JP6254869B2 - 航空機の安全装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料タンクの防爆のために用いられる航空機の安全装置に関する。
航空機のエンジンに供給される燃料は、燃料タンクを兼ねる主翼の内部に貯留される。
主翼の内部には、外気に通じる通気路が設けられる。この通気路を介して行われる通気により、外気圧と主翼内部の圧力とがバランスされる。
ここで、通気路内、および外気に臨む通気口の付近には、気化した燃料蒸気と空気とが混合した可燃ガスが存在する。このガスが落雷により着火されることを防ぐため、ガスの出入りは許容しつつ、スパーク等の着火源から通気口を遮る半覆いを設けることがある。
なお、航空機の燃料タンクの防爆を図るために、絶縁性のキャップを備える耐雷ファスナが用いられる(特許文献1)。
特開2011−102122
可燃ガスへの着火は、雷の他、空港での建物や他の航空機の火災などに起因して生じうる。
着火した場合、通気路を通じて燃料タンク内へと火炎が突入することを阻止する必要がある。
さらに、通気口に火炎が保持される場合、火炎を熱源として燃料タンク内の燃料が加熱され、燃料タンク内で燃料が発火することを防止する必要もある。
本発明は、可燃ガスに着火したとしても、燃料タンクの爆発を確実に防止することができる航空機の安全装置を提供することを目的とする。
本発明は、航空機の燃料を貯留する燃料タンクを防爆するための安全装置であって、燃料タンクの内部と外部とを通気させる通気路を介して燃料タンクの外部から内部へと火炎が伝搬されることを阻止する火炎伝搬阻止部と、火炎の熱により加熱されると、燃料のガスを含む可燃ガスが通気路を介して火炎へと供給されることを抑制するガス供給抑制部と、を備える
本発明によれば、可燃ガスに着火された際に、通気路を介して生じうる逆火を火炎伝搬阻止部により阻止することができる。
さらに、ガス供給抑制部が火炎の熱により加熱されると、可燃ガスが火炎へと供給されることを抑制するので、火炎を抑制することができる。そのため、保炎されたとしても、燃料タンク内への熱の伝搬が抑制される。したがって、燃料が発火点にまで加熱されて発火することを免れることができる。
本発明の安全装置において、ガス供給抑制部は、火炎伝搬阻止部よりも外気の近くに位置することが好ましい。
そうすると、外気側で着火された火炎の伝搬が火炎伝搬阻止部により阻止されるとともに、火炎伝搬阻止部によっては消炎しきらずに外気側に残存する火炎の熱によりガス供給抑制部を機能させることができる。
本発明におけるガス供給抑制部として、以下に挙げる構成のいずれかを採用している。
(1)通気路の一部を構成する支持体と、支持体の内周に設けられ、火炎の熱により膨張する熱膨張部と、を備える構成。
(2)通気路を閉塞可能な閉塞部材と、通気路が開通している状態に閉塞部材を磁力により保持する保持部材と、を備える構成。保持部材は、火炎の熱により加熱されると、閉塞部材の保持を解除する。
上記の(2)の場合、保持部材による保持が解除されると、閉塞部材が自重により落下することで通気路を閉塞するように構成することができる。また、磁力により閉塞部材を保持する保持部材を採用している。
本発明の安全装置は、通気路において外気に臨む通気口の近傍に設けることができる。
本発明によれば、可燃ガスに着火したとしても、燃料タンクの爆発を確実に防止することができる。
第1実施形態を示す図であり、(a)は航空機の主翼の内部(燃料タンク)を示し、(b)は主翼の外観(下面側)を示す。 主翼に設けられた安全装置の縦断面図を示す。 (a)(b)は、図2のIIIa−IIIa線における横断面図である。 第2実施形態に係る安全装置を示す縦断面図であり、(a)は通気路が開通している状態、(b)は通気路が閉塞された状態を示す。 第3実施形態に係る安全装置を示す縦断面図であり、(a)は通気路が開通している状態、(b)は通気路が閉塞された状態を示す。 第4実施形態に係る安全装置を示す縦断面図であり、(a)は通気路が開通している状態、(b)は通気路が閉塞された状態を示す。 (a)(b)は、本発明の変形例に係る安全装置を示す平面図である。
以下、添付図面を参照しながら、航空機の燃料タンクを防爆するために用いられる安全装置について説明する。
[第1実施形態]
航空機のエンジンに供給される燃料(ジェット燃料)は、図1(a)に示すように、主翼10および胴体11から構成された燃料タンク12内に貯留される。
ここで、飛行高度に応じて航空機の周囲の外気圧が変化しても、外気圧と燃料タンク12の内圧との差圧により燃料タンク12に過大な圧力が加わることを避ける必要がある。また、エンジンの消費により燃料タンク12内から出て行った燃料の体積減少分、燃料タンク12内に空気を取り入れ、燃料の供給を継続する必要もある。
そのため、燃料タンク12に、内部と外部とを通気させる通気路20を設けることにより、外気圧と内圧とのバランスを図る。
〔主翼のタンク構成〕
燃料タンク12は、隔壁121によってインナータンク13とアウタータンク14とに区分される。
インナータンク13およびアウタータンク14に貯留される燃料は、図示しない燃料ポンプによりエンジンへと送られる。燃料ポンプは、インナータンク13およびアウタータンク14の双方にそれぞれ設けることができる。あるいは、タンク間で燃料を移送する機構が設けられている場合は、いずれか一方のタンクにだけ燃料ポンプを設けることができる。
インナータンク13は、胴体11から、左右の主翼10(一方のみを図示)の基端側にかけて設けられる。
アウタータンク14は、隔壁121を介してインナータンク13に隣接し、主翼10の先端の近傍にまで延在する。主翼10の先端には、サージタンク15が設けられる。
アウタータンク14およびサージタンク15は、左右の主翼10にそれぞれ設けられる。
サージタンク15も主翼10から構成されており、隔壁122を介してアウタータンク14に隣接する。
サージタンク15は、インナータンク13またはアウタータンク14から通気路20に過渡的に入り込んだ燃料を受け止め、機外に直ちには漏れ出ないようにする。
〔通気路〕
通気路20は、インナータンク13から、アウタータンク14を経由して、サージタンク15に至るまで、主翼10の長手方向に延びている。
通気路20は、通常の配管を用いて構成することができるほか、スキンの裏面に主翼10の長手方向に沿って平行に設けられるストリンガを用いて構成することもできる。具体的に、隣り合うストリンガとストリンガとの間に位置する空間を燃料タンク12内の貯留空間とは仕切ることで、それらのストリンガの間に通気路20を形成することができる。
通気路20は、サージタンク15に配置されて外気に通じる通気ダクト21と、アウタータンク14の内部に通じる通気口22と、インナータンク13の内部に通じる通気口23とを備える。
通気路20は、左右の主翼10の各々に左右対称に設けられており、インナータンク13には、左右の通気路20の通気口23が配置される。
通気路20により、インナータンク13およびアウタータンク14の各々の内部空間が外気に通じる。そして、外気圧と各タンクの内圧との差圧に応じて、外気が各タンク内へと流入する、あるいは、各タンク内のガスが機外へと流出することによって、外気圧と各タンクの内圧とが均圧される。
ここで、通気路20内には、インナータンク13およびアウタータンク14に貯留される燃料が気化した燃料蒸気(例えば、ヘキサン)と、空気とが混合した可燃ガスが流れる。
したがって、機体への落雷により主翼10に大電流が流れ、ファスナが設けられた箇所などで放電したり、空港の建物火災や他の航空機の火災によって火炎や火花が主翼10の周囲に及んだりすると、スパークや火花等を着火源として、通気ダクト21の付近に存在する可燃ガスが着火されるおそれがある。
そのため、通気路20は、可燃ガスへの着火により生じた火炎Fに対して燃料タンク12を防爆する安全装置30を備える。
図1(b)および図2に示すように、通気路20の一部を構成する通気ダクト21は、主翼10の下側のスキン16に設けられた開口160を塞ぐ蓋部材161に設けられる。
スキン16および蓋部材161は、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属材料、あるいは繊維強化樹脂から形成される。
通気ダクト21は、蓋部材161の裏面側に立ち上がり、安全装置30の下端に接続される。
通気ダクト21の下端に位置する通気口21Aは、機外で外気に臨む。通気口21Aは、機首側に向けて拡げられる。
〔安全装置〕
安全装置30は、着火により生じた火炎Fが燃料タンク12内へと伝搬することを阻止する火炎伝搬阻止部31(フレームアレスタ)と、可燃ガスが火炎Fへと供給されることを抑制するガス供給抑制部32とを備える。
火炎伝搬阻止部31およびガス供給抑制部32は、通気路20に組み込まれる。
〔火炎阻止部〕
火炎伝搬阻止部31は、火炎Fが燃料タンク12内へと突き抜けることを阻止する阻止部本体33と、通気路20の一部を構成し、阻止部本体33の外周を包囲するケース34とを備える。
阻止部本体33には、火炎Fを形成する可燃ガスに固有な上限値が与えられる隙間が形成されており、阻止部本体33は、隙間を通過しようとする火炎Fの熱を吸収する。それによって火炎Fのエネルギが減少されるので、阻止部本体33よりも先に火炎Fが伝搬することが阻止される。
阻止部本体33には、想定される可燃ガスの温度および圧力に応じて、適切な隙間の寸法および熱容量が設定される。
阻止部本体33は、隙間を通じたガスの出入りを許容する。
阻止部本体33としては、瞬間的な火炎Fの突き抜け(逆火)を阻止する消炎素子として知られる種々のタイプ、例えば、クリンプリボンタイプ、金網を重ねたメッシュタイプ、平行板タイプ、多孔板タイプなどを用いることができる。これらのいずれのタイプも耐火性を有する金属から形成される。金属粒子を焼結することにより阻止部本体33を形成することも可能である。
クリンプリボンタイプは、細かなクリンプ(折りひだ)を付けた金属リボンと平坦なリボンとを重ねたものを同心円状に配置したもので、横断面には三角状の多数の隙間が密集して配置される。クリンプリボンタイプは、ガスの圧力損失が比較的小さい上、火炎Fの突き抜けを阻止する性能が高い。さらに、火炎圧力による衝撃に耐える十分な強度を有する。
ケース34は、阻止部本体33の外周を覆う筒部35と、筒部35の下端に位置するフランジ36とを有する。筒部35およびフランジ36は、耐火性を有する金属から一体に形成される。
筒部35の上端は、サージタンク15の内部空間を介して通気路20の本体と接続される。
〔ガス供給抑制部〕
火炎Fは、火炎伝搬阻止部31により吸熱されることで消失する場合もあるし、保炎の条件が整うことで火炎伝搬阻止部31よりも下側(外気側)に留まる場合もある。
ガス供給抑制部32は、火炎伝搬阻止部31よりも外気の近くに位置するので、保炎された火炎Fの熱に曝される。ガス供給抑制部32は、その火炎Fへと可燃ガスが供給されることを抑制する。
ガス供給抑制部32は、通気路20の一部を構成する支持体37と、支持体37の内周に設けられ、火炎の熱により膨張する熱膨張部38とを備える。
支持体37は、支持体筒部371と、支持体筒部371の上端に位置する上フランジ372と、支持体筒部371の下端に位置する下フランジ373と、上フランジ372および下フランジ373を連結するリブ374とを備える。
上フランジ372は、火炎伝搬阻止部31のフランジ36と突き合わせられて固定される。
下フランジ373は、蓋部材161の裏側に固定される。
支持体筒部371の内側には、通気ダクト21の上端が挿入される。
支持体筒部371は、火炎伝搬阻止部31のケース34の径と同じ径である上端部371Aと、通気ダクト21の径と同じ径である下端部371Bとを有する。
通気ダクト21の径に対してケース34の径が大きく設定されており、支持体筒部371は上方にいくほど次第に拡径される。
また、支持体筒部371の内周は、支持体筒部371の軸心に対して対称に形成される。
熱膨張部38は、支持体筒部371の内周に設けられており、保炎された火炎Fから発せられる熱により膨張することで、支持体筒部371の内部を閉塞する。
図3(a)に示すように、熱膨張部38は、支持体筒部371の周方向全体に亘って設けられる。熱膨張部38は、火炎Fにより加熱されると、図3(b)に示すように、主として径方向に向けて膨張し、支持体筒部371の内部を閉塞する。支持体筒部371の内部は完全に閉塞されていてもよいし、図3(b)に示すように少し間隙を残して閉塞されていてもよい。
支持体筒部371の内部が完全に閉塞されると、通気路20内の可燃ガスの流れが遮断される。支持体筒部371の内部が一部を残して閉塞される場合でも、通気路20内の可燃ガスの流れが滞る。いずれにしても、通気路20を介して可燃ガスが火炎Fへと供給されることが抑制される。
熱膨張部38は、例えば、100〜300℃の温度に加熱されると3〜50倍程度に体積が膨張する材料から形成することができる。熱膨張部38は、所定時間継続して火炎Fに曝されても焼失しない耐火性を有する。
そのような材料から形成された製品としては、例えば、因幡電機産業株式会社の「熱膨張性耐熱シールIP」(耐火パテ)、共成株式会社の熱膨張シール材「インツメックス」、株式会社十川ゴムの熱膨張材料、積水化学工業株式会社の熱膨張耐火材「フィブロック」(登録商標)などが挙げられる。
上記のうち、テープまたはシートの形態で提供されるものは、支持体筒部371の内周に沿って貼り付けることができる。片面に粘着性を有していると便利である。
なお、クリップ等を用いてテープやシートを支持体筒部371の内周に保持することも可能である。
その他、無機材料あるいは有機材料に膨張剤を添加したものや、基材および熱膨張材を組み合わせた複合材料などから、熱膨張部38を形成することができる。
支持体筒部371の径と、火炎Fの想定される温度に対応する膨張率に基づいて、膨張前における熱膨張部38の厚みを設定することができる。
例えば、支持体筒部371の内径が40mmの箇所を閉塞するためには、想定温度において20倍に膨張する熱膨張部38を1mmの厚みで設けるとよい。テープやシートを必要な厚みに貼り重ねることもできる。
熱膨張部38は、熱膨張性を有する流動物を支持体筒部371の内周に塗布することによっても形成することができる。
〔本実施形態の作用効果〕
以上で説明した本実施形態の安全装置30によれば、機体や機体の周囲で生じた着火源により可燃ガスに着火された際に、通気路20を通じて瞬間的に生じうる逆火を火炎伝搬阻止部31により阻止することができる。
この火炎伝搬阻止部31によれば、逆火による火炎の突入により貯留燃料が燃焼することで燃料タンク12の内圧が急激に上がり、燃料タンク12が爆発することを未然に防止することができる。
その後、火炎Fが消炎されることなく、火炎伝搬阻止部31の下側に保炎されたとする。その場合、引き続き、火炎伝搬阻止部31により燃料タンク12内への火炎の伝搬が阻止される。
それに加えて、火炎Fの熱に曝されることで加熱されたガス供給抑制部32の熱膨張部38が元の体積の例えば数十倍にも膨張することで、支持体筒部371の内部が閉塞される(図3(b))。これによって火炎Fへの可燃ガスの供給が妨げられるので、火炎Fのエネルギが低減されて火勢が弱まる。
膨張した熱膨張部38は、火炎Fの抵抗となって火炎Fの圧力を低減させるので、火炎Fの伝搬を阻止することにも寄与する。
支持体筒部371の内部が完全に閉塞されることで火炎Fへの可燃ガスの供給が完全に途絶えれば、速やかに消炎に至る。
ここで、少量ながら可燃ガスの供給が継続的あるいは断続的に行われることにより、引き続き保炎されたとする。その場合、火炎Fの熱により通気ダクト21、安全装置30、およびサージタンク15が加熱されるが、火炎Fのエネルギが低減されているために、サージタンク15を超えてアウタータンク14およびインナータンク13、これらのタンク14,13内の通気路20に対する熱の伝搬が抑制される。
そのため、アウタータンク14およびインナータンク13内の燃料が発火点にまで加熱されることを免れることができる。
したがって、ガス供給抑制部32によれば、燃料の発火による燃料タンク12の爆発を未然に防止することができる。
上述のように、本実施形態の安全装置30によれば、可燃ガスに着火されたとしても、火炎Fの伝搬阻止と、火炎Fへの可燃ガスの供給抑制により、燃料タンク12の防爆を確実に図ることができる。
[第2実施形態]
次に、図4を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、安全装置のガス供給抑制部の構成が第1実施形態とは相違し、そのほかの構成は第1実施形態と同様である。
既に説明した構成と同様の構成には同じ符号を付している。以降の各実施形態でも同様である。
図4(a)に示す安全装置40は、火炎伝搬阻止部31と、火炎伝搬阻止部31よりも通気口21Aの近くに位置するガス供給抑制部42とを備える。
ガス供給抑制部42は、通気路20の一部である筒体47と、筒体47の内部を閉塞可能な蓋43(閉塞部材)と、蓋43を吊り下げる吊下具44(保持部材)とを備える。
筒体47は、第1実施形態の支持体37と同様に構成されており、下端部371Bの径に対して上端部371Aの径が大きく、上方にいくほど次第に拡径される。
蓋43は、下端部371Bに挿入された通気ダクト21の上端の内径よりも少し径が大きな円形の板であり、筒体47の上端側の内側に、保持部材44により吊り下げられる。蓋43は、耐火性を有する金属から形成される。
吊下具44は、火炎伝搬阻止部31の阻止部本体33の下面を支持するフレーム331に取り付けられて垂下し、阻止部本体33の下面から離間した位置に、蓋43を吊り下げる。蓋43の径は筒体47の上端側の内径よりも小さいので、蓋43の外周と筒体47の内周との間には隙間があいている。つまり、筒体47の内部は閉塞されておらず、通気路20は開通しているので、通気路20を介してガスの出入りが許容される。
また、蓋43が火炎伝搬阻止部31の下面から離れているので、火炎伝搬阻止部31の下面のガスの出入りに支障はない。
本実施形態では、蓋43の中心に吊下具44が取り付けられるが、吊下具44が取り付けられる箇所はこの限りではない。また、蓋43の複数の箇所にそれぞれ吊下具44を取り付け、複数の吊下具44により蓋43を保持することもできる。
吊下具44は、火炎Fの熱により加熱されると溶断、あるいは焼失される材料から形成される。
したがって、吊下具44は、火炎Fの熱により加熱されると、蓋43の保持を解除する。
吊下具44は、例えば、耐熱温度が100℃未満である樹脂から形成することができる。
本実施形態では、通気口21Aの付近に存在する可燃ガスへの着火により火炎Fが生じると、第1実施形態と同様に、まずは、火炎伝搬阻止部31により瞬間的な火炎Fの伝搬が阻止される。
これに続いて、火炎Fにより吊下具44が溶断、焼失すると、吊下具44による保持が解除されるので、図5(b)に示すように蓋43が自重により落下し、通気ダクト21の上端により支持される。この蓋43により通気路20が閉塞されるので、通気路20内のガスの流れが遮断される。それによって火炎Fへの可燃ガスの供給が停止するので、火炎Fのエネルギが減少し、消炎に至る。また、蓋43は、火炎Fの抵抗となって火炎Fの圧力を低減させるので、火炎Fの突き抜けを阻止することにも寄与する。
以上により、可燃ガスに着火されたとしても、火炎Fの伝搬阻止と、可燃ガスの供給遮断により、燃料タンク12の防爆を確実に図ることができる。
第2実施形態では、落下した蓋43が通気ダクト21の上端により支持されるが、これに限らず、蓋43の径と通気路20の内径との関係により、蓋43が留まる位置が定まる。例えば、蓋43が少し大きければ、落下した筒体47の内壁により支持される。また、通気ダクト21が筒体47と同様に、上方にいくほど拡径されていれば、通気ダクト21の内壁により蓋43が支持されるように構成することができる。
[第3実施形態]
次に、図5を参照し、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、自重により蓋43を落下させることで通気路20を閉塞する点は第2実施形態と同様であるが、蓋43を吊り下げて鉛直方向に落下させるのではなく、筒体47の内壁に沿って保持した蓋43を通気ダクト21の上端に向けて滑り落とす。
以下、第2実施形態との相違点を中心に述べる。
図5(a)に示す安全装置50は、火炎伝搬阻止部31と、火炎伝搬阻止部31よりも通気口21Aの近くに位置するガス供給抑制部52とを備える。
ガス供給抑制部52は、筒体47と、蓋43と、筒体47の内壁に設けられる磁石54(保持部材)とを備える。
本実施形態の蓋43は強磁性を有する材料、例えば、鉄合金から形成されており、磁石54に吸引されることで筒体47の内壁にほぼ沿って保持される。このとき通気路20は開放される。
本実施形態では、火炎Fの熱により磁石54が加熱されることで磁石54の磁力が低下すると、磁石54による蓋43の保持が解除されるので、図5(b)に示すように蓋43が落下し、通気ダクト21の上端に支持される。この蓋43により通気路20が閉塞されるので、通気路20内のガスの流れが遮断される。
本実施形態によれば、第2実施形態と同様の作用および効果に加え、平常時のガスの流れに対して蓋43が与える抵抗を第2実施形態と比べて小さくすることができるので、通気に有利である。
[第4実施形態]
次に、図6を参照し、本発明の第4実施形態について説明する。
第3実施形態では自重によって蓋43が移動するが、第4実施形態では、バネ力で蓋43を移動させる。
本実施形態では、図6(a)に示すように、筒体47の下端部371Bに水平に設置したヒンジ51を中心として蓋43を回動可能に設ける。蓋43と筒体47の内壁との間にはバネ53を設ける。蓋43が磁石54により保持されると、蓋43によってバネ53が圧縮される。
火炎Fの熱により加熱されることで磁石54の磁力が低下し、磁石54による蓋43の保持が解除されると、図6(b)に示すように、バネ53の弾性力により、蓋43が回動される。蓋43は通気路20内を閉塞する。
本実施形態によれば、第3実施形態と同様の作用および効果に加え、バネ53の弾性力により蓋43をヒンジ51を中心として回動させることで、蓋43をより確実に動作させることができる。
以上に例示したほか、本発明の安全装置のガス供給抑制部として、図7に模式的に示すシャッタ60およびシャッタ60を開いた状態に保持する保持部材66を用いることができる。
シャッタ60は、それぞれに複数のスリット65が形成された2枚の円形の板61,62を備える。板61を白色で示し、板62を灰色で示す(図7(b)参照)。
これらの板61,62は中心で軸支されており、板61のスリット65と板62のスリット65との位置を合わせると、図7(a)のようにシャッタ60が開いた状態となる。板62は板61の裏側に位置する。図7(a)において各スリット65の領域(開口)を斜線で示す。各スリット65を介してガスが出入りする。
図7(a)に示す状態からスリット65の1つ分の角度だけ板62を時計回りに回転させると、図7(b)に示すように、板61の各スリット65の背後に板62が配置されるので、シャッタ60が閉じた状態となる。
保持部材66は、平常時はシャッタ60を開いた状態に保持し(図7(a))、火炎Fにより加熱されると、シャッタ60を閉じた状態に切り替える(図7(b))。保持部材66としては、例えば、2種類の金属の熱膨張率の違いに基づいて動作するバイメタルスイッチを利用することができる。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本発明の安全装置は、水平方向や上方を向いた通気口の付近に設けることもできる。その場合、例えばバネ力を用いて蓋を移動させることで、通気路を閉塞することができる。
本発明における通気路の配管、ダクトなどは、任意に構成することができる。上記各実施形態では、製造性や組立性を考慮して、火炎伝搬阻止部31のケース34、ガス供給抑制部32の筒体(支持体37含む)、および通気ダクト21が別体に構成されるが、これらを一体に構成することもできる。
また、支持体37の内周が、支持体37の軸心に対して非対称に形成されていてもよい。
本発明の安全装置は、通気路20における任意の箇所に配置することができる。
本発明の安全装置を通気口21Aの近くと、通気路20の途上の少なくとも1箇所に設けることも好ましい。
また、本発明の安全装置において、火炎伝搬阻止部とガス供給抑制部との位置関係は上記実施形態に限らず、火炎伝搬阻止部がガス供給抑制部よりも外気の近くに位置していてもよい。
本発明の安全装置は、窒素富化ガスを燃料タンク内に供給する防爆システムや、耐雷ファスナの採用による防爆構造と併用することができる。
本発明の安全装置は、航空機の燃料タンクの防爆に限らず、各種のプラントや設備などの燃料タンクの防爆に利用することができる。
10 主翼
11 胴体
12 燃料タンク
13 インナータンク
14 アウタータンク
15 サージタンク
16 スキン
20 通気路
21 通気ダクト
21A 通気口(外気に臨む通気口)
22,23 通気口
30,40,50 安全装置
31 火炎伝搬阻止部
32 ガス供給抑制部
33 阻止部本体
34 ケース
35 筒部
36 フランジ
37 支持体
38 熱膨張部
42 ガス供給抑制部
43 蓋(閉塞部材)
44 吊下具(保持部材)
47 筒体
51 ヒンジ
52 ガス供給抑制部
53 バネ
54 磁石(保持部材)
60 シャッタ(閉塞部材)
61,62 板
65 スリット
66 保持部材
121,122 隔壁
160 開口
161 蓋部材
371 支持体筒部
371A 上端部
371B 下端部
372 上フランジ
373 下フランジ
374 リブ
A 基端側
B 先端側
F 火炎

Claims (5)

  1. 航空機の燃料を貯留する燃料タンクを防爆するための安全装置であって、
    前記燃料タンクの内部と外部とを通気させる通気路を介して前記燃料タンクの外部から内部へと火炎が伝搬されることを阻止する火炎伝搬阻止部と、
    前記火炎の熱により加熱されると、前記燃料のガスを含む可燃ガスが前記通気路を介して前記火炎へと供給されることを抑制するガス供給抑制部と、を備え
    前記ガス供給抑制部は、
    前記通気路の一部を構成する支持体と、
    前記支持体の内周に設けられ、前記火炎の熱により膨張する熱膨張部と、を備える、
    ことを特徴とする航空機の安全装置。
  2. 航空機の燃料を貯留する燃料タンクを防爆するための安全装置であって、
    前記燃料タンクの内部と外部とを通気させる通気路を介して前記燃料タンクの外部から内部へと火炎が伝搬されることを阻止する火炎伝搬阻止部と、
    前記火炎の熱により加熱されると、前記燃料のガスを含む可燃ガスが前記通気路を介して前記火炎へと供給されることを抑制するガス供給抑制部と、を備え
    前記ガス供給抑制部は、
    前記通気路を閉塞可能な閉塞部材と、
    前記通気路が開通している状態に前記閉塞部材を磁力により保持する保持部材と、を備え、
    前記保持部材は、火炎の熱により加熱されると、前記閉塞部材の保持を解除する、
    ことを特徴とする航空機の安全装置。
  3. 前記閉塞部材は、
    前記保持部材による保持が解除されると、自重により落下することで前記通気路を閉塞する、
    ことを特徴とする請求項に記載の航空機の安全装置。
  4. 前記ガス供給抑制部は、
    前記火炎伝搬阻止部よりも外気の近くに位置する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の航空機の安全装置。
  5. 前記通気路において外気に臨む通気口の近傍に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の航空機の安全装置。
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