は、画像データに画像処理を施す。画像処理は、例えば圧縮/伸張処理、拡大/縮小処理、階調補正処理、スクリーン処理などである。また、画像処理部36は、画像処理後の画像データをPWM(Pulse Width Modulation)変換し、印刷部37に出力する。
印刷部37は、PWM変換された画像データに基づいて印刷処理を実行する(詳細は後述する)。コントローラI/F部38は、コントローラ装置20に接続するための専用インターフェイスであり、コントローラ装置20から画像データ、ジョブチケット等を取得したり、コントローラ装置20にプリンタ30の装置情報を送信したりする。
上記プリンタ30の構造及び印刷部37の動作について、図2を参照して説明する。図2(a)に示すように、プリンタ30の本体の上部にADF、スキャナ(画像読取部35)、タッチパネル(操作部33及び表示部34)などが設けられる。また、本体には印刷部37が設けられ、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、K(黒)の4色のトナーを用いて印刷を行うことができる。プリンタ30の下部には、例えば用紙を収容する3つの給紙トレイT1〜T3が設けられる。この本体に設けられた給紙トレイT1〜T3とは別に、プリンタ30は大容量の給紙トレイを有する給紙ユニットを備えることができる。図2(a)はプリンタ30に給紙ユニットを設けた例を示している。給紙ユニットは、例えば大容量の3つの給紙トレイT4〜T6を備える。
図2(b)に示すように、印刷部37は、画像形成部(Y、M、C、K)、中間ベルト、2次転写ローラ、定着部等を備える。画像形成部(Y、M、C、K)は、中間ベルト上にトナー画像を形成する。画像形成部は、それぞれ露光部、現像部、感光ドラム、1次転写ローラを備える。印刷時、画像データがPWM変換されたPWM信号に従って、露光部が感光ドラム上にレーザ光を照射して静電潜像を形成する。これを現像部が現像処理し、感光ドラム上にトナー画像を形成する。感光ドラム上のトナー画像は、1次転写ローラにより中間ベルト上に転写される。
画像形成部(Y、M、C、K)によって形成された各色のトナー画像は、回動する中間ベルト上の同じ位置に重ねて転写され、中間ベルト上には4色のトナーからなるカラー画像が形成される。中間ベルト上のカラー画像が2次転写ローラの位置に到達するタイミングに合わせて、給紙トレイT1〜T6の何れかから用紙が給紙される。2次転写ローラによってカラー画像が用紙上に転写され、印刷された用紙は定着部に搬送され、定着処理が行われる。
また、画像形成装置は、用紙の表裏を反転させて再度用紙を給紙する反転部(反転ローラ)を備える。両面印刷の際、表面の印刷後、定着部から排紙された用紙は反転部に搬送される。反転部を通過することにより、表裏が反転された用紙は裏面の印刷のため、再度2次転写ローラの位置まで搬送される。
なお、図1及び図2は、本実施例の印刷システムの一例であり、その構成や制御は適宜変更可能である。例えば、上記では、ジョブ管理ユーティリティ(印刷制御プログラム)をユーザ端末10の制御部11で動作させ、コントローラ装置20からプリンタ30の装置情報や過去の印刷ジョブを取得して表示部14にジョブ設定画面を表示させる構成としたが、コントローラ装置20がWebアプリケーションの機能を提供するWebサーバとして機能し、ユーザ端末10がWebアプリケーションの機能を利用するWebクライアントとして機能する場合は、ジョブ管理ユーティリティ(印刷制御プログラム)をコントローラ装置20の制御部21で動作させ、記憶部22に保存した各プリンタ30の装置情報や過去の印刷ジョブに基づいてジョブ設定画面を生成し、生成したジョブ設定画面をユーザ端末10の表示部14に表示させる構成としてもよい。また、コントローラ装置20に表示部を設けて、生成したジョブ設定画面をその表示部に表示させる構成としてもよい。
また、特定のプリンタ30が特定のプリンタ30以外のプリンタ30から装置情報や過去の印刷ジョブを取得可能な場合(すなわち、プリンタ30がコントローラ装置20としての機能を兼ね備えている場合)は、ジョブ管理ユーティリティ(印刷制御プログラム)を特定のプリンタ30の制御部31で動作させ、記憶部32に保存した自装置の装置情報や過去の印刷ジョブ、及び、特定のプリンタ30以外のプリンタ30から取得した装置情報や過去の印刷ジョブに基づいて表示部34にジョブ設定画面を表示させる構成としてもよい。
次に、上記構成の印刷システム10の概略動作について説明する。
<通常印刷>
ユーザは、ユーザ端末10の任意のアプリケーションを用いて、印刷を行いたい原稿を作成する。そして、ユーザは、アプリケーションから印刷設定ダイアログを開き、プリンタドライバの印刷設定画面を表示させる。ユーザが印刷機能を実行すると、プリンタドライバは、作成した原稿のデータをPDLデータに変換し、コントローラ装置20に送信する。なお、プリンタドライバは、両面/片面印刷、カラー/モノクロ印刷などの機能に加えて、2in1などの集約機能、折りやパンチ、ステープルなどの仕上げ機能を設定することもでき、設定された機能をPDLデータ内のコマンドとして付加する。
コントローラ装置20は、PDLデータ内のコマンドを解析し、画像データを生成すると共に、設定されている機能を認識してジョブチケットを生成し、画像データ及びジョブチケットをプリンタ30に送信する。プリンタ30は、ジョブチケットで指定された機能を用いて画像データの印刷処理を実行する。
<印刷ジョブの保存>
ユーザ端末10から送信される画像データとジョブチケットは、プリンタドライバから保存指示を出すことで、コントローラ装置20内の記憶部22に、過去の印刷ジョブとして保存することもできる。
<保存印刷ジョブの再印刷>
保存された印刷ジョブは、ユーザ端末10(又はコントローラ装置20やプリンタ30)で動作するジョブ管理ユーティリティなどの印刷制御プログラムを用いて閲覧することができ、ジョブ管理ユーティリティから印刷指示を出すことで再印刷を実施することができる。
図3は、従来のジョブ管理ユーティリティによって表示されるジョブ管理画面40の一例である。ジョブ管理画面40には、所定のプリンタ30の装置情報を表示する欄(図の左側)、所定のプリンタ30で実行中の印刷ジョブや過去の印刷ジョブを一覧表示する欄(図の右側)などが設けられている。そして、印刷ジョブの一覧表示から任意の印刷ジョブを選択すると、図4に示すようなジョブ編集画面41が表示される。このジョブ編集画面41には、選択された印刷ジョブの詳細情報(指定された機能など)が表示され、再印刷の指示や指定された機能の変更などを行うことができる。
このように、ジョブ管理画面40やジョブ編集画面41を遷移しながら、保存された印刷ジョブを利用して再印刷を行うことができるが、このような画面構成では、各印刷ジョブで指定された機能を確認するのに手間がかかる。また、選択した印刷ジョブを利用して再印刷を行う際、出力先のプリンタ30がその印刷ジョブで指定された機能を実行可能であることを確認する必要があるが、確認のためには、ジョブ編集画面41で印刷ジョブの内容を確認してからジョブ管理画面40に戻って、プリンタ30の装置情報を確認するなどの操作が必要であり、操作が煩雑になるという問題があった。
そこで、本実施例では、任意の印刷ジョブを、適切なプリンタ30に実行させることができるようにするために、第1に、同一画面(ジョブ設定画面)上に、ネットワークに接続された各々のプリンタ30を特定する情報を選択可能にするプリンタ選択欄と、選択されたプリンタ30に対応する各々の印刷ジョブ(選択されたプリンタ30で実行済み印刷ジョブや選択されたプリンタ30で実行予定の印刷ジョブ)を特定する情報を選択可能にするジョブ選択欄と、少なくとも、選択された印刷ジョブで指定された各々の機能を特定する情報を表示する機能情報欄と、を設け、画面遷移を不要にすることによって操作性を向上させる。また、第2に、ジョブ選択欄で選択された印刷ジョブをプリンタ選択欄の他のプリンタ30に対応付ける特定の操作を受け付け、特定の操作が行われたら、その印刷ジョブで指定されている機能の内、他のプリンタ30で実行できない機能を識別可能に表示し、印刷ジョブで指定された機能を実行できないプリンタ30に印刷を指示するといった不都合を未然に防止する。
以下、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の図面では、機能情報欄には、選択されたプリンタ30で実行可能な機能と選択された印刷ジョブで指定された機能の双方を表示するものとする。また、以下では、ジョブ選択欄に、選択されたプリンタ30で実行済み印刷ジョブを表示するものとするが、選択されたプリンタ30で実行予定の印刷ジョブも表示する(すなわち、選択されたプリンタ30に対応する印刷ジョブを表示する)ようにしてもよい。
図5は、本実施例のジョブ管理ユーティリティ(印刷制御プログラム)によって表示されるジョブ設定画面42の一例である。このジョブ設定画面42の所定位置(ここでは左側)にプリンタ選択欄43が設けられ、このプリンタ選択欄43には、ネットワークに接続されているプリンタ30(ここでは3台のプリンタ30)の特徴を模式的に示すアイコンが表示されている。また、ジョブ設定画面42の所定位置(ここでは右上部)にジョブ選択欄44が設けられ、このジョブ選択欄44には、プリンタ選択欄43で選択されているプリンタ30(実線の枠で囲んだプリンタ)で実行された印刷ジョブがリスト表示されると共に、印刷ジョブを模式的に示すアイコンが表示されている。また、ジョブ設定画面42の所定位置(ここでは右下部)に機能情報欄45が設けられ、この機能情報欄45には、プリンタ選択欄43で選択されているプリンタ30で実行可能な機能の特徴を模式的に示すアイコン(ここでは、左から、出力方法、画像シフト、章分け、ページ単位設定、折りの各機能のアイコン)が表示され、それらの機能の内、ジョブ選択欄44で選択された印刷ジョブ(ドットの網掛けで示した印刷ジョブ)で指定されている機能に対応するアイコンが強調表示(ハイライト表示)され、若しくは、印刷ジョブで指定されていない機能に対応するアイコンが非強調表示(グレイアウト表示)され、これらの機能が識別できるようになっている。
ここでは、プリンタ選択欄43に表示された3つのプリンタ30の中からプリンタ(1)が選択され、ジョブ選択欄44に表示された印刷ジョブの中からファイル名が「KLMNO」の印刷ジョブが選択されている。そして、プリンタ(1)で実行可能な機能が、「出力方法」、「画像シフト」、「章分け」、「ページ単位設定」、「折り」であり、印刷ジョブで設定されている機能が、「出力方法」、「ページ単位設定」、「折り」であることから、「出力方法」、「ページ単位設定」、「折り」のアイコンがハイライト表示され、「画像シフト」、「章分け」のアイコンがグレイアウト表示されている。
このように、1つのジョブ設定画面に、ネットワークに接続されているプリンタ30を選択可能に表示するプリンタ選択欄43と、選択されたプリンタ30に対応する印刷ジョブを選択可能に表示するジョブ選択欄44と、少なくとも、印刷ジョブで指定されている機能(必要に応じて、更に選択されたプリンタ30で実行可能な機能)を表示する機能情報欄45とを表示することにより、ユーザは画面を遷移することなく、プリンタ30と印刷ジョブと機能とを対応付けることができるため、印刷指示の操作性を格段に向上させることができる。
図5の状態において、ファイル名が「KLMNO」の印刷ジョブを、その印刷ジョブを実行したプリンタ30とは異なる他のプリンタ30(ここではプリンタ(2))に処理させたい場合、図6に示すように、その印刷ジョブのアイコンをドラッグし、プリンタ(2)近傍でドロップするといった特定の操作(マウスオーバー)を行うことにより、その印刷ジョブとプリンタ(2)とを対応付ける。ここで、プリンタ(2)が、その印刷ジョブで指定された機能(ここでは、出力方法、ページ単位設定、折りの3つの機能)の全てを実行可能な場合はその印刷ジョブをプリンタ(2)に処理させても問題は生じないが、プリンタ(2)がいずれかの機能を実行できない(例えば、折り機能をサポートするオプションフィニッシャーが装着されていない)場合、ユーザが期待する処理結果を得ることができない。そこで、本実施例では、印刷ジョブで指定された機能の内、プリンタ(2)で実行できない機能(ここでは折りの機能)のアイコンをグレイアウト表示して識別可能にする。
このように、選択された印刷ジョブで指定された機能と他のプリンタ30で実行可能な機能とを比較し、その結果に応じて機能情報欄45の機能の表示形態を変更することにより、ジョブ選択欄44で選択された印刷ジョブで指定されている機能が他のプリンタ30で実行可能か否かを容易に認識することができ、ユーザが意図しない処理結果となるという不具合を未然に防止することができる。
上記図5及び図6では、プリンタ30や印刷ジョブ、機能をアイコンで表示したが、これらは必ずしもアイコンで表示しなくてもよく、例えば、図7に示すように、プリンタ選択欄43のプリンタ30をプリンタ名で表示したり、機能情報欄45の機能を機能名で表示したりすることもできる。この場合においても、選択された印刷ジョブを他のプリンタ30に処理させたい場合は、図8に示すように、その印刷ジョブ(ここではファイル名が「KLMNO」の印刷ジョブ)のアイコンをドラッグし、他のプリンタ30(ここではプリンタ名が「bizhubC200」のプリンタ(2))近傍でドロップするといった特定の操作(マウスオーバー)を行えばよく、プリンタ(2)が折り機能を備えていない場合は、折り機能の文字をグレイアウトすることにより、ユーザが意図しない処理結果となるという不具合を未然に防止することができる。
また、図5乃至図8では、プリンタ選択欄43とジョブ選択欄44と機能情報欄45を3つの領域に分けて表示したが、これらの領域は分離する必要はなく、例えば、図9に示すように、ジョブ選択欄44の各々の印刷ジョブに、機能を特定する情報(図ではアイコン)を表示してもよい。この場合においても、選択された印刷ジョブを他のプリンタ30に処理させたい場合は、図10に示すように、その印刷ジョブ(ここではファイル名が「KLMNO」の印刷ジョブ)のアイコンをドラッグし、他のプリンタ30(ここではプリンタ(2))近傍でドロップするといった特定の操作(マウスオーバー)を行えばよく、プリンタ(2)が折り機能を備えていない場合は、ジョブ選択欄44のその印刷ジョブに対応する折り機能のアイコンや文字をグレイアウトすることにより、ユーザが意図しない処理結果となるという不具合を未然に防止することができる。
また、図5乃至図10では、プリンタ選択欄43には、各プリンタ30を識別するアイコンや文字を表示したが、各プリンタ30のアイコンや文字に対応付けて、各プリンタ30で実行可能な機能をアイコンや文字で表示することもできる。このように、プリンタ選択欄43で各プリンタ30の機能を一望できるようにすることで、印刷ジョブを実行させるプリンタ30の選択を容易にすることができる。
さらには、プリンタ選択欄43に表示した各プリンタ30のアイコンや文字の表示をグレイアウトすることもできる。例えば、選択されている印刷ジョブで指定されている機能が全て実行できないプリンタ30のアイコンや文字の表示をグレイアウトすることで、ユーザはグレイアウトされているプリンタ30からは機能が制限されて出力されることを認識することができ、印刷ジョブを実行させるプリンタ30の選択を容易にすることができる。
なお、図5乃至図10は、本実施例のジョブ設定画面42の一例であり、ネットワークに接続されているプリンタ30を特定する情報を選択可能にする領域と、選択されたプリンタ30に対応する印刷ジョブを特定する情報を選択可能にする領域と、少なくとも、選択された印刷ジョブで指定された機能を特定する情報を表示する領域と、を備え、プリンタ30と印刷ジョブとの対応付け操作に応じて機能の表示形態が変更可能であれば、ジョブ設定画面42の構成や表示形態は適宜変更可能である。
次に、上記制御について、図11を参照して説明する。ユーザ端末10は、ROMや記憶部12に記憶した印刷制御プログラム(ジョブ管理ユーティリティ)をRAMに展開して実行することにより、図11のフローチャート図の各ステップに示す処理を実行する。なお、以下の説明では、印刷制御プログラムをユーザ端末10で動作させるものとするが、コントローラ装置20や特定のプリンタ30で動作させてもよい。
情報取得部は、コントローラ装置20からネットワークに接続されているプリンタ30の装置情報を取得(若しくは、各プリンタ30から直接、装置情報を取得)し、表示制御部は、装置情報に基づいて、ジョブ設定画面42のプリンタ選択欄43に各プリンタ30を特定するアイコンや文字を表示する(S101)。そして、操作制御部は、プリンタ選択欄43でのプリンタ30の選択操作を監視し(S102)、プリンタ30が選択されたら、情報取得部は、コントローラ装置20からそのプリンタ30のジョブ情報(印刷ジョブ若しくはジョブチケット)と機能情報とを取得(若しくは、各プリンタ30から直接、ジョブ情報と機能情報を取得)し(S103)、表示制御部は、取得したジョブ情報に基づいて、ジョブ選択欄44に各印刷ジョブを特定するアイコンや文字を表示すると共に(S104)、必要に応じて、取得した機能情報に基づいて、機能情報欄45に選択されたプリンタ30で実行可能な各機能を特定するアイコンや文字を表示する(S105)。
次に、操作制御部は、ジョブ選択欄44での印刷ジョブの選択操作を監視し(S106)、印刷ジョブが選択されたら、情報取得部は、そのジョブ情報に基づいて印刷ジョブで指定されている機能を特定し(S107)、機能情報欄45に表示されている各機能の内、印刷ジョブで指定されている機能(すなわち、使用する機能)のアイコンや文字を強調表示(ハイライト表示)する(S108)。なお、上記機能のアイコンや文字をハイライト表示する代わりに、機能情報欄45に表示されている各機能の内、印刷ジョブで指定されていない機能(すなわち、使用しない機能)のアイコンや文字をグレイアウトしてもよい。また、上記S105を省略した場合は、S108で、印刷ジョブで指定されている機能のアイコンや文字を単に表示すればよい。
次に、操作制御部は、ジョブ選択欄44で選択された印刷ジョブをプリンタ選択欄43の他のプリンタ30に対応付ける特定の操作(例えば、印刷ジョブのアイコンをプリンタ30のアイコンに向けて移動させるマウスオーバーなど)を検知したら(S109のYes)、情報取得部は、コントローラ装置20からマウスオーバー先の他のプリンタ30の機能情報を取得(若しくは、マウスオーバー先の他のプリンタ30から直接、機能情報を取得)する(S110)。
そして、機能判定部は、選択された印刷ジョブで指定されている機能と特定の操作の対象となった他のプリンタ30で実行可能な機能とを比較し、印刷ジョブで指定されている機能の中に禁則となる機能(すなわち、印刷ジョブで指定されている機能の内、他のプリンタ30で実行できない機能)があるかを判断する(S111)。禁則となる機能がある場合、表示制御部は、禁則となる機能のアイコンや文字をハイライト表示(若しくは通常の表示)からグレイアウト表示に変更する(S112)。なお、上記フローでは、S103で、選択されたプリンタ30の機能情報を取得し、S110で、他のプリンタ30の機能情報を取得したが、機能情報は一度に取得してもよい。
このように、禁則となる機能をハイライト表示(若しくは通常の表示)からグレイアウト表示に切り替えることにより、ユーザは、印刷出力前に、当該機能を利用して出力できないことを認識することができ、不要な印刷を未然に防止することができる。
次に、本発明の第2の実施例に係る印刷制御装置及び印刷制御プログラムについて、図12乃至図18を参照して説明する。図12乃至図17は、本実施例のジョブ設定画面の一例であり、図18は、印刷制御プログラムの処理を示すフローチャート図である。
前記した第1の実施例では、選択された印刷ジョブで指定されている機能の内、特定の操作の対象となった他のプリンタ30で実行できない機能がある場合に、その機能の表示をハイライト表示(若しくは通常の表示)からグレイアウト表示に切り替えたが、選択された印刷ジョブで指定されている機能よりも、他のプリンタ30で実行可能な機能の方が多い(すなわち、選択された印刷ジョブに機能を追加することができる)場合も考えられる。そこで、本実施例では、選択された印刷ジョブに追加可能な機能が存在する場合に、機能情報欄45に追加可能な機能を特定する情報を表示させるようにする。
その場合、印刷システムの構成は前記した第1の実施例と同様であるが、ユーザ端末10の制御部11(又はコントローラ装置20の制御部21やプリンタ30の制御部31)で動作する印刷制御プログラム(ジョブ管理ユーティリティ)によって実現される機能判定部は、選択された印刷ジョブで指定されている機能と、特定の操作の対象となった他のプリンタ30で実行可能な機能とを比較し、他のプリンタ30で実行可能な機能の内、選択された印刷ジョブで指定されていない機能を特定し、表示制御部は、その機能を特定する情報を機能情報欄45に表示させる制御を行う。
以下、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の図面では、機能情報欄には、選択されたプリンタ30で実行可能な機能と選択された印刷ジョブで指定された機能の双方を表示するものとする。また、以下では、ジョブ選択欄に、選択されたプリンタ30で実行済み印刷ジョブを表示するものとするが、選択されたプリンタ30で実行予定の印刷ジョブも表示する(すなわち、選択されたプリンタ30に対応する印刷ジョブを表示する)ようにしてもよい。
図12は、本実施例のジョブ管理ユーティリティ(印刷制御プログラム)によって表示されるジョブ設定画面42の一例である。第1の実施例と同様に、このジョブ設定画面42の所定位置にプリンタ選択欄43が設けられ、このプリンタ選択欄43には、ネットワークに接続されているプリンタ30の特徴を模式的に示すアイコンが表示されている。また、ジョブ設定画面42の所定位置にジョブ選択欄44が設けられ、このジョブ選択欄44には、プリンタ選択欄43で選択されているプリンタ30で実行された印刷ジョブがリスト表示されると共に、印刷ジョブを模式的に示すアイコンが表示されている。また、ジョブ設定画面42の所定位置に機能情報欄45が設けられ、この機能情報欄45には、プリンタ選択欄43で選択されているプリンタ30で実行可能な機能の特徴を模式的に示すアイコン(ここでは、左から、出力方法、画像シフト、ページ単位設定の各機能のアイコン)が表示され、それらの機能の内、ジョブ選択欄44で選択された印刷ジョブで指定されている機能に対応するアイコンが表示又は強調表示(ハイライト表示)され、若しくは、選択された印刷ジョブで指定されていない機能に対応するアイコンがグレイアウト表示され、これらの機能が識別できるようになっている。ここでは、プリンタ30で実行可能な全ての機能が選択された印刷ジョブで指定されている機能になるため、全ての機能のアイコンが表示又は強調表示されている。
図12の状態において、ファイル名が「PQRST」の印刷ジョブを、その印刷ジョブを実行したプリンタ30とは異なる他のプリンタ30(ここではプリンタ(3))に処理させたい場合、図13に示すように、その印刷ジョブのアイコンをドラッグし、プリンタ(3)近傍でドロップするといった特定の操作(マウスオーバー)を行うことにより、その印刷ジョブとプリンタ(3)とを対応付ける。ここで、選択された印刷ジョブで指定された機能よりもプリンタ(3)で実行可能な機能の方が多い(例えば、折り機能をサポートするオプションフィニッシャーが装着されている)場合、選択された印刷ジョブに折り機能を付加することができる。そこで、本実施例では、プリンタ(3)で実行可能な機能の内、選択された印刷ジョブで指定されていない機能(ここでは折り機能)のアイコンを機能情報欄45に追加する。
このように、選択された印刷ジョブで指定された機能と他のプリンタ30で実行可能な機能とを比較し、その結果に応じて機能情報欄45の表示形態を変更することにより、選択された印刷ジョブに追加可能な機能を容易に認識することができ、適切に印刷ジョブを処理することができる。
上記図12及び図13では、プリンタ30や印刷ジョブ、機能をアイコンで表示したが、第1の実施例と同様に、これらは必ずしもアイコンで表示しなくてもよく、例えば、図14に示すように、プリンタ選択欄43のプリンタ30をプリンタ名で表示したり、機能情報欄45の機能を機能名で表示したりすることもできる。この場合においても、選択された印刷ジョブを他のプリンタ30に処理させたい場合は、図15に示すように、その印刷ジョブ(ここではファイル名が「PQRST」の印刷ジョブ)のアイコンをドラッグし、他のプリンタ30(ここではプリンタ名が「bizhubC754」のプリンタ(3))近傍でドロップするといった特定の操作(マウスオーバー)を行えばよく、プリンタ(3)が折り機能を備えている場合は、折り機能の文字を機能情報欄45に追加することにより、適切に印刷ジョブを処理することができる。
また、図12乃至図15では、プリンタ選択欄43とジョブ選択欄44と機能情報欄45を3つの領域に分けて表示したが、第1の実施例と同様に、これらの領域は分離する必要はなく、例えば、図16に示すように、ジョブ選択欄44の各々の印刷ジョブに、機能を特定する情報(図ではアイコン)を表示してもよい。この場合においても、選択された印刷ジョブを他のプリンタ30に処理させたい場合は、図17に示すように、その印刷ジョブ(ここではファイル名が「PQRST」の印刷ジョブ)のアイコンをドラッグし、他のプリンタ30(ここではプリンタ(3))近傍でドロップするといった特定の操作(マウスオーバー)を行えばよく、プリンタ(3)が折り機能を備えている場合は、ジョブ選択欄44のその印刷ジョブに対応する部分に折り機能のアイコンや文字を追加することにより、適切に印刷ジョブを処理することができる。
また、図12乃至図17では、プリンタ選択欄43には、各プリンタ30を識別するアイコンや文字を表示したが、第1の実施例と同様に、各プリンタ30のアイコンや文字に対応付けて、各プリンタ30で実行可能な機能をアイコンや文字で表示することもできる。さらには、プリンタ選択欄43に表示した各プリンタ30のアイコンや文字をグレイアウトすることもできる。
次に、上記制御について、図18を参照して説明する。ユーザ端末10は、ROMや記憶部12に記憶した印刷制御プログラム(ジョブ管理ユーティリティ)をRAMに展開して実行することにより、図18のフローチャート図の各ステップに示す処理を実行する。なお、以下の説明では、印刷制御プログラムをユーザ端末10で動作させるものとするが、コントローラ装置20や特定のプリンタ30で動作させてもよい。
第1の実施例と同様に、情報取得部は、コントローラ装置20からネットワークに接続されているプリンタ30の装置情報を取得(若しくは、各プリンタ30から直接、装置情報を取得)し、表示制御部は、装置情報に基づいて、ジョブ設定画面42のプリンタ選択欄43に各プリンタ30を識別するアイコンや文字を表示する(S201)。そして、操作制御部は、プリンタ選択欄43でのプリンタ30の選択操作を監視し(S202)、プリンタ30が選択されたら、情報取得部は、コントローラ装置20からそのプリンタ30のジョブ情報(印刷ジョブ若しくはジョブチケット)と機能情報とを取得(若しくは、各プリンタ30から直接、ジョブ情報と機能情報を取得)し(S203)、表示制御部は、取得したジョブ情報に基づいて、ジョブ選択欄44に各印刷ジョブを特定するアイコンや文字を表示すると共に(S204)、必要に応じて、取得した機能情報に基づいて、機能情報欄45に選択されたプリンタ30で実行可能な各機能を特定するアイコンや文字を表示する(S205)。
次に、操作制御部は、ジョブ選択欄44での印刷ジョブの選択操作を監視し(S206)、印刷ジョブが選択されたら、情報取得部は、そのジョブ情報に基づいて印刷ジョブで指定されている機能を特定し(S207)、機能情報欄45に表示されている各機能の内、印刷ジョブで指定されている機能(すなわち、使用する機能)のアイコンや文字を強調表示(ハイライト表示)する(S208)。なお、上記機能のアイコンや文字をハイライト表示する代わりに、機能情報欄45に表示されている各機能の内、印刷ジョブで指定されていない機能(すなわち、使用しない機能)のアイコンや文字の表示をグレイアウトしてもよい。また、上記S205を省略した場合は、S208で、印刷ジョブで指定されている機能のアイコンや文字を単に表示すればよい。
次に、操作制御部は、ジョブ選択欄44で選択された印刷ジョブをプリンタ選択欄43の他のプリンタ30に対応付ける特定の操作(例えば、印刷ジョブのアイコンをプリンタ30のアイコンに向けて移動させるマウスオーバーなど)を検知したら(S209のYes)、情報取得部は、コントローラ装置20からマウスオーバー先の他のプリンタ30の機能情報を取得(若しくは、マウスオーバー先の他のプリンタ30から直接、機能情報を取得)する(S210)。
そして、機能判定部は、選択された印刷ジョブで指定されている機能と特定の操作の対象となった他のプリンタ30で実行可能な機能とを比較し、印刷ジョブに追加可能な機能(すなわち、他のプリンタ30で実行可能な機能の内、印刷ジョブで指定されていない機能)があるかを判断する(S211)。印刷ジョブに追加可能な機能がある場合、表示制御部は、追加可能な機能のアイコンを機能情報欄45に表示する(S212)。なお、上記フローでは、S203で、選択されたプリンタ30の機能情報を取得し、S210で、他のプリンタ30の機能情報を取得したが、機能情報は一度に取得してもよい。
このように、追加可能な機能を特定する情報を機能情報欄45に表示することにより、ユーザは、印刷出力前に印刷ジョブを見直すことができ、適切に印刷ジョブを処理することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。例えば、上記実施例では、印刷制御プログラムをユーザ端末10で動作させたが、コントローラ装置20や特定のプリンタ30で動作させる場合に対しても、本発明の印刷制御を同様に適用することができる。
また、第1の実施例では、印刷ジョブで指定されている機能の内、他のプリンタ30で実行できない機能の表示を変更し、第2の実施例では、他のプリンタ30で実行可能な機能の内、印刷ジョブで指定されていない機能の表示を追加したが、これらを組み合わせてもよい。
また、上記実施例では、ジョブ設定画面42のジョブ選択欄44に、プリンタ選択欄43で選択されたプリンタ30で実行済み印刷ジョブを特定する情報を表示させたが、実行済み印刷ジョブと共に、若しくは、実行済み印刷ジョブに代えて、実行前の印刷ジョブ(実行予定の予約ジョブ)や実行中の印刷ジョブを表示させてもよい。また、ジョブ設定画面42のジョブ選択欄44に、全てのプリンタ30の実行済み印刷ジョブや実行前の印刷ジョブ、実行中の印刷ジョブを表示させてもよい。