JP6246644B2 - 貨物海上中継用浮体、貨物海上中継システム、貨物海上輸送システム、貨物海上中継方法、及び、貨物海上輸送方法 - Google Patents

貨物海上中継用浮体、貨物海上中継システム、貨物海上輸送システム、貨物海上中継方法、及び、貨物海上輸送方法 Download PDF

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Description

本発明は、環境規制海域と非環境規制海域の両方を通過して貨物を海上輸送する際に用いる船舶の環境対策を最適化できる貨物海上中継用浮体、貨物海上中継システム、貨物海上輸送システム、貨物海上中継方法、及び、貨物海上輸送方法に関する。
現在、海運業界においても、世界的に環境規制が強化され、この環境規制に対応することが、全ての船舶において必要とされており、特に、一般海域と比べて、環境規制領域(ECA:Emission Control Area)では、より厳しい規制対応が求められており、環境規制領域を航行する船舶は、全てその規制に対応した高環境対策仕様の船舶となる。
この高環境対策仕様の内容としては二酸化炭素の削減やバラスト水の処理や、NOxやSOxの排出の低減についての規制がなされており、今後さらに厳しい規制が行われる予定である。
従来技術においては、例えば、図6に示すように、貨物海上輸送システム60は、第1の環境規制領域R1と公海等の非環境規制領域Rfと第2の環境規制領域R2の全体の1つの航路LXを同じ船舶2Xで貨物輸送しており、そのため、この航路LXを航行する船舶2Xの全てを、第1の環境規制領域R1における環境規制に対応する仕様にすると共に、第2の環境規制領域R2の環境規制が、第1の環境規制領域R1における環境規制とは別の環境規制であれば、この第2の環境規制領域R2における環境規制にも対応する仕様にする必要がある。
これに関連して、このような環境規制の一つであるSOx排出規制海域に対応するために、低硫黄燃料を使用しなければならないような燃料規制海域を通過する船舶において、燃料切替え海域の周囲をアラーム海域として、また、このアラーム海域の周囲にプレワーニング海域をそれぞれ設定し、自船がプレワーニング海域に至ったときは燃料切替え準備のためのワーニングを発し、自船がアラーム海域に至ったときは燃料切替えのためのアラームを発すると共に、自動的に燃料切替え作動を行わせるようにした船舶における燃料自動切替システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような燃料自動切替システムの搭載は、一般燃料用のストレージタンクと低硫黄燃料用のストレージタンクの搭載とそれぞれの燃料供給システムの搭載を前提とするので、対象となる船舶が大型化するにつれて、大きな改造が必要になり、高コストになるという問題がある。
一方、貯留設備や荷積込設備のない港湾から被搬送物を運搬船に積み込める中継基地の役割を果たすスラリー船を利用したスラリー荷役設備が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このスラリー荷役設備では、沖合に係留されたスラリー船に、スラリー荷役装置とスラリーの脱水後の被搬送物を倉口から搬出可能なグラブ付クレーンとベルトコンベア装置と、このスラリー船に横付けされた運搬船に被搬送物を荷積可能な荷積み用ベルトコンベア装置を設けている。
これにより、接岸できない港湾で港湾設備および貯留設備を建設しなくても運搬船に被搬送物を荷積する中継基地として使用することができ、費用も設備建設コストに比べて安くでき、しかも、容易に移動できるため、採鉱場を掘り尽くした後には、また別の採鉱場の沖合に係留して使用することができ、効率よく使用することができるとされている。
しかしながら、このスラリー荷役設備では、スラリーをスラリー貨物船の船倉にスラリー荷役装置によりスラリー移送して、このスラリーを船倉内で脱水して貯留し、この脱水された被搬送物をグラブ付クレーンとベルトコンベア装置と、荷積み用ベルトコンベア装置で、運搬船の船倉に倉口から投入しており、一般的な貨物の荷役を中継するものではない。
特開2007−331484号公報 特開平6−127470号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、運航において航路の一部に設けられた環境規制領域を通過するという理由で、全ての船舶を環境規制領域を通過可能な高環境規制仕様の船舶とせず、一部の船舶のみを高い環境規制に対応させて環境規制領域を通過させると共に、他の船舶を非環境規制領域仕様の船舶として非環境規制領域のみを通過させて、船隊計画において船舶調達コストを低く抑えることができる、貨物海上中継用浮体、貨物海上中継システム、貨物海上輸送システム、貨物海上中継方法、及び、貨物海上輸送方法を提供することにある。
上記のような目的を達成するための貨物海上中継用浮体は、貨物倉と、船舶を接舷又は係留する船舶係止機構と、該船舶係止機構に接舷又は係留された前記船舶と前記貨物倉との間で貨物を移送する荷役機構と、位置保持機構と、姿勢を制御する姿勢制御機構と、前記荷役機構と前記姿勢制御機構を作動するための動力供給機構とを備えると共に、前記貨物倉は、複数種類の貨物を種類別に収納できるように複数備えて、海上輸送で輸送する複数種類の貨物を一時的に収容できるように構成され、前記荷役機構は、荷役クレーンからなるバラ積貨物とコンテナ用荷役機構と、輸送ポンプと輸送配管からなる液体用荷役機構の両方の荷役機構を備えて構成される。
この構成によれば、貨物海上中継用浮体において、船舶係止機構により接舷又は係留した第1の船舶から、貨物を貨物海上中継用浮体の貨物倉に荷役機構を用いて移送することができ、また、この貨物倉から、貨物を接舷又は係留した第2の船舶に移送することができるので、海上にて、貨物を一方の船舶から他方の船舶へ移送して、両方の船舶の間で貨物海上中継用浮体を中継基地にして積み替えることができる。
上記の貨物海上中継用浮体において、当該貨物海上中継用浮体は平面視で多角形に形成され、前記姿勢制御機構は、前記多角形の角部に設けたバラストタンクを備えて構成されると、貨物海上中継用浮体の重心位置から離れた位置に配置されることになるので、少量のバラスト水の移動で姿勢を制御できるようになる。
そして、前記位置保持機構として係留装置又は位置保持用の推進装置を備えると共に、前記姿勢制御機構としてバラストタンクとバラスト水移動システムを備えて構成すると、この係留装置又は位置保持用の推進装置により、貨物海上中継用浮体が潮流や風によって漂流することを防止できると共に、バラストタンクの間で、バラスト水を移動することにより、貨物の積み荷や揚げ荷に伴う貨物海上中継用浮体の姿勢変化を元の状態に容易に戻すことができるので、貨物海上中継用浮体と船舶との間で行う荷役を促進できる。
上記の貨物海上中継用浮体において、前記船舶係止機構に接舷又は係留する船舶のバラスト水を貯留する船舶用バラスト水タンクとバラスト水処理装置を備え、前記船舶用バラスト水タンクを船舶の航路に応じて別タンクとして構成すると、この貨物海上中継用浮体に接舷又は係留した船舶のバラスト水を貯蔵及び処理できるようになるので、これらの船舶にバラスト水処理装置を搭載する必要がなくなり、その分、これらの船舶を低コストの船舶とすることができる。
そして、上記の目的を達成するための貨物海上中継システムは、上記の貨物海上中継用浮体と、当該貨物海上中継用浮体から貨物の一部を受けることのできる第1の船舶と、当該第1の船舶よりも低い環境規制に対応し、前記貨物海上中継用浮体に貨物を移動させることのできる第2の船舶とからなり、第2の船舶の貨物搭載量が前記第1の船舶の貨物搭載量より大きくなるように構成するとともに、前記貨物海上中継用浮体の前記姿勢制御機構としてバラストタンクとバラスト水移動システムを備えて構成し、前記貨物海上中継用浮体を、前記荷役機構により、海上輸送で輸送する貨物を前記第1の船舶と前記第2の船舶のいずれか一方の船舶から他方の船舶へ前記貨物倉を介して移送して両方の船舶の間で積み替える際の中継基地とすると共に、前記貨物海上中継用浮体は、前記第1の船舶又は前記第2の船舶と前記貨物倉との間における貨物の移送の際は、前記バラスト水移動システムにより、貨物の積み荷や揚げ荷に伴う前記貨物海上中継用浮体の姿勢変化に対応して、バラスト水を前記バラストタンクの間で移動することにより前記貨物海上中継用浮体の姿勢を元の状態に戻すことを特徴とする。
これにより、第2の船舶から貨物を貨物海上中継用浮体に移動し、該貨物海上中継用浮体から、前記貨物の一部を、前記第2の船舶よりも高い環境規制に対応した第1の船舶に移動すると共に、前記第1の船舶若しくは第3の船舶から貨物を前記貨物海上中継用浮体に移動し、前記貨物海上中継用浮体から、前記第1の船舶若しくは前記第3の船舶から一度に移送された貨物より多い貨物を、前記第1の船舶若しくは前記第3の船舶よりも低い環境規制に対応した前記第2の船舶若しくは第4の船舶に移動する。
このシステムの構成によれば、環境規制領域内の港に近く、この環境規制領域の外の非環境規制領域に貨物海上中継用浮体を配置して位置保持し、環境規制領域内の港と環境規制領域外の貨物海上中継用浮体の間の環境規制領域を含む航路を航行するための高い環境規制に対応した第2の船舶若しくは第3の船舶と、貨物海上中継用浮体と公海と非環境規制領域を航路とする、低い環境規制に対応した、言い換えれば、高い環境規制には対応していない第1の船舶若しくは第4の船舶とを使い分けることにより、環境規制領域内の港と非環境規制領域との両方に跨る航路で、それぞれの領域で実情に即した環境対策を実施しながら海上輸送を行うことができるようになる。
また、上記の目的を達成するための貨物海上輸送システムは、上記の貨物海上中継用浮体と、 予め設定された第1の港と予め配置された前記貨物海上中継用浮体との間の予め設定された環境規制領域を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第1の船隊と、前記貨物海上中継用浮体と予め設定された第2の港との間の、前記第1の船隊の船舶よりも低い予め設定された環境規制に対応した船舶で構成する第2の船隊とを有してなり、前記貨物海上中継用浮体の前記姿勢制御機構としてバラストタンクとバラスト水移動システムを備えて構成し、前記貨物海上中継用浮体を、前記荷役機構により、海上輸送で輸送する貨物を前記第1の船隊の船舶と前記第2の船隊の船舶のいずれか一方の船舶から他方の船舶へ前記貨物倉を介して移送して両方の船舶の間で積み替える際の中継基地とすると共に、前記貨物海上中継用浮体は、前記第1の船隊の船舶又は前記第2の船隊の船舶と前記貨物倉との間における貨物の移送の際は、前記バラスト水移動システムにより、貨物の積み荷や揚げ荷に伴う前記貨物海上中継用浮体の姿勢変化に対応して、バラスト水を前記バラストタンクの間で移動することにより前記貨物海上中継用浮体の姿勢を元の状態に戻すことを特徴とする。
これにより、第1の港と第1の貨物海上中継用浮体との間の予め設定された環境規制領域を含む第1の航路は、前記環境規制領域を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第1の船隊に属する船舶で輸送し、前記貨物海上中継用浮体と第2の港との間の第2の航路は、前記第1の船隊の船舶よりも低い環境規制に対応した船舶で構成する第2の船隊に属する船舶で輸送する。
このシステムの構成によれば、貨物海上中継用浮体を非環境規制領域内に配置して位置保持し、第1の港と貨物海上中継用浮体との間の、環境規制領域を含む第1の航路を航行する高い環境規制に対応した第1の船隊の船舶と、第1の港に近く、非環境規制領域に設けられた貨物海上中継用浮体と公海と第2の港の間の、環境規制領域を含まない第2の航路を航行する第2の船隊の船舶とを使い分けることができる。
この使い分けにより、環境規制領域を通過する第1の船隊の船舶は、中距離の輸送となるため、第2の船隊の船舶に比べて小型化できる。また、環境規制領域を通過しない第2の船隊の船舶は、第1の船隊の船舶に比べて大型化することができる。
そして、これにより、運航において、航路の一部に設けられた環境規制領域を通過するという理由で、全ての船舶を環境規制領域を通過可能な高環境規制仕様の船舶とせず、一部の船舶のみを高い環境規制に対応させて環境規制領域を通過させると共に、他の船舶を非環境規制領域仕様の船舶として非環境規制領域のみを通過させることができるので、船隊計画において船舶調達コストを低く抑えることができる。
上記の貨物海上輸送システムにおいて、前記第1の船隊に属する船舶よりも、前記第2の船隊に属する船舶の載荷重量を大きくして構成すると次のような効果を奏することができる。
環境規制領域を通過する第1の船隊の船舶を載荷重量がより小さい中型船舶にすることで、載荷重量がより大きい大型船舶のみによる輸送計画と比べて、柔軟な輸送計画を立てることができるようになり、運行による燃料費用の改善を図ることができる。また、環境規制への対応においても、港に寄港する中型船舶は大型船舶と比べて小型の対応機器で済ますことができ、厳しい環境規制への対応に要する費用も低く抑えることができる。
また、環境規制領域を通過しない第2の船隊の船舶を大型船舶にすることで、環境規制への対応において、一般海域の環境規制に対応するのみで済むのでコストを節約できる。
あるいは、上記の目的を達成するための貨物海上輸送システムは、上記の貨物海上中継用浮体で、第1の貨物海上中継用浮体と第2の貨物海上中継用浮体を構成し、予め設定された第1の港と予め配置された前記第1の貨物海上中継用浮体との間の予め設定された第1の環境規制領域を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第1の船隊と、予め配置された前記第1の貨物海上中継用浮体と予め配置された前記第2の貨物海上中継用浮体との間の、前記第1の船隊の船舶よりも低い予め設定された環境規制に対応した船舶で構成する第2の船隊と、前記第2の貨物海上中継用浮体と予め設定された第2の港との間の予め設定された第2の環境規制領域を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第3の船隊とを有してなり、前記第1の貨物海上中継用浮体の前記姿勢制御機構としてバラストタンクとバラスト水移動システムを備えて構成するとともに、前記第2の貨物海上中継用浮体の前記姿勢制御機構としてバラストタンクとバラスト水移動システムを備えて構成し、前記第1の貨物海上中継用浮体を、前記荷役機構により、海上輸送で輸送する貨物を前記第1の船隊の船舶と前記第2の船隊の船舶のいずれか一方の船舶から他方の船舶へ前記貨物倉を介して移送して両方の船舶の間で積み替える際の中継基地として、前記第1の貨物海上中継用浮体は、前記第1の船隊の船舶又は前記第2の船隊の船舶と前記貨物倉との間における貨物の移送の際は、前記バラスト水移動システムにより、貨物の積み荷や揚げ荷に伴う前記第1の貨物海上中継用浮体の姿勢変化に対応して、バラスト水を前記バラストタンクの間で移動することにより前記第1の貨物海上中継用浮体の姿勢を元の状態に戻すと共に、前記第2の貨物海上中継用浮体を、前記荷役機構により、海上輸送で輸送する貨物を前記第2の船隊の船舶と前記第3の船隊の船舶のいずれか一方の船舶から他方の船舶へ前記貨物倉を介して移送して両方の船舶の間で積み替える際の中継基地として、前記第2の貨物海上中継用浮体は、前記第2の船隊の船舶又は前記第3の船隊の船舶と前記貨物倉との間における貨物の移送の際は、前記バラスト水移動システムにより、貨物の積み荷や揚げ荷に伴う前記第2の貨物海上中継用浮体の姿勢変化に対応して、バラスト水を前記バラストタンクの間で移動することにより前記第2の貨物海上中継用浮体の姿勢を元の状態に戻すことを特徴とする。
これにより、第1の港と第1の貨物海上中継用浮体との間の予め設定された第1の環境規制領域を含む第1の航路は、前記第1の環境規制領域を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第1の船隊に属する船舶で輸送し、前記第1の貨物海上中継用浮体と第2の貨物海上中継用浮体との間の第2の航路は、前記第1の船隊の船舶よりも低い環境規制に対応した船舶で構成する第2の船隊に属する船舶で輸送し、前記第2の貨物海上中継用浮体と第2の港との間の予め設定された第2の環境規制領域を含む第3の航路は、前記第2の環境規制領域を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第3の船隊に属する船舶で輸送する。
このシステムの構成によれば、第1の環境規制領域を含む第1の航路を航行する高い環境規制に対応した第1の船隊の船舶と、非環境規制領域のみの第2の航路を航行する第2の船隊の船舶と、第2の環境規制領域を含む第3の航路を航行する高い環境規制に対応した第3の船隊の船舶とを使い分けることができる。
これにより、運航において航路の一部に設けられた環境規制領域を通過するという理由で、全ての船舶を環境規制領域を通過可能な高環境規制仕様の船舶とせず、第1の船隊の船舶及び第3の船隊の船舶のみを高環境規制仕様の船舶にして環境規制領域を通過させると共に、第2の船隊の船舶を非環境規制領域仕様の船舶として非環境規制領域のみを通過させることができるので、船隊計画において船舶調達コストを低く抑えることができる。
上記の貨物海上輸送システムにおいて、前記第1の船隊に属する船舶よりも、前記第2の船隊に属する船舶の載荷重量を大きくして構成し、かつ、前記第3の船隊に属する船舶よりも、前記第2の船隊に属する船舶の載荷重量を大きくして構成すると、次のような効果を奏することができる。
つまり、第1及び第3の船隊の船舶を載荷重量がより小さい中型船舶にすることで、載荷重量がより大きい大型船舶のみによる輸送計画と比べて、柔軟な輸送計画を立てることができるようになり、運行による燃料費用の改善を図ることができる。また、厳しい環境規制への対応に要する費用も低く抑えることができる。また、第2の船隊の船舶を大型船舶にすることで、一般海域の環境規制に対応するのみで済むのでコストを節約でき、また、港のサイズの制限を受けない大型の船舶とすることができるので、輸送効率を上げることができる。
そして、上記の目的を達成するための貨物海上中継方法は、上記の貨物海上中継用浮体を用いる方法である。これにより、第2の船舶から貨物を貨物海上中継用浮体に移動し、該貨物海上中継用浮体から、前記貨物の一部を、前記第2の船舶よりも高い環境規制に対応した第1の船舶に移動すると共に、前記第1の船舶若しくは第3の船舶から貨物を前記貨物海上中継用浮体に移動し、前記貨物海上中継用浮体から、前記第1の船舶若しくは前記第3の船舶から一度に移送された貨物より多い貨物を、前記第1の船舶若しくは前記第3の船舶よりも低い環境規制に対応した前記第2の船舶若しくは第4の船舶に移動する。
また、上記の目的を達成するための貨物海上輸送方法は、上記の貨物海上輸送システムを用いる方法である。これにより、第1の港と第1の貨物海上中継用浮体との間の予め設定された環境規制領域を含む第1の航路は、前記環境規制領域を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第1の船隊に属する船舶で輸送し、前記貨物海上中継用浮体と第2の港との間の第2の航路は、前記第1の船隊の船舶よりも低い環境規制に対応した船舶で構成する第2の船隊に属する船舶で輸送する。
あるいは、上記の目的を達成するための貨物海上輸送方法は、上記の貨物海上輸送システムを用いる方法である。これにより、第1の港と第1の貨物海上中継用浮体との間の予め設定された第1の環境規制領域を含む第1の航路は、前記第1の環境規制領域を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第1の船隊に属する船舶で輸送し、前記第1の貨物海上中継用浮体と第2の貨物海上中継用浮体との間の第2の航路は、前記第1の船隊の船舶よりも低い環境規制に対応した船舶で構成する第2の船隊に属する船舶で輸送し、前記第2の貨物海上中継用浮体と第2の港との間の予め設定された第2の環境規制領域を含む第3の航路は、前記第2の環境規制領域を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第3の船隊に属する船舶で輸送する。
これらの方法によれば、それぞれの方法に対応する、上記の貨物海上中継用浮体、及び、貨物海上輸送システムと同様の効果を奏することができる。
本発明の貨物海上中継用浮体、貨物海上中継システム、貨物海上輸送システム、貨物海上中継方法、及び、貨物海上輸送方法によれば、運航において航路の一部に設けられた環境規制領域を通過するという理由で、全ての船舶を環境規制領域を通過可能な高環境規制仕様の船舶とせず、一部の船舶のみを高い環境規制に対応させて環境規制領域を通過させると共に、他の船舶を非環境規制領域仕様の船舶として非環境規制領域のみを通過させることができるので、船隊計画において船舶調達コストを低く抑えることができる。
また、これによって船舶のさらなる大型化や様々な環境対応仕様の船の開発・設計を実現し、環境規制が海域によってばらついているという実情に則した船舶の提供を可能にすることができる。
本発明に係る実施の形態の貨物海上中継用浮体の構成を模式的に示す平面図である。 図1の貨物海上中継用浮体の構成を模式的に示す側面図である。 本発明に係る実施の形態の貨物海上中継システム及び貨物海上中継方法を説明するための図である。 本発明に係る第1の実施の形態の貨物海上輸送システム及び貨物海上輸送方法を説明するための図である。 本発明に係る第2の実施の形態の貨物海上輸送システム及び貨物海上輸送方法を説明するための図である。 従来技術の貨物海上輸送システム及び貨物海上輸送方法を説明するための図である。
以下、本発明に係る実施の形態の貨物海上中継用浮体、貨物海上中継システム、貨物海上輸送システム、貨物海上中継方法、及び、貨物海上輸送方法について、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、本発明に係る実施の形態の貨物海上中継用浮体10は、貨物倉11と、船舶1、2を接舷又は係留する船舶係止機構と、この船舶係止機構に接舷又は係留された船舶1、2と貨物倉11との間で貨物を移送する荷役機構と、位置保持機構と、姿勢を制御する姿勢制御機構と、荷役機構と姿勢制御機構を作動するための動力供給機構とを備えて構成されるが、移動用の推進装置を備えずに構成される。
この貨物倉11は、海上輸送で輸送する一種類又は複数種類の貨物を一時的に収容するためのものであり、貨物の種類別に収納できるように貨物倉11を複数備えて構成される。また、船舶係止機構は、船舶1、2を接舷又は係留するための係船柱12やゴム材で作られた防舷材などで構成される。船舶1、2は係船柱12から例えば係留索1a、2a等を取って浮体10に係留される。
また、荷役機構として、バラ積貨物やコンテナ用には荷役クレーン13が設けられ、原油などの液体用には輸送ポンプと輸送配管が設けられる。また、位置保持機構として、水深や位置保持の精度などに応じて、係留索14とアンカー(図示しない)等の係留装置、位置保持の推進装置(図示しない)、または、必要に応じて、これらの両方を備えて構成される。これにより、貨物海上中継用浮体10が潮流や風によって漂流することを防止する。
また、姿勢制御機構として、バラストタンク15、及び、バラストポンプ(図示しない)とバラスト配管(図示しない)等のバラスト水移動システムを備えて構成する。このバラストタンク15は、少量のバラスト水の移動で姿勢を制御できるように、貨物海上中継用浮体10の重心位置から離れた位置に配置するのが好ましく、貨物海上中継用浮体10が平面視で、三角形や四角形等の多角形に形成された場合は、この多角形の角部(隅の部分)に配置することが好ましい。
これにより、貨物の積み荷や揚げ荷に伴う貨物海上中継用浮体10の姿勢の変化に対応して、バラスト水をバラストタンク15の間で移動することにより、元の状態に容易に戻すことができ、貨物海上中継用浮体10と船舶1、2との間で行う荷役を促進できる。
また、動力供給機構としては、ディーゼル発電機16等を備えて構成され、この発電した電力で直接、荷役クレーン13やバラストポンプ等を駆動する。なお、貨物の種類により防爆仕様が必要な場合には、電力で油圧ポンプや空気圧縮機を駆動して、油圧や空気圧(圧縮空気)を発生し、これらの駆動源により、防爆仕様が要求される場所の荷役クレーンやポンプを駆動する。
更に、接舷又は係留する船舶1、2のバラスト水を貯留する船舶用バラスト水タンク17、18とバラスト水処理装置19を備えて構成する。この船舶用バラスト水タンク17、18は、船舶1、2の航路に応じて別のタンクとする。例えば、公海上を航行する船舶1のバラスト水は、その船舶1が係留される場所に近い船舶用バラスト水タンク17に貯留され、沿海を航行したり、港に入ったりして、バラスト水に関する環境規制領域に入る船舶2のバラスト水は、その船舶2が係留される場所に近い船舶用バラスト水タンク18に貯留される。
この船舶用バラスト水タンク17、18に別々に貯留されたバラスト水は、必要に応じて、バラスト水処理装置19で、フィルタ処理やオゾン処理や薬品処理により微生物等を殺して、再度、別の船舶用バラスト水タンク17、18で貯留する。そして、船舶1、2は、必要に応じて、対応した船舶用バラスト水タンク17、18からバラスト水を供給される。
これにより、この貨物海上中継用浮体10に接舷又は係留した船舶1、2のバラスト水を貯蔵及び処理するようにして、これらの船舶1、2にバラスト水処理装置19を搭載する必要を無くして、その分低コストの船舶とする。
上記の構成の貨物海上中継用浮体10によれば、船舶係止機構により接舷又は係留した第1の船舶1(又は船舶2)から、貨物を貨物海上中継用浮体10の貨物倉11に荷役クレーン13等の荷役機構を用いて移送することができ、また、この貨物倉11から、貨物を接舷又は係留した第2の船舶2(又は船舶1)に移送することができるので、海上にて、貨物を船舶1(または船舶2)から他の船舶2(または船舶1)へ移送でき、積み替えることができる。
次に、本発明に係る実施の形態の貨物海上中継システム及び貨物海上中継方法について説明する。図3に示すように、この貨物海上中継システム30は、高い環境規制に対応していない第2の船舶S2と第4の船舶S4と、高い環境規制に対応している第1の船舶S1と第3の船舶S3との間の貨物の移送を行うシステムである。
そして、この貨物海上中継システム30は、第2の船舶S2から貨物を貨物海上中継用浮体10に移動し、この貨物海上中継用浮体10から、貨物の一部を、第1の船舶S1に移動するように構成される。それと共に、第1の船舶S1若しくは第3の船舶S3から貨物を貨物海上中継用浮体10に移動し、貨物海上中継用浮体10から、第1の船舶S1若しくは第3の船舶S3から一度に移送された貨物より多い貨物を、第2の船舶S2若しくは第4の船舶S4に移動するように構成される。
また、この実施の形態の貨物海上中継方法は、同様に、第2の船舶S2から貨物を貨物海上中継用浮体10に移動し、この貨物海上中継用浮体10から、貨物の一部を、第1の船舶S1に移動すると共に、第1の船舶S1若しくは第3の船舶S3から貨物を貨物海上中継用浮体10に移動し、貨物海上中継用浮体10から、第1の船舶S1若しくは第3の船舶S3から一度に移送された貨物より多い貨物を、第2の船舶S2若しくは第4の船舶S4に移動することを特徴とする方法である。
この貨物海上中継システム30、及び、貨物海上中継方法によれば、環境規制領域内の港に近く、この環境規制領域の外の非環境規制領域に貨物海上中継用浮体10を配置して位置保持し、環境規制領域内の港と環境規制領域外の貨物海上中継用浮体10の間の環境規制領域を含む航路を航行するための高い環境規制に対応した第1の船舶S1若しくは第3の船舶S3と、貨物海上中継用浮体10と公海等の非環境規制領域を航路とする、低い環境規制に対応した、言い換えれば、高い環境規制には対応していない第2の船舶S2若しくは第4の船舶S4とを使い分けることにより、環境規制領域内の港と非環境規制領域との両方に跨る航路で、それぞれの領域で実情に即した環境対策をしながら海上輸送を行うことができるようになる。
次に、本発明に係る第1の実施の形態の貨物海上輸送システム、及び、貨物海上輸送方法について説明する。図4に示すように、この貨物海上輸送システム40は、第1の港P1と第1の貨物海上中継用浮体10Aとの間の予め設定された第1の環境規制領域R1を含む第1の航路L1は、第1の環境規制領域R1を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第1の船隊に属する船舶1で輸送するように構成される。また、貨物海上中継用浮体10Aと第2の港P2との間の第2の航路L2は、第1の船隊の船舶1よりも低い環境規制に対応した船舶で構成する第2の船隊に属する船舶2で輸送するように構成される。
また、この第1の実施の形態の貨物海上輸送方法は、同様に、第1の港P1と第1の貨物海上中継用浮体10Aとの間の予め設定された第1の環境規制領域R1を含む第1の航路L1は、第1の環境規制領域R1を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第1の船隊に属する船舶1で輸送し、貨物海上中継用浮体10Aと第2の港P2との間の第2の航路L2は、第1の船隊の船舶1よりも低い環境規制に対応した船舶で構成する第2の船隊に属する船舶2で輸送することを特徴とする方法である。
さらに、第1の船隊に属する船舶1よりも、第2の船隊に属する船舶2の載荷重量を大きくして構成する。これにより、第1の環境規制領域R1を通過する第1の船隊の船舶1を載荷重量がより小さい中型船舶にすることで、載荷重量がより大きい大型船舶のみによる輸送計画と比べて、柔軟な輸送計画を立てることができるようになり、運行による燃料費用の改善を図ることができる。また、環境規制への対応においても、第1の港P1に寄港する中型の船舶1は大型の船舶2と比べて小型の対応機器で済ますことができ、厳しい環境規制への対応に要する費用も低く抑えることができる。
また、第1の環境規制領域R1を通過しない第2の船隊の船舶2を大型船舶にすることで、環境規制への対応において、一般海域Rfの環境規制に対応するのみで済むのでコストを節約できる。
この第1の実施の形態の貨物海上輸送システム40、及び、貨物海上輸送方法によれば、貨物海上中継用浮体10Aを非環境規制領域Rf内に配置して位置保持し、第1の港P1と貨物海上中継用浮体10Aとの間の、第1の環境規制領域R1を含む第1の航路L1を航行する高い環境規制に対応した第1の船隊の船舶1と、第1の港P1に近く、非環境規制領域Rfに設けられた貨物海上中継用浮体10Aと公海と第2の港P2の間の、第1の環境規制領域R1を含まない第2の航路L2を航行する第2の船隊の船舶2とを使い分けることができる。
この使い分けにより、第1の環境規制領域R1を通過する第1の船隊の船舶1は、中距離の輸送となるため、第2の船隊の船舶2に比べて小型化できる。また、第1の環境規制領域R1を通過しない第2の船隊の船舶2は、第1の船隊の船舶1に比べて大型化することができる。
そして、これにより、運航において航路(L1+L2)の一部に設けられた第1の環境規制領域R1を通過するという理由で、全ての船舶1、2を第1の環境規制領域R1を通過可能な高環境規制仕様の船舶とせず、一部の船舶1のみを高い環境規制に対応させて第1の環境規制領域R1を通過させると共に、他の船舶2を非環境規制領域仕様の船舶として、公海等の非環境規制領域Rfのみを通過させることができるので、船隊計画において船舶調達コストを低く抑えることができる。
次に、本発明に係る第2の実施の形態の貨物海上輸送システム50、及び、貨物海上輸送方法について説明する。図5に示すように、この貨物海上輸送システム50は、第1の港P1と第1の貨物海上中継用浮体10Aとの間の予め設定された第1の環境規制領域R1を含む第1の航路L1は、第1の環境規制領域R1を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第1の船隊に属する船舶1で輸送するように構成される。
また、第1の貨物海上中継用浮体10Aと第2の貨物海上中継用浮体10Bとの間の第2の航路L2は、第1の船隊の船舶1よりも低い環境規制に対応した船舶で構成する第2の船隊に属する船舶2で輸送するように構成される。
さらに、第2の貨物海上中継用浮体10Bと第2の港P2との間の予め設定された第2の環境規制領域R2を含む第3の航路L3は、第2の環境規制領域R2を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第3の船隊に属する船舶3で輸送するように構成される。
また、この第2の実施の形態の貨物海上輸送方法は、同様に、第1の港P1と第1の貨物海上中継用浮体10Aとの間の予め設定された第1の環境規制領域R1を含む第1の航路L1は、第1の環境規制領域R1を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第1の船隊に属する船舶1で輸送し、第1の貨物海上中継用浮体10Aと第2の貨物海上中継用浮体10Bとの間の第2の航路L2は、第1の船隊の船舶1よりも低い環境規制に対応した船舶で構成する第2の船隊に属する船舶2で輸送し、第2の貨物海上中継用浮体10Bと第2の港P2との間の予め設定された第2の環境規制領域R2を含む第3の航路L3は、第2の環境規制領域R2を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第3の船隊に属する船舶3で輸送することを特徴とする方法である。
更に、第1の船隊に属する船舶1よりも、第2の船隊に属する船舶2の載荷重量を大きくして構成し、かつ、第3の船隊に属する船舶3よりも、第2の船隊に属する船舶2の載荷重量を大きくして構成する。これにより、第1及び第3の船隊の船舶1、3を中型船舶にすることで、大型船舶のみによる輸送計画と比べて、柔軟な輸送計画を立てることができるようになり、運行による燃料費用の改善を図ることができる。また、厳しい環境規制への対応に要する費用も低く抑えることができる。
また、第2の船隊の船舶2を大型船舶にすることで、一般海域Rfの環境規制に対応するのみで済むのでコストを節約でき、また、港P1、P2のサイズの制限を受けない大型の船舶とすることができるので、輸送効率を上げることができる。
この第2の実施の形態の貨物海上輸送システム50、及び、貨物海上輸送方法によれば、第1の環境規制領域R1を含む第1の航路L1を航行する高い環境規制に対応した第1の船隊の船舶1と、非環境規制領域Rfの第2の航路L2を航行する第2の船隊の船舶2と、第2の環境規制領域R2を含む第3の航路L3を航行する高い環境規制に対応した第3の船隊の船舶3とを使い分けることができる。
なお、第1の環境規制領域R1の環境規制の内容と、第2の環境規制領域R2の環境規制の内容とが同じ場合には、第1の船隊の船舶1と第3の船隊の船舶3の環境規制仕様は同じにすればよいが、第1の環境規制領域R1の環境規制の内容と、第2の環境規制領域R2の環境規制の内容とで、規制の項目や規制量等が異なる場合には、第1の船隊の船舶1と第3の船隊の船舶3の環境規制対策をそれぞれの環境規制に対応した環境規制仕様にする必要がある。
これにより、運航において航路の一部に設けられた環境規制領域R1、R2を通過するという理由で、全ての船舶1、2、3を環境規制領域R1、R2を通過可能な高環境規制仕様の船舶とせず、第1の船隊の船舶1及び第3の船隊の船舶3のみを高環境規制仕様の船舶にして環境規制領域R1、R2を通過させると共に、第2の船隊の船舶2を非環境規制領域仕様の船舶として非環境規制領域Rfを通過させて、船隊計画において船舶調達コストを低く抑えることができる。
本発明の貨物海上中継用浮体、貨物海上中継システム、貨物海上輸送システム、貨物海上中継方法、及び、貨物海上輸送方法は、運航において航路の一部に設けられた環境規制領域を通過するという理由で、全ての船舶を環境規制領域を通過可能な高環境規制仕様の船舶とせず、一部の船舶のみを高い環境規制に対応させて環境規制領域を通過させると共に、他の船舶を非環境規制領域仕様の船舶として非環境規制領域を通過させて、船隊計画において船舶調達コストを低く抑えることができるので、環境規制領域と非環境規制領域の両方を航路とするような貨物海上輸送に利用することができる。
1 第1の船舶(第1の環境規制仕様:第1の船隊に属する船舶)
2 第2の船舶(第2の船隊に属する船舶)
2X 船舶(第1と第2の環境規制仕様)
3 第3の船舶(第2の環境規制仕様:第3の船隊に属する船舶)
10 貨物海上中継用浮体
10A 第1の貨物海上中継用浮体
10B 第2の貨物海上中継用浮体
11 貨物倉
12 係船柱(船舶係止機構)
13 荷役クレーン(荷役機構)
14 係留索(位置保持機構)
15 バラストタンク(姿勢制御機構)
16 ディーゼル発電機(動力供給機構)
17、18 船舶用バラスト水タンク
19 バラスト水処理装置
30 貨物海上中継システム
40、50、60 貨物海上輸送システム
L1 第1の航路
L2 第2の航路
L3 第3の航路
P1 第1の港
P2 第2の港
R1 第1の環境規制領域
R2 第2の環境規制領域
Rf 一般海域(非環境規制領域)
S1 第1の船舶(高い環境規制に対応)
S2 第2の船舶(高い環境規制に非対応)
S3 第3の船舶(高い環境規制に対応)
S4 第4の船舶(高い環境規制に非対応)

Claims (11)

  1. 貨物倉と、船舶を接舷又は係留する船舶係止機構と、該船舶係止機構に接舷又は係留された前記船舶と前記貨物倉との間で貨物を移送する荷役機構と、位置保持機構と、姿勢を制御する姿勢制御機構と、前記荷役機構と前記姿勢制御機構を作動するための動力供給機構とを備えると共に、
    前記貨物倉は、複数種類の貨物を種類別に収納できるように複数備えて、海上輸送で輸送する複数種類の貨物を一時的に収容できるように構成され、
    前記荷役機構は、荷役クレーンからなるバラ積貨物とコンテナ用荷役機構と、輸送ポンプと輸送配管からなる液体用荷役機構の両方の荷役機構を備えている
    ことを特徴とする貨物海上中継用浮体。
  2. 当該貨物海上中継用浮体は平面視で多角形に形成され、前記姿勢制御機構は、前記多角形の角部に設けたバラストタンクを備えていることを特徴とする請求項1に記載の貨物海上中継用浮体。
  3. 前記船舶係止機構に接舷又は係留する船舶のバラスト水を貯留する船舶用バラスト水タンクとバラスト水処理装置を備え、前記船舶用バラスト水タンクを船舶の航路に応じて別タンクとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の貨物海上中継用浮体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の貨物海上中継用浮体と、当該貨物海上中継用浮体から貨物の一部を受けることのできる第1の船舶と、当該第1の船舶よりも低い環境規制に対応し、前記貨物海上中継用浮体に貨物を移動させることのできる第2の船舶とからなり、第2の船舶の貨物搭載量が前記第1の船舶の貨物搭載量より大きくなるように構成するとともに、
    前記貨物海上中継用浮体の前記姿勢制御機構としてバラストタンクとバラスト水移動システムを備えて構成し、
    前記貨物海上中継用浮体を、前記荷役機構により、海上輸送で輸送する貨物を前記第1の船舶と前記第2の船舶のいずれか一方の船舶から他方の船舶へ前記貨物倉を介して移送して両方の船舶の間で積み替える際の中継基地とすると共に、
    前記貨物海上中継用浮体は、前記第1の船舶又は前記第2の船舶と前記貨物倉との間における貨物の移送の際は、前記バラスト水移動システムにより、貨物の積み荷や揚げ荷に伴う前記貨物海上中継用浮体の姿勢変化に対応して、バラスト水を前記バラストタンクの間で移動することにより前記貨物海上中継用浮体の姿勢を元の状態に戻すことを特徴とする貨物海上中継システム。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の貨物海上中継用浮体と、
    予め設定された第1の港と予め配置された前記貨物海上中継用浮体との間の予め設定された環境規制領域を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第1の船隊と、
    前記貨物海上中継用浮体と予め設定された第2の港との間の、前記第1の船隊の船舶よりも低い予め設定された環境規制に対応した船舶で構成する第2の船隊とを有してなり、
    前記貨物海上中継用浮体の前記姿勢制御機構としてバラストタンクとバラスト水移動システムを備えて構成し、
    前記貨物海上中継用浮体を、前記荷役機構により、海上輸送で輸送する貨物を前記第1の船隊の船舶と前記第2の船隊の船舶のいずれか一方の船舶から他方の船舶へ前記貨物倉を介して移送して両方の船舶の間で積み替える際の中継基地とすると共に、
    前記貨物海上中継用浮体は、前記第1の船隊の船舶又は前記第2の船隊の船舶と前記貨物倉との間における貨物の移送の際は、前記バラスト水移動システムにより、貨物の積み荷や揚げ荷に伴う前記貨物海上中継用浮体の姿勢変化に対応して、バラスト水を前記バラストタンクの間で移動することにより前記貨物海上中継用浮体の姿勢を元の状態に戻すことを特徴とする貨物海上輸送システム。
  6. 前記第1の船隊に属する船舶よりも、前記第2の船隊に属する船舶の載荷重量を大きくして構成したことを特徴とする請求項5に記載の貨物海上輸送システム。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の貨物海上中継用浮体で、第1の貨物海上中継用浮体と第2の貨物海上中継用浮体を構成し、
    予め設定された第1の港と予め配置された前記第1の貨物海上中継用浮体との間の予め設定された第1の環境規制領域を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第1の船隊と、
    予め配置された前記第1の貨物海上中継用浮体と予め配置された前記第2の貨物海上中継用浮体との間の、前記第1の船隊の船舶よりも低い予め設定された環境規制に対応した船舶で構成する第2の船隊と、
    前記第2の貨物海上中継用浮体と予め設定された第2の港との間の予め設定された第2の環境規制領域を航行可能な環境対策仕様の船舶で構成する第3の船隊とを有してなり、
    前記第1の貨物海上中継用浮体の前記姿勢制御機構としてバラストタンクとバラスト水移動システムを備えて構成するとともに、前記第2の貨物海上中継用浮体の前記姿勢制御機構としてバラストタンクとバラスト水移動システムを備えて構成し、
    前記第1の貨物海上中継用浮体を、前記荷役機構により、海上輸送で輸送する貨物を前記第1の船隊の船舶と前記第2の船隊の船舶のいずれか一方の船舶から他方の船舶へ前記貨物倉を介して移送して両方の船舶の間で積み替える際の中継基地として、
    前記第1の貨物海上中継用浮体は、前記第1の船隊の船舶又は前記第2の船隊の船舶と前記貨物倉との間における貨物の移送の際は、前記バラスト水移動システムにより、貨物の積み荷や揚げ荷に伴う前記第1の貨物海上中継用浮体の姿勢変化に対応して、バラスト水を前記バラストタンクの間で移動することにより前記第1の貨物海上中継用浮体の姿勢を元の状態に戻すと共に、
    前記第2の貨物海上中継用浮体を、前記荷役機構により、海上輸送で輸送する貨物を前記第2の船隊の船舶と前記第3の船隊の船舶のいずれか一方の船舶から他方の船舶へ前記貨物倉を介して移送して両方の船舶の間で積み替える際の中継基地として、
    前記第2の貨物海上中継用浮体は、前記第2の船隊の船舶又は前記第3の船隊の船舶と前記貨物倉との間における貨物の移送の際は、前記バラスト水移動システムにより、貨物の積み荷や揚げ荷に伴う前記第2の貨物海上中継用浮体の姿勢変化に対応して、バラスト水を前記バラストタンクの間で移動することにより前記第2の貨物海上中継用浮体の姿勢を元の状態に戻す
    ことを特徴とする貨物海上輸送システム。
  8. 前記第1の船隊に属する船舶よりも、前記第2の船隊に属する船舶の載荷重量を大きくして構成し、かつ、前記第3の船隊に属する船舶よりも、前記第2の船隊に属する船舶の載荷重量を大きくして構成したことを特徴とする請求項7に記載の貨物海上輸送システム。
  9. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の貨物海上中継用浮体を用いていることを特徴とする貨物海上中継方法。
  10. 請求項5又は6に記載の貨物海上輸送システムを用いていることを特徴とする貨物海上輸送方法。
  11. 請求項7又は8に記載の貨物海上輸送システムを用いていることを特徴とする貨物海上輸送方法。
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