JP6247564B2 - 蓄熱材組成物及びそれを用いた蓄熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、テトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−3−メチルチオプロピル)イミド及びテトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−4−メチルチオブチル)イミドから選ばれた少なくとも1種のイミド化合物を主成分とし、これらの化合物と水との水和熱を利用する蓄熱材組成物及びそれを用いた蓄熱装置に関する。
潜熱型蓄熱材(以下、単に「潜熱蓄熱材」ともいう)は、顕熱型蓄熱材に比べて蓄熱密度が高く、相変化温度が一定であるため、熱の取り出し温度が安定であるという利点を活かして実用化されている。特に潜熱蓄熱材として、硫酸ナトリウム10水塩、塩化カルシウム6水塩及び酢酸ナトリウム3水塩などは、相変化温度が30〜60℃程度であるため、給湯やボイラーの廃熱利用及び太陽エネルギーを利用するための温熱蓄熱材として検討されている。しかし、蓄熱密度が250kJ/kg程度とさほど大きくないため、湯を直接タンクなどに貯める方法に取って代わる方法にまで経済的にメリットがないため、実用に至っていない。
特開平6−80957号公報 特開2006−284031号公報 特開2000−63812号公報
上述の温熱蓄熱材として検討されている、硫酸ナトリウム10水塩、塩化カルシウム6水塩及び酢酸ナトリウム3水塩などは、蓄熱密度が250kJ/kg程度とさほど大きくないため、湯を直接タンクなどに貯める方法に取って代わる方法にまで経済的にメリットがないため、実用に至っていない。本発明は、30〜60℃の範囲などの低温度域においても蓄熱でき、しかもより高い蓄熱密度を有する蓄熱材組成物並びに当該蓄熱材組成物を用いた蓄熱装置を提供することを目的とする。
(1)前記課題を解決するため、本発明の蓄熱材組成物は、テトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−3−メチルチオプロピル)イミド及びテトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−4−メチルチオブチル)イミドから選ばれた少なくとも1種のイミド化合物と水を含有してなる蓄熱材組成物である。
(2)前記(1)項に記載の蓄熱材組成物においては、水の配合割合が、前記イミド化合物の体積に対し、10〜200体積%であることが好ましい。
(3)また、本発明の蓄熱装置は、容器中に蓄熱材組成物が充填された蓄熱体が、蓄熱槽中に配置されている蓄熱槽を有する蓄熱装置であって、前記蓄熱材組成物が前記(1)項〜(2)項のいずれかに記載の蓄熱材組成物であることを特徴とする。
(4)前記(3)項に記載の本発明の蓄熱装置においては、蓄熱体の最短部分の径が1cm以上であることが好ましい。
(5)また、前記(3)項〜(4)項のいずれかに記載に記載の本発明の蓄熱装置においては、前記蓄熱装置が、熱源機、蓄熱槽、熱輸送媒体、蓄熱モードで熱輸送媒体が流れる配管および放熱モードで熱輸送媒体が流れる配管を有する蓄熱および放熱が可能な蓄熱装置であることが好ましい。
本発明によれば、30〜60℃の範囲などの比較的低温の熱も回収可能で、しかも蓄熱量の大きい温熱用蓄熱材組成物並びに当該蓄熱材組成物を用いた比較的低温の熱も回収可能で、しかも大きな蓄熱量を与える蓄熱装置を提供できる。
本発明の実施例1の蓄熱材組成物の蓄熱温度、蓄熱量を示差走査熱量計で測定した水の配合比に対する蓄熱温度、蓄熱量の測定結果を示すグラフ。 本発明の蓄熱装置と、更に熱交換器、熱利用手段(熱負荷)部分までを含めた一態様を説明するための構成概念図。 本発明の蓄熱装置に用いる別の態様の蓄熱槽を示す概略断面概念図。
本発明で用いるイミド化合物としては、テトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−3−メチルチオプロピル)イミド及びテトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−4−メチルチオブチル)イミドから選ばれた少なくとも1種のイミド化合物である。
これらは単独で使用しても、組み合わせて使用してもよい。
これらのイミド化合物は、所定の温度以下では、水と結合して水和物を形成する(1水和物)。その際、発熱する。また、所定の温度以上では、前記イミド化合物の水和物の水は脱離して、前記イミド化合物と水に分かれる。その際、吸熱する。これらの所定温度を介した前記イミド化合物と水との結合/解離過程で生じる発熱/吸熱の潜熱を蓄熱に用いるものである。
前記所定の温度は、上述のように、水和物を形成する最高温度ないしは水和物の水の脱離が生じる最低温度であり、化合物により若干異なるが、30〜60℃の範囲内である。
例えば、テトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−3−メチルチオプロピル)イミドでは、30℃以下であると水と結合して水和物を形成し、30℃以上であると水と解離する。また、テトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−4−メチルチオブチル)イミドでは、45℃を境に水と結合/解離が起こる。
これらのイミド化合物は、特に限定するものではないが、例えば、次のような方法で合成できる。
テトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−3−メチルチオプロピル)イミドにおいては、メチオニン(2−アミノ−4−(メチルスルファニル)ブタン酸)にアルコール系溶媒を加え、冷却しながら、塩化チオニルを滴下して混合させる。10数時間時間攪拌した後、溶媒を除き、メチオニンメチルエステル塩酸塩(1)を得る。
次に、(1)にトリエチルアミンを加え、冷却しながら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を含む塩化メチレン溶液を滴下する。15時間攪拌すると、N−トリフルオロメタンスルフォニルメチオニンメチルエステル(2)を得る。(2)を水酸化ナトリウムで加水分解を行い、N−トリフルオロメタンスルホニルメチオニン(3)を得る。
蒸留水に(3)とヒドロキシテトラブチルホスフォニウムを加え、攪拌し、溶媒を除去することで、テトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−3−メチルチオプロピル)イミドが得られる。
テトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−4−メチルチオブチル)イミドにおいては、前述のメチオニン(2−アミノ−4−(メチルスルファニル)ブタン酸)の代わりに、2−アミノ−5−(メチルスルファニル)ペンタン酸を用いて同様にして合成できる。
参考までに、テトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−3−メチルチオプロピル)イミドの分子式を下記に示した。
Figure 0006247564
本発明の蓄熱材組成物における水の含有量は、前記イミド化合物に対して、通常10〜200体積%、好ましくは20〜150体積%、更に好ましくは30〜120体積%である。水の含有量が200体積%より多いと、蓄熱材組成物中のイミド化合物の含有量が減少して蓄熱量が小さくなっていく傾向になり、一方、10体積%より少ないと、前記イミド化合物と水との結合が少なくなり、その結果蓄熱量が小さくなっていく傾向になるので水の含有量は、上述の範囲が好ましい。
本発明で用いる蓄熱材組成物を調整する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、前記イミド化合物を5〜20℃に保ち、同じ程度の温度である5℃〜20℃の所定量の水と混合するなどの方法により調合することができる。すなわち前記イミド化合物が、水和物を形成できる範囲の温度範囲で水を添加して調整することが好ましい。
また、本発明で用いる蓄熱材組成物においては、必要に応じて、相分離防止剤、蒸気圧調整剤、伝熱促進剤、腐食防止剤、過冷却防止剤などの添加剤を添加して使用することもできる。
必要に応じて添加される添加剤のうち、相分離防止剤としては、例えば、シリカ、キサンタンガム、イソステアリン酸塩、イソステアリルアルコール、アタパルジャイト粘土、スターチ類、アセトンなどが挙げられる。また、蒸気圧調整剤としては、例えば、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。伝熱促進剤としては、例えば、膨張化グラファイトなどが挙げられる。腐食防止剤としては、例えば、フェノール類、アミン類、ヒドロキシアミン類などが挙げられる。過冷却防止剤としては、例えば、硫酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸銀、硫酸銀、塩化銀、ヨウ化銀などの無機塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸カルシウム、などの長鎖脂肪酸の有機塩などが挙げられる。
本発明の蓄熱材組成物は、蓄熱装置においては蓄熱槽中に配置されて用いられるが、その場合、通常、蓄熱材組成物をカプセルタイプの容器(マイクロカプセルは除かれる)、その他の適宜の密閉可能な容器に充填した蓄熱体の形にして用いられる。
蓄熱体の形状、大きさは、蓄熱材組成物を充填する容器の形状や大きさに依存するが、比較的小型のカプセルタイプの蓄熱体の場合、球形、楕円球形、直方体、立方体、角柱形、円柱形、多面体などで、特に限定するものではないが、好ましくは最短部分の径が1cm以上、最長部分の径が10cm以下の範囲の大きさが目安となる。形状や大きさが異なるカプセルタイプの容器を使用した蓄熱体を2種以上併用して用いてもよい。
比較的小型のカプセルタイプでなく、長い棒状とか長い板状の外形をした容器に蓄熱材組成物を充填して用いてもよい。この場合、長さは、蓄熱装置において用いる蓄熱槽の大きさに応じて適宜の長さとすればよく、長い棒状の場合の太さ、長い板状の厚さは、特に限定するものではないが1cm以上10cm以下の範囲が目安となる。
そのほか、蓄熱材組成物を充填する容器に関しては、特開2006−219557号公報、特開平10−153392号公報、特開平9−152286号公報、特開平8−94269号公報、特開昭59−27192号公報、実開昭58−176号公報などに開示された蓄熱容器などが挙げられる。
蓄熱材組成物を充填する容器の素材も、使用環境下で熱輸送媒体に溶解して消失したりせず、使用環境温度に耐え得る程度の耐熱性を有する素材など、使用温度範囲で蓄熱材組成物を封入した状態を保持できる材質で断熱性が特に大きくないものであれば特に制限はなく、通常、金属やプラスチックが用いられ、金属としては、ステンレススチール、銅、鉄、アルミニウムなど、プラスチックとしては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂、フェノール樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本件特許発明で用いる蓄熱材組成物は前述のような容器に充填して蓄熱体の態様にして、蓄熱装置の蓄熱槽に当該蓄熱体を充填配置して使用するが、例えば、図2に示す蓄熱槽のように、蓄熱材組成物がカプセルタイプの容器に収納されたカプセルタイプの蓄熱体を多数収容した蓄熱槽、図3や、特開2004−108761号などに示された外形が長い棒状や板状の容器中に蓄熱材組成物が収納された蓄熱体複数本を配置収容した蓄熱槽などに収容されて使用される。
次に、本発明の蓄熱装置は、蓄熱槽中に収容されている前記蓄熱体中に収納された蓄熱材組成物が本発明の蓄熱材組成物であることを特徴とする蓄熱装置であれば、各種の公知の蓄熱装置の態様が採用できる。
また、本発明の蓄熱装置は、より詳細には、熱源機、蓄熱槽、熱輸送媒体、蓄熱モードで熱輸送媒体が流れる配管および放熱モードで熱輸送媒体が流れる配管を有する蓄熱および放熱が可能な蓄熱装置において、蓄熱槽中に収容されている蓄熱体に充填された蓄熱材組成物が前記本発明の蓄熱材組成物からなる。
以下に、本発明の蓄熱装置の一例を、図2を用いて説明する。図2は本発明の蓄熱装置と、更に熱交換器、熱利用手段(熱負荷)部分までを含めた一態様を説明するための構成概念図である。
本発明の蓄熱装置において、蓄熱槽1には、熱輸送媒体が通過し得る支持板9の上部に蓄熱材組成物が充填された球形のカプセル型の蓄熱体2が充填配置されており、蓄熱モードで熱輸送媒体が流れる配管6(6a、6b)は、蓄熱槽1から熱源機3を介して蓄熱槽1に戻るよう配置されている。蓄熱槽1から熱源機3に熱輸送媒体が流れる配管が6a、熱輸送媒体が熱源機3から蓄熱槽1に戻るよう流れる配管が6bである。
一方、放熱モードで熱輸送媒体が流れる配管8(8a、8b)は、蓄熱槽1から熱交換器4を介して蓄熱槽1に戻るよう配置されている。蓄熱槽1から熱交換器4に熱輸送媒体が流れる配管が8a、熱交換器4で放熱された熱輸送媒体が蓄熱槽1に戻るよう配置されている配管が8bであり、7aと7bは、蓄熱モードで熱輸送媒体を蓄熱槽1から熱源機3を介して蓄熱槽1に戻るように蓄熱モードで熱輸送媒体を流す場合と、放熱モードで蓄熱槽1から熱交換器4を介して蓄熱槽1に戻るように、蓄熱モードの場合とは熱輸送媒体が蓄熱槽1を逆方向に流す場合とを切り替えるための三方コックである。
蓄熱モードの場合、熱源機3で熱輸送媒体に蓄熱し、蓄熱された熱輸送媒体は、配管6bを通り、蓄熱槽1に入り、蓄熱槽1に充填されている蓄熱体2中の本発明の蓄熱材組成物に放熱することにより蓄熱体2中の本発明の蓄熱材組成物の水和物の水が脱離し、吸熱することにより蓄熱する。かくして、放熱された熱輸送媒体は、配管6aから熱源機3に戻り、蓄熱槽1中の蓄熱材組成物が必要な程度に蓄熱されるまで同じ経路を循環する。蓄熱槽1中の蓄熱材組成物が必要な程度に蓄熱された場合、三方コック7aと7bを切り替えて放熱モードにする。放熱モードでは、配管8bから蓄熱槽1に流れた放熱されて温度が低下した熱輸送媒体(蓄熱材組成物が水和物を形成するか水を解離するかの境界温度より低い温度になった熱輸送媒体)が蓄熱槽1中の蓄熱材組成物が充填されている蓄熱された蓄熱体からの熱移動により加熱され(イミド化合物が水和物を形成し、発熱する)、配管8aを通り本発明の蓄熱装置外部の熱交換器4で熱移動され暖房や、給湯、その他の熱負荷(熱利用手段5)に利用される。11aと11bは、熱交換器4から熱利用手段5への熱媒体を循環するための配管である。尚、蓄熱槽1において10は蓄熱体の充填されていない部分である。この部分は必要に応じて設ければよく、支持板9なしにして、この部分まで蓄熱体が充填されている態様としてもよい。また、熱輸送媒体の流通や、熱交換器4から熱利用手段5への熱媒体の循環に必要なポンプは、図示していないが、これらの媒体の必要な流れを達成できればよく、ポンプを設ける必要がある場合には、配管の適宜の位置に設置すればよい。
なお、図示していないが、図2において、熱交換器4を設けずに、放熱モードで熱輸送媒体が流れる配管8(8a、8b)を、直接、熱利用手段5に接続した態様、あるいは、例えば特開2006−292206号公報に示される如く、放熱モードの熱輸送媒体を直接給湯などとして利用する態様としてもよいことはもちろんである。
また、配管については、図2に示した蓄熱装置については、三方コック7aと7bと蓄熱槽1をつなぐ部分の配管を蓄熱モードでも放熱モードでも配管を共通にし、蓄熱モードや放熱モードに応じて三方コック7aと7bを、切り替える態様の装置を図示しているが、熱輸送媒体が流れる配管を蓄熱モード専用の配管と放熱モード専用の配管をそれぞれ蓄熱槽1に別々に接続するような、別々の配管としてもよい。この場合には、二方コックを、それぞれの配管の蓄熱槽1との接続近傍、すなわち図2の蓄熱槽1の上下方向を基準に説明すると、蓄熱モード専用の配管や放熱モード専用の配管の蓄熱槽1との上側の接続近傍と下側の接続近傍それぞれに設ければよい。すなわち、蓄熱モード専用の配管の蓄熱槽1の上側に接続する配管に1つ、下側に接続する配管に1つ、放熱モード専用の配管の蓄熱槽1の上側に接続する配管に1つ、下側に接続する配管に1つの少なくとも計4つのコックを設けて、蓄熱モードでの運転の際は放熱モード専用の配管に設けられた上記2つの二方コックを閉じて蓄熱モード専用の配管に設けられた上記2つの二方コックを開き、また、放熱モードでの運転の際は蓄熱モード専用の配管に設けられた上記2つの二方コックを閉じ、放熱モード専用の配管に設けられた上記2つの二方コックを開くことになる。
本発明の蓄熱装置については、配管は、上述したような機能を達成する蓄熱モードで熱輸送媒体が流れる配管および放熱モードで熱輸送媒体が流れる配管を有していれば、本発明の目的を達成できる限り、必要に応じて、特開2006−292206号に示されるような、バイパス管や、熱源側補助タンク、熱負荷(熱利用手段)側補助タンクなどを設けてもよい。
次に、図3に上記図2に示した蓄熱槽1とは異なる態様の蓄熱槽の態様を示す概略断面概念図を示した。すなわち図3では、蓄熱槽1中に充填されている蓄熱体の形状が、球形でなく、板状、ないし、棒状の外形の容器中に本発明の蓄熱材組成物が充填された態様の蓄熱槽である。
蓄熱槽1に設置される蓄熱体22が板状、ないし、棒状の外形の容器中に本発明の蓄熱材組成物が充填されており、蓄熱体位置固定具23で各蓄熱体22同士の間に熱輸送媒体が流通する通路を確保するよう蓄熱体22を保持し、蓄熱体22の下部には、熱輸送媒体が通過し得る支持板9を設けている。配管や熱源機、熱交換器、熱利用手段は、図2と同様であり、蓄熱槽1に設置される蓄熱体22の形状が異なる以外、図2を用いて説明したと同様の蓄熱装置とすることができ、同様に、蓄熱モードと放熱モードを切り替えて運転し、熱利用手段に熱を供給することができる。
以上、図示した態様以外に、本発明の蓄熱装置は、蓄熱槽中に収納されている蓄熱体に充填された蓄熱材組成物が前記本発明の蓄熱材組成物からなる蓄熱槽を有する蓄熱装置であれば、上記具体的に示した態様に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限り、各種の別態様としてもよい。
なお、熱源機に供給される熱の熱源としては、特に限定するものではないが、家庭用コージェネレーションシステム(“エコウィル”、“エネファーム”、それらで使用される燃料電池など)の排熱、ヒートポンプからの排熱、その他の比較的低い温度のものを熱源とすることが可能である。支障がない限り、より高温の熱源を使用してもよい。
蓄熱材組成物が水と結合して水和物を形成するときに発せられる熱の利用手段としては、即ち温熱負荷としては、特に限定されるものではないが、暖房、給湯その他各種の熱を利用する装置などに適用できる。
熱輸送媒体としては、蓄熱装置に使用される熱輸送媒体であれば特に限定されるものではないが、代表例としては、水、エチレングリコール水溶液あるいはプロピレングリコール水溶液などの不凍液などが挙げられる。尚、必要に応じて、支障をきたさない範囲で、蓄熱モードで使用される熱輸送媒体と放熱モードで使用される熱輸送媒体を異なる種類のものとすることも可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
メチオニン(2−アミノ−4−(メチルスルファニル)ブタン酸)20.1gにメタノール200gを加え、氷浴で1℃に冷却しながら、塩化チオニル19.4gを滴下して混合させた。1℃に保持しながら15時間攪拌した後、ロータリーエバポレーターで溶媒であるメタノールを除き、メチオニンメチルエステル塩酸塩(1)を得た。
次に、(1)25.2gにトリエチルアミン25.6gを加え、ドライアイス浴(−78℃)で冷却しながら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物43.0gを含む塩化メチレン溶液310gを少しずつ滴下した。その後、室温で15時間攪拌し、N−トリフルオロメタンスルフォニルメチオニンメチルエステル(2)を得た。(2)を1規定水酸化ナトリウムで加水分解を行い、N−トリフルオロメタンスルホニルメチオニン(3)を得た。
蒸留水に(3)とヒドロキシテトラブチルホスフォニウム(東京化成株式会社製)を加え、室温で13時間攪拌した。ロータリーエバポレーターで溶媒である水を除去することで、テトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−3−メチルチオプロピル)イミドを得た。
得られたテトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−3−メチルチオプロピル)イミド50gに種々の配合比で水(イオン交換水)を混合し、5℃の低温槽で12時間静置させ、蓄熱材組成物を得た。
得られた蓄熱材組成物の蓄熱温度、蓄熱量を、アルミニウムの密封セルを使用し、示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント社製、Q2000)で測定した。水の配合比に対する蓄熱温度、蓄熱量の測定結果を図1に示す。
本発明によれば、比較的低温の熱も回収可能で且つ蓄熱量の大きい温熱用蓄熱材が得られる。
(実施例2)
前述の実施例1におけるメチオニン(2−アミノ−4−(メチルスルファニル)ブタン酸)の代わりに、2−アミノ−5−(メチルスルファニル)ペンタン酸を用い、同様にしてテトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−4−メチルチオブチル)イミドを得た。
得られたテトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−4−メチルチオブチル)イミド50gに該化合物の体積に対し、配合比で50体積%の水(イオン交換水)を混合し、5℃の低温槽で12時間静置させ、蓄熱材組成物を得た。
得られた蓄熱材組成物の蓄熱温度、蓄熱量を、アルミニウムの密封セルを使用し、示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント社製、Q2000)で測定した結果、この蓄熱材組成物の蓄熱温度は45℃、蓄熱量290kJ/kgであった。
本発明の蓄熱材組成物は、蓄熱装置の蓄熱槽に収容されている蓄熱体に充填される蓄熱材組成物として使用できる。本発明の蓄熱装置は、家庭用コージェネレーションシステムの排熱、ヒートポンプからの排熱、その他の比較的低い温度のものを熱源とすることも可能であり、暖房、給湯その他各種の熱を利用する装置などに適用できる。
1 蓄熱槽
2 蓄熱体
3 熱源機
4 熱交換器
5 熱利用手段
6(6a、6b) 蓄熱モードで熱輸送媒体が流れる配管
7(7a、7b) 三方コック
8(8a、8b) 放熱モードで熱輸送媒体が流れる配管
9 熱輸送媒体が通過し得る支持板
10 蓄熱槽1において10は蓄熱体の充填されていない部分
11(11a、11b) 熱交換器4から熱利用手段5への熱媒体を循環するための配管
22 蓄熱体
23 蓄熱体位置固定具

Claims (5)

  1. テトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−3−メチルチオプロピル)イミド及びテトラブチルホスホニウムN−(トリフルオロメチルスルホニル)−N−(1−カルボキシル−4−メチルチオブチル)イミドから選ばれた少なくとも1種のイミド化合物と水を含有してなる蓄熱材組成物。
  2. 水の配合割合が、前記イミド化合物の体積に対し、10〜200体積%である請求項1に記載の蓄熱材組成物。
  3. 容器中に蓄熱材組成物が充填された蓄熱体が、蓄熱槽中に配置されている蓄熱槽を有する蓄熱装置であって、前記蓄熱材組成物が請求項1〜2のいずれかに記載の蓄熱材組成物であることを特徴とする蓄熱装置。
  4. 蓄熱体の最短部分の径が1cm以上である請求項3に記載の蓄熱装置。
  5. 前記蓄熱装置が、熱源機、蓄熱槽、熱輸送媒体、蓄熱モードで熱輸送媒体が流れる配管および放熱モードで熱輸送媒体が流れる配管を有する蓄熱および放熱が可能な請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の蓄熱装置。
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