JP6251528B2 - 配電用電気機器 - Google Patents

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Description

本発明は、柱上変圧器等の屋外設置型の配電用電気機器に関するものである。
柱上変圧器のように、屋外に設置される配電用電気機器においては、電気機器本体をタンク内に収容することにより、安全性の確保と機器の保護とを図っている。この種の電気機器においては、タンクに耐候性を持たせるために防錆塗装を施しているが、塗装に欠陥があるとその欠陥部分からタンクの腐蝕(酸化)が進展して、タンクが早期に寿命に至る。また塗装に欠陥がない場合でも、長期に亘る使用により塗装が劣化すると、劣化した部分からタンクの腐蝕が進展してやがてタンクが寿命に至る。タンクの寿命が尽きた場合には、タンクによる保護機能が失われ、やがて電気機器本体の機能も低下するため、配電系統を正常な状態に保持するためには、電気機器自体を交換することが必要になる。
上記のように、電気機器本体をタンク内に収容した電気機器においては、タンクの寿命が電気機器の寿命を決定する要因の一つであるため、配電系統のメンテナンスを適確に図るためには、電気機器本体を収容したタンクの劣化の程度を判断することができるようにしておくことが好ましい。
そこで、特許文献1や特許文献2に記載されているように、配電用電気機器のタンクの外観をデジタルカメラで撮像して得たタンクの画像データを蓄積しておいて、蓄積した画像データからタンクの劣化の程度を診断する提案がなされている。従来のこの種の診断方法では、デジタルカメラで撮像して得た画像データからタンクの錆を検出し、検出された錆の程度からタンクの劣化の程度を診断している。
特開2009−118585号公報 特開2011−259575号公報
特許文献1や特許文献2に示されたように、電気機器のタンクの外観をデジタルカメラにより撮像して得た画像データからタンクの錆を検出するようにした場合には、情報量が多い画像データを記憶しておく必要があるため、膨大なメモリが必要になるだけでなく、面倒な画像処理を行う必要があるため、タンクの劣化の診断に要するコストが高くなるのを避けられない。配電用の電気機器は配電系統に多数設置され、都市部だけでなく山間僻地にも設置されているため、すべての配電用電気機器に対してそのタンクの外観を撮像するカメラを設置してそれぞれのカメラから得た画像データを分析することは容易ではない。
配電系統の管理は配電系統の営業所等で行われるため、配電系統の管理を適確に行うためには、配電系統の各所に設置された配電用機器のタンクの劣化の程度に関する情報を、営業所に設置される親局で収集し得るようにしておくことが好ましいが、配電用機器のタンクの劣化の程度を監視して、劣化の程度を示すデータを親局に送信することは未だ行われていない。
本発明の目的は、タンクの劣化の程度に関する情報を含む劣化状態検出信号を出力する機能と、劣化状態検出信号を配電系統に設けられた親局に送信する機能とを配電用電気機器自体に持たせ、面倒な画像データの分析を行うことなく、親局側で配電系統の各所に設置された配電用電気機器のタンクの劣化の程度を監視することができるようにすることにある。
本願明細書には、上記の目的を達成するために少なくとも以下に示す第1ないし第16の発明が開示される。
第1の発明は、電気機器本体を金属製のタンク内に収容してなる配電用電気機器を対象としたもので、本発明は、タンクで検出される事象のうち、タンクの劣化の程度が反映される少なくとも一つの事象を検出対象とする劣化検出センサを有して、該劣化検出センサの出力を用いてタンクの劣化の程度の情報を含む劣化状態検出信号を出力する劣化状態検出部と、劣化状態検出部が出力する劣化状態検出信号を配電系統に設置された親局に送信する劣化状態検出信号送信部とを備えたことを特徴とする。
上記劣化状態検出部は、劣化検出センサの出力をそのまま劣化状態検出信号として出力するように構成してもよく、劣化検出センサの出力を必要に応じて増幅して得た信号や、劣化検出センサの出力信号に対してノイズを除去する処理を施して得た信号等を劣化状態検出信号として出力するように構成してもよい。
上記のように配電用電気機器のタンクで検出される事象のうち、タンクの劣化の程度が反映される事象をセンサにより検出して、このセンサの出力からタンクの劣化の程度に関する情報を得るようにすると、複雑な画像処理を行うことなく、配電用電気機器のタンクの劣化の程度を監視することができる。また上記のように劣化状態検出信号を親局に送信する劣化状態検出信号送信部を設けておくと、配電系統の各所に設置された配電用電気機器のタンクの劣化の程度を親局で把握することができるため、各配電用電気機器の交換時期の管理を適確に行うことができ、配電用電気機器の劣化を看過して事故の発生を招くおそれをなくすことができる。
本願に開示された第2の発明は、第1の発明に適用されるもので、本発明においては、電気機器本体が発生する振動が伝達されることによって生じるタンクの振動の姿態の変化を検出対象とする事象とする。この場合、劣化検出センサは、タンクの振動波形の情報を含む電気信号を出力するように構成され、劣化状態検出部は、劣化検出センサが検出した振動波形の情報を含む電気信号を劣化状態検出信号として出力するように構成される。
タンクの劣化(腐食)が進行すると、タンクの劣化した部分の質量、密度、硬さ等が変化するため、電気機器本体の機械的振動が伝達されることにより生じるタンクの機械的振動の波形が、タンクの劣化がない状態とは異なる波形を呈するようになる。従ってタンクの振動波形をタンクの劣化がない状態で検出される振動波形又は劣化がより少ない状態で検出される振動波形と比較することにより、タンクの劣化の程度を判定することができる。
本願に開示された第3の発明は、第1の発明に適用されるもので、本発明においても、電気機器本体が発生する振動が伝達されることによって生じるタンクの振動の姿態の変化を検出対象とする事象とし、劣化検出センサは、タンクの振動波形の情報を含む電気信号を発生するように構成する。この場合、劣化状態検出部は、劣化検出センサが出力する電気信号の波形からタンクの劣化の程度を判定して、劣化の程度が設定された範囲を超えているときに劣化状態検出信号を出力するように構成される。
本願に開示された第4の発明は、第1の発明に適用されるもので、本発明においても、電気機器本体が発生する振動が伝達されることによって生じるタンクの振動の姿態の変化を検出対象とする事象とし、劣化検出センサは、タンクの振動波形の情報を含む電気信号を発生するように構成する。また劣化状態検出部は、劣化検出センサが出力する電気信号からフィルタを通して抽出した特定の周波数成分のレベルを判定値と比較することによりタンクの劣化の程度を判定して、タンクの劣化の程度が設定された範囲を超えていると判定したときに劣化状態検出信号を出力するように構成される。
本願に開示された第5の発明は第1の発明に適用されるもので、本発明においては、検出対象とする事象が、電気機器本体から発生する振動が伝達されることにより生じるタンクの振動のレベルの変化であって、タンクの第1の部分でタンクの振動レベルを測定する第1の振動測定器と、タンクの第1の部分から離れた位置に設定された第2の部分でタンクの振動レベルを測定する第2の振動測定器とが劣化検出センサとして設けられる。この場合、劣化状態検出部は、タンクが劣化していないときに第1の振動測定器が測定した振動レベルと第2の振動測定器が測定した振動レベルとの差を判定値として、第1の振動測定器が測定した振動レベルと第2の振動測定器が測定した振動レベルとの差が判定値以上になったときに劣化状態検出信号を出力するように構成される。
本願に開示された第6の発明は、第5の発明に適用されるもので、本発明においては、タンクの第1の部分が、タンクの外面の雨水が直接かかる部分又はタンクの内面に設定され、タンクの第2の部分は、タンクの外面の雨水が直接かからない部分に設定される。
タンクの外面の雨水が直接かかる部分は、塩害によりタンクに付着した塩分が雨により洗い流されるため、腐食しにくい状態にある。またタンクの内面も腐食しにくい状態にある。これに対し、タンクの外面の雨水が直接かからない部分は、付着した塩分が雨により洗い流されることがないため塩分が蓄積し、腐食し易い状態にある。従って、上記のように第1の部分と第2の部分とを設定しておくと、タンクの腐食が始まったときに第1の振動測定器が測定する振動のレベルと第2の振動測定器が測定する振動のレベルとの間に明確な差を生じさせて、タンクの劣化が始まったことの検出を明確に行わせることができる。
本願に開示された第7の発明は、第1の発明に適用されるもので、本発明においては、検出対象とする事象がタンクの電気抵抗の変化であって、タンクの第1の部分の電気抵抗を測定する第1の抵抗測定器と、タンクの第1の部分から離れた位置に設定された第2の部分の電気抵抗を測定する第2の抵抗測定器とが劣化検出センサとして設けられる。この場合、劣化状態検出部は、第1の抵抗測定器が測定した抵抗値と第2の抵抗測定器が測定した抵抗値との差が設定値以上であるときに劣化状態検出信号を出力するように構成される。
タンクの電気抵抗値はタンクの腐食が進むに従って大きい値を示すようになる。また一般にタンクの腐食はタンク全体にわたって一様に進行するのではなく、タンクの各部の腐食の状態は、タンクの各部が曝される環境条件により相違する。従って、タンクの第1の部分と第2の部分とを適確に設定しておくと、腐食の進行に伴って第1の部分の抵抗値と第2の部分の抵抗値との間に差が生じるようになり、この抵抗値の差の大きさからタンクの劣化の程度を判定することができる。タンクの電気抵抗値はタンクの温度の影響を受けるが、上記のように、タンクの2箇所の部分の電気抵抗値の差をとると、温度の影響をキャンセルすることができるため、タンクの温度の影響を受けることなくタンクの劣化の程度を判定することができる。
本願に開示された第8の発明は、第7の発明に適用されるもので、本発明においては、タンクの外面の雨水が直接かかる部分又はタンクの内面に第1の部分が設定され、タンクの外面の雨水が直接かからない部分に第2の部分が設定される。
上記のように第1の部分及び第2の部分を設定すると、タンクの第1の部分は腐食しにくいが、第2の部分は腐食し易い状態にあるため、タンクの腐食が進む過程で、タンクの第1の部分の抵抗値と、第2の部分の抵抗値との間に明確な差を生じさせることができ、この抵抗値の差を利用してタンクの腐食の程度を容易に知ることができる。
本願に開示された第9の発明は、第1の発明に適用されるもので、本発明においては、タンクの温度を直接または間接的に測定する温度センサが設けられる。また検出対象とする事象は、タンクの電気抵抗の変化であって、劣化検出センサは、タンクの設定された特定部分の電気抵抗を測定する抵抗測定器からなっている。この場合劣化状態検出部は、抵抗測定器が測定した抵抗値を温度センサにより検出された温度を用いて予め定めた標準温度における抵抗値に換算して、換算した抵抗値が予め定めた判定値以上であるときに劣化状態検出信号を出力するように構成される。
上記のようにタンクの温度を検出して抵抗測定器が測定した電気抵抗値を標準温度での抵抗値に換算するようにすることによっても、タンクの温度の影響を受けることなく、タンクの劣化の程度を判定することができる。
本願に開示された第10の発明は、第1の発明に適用されるもので、本発明においては、検出対象とする事象が、タンクの劣化に伴って生じるタンクの色の変化であって、劣化検出センサは、タンクの設定された特定部分の色を検出するカラーセンサからなっている。この場合、劣化状態検出部は、カラーセンサーが検出した色の情報を含む信号を劣化状態検出信号として出力するように構成される。
本願に開示された第11の発明は、第1の発明に適用されるもので、本発明においては、検出対象とする事象が、タンクの劣化に伴って生じるタンクの色の変化であって、劣化検出センサは、タンクの設定された特定部分の色を検出するカラーセンサからなっている。この場合、劣化状態検出部は、カラーセンサが検出した色からタンクの特定の部分の劣化の程度を判定して、判定された劣化の程度が予め設定された範囲を超えているときに劣化状態検出信号を発生するように構成されている。
本願に開示された第12の発明は、第1の発明に適用されるもので、本発明においては、検出対象とする事象が、タンクの設定された特定部分の劣化に伴う誘電率の変化であって、劣化検出センサは、タンクの特定の部分を間にして対向配置された一対の電極間の静電容量を検出するように構成される。この場合、劣化状態検出部は、劣化検出センサが検出した静電容量が設定された判定値以上になったことを検出したときに劣化状態検出信号を発生するように構成される。
本願に開示された第13の発明は、第9ないし第12の発明の何れかに適用されるもので、本発明においては、タンクの特定の部分が、雨水が直接かからない部分に設定される。
本願に開示された第14の発明は、電気機器本体を金属製のタンク内に収容してなる配電用電気機器を対象としたもので、本発明は、タンクで検出される事象のうち、タンクの劣化の程度が反映される複数の事象をそれぞれ検出対象とする複数の劣化検出センサを備えて該複数の劣化検出センサのいずれかが出力する信号からタンクの劣化の程度が設定された度合に達していると判定されたときに劣化状態検出信号を発生する劣化状態検出部と、劣化状態検出部が発生した劣化状態検出信号を配電系統に設置された親局に送信する劣化状態検出信号送信部とを備えたことを特徴とする。
本願に開示された第15の発明は、第14の発明に適用されるもので、本発明は、検出対象とする複数の事象が、電気機器本体に生じる振動が伝達されることによってタンクに生じる振動の姿態と、タンクの電気抵抗の変化と、タンクの劣化に伴って生じるタンクの色の変化と、タンクの劣化に伴って生じるタンクの誘電率の変化とからなる4つの事象の中から選択されることを特徴とする。
本願に開示された第16の発明は、第14又は第15の発明に適用されるもので、本発明においては、検出対象とする事象の検出が、タンクの各部のうち、外面に雨水が直接かからない部分に設定された特定の部分で行われる。
上記のように、タンクの各部のうち、雨が直接かからないために腐食し易い部分でタンクの劣化の程度を検出するようにすると、タンクの劣化を早期に知ることができる。特に、タンク内に絶縁油が収容されている場合には、タンクの底部が腐食すると絶縁油が漏れて電気機器の絶縁性能が喪失するので、電気機器で事故が発生するのを未然に防ぐために、タンクの底部の劣化を検出することが好ましい。
本発明によれば、配電用電気機器のタンクで検出される事象のうち、タンクの劣化の程度が反映される事象をセンサにより検出して、このセンサの出力からタンクの劣化の程度に係る情報を得るようにしたので、タンクの外観をカメラで撮像して得た画像データからタンクの劣化の状態を検出する場合のように複雑な信号処理を行うことなく、配電用電気機器のタンクの劣化の程度を監視することができる。また劣化状態検出信号を親局に送信する劣化状態検出信号送信部を設けたので、配電系統の各所に設置された配電用電気機器のタンクの劣化の程度を親局で把握して、各配電用電気機器の交換時期の管理を適確に行うことができ、配電用電気機器の劣化を看過して停電事故の発生を招くおそれをなくすことができる。
本発明に係る配電用電気機器において、タンクの劣化状態を監視するために設ける劣化状態監視装置の一構成例を示したブロック図である。 本発明に係る配電用電気機器において、タンクの劣化状態を監視するために設ける劣化状態監視装置の他の構成例を示したブロック図である。 本発明に係る配電用電気機器の一実施形態において、振動測定器を該電気機器のタンクに取り付けた状態の一例を示した断面図である。 図3に示した振動測定器を用いた劣化状態監視装置の構成例を示したブロック図である。 本発明に係る配電用電気機器の一実施形態において、振動測定器を該電気機器のタンクに取り付けた状態の他の例を示した断面図である。 図5に示した振動測定器を用いた劣化状態監視装置の構成例を示したブロック図である。 本発明に係る配電用電気機器の他の実施形態において、電気機器のタンクに抵抗測定器を取り付けた状態の一例を示した断面図である。 図7に示した抵抗測定器を用いた劣化状態監視装置の構成例を示したブロック図である。 本発明に係る配電用電気機器の他の実施形態において、温度センサ及び抵抗測定器を該電気機器のタンクに取り付けた状態の一例を示した断面図である。 図9に示した温度センサ及び抵抗測定器を用いた劣化状態監視装置の構成例を示したブロック図である。 本発明に係る配電用電気機器の更に他の実施形態において、カラーセンサを該電気機器のタンクに取り付けた状態の一例を示した断面図である。 図11に示したカラーセンサを用いた劣化状態監視装置の構成例を示したブロック図である。
以下図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明は、電気機器本体を金属製のタンク内に収容した構造を有する配電用電気機器を対象としたもので、その代表的なものは、変圧器本体を絶縁油と共にタンク内に収容した柱上変圧器である。
本発明においては、配電用電気機器のタンクの劣化状態を監視する劣化状態監視装置を配電用電気機器自体に付属させる。図1は、本発明で用いる劣化状態監視装置の構成例を示したものである。同図において1は配電用電気機器のタンク、2はタンクの劣化の程度の情報を含む劣化状態検出信号を出力する劣化状態検出部、3は劣化状態検出信号を配電系統に設置された親局4に送信する劣化状態検出信号送信部である。
図示の劣化状態検出部2は、タンク1で検出される事象のうち、タンクの劣化の程度が反映される少なくとも一つの事象を検出対象とする劣化検出センサ201と、劣化検出センサ201の出力を増幅する増幅回路202とを備えて、タンク1の劣化の程度の情報を含む劣化状態検出信号を出力する。タンクの劣化の程度を示す事象とは、例えば、電気機器本体が発生する電磁振動により励振されることによって生じるタンク1の機械的振動の姿態の変化や、タンクの電気抵抗の変化や、タンクの色の変化や、タンクの誘電率の変化等である。
なお図示の例では、劣化状態検出部2に劣化検出センサ201の出力を増幅する増幅回路202を設けているが、劣化検出センサ201が出力する信号が十分に大きく、劣化検出センサが出力する信号を増幅しなくても劣化状態検出信号送信部3が認識し得る場合には、増幅回路202を省略することができる。また劣化検出センサ201の出力信号にノイズが含まれる場合には、劣化検出センサ201の後段にノイズを除去するフィルタを追加するのが好ましい。
劣化状態検出信号送信部3は、劣化状態検出信号を配電系統の営業所等(配電系統の管理を行う所)に設置された親局4に送信する機能を有する部分である。劣化状態検出信号送信部3は、親局から送信要求があったときに、キャリア信号を劣化状態検出信号で変調して得た信号を親局4に送信するように構成される。
劣化状態検出信号送信部3が劣化状態検出信号を送信する方式は任意であり、電力線搬送方式により送信してもよく、無線通信方式により行ってもよい。配電系統に光ケーブルが布設されている場合には、光通信により行ってもよい。また劣化状態検出信号送信部と親局との間の通信は、インターネットを利用して行うようにしてもよく、携帯電話の通信網を通して行うようにしてもよい。
このように、タンク1の劣化の程度が反映される事象をセンサにより検出して、センサにより検出された劣化の程度の情報を含む信号を劣化状態検出信号として親局に送信し得るようにしておくと、配電系統を管理する部門で、親局が受信した劣化状態検出信号を解析することにより、系統の各所に設置された配電用電気機器のタンクの劣化の程度を把握することができる。
図1に示した例では、劣化状態検出部2が、劣化検出センサ201の出力信号をそのまま、又は劣化検出センサの出力を増幅して得た信号を劣化状態検出信号として出力するように構成されているが、劣化検出センサの出力信号に劣化の程度を抽出するための処理を施すことにより得た信号を劣化状態検出信号として出力するように劣化状態検出部2を構成するようにしてもよい。
例えば、図2に示すように、劣化検出センサ201から増幅回路202を通して得られる検出信号のレベルを判定レベルと比較する比較判定部203を劣化状態検出部2に更に設けて、劣化検出センサ201から得られる検出信号のレベルが予め設定された判定レベル以上であるときにタンク1の劣化の程度が設定された度合に達していること(例えば近い将来寿命を迎える程度までタンクの劣化が進んでいること)を示す劣化状態検出信号を出力するように、劣化状態検出部2を構成してもよい。
上記のように配電用電気機器のタンクで検出される事象のうち、タンク1の劣化の程度が反映される事象を劣化検出センサ201により検出して、このセンサの出力からタンクの劣化の程度に関する情報を得るようにすると、複雑な信号処理を行うことなく、配電用電気機器のタンクの劣化の程度を監視することができる。また上記のように劣化状態検出信号を親局に送信する劣化状態検出信号送信部3を設けておくと、配電系統の各所に設置された配電用電気機器のタンクの劣化の程度を親局で把握することができるため、各配電用電気機器の交換時期の管理を適確に行うことができ、配電用電気機器の劣化を看過して停電事故の発生を招くおそれをなくすことができる。
以下、本発明を柱上変圧器に適用する場合を例にとって、本発明の更に具体的な実施形態について説明する。図3は柱上変圧器のタンク1を示したもので、図示のタンク1は、周壁部101aと底壁部101bとを有する円筒状のタンク本体101と、タンク本体101の上端の開口部を閉じる上蓋102とを有している。タンク本体101の上端には周壁部101aの上端を外側に折り返すことによりフランジ部101cが形成されている。タンク本体の上端開口部を閉じるため、浅い円筒の形状を呈するように形成された上蓋102がフランジ部101cに嵌着されている。タンク本体101の底壁部101bには、円筒状の脚部101dが溶接により取り付けられている。図示してないが、タンク1内には変圧器本体が絶縁油とともに収容され、タンク1とその内部に収容された変圧器本体とにより柱上変圧器が構成される。タンク本体101の周壁部101aには装柱金具(図示せず。)が溶接により取り付けられ、この装柱金具を利用して柱上変圧器が電柱に取り付けられる。タンク1の各部は、鉄やステンレス鋼等の金属により形成され、タンク1の防錆を図るため、その内面及び外面には電着塗装が施されている。
なお上記の説明では、タンク本体101が円筒状に形成されているとしたが、本発明において,タンク本体101の形状は任意である。例えば、タンク本体101はほぼ角筒状の形状を呈するように形成される場合もある。また変圧器からの放熱を良好にするため、タンク本体101の外周に波板からなる放熱リブが溶接される場合もあり、タンク本体の周壁部101の上端及び下端を除いた部分が、山部と谷部とを交互に並べた形状を有する波板により構成されて、該波板の山部の内側に油道が形成される場合もある。上蓋102はタンク本体の形状に合わせて適宜の形状に形成される。
タンク1は、電柱に取り付けられて風雨に曝されるため、長年に亘って設置されていると、その外面の塗装が劣化して、金属部分が劣化(腐食)することがある。タンクの劣化が進行するとやがて劣化した部分に孔があいて絶縁油が漏出し、変圧器の絶縁性能が低下した状態になる。このような状態になると、変圧器で地絡事故や短絡事故が起るおそれが生じるため、変圧器を交換することが必要になる。配電系統を安定に運営するためには、各所に設置された柱上変圧器のタンクの劣化の程度を監視して、タンクに孔があくような致命的な状態にまでタンクの劣化が進む前に配電用電気機器を交換することが好ましい。そのためには、配電系統の各所に設置された柱上変圧器のタンク1の劣化の程度を常時監視して、各柱上変圧器の交換時期を余裕をもって知ることができるようにしておくことが好ましい。
現状では、各柱上変圧器のタンクの外観を目視により確認したり、タンクの外観をデジタルカメラで撮像して得た画像データを解析してタンクの錆による変色部分の有無や、錆の進行に伴って生じる塗膜の膨らみの有無を判定したりすることにより、タンクの劣化の程度を監視しているが、配電系統に多数設置されている柱上変圧器のタンクの劣化を監視するために作業員が巡回するのは大変であり、特に山間僻地に設置された柱上変圧器の監視を十分な頻度で行うことは困難である。
そこで、本発明においては、柱上変圧器にそのタンクの劣化を監視する劣化状態監視装置を付属させて、柱上変圧器自体にタンクの劣化を監視する機能を持たせることにより、作業員の巡回に頼ることなく、配電系統に設置された親局で各柱上変圧器のタンクの劣化の状態を知ることができるようにする。
本発明においては、タンクの劣化の程度を検出するために、タンクの各部で観察される事象のうち、タンクの劣化の状態が反映される事象をセンサにより検出し、劣化の程度の情報を含む信号を親局に送信する。タンクの劣化を余裕をもって知るためには、タンクの各部のうち、劣化が進行し易い箇所でタンクの劣化の程度が反映される事象を検出することが好ましい。
柱上変圧器のタンク1において、腐食が比較的早く進行する部分は、雨水が直接かからないために、塩害により付着した塩分(風により運ばれた塩分)が蓄積しやすい部分である。図3に示したタンクでは、タンク本体の底壁部101bのうち、脚部101dの内側に位置する部分、特に脚部101d寄りの部分や、タンク本体の上端のフランジ部101cの下側部分に塩分が蓄積し易く、これらの部分でタンクの腐食が進行し易い。タンク本体101の外周面に付着した塩分は、降雨時に雨により洗い流されるため、タンク本体の外周面に塩分が蓄積されることはなく、タンク本体の外周面での腐食の進行は一般に緩やかである。
従って、図3に示されたタンク1の劣化の程度を検出するに当り、単一のセンサの出力からタンクの劣化の程度を検出する場合には、タンク1の底壁部101bの脚部211寄りの部分や、タンク本外101の上端のフランジ部101cの下部のように、腐食が比較的早く進む部分にセンサを取り付けることが好ましい。本実施形態では、変圧器本体の機械的振動がタンク1に伝達されることによって生じるタンクの機械的振動の姿態を検出対象とする事象として、この事象を検出する振動測定器211をタンク本体101の底壁部101bの脚部211寄りの部分に取り付けている。振動測定器211としては、圧電センサからなるものや、加速度センサからなるもの等を用いることができる。本実施形態では、振動測定器211が劣化検出センサを構成しており、振動測定器211が、タンク1の振動波形の情報を含む電気信号を発生する。
変圧器本体においては、50Hz又は60Hzの2倍の周波数(100Hz又は120Hz)を基本周波数としたコイルの電磁振動と、鉄心の磁歪振動とが生じており、これらの振動がタンク1に伝達されるため、タンク1も振動する。タンク1の振動は、変圧器本体の振動周波数を基本周波数とする振動であるが、変圧器本体の各部で生じた振動は、種々の伝達経路を通して位相差をもってタンク1に伝達されるため、タンク1に生じる振動の波形は変圧器本体の振動の波形と同じにはならず、変圧器本体の振動の基本周波数の成分の他に、基本周波数の整数倍の高調波成分を含んだ波形になる。従って、タンク1に生じる機械振動の波形は正弦波にはならず、高調波を含んだ歪み波形になるが、このタンクの振動波形は、タンクが腐食しておらず、タンク全体の硬さや弾性が高い状態にあるときと、タンクの腐食が進行して腐食した部分でタンクの硬さや弾性が低下した状態にあるときとでは異なる波形を呈することになる。またタンクの特定部分で振動測定器211によりタンクの振動を測定した場合、その特定部分が腐食していないときには、振幅が大きい振動が測定されるが、その特定部分が腐食しているときには、振幅が小さい振動が測定される。
従って、振動測定器211により測定される振動波形に含まれる特定の周波数成分をフィルタにより抽出して、抽出した周波数成分のレベルを判定値と比較したり、振動測定器211により測定される振動の基本周波数成分のレベルを判定値と比較したりすることにより、タンクで腐食が進行しているが否かを判定することができる。タンクの腐食の程度を検出するに当たり、振動測定器211により検出される振動波形の基本周波数成分及び高調波成分の何れを判定に用いるべきかは、タンクの構造や、タンクと変圧器本体との間の位置関係、或いは振動測定器の設置箇所などにより異なる。従って、振動波形の基本周波数成分及び高調波成分の何れを判定に用いるべきかは実験結果に基づいて決定する。
図4は、図3に示したようにタンク1に取り付けられた振動測定器211を用いて構成した劣化状態監視装置の構成例を示したものである。図4に示した例では、振動測定器211と、振動測定器211の出力から劣化の程度の判定に用いる周波数成分を抽出するフィルタ212と、フィルタ212により抽出された周波数成分のレベルと予め設定された判定値とを比較して、その比較の結果から、タンクの劣化の程度が設定された度合に達していると判定されたとき(例えば近い将来に変圧器の交換を必要とする程度までタンクの劣化が進んでいると判定されたとき)に、タンクの劣化の程度が設定された度合に達していることを示す劣化状態検出信号を出力する比較判定部213とにより、劣化状態検出部2が構成されている。比較判定部213に与える判定値は、理論的に求めることは困難であるので、実験により求められたデータに基づいて決定する。なお、抽出した周波数成分のレベルが判定値以上であるときにタンクの劣化の程度が設定された度合に達していると判定するのか、又は抽出した周波数成分のレベルが判定値未満であるときにタンクの劣化の程度が設定された度合に達していると判定するのかは、フィルタにより抽出する周波数成分及び判定値の選び方による。例えば、タンクの劣化の程度が進むにつれてレベルが高くなっていく周波数成分をフィルタにより抽出して判定に用いる場合には、抽出された周波数成分のレベルが判定値以上になったときに劣化状態検出信号を出力させる。
劣化状態検出部2の出力は、劣化状態検出信号送信部3に与えられる。劣化状態検出信号送信部3は、キャリア信号を劣化状態検出信号で変調して得た信号を配電系統に設けられた通信網を通して親局4に送信する。劣化状態検出部2と、劣化状態検出信号送信部3とにより劣化状態監視装置が構成されている。
なお図4には図示してないが、劣化状態検出部2及び劣化状態検出信号送信部3を動作させるために直流電源回路を必要とするが、この直流電源回路は、タンク1内に収容された変圧器本体の低圧側の電圧を降圧するトランスと、このトランスの出力を整流する整流回路と、この整流回路の出力の安定化を図る回路とにより構成することができる。また太陽電池等の再生可能エネルギを利用した発電手段と、該発電手段が発電した電力を蓄積するキャパシタ等のエネルギ蓄積手段と、該蓄積手段の両端の電圧を電源電圧として一定の直流電圧を発生する回路とにより上記直流電源回路を構成することもできる。
上記劣化状態監視装置の劣化検出センサの部分はタンクに取り付けるが、劣化検出センサ以外の部分は、ケース内に収容してタンクの外面に取り付けておくようにしてもよく、タンク1内に収容しておいてもよい。また負荷開閉器にケーブルを通して接続される開閉器子局と同じように、劣化状態監視装置の劣化検出センサ以外の部分を、変圧器にケーブルを通して接続される子局の形で変圧器に付属させておくようにしてもよい。
図3に示した例では、タンクの腐食し易い部分に一つの振動測定器211を取り付けているが、タンクの劣化をより確実に検出するために、タンクの腐食し易い部分に距離を隔てて設定した2箇所以上の取り付け箇所にそれぞれ振動測定器211を取り付けて、これら複数の振動測定器の少なくとも一つが出力した信号から抽出された信号のレベルが判定値以上になったときに、タンクの劣化の程度が設定された度合に達しているとの判定を行うように劣化状態検出部2を構成するようにしても良い。
図4に示した例では、振動測定器211の出力から抽出した所定の周波数の信号のレベルを判定値と比較することにより、タンクの劣化の程度が設定された度合に達したことを示す信号を得て、この信号を劣化状態検出信号として出力するように構成したが、振動測定器211の出力信号そのもの又はフィルタ212の出力を必要に応じて増幅した信号を劣化状態検出信号として出力するように劣化状態検出部2を構成することもできる。この場合は、タンクの劣化の進行の度合を親局側で行うことになる。
図5は、本発明の他の実施形態を示したものである。本実施形態では、変圧器本体(電気機器本体)が発生する振動(コイルで生じる電磁振動及び鉄心で生じる磁歪振動)が伝達されることによって生じるタンク1の振動のレベルの変化を検出対象とする事象とし、タンク1の第1の部分でタンクの振動レベルを測定する第1の振動測定器221と、タンクの第1の部分から離れた位置に設定された第2の部分でタンクの振動レベルを測定する第2の振動測定器222とが、劣化検出センサとしてタンクに取り付けられている。ここで、第1の振動測定器221を取り付けるタンクの第1の部分は、タンクの外面の雨水が直接かかる部分又はタンクの内面のように腐食が緩やかに進む部分に設定され、第2の振動測定器222を取り付けるタンクの第2の部分は、タンクの外面の雨水が直接かからない部分のように比較的早く腐食が進む部分に設定される。図示の例では、第1の振動測定器221を取り付けるタンクの第1の部分がタンク本体101の外周面に設定され、第2の振動測定器222を取り付けるタンクの第2の部分がタンク本体の底壁部101bの脚部101d寄りの部分に設定されている。
図6は、図5に示すように第1の振動測定器221と第2の振動測定器222とを設ける場合の劣化状態検出部2の構成例を示したものである。この例では、第1の振動測定器221が検出した振動レベルと、第2の振動測定器222が測定した振動レベルとが振動レベル差演算部223に入力され、振動レベル差演算部223により、第1の振動測定器221が検出した振動レベルと、第2の振動測定器222が測定した振動レベルとの差が演算される。振動レベル差演算部223により演算された振動レベルの差は、予め設定された判定値とともに比較判定部224に入力されている。比較判定部224は、振動レベル差演算部223により演算された振動レベルの差が判定値以上であるときに、タンクの劣化の程度が設定された度合に達していることを示す劣化状態検出信号を出力する。
タンク1の腐食した部分では、タンクの硬さや密度が低下し、弾性が低下するため、腐食していない部分に比べて振動の振幅が小さくなる。そのため、タンクの劣化が進んでいくと、腐食が早く進む部分に取り付けられた第2の振動測定器222が測定する振動のレベルが、腐食が緩やかに進む部分に取り付けられた第1の振動測定器221が測定する振動のレベルに比べて低くなり、第1の振動測定器221が測定した振動のレベルと第2の振動測定器222が測定した振動のレベルとの間の差が大きくなっていく。従って、第1及び第2の振動測定器が測定した振動のレベルの差が所定の判定値に達したときに、タンクの劣化の程度が設定された度合に達していることを示す劣化状態検出信号を比較判定部224から出力させることができる。
タンクの腐食を確実に検出するため、第2の振動測定器222を複数個設けて、該複数の第2の振動測定器をタンクの腐食し易い部分に設定された複数の位置に取り付けるようにしてもよい。この場合、第1の振動測定器221は一つだけ設けておけばよい。このように、第2の振動測定器222を複数個設ける場合には、各第2の振動測定器222が検出した振動のレベルと、第1の振動測定器221が検出した振動レベルとを比較して、例えば、少なくとも一つの第2の振動測定器222が検出した振動のレベルと第1の振動測定器221が検出した振動レベルとの差が判定値以上であるときに劣化状態検出信号を出力させるようにする。
図6に示すように、第1の振動測定器と第2の振動測定器とを設ける場合も、劣化の程度を判定するための信号処理を親局側で行わせるために、第1の振動測定器の出力信号及び第2の振動測定器の出力信号をそのまま、またはこれらの信号を増幅して得た信号をそのまま劣化状態検出信号として、劣化状態検出信号送信部3により親局に送信するように構成してもよい。
図3及び図5に示した例では、振動測定器をタンクの外面に取り付けているが、振動測定器211、221、222はタンクの内部でタンクの振動を測定するように取り付けてもよい。特にタンクの内面は錆にくいので、第1の振動測定器221をタンクの内面に取り付けると、タンクの劣化に伴って第1の振動測定器221の出力と第2の振動測定器222の出力との間に明確な差を生じさせて、タンクの劣化の程度を正確に判定することができる。
一般にタンク1で腐食が生じると、タンクの腐食した部分の電気抵抗値が腐食していない部分の電気抵抗値よりも大きくなる。従って、タンク1の劣化の程度を検出するために検出対象とする事象は、タンク1の電気抵抗の変化とすることもできる。
タンク1の電気抵抗の変化を検出対象とする事象とする場合には、例えば、一定の距離を隔ててタンク1に電気的に接続された一対の端子間の電気抵抗をタンクの電気抵抗値として測定する抵抗測定器をタンクに取り付ける。図7は、このような抵抗測定器をタンク1に取り付けた状態の一例を示したものである。この例では、タンク1の第1の部分でタンクの電気抵抗値を測定する第1の抵抗測定器231と、タンク1の第1の部分から離れた位置に設定されたタンクの第2の部分でタンクの電気抵抗を測定する第2の抵抗測定器232とが劣化検出センサとして設けられている。
ここで、第1の抵抗測定器231が取り付けられたタンクの第1の部分は、タンク本体101の外周面の雨水が直接かかる部分に設定され、第2の抵抗測定器232が取り付けられるタンクの第2の部分は、タンク本体101の底壁部101bの脚部101d寄りの部分に設定されている。各抵抗測定器は、一定の距離を隔てた状態で設けられてタンクの金属部分に電気的に接続された一対の電極t1,t2間の電気抵抗を測定するように構成されている。なお電極t1,t2とタンク本体の壁部との接触面積は等しくしておく。
この場合、電極t1,t2間の電気抵抗rは、電極t1,t2間に一定の直流電圧eを印加した際に電極t1,t2間を通して流れる電流iを測定して、r=e/iの演算を行うことにより測定することができる。なお第1の抵抗測定器231を取り付けるタンクの第1の部分は、腐食が殆ど生じないか又は腐食が緩やかに進む他の部分、例えばタンク本体101の内面に設定してもよい。
図7に示すように第1の抵抗測定器231と第2の抵抗測定器232とを設ける場合には、図8に示すように第1の抵抗測定器231と第2の抵抗測定器232とこれらの抵抗測定器が測定した電気抵抗値を比較する比較判定部233とにより劣化状態検出部2を構成する。比較判定部233は、第1の抵抗測定器231が測定した電気抵抗値と第2の抵抗測定器232が測定した電気抵抗値との差が設定された判定値以上であるときに劣化状態検出信号を出力する。この劣化状態検出信号は劣化状態検出信号送信部3により親局に送信される。
一般にタンクの腐食はタンク全体にわたって一様に進行するのではなく、タンクの各部の腐食の進行の態様は、タンクの各部が曝される環境の条件により相違する。従って、第1の抵抗測定器231及び第2の抵抗測定器232をそれぞれ取り付けるタンクの第1の部分と第2の部分とを適確に設定しておくと、腐食の進行に伴って第1の部分で測定された抵抗値と第2の部分で測定された抵抗値との間に明確な差を生じさせることができ、この抵抗値の差を検出することによりタンクの劣化が進行していることを検出することができる。タンクの電気抵抗値はタンクの温度の影響を受けるが、本実施形態のように、タンク1の2箇所の部分の電気抵抗値の差をとると、温度の影響をキャンセルすることができるため、タンクの温度の影響を受けることなくタンクの劣化の程度を検出することができる。特に図7に示したように、第1の抵抗測定器231をタンク本体の外周の雨が直接かかる部分(又はタンクの内面)に取り付け、第2の抵抗測定器232を、タンクの外面の雨が直接かからない部分(塩害により腐食が生じ易い部分)に取り付けておくと、タンクの劣化が進んだ際に第1の抵抗測定器により測定される抵抗値と第2の抵抗測定器により測定される抵抗値との差を大きくして、タンクの劣化の程度をより確実に検出することができる。
またタンクに第1の抵抗測定器231と第2の抵抗測定器232とを取り付けてタンクの劣化の程度を検出する場合にも、第2の抵抗測定器232を複数個設けて、これら複数の第2の抵抗測定器をタンクの腐食し易い部分に設定した複数の取り付け箇所にそれぞれ取り付けることにより、タンクの腐食をより確実に検出するようにすることができる。このように、第2の抵抗測定器232を複数個設ける場合には、各第2の抵抗測定器232が検出した電気抵抗値と第1の抵抗測定器231が測定した電気抵抗値とを比較して、例えば、少なくとも一つの第2の抵抗測定器232が測定した電気抵抗値と第1の抵抗測定器231が測定した電気抵抗値との差が判定値以上であるときに劣化状態検出信号を出力させるようにする。
上記の実施形態では、タンク1の電気抵抗値を測定してタンクの劣化を検出するに際して、タンクの温度が電気抵抗値に与える影響をなくすために、第1の抵抗測定器231と第2の抵抗測定器232とを設けて両抵抗測定器が測定した電気抵抗値の差をとるようにしているが、抵抗測定器とタンクの温度を検出する温度センサとを設けて、抵抗測定器が測定した電気抵抗値を標準温度での電気抵抗値に換算することにより温度の影響をなくすようにしてもよい。
図9は、タンク1の腐食し易い部分に抵抗測定器と温度センサとを取り付けた例を示したものである。この例では、タンク本体101の底壁部101dの脚部101d寄りの部分に抵抗測定器241が取り付けられ、同じく底壁部101dにタンク1の温度を検出する温度センサ242が取り付けられている。
図9に示すようにタンク1に抵抗測定器241と温度センサ242とを取り付ける場合、劣化状態検出部2は、図10に示すように、抵抗測定器241と、温度センサ242と、抵抗測定器241により測定された抵抗値を、温度センサ242により検出されたタンクの温度と予め求めておいた演算式とを用いて、標準温度(例えば25℃)における抵抗値に換算する補正抵抗値演算部243と、補正抵抗値演算部243により演算された抵抗値と予め設定した判定値とを比較して、補正抵抗値演算部243により演算された抵抗値が判定値以上になっているときに、タンクの劣化の程度が設定された度合に達していることを示す劣化状態検出信号を出力する比較判定部244とにより構成することができる。
図9に示した例では、温度センサ242をタンクの底壁部に取り付けて、タンクの電気抵抗値を測定する部分付近の温度を直接測定するようにしているが、タンクの温度は、タンク内に収容された絶縁油の温度を測定する等の方法により間接的に測定するようにしてもよい。
図9に示すように抵抗測定器241と温度センサ242とを設けて、抵抗測定器241が測定したタンクの電気抵抗値を標準温度における抵抗値に換算することにより求めたタンクの抵抗値が判定値以上である場合にタンクの劣化が進んでいると判定する場合にも、抵抗測定器241を複数設けて、これら複数の抵抗測定器をタンクの異なる箇所に取り付けることにより、タンクの劣化が進んでいることをより確実に検出することができる。
抵抗測定器を用いてタンクの劣化の程度を検出する場合、各抵抗測定器は、タンクの厚み方向の抵抗値を測定するように取り付けてもよい。即ち、タンクの抵抗値を測定する部分を間に挟んで対向配置した一対の電極をタンクに電気的に接続しておいて、これらの電極の間に一定の直流電圧を印加した際に流れる電流を計測することにより、タンクの厚み方向の電気抵抗値を測定するようにしてもよい。
タンクの電気抵抗値を測定するために、タンクに電極を接続する場合、各電極とタンクとの接続部から腐食が始まる事態が生じるのを防ぐため、各電極とタンクとの接続はタンクに電着塗装を施す前に行い、電着塗装を施す際に、各電極のタンクとの接続部以外の部分をタンクと共に防錆用の塗膜で覆うようにするのが好ましい。
またタンクの劣化を検出するために検出対象とするタンクの事象は、タンクの腐食の進行に伴って生じるタンクの色(錆色)の変化であってもよい。タンクの色の変化を検出対象とする場合には、タンクに取り付けたカラーセンサーによりタンクの腐食し易い部分の色を検出して、検出される色が所定の色になったときにタンクの劣化が進んでいることを示す劣化状態検出信号を発生させる。
図11はタンクにカラーセンサーを取り付けた状態の一例を示したもので、この例では、タンク本体101の底壁部101bに取り付けられてタンクの脚部101dの内面の色の変化を検出するカラーセンサー251及び(又は)タンク本体101の外周部に取り付けられてタンク本体の上端のフランジ部101cの内側の色の変化を検出するカラーセンサー251′を設けている。カラーセンサーとしては、例えば、レンズを通して受光した検出対象の色をフィルタにより赤(R)、緑(G)及び青(B)の三つの成分に分けた後、R成分、G成分及びB成分の三つの成分の強度をそれぞれR,G及びBの単色に感応する半導体センサで検出して、検出されたR成分,G成分及びB成分の割合から検出対象の色を判別するように構成された市販のものを用いることができる。
図12は、カラーセンサー251が検出する色からタンクの劣化の程度を検出する場合の劣化状態検出部2の構成例を示したもので、図示の例では、カラーセンサー251と、カラーセンサー251が検出した色が設定された錆色(例えば茶色ないしは赤茶色)であると判定したときに劣化状態検出信号を出力する判定部252とにより劣化状態検出部2が構成されている。タンク本体の上端のフランジ部の下側の色を検出するカラーセンサ251′を設ける場合の劣化状態検出部の構成も図12に示した例と同様である。
またタンクが腐食した場合には、タンクの誘電率が変化するので、タンクの誘電率の変化を検出対象として検出することによっても、タンクの劣化の程度を判定することができる。
タンク1の特定の部分の劣化に伴う誘電率の変化を検出対象とする場合、劣化検出センサは、タンクの特定の部分を間にしてタンクの厚み方向に相対するように対向配置された一対の電極間に構成されるコンデンサの静電容量を検出するように構成することができる。この場合、一対の電極間の静電容量は、一対の電極間に存在するタンクの塗膜の厚みとタンクを構成する金属の酸化物の厚みと、塗膜の誘電率と、酸化物の誘電率と、電極の面積とにより決まる。この場合、劣化状態検出部は、劣化検出センサが検出した静電容量が設定された判定値に達したことを検出したときに劣化状態検出信号を発生するように構成する。
静電容量が判定値に達したことは例えば、タンクの特定の部分を間にして対向配置された一対の電極により構成されるコンデンサとトランジスタ等の能動素子とにより発振回路を構成しておいて、タンクの腐食が進行してコンデンサの静電容量が所定の判定値に達したときに発振回路が発振するようにしておくことにより、容易に検出することができる。
以上、柱上変圧器のタンクの劣化に伴ってタンクで検出される事象のうち、変圧器本体で生じる振動がタンクに伝達されることにより生じるタンクの振動の姿態の変化、タンクの腐食の進行により生じるタンクの電気抵抗値の変化、タンクの腐食に伴って生じるタンクの色の変化、及びタンクの腐食の進行に伴って生じるタンクの誘電率の変化の内のいずれか一つの事象を検出対象とする場合について説明したが、タンクの劣化の検出を更に確実にするために、タンク1の劣化に伴ってタンクで検出される事象のうち、タンクの劣化の程度が反映される複数の事象をそれぞれ検出対象とする複数種類の劣化検出センサを設けて、該複数種類の劣化検出センサの何れかが出力する信号からタンクの劣化の程度が設定された度合に達していると判定されたときに、劣化状態検出信号を発生させるように劣化状態検出部を構成するようにしてもよい。
このように構成する場合、検出対象とする複数の事象は、変圧器本体に生じる電磁振動により励振されることによってタンクに生じる振動の姿態のタンクの劣化に伴う変化と、タンクの劣化に伴って生じるタンクの電気抵抗の変化と、タンクの劣化に伴って生じるタンクの色の変化と、タンクの劣化に伴って生じるタンクの誘電率の変化とからなる4つの事象の中から選択される。
上記の実施形態では、タンクの劣化が生じ易い場所として、タンクの雨が直接かからない部分を選択しているが、タンクの劣化を確実に検出することができるようにするために、タンクの塗膜の一部を敢えて薄くする等して、タンクの寿命が近づいたときに最初に劣化が反映された事象が現れる部分を検出対象部分としてタンクの一部に積極的に作っておいて、この検出対象部分で生じる事象を検出するように各種のセンサを取り付けるようにしてもよい。腐食が進行し易くする検出対象部分は、タンク1の底部に設けられる脚部101d等、腐食してもタンク内の絶縁媒体の漏出を招くおそれがない部分に設けることが好ましい。またタンクの寿命が近づいたときに真っ先に外部から検出し得る形で腐食を生じるように塗膜の厚さが設定された金属片(好ましくは、タンクを構成する金属材料と同じ金属材料からなるもの)をタンクの底部などに取り付けておいて、この金属片を検出対象部分とすることもできる。
上記の各実施形態において、劣化状態検出信号送信部3は、親局から送信要求があったときに、劣化状態検出部2が正常に機能していることを示す信号を親局に送信するように構成しておくことが好ましい。
上記のように構成しておくと、劣化状態検出部2が正常に機能していることを示す信号を親局が受信しなかったときに、その配電用電気機器に設けられている劣化状態検出部のセンサや電源部等の構成要素に異常が生じていることを察知することができるため、配電用電気機器の保守管理を適確に行わせることができる。
上記の実施形態では、劣化状態検出信号送信部3が、親局から送信要求があったときに、キャリア信号を劣化状態検出信号で変調して得た信号を親局4に送信するとしたが、劣化状態検出信号送信部3は、可能であれば、劣化検出センサ2が出力する劣化状態検出信号をそのまま通信手段を通して親局4に送信するように構成してもよい。
上記の実施形態では、柱上変圧器に本発明を適用した場合について説明したが、自動電圧調整器(SVR)等の他の配電用電気機器にも本発明を適用することができるのは勿論である。
1 配電用電気機器のタンク
2 劣化状態検出部
201 劣化検出センサ
202 増幅回路
203 比較判定部
211 振動測定器
212 フィルタ
213 比較判定部
221 第1の振動測定器
222 第2の振動測定器
223 振動レベル差演算部
224 比較判定部
231 第1の抵抗測定器
232 第2の抵抗測定器
241 抵抗測定器
242 温度センサ
243 補正抵抗値演算部
244 比較判定部
251 カラーセンサー
251′カラーセンサー
252 判定部
3 劣化状態検出信号送信部
4 親局

Claims (10)

  1. 電気機器本体を金属製のタンク内に収容してなる配電用電気機器において、
    前記タンクで検出される事象のうち、前記タンクの劣化の程度が反映される少なくとも一つの事象を検出対象とする劣化検出センサを有して、該劣化検出センサの出力を用いて前記タンクの劣化の程度の情報を含む劣化状態検出信号を出力する劣化状態検出部と、前記劣化状態検出信号を配電系統に設置された親局に送信する劣化状態検出信号送信部とを備え、
    前記検出対象とする事象は、前記電気機器本体が発生する振動が伝達されることによって生じる前記タンクの振動のレベルの変化であって、前記タンクの第1の部分で前記タンクの振動レベルを測定する第1の振動測定器と、前記タンクの前記第1の部分から離れた位置に設定された第2の部分で前記タンクの振動レベルを測定する第2の振動測定器とが前記劣化検出センサとして設けられ、
    前記劣化状態検出部は、前記タンクが劣化していないときに前記第1の振動測定器が測定した振動レベルと前記第2の振動測定器が測定した振動レベルとの差を判定値として、前記第1の振動測定器が測定した振動レベルと前記第2の振動測定器が測定した振動レベルとの差が前記判定値以上になったときに前記劣化状態検出信号を出力するように構成されていることを特徴とする配電用電気機器。
  2. 前記タンクの第1の部分は、前記タンクの外面の雨水が直接かかる部分又はタンクの内面に設定され、前記タンクの第2の部分は前記タンクの外面の雨水が直接かからない部分に設定される請求項1に記載の配電用電気機器。
  3. 電気機器本体を金属製のタンク内に収容してなる配電用電気機器において、
    前記タンクで検出される事象のうち、前記タンクの劣化の程度が反映される少なくとも一つの事象を検出対象とする劣化検出センサを有して、該劣化検出センサの出力を用いて前記タンクの劣化の程度の情報を含む劣化状態検出信号を出力する劣化状態検出部と、前記劣化状態検出信号を配電系統に設置された親局に送信する劣化状態検出信号送信部とを備え、
    前記検出対象とする事象は、前記タンクの電気抵抗の変化であって、前記タンクの第1の部分の電気抵抗を測定する第1の抵抗測定器と、前記タンクの前記第1の部分から離れた位置に設定された第2の部分の電気抵抗を測定する第2の抵抗測定器とが前記劣化検出センサとして設けられ、
    前記劣化状態検出部は、前記第1の抵抗測定器が測定した抵抗値と前記第2の抵抗測定器が測定した抵抗値との差が設定値以上であるときに前記劣化状態検出信号を出力するように構成されていることを特徴とする配電用電気機器。
  4. 前記タンクの第1の部分は、前記タンクの外面の雨水が直接かかる部分又はタンクの内面に設定され、前記タンクの第2の部分は前記タンクの外面の雨水が直接かからない部分に設定される請求項3に記載の配電用電気機器。
  5. 電気機器本体を金属製のタンク内に収容してなる配電用電気機器において、
    前記タンクで検出される事象のうち、前記タンクの劣化の程度が反映される少なくとも一つの事象を検出対象とする劣化検出センサを有して、該劣化検出センサの出力を用いて前記タンクの劣化の程度の情報を含む劣化状態検出信号を出力する劣化状態検出部と、前記劣化状態検出信号を配電系統に設置された親局に送信する劣化状態検出信号送信部とを備え、
    前記タンクの温度を直接または間接的に測定する温度センサが設けられ、
    前記検出対象とする事象は、前記タンクの電気抵抗の変化であって、前記劣化検出センサは、前記タンクの設定された特定部分の電気抵抗を測定する抵抗測定器からなり、
    前記劣化状態検出部は、前記抵抗測定器が測定した抵抗値を前記温度センサにより検出された温度を用いて予め定めた標準温度における抵抗値に換算して、換算した抵抗値が予め定めた判定値以上であるときに前記劣化状態検出信号を出力するように構成され、
    前記タンクの特定部分は、外面に雨水が直接かからない部分に設定されている配電用電気機器。
  6. 電気機器本体を金属製のタンク内に収容してなる配電用電気機器において、
    前記タンクで検出される事象のうち、前記タンクの劣化の程度が反映される少なくとも一つの事象を検出対象とする劣化検出センサを有して、該劣化検出センサの出力を用いて前記タンクの劣化の程度の情報を含む劣化状態検出信号を出力する劣化状態検出部と、前記劣化状態検出信号を配電系統に設置された親局に送信する劣化状態検出信号送信部とを備え、
    前記検出対象とする事象は、前記タンクの劣化に伴って生じる前記タンクの色の変化であって、前記劣化検出センサは、前記タンクの設定された特定部分の色を検出するカラーセンサからなり、
    前記劣化状態検出部は、前記カラーセンサーが検出した色の情報を含む信号を前記劣化状態検出信号として出力するように構成され、
    前記タンクの特定部分は、外面に雨水が直接かからない部分に設定されている配電用電気機器。
  7. 電気機器本体を金属製のタンク内に収容してなる配電用電気機器において、
    前記タンクで検出される事象のうち、前記タンクの劣化の程度が反映される少なくとも一つの事象を検出対象とする劣化検出センサを有して、該劣化検出センサの出力を用いて前記タンクの劣化の程度の情報を含む劣化状態検出信号を出力する劣化状態検出部と、前記劣化状態検出信号を配電系統に設置された親局に送信する劣化状態検出信号送信部とを備え、
    前記検出対象とする事象は、前記タンクの劣化に伴って生じる前記タンクの色の変化であって、前記劣化検出センサは、前記タンクの設定された特定部分の色を検出するカラーセンサからなり、
    前記劣化状態検出部は、前記カラーセンサが検出した色から前記タンクの特定部分の劣化の程度を判定して、判定された劣化の程度が予め設定された範囲を超えているときに前記劣化状態検出信号を発生するように構成され、
    前記タンクの特定部分は、外面に雨水が直接かからない部分に設定されている配電用電気機器。
  8. 電気機器本体を金属製のタンク内に収容してなる配電用電気機器において、
    前記タンクで検出される事象のうち、前記タンクの劣化の程度が反映される少なくとも一つの事象を検出対象とする劣化検出センサを有して、該劣化検出センサの出力を用いて前記タンクの劣化の程度の情報を含む劣化状態検出信号を出力する劣化状態検出部と、前記劣化状態検出信号を配電系統に設置された親局に送信する劣化状態検出信号送信部とを備え、
    前記検出対象とする事象は、前記タンクの設定された特定部分の劣化に伴う誘電率の変化であって、前記劣化検出センサは、前記タンクの特定部分を間にして対向配置された一対の電極間の静電容量を検出するように構成され、
    前記劣化状態検出部は、前記劣化検出センサが検出した静電容量が設定された判定値以上になったことを検出したときに前記劣化状態検出信号を発生するように構成され、
    前記タンクの特定部分は、外面に雨水が直接かからない部分に設定されている配電用電気機器。
  9. 電気機器本体を金属製のタンク内に収容してなる配電用電気機器において、
    前記タンクで検出される事象のうち、タンクの劣化の程度が反映される複数の事象をそれぞれ検出対象とする複数の劣化検出センサを備えて該複数の劣化検出センサのいずれかが出力する信号から前記タンクの劣化の程度が設定された度合に達していると判定されたときに劣化状態検出信号を発生する劣化状態検出部と、前記劣化状態検出部が発生した劣化状態検出信号を配電系統に設置された親局に送信する劣化状態検出信号送信部とを備え、
    前記検出対象とする事象の検出は、前記タンクの各部のうち、外面に雨水が直接かからない部分に設定された特定部分で行われることを特徴とする配電用電気機器。
  10. 前記検出対象とする複数の事象は、前記電気機器本体に生じる振動が伝達されることによって前記タンクに生じる振動の姿態と、前記タンクの電気抵抗の変化と、前記タンクの劣化に伴って生じるタンクの色の変化と、タンクの劣化に伴って生じるタンクの誘電率の変化とからなる4つの事象の中から選択されることを特徴とする請求項9に記載の配電用電気機器。
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