JP6253805B2 - 複数の回転シャフトを有する機械装置 - Google Patents

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    • F16F15/264Rotating balancer shafts
    • F16F15/265Arrangement of two or more balancer shafts

Description

本発明は、内燃機関の二次振動を打ち消すバランサ装置等、複数の回転シャフトを有する機械装置に関する。
自動車等に搭載されるレシプロエンジン(以下、単にエンジンと記す)では、ピストンが発生する二次振動を打ち消すために、それぞれバランサウェイト(カウンタウェイト)を有する2本のバランサシャフトを配置し、動力伝達機構を介して伝達されるクランクシャフトの回転によって一方のバランサシャフトを回転駆動し、ギヤで互いに連結する他方のバランサシャフトをこれとは反対方向に等速度で回転駆動するようにしたバランサ装置が取り付けられることがある。
このようなバランサ装置として、クランクシャフトに取り付けられた第1スプロケットと共に第1チェーンが巻き掛けられる第2スプロケットを第1軸に固定し、第1軸に固定した第3歯車を、第1バランサシャフトに固定した第4歯車と噛み合わせ、第1バランサシャフトに固定した第5歯車と第2バランサシャフトに固定した第6歯車とを噛み合わせ、第1及び第2スプロケットの歯数を同数として第1軸をクランクシャフトと同速で回転させ、第3歯車の歯数を第4歯車の歯数の2倍に設定して第1バランサシャフトをクランクシャフトの2倍の回転数で回転させ、第5及び第6歯車の歯数を同数に設定することで第1及び第2バランサシャフトを反対方向に同じ回転数で回転させるようにし、第1及び第2バランサシャフトよりもエンジン上下方向(ピストンの往復運動方向)において下方(クランクシャフトから離間した位置)に第1軸を設けた構成が公知である(特許文献1参照)。
特許第3707140号公報
しかしながら、複数の回転シャフトを有する機械装置において、特許文献1の構成のように各シャフトを分散して配置すると、各シャフトに対して軸受を設けなければならず、装置が大型化するうえ、加工や組立の工数が増える。また、軸受に潤滑油を供給する場合には、軸受の数が多いと、その分だけ軸受に潤滑油を供給する油路の構造が複雑になり、これによっても装置が大型化するうえ、加工工数が増える。更に、軸受の数が多いと、その分だけ必要な潤滑油量が増える。
本発明は、このような背景に鑑み、複数の回転シャフトを有する機械装置において、装置を小型化すると共に加工や組立の工数を削減し、必要な潤滑油量を低減することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明は、複数の回転シャフト(12、13、51)を有する機械装置(10)であって、前記複数の回転シャフトのうちの2つ(12R・13、12F・51)が同軸上に近接して配置され、当該同軸上に配置された2つの回転シャフトの互いに近接する側の端部が単一の軸受(22、24)によって軸支され、前記2つの回転シャフトのそれぞれの前記端部の間に形成された隙間(g)に連通する油路(29)が設けられている構成とする。
この構成によれば、2つの回転シャフトの軸受が共通とされ、この共通の軸受に潤滑油を供給する油路が1本で済むため、装置を小型化すると共に、加工や組立の工数を削減することができる。また、両回転シャフト間の隙間から軸受と両回転シャフトとの間の軸受隙間にオイルを供給でき、必要な潤滑油量を低減できる。
また、上記の発明において、前記軸受の内面には前記油路を構成する円環状の溝(29b)が形成され、当該溝が前記隙間よりも大きな幅を有し、かつ前記隙間を跨ぐように配置されているとよい。
この構成によれば、2つの回転シャフトが軸受に片当たりすることを防止できる。また、軸受と2つの回転シャフトとの間の軸受隙間にオイルが入り込みやすくなる。
また、上記の発明において、前記機械装置は内燃機関(1)に設けられて1対のバランサシャフト(12F、12R)をクランクシャフト(2)の2倍の回転速度で互いに反対方向に回転させるバランサ装置(10)であり、巻き掛け式の第1伝動機構(16)を介して前記クランクシャフトに連結されたインプットシャフト(13)と、互いに噛み合う1対の歯車(13e、12Fe)からなる第2伝動機構を(17)介して前記インプットシャフトに連結された第1バランサシャフト(12F)と、互いに噛み合う歯数が同一の1対の歯車(12Fd、12Fd)からなる第3伝動機構(18)を介して前記第1バランサシャフトに連結された第2バランサシャフト(12R)とを備え、前記インプットシャフトと前記第2バランサシャフトとが同軸上に近接して配置され、当該両シャフトの互いに近接する側の端部が前記単一の軸受(22)によって軸支されている構成とすることができる。
この構成によれば、1対のバランサシャフトの他にインプットシャフトを有する内燃機関のバランサ装置において、装置を小型化すると共に加工や組立の工数を削減し、必要な潤滑油量を低減することができる。
また、上記の発明において、前記機械装置は内燃機関(1)に設けられて1対のバランサシャフト(12F、12R)をクランクシャフト(2)の2倍の回転速度で互いに反対方向に回転させるバランサ装置(10)であり、巻き掛け式の第1伝動機構(16)を介して前記クランクシャフトに連結されたインプットシャフト(13)と、互いに噛み合う1対の歯車(13e、51a)からなる第1歯車機構(17A)を介して前記インプットシャフトに連結された中間シャフト(51)と、互いに噛み合う1対の歯車(51b,12Re)からなる第2歯車機構(17B)を介して前記中間シャフトに連結された第2バランサシャフト(12R)と、互いに噛み合う歯数が同一の1対の歯車(12Rd,12Fd)からなる第3伝動機構(18)を介して前記第2バランサシャフトに連結された第1バランサシャフト(12F)とを備え、前記インプットシャフトと前記第2バランサシャフトとが同軸上に近接して配置され、当該両シャフトの互いに近接する側の端部が前記単一の軸受(22)によって軸支され、前記中間シャフトと前記第1バランサシャフトとが同軸上に近接して配置され、当該両シャフトの互いに近接する側の端部が前記単一の軸受(24)によって軸支されている構成とすることができる。
この構成によれば、1対のバランサシャフトの他にインプットシャフト及び中間シャフトを有する内燃機関のバランサ装置において、装置を小型化すると共に加工や組立の工数を削減し、必要な潤滑油量を低減することができる。
このように本発明によれば、複数の回転シャフトを有する機械装置において、装置を小型化すると共に加工や組立の工数を削減し、必要な潤滑油量を低減することができる。
実施形態に係るエンジン下部をバランサシャフトに沿って示す断面図 図1中のII−II線に沿う断面図 図1に示す上ハウジングの下面図 図2中のIV部を拡大して示す断面図 図2に示すバランサ装置の動力伝達経路を示す説明図 図2中のVI−VI断面図 図6中のVII−VII断面図 カバー部材の(A)後面図、(B)上面図、(C)前面図 カバー部材の分解斜視図 (A)変形前、(B)変形後のカバー部材を示す図5に相等する断面図 変形実施形態に係るバランサ装置の模式図
以下、図面を参照して、本発明に係るバランサ装置10を、直列4気筒自動車用エンジン(以下、単にエンジン1と記す。)に適用した実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、エンジン1は、クランクシャフト2を水平方向に延在させた直列4気筒エンジンであり、シリンダ軸線を後方に傾斜させた姿勢で自動車に搭載される。上下の方向はエンジン1が自動車に搭載された状態で定まるものであるが、図1に関する説明では、説明及び理解を容易にするために、概ね鉛直に延びるシリンダ軸線方向及びこれに直交するクランク軸方向を上下・左右とするものとし、図1中にもこれに従って矢印で方向を示している。なお、左右の方向は、エンジン1が搭載される自動車の進行方向を基準としており、図面の左右と逆向きとなっている。
エンジン1は、シリンダを形成すると共に下部にスカート部を有するアッパブロック3や、アッパブロック3の下部に結合され、アッパブロック3のスカート部と協働してクランク室4を画成するロアブロック5、ロアブロック5の下部に結合され、クランク室4の下方にオイル溜まりを画成するオイルパン6(アッパオイルパン6A、ロアオイルパン6B)、ロアブロック5の下部に結合され、オイルパン6の内部に配置されたバランサ装置10等を備えている。以下、アッパブロック3とロアブロック5とを併せてシリンダブロック7と称する。
クランクシャフト2は、シリンダ内に摺動自在に設けられた図示しないピストンのピストンピンとコンロッド8を介して連結される4つのクランクピン2a(以下、右側(図の左側)から順に第1〜第4クランクピン2aと称する)や、クランクピン2aを挟む位置に設けられた5つのジャーナル2b(以下、右側から順に第1〜第5ジャーナル2bと称する)、ジャーナル2bとクランクピン2aとを連結するクランクアーム2c、クランクアーム2cにクランクピン2aと相反する側に一体形成されたカウンタウェイト2d等を備えている。第1及び第4クランクピン2aは同位相の位置に配置され、第2及び第3クランクピン2aは、第1及び第4クランクピン2aと位相が180度異なる同位相の位置に配置されている。
クランクシャフト2の第1及び第5ジャーナル2bを軸支する軸受壁はシリンダブロック7の右壁及び左壁により構成され、第2〜第4ジャーナル2bを軸支する軸受壁はクランク室4内に設けられた隔壁により構成されている。
クランクシャフト2の右端は、第1ジャーナル2bから更に右方に延出し、シリンダブロック7の右壁から突出している。この突出した部分には、図示しないカムシャフトを駆動するための比較的小径の小スプロケット2e及びバランサ装置10を駆動するための比較的大径の大スプロケット2f(ドライブスプロケット)が第1ジャーナル2b側からこの順に固定されている。大スプロケット2fの外側にはクランクシャフト2を貫通させるようにチェーンケース9が設けられている。チェーンケース9の外側に位置するクランクシャフト2の右端には、エンジン1の補機を駆動するためのクランクプーリ2gが固定されている。
オイルパン6は、図示しない排気管をエンジン1の下方を通って前方から後方に通過させるために左側の一部で底が浅い浅底部6Cとされ、それ以外の部分で底が深い深底部6Dとされている。浅底部6Cの底面はアッパオイルパン6Aに形成され、深底部6Dの底面はロアオイルパン6Bに形成されている。アッパオイルパン6A及びロアオイルパン6Bは別部材として共に鋳造され、ボルトで互いに締結される。本実施形態では、アッパオイルパン6Aがバランサ装置10の一部(後述する上ハウジング14A)を兼ねる構成とされている。
バランサ装置10は、ピストンの往復運動に起因して発生するエンジン1の二次振動を低減する装置であり、オイルパン6の深底部6D内に配置される。図2に併せて示すように、本実施形態ではバランサ装置10に、エンジン1の各部やバランサ装置10の各摺動部へオイルを圧送するためのオイルポンプ11が一体的に設けられている。バランサ装置10は、それぞれクランクシャフト2と平行に配置された前後1対のバランサシャフト12(前バランサシャフト12F、後バランサシャフト12R)と、後バランサシャフト12Rと同軸上に配置されるインプットシャフト13と、これら2本のバランサシャフト12F、12R及びインプットシャフト13を軸支すると共に収容するバランサハウジング14とを備えている。両バランサシャフト12F、12Rは、シリンダ軸線方向において同じ高さに配置される。
バランサハウジング14は、両バランサシャフト12F、12Rの軸心を通る平面に沿って上下に2分割された上ハウジング14A及び下ハウジング14Bと、下ハウジング14B及び上ハウジング14Aの右端面に結合され、オイルポンプ11のポンプボディ11aを構成する右ハウジング14Cとにより構成される。右ハウジング14Cのポンプボディ11aの右端面には、ポンプカバー11bが結合される。バランサ装置10は、バランサハウジング14の適所に設けられたボルト挿通孔に下方から挿通される通しボルトによってロアブロック5の下面(クランクシャフト2の下方)に締結される。
上ハウジング14Aは、アッパオイルパン6A(図3参照)に一体形成されている。上ハウジング14Aの下面に下ハウジング14Bが結合されることにより、両バランサシャフト12F、12Rを収容するバランサ室14Dが上ハウジング14Aと下ハウジング14Bとの間(即ち、オイルパン6内)に形成される。バランサ室14Dの上縁を画成する上ハウジング14Aの上壁19は、オイルパン6の浅底部6Cの底壁と概ね同じ高さに配置されている。一方、バランサ室14Dの下縁を画成する下ハウジング14Bの下壁20は、オイルパン6の深底部6Dの底壁の上方であってアッパオイルパン6Aとロアオイルパン6Bとの接合面よりも高い位置に配置されている。上記のように、上ハウジング14Aはアッパオイルパン6Aとして鋳造され、下ハウジング14Bは単独の専用部材として鋳造される。
インプットシャフト13は、バランサハウジング14から右方に突出するように設けられ、この突出した部分のクランク軸方向において大スプロケット2fと対応する位置にはドリブンスプロケット13aが固定されている。また、インプットシャフト13には、ドリブンスプロケット13aの左方に第1ジャーナル13bが形成され、第1ジャーナル13bから左方に延びるシャフトの左端に第2ジャーナル13cが形成されている。
インプットシャフト13の第1ジャーナル13bは、右ハウジング14Cを貫通するように形成された第1ジャーナル軸受21によって支持され、インプットシャフト13の第2ジャーナル13cは、上ハウジング14A及び下ハウジング14Bに形成された半割りの軸受によって構成される第2ジャーナル軸受22によって支持される。右ハウジング14Cは、第1ジャーナル軸受21と第2ジャーナル軸受22とが同軸上に配置されるように上ハウジング14A及び下ハウジング14Bに組み付けられる。
クランクシャフト2の大スプロケット2f及びインプットシャフト13のドリブンスプロケット13aにはローラチェーン15が巻き掛けられる。即ち、大スプロケット2f、ローラチェーン15及びドリブンスプロケット13aにより、クランクシャフト2の回転力をインプットシャフト13に伝達する巻き掛け式の第1伝動機構16が構成される。インプットシャフト13はクランクシャフト2と同方向に回転する。
インプットシャフト13の第1ジャーナル13bの左側には鍔状のスラストプレート13d(カラー)が一体形成されている。第1ジャーナル軸受21を挟むドリブンスプロケット13a及びスラストプレート13dのそれぞれの内面がスラスト面になっている。つまり、第1ジャーナル軸受21を構成する軸受壁がインプットシャフト13の軸方向荷重を支持するスラスト軸受を兼ねている。また、インプットシャフト13のスラストプレート13dと第2ジャーナル13cとの間には比較的大径の第1ヘリカルギヤ13eが固定されている。
図2及び図3に示すように、上ハウジング14A及び下ハウジング14Bには、第2ジャーナル軸受22に加え、第2ジャーナル軸受22と同様に上ハウジング14A及び下ハウジング14Bに形成された半割りの軸受によって構成される第3ジャーナル軸受23、第4ジャーナル軸受24及び第5ジャーナル軸受25が形成されている。第3ジャーナル軸受23は、第2ジャーナル軸受22と同軸上にかつ第2ジャーナル軸受22から左方に離間した位置であってクランクシャフト2の第3ジャーナル2bの下方に配置されている。第4ジャーナル軸受24及び第5ジャーナル軸受25は、それぞれ第2ジャーナル軸受22及び第3ジャーナル軸受23と左右方向について同一の位置でこれらの前方に同軸に配置されている。第2ジャーナル軸受22と第4ジャーナル軸受24とを形成する軸受壁、及び第3ジャーナル軸受23と第5ジャーナル軸受25とを形成する軸受壁は、それぞれ前後方向に連続する一体の壁として構成される。第2〜第5ジャーナル軸受22〜25は概ね同一の幅寸法とされている。第2〜第5ジャーナル軸受22〜25の軸受壁は、上ハウジング14Aにおいては上壁19によって互いに連結され、下ハウジング14Bにおいては下壁20によって互いに連結される。
上ハウジング14A及び下ハウジング14Bは、第2及び第4ジャーナル軸受22、24を形成する軸受壁に形成された3つのボルト孔14aと、第3及び第5ジャーナル軸受23、25を形成する軸受壁に形成された3つのボルト孔14aとに挿入される6本のボルトB1(図6参照)によって互いに締結される。ボルト孔14aは、各軸受壁において2つのジャーナル軸受の間と2つのジャーナル軸受の外側とに配置されている。なお、下ハウジング14Bのボルト孔14aは、下ハウジング14Bを貫通するボルト挿通孔として構成され、上ハウジング14Aのボルト孔14aは、ボルトB1を螺着させる有底の雌ねじ孔として構成され、ボルトB1は下からボルト孔14aに挿入される。
図2に示すように、両バランサシャフト12R、12Fは、それぞれ対応する第2ジャーナル軸受22又は第4ジャーナル軸受24によって軸支される第1ジャーナル12Ra、12Faと、第3ジャーナル軸受23又は第5ジャーナル軸受25によって軸支される第2ジャーナル12Rb、12Fbとを備えている。また両バランサシャフト12R、12Fは、それぞれ第2ジャーナル12Rb、12Fbの左右両側に設けられ、回転中心から径方向外側に重心位置を偏倚させた実質的に同一形状の左右1対のバランサウェイト12Rc、12Fcと、右側のバランサウェイト12Rc、12Fcと第1ジャーナル12Ra、12Faとの間に固定された第1ヘリカルギヤ12Rd、12Fdとを備えている。左右のバランサウェイト12Rc、12Fc間の第2ジャーナル12Rb、12Fbを軸支する第3ジャーナル軸受23及び第5ジャーナル軸受25には、軸受メタル28が設置されている。
第2ジャーナル軸受22は、インプットシャフト13の第2ジャーナル13c及び後バランサシャフト12Rの第1ジャーナル12Raの両方を軸支している。インプットシャフト13の第2ジャーナル13c及び後バランサシャフト12Rの第1ジャーナル12Raは、同一径かつ同程度の長さとされ、第2ジャーナル軸受22の長さ方向の中間位置において若干の隙間を空けて対峙するように配置されている。従って、後バランサシャフト12Rの第1ジャーナル12Raは、後バランサシャフト12Rの第2ジャーナル12Rbや前バランサシャフト12Fの第1ジャーナル12Faの長さの半分程度の長さとされている。
両バランサシャフト12R、12Fにおいては、左右1対のバランサウェイト12Rc、12Fcの互いに対向する部分が第2ジャーナル12Rb、12Fbに対して拡径された鍔状とされており(図1参照)、この鍔状部分の対向する内面が第3ジャーナル軸受23又は第5ジャーナル軸受25にスラスト力を伝達するスラスト面になっている。つまり、第3及び第5ジャーナル軸受23、25を形成する軸受壁が両バランサシャフト12R、12Fの軸方向荷重を支持するスラスト軸受を兼ねている。
後バランサシャフト12Rは、第1ジャーナル12Raが右端を構成している。一方、前バランサシャフト12Fは、第1ジャーナル12Faから更に右方に延出しており、この延出した部分にはインプットシャフト13の第1ヘリカルギヤ13eと互いに噛み合う第2ヘリカルギヤ12Feが固定されている。即ち、これらの第1ヘリカルギヤ13e及び第2ヘリカルギヤ12Feにより、インプットシャフト13の回転力を前バランサシャフト12Fに伝達する第2伝動機構17が構成される。これにより、前バランサシャフト12Fはインプットシャフト13と逆方向に回転する。なお、前バランサシャフト12Fの第2ヘリカルギヤ12Fe及び第1ヘリカルギヤ12Fdのねじれの向きは同一とされており、これによって前バランサシャフト12Fの軸方向荷重が小さくなっている。
そして、前バランサシャフト12Fの第1ヘリカルギヤ12Fd及び後バランサシャフト12Rの第1ヘリカルギヤ12Rdは互いに噛み合っており、これらの第1ヘリカルギヤ12Fd、12Rdにより、前バランサシャフト12Fの回転力を後バランサシャフト12Rに伝達する第3伝動機構18が構成される。第3伝動機構18をなすこれらの第1ヘリカルギヤ12Fd、12Rdは、同一径及び同一歯数とされており(増速ギヤ比=1)、両バランサシャフト12F、12Rは、互いに相反する方向に同一回転速度で回転する。
一方、第1伝動機構16及び第2伝動機構17の増速比は、両バランサシャフト12F、12Rがクランクシャフト2の回転速度の2倍の回転速度となるように設定されている。具体的には、本実施形態では、第1伝動機構16のチェーン増速比は4/3に設定され、第2伝動機構17の増速ギヤ比は3/2に設定され、第1伝動機構16と第2伝動機構17とを掛け合わせた機構の増速比が2となっている。
従って、ドリブンスプロケット13aの直径及び丁数(歯数)は大スプロケット2fの直径及び丁数の3/4倍とされており、インプットシャフト13の回転速度がクランクシャフト2の回転速度の2倍になるときの比(1/2倍)よりも大きくなっている。一方、インプットシャフト13の第1ヘリカルギヤ13eの直径及び歯数は、前バランサシャフト12Fの第2ヘリカルギヤ12Feの直径及び歯数の3/2倍とされており、インプットシャフト13の回転速度がクランクシャフト2の回転速度と同一になるときの比(2倍)よりも小さくなっている。
前バランサシャフト12Fの右端は、第2ヘリカルギヤ12Feから更に右方に延出し、オイルポンプ11を駆動するポンプシャフト11cと継手を介して連結している。オイルポンプ11は、右ハウジング14Cとポンプカバー11bとによって円筒状のポンプ室を画成するポンプボディ11aと、ポンプ室に内蔵されたアウタロータ11d及びインナロータ11eと、インナロータ11eに固定されたポンプシャフト11cを備えた公知の構成を有するトロコイド式である。ポンプシャフト11cは、右ハウジング14Cの壁に貫通形成された第6ジャーナル軸受26により軸支されている。継手は、ポンプシャフト11cの左端面に形成されたキー溝11fと、前バランサシャフト12Fの右端面に突出形成され、キー溝11fに嵌合するキー12Ffとから構成されており、キー12Ffを上からキー溝11fに嵌め込むことで前バランサシャフト12Fを容易に組み付けられるようになっている。
オイルポンプ11は、バランサハウジング14の底壁に形成された図示しないオイルストレーナの吸入口からエンジンオイルを吸い込み、吐出通路を介してエンジン1の各部やバランサ装置10の各摺動部にエンジンオイルを圧送する。具体的には、バランサ装置10においては、第1〜第5ジャーナル軸受21〜25にエンジンオイルが供給される。そして、第1、第3及び第5ジャーナル軸受21、23、25においては、流れ出るエンジンオイルがこれらの両側面に形成されたスラスト軸受に供給される。また、第2ジャーナル軸受22においては、インプットシャフト13と後バランサシャフト12Rとの間に形成された隙間に油路が連通している。
以下、バランサ装置10における油路の構成を説明する。図1に示すように、クランクシャフト2の第3ジャーナル2bを軸支する軸受壁にはメインギャラリからバランサ装置10にオイルを供給する油路7aが設けられている。この油路7aから供給されるオイルは、上ハウジング14Aの上面からバランサ装置10に導入され、上下に延在する図示しない油路を通って下ハウジング14Bとの接合面に供給される。
図2に示すように、下ハウジング14Bの上面には油路溝29が形成されている。この油路溝29においては、下ハウジング14Bの左後端部(第3及び第5ジャーナル軸受23、25を形成する軸受壁の後端部)がオイル入口29aとなる。油路溝29は、このオイル入口29aから軸受壁の上面を前方に延び、ボルト孔14aの周縁に沿って(ボルトの周囲に)延びて第3ジャーナル軸受23の後端に至る。第3ジャーナル軸受23には軸受メタル28が設置されており、オイルの一部は軸受メタル28に形成された貫通孔を通って第3ジャーナル軸受23の軸受隙間に供給される。
また、第3ジャーナル軸受23において、油路溝29は軸受メタル28の背面側に(上ハウジング14A及び下ハウジング14Bに)円環状に形成されており、第3ジャーナル軸受23の前端から再び下ハウジング14Bの上面を前方に延びてボルト孔14aの周縁に沿って延びた前に第5ジャーナル軸受25の後端に至る。第5ジャーナル軸受25においても、軸受メタル28の背面側に油路溝29が形成されており、オイルの一部が軸受メタル28に形成された貫通孔を通って第5ジャーナル軸受25の軸受隙間に供給され、残りのオイルは円環状の油路溝29を通って第5ジャーナル軸受25の前方に供給される。
第3ジャーナル軸受23及び第5ジャーナル軸受25においては、軸受隙間(軸受メタル28の内側)に供給されて潤滑に供されたオイルが軸受隙間から左右に漏れ出た後、軸受壁の側面と左右のバランサウェイト12Rc、12Fcのスラスト面との間でスラスト軸受の潤滑に供される。
油路溝29は、第5ジャーナル軸受25の前端から再び下ハウジング14Bの上面を前方に延びてボルト孔14aの周縁に沿って延びた後に湾曲し、下ハウジング14Bの前壁の上面を右方へ延びる。油路溝29は、第2及び第4ジャーナル軸受22、24を形成する軸受壁の前端部において再び湾曲して後方へ延び、ボルト孔14aの周縁に沿って延びて第4ジャーナル軸受24の前端に至る。
第4ジャーナル軸受24には軸受メタル28は設置されておらず、軸受面を形成する上ハウジング14A及び下ハウジング14Bの表面に油路溝29が円環状に形成されており、この円環状の油路溝29からオイルが軸受隙間に直接供給される。油路溝29は、第4ジャーナル軸受24の後端から再び下ハウジング14Bの上面を後方に延びてボルト孔14aの周縁に沿って延びて第2ジャーナル軸受22の前端に至る。
第2ジャーナル軸受22においても軸受メタル28は設置されておらず、軸受面を形成する上ハウジング14A及び下ハウジング14Bの表面に油路溝29が円環状に形成されており、この円環状の油路溝29からオイルが軸受隙間に直接供給される。
以上のように形成された油路溝29は、第3及び第5ジャーナル軸受23、25を形成する軸受壁や、第2及び第4ジャーナル軸受22、24を形成する軸受壁、両軸受壁を連結する前壁において、壁の幅方向の中央に形成される。従って、第2ジャーナル軸受22には、壁幅方向の中央に油路溝29が円環状に形成されている。
上記のように、インプットシャフト13と後バランサシャフト12Rとの互いに近接する側の端部に設けられた第2ジャーナル13c及び第1ジャーナル12Raは同程度の長さとされており、両者の間に形成される隙間g(図4)と重なる位置に油路溝29が形成されている。即ち、インプットシャフト13と後バランサシャフト12Rとの隙間gに油路溝29が接続(油路が連通)している。
そして、図4に示すように、油路溝29の円環状部分29bの幅はこの隙間gよりも大きく、インプットシャフト13と後バランサシャフト12Rとの互いに近接する側の端面が、円環状部分29bと重なる内側、即ち油路溝29に臨む位置に配置されている。言い換えれば、油路溝29の円環状部分29bが隙間gを跨ぐように配置されている。更に、インプットシャフト13及び後バランサシャフト12Rの互いに近接する側の端面(かど部)はそれぞれ面取りされており、上記第2ジャーナル13c及び第1ジャーナル12Raのラジアル軸受面(円筒状の外周面)の端縁が、油路溝29の円環状部分29bと重なる内側に配置されている。
図2に示すように、バランサ装置10の各摺動部にて潤滑に供されたエンジンオイルは、下ハウジング14Bに溜まり、インプットシャフト13の第1ヘリカルギヤ13e及び前バランサシャフト12Fの第2ヘリカルギヤ12Fe、並びに両バランサシャフト12F、12Rの第1ヘリカルギヤ12Rd、12Fd及びバランサウェイト12Rc、12Fcによって掻き上げられて飛散する。そのため、図3に示すように、バランサ室14Dにエンジンオイルが過剰に溜まらないように、上壁19のこれらの各部(13e、12Fe、12Rd、12Fd、12Fc)に対応する位置にオイル排出用の複数の開口19aが形成されている。バランサ室14D内のエンジンオイルは両バランサシャフト12F、12R及びインプットシャフト13により掻き上げられて放射状に飛散し、これらの開口19aから外部(オイルパン6内)に排出される。
このように構成されたバランサ装置10では、図5中に矢印で示すように動力伝達が行われる。即ち、クランクシャフト2の回転力は、第1伝動機構16の大スプロケット2f(図1)、ローラチェーン15(図1)及びドリブンスプロケット13aを介してインプットシャフト13に伝達され、第2伝動機構17を構成する第1ヘリカルギヤ13e及び第2ヘリカルギヤ12Feを介して前バランサシャフト12Fに伝達される。上記のように、前バランサシャフト12Fはクランクシャフト2の2倍の回転速度でクランクシャフト2と逆方向に回転する。前バランサシャフト12Fの回転力は、継手を介してポンプシャフト11cに伝達されると共に、第3伝動機構18を構成する両第1ヘリカルギヤ12Fd、12Rdを介して後バランサシャフト12Rに伝達される。前後1対のバランサシャフト12F、12Rは、互いに相反する方向に同一の回転速度で回転する。これにより、エンジン1の二次振動を打ち消すシリンダ軸線方向の慣性力が発生する。
以上のように、バランサ装置10では、図2に示すインプットシャフト13及び後バランサシャフト12Rが同軸上に近接して配置され、これらの互いに近接する側の端部に形成された第2ジャーナル13c及び第1ジャーナル12Raが単一の第2ジャーナル軸受22によって軸支され、第2ジャーナル13c及び第1ジャーナル12Raの間に形成された隙間gに油路溝29が連通している。
このように第2ジャーナル13c及び第1ジャーナル12Raを軸支する第2ジャーナル軸受22が共通とされることにより、軸受の加工工数が削減される。また、半割りの2つの軸受半体から構成されるジャーナル軸受では、シャフトの両側の少なくとも2箇所で軸受半体同士を締結する必要があり、それぞれのジャーナルに対して軸受を設けた場合には少なくとも4箇所に締結手段が必要になる。一方、本実施形態では1つの第2ジャーナル軸受22で済むため、締結手段を少なくすることができ、組立工数も削減できる。更に、それぞれのジャーナルに対して軸受を設けた場合に比べて軸受の幅寸法(シャフト長さ方向の寸法)を短縮できるため、バランサ装置10を小型化できる。
また、図4に示すように、本実施態のバランサ装置10では、インプットシャフト13及び後バランサシャフト12Rの間に形成された隙間gから第2ジャーナル軸受22と第2ジャーナル13c及び第1ジャーナル12Raとの間の軸受隙間にオイルが供給される。そのため、油路溝29が1本で済み、油路の構造が簡単になることによっても、バランサ装置10の小型化が可能になると共に加工工数を削減できる。
加えて、第2ジャーナル13c及び第1ジャーナル12Raを軸支する第2ジャーナル軸受22が共通とされることにより、必要な潤滑油量が低減される。即ち、それぞれのジャーナルに対して軸受を設けた場合には、軸受の幅方向の中央から軸受隙間に供給されたオイルが、4箇所の開口(各軸受隙間の両側端の開口)から漏れ出るが、本実施形態では2箇所の開口からしか漏れ出ない。そのため、必要な潤滑油量が低減される。
これに関連して、軸受隙間内の油膜の圧力は開口に近いほど低くなり、開口で大気圧になるが、本実施形態では1つのジャーナルにおいて軸方向の一方の開口のみで油膜の圧力が大気圧となり、他方側(隙間g側)の開口には隙間g内の油圧が作用するため、ラジアル荷重を支える負荷能力が向上する。そのため、それぞれのジャーナルに対して軸受を設ける場合に比べて各ジャーナルの軸受幅を狭くすることができる。これによってもバランサ装置10の小型化が可能になる。
更に、インプットシャフト13及び後バランサシャフト12Rの互いに近接する端面には、上記油圧が作用することから、インプットシャフト13及び後バランサシャフト12Rの軸方向移動を抑制できる。即ち、本実施形態のバランサ装置10では、第2伝動機構17及び第3伝動機構18にヘリカルギヤが用いられているため、エンジン回転数の上昇時と低下時とで相反する向きのスラスト力が、インプットシャフト13及び後バランサシャフト12Rに相反する向きに作用し、エンジン回転数の上昇と低下とが切り替わるときに両シャフトが軸方向に移動することになる。一方、本実施形態では、インプットシャフト13及び後バランサシャフト12Rに両者を離反させる向きのスラスト力が常時作用するため、エンジン回転数切替時の軸方向移動が抑制される。
本実施形態では、第2ジャーナル軸受22の内面に、油路溝29を構成する円環状部分29bが形成され、油路溝29が第2ジャーナル13cと第1ジャーナル12Raとの隙間gよりも大きな幅を有し、かつこの隙間gを跨ぐように配置されている。そのため、インプットシャフト13及び後バランサシャフト12Rが第2ジャーナル軸受22に片当たりすることが防止される。また、第2ジャーナル13c及び第1ジャーナル12Raと第2ジャーナル軸受22との間の軸受隙間にオイルが入り込みやすくなっている。なお、円環状部分29bは、潤滑油が下ハウジング14Bと上ハウジング14Aとの合わせ面を通って油路溝29が形成されない後方のボルト孔14aへ漏れることを防止すべく、第2ジャーナル軸受22の後側に油溝が形成されないC字状とされてもよい。
図1及び図6に示すように、オイルパン6の深底部6Dには、オイルパン6内に貯留されたエンジンオイルの液位を検出するオイルレベルセンサ30が設けられている。オイルレベルセンサ30は、オイルパン6(ロアオイルパン6B)の底壁から鉛直方向上方に向けて柱状に延びるセンシング部31と、センシング部31を支持し、ロアオイルパン6Bに取り付けられる板状の支持部32とを備えている。
ロアオイルパン6Bは、エンジン1がシリンダ軸線を後方に傾斜させた姿勢で自動車に搭載されることから、後側ほど浅く形成されており、後部において底壁が概ね水平な底面を形成し、前部において底壁が前方に向かって高くなる傾斜底面を形成している。ロアオイルパン6Bの底壁の後部には、オイルレベルセンサ30のセンシング部31を挿入するための開口6aが形成されており、底壁に取り付けられる支持部32を保護すべく、開口6aの周囲が上方に凹んで支持部32を収容する凹部6bとされている。また、下ハウジング14Bの下壁20にも、ロアオイルパン6Bの開口6aに対して鉛直上方に対応する位置に、センシング部31を挿入するための開口20aが形成されている。
オイルレベルセンサ30は、センシング部31がロアオイルパン6Bの開口6aに下面側から挿入され、支持部32がシール部材(図示せず)を介して凹部6bの底壁に3本のボルト(図示せず)で締結されることで、センシング部31を前後方向(図6)及び左右方向(図1)について深底部6Dの略中央に配置した状態でロアオイルパン6Bに固定される。センシング部31は、図1、図2及び図6に示すように(図2においてはカバー部材40を参照されたい)、前後方向においては両バランサシャフト12F、12Rの間に位置し、左右方向においては両バランサシャフト12F、12Rの第1ヘリカルギヤ12Fd、12Rdと右側のバランサウェイト12Rc、12Fcとの間に位置している。
図6に示すように、オイルレベルセンサ30のセンシング部31は、中空のセンサハウジング33と、センサハウジング33の内部に配置される板状のセンシングエレメント34とを備えている。中空のセンサハウジング33の下端にはオイルパン6の下部(オイル溜まり)と連通する横長のスリット状のオイル孔33aが形成され、センサハウジング33の側壁上端部にはバランサ室14Dと連通する通気孔33bが形成される。通常時、下端のオイル孔33aはオイルパン6内のエンジンオイルに浸かっており、上端の通気孔33bはエンジンオイルに浸かっていない。従って、センサハウジング33内のオイルレベルは、バランサ装置10内のレベルに関わらず、オイルパン6内のオイルレベルに一致するようにオイルパン6内のオイルレベルに比べて緩慢に上下する。オイルレベルセンサ30は、センシングエレメント34に通電して発熱させた後にセンシングエレメント34が冷却される時間を計測することで、オイルパン6内のオイルレベルを検出する。例えば、オイルレベルが高い時にはセンシングエレメント34からエンジンオイルへの放熱量が大きくセンシングエレメント34の温度低下は早くなる。逆にオイルレベルが低い時にはセンシングエレメント34からエンジンオイルへの放熱量が小さくセンシングエレメント34の温度低下は遅くなる。
図2及び図6に示すように、下ハウジング14Bの下壁20には、バランサ装置10内に配置されるセンシング部31を保護すべく逆カップ状のカバー部材40が取り付けられている。図8及び図9に併せて示すように、カバー部材40は、上側ほど細くなる概ね四角錐台形を呈する筒部41と、筒部41の下端から径方向外側に延出する3つの取付片42とを備えている。筒部41は、四角筒状の周側壁43と、周側壁43の上端を閉塞する上壁44とを備えている。カバー部材40の上部(本実施形態では上壁44の左側)には、筒部41の下端の開口縁部がオイルに浸かっている時にも筒部41内の気圧をバランサ室14Dの気圧と同一にするための通気用の開口40aが形成されている。
図6に示すように、カバー部材40は、筒部41が下壁20の開口20aに下方から挿入され、取付片42が下壁20の開口6a周りにボルトB2で締結されることで、周側壁43が両バランサシャフト12F、12Rとの間に間隔をおいて対向し、カバー部材40の上壁44が上ハウジング14Aの上壁19との間に間隔をおいて対向する状態で下ハウジング14Bに固定される。即ち、カバー部材40の上端がバランサ室14Dに配置され、上ハウジング14Aの上壁19がカバー部材40を上方から非接触状態で覆っている。また、カバー部材40の上壁44は、下方から挿入されるセンシング部31の上端との間に間隔をおいて対向し、カバー部材40の周側壁43は、センシング部31の側面との間に間隔をおいて対向している。即ち、カバー部材40の筒部41は、センシング部31を非接触状態で上方から覆うと共にセンシング部31のバランサ室14Dに配置された部分を側方から非接触状態で覆っている。
図6及び図3に示すように、上ハウジング14Aの上壁19には、カバー部材40の上壁44との間に上記間隔を形成するためにカバー部材40の輪郭に沿って上方へ凹んだ凹部19bが形成されている。凹部19bの左端にはエア抜き開口19cが形成されている。更に上ハウジング14Aの上壁19には、カバー部材40の周側壁43(側面)に対向するストッパ50(50A、50B、50C、50D)が凹部19bの周囲に設けられている。本実施形態では、ストッパ50は、カバー部材40に対して前後及び左方にて上壁19から下方に突出する円柱状の3つの突起50A、50B、50C、及びカバー部材40に対して右方にて上壁19自体が上方に凹むように湾曲して形成される1つの右側壁50Dとして構成され、上壁19に一体形成されている。3つの突起50A、50B、50Cのうちの少なくとも1つは、アッパオイルパン6A(上ハウジング14A)を鋳造する際にアッパオイルパン6Aを型から取り出すための押し出しピン座として設けられたものであり、押し出しピン座及びストッパ50として兼用される。右側壁50Dは、上壁19の凹部19bを構成する周壁の一部である。
図6に示すように、前突起50Aは、カバー部材40の周側壁43と前バランサシャフト12Fとの間隔よりも小さな間隔をおいてカバー部材40の前側面に対向している。後突起50Bは、カバー部材40の周側壁43と後バランサシャフト12Rとの間隔よりも小さな間隔をおいてカバー部材40の後側面に対向している。図7に示すように、左突起50Cは、カバー部材40の周側壁43と右側のバランサウェイト12Rc、12Fcとの間隔よりも小さな間隔をおいてカバー部材40の左側面に対向している。右側壁50Dは、カバー部材40の周側壁43と第1ヘリカルギヤ12Rd、12Fdとの間隔よりも小さな間隔をおいてカバー部材40の右側面に対向している。
図8及び図9に示すように、カバー部材40は、センシング部31と両バランサシャフト12F、12Rとの隙間が小さいために、剛性を確保できる範囲で可能な限り薄く形成されている。本実施形態では、カバー部材40はアルミ合金からなるプレートのプレス加工品である。カバー部材40の筒部41は細長い(深い)四角錐台形を呈しており、1枚のプレートをプレス加工して成形することが困難なことから、センシング部31の長手方向に沿って延びる半筒状の2つのカバーハーフ45、46を組み合わせて構成される。これらのカバーハーフ45、46は別部材として共にプレス加工され、一方の縁部が他方の縁部の外側に重なるように組み合わせることで筒状とされる。2つのカバーハーフ45、46は、筒状にされた状態で互いに重なる縁部同士がスポット溶接により接合されることにより互いに接合される。本実施形態では、図8に示す3つのポイントPでスポット溶接により2つのカバーハーフ45、46の縁部同士が接合される。カバー部材40がこのようにして形成されると、重ね部が完全に塞がれず、オイルが重ね部の隙間からカバー部材40内に浸入し、オイルレベルセンサ30の精度に影響を及ぼし得るが、これは後述する構成によって対処される。一方、カバー部材40がこのようにして形成されることにより、カバー部材40の加工費を抑制できる上、カバー部材40を薄く軽量に製作することができる。
上記の通り、2つのカバーハーフ45、46は縁部の全長にわたって溶接されていないため、溶接されていない部分に隙間があり、この隙間からオイルが筒部41内に浸入し得る。図2に示すように、カバー部材40は、2つのカバーハーフ45、46がバランサシャフト12の軸方向に並ぶ向きに配置される。そのため、2つのカバーハーフ45、46の重ね部は、両バランサシャフト12F、12Rの第1ヘリカルギヤ12Rd、12Fd及びバランサウェイト12Rc、12Fcから離れた位置に配置され、かつ重ね合わせ面をエンジンオイルの飛散方向(シャフト径方向)と直交させる向きに配置される。
更に、カバー部材40は、2つのカバーハーフ45、46のうち第1ヘリカルギヤ12Rd、12Fd側のカバーハーフ45がバランサウェイト12Rc、12Fc側のカバーハーフ46の外側に重なるように配置されている。そのため、2つのカバーハーフ45、46の重ね部の隙間が、第1ヘリカルギヤ12Rd、12Fdではなくバランサウェイト12Rc、12Fcに向いている。
次に、上記構成を備えた本発明の実施形態の作用について説明する。
車体の動揺、加減速、旋回等によってオイルパン6内のエンジンオイルが波立ってオイルレベルが変動すると、オイルレベルセンサ30の検出精度が低下する。これに対して本実施形態では、図6に示すように、センサハウジング33が両バランサシャフト12F、12Rの間に配置され、センサハウジング33の下端に形成されてオイルレベルに対応する油圧を受けるオイル孔33aがバランサ装置10の下方に配置されているため、油圧の変動即ちオイルレベルの変動がなまされて小さくなり、オイルレベルセンサ30の検出精度が向上する。
そして、センシング部31を上方から覆うと共にセンシング部31の少なくともバランサ室14Dに配置された部分を側方から覆い、上部に開口40aが形成されたカバー部材40が設けられる。そのため、オイルレベルセンサ30を組み付ける時にオイルレベルセンサ30がバランサシャフト12に接触することが防止される上、運転中にオイルレベルセンサ30がバランサシャフト12に接触することが確実に防止される。
また、重量増大を抑制するために、図7に示すようにセンシング部31の長手方向に沿って延びる半筒状の2つのカバーハーフ45、46を組み合わせてカバー部材40が構成されることで、カバー部材40が薄肉にされている。ところが、図10(A)に示すように、上ハウジング14Aが、カバー部材40の1対のバランサシャフト12F、12Rとの間隔よりも小さな間隔をおいてカバー部材40の側面に対向するように上壁19に設けられたストッパ50(50A、50B)を有するため、図10(B)に示すように、運転振動やエラーによる外力によってカバー部材40がバランサシャフト12側に変形或いは変位した時には、バランサシャフト12に接触する前にストッパ50に接触する。これにより、カバー部材40がバランサシャフト12に接触することが確実に防止される。
図6に示すように、本実施形態では、カバー部材40の上端がバランサ室14Dに配置されている。そのため、上ハウジング14Aの上壁19にカバー部材40を挿通させる貫通孔を形成する必要がなく、上ハウジング14Aの上壁19がカバー部材40を上方から覆う構成とすることが可能になる。これにより、クランクシャフト2等から飛散してくるオイルが上方からバランサ室14Dに浸入してオイルレベルセンサ30の精度に影響することが抑制される。また、ストッパ50が上ハウジング14Aの上壁19から下方に突出するように上壁19に一体形成されるため、ストッパ50を設けるために別の部材を用いる必要がなく、部品点数及び組立工数が削減される。
更に、ストッパ50がカバー部材40の側面とバランサシャフト12の軸方向において重なるように少なくとも1対に上壁19に形成された前突起50A及び後突起50Bを含む構成とされているため、ストッパ50をその機能に必要な最小限の大きさにすることができ、ストッパ50の設置による重量増大が抑制される。
また、上記実施形態では、図2及び図7に示すように、カバー部材40の筒部41が、センシング部31の長手方向に沿って延びる半筒状の2つのカバーハーフ45、46を、一方の縁部が他方の縁部の外側に重なるように組み合わせて構成される。これにより、カバー部材40を薄肉化することが可能になり、カバー部材40の設置による重量増大が抑制される。また、カバー部材40は、2つのカバーハーフ45、46がバランサシャフト12の軸方向に並ぶ向きに配置されている。これにより、重ね部は、オイルを飛散させる両バランサシャフト12F、12Rの第1ヘリカルギヤ12Rd、12Fd及びバランサウェイト12Rc、12Fcから離れた位置に、かつ重ね合わせ面がオイルの飛散方向と交差する方向を向くように配置されるため、重ね部からのオイルの浸入が抑制される。
更に、第1ヘリカルギヤ12Rd、12Fdはバランサウェイト12Rc、12Fcよりも大径であり、バランサ装置10内に溜まったオイルが第1ヘリカルギヤ12Rd、12Fdによってより多く掻き飛ばされることは避けられない。これに対して本実施形態では、カバー部材40は、第1ヘリカルギヤ12Rd、12Fdとバランサウェイト12Rc、12Fcとの間に配置されるが、第1ヘリカルギヤ12Rd、12Fdに近い側のカバーハーフ45がバランサウェイト12Rc、12Fcに近い側のカバーハーフ46の外側に重なるように配置されるため、第1ヘリカルギヤ12Rd、12Fdから掻き飛ばされるオイルが重ね部からカバー部材40内に浸入することが抑制される。
≪変形実施形態≫
次に、図11を参照して変形実施形態に係るバランサ装置10について説明する。なお、上記実施形態と形態又は機能が共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。前後左右の方向は上記実施形態(図2参照)に準じる。
上記実施形態では、クランクシャフト2から1対のバランサシャフト12F、12Rへの動力伝達において、巻き掛け式の第1伝動機構16と互いに噛み合う1対の歯車からなる歯車式の第2伝動機構17とによって2段階の増速が行われていたのに対し、本変形実施形態のバランサ装置10では、第2伝動機構17が2つの増速機構(2対の歯車)を備え、3段階の増速が行われる。
以下、具体的に説明する。バランサ装置10は、前後1対のバランサシャフト12F、12R及びインプットシャフト13に加え、インプットシャフト13と平行に配置された中間シャフト51を備えている。本変形実施形態では、中間シャフト51は、前バランサシャフト12Fと同軸上に配置されている。中間シャフト51には、インプットシャフト13の第1ヘリカルギヤ13eに噛み合う第1ヘリカルギヤ51aが固定されると共に、第1ヘリカルギヤ51aから左方に離間した位置に第2ヘリカルギヤ51bが固定されている。
1対のバランサシャフト12F、12Rの構成も上記実施形態と異なっている。具体的には、前バランサシャフト12Fにおいては、第1ジャーナル12Faが右端をなし、上記第2ヘリカルギヤ12Feは設けられていない。後バランサシャフト12Rにおいては、第1ジャーナル12Raと第1ヘリカルギヤ12Rdとの間であって、左右方向において中間シャフト51の第2ヘリカルギヤ51bと対応する位置に、当該第2ヘリカルギヤ51bと噛み合う第2ヘリカルギヤ12Reが固定されている。
中間シャフト51は、左端に第1ジャーナル51cを、第1ヘリカルギヤ51aと第2ヘリカルギヤ51bとの間に第2ジャーナル51dを備え、前バランサシャフト12Fの右端面との間に若干の隙間g(図4参照)を空けて対向するように配置される。中間シャフト51の第1ジャーナル51c及び前バランサシャフト12Fの第1ジャーナル12Faは共に第4ジャーナル軸受24により軸支される。一方、インプットシャフト13の第2ジャーナル13c及び後バランサシャフト12Rの第1ジャーナル12Raが共に第2ジャーナル軸受22によって軸支される点は上記実施形態と同様である。
なお、ポンプシャフト11cが上記実施形態と同様に継手を介して中間シャフト51と連結している場合には、ポンプシャフト11cを軸支する第6ジャーナル軸受26及び中間シャフト51の第2ジャーナル51dを軸支する第7ジャーナル軸受27の両方が必要になる。一方、ポンプシャフト11cと中間シャフト51とが一体である場合には、第6ジャーナル軸受26及び第7ジャーナル軸受27の一方は省略できる。
インプットシャフト13の第1ヘリカルギヤ13e及び中間シャフト51の第1ヘリカルギヤ51aによって第1歯車機構17Aが構成され、中間シャフト51の第2ヘリカルギヤ51b及び後バランサシャフト12Rの第2ヘリカルギヤ12Reによって第2歯車機構17Bが構成される。そして、中間シャフト51、第1歯車機構17A及び第2歯車機構17Bによって第2伝動機構17が構成される。
このように構成されたバランサ装置10では、図中に黒矢印で示すように動力伝達が行われる。即ち、ドリブンスプロケット13aを含む第1伝動機構16を介してインプットシャフト13に伝達されたクランクシャフト2の回転力は、第2伝動機構17の第1歯車機構17Aを介して中間シャフト51に伝達される。中間シャフト51の回転力は、ポンプシャフト11cに伝達されると共に、第2伝動機構17の第2歯車機構17Bを介して後バランサシャフト12Rに伝達され、後バランサシャフト12Rをクランクシャフト2の2倍の回転速度でクランクシャフト2と同方向に回転させる。後バランサシャフト12Rの回転力は、第3伝動機構18を介して前バランサシャフト12Fに伝達され、前バランサシャフト12Fを後バランサシャフト12Rと相反する方向に同一の回転速度で回転させる。
そして、第1伝動機構16のチェーン増速比は、インプットシャフト13の回転速度がクランクシャフト2の回転速度よりも速くかつ後バランサシャフト12Rの回転速度よりも遅くなるように、1よりも大きくかつ2よりも小さく設定される。また、第2伝動機構17の第1歯車機構17Aの増速ギヤ比は、中間シャフト51の回転速度がインプットシャフト13の回転速度よりも速くかつ後バランサシャフト12Rの回転速度よりも遅くなるように、1よりも大きくかつ2よりも小さく設定される。例えば、第1伝動機構16のチェーン増速比が4/3に設定される場合、第1歯車機構17Aの増速ギヤ比が4/3、第2歯車機構17Bの増速ギヤ比が9/8に設定されることにより、バランサシャフト12F、12Rの回転速度がクランクシャフト2の回転速度の2倍になる。
油路溝29は、詳細な図示は省略するが、上記実施形態と同様の要領で図11中に白抜き矢印で示すように形成される。具体的には、油路溝29は、下ハウジング14B(図2)の上面においてオイル入口29aから前方へ延び、第3ジャーナル軸受23及び第5ジャーナル軸受25において円環状に延びた後、下ハウジング14Bの前壁の上面を通って右方へ延びる。第4ジャーナル軸受24に対応する位置で油路溝29は後方へ延びる第1分岐溝29Aと、更に右方へ延びる第2分岐溝29Bとに分岐する。第1分岐溝29Aは第4ジャーナル軸受24に至り、第2分岐溝29Bは第7ジャーナル軸受27において円環状に延びて第2ジャーナル軸受22に至る。第2ジャーナル軸受22及び第4ジャーナル軸受24においては、上記実施形態と同様にシャフト間の隙間g(図4)に油路溝29が接続される。
第7ジャーナル軸受27が省略されている場合には、想像線で示す白抜き矢印のように、第2ジャーナル軸受22に至る第2分岐溝29Bが、オイル入口29aから分岐し、下ハウジング14Bの後壁の上面を通って右方へ延びるように形成されてもよい。
いずれの場合においても、第2ジャーナル軸受22及び第4ジャーナル軸受24においては、油路溝29が円環状部分29b(図4)を形成しており、円環状部分29bの幅はシャフト間の隙間gよりも大きく、油路溝29の円環状部分29bが隙間gを跨ぐように配置されるとよい。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、一例として車載用内燃機関のバランサ装置10として説明を行ったが、鉄道車両や船舶、航空機等にも広く適用することができ、バランサ装置10以外の機械装置に適用することもできる。また、上記実施形態では、第2伝動機構17や第3伝動機構18の歯車にヘリカルギヤを用いているが、平歯車ややまば歯車等を用いてもよい。また、上記実施形態では、巻き掛け式の第1伝動機構16にローラチェーン15を用いているが、サイレントチェーン等の他の構造のチェーンを用いてもよい。また、上記実施形態では、ストッパ50が突起50A、50B、60Cを含んでいるが、上壁19の凹部19bを構成する周壁がカバー部材40の上端部を囲繞する形態であってもよい。更に、上記実施形態では、カバー部材40の上端がバランサ室14Dに配置されているが、上ハウジング14Aの上壁19に開口が形成され、カバー部材40がこの開口から更に上方に突出してその上端がバランサ室14Dの上方に配置されていてもよい。この場合、開口を画成する上壁19の縁部がストッパ50を構成するようにするとよい。即ち、上壁19の開口を画成する縁部とカバー部材40との距離がカバー部材40とバランサシャフト12F、12Rとの間隔よりも小さくなるように開口の大きさを設定するとよい。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、角度、素材、製造方法等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示したバランサ装置10の各要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
1 エンジン
2 クランクシャフト
10 バランサ装置(機械装置)
12F 前バランサシャフト(回転シャフト)
12Fd 第1ヘリカルギヤ(第3伝動機構18の要素)
12Fe 第2ヘリカルギヤ(第2伝動機構17の要素)
12R 後バランサシャフト(回転シャフト)
12Rd 第1ヘリカルギヤ(第3伝動機構18の要素)
12Re 第2ヘリカルギヤ(第2歯車機構17Bの要素)
13 インプットシャフト(回転シャフト)
13e 第1ヘリカルギヤ(第2伝動機構17の要素)
16 第1伝動機構
17 第2伝動機構
17A 第1歯車機構
17B 第2歯車機構
18 第3伝動機構
22 第2ジャーナル軸受
24 第4ジャーナル軸受
29 油路溝
29b 円環状部分
51 中間シャフト(回転シャフト)
51a 第1ヘリカルギヤ(第1歯車機構17Aの要素)
51b 第2ヘリカルギヤ(第2歯車機構17Bの要素)
g 隙間

Claims (4)

  1. 複数の回転シャフトを有する機械装置であって、
    前記複数の回転シャフトのうちの2つが同軸上に近接して配置され、当該同軸上に配置された2つの回転シャフトの互いに近接する側の端部が単一の軸受によって軸支され、当該単一の軸受内に形成された前記2つの回転シャフトのそれぞれの前記端部の間に形成された隙間に連通する油路が設けられていることを特徴とする複数の回転シャフトを有する機械装置。
  2. 前記軸受の内面には前記油路を構成する円環状の溝が形成され、当該溝が前記隙間よりも大きな幅を有し、かつ前記隙間を跨ぐように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の機械装置。
  3. 前記機械装置は内燃機関に設けられて1対のバランサシャフトをクランクシャフトの2倍の回転速度で互いに反対方向に回転させるバランサ装置であり、
    巻き掛け式の第1伝動機構を介して前記クランクシャフトに連結されたインプットシャフトと、
    互いに噛み合う1対の歯車からなる第2伝動機構を介して前記インプットシャフトに連結された第1バランサシャフトと、
    互いに噛み合う歯数が同一の1対の歯車からなる第3伝動機構を介して前記第1バランサシャフトに連結された第2バランサシャフトとを備え、
    前記インプットシャフトと前記第2バランサシャフトとが同軸上に近接して配置され、当該両シャフトの互いに近接する側の端部が前記単一の軸受によって軸支されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の機械装置。
  4. 前記機械装置は内燃機関に設けられて1対のバランサシャフトをクランクシャフトの2倍の回転速度で互いに反対方向に回転させるバランサ装置であり、
    巻き掛け式の第1伝動機構を介して前記クランクシャフトに連結されたインプットシャフトと、
    互いに噛み合う1対の歯車からなる第1歯車機構を介して前記インプットシャフトに連結された中間シャフトと、
    互いに噛み合う1対の歯車からなる第2歯車機構を介して前記中間シャフトに連結された第2バランサシャフトと、
    互いに噛み合う歯数が同一の1対の歯車からなる第3伝動機構を介して前記第2バランサシャフトに連結された第1バランサシャフトとを備え、
    前記インプットシャフトと前記第2バランサシャフトとが同軸上に近接して配置され、当該両シャフトの互いに近接する側の端部が前記単一の軸受によって軸支され、
    前記中間シャフトと前記第1バランサシャフトとが同軸上に近接して配置され、当該両シャフトの互いに近接する側の端部が前記単一の軸受によって軸支されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の機械装置。
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