JP6256312B2 - 竪型炉の羽口部構造及び竪型炉並びに乾留生成物の製造方法 - Google Patents

竪型炉の羽口部構造及び竪型炉並びに乾留生成物の製造方法 Download PDF

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本発明は、竪型炉に装入された成型物を乾留する竪型炉の羽口部構造、及び、この羽口部構造を有する竪型炉、並びに、該竪型炉を用いて成型物を乾留して乾留生成物を製造する方法に関する。
高炉操業に用いられるコークスには、還元材としての役割、熱源としての役割や、高炉内の通気性をよくするためのスペーサーとしての役割、があり、スペーサーの役割を効果的に果たすように、高炉操業には塊状コークスが多く用いられる。近年、塊状コークスとなり易い粘結性が高い石炭が高価になってきており、この石炭の代わりに、粘結性が低い安価な石炭から成型コークスを製造し、該成型コークスを高炉操業に用いる技術がある。また、コークスの反応性を向上させるという観点から、石炭に鉄鉱石を混合し、所定の大きさに成型した成型物を乾留して得られるフェロコークスを高炉に用いる技術も知られている。
成型コークスを製造する場合には、竪型炉を用いて成型炭(成型物)の乾留を行う。鉄鉱石を含むフェロコークスを製造する場合でも、成型コークスの場合と同様に、竪型炉を用いて成型物の乾留を行う。通常の室炉式コークス炉は珪石煉瓦で構成されており、該室炉式コークス炉にフェロコークスの原料となる成型物を装入した場合、成型物中の鉄鉱石が珪石煉瓦の主成分であるシリカと反応し、低融点のファイアライトが生成して珪石煉瓦の損傷を招いてしまうという問題がある。このため、フェロコークスを乾留する場合も、室炉式コークス炉ではなく竪型炉を用いる。竪型炉として、例えば、特許文献1や特許文献2には、石炭を冷間で所定の大きさに成型後、シャモット煉瓦で構成される竪型シャフト炉(竪型炉に相当)に装入し、循環熱媒ガスを用いて加熱することにより成型炭を乾留し、成型コークスを製造することが記載されている。
特開2011−57970号公報 特開2011−226766号公報
成型コークスやフェロコークスなどの、竪型炉で成形物を乾留して得られる乾留生成物の品質、特に、乾留生成物の乾留率や強度を向上させるために、660℃以上850℃以下の温度範囲で成型物の乾留が行なわれることが望ましい。660℃未満の温度範囲で乾留すると、そうでない場合に比べ、乾留生成物内部の熱応力が高くなり、乾留生成物が割れてしまうおそれがある。一方、850℃を超えると、乾留の過剰進行が発生し、乾留生成物が脆弱化する。
しかしながら、従来の羽口部構造を有する竪型シャフト炉では、羽口に供給する熱媒ガス温度の温度を850℃以上とせずに、乾留対象の全ての成型物が660℃以上となるように雰囲気温度を上昇させることが容易ではない。竪型炉の構造上、羽口の近傍において、熱媒ガスから雰囲気への伝熱量が最大となり雰囲気温度が最も高くなるが、羽口から遠くなるにつれて、雰囲気温度は低くなり、羽口位置での水平面において温度分布が生じてしまう。竪型炉の操業において、炉壁に設けられた羽口から高温の熱媒ガスを吹き込み、竪型炉内に乾留ゾーンを形成するとともに、炉頂部から成型物を装入し、竪型炉内に成型物を充填する。成型物は竪型炉内を降下するとともに、前記乾留ゾーンにて成型物の乾留が行われ、竪型炉の下部から、成型コークスやフェロコークスなどの乾留生成物が排出される。成型物は乾留ゾーンを降下して鉛直方向には移動するものの、水平方向にはほとんど移動せず、竪型炉の水平面における成型物の位置で、乾留時の雰囲気温度が決まり、乾留中の成型物の温度も決まる。水平面において羽口の近傍を通過する成型物は、羽口から遠い位置を通過する成型物よりも、乾留ゾーンを通過する際の温度が高くなる傾向がある。
羽口位置の水平面において、羽口から遠い部分の温度を上げるために、羽口から吹き込む熱媒ガスの温度を上昇させることが考えられる。しかしながら、温度を過度に上げようとすると、熱媒ガスを加熱するのにコストが掛かってしまう上に、乾留生成物の乾留が過剰に進行してしまう。過剰乾留を防ぐ理由から、乾留ゾーンの高温部を形成するための熱媒ガスの温度を最高で850℃程度とすると、前述の通り、その温度の熱媒ガスを羽口に吹き込んでも、従来の竪型炉の羽口部の構造では、羽口から最も遠い部分の雰囲気温度を高くして、成型物を660℃以上の温度に到達させることは容易ではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、竪型炉に吹き込む熱媒ガスの温度を、850℃以上などに過度に高くすることなく、竪型炉内で、水平面(水平断面)において羽口から遠い部分の温度を上昇させて、乾留中に、成型物を660℃以上の温度に容易に到達させることを可能とする竪型炉の羽口部構造、及び、該羽口部構造を有する竪型炉を用いて乾留生成物を製造する方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
(1)竪型炉の羽口部構造であって、竪型炉に形成される羽口部から水平方向に延在するように、前記竪型炉の内壁に取り付けられる中空状の部材を有し、前記部材には、前記羽口部に含まれる羽口から離れた位置に開口が形成され、該開口と前記羽口とを連通させるガス流路が形成されていることを特徴とする竪型炉の羽口部構造。
(2)前記部材は、850[℃]で20[W/(m・K)]以上の熱伝導率を有することを特徴とする上記(1)に記載の竪型炉の羽口部構造。
(3)前記羽口が閉塞されていることを特徴とする上記(2)に記載の竪型炉の羽口部構造。
(4)上記(1)ないし上記(3)のいずれかに記載の竪型炉の羽口部構造を有する竪型炉。
(5)上記(4)に記載の竪型炉を用いて乾留生成物を製造する方法であって、竪型炉に成型物を充填し、熱媒ガスが吹き込まれる羽口での水平断面における成型物の温度が660〜850[℃]となるように、前記熱媒ガスを前記竪型炉内に吹き込んで、乾留ゾーンを形成し、該乾留ゾーンで前記成型物を乾留することを特徴とする乾留生成物の製造方法。
本発明によれば、竪型炉内では、羽口部から水平方向に延在する中空状の部材が内壁に取り付けられ、前記部材には、羽口から離れた位置に開口が形成され且つ開口と羽口とを連通させるガス流路が形成されているので、羽口から熱媒ガスを竪型炉内に流出させるとともに、ガス流路を通じて開口からも竪型炉内に熱媒ガスを流出させることが可能となる。その結果、過度に温度を高くした熱媒ガスを羽口に吹き込まなくても、羽口の熱媒ガスを水平方向において羽口から離れた位置の開口に送り込み、熱媒ガスの熱を開口部分に伝え、該開口部分の温度を上昇させて、乾留中の全ての成型物の温度を660℃以上に容易にすることができる。これにより、乾留生成物の乾留率を向上させる。また、羽口部の水平断面において、最低温度を上昇させることが可能となり、羽口部の水平断面における温度分布の最高温度と最低温度との差を小さくすることもできる。これにより、乾留中の成型物の温度の最高温度と最低温度との差が小さくなるので、乾留生成物の乾留率及び強度のばらつきも抑え得る。
竪型炉を示す概略斜視図である。 図1に示すII−II線に沿った水平断面図である。 羽口部構造を含む竪型炉の内部の一部を示す概略斜視図 図1に示すIV−IV線に沿った図3に示す羽口部構造の水平断面における成型物の温度分布を示すコンター図である。 図3に示す形態とは別の形態の羽口部構造を含む竪型炉の内部の一部を示す概略斜視図 図1に示すIV−IV線に沿った図5に示す羽口部構造の水平断面における成型物の温度分布を示すコンター図である。
添付図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は、竪型炉を示す概略斜視図である。竪型炉1には炉頂部に装入口11が設けられ、底面部に排出口(図示せず)が設けられている。本実施形態では、装入口11から成型物2を竪型炉1に装入して竪型炉1内に充填するとともに、竪型炉1に高温の熱媒ガスを吹き込み、高温の乾留ゾーン3を形成し、該乾留ゾーン3で成型物2を乾留して、乾留生成物13を生成する。そして、乾留後の高温の乾留生成物13を冷却して排出口から排出する。成型物2とは、鉄鉱石の有無に拘らず、成型された成型炭のことをいう。なお、竪型炉1内での成型物2の充填層の上面を充填層最高レベル22と呼ぶ。
竪型炉1は、鉛直下方向Aに延長し、内部が空洞の直方体形状をしており、相対する2つの炉壁(側壁)1aに、炉内ガス排出口21、高温ガス吹き込み羽口23、冷却ガス吹き込み羽口24が、炉頂部から下方にこの順番で設けられている。炉内ガス排出口21及び各羽口23及び24には、それぞれに配管25が接続され、炉内ガス排出口21から竪型炉1外へ炉内ガスを排出し、高温ガス吹き込み羽口23と冷却ガス吹き込み羽口24とから、竪型炉1内に熱媒ガスを供給する。炉内ガス排出口21は、相対する炉壁にある必要はなく炉の上部にあってもよいし、装入口11と同一でもよい。また、熱媒ガスとしては、一般的には、炉内ガス排出口21から得られる炉内ガスの一部を用いるが、Nなどの不活性ガスを用いることもできる。炉内ガスは、成型炭を乾留する際に発生するメタンなどを含有するコークス炉ガスである。図示は省略しているが、配管25は、加熱装置、冷却装置、集塵機やデカンターなどの分離装置、に繋がっており、炉内ガス排出口21からの炉内ガスから、タールや、燃料ガス成分の余剰分を回収し、残部を熱媒ガスとして用い、該熱媒ガスを適宜加熱冷却して、各羽口23,24に供給する。
竪型炉1内における、充填層最高レベル22から高温ガス吹き込み羽口23までの間を乾留ゾーン3、高温ガス吹き込み羽口23から冷却ガス吹き込み羽口24までの間を冷却ゾーン4とし、乾留ゾーン3、冷却ゾーン4に応じた温度の熱媒ガスを各ゾーンに供給する。高温ガス吹き込み羽口23に供給する熱媒ガスの温度は、700〜850℃とし、冷却ガス吹き込み羽口24に供給する熱媒ガスの温度は、10〜50℃とする。高温ガス吹き込み羽口23に供給する熱媒ガスの温度によって、乾留ゾーン3を通過する成型物2が到達する最高温度が決まる。
図2は、図1に示すII−II線に沿った水平断面図であり、水平断面は正方形状となっている。竪型炉1は内部が高温となるため、炉壁1aの内面には耐火物34が取り付けられている。耐火物34で囲まれる内部は空洞となっており、図2では、成型物の図示を省略してあるが、実際は、この内部に成型物2が充填される。なお、炉壁1aとしては、鉄皮を採用することができる。耐火物34としては、珪石レンガ、シャモットレンガや、キャスタブルなどを採用することができるが、成型物2が、フェロコークスの原料のように、鉄鉱石を含む場合には、鉄鉱石が珪石レンガの主成分であるシリカと反応してしまうおそれがあるため、珪石レンガではなく、シャモットレンガを採用する。
充填された成型物2は、水平方向B及び水平方向Cに移動し難い一方で、成型物2は竪型炉1内を重力に従って鉛直下方向Aに移動(降下)していき、最も高温となる高温ガス吹き込み羽口23の近傍を含む乾留ゾーン3に入る。本実施形態においては、竪型炉1の水平断面は図2に示すように正方形状となっているが、水平方向Bに炉壁を長くした形状の水平断面を有する竪型炉を竪型炉1に用いることもできる。これにより、内部に充填する成型物2を増量させることができるので、竪型炉1による乾留生成物13の生産性を向上させることができる。その場合、相対する2つの側面の伸長分に応じて、少なくとも羽口23,24を増設する必要がある。
以下に本発明の竪型炉の羽口部構造を説明することとし、高温ガス吹き込み羽口23を羽口32とし、羽口32の羽口部構造について説明する。図3は、羽口部構造を含む竪型炉の内部の一部を示す概略斜視図であり、図4は、図1に示すIV−IV線に沿った図3に示す羽口部構造の水平断面における成型物の温度分布を示すコンター図である。図4でも、充填された成型物2の図示を省略している。図3に示すように、羽口部構造31は、口32の周り耐火物34に代えて、竪型炉1の内壁に取り付けられる中空状の部材33からなる。前述の通り、最高で850℃の熱媒ガスが配管25を通して羽口32に吹き込まれる。図4に示すように羽口32から放射状に熱が伝わり、羽口32の周りの内壁部分は、時間があまり経過しなくとも羽口32とほぼ同程度の温度となる。この羽口32とほぼ同程度となるように昇温する内壁部分及び羽口32を羽口部32aとする。例えば、羽口32の温度が熱媒ガスと同じであるとすると、その温度から10℃低い温度に昇温する内壁の部分を羽口部32aとすればよい。図3では、羽口32から部材33上の円形状の部分を羽口部32aと示してあるが、これに限らず、羽口32から熱媒ガスの熱が伝わり、羽口部32aとされる内壁部分に耐火物34があってもよい。
羽口32を通過する水平断面において、羽口32から放射状に成型物の高温領域41が、羽口32の近傍に形成される。従前、高温領域41から離れるに従い成型物の温度は低下し、羽口32から最も遠い部分となる内壁部分に低温領域が形成されてしまい、羽口部32aを通過する水平断面において、温度差が大きな温度分布が生じてしまっていた。本発明者は、羽口32から離れた部分にも、羽口32の熱を効率的に伝え、低温と高温との温度差を抑え得る構成を鋭意検討し、本発明の完成に至った。
図3及び図4に示すように、本発明に係る竪型炉の羽口部構造では、部材33には、羽口32から離れた位置に開口35が形成され、該開口35と前記羽口32とを連通させるガス流路36が形成されており、部材33が、羽口部32aから水平方向B及び水平方向Cに延在するように内壁に取り付けられている。この構成により、高温領域41から離れた位置の開口近傍に、ガス流路36を通じて熱媒ガスの熱が伝わり、該開口近傍にも高温領域41が形成される。
部材33が、羽口32から離れた位置に形成される開口35を有し、該開口35と羽口32とを連通させるガス流路36を有すると、850℃程度の熱媒ガスを供給した場合に、竪型炉1の寸法によっても変わるが、実際に操業する竪型炉の寸法を有すれば、高温領域41以外の水平断面における中心部分の領域も昇温して、該領域での成型物も660℃以上に到達する。これにより、成型物2を十分に乾留させ乾留生成物13の強度を保つことが可能となる。
部材33(以下、適宜「熱伝導材」とも呼ぶ)は、水平方向B及び水平方向Cに沿って連続(内壁を一周)し、相対する羽口32の左右両端に繋がっていることが好ましい。また、熱伝導材33は、850℃で20[W/(m・K)]以上となる高い熱伝導率を有する熱伝導材であることが好ましい。熱伝導率が高い方が、ガス流路36を通過する熱媒ガスの熱が、熱伝導材33を介して竪型炉1の内部に伝わりやすくなり、熱伝導材33を通じて、羽口32から離れた領域に熱が伝わることになる。熱伝導材33は、水平方向B及び水平方向Cに沿って内壁を一周しているが、一部が分断されていても、開口35から熱媒ガスが通過可能なガス流路36が形成されていればよい。
熱伝導材33は、850℃程度の雰囲気においても、前述の熱伝導率となるように熱伝導機能を発揮し得る耐熱性を有し、かつ、成型物及び/または熱媒ガスに反応することがなく、成型物の接触による摩耗に強い材料から構成される。熱伝導材33の材料としては、例えば、具体的には、高温環境下でも使用可能なステンレス鋼(SUS)、インコネルやハステロイ(登録商標)などの耐熱合金がある。
次に、図3に示す実施形態とは異なる形態の竪型炉の羽口部構造を説明する。図5は、その羽口部構造を含む竪型炉の内部の一部を示す概略斜視図であり、図6は、図1に示すIV−IV線に沿った図5に示す羽口部構造の水平断面における成型物の温度分布を示すコンター図である。図5及び図6において、同じ構成要素に関しては、図3及び図4で用いた符号と同じ符号を付することとし、説明を省略する。
図3の形態とは異なる羽口部構造31’は、羽口32が熱伝導材33’で閉塞されている構造となっている。図5に示す羽口部構造31’では、高温の熱媒ガスが配管25から供給され、まずは、羽口32を閉塞している熱伝導材33’に衝突する。次いで、熱媒ガスはガス流路36に向かって、開口35を介して竪型炉1の内部に供給される。開口35の近傍には、熱媒ガスによって高温領域41が形成されるとともに、開口35から吹込まれる熱媒ガスが、水平断面における中心部分の領域に向かい、その領域の温度が上昇するとともに、羽口32を閉塞している熱伝導材33’から伝わる熱によっても温度が上昇し、中心部分の領域に中温領域43が形成される。
熱媒ガスが衝突する熱伝導材33’の部分の近傍には、熱媒ガスの熱が熱伝導材33’に伝わり、直接熱媒ガスが吹き付けられる高温領域41及び中温領域43に比べて温度が低いものの、図4の場合の領域41と比べて温度が高い低温領域41が形成されることになる。
以上の羽口部構造31’でも、850℃程度の熱媒ガスを供給した場合に、実際に操業する竪型炉の寸法を有すれば、高温領域41以外の水平断面における最も低い領域が昇温して、該領域での成型物も660℃以上に到達する。これにより、成型物2を十分に乾留させ乾留生成物13の強度を保つことが可能となる。
図3及び図5に示す形態では、耐火物34の代わりに熱伝導材33を設けて、炉壁1aと熱伝導材33との2層構造としてあるが、耐火物34の上に熱伝導材33を重ねて、炉壁1aと耐火物34と熱伝導材33との3層構造としてもよい。熱伝導材33が、羽口32及び/または開口35近傍の内壁となっていれば、開口35から流出される熱媒ガスに加えて、熱伝導材33自体によって熱媒ガスの熱を、羽口32及び/または開口35から離れた領域に熱を伝えることができる。
以上の羽口部構造を有する竪型炉の羽口では、該羽口の熱を水平方向において羽口から遠い部分に伝え、該部分の温度を上昇させることができる。よって、850℃程度の熱媒ガスを供給した場合であっても、乾留中の全ての成型物が660℃以上の温度に容易に到達させることができる。これにより、乾留生成物の乾留率を向上させる。また、羽口部の水平方向における温度につき、最低温度を上昇させることが可能となり、羽口部の水平断面における温度分布の最高温度と最低温度と差を小さくすることもできる。これにより、乾留中の成型物の温度の最高温度と最低温度との差が小さくなるので、乾留生成物の乾留率のばらつきも抑え得る。
上述の説明では、羽口32を通過する水平断面にて温度分布の説明を行ったが、実際には温度は羽口32および開口35を中心にした半球状の分布をとる。したがって、図1のA方向にも同様の温度分布が形成され、乾留生成物の乾留率の向上に寄与していることになる。
図1に示す竪型炉1の操業を模擬したシミュレーションを実施し、本発明の効果を確認した。竪型炉1の実際の操業では、成型物2の温度や羽口部構造の水平断面における温度分布を適時測定することは現実的に難しいので、操業を模擬したシミュレーションを実施例とする。該シミュレーションでは、図3に示す羽口部構造31及び図5に示す羽口部構造31’を、高温ガス吹き込み羽口23に適用することにした。
シミュレーションでは、竪型炉1にて、装入口11から成型物2を装入し、乾留ゾーン3で成型物2を乾留し、乾留生成物13を生成し、冷却ゾーン4で冷却して、排出口から乾留生成物13を排出する構成とした。図2に示す、竪型炉1における、成型物2が通過する内部の、水平方向B及び水平方向Cにおける長さをそれぞれ1mとし、図1に示す高さ(乾留ゾーン3及び冷却ゾーンの高さ方向の長さ)を10mと設定した。
また、シミュレーションでは、成型物2は、フェロコークスの原料とし、フェロコークスとなる乾留生成物13を製造した。部材33をSUS304からなるものとした。この部材33は、850℃で、30[W/(m・K)]とした。耐火物34は熱伝導率が0.33[W/(m・K)]であるシャモット煉瓦とした。また、高温ガス吹き込み羽口23から1500[Nm/時]で850℃の熱媒ガスを吹き込み、冷却ガス吹き込み羽口24から1000[Nm/時]で、50℃の熱媒ガスを吹き込むこととした。装入口11から、780kg/時で、成型物を竪型炉1内に装入することとした。
以上のシミュレーションを本発明例とし、羽口部構造31を高温ガス吹き込み羽口23に適用した場合のシミュレーションを本発明例1とし、羽口部構造31’を適用した場合のシミュレーションを本発明例2とした。本発明例1及び2と比較するために、羽口部構造を従来のものとした以外は本発明例1及び2と同様の条件のシミュレーションを行った(比較例)。すなわち、比較例のシミュレーションでは、羽口23の周りには部材33を設けず、耐火物34を設けてある。
本発明例1と本発明例2及び比較例において、図4または図6のようなコンター図を作成し、高温ガス吹き込み羽口23における水平断面における成型物の温度分布を得た。本発明例及び比較例における、高温領域41、低温領域42と中温領域43との温度を、表1に示す。
Figure 0006256312
[本発明例1と2及び比較例との評価]
比較例では低温領域の温度が650℃台である(660℃より低い)のに対し、本発明例1及び2では、羽口32及び開口35の両方から熱媒ガスを乾留炉1の内部に吹込むことによって、高温領域の温度は、比較例の場合と比べ若干下がっているものの、低くとも低温領域の温度が730℃程度となっている。本発明によって、850℃の熱媒ガスを供給した場合、羽口の熱を水平方向において羽口から遠い部分に伝え、該部分の温度を上昇させて、乾留中の全ての成型物の温度を660℃以上に容易に到達させることができることが確認された。これらのことにより、乾留生成物の乾留率を向上し得ることが期待でき、乾留中の成型物の温度の最高温度と最低温度との差が小さくなるので、乾留生成物の乾留率のばらつきも抑えることが期待される。
1 竪型炉
1a 炉壁(側壁)
2 成型物
3 乾留ゾーン
4 冷却ゾーン
11 装入口
13 乾留生成物
21 炉内ガス排出口
22 充填層最高レベル
23 高温ガス吹き込み羽口
24 冷却ガス吹き込み羽口
25 配管
31 羽口部構造
31’ 羽口部構造(31とは別形態)
32 羽口
32a 羽口部
33 部材(熱伝導材)
33’ 部材(33とは別形態)
34 耐火物
35 開口
36 ガス流路
41 (成型物の)高温領域
42 (成型物の)低温領域
43 (成型物の)中温領域

Claims (5)

  1. 竪型炉の羽口部構造であって、
    記竪型炉の内壁に沿って取り付けられる中空状の部材からなり
    前記部材には、前記竪型炉に形成される羽口から水平方向に離れた位置に開口が形成され、該開口と前記羽口とを連通させるガス流路が形成されていることを特徴とする竪型炉の羽口部構造。
  2. 前記部材は、850[℃]で20[W/(m・K)]以上の熱伝導率を有することを特徴とする請求項1に記載の竪型炉の羽口部構造。
  3. 前記羽口から吹き込まれるガスは、前記部材に衝突してから前記ガス流路に流れることを特徴とする請求項2に記載の竪型炉の羽口部構造。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の竪型炉の羽口部構造を有する竪型炉。
  5. 請求項4に記載の竪型炉を用いて乾留生成物を製造する方法であって、
    竪型炉に成型物を充填し、
    熱媒ガスが吹き込まれる羽口での水平断面における成型物の温度が660〜850[℃]となるように、前記熱媒ガスを前記竪型炉内に吹き込んで、乾留ゾーンを形成し、該乾留ゾーンで前記成型物を乾留することを特徴とする乾留生成物の製造方法。
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