JP6255730B2 - 無線通信システム、位置登録方法、中継装置、および無線端末装置 - Google Patents

Description

本発明は、無線通信システム、位置登録方法、中継装置、および無線端末装置に関する。

トランキング方式の無線通信システム（以下、「トランキングシステム」という）が知られている。トランキングシステムは、１つのサイト（通信エリア）に複数のレピータ（中継装置）を有し、複数の無線端末装置が複数のレピータによる複数の通話チャンネルを共有する。トランキングシステムには、専用の制御チャンネルを有する専用制御方式と呼ばれるものと、専用の制御チャンネルを有しない分散型制御方式と呼ばれるものがある。

専用制御方式のトランキングシステムは、１つのサイトに対し、１つの制御チャンネルを設ける。無線端末装置は制御チャンネルを有するレピータに位置登録を要求し、該レピータが無線端末装置の位置登録を行う。その後、無線端末装置は、制御チャンネルを介して送信される制御情報に基づいて、空き通話チャンネルを設定し、空き通話チャンネルを介して他の無線端末装置と通信を行う。

分散制御方式のトランキングシステムは、１つのサイトに対し、無線端末装置の位置登録を行うコレクトレピータと呼ばれるレピータを１台有する。無線端末装置はコレクトレピータに位置登録を要求し、コレクトレピータが無線端末装置の位置登録を行い、ホームレピータの設定を行う。その後、無線端末装置は、ホームレピータからの制御情報に基づいて、空き通話チャンネルを設定し、空き通話チャンネルを介して他の無線端末装置と通信を行う。

特許文献１および２に分散型制御方式のトランキングシステムに関する技術が開示されている。特許文献１に開示される無線通信システムでは、ホームレピータにおいて動作を停止する事情が発生した場合に、セカンダリレピータがホームレピータの通話情報を取得してホームレピータの中継処理を代行する。特許文献２に開示される無線通信システムにおいて、無線端末装置がホームレピータからダウンリンク信号を受信できるが、アップリンク信号が空きチャンネルを提供するレピータに達しない場合に、無線端末装置は、ホームレピータからのダウンリンク信号の周波数と同一の周波数で、相手側の無線端末装置に通信を要求する信号を送信する。

特開２０１０−１０９５０５号公報 特開２０１０−１３６３５０号公報

専用制御方式のトランキングシステムでは、１つのサイトにおいて、制御チャンネルを有するレピータが、ある無線端末装置の位置登録を行っている間は、他の無線端末装置の位置登録を行うことができない。また１つのサイトに１台のコレクトレピータを有する分散型制御方式のトランキングシステムでは、１つのサイトにおいてコレクトレピータが、ある無線端末装置の位置登録を行っている間は、他の無線端末装置の位置登録を行うことができない。そのため、１つのサイトにおいて、同じタイミングで複数の無線端末装置が位置登録を要求した場合には、複数の無線端末装置の位置登録を１つずつ順に行う必要があり、複数の無線端末装置の位置登録が完了するまでに時間を要する。

本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、分散型トランキングシステムにおける無線端末装置の位置登録の処理に要する時間を短縮することを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明の第１の観点に係る無線通信システムは、
通信回線を介して相互に接続され、各固有のチャンネルが割り当てられた複数の中継装置と、
前記中継装置を介して相互に通信を行う複数の無線端末装置と、
を備え、
複数の前記中継装置が送信する信号をすべて受信できる通信エリアが形成され、
少なくとも１つの予め定められた前記中継装置は、割り当てられた前記チャンネルが通信に使用可能である場合に使用状況信号を送信し、
前記無線端末装置は、前記予め定められた前記中継装置のチャンネルをスキャンし、前記使用状況信号を検出した場合には該中継装置に位置登録の要求を送信し、
前記予め定められた前記中継装置は、前記無線端末装置から位置登録の要求を受信した場合には、該無線端末装置の位置登録を行い、当該中継装置と同じ通信エリアの予め定められた他の中継装置および該通信エリアと異なる通信エリアの予め定められた中継装置の少なくともいずれかに対し、位置登録された前記無線端末装置についての情報の送受信を行い、前記同じ通信エリアの、他の中継装置から位置登録された無線端末装置についての情報を受信した場合には、前記異なる通信エリアの前記予め定められた前記中継装置に対し、前記位置登録された無線端末装置についての情報の送受信を行う、
ことを特徴とする。

好ましくは、前記複数の中継装置は、前記使用状況信号を送信する前記予め定められた中継装置であるメインレピータと前記使用状況信号を送信しない前記中継装置であるサブレピータを含み、
前記無線端末装置は、予め定められた前記メインレピータのチャンネルをスキャンし、前記使用状況信号を検出した場合には該メインレピータに位置登録の要求を送信し、該メインレピータが使用できない状態であって該メインレピータと同じ通信エリアに他のメインレピータまたは前記サブレピータがある場合に、前記他のメインレピータまたは前記サブレピータのチャンネルをスキャンすることで使用可能な他のメインレピータまたはサブレピータを検出した場合には、該他のメインレピータまたは該サブレピータに位置登録の要求を送信し、
前記サブレピータは、前記無線端末装置から位置登録の要求を受信した場合には、該無線端末装置の位置登録を行い、当該サブレピータと同じ通信エリアの予め定められた前記メインレピータに、位置登録された前記無線端末装置についての情報を送信し、
前記予め定められた前記メインレピータは、前記無線端末装置から位置登録の要求を受信した場合には、該無線端末装置の位置登録を行い、当該メインレピータと同じ通信エリアの予め定められた他のメインレピータおよび該通信エリアと異なる通信エリアの予め定められた中継装置の少なくともいずれかに対し、位置登録された前記無線端末装置についての情報の送受信を行い、
前記予め定められた前記メインレピータは、前記同じ通信エリアの、前記他のメインレピータまたは前記サブレピータから前記位置登録された無線端末装置についての情報を受信した場合には、前記異なる通信エリアの、前記予め定められた前記中継装置に対し、前記位置登録された無線端末装置についての情報の送受信を行う。

好ましくは、少なくとも１つの前記通信エリアが、複数の前記メインレピータと、前記サブレピータから構成され、
前記通信エリアを構成する前記複数のメインレピータは互いに情報信号の送受信を行い、前記情報信号に基づき予め定められた前記メインレピータに異常が生じていると判断された場合には、該メインレピータと同じ通信エリアの他のメインレピータは、前記予め定められた前記メインレピータの処理を代行する。

好ましくは、前記無線端末装置は、直前に位置登録された前記通信エリアの前記予め定められた前記中継装置のチャンネルをスキャンし、前記予め定められた前記中継装置からのダウンリンク信号の強度が閾値以上であって、前記使用状況信号を検出した場合には、該中継装置に位置登録の要求を送信し、前記ダウンリンク信号の強度が閾値未満である場合には、他の通信エリアの予め定められた中継装置のチャンネルをスキャンする。

本発明の第２の観点に係る位置登録方法は、
通信回線を介して相互に接続され、各固有のチャンネルが割り当てられた複数の中継装置と、
前記中継装置を介して相互に通信を行う複数の無線端末装置と、
を備え、
複数の前記中継装置が送信する信号をすべて受信できる通信エリアが形成され、
少なくとも１つの予め定められた前記中継装置は、割り当てられた前記チャンネルが通信に使用可能である場合に使用状況信号を送信する無線通信システムが行う位置登録方法であって、
前記無線端末装置が行う、
前記予め定められた前記中継装置のチャンネルをスキャンし、該チャンネルで予め定められた基準に合致する前記使用状況信号を受信した場合には該中継装置に位置登録の要求を送信する位置登録要求ステップと、
前記予め定められた前記中継装置が行う、
前記無線端末装置から位置登録の要求を受信した場合には、該無線端末装置の位置登録を行い、当該中継装置と同じ通信エリアの予め定められた他の中継装置および該通信エリアと異なる通信エリアの予め定められた中継装置の少なくともいずれかに対し、位置登録された前記無線端末装置についての情報の送受信を行い、前記同じ通信エリアの、他の中継装置から位置登録された無線端末装置についての情報を受信した場合には、前記異なる通信エリアの前記予め定められた前記中継装置に対し、前記位置登録された無線端末装置についての情報の送受信を行う位置登録ステップと、
を備えることを特徴とする。

本発明の第３の観点に係る中継装置は、
通信回線を介して相互に接続され、固有のチャンネルが割り当てられた中継装置であって、
割り当てられた前記チャンネルが使用可能である場合に使用状況信号を送信し、
前記使用状況信号を検出した無線端末装置から位置登録の要求を受信した場合には、該無線端末装置の位置登録を行い、当該中継装置が送信する信号を受信できる通信エリアである同じ通信エリアの予め定められた他の中継装置および該通信エリアと異なる通信エリアの予め定められた他の中継装置の少なくともいずれかに対し、位置登録された前記無線端末装置についての情報の送受信を行い、前記同じ通信エリアの、他の中継装置から位置登録された無線端末装置についての情報を受信した場合には、前記異なる通信エリアの前記予め定められた前記他の中継装置に対し、前記位置登録された無線端末装置についての情報の送受信を行う、
ことを特徴とする。

本発明の第４の観点に係る無線端末装置は、
通信回線を介して相互に接続され、固有のチャンネルが割り当てられた中継装置を介して通信を行う無線端末装置であって、
複数の前記中継装置が送信する信号をすべて受信できる通信エリアが形成され、前記通信エリアに、割り当てられた前記チャンネルが通信に使用可能である場合に使用状況信号を送信する予め定められた前記中継装置であるメインレピータと前記メインレピータを除く前記中継装置であるサブレピータがある場合に、
予め定められた前記メインレピータのチャンネルをスキャンし、前記使用状況信号を受信した場合には該メインレピータに位置登録の要求を送信し、該メインレピータが使用できない状態であって該メインレピータと同じ通信エリアに他のメインレピータまたは前記サブレピータがある場合に、前記他のメインレピータまたは前記サブレピータのチャンネルをスキャンすることで使用可能な他のメインレピータまたはサブレピータを検出した場合には、該他のメインレピータまたは該サブレピータに位置登録の要求を送信する、
ことを特徴とする。

本発明によれば、分散型トランキングシステムにおける無線端末装置の位置登録の処理に要する時間を短縮することが可能となる。

本発明の実施の形態１に係る無線通信システムの構成例を示すブロック図である。 実施の形態１に係る無線端末装置の構成例を示すブロック図である。 実施の形態１に係るレピータの構成例を示すブロック図である。 実施の形態１に係る無線端末装置が行う位置登録要求の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態１に係るレピータが行う位置登録の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態１に係るレピータが行う位置登録情報共有の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態２に係る無線端末装置が行う位置登録要求の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態２に係るレピータが行う処理代行の動作の一例を示すフローチャートである。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。

（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１に係る無線通信システムの構成例を示すブロック図である。無線通信システム１００は、分散型トランキングシステムであり、レピータ（中継装置）１−１０には、それぞれ固有のチャンネルが割り当てられている。無線通信システム１００には、複数のレピータが送信する信号をすべて受信できる通信エリア（以下、サイトという）が形成される。図１の例では、無線通信システム１００において、サイト１１はレピータ１−４で構成され、サイト１２はレピータ５−７で構成され、サイト１３はレピータ８−１０で構成される。図１の例では、レピータ１−４は、互いにシステムバス１７で接続される。同様に、レピータ５−７は、互いにシステムバス１７で接続され、レピータ８−１０は、互いにシステムバス１７で接続される。またレピータ１−１０は、ＩＰ接続線などの通信回線１６およびＩＰネットワーク１５を介して互いに接続され、サーバ１４に接続される。

図１の例では、無線端末装置Ａ、Ｂはそれぞれ、サイト１１のレピータ１−４のいずれかと通信を行い、無線端末装置Ｃ、Ｄはそれぞれ、サイト１２のレピータ５−７のいずれかと通信を行い、無線端末装置Ｅ、Ｆはそれぞれ、サイト１３のレピータ８−１０のいずれかと通信を行う。無線端末装置Ａ−Ｆは、レピータ１−１０を介して、互いに通信を行う。

無線端末装置Ａ−Ｆについて以下に説明する。図２は、実施の形態１に係る無線端末装置の構成例を示すブロック図である。無線端末装置Ａ−Ｆは、アンテナ２０、送受信切替部２１、送信部２２、ベースバンド処理部２３、Ａ−Ｄ（Analog-to-Digital）変換器２４、マイク２５、受信部２６、ベースバンド処理部２７、Ｄ−Ａ（Digital-to-Analog）変換器２８、スピーカ２９、コントローラ３０、表示部３５、および操作部３６を備える。コントローラ３０は、ＣＰＵ（Central Processing Unit：中央処理装置）３１、ＲＡＭ（Random Access Memory）３３、およびＲＯＭ（Read-Only Memory）３４を備える。

複雑化を避け、理解を容易にするために、コントローラ３０から各部への信号線が省略されているが、コントローラ３０は無線端末装置Ａ−Ｆの各部にＩ／Ｏ（Input／Output）３２を介して接続しており、それらの処理の開始、終了、処理内容の制御を行う。ＣＰＵ３１は、ＲＯＭ３４に記憶されている制御プログラムを実行して、無線端末装置Ａ−Ｆの制御を行う。またＩ／Ｏ３２を介して操作部３６から入力されるコマンドやデータ、およびベースバンド処理部２７から得られるデータを処理してＲＡＭ３３に一時的に記憶し、必要に応じて記憶したコマンドやデータをＬＣＤ（Liquid Crystal Display）などから構成される表示部３５に表示する。

操作部３６により発信操作がされた場合には、無線端末装置Ａ−Ｆは送信モードとなり、発信操作がされない間は、無線端末装置Ａ−Ｆは受信モードである。無線端末装置Ａ−Ｆが送信モードである場合には、マイク２５は音声入力に応じてアナログの音声信号をＡ−Ｄ変換器２４に出力する。Ａ−Ｄ変換器２４は、マイク２５からの音声信号をアナログからデジタルに変換してベースバンド処理部２３に出力する。ベースバンド処理部２３は、Ａ−Ｄ変換器２４からの音声信号のデータ、または、コントローラ３０のＲＡＭ３３に記憶されているデータに基づいて、予め定められたフォーマットの通信フレームを生成して送信部２２に出力する。送信部２２は、ベースバンド処理部２３が生成した通信フレームを変調して、送受信切替部２１およびアンテナ２０を介してレピータ１−１０に送信する。送信部２２で用いる変調方式は、例えばＧＭＳＫ（Gaussian filtered Minimum Shift Keying）、ＰＳＫ（Phase Shift Keying）、ＱＡＭ（Quadrature Amplitude Modulation）、ＦＳＫ（Frequency Shift Keying）などである。

無線端末装置Ａ−Ｆが受信モードである場合に、レピータ１−１０から無線信号が送信された場合には、受信部２６は、アンテナ２０および送受信切替部２１を介してレピータ１−１０から無線信号を受信する。受信部２６は、受信した信号を増幅するとともに、復調処理などの信号処理を施して復調信号を生成し、復調信号をベースバンド処理部２７に出力する。ベースバンド処理部２７は、復調信号から通信フレームを抽出し、通信フレームのヘッダ部の情報をＣＰＵ３１に出力する。ＣＰＵ３１は、ヘッダ部の情報を分析する。送信先が自装置である場合には、ＣＰＵ３１は、ベースバンド処理部２７に、通信フレームのデータ部に含まれている音声信号のデータをＤ−Ａ変換器２８に出力させ、通信フレームのデータ部に含まれている音声信号以外のデータについてはＲＡＭ３３に一時的に記憶させ、必要に応じて表示部３５に表示させる。Ｄ−Ａ変換器２８は、音声信号のデータをデジタルからアナログに変換してスピーカ２９に出力する。スピーカ２９は、アナログに変換されたデータを出力する。

レピータ１−１０について以下に説明する。レピータ１−１０は、送信元の無線端末装置Ａ−Ｆから受信した無線信号に対し、増幅処理や波形処理などの信号処理を行って、送信先の無線端末装置Ａ−Ｆに送信する。レピータ１−１０はそれぞれ、レピータユニットとトランキングコントローラから構成される。各レピータユニットに接続されている各トランキングコントローラはシステムバス１７で接続され、トランキングの制御に必要なＩＤなどの各種情報を相互に通知している。レピータ１−１０とサーバ１４は通信回線１６およびＩＰネットワーク１５を介して接続されており、サーバ１４は、遠隔操作によりトランキングコントローラの各種設定を行うことができる。レピータ１−１０は、システムバス１７上に個々の情報を送出する。レピータ１−１０のそれぞれに対し、どのタイムスロットに情報の送出を行うかが予め定められている。レピータ１−１０は予め定められたタイムスロットに情報の送出を行い、該タイムスロットを除くタイムスロットに送出された他のレピータの情報を取得する。

図３は、実施の形態１に係るレピータの構成例を示すブロック図である。レピータ１−１０は、送信用アンテナ４０、送信部４１、ベースバンド処理部４２、入力部４３、ネットワークＩＦ（Interface）４４、受信用アンテナ４５、受信部４６、ベースバンド処理部４７、出力部４８、コントローラ５０、表示部５５、操作部５６、およびバスＩＦ５７を備える。コントローラ５０の構成は、図２に示すコントローラ３０と同様である。コントローラ５０は、レピータ１−１０の各部にＩ／Ｏ５２を介して接続しており、それらの処理の開始、終了、処理内容の制御を行う。

受信部４６は、受信用アンテナ４５を介して無線端末装置Ａ−Ｆから無線信号を受信すする。受信部４６は、受信した信号を増幅するとともに、復調処理などの信号処理を施して復調信号を生成し、復調信号をベースバンド処理部４７に出力する。ベースバンド処理部４７は、復調信号から通信フレームを抽出し、通信フレームのヘッダ部の情報をＣＰＵ５１に出力する。ＣＰＵ５１は、ヘッダ部の情報を分析する。送信先の無線端末装置Ａ−Ｆが自装置と同じサイトに存在する場合には、ＣＰＵ５１は、ベースバンド処理部４７にベースバンド処理部４２へ通信フレームを出力させる。ベースバンド処理部４２は必要な処理を施して通信フレームを送信部４１に出力する。送信部４１は、通信フレームを変調して、送信用アンテナ４０から送信先の無線端末装置Ａ−Ｆに送信する。送信部４１で用いる変調方式は、ＧＭＳＫ、ＰＳＫ、ＱＡＭ、ＦＳＫなどである。送信先の無線端末装置Ａ−Ｆが自装置と異なるサイトに存在する場合には、ＣＰＵ５１は、ベースバンド処理部４７に出力部４８へ通信フレームを出力させる。出力部４８は、通信フレームをネットワークＩＦ４４を介して通信回線１６に出力する。

入力部４３は、ネットワークＩＦ４４を介して通信回線１６から他のレピータが送信した通信フレームを受信し、ベースバンド処理部４２に出力する。ベースバンド処理部４２は、通信フレームのヘッダ部の情報をＣＰＵ５１に出力する。ＣＰＵ５１は、ヘッダ部の情報を分析する。ＣＰＵ５１は、送信先の無線端末装置Ａ−Ｆが自装置と同じサイトに存在する場合には、ベースバンド処理部４２に送信部４１へ通信フレームを出力させる。送信部４１は、通信フレームを変調して、送信用アンテナ４０から送信先の無線端末装置Ａ−Ｆに送信する。

また入力部４３は、ネットワークＩＦ４４を介して通信回線１６から、サーバ１４が送信した制御データを受信し、ＣＰＵ５１に出力する。ＣＰＵ５１は、制御データに基づき、出力部４８にサーバ１４から要求されたデータなどをネットワークＩＦ４４を介して通信回線１６に出力させる。

コントローラ５０は、バスＩＦ５７を介してシステムバス１７に接続されている。システムバス１７に送出される同期信号や、他のレピータが送出するデータに基づき、コントローラ５０はレピータ１−１０の制御を行う。

無線端末装置Ａ−Ｆが、レピータ１−１０を介して通信を行う場合には、無線端末装置Ａ−Ｆからレピータ１−１０への通信であるアップリンクと、レピータ１−１０から無線端末装置Ａ−Ｆへの通信であるダウンリンクとが、異なる周波数またはタイムスロットを用いて同時に行われる。そのため、レピータ１−１０は、送信用アンテナ４０および受信用アンテナ４５を備える。

実施の形態１においては、各サイトに１台のメインレピータを設ける。例えばレピータ１、５、８をそれぞれメインレピータとし、レピータ２−４、６、７、９、１０をそれぞれサブレピータとする。メインレピータは、自装置に割り当てられたチャンネルが通信に使用可能である場合に使用状況信号を送信する予め定められたレピータである。メインレピータは、自装置に割り当てられたチャンネルが通信に使用可能である場合には、予め定められた間隔でＩｄｌｅメッセージを含むダウンリンク信号を送信する。Ｉｄｌｅメッセージを含むダウンリンク信号を送信する間隔は任意に定めることができる。実施の形態１においては、サブレピータはメインレピータのようにＩｄｌｅメッセージを含むダウンリンク信号を送信しない。また各サイトには、レピータ間の同期をとるための同期信号を送出するマスタレピータを設ける。実施の形態１においては、メインレピータがマスタレピータとして、システムバス１７に同期信号を送出する。各サブレピータは、システムバス１７に送出された同期信号を取得し、同期をとる。

無線端末装置Ａ−Ｆは、例えば電源がオフ状態からオン状態になった場合や、サイト１１−１３の圏外から圏内に復帰した場合に、レピータ１−１０に対して位置登録要求を行う。無線端末装置Ａ−Ｆは、サイト１１−１３のそれぞれを構成するレピータ１−１０およびレピータ１−１０に割り当てられたチャンネルについての情報を保持している。位置登録要求の動作の詳細について、無線端末装置Ａを例にして以下に説明する。

無線端末装置Ａは、サイト１１−１３いずれかのメインレピータ、例えばレピータ１のチャンネルをスキャンし、該チャンネルで受信した信号が予め定められた基準に合致するか否かを判断する。無線端末装置Ａは、例えばダウンリンク信号の強度が閾値以上であるか否かを判断する。ダウンリンク信号の強度が閾値未満である場合には、無線端末装置Ａは、他のサイトのメインレピータのチャンネルを順にスキャンする。閾値は、無線端末装置Ａ−Ｆ、レピータ１−１０などの性能を考慮して任意に定めることができる。ダウンリンク信号の強度が閾値以上である場合には、無線端末装置Ａは、サイト１１のメインレピータであるレピータ１から受信したダウンリンク信号に基づきレピータ１が使用可能であるか否かを判断する。無線端末装置Ａは、Ｉｄｌｅメッセージを検出した場合には、レピータ１が使用可能であると判断し、レピータ１に位置登録の要求を送信する。

無線端末装置Ａは、Ｉｄｌｅメッセージを検出しない場合には、レピータ１が使用可能でないと判断し、サイト１１のサブレピータのチャンネルを順にスキャンする。使用可能であるサブレピータを検出した場合には、該サブレピータに位置登録要求を送信する。例えば、無線端末装置Ａは、レピータ１が使用可能でない場合には、レピータ２のチャンネルをスキャンする。レピータ２が使用可能である場合には、無線端末装置Ａはレピータ２に位置登録の要求を送信する。無線端末装置Ａは、レピータ２のチャンネルで受信した信号の強度が閾値以下である場合には、レピータ２が使用可能であると判断する。閾値は、無線端末装置Ａ−Ｆ、レピータ１−１０などの性能を考慮して任意に定めることができる。レピータ２が使用可能でない場合には、無線端末装置Ａは、サイト１１のサブレピータであるレピータ３、４のチャンネルを順にスキャンする。

メインレピータであるレピータ１、およびサブレピータであるレピータ２−４のいずれもが使用可能でない場合には、無線端末装置Ａは他のサイトのメインレピータのチャンネルを順にスキャンし、上述の処理を繰り返す。無線端末装置Ａは、例えばレピータ５のチャンネルをスキャンし、ダウンリンク信号の強度が閾値以上であるか否かを判定する。その後の処理は上述の例と同様である。また無線端末装置Ａは、サブレピータであるレピータ２−４のいずれもが使用可能でない場合に、再度サブレピータであるレピータ２−４のチャンネルのスキャンを繰り返してもよい。

各サイトのメインレピータのチャンネルをスキャンする順序や、同じサイトのメインレピータおよびサブレピータのチャンネルをスキャンする順序は任意に定めることができる。無線端末装置Ａ−Ｆは、例えば直前に位置登録されたサイト１１−１３のメインレピータのチャンネルからスキャンを開始してもよい。直前に位置登録されたサイト１１−１３のメインレピータのチャンネルからスキャンすることで、使用可能なレピータ１−１０を見つけるまでの時間を短縮することが可能となる。

無線端末装置Ａ−Ｆから、位置登録の要求を受信したレピータ１−１０は、無線端末装置Ａ−Ｆの位置登録を行う。位置登録の動作の詳細について、サイト１１のレピータ１、２を例にして以下に説明する。

サイト１１のメインレピータであるレピータ１は、無線端末装置Ａから位置登録の要求を受信した場合には、無線端末装置Ａの位置登録を行い、無線端末装置Ａのホームレピータの設定を行う。サイト１１のレピータ１−４の内、任意のレピータをホームレピータとして設定することができる。無線端末装置Ａの位置登録およびホームレピータの設定が完了すると、レピータ１は無線端末装置Ａにその旨を通知する。位置登録された無線端末装置Ａは、ホームレピータから空きチャンネルの情報を受け取ることで他の無線端末装置Ｂ−Ｆと通信を行うことが可能となる。

レピータ１は、位置登録した無線端末装置Ａについての情報をサイト１２、１３のそれぞれのメインレピータであるレピータ５、８に送信する。またレピータ１は、位置登録した無線端末装置Ａについての情報をサイト１１のサブレピータであるレピータ２−４に送信する。位置登録された無線端末装置Ａについての情報を受信したサイト１２、１３のそれぞれのメインレピータであるレピータ５、８は、サイト１２、１３のそれぞれのサブレピータであるレピータ６、７、９、１０に、位置登録された無線端末装置Ａについての情報を送信する。

またサイト１１のサブレピータであるレピータ２は、無線端末装置Ａから位置登録の要求を受信した場合には、無線端末装置Ａの位置登録を行い、無線端末装置Ａのホームレピータの設定を行う。レピータ２は、位置登録した無線端末装置Ａについての情報を、同じサイトのメインレピータであるレピータ１に送信する。レピータ２は、無線端末装置Ａの位置登録およびホームレピータの設定が完了すると、無線端末装置Ａにその旨を通知する。

レピータ１は、位置登録された無線端末装置Ａについての情報をレピータ２から受信した場合には、該位置登録された無線端末装置Ａについての情報をサイト１２、１３それぞれのメインレピータであるレピータ５、８に送信する。またレピータ１は、該位置登録された無線端末装置Ａについての情報をサイト１１のサブレピータであるレピータ２−４に送信する。該位置登録された無線端末装置Ａについての情報を受信したサイト１２、１３のそれぞれのメインレピータであるレピータ５、８は、サイト１２、１３のそれぞれのサブレピータであるレピータ６、７、９、１０に、該位置登録された無線端末装置Ａについての情報を送信する。なおレピータ２は、位置登録した無線端末装置Ａについての情報を、同じサイトのサブレピータであるレピータ３、４に送信してもよい。

位置登録された無線端末装置Ａについての情報をサイト１１−１３それぞれのメインレピータであるレピータ１、５、８で共有することで、異なるサイトに位置登録された無線端末装置Ａ−Ｆが互いに通信することが可能となる。

無線端末装置Ａは、予め定められたタイミングでメインレピータまたはホームレピータから受信するダウンリンク信号に基づきサイト１１の圏内であるか否かを判断し、圏外であれば上述の位置登録要求を行う。圏内であるか否かを判断するタイミングは、任意に定めることができる。

メインレピータだけでなくサブレピータにおいても無線端末装置Ａ−Ｆの位置登録を行うことで、各サイトにおいて複数の無線端末装置Ａ−Ｆが同じタイミングで位置登録の要求を送信した場合に、複数の無線端末装置Ａ−Ｆのそれぞれの位置登録を同じタイミングで行うことが可能になり、位置登録に要する時間を短縮することが可能となる。

図４は、実施の形態１に係る無線端末装置が行う位置登録要求の動作の一例を示すフローチャートである。無線端末装置Ａを例にして以下に説明する。無線端末装置Ａは、サイト１１−１３いずれかのメインレピータ、例えばレピータ１のチャンネルをスキャンする（ステップＳ１１０）。無線端末装置Ａは、ダウンリンク信号の強度に基づき、該チャンネルで受信した信号が予め定められた基準に合致するか否かを判断する（ステップＳ１２０）。ダウンリンク信号の強度が閾値未満である場合には、該チャンネルで受信した信号が予め定められた基準に合致しないため（ステップＳ１２０；Ｎ）、ステップＳ１１０に戻り、無線端末装置Ａは他のサイトのメインレピータのチャンネルを順にスキャンする。

ダウンリンク信号の強度が閾値以上である場合には、該チャンネルで受信した信号が予め定められた基準に合致するため（ステップＳ１２０；Ｙ）、無線端末装置Ａは、サイト１１のメインレピータであるレピータ１から受信したダウンリンク信号に基づきレピータ１が使用可能であるか否かを判断する（ステップＳ１３０）。無線端末装置Ａは、Ｉｄｌｅメッセージを検出した場合には、レピータ１が使用可能であると判断し（ステップＳ１３０；Ｙ）、レピータ１に位置登録の要求を送信し（ステップＳ１４０）、ステップＳ１５０に進む。

無線端末装置Ａは、Ｉｄｌｅメッセージを検出しない場合には、レピータ１が使用可能でないと判断し（ステップＳ１３０；Ｎ）、サイト１１のサブレピータのチャンネルを順にスキャンする（ステップＳ１７０）。無線端末装置Ａは、使用可能であるサブレピータを検出した場合には（ステップＳ１８０；Ｙ）、該サブレピータに位置登録の要求を送信し（ステップＳ１９０）、ステップＳ１５０に進む。使用可能であるサブレピータを検出しない場合には（ステップＳ１８０；Ｎ）、ステップＳ１１０に戻り、無線端末装置Ａは他のサイトのメインレピータのチャンネルを順にスキャンする。

無線端末装置Ａは、メインレピータまたはサブレピータから位置登録が完了した旨の通知を受けた後に（ステップＳ１５０；Ｙ）、メインレピータまたはホームレピータから受信するダウンリンク信号に基づきサイト１１の圏内であるか否かを判断する（ステップＳ１６０）。サイト１１の圏内である間は（ステップＳ１６０；Ｙ）、ステップＳ１６０の処理を繰り返す。サイト１１の圏外である場合には（ステップＳ１６０；Ｎ）、ステップＳ１１０に戻って上述の位置登録の要求の処理を行う。

無線端末装置Ａは、一定時間以上経過しても、メインレピータまたはサブレピータから位置登録が完了した旨の通知を受けなかった場合には（ステップＳ１５０；Ｎ）、ステップＳ１１０に戻り、他のサイトのメインレピータのチャンネルを順にスキャンする。

図５は、実施の形態１に係るレピータが行う位置登録の動作の一例を示すフローチャートである。サイト１１のメインレピータであるレピータ１を例にして以下に説明する。メインレピータであるレピータ１は、無線端末装置Ａ−Ｆから位置登録の要求を受信しない間は（ステップＳ２１０；Ｎ）、ステップＳ２１０の処理を繰り返す。レピータ１は、例えば無線端末装置Ａから位置登録の要求を受信した場合には（ステップＳ２１０；Ｙ）、無線端末装置Ａの位置登録を行う（ステップＳ２２０）。レピータ１は、位置登録した無線端末装置Ａについての情報をサイト１２、１３のそれぞれのメインレピータであるレピータ５、８およびサイト１１のサブレピータであるレピータ２−４に送信する（ステップＳ２３０）。無線端末装置Ａの位置登録が完了すると、レピータ１は無線端末装置Ａにその旨を通知する（ステップＳ２４０）。レピータ１は、上述の処理を繰り返し行う。

サイト１１のサブレピータであるレピータ２が行う位置登録の動作は、図５と同様である。ただし、ステップＳ２３０において、サブレピータであるレピータ２は、サイト１１のメインレピータであるレピータ１に位置登録した無線端末装置Ａについての情報を送信する。

図６は、実施の形態１に係るレピータが行う位置登録情報の共有の動作の一例を示すフローチャートである。サイト１１のメインレピータであるレピータ１を例にして以下に説明する。メインレピータであるレピータ１は、サブレピータであるレピータ２−４から位置登録された無線端末装置Ａ−Ｆについての情報を受信しない間は（ステップＳ３１０；Ｎ）、ステップＳ３１０の処理を繰り返す。レピータ１は、例えばレピータ２から位置登録された無線端末装置Ａについての情報を受信した場合には（ステップＳ３１０；Ｙ）、受信した位置登録された無線端末装置Ａについての情報をサイト１２、１３のそれぞれのメインレピータであるレピータ５、８およびサイト１１のサブレピータであるレピータ２−４に送信する（ステップＳ３２０）。レピータ１は、上述の処理を繰り返し行う。

以上説明したとおり、実施の形態１に係る無線通信システム１００によれば、無線端末装置Ａ−Ｆの位置登録の処理に要する時間を短縮することが可能となる。

（実施の形態２）
実施の形態２に係る無線通信システム１００の構成は、実施の形態１に係る無線通信システム１００の構成と同じである。実施の形態２においては、少なくともいずれか１つのサイトに複数のメインレピータを設ける。例えばレピータ１、２、５、８をそれぞれメインレピータとし、レピータ３、４、６、７、９、１０をそれぞれサブレピータとする。すなわち、サイト１１は、メインレピータを２台有する。実施の形態２においては、サイト１１のマスタレピータをレピータ１とする。

無線端末装置Ａ−Ｆは、例えば電源がオフ状態からオン状態になった場合や、サイト１１−１３の圏外から圏内に復帰した場合に、レピータ１−１０に対して位置登録要求を行う。位置登録要求の動作の詳細について、無線端末装置Ａを例にして以下に説明する。

無線端末装置Ａは、サイト１１−１３いずれかのメインレピータ、例えばレピータ１のチャンネルをスキャンし、ダウンリンク信号の強度が閾値以上であるか否かを判断する。サイト１１のように複数のメインレピータがあるサイトについては、無線端末装置Ａは、予め定められたメインレピータのチャンネルをスキャンする。予め定められたメインレピータは、同じサイトを構成する複数のメインレピータの内から任意に決定することができる。ダウンリンク信号の強度が閾値未満である場合には、無線端末装置Ａは、他のサイトのメインレピータのチャンネルを順にスキャンする。閾値は、無線端末装置Ａ−Ｆ、レピータ１−１０などの性能を考慮して任意に定めることができる。ダウンリンク信号の強度が閾値以上である場合には、無線端末装置Ａは、サイト１１の予め定められたメインレピータである、例えばレピータ１から受信したダウンリンク信号に基づきレピータ１が使用可能であるか否かを判断する。無線端末装置Ａは、Ｉｄｌｅメッセージを検出した場合には、レピータ１が使用可能であると判断し、レピータ１に位置登録の要求を送信する。

無線端末装置Ａは、Ｉｄｌｅメッセージを検出しない場合には、レピータ１が使用可能でないと判断し、サイト１１の他のメインレピータのチャンネルを順にスキャンし、他のメインレピータから受信したダウンリンク信号に基づき他のメインレピータが使用可能であるか否かを判断する。無線端末装置Ａは、レピータ１が使用可能でない場合には、例えばメインレピータであるレピータ２のチャンネルをスキャンし、レピータ２から受信したダウンリンク信号に基づきレピータ２が使用可能であるか否かを判断する。無線端末装置Ａは、Ｉｄｌｅメッセージを検出した場合には、レピータ２が使用可能であると判断し、レピータ２に位置登録の要求を送信する。

無線端末装置Ａは、Ｉｄｌｅメッセージを検出しない場合には、レピータ２が使用可能でないと判断し、サイト１１のサブレピータのチャンネルをスキャンし、使用可能であるサブレピータを検出する。無線端末装置Ａは、サイト１１のサブレピータであるレピータ３、４のチャンネルを順にスキャンする。

無線端末装置Ａ−Ｆから、位置登録の要求を受信したレピータ１−１０は、無線端末装置Ａ−Ｆの位置登録を行う。位置登録の動作の詳細について、サイト１１のレピータ１−３を例にして以下に説明する。

サイト１１の予め定められたメインレピータであるレピータ１は、無線端末装置Ａから位置登録の要求を受信した場合には、無線端末装置Ａの位置登録を行い、無線端末装置Ａのホームレピータの設定を行う。サイト１１のレピータ１−４の内、任意のレピータをホームレピータとして設定することができる。無線端末装置Ａの位置登録およびホームレピータの設定が完了すると、レピータ１は無線端末装置Ａにその旨を通知する。位置登録された無線端末装置Ａは、ホームレピータから空きチャンネルの情報を受け取ることで他の無線端末装置Ｂ−Ｆと通信を行うことが可能となる。

レピータ１は、位置登録した無線端末装置Ａについての情報をサイト１２、１３のそれぞれのメインレピータであるレピータ５、８に送信する。またレピータ１は、位置登録した無線端末装置Ａについての情報をサイト１１のメインレピータであるレピータ２およびサイト１１のサブレピータであるレピータ３、４に送信する。位置登録された無線端末装置Ａについての情報を受信したサイト１２、１３のそれぞれのメインレピータであるレピータ５、８は、サイト１２、１３のそれぞれのサブレピータであるレピータ６、７、９、１０に、位置登録された無線端末装置Ａについての情報を送信する。

サイト１１のメインレピータであるレピータ２は、無線端末装置Ａから位置登録の要求を受信した場合には、無線端末装置Ａの位置登録を行い、無線端末装置Ａのホームレピータの設定を行う。レピータ２は、位置登録した無線端末装置Ａについての情報を、同じサイトの予め定められたメインレピータであるレピータ１に送信する。レピータ２は、無線端末装置Ａの位置登録およびホームレピータの設定が完了すると、無線端末装置Ａにその旨を通知する。

サイト１１のサブレピータであるレピータ３は、無線端末装置Ａから位置登録の要求を受信した場合には、無線端末装置Ａの位置登録を行い、無線端末装置Ａのホームレピータの設定を行う。レピータ３は、位置登録した無線端末装置Ａについての情報を、同じサイトの予め定められたメインレピータであるレピータ１に送信する。レピータ３は、無線端末装置Ａの位置登録およびホームレピータの設定が完了すると、無線端末装置Ａにその旨を通知する。

予め定められたメインレピータであるレピータ１は、位置登録された無線端末装置Ａについての情報をレピータ２またはレピータ３から受信した場合には、該位置登録された無線端末装置Ａについての情報をサイト１２、１３のそれぞれのメインレピータであるレピータ５、８に送信する。またレピータ１は、該位置登録された無線端末装置Ａについての情報をサイト１１のサブレピータであるレピータ３、４に送信する。該位置登録された無線端末装置Ａについての情報を受信したサイト１２、１３のそれぞれのメインレピータであるレピータ５、８は、サイト１２、１３のそれぞれのサブレピータであるレピータ６、７、９、１０に、該位置登録された無線端末装置Ａについての情報を送信する。なおレピータ２は、位置登録した無線端末装置Ａについての情報を同じサイトのサブレピータであるレピータ３、４に送信してもよいし、レピータ３は、位置登録した無線端末装置Ａについての情報を同じサイトのサブレピータであるレピータ４に送信してもよい。

位置登録された無線端末装置Ａについての情報をサイト１１−１３のそれぞれのメインレピータであるレピータ１、２、５、８で共有することで、異なるサイトに位置登録された無線端末装置Ａ−Ｆが互いに通信することが可能となる。

無線端末装置Ａは、予め定められたタイミングで予め定められたメインレピータまたはホームレピータから受信するダウンリンク信号に基づきサイト１１の圏内であるか否かを判断し、圏外であれば上述の位置登録要求を行う。

メインレピータだけでなくサブレピータにおいても無線端末装置Ａ−Ｆの位置登録を行うことで、各サイトにおいて複数の無線端末装置が同じタイミングで位置登録の要求を送信した場合に、複数の無線端末装置のそれぞれの位置登録を同じタイミングで行うことが可能になり、位置登録に要する時間を短縮することが可能となる。

同じサイトを構成する複数のメインレピータは互いに情報信号の送受信を行う。予め定められたメインレピータに異常が生じた場合には、他のメインレピータが予め定められたメインレピータの処理を代行する。レピータ１、２を例にして代行処理の動作について説明する。

サイト１１のメインレピータであるレピータ２は、情報信号に基づきサイト１１の予め定められたメインレピータであるレピータ１に異常が生じていると判断した場合には、レピータ１の処理を代行する。レピータ２は、例えばレピータ１から情報信号を受信しない時間が閾値以上となった場合に、レピータ１に異常が生じていると判断する。レピータ２は、レピータ１に異常が生じていると判断した場合には、レピータ２をサイト１１のマスタレピータとして設定する。またレピータ２は、レピータ１をホームレピータとしている無線端末装置Ａ−Ｆについて、レピータ２をホームレピータとして設定する。レピータ２は、レピータ１に異常が生じていることをサイト１２、１３のメインレピータであるレピータ５、８、サイト１１のサブレピータであるレピータ３、４、およびサイト１１に位置登録されている無線端末装置、例えば無線端末装置Ａに通知する。

サブレピータは、該通知を受けた後は、位置登録した無線端末装置Ａ−Ｆについての情報をレピータ１ではなくレピータ２に送信する。レピータ２は、位置登録された無線端末装置Ａ−Ｆについての情報をサブレピータから受信した場合には、サイト１２、１３のメインレピータであるレピータ５、８にそれぞれ送信する。またサブレピータは、予め定められたメインレピータから情報信号を受信し、情報信号を受信しない時間が閾値以上となった場合に予め定められたメインレピータに異常が生じていると判断してもよい。例えば、レピータ３は、レピータ１から情報信号を受信しない時間が閾値以上となった場合には、位置登録した無線端末装置Ａ−Ｆについての情報をレピータ１ではなくレピータ２に送信するようにしてもよい。

サイト１１の無線端末装置Ａは、レピータ１がホームレピータとして設定されていた場合には、該通知を受けた後は、レピータ２をホームレピータとして動作し、レピータ２から空きチャンネルの情報を受け取ることで、他の無線端末装置Ｂ−Ｆと通信を行う。また無線端末装置Ａは、ホームレピータであるレピータ１からダウンリンク信号を受信しない時間が閾値以上となった場合に、レピータ１に異常が生じていると判断し、レピータ２のチャンネルをスキャンして、レピータ２から空きチャンネルの情報を受け取るようにしてもよい。

サイトに複数のメインレピータが存在し、予め定められたメインレピータに異常が生じた場合に、他のメインレピータが異常が生じたメインレピータの処理を代行することで、予め定められたメインレピータに異常が生じた場合であっても、無線端末装置Ａ−Ｆの位置登録、位置登録情報の共有、中継処理などを引き続き行うことが可能となる。上述の例では、メインレピータの数が２つの場合について述べたが、メインレピータの数は２以上の任意の値である。例えばレピータ１−３をメインレピータとし、レピータ１に異常が生じた場合には、レピータ２がレピータ１の処理を代行し、さらにレピータ２にも異常が生じた場合には、レピータ３がレピータ１の処理を代行するようにしてもよい。

図７は、本発明の実施の形態２に係る無線端末装置が行う位置登録要求の動作の一例を示すフローチャートである。無線端末装置Ａを例にして以下に説明する。ステップＳ１１０〜Ｓ１６０、およびステップＳ１７０〜Ｓ１９０の処理は、図４と同様である。１つのサイトに複数のメインレピータが存在する場合には、各メインレピータについてステップＳ１２０の判断処理を行うようにしてもよい。無線端末装置Ａは、Ｉｄｌｅメッセージを検出しない場合には、レピータ１が使用可能でないと判断し（ステップＳ１３０；Ｎ）、サイト１１の他のメインレピータのチャンネルをスキャンする（ステップＳ１６１）。無線端末装置Ａは、使用可能であるメインレピータを検出した場合には（ステップＳ１６２；Ｙ）、該メインレピータに位置登録の要求を送信し（ステップＳ１６３）、ステップＳ１５０に進む。使用可能であるメインレピータを検出しない場合には（ステップＳ１６２；Ｎ）、ステップＳ１７０に進む。

実施の形態２に係るレピータ１−１０が行う位置登録の動作は、図５と同様である。予め定められたメインレピータ以外のメインレピータは、サブレピータと同様に、ステップＳ２３０において、予め定められたメインレピータに位置登録した無線端末装置Ａ−Ｆについての情報を送信する。

図８は、実施の形態２に係るレピータが行う処理代行の動作の一例を示すフローチャートである。サイト１１のメインレピータであるレピータ１、２を例にして説明する。サイト１１のメインレピータであるレピータ２は、情報信号に基づき、サイト１１の予め定められたメインレピータであるレピータ１に異常が生じていないと判断している間は（ステップＳ４１０；Ｎ）、ステップＳ４１０の処理を繰り返す。レピータ２は、レピータ１に異常が生じていると判断した場合には（ステップＳ４１０；Ｙ）、レピータ２をサイト１１のマスタレピータとして設定し、レピータ１をホームレピータとしている無線端末装置Ａ−Ｆについて、レピータ２をホームレピータとして設定する、代行設定を行う（ステップＳ４２０）。レピータ２は、レピータ１に異常が生じていることをサイト１２、１３のメインレピータであるレピータ５、８、サイト１１のサブレピータであるレピータ３、４、およびサイト１１に位置登録されている無線端末装置に通知する（ステップＳ４３０）。

以上説明したとおり、実施の形態２に係る無線通信システム１００によれば、無線端末装置Ａ−Ｆの位置登録の処理に要する時間を短縮することが可能となり、予め定められたメインレピータに異常が生じた場合であっても、他のメインレピータが処理を代行することで、無線端末装置Ａ−Ｆの位置登録、位置登録情報の共有、中継処理などを引き続き行うことが可能となる。

本発明の実施の形態は上述の実施の形態に限られない。サイト数、メインレピータ数、およびサブレピータ数はいずれも任意であり、各サイトを構成するメインレピータ数およびサブレピータ数も任意である。

１、２、３、４、５、６、
７、８、９、１０ レピータ
１１、１２、１３ サイト
１４ サーバ
１５ ＩＰネットワーク
１６ 通信回線
１７ システムバス
２０ アンテナ
２１ 送受信切替部
２２ 送信部
２３、２７ ベースバンド処理部
２４ Ａ−Ｄ変換器
２５ マイク
２６ 受信部
２８ Ｄ−Ａ変換器
２９ スピーカ
３０、５０ コントローラ
３１、５１ ＣＰＵ
３２、５２ Ｉ／Ｏ
３３、５３ ＲＡＭ
３４、５４ ＲＯＭ
３５、５５ 表示部
３６、５６ 操作部
４０ 送信用アンテナ
４１ 送信部
４２、４７ ベースバンド処理部
４３ 入力部
４４ ネットワークＩＦ
４５ 受信用アンテナ
４６ 受信部
４８ 出力部
５７ バスＩＦ
１００ 無線通信システム
Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆ 無線端末装置

Claims (7)

1. 通信回線を介して相互に接続され、各固有のチャンネルが割り当てられた複数の中継装置と、
   前記中継装置を介して相互に通信を行う複数の無線端末装置と、
   を備え、
   複数の前記中継装置が送信する信号をすべて受信できる通信エリアが形成され、
   少なくとも１つの予め定められた前記中継装置は、割り当てられた前記チャンネルが通信に使用可能である場合に使用状況信号を送信し、
   前記無線端末装置は、前記予め定められた前記中継装置のチャンネルをスキャンし、前記使用状況信号を検出した場合には該中継装置に位置登録の要求を送信し、
   前記予め定められた前記中継装置は、前記無線端末装置から位置登録の要求を受信した場合には、該無線端末装置の位置登録を行い、当該中継装置と同じ通信エリアの予め定められた他の中継装置および該通信エリアと異なる通信エリアの予め定められた中継装置の少なくともいずれかに対し、位置登録された前記無線端末装置についての情報の送受信を行い、前記同じ通信エリアの、他の中継装置から位置登録された無線端末装置についての情報を受信した場合には、前記異なる通信エリアの前記予め定められた前記中継装置に対し、前記位置登録された無線端末装置についての情報の送受信を行う、
   ことを特徴とする無線通信システム。
2. 前記複数の中継装置は、前記使用状況信号を送信する前記予め定められた中継装置であるメインレピータと前記使用状況信号を送信しない前記中継装置であるサブレピータを含み、
   前記無線端末装置は、予め定められた前記メインレピータのチャンネルをスキャンし、前記使用状況信号を検出した場合には該メインレピータに位置登録の要求を送信し、該メインレピータが使用できない状態であって該メインレピータと同じ通信エリアに他のメインレピータまたは前記サブレピータがある場合に、前記他のメインレピータまたは前記サブレピータのチャンネルをスキャンすることで使用可能な他のメインレピータまたはサブレピータを検出した場合には、該他のメインレピータまたは該サブレピータに位置登録の要求を送信し、
   前記サブレピータは、前記無線端末装置から位置登録の要求を受信した場合には、該無線端末装置の位置登録を行い、当該サブレピータと同じ通信エリアの予め定められた前記メインレピータに、位置登録された前記無線端末装置についての情報を送信し、
   前記予め定められた前記メインレピータは、前記無線端末装置から位置登録の要求を受信した場合には、該無線端末装置の位置登録を行い、当該メインレピータと同じ通信エリアの予め定められた他のメインレピータおよび該通信エリアと異なる通信エリアの予め定められた中継装置の少なくともいずれかに対し、位置登録された前記無線端末装置についての情報の送受信を行い、
   前記予め定められた前記メインレピータは、前記同じ通信エリアの、前記他のメインレピータまたは前記サブレピータから前記位置登録された無線端末装置についての情報を受信した場合には、前記異なる通信エリアの、前記予め定められた前記中継装置に対し、前記位置登録された無線端末装置についての情報の送受信を行う、
   ことを特徴とする請求項１に記載の無線通信システム。
3. 少なくとも１つの前記通信エリアが、複数の前記メインレピータと、前記サブレピータから構成され、
   前記通信エリアを構成する前記複数のメインレピータは互いに情報信号の送受信を行い、前記情報信号に基づき予め定められた前記メインレピータに異常が生じていると判断された場合には、該メインレピータと同じ通信エリアの他のメインレピータは、前記予め定められた前記メインレピータの処理を代行する、
   ことを特徴とする請求項２に記載の無線通信システム。
4. 前記無線端末装置は、直前に位置登録された前記通信エリアの前記予め定められた前記中継装置のチャンネルをスキャンし、前記予め定められた前記中継装置からのダウンリンク信号の強度が閾値以上であって、前記使用状況信号を検出した場合には、該中継装置に位置登録の要求を送信し、前記ダウンリンク信号の強度が閾値未満である場合には、他の通信エリアの予め定められた中継装置のチャンネルをスキャンすることを特徴とする請求項１ないし３のいずれか１項に記載の無線通信システム。
5. 通信回線を介して相互に接続され、各固有のチャンネルが割り当てられた複数の中継装置と、
   前記中継装置を介して相互に通信を行う複数の無線端末装置と、
   を備え、
   複数の前記中継装置が送信する信号をすべて受信できる通信エリアが形成され、
   少なくとも１つの予め定められた前記中継装置は、割り当てられた前記チャンネルが通信に使用可能である場合に使用状況信号を送信する無線通信システムが行う位置登録方法であって、
   前記無線端末装置が行う、
   前記予め定められた前記中継装置のチャンネルをスキャンし、該チャンネルで予め定められた基準に合致する前記使用状況信号を受信した場合には該中継装置に位置登録の要求を送信する位置登録要求ステップと、
   前記予め定められた前記中継装置が行う、
   前記無線端末装置から位置登録の要求を受信した場合には、該無線端末装置の位置登録を行い、当該中継装置と同じ通信エリアの予め定められた他の中継装置および該通信エリアと異なる通信エリアの予め定められた中継装置の少なくともいずれかに対し、位置登録された前記無線端末装置についての情報の送受信を行い、前記同じ通信エリアの、他の中継装置から位置登録された無線端末装置についての情報を受信した場合には、前記異なる通信エリアの前記予め定められた前記中継装置に対し、前記位置登録された無線端末装置についての情報の送受信を行う位置登録ステップと、
   を備えることを特徴とする位置登録方法。
6. 通信回線を介して相互に接続され、固有のチャンネルが割り当てられた中継装置であって、
   割り当てられた前記チャンネルが使用可能である場合に使用状況信号を送信し、
   前記使用状況信号を検出した無線端末装置から位置登録の要求を受信した場合には、該無線端末装置の位置登録を行い、当該中継装置が送信する信号を受信できる通信エリアである同じ通信エリアの予め定められた他の中継装置および該通信エリアと異なる通信エリアの予め定められた他の中継装置の少なくともいずれかに対し、位置登録された前記無線端末装置についての情報の送受信を行い、前記同じ通信エリアの、他の中継装置から位置登録された無線端末装置についての情報を受信した場合には、前記異なる通信エリアの前記予め定められた前記他の中継装置に対し、前記位置登録された無線端末装置についての情報の送受信を行う、
   ことを特徴とする中継装置。
7. 通信回線を介して相互に接続され、固有のチャンネルが割り当てられた中継装置を介して通信を行う無線端末装置であって、
   複数の前記中継装置が送信する信号をすべて受信できる通信エリアが形成され、前記通信エリアに、割り当てられた前記チャンネルが通信に使用可能である場合に使用状況信号を送信する予め定められた前記中継装置であるメインレピータと前記メインレピータを除く前記中継装置であるサブレピータがある場合に、
   予め定められた前記メインレピータのチャンネルをスキャンし、前記使用状況信号を受信した場合には該メインレピータに位置登録の要求を送信し、該メインレピータが使用できない状態であって該メインレピータと同じ通信エリアに他のメインレピータまたは前記サブレピータがある場合に、前記他のメインレピータまたは前記サブレピータのチャンネルをスキャンすることで使用可能な他のメインレピータまたはサブレピータを検出した場合には、該他のメインレピータまたは該サブレピータに位置登録の要求を送信する、
   ことを特徴とする無線端末装置。

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