JP6253610B2 - 高周波誘導加熱ヘッドと高周波誘導加熱装置 - Google Patents

高周波誘導加熱ヘッドと高周波誘導加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6253610B2
JP6253610B2 JP2015072386A JP2015072386A JP6253610B2 JP 6253610 B2 JP6253610 B2 JP 6253610B2 JP 2015072386 A JP2015072386 A JP 2015072386A JP 2015072386 A JP2015072386 A JP 2015072386A JP 6253610 B2 JP6253610 B2 JP 6253610B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency induction
induction heating
protruding metal
protruding
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015072386A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016192346A (ja
Inventor
弘樹 末峰
弘樹 末峰
純司 笹嶋
純司 笹嶋
辰雄 片岡
辰雄 片岡
保志 篠塚
保志 篠塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SPC Electronics Corp
Original Assignee
SPC Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SPC Electronics Corp filed Critical SPC Electronics Corp
Priority to JP2015072386A priority Critical patent/JP6253610B2/ja
Publication of JP2016192346A publication Critical patent/JP2016192346A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6253610B2 publication Critical patent/JP6253610B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Induction Heating (AREA)

Description

本発明は高周波誘導加熱ヘッドと高周波誘導加熱装置に関し、橋梁、ビル等をはじめとする鋼構造物の表面から突出しているボルト軸、ボルト軸に嵌合されているワッシャ、ボルト軸に締め付けされているナット等の緊締具、鋼構造物に締め付けられて鋼構造物の表面から突出しているボルトの頭、鋼構造物に溶接等の手段で固定されて鋼構造物の表面に突出している添設板等(以下「突出金属」という。)を、高周波誘導加熱により加熱して、突出金属の表面の塗膜を軟化および伸展させて剥離し易くするのに使用される高周波誘導加熱ヘッドと、高周波誘導加熱装置に関する。
橋梁の主桁や鋼床版、石油タンク、ビルといった各種鋼構造物は、その表面が空気や水分によって酸化して錆が生じる。錆が生じると見栄えが悪くなるだけでなく、錆が進行して腐食が始まり、有効断面が欠損し、部材の損傷をきたし、鋼構造物全体として強度の低下や機能不全に陥ることがある。このような問題を予防するため、通常は、鋼構造物の表面に吹き付け塗装やライニング塗装等により塗膜を形成(成膜)して、錆の発生を予防し、耐久性が高まるようにしている。この場合、鋼構造物のみならず、前記突出金属の表面も成膜される。
防錆に使用される塗料には、鉛やクロム、PCB(ポリ塩化ビフェニル)といった人体に有害な物質を含むものが少なからずあることから、それらを含まない塗料に塗り替えることが好ましい。また、塗膜が経年劣化や他の理由で損傷した場合は、塗膜を塗り替える必要がある。いずれの場合も、既存の塗膜を剥離する必要がある。この場合、有害物質を含む塗膜粉末が飛散せず、作業者が塗膜粉末に含まれる有害物質を吸い込むことがなく、近隣住民に悪影響が及ばないようにする万全の対策を講じることが求められている。
従来、塗膜剥離方法として、剥離箇所の周囲を十分に養生した中でブラストし、ブラストによって剥がれた塗料をブラスト材と共に吸引して回収する方法、剥離剤をエアレススプレーやウェス等に付着させて塗装面に塗り込み、所定時間経過後に、軟化した塗装を、カワスキ等を利用して剥離し、剥離した塗料を剥離剤ごと回収する方法などがとられていた。
しかし、前記ブラストによる方法は、有害物質を含む粉塵が飛散して作業者に悪影響を与える可能性がある(作業環境が悪くなる)という問題がある。剥離剤を用いる方法は化学成分が強く人体に悪影響を与えることがある、剥離剤に可燃性のある材料が含まれている場合には火災の原因となる可能性がある、気温が低い現場では塗膜の軟化(活性化)に時間がかかり作業効率が悪い、剥離剤自体に有害物質が含まれている場合は有害な廃棄物量が増える、といった種々の問題がある。これらの問題が生じない方法として、産業用IHを利用した高周波誘導加熱で塗膜面の金属を加温して剥離する方法(特許文献1及び2)が提案されており、高周波誘導加熱装置として非特許文献の装置が提案されている。
米国特許第7857914号公報 特開2014−014933号公報
いよ技研株式会社「ヒートレッドM−1」(http://iyogiken.com)
非特許文献1の高周波誘導加熱装置は、ナット、ボルト等の緊締物の外径よりやや大きなリング状の誘導加熱コイルを直に、それら緊締物の外周に宛がうものであるため、宛がう際の位置決めが難しかった。また、ボルト軸にワッシャを介在させてナット締めしてある場合は、加熱コイルをナットの外周にしか配置できないため、外形の異なるワッシャ、ナット、ボルト軸の三者をほぼ均一(均一を含む:以下同じ)温度に加熱することは難しかった。三者をほぼ均一温度で加熱する理由は、鋼材が暖まることでその保有する線膨張係数に従って鋼材は膨張するが、塗膜の線膨張係数は鋼材の10分の1以下であるので膨張できないことを利用するものである。つまり局部的に鋼材を暖めてもその部位に付着した塗膜をはがすことはできるが、ボルト部全体でははがれないと考えられる。もちろん、鋼材を温めることで、塗膜も温められ、塗膜自体が軟化することではがれやすくなる影響もある。他にも、それらを均一温度に加熱するためには加熱温度を高くしたり、加熱時間を長くしたりすることが考えられるが、そのようにすると、塗膜に含まれる有害物質が発生し易くなるとか、ボルトの軸力が低下するとか、緊締具の締め付けが弛緩するといった問題が発生することも懸念される。また、加熱温度を高くし、加熱時間を長くしたとしても、それら二以上の突出金属を短時間で均一温度に加熱できるとは限らなかった。
本発明の解決課題は、鋼構造物の表面に突出している突出金属、特に、ボルト軸、それに嵌合したワッシャ、螺合したナットのように径の異なる二以上の突出金属を同時に、短時間(数秒程度)でほぼ均一に加熱でき、加熱によるボルトの軸力低下、緊締具の弛緩発生、塗膜からの有害物質の発生等が生じにくくすることができる高周波誘導加熱ヘッドと、当該ヘッドに変流器−高周波電源等を接続した高周波誘導加熱装置を提供することにある。
本発明の高周波誘導加熱ヘッドは、鋼構造物の表面に突出している突出金属を高周波誘導加熱して、突出金属の表面の塗膜を剥離可能に軟化および伸展(突出金属の熱膨張率と塗膜の熱膨張率が異なる(金属が約10倍以上)ことにより塗膜が伸展)させる高周波誘導加熱ヘッド(以下「ヘッド」という。)であり、突出金属の外周に配置する加熱コイルと、外部機器、例えば変流器を取り付け可能な機器取り付け部を備え、加熱コイルは金属パイプ又は金属線が螺旋状に二ターン以上巻かれており、少なくとも一つは外径の大きな突出金属(大径突出金属)の外周に配置できる巻径の大径ターンであり、他は外径の小さな突出金属(小径突出金属)の外周に配置できる巻径の小径ターンであり、加熱コイルの両端部に高周波電源側の変流器の給電部(外部電極)を接続可能な電源接続部(コイル電極)を備えたものである。
前記ヘッドは絶縁性のコイルカバー(ベース)を備えたものであってもよい。ベースは大径突出金属の外周にその先端側から被せて配置することのできる広さのセット空間を備え、セット空間内に前記加熱コイルが配置されて、セット空間を大径突出金属の外周に配置すると、加熱コイルの大径ターンが大径突出金属の外周に、小径ターンが小径突出金属の外周に位置決めされるようにすることができる。
前記ヘッドは突出金属の温度を検知する非接触の温度センサを取り付け可能なセンサ取付け部を備えたものであってもよい。センサ取付け部は前記ベースと連結されており、ベースのセット空間を突出金属の外周にセットして加熱コイルを突出金属の外周に配置すると、センサ取付け部に取り付けられた非接触温度センサが突出金属に非接触で対向配置されるようにすることもできる。
本発明の高周波誘導加熱装置は、前記ヘッドの機器連結部に高周波電源に接続される携行可能な(ハンディー式の)変流器(CT:Current Transformer)が連結されて、高周波電源から当該変流器を介して加熱コイルに高周波電流を給電できるようにしたものである。高調波電源装置の操作パネルに、加熱オフ時間を設定することができるタイマを備えることもできる。
本発明の高周波誘導加熱ヘッドは次の効果を奏する。
(1)加熱コイルに大径ターンと小径ターンがあるため、大径突出金属と小径突出金属を同時に、ほぼ均一に誘導加熱することができる。
(2)加熱コイルが絶縁性のベースのセット空間内に配置されている場合は、セット空間を突出金属の外周に配置するだけで、加熱コイルを径の異なる二以上の突出金属の外周に容易に位置決めすることができる。
(3)径の異なる二以上の突出金属であっても、加熱温度を過剰に上げることなく、短時間(数秒程度)で均一に加熱できるので、ボルトの軸力低下、緊締具の弛緩発生、有害物質の発生等を防止できる。
本発明の高周波誘導加熱装置は次の効果を奏する。
(1)ヘッドの機器取り付け部に変流器を介して高周波電源が接続されているので、加熱コイルへの高周波電源の給電操作が容易になる。
(2)センサ取付け部がベースと連結されており、ベースのセット空間を突出金属の外側にセットすると、温度センサが突出金属の近くのほぼ定位置に非接触で対向配置されるため、突出金属の温度検出精度が安定する。
(3)ヘッドに冷媒供給器を連結した場合は、加熱コイルを冷却しながら突出金属を加熱できるので、加熱コイルの昇温を抑制でき、昇温による電力ロスの防止、加熱コイルの劣化(酸化)防止もできる。
(4)タイマをセットすれば、セットした時間以降は、ヘッドに電流が供給されないため、突出金属が過加熱されることはない。
(5)センサで検知する温度と突出金属塗膜表面部の温度の関係をあらかじめ調べておけば、センサで検知する温度と突出金属表面部の温度との関係がわかる。この関係に基づいてセンサの温度をセットすれば、センサで検知した温度がセットした温度以上になると、ヘッドに電流が供給されなくなり、突出金属の加熱が停止し、過加熱されることもない。
本発明の高周波誘導加熱ヘッドの一例を示す斜視図。 (a)はヘッドと変流器(CT)の連結説明図、(b)はコイル電極の説明図。 (a)はヘッド及び加熱コイルを、ワッシャ、ナット、ボルト軸の外周にセットした状態の一例を示す断面図、(b)は(a)と同じ状態の他例を示す断面図。 本発明の高周波誘導加熱装置のヘッドと変流器の連結部の一例を示す斜視図。 本発明の高周波誘導加熱装置の冷媒の流れの説明図。 本発明の高周波誘導加熱装置の一例を示す斜視図。 本発明の高周波誘導加熱装置の使用例を示すもので、(a)はベースを突出金属の外周にセットする前の説明図、(b)はセット後の説明図。
(高周波誘導加熱ヘッドの実施形態)
本発明の高周波誘導加熱ヘッドは突出金属を高周波誘導加熱して、突出金属表面の塗膜を加熱・軟化および伸展させてシート状態で剥離可能とするものであり、ワッシャ、ナット、ボルト等の緊締物に限らず、鋼構造物の表面に突出している金属であれば他の物であっても加熱できるが、以下に、ワッシャ、ナット、ボルトの三者を同時に高周波誘導加熱する場合を一例として説明する。
[ヘッド]
図1にヘッドの一例を示す。このヘッド1は加熱コイル2と、加熱コイル2の両端部3、4に設けられた二枚の電源接続部(コイル電極)5、6(図2)と、加熱コイル2を配置するベース7と、ベース7から立設されて対向配置された二枚の支持材8、9と、両支持材8、9間に配置固定された機器取り付け部10と、機器取り付け部10に取り付けられたセンサ取付け部11を備えている。
[加熱コイル]
加熱コイル2は金属パイプが螺旋状に三ターン巻かれており、二つの大径ターン12、13(図2(a))は大径突出金属(図3のワッシャBとナットC)の外周に配置できる巻径であり、一つの小径ターン14は大径ターン12、13よりも小径であって小径突出金属(図3のボルト軸D)の外周に配置できる巻径としてある。
大径ターン12、13の内径寸法は加熱するワッシャBとナットCの外径によっても異なるが、小さ過ぎるとワッシャB又はナットCの外周に接触し、大き過ぎるとそれらの外周との間隔が空き過ぎて誘導効率が低下するので、ワッシャB、ナットCの外周に接触せず、それら外周から離れ過ぎない寸法に設定する。一例としては、ワッシャB又はナットC(図3)よりも片側1.5mm程度離れて配置できる内径にしてある。図3に示した二つの大径ターン12、13は同じ径であるが、ワッシャBの外径に配置する大径ターン12の内径は、ナットCの外周に配置する大径ターン13の内径よりも大きくすることもできる。
[冷媒通路]
加熱コイル2には金属パイプが使用されている。加熱コイル2に高周波電源(パルス電圧、その他の交番電流)を通電すると、加熱コイル2とその内側の突出金属Aとが電磁誘導結合して突出金属Aに渦電流が発生して突出金属Aが加熱される。このとき、加熱コイル2も発熱する。加熱コイル2は発熱すると電気抵抗が高くなり、電力ロスが多くなり、金属製、特に銅製の場合は酸化して錆の原因にもなる。これらを防止するため、金属パイプの内部空間は冷媒通路として冷却媒体、例えば冷却水を流して循環させることができるようにしてある。
[コイル電極]
図2(a)に示すコイル電極5、6は肉厚の銅板であるが、その材質は導電材であれば他の金属であってもよい。コイル電極5、6の夫々には通水孔15、16(図2(b))が開口されており、それら通水孔15、16に加熱コイル2の端部3、4が連結されている。コイル電極5、6の夫々にはネジ孔17、18(図2(a)(b))が開口されている。
[加熱コイルの絶縁]
加熱コイル2の外周面には絶縁材を塗布するとか絶縁テープを巻くなどして絶縁被覆してある。絶縁被覆の一例として、外周面にガラス繊維テープを巻き、その上に、シリコンワニスを塗布して、絶縁性にし、耐熱性にしてある。
[ベース]
図1に示すベース7は絶縁材製であり、方形枠状であり、内部にセット空間25(図2(a)、図3)があり、セット空間25は突出金属Aの先端側(ボルト軸D側)から被せて、ワッシャBの外周に配置できる広さにしてある。セット空間25内には加熱コイル2の二つの大径ターン12、13が配置され、図3(a)のようにセット空間25の上に小径ターン14が突出している。このベース7のセット空間25を図3(a)のようにワッシャBの外周に配置すると、下の大径ターン12がワッシャBの外周に、上の大径ターン13がナットCの外周に、小径ターン14がボルト軸Dの外周に位置決めされてセットされるようにしてある。
[位置決め]
前記の場合、ベース7の下端内周縁7aを位置決め部として、この位置決め部7aがワッシャBの外周面に接触しても、下の大径ターン12がワッシャBの外周面に接触せず、下の大径ターン12とワッシャBの外周面との間に1.5mm程度の隙間が確保され、上の大径ターン13とナットCの外周面も、小径ターン14とボルト軸Dの外周面も接触しないようにしてある。
本発明では図3(b)に示すように、ベース7の上端内周縁から小径ターン14の内側に下向きに突出する突片7bを設け、その突片7bを位置決め部とすることもできる。この場合は、突片7bをボルト軸Dの外周面に接触させると、小径ターン14がボルト軸Dの外周面と、上の大径ターン13がナットCの外周面と、下の大径ターン12がワッシャBの外周面と、夫々接触しないようにしてある。
本発明では図3(b)に示すように、ベース7の上端内周縁から上の大径ターン13の内側に下向きに突出する突片7cを設け、その突片7cを位置決め部とし、この突片7cをナットCの外周面に接触させると、小径ターン14がネジ軸Dの外周面と、上の大径ターン13がナットCの外周面と、下の大径ターン12がワッシャBの外周面と、夫々接触しないようにしてある。
前記突片7b、7cは、加熱コイル2が螺旋状であるため、加熱コイル2の周方向全周にリング状に設けることはできないが、加熱コイル2の周方向一部に設けることができる。
図3(b)では位置決め部7a、突片7b、7cを一つベース7にまとめて設けてあるが、位置決め部7a、突片7b、7cは一つのベース7にいずれか一つだけ設けることも、二以上を設けることもできる。
[支持材]
図1に示す二枚の支持材8、9は共に絶縁材製であり、ベース7のセット空間25から上方に突出する加熱コイル2の端部3、4の外側に位置するようにベース7から上方に立ち上げてある。
[機器取付け部]
図1に示す機器取付け部10は金属平板であり、凹部20が開口され、止め孔21が開口されており、一端が二枚の支持材8、9の間に挟まれ、側方からネジ22で固定されており、凹部20側が支持材8、9の外側に突出している。この機器取付け部10には変流器CT(図5、図6)の連結材31(図2、図4)を連結固定することができる。連結材31(図2、図4)には蛇腹式の保護ホース32が連結されている。
[センサ取付け部]
図1のセンサ取付け部11はZ字形の金属板であり、機器取り付け部10にネジ41で固定されている。センサ取付け部11には差し込み孔42(図1)が開口されており、この差し込み孔42に図4のように温度センサ43を差込み、ナット44で固定してある。温度センサ43には汎用の非接触の温度センサを使用することができる。センサ取付け部11に取り付けられた温度センサ43は、加熱コイル2を図3のように突出金属Aの外周に配置したとき、ボルト軸Dの上面までの間隔Hが100mm程度となるようにするのが適するが、この数値に限定されるものではない。
(高周波誘導加熱装置の実施形態)
本発明の高周波誘導加熱装置は、図4、図5のように、ヘッド1の機器取付け部10に変流器CTを介して高周波電源30が連結されており、センサ取付け部11に非接触の温度センサ3が取り付けられている。
[高周波電源]
高周波電源30は変流器に高周波電流を供給するものであり、高周波誘導加熱(産業用IH)用の汎用の高周波電源を使用することができる。
変流器CTは高周波電源30(図5)からの電流を加熱コイル2に供給するのに適する大電流に変換するものである。変流器CTには産業用IHに汎用の変流器を使用することができる。現場作業での利便性の面からは携行可能なハンディー式の変流器CTが適する。
[連結材]
変流器CTには図2に示すように連結材31が連結されている。連結材31は二つの金属ブロックであり、ブロックの上面に凸部31aが形成され、連結材31の前面には半円盤状の二枚の給電部(外部電極)50(図2)が固定されている。
[外部電極]
前記外部電極50は肉厚の銅板であり、ほぼ中央部に通水孔51が貫通され、その上下に止め孔52が開口されている。通水孔51の端面にはパッキン53が嵌合されている。パッキン53は漏水防止用であり、ゴム、樹脂等の弾性材で成形されている。外部電極50は銅以外の金属製であってもよい。
[機器連結材への変流器の取り付け]
ヘッド1の機器取り付け部10への変流器CTの取り付けは、連結材31(図2)の上面の凸部31aを機器取り付け部10の凹部20に嵌合してネジ45(図4)で固定してある。また、図2のように、二枚の外部電極50をコイル電極5、6に突き合わせ、コイル電極5、6のネジ孔17、18と外部電極50の止め孔52にボルトをねじ込んで連結することができる。この場合、コイル電極5、6と外部電極50の間にパッキン53があるため両電極の通水孔同士の連結部の漏水が防水される。また、パッキン53がコイル電極5、6と外部電極50の連結により潰されて両電極同士が電気的に通電可能状態に連結される。
[保護ホース]
変流器CTには蛇腹式の保護ホース32が接続されている。保護ホース32内には電源ケーブルが配線され、給水ホース34と戻りホース35(図5)が配管されている。図6のように、保護ホース32の外には、非接触の温度センサ43(図2)と当該温度センサで感知された温度を増幅する増幅器46(図6)と接続されたケーブル47が配線されている。
[電源ケーブル]
前記電源ケーブルは外部電極50と変流器CTの間に配線されて、変流器CTから外部電極50に交流電流を給電し、更に、外部電極50と接続されるコイル電極5から加熱コイル2に給電されるようにしてある。
[冷却水ホース]
冷却水ホースは加熱コイル2内の冷媒通路に冷却液を供給する給水ホース34と、冷媒通路から冷却水が戻る戻りホース35があり、戻りホース35は加熱コイル2内を流れて熱くなった冷却水が戻るホースである。両ホース34、35は循環装置36(図5)と外部電極50の通水孔51(図2)に連結されており、外部電極50がコイル電極5と連結されて外部電極50の通水孔51とコイル電極5の通水孔15が連通すると、循環装置36(図5)−給水ホース34−高周波電源30の冷却板37−外部電極50の通水孔51(図2)−コイル電極5の通水孔15(図2)−加熱パイプ2内の冷却路−戻りホース35(図5)−循環装置36の冷却経路で循環して、前記冷却板37、加熱コイル2が冷却されるようにしてある。
[測温体、電磁バルブ、逆流防止弁]
図5に示すように、前記冷却経路には冷却水の温度を計測する測温体38が配置され、流量調整用の電磁バルブ39、逆流防止弁40が設けられている。
(高周波誘導加熱ヘッドの他の実施形態)
前記実施形態の加熱コイル2には金属パイプが使用されているが、本発明では、加熱コイル2に金属線、例えばリッツ線を使用し、それを螺旋状に巻くこともできる。この場合も、大径ターンと小径ターンの二以上のターンを備えたものとする。この場合の加熱コイル2も前記実施形態と同様に、ベース3内に配備する。その他、実施形態1の加熱コイル2と共通する構成はその加熱コイル2と同じ構成とすることができる。リッツ線を使用した場合は、冷媒に空気とか他の気体を使用することができる。
[付帯機器]
前記変流器CTや高周波電源30の制御盤(操作パネル)には、変流器CTの駆動、停止に必要なスイッチをはじめとして、各種機器が設けられている。これら機器としては次に記すようなものがある。高周波電源30の操作パネルの機器は、前記ハンディーCTから遠隔操作することができる。
(1)電源スイッチ
電源スイッチをオンにすると電源表示灯(白色)が点灯する。
(2)出力コントロール入力
出力調整ボリュームにて出力を指定することができる。
(3)タイマ
タイマにて加熱オフ時間を設定することができる。時間単位は秒である。
(4)パワーメータ
パワーメータにて加熱オン時の電力をパーセンテージで表示できるようにしてある。単位は%である。
(5)ワーク温度表示
ワーク温度表示にて非接触の温度センサ43(図4)の上限温度を設定することができる。上限温度に達すると加熱が自動的にオフになる。また、変流器CTのスイッチの上のLED(赤色)が点灯する。ただし、タイマが設定時間になった場合は加熱オフになる。表示単位は℃である。
(6)冷却水温度表示
冷却水温度表示にて冷却水入口側の白金測温体38(図6)の上限温度を指定することができる。上限温度に達すると加熱がオフになる。上限温度に達すると加熱オンにできない。表示単位は℃である。
(7)加熱ON中表示灯
加熱オン表示灯は変流器CT側の加熱スイッチをオンすると点灯(緑色)する。加熱がオフになると消灯する。
(8)アラームリセットスイッチ
アラームリセットスイッチを押すとアラームがリセットされる。アラームが発生すると点灯し、スイッチを押してリセットされると消灯する。
(9)非常停止スイッチ
非常停止スイッチにて加熱オンを停止することができる。元に戻す際は非常停止スイッチを回して戻す。スイッチが押されている場合は加熱オンすることができない。
(10)非接触センサアンプ
増幅器(温度センサアンプ)46(図6)は非接触の温度センサ43(図4)の検知信号を取込み、高周波電源に中継する。
(11)変流器CTの押釦スイッチ
変流器CTの押釦スイッチを押している間、加熱オン、離すと加熱オフとなる。タイマにて設定した時間に達すると加熱オフになる。また、温度センサにて指定した温度に達すると加熱オフになる。加熱オン時はスイッチ上部のLEDが点灯する。加熱オン時は高周波電源の加熱ON表示灯が点灯する。
[使用例]
図4に示す高周波誘導加熱装置を使用して突出金属Aを加熱し、突出金属Aの塗膜を軟化および伸展させるには、次のようにする。
(1)使用に先立って、前記操作パネルの機器を、使用に必要な諸条件に設定する。
(2)図4のヘッド1を、図7(a)(b)のように、作業者が手に持って突出金属Aの外周に図3のように配置して、加熱コイル2の大径ターン12、13をワッシャB、ナットCの外周にセットし、加熱コイル2の小径ターン14をボルト軸Dの外周にセットする。ワッシャB、ナットCが大径ターン12、13の中心部に、ボルト軸Dが小径ターン14の中心部に位置するようにセットする。
(3)図3の状態で作業者の手元の変流器CTの加熱ONスイッチを押して、高周波電源30−変流器CT−外部電極50−コイル電極5−加熱コイル2に電源供給して、加熱コイル2による高周波誘導加熱により突出金属Aを加熱して、塗膜を剥離可能な状態まで軟化および伸展させる。前記タイマでの設定時間が経過(数秒)すると自動的に電源がOFFになって加熱が停止する。加熱中に突出金属Aの温度を非接触の温度センサ43で計測して、所定温度になっても給電が自動的にOFFになって加熱が停止するようにすることができる。塗膜の成分によっても異なるが、数秒程度の加熱時間で塗膜が軟化する温度、例えば100℃〜200℃まで突出金属Aが加熱される。
(4)一つの突出金属Aの加熱が終了したら、その突出金属Aからヘッド1を取り外して、そのヘッド1を、次に加熱する突出金属Aの外周に配置してから、前記(2)と同様にして、その突出金属Aを高周波誘導加熱する。
(5)以下、前記(4)の操作を繰り返して、必要な突出金属Aを繰り返し加熱して、塗膜を軟化および伸展させる。
本発明の高周波誘導加熱ヘッド、高周波誘導加熱装置は、ビル、橋梁以外における突出金属の塗膜剥離にも利用可能である。
1 ヘッド
2 加熱コイル
3、4 (加熱コイルの)端部
5、6 電源接続部(コイル電極)
7 ベース
7a 下端内周縁(位置決め部)
7b 下向き突片(位置決め部)
7c 下向き突片(位置決め部)
8、9 支持材
10 機器取付け部
11 センサ取付け部
12、13 大径ターン
14 小径ターン
15、16 (コイル電極の)通水孔
17、18 ネジ孔
20 凹部
21 止め孔
22 ネジ
25 セット空間
30 高周波電源
31 連結材
31a (連結材の)凸部
32 保護ホース
34 給水ホース
35 戻りホース
36 循環装置
37 冷却板
38 測温体
39 電磁バルブ
40 逆流防止弁
41 ネジ
42 差し込み孔
43 温度センサ
44 ナット
45 ネジ
46 増幅器(温度センサアンプ)
50 給電部(外部電極)
51 (外部電極の)通水孔
52 止め孔
53 パッキン
A 突出金属
B ワッシャ
C ナット
D ボルト軸
CT 変流器
H 突出金属とセンサ間の距離

Claims (4)

  1. 鋼構造物の表面に突出している突出金属を高周波誘導加熱で加熱することにより、突出金属の表面の塗膜を剥離可能状態に軟化および伸展させる高周波誘導加熱ヘッドにおいて、
    前記ヘッドは、突出金属の外周に配置することのできるベースと、ベースの内側のセット空間と、セット空間内に配置された加熱コイルと、外部機器を連結可能な機器取付け部を備え、
    セット空間は突出金属の外周にその先端側から被せて配置することのできる広さのセット空間を備え、
    加熱コイルは螺旋状に二ターン以上巻かれており、一部のターンは突出金属の大径突出部の外周に配置できる巻径の大径ターンであり、他の一部のターンは突出金属の小径突出部の外周に配置できる巻径の小径ターンであり、
    ベースは位置決め部を備え、位置決め部は加熱コイルの大径ターンも小径ターンも突出金属の外周に接触しないように、セット空間を突出金属の外周にセットすることができ、
    前記加熱コイルは前記外部機器の電源給電部を接続可能な電源接続部を備えた、
    ことを特徴とする高周波誘導加熱ヘッド。
  2. 請求項1記載の高周波誘導加熱ヘッドにおいて、
    ヘッドが、突出金属の温度を検知する非接触の温度センサを取り付け可能なセンサ取付け部を備え、
    センサ取付け部はベースと連結されており、ベースのセット空間を突出金属の外周にセットして加熱コイルを突出金属の外周に配置すると、センサ取付け部に取り付けられた非接触温度センサが突出金属に非接触で対向配置されるようにした、
    ことを特徴とする高周波誘導加熱ヘッド。
  3. 鋼構造物の表面に突出している突出金属を高周波誘導加熱で加熱することにより、突出金属の表面の塗膜を剥離可能状態に軟化および伸展させる高周波誘導加熱ヘッドを備えた高周波誘導加熱装置において、
    高周波誘導加熱ヘッドが請求項1又は請求項記載の高周波誘導加熱ヘッドであり、
    高周波誘導加熱ヘッドの機器連結部に高周波電源に接続される携行可能な変流器が連結されて、高周波電源から変流器を介して前記加熱コイルに高周波電流を給電できるようにした、
    ことを特徴とする高周波誘導加熱装置。
  4. 請求項記載の高周波誘導加熱装置において、
    高調波電源装置の操作パネルに、加熱オフ時間を設定することができるタイマを備えた、
    ことを特徴とする高周波誘導加熱装置。
JP2015072386A 2015-03-31 2015-03-31 高周波誘導加熱ヘッドと高周波誘導加熱装置 Active JP6253610B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015072386A JP6253610B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 高周波誘導加熱ヘッドと高周波誘導加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015072386A JP6253610B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 高周波誘導加熱ヘッドと高周波誘導加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016192346A JP2016192346A (ja) 2016-11-10
JP6253610B2 true JP6253610B2 (ja) 2017-12-27

Family

ID=57246939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015072386A Active JP6253610B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 高周波誘導加熱ヘッドと高周波誘導加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6253610B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101996301B1 (ko) * 2018-12-10 2019-07-04 김청호 유도가열 시스템용 수냉식 후렉시블 동축케이블

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0644507B2 (ja) * 1988-07-20 1994-06-08 株式会社日本システムアプリケーション 剥離用高周波電磁誘導加熱装置
JP2001068360A (ja) * 1999-08-25 2001-03-16 Miyaden Co Ltd 高周波加熱装置の出力変成器
JP4575562B2 (ja) * 2000-06-30 2010-11-04 株式会社ミヤデン ツール焼きばめ焼き抜き用加熱装置
JP2003001173A (ja) * 2001-06-26 2003-01-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 塗装塗膜の除去装置
JP2006021088A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Miyaden Co Ltd 樹脂膜形成方法及びその装置
US9868179B2 (en) * 2012-03-09 2018-01-16 TOYOKOH, Co., Ltd. Laser irradiation device, laser irradiation system, and method for removing coating or adhering matter
JP2014162110A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Ocean Tec:Kk 塗膜除去方法とそれに用いる塗膜除去装置用アタッチメント

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016192346A (ja) 2016-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6253610B2 (ja) 高周波誘導加熱ヘッドと高周波誘導加熱装置
CA2824557A1 (en) Heating system
JP2017140607A (ja) 吊り橋の主ケーブルにおけるラッピングワイヤの塗膜剥離方法と塗膜剥離装置
WO2008053639A1 (fr) Bâti de montage pour réparer une feuille métallique, dispositif associé pour réparer une feuille métallique et procédé de réparation de feuille métallique
JP2019212670A5 (ja)
JP2003080392A (ja) 配管の溶接補修構造及び溶接補修方法
CN205411974U (zh) 油罐冷却水喷淋装置
CN204354481U (zh) 新型超声波防水板焊接机
EP2529142A1 (en) Apparatus and method for repairing damaged pipes
CN210127261U (zh) 一种核电站钢制安全壳贯穿件焊缝热处理装置
CN208204329U (zh) 一种口径可调的水管补漏装置
KR101554711B1 (ko) 파이프 열처리장치
KR20110092824A (ko) 미끄럼 방지 기능을 구비한 스텝볼트
CN109208959B (zh) 一种安装在导电横臂上的电极接续平台
CN103801864A (zh) 一种电焊装置
CN205678755U (zh) 热泵红外蓄能一体化壁挂电暖器
CN205279759U (zh) 中频电炉的冷却装置
KR102241559B1 (ko) 불산가스 배관 제작 공정 중에서 폴리에틸렌관 히팅 장치 및 방법
CN203738253U (zh) 一种生产车间用电焊机
CN211057186U (zh) 一种热处理装置
CN212112209U (zh) 一种直流电加热控制柜
CN208733169U (zh) 一种用于汽车紧固螺母的铸造设备
RU2738509C1 (ru) Устройство для скрепления концов гарпуна при изготовлении полотна натяжных потолков
CN219736577U (zh) 一种电气设备在线监测装置
CN207824157U (zh) 一种能检测电极头温度的多金属修补冷焊机

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171023

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6253610

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250