JP2015100617A - 光超音波装置に用いるファントム - Google Patents

光超音波装置に用いるファントム Download PDF

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Abstract

【課題】 ファントムの温度管理のためにファントム内に温度センサーを設けた場合においても、ファントム内の光音響特性に影響を与えない光超音波装置に用いるファントムの提供。
【解決手段】 本発明のファントムは、生体の光音響特性を模擬した材料から成る母材と腫瘍の光音響特性を模擬した材料からなるターゲット部材から構成され、前記ファントム内に透明或いは微細構造からなる温度センサーを設けている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光超音波装置の精度管理や校正に用いるファントムに関するものである。
光超音波装置は、被検部となる生体に対して光照射を行った場合に、測定対象の熱膨張に起因する超音波の検出信号に基づいて画像を表示する装置である。この診断装置により被検部内の特定物質、例えば血液中に含まれるグルコースやヘモグロビンなどの検査が行われる。
光超音波装置の精度管理や校正(キャリブレーション)に用いられる標準試料としてのファントムは、光伝播特性、及び音響波伝播特性を生体組織に近似した材料が求められる。例えば、特許文献1に於いては、酸化チタン、及びカーボンブラック顔料を分散したポリオールを用いた光超音波装置用ファントムが開示されている。
また、光超音波装置の精度管理に於いては、生体組織と同じ温度条件によりファントムを評価する必要がある。特許文献2に於いては、ファントム内に温度センサーを備えることにより、ファントム内の温度分布を測定する超音波診断システムが開示されている。
特開2011−209691号公報 特開2013−85898号公報
特許文献1に於いて開示されたファントムの材料として用いられているポリオールは、光伝播特性、及び音響伝播特性が生体組織に近似した材料ではあるが、温度の影響を受けやすく、1℃の温度変化毎に5m/s程度音速が変化する。このため、ファントム内部の温度を正確に把握しない場合、ファントム媒体の設定音速に誤差が生じることにより、装置精度管理の信頼性が低下する。また、ファントム内に温度制御機構が無い場合、ポリオールから成るファントム内の温度を一定に保つことは極めて困難である。
特許文献2に於いては高分子化合物焦電素子や熱エネルギーにより分光特性に変化を起こす高分子形成体を用いた温度センサーが超音波照射面の垂直面に対して分布したファントムが開示されている。しかしながら、特許文献2に於いて開示された構成を光超音波装置用のファントムに適用した場合、温度センサー自体が光照射による音響信号を発生するため、アーチファクトの要因となり光超音波装置の管理精度に影響を及ぼす。
上記の課題を解決するため、本発明に於ける光超音波装置用ファントムは、生体の光音響特性を模擬した材料から成る母材及びターゲット部材から構成され、前記ファントム内に透明或いは微細構造からなる温度センサーを有することを特徴としている。
係る本発明によれば、ファントム内部に配置した温度センサー或いは温調手段が、光照射により音響波を発生しない、或いは、発生したとしても母材やターゲット部材に比べ十分にレベルの低い音響波しか発生しない構造、或いは材質から構成されているため、光超音波装置の管理精度向上が可能となる。
本発明のファントムの実施例1を適用する光超音波装置を示す図 本発明のファントムの実施例1を示す図 本発明のファントムの実施例1の別形態を示す図 本発明のファントムの実施例2を適用する光超音波装置を示す図 本発明のファントムの実施例2を示す図 本発明のファントムの実施例3を適用する光超音波装置を示す図 本発明のファントムの実施例3を示す図 本発明のファントムの実施例4を示す図
以下に、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。尚、個々に開示する実施形態は、本発明に於ける光超音波装置用ファントムの一例であり、材質、構成、配置について本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に於ける光超音波装置用ファントムに用いる母材(生体組織の光音響特性を模擬した部材)、及びターゲット部材(癌などの腫瘍の光音響特性を模擬した部材)は、ポリオールと、ポリオールに分散可能な化合物からなる。
本発明に使用するポリオールとしては、ポリエーテルポリオールを用いることが生体組織の音響伝播特性に関する相関性の点に於いて好ましい。本実施例では、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのモル比率が50:50、及び数平均分子量が6000の共重合体を用いたが、他のポリオールを用いることも可能である。また、本実施例では、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)用いてポリオールを樹脂硬化した場合について説明するが、他のイソシアネート化合物及び硬化剤を用いることも可能である。
母材、及びターゲット部材を生体組織の光伝播特性に近似するためには、光散乱性、或いは光吸収性を有する化合物の分散により等価散乱係数と吸収係数を調整する必要がある。また、化合物に関してはポリオールに対する分散均一性を高めるために粒子に表面修飾等を施す必要がある。本実施例に於いては、光散乱性を有する化合物として酸化チタンに対して酸化アルミニウム及びヘキサメチルジシラザンによる表面処理を施した場合について説明するが、他の表面処理方法を施した酸化チタンを用いることも可能である。また、本実施例に於いては、光吸収性を有する化合物として、カーボンブラック顔料との親和性を有するポリエーテル分散剤を用いて調整を行ったが、他の顔料、及び分散剤を用いることも可能である。
本発明に於いて温度センサー、及び温調手段としては、温度に対する電気抵抗の変化により温度モニタリング、或いは温度調整を行う部材であり、且つターゲット部材の光学特性に影響を与えない部材であることが望ましい。具体的には、透明或いは微細構造からなることが望ましい。なお、ここでいう透明とは、照射光に対し透過率が70%以上のものをいう。また、微細構造とは、照射光に対し音響波を発生しない構造であり、例えば、直径0.1〜0.5mm、長さ10〜20mmの円柱形状である。
また、ターゲット部材の光学特性、並びにターゲット部材から生じる光音響波の伝播に影響しない構成であることが望ましい。本実施例に於いては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ、酸化亜鉛のいずれかから成る透明電極、或いは銅タングステンから成る微細加工を施した電極を温度センサー、及び温調手段に用いた場合について説明する。しかし、他の電極材料を適用することも可能である。
以下に、本発明の実施形態に係る光超音波装置用ファントムの調製方法を説明する。ポリオールを入れたビーカーに光散乱性或いは光吸収性を有する化合物を分散し、攪拌した後に真空脱泡を行った。光散乱性を有する化合物としては、酸化アルミニウム及びヘキサメチルジシラザンにより表面処理を施した酸化チタン(平均粒子径 0.21μm)を、ポリオールに対して0.24重量パーセント分散した。光吸収性を有する化合物としては、カーボンブラック顔料及び顔料との親和性を有するポリエーテル分散剤の混合物をポリオールに対して0.0002重量パーセント分散した。ポリオールはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのモル比率が1:1のポリエーテルポリオール共重合体(数平均分子量6000)を用いた。次に、硬化剤となるHDIをポリオールに対して添加し攪拌した後、真空脱泡を行った。
ファントム内にターゲット部材或いは電極を設置する場合、金型内に予めターゲット部材或いは電極を配置した後、ポリオールを金型内に注ぎ樹脂硬化を行った。ターゲット部材は母材と同じ材料を用いるが、母材よりも硬度を上げて音速を調整した。それにより、母材との間で音響インピーダンス差を持たせた。吸収係数の調整はカーボンブラック顔料の分散量により調整した。ターゲット部材は金型を用いて直径1mmの球状、或いは柱状に成型した。
ターゲット部材内に電極を配置する場合には、予め金型内に電極を配置し、ターゲット部材を流し込むこみ熱硬化することにより、電極がターゲット部材から成る膜により覆われる構成とした。
以下に、本発明の実施形態に係るファントムを光超音波装置の精度管理に適用した例について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る光音響波診断装置の構成を示したものである。図1に於いて、1は光源、2は光学系、3は第一保持板、4は第二保持板、5はファントム、6は超音波プローブ、7は温度制御部、8は温度検知部、9はデータ演算部、10はデータ表示部、11はターゲット部材、12は光音響信号モデルを示す。ファントム5は、第一保持板3と第二保持板4の間に保持する構成とする。
以下、各構成要素の詳細を説明する。光源1は、被検体に照射する特定波長に於けるナノ秒オーダーのパルス光を発する光源である。光源1が発する光の特徴は、生体組織を構成する水、脂肪、ヘモグロビンなどの吸収スペクトルに応じた波長を選定する。一例としては、血液中のオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンの吸収スペクトルに特徴がある600−1100nmの範囲が適当である。具体的な光源としては、異なる波長を発生する半導体レーザーや、波長可変レーザーなどを用いることが可能である。本実施例に於ける光源1はチタンサファイア(Ti−S)レーザーを用いた。
光学系2は、光源1から射出された光を被検体に導くために設けられる。光学系2は、光ファイバーやレンズから構成される。光源1から射出された光は光学系2により、第一保持板3と被検体に対する接触面の全領域が照射されるように拡大され、第一保持板3を介して被検体の表面に導かれる。本実施例に於ける光学系2は光学レンズを用いた。
第一保持板3及び第二保持板4は光源1が発する光に対して高透過性と音響波に対して低減衰性を有することが望ましい。構成される材料の例としては、ガラス、ポリメチルペンテン、ポリカーボネート、アクリル等が挙げられる。本実施例に於ける第一保持板3及び第二保持板4の材料はポリメチルペンテンを用いた。
ファントム5は、第一保持板3及び第二保持板4の間に挟み込むことにより保持を行う。この際、水またはジェルをファントム表面に塗布することにより、ファントムと保持板間に於ける気泡発生を防ぐ構成とした。
超音波プローブ6は、光音響波の検出が可能な構成とした。本実施例では、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を振動子に用いた。超音波プローブは1mmピッチで構成し、中心周波数は1MHzとした。
温度制御部7はファントム内に設置した電極に対する印加電圧の制御により、ファントム内の温度を調整する構成とした。
温度検知部8はファントム内に配置した温度センサーにより測定した温度を検知する構成とした。
データ演算部9は、初期状態におけるファントム内の光吸収係数、等価散乱係数、音速に基づき、画像再構成した場合の解像度を真値としてメモリに格納している。また、真値と実測値を比較する演算手段、測定誤差を補正する補正手段、及び真値と実測値との値が大きく異なる場合にエラー判定を行うエラー判定手段を有する構成とした。
データ表示部10は算出結果、及びエラー判定結果を表示する構成とした。
図1に示すように、本実施例に於ける光音響波診断装置はファントムに対してY軸方向に光学系2と超音波プローブ6が平行となるような構成とした。そして、光照射時にターゲット部材11から発生する光音響信号12を超音波プローブ6により受信する構成とした。
図2は本発明の実施例1に係る光音響波診断装置用ファントムの構成を示したものである。本実施例に於けるファントムは、生体組織の光音響特性を模擬した母材13内に腫瘍の光音響特性を模擬したターゲット部材14を配置する構成とした。ターゲット部材14のサイズは直径1mmの球体とし、光超音波装置への設置時に超音波プローブに対して深さ5,15,25,35,45mm位置に於いて検出可能なように配置した。ターゲット部材14は光照射により音響波を発生しない保持部材16を用いてファントム母材13内に配置した。本実施例に於いては、透明のナイロンワイヤー(直径0.13mm)を用いた。保持部材16には温度調整用の透明電極17、並びに温度センサーとなる透明電極18を設置した。そして、温度制御部を用いて電圧印加及び温度計測(昇温温度の計測)を行い、温度検知部を用いてファントム内部の温度計測が可能な構成とした。
図3は、本発明の実施例1に係る光音響波診断装置用ファントムの別形態を示したものである。本構成に於いては、Z軸方向に対するターゲット部材への光照射、及びターゲット部材から発生する音響波の妨げとならない位置に温度調整用の透明電極17、並びに温度センサーとなる透明電極18を配置した。
本実施例に於ける光音響波診断装置用ファントム母材の物性値は以下の通りである。37℃に於いて音速1393.7m/s、密度1.03、音響インピーダンス1.44rayl、音響減衰0.47dB/cm/MHz、波長797nmに於ける吸収係数は0.0052/mm、等価散乱係数は0.86/mm。従って、本実施例に於けるファントム母剤に関し、人体組織とほぼ等しい光伝播特性及び音響伝播特性が得られた。また、本実施例に於けるターゲット部材は音速1508.3m/s、密度1.08、音響インピーダンス1.63rayl、音響減衰1.08dB/cm/MHz、波長797nmに於ける吸収係数は0.024/mm、等価散乱係数は0.92/mmであった。従って、本実施例に於けるファントム母剤に関し、腫瘍とほぼ等しい光伝播特性及び音響伝播特性が得られた。
本実施例に於けるファントム母材の音速に対する温度依存性は(式1)で表される。
V(T)=−4.7T+1567.6 ・・(式1)
ここで、V(T)はファントム温度T(℃)に於ける音速を示す。
本実施例に於ける光超音波装置はデータ演算部9により、温度検知部8の温度測定結果に基づきファントム内の音速を(式1)を用いて算出する。例えばファントム温度が37℃の場合、ファントム内の音速を1393.7m/sとして画像再構成を実施する。
本実施例に於けるファントムを用いて光超音波装置の精度管理を行う方法を以下に示す。光超音波装置の精度管理は解像度を用いて評価した。解像度算出時には、超音波プローブから得られた信号に対して画像再構成を実施し、得られた画像から解像度を算出した。解像度は画像化した吸収体の半値幅(Full Width at Half−Maximum:FWHM)の2乗からターゲット部材の直径の2乗を引いた値の平方根とした。ターゲット部材が球状の場合は、点像強度分布(Point Spread Function:PSF)、ターゲット部材が柱状の場合は、線像強度分布(Line Spread Function:LSF)と定義した。本実施例に於ける光超音波装置の解像度は、プローブ素子のピッチが1mmであることから1〜1.3mm程度となる。従って、解像度が1.3mm以上になった場合は、装置エラーと判定する機能をデータ演算部9に設ける。
画像再構成時にはファントム母材の音速をパラメータとして入力する。このため、ファントムの温度を正確に把握しない場合、測定時に於ける音速設定に誤差が生じるため、装置の精度管理に関する信頼性が低下する。例えば、画像再構成に用いる各種パラメータが校正されている状態の下で、温調手段と温度センサーのモニタリングにより、ファントム内部の温度を37℃に維持した場合、各ターゲット部材の解像度は1.1程度となった。一方、同様の状態の下で、温度調整と温度のモニタリングを実施せずに37℃の恒温槽に保管したファントムを光超音波装置へ設置した場合、各ターゲット部材の解像度は1.1〜2.0程度までばらつく結果となった。従って、本実施例に於ける構成の光超音波装置用ファントムを用いることにより、ファントム内の温度調整と温度把握に基づきファントムの正確な音速設定が可能となる。その結果、画像再構成に用いる各種パラメータを精度よく校正でき、装置の精度管理向上が実現する。
図4は、本発明の実施例2に係る光超音波装置の構成を示したものである。図3に於いて、1は光源、2は光学系、3は第一保持板、4は第二保持板、5はファントム、6は超音波プローブ、7は温度制御部、9はデータ演算部、10はデータ表示部、11はターゲット部材、12は光音響信号モデルを示す。ファントム5は、第一保持板3と第二保持板4の間に保持する構成とする。
図5は、本発明の実施例2に係る光音響波診断装置用ファントムの構成を示したものである。保持部材15にはターゲット部材から発生する音響波の受信の妨げとならない位置に温度調整用の透明電極17を設置し、温度制御部を用いて電圧印加及び温度計測が可能な構成とした。ターゲット部材の構成と配置は実施例1と同じである。また、各構成要素に関する詳細、ファントムの物性値、及び精度管理方法は実施例1と同じである。
温調手段により、ファントム内部の温度を37℃になるように設定した場合、各ターゲット部材の解像度は1.05〜1.28となった。従って、本実施例に於ける構成の光超音波装置用ファントムを用いることにより、ファントム内の温度調整が可能となるため、光超音波装置の精度管理向上が実現する。
図6は、本発明の実施例3に係る光超音波装置の構成を示したものである。図6に於いて、1は光源、2は光学系、3は第一保持板、4は第二保持板、5はファントム、6は超音波プローブ、8は温度検知部、9はデータ演算部、10はデータ表示部、11はターゲット部材、12は光音響信号モデルを示す。ファントム5は、第一保持板3と第二保持板4の間に保持する構成とする。
図7は、本発明の実施例3に係る光音響波診断装置用ファントムの構成を示したものである。保持部材16にはターゲット部材から発生する音響波の受信の妨げとならない位置に温度センサーとなる透明電極18を設置し、温度検知部を用いてファントム内の温度モニタリングが可能な構成とした。ターゲット部材の構成と配置は実施例1と同じである。また、各構成要素に関する詳細、ファントムの物性値、及び精度管理方法は実施例1と同じである。
ファントム内部の音速を温度モニタリングの結果に基づき設定した場合、各ターゲット部材の解像度は1.1〜1.24となった。従って、本実施例に於ける構成の光超音波装置用ファントムを用いることにより、ファントム内の温度調整が可能となるため、光超音波装置の精度管理向上が実現する。
図8は、本発明の実施例4に係る光音響波診断装置用ファントムの構成を示したものである。ファントム母材13内には検出対象として血管の光音響特性を模擬したターゲット部材15を配置した。ファントム内に配置するターゲット部材15のサイズは直径1mm、長さ220mmの柱体とし、光超音波装置設置時に超音波プローブに対して深さ5,15,25,35,45mm位置に於いて検出可能なように配置した。ファントムのサイズは160×220×50mmとした。各ターゲット部材内には、直径0.1mmの銅タングステンから成る温度調整用の微細加工電極19を設置し、温度制御部を用いて電圧印加及び温度計測が可能な構成とした。また、各ターゲット部材内には、直径0.1mmの銅タングステンから成る温度モニタリング用の微細加工電極20を設置し、温度検知部を用いてファントム内部の温度計測が可能な構成とした。
光音響波診断装置の構成、及びファントム母材の物性値は実施例1と同じである。ターゲット部材の物性値は音速1495.8m/s、密度1.02、音響インピーダンス1.53rayl、音響減衰1.04dB/cm/MHz、波長797nmに於ける吸収係数は0.35/mm、等価散乱係数は0.88/mmであった。従って、本実施例に於けるファントム母剤に関し、血管とほぼ等しい光伝播特性及び音響伝播特性が得られた。
温調手段と温度センサーのモニタリングにより、ファントム内部の温度を37℃に維持した場合、各ターゲット部材の解像度は1.15程度となった。一方、温度調整と温度のモニタリングを実施せずに37℃の恒温槽に保管したファントムを光超音波装置へ設置した場合、各ターゲット部材の解像度は1.1〜1.8程度までばらつく結果となった。従って、本実施例に於ける構成の光超音波装置用ファントムを用いることにより、ファントム内の温度調整と温度把握に基づきファントムの正確な音速設定が可能となるため、光超音波装置の精度管理向上が実現する。
13 ファントム母材
14 球状ターゲット部材
15 柱状ターゲット部材
16 保持部材
17 透明電極(温調手段)
18 透明電極(温度センサー)
19 微細加工電極(温調手段)
20 微細加工電極(温度センサー)

Claims (8)

  1. 光超音波装置に用いるファントムであって、生体の光音響特性を模擬した材料から成る母材及びターゲット部材から構成され、前記ファントム内に透明或いは微細構造からなる温度センサーを有することを特徴とするファントム。
  2. 更に、前記ファントム内に透明或いは微細構造からなる温調手段を有することを特徴とする請求項1に記載のファントム。
  3. 前記温度センサーは前記ターゲット部材内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のファントム。
  4. 前記母材及びターゲット部材がポリオールからなることを特徴とする請求項1に記載のファントム。
  5. 前記温度センサーは、酸化インジウムスズからなることを特徴とする請求項1に記載のファントム。
  6. 前記温調手段は、酸化インジウムスズからなることを特徴とする請求項2に記載のファントム。
  7. 前記温度センサーは、直径01〜0.5mm、長さ10〜20mmの円柱電極からなることを特徴とする請求項1に記載のファントム。
  8. 前記温調手段は、直径0.1〜0.5mm、長さ10〜20mmの円柱形状の電極からなることを特徴とする請求項2に記載のファントム。
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