JP6256557B2 - 飛行時間型質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、飛行時間型(TOF)質量分析装置に関する。
図8に、典型的な飛行時間型(TOF)質量分析装置101を示す。
飛行時間型質量分析装置は、イオン源110、イオン源レンズ111、イオンミラー120、及び検出器130を含む。理想的には、所定の質量電荷比(m/z)の値を有するイオンが全て検出器130の検出平面に同時に到着するように、所定の質量電荷比を有するイオンがイオンミラー120によって検出器130の検出平面に集束される。言い換えると、好ましくは所定の質量電荷比の値を有するイオンが集束され、所定の質量電荷比の値を有するイオンの等時平面(isochronous plane)が検出器130の検出平面と角度的に位置合わせされる。しかし、例えば、検出器130とイオンミラー120の間の機械的な位置合わせの誤差や、この誤差ほどではないにせよ検出器130とイオン源110の間の機械的な位置合わせの誤差によって上記等時性面と検出器130の検出平面の間に角度的なずれが存在すると、前記の質量電荷比の値を持つイオンの飛行時間が検出器130の検出平面内の位置によって変化し、飛行時間型質量分析装置の分解能が低下する。
最近の高分解能(例えばR>30K)の飛行時間型の装置は非常に厳しい機械公差で製作されている。例えば、検出器とイオンミラーの間の位置合わせの精度が20μmという、通常は度を過ぎた精度であると考えられ、また実現するのにコストがかかる精度で製作されている。より高い分解能(例えばR>50K)を得るには、10μmの位置合わせの精度が要求される可能性があるが、これを1メートル長の装置全体にわたって達成するのは非常に困難である。
特許文献1には、飛行時間型質量分析装置において、双極電場が(同じ質量電荷比を有する)イオンの等時性面をどのように傾斜させるか、及びこれによって分解能がどの程度損なわれるかが、十分な説明及び理論とともに記載されている。この特許は、この傾斜の影響を解決すべき課題としており、イオン雲の不所望な傾斜を解消する、検出器の機械的な位置合わせ方法が記載されている。
特許文献2(例えば段落[0020]−[0050]を参照)には、イオンの等時性面の傾斜を補正し、イオン検出器の検出面に平行になるように該等時性面を調整するように配置及び構成された1又は複数のデバイスを備えた飛行時間型質量分析装置が記載されている。この効果を達成するために、角度のついたグリッドにより分離された、連続する飛行領域及び加速/減速領域が用いられている(図5参照)。イオン面の傾斜は、2つの加速/減速領域において異なる時間を消費する面を横切るイオンに基づいており、1次元方向においてのみ働く。従って、等時性面の両方の次元を再度位置合わせ(relaign)するためには連続する2つのデバイスが必要になる(図6参照)。
特許文献3には、多重反射型飛行時間型質量分析装置が記載されている。この特許文献の一部(段落[0135]-[0136])には、小さな位置合わせの誤差であれば、扇状部を終端させるマツダ板電極における電圧を調整することによって、等時性面の傾斜を静電的に補正することができる、と記載されている。
米国特許第5654544号明細書 米国特許出願公開第2014/0054454号明細書 米国特許出願公開第2006/0214100号明細書
本発明は上記の考察を踏まえて考案されたものである。
本発明の第1の態様は、
複数の質量電荷比の値を有するイオンを生成するイオン源と、
前記イオン源によって生成されたイオンを検出する検出器と、
前記イオン源から前記検出器の検出平面に延びる参照イオンの飛行経路の一部に沿って配置された傾斜補正デバイスと
を含み、
前記傾斜補正デバイスが、前記参照イオンの飛行経路を横切る少なくとも1つの双極電場を形成する傾斜補正電極を含み、
該少なくとも1つの双極電場が前記イオン源で生成されたイオンの等時性面を傾斜させて該等時性面と前記検出器の前記検出平面の間で先に生じた角度のずれを補正する、飛行時間型(TOF)質量分析装置を提供する。
もし、角度ずれがある状態で所定の質量電荷比の値を有するイオンが先に検出器の検出平面に到達すると、検出されるイオンのピークが時間的に広がり、飛行時間型質量分析装置の分解能が悪くなるため、イオン源で生成されたイオンの等時性面と検出器の検出平面の間で先に生じた角度のずれを補正することは有用である。
そして、このようにして等時性面と検出面の間で先に生じた角度のずれを補正することにより、非常に高い機械公差(上述のとおり、これは非常に難しく、実際に達成しようとすると高価になる)を必要とすることなく高分解能の飛行時間型質量分析装置を製作することができる。この方法を用いることにより、高い分解能を有する飛行時間型質量分析装置を、軽量で安価な新しい設計によって製作することができる。
この開示の目的のために、イオン源で生成されるイオンの等時性面は、該イオン源で生成された、特定の質量電荷比を有するイオンが空間的に広がる面であると理解することができる。
実際には、通常、飛行時間型質量分析装置の多数の構成要素を適切に構成/調整することにより等時性面を実用上達成することができる。参照イオンの飛行経路に沿った等時性面の配置は、これらの構成要素をどのように構成/調整したかに依存する。適切に構成された飛行時間型の系では、通常、等時性面は検出器においてのみ実際に存在する(例えば、飛行時間型質量分析装置の複数の構成要素を構成/調整することにより、等時性面を検出器に位置させることができるため)。このように、前記少なくとも1つの双極電場によって傾斜した等時性面は、好ましくは検出器上に存在する。
各質量電荷比のイオンは異なる時間で検出器に到達するため、一般的に、イオン源で生成されたイオンは、該イオン源で生成されたイオンの質量電荷比ごとにそれぞれ等時性面を形成する。理論に縛られることを望むわけではないが、標準的な飛行時間の原理により、本発明者は、異なる質量電荷比の値を有するイオンの等時性面は、一般的に、同じ場所に存在するだけでなく互いに平行であると見なすことができると考える(ただし到着時間は異なる)。また、本発明者は、等時性面が静電場(例えば前記少なくとも1つの双極電場)によって傾く大きさは、一般的に質量電荷比の値と無関係であると見なすことができると考える。従って、本発明者は、全ての質量電荷比の値に対し、飛行時間型質量分析装置の構成要素を1つ、構成/調整すればよいと考える。
参照イオンの飛行経路は参照イオン、例えば既知の質量電荷比の値を有しイオン源において既知であり特定の初期座標を有するイオンの飛行経路であると考えることができる(場合によっては、イオンの質量電荷比の値は参照イオンの飛行経路と無関係でありうる)。
双極電場は、異なる電位にある第1の極(first pole)と第2の極(second pole)の間に形成される静電場であると考えることができる。
イオン源によって生成されたイオンの等時性面を傾斜させる少なくとも1つの双極電場を用いることにより、双極電場が存在しない場合に比べて、イオンの飛行経路(従って、参照イオンの飛行経路にも)に偏位(deviation)を生じさせることができる。事実、例えば上述した特許文献1に記載されているように、飛行時間型の質量分析装置においてイオンの経路を意図的に変更する双極電場を用いることが知られている。
従って、参照イオンの飛行経路を検出器の検出平面(例えば衝突表面)の範囲内に保ちつつ、傾斜補正デバイスによって与えられる等時性面の傾斜を所定(例えば2度まで、あるいは例えば1度まで)の範囲内で変化することができるように、傾斜補正デバイスと検出器の検出平面の間の距離が十分に短いことが好ましい。この距離をどの程度短くする必要があるかは、一般的に、イオン源で生成されるイオンビームの大きさ、衝突表面の大きさ、及び必要な傾斜補正の大きさといった様々なパラメータに依存する。
上記事項を考慮して、傾斜補正デバイスを、イオン源から検出器の検出平面に延びる参照イオンの飛行経路の最後のX%(距離で)に配置することができる。ここで、Xは好ましくは50%、より好ましくは25%、さらに好ましくは10%、さらに好ましくは5%、さらに好ましくは2%、さらに好ましくは1%である。
飛行時間型質量分析装置の多くの配置(geometry)では、この効果を得るために傾斜補正デバイスを検出器の極めて近く、例えば傾斜補正デバイスと検出器の距離が100mm以下である位置に配置する必要がある。
以下に説明するように、傾斜補正デバイスは、様々な形態を採ることができる。
ある実施形態では、傾斜補正デバイスは、それぞれの極が個別に参照イオンの飛行経路の一部に沿って延びる傾斜補正電極であるような、2つ以上の極を含む多重極デバイスとすることができる。
多重極デバイスの極は、様々な形態を採ることができる。例えば、多重極デバイスの各極は、円形の断面あるいは他の(例えば双極線状の)断面を有するロッドとすることができる。多重極デバイスに含みうる他の形態は、当業者であれば、例えば分割チューブ(segmented tube)や、絶縁性材料あるいは高抵抗物質からなり、前記電極あるいは多重極の極を形成する金属領域を有するチューブなど、適宜に考えることができる。
好ましくは、多重極デバイスは、四重極以上の多重極(より好ましくは六重極以上の多重極、さらに好ましくは十二重極以上の多重極)を含む。より高い次数の多重極を用いることにより、傾斜補正電極により形成される双極電場をより均一にし、また、(詳しくは後で述べるように)多重極デバイスの極に印加する電圧を変更するだけで、等時性面が傾斜する軸を変化させることができる。
いくつかの実施形態では、傾斜補正デバイスを対向する板(opposing plates)の対を含む板の組とすることができる。
好ましくは、この板の組は、参照イオンの飛行経路の第1部分に沿って配置された対向する板の第1の対と、参照イオンの飛行経路の(異なる)第2の部分に沿って配置された対向する板の第2の対を含み、該対向する板の第1の対が第2の板の対に関して非平行(好ましくは直交)する。このようにすると、第1の板の組と第2板面の組に印加する電圧を変更するだけで、等時性面が傾斜する軸を変化させることができる。
好ましくは、傾斜補正デバイスによって傾斜されるイオンの等時性面の軸を変更するように該傾斜補正デバイスを制御する制御部を含むものとすることができる。これは、多くの方法により実現することができるが、好ましくは、以下に説明するように傾斜補正電極に印加する電圧を変更することにより実現することができる。
一例として、傾斜補正デバイスが四つ以上の極を含む多重極を含む多重極デバイスである場合には(上記参照)、制御部は、例えば図3を参照して後述するように、多重極デバイスの極にそれぞれ印加する電圧を変更することによって、傾斜補正デバイスによりイオンの等時性面が傾斜される軸を変更するように傾斜補正デバイスを制御するように構成することができる。
別の例として、傾斜補正デバイスが対向する板の第1の対と対向する板の第2の対(上記参照)を含む板の組である場合には、制御部は、対向する板の2つの対(図示なし)にそれぞれ印加する電圧を変更することによって傾斜補正デバイスによりイオンの等時性面が傾斜される軸を変更するように傾斜補正デバイスを制御するように構成することができる。
さらに別の例として、傾斜補正デバイスが2つの極のみを含むか、対向する板を1対のみ含む多重極デバイスである場合には、制御部は、検出器に関して傾斜補正デバイスを回転させることによって、傾斜補正デバイスによりイオンの等時性面が傾斜される軸を変更するように傾斜補正デバイスを制御するように構成することができる。
四つ以上の極を含む多重極デバイスを傾斜補正デバイスとして用いることの特に有利な点は、傾斜補正デバイスによりイオンの等時性面が傾斜される軸の変更を、多重極デバイスの極にそれぞれ印加される電圧を変更するだけで実行することができ、対向する板を2対用いるのに比べて(参照イオンの飛行経路方向において)より物理的にコンパクトにすることができることである。
当業者であれば、等時性面と検出器の検出平面の間で先に生じた角度ずれを補正する少なくとも1つの双極電場は、多くの場合、等時性面と検出器の検出平面の間のアライメントを示す測定(例えば分解能)を用いて、例えば、傾斜補正電極に印加される電圧を変更して得られる等時性面と検出器の検出平面の間のアライメントを示す測定(例えば分解能)が、傾斜補正電極に変更後の電圧を印加する前に得られたアライメントを示す同じ測定に比べて改善される(好ましくは最適化される)ように傾斜補正電極に印加する電圧を変更することにより、間接的に構成できることができることが分かるであろう。
従って、少なくとも1つの双極電場は、傾斜補正電極に印加される電圧を変更して得られる等時性面と検出器の検出平面の間のアライメントを示す測定(例えば分解能)が、傾斜補正電極に変更後の電圧を印加する前に得られた等時性面と検出器の検出平面の間のアライメントを示す同じ測定に比べて改善される(好ましくは最適化される)ように、傾斜補正電極に印加する電圧を変更することによって、イオン源で生成されたイオンの等時性面と検出器の検出平面の間で先に生じた角度ずれを補正するように構成することができる。
このような技術について、以下に本発明の第2の態様とともにより詳細に説明する。
飛行時間型質量分析装置は、イオン源から検出器の検出平面に延びる参照イオンの飛行経路に沿って配置されたイオンミラーを含むことができる。イオンミラーは、飛行時間型質量分析装置におけるイオンの飛行経路を延ばすために、及び/又は検出器に等時性面が配置されるように用いることができる。イオンミラーを含む飛行時間型質量分析装置は、典型的に“リフレクトロン”と呼ばれる。
例えば、検出器は、離間したダイノード光電子増倍管、あるいは単一の電子増倍チャンネルを有するものや、マイクロチャンネルプレート(MCP)検出器のように多数の電子増倍チャンネルを有するものとすることができる。検出器は、応答の速い蛍光体を有する蛍光スクリーンと光増倍管を有するものとすることもできる。また、検出器は、該検出器内での電子軌道の等時性を改善する磁場を含むものとすることもできる。
検出器の検出平面は、例えば飛行時間型質量分析装置の使用時にイオンが衝突する(impacted)(あるいは突き当たる(struck))表面のような衝突表面とすることができる。衝突表面は好ましくは精度の高い平坦面板(precision flat plate)を形成するコンバージョンダイノードとすることができる。イオンがコンバージョンダイノードに突き当たると電子増倍管で増倍された二次電子が生成され、その事象が収集システムにより検出され記録される。この場合、この板(plate)の表面(surface)が検出平面(planar surface)を規定し、これはまた衝突表面でもある。しかし、検出器の検出平面が衝突表面であることは要件ではない。検出平面は、その代わりにイオンが通過して検出される表面であってもよい。例えばマイクロチャンネルプレート(MCP)検出器では、イオンは、短い距離、典型的には数ミクロンだけ、検出器の前面から延設されたマイクロチャンネルチャンネルに進入する。このように、MCP検出器では衝突面が検出平面よりも後ろに位置する。
傾斜補正電極に比較的低い電圧(局所的なグラウンドに関して)を印加するだけで効果的に傾斜補正できることが実験的に分かった。
従って、ある実施形態では、傾斜補正電極に印加する電圧の大きさを、局所的なグラウンドに関して1000V以下、500V以下、あるいは200V以下とすることができる。
本発明の第2の態様は、飛行時間型質量分析装置の構成方法において、
該飛行時間型質量分析装置は、複数の質量電荷比の値を有するイオンを生成するイオン源と、該イオン源で生成されたイオンを検出する検出器と、前記イオン源から前記検出器の検出平面に延びる参照イオンの飛行経路の一部に沿って配置された傾斜補正デバイスとを含み、前記傾斜補正デバイスは前記参照イオンの飛行経路を横断する少なくとも1つの双極電場を形成する傾斜補正電極を含んでおり、
該方法は、前記イオン源で生成されたイオンの等時性面を傾斜させる少なくとも1つの双極電場を構成して、前記等時性面と前記検出器の前記検出平面の間で先に生じた角度ずれを補正することを含み、
前記補正は、前記傾斜補正電極に印加される変更後の電圧によって得られる前記等時性面と前記検出器の前記検出平面の間のアライメントを示す測定(例えば分解能)を、前記傾斜補正電極に印加する電圧を変更する前に得られた前記等時性面と前記検出器の前記検出平面の間のアライメントを示す同じ測定と比べて改善するように、前記傾斜補正電極に印加する電圧を変更することによってなされる。
疑義が生じるのを避けるために述べておくと、前記傾斜補正電極に印加される電圧の変更には、前記傾斜補正電極に電圧が印加されていない状態で該傾斜補正電極に電圧を印加することを含みうる。
好ましくは、前記等時性面と前記検出器の前記検出平面の間で先に生じた角度ずれを補正するように、該イオン源で生成されたイオンの等時性面を傾斜する少なくとも1つの双極電場を構成することには、
前記傾斜補正電極に変更後の電圧を印加することにより得られる記等時性面と前記検出器の前記検出平面の間のアライメントを示す測定(例えば分解能)が最適化される(例えば最大化される)ように、該傾斜補正電極に印加する電圧を変更することが含まれる。
当業者であれば理解できるように、前記等時性面と前記検出器の前記検出平面のアライメントを示す測定(例えば分解能)を改善する/最適化するための、前記傾斜補正電極に印加する電圧の変更は、様々な方法で行うすることができる。
例えば、前記等時性面が第1の(例えばx)軸周りに傾斜する量を変化させて前記等時性面と前記検出器の前記検出平面の間のアライメントを示す測定(例えば分解能)を最適化(例えば最大化)するように、前記傾斜補正電極に印加する電圧を変更することができる。これは、前記等時性面が第2の(例えばy)軸周りに傾斜する量を変化させて前記等時性面と前記検出器の前記検出平面のアライメントを示す測定をさらに最適化するように、前記傾斜補正電極に印加する電圧をさらに変更する前に行うことができる。
別の方法も同様に効果的である。例えば、分解能を最大にするために、して前記傾斜の面を回転させてアライメントずれの軸を特定することができる。また、分解能の第2極大(second maximum)を見つけるために偏向電圧の大きさを変更することもできる。これは、第2段階の最適化工程である。さらに、X及びY方向の偏向電圧を2次元的に走査してもよい。もちろん、当業者であれば、本願の開示を考慮して、例えば既知の最適化アルゴリズムや探索アルゴリズム、例えば、シンプレックス(simplex)法、アメーバ(amoeba)法、レーベンバーグ・マーカート(Lev Mar)法といった探索アルゴリズムに基づいてさらに別の方法を考えることができるであろう。
本発明のこの第2の態様の飛行時間型質量分析装置は、本発明の第1の態様を参照して記載された特徴を含みうる。本発明のこの第2の態様に係る方法は、本発明の第1の態様を参照して記載された特徴により実行される方法のステップを含みうる。
本発明は、また、明らかに許容されない、あるいは明らかに避けるべき組み合わせを除き、本願明細書に記載された態様及び好ましい特徴のあらゆる組み合わせを含む。
添付の図を参照し、本願において提案する実施形態を以下に説明する。
傾斜補正デバイスを含む飛行時間型質量分析装置を示す図。 図1の飛行時間型質量分析装置に含まれる傾斜補正デバイスの断面図であり、図2(a)は参照飛行経路に平行な面内の断面図、図2(b)は参照飛行経路に垂直な面内の断面図。 図2の傾斜補正デバイスに電圧を印加して1つの双極電場を生成する図(図3(a))と、複数の双極電場を重畳させて生成する図(図3(b))。 図2の多重極デバイスの動作のメカニズムを示す図。 初期の空間広がり及びエネルギー広がりが、検出器のy傾斜について1度の誤差を有する第1のシミュレーション(シミュレーション1)におけるイオンの到着時間を示すものであり、図5(a)は179.5Vの補正電圧を印加する前のもの、図5(b)は179.5Vの補正電圧を印加した後のものである。 初期の空間広がり及びエネルギー広がりが、検出器のy傾斜及びx傾斜について1度の誤差を有する第2のシミュレーション(シミュレーション2)におけるイオンの到着時間を示すものであり、図6(a)は補正電圧を印加する前のもの、図6(b)は補正電圧を印加した後のものである。 シミュレーション2から2500個のイオンの軌道をトレースした図。 典型的な飛行時間型質量分析装置の構成を示す図。
本発明を考案するに際し、本発明者はイオン源で生成されたイオンの等時性面を傾斜させる傾斜補正電極、好ましくはイオン光学デバイスを備え、前記等時性面と検出器の検出平面の間のアライメントずれを補正することが好ましいという考えをまとめた。これにより、高性能の飛行時間型の装置にイオン検出器とイオンミラーのアライメントに通常求められる高い機械公差の必要性をなくすことができると考えた。また、軽量でより低コストのデザインの飛行時間型質量分析装置への道を拓くことができると考えた。これら2つの要素(イオン検出器とイオンミラー)は通常、比較的大きく離れた距離に配置する必要があり、いずれの要素もフライトチューブに搭載される。高いアライメント精度を達成するためには、これらのアライメント面を正確に機械加工しなければならない。従って、フライトチューブを十分に固定しかつ十分な強度を有するものにして、重要な機構が機械加工中に曲がる(deflection)のを避け、また機械加工の後に弛緩する(relaxation)のを避けなければならない。このためにフライトチューブは重く高価なものとなっていた。
しかし、高い精度が求められなければ、フライトチューブは、軽量に低コストの構造で製作することができる。
等時性面が検出器の検出平面に関して角度ずれする/傾斜する可能性がある軸は、2つの次元で変化させることができ、好ましくは、傾斜補正デバイスは、イオンの等時性面が傾斜補正デバイスによって傾斜される軸を、例えば2つの次元における傾斜を独立に補正することにより変化させることができる。
理想的には、傾斜補正デバイスは物理的に小さく、簡単な構造であり、感度や分解能に悪影響を及ぼす可能性のある副次的な影響(side effect)がない。
一般に、以下の説明は、飛行時間型質量分析装置において少なくとも1つの(好ましくは均質な(homogeneous))双極電場を使用し、イオン源で生成されたイオンの等時性面を傾斜させて該等時性面と検出器の検出平面の間のアライメントずれを補正するという我々の提案の一例を記載したものである。
いくつかの実施形態では、それぞれの双極電場が参照イオンの飛行経路に対して垂直な軸に沿ってそれぞれ延びる複数の双極電場を用いることができる。これは、多重極ロッドの組(例えば十二重極)を搭載し、各ロッドに電圧を印加して2つの独立な重畳双極電場を生成することにより実行できる。なお、しかし、特定の方向では、この2つの重畳双極電場を1つの複合双極電場と考えることができる。
図1を参照して以下に説明するある実施形態では、静電レンズの形態である傾斜補正デバイス40が、典型的な飛行時間型質量分析装置1に追加されており、検出器上に存在する(イオン源10で生成されたイオンの)等時性面を傾斜させて、該等時性面と検出器30の検出平面の間のアライメントずれを補正する。
図1に示すように、イオンはイオン源10から加速され、参照イオンの飛行経路12に沿って移動する。これらのイオンは、最終的にイオンミラー20で反射され、検出器30に入射する前に傾斜補正デバイス40を通過する。
図1において、傾斜補正電極40は、検出器30の直前に位置する参照イオンの飛行軌道12の一部に沿って、傾斜補正デバイス40と検出器30の検出平面の間に僅かな隙間を空けて/あるいは隙間なしで(例えば10mmよりも狭い隙間で)配置される。しかし、上述のとおり、検出器の検出平面の範囲内で参照イオンの飛行経路を保ちつつ、該傾斜補正デバイスによる等時性面の傾斜を所定の範囲内(例えば2度まで)で変更することができるように、傾斜補正デバイス40と検出器30の検出平面の間の距離が十分に小さいことが好ましいが、傾斜補正デバイス40と検出器30は実際には離れている。
図2及び図3に示すように、この実施形態では、傾斜補正デバイス40は12の極42を有する多重極デバイスであり、ロッド軸の面は飛行のポテンシャルに保持された電極7で囲まれている。この例では、ロッドは30mmの長さでありその内接半径は15mmである。多重極レンズの断面を図2に示す。この例では、多重極デバイスの個々の極は円形断面を有しているが、別の断面を有するものも同様に用いることができる(例えば、双極線状のものや、中空の円筒(hollow cylinder)(円形断面を有するチューブ)を径方向に分割した形状のもの)。極の形状、例えば断面や寸法は、既知の技術/原理に基づいて選択することができる。
X軸に沿って単一の双極電場を生成するために必要な電圧と、x軸及びy軸に沿って重畳される2つの双極電場を図3に示す。
なお、図3(b)に示す、重畳された2つの双極電場は1つの複合双極電場と見なすことができ、該電場の方向はVx及びVyの相対的な値に依存する。例えば、Vx=1及びVy=0であれば複合双極電場はx軸に沿って延び、Vx=0及びVy=1であれば複合双極電場はy軸に沿って延び、Vx=1及びVy=1であれば複合双極電場はx軸及びy軸の両方に対して45度の方向に延びる。このように、多重極デバイスの極に印加する電圧を変更するだけで等時性面が傾斜する方向の軸を変化させることができる。
極12に印加される電圧の大きさは、補正すべきアライメント誤差の厳しさによって異なるが、図示のように内接円半径が15mmの構成では、1度のアライメントずれを相殺するには150Vで十分であることが分かった。
図4は、イオン源10で生成され所定の質量電荷比の値を有するイオンに関する多重極デバイスの作用のメカニズムを示したものであり、その等時性面14は検出器30の検出平面32からアライメントずれしている。
図4では、イオンが検出器30に到達する前に(例えばイオンが傾斜補正デバイスを通過しつつ)様々な位置に存在するものとして等時性面14を図示している。これは単なる図示例であり、適切に最適化された飛行時間型の系について、等時性面は通常、検出器30自体にのみ実際に存在する。しかし、イオンが検出器30に到達した時の等時性面に対する双極電場の効果に関する読者の理解を深めるためにここで図4を用いており、図4を参照することにより、イオンが検出器30に到達した時の等時性面に対する双極電場の効果をより十分に理解することができる。
図4に示すように、双極電場(図4ではV+とV-の間に図示されている)は等時性面14内のイオンを、飛行経路の中心軸に対するその空間的な広がりに応じて特異的に(preferentially)加速あるは減速する。これにより、検出器30において等時性面14を回転し検出面32に一致させることができる。
より完全に説明にすると、図4は模式的に、イオンの方向を変化せることなく等時性面14の傾斜させる構成を示したものである。しかし、これは模式図である。実際には、双極電場は等時性面14を傾斜させると同時にイオンの方向も変化させる。
より詳しくは、参照イオンの飛行軸(等時性面14)回りに空間広がりを持つ所定の質量電荷比の値のイオンは、飛行ポテンシャル内の電場のない領域から複合双極電場に入射する。上述のとおり、複合双極電場は2つの双極電場の和で規定されるポテンシャルである。つまり、イオンの広がりは、イオンが多重極に入射したときとそれらイオンが多重極を出て飛行ポテンシャルに戻るときの、印加電圧とそれらイオンの空間広がりに応じた運動エネルギー(KE)の変化であると考えることができる(ただしイオンが多重極を出たときに飛行ポテンシャルに戻ることは本発明の要件ではない)。イオンが正イオンであると仮定すると、複合双極電場の効果は、負の電極に近いイオンが、正の電極に近いイオンよりも短い飛行時間で多重極を飛行することであり、検出器30における等時性面14を傾斜させる効果を有する。上述のとおり、小さな角度ずれは傾斜補正デバイスを用いることにより補正することができるため、静電レンズによって等時性面14を傾斜させることにより、飛行時間型質量分析装置1における高い機械公差の要件をなくすことができ、検出器が理想的な配置から角度ずれすることを心配する必要がなくなる。
上述のとおり、等時性面14が傾斜するだけでなく、印加された双極電場の方向にイオンが偏向される。この傾斜は実際には、この偏向の副次的影響と見なすことができる。しかし、傾斜補正デバイスを検出器30に近い位置に配置することにより、印加した双極電場によるイオンの偏向に対処してその影響を無視できるものとすることができる。
この実施形態の利点(例えば、上述の従来技術と比較したときの利点)には以下のものが含まれる。
・2軸について等時性面を同時に回転できる。
・簡単、コンパクトなグリッドレス構造であり、イオンの透過率を100%にできる可能性を秘めている。低電圧、典型的には±150Vの印加でよい。
・イオン雲を実質的に加速/減速するものではなく、飛行時間に与える影響を大幅に低減できる。
いくつかの代替的な設計を行うこともできる。例えば、十二重極の多重極デバイスに代えて、4つ以上のロッドを有する多重極デバイスや、それぞれが双極電場を形成するとともに1対の板又は多重曲デバイスで構成される、積層された2つのデバイスからなるデバイスを用いることができる。
潜在的には、双極電場を生成するあらゆる手段を用いることができる。既に述べたように、多重極におけるロッドの数を変更することができ、多重極ロッドに代えて偏向板を用いることもできる。また、従来型の電極に変えて抵抗物質(resistive materials)を用いることもできる。
上述のとおり、傾斜補正デバイス40を検出器30の近くに配置し、イオンビームが所望の飛行軸から偏向されるのを最小限に抑えることが好ましい。実際には、40mmの検出器と既に詳述した傾斜補正電極を用いた場合、1度補正したときにフライトチューブの中心から偏向されるのは無視できる程度のものである。しかし、より小さな検出器を用いて非常に大きな誤差を補正しようとする場合、傾斜補正電極40の配置はより大きな問題となりうる。
本発明は、既存の飛行時間型分析器に多少の設計の改良を加える(検出器の搭載位置に多重極を配置する空間を設け、非接地電源を追加する)ことにより実現することができる。
比較として、特許文献3(上述)は等時性面の小さな誤差を僅かに調整するために用いる扇形部材(sector assembly)の例を挙げている。この場合、扇形の作用について妥協しなければならず、また補正が必要になるような偏向を生じさせるため、機能的に限定されており、また1次元方向のみにも限定される。従って、小さな誤差しか補正することができない。
また、比較として、特許文献2は、均質な双極電場よりもむしろ、傾斜補正を、傾斜グリッドによって分離された連続する飛行領域と加速/減速ポテンシャル領域について行うものである。等時性面の回転量は、等時性面に沿って飛行するイオンの各領域における飛行経路の一部によって決められる。
特許文献2に記載の従来技術の方法には、上述した本実施形態には存在しないいくつかの不利な点がある。まず、特許文献3のデバイスは、1次元でしか調整を行うことができないため、2つのデバイスを積層しなければならず、空間コストが高く複雑である。次に、特許文献2における傾斜調整は、実質的に大きくイオンを加速するために、平均的なイオンの飛行時間を実質的にシフトさせることが示されている。傾斜グリッドを用いると実質的なコスト、複雑さ、及び設計の脆弱さ(fragility)が生じ、装置の感度が低下するとともに、収差が生じてイオンが散乱する可能性がある。また、本実施形態(150V)に比べ、補正のレベルに対して非常に高い電圧が印加される(0.2度の補正に2000Vが必要)。
シミュレーション1:単一のY双極電場
最初の実施例では、上述の図1を参照して、検出器30をY軸に沿って不所望に1度傾斜させた。イオンの初期条件は、イオンの初期空間及び初期エネルギーの座標である、dx, dy, dz, dEx, dEy, dEzという6次元の位相空間内で1つの標準偏差の広がりした。検出平面と等時性面の完璧なアライメントの下での、ある特定の飛行時間型の系についての装置の分解能はシミュレーションから53.2Kと求められた。
イオンの到着時間を図5に示す。補正y双極場を用いないときのdEyの到着時間は、検出器の1度の傾斜によって3.08ns広がっており、装置の分解能が53.2kから11.7kに低下している。図5(a)参照。±179.5Vをy双極電極に印加すると、この到着時間の広がりが0.68nsまで減少し、装置本来の分解能である53.2kまで完全に戻った。
シミュレーション2:重畳したX及びY双極電場
別の実施例では、y及びx方向のそれぞれにおいて検出器に1度の傾斜誤差を与えた(zは飛行方向である)。まず、典型的なイオン雲を補正なしで飛行させた。対応する到着時間の広がりを図6(a)に示す。半値全幅は4nsであり、その質量分解能は9kに相当する。重畳したy+xの補正電圧を印加すると、ピークの半値全幅は4nsから0.85nsに減少し、分解能は9kから42kに改善した。
イオンの軌道を図7に示す。アライメント補正デバイスにおいて全くイオンが損失されておらず、また、傾斜補正部によって検知可能な程度のイオンビームの偏向は生じていないことが分かる。実際、偏向されたビームの検出器への入射位置は、補正電場を印加しない場合に比べてわずかに0.1mmずれているのみである。
付言(ADDITIONAL REMARKS)
本明細書及び特許請求の範囲において用いられる“備える(comprises)”及び”備えた(comprising)”、“含んだ(including)”という用語及びその変化形は、特定の特徴、工程、あるいは数値(integers)が含まれていることを意味する。これらの用語は、別の特徴、工程、あるいは数値が存在する可能性を排除すると解釈されるものではない。
上述の明細書、あるいは後述の特許請求の範囲、あるいは添付の図面において開示された特徴、必要に応じて、特定の形態で、あるいは開示した機能を実行する手段、あるいは開示した結果を得るための方法又はプロセスの観点で表された特徴は、本発明を多様な形態で具現化するために、独立に、又はそれらの特徴を組み合わせて用いることができる。
本発明は上述の例示的な実施形態とともに記載されているが、本願の開示によって様々な同等の改良や変更が可能であることは当業者にとって明らかである。従って、上述した本発明の例示的な実施形態は、一例であってそれらに限定されるものではない。本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に種々の変更を加えることができる。
疑義を避けるために述べると、本願明細書における理論的な説明は、読者の理解を促進する目的で行ったものである。本発明者は、それらの理論的な説明によって本発明の境界を定めることを意図していない。
上述の説明において言及した全ての参考文献は、それらを参照することで本願明細書に組み込まれる。

Claims (13)

  1. 複数の質量電荷比の値を有するイオンを生成するイオン源と、
    前記イオン源で生成されたイオンを検出する検出器と、
    前記イオン源から前記検出器の検出平面(planar surface)に延びる参照イオンの飛行経路の一部に沿って配置された傾斜補正デバイスと
    を含み、
    前記傾斜補正デバイスが、前記参照イオンの飛行経路を横断する少なくとも1つの双極電場を生成する傾斜補正電極を含み、該少なくとも1つの双極電場が前記イオンで生成されたイオンの等時性面を傾斜させて、前記等時性面と前記検出器の前記検出平面の間で先に生じた角度ずれを補正する飛行時間型(TOF)質量分析装置。
  2. 前記傾斜補正デバイスと前記検出器の前記検出平面の間の距離が十分に小さく、前記参照イオンの飛行経路を前記検出器の前記検出平面の範囲内に保ちつつ、前記傾斜補正デバイスによって与えられる前記等時性面の傾斜を所定の範囲内で変更することができる、請求項1に記載の飛行時間型質量分析装置。
  3. 前記傾斜補正デバイスが、前記イオン源から前記検出器の前記検出平面に延びる前記参照イオンの飛行経路の最後の25%の距離に配置される、請求項1又は2に記載の飛行時間型質量分析装置。
  4. 前記傾斜補正デバイスと前記検出器の間の距離が100mm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置。
  5. 前記傾斜補正デバイスが、それぞれの極が前記参照イオンの飛行経路の一部に沿って延びる個別の傾斜補正電極である、2つ以上の極を含む多重極デバイスである、請求項1から4のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置。
  6. 前記多重極デバイスが4つ以上の極を含む、請求項5に記載の飛行時間型質量分析装置。
  7. 前記傾斜補正デバイスが、前記参照イオンの飛行経路の第1の部分に沿って配置された対向する板の第1の対と、前記参照イオンの飛行経路の第2の部分に沿って配置された対向する板の第2の対を含む板の組であり、前記対向する板の第1の対が前記板の第2の対に関して非平行である、請求項1から6のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置。
  8. 前記傾斜補正デバイスが、該傾斜補正デバイスによってイオンの前記等時性面が傾斜される軸を変化させるように該傾斜補正デバイスを制御する制御部を含む、請求項1から7のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置。
  9. 前記制御部が、前記傾斜補正電極に印加する電圧を変更することによって、前記傾斜補正デバイスによってイオンの前記等時性面が傾斜される軸を変化させるように該傾斜補正デバイスを制御する、請求項8に記載の飛行時間型質量分析装置。
  10. 前記少なくとも1つの双極電場が、前記傾斜補正電極に印加する電圧を変更することによって、前記イオン源で生成されたイオンの前記等時性面と前記検出器の前記検出平面の間の、先に生じた角度ずれを補正するように構成されており、前記傾斜補正電極に前記変更後の電圧を印加することによって得られる前記等時性面と前記検出器の前記検出平面の間のアライメントを示す測定が、前記傾斜補正電極に印加される電圧を変更する前の電圧によって得られる前記等時性面と前記検出器の前記検出平面の間のアライメントを示す同じ測定と比べて改善される、請求項1から9のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置。
  11. 前記飛行時間型分析装置が、前記イオン源から前記検出器の前記検出平面に延びる前記参照イオンの飛行経路の一部に沿って配置されたイオンミラーを含む、請求項1から10のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置。
  12. 前記傾斜補正電極に印加される電圧の大きさが、局所的なグラウンドに関して500V以下である請求項1から11のいずれかに記載の飛行時間型質量分析装置。
  13. 飛行時間型質量分析装置を構成する方法であって、
    前記飛行時間型質量分析装置が、複数の質量電荷比の値を有するイオンを生成するイオン源と、該イオン源で生成されたイオンを検出する検出器と、前記イオン源から前記検出器の検出平面に延びる参照イオンの飛行経路の一部に沿って配置された傾斜補正デバイスとを含み、該傾斜補正デバイスは前記参照イオンの飛行経路を横断する少なくとも1つの双極電場を生成する傾斜補正電極を含んでおり、
    前記方法は、前記少なくとも1つの双極電場を構成して前記イオン源で生成されたイオンの等時性面を傾斜させて前記等時性面と前記検出器の前記検出平面の間で先に生じたアライメントずれを補正することを含み、
    前記補正が、前記傾斜補正電極に印加される変更後の電圧によって得られる前記等時性面と前記検出器の前記検出平面の間のアライメントを示す測定が、前記傾斜補正電極に印加される電圧が変更される前に得られる前記等時性面と前記検出器の前記検出平面の間のアライメントを示す同じ測定と比べて改善されるように、前記傾斜補正電極に印加する電圧を変更することによってなされる方法。
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