上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機(遊技機)に適用した実施例について説明する。
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面部は、大きくは、前面枠4、上皿5、下皿6、遊技盤10などから構成されている。尚、図1では遊技盤10の詳細な図示を省略している。前面枠4は、中枠3に取り付けられており、中枠3は本体枠2に取り付けられている。中枠3はプラスチック材料で成形されており、本体枠2の内側に取り付けられている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1の外枠を形成している。前面枠4の一端は中枠3に対して回動可能(開放可能)に軸支されており、中枠3の一端は本体枠2に対して回動可能に軸支されている。遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠4で覆われている。
前面枠4は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には窓部4aが形成されている。この窓部4aにはガラス板等の透明板が嵌め込まれており、窓部4aを通じて奥側に配置される遊技盤10の盤面(遊技領域11)が視認可能となっている。また、前面枠4における窓部4aの上方には、遊技効果を高めるための各種ランプ類4b〜4fが設けられている。
さらに、前面枠4の下方には上皿5が設けられている。前面枠4と上皿5とは別体に形成されているので、前面枠4は上皿5とは独立して開放可能となっている。上皿5の下方には別体に形成された下皿6が設けられている。また、前面枠4の右部には施錠装置9が設けられており、前面枠4の左方にはプリペイドカード式の球貸装置13(CRユニット)が設けられている。
上皿5には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部5aとが設けられている。遊技球は、上皿5に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット12(図5参照)に供給される。また、皿外縁部5aには、遊技球の球貸スイッチ5b、返却スイッチ5c、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。上皿5の左部にはスピーカー5yが設けられている。また、皿外縁部5aの前部には、遊技者が操作可能な演出ボタンBTが設けられている。
下皿6には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられており、排出された遊技球は下皿6内に貯留される。下皿6の右端には発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者がハンドルに触れていることを検知するタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の回転軸は、下皿6の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット12に接続されており、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、その動きが発射装置ユニット12に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モーターが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤10の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤10の中央には、外レール14と内レール15とによって囲まれた略円形状の遊技領域11が形成されている。上述した発射装置ユニット12から発射された遊技球は、外レール14と内レール15との間を通って遊技領域11に放出され、遊技領域11の上方から下方に向かって流下する。
遊技盤10の表面(盤面)の左下部であって、外レール14の外側(遊技領域11の外側)には、主情報表示部7が設けられている。この主情報表示部7は、前面枠4の窓部4a(ガラス板等の透明板)を通じて外部(遊技者側)から視認可能となっている。本実施例の主情報表示部7には、図3に示すように、第1図柄表示装置28および第2図柄表示装置32が設けられている。これらのうち、第1図柄表示装置28では普通図柄や第1特別図柄(識別情報)を変動表示することが可能となっており、第2図柄表示装置32では第2特別図柄(識別情報)を変動表示することが可能となっている。尚、以下では、第1特別図柄を単に「第1特図」と略記し、第2特別図柄を単に「第2特図」と略記することがあるものとする。
第1図柄表示装置28は、略矩形の領域内に16個の小さな発光ダイオード(LED)が組み込まれて構成されている。これら16個のLEDのうち、5個のLEDが普通図柄表示部29を構成しており、残りの11個のLEDは第1特別図柄表示部30を構成している。更に、普通図柄表示部29は、普通図柄を表示するための1個のLED(普通図柄LED29a)と、普通図柄の保留数を表示するための4個のLED(普図保留表示LED29b)とから構成されている。また、第1特別図柄表示部30は、第1特図を表示するための7個のLED(第1特別図柄LED30a)と、第1特図の保留数を表示するための4個のLED(第1特図保留表示LED30b)とから構成されている。尚、以下では、第1特図の保留を「第1特図保留」とも称し、第1特図の保留数を「第1特図保留数」とも称する。
また、第2図柄表示装置32は、上述した第1図柄表示装置28に対して普通図柄表示部29を取り除いた構成となっている。すなわち、第2図柄表示装置32には、11個のLEDから構成される第2特別図柄表示部33が設けられており、そのほぼ中央に設けられた7個のLEDは、第2特図を表示するためのLED(第2特別図柄LED33a)であり、残りの4個のLEDは、第2特図の保留数を表示するためのLED(第2特図保留表示LED33b)である。尚、以下では、第2特図の保留を「第2特図保留」とも称し、第2特図の保留数を「第2特図保留数」とも称する。また、特に区別する必要がない場合は「第1特図保留」と「第2特図保留」とを、まとめて単に「特図保留」とも称する。
遊技領域11の略中央には中央装置26が設けられており、中央装置26のほぼ中央には、3つのセグメント式の表示器27A,27B,27C(いわゆる7セグ)によって構成されたセグメント表示装置27(発光表示器)が設けられている。各セグメント式の表示器27A,27B,27Cは、7つの発光部(セグメント)を点灯または消灯させることで1〜9の数字を表示可能であり、この結果、セグメント表示装置27は3つの数字を表示可能となっている。
中央装置26の下方には、大当り遊技中に遊技球が入球可能となる大入賞装置31が設けられている。具体的には、大入賞装置31は、略長方形状に大きく開放する大入賞口31dや、大入賞口31dを開閉させる開閉部材31e、開閉部材31eを動作させる大入賞口ソレノイド31m(図5参照)などから構成されている。大当り遊技中は、大入賞装置31が作動を開始して大入賞口ソレノイド31mにより開閉部材31eが開動作され、大入賞口31dが閉鎖状態から開放状態となる。この結果、遊技球が高い確率で大入賞口31dに入球することとなる。また、大入賞口31dの内部には大入賞口スイッチ31sが設けられており、大入賞口31dに入球した遊技球を検知することが可能である。
中央装置26と大入賞装置31との間であって、遊技領域11のうち中央装置26(セグメント表示装置27)の左方(第1領域)を流下する遊技球が入球可能な位置には、第1始動口16が設けられている。第1始動口16は、遊技球の入球を許容する遊技球受入口の大きさが不変(一定)で、遊技球が常時入球可能となっている固定式(非可変式)の入球口である。
また、遊技領域11における中央装置26(セグメント表示装置27)の右下方であって、遊技領域11のうち中央装置26(セグメント表示装置27)の右方(第2領域)を流下する遊技球が入球可能な位置には、第2始動口17が設けられている。第2始動口17は、左右に一対の翼片部17wが開閉可能に構成された可変式の入球口であり、一対の翼片部17wがほぼ直立した閉鎖状態と、一対の翼片部17wが外側に向かって回転した開放状態との2つの状態に変化可能である。これらの状態のうち閉鎖状態は、障害釘23および翼片部17wに遮られて遊技球は第2始動口17に入球することができない状態であり、開放状態は、第2始動口17に遊技球が入球し得る状態である。
第1始動口16あるいは第2始動口17に入球した遊技球は、それぞれの内部に設けられた通路を通って遊技盤10の裏面側に導かれる。第1始動口16の内部の通路の途中には第1始動口スイッチ16sが設けられ、第2始動口17の内部の通路の途中には第2始動口スイッチ17sが設けられており(図5参照)、第1始動口16あるいは第2始動口17に入球した遊技球はそれぞれ第1始動口スイッチ16sあるいは第2始動口スイッチ17sによって検知されるようになっている。
さらに、遊技領域11における中央装置26(セグメント表示装置27)の右方であって、遊技領域11のうち中央装置26(セグメント表示装置27)の右方(第2領域)を流下する遊技球が入球可能な位置には、普通図柄作動ゲート37(検知部)が設けられている。普通図柄作動ゲート37の内部には、遊技球の通過を検知するゲートスイッチ37s(図5参照)が設けられている。
上述した各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘23が設けられており、遊技球の進路に影響を与えている。また、遊技盤10の下部にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下方にはバック球防止部材58が設けられている。バック球防止部材58は、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。
図4は、本実施例のパチンコ機1に搭載されたセグメント表示装置27の構成を示す説明図である。前述したように、セグメント表示装置27(発光表示器)は、3つのセグメント式の表示器27A,27B,27Cから構成されており、3つの数字(以下、「識別図柄27a,27b,27c」ともいう)が表示されている。3つの識別図柄27a,27b,27c(識別情報)は、第1特別図柄表示部30および第2特別図柄表示部33における特別図柄(識別情報)の変動表示の開始と同期して変動表示を開始し、その後、特別図柄の変動時間が経過するまで変動表示を行う。そして、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)と同期して3つの識別図柄27a,27b,27cの変動表示が終了する。尚、セグメント表示装置27は、特別図柄の変動時間に亘って各セグメント式の表示器27A,27B,27Cに発光部(セグメント)の点灯および消灯を繰り返させることで、識別図柄27a,27b,27cの変動表示を行う。尚、詳しくは後述するが、セグメント式の表示器27A,27B,27Cはそれぞれ、遊技盤10上を上方または下方に移動可能に取り付けられている。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図5は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板200と、各種演出の制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御の下で識別図柄27a,27b,27cの表示や、音声の出力等を行う表示音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御の下で各種LED,ランプ4b〜4fやステッピングモーター27m(セグメント式の表示器27A,27B,27Cを移動させるためのステッピングモーター27m)を駆動する装飾駆動基板226と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAMなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
主制御基板200のCPU201は、第1始動口スイッチ16sや、第2始動口スイッチ17s、大入賞口スイッチ31s、ゲートスイッチ37sなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったスイッチに応じて定められる各種動作を指令するコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向けて送信する。また、主制御基板200には、第2始動口17に設けられた一対の翼片部17wを開閉させるための第2始動口ソレノイド17mや、大入賞口31dを開閉させるための大入賞口ソレノイド31m、更には、主情報表示部7(第1図柄表示装置28、第2図柄表示装置32)などが中継端子板(図示略)を介して接続されており、これら各種ソレノイド17m,31m、主情報表示部7に向けて駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御も行う。
サブ制御基板220には、表示音声制御基板230や、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228が接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた演出を行う。すなわち、表示音声制御基板230に対して表示内容および音声内容を指定するコマンドを送信したり、装飾駆動基板226に各種LED、ランプ4b〜4fの駆動信号やステッピングモーター27mの駆動信号(セグメント表示装置27の各セグメント式の表示器27A,27B,27Cを移動させるための駆動信号)を送信したりすることによって、演出を行う。また、サブ制御基板220のCPU221は、演出ボタン基板228を介して演出ボタンBTに対する遊技者の操作を検知すると、該操作に対応する演出を行う。
表示音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、音声ROM234を備えている。表示音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応して、識別図柄27a,27b,27cをセグメント表示装置27に表示する。また、CPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する音声データを音声ROM234から読み出して、該音声データに基づく音声を、アンプ基板224を介してスピーカー5yから出力する。
払出制御基板240は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿5に設けられた球貸スイッチ5bや返却スイッチ5cを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板(図示略)を介して、球貸装置13に伝達される。球貸装置13は、払出制御基板240とデータを通信しながら、貸球の払い出しを行う。また、主制御基板200が賞球の払い出しを指示する払出コマンドを送信すると、このコマンドを払出制御基板240が受信して、払出モーター109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。
B.遊技の概要 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が行われる。まず、遊技者が上皿5の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル8を回転させると、上皿5に投入された遊技球が、1球ずつ発射装置ユニット12に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域11に発射される。遊技球を打ち出す強さは、発射ハンドル8の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル8の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。本実施例のパチンコ機1では、遊技の進行状況によって、セグメント表示装置27の左方の遊技領域11を遊技球が流下するように遊技球を打ち出させる場合と、セグメント表示装置27の右方を遊技球が流下するように遊技球を打ち出させる場合とがある。以下では、セグメント表示装置27の左方の遊技領域11を遊技球が流下するように遊技球を打ち出すことを「左打ち」とも表現し、セグメント表示装置27の右方の遊技領域11を遊技球が流下するように遊技球を打ち出すことを「右打ち」とも表現する。
図2を用いて前述したように、第1始動口16は、セグメント表示装置27の左方の遊技領域11を流下する遊技球(左打ちされた遊技球)が入球可能な位置に設けられている。そして、左打ちされた遊技球が第1始動口16に入球すると、第1特図を後述する大当り図柄、外れ図柄の何れで停止表示させるか(後述の図柄変動遊技の結果が大当り、外れの何れであるか)を判定する大当り判定(当否判定)が行われ、第1図柄表示装置28の第1特別図柄表示部30で第1特図の変動表示が開始される。
一方、図2を用いて前述したように、普通図柄作動ゲート37、第2始動口17は、セグメント表示装置27の右方の遊技領域11を流下する遊技球(右打ちされた遊技球)が入球可能な位置に設けられている。そして、右打ちされた遊技球が普通図柄作動ゲート37を通過すると、第1図柄表示装置28の普通図柄表示部29において普通図柄の変動表示が開始される。図3を用いて前述したように、普通図柄表示部29には、普通図柄LED29aおよび普図保留表示LED29bが搭載されており、このうち、普通図柄LED29aを用いて普通図柄の変動表示を行う(点灯、消灯を繰り返す)。この結果、普通図柄が当り図柄で停止表示すると第2始動口17が開放状態となる。そして、開放状態となった第2始動口17に右打ちされた遊技球が入球すると、第2特図を大当り図柄、外れ図柄の何れで停止表示させるか(後述の図柄変動遊技の結果が大当り、外れの何れであるか)を判定する大当り判定が行われ、第2図柄表示装置32の第2特別図柄表示部33で第2特図の変動表示が開始される。
図3を用いて前述したように、第1特別図柄表示部30および第2特別図柄表示部33は、何れも同様な構成をしているので、第1特図も第2特図も同様の態様で変動表示を行う。すなわち、第1特別図柄表示部30および第2特別図柄表示部33では、それぞれ7個のLED(第1特別図柄LED30aおよび第2特別図柄LED33a)を所定の変動時間にわたって点滅させることによって特別図柄の変動表示を行う。そして、その変動時間が経過すると、所定の組合せのLEDを点灯させることで、大当り判定結果に基づき大当り図柄、外れ図柄の何れかの図柄を停止表示する。続いて、停止表示された図柄を確定させるべく(遊技者に認識させるべく)、特別図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(以下「確定表示」ともいう)を行う。以下では、特別図柄を変動表示させてから大当り図柄または外れ図柄が確定表示されるまでの遊技、すなわち1回の変動表示の結果が得られるまでの遊技を「図柄変動遊技」とも表現する。
第1特図または第2特図を変動表示させた結果(図柄変動遊技の結果)、大当り図柄(特定態様)が停止表示されると、大入賞口31dが開放状態となる大当り遊技(特定遊技)が開始される。大当り遊技中は、大入賞口31dに遊技球が入球することを契機として遊技球が払い出される。
第1始動口16への遊技球の入球は、該入球を契機とする第1特図の変動表示が開始されるまで、第1特別図柄の保留(第1特図保留)としてRAM203の記憶領域(特図保留記憶領域)に記憶される。第1特図保留は最大4個まで記憶可能となっており、第1特図保留の個数(第1特図保留数)については第1特図保留表示LED30bに表示される。また、第2始動口17への遊技球の入球は、該入球を契機とする第2特図の変動表示が開始されるまで、第2特別図柄の保留(第2特図保留)としてRAM203の記憶領域(特図保留記憶領域)に記憶される。第2特図保留も4個まで記憶可能となっており、第2特図保留の個数(第2特図保留数)については第2特図保留表示LED33bに表示される。
第1特別図柄あるいは第2特別図柄の図柄変動遊技に対応して、セグメント表示装置27では識別図柄27a,27b,27cを用いた演出(以下「図柄変動演出」ともいう)が行われる。図6は、セグメント表示装置27で行われる図柄変動演出(遊技状況に応じた演出表示、変動演出表示)の一態様を例示した説明図である。セグメント表示装置27は、左識別図柄27aが表示される左図柄表示領域(左側のセグメント式の表示器27A)と、中識別図柄27bが表示される中図柄表示領域(中央のセグメント式の表示器27B)と、右識別図柄27cが表示される右図柄表示領域(右側のセグメント式の表示器27C)とを有しており、これらの表示領域を用いて3つの識別図柄27a,27b,27cが表示される。第1図柄表示装置28あるいは第2図柄表示装置32の何れかで特別図柄の変動表示が開始されると、セグメント表示装置27においても3つの識別図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示が開始される。本実施例のパチンコ機1では、各セグメント式の表示器27A,27B,27Cのセグメントを適宜点灯させることによって、識別図柄として「1」〜「9」の9つの数字を意匠化した図柄を表示可能である。
図6(a)には、3つの識別図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左識別図柄27aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右識別図柄27cが停止表示され、最後に中識別図柄27bが停止表示される。セグメント表示装置27で停止表示される3つの識別図柄27a,27b,27cの組合せは、前述した第1図柄表示装置28あるいは第2図柄表示装置32で停止表示される特別図柄(第1特図あるいは第2特図)の停止表示態様と連動するように構成されている。例えば、第1特図または第2特図が「大当り図柄」で停止表示される場合は、セグメント表示装置27の3つの識別図柄27a,27b,27cが同じ図柄となる図柄組合せ(ゾロ目)で停止表示される。また、第1特図または第2特図が「外れ図柄」で停止表示される場合は、3つの識別図柄27a,27b,27cは同じ図柄で揃わない図柄組合せ(バラケ目)で停止表示される。尚、停止表示された識別図柄27a、27b、27cは、特別図柄の確定表示時間が経過するまで停止表示された状態となる(確定表示される)。
このように、第1図柄表示装置28あるいは第2図柄表示装置32で表示される特別図柄と、セグメント表示装置27で表示される3つの識別図柄27a,27b,27cとは、表示内容が互いに対応しており、変動表示中の第1特別図柄あるいは第2特別図柄が停止表示する際には、3つの識別図柄27a,27b,27cも停止表示するようになっている。しかも、図2に示すように、セグメント表示装置27は、第1図柄表示装置28や第2図柄表示装置32よりも目に付き易い位置に設けられており、表示領域も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者はセグメント表示装置27を見ながら図柄変動遊技を行わせることが通常である。従って、図6(b)に示すように、セグメント表示装置27において初めに停止表示される左識別図柄27aと、続いて停止表示される右識別図柄27cとが同じ図柄(ここでは「7」)であった場合には、最後に停止表示される中識別図柄27bも同じ図柄で停止して(ゾロ目が停止表示されて)、「大当り遊技が開始されるのではないか」と、遊技者は識別図柄の変動表示(図柄変動演出)を注視することになる。このように、2つの識別図柄を同じ図柄(ゾロ目となり得る態様)で停止させて最後の識別図柄を変動表示させた状態で行われる演出、すなわち、複数の識別図柄をゾロ目またはバラケ目で停止表示させるまでに、複数の識別図柄のうち1つの識別図柄を除く残りの識別図柄をゾロ目となる態様で停止表示させた状態で1つの識別図柄を変動表示させる演出は、「リーチ演出」と呼ばれており、このリーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能である。
C.遊技制御処理 :
図7は、主制御基板200に搭載されたCPU201(遊技制御手段)が、遊技の進行に係る制御として行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。
図7に示すように、遊技制御処理では、「賞球関連処理」「普通図柄遊技処理」「普図当り遊技処理」「特図保留関連処理」「特別図柄遊技処理」「大当り遊技処理」などの各処理が繰り返し実行されている。主制御基板200のCPU201は、所定周期毎(例えば4msec毎)に発生するタイマ割り込みに基づき遊技制御処理を行う。そして、遊技制御処理中に、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて、主制御基板200から各種コマンドを送信する。こうすることにより、遊技が進行するとともに、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200に搭載されたCPU201が行う遊技制御処理について説明する。
主制御基板200のCPU201は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理(賞球関連処理)を行う(S100)。この処理では、主制御基板200に接続された各種スイッチのうち、遊技球の入賞に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ16sや、第2始動口スイッチ17s、大入賞口スイッチ31s等)について、遊技球を検知したか否かを判断する。そして、遊技球の入賞に関わるスイッチが遊技球を検知した場合には、払い出すべき賞球数を算出した後、払出制御基板240に向けて該賞球数の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。払出制御基板240は、主制御基板200から送信された払出コマンドを受信するとコマンドの内容を解釈し、その結果に従って、払出装置(図示せず)に搭載された払出モーター109mに駆動信号を送信することにより、実際に賞球を払い出す処理を行う。
主制御基板200のCPU201は、賞球関連処理(S100)に続いて、普通図柄遊技処理(S110)を行う。普通図柄遊技処理(S110)では、主に次のような処理を行う。先ず、後述する普図当り遊技の実行中であるか否かを判断する。そして、普図当り遊技の実行中でなければ、普通図柄の変動表示中であるか否かを判断する。その結果、普通図柄の変動表示中でなければ、普通図柄の保留(普図保留)が存在するか否か(「0」であるか否か)を判定し、普図保留が存在する場合には普通図柄の当り判定を行う。ここで、普図保留とは、遊技球が普通図柄作動ゲート37を通過することにより取得される普図当り判定乱数の値を示す情報であり、本実施例では、その記憶数(保留数)の上限値を「4」としている。そして、普通図柄の当り判定の結果に基づき、普通図柄を当り図柄で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。また、普通図柄の変動時間も決定する。そして、決定した変動時間に亘って普通図柄を変動表示させた後、決定した図柄で停止表示させる普通図柄遊技を行う。普通図柄遊技の結果、当り図柄が停止表示されると、第2始動口17を開放状態にした後に閉鎖状態にする「普図当り遊技」が行われる。
普図当り遊技処理(S120)では、普図当り遊技を進行させる処理が行われる。具体的には、始動口開放条件が成立したら、すなわち、普通図柄が当り図柄で停止表示された直後や、第2始動口17を複数回開放状態にする普図当り遊技中において第2始動口17が閉鎖状態となってから所定時間が経過した場合は、第2始動口ソレノイド17mを作動させて、第2始動口17に設けられた翼片部17wを外側に回動させることにより、第2始動口17を開放状態とする。また、始動口閉鎖条件が成立したら、すなわち、第2始動口17の開放時間が経過した場合や、第2始動口17に規定数の遊技球が入球した場合は、第2始動口ソレノイド17mを作動させて、第2始動口17に設けられた翼片部17wを内側に回動させることにより、第2始動口17を閉鎖状態とする。尚、普図当り遊技中でない場合は、当然ながら、第2始動口17を開放状態あるいは閉鎖状態にする処理は行われない。
ここで、本実施例のパチンコ機1の遊技状態は、大別すると、「大当り判定で大当りと判定される確率(大当り確率)の設定状況」と「第2始動口17へ遊技球が入球する頻度に係る設定状況」とに基づき決定される。このうち、「第2始動口17へ遊技球が入球する頻度に係る設定状況」に基づく遊技状態としては、「電サポ状態」と「非電サポ状態」とがある。「電サポ状態」は「非電サポ状態」に比べ、前述の普通図柄の当り判定の結果が「当り」となる確率(普図当り確率)が高く、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が短く、普図当り遊技における第2始動口17の開放時間が長く設定される。従って、「電サポ状態」は、「非電サポ状態」と比較して、第2始動口17(可変始動口)が高頻度で開放状態になるとともに該開放状態にある期間が長くなるので、第2始動口17(可変始動口)への遊技球の入球頻度が高くなる(高頻度状態)。このような構成を実現するために、本実施例のパチンコ機1では、遊技状態が「電サポ状態」に設定されている場合は「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」がONに設定され、遊技状態が「非電サポ状態」に設定されている場合はこれらのフラグがOFFに設定される。そして、主制御基板200のCPU201は、「変動短縮フラグ」がONに設定されていることに基づき、普図当り確率を高確率(例えば「99/100」)に、普図変動時間を短時間(例えば「1秒」)にそれぞれ設定し、「開放延長フラグ」がONに設定されていることに基づき、第2始動口17の開放時間を長時間(例えば「1.5秒×3回開放=4.5秒」)に設定する。一方、主制御基板200のCPU201は、変動短縮フラグがOFFに設定されていることに基づき、普図当り確率を低確率(例えば「2/100」)に、普図変動時間を長時間(例えば「20秒」)にそれぞれ設定し、開放延長フラグがOFFに設定されていることに基づき、第2始動口17の開放時間を短時間(例えば「0.1秒×3回開放=0.3秒」)に設定する。こうして普図当り遊技処理(S120)を行ったら、特図保留を記憶するための特図保留関連処理(S130)を行う。
特図保留関連処理(S130)では、特図保留を記憶するための処理を行う。特図保留関連処理では、第1始動口17aに遊技球が入球すると、第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)が上限値(本実施例では「4」)に達していなければ、判定乱数を第1特図保留(取得情報)として取得するとともに記憶する。そして、第1特図保留が記憶されたことおよび第1特図保留数を示す第1特図保留記憶コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する。また、第2始動口17bに遊技球が入球すると、第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)が上限値(本実施例では「4」)に達していなければ、判定乱数を第2特図保留(取得情報)として取得するとともに記憶する。そして、第2特図保留が記憶されたことおよび第2特図保留数を示す第2特図保留記憶コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する。ここで、判定乱数としては、後述する大当り判定を行うための大当り判定乱数や、大当り発生時に第1特図または第2特図として停止表示する大当り図柄を決定するための大当り図柄決定乱数、図柄が停止表示するまでの変動パターンを決定するための変動パターン決定乱数などを取得する。こうして、特図保留関連処理を行ったら(S130)、特別図柄遊技を実行するための特別図柄遊技処理(S140)を行う。
特別図柄遊技処理(S140)では、大当り遊技の実行中でない場合に次のような処理を行う。先ず、特別図柄(第1特図または第2特図の何れか)が、変動表示中または確定表示中であるか否かを判断する。そして、特別図柄が変動表示中でも確定表示中でもない場合は、特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)を開始するための処理を行う。
すなわち、第2特図保留が記憶されている場合は第2特図保留を読み出し、第2特図保留が記憶されていない場合は第1特図保留を読み出す。こうして第1特図保留または第2特図保留を読み出したら、高確フラグがONに設定されているか否かを判断する。
ここで、本実施例のパチンコ機1の遊技状態は、前述したように「第2始動口17へ遊技球が入球する頻度に係る設定状況」に基づき設定されるだけでなく(「電サポ状態」または「非電サポ状態」の何れかに設定されるだけでなく)、「大当り判定で大当りと判定される確率(大当り確率)の設定状況」に基づいても設定される。具体的には、特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率(大当り確率)の高い「高確率状態」または該確率が高確率状態より低い「低確率状態」の何れかに設定される。高確フラグは、遊技状態を高確率状態(確変機能が作動した状態)が設定されている場合にONに設定されるフラグである。従って、高確フラグがONに設定されているか否かを判断することによって、遊技状態が「高確率状態」または「低確率状態」の何れに設定されているかが判断されることとなる。
その結果、遊技状態が低確率状態に設定されていれば(低確率状態中であれば)、読み出した特図保留に含まれる大当り判定乱数に基づく判定結果が低確率(例えば300分の1)で「大当り」となり他は「外れ」となる大当り判定を行い、遊技状態が高確率状態に設定されていれば(高確率状態中であれば)、読み出した特図保留に含まれる大当り判定乱数に基づく判定結果が高確率(例えば30分の1)で「大当り」となり他は「外れ」となる大当り判定を行う。このような大当り判定を行ったら、今度は、変動パターン(変動時間)を決定する変動パターン選択処理を行う。ここで、変動パターンとは、第1図柄表示装置28または第2図柄表示装置32で特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)であって、各変動パターンには他の変動パターンと識別するための情報(変動パターンID)が付されている。変動パターン選択処理では、変動パターン決定乱数に対応させて複数の変動パターン(変動パターンID、変動時間)が設定された変動パターン決定テーブルを参照して(ROM202から読み出して)変動パターンを選択する。そして、大当り判定の結果が「大当り」である場合は、特図保留に含まれる大当り図柄決定乱数に基づき、100種類の大当り図柄の中から、今回の図柄変動遊技で停止表示させる大当り図柄を決定する。尚、大当り判定の結果が大当りでない(「外れ」である)場合は、1種類しかない外れ図柄をそのまま、今回の図柄変動遊技で停止表示させる図柄として決定する。
このように特図保留に基づき、大当たり判定を行うとともに、変動パターン、停止表示させる図柄(100種類の大当り図柄のうち1つの大当り図柄、または、外れ図柄)を決定したら、変動パターンに基づいて特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)を開始する。これに際して、今回変動表示を開始した特別図柄の変動パターンの種類を指定する変動パターン指定コマンドや、変動表示を経て停止表示される特別図柄の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドを、「変動開始時コマンド」としてサブ制御基板220に向けて送信する。サブ制御基板220のCPU221は、受信した変動開始時コマンド(変動パターン指定コマンド)に基づいて今回の図柄変動遊技の変動パターンを検出し、該変動パターンに対応する演出パターンで図柄変動演出を実行する。上述した変動パターン選択処理では、常時同じ変動パターン決定テーブルを参照するのではなく、現在設定されている遊技状態(後述の「低確率・非電サポ状態」または「高確率・電サポ状態」)や、大当り判定の結果に対応する変動パターン決定テーブルを参照する。こうすることで、現在設定されている遊技状態や、大当り判定の結果に対応する変動パターンが選択可能となり、ひいては、サブ制御基板220のCPU221は現在設定されている遊技状態や、大当り判定の結果に対応する演出パターンで図柄変動演出を実行可能となる。尚、特別図柄(識別情報)を変動表示させる主制御基板200のCPU201は、本発明における「識別情報表示手段」として機能するものである。また、図柄変動演出を行うサブ制御基板220のCPU221は、「遊技演出実行手段」として機能するものである。
その後、変動時間が経過したら変動表示中の特別図柄を予め決定されていた図柄で停止表示させる。この停止表示の実行により図柄変動遊技が終了することとなる。この特別図柄の停止表示に際して、変動表示中の特別図柄を停止表示させたことを示す「図柄停止コマンド」をサブ制御基板220に向けて送信する。サブ制御基板220のCPU221は、図柄停止コマンドを受信すると、図柄変動演出を終了する。尚、図柄変動遊技の結果として大当り図柄が停止表示された場合は、大当り遊技を開始すべく大当りフラグをONに設定する。大当りフラグとは、大当り遊技の実行中(大当り遊技中)であることを示すフラグである。また、大当り図柄が停止表示された場合は、大当り遊技を開始することを示す「大当り開始コマンド」をサブ制御基板220に向けて送信する。サブ制御基板220のCPU221は、大当り開始コマンドを受信すると、大当り遊技中であることを示す大当り演出を実行する。こうして、特別図柄遊技処理を行ったら(S140)、大当り遊技の進行に係る大当り遊技処理(S150)を行う。
大当り遊技処理(S150)では先ず、大当りフラグがONに設定されているか否か、すなわち、大当り遊技中であるか否かを判断する。その結果、大当り遊技中である場合は、大当り遊技の進行に係る処理を行う。ここで、本実施例のパチンコ機1では、大当り遊技として、大入賞口31dが開放状態となるラウンド遊技を15回実行する。そこで、大当り遊技処理では、大入賞口31dを開放状態とし、30秒が経過すると、または、遊技球が10個入球すると閉鎖状態とする制御処理を15回行う。こうして、15回のラウンド遊技を行ったら、大当り遊技を終了するための処理を行う。
この処理では先ず、大当り遊技を終了することを示す大当り終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する。サブ制御基板220のCPU221は、大当り終了コマンドを受信すると、大当り演出を終了する。主制御基板200のCPU201は、大当り終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信したら、続いて、大当り遊技終了後の遊技状態を「高確率状態かつ電サポ状態」である「高確率・電サポ状態」に設定すべく、高確フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグをONに設定する。そして、「高確率・電サポ状態」を最大で(大当りが発生しなければ)80回の図柄変動遊技が実行されるまで継続すべく、高確カウンタの値に「80」を設定する(確変継続回数80回、時短継続回数80回)。この高確カウンタの値は1回の図柄変動遊技が行われるたびに「1」減算され、その値が「0」になると、遊技状態が「低確率状態かつ非電サポ状態」である「低確率・非電サポ状態」に設定される(高確フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグをOFFに設定する)。つまり、本実施例のパチンコ機1において設定され得る遊技状態は「低確率・非電サポ状態(通常状態)」と「高確率・電サポ状態」の2種類となっている。主制御基板200のCPU201は、「低確率・非電サポ状態」または「高確率・電サポ状態」の何れが設定されているかを示す遊技状態指定コマンドを、サブ制御基板220に適宜送信する。これによって、サブ制御基板220のCPU221は、現在設定されている遊技状態を検出することができる。こうして、大当り遊技処理を行ったら(S150)、次のタイマ割り込みのタイミングで遊技制御処理の先頭に戻り、賞球関連処理(S100)以降の処理を行う。尚、「高確率・電サポ状態」が本発明における「有利状態」に対応する。
D.遊技演出を実行するための処理 :
次に、遊技の進行に合わせて遊技演出(図柄変動演出や、後述する大当り演出など)を実行するための処理について説明する。遊技演出は、各種LED・ランプ4b〜4f、スピーカー5y、セグメント表示装置27等の演出装置を利用して行われる。具体的には、サブ制御基板220のCPU221は、遊技の進行に対応させて(主制御基板200から送信される変動開始時コマンドや大当り開始コマンドなどに対応させて)、装飾駆動基板226を介して各種LED・ランプ4b〜4fやステッピングモーター27m(セグメント式の表示器27A,27B,27Cを移動させるためのステッピングモーター27m)に駆動信号を送信する。これによって、各種LED・ランプ4b〜4fを各種演出に対応する演出パターン(発行パターン)で発光させると共に、セグメント式の表示器27A,27B,27Cを各種演出に対応する演出パターン(移動パターン)で移動させる。また、サブ制御基板220のCPU221は、遊技の進行に対応させて(主制御基板200から送信される変動開始時コマンドや大当り開始コマンドなどに対応させて)、表示音声制御基板230に向けてコマンド(演出コマンド)を送信する。表示音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からの演出コマンドを受信すると、その演出コマンドに対応する演出パターン(表示パターン)でセグメント表示装置27における表示(識別図柄27a,27b,27cの変動表示など)を行う。また、表示音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220から演出コマンドを受信すると、その演出コマンドに対応する音声データ(楽曲データ等)を決定して、その決定した音声データを音声ROM234から読み出す。そして、読み出した音声データに基づく音声(楽曲等)を、アンプ基板224を介してスピーカー5yから出力する(各種演出に対応する演出パターン(音声出力パターン)で音声を出力する)。このように、本実施例の表示音声制御基板230は、サブ制御基板220から各種演出に対応するコマンド(演出コマンド)を受信した後、サブ制御基板220とは独立して、演出コマンドに対応する画像および音声の出力を実行することが可能である。尚、後述する第1態様の図柄変動演出および第2態様の図柄変動演出を含め、種々の図柄変動演出(の内容)は、サブ制御基板220のROM222や、表示音声制御基板230のROM232、音声ROM234に記憶されている。従って、サブ制御基板220のROM222や、表示音声制御基板230のROM232、音声ROM234は、「遊技演出記憶手段」として機能するものである。
以上のように、本実施例では、「サブ制御基板220のCPU221」が主体となって「表示音声制御基板230のCPU231」や「装飾駆動基板226」と協働して遊技演出を行うものとなっている。以下では、遊技演出の実行主体である「サブ制御基板220のCPU221」を基準にして、各種演出を実行するための処理について説明する。
D−1.遊技状態に対応した図柄変動演出 :
本実施例のパチンコ機1は、上述したように遊技状態が「低確率・非電サポ状態」または「高確率・電サポ状態」に設定されるところ、「低確率・非電サポ状態」中は第1態様(後述する第1位置、第1色)で図柄変動演出(第1遊技演出)が行われ、「高確率・電サポ状態」中は第1態様と異なる第2態様(後述する第2位置、第2色)で図柄変動演出(第1遊技演出)が行われる。具体的には、「低確率・非電サポ状態」中は、図4に示すように、セグメント表示装置27のセグメント式の表示器27A,27B,27Cは横一列に並べられた状態(第1位置に配置された状態)で識別図柄27a,27b,27cの変動表示が行われる。これに対して、「高確率・電サポ状態」中は、図8に示すように、セグメント表示装置27の左右のセグメント式の表示器27A,27Cが上方に移動され、中央のセグメント式の表示器27Bが下方に移動された状態(第2位置に配置された状態)で識別図柄27a,27b,27cの変動表示が行われる。
そして、このような構成を実現するため次のような処理を行っている。つまり、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200のCPU201から送信される遊技状態指定コマンドに基づいて、遊技状態が「低確率・非電サポ状態」から「高確率・電サポ状態」に移行したか否かを判断する。その結果、遊技状態が「低確率・非電サポ状態」から「高確率・電サポ状態」に移行した場合は、ステッピングモーター27mを駆動させて、セグメント式の表示器27A,27B,27Cが横一列に並べられた状態から、左右のセグメント式の表示器27A,27Cが上方に移動され、中央のセグメント式の表示器27Bが下方に移動された状態とする。また、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200のCPU201から送信される遊技状態指定コマンドに基づいて、遊技状態が「高確率・電サポ状態」から「低確率・非電サポ状態」に移行したか否かを判断する。その結果、遊技状態が「高確率・電サポ状態」から「低確率・非電サポ状態」に移行した場合は、ステッピングモーター27mを駆動させて、左右のセグメント式の表示器27A,27Cが上方に移動され、中央のセグメント式の表示器27Bが下方に移動された状態から、セグメント式の表示器27A,27B,27Cが横一列に並べられた状態とする。
また、本実施例のパチンコ機1では、「低確率・非電サポ状態」中は、セグメント表示装置27で変動表示される識別図柄27a,27b,27cが青色(第1色)で表示され、「高確率・電サポ状態」中は、セグメント表示装置27で変動表示される識別図柄27a,27b,27cが赤色(第2色)で表示される。そして、このような構成を実現するために次のような処理を行っている。つまり、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200のCPU201から送信される変動開始時コマンド(変動パターン指定コマンド)に基づいて、今回開始される図柄変動遊技の変動パターンが「低確率・非電サポ状態」用の変動パターン(「低確率・非電サポ状態」中に参照される変動パターン決定テーブルに設定された変動パターン)であるか、「高確率・電サポ状態」用の変動パターン(「高確率・電サポ状態」中に参照される変動パターン決定テーブルに設定された変動パターン)であるかを判断する。その結果、今回開始される図柄変動遊技の変動パターンが「低確率・非電サポ状態」用の変動パターンである場合は、セグメント式の表示器27A,27B,27Cの発光部(セグメント)を青色に発光させて識別図柄27a,27b,27cの変動表示を行う。これに対して、今回開始される図柄変動遊技の変動パターンが「高確率・電サポ状態」用の変動パターンである場合は、セグメント式の表示器27A,27B,27Cの発光部(セグメント)を赤色に発光させて識別図柄27a,27b,27cの変動表示を行う。
以上のように本発明のパチンコ機1は、「低確率・非電サポ状態」中は第1態様(第1位置、第1色)で図柄変動演出が行われ、「高確率・電サポ状態」中は第1態様と異なる第2態様(第2位置、第2色)で図柄変動演出が行われる。こうすると、遊技状態が「低確率・非電サポ状態」に設定されているか、「低確率・非電サポ状態」より遊技者にとって有利な「高確率・電サポ状態」に設定されているかを遊技者に認識させることができる。
D−2.呼込演出(本発明における「特定演出」)に係る処理 :
本実施例のパチンコ機1では、当該パチンコ機1にて遊技が行われていない場合には、上述した「高確率・電サポ状態」中の第2態様(第2位置、第2色)の図柄変動演出と少なくとも一部が共通する演出を行う。この演出は、当該パチンコ機1の稼働率を高めるために遊技者を当該パチンコ機1に呼び込むための演出であることから、本明細書では「呼込演出」とも称する。以下では、このような「呼込演出」に係る「遊技中判断処理」「呼込演出処理」「図柄変動演出処理」について説明する。
D−2−1.遊技中判断処理 :
図9は、サブ制御基板220のCPU221によって実行される遊技中判断処理を示すフローチャートである。この遊技中判断処理では、パチンコ機1で遊技が行われているか否かを判断するための処理が行われる。尚、この処理も、所定周期毎(例えば4msec毎)に発生するタイマ割り込みに基づき行われる。
ここで、遊技中判断処理および後述する呼込演出処理は、「低確率・非電サポ状態」中に実行される。すなわち、遊技中判断処理および後述する呼込演出処理は、「呼込演出」に係る処理(稼働率を高めるための処理)として実行されるところ、遊技者にとって有利な「高確率・電サポ状態」中は遊技者を呼び込まなくても稼働率が低下することは希であるので、「高確率・電サポ状態」中に呼込演出を行う意義は小さい。また、「高確率・電サポ状態」中は既に第2態様の図柄変動演出が行われていることから、当該パチンコ機1に遊技者を呼び込む演出は十分に行われていると言うことができ、該第2態様の図柄変動演出と共通する呼込演出を行う意義は小さい。そこで、本実施例のパチンコ機1では、遊技中判断処理および後述する呼込演出処理(すなわち、呼込演出に係る処理)は、「高確率・電サポ状態」中は実行せず、「低確率・非電サポ状態」中に実行することとしている。
サブ制御基板220のCPU221は、遊技中判断処理を開始すると先ず、遊技中フラグがONに設定されているか否かを判断する(S200)。遊技中フラグは、パチンコ機1で遊技が行われている場合にONに設定され、遊技が行われていない場合にOFFに設定されるフラグであって、サブ制御基板220のRAM223にその記憶領域が確保されている。従って、S200の判断処理では、パチンコ機1で遊技が行われているか否かが判断される。尚、以下では、パチンコ機1で遊技が行われていることを「遊技中」とも表現し、パチンコ機1で遊技が行われていないことを「非遊技中」とも表現する。
S200の判断処理の結果、非遊技中であると判断された場合は(S200:no)、新たに遊技球が発射されたか(遊技が開始されたか)否かを判断する(S202)。例えば、遊技球を検知するセンサーを、外レール14と内レールとの間や、発射装置ユニット12、遊技領域11などに設け、該センサーの出力に基づいて、新たに遊技球が発射されたか否かを判断する。そして、新たに遊技球が発射された(遊技が開始された)場合は(S202:yes)、遊技中とすべく遊技中フラグをONに設定した後(S204)、図9に示す遊技中判断処理を終了する。
これに対して、S200の判断処理の結果、遊技中であると判断された場合は(S200:yes)、図柄変動演出の実行中であるか否かを判断する(S206)。その結果、図柄変動演出の実行中でない場合は(S206:no)、特図保留が記憶されているか否かを判断する(S208)。特図保留が記憶されているか否かは、主制御基板200のCPU201から送信される第1特図保留記憶コマンドおよび第2特図保留記憶コマンドに基づいて判断される。S208の判断処理の結果、特図保留が記憶されていない場合は(S208:no)、所定時間(例えば1分間)継続して遊技球の発射が停止されているか否かを判断する(S210)。例えば、遊技球を検知するセンサーを、外レール14と内レールとの間や、発射装置ユニット12、遊技領域11などに設け、該センサーが所定時間(例えば1分間)継続して遊技球を検知していないか否かを判断する。そして、所定時間継続して遊技球の発射が停止されている場合は(S210:yes)、非遊技中とすべく遊技中フラグをOFFに設定した後(S212)、図9に示す遊技中判断処理を終了する。すなわち、本実施例のパチンコ機1では、図柄変動遊技が実行されておらず、特図保留が記憶されていない場合において、所定時間継続して遊技球の発射が停止されていれば、非遊技中と判断する。これに対して、図柄変動遊技の実行中である場合や、特図保留が記憶されている場合、所定時間継続して遊技球の発射が停止されていない場合は、非遊技中であるとは判断しない。
尚、上述したように遊技中であるか非遊技中であるかを判断するサブ制御基板220のCPU221は、本発明における「遊技判断手段」として機能するものである。
D−2−2.呼込演出処理 :
図10〜図12は、サブ制御基板220のCPU221によって実行される呼込演出処理を示すフローチャートである。この呼込演出処理も、「低確率・非電サポ状態」中において所定周期毎(例えば4msec毎)に発生するタイマ割り込みに基づき行われる処理であり、この呼込演出処理では、呼込演出を行うための処理が行われる。
サブ制御基板220のCPU221は、呼込演出処理を開始すると先ず、「呼込対応期間」の開始タイミングであるか否かを判断する(S300)。「呼込対応期間」とは、後述する所定の条件が成立すれば呼込演出を開始する期間である。本実施例のパチンコ機1では、「呼込対応期間」の開始タイミングはパチンコ機1に電源が投入されたときに決定される。すなわち、パチンコ機1に電源が投入されると、サブ制御基板220のCPU221は、逐次更新されるタイミング決定乱数を取得する。そして、後述するタイミング決定テーブルを参照して、取得したタイミング決定乱数に対応する「呼込対応期間の開始タイミング」を今回の電源投入後の「呼込対応期間の開始タイミング」として決定(選択)する。尚、「呼込対応期間」が本発明における「設定期間」に対応する。
図13は、本実施例のタイミング決定テーブルを概念的に示す説明図である。図13に示すように、タイミング決定テーブルには、複数の「呼込対応期間の開始タイミング」が設定されており、各「呼込対応期間の開始タイミング」にはそれらを互いに識別するためのタイミングID(A〜D)が付されている。以下では、タイミングIDとしてA〜Dが付された「呼込対応期間の開始タイミング」を「開始タイミングA〜D」とも表現する。
また、図13に示すように、タイミング決定テーブルにおいて、開始タイミングA〜Dには、タイミング決定乱数が割り振られており、これによって、開始タイミングA〜Dが選択される確率が設定されている。
詳しくは、開始タイミングAとしては、パチンコ機1の電源投入から3時間後、6時間後、9時間後、12時間後が設定されており、開始タイミングBとしては、電源投入から5時間後、9時間後、11時間後、13時間後が設定されており、開始タイミングCとしては、電源投入から8時間後、12時間後、12.5時間後、13時間後が設定されており、開始タイミングDとしては、10時間後、11時間後、12時間後、13時間後が設定されている。そして、これらの開始タイミングA〜Dは、電源投入時にそれぞれ25%の確率で決定(選択)される。
図13において括弧内に記載された時刻は、パチンコ機1の電源が9時に投入された場合(遊技ホールの営業時間中)の呼込対応期間の開始タイミングを時刻で表したものである。すなわち、開始タイミングAが選択された場合は、電源投入から3時間後である12時、6時間後である15時、9時間後である18時、12時間後である21時に呼込対応期間が開始され、開始タイミングBが選択された場合は、電源投入から5時間後である14時、9時間後である18時、11時間後である20時、13時間後である22時に呼込対応期間が開始され、開始タイミングCが選択された場合は、電源投入から8時間後である17時、12時間後である21時、12.5時間後である21時30分、13時間後である22時に呼込対応期間が開始され、開始タイミングDが選択された場合は、電源投入から10時間後である19時、11時間後である20時、12時間後である21時、13時間後である22時に呼込対応期間が開始される。
尚、開始タイミングA〜D(設定期間)は、予めサブ制御基板220のROM222に記憶されている。従って、サブ制御基板220のROM222は本発明における「設定期間記憶手段」として機能するものである。
また、サブ制御基板220のCPU221は、遊技中であるか非遊技中であるに拘わらず所定周期(例えば4msec毎)でカウント値を更新しており、該カウント値が呼込期間(設定期間)の開始タイミングに対応する値となったら呼込対応期間を開始する。そして、該カウント値が呼込期間(設定期間)の終了タイミング(例えば呼込対応期間を開始してから10分後)に対応する値となったら呼込対応期間を終了する。すなわち、サブ制御基板220のCPU221は、上述のカウント値に基づいて設定期間中であるか否かを判断している。従って、サブ制御基板220のCPU221は、本発明における「更新手段」および「設定期間判断手段」として機能するものである。尚、呼込対応期間中であるか否かの判断は、リアルタイムクロック(RTC)や、サブ制御基板220のCPU221とは独立して所定の時間を計時可能なタイマなどの出力(カウント値)に基づいて行ってもよい。この場合は、リアルタイムクロック(RTC)やタイマが本発明における「更新手段」として機能する。
図10の説明に戻り、S300の判断処理で、呼込対応期間の開始タイミングであると判断された場合は(S300:yes)、呼込対応期間フラグをONに設定する(S302)。呼込対応期間フラグは、呼込対応期間中である場合にONに設定されるフラグであって、サブ制御基板220のRAM223にその記憶領域が確保されている。従って、S302の判断処理では、呼込対応期間の開始タイミングであることを受けて、呼込対応期間を開始すべく呼込対応期間フラグをONに設定する。尚、呼込対応期間は開始されてから10分間で終了する。
こうして呼込対応期間を開始したら(S302)、遊技中フラグがONに設定されているか否か、すなわち、遊技中であるか非遊技中であるか(遊技者によって遊技が行われているか否か)を判断する(S304)。その結果、非遊技中である場合は(S304:no)、呼込演出を開始する(S306)。上述したように本実施例のパチンコ機1では、呼込演出として、「高確率・電サポ状態」中の第2態様の図柄変動演出と少なくとも一部が共通する演出を行う。具体的には、ステッピングモーター27mを駆動させて、セグメント式の表示器27A,27B,27Cが横一列に並べられた状態(第1位置に配置された状態)から、左右のセグメント式の表示器27A,27Cが上方に移動され、中央のセグメント式の表示器27Bが下方に移動された状態(第2位置に配置された状態)とする(図8参照)。また、セグメント式の表示器27A,27B,27Cの所定の発光部(セグメント)を赤色(第2色)に発光させる。すなわち、図柄変動遊技(遊技者による遊技)が行われていないことから、セグメント表示装置27では識別図柄27a,27b,27cの変動表示は行われないものの、「高確率・電サポ状態」中の図柄変動演出と同様に、セグメント式の表示器27A,27B,27Cの発光部(セグメント)を赤色(第2色)に発光させる。この場合、所定の数字や文字を赤色(第2色)で表示することとしてもよいし、赤色(第2色)に発光させる発光部(セグメント)を切り換えることとしてもよい。こうして呼込演出を開始したら(S306)、図10〜図12に示す呼込演出処理を終了する。これに対して、S304の判断処理で、遊技中である(遊技者によって遊技が行われている)と判断された場合は(S304:yes)、呼込演出を開始することなく(S306の処理を省略して)、図10〜図12に示す呼込演出処理を終了する。
以上のように本実施例のパチンコ機1では、呼込対応期間が開始される場合に非遊技中であれば(遊技者によって遊技が行われていなければ)、呼込演出を開始する。これに対して、呼込対応期間が開始される場合であっても、遊技中であれば(遊技者によって遊技が行われていれば)、呼込演出は開始しない(呼込対応期間は開始される)。
以上は、S300の判断処理において呼込対応期間の開始タイミングであると判断された場合の処理(S300:yes)について説明した。これに対して、呼込対応期間の開始タイミングでない場合は(S300:no)、図11に移り、呼込対応期間フラグはONに設定されているか否か、すなわち、呼込対応期間中であるか否かを判断する(S400)。そして、呼込対応期間中である場合は(S400:yes)、既に呼込演出が実行されているか否かを判断する(S402)。その結果、未だ呼込演出が実行されていない場合は(S402:no)、呼込対応期間の終了タイミングであるか否か(呼込対応期間が開始されてから10分が経過したか否か)を判断し(S404)、呼込対応期間の終了タイミングでなければ(S404:no、呼込対応期間が継続されるのであれば)、遊技中フラグがOFFに設定されているか否か、すなわち、非遊技中であるか否かを判断する(S406)。
ここで、本実施例のパチンコ機1では、呼込対応期間が開始される場合に非遊技中であれば(遊技者によって遊技が行われていなければ)呼込演出を開始するものの、遊技中であれば(遊技者によって遊技が行われていれば)呼込演出を開始しない。また、呼込対応期間が開始された後も遊技中である限りは、呼込演出を開始することはない。従って、呼込対応期間中であって(S400:yes)呼込演出が実行されていない(S402:no)にも拘わらず、非遊技中であるということは(S406:yes)、今回新たに遊技中から非遊技中となった(遊技者によって遊技が停止された)ということである。このように呼込対応期間であって呼込演出が実行されていない状況下で、遊技者によって遊技が停止された場合は(S406:yes)、呼込演出を開始する(S408)。こうして呼込演出を開始したら(S408)、図10〜図12に示す呼込演出処理を終了する。これに対して、呼込対応期間中であっても遊技者によって遊技が継続されている場合は(S406:no)、呼込演出を開始することなく(S408の処理を省略して)図10〜図12に示す呼込演出処理を終了する。一方、S404の判断処理で、呼込対応期間の終了タイミングであると判断された場合は(S404:yes)、呼込対応期間を終了すべく、呼込対応期間フラグをOFFに設定した後(S410)、図10〜図12に示す呼込演出処理を終了する。尚、S400の判断処理で、呼込対応期間中でないと判断された場合は(S400:no)、そのまま図10〜図12に示す呼込演出処理を終了する。
以上のように本実施例のパチンコ機1では、呼込対応期間中に非遊技中となると(遊技者によって遊技が停止されると)、呼込演出を開始する。これに対して、呼込対応期間中であっても、遊技中のままであると(遊技者によって遊技が継続されていると)、呼び演出は開始しない。
以上は、S402の判断処理で、呼込演出の実行中でないと判断された場合の処理(S402:no)について説明した。これに対して、呼込演出の実行中である場合は(S402:yes)、図12に移り、呼込対応期間の終了タイミングであるか否か(呼込対応期間が開始されてから10分が経過したか否か)を判断する(S500)。その結果、呼込対応期間の終了タイミングでない場合は(S500:no)、遊技中フラグがONに設定されているか否か、すなわち、遊技中であるか否かを判断する(S502)。
ここで、本実施例のパチンコ機1では、遊技中でない場合に呼込演出が実行される。従って、呼込演出が実行されているにも拘わらず(図11のS402:yes)、遊技中であるということは(S502:yes)、今回新たに非遊技中から遊技中となった(遊技者によって遊技が開始された)ということである。このように呼込演出の実行中に遊技者によって遊技が開始された場合は(S502:yes)、呼込対応期間中であっても該呼込演出を終了する(S504)。尚、このように呼込演出を終了する場合であっても、呼込対応期間は、呼込対応期間の終了タイミングが到来するまで継続させる。
こうして呼込演出を終了したら(S504)、「呼込変動モードフラグ」をONに設定すると共に(S506)、「呼込変動モードカウンタ」の値に「5」を設定する(S508)。本実施例のパチンコ機1では、呼込演出の実行中に遊技が開始されることによって該呼込演出が終了された場合は、その後に5回の図柄変動演出(図柄変動遊技)が行われるまで「呼込変動モード」が設定される。詳しくは後述するが、この「呼込変動モード」では、該モードに対応する態様(具体的には、少なくとも一部が「高確率・電サポ状態」中に行われる第2態様の図柄変動演出と共通する態様)で図柄変動演出が行われる。「呼込変動モードフラグ」は呼込変動モードが設定されている場合にONに設定されるフラグであり、「呼込変動モードカウンタ」は呼込変動モードが終了するまでの図柄変動演出(図柄変動遊技)の残り回数が設定されるカウンタであり、これらはサブ制御基板220のRAM223にその記憶領域が確保されている。従って、「呼込変動モードフラグ」をONに設定すると共に(S506)、「呼込変動モードカウンタ」の値に「5」を設定する(S508)ことによって、5回の図柄変動演出(図柄変動遊技)が行われるまで継続する「呼込変動モード」が設定される。その後、図10〜図12に示す呼込演出処理を終了する。
以上のように本実施例のパチンコ機1では、呼込演出の実行中に遊技者によって遊技が開始されると、呼込対応期間中であっても該呼込演出を終了する。また、これに際して、5回の図柄変動演出(図柄変動遊技)が行われるまで継続する「呼込変動モード」が設定される。ここで、呼込変動モードは、「低確率・非電サポ状態」中に行われる上述した呼込演出処理(図10〜図12)において設定(開始)される。つまり、呼込変動モードは「低確率・非電サポ状態」中に設定(開始)される。この呼込変動モードはパチンコ機1の稼働率を高めるために設定(開始)されるところ、遊技者にとって有利な「高確率・電サポ状態」中は遊技者を呼び込まなくても稼働率が低下することは希であるので、「高確率・電サポ状態」中に呼込変動モードを開始する意義は小さい。また、「高確率・電サポ状態」中は既に第2態様の図柄変動演出が行われるので、自ずと第2態様の図柄変動演出が行われることとなり、呼込変動モードを開始する意義は小さい。そこで、本実施例のパチンコ機1では、呼込変動モードは、「高確率・電サポ状態」中は開始せず、「低確率・非電サポ状態」中に開始することとしている。
以上は、S500の判断処理で、呼込対応期間の終了タイミングでないと判断された場合の処理(S500:yes)について説明した。これに対して、呼込対応期間の終了タイミングである場合は(S500:yes)、呼込対応期間を終了すべく呼込対応期間フラグをOFFに設定すると共に(S510)、呼込演出を終了する(S512)。その後、図10〜図12に示す呼込演出処理を終了する。
以上のように本実施例のパチンコ機1では、呼込演出の実行中に呼込対応期間の終了タイミングとなると、呼込対応期間を終了すると共に該呼込演出も終了する。
尚、上述したように呼込演出(特定演出)を実行するサブ制御基板220のCPU221は、「特定演出実行手段」として機能するものである。
D−2−3.図柄変動演出処理 :
図14は、サブ制御基板220のCPU221よって実行される図柄変動演出処理を示すフローチャートである。この図柄変動演出処理では、通常は上記「D−1.遊技状態に対応した図柄変動演出」欄で説明した図柄変動演出(第1遊技演出)を行うための処理が行われるものの、呼込変動モードの設定中は該モードに対応する態様で図柄変動演出(第2遊技演出)を行うための処理が行われる。尚、この処理も、所定周期毎(例えば4msec毎)に発生するタイマ割り込みに基づき行われる。
サブ制御基板220のCPU221は、図柄変動演出処理を開始すると先ず、変動開始時コマンドを受信しているか否かを判断する(S600)。その結果、変動開始時コマンドを受信している場合は(S600:yes)、呼込変動モードフラグがONに設定されているか否か、すなわち、呼込変動モードの設定中であるか否かを判断する(S602)。その結果、呼込変動モードの設定中でない場合は(S602:no)、上記「D−1.遊技状態に対応した図柄変動演出」欄で説明した図柄変動演出(第1遊技演出)、すなわち、「低確率・非電サポ状態」中は第1態様(第1位置、第1色)で図柄変動演出(第1遊技演出)を開始し、「高確率・電サポ状態」中は第1態様と異なる第2態様(第2位置、第2色)で図柄変動演出(第1遊技演出)を開始する。
具体的には、サブ制御基板220のCPU221は、変動開始時コマンド(変動パターン指定コマンド)に基づいて、今回開始される図柄変動遊技の変動パターンが「低確率・非電サポ状態」用の変動パターン(「低確率・非電サポ状態」中に参照される変動パターン決定テーブルに設定された変動パターン)であるか、「高確率・電サポ状態」用の変動パターン(「高確率・電サポ状態」中に参照される変動パターン決定テーブルに設定された変動パターン)であるかを判断する。その結果、今回開始される図柄変動遊技の変動パターンが「低確率・非電サポ状態」用の変動パターンである場合は、セグメント式の表示器27A,27B,27Cの所定の発光部(セグメント)を青色(第1色)に発光させながら、該変動パターンに対応する演出パターンで識別図柄27a,27b,27cの変動表示を行う。これに対して、今回開始される図柄変動遊技の変動パターンが「低確率・非電サポ状態」用の変動パターンである場合は、セグメント式の表示器27A,27B,27Cの所定の発光部(セグメント)を赤色(第2色)に発光させながら、該変動パターンに対応する演出パターンで識別図柄27a,27b,27cの変動表示を行う。
ここで、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200のCPU201から送信される遊技状態指定コマンドに基づいて、遊技状態が「低確率・非電サポ状態」から「高確率・電サポ状態」に移行したか否かを判断する。その結果、遊技状態が「低確率・非電サポ状態」から「高確率・電サポ状態」に移行した場合は、ステッピングモーター27mを駆動させて、セグメント式の表示器27A,27B,27Cが横一列に並べられた状態(第1位置に配置された状態)から、左右のセグメント式の表示器27A,27Cが上方に移動され、中央のセグメント式の表示器27Bが下方に移動された状態(第2位置に配置された状態)とする。また、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200のCPU201から送信される遊技状態指定コマンドに基づいて、遊技状態が「高確率・電サポ状態」から「低確率・非電サポ状態」に移行したか否かを判断する。その結果、遊技状態が「高確率・電サポ状態」から「低確率・非電サポ状態」に移行した場合は、ステッピングモーター27mを駆動させて、左右のセグメント式の表示器27A,27Cが上方に移動され、中央のセグメント式の表示器27Bが下方に移動された状態(第2位置に配置された状態)から、セグメント式の表示器27A,27B,27Cが横一列に並べられた状態(第1位置に配置された状態)とする。従って、「低確率・非電サポ状態」中は、セグメント表示装置27のセグメント式の表示器27A,27B,27Cは横一列に並べられた状態(第1位置に配置された状態)で識別図柄27a,27b,27cの変動表示が行われ、「高確率・電サポ状態」中は、セグメント表示装置27の左右のセグメント式の表示器27A,27Cが上方に移動され、中央のセグメント式の表示器27Bが下方に移動された状態(第2位置に配置された状態)で識別図柄27a,27b,27cの変動表示が行われる。
一方、S602の判断処理で、呼込変動モードの設定中であると判断された場合は(S602:yes)、呼込変動モードに対応する態様(少なくとも一部が第2態様の図柄変動演出と共通する態様、少なくとも一部が呼込演出と共通する態様)で図柄変動演出(第2遊技演出)を開始する(S606)。
具体的には、サブ制御基板220のCPU221は、今回開始される図柄変動遊技の変動パターンが「低確率・非電サポ状態」用の変動パターンであっても、セグメント式の表示器27A,27B,27Cの所定の発光部(セグメント)を赤色(第2色)に発光させながら、該変動パターンに対応する演出パターンで識別図柄27a,27b,27cの変動表示を行う。すなわち、呼込変動モードの設定中は、「低確率・非電サポ状態」中であっても、「高確率・電サポ状態」中と同様に、セグメント表示装置27で変動表示される識別図柄27a,27b,27cを赤色(第2色)で表示する図柄変動演出を行う。
また、サブ制御基板220のCPU221は、呼込変動モードが設定された後、1回目の図柄変動演出が開始されるに際して、ステッピングモーター27mを駆動させて、セグメント式の表示器27A,27B,27Cが横一列に並べられた状態(第1位置に配置された状態)から、左右のセグメント式の表示器27A,27Cが上方に移動され、中央のセグメント式の表示器27Bが下方に移動された状態(第2位置に配置された状態)とする。従って、呼込変動モードの設定中は、「低確率・非電サポ状態」中であっても、「高確率・電サポ状態」中と同様に、セグメント表示装置27の左右のセグメント式の表示器27A,27Cが上方に移動され、中央のセグメント式の表示器27Bが下方に移動された状態(第2位置に配置された状態)で識別図柄27a,27b,27cの変動表示が行われる。
以上のように本実施例のパチンコ機1では、呼込変動モードの設定中は、「低確率・非電サポ状態」中であっても、「高確率・電サポ状態」中と同様に、第2態様(第2位置、第2色)で図柄変動演出が行われる。
また、図柄変動演出処理では、図柄停止コマンドを受信しているか否かを判断する(S608)。その結果、図柄停止コマンドを受信している場合は(S608:yes)、実行中の図柄変動演出を終了する(S610)。そして、呼込変動モードフラグがONに設定されているか否か、すなわち、呼込変動モードの設定中であるか否かを判断する(S612)。その結果、呼込変動モードの設定中である場合は(S612:no)、呼込変動モードの設定中に1回の図柄変動演出が行われたことを受けて、呼込変動モードが終了するまでの図柄変動演出の残り回数を1回減算すべく、呼込変動モードカウンタの値を「1」減算する(S614)。そして、呼込変動モードカウンタの値を「1」減算した結果(S614)、呼込変動モードカウンタの値が「0」になったか否か、すなわち、呼込変動モードが終了するまでの図柄変動演出の残り回数が0回になったか否かを判断する(S616)。その結果、該残り回数が「0回」になった場合は(S616:yes)、呼込変動モードを終了すべく、呼込変動モードフラグをOFFに設定した後(S618)、図14に示す図柄変動演出処理を終了する。これに対して、未だ該残り回数が「0回」になっていない場合は(S616:no)、呼込変動モードを終了させることなく(S618の処理を省略して)、図14に示す図柄変動演出処理を終了する。
以上のように本実施例のパチンコ機1では、呼込変動モードの設定中は呼込変動モードに対応する態様(少なくとも一部が第2態様の図柄変動演出と共通する態様、少なくとも一部が呼込演出と共通する態様)で図柄変動演出を実行し、該図柄変動演出が5回行われると、呼込変動モードを終了する。尚、呼込変動モードが終了した後は、当然ながら、上述したような遊技状態に対応する図柄変動演出、すなわち、「低確率・非電サポ状態」中のままであれば第1態様の図柄変動演出、「高確率・電サポ状態」に移行していれば第2態様の図柄変動演出が行われる。
D−3.呼込演出に係るタイミングチャート :
図15および図16は、本実施例の呼込演出に係るタイムチャートである。図15(a)に示すように、本実施例のパチンコ機1では、呼込対応期間の開始タイミングとしては、遊技中であるか非遊技中であるかに拘わらず、パチンコ機1に電源が投入されてからの時間(遊技ホールの営業時間中の時刻)が設定されている(予め定められている)。また、この開始タイミングとしては、開始タイミングA〜Dの何れかが抽選で決定される。また、呼込対応期間は開始されてから10分が経過すると終了する。もっとも、呼込対応期間であれば呼込演出が行われるわけではなく、図15(b)に示すように、遊技中である場合は(遊技者によって遊技が行われている場合は)呼込演出は実行されず、図15(c)に示すように、非遊技中である場合に(遊技者によって遊技が行われていない場合に)呼込演出が実行される。
こうすると、予め定められた時間(時刻、呼込対応期間の開始タイミング)に非遊技中であれば(遊技者によって遊技が行われていなければ)呼込演出を実行することとなるので、遊技が行われていない可能性の高い時間であって遊技が行われていない場合に狙いを定めて呼込演出を実行することができる。この結果、遊技者が呼込演出に対して新鮮味を感じなくなることを抑制しつつ呼込演出を行うことができ、遊技者の興味を遊技が行われていないパチンコ機1に惹き付けることが可能となる。
また、呼込演出の開始タイミングとしては、開始タイミングA〜Dから選択されるので呼込演出の開始タイミングを多様化することができる。また、隣接する複数のパチンコ機1同士で呼込演出の開始タイミングを異ならせることができる。このことによっても、遊技者が呼込演出に対して新鮮味を感じなくなることを抑制することができ、遊技者の興味を遊技が行われていないパチンコ機1に惹き付けることが可能となる。
また、図15(a)に示すように、呼込対応期間の発生頻度は、パチンコ機1に電源が投入されてから(遊技ホールの営業が開始されてから)所定時間(例えば9時間)が経過する前より、該所定時間が経過した後の方が高い。ここで、一般的な遊技ホールでは閉店時間が近づくと、遊技時間の確保が難しいことから、新たに遊技を開始する遊技者が少なくなる傾向にある。この点、本実施例のパチンコ機1では、上述のように構成されているので、閉店時間近くにて呼込対応期間の発生頻度を高めることができ、ひいては、呼込演出の実行頻度を高めることができる。この結果、新たに遊技を開始する遊技者が少なくなる時間帯において、遊技者の興味を遊技が行われていないパチンコ機1に惹き付けることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ機1では、図16(a)に示すように、呼込対応期間が開始されるに際して、遊技中であれば(遊技者によって遊技が行われていれば)、呼込演出は開始されないものの、該呼込対応期間が終了する前に非遊技中となると(遊技者によって遊技が停止されると)、呼込演出が開始される。
こうすると、予め定められた時間帯(呼込対応期間)にて遊技が停止されたら、呼込演出を実行することとなるので、遊技が行われていない可能性の高い時間帯(呼込対応期間)であって遊技が停止されるタイミングに狙いを定めて呼込演出を実行することができる。この結果、遊技者の興味を遊技が行われていないパチンコ機1に更に惹き付けることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ機1では、図16(b)に示すように、呼込対応期間が開始されるに際して、非遊技中であれば(遊技者によって遊技が行われていなければ)、呼込演出が開始されるものの、該呼込演出の実行中に遊技中となると(遊技者によって遊技が開始されると)、呼込対応期間中であっても該呼込演出を終了する。
ここで、遊技を開始したのにも拘わらず呼込演出が実行されたままであると、遊技者の中には該呼込演出を煩わしく感じる遊技者も存在する。また、遊技が開始された後も該呼込演出を継続すると遊技者に過度の期待感を付与する恐れもある。この点、本実施例のパチンコ機1は、上述のように、遊技が開始されると呼込演出を終了するので、該呼込演出を遊技者が煩わしく感じたり、遊技者が過度の期待感を抱いたりすることを抑制することができる。
また、本実施例のパチンコ機1では、呼込演出として、「高確率・電サポ状態」中の第2態様(第2位置、第2色)の図柄変動演出と少なくとも一部が共通する演出を行う。こうすると、呼込演出を認識した遊技者に対して、遊技状態が「高確率・電サポ状態」が設定されているように感じさせることができる。この結果、遊技者の興味をパチンコ機1に更に惹き付けることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ機1では、図16(b)に示すように、該呼込演出の実行中に遊技中となると(遊技者によって遊技が開始されると)、5回の図柄変動演出(図柄変動遊技)が行われるまで継続する呼込変動モードが設定される。そして、呼込変動モードの設定中は、「低確率・非電サポ状態」中であっても、「高確率・電サポ状態」中と同様に、第2態様(第2位置、第2色)で図柄変動演出が行われる。
こうすると、予め定められた時間帯(呼込対応期間)に遊技が開始された場合に、「高確率・電サポ状態」中と同様の第2態様(第2位置、第2色)で図柄変動演出が行われることとなる。従って、遊技が行われていない可能性の高い時間帯(呼込対応期間)に遊技を開始する遊技者に狙いを定めて、「高確率・電サポ状態」中と同様の第2態様(第2位置、第2色)で図柄変動演出を実行することができる。この結果、遊技状態が「高確率・電サポ状態」が設定されているように感じさせることができ、遊技者の興味をパチンコ機1に惹き付けることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ機1では、5回の図柄変動演出(図柄変動遊技)が行われたら呼込変動モードが終了し、以降の図柄変動遊技では遊技状態に対応した図柄変動演出が行われる。すなわち、「高確率・電サポ状態」が設定されない限りは「低確率・非電サポ状態」に対応する第1態様の図柄変動演出が行われる。ここで、「高確率・電サポ状態」中と同様の第2態様(第2位置、第2色)で図柄変動演出を行うと遊技者の興味をパチンコ機1に惹き付けることができるものの、該図柄変動演出を継続して行っていると、遊技者が該図柄変動演出に飽きてしまい、第2態様での図柄変動演出の遊技者にとっての価値が低下してしまいかねない。この点、本実施例のパチンコ機1では、呼込対応期間中に遊技が開始されてから5回の図柄変動遊技まで第2態様で図柄変動演出を行う。従って、遊技者にとっての第2遊技演出の価値が低下してしまうことを抑制しつつも、5回分の図柄変動遊技では第2態様での図柄変動演出を遊技者に確実に認識させることができる。
また、本実施例のパチンコ機1では上述したように、呼込対応期間中、すなわち、呼込演出の実行中に遊技が開始されると、呼込変動モードが開始されることとなる。従って、呼込演出を実行することによって、遊技を今開始すれば呼込変動モードが開始されることを遊技者に報知することとなる。すなわち、呼込演出を呼込対応期間中であることを遊技者に報知する報知演出として捉えることができる。この結果、呼込変動モード(第2態様での図柄変動演出)を体感したい遊技者の興味をパチンコ機1に更に惹き付けることが可能となる。
E.変形例 :
次に、本発明の変形例について説明する。上述した実施例では、セグメント表示装置27(セグメント式の表示器27A,27B,27C)に表示される識別図柄27a,27b,27cを変動表示させることによって図柄変動演出を行うこととした。これに限らず、液晶表示器からなる液晶表示装置を設け、該液晶表示装置にて図柄変動演出を行うこととしてもよい。
例えば、図17に示すような液晶表示装置50を遊技領域11の略中央に設け、その表示画面上に、3つの識別図柄50a,50b,50cと、その背景の背景画像50dを表示する。そして、3つの識別図柄50a,50b,50cを、第1特別図柄表示部30および第2特別図柄表示部33における特別図柄の変動表示の開始と同期して変動表示を開始させ、その後、特別図柄の変動時間が経過するまで種々の態様で変動表示を行わせる。そして、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)と同期して3つの識別図柄50a,50b,50cの変動表示を終了させることとしてもよい。
そして、このような構成とした場合は、「高確率・電サポ状態」中は、「低確率・非電サポ状態」中の図柄変動演出の態様(第1態様)とは異なる態様(第2態様)で図柄変動演出を行うことする。例えば、「低確率・非電サポ状態」中は、青色の背景画像50dを表示すると共にキャラクターが付されていない識別図柄50a,50b,50cを変動表示させることとする。また、遊技領域11あるいはその周辺に設けられた部材(いわゆる可動役物)を所定位置(可動前位置)に配置された状態とする共に該部材に何れの動作も行わせない(あるいは横移動などの第1動作を行わせる)こととする。これに対して、「高確率・電サポ状態」中は、赤色の背景画像50dを表示すると共にキャラクターが付された識別図柄50a,50b,50cを変動表示させる図柄変動演出(第2態様の図柄変動演出)を行う。また、遊技領域11あるいはその周辺に設けられた部材(いわゆる可動役物)を上述の所定位置とは異なる位置(可動後位置)に配置された状態とする共に該部材に所定の動作を行わせる(あるいは第1動作と異なる縦移動などの第2動作を行わせる)こととする。
そして、呼込演出としては、「高確率・電サポ状態」中の図柄変動演出と少なくとも一部が共通する演出を実行する。すなわち、赤色の背景画像50dを表示すると共にキャラクターが付された識別図柄50a,50b,50cを表示する演出を実行する。また、遊技領域11あるいはその周辺に設けられた部材(いわゆる可動役物)を所定位置とは異なる位置(可動後位置)に配置された状態とする共に該部材に所定の動作を行わせる(あるいは第1動作と異なる縦移動などの第2動作を行わせる)演出を実行する。また、呼込変動モードの設定中は、「低確率・非電サポ状態」中であっても、「高確率・電サポ状態」中の図柄変動演出(あるいは呼込演出)と少なくとも一部が共通する演出を実行する。すなわち、赤色の背景画像50dを表示すると共にキャラクターが付された識別図柄50a,50b,50cを変動表示する演出を実行する。
このような変形例の構成とした場合も、上述した実施例と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した実施例および変形例では、呼込演出の実行中に遊技中となると(遊技者によって遊技が開始されると)、呼込演出を終了すると共に呼込演出モードを設定することとした。これに限らず、呼込演出の実行中に遊技中となると(遊技者によって遊技が開始されると)、呼込演出を終了するものの呼込演出モードは設定しないこととしてもよい。また、呼込対応期間中に呼込演出を実行しないこととし、該呼込対応期間中に遊技中となると(遊技者によって遊技が開始されると)、呼込演出モードを設定することとしてもよい。
また、上述した実施例では、呼込演出の実行中に遊技中となると(遊技者によって遊技が開始されると)、呼込演出を終了すると共に呼込演出モードを設定するところ、この場合は、呼込演出が終了してもセグメント式の表示器27A,27B,27Cを第2位置に配置された状態としたままにしてもよい。すなわち、呼込変動モードの設定中はセグメント式の表示器27A,27B,27Cを第2位置に配置された状態で図柄変動演出が行われることから、呼込演出におけるセグメント式の表示器27A,27B,27Cの配置状態(第2位置に配置された状態)をそのまま呼込変動モードの設定中に持ち越してもよい(引き継いでもよい)。
また、上述した実施例においては、呼込変動モードの設定中に遊技状態が「低確率・非電サポ状態」から「高確率・電サポ状態」に移行した場合は、呼込変動モードの開始から5回の図柄変動演出が行われる前であっても、該呼込変動モードを終了することとしてもよい。すなわち、「高確率・電サポ状態」中は呼込変動モードの設定中と少なくとも一部が共通する図柄変動演出が行われることから、呼込変動モードを継続させる意義が小さいためである。
また、上述した実施例においては、呼込対応期間の開始タイミングとしては、パチンコ機1に電源が投入されてからの経過時間が設定されていることとしたが、該開始タイミングとして時刻を設定し、リアルタイムクロック(RTC)等が出力する時刻が開始タイミングとなったら呼込対応期間を開始することとしてもよい。
また、上述した実施例および変形例においては、呼込対応期間以外の期間において、非遊技中となってから(遊技者による遊技が停止されてから)所定時間が経過した場合は、いわゆる従来のパチンコ機と同様のいわゆるデモ演出を行うこととしてもよい。デモ演出としては、例えば、遊技機の題材となったアニメやドラマの映像を表示する演出や、遊技機の製造元や販売元の企業ロゴを表示する演出等を行うこととしてもよい。
また、上述した実施例および変形例においては、大当り遊技の他に、大入賞口31の開放時間が大当り遊技より短い(例えば0.2秒×2回)小当り遊技を実行可能としてもよい。例えば、特別図柄の種類として、大当り図柄および外れ図柄に加えて、小当り図柄を設け、図柄変動遊技の結果、小当り図柄が停止表示されると、小当り遊技を行うように構成してもよい。
また、上述した実施例では、大当り遊技終了に伴って遊技状態を「高確率・電サポ状態」に設定した後、大当り遊技が行われることなく80回の図柄変動遊技が実行されると、遊技状態を「低確率・非電サポ状態」に設定する構成とした。これに限らず、大当り遊技終了に伴って遊技状態を「高確率・電サポ状態」に設定すると、次に大当り遊技が行われるまで遊技状態を「高確率・電サポ状態」に設定したままとする構成としてもよい。また、大当り遊技終了に伴って遊技状態を「高確率・電サポ状態」に設定した後、所定の回数の図柄変動遊技が実行されると、遊技状態を「高確率状態および非電サポ状態」または「低確率状態および電サポ状態」に設定する構成としてもよい。この様な構成とした場合は、「高確率状態および非電サポ状態」、「低確率状態および電サポ状態」が本発明における「有利状態」に相当する。
また、上述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口16、第2始動口17、大入賞口31d等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAMに記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。