JP6252673B2 - パラメータ学習装置およびパラメータ学習方法 - Google Patents

パラメータ学習装置およびパラメータ学習方法 Download PDF

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Description

この発明は、換気装置の省エネ運転で考慮されるパラメータを得る技術に関するものである。
従来の空調制御において、CO濃度に応じて換気装置を制御する制御システム、制御装置、制御方法が知られている。例えば特許文献1に開示されている技術では、建物内に取り込む外気のCO濃度と建物外に排気する室内空気のCO濃度とを計測して、室内のCO発生量を推定する。さらに、空調負荷の分布からエリア毎のCO濃度分布を推定し、推定結果を基にエリア毎の換気量を制御する。また、特許文献2に開示されている技術では、室内のCO濃度を計測し、CO濃度を所定値以下にするために必要な外気量を室内に供給するよう外気用ファンを制御する。
特開2013−47579号公報 特開2010−71489号公報
特許文献1および2に開示されている従来の空調制御では、各時刻でCO濃度の計測値から換気量を決定し制御する技術であるため、その時刻だけを見れば適切な換気制御が行われる。しかし、これらの文献の構成では、例えば1日トータルで必要となるエネルギーを考慮することができず、省エネ性は十分でない。
そこで、本発明は、換気装置で建物内のCO濃度を所定値以下にする場合において、時間を考慮した省エネ性向上に有用となるパラメータを比較的簡単な構成で得ることを目的とする。
本発明のパラメータ学習装置は、建物内の空気を換気する換気装置の時間変化Pventである運転データと、建物内のCO2濃度の計測データと、建物内のCO2の発生量に相関する在室人員の時間変化ρoccである変動パラメータと、時間変化しない建物の天井高H、設計換気風量Gv、設計在室密度Nocc、隙間風相当換気回数Gdraftを含む設計パラメータとを記憶する記憶装置と、変動パラメータと設計パラメータと運転データとから前記建物内のCO2濃度を演算する演算装置とを備え、演算装置は、設計パラメータの学習においては、変動パラメータを一定として、設計パラメータの変化を繰り返し、変化させた設計パラメータでCO2濃度を計算し、計算されたCO2濃度と計測データとを比較して両者の値の違いを計算し、値の違いをより減少させる変化させた設計パラメータで設計パラメータを更新するように学習し、変動パラメータの学習においては、設計パラメータを一定として、変動パラメータの変化を繰り返し、変化させた変動パラメータでCO2濃度を計算し、計算されたCO2濃度と計測データとを比較して両者の値の違いを計算し、値の違いをより減少させる変化させた変動パラメータで変動パラメータを更新するように学習すし、設計パラメータと、変動パラメータと、運転データと、一人当たりのCO 2 発生量Mと、外気CO 2 濃度ρ o と、CO 2 濃度ρ z とで表される後述の数式2により、CO 2 濃度を計算し、設計パラメータと変動パラメータを学習することを特徴とする。
また、本発明のパラメータ学習方法は、建物内の空気を換気する換気装置の時間変化Pventである運転データと、前記建物内のCO2濃度を計測するCO2センサの計測データと、CO2の発生量に相関する在室人員の時間変化ρoccである変動パラメータと、時間変化しない前記建物の天井高H、設計換気風量Gv、設計在室密度Nocc、隙間風相当換気回数 draft を含む設計パラメータとを記憶し、変動パラメータと設計パラメータと運転データとを用いて建物内のCO 2 濃度を演算し、設計パラメータの学習においては、変動パラメータを一定として、設計パラメータの変化を繰り返し、変化させた設計パラメータでCO 2 濃度を計算し、計算されたCO 2 濃度と計測データとを比較して両者の値の違いを計算し、値の違いをより減少させる変化させた設計パラメータで設計パラメータを更新するように学習し、変動パラメータの学習においては、設計パラメータを一定として、変動パラメータの変化を繰り返し、変化させた変動パラメータでCO 2 濃度を計算し、計算されたCO 2 濃度と計測データとを比較して両者の値の違いを計算し、値の違いをより減少させる変化させた変動パラメータで変動パラメータを更新するように学習し、設計パラメータと、変動パラメータと、運転データと、一人当たりのCO 2 発生量Mと、外気CO 2 濃度ρ o と、CO 2 濃度ρ z とで表される後述の数式2により、CO 2 濃度を計算し、設計パラメータと変動パラメータを学習することを特徴とする。


建物内の空気を換気する換気装置の運転データと前記建物内のCO濃度を計測するCOセンサの計測データとから、建物内のCOの発生量の時間変化に相関する変動パラメータと時間変化しない設計パラメータとを学習するので、時間を考慮した省エネ性を向上するために有用となるパラメータを比較的簡単な構成で得ることができる。
本発明の実施の形態1のパラメータ学習装置を備えたシステムの構成図である。 本発明の実施の形態1のパラメータ学習装置の詳細構成図である。 本発明の実施の形態1のパラメータの学習手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1のパラメータ学習装置を備えたシステムの変形例を示す構成図である。 本発明の実施の形態1のパラメータ学習装置を備えたシステムの変形例を示す構成図である。 本発明の実施の形態1のパラメータ学習装置を備えたシステムの変形例を示す構成図である。 本発明の実施の形態2のパラメータ学習装置の詳細構成図である。 本発明の実施の形態2のCO濃度予測の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2のCO濃度予測処理の説明図である。 本発明の実施の形態3のパラメータ学習装置の詳細構成図である。 本発明の実施の形態4のパラメータ学習装置の詳細構成図である。
<実施の形態1.>
本発明の実施の形態1のパラメータ学習装置は換気装置、空調機器の制御に使用されるパラメータを学習する装置である。図1は、本実施の形態1のパラメータ学習装置1を利用して換気装置2の運転を制御するシステムの構成図である。この図は、パラメータ学習装置1が、換気装置2と別のハードウェアで構成されている例を示している。パラメータ学習装置1は、入出力装置11、計測装置12、記憶装置13、演算装置14、制御指令出力装置15により構成される。なお、データの送受信または制御指令などの信号によって結ばれる部品間の信号の送受信は図中に点線で示した。
換気装置2は、記憶装置2a、演算装置2b、計測装置2c、制御指令出力装置2d、ファン2e、弁2f、熱交換ユニット2gにより構成される。制御指令を受けて換気動作を行う装置であるファン2e、弁2fと、それらに制御指令を出力する制御装置である、記憶装置2a、演算装置2b、計測装置2c、制御指令出力装置2dとに分けられている。なお、図1では、換気装置2の構成要素として、一般的、主要な構成要素について列挙しただけであり、これら全ての構成要素2aから2gを備えている必要はなく、図示していない構成要素を備えていてもよい。また、システムでは建物内のCO濃度を測定するCOセンサ3を備える。図はCOセンサ3を別体とした例であるが、換気装置2の一部に設けるようにしてもよい。
次に各装置に含まれる部分について説明する。まず、パラメータ学習装置1を構成する部分を説明する。
(入力装置11)
入力装置11は、管理者等のユーザによって行われた入力を受け入れて、記憶装置13に情報を書き込み、記憶装置13に保存されている情報を読み出して、ユーザに表示する装置である。入出力装置11が記憶装置13に書きこむ情報は、例えば、換気装置の管理情報、演算装置14でパラメータの学習演算を行う際に使用する学習条件等である。入出力装置11が記憶装置13から読み出す情報は、例えば入力結果、学習結果等である。これら情報の詳細については、(記憶装置13の詳細)で説明する。入出力装置11は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、スイッチ等の入力に用いる装置と、例えばディスプレイ等の出力に用いる装置とを有する。
(計測装置12)
計測装置12は、換気装置2の記憶装置2aに記憶されている換気装置2のファン2e、弁2f等の運転データと、COセンサ3の計測データと、を収集する装置である。図1のように、パラメータ学習装置1と換気装置2とCOセンサ3とが異なるハードウェアで構成される場合は、それらの要素部品間がLAN、シリアルネットワーク、専用配線等の通信ネットワーク装置で接続される。
(記憶装置13)
記憶装置13は、入出力装置11により入力されたデータと、計測装置12により計測されたデータと、演算装置14による演算結果を記憶する装置である。具体的には、メモリ、ハードディスクドライブ等である。記憶する情報の詳細については、後述の(記憶装置13の詳細)で説明する。
(演算装置14)
演算装置14は、記憶装置13からパラメータの学習に必要な各種データを読み出し、各種データからパラメータの学習を行い、その結果を記憶装置13に保存する装置である。具体的には、プロセッサ、演算用回路などである。演算内容の詳細については、後述の(演算装置14の詳細)で説明する。
(制御指令出力装置15)
制御指令出力装置15は、学習したパラメータを用いて、換気装置2、その他の空調設備の制御指令を決定し、その指令を制御対象装置へ出力する装置である。図1のように、パラメータ学習装置1と換気装置2が異なるハードウェアで構成される場合は、LAN、シリアルネットワーク、専用配線等の通信ネットワーク装置で制御指令出力装置15と制御対象装置とが接続される。なお、制御指令出力装置15を備えない構成としてもよい。制御指令出力装置15を備えないかわりに、他の装置に学習したパラメータ、そのパラメータを用いた信号を他の機器に出力して、他の機器でそれらの値、信号を利用するようにしてもよい。
次に、換気装置2を構成する部分を説明する。ファン2eは、建物外の空気を室内に取り入れ、室内の空気を建物外に排出する、空気の流れを生成するための装置である。通常、建物外の空気を室内に取り入れるためのファンと、室内の空気を建物外に排出するファンが個別に設置される。弁2fは、前記空気の流れの経路を切り替えるための装置である。例えば、建物外の空気を室内に取り入れる場合、熱交換ユニット2gを経由する経路と、経由しない経路を切り替えるために用いられる。熱交換ユニット2gは、建物外から室内に取り入れる空気と、室内から建物外に排出する空気との間で熱交換を行うための装置である。
記憶装置2aは、換気装置2における計測制御を行うために必要な情報を記憶する装置であり、メモリ等である。演算装置2bは、ファン2e、弁2f等への制御指令を演算する装置であり、プロセッサ等である。計測装置2cは、ファン2e、弁2f等の機器のデータを計測する装置である。制御指令出力装置2dは、ファン2e、弁2f等の制御対象機器への制御指令を出力する装置である。
COセンサ3は、室内のCO濃度を計測するセンサであり、建物の室内に設置される。また、換気装置2に設置する場合は空気の流れの経路のいずれかに設置し、室内のCO濃度の代替として利用してもよい。また、建物内だけでなく建物外のCO濃度を計測するセンサも設置してもよい。
図2は本実施の形態1のパラメータ学習装置1の詳細構成図である。図1のうち特に記憶装置13と演算装置14を詳細化した図であり、パラメータの学習に関与しない制御指令出力装置15等は省略した。以下、記憶装置13と演算装置14の詳細な構成について説明する。なお、図では運転データ、計測データを送信する換気装置2も示した。
(記憶装置13の詳細)
記憶装置13は、演算装置14のモデルパラメータ学習部14aでのパラメータ学習に用いられる学習条件と、運転データ、計測データと、CO濃度変化モデルと、を記憶する。
学習条件は、換気装置を含む対象とする空調システムに関する設備情報、パラメータ学習の開始を判断するための開始条件、学習の終了を判断するための終了条件等である。所定の期間をおいて繰り返してパラメータ学習を行う場合、その期間が開始条件であり、記憶装置13では、たとえば、その期間内の運転データ、計測データが保持される。
運転データ、計測データは、過去の所定の期間の換気装置の運転データと、過去の所定の期間においてCOセンサで計測したCO濃度データとから構成される。換気装置の運転データとは、各時刻の換気装置の出力(ON/OFF、強・中・弱、離散的な出力%、連続的な出力%等)、換気風量(m)等が代表的であるが、これに限定されるものではない。以下、説明を簡単にするため、換気装置の出力の強・中・弱と停止を換気装置の運転データとして説明する。データの時間間隔は、例えば5分間隔であるが、これに限定する必要はない。モデルの精度の面からは1分間隔のように短い方が好ましいが、10分間隔、30分間隔等であってもよい。記憶装置13、演算装置14の処理能力、モデル作成のために許容される計算時間等により、記憶されているデータが1分間隔であっても、学習に使用するときは5分間隔等に間引きして用いてもよい。また、換気装置2の運転データとCO濃度データは、異なる時間間隔で記憶されてもよい。
CO濃度変化モデルは、後述するようなCO濃度変化をあらわすモデル式と、モデル式内で使用される、設計パラメータと、変動パラメータと、既知パラメータとから構成される。設計パラメータは、建物の時間変化しないパラメータであり、たとえば天井高、設計換気風量などである。変動パラメータはCOの発生量と相関があり、時間によって変化するパラメータであり、たとえば建物内でCOを発生する人員の時間的変化である。以下では説明を簡単にするため、オフィスビルを建物として、その主なCO発生源が執務者である場合を想定して説明するが、これに限定する必要はない。CO発生源としては、この他にも燃焼機器によるCO発生等がある。既知パラメータは、時間によって変化しないパラメータであり、その点で設計パラメータと類似するが、学習によって更新されることなく、モデル式において常に一定の定数として扱われる。既知パラメータは、設備設計時の情報、または文献データ等によりあらかじめユーザが設定可能な既知のパラメータであり、たとえば外気CO濃度、1人当たりのCO発生量などである。このうち、設計パラメータと変動パラメータは、演算装置14のモデルパラメータ学習部14aによる学習結果である。なお、1度も学習が行われていない場合には設計パラメータおよび変動パラメータとして、あらかじめ適当な値が記憶されていてもよい。モデル式は記憶装置13に記憶されず、演算装置14内に回路として存在していてもよい。既知パラメータは学習の対象でない定数として扱うがシステムが設置される地域によって異なる値とするなど変更してもよい。設計パラメータのいずれかが、設備設計時の情報等により既知の値を持つ場合は、このパラメータを既知パラメータに分類してもよい。
(演算装置14の詳細)
演算装置14は、モデルパラメータ学習部14aを備える。このモデルパラメータ学習部14aは、CO濃度演算部、設計パラメータ学習部、変動パラメータ学習部を備える。演算装置14がCPU(中央演算処理装置)のプロセッサである場合、CO濃度演算部、設計パラメータ学習部、変動パラメータ学習部はそれぞれ計算プログラムである。CPU以外の電気回路を利用して演算処理を行ってもよい。
CO濃度演算部はモデル式の演算規則を用いて、設計パラメータ、変動パラメータ、換気装置の運転データからCO濃度を演算する。設計パラメータ学習部および変動パラメータ学習部ではCO濃度演算部の演算によって得たCO濃度とCOセンサ3の計測で得た実際のCO濃度である計測データとを比較し、その比較から、両者の差が小さくなるように設計パラメータ、変動パラメータを学習する。なお、CO濃度演算部はCO濃度そのもの値でなく、CO濃度と相関する値を計算して計測データと比較してもよい。たとえばCO濃度に定数を掛けた値で比較を行ってもよい。本発明においてCO濃度の演算、および演算で得たCO濃度と計測データと比較する構成はそのような場合も含むものとする。
次に、CO濃度変化モデルについて説明する。なお、以下に示すモデルは一例であり、必ずしも以下に示す式に限定する必要はない。一般的なCO濃度の時間変化を表す微分方程式を(数1)に示す。CO濃度に影響を与える因子として、換気量、隙間風量、人体CO発生量、室容積がある。
Figure 0006252673
本実施の形態1では、設備設計で一般的に用いる変数を用いて、単位床面積当たりのCO濃度の時間変化を表す微分方程式(数2)に変換し、これをCO濃度変化モデルのモデル式として定義する。
Figure 0006252673
ここで、在室人員の時間変化とは、各時刻例えば1時間毎の在室率のことであり、在室できる者が全員在室しているときに1、全員不在のときに0の値をとる。また、換気の時間変化とは、各時刻例えば1時間毎の定格換気量に対する比率のことであり、定格風量のときに1、停止しているときに0の値をとる。
(数2)の式では天井高(m)、設計換気風量(m/人・h)、設計在室密度(人/m)、隙間風相当換気回数(回/h)の4種類が設計パラメータである。また、在室人員の時間変化が変動パラメータである。1人当たりのCO発生量、外気CO濃度が既知パラメータである。また、換気の時間変化は換気装置の運転データに対応する値である。これらのパラメータおよび運転データによって(数2)の式の右辺を時間に沿って順に積分する演算により建物における室内CO濃度の時間変化を得ることができる。なお、所定期間のCO濃度の変動を利用して変動パラメータ、設計パラメータを学習する際には、室内のCO濃度の初期値として、所定期間の最初の時点で得たCOセンサ3で計測値を用いてもよい。
次に、パラメータの学習手順について説明する。図3はパラメータの学習手順を示すフローチャートである。パラメータの学習処理フローは少なくともパラメータ学習装置1の導入時に1回実行する。ただし、モデルを学習するために必要なデータの収集、例えば1週間分のデータの収集が完了した後で実行する。図のステップST1のように換気装置の運転データ、COセンサの計測データを記憶装置に保存する。各データはデータを取得した時刻とともに保存される。保存周期は、たとえば、1〜60分間隔などとしてもよい。また、データを取得する間隔は一定に限らず、たとえば、昼間は夜間よりも頻繁にデータを保存するように設定してもよい。図のステップST2のようにパラメータの開始条件を判断し、条件を満たせばステップST3以降の処理を行い、満たさなければデータの取得と保存を継続する。開始条件は、たとえば上記のように1週間分のデータの収集が完了すること、などである。1週間は一例であり、モデルに要求される精度、記憶装置2の記憶容量等に応じて期間を設定すればよく、例えば1日分のデータであってもよいし、2週間分、または1か月分等のデータを記憶するよう設定してもよい。
上記のようなパラメータ学習装置1の導入時の1回に加え、定期的に図3に示す学習の処理フローを実行してもよい。例えば、1日1回学習を実行し、各パラメータを更新するように学習してもよい。このようにすることで、現実には日々変化する在室人員の時間変化を直近のデータを用いて学習でき、より実情に即した在室人員の時間変化を学習することができる。また、設計パラメータについても、データフィッティングによる学習結果の誤差を改善することも期待できる。すなわち、日々、直前の状況に近いモデルに更新されることになる。1日1回の実行では、例えば、後述する(CO濃度予測の使用例に記載)、換気量スケジュールの立案の直前に実行するなどとすればよいが、このタイミングに限定する必要はない。また、上記では1日1回としたが、これは一例であり、1か月に1回、季節の変わり目等に実行してもよい。また、在室人員の時間変化が大きく変化することが予想されるフロアのリレイアウト、組織変更等に合わせて、不定期に実行してもよい。
これら実行をどの時点で行うかに関する情報、つまり開始条件は、記憶装置2の学習条件の一部として記憶しておくとよい。例えば、1日1回、翌日が平日のときのみ、21時に自動で実行する等を記憶する。また、開始条件として入出力装置11から指示があること、としてもよく、入出力装置11から任意のタイミングで管理者等が入力指示して、ST3以降の演算処理を行わせるようにしてもよい。また、学習に用いるデータの期間、時間刻みは毎回同じである必要はない。例えば、導入時の実行では1週間分のデータを用いて学習し、1日1回の実行では1日分のデータを用いて学習するなどとしてもよい。
次のステップST3では記憶されている運転データ、計測データと学習条件を記憶装置12から演算装置に読み込む。運転データ、計測データは、学習条件で与えられる過去の所定の期間における、換気装置の運転データとCO濃度データである。過去に記憶したデータのうち、特定の期間のデータのみを選択して読み込むようにしてもよい。たとえば、休日を除き平日のデータのみを読み込むように学習条件を設定してもよい。
次のステップST4では、換気装置の運転データから換気量の時間変化を演算する。例えば、換気装置の運転データのパターンが各時刻の運転状態が強・中・弱・停止で与えられるとき、この運転データのパターンと換気装置の定格風量とから換気量の時間変化を計算する。
次のステップST5では、変動パラメータを固定の時間変化パターンとして与え、設計パラメータを学習する。このステップではモデルパラメータ学習部内のCO濃度演算部と設計パラメータ学習部とが使用される。設計パラメータ学習部の説明で述べた値の変更は、通常複数回繰り返して学習を進める。変動パラメータは在室人員の時間変化などである。その場合、変動パラメータの初期値として、たとえば、建物または各部屋の在室率が、通常にその建物、部屋が使用される時間帯に1である、つまり全員が在室するとしたデータを使用する。
(数2)の式に基づくCO濃度変化モデルでは、設計パラメータは、天井高(m)、設計換気風量(m/人・h)、設計在室密度(人/m)、隙間風相当換気回数(回/h)の4種類である。設計パラメータ学習部にて、これら4つの設計パラメータをそれぞれある値に設定する。設計パラメータの最初の値としては、同類の建物で典型的に知られた値などを使用することができる。CO濃度演算部では、それらの値とステップST4で求めた換気量の時間変化とを、モデル式である(数2)の式に入力して、所定の期間におけるCO濃度の時間変化を演算する。このようにして、計測データを収集した各時刻のCO濃度が得られる。
そして設計パラメータ学習部では、演算によって得たCO濃度と計測データのCO濃度とを比較する。比較する両者の値の違いを、例えばRMSE(二乗平均平方根誤差)で計算し、その値を設計パラメータの評価値とする。次に、上記4つの設計パラメータのうち、少なくとも1つの値を変化させ、CO濃度演算部にて、換気量の時間変化と変動パラメータをCO濃度変化モデルの式に入力して所定の期間におけるCO濃度の時間変化を演算によって得る。なお、設計パラメータをどのように変化させるかは学習条件であらかじめ設定されている。この結果と、所定の期間におけるCO濃度の実測データとの違いをRMSEで計算し、その値を変化させた設計パラメータの評価値とする。そして、変化させた設計パラメータの評価値が変更する前に計算した評価値よりも減少していれば、より正しい値であると判断し、設計パラメータの値を更新する。しかし、評価値が変化しないか増大すれば、更新しない。
そして、設計パラメータ学習部では、設計パラメータのうち少なくとも1つの値を今度は別の異なる値に変化させて、CO濃度演算部で設計パラメータの評価値を計算する。設計パラメータ学習部で同様に評価値を計算して、評価値が減少すれば設計パラメータの値を更新し、減少しなければ更新しないという処理を繰り返す。4つの設計パラメータについて順次変更していくことによって、演算によって得るCO濃度と実測によるCO濃度との差が小さくなるように設計パラメータの更新が行われる。
なお、上記は評価としてRMSEを用いたが、RMSEは一例であって、これとは異なる指標を用いて評価してもよい。また、評価値が増大する場合でも、例えば確率的に更新することを許容してもよい。また、たとえば、CO濃度の演算値と実測データの差が昼間は夜間に比べてできるだけ差が小さくなるように、精度を重視する時間帯を設定して評価してもよい。
評価値がある範囲内に収まったら次のステップST6に進むようにする。また、一定の演算繰り返し数、または一定時間演算を繰り返しても評価値が所定の範囲に入らなかった場合も次のステップST6に進むようにするとよい。また、設計パラメータの値を変化させる際に、その上限下限値として設備設計時の情報、文献値等である程度妥当な値に設定しておいてもよい。これらの値は学習条件として記憶装置13に記憶されるようにする。設計パラメータの学習においては、各設計データの値が、この上下限値を逸脱しないように学習を進める。
次のステップST6では、設計パラメータの値を固定の値として与え、変動パラメータを学習する。変動パラメータ学習部の説明で述べた在室率の変更は、通常複数回繰り返して学習を進める。このステップではモデルパラメータ学習部内のCO濃度演算部と変動パラメータ学習部とが使用される。ステップST4で得た換気量の時間変化と、ステップST5で学習した設計パラメータ、および各時刻の在室率である変動パラメータを用いてCO濃度演算部にてCO濃度を演算する。変動パラメータ学習部ではCO濃度演算部で得たCO濃度とCO濃度の計測データとを比較する。例えばRMSE(二乗平均平方根誤差)等により、この変動パラメータの値を評価する。
変動パラメータを変更する前よりも評価値としてRMSEが減少していれば、より正しい値であると判断して変更した変動パラメータに更新し、減少しない場合は変更しない処理を行う。その後、異なる時刻についても変動パラメータを変化させて順次、変動パラメータに更新して変動パラメータを学習する。変動パラメータを変化させる際に1つの時刻の在室率の値を変化させるだけでなく、複数の時刻のデータを同時に変化させるようにしてもよい。このように、学習では演算によって得るCO濃度と実測によるCO濃度との差が小さくなるように変動パラメータの更新が行われる。
評価値がある範囲内に収まるまでステップST6を繰り返し、変動パラメータを更新する。評価値がある範囲内に収まったら次のステップST7に進むようにする。また、一定の演算繰り返し数、または一定時間演算を繰り返しても評価値が所定の範囲に入らなかった場合も次のステップST7に進むようにするとよい。また、変動パラメータの値を変化させる際に、その上限下限値を設定しておいてもよい。これらの値は学習条件として記憶装置13に記憶されるようにする。変動パラメータの学習においては、各データの値が、この上下限値を逸脱しないように学習を進める。
なお、上記は評価としてRMSEを用いたが、RMSEは一例であって、これとは異なる指標を用いて評価してもよい。また、評価値が増大する場合でも、例えば確率的に更新することを許容してもよい。また、たとえば、CO濃度の演算値と実測データの差が昼間は夜間に比べてできるだけ差が小さくなるように、精度を重視する時間帯を設定して評価してもよい。
評価方法として前のパラメータ学習のステップST5で用いたものと同じ評価値を使用してもよい。変動パラメータの評価として前のステップST5での設計パラメータの評価と同じ評価値を用いる場合は、ST5の最後の演算に使用した変動パラメータとその評価値を記憶しておいて、ステップST6で使用してもよい。ステップST6ではステップST5の最後の演算に使用した変動パラメータの値を少なくとも1つの時刻の在室率の値を変化させて、評価値を計算し、記憶していた変動パラメータの評価値と比較する。
また、評価値として設計パラメータ学習部と異なる値を用いてもよく、その場合は、ステップST5の最後の演算に使用した変動パラメータを初期値として評価値を得た後に、変更した変動パラメータの評価値を得て比較する。なお、変動パラメータをどのように変化させるかは学習条件であらかじめ設定されている。
変動パラメータである在室率の時間変化は、対象とする建物の運用状態によって、複数のパターンを生成してもよい。例えば、平日と休日は異なるパターンとする、特定の曜日に在室時間帯の制限がある場合はその曜日を他の曜日と異なるパターンとする、などとしてよい。休日などCO発生源となる人員の在室率が極めて小さい場合、換気装置2の省エネ制御の効果が小さい場合等、学習する効果が小さい場合には、学習の対象外としてもよい。
次のステップST7では、ステップST5、ステップST6を経て学習した設計パラメータ、変動パラメータで演算するCO濃度が所定の精度を満たすかどうかを判断する。精度を満たすかどうか評価する方法として設計データ学習部、変動パラメータ学習部で用いたのと同じ評価方法、たとえばRMSEを用いるなど、でもよく、また異なる評価方法を用いてもよい。評価値が所定の範囲に入れば、終了条件を満たす(YES)として次のステップST8に進み、範囲に入らない場合は終了条件を満たさない(NO)として、ステップST5に戻り、再度学習を行う。あるいは、ステップST5とステップST6を所定の回数繰り返した、学習開始後所定の時間を経過した、などを終了条件としてもよい。ステップST8では直前の最後の学習ステップで得た設計パラメータ、変動パラメータを学習結果として記憶装置に保存する。
なお、ステップST5とステップST6の実行順は逆でもよし、ステップST5での学習の繰り返し回数と、ステップST6での学習の繰り返し回数は同一でなくてもよい。また、学習の繰り返し回数は、ステップST5とステップST6の繰り返し数に応じて、変更してもよい。例えば、繰り返し数が進むにつれ、固定比率、確率的な比率で徐々に繰り返し回数を増加または減少させてもよいし、所定回数ごとに繰り返し回数を増加または減少させてもよい。ステップST5、ステップST6が繰り返し行われる場合、各ステップから次のステップに移行する評価値の基準が、繰り返し回数が増えるにつれて、より厳しい基準に変更されるようになっていてもよい。学習条件は種々に変更が可能であり、これらに限定する必要はない。
図4〜図6はパラメータ学習装置1を備えたシステムの変形例を示す構成図である。図4は、COセンサ3が換気装置2の内部に備えられた場合の構成図である。COセンサ3は換気装置2の内部の空気の流れの経路のいずれかに設置されて、そのCOセンサ3で計測したCO濃度が室内のCO濃度として用いられる。この図ではCOセンサ3のCO濃度データが換気装置2の制御回路の一部で記憶され、ファン2eなどの運転データとともにパラメータ学習装置1内の計測装置12に伝達されることを示している。COセンサ3のCO濃度データが直接にパラメータ学習装置1内の計測装置12に伝達されるようにしてもよい。
図5は換気装置2の中の制御装置の一部にパラメータ学習装置1が含まれる場合の構成図である。図6は図5と同様にパラメータ学習装置1が換気装置2内に含まれるが、COセンサ3が換気装置2の外部に設置された構成である。また、パラメータ学習装置1は、空調機と換気装置の両方を管理する空調コントローラであってもよい。このように、パラメータ学習装置1、換気装置2、COセンサ3は様々な配置が可能である。
上記では1つの記憶装置13に運転データ、計測データ、設計パラメータ、変動パラメータ、既知パラメータを記憶するように示したが、記憶装置13が複数の記憶装置で構成されていてもよい。たとえば、異なるデータが異なる記憶装置に保存されるようにしてもよい。同様に演算装置13が複数のハードウェアに分割されていてもよい。また上記では、換気装置2が1台であるかのように説明したが、複数台の換気装置2が存在する場合には、それぞれの換気装置2に対して個別にパラメータ学習をしてもよい。また、複数台の換気装置2をまとめて、容量の大きい1台の換気装置2とみなしてパラメータ学習してもよい。このとき、複数台の換気装置2の運転データや、COセンサの計測データを、どのようにして統合して扱うかは、記憶装置13に学習条件として記憶される。
以上のように本実施の形態1では建物内の空気を換気する換気装置2の運転データと、建物内のCO濃度を計測するCOセンサ3の計測データと、建物内のCOの発生量の時間変化に相関する変動パラメータと、時間変化しない設計パラメータと、を記憶する記憶装置13を備える。また、変動パラメータと設計パラメータと運転データとから建物内のCO濃度を演算する演算装置14を備える。この演算装置14は演算によって得たCO濃度と計測データのCO濃度とを比較して、その差が小さくなるように変動パラメータおよび設計パラメータを学習する。また、学習の手順として、建物内の空気を換気する換気装置の運転データと、建物内のCO2濃度を計測するCOセンサの計測データと、COの発生量の時間変化に相関する変動パラメータと、時間変化しない設計パラメータと、を記憶し、変動パラメータと設計パラメータと運転データとを用いて建物内のCO濃度を演算する。そして、演算の結果、得たCO濃度と計測データとを比較して、両者の差が小さくなるように、変動パラメータおよび前記設計パラメータを学習する。これらの変動パラメータおよび設計パラメータは換気装置2の省エネ運転のスケジュール作成などに使用されて時間を考慮した省エネ性向上に有用である。換気に関して建物が有する特性(設計パラメータ)とCO発生源の特性(変動パラメータ)とを、実際の換気運転動作中にデータを収集する構成であり、特別な計測手段なしに比較的簡単な構成で得ることができる。たとえば、CO発生源として人員の時間的変化を得るのに入退管理システム等の特別な設備を導入する必要がない。また、CO発生源の時間変化だけでなく、建物に関連する設計パラメータも学習するので、建物内部の構成、たとえば間仕切り移動、机などの配置の変化などがあった場合でも、精度よくCO濃度を演算することができるようになる。
また、本実施の形態1では、演算装置14は、設計パラメータの学習と変動パラメータの学習とを独立に行うようにした。設計パラメータの学習においては、変動パラメータを一定として、設計パラメータを変化させてCO濃度を計算し、その結果を計測データと比較演算する。比較演算の結果が所定の条件を満した場合に、設計パラメータを変化させた設計パラメータで更新するように学習する。また、変動パラメータの学習においては、設計パラメータを一定として、変動パラメータを変化させてCO濃度を計算し、計測データと比較演算する。比較演算の結果が所定の条件を満した場合に、変動パラメータを変化させた変動パラメータで更新するように学習する。建物、空調設備に関する一般的指標、設計時の情報から、あらかじめ適切な上下限値を与えられることができる固定値の設計パラメータと、運用状態に応じて日々時間変化する変動パラメータ(在室率の時間変化)とは性質が大きく異なる。このように性質が異なるパラメータを、独立に学習するようにしたことによって、それぞれのパラメータを精度よく学習することができる。
また、本実施の形態1では、変動パラメータとして建物内人員の時間変化を用いたので、直接人員を数える入退管理システム等の設備を導入することなしに、CO発生量のみならず、たとえば人が建物内で使用する水、電気などの時間変化も推定可能となる。
<実施の形態2.>
図7は実施の形態2のパラメータ学習装置1の詳細構成図である。パラメータ学習装置1を備えたシステムの構成は実施の形態1の図1、図4〜図6で示した構成と同様である。本実施の形態2の構成は、実施の形態1の構成に、さらに将来のCO濃度予測する機能を加えた構成である。以下、実施の形態1と同一の部分の説明は省略する。なお、図では運転データ、計測データを送信する換気装置2も示した。
記憶装置13は、演算装置14のモデルパラメータ学習部14aでのパラメータ学習に用いられる学習条件、運転データ、計測データと、CO濃度変化モデルと、に加えて予測条件、将来の換気装置の運転予定、予測CO濃度、を記憶する。また演算装置14はモデルパラメータ学習部14aに加えて、CO濃度予測部14bを備える。演算装置14がCPUのプロセッサである場合、CO濃度予測部14bは計算プログラムである。CO濃度予測部14bが電気回路などで構成されていてもよい。
記憶装置13が記憶する予測条件、将来の換気装置の運転予定はCO濃度予測部14bが将来のCO濃度を演算する際に演算装置14に読み出されて使用される。演算によって得た将来のCO濃度は予測CO濃度として記憶装置13に記憶される。
予測条件は、対象とする空調システムに関する設備情報、予測対象期間等である。将来の換気装置の運転予定は、予測対象期間における運転予定であり、その期間内の各時点で換気装置のファン、弁の作動状況が決められたデータである。
予測CO濃度は、CO濃度予測部14bが演算した結果である、将来の換気装置の運転パターンに対して時間変化するCO濃度の予測結果である。
様々な運転予定から最も省エネとなる予定を決定する目的でCO濃度予測を行う場合には、複数の運転予定を用いる。複数の運転予定として異なる運転パターンをCO濃度予測部14bで自動生成するようにしてもよい。
(CO濃度予測部14b)
CO濃度予測部14bは、まず、将来の所定の期間における換気装置の運転予定を入力し、この運転予定に相当する換気量の時間変化を計算する。換気装置の運転予定のかわりに、換気量の時間変化そのものを与えてもよく、その場合には、この計算は不要である。次に、計算した換気量の時間変化を用いて、モデルパラメータ学習部14aのCO濃度演算部と同様にモデル式を用いてCO濃度を演算して、将来の所定の期間におけるCO濃度の時間変化を得る。CO濃度予測部14bでのCO濃度の演算にモデルパラメータ学習部14aと共通の計算プログラムを利用してもよい。
なお、換気装置の運転予定が強、中、弱、停止、などの強度レベルの時間変化として与えられる場合は、換気装置の定格風量と強度レベルの時間変化パターンから換気量の時間変化を計算するとよい。また、実施の形態1において換気装置の運転データが、強度レベルの時間変化として与えられる場合も、同様にして、換気量の時間変化を計算すればよい。
(CO濃度予測の処理フロー)
図8は、本実施の形態2のCO濃度予測の処理手順を示すフローチャートである。図には示していないが、入出力装置11または他の装置から予測を実行する指示が入力された場合、あるいは、あらかじめ設定された指定時刻または一定周期毎に予測処理を開始する。まず、ステップST11で、演算装置14は記憶装置13に記憶されているCO濃度変化モデルの各パラメータ、モデル式と予測条件と将来の所定の期間における換気装置の運転予定とを読み込む。次のステップST12では、ステップST11で読み込んだデータを用いて、将来の所定の期間における換気装置の運転パターンに対応する換気量の時間変化を計算する。次のステップST13では、CO濃度変化モデルの各パラメータ、換気量の時間変化をモデル式に入力して演算し、将来の所定の期間におけるCO濃度の時間変化を予測する。COの発生量に相関する変動パラメータとして、過去のデータから学習したパラメータを将来も同じであるとして使用する。なお、特定の曜日などで変動パラメータが異なる場合は、将来の所定の期間が過去の特定の曜日の変動パラメータを使用すればよい。最後に、ステップST14は、CO濃度予測結果を記憶装置13に保存する。
図9は本実施の形態2のCO濃度予測処理の説明図である。図の左側はステップST11で読み込まれる換気量の時間変化を示している。換気量の時間変化は図のように換気量がどのように時間に対して変化するかであり、換気量パターンとして示すことができる。図の中央はステップST11で読み込まれるCO濃度変化モデルであり、設計パラメータ、変動パラメータ、既知パラメータ、モデル式である。変動パラメータはCO発生量の時間変化の相関するパラメータであり、図のようにCO発生量がどのように時間に対して変化するかであり、たとえばCO発生量パターンとして示すことができる。そして換気量パターンとCO濃度変化モデルとを用いて演算することで、図の右側の予測CO濃度を得ることができる。予測CO濃度は時間に対してどのようにCO濃度するかを表したデータであり、たとえば図のような予測CO濃度パターンとして得られる。
(CO濃度予測の使用例:換気量スケジュールの立案)
本実施の形態2により実現されるパラメータ学習装置1の有用性を示す例として、CO濃度予測を利用した換気装置2の省エネ制御について説明する。換気装置2の従来の制御では、各時刻でその時点の外気温、CO濃度等に応じて換気装置2への制御指令を決定する。このような制御の場合は、各時刻でその時点における省エネ化を図ることは可能であるが、例えば1日間等の長い期間での省エネ性が不十分である。なお、1日間としたのは一例であり、数時間、数日間など、将来のある時間帯を示すものであればよく、特に限定しない。
例えば、夏の場合、日中は外気温が高いため、日中の換気量を減らした方が、一般的には空調システム全体(空調機+換気装置)としては省エネとなる。一方、室内のCO濃度は法令基準等を守らなければならないため、これを守るための換気は必要である。そこで、例えば外気温が比較的低い午前中に事前に換気量を増やしておくことで、CO濃度の基準は守りつつ日中の換気量を減らし、省エネを実現することが可能である。
また、冬の場合、午前中は外気温が低いため、午前中の換気量を減らした方が、一般的には空調システム全体(空調機+換気装置)としては省エネとなる。そこで、例えば外気温が低い午前中に換気量を減らし、外気温が比較的高くなる日中に換気量を増やすことで、CO濃度の基準は守りつつ日中の換気量を減らし、省エネを実現することが可能である。
このような換気の時間シフトは、各時刻でその時点における換気装置2の制御指令を決定するような従来の制御では実現することができず、例えば1日1回、翌日24時間の換気量スケジュールを、例えば前日の夜間の21時など、事前に立案する必要がある。この換気量スケジュールの立案のためには、様々な換気パターンに対するCO濃度の時間変化を予測することができなければならない。本実施の形態2で得たCO濃度予測はこのように換気量スケジュールの立案に利用することができる。本実施の形態2の空調システムのパラメータ学習装置1は、このような省エネ運転を実現するための装置である。
なお、上記の1日1回、翌日24時間、夜間の21時等は一例であり、これに限定する必要はない。例えば、翌日が平日のときにのみ換気量スケジュールを立案してもよいし、6時間分、12時間分等の数時間分を立案してもよいし、夜間の23時、朝の3時に立案するなどとしてもよい。また、換気量スケジュールの時間間隔は、例えば30分間隔で計画するが、この時間間隔に限定する必要はない。
なお、上記のように午前、午後を通じて省エネを目指した換気量スケジュールを立案するには、少なくとも1日分のCO濃度が予測できることが望ましい。そのためには、COの発生量の時間変化に相関する変動パラメータは少なくとも1日分以上の変化に相関するパラメータであることが望ましい。また、そのような1日分以上の変動パラメータを学習によって得るために、過去1日以上の運転データおよび計測データが記憶装置13に保存されていることが望ましい。
以上のように、本実施の形態2のパラメータ学習装置1は、実施の形態1の構成に加えて、学習によって得た変動パラメータ、設計パラメータ、既知パラメータを用いて、将来のCO濃度を予測するので、1日トータルで省エネとなる翌日の換気量スケジュールの作成など、換気装置の省エネ制御に利用することができる、といった従来にない顕著な効果を奏する。
<実施の形態3.>
図10は、本発明の実施の形態3のパラメータ学習装置1の詳細構成図である。換気装置2、COセンサ3との関係は、実施の形態1で説明した図1、4〜6と同一であるので説明は省略する。なお、図では運転データ、計測データを送信する換気装置2も示した。本実施の形態3において、パラメータ学習装置1は、建物内部の発熱量の時間変化を作成する。なお、この発熱量は建物内部で生じる平均的な値であり、その時間変化は内部発熱パターンとして作成される。
建物内部の発熱量はCO発生量と相関がある。たとえば、COの発生源が人である場合、人が発生する熱および人が使用する設備が発生する熱は建物内人員によっておおよそ決まる。また、COを発生する装置が内部にある場合も、その装置の発熱量とCO発生量とには相関がある。典型的な場合、この相関関係は比例関係である。本実施の形態3では、建物内部の発熱量はCO発生量と相関関係があるとした内部発熱パターンモデルを用いて、発熱量とCO発生量との関係式をもとにして内部発熱パターンを作成する。なお、関係式として比例式が簡単であるが、他の関数式、たとえばCO発生量の一次関数等であってもよい。これらの関係式は、平均的な人の発熱量、人が使用する設備で発生する熱量から計算して得た値でもよく、また経験的に得られた関係式であってもよい。
実施の形態1の(数2)の式で示されるCO濃度変化モデルのように、室内におけるCOの発生は人体による発生のみであるとした場合は、CO発生量は在室人数に比例する。したがって、例えば関係式を一次関数とする場合、1人あたりの発熱量をa、人数に関係なく発生する内部発熱をb、在室人数をxとすると、各時刻における内部発熱Qは、Q=ax+b、で表される。
以下、実施の形態1と異なる構成となる記憶装置13と演算装置14について述べる。その他の各構成要素の機能、処理内容については、実施の形態1と同一であるので説明は省略する。
(記憶装置13)
記憶装置13は、演算装置14のモデルパラメータ学習部14aでのパラメータ学習に用いられる学習条件と、運転データ、計測データと、CO濃度変化モデルと、内部発熱パターンとを記憶する。
学習条件は、対象とする空調システムに関する設備情報、パラメータ学習に用いる運転データ、計測データの所定の期間、学習終了条件等である。本実施の形態3では、実施の形態1で必要な学習条件に加え、1人あたりの発熱量を記憶する。1人あたりの発熱量としては、人体発熱と機器発熱の少なくとも一方を含む。人体発熱は、例えば文献データ等から1人あたり100W等として与える。機器発熱は、例えば1人あたりに関係するPC、コンセント、照明等による消費電力等から換算した発熱である。これらは一例であり、このような設定の仕方に限定する必要はなく、対象とする在室者の活動量、機器の運用状態に応じて、適切に設定すればよい。また、在室人数に関係なく発生する内部発熱も記憶してもよい。
運転データ、計測データは、過去の所定の期間の換気装置の運転データと、前記所定の期間においてCOセンサで計測したCO濃度データとから構成される。具体的なデータの内容は、実施の形態1と同一である。
CO濃度変化モデルは、実施の形態1と同一であり、設計パラメータと、変動パラメータと、既知パラメータとから構成される。特に、変動パラメータは、在室人員の時間変化であり、モデルパラメータ学習部14aの変動パラメータ学習部により学習される。
内部発熱パターンは、モデル学習に用いるデータの期間における、平均的な内部発熱の時間変化のパターンであり、モデルパラメータ学習部14aの内部発熱パターン作成部により作成される。例えば5分刻み、または30分刻みなどの24時間のパターンである。また、内部発熱パターンは、複数のパターンが存在してもよい。
(演算装置14)
演算装置14は、モデルパラメータ学習部14aを備える。モデルパラメータ学習部14aは、CO濃度演算部と設計パラメータ学習部と変動パラメータ学習部と内部発熱の時間変化演算部とを備える。なお、内部発熱の時間変化演算部はモデルパラメータ学習部14aの一部でなく独立していてもよい。内部発熱の時間変化演算部を備えた演算装置14のハードウェアとモデルパラメータ学習部14aを備えた演算装置14のハードウェアとが別々であってもよい。設計パラメータ学習部と変動パラメータ学習部の機能は、実施の形態1と同一である。
(内部発熱の時間変化演算部)
内部発熱の時間変化演算部は、内部発熱の平均的な時間変化を表す内部発熱パターンを演算し、その結果を記憶部13に記憶する。まず、変動パラメータ学習部の学習結果である在室人員の時間変化と、設計パラメータ学習部の学習結果である設計在室密度と、既知パラメータである床面積と、学習条件である1人あたりの発熱量とを、記憶装置13から読み込む。次に、前記在室人員の時間変化に、設計在室密度と床面積と1人あたりの発熱量をかけたものを計算し、これを内部発熱パターンとして記憶部13に記憶する。また、記憶部13に、在室人数に関係なく発生する内部発熱が記憶されている場合、前記計算した内部発熱パターンの各時刻のデータに、前記在室人数に関係なく発生する内部発熱を加えたものを、新たに内部発熱パターンとして記憶部13に記憶する。
在室人員の時間変化が複数存在する場合は、それぞれに対して上記演算を行い、複数の内部発熱パターンを作成し、記憶装置13に記憶する。例えば、実施の形態1で述べた在室人員の時間変化と同様の考え方により、平日と休日の2つの内部発熱パターンをもってもよいし、曜日によって異なる内部発熱パターンをもってもよい。
記憶装置13から読み込む1人あたりの発熱量は、人体発熱のみとしてもよいし、人体発熱と機器発熱の両方を合わせたものでもよい。人体発熱と機器発熱の両方を合わせた場合、PC・コンセント・照明等、人の在室パターンと連動して動作する機器の発熱も合わせて推定することができる。
また、図には示していないが、パラメータ学習装置1が電力計と電力計測部を備え、計測した機器の消費電力を記憶装置13に記憶する構成としてもよい。この場合、消費電力に比例するデータを機器発熱として扱うことができる。さらに、1人あたりの発熱量に影響を与える個人所有のPC等と、在室人数に関係なく発熱する共有部の機器等とを、別々に計測する構成としてもよい。この場合、これらの計測対象に応じて、記憶部13に1人あたりの発熱量と、在室人数に関係なく発生する内部発熱を記憶する。
また、このようにして得た内部発熱パターンを将来の内部発熱パターンの予測として扱うこともできる。たとえば、この将来の内部発熱パターンを空調のスケジュールを立案に利用することができる。また、実施の形態2と実施の形態3の構成を組み合わせることにより、CO濃度の予測と内部発熱の予測から空調と換気のスケジュールを立案するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態3ではCO発生量と前記建物内部の発熱量の相関関係式と、学習によって得た前記変動パラメータ及び前記設計パラメータを用いて、建物内部の発熱量の時間変化を演算する。換気装置2の運転データとCOセンサ3の計測データのみから、平均的な内部発熱の時間変化を表す内部発熱パターンを作成することができる。従って、CO濃度を一定以下に抑える換気装置を備えたシステムにおいて、発熱量の推定するために別途温度測定することが不要となり構成が簡単となる。
また、翌日の換気量スケジュールを立案する際に、例えば、中間期に設定温度に対して外気温が低いときに行う外気冷房に必要な換気量を適切に決定できるという効果がある。たとえば、内部発熱が大きいときは換気量を増やし、内部発熱が小さいときは換気量を減らすなどとする。
また、熱負荷、すなわち設定温度を維持するために必要な空調機の処理熱量、の時間変化を把握することができ、空調機が高効率で運転するような翌日の省エネ空調運転スケジュールを立案することもできる、という効果がある。
<実施の形態4.>
図11は、本発明の実施の形態4のパラメータ学習装置1の詳細構成図である。換気装置2、COセンサ3との関係は、実施の形態1で説明した図1、4〜6と同一であるので説明は省略する。なお、図では運転データ、計測データを送信する換気装置2も示した。本実施の形態4において、パラメータ学習装置1は、建物で使用される電力、つまり消費電力、の時間変化を作成する。この消費電力は建物全体で平均的な値であり、その時間変化は消費電力パターンとして作成される。
建物の消費電力はCO発生量と相関がある。たとえば、COの発生原が人である場合、人自体が使用する設備で使用される電力は建物内人員によっておおよそ決まる。この相関関係として典型的な場合は比例関係である。本実施の形態4では、建物の消費電力量はCO発生量と相関関係があるとした消費電力パターンを用いて、消費電力とCO発生量との関係式をもとにして消費電力パターンを作成する。なお、関係式として比例式が簡単であるが、他の関数式、たとえばCO発生量の一次関数等であってもよい。また、関係式は外気温・日射量等も考慮した関数を含む式であってもよい。これらの関係式は、人が使用する平均的電力から計算で得た値でもよく、また経験的に得られた関係式であってもよい。
実施の形態1の(数2)の式のCO濃度変化モデルのように、室内におけるCOの発生は人体による発生のみであるとした場合は、CO発生量は在室人数に比例する。したがって、例えば関係式を一次関数とする場合、1人あたりの消費電力をc、人数に関係なく発生する消費電力をd、在室人数をxとすると、各時刻における消費電力Pは、P=cx+d、で表される。
以下、実施の形態1と異なる構成となる記憶装置13と演算装置14について述べる。その他の各構成要素の機能、処理内容については、実施の形態1と同一であるので説明は省略する。以下では、内部発熱の発生に関わる機器の消費電力パターンについて記載するが、空調機等の消費電力を含めてもよい。
(記憶装置13)
記憶装置13は、演算装置14のモデルパラメータ学習部14aでのパラメータ学習に用いられる学習条件と、運転データ、計測データと、CO濃度変化モデルと、消費電力パターンとを記憶する。
学習条件は、対象とする空調システムに関する設備情報、パラメータ学習に用いる運転データ、計測データの所定の期間、学習終了条件等である。本実施の形態4では、実施の形態1で必要な学習条件に加え、1人あたりの消費電力を記憶する。1人あたりの消費電力としては、例えば1人あたりに関係するPC、コンセント、照明等による消費電力である。これらは一例であり、このような設定に限定する必要はなく、対象とする在室者の機器の運用状態に応じて、適切に設定すればよい。また、在室人数に関係なく発生する消費電力も記憶してもよい。1人あたりの消費電力と、在室人数に関係なく発生する消費電力のデータは、例えばフロア全体の消費電力、フロア内のエリア毎の消費電力、1台毎または複数台まとめた機器の消費電力、機器のカタログスペック、機器の数等を基に、管理者等が手動で設定して記憶してもよいし、これら情報を用いてパラメータ学習装置1が自動計算して記憶してもよい。
運転データ、計測データは、過去の所定の期間の換気装置の運転データと、所定の期間においてCOセンサで計測したCO濃度データとから構成される。具体的なデータの内容は、実施の形態1と同一である。
CO濃度変化モデルは、実施の形態1と同一であり、設計パラメータと、変動パラメータと、既知パラメータとから構成される。特に、変動パラメータは、在室人員の時間変化であり、モデルパラメータ学習部14aの変動パラメータ学習部により学習される。
消費電力パターンは、モデル学習に用いるデータの期間における、平均的な消費電力の時間変化のパターンであり、モデルパラメータ学習部14aの消費電力の時間変化演算部により作成される。例えば5分刻み、30分刻みなどの24時間のパターンである。また、消費電力パターンは、複数のパターンが存在してもよい。
(演算装置14)
演算装置14は、モデルパラメータ学習部14aを備える。モデルパラメータ学習部14aは、設計パラメータ学習部と変動パラメータ学習部と消費電力の時間変化演算部とを備える。なお、消費電力の時間変化演算部はモデルパラメータ学習部14aから独立していてもよい。消費電力の時間変化演算部を備えた演算装置14のハードウェアとモデルパラメータ学習部14aを備えた演算装置14のハードウェアとが別々であってもよい。設計パラメータ学習部と変動パラメータ学習部の機能は、実施の形態1と同一である。
(消費電力の時間変化演算部)
消費電力の時間変化演算部は、消費電力の平均的な時間変化を表す消費電力パターンを演算し、その結果を記憶装置13に保存する。まず、変動パラメータ学習部の学習結果である在室人員の時間変化と、設計パラメータ学習部の学習結果である設計在室密度と、既知パラメータである床面積と、学習条件である1人あたりの消費電力を、記憶装置13から読み込む。次に、前記在室人員の時間変化に、設計在室密度と床面積と1人あたりの消費電力をかけたものを計算し、これを消費電力パターンとして記憶部13に記憶する。また、記憶部13に、在室人数に関係なく発生する消費電力が記憶されている場合、前記計算した消費電力パターンの各時刻のデータに、前記在室人数に関係なく発生する消費電力を加えたものを、新たに消費電力パターンとして記憶部13に記憶する。
在室人員の時間変化が複数存在する場合は、それぞれに対して上記演算を行い、複数の消費電力パターンを作成し、記憶装置13に記憶する。例えば、実施の形態1で述べた在室人員の時間変化と同様の考え方により、平日と休日の2つの消費電力パターンをもってもよいし、曜日によって異なる消費電力パターンをもってもよい。記憶装置13から読み込む1人あたりの消費電力は、PC、照明等の、人の在室人員の時間変化と連動して動作する機器の消費電力である。
以上のように、本実施の形態4では、演算装置14が、CO発生量と建物内部の消費電力の相関関係式と、学習によって得た変動パラメータ及び設計パラメータを用いて、建物内部の消費電力の時間変化を演算する。換気装置2の運転データとCOセンサ3の計測データのみから、平均的な消費電力の時間変化を表す消費電力パターンを作成することができる。従って、CO濃度を一定以下に抑える換気装置を備えたシステムにおいて、消費電力量の推定するために別途電力計でデータを計測することが不要となり構成が簡単となる。
この結果、機器発熱のパターンを把握することができ、翌日の換気量スケジュールを立案する際に、例えば、中間期に設定温度に対して外気温が低いときに行う外気冷房に必要な換気量を適切に決定できるという効果がある。内部発熱が大きいときは換気量を増やし、内部発熱が小さいときは換気量を減らす、とする。
また、熱負荷すなわち設定温度を維持するために必要な空調機の処理熱量の時間変化を把握することができ、空調機が高効率で運転するような翌日の省エネ空調運転スケジュールを立案することもできる、という効果がある。
以上の実施の形態で説明したパラメータ学習装置、パラメータ学習装置を備えるシステム、パラメータ学習の方法について、種々の変更、組み合わせが可能である。記憶装置13、演算装置14がそれぞれ複数のハードウェアに分かれて構成されていてもよい。記憶装置13、演算装置14の一部、または全部が一体のハードウェアで構成されていてもよい。学習において設計パラメータ、変動パラメータの学習順序を変更してもよく、また、設計パラメータ、変動パラメータを同時に学習するようにしてもよい。
換気装置を備えたシステムにおいて有用である。
1 空調システムのパラメータ学習装置、2 換気装置、11 入出力装置、12 計測装置、13 記憶装置、14 演算装置、14a モデルパラメータ学習部、14b CO濃度予測部、15 制御指令出力装置。

Claims (6)

  1. 建物内の空気を換気する換気装置の時間変化P vent である運転データと、前記建物内のCO2濃度の計測データと、前記建物内のCO2の発生量に相関する在室人員の時間変化ρ occ である変動パラメータと、時間変化しない前記建物の天井高H、設計換気風量G v 、設計在室密度N occ 、隙間風相当換気回数G draft を含む設計パラメータとを記憶する記憶装置と、
    前記変動パラメータと前記設計パラメータと前記運転データとから前記建物内のCO2濃度を演算する演算装置とを備え、
    前記演算装置は、
    前記設計パラメータの学習においては、前記変動パラメータを一定として、前記設計パラメータの変化を繰り返し、変化させた設計パラメータでCO2濃度を計算し、前記計算されたCO2濃度と前記計測データとを比較して両者の値の違いを計算し、前記値の違いをより減少させる前記変化させた設計パラメータで前記設計パラメータを更新するように学習し、
    前記変動パラメータの学習においては、前記設計パラメータを一定として、前記変動パラメータの変化を繰り返し、変化させた変動パラメータでCO2濃度を計算し、前記計算されたCO2濃度と前記計測データとを比較して両者の値の違いを計算し、前記値の違いをより減少させる前記変化させた変動パラメータで前記変動パラメータを更新するように学習し、
    前記設計パラメータと、前記変動パラメータと、前記運転データと、一人当たりのCO 2 発生量Mと、外気CO 2 濃度ρ o と、前記CO 2 濃度ρ z とで表される以下の数式1により、前記CO 2 濃度を計算し、前記設計パラメータと前記変動パラメータを学習する
    ことを特徴とするパラメータ学習装置。
    Figure 0006252673
  2. 前記演算装置が前記変動パラメータを用いて将来のCO2濃度を予測計算することを特徴とする請求項1に記載のパラメータ学習装置。
  3. 前記演算装置が、将来の換気装置の運転予定を用いて将来のCO2濃度の時間変化を予測することを特徴とする請求項1または2に記載のパラメータ学習装置。
  4. 前記演算装置が、CO2発生量と前記建物内部の発熱量の相関関係式と、学習によって得た前記変動パラメータ及び前記設計パラメータを用いて、建物内部の発熱量の時間変化を演算することを特徴とする請求項1または2に記載のパラメータ学習装置。
  5. 前記演算装置が、CO2発生量と前記建物内部の消費電力の相関関係式と、学習によって得た前記変動パラメータ及び前記設計パラメータを用いて、建物内部の消費電力の時間変化を演算することを特徴とする請求項1または2に記載のパラメータ学習装置。
  6. 建物内の空気を換気する換気装置の時間変化P vent である運転データと、前記建物内のCO2濃度を計測するCO2センサの計測データと、CO2の発生量に相関する在室人員の時間変化ρ occ である変動パラメータと、時間変化しない前記建物の天井高H、設計換気風量G v 、設計在室密度N occ 、隙間風相当換気回数G draft を含む設計パラメータとを記憶し、
    前記変動パラメータと前記設計パラメータと前記運転データとを用いて前記建物内のCO2濃度を演算し、
    前記設計パラメータの学習においては、前記変動パラメータを一定として、前記設計パラメータの変化を繰り返し、変化させた設計パラメータでCO2濃度を計算し、前記計算されたCO2濃度と前記計測データとを比較して両者の値の違いを計算し、前記値の違いをより減少させる前記変化させた設計パラメータで前記設計パラメータを更新するように学習し、
    前記変動パラメータの学習においては、前記設計パラメータを一定として、前記変動パラメータの変化を繰り返し、変化させた変動パラメータでCO2濃度を計算し、前記計算されたCO2濃度と前記計測データとを比較して両者の値の違いを計算し、前記値の違いをより減少させる前記変化させた変動パラメータで前記変動パラメータを更新するように学習し、
    前記設計パラメータと、前記変動パラメータと、前記運転データと、一人当たりのCO 2 発生量Mと、外気CO 2 濃度ρ o と、前記CO 2 濃度ρ z とで表される以下の数式2により、前記CO 2 濃度を計算し、前記設計パラメータと前記変動パラメータを学習する
    ことを特徴とするパラメータ学習方法。
    Figure 0006252673
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