JP6253256B2 - ファントム - Google Patents

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Description

本発明はファントムに関し、特に光音響波診断装置と超音波診断装置との複合装置の精度管理に用いるファントムに関するものである。
光音響波診断装置は、被検部となる生体に対して光照射を行った場合に、測定対象の熱膨張に起因する音響波(典型的には超音波)の検出信号に基づいて画像を表示する装置である。この診断装置により被検部内の特定物質、例えば血液中に含まれるグルコースやヘモグロビンなどの検査が行われる。
生体組織では癌などの腫瘍が成長する際において新生血管の形成や酸素消費量の増大が知られている。このような新生血管の形成や酸素消費量の増大を評価する方法としてオキシヘモグロビン(HbO2)とデオキシヘモグロビン(Hb)の光吸収係数を利用することができる。例えば、光音響波診断装置は、複数波長におけるHbO2とHbの光吸収係数から、血液中のHbO2とHbに関する濃度を測定する。そして、生体組織内におけるHbO2およびHbの濃度分布画像を作成することにより、新生血管が形成されている領域を判別することができる。また、少なくとも2波長におけるHbO2とHbの光吸収係数比から酸素飽和度を算出することにより、酸素消費量が増大している領域、即ち腫瘍が存在していると考えられる領域を判別することができる。例えば、腫瘍領域における酸素飽和度は70%程度となることが知られている。また、腫瘍の悪性度と酸素飽和度の間に相関があることが示唆されている。酸素飽和度を用いて腫瘍の悪性度を判別する場合には、5%程度の酸素飽和度の違いを判別可能な精度が求められる。
光音響波診断装置は形態認識を行うことが困難であるため、腫瘍に基づく信号とノイズ等に起因する信号の判別が困難である。このため、光音響波診断装置を超音波診断装置と組み合わせることにより、形態情報に基づいた腫瘍の判別が可能となる。超音波診断装置により腫瘍を判別する場合には、0.1rayl程度の音響インピーダンス差を判別する必要がある。
光音響波診断装置に用いられるファントムにおいては、光伝播特性および音響伝播特性が人体組織に近似した材料が求められる。例えば、特許文献1においては、酸化チタンおよびカーボンブラック顔料を分散したポリオールを用いた光音響波診断装置用ファントムが開示されている。
特開2011−209691号公報
特許文献1に記載の光音響波診断装置用ファントムは、ポリオールから成る組織等価剤の母材中に、母材と同じポリオールに対してカーボンブラック顔料の分散量を調整した光吸収体を配置したファントムである。この光音響波診断装置用ファントムは、母材と光吸収体の音響伝播特性がほぼ同じであることから、光吸収体の形態認識が困難であるという問題点がある。
また、特許文献1に記載の光音響波診断装置用ファントムに用いられる光吸収体は、1種類の顔料を用いて吸収係数を調整している。このため、複数波長におけるHbO2とHbの吸収係数をそれぞれ調整することができず、酸素飽和度を変化させることができない。
従って、本発明は、人体組織の光伝播特性および音響伝播特性に近似するだけではなく、超音波診断装置でも光吸収体を検出可能であり、更に酸素飽和度の調整も可能なファントムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明のファントムは、ファントム母材内に光吸収体を有し、前記光吸収体が、少なくとも2波長における生体組織の光吸収係数比を近似し、且つ前記ファントム母材と前記光吸収体の音響伝播特性が異なり、
前記光吸収体は、光吸収体母材中に2種以上の光吸収性化合物を含有し、600nm以上1100nm以下の任意の2波長λ 1 、λ 2 (λ 1 <λ 2 )における前記光吸収性化合物の吸収係数の比率μ[λ 2 ]/μ[λ 1 ]が互いに異なることを特徴とする。
本発明によれば、光音響波診断装置における機能情報である酸素飽和度算出の精度管理が可能となり、且つ超音波診断装置における形態情報の精度管理が同時に可能となる。
本発明のファントムの一例を示す概略斜視図である。 本発明のファントムの他の例を示す概略斜視図である。 光音響信号強度の測定方法を説明する図である。 本発明のファントムを用いて精度管理を行う診断装置の一例の概略図である。
以下、本発明について説明する。尚、開示する実施形態は本発明の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明において、「人体」等の「生体」は、生きている体に限らず、切り出した病変部位等も含む。
本発明のファントムは、ファントム母材内に光吸収体を配置してなり、光音響波診断装置と超音波診断装置との複合装置の精度管理や校正を行うことができる。
ファントム母材及び光吸収体は、人体組織の光伝播特性および音響伝播特性を近似することが好ましい。光伝播特性としては、光散乱性、光吸収性等が挙げられ、波長600〜1100nmにおける光伝播特性であることが好ましい。また、音響伝播特性としては音響インピーダンス、音響減衰等が挙げられ、周波数0.5〜10MHzにおける音響伝播特性であることが好ましい。
図1は、本発明のファントムの一例を示したものである。本例では、ファントム母材11の中に、模擬腫瘍の検出対象となる、それぞれ異なる光吸収係数比を有する光吸収体12a〜12dを、装置設置時に同じ深さ位置において検出可能なように配置している。本ファントムを用いることにより、装置内に配置した光吸収体の酸素飽和度に関する精度管理をすることが可能となる。図1に示すファントムのサイズは120×120×50mmであり、光吸収体12a〜12dのサイズは直径1mm、長さ120mmであり、装置設置時に深さ25mm位置において検出可能なように配置されている。
図2は、本発明のファントムの他の例を示したものである。本例では、ファントム母材11の中に、模擬腫瘍の検出対象となる光吸収体12aを、装置設置時に異なる深さ位置において検出可能なように配置している。本ファントムを用いることにより、装置内に配置した光吸収体12aの酸素飽和度に関する深さ依存性を精度管理することが可能となる。図2に示すファントムのサイズは120×120×50mmであり、吸収体12aのサイズは直径1mm、長さ120mmであり、装置設置時に深さ5、15、25、35、45mm位置において検出可能なように配置されている。
≪光吸収体≫
本発明の光吸収体は、少なくとも2波長における生体組織の光吸収係数比、好ましくはヘモグロビンの光吸収係数比を近似している。本発明の光吸収体は、好ましくは、光吸収体母材中に2種以上の光吸収性化合物を含有して成り、より好ましくは、光吸収体母材中に2種以上の光吸収性化合物を含有し、600nm以上1100nm以下の任意の2波長λ1、λ2(λ1<λ2)における前記光吸収性化合物の吸収係数の比率μ[λ2]/μ[λ1]が互いに異なり、下記式(1)から算出されるパラメータSが0以上100以下である。
Figure 0006253256
HbO2[λ1]:波長λ1におけるオキシヘモグロビンの吸収係数
HbO2[λ2]:波長λ2におけるオキシヘモグロビンの吸収係数
Hb[λ1]:波長λ1におけるデオキシヘモグロビンの吸収係数
Hb[λ2]:波長λ2におけるデオキシヘモグロビンの吸収係数
P’:波長λ1の光を照射して得られる光音響信号強度Pλ1と波長λ2の光を照射して得られる光音響信号強度Pλ2の比(Pλ2/Pλ1
<光吸収体母材>
光吸収体では、ある波長λを有する光が照射された場合、吸収係数に応じて、光吸収体が熱膨張することで、音響波(一般には超音波)が発生する。得られる音響波の強度Pと、その際のレーザー光の強度F、吸収係数μの間には、P=Γ・μ・Fの関係が成り立つ。Γはグリューナイゼン係数と呼ばれ、材料固有の定数である。
本発明の光吸収体母材では、グリューナイゼン係数Γが重要となり、生体に類似していることが好ましく、Γは0.1以上2.0以下が好ましい。また、生体軟組織のΓは1.0近傍にあるので、0.5以上1.5以下であることがさらに好ましい。
本発明では、光吸収体母材に光吸収性化合物を含有させることで光吸収体の吸収係数を調整することができるため、光吸収体母材単体としては、光音響波診断装置の使用波長域において、光吸収が小さく、透明であることが好ましい。
また、グリューナイゼン係数Γには、Γ=β・v2/Cp(β:体膨脹係数、v:音速、Cp:定圧比熱)の関係がある。
光吸収体母材の体膨脹係数βは、一般に、β=3・α(α:線膨脹係数)とみなすことができる。一般のエンジニアリングプラスチックスの線膨脹係数αは100ppm/K以下であるが、この場合、グリューナイゼン係数Γも小さくなるため、光で発生する音響波が微弱となり、光吸収体母材としてはふさわしくない。よって、光吸収体母材の線膨脹係数αは、100ppm/K以上1000ppm/K以下が好ましく、光吸収体の形状維持性の観点から、200ppm/K以上500ppm/K以下であることがより好ましい。
光吸収体母材の音速vは、生体組織の音速が約1000m/sから1700m/sの範囲にあるため、800m/s以上2000m/s以下が好ましく、特に軟組織への音響伝搬の類似性から、1300m/s以上1700m/s以下が更に好ましい。
光吸収体母材の定圧比熱Cpは、生体軟組織の比熱が3.5J/g・Kであり、一般の材料との間に大きな隔たりがあるため、線膨脹係数αに応じて、グリューナイゼン係数Γが生体と乖離しない範囲であることが好ましい。
このような物性値を有する材料としては、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ナイロン、天然ゴム、ポリスチレン、ポリブタジエン等の高分子材料を挙げることができるが、これに限られるものではない。これらの中でも、特に、熱硬化性ウレタン樹脂の一種であるポリウレタンゲルは音速vが1400m/s程度、線膨脹係数αが300ppm/K程度であり、グリューナイゼン係数Γが1.0程度と、本発明の光吸収体母材として好適である。
硬化性ポリウレタンゲルは、代表的には、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより得られるが、これに限られるものではない。
ポリオールとしては、分子中にヒドロキシル基を2個以上有するものであれば特に限定されず、任意の適切なポリオールを採用し得る。例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。ポリエーテルポリオールを用いることが人体組織の音響伝播特性に関する相関性の点においてより好ましい。ポリエーテルポリオールの構造は、人体組織の音響伝播特性に関する相関性と樹脂の安定性から、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのモル比率が30:70〜70:30の範囲内にあり、数平均分子量が5000〜8000程度の共重合体であることが好ましい。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエステルポリオールは、代表的には、多塩基酸成分とポリオール成分とを反応させることにより得られる。
多塩基酸成分としては、例えば、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、酒石酸、アルキルコハク酸、リノレイン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;あるいは、これらの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライド等の反応性誘導体等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1−メチル−1,3−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−ブチレングリコール、1−メチル−1,4−ペンチレングリコール、2−メチル−1,4−ペンチレングリコール、1,2−ジメチル−ネオペンチルグリコール、2,3−ジメチル−ネオペンチルグリコール、1−メチル−1,5−ペンチレングリコール、2−メチル−1,5−ペンチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンチレングリコール、1,2−ジメチルブチレングリコール、1,3−ジメチルブチレングリコール、2,3−ジメチルブチレングリコール、1,4−ジメチルブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエーテルポリオールは、代表的には、多価アルコールにアルキレンオキシドを開環重合して付加させることにより得られる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアクリルポリオールは、代表的には、(メタ)アクリル酸エステルと、水酸基を有する単量体とを共重合させることにより得られる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。水酸基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシペンチル等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸モノエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアクリルポリオールは、前記単量体成分に加えて、他の単量体を共重合させてもよい。他の単量体としては、共重合可能な限り、任意の適切な単量体を採用し得る。具体的には、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびモノまたはジエステル類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化α、β−不飽和脂肪族単量体;スチレン、α−メチルスチレン等のα、β−不飽和芳香族単量体等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α、α、α、α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ポリイソシネートは、本発明の効果を阻害しない範囲において、変性体として調製することもできる。ポリイソシアネート変性体としては、例えば、多量体(ダイマー(例えば、ウレトジオン変性体など)、トリマー(例えば、イソシアヌレート変性体、イミノオキサジアジンジオン変性体など)など)、ビュレット変性体(例えば、水との反応により生成するビュレット変性体など)、アロファネート変性体(例えば、モノオールまたは低分子量ポリオールとの反応より生成するアロファネート変性体など)、ポリオール変性体(例えば、低分子量ポリオールまたは高分子量ポリオールとの反応より生成するポリオール変性体など)、オキサジアジントリオン変性体(例えば、炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオンなど)、カルボジイミド変性体(脱炭酸縮合反応により生成するカルボジイミド変性体など)などが挙げられるが、これに限られるものではない。
また、これらのポリオールまたはポリイソシネートに、ポリオールが有する水酸基とポリイソシネートが有するイソシアネート基の反応を促進する触媒を適量加えてもよい。触媒としては、公知のウレタン化触媒を用いることができ、触媒の具体例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩を選択して用いる。これらの触媒は、単独または2種以上を併用して用いることができる。
<光吸収性化合物>
光吸収体の光伝播特性を人体組織の光伝播特性に近似させるために、光吸収性化合物の分散により吸収係数を調整する。光吸収性化合物は、近赤外領域において少なくとも2波長の吸収係数比を調整可能な顔料の組み合わせであることが好ましく、600nm以上1100nm以下の任意の2波長λ1、λ2(λ1<λ2)における吸収係数の比率μ[λ2]/μ[λ1]が互いに異なることが好ましい。
本発明の光吸収体は、μ[λ2]/μ[λ1]が異なる2種以上の光吸収性化合物を任意の比率で含有させることで、下記式(1)から算出されるパラメータSを0以上100以下の範囲で制御可能となる。
Figure 0006253256
HbO2[λ1]:波長λ1におけるオキシヘモグロビンの吸収係数
HbO2[λ2]:波長λ2におけるオキシヘモグロビンの吸収係数
Hb[λ1]:波長λ1におけるデオキシヘモグロビンの吸収係数
Hb[λ2]:波長λ2におけるデオキシヘモグロビンの吸収係数
P’:波長λ1の光を照射して得られる光音響信号強度Pλ1と波長λ2の光を照射して得られる光音響信号強度Pλ2の比(Pλ2/Pλ1
各波長におけるオキシヘモグロビンおよびデオキシヘモグロビンの吸収係数の値は、次の方法で得ることができる。即ち、ある一定濃度のヘモグロビンを含有する水溶液中の酸素分圧を調整することで、オキシヘモグロビンまたはデオキシヘモグロビンが100%となる溶液を調整することができる。この溶液を分光光度計により測定することで、各波長の吸収係数を得ることができる。
また、光音響信号強度は、図3(a)に示す光音響信号強度測定装置を用いて測定することができる。レーザー光源1として、例えばチタンサファイアレーザを用いて、光ファイバー2を介して試験片3にレーザー光を照射する。試験片3としては、チューブ状の試験片を、たわみなどが発生しないよう水槽6中に設置する。試験片3にレーザー光を照射して発生した音響波を、受信装置5である超音波トランスデューサーで受信し、受信装置5が受信した光音響信号の受信電圧値をオシロスコープ4を用いて計測する。代表的な光音響信号の波形を図3(b)に示す。図3(b)に示す光音響信号は典型的なN字波形をとり、その最大値−最小値の振幅幅を光音響信号の強度とする。
600nm以上1100nm以下の波長範囲は、いわゆる「生体の窓」と呼ばれる範囲であり、この範囲の波長を有する光は効率よく人体を透過し、光音響波診断装置での使用に好適である。
パラメータSは人体の酸素飽和度に相当する値であり、本発明の光吸収体は、光音響波診断において、人体の酸素飽和度を模擬でき、光音響波診断装置の精度管理や校正に好適である。
以下、本発明の光吸収体が、式(1)から算出されるパラメータSを0以上100以下の範囲で制御可能となる点について詳細に説明する。
まず、μ[λ2]/μ[λ1]が異なる2種以上の光吸収性化合物を任意の比率で含有させることで、光吸収体の波長λ1、λ2における吸収係数を任意に調整することができ、下記式(1’)から算出されるパラメータS’を調整可能である。
Figure 0006253256
HbO2[λ1]:波長λ1におけるオキシヘモグロビンの吸収係数
HbO2[λ2]:波長λ2におけるオキシヘモグロビンの吸収係数
Hb[λ1]:波長λ1におけるデオキシヘモグロビンの吸収係数
Hb[λ2]:波長λ2におけるデオキシヘモグロビンの吸収係数
μa[λ1]:波長λ1における光吸収体の吸収係数
μa[λ2]:波長λ2における光吸収体の吸収係数
即ち、波長λ1、λ2における光吸収性化合物A、B、C、・・・の吸収係数を、それぞれ、μA[λ1]、μB[λ1]、μC[λ1]、・・・、および、μA[λ2]、μB[λ2]、μC[λ2]、・・・とする。また、光吸収性化合物A、B、C、・・・の光吸収体中での含有濃度をCA、CB、CC、・・・とする。すると、光吸収性化合物の吸収係数及び含有濃度と、光吸収体の吸収係数μa[λ1]、μa[λ2]との間に、以下の関係が成り立つ。
μa[λ1]=CA・μA[λ1]+CB・μB[λ1]+CC・μC[λ1]+・・・
μa[λ2]=CA・μA[λ2]+CB・μB[λ2]+CC・μC[λ2]+・・・
光吸収性化合物A、B、C、・・・の吸収係数の比μA[λ2]/μA[λ1]、μB[λ2]/μB[λ1]、μC[λ2]/μC[λ1]、・・・が一定の場合、光吸収体の吸収係数の比μa[λ2]/μa[λ1]は一定となるため、パラメータS’を制御することができない。そのため、光吸収性化合物A、B、C・・・の波長λ1、λ2における吸収係数の比は、異なっている必要がある。
よって、波長λ1、λ2における吸収係数の比の異なる光吸収性化合物A、B、C、・・・の光吸収体中での含有濃度を制御することで、光吸収体の吸収係数の比μa[λ2]/μa[λ1]の制御が可能となる。その結果、パラメータS’の調整が可能となる。
ここで、光吸収体に、波長λ1、λ2を照射した場合、吸収係数に応じて光吸収体が熱膨張することで、音響波(一般には超音波)が発生する。また、ある波長xのレーザー光を照射した場合に発生する音響波の強度Pxと、その際のレーザー光の強度Fx、吸収係数μxの間には、Px=Γ・μx・Fxの関係が成り立つ。Γはグリューナイゼン係数と呼ばれ、材料固有の定数である。よって、レーザー光の強度Fxが一定の場合、音響波の強度Pxと吸収係数μxとの間には、比例関係が成り立つため、光音響信号強度Pλ1、Pλ2の比P’(Pλ2/Pλ1)はμa[λ2]/μa[λ1]と同じ値となり、S’=Sとなる。
従って、波長λ1、λ2における吸収係数の比率が異なる2種以上の光吸収性化合物を用いることで、本発明の光吸収体は、式(1)におけるパラメータSを0以上100以下の範囲で制御可能となる。
光吸収性化合物は、波長600nm以上1100nm以下の領域において、光吸収性を有する物質である。光吸収性化合物は、耐候性の観点から顔料であることが望ましいが、それ以外にも染料、色素等公知の着色剤を用いることができる。
光吸収性化合物の吸光特性は、波長λ1およびλ2におけるオキシヘモグロビン(HbO2)とデオキシヘモグロビン(Hb)の吸収係数の比率を元に適宜選択することができる。即ち、前述の様にレーザー光の強度Fxが一定の場合S’=Sであるから、式(1’)を元に、光吸収体の吸収係数の比率μa[λ2]/μa[λ1]は、以下の式のように定義される。
μa[λ2]/μa[λ1]=((S/100)・HbO2[λ2]+(1−S/100)・Hb[λ2])/((S/100)・HbO2[λ1]+(1−S/100)・Hb[λ1])
この時、パラメータSが0以上100以下の場合、μa[λ2]/μa[λ1]は、Hb[λ2]/Hb[λ1]からHbO2[λ2]/HbO2[λ1]の間の値をとることになる。よって、制御すべき光吸収体の吸収係数の比率μa[λ2]/μa[λ1]は、使用する波長のヘモグロビンの吸収係数の値によって定まる。このヘモグロビンの吸収係数の比率を元に、本発明の光吸収性化合物を適宜選択することができる。
また、光音響波診断装置の用途に応じて、光吸収体に必要とされるパラメータSの範囲は異なる。よって、診断装置の用途に応じて、パラメータSの下限をSmin、パラメータSの上限をSmaxとした場合、吸収係数の比率μ[λ2]/μ[λ1]が下記式(2)、下記式(3)のいずれか一方を満たす光吸収性化合物を少なくとも1つ含有することが好ましい。また、更に、吸収係数の比率μ[λ2]/μ[λ1]が下記式(2)、下記式(3)の他方を満たす光吸収性化合物を少なくとも1つ含有することがより好ましい。
Figure 0006253256
min:パラメータSの下限
max:パラメータSの上限
HbO2[λ1]:波長λ1におけるオキシヘモグロビンの吸収係数
HbO2[λ2]:波長λ2におけるオキシヘモグロビンの吸収係数
Hb[λ1]:波長λ1におけるデオキシヘモグロビンの吸収係数
Hb[λ2]:波長λ2におけるデオキシヘモグロビンの吸収係数
μ[λ1]:波長λ1における光吸収性化合物の吸収係数
μ[λ2]:波長λ2における光吸収性化合物の吸収係数
以下、光吸収性化合物について、λ1=756nmおよびλ2=797nmの光を使用する場合について具体的に説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
デオキシヘモグロビンの756nmにおける吸収係数Hb[λ1]は1560.48x10-6mm-1、797nmにおける吸収係数Hb[λ2]は792.66x10-6mm-1、オキシヘモグロビンの756nmにおける吸収係数HbO2[λ1]は562.00x10-6mm-1、797nmにおける吸収係数HbO2[λ2]は768.80x10-6mm-1である。よって、光吸収体のパラメータSが0以上100以下の範囲となるためには、光吸収体の吸収係数の比率μa[λ2]/μa[λ1]は0.51以上1.37以下の範囲をとる必要がある。従って、一方の光吸収性化合物のμ[λ2]/μ[λ1]は0.51以下であることが好ましく、他方の光吸収性化合物のμ[λ2]/μ[λ1]は1.37以上であることが好ましい。但し、吸収係数の比率がこの範囲に含まれない物質についても、吸収係数の調整用として用いることができる。
このような吸収特性を持つ顔料としては、以下の公知の顔料を挙げることができる。青色顔料としては、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物等のフタロシアニン系、アントラキノン系が挙げられる。赤色顔料としては、モノアゾ系、ジスアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系等が挙げられる。緑色顔料としては、青色顔料同様にフタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系が挙げられる。黄色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等が挙げられる。さらに、黒色顔料としては、Pigment Black 7やカーボンブラック等が挙げられる。その他、紫、オレンジ、茶色顔料も利用することもできる。
これらの中でも、フタロシアニン化合物、特に銅置換したフタロシアニン化合物である銅フタロシアニンは、μ[λ2]/μ[λ1]が0.51以下であり、0に近いため制御性がよく、好適に用いることができる。フタロシアニン化合物の含有量は特に限定されないが、0.000001重量%以上0.1重量%以下であることが好ましい。また、カーボンブラックは、μ[λ2]/μ[λ1]が1近傍であり、各波長の吸収係数を調整することに対し好適に用いることができる。
光吸収性化合物は、光吸収性化合物と親和性を有する分散剤、例えばポリオール成分を含有する分散剤と光吸収性化合物との混合物を光吸収体母材に添加することにより含有させることができる。光吸収性化合物と親和性を有する分散剤は、光吸収性化合物の分散性の向上のためアニオン基を有していることが好ましい。アニオン基としては、スルホニル基、カルボキシル基を用いることがより好ましい。アニオン基の量は、光吸収性化合物を分散させることが可能な量含まれていることが好ましい。さらに、アニオン基の量は、光吸収体母材への親和性に影響を及ぼすので、光吸収体母材の性質に応じて適宜選択される。ポリオールとして、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等が挙げられるが、光吸収体母材との親和性を考慮し、適宜選択される。
<光散乱性化合物>
本発明の光吸収体は、光散乱性化合物を適宜必要に応じて添加してもよい。光散乱性化合物は、人体組織の光伝播特性に近似させるために添加し、等価散乱係数を調整することができる。
光散乱性化合物としては、無機粒子を好適に用いることができる。無機粒子は、光音響波診断装置の使用波長域において吸収が小さいものを適宜選択することができる。また、光を散乱するために、光吸収体母材と屈折率が異なっていることが望ましく、無機粒子の散乱を得るために、平均粒子径は0.1μm以上0.3μm以下であることが好ましく、0.2μm以上0.3μm以下がより好ましい。このような無機粒子は、酸化ケイ素、金属酸化物、複合金属酸化物、金属化合物半導体、金属、ダイヤモンドのいずれかからなることが好ましい。金属酸化物の例としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化テルル、酸化イットリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫等が挙げられる。複合金属酸化物の例としては、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム等が挙げられる。金属化合物半導体の例としては、硫化亜鉛、硫化カドミウム等の金属硫化物、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、テルル化亜鉛、テルル化カドミウム等が挙げられる。金属の例としては、金等が挙げられる。
また、無機粒子は、表面を修飾処理されたものでてもよい。例えば、1種類の無機粒子に他の無機成分を被覆した、いわゆるコア−シェル型無機粒子を使用することもできる。酸化チタンの場合、光による活性を有するため、シリカやアルミナ等の無機成分によって表面を被覆する修飾処理を行うことが望ましい。また、有機物である光吸収体母材への分散性を向上するため、有機成分を有する分散助剤を使用してもよい。これら有機成分を有する分散助剤は、光吸収体母材に相溶性のあるものであれば特に限定されない。また、無機粒子の形状は、球状、楕円状、扁平状、ロッド状等いずれの形状であっても良い。
≪ファントム母材≫
ファントム母材の光伝播特性および音響伝播特性は、人体組織の光伝播特性および音響伝播特性、好ましくは脂肪組織の音響減衰に近似することが好ましい。
ファントム母材は、音響伝播特性が生体に近似した音速800m/s以上2000m/s以下の材料が望ましく、例えば、ポリウレタンゲル、天然ゴムなどの音速1300m/s以上1700m/s以下の材料が特に望ましい。ポリウレタンゲルとしては、光吸収体母材に用いるポリウレタンゲルとして例示したものと同様のものが挙げられる。
ファントム母材の光伝播特性を人体組織の光伝播特性に近似させるために、光吸収性化合物の分散により吸収係数を調整する。光吸収性化合物としては、光吸収体に用いる光吸収性化合物として例示したものと同様のものが挙げられる。但し、ファントム母材には必ずしも2種以上の光吸収性化合物を含有させる必要は無い。
ファントム母材には、光散乱性化合物を適宜必要に応じて添加してもよい。光散乱性化合物は、人体組織の光伝播特性に近似させるために添加し、等価散乱係数を調整することができる。光散乱性化合物としては、光吸収体に用いる光散乱性化合物として例示したものと同様のものが挙げられる。
≪ファントム母材と光吸収体の音響伝播特性≫
本発明のファントムは、ファントム母材と光吸収体の音響伝播特性が異なる。ファントム母材と光吸収体の音響伝播特性は、ファントム母材の樹脂成分と光吸収体母材に影響され、ファントム母材及び光吸収体に含有される光吸収性化合物及び光散乱性化合物にはほとんど影響されない。そのため、ファントム母材と光吸収体の音響伝播特性を異ならせる方法としては、例えば、ファントム母材の樹脂成分と光吸収体母材の密度や音速を調整し、音響インピーダンスを異ならせる方法が挙げられる。具体的には、硬化剤の種類や量を変更して、両者の分子量を異ならせることにより密度を調整するまたは両者の硬度を異ならせることにより音速を調整する方法が挙げられる。ファントム母材と光吸収体の音響伝播特性の差は特に限定されないが、ファントム母材と光吸収体の音響インピーダンス差が0.1rayl以上であることが好ましい。
≪ファントムを用いた装置の精度管理≫
以下に、本発明のファントムを光音響波診断装置と超音波診断装置との複合装置の精度管理に適用した例について説明する。
図4は、本発明のファントムを用いて精度管理を行う光音響波診断装置と超音波診断装置との複合装置の一例を示したものである。図4において、1は光源、2は光学系、3は第一保持板、4は第二保持板、5はファントム、6はプローブ、7は演算部、8は表示部を示す。
光源1は、被検体に照射する特定波長におけるナノ秒オーダーのパルス光を発する光源である。光源1が発する光の特徴は、生体組織を構成する水、脂肪、ヘモグロビンなどの吸収スペクトルに応じた波長を選定する。一例としては、血液中のオキシヘモグロビンおよびデオキシヘモグロビンの吸収スペクトルに特徴がある600〜1100nmの範囲が適当である。具体的な光源1としては、異なる波長を発生する半導体レーザーや、波長可変レーザーなどを用いることが可能であり、例えばチタンサファイア(Ti−S)レーザーを用いることができる。
光学系2は、光源1から射出された光を被検体(ファントム5)に導くために設けられる。光学系2は、光ファイバーやレンズから構成される。光源1から射出された光は光学系2により、第一保持板3と被検体に対する接触面の全領域が照射されるように拡大され、第一保持板3を介して被検体の表面に導かれる。
第一保持板3および第二保持板4は光源1が発する光に対する高透過性と音響波に対する低減衰性を有することが望ましい。保持板3,4を構成する材料の例としては、ガラス、ポリメチルペンテン、ポリカーボネート、アクリル等が挙げられる。
ファントム5は、第一保持板3および第二保持板4の間に挟み込むことにより圧迫保持され、第一保持板3と第二保持板4の間に所定の距離において保持される。この際、水またはジェルをファントム表面に塗布することにより、ファントム5と保持板3,4間における気泡発生を防ぐ構成とすることが好ましい。
プローブ6は、光音響波の検出プローブおよび超音波の送受信プローブを組み合わせた構成である。光音響波用検出プローブは広帯域であることが望ましい。また、超音波の送信周波数は人体組織への深達長を深くすることが望ましい。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)をプローブの振動子に用い、プローブを1mmピッチで構成し、光音響波用検出プローブとしての中心周波数を1MHz、超音波用プローブとしての中心周波数を6MHzとしたもの等が挙げられる。
演算部7は、ファントム5に配置した光吸収体に関し、吸収係数や等価散乱係数等の光学係数の真値を格納するメモリを有する。尚、真値は、後述する「光吸収体の光伝播特性の算出」に記載した方法により求めることができる。また、真値と実測値を比較する演算手段、測定誤差を補正する補正手段、および真値と実測値との値が大きく異なる場合にエラー判定を行うエラー判定手段を有する。
表示部8は、被検体の状態を画像として表示するディスプレイである。
本発明のファントムを用いて光音響波診断装置の精度管理および補正を行う方法を以下に示す。例えば、光吸収体12aに関する酸素飽和度の実測値が59.6%であったとする。真値が55.1%である場合、光吸収体12aに関する酸素飽和度の誤差比は59.6/55.1=1.08と算出することができる。同様に、光吸収体12b〜12dに関しても酸素飽和度誤差比を算出することにより、光音響波診断装置の各測定位置における誤差分布を算出することが可能となる。また、エラー判定の閾値を設け、例えば、真値と実測値との誤差が10%以上である場合は、装置エラーと判定する機能を設ける。
本発明のファントムを用いて超音波診断装置の精度管理を行う方法を以下に示す。超音波診断装置の精度管理は解像度を用いて評価することができる。解像度は、画像化した光吸収体12a〜12dのFWHM(Full Width at Half−Maximum:半値全幅)の2乗から、光吸収体12a〜12dの直径の2乗を引いた値の平方根(PSF:Point spread functionのFWHM)とする。超音波診断装置の解像度は、例えばプローブ素子のピッチが1mmであれば1〜1.5mm程度となる。この場合、解像度が1.5mm以上になった場合は、装置エラーと判定する機能を設ける。
以下に本発明を詳しく説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に示す手順で、図1に示すファントムを作成した。ファントムのサイズは120×120×50mmとした。ファントム内に配置する光吸収体12a〜12dのサイズは直径1mm、長さ120mmとし、装置設置時に深さ25mm位置において検出可能なように配置した。
(1)光吸収体12a〜12dの調整
ポリオールを入れたビーカーに、2種の光吸収性化合物、光散乱性化合物を分散し、攪拌した後に真空脱泡を行った。
ポリオールとしては、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのモル比率が1:1のポリエーテルポリオール共重合体(数平均分子量6000)を用いた。
光吸収性化合物としては、カーボンブラック顔料と銅フタロシアニン顔料を、ポリオールに対して0.0002重量パーセント、表1に示す重量比で用いた。カーボンブラック顔料と銅フタロシアニン顔料は、顔料および顔料と親和性を有するポリエーテル分散剤の混合物を用いた。
光散乱性化合物としては、酸化アルミニウムおよびヘキサメチルジシラザンにより表面処理を施した酸化チタン(平均粒子径0.21μm)を、ポリオールに対して0.24重量%分散した。
次に、硬化剤となるキシリレンジイソシアネートをポリオールに対して40重量%添加し、攪拌した後、真空脱泡を行って、光吸収体用のポリウレタンゲル混合溶液を調整した。
この光吸収体用のポリウレタンゲル混合溶液を、型に注型し、加熱することにより硬化させた。その後、型を脱型し、光吸収体12a〜12dを得た。
(2)ファントム母材用のポリウレタンゲル混合溶液の調整
光吸収性化合物としてカーボンブラック顔料のみを分散させ、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートをポリオールに対して3.4重量%添加した。それ以外は、光吸収体12a〜12dの調整と同様にして、ファントム母材用のポリウレタンゲル混合溶液を調整した。
(3)ファントムの調整
金型内に予め光吸収体12a〜12dを配置した後、ファントム母材用のポリウレタンゲル混合溶液を型に注型し、加熱することにより硬化させた。その後、型を脱型し、図1に示すファントムを得た。
[光吸収体の光伝播特性の算出]
50mm×50mm、光路長5mmの石英セル内に、上記光吸収体用のポリウレタンゲル混合溶液を注入し、90℃にて1時間加熱することによる樹脂硬化を行い、光伝播特性測定用セルを調整した。分光光度計(日本分光株式会社製、V−670)を用いて、このセルの透過率と反射率を求めた。また、別途同様にして樹脂硬化したサンプル(10×10×50mm)の屈折率を、屈折率計(株式会社島津製作所製、KPR−2000)を用いて求めた。これらの結果をモンテカルロシミュレーションにより、測定値と計算値の差が最小となるように変数設定の最適化を行い、各波長(λ1=756nm、λ2797nm)における等価散乱係数と吸収係数μaを算出した。求めた吸収係数μaを表1に示す。
また、求めた光吸収体の吸収係数μaを用いて、式(1’)からパラメータS’(酸素飽和度)を求めた。その結果を表1に示す。
[音響播特性の算出]
探触子としての超音波トランスデューサー(送信部)には、オリンパスNDT製、「V303」(中心周波数1MHz)を用いた。ハイドロフォン(受信部)には、Precision Acoustics製、ニードル型ハイドロフォン「PAL−1384」を用いた。治具によりトランスデューサーとハイドロフォンを音軸の中心が一致するように水槽内に固定した。トランスデューサーとハイドロフォンの距離は40mmとした。
光吸収体用のポリウレタンゲル混合溶液またはファントム母材用のポリウレタンゲル混合溶液を硬化して、サイズ100mm×100mm、厚さ5mmまたは10mm厚のシートを調整した。このシートを、トランスデューサーとハイドロフォンの間に、シートに対する超音波信号の入射角が0°となるように、治具を用いて固定した。トランスデューサーから1サイクルのサイン波(送信電圧100V)をファンクションジェネレーター(Tectronix社製 AFG3022)を用いて送信し、各シート設置時におけるハイドロフォンの受信電圧値をオシロスコープ(Tectronix社製、TDS 3012C)を用いて求めた。音速は、シートを測定系に設置した場合と設置しない場合における受信波到達時間の差を、オシロスコープを用いて求めた。音響減衰は以下に示す式から求めた。結果を表2に示す。
Figure 0006253256
Figure 0006253256
Figure 0006253256
波長797nmにおける赤血球の吸収係数μaは約0.02mm-1であるが、表1に示す様に、光吸収体12a〜12dの波長797nmにおける吸収係数は、これに近い値である。そのため、本実施例のファントムは、ヘモグロビンを検出するために適した光吸収体を有するファントムである。また、表1に示す様に、カーボンブラック顔料と銅フタロシアニン顔料の分散重量比を調整することにより、酸素飽和度を5%毎に調整した光吸収体が得られた。
また、表2に示す様に、本実施例におけるファントム母材は、人体組織とほぼ等しい音響伝播特性が得られた。また、光吸収体とファントム母材で、異なる硬化剤を異なる量で用い、光吸収体の硬度をファントム母材の硬度よりも上げて音速を調整したため、光吸収体の音響インピーダンスはファントム母材の音響インピーダンスも大きくなった。尚、カーボンブラック顔料と銅フタロシアニン顔料が音響特性に及ぼす影響は無かった。従って、本実施例のファントムを用いることにより、酸素飽和度に関する機能評価と超音波を用いた形態評価を同時に精度管理することが可能となる。
1:光源、2:光学系、3:第一保持板、4:第二保持板、5:ファントム、6:プローブ、7:演算部、8:表示部、11:ファントム母材、12a〜12d:光吸収体

Claims (24)

  1. ファントム母材内に光吸収体を有し、前記光吸収体が、少なくとも2波長における生体組織の光吸収係数比を近似し、且つ前記ファントム母材と前記光吸収体の音響伝播特性が異なり、
    前記光吸収体は、光吸収体母材中に2種以上の光吸収性化合物を含有し、600nm以上1100nm以下の任意の2波長λ 1 、λ 2 (λ 1 <λ 2 )における前記光吸収性化合物の吸収係数の比率μ[λ 2 ]/μ[λ 1 ]が互いに異なることを特徴とするファントム。
  2. 記式(1)から算出されるパラメータSが0以上100以下であることを特徴とする請求項1に記載のファントム。
    Figure 0006253256
    HbO2[λ1]:波長λ1におけるオキシヘモグロビンの吸収係数
    HbO2[λ2]:波長λ2におけるオキシヘモグロビンの吸収係数
    Hb[λ1]:波長λ1におけるデオキシヘモグロビンの吸収係数
    Hb[λ2]:波長λ2におけるデオキシヘモグロビンの吸収係数
    P’:波長λ1の光を照射して得られる光音響信号強度Pλ1と波長λ2の光を照射して得られる光音響信号強度Pλ2の比(Pλ2/Pλ1
  3. 前記光吸収体は、前記吸収係数の比率μ[λ2]/μ[λ1]が下記式(2)、下記式(3)のいずれか一方を満たす光吸収性化合物を少なくとも1つ含有することを特徴とする請求項1または2に記載のファントム。
    Figure 0006253256
    min:パラメータSの下限
    max:パラメータSの上限
    HbO2[λ1]:波長λ1におけるオキシヘモグロビンの吸収係数
    HbO2[λ2]:波長λ2におけるオキシヘモグロビンの吸収係数
    Hb[λ1]:波長λ1におけるデオキシヘモグロビンの吸収係数
    Hb[λ2]:波長λ2におけるデオキシヘモグロビンの吸収係数
    μ[λ1]:波長λ1における光吸収性化合物の吸収係数
    μ[λ2]:波長λ2における光吸収性化合物の吸収係数
  4. 前記光吸収体は、更に、前記吸収係数の比率μ[λ2]/μ[λ1]が前記式(2)、前記式(3)の他方を満たす光吸収性化合物を少なくとも1つ含有することを特徴とする請求項3に記載のファントム。
  5. 前記光吸収体母材の線膨脹係数が100ppm/K以上1000ppm/K以下であることを特徴とする請求項乃至4のいずれか一項に記載のファントム
  6. 前記光吸収体母材の音速が1300m/s以上1700m/s以下であることを特徴とする請求項乃至5のいずれか一項に記載のファントム
  7. 前記光吸収体母材が高分子材料からなることを特徴とする請求項乃至6のいずれか一項に記載のファントム
  8. 前記光吸収体母材がポリウレタンゲルであることを特徴とする請求項7に記載のファントム
  9. 前記光吸収性化合物の少なくとも1つが、フタロシアニン化合物であることを特徴とする請求項乃至8のいずれか一項に記載のファントム
  10. 前記フタロシアニン化合物を0.000001重量%以上0.1重量%以下で含有していることを特徴とする請求項9に記載のファントム
  11. 前記光吸収性化合物の少なくとも1つが、カーボンブラックであることを特徴とする請求項乃至10のいずれか一項に記載のファントム
  12. 前記任意の2波長λ1、λ2が、λ1=756nm、λ2797nmであることを特徴とする請求項乃至11のいずれか一項に記載のファントム
  13. 前記ファントム母材及び前記光吸収体が、人体組織の光伝播特性および音響伝播特性を近似することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のファントム。
  14. 前記光伝播特性が光散乱性または光吸収性であることを特徴とする請求項13に記載のファントム。
  15. 前記光伝播特性は波長600〜1100nmにおける光伝播特性であることを特徴とする請求項13または14に記載のファントム。
  16. 前記音響伝播特性が音響インピーダンスであることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載のファントム。
  17. 前記ファントム母材と前記光吸収体の音響インピーダンス差が0.1rayl以上であることを特徴とする請求項16に記載のファントム。
  18. 前記音響伝播特性が音響減衰であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載のファントム。
  19. 前記音響伝播特性は周波数0.5〜10MHzにおける音響伝播特性であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載のファントム。
  20. 前記生体組織がヘモグロビンであることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載のファントム。
  21. 前記ファントム母材がポリウレタンゲルを含有することを特徴とする請求項1乃至20のいずれか一項に記載のファントム。
  22. 前記ファントム母材が光吸収性化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至21のいずれか一項に記載のファントム。
  23. 前記ファントム母材及び前記光吸収体が光散乱性化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至22のいずれか一項に記載のファントム。
  24. 前記光散乱性化合物が表面処理を施した酸化チタンであることを特徴とする請求項23に記載のファントム。
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