次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用した例を説明する。尚、以下では、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機を例に説明する。
また「離席」は、通常、特別遊技(大当り遊技)が行われておらず、かつ、特別図柄の変動表示が行われない場合(特図保留数ゼロの場合)になされる可能性の高い行為である。よって、以下の離席に係る説明では、大当り遊技が行われておらず、かつ、特別図柄の変動表示が行われない場合を前提とする。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられており、この他、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67等も設けられている。本実施例では枠ランプ66をフルカラーのLEDによって構成している。
演出ボタン63は遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
また、図1に示すように、第1演出ボタン63aが設けられた上皿61の上面であって、第1演出ボタン63aの右側には、後述するCRユニット135に受け付けられた記録媒体(例えばカードやコイン)に記録された価値残高(有価残高)の範囲内での遊技球の貸出や記録媒体の返却等のために操作されるCR操作部130が設けられている。CR操作部130には、前述の遊技球の貸出を指示するための球貸ボタン130aと(図5を参照)、前述の記録媒体の返却を指示するための返却ボタン130bと(図5を参照)、記録媒体に記録されている価値残高(有価残高)を表示する図示しない残高表示部(度数表示LED)が設けられている。尚、本実施例のCRユニット135は、使用可能な記録媒体がプリペイドカードとされるカードユニットとして構成されている。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
また、遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7(演出表示装置)が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。
また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果、及び第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が10R大当りや15R大当りなどの大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目で演出図柄を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が2R大当りとなった場合には、「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出等の各種遊技演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。第1演出保留又は第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材14が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30(「第1可変入球口」ともいう)を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35(「第2可変入球口」ともいう)を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39が形成されている。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。尚、高確率状態は、特別遊技とは別に遊技者に付与される遊技上の特典の一つである。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例では、一般入賞口27を4個設けてあり、そのうちの3個を第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口とし、1個を第1大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口としている。第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「3」、第2始動口21の賞球数は「1」、第1大入賞口20および第2大入賞口35の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および3個の左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。
また、図3および図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態か左打ちを行うべき状態かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様が大当りを示す特定態様(大当り図柄)である場合には、停止表示された当り図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的に、図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が10R大当り(第1大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯して残りを消灯し、2R大当り(第2大当り)となった場合には、「jnkl」の4個のLEDを点灯して残りを消灯し、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯して残りを消灯する。また、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。停止表示態様については、第1特別図柄表示器41bと同様に、第2特別図柄当否判定の結果に応じて夫々異なる表示態様に定められているが、第2特別図柄当否判定の結果には、第1特別図柄当否判定の結果に含まれている2R大当りが存在せず、第1特別図柄当否判定では存在しない15R大当りが含まれている。特別図柄が停止表示される前には所定の変動表示時間(以下「変動時間」という)にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1参照)が含まれる。
また、払出制御基板110には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等の記録媒体に記録されている価値情報に基づいて遊技球の貸出(球貸し)を可能にする遊技球等貸出装置としてのCRユニット135が、CRユニット接続端子板132を介して接続されており、CRユニット接続端子板132には、球貸ボタン130aおよび返却ボタン130bが接続される球貸操作基板131が接続されている。CRユニット135は、当該CRユニット135による各種処理(各種信号出力、情報(データ)読み込み、照合、記録媒体排出等)の実行に係る制御を行う制御手段や当該制御に必要な各種データを記憶する記憶手段(ROM、RAMなど)、挿入された記録媒体(プリペイドカード)の排出を行う排出手段(排出機構)などを備えている。尚、CRユニット135は「記録媒体受付装置」の一態様を示すものである。
払出制御基板80は、図36に示すように、CRユニット接続端子板132を介してCRユニット135と各種信号をやり取りしている。具体的には、払出制御基板80には、CRユニット135内部の+18V電源を示す信号である電源信号(VL)や、CRユニット135が遊技球の貸し出し処理中であることを伝達する信号であるCRユニットREADY信号(BRDY)、CRユニット135が基本単位分(本実施例では25個)の遊技球の貸し出しを要求する信号である台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)などがCRユニット接続端子板132を介して入力されている。一方、払出制御基板80からは、CRユニット135に対して、遊技球の払出動作が可能であることを伝達する信号である台READY信号(PRDY)や、CRユニット135に基本単位分の遊技球の貸し出しが終了したことを伝達する信号である台端末貸出完了信号(EXS)などがCRユニット接続端子板132を介して出力されている。
CRユニット135は、図36に示すように、CRユニット接続端子板132を介して球貸操作基板131と各種信号をやり取りしている。具体的には、CRユニット135には、球貸操作基板131に接続された球貸ボタン130aからの球貸スイッチ信号や、球貸操作基板131に接続された返却ボタン130bからの返却スイッチ信号などがCRユニット接続端子板132を介して入力されている。一方、CRユニット135からは、球貸操作基板131に設けられた図示しない度数表示LEDへの度数表示LED信号などがCRユニット接続端子板132を介して出力されている。度数表示LEDは、CRユニット135に挿入された(受け付けられた)記録媒体に記録されている価値残高を残り度数として表示するもので、前述のCR操作部130に設けられた残高表示部を構成するものである。
また、球貸操作基板131には、球貸ボタン130aが操作されたことを検知する図示しない球貸ボタン検知スイッチ(図示せず)と、返却ボタン130bが操作されたことを検知する図示しない返却ボタン検知スイッチ(入力検知手段の一態様)とが設けられており、これら検知スイッチが各ボタンの操作を検知することで、前述の球貸スイッチ信号や返却スイッチ信号がCRユニット135に対して出力される。そして、球貸ボタン130aの操作に基づいて球貸スイッチ信号がCRユニット135に対して出力されると、CRユニット135は、球貸スイッチ信号の入力に基づいて前述の台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)を払出制御基板110に対して出力し、払出制御基板110は、台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)の入力に基づいて払出装置120を動作させて、貸球としての遊技球の払い出しを行う。また、返却ボタン130bの操作に基づいて返却スイッチ信号がCRユニット135に対して出力されると、CRユニット135は、返却スイッチ信号の入力に基づいて記録媒体(本実施例ではプリペイドカード)の排出を行う。つまり、返却ボタン130bや当該返却ボタン130bの操作に基づいて返却スイッチ信号をCRユニット135に対して出力する球貸操作基板131は、記録媒体の排出をCRユニット135に指示する手段として機能するものである。
ここで、本実施例では、返却ボタン130bを数秒だけ(例えば0.5秒〜1秒)押圧して当該押圧を解くと、当該押圧操作(第1入力態様)を返却ボタン検知スイッチ(図示せず)が検知して、返却スイッチ信号がCRユニット135に出力されて、これにより記録媒体がCRユニット135から排出されるものとなっている。これに加え、本実施例では、図5に示すように、球貸操作基板131がサブ制御基板90にも接続されており、返却ボタン130bを長めに(例えば3秒以上)押圧して当該押圧を解くと、当該押圧操作(第2入力態様)を返却ボタン検知スイッチが検知して、返却スイッチ信号がCRユニット135およびサブ制御基板90に出力されるものとなっている。返却スイッチ信号がサブ制御基板90に出力されると、当該返却スイッチ信号に基づいて、サブ制御基板90(サブ制御部)の制御下で後述の離席報知が行われる。この離席報知は、遊技ホール内の他の遊技者やホール店員等の第三者に対して、当該パチンコ遊技機1の遊技者は離席中である旨、すなわち、当該パチンコ遊技機1は既に確保されている旨を示すための報知演出である。
つまり、本実施例では、返却ボタン130bの操作によって「記録媒体の排出指示(排出指示入力)」と「離席報知の実行指示(離席指示入力)」を行えるようになっており、返却ボタン130bの1回の短押し(第1入力態様)によって「記録媒体の排出指示」を行い、返却ボタン130bの1回の長押し(第2入力態様)によって「記録媒体の排出指示」および「離席報知の実行指示」を行うものとなっている。球貸操作基板131は、返却ボタン検知スイッチによる返却ボタン130bの操作の検知に関し、「短押し(第1入力態様)」と「長押し(第2入力態様)」を区別して検知可能な回路構成を備えており、「短押し」を検知した場合には返却スイッチ信号をCRユニット135だけに出力し、「長押し」を検知した場合には返却スイッチ信号をCRユニット135およびサブ制御基板90に出力するものとなっている。このため、本実施例では、遊技者が遊技の途中で休憩等のために離席する場合や、これから遊技する台を予め確保しておく場合等において、返却ボタン130bを長押しすることで、例えば、上皿61や下皿62に遊技者の所持品等を置いて離席しなくとも、離席報知によって離席中である旨を外部(遊技ホール内の第三者)に示すことが可能となっている。
また、本実施例では、返却ボタン検知スイッチ(入力検知手段)が返却ボタン130bの「短押し」を検知した場合の返却スイッチ信号の入出力に係る信号線と、「長押し」を検知した場合の返却スイッチ信号の入出力に係る信号線とを別個に設けてある。このため、CRユニット135側では、返却スイッチ信号が入力した際の信号線(入力ポート)によって、当該入力した返却スイッチ信号が返却ボタン130bの「短押し」によるものなのか「長押し」によるものなのかを判別することが可能となっている。そして、CRユニット135の制御手段(図示せず)は、入力した返却スイッチ信号が「長押し」によるものである場合、当該返却スイッチ信号に基づく記録媒体の排出に際して、当該記録媒体に係る情報を読み取って当該情報をCRユニット135が備える所定の記憶手段(RAMなど)に記憶して、当該記憶を終えた記録媒体を排出(返却)する。このことから、本実施例では、返却ボタン130bや球貸操作基板131は、記録媒体の排出指示に加え、排出する記録媒体に係る情報の記憶をCRユニット135に対して指示する手段としても機能し得るものとなっている。尚、記録媒体に係る情報としては、例えば、記録媒体固有の情報(プリペイドカード固有のカード番号やコード番号など)やその時点での価値残高情報などが挙げられる。
このように構成された本実施例では、例えば、遊技者が休憩等のために遊技を中断して離席する際、返却ボタン130bを長押しすると、そのときCRユニット135に挿入(セット)されている記録媒体に係る情報がCRユニット135の記憶手段に記憶された上で当該記録媒体が排出されるとともに、サブ制御基板90(サブ制御部)の制御下で離席報知が行われる。この後、当該離席報知を行っているパチンコ遊技機1のCRユニット135に記録媒体が挿入されると、CRユニット135の制御手段(図示せず)は、当該挿入された記録媒体に係る情報と、先に記憶した記録媒体に係る情報との照合を行う。そして、両者の情報が合致すると、当該合致した旨を示す適合信号がCRユニット135から球貸操作基板131に対して出力され、その後、当該挿入された記録媒体に記録されている価値残高を度数表示LEDに表示させるための度数表示LED信号が球貸操作基板131に対して出力される。球貸操作基板131に適合信号の入力があると、離席報知を終了させるための信号(離席報知終了信号)が球貸操作基板131からサブ制御基板90に対して出力され、サブ制御基板90(サブ制御部)の制御下で行われている離席報知が終了する。これにより、例えば、離席した遊技者が離席報知中のパチンコ遊技機1に戻ってきて遊技を再開する際、離席の際に排出された遊技媒体をCRユニット135に挿入すれば、離席報知を終了させて遊技を再開することが可能となる。
尚、CRユニット135での記録媒体に係る情報の照合の結果、情報が合致した場合には、先に記憶した記録媒体に係る情報は消去される。また、CRユニット135に記憶された記録媒体に係る情報は、記憶後、所定時間(例えば60分)が経過することによっても消去される。さらに、原則、遊技者は知り得ない所定の記憶消去処理を遊技ホール店員がCRユニット135に対して施すことによっても、消去される。このように、時間経過による経過や遊技ホール店員による記憶消去処理を可能としているのは、離席報知の実行とともに記録媒体に係る情報の記憶がなされたパチンコ遊技機が、離席した遊技者が戻らずにそのままの状態で長期に亘って放置されると、その分、当該パチンコ遊技機の稼働低下を招くこととなり、このような場合には、当該パチンコ遊技機を他の遊技者に遊技してもらえるよう開放して、稼働低下の抑制を図れるようにするためである。尚、記憶消去処理としては、例えば、CRユニット135に対する所定の記憶消去用のコード入力や記憶消去用の記録媒体(記憶消去カード)の挿入、所定のリセットスイッチ操作に基づく初期化処理(リセット処理)等が挙げられる。
一方、離席報知を行っているパチンコ遊技機1のCRユニット135に記録媒体が挿入され、当該挿入された記録媒体に係る情報と、先に記憶した記録媒体に係る情報との照合の結果、情報が合致しなかった場合には、当該合致しなかった旨を示す信号として、度数表示LEDにてエラー表示を行うためのエラー表示信号がCRユニット135から球貸操作基板131に対して出力される。球貸操作基板131にエラー表示信号の入力があると、当該入力に基づいて度数表示LED(残高表示部)にてエラー表示が行われるだけで、離席報知終了信号がサブ制御基板90に出力されることはない。よって、この場合には、実行中の離席報知が終了せず、離席報知は行われたままとなることから、このような状況下で遊技が進められる可能性は極めて低い(ゼロ)といえる。
尚、CRユニット135にて前述の記録媒体に係る情報の記憶が行われるのは、CRユニット135に記録媒体が挿入されている(受け付けられている)状態で、返却ボタン130bが長押しされて当該操作を返却ボタン検知スイッチが検知した場合だけであり、CRユニット135に記録媒体が挿入されている状態で返却ボタン130bが短押しされた場合や、CRユニット135に記録媒体が挿入されていない(受け付けられていない)状態で返却ボタン130bが長押しされた場合には、前述の記録媒体に係る情報の記憶は行われない。
また、CRユニット135にて、前述の記録媒体に係る情報の照合が行われるのは、先の記録媒体の排出に際して当該記録媒体に係る情報がCRユニット135内のRAMに記憶された場合だけである。つまり、CRユニット135に記録媒体が挿入された(受け付けられた)際に、CRユニット135内のRAMに記録媒体に係る情報が記憶されていない場合には、前述の記録媒体に係る情報の照合は行われない。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたCRユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示にあわせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部または全部が視認できない状態になることがあり得るため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用マイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、可動装飾部材14は複数の装飾LED14cを含んで構成されており(図5、図48b参照)、装飾LEDの発光態様(点灯/消灯/点滅や発光色等)を決める発光パターンデータも、可動装飾部材14の動作パターンデータに含まれている。このため、可動装飾部材14の動作には、可動装飾部材14の上下動だけでなく、装飾LED14cの発光(点灯/点滅等)も含まれることとなる。
さらに演出制御用マイコン91は、前述の返却ボタン130bの長押しによって球貸操作基板131からサブ制御基板90に対して出力される返却スイッチ信号や、記録媒体に係る情報の照合結果(適合信号)を受けて球貸操作基板131からサブ制御基板90に対して出力される離席報知終了信号等に基づいて、離席報知の実行制御を行う。本実施例では、離席報知を主に、画像表示装置7や枠ランプ66を用いて行うこととしている。
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号がサブ制御基板90に入力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
さらにサブ制御基板90には、上皿センサ61aおよび下皿センサ62aが接続されている。上皿センサ61aおよび下皿センサ62aは、遊技者が何らかの物(携帯電話やタバコ、ライター等の所持品)を置くことが想定される上皿61や下皿62の所定部位に、その物(監視対象物)の存在を検知可能に設けられており、両センサの信号がサブ制御基板90に入力するものとなっている。上皿センサ61aおよび下皿センサ62aの何れか一方または両方が監視対象物の存在を検知すると、該当するセンサの信号(検知信号)がONとなる。上皿センサ61aおよび下皿センサ62aによる検知状況(信号)の監視(存否の判定)は、前述の返却ボタン130bの長押しに基づく返却スイッチ信号がサブ制御基板90に入力した際、演出制御用マイコン91によって行われる(後述のS4604)。その際、上皿センサ61aおよび下皿センサ62aの何れか一方または両方の信号がONになっている、すなわち、上皿61または下皿62の何れか一方または両方に物が存在している(置かれていると)、その検知信号に基づく報知処理が演出制御用マイコン91によって行われる。尚、上皿センサ61aおよび下皿センサ62aのことを「監視対象物センサ」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(取得情報判定手段)について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、図6に示すように、大当りとして「10R(ラウンド)第1大当り」、「2R第2大当り」、「10R第3大当り」、「15R第4大当り」及び「10R第5大当り」の5種類を設けている。「10R第1大当り」、「10R第3大当り」および「10R第5大当り」は、第1大入賞口30を用いた大当り遊技に係る大当りであって、第1大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が10回で、大入賞口30の開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。「2R第2大当り」は、第2大入賞口35を用いた大当り遊技に係る大当りであって、第2大入賞口35の開放回数(ラウンド数)が2回で、第2大入賞口35の開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき0.1秒の大当りである。「15R第4大当り」は、第1大入賞口30を用いた大当り遊技に係る大当りであって、第1大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が15回で、第1大入賞口30の開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。特別図柄表示部41は、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。
本実施例のパチンコ遊技機1では、発生(当選)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させる。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の10R第1大当り、2R第2大当りまたは15R第4大当りとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。これに対して、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の10R第3大当り又は10R第5大当りとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。このことから、10R第1大当り、2R第2大当り及び15R第4大当りは「確変大当り」として捉えることができ、10R第3大当り及び10R第5大当りは「非確変大当り(通常大当り)」として捉えることができる。また、2R第2大当りは、前述したように第2大入賞口35を1ラウンドにつき0.1秒で開放(一瞬開閉)させる大当りであり、このように極短時間で開放する第2大入賞口35に遊技球が入球する可能性は低く、したがって、第2大入賞口35への入球の基づく賞球を獲得できる可能性も低い。このような2R第2大当りは、所謂「突然確変大当り(突確)」と呼ばれるものであり、「出球無し確変大当り」ともいう。
尚、第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、10R第1大当りが40%、2R第2大当りが20%、10R第3大当りが40%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、15R第4大当りが60%、10R第5大当りが40%となっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく当否判定により大当りとなった場合には、第2大入賞口35が一瞬開閉するだけで賞球払い出しの実行可能性の低い(実質的に賞球払い出しの実行可能性が無い)2R第2大当りが出現せず、比較的高い確率で15R第4大当りとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄の大当り抽選)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄の大当り抽選)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数及び大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能、及び、開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動している。具体的に、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、その期間第2始動口が開状態となる。また時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとされる。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、10R第1大当り、2R第2大当り、15R第4大当りの何れかになった場合の特別遊技後の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態であり、遊技者にとってはいわゆる「確変状態」となる。
また、10R第3大当りになった場合と10R第5大当りになった場合の特別遊技後の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射すべき(右打ちすべきこと)ことを報知する。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aに向けて遊技球を発射すべきこと(左打ちすべきこと)を報知する。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
以上のように、本実施例のパチンコ遊技機1においては、大当り遊技が行われていない低確低ベース状態を基準とすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「通常遊技」として捉えることができる。一方、高確高ベース状態や低確高ベース状態は、低確低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な状態であることから、これら高確高ベース状態や低確高ベース状態を「特別遊技状態」もしくは「特別状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「特別遊技」として捉えることができる。
また、大当り遊技は、特別図柄を変動表示させて大当り図柄が停止表示されることで実行され得る遊技であって、遊技者にとっては、大入賞口(第1大入賞口30、第2大入賞口35)への遊技球の入球により多量の賞球を得ることが可能な有利な遊技であることから、大当り遊技を「特別遊技」として捉えることができ、当該大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」として捉えることができる。
また、低確低ベース状態や高確低ベース状態といった低ベース状態は、前述のように左打ちによって遊技球を左遊技領域3Aに進入させて遊技を進行させる状態であることから、低ベース状態を「左打ち状態」として捉えることができる。一方、低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態および第1大入賞口30や第2大入賞口35への遊技球の入球を狙う大当り遊技が行われる状態は、前述のように右打ちによって遊技球を右遊技領域3Bに進入させて遊技を進行させる状態であることから、高ベース状態や大当り遊技状態を「右打ち状態」として捉えることができる。そして、前述のように、高ベース状態(右打ち状態)では、低ベース状態(左打ち状態)に比べ第2始動口21が開放されやすく、第1始動口20よりも第2始動口21の方が遊技球の入球が容易となり、また、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特別図柄の当否判定で大当りとなるよりも、第2始動口21への遊技球の入球に基づく第2特別図柄の当否判定で大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このことから、左打ち状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「通常遊技」として捉えることができる。また、右打ち状態を「特別遊技状態」もしくは「特別状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「特別遊技」として捉えることができる。
また、高確低ベース状態は、低確低ベース状態と比較すると、ともに低ベース状態である点では一致するものの、高確率状態では特別図柄の確率変動機能が作動して特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる確率が低確率状態よりも高くなることから、高確低ベース状態も「特別遊技状態」もしくは「特別状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技も「特別遊技」として捉えることができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図37に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚、初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、実施例及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a等(図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)および電源断監視処理(S208)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S209)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否かを判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進む。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進むが、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否かを判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309に進むが、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に「1」を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部のうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否かを判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
遊技制御用マイコン81は、図12に示した始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図13に示す始動入球時処理(S205)を行う。始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。この処理は、直前の始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算している場合、特図2保留球数が「1」増加したと判定して(S315でYES)、S316に移行し、増加してなければ(S315でNO)、S319に移行する。S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S316)、読み出した取得乱数値の判定を行う(S317)。読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態に応じた大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定する。S317の処理は、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
次いでS318では、S317の事前判定の結果を示す情報、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報および変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報を含むコマンドデータを、始動入球コマンド(特図2始動入球コマンド)として生成し、この始動入球コマンドを主制御基板80のRAMに設けられたサブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S318)。
次いでS319では、前述の特図2と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。この処理は、直前の始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算している場合、特図1保留球数が「1」増加したと判定して(S319でYES)、S320に移行し、増加してなければ(S319でNO)、そのまま処理を終える。S320では、現在、低ベース状態であるか否かを判定し(S320)、低ベース状態でなければ(S320でNO)、そのまま処理を終え、低ベース状態であれば(S320でYES)、S321以降の処理に進む。ここで、現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例1では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するものとしている。このような構成において、例えば特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このような大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合(S320でNO)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わないこととしている。
尚、S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値の事前判定を行い(S322)、この事前判定の結果を示す情報(当否情報、大当り種別決定用乱数値を示す情報、変動パターン乱数値を示す情報)を含むコマンドデータを、始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド)として生成し、この始動入球コマンドを出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定された場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定された場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603,S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実行する。図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示領域7aに待機画面(デモ画面)用の画像(以下、単に「待機画面」という)を表示する待機画面表示処理中であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定で大当りとなる方が、第1特図保留に基づく当否判定で大当りとなるよりも、遊技者にとって利益の大きい大当り(本実施例では15R第4大当り)になりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
当否判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」と判定された場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でないと判定された場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、当否判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、当否判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプ、10R用ランプ及び15R用ランプの3個のLEDで構成されている。そして、例えば2R第2大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R▲10△15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、10R第1大当り、10R第3大当り又は10R第5大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、10R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△10R▲15R△」の様な表示態様となる。また、15R第4大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△10R△15R▲」の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図22)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」の何れかであるかを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」〜「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」の何れかであると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1、2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4乃至P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」の何れでもない、すなわち「3」又は「4」の何れかであると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3、4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8乃至P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONか否かを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12乃至P14の何れかが選択される。
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」か否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15乃至P18の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2乃至4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19乃至P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部85aの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(図22のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」か否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、及び確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、及び時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に進む。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第4大当り)か否かを判定する(S2002)。S2002で、大当りの種別が15R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「15」をセットし(S2003)、S2007の処理に移行する。
S2002で、大当りの種別が15R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、次いで大当りの種別が10R大当り(10R第1大当り、10R第3大当り又は10R第5大当り)か否かを判定する(S2004)。S2004で、10R大当りであると判定した場合(S2004でYES)、ラウンドカウンタの値に「10」をセットし(S2005)、S2007の処理に移行する。一方、S2004で、大当り種別が10R大当りでないと判定した場合(S2004でNO)、大当り種別は2R大当り(2R第2大当り)であるため、ラウンドカウンタの値に「2」をセットし(S2006)、S2007の処理に移行する。
S2007では、大当りの種類に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2007)、S2008の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口開放パターンは、大当りの種別に応じて定められており(図6参照)、15R大当りであれば、第1大入賞口30を1ラウンドにつき25秒開放させる開放動作を15回(15ラウンド分)行う開放パターンがセットされ、10R大当りであれば、第1大入賞口30を1ラウンドにつき25秒開放させる開放動作を10回(10ラウンド分)行う開放パターンがセットされ、2R大当りであれば、第2大入賞口35を1ラウンドにつき0.1秒開放させる開放動作を2回(2ラウンド分)行う開放パターンがセットされる。そして、夫々の大当り遊技において、S2007でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放動作が実行される。
S2008では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2008)。オープニングコマンドは、大当りの種別によって定められており、10R第1大当り用オープニングコマンド、2R第2大当り用オープニングコマンド、15R第4大当り用オープニングコマンド等、各大当りに対応して夫々設けられている。このセットされたオープニングコマンドによって、この後、対応するオープニング演出が実行される。そして、S2009で大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2009)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2010)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定された場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2011)、処理を終える。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFし(S2102)、次いで、時短フラグがONか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101でNOと判定された場合、確変フラグをOFFにすることなくS2103の処理に移行し、S2103でNOと判定された場合、時短フラグをOFFにすることなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞口30の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期か否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
S2106で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口30が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。尚、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターン、すなわち、前述のS2007でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させるべく、開閉部材を動作(開動作)させる。
一方、S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。S2112では、大入賞口開放動作中か否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。S2112で大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば、25s)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば、10球)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
一方、S2113で、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。尚、S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
S2115では、大入賞口閉鎖処理を行い(S2115)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開閉部材を動作(閉動作)させて、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖状態とする。また、大入賞口閉鎖処理では、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖状態に保つ閉鎖時間、すなわちインターバル時間をセットする。次いで、S2116でインターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116でインターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技を終了すると「0」になる。
そして、S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングか否かを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図21)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)ではまず、今回終了した大当り遊技が10R第1大当り、2R第2大当り又は15R第4大当りに係るものであるか否か、すなわち、確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、処理を終える。ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や、遊技店の1日の営業時間及び当該営業時間内に実行可能な特別図柄当否判定回数を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで、又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。尚、本実施例の様に、確変カウンタ及び時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回まで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグ及び時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、実際に次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
一方、S2201で、確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」をセットして(S2207)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで電源断監視処理(S208)を行う。電源断監視処理(S208)では図35に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、大当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、演出制御用マイコン91の動作について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例1では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S208)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。尚、演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106、及びランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に伴う特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理を行う(S4203)。この駆動データも、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。次いで、後述する離席報知処理(S4305)を行い、その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を行う(S4306)。
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)ではまず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
次に、S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4406の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4406では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4406)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4406でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4407)。変動演出終了処理(S4407)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4406で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4406でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4408の処理に移行する。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4408では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4408)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド(S2008参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107参照)、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114参照)、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119参照)等が該当する。S4408では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4408でNO)、S4410の処理に移行し、受信していれば(S4408でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出(大当り遊技関連演出)の実行に係る処理を行う(S4409)。例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ制御基板90のRAMの出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ制御基板90のRAMの出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ制御基板90のRAMの出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
最後にS4410の処理を行い、本処理を終える。S4410では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う(S4410)。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図42に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、S4501で、演出制御用マイコン91が変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例1では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値に基づいて、実行する演出図柄遊技演出の態様や予告演出、停止表示する演出図柄等を決定する。
次に、S4502で、演出制御用マイコン91により変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P22)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかが判別可能となる。尚、これらの変動パターン情報や遊技状態情報、図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
続いて、S4503で、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。本実施例1では、演出モードA,Bは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは低確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードD,Eは高確高ベース状態に制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Eのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。
次に、S4504で、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。本実施例では、演出モード(モードステータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それら複数の変動演出パターン決定テーブルのうちの何れかをセットする。
続いてS4505で、S4501において取得した変動演出決定用乱数及びS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)とが決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。またS4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数及び図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が15R大当りのときは「777」等の奇数図柄のゾロ目とされ、10R大当りのときは「666」等の偶数図柄のゾロ目とされる。また、リーチ有り外れのときは「787」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が選択されるようになっている。また、本実施例1では、2R大当りのときも、外れのときと同じ態様(バラケ目)で3個の演出図柄8L、8C、8Rを停止表示するものとしている。但し、2R大当りについては、「135」等の予め定めたチャンス目や「3★3」等の専用図柄を停止表示してもよい。尚、前述の演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。
S4505では、リーチ演出等を含む様々な変動演出の何れかに対応する変動演出パターンが、S4501〜S4504の処理の結果を受けて設定される(S4505)。そして、続くS4506で、S4505において設定した変動演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4506)、変動演出開始処理を終了する。S4506でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
尚、後述の離席報知処理(S4305)によって離席報知が行われる場合、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上に後述する離席報知画面(図44(B)を参照)を表示する。このため、離席報知が行われているとき(離席報知画面表示中)に、サブ制御基板90からの変動演出開始コマンドを画像制御基板100が受信したとしても、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動演出を実行せず、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)だけ実行する。
[離席報知処理]
次に、10msタイマ割り込み処理(S4010)において行われる離席報知処理(S4305)について説明する。図43に示すように離席報知処理(S4305)では、まず、現在、離席報知を実行中であるか否か(離席報知中か否か)を判定し(S4601)、離席報知中である場合(S4601でYES)、S4608の処理に移行し、離席報知中でない場合(S4601でNO)、S4602の処理に移行する。以下、離席報知中でない場合から順に説明する。
S4602では、球貸操作基板131からの返却スイッチ信号の入力があるか否か、すなわち、返却スイッチ信号がONであるか否かを判定する(S4602)。前述のように、本実施例は、遊技者が休憩等のために離席する場合や、これから遊技する台を予め確保しておく場合等において返却ボタン130bが長押しされると、球貸操作基板131からサブ制御基板90に対して返却スイッチ信号が出力されるものとなっている。S4602では、その返却スイッチ信号の入力の有無(ONか否か)を判定する。つまり、S4602は、返却ボタン130bが長押しされたか否か(第2入力態様の排出入力が行われたか否か)を判定する処理といえる。
そして、返却スイッチ信号の入力がないと判定した場合は(S4602でNO)、そのまま処理を終え、返却スイッチ信号の入力があると判定した場合(S4602でYES)、現在の遊技状態および監視対象物の存否を判定する(S4603,S4604)。ここで、本実施例では、返却ボタン130bが長押しされたとき(遊技者が離席する際)の遊技状態や、そのときの上皿61や下皿62における物(監視対象物)の存否によって、離席報知の実行態様(離席報知パターン)を異ならせるべく、複数の離席報知パターンを予め用意してあり、その離席報知パターンのデータがサブ制御基板90のROMに予め記憶してある。本実施例では、離席報知を主に、画像表示装置7や枠ランプ66を用いて行うこととしているが、このうち、枠ランプ66による離席報知について複数の離席報知パターンを設けてある。
本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技の進行に際し「低確低ベース状態(通常状態)」、「低確高ベース状態(時短状態)」および「高確高ベース状態(確変状態)」の3つの遊技状態のうちの何れかが設定されることから、これら3つの遊技状態に応じて離席報知パターンを定めている。そして、この遊技状態に応じた離席報知パターンに対して、さらに、上皿61や下皿62に物が置かれているか否かに応じた違いを付加している。このようにして定められた離席報知パターンを図44(A)に示す。
図44(A)に示すように、本実施例では離席報知パターンA〜Fの6つの離席報知パターンを有しており、「低確低ベース状態(通常状態)」、「低確高ベース状態(時短状態)」および「高確高ベース状態(確変状態)」の3つの遊技状態の各々について、上皿61や下皿62に物(監視対象物)が存在する場合と存在しない場合とが対応付けてある。それらのうち、例えば、離席時の状況として、遊技状態が「低確低ベース状態」で「監視対象物が「存在しない(なし)」の場合、離席報知パターンの種別は、枠ランプ66が青色で点灯する「離席報知パターンA」となり、遊技状態が「低確低ベース状態(通常状態)」で監視対象が「存在する(あり)」の場合、離席報知パターンの種別は、枠ランプ66が青色で点滅する「離席報知パターンB」となる。残りの遊技状態についても同様に、「低確高ベース状態」の場合は枠ランプ66が緑色で点灯または点滅するパターン(離席報知パターンC,D)となり、「高確高ベース状態」の場合は枠ランプ66が赤色で点灯または点滅するパターン(離席報知パターンE,F)となる。つまり、枠ランプ66による離席報知は、枠ランプ66の発光色によって遊技状態を示し、発光態様によって監視対象物の存否(上皿61や下皿62に物が置かれているか否か)を示すものとなっている。そして、上皿61や下皿62に物が置かれている場合には、枠ランプ66が点灯ではなく点滅するので、枠ランプ66による離席報知の態様がより目立つものとなっている。
また、本実施例では、離席報知の実行態様(離席報知パターン)として、離席報知の実行時間も定めている。この実行時間は、離席報知の開始から終了までの時間であり、換言すると、離席が許容される離席時間(離席期間)である。図44(A)に示すように、本実施例では、返却ボタン130bが長押しされたとき(遊技者が離席する際)の遊技状態が低確低ベース状態の場合(離席報知パターンA,B)は、離席報知の実行時間(離席時間、離席期間)が最大「45分」となり、低確高ベース状態と高確高ベース状態の場合(離席報知パターンC〜F)は、離席報知の実行時間(離席時間、離席期間)が最大「60分」となる。
ここで、低確低ベース状態での離席報知の実行時間(離席時間、離席期間)を、低確高ベース状態や高確高ベース状態での離席報知の実行時間(離席時間、離席期間)よりも短くしているのは、次の理由による。すなわち、低確高ベース状態や高確高ベース状態は、低確低ベース状態に比べ遊技を有利に進めることが可能な遊技状態であり、そのような遊技状態で遊技者が離席したとしても、その離席した遊技者が戻ってきて遊技を再開する可能性は極めて高いと考えられる。一方、低確低ベース状態は、遊技者にしてみれば何ら有利な状態とはいえず、離席したままそのパチンコ遊技機を放置したとしても、遊技上の損害を被る可能性は低いことから、離席した遊技者がそのまま戻ってこず、離席報知中のパチンコ遊技機がそのまま空台となって放置されることも十分あり得る。そこで、低確低ベース状態での離席報知の実行時間を低確高ベース状態や高確高ベース状態よりも短くし、低確低ベース状態にて離席した遊技者がなかなか戻らない場合には、離席報知を早めに終わらせて、他の遊技者による遊技を促してパチンコ遊技機の稼働低下の抑制を図れるようにしたのである。
一方、画像表示装置7による離席報知は、返却ボタン130bが長押しされたとき(遊技者が離席する際)の状況にかかわらず、同じ実行態様としている。具体的には、画像表示装置7では、離席報知中、図3に示すような演出図柄8や演出保留9a,9b等の変動演出(演出図柄遊技演出)に係る演出表示を実行不能とし、その代わりに、図44(B)示すように、無地の背景画像の略中央に「ただいま離席中」の文字画像を表示した離席報知画面を、画像表示装置7の表示画面7aに表示するものとしている。
以上のようにして離席報知を実行すべく、S4603およびS4604における遊技状態および監視対象物の存否の判定結果に基づいて、図44(A)に示す複数の離席報知パターンの中から対応する離席報知パターンを選択し(S4605)、その選択した離席報知パターンの実行時間を、離席経過時間計測用のタイマ(離席タイマRT)にセットする(S4606)。そして、S4607にて、S4605で選択した離席報知パターンに基づく離席報知を開始すべく、枠ランプ66の発光パターンを示すランプデータをサブ制御基板90のRAMの出力バッファにセットするとともに、前述の離席報知画面を表示するための離席報知画面指定コマンドをサブ制御基板90のRAMの出力バッファにセットする(S4607)。このセットされたランプデータがランプ制御基板107に出力されると、当該ランプデータに基づいて枠ランプ66が発光し、セットされた離席報知画面指定コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101が離席報知画面用の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7a上に離席報知画面を表示する。これにより、離席報知が開始される(S4607)。
また、離席報知の開始に伴い、S4604でセットした離席タイマRT(計時手段)の作動も開始される。これにより、離席報知開始からの経過時間(離席報知の実行時間)の計測も開始される。尚、本実施例の離席タイマRTはカウントダウン式のタイマ(カウントダウンタイマ)としている。よって、例えば、S4605で選択した離席報知パターンの実行時間が45分であれば、S4606で離席タイマRTに45分をセットして当該タイマの作動(計時)を開始し、その後、時間の経過に伴って、離席タイマRTの値が減っていく。
さらに、S4607では、離席報知の実行中(離席期間中)であることを示す図示しない離席報知フラグをONにして、処理を終える。離席報知フラグは、サブ制御基板90のRAMに設けられるもので、S4601の処理では、この離席報知フラグを参照することで、離席報知中(離席期間中)であるか否かを判定することが可能となる。
以上のようにして離席報知が開始されると、当該離席報知中(離席期間中)は、画像表示装置7の表示画面7a上に離席報知画面が表示され、表示画面7a上では、演出図柄8や演出保留9a,9b等の変動演出(演出図柄遊技演出)が実行不能となる。このような状況下では、仮に、特別図柄の変動表示が行われたとしても、それに伴う変動演出が行われないことから、変動演出を通じた遊技の状況や結果(当否判定結果)等の把握ができなくなる。よって、遊技者にしてみれば、離席報知中(離席期間中)は遊技を進行させることが実質的に不可能な状態となる。このことから、S4607でセットされた離席報知画面指定コマンドの受信に基づいて画像制御用マイコン101が画像表示装置7の表示画面7a上に離席報知画面を表示する処理は、少なくとも変動演出が実行されない状態(遊技制限状態)を設定する処理といえる。
次に、S4601の処理で離席報知中であると判定した場合(S4601でYES)、当該実行中の離席報知の終了条件が成立したか否かを判定する(S4608)。離席報知の終了条件としては、「離席報知終了信号の入力」、「離席報知の実行時間経過」および「離席報知終了指示入力」の3つを定めており、これらのうちの何れかが成立したと判定すると(S4608でYES)、S4609以降の処理に進み、何れも成立していないと判定すると(S4608でNO)、そのまま処理を終える。
前述の3つの終了条件のうち、「離席報知終了信号の入力」について、離席報知の開始後、その離席報知の実行時間(離席時間、離席期間)が経過する前に、当該離席報知中のパチンコ遊技機1に接続されたCRユニット135に記録媒体が挿入され、当該挿入された記録媒体に係る情報と、先に記憶した記録媒体に係る情報との照合の結果、両者が合致すると、これを示す適合信号がCRユニット135から球貸操作基板131に対して出力され、球貸操作基板131に適合信号の入力があると、離席報知終了信号が球貸操作基板131からサブ制御基板90に対して出力される。このように球貸操作基板131からの離席報知終了信号の入力があって、離席報知の終了条件が成立すると(S4608でYES)、前述のS4606でセットして作動を開始した離席タイマRTをゼロクリア(リセット)し(S4609)、離席報知を終了する(S4610)。S4610では、枠ランプ66の離席報知パターンによる発光を終了させるランプデータをサブ制御基板90のRAMの出力バッファにセットするとともに、離席報知画面の表示の終了を指示するコマンド(画面復帰コマンド)をサブ制御基板90のRAMの出力バッファにセットし、離席報知フラグをOFFにする。S4610でセットされたランプデータがランプ制御基板107に出力されると、離席報知パターンに基づく枠ランプ66の発光が終了し、セットされた画面復帰コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101が、画像表示装置7の表示画面7a上から離席報知画面を消去し、図3に示すような、演出図柄8や演出保留9a,9b等の変動演出(演出図柄遊技演出)に係る演出表示が実行可能となる画面表示を実行する。つまり、演出モードを含めて表示画面7aの表示態様が離席報知開始前の状態に戻る。
尚、離席報知の終了により、画像表示装置7の表示画面7aには演出図柄8や演出保留9a,9b等が表示され、変動演出(演出図柄遊技演出)に係る演出表示が実行可能となる。このことから、S4610でセットされた画面復帰コマンドの受信に基づいて画像制御用マイコン101が画像表示装置7の表示画面7a上に離席報知画面を消去して、変動演出が実行可能な画面表示を行う処理は、変動演出が実行されない状態(遊技制限状態)を解除する処理といえる。
また、前述の3つの終了条件のうち、「離席報知の実行時間経過」について、S4605で選択された離席報知パターンに対応する離席報知の実行時間が離席タイマRTにセットされ(S4606)、離席報知の開始後、「離席報知終了信号の入力」または「離席報知終了指示入力」による離席報知終了条件が成立することなく、離席タイマRTの値がゼロになると、離席報知開始の際に離席タイマRTにセットした実行時間の計測が完了して、今回の離席報知の実行時間(離席時間、離席期間)が経過したこととなる。このように離席報知の実行時間経過によって離席報知の終了条件が成立した場合にも、S4609およびS4610の処理を行って、離席報知を自動的(強制的)に終了する。このような時間経過に基づく離席報知の終了は、前述したパチンコ遊技機の稼働低下の抑制を図ることによるものである。
尚、離席報知の実行時間(離席時間、離席期間)の経過により離席報知が終了した場合、当該離席報知の実行契機となった返却ボタン130bの長押しに基づいてCRユニット135に記憶された記録媒体に係る情報が、消去されずに未だ記憶されて可能性がある。このように離席報知が終了している(行われていない)ものの、当該パチンコ遊技機に接続されたCRユニット135に未だ記録媒体に係る情報が記憶されている場合、その状況で遊技を開始しようとする遊技者は、例えば、遊技ホール店員を呼び、前述のような記憶消去処理をCRユニット135に対して施してもらうことで、記録媒体をCRユニット135に挿入して、当該記録媒体に記録された価値に基づき貸し出される遊技球を用いて遊技することが可能となる。
また、前述の3つの終了条件のうち、「離席報知終了指示入力」について、「離席報知終了指示」とは、実行中の離席報知を終了させるために外部から入力するパスワードやコマンド等の解除情報を意味する。離席報知の実行契機となる返却ボタン130bの長押しが、CRユニット135に挿入されていない状態で行われた場合、離席報知は行われるものの、CRユニット135による記録媒体に係る情報の記憶は行われない。この場合、当該離席報知をさせるための条件(離席報知解除条件)が、「記録媒体に係る情報の合致による離席報知終了信号の入力」とは別に必要となる。そこで、本実施例では、離席報知を終了させるための離席報知解除パスワードを、原則、遊技者は知り得ない解除情報として遊技ホールで管理するものとし、当該離席報知解除パスワードが離席報知の実行中に入力された場合に、離席報知の終了条件が成立することとしている(S4608でYES)。この場合にも、S4609およびS4610の処理を行って、実行中の離席報知を終了する。
この場合の離席報知解除パスワードの入力は、遊技ホール店員が行う。例えば、遊技者は知り得ない所定の画面呼出操作により離席報知解除パスワード入力画面を画像表示装置7の表示画面7aに表示させ、その離席報知解除パスワード入力画面にて、演出ボタン63(第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b)の操作により離席報知解除パスワードを入力する構成とすることが可能である。
[実施例1の効果]
以上のような実施例1のパチンコ遊技機1では、CRユニット135に記録媒体(本例ではプリペイドカード)が挿入されている状態で、遊技者による返却ボタン130bの押圧操作(排出入力)が「短押し」(第1入力態様)で行われ、当該操作を返却ボタン検知スイッチが検知すると、球貸操作基板131からCRユニット135に対して返却スイッチ信号が出力され、当該返却スイッチ信号の入力によりCRユニット135が記録媒体を排出する。
一方、CRユニット135に記録媒体が挿入されている状態で、遊技者による返却ボタン130bの押圧操作(排出入力)が「長押し」(第2入力態様)で行われ、当該操作を返却ボタン検知スイッチが検知すると、前述の「短押し」の場合と同様に記録媒体が排出されるが、「長押し」の場合には、記録媒体の排出に加え、サブ制御基板90(サブ制御部)の制御の下、枠ランプ66および画像表示装置7で離席報知が行われる。離席報知の実行に際しては所定の実行時間が設定され、この設定された実行時間にしたがって離席報知が行われる。つまり、設定される実行時間によって、離席が許容される離席時間(離席期間)が定まるものとなっている。
このような実施例1のパチンコ遊技機1によれば、例えば、遊技を止めて離席する場合(永続的な離席の場合)には返却ボタン130bを「短押し」し、休憩等のために離席する場合(一時的な離席の場合)には返却ボタン130bを「長押し」することで、永続的な離席の場合には記録媒体の排出だけを行い、一時的な離席の場合には、離席報知とともに記録媒体の排出を行うものとすることが可能となる。つまり、離席が永続的なのか一時的なのかにかかわらず記録媒体の排出を行い、一時的な離席の場合には、記録媒体の排出に加え離席報知も行うものとすることが可能となる。これにより、一時的な離席の際にパチンコ遊技機やその周辺に物を置いたり残したりしなくても、離席報知によって離席中である旨を示すことが可能となる。また、離席報知の実行契機が、CRユニット135に挿入された記録媒体の排出(返却)を指示する返却ボタン130bの操作(長押し)となっており、当該操作により記録媒体の排出も行われるので、永続的な離席だけでなく、一時的な離席においても、記録媒体の取り忘れの防止を図ることが可能となる。この結果、パチンコ遊技機やその周辺に何らかの物を置いたり残したりして離席する行為の低減を図り、離席に纏わるトラブル(紛失、盗難など)や不都合(稼働低下など)を未然に防ぐことが可能となる。
。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、CRユニット135に記録媒体が挿入されている状態で返却ボタン130bを長押しすることで、離席報知および記録媒体の排出が行われるが、これに加えて、排出される記録媒体に係る情報の記憶をCRユニット135に対して指示することが可能となっている。すなわち、CRユニット135は、挿入されている記録媒体に係る情報を記憶する機能を有しており、返却ボタン130bの長押しに基づく返却スイッチ信号の入力があると、その記録媒体に係る情報の記憶を行うものとなっている。よって、CRユニット135に記録媒体が挿入されている状態で返却ボタン130bを長押しすると、記録媒体に係る情報がCRユニット135に記憶された上で記録媒体が排出され、さらに離席報知も行われることとなる。そして、このようにして離席報知が行われているなか、当該離席報知の実行時間が経過する前(離席期間中)に、パチンコ遊技機1に接続されたCRユニット135に記録媒体が挿入されて、この挿入された記録媒体に係る情報と、先に記憶された情報とが合致すると、離席報知が終了して、遊技を再開することが可能となる。つまり、離席報知中のパチンコ遊技機1(遊技を中断したパチンコ遊技機1)に、離席していた遊技者が戻ってきて、その遊技者が離席する際に返却を受けた記録媒体を再度CRユニット135に挿入することで、離席報知を終了させて(離席状態を解除して)遊技を再開することが可能となる。
このように、離席報知の実行時間が経過する前(離席期間中)にCRユニット135に挿入された記録媒体に係る情報が、離席の際に排出された記録媒体に係る情報と合致しないと、離席報知は終了しないので、離席の際に排出された記録媒体を持っている遊技者(離席した遊技者)以外の他の遊技者が離席報知を終了させて遊技することは、原則、できないこととなる。これにより、離席報知中の遊技機(確保されている旨を示している遊技機)が他の遊技者によって遊技されるのを抑制することが可能となり、一時的に離席した遊技者と他の遊技者との間でトラブルになることを未然に防ぐことも可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、前述した「記録媒体に係る情報の合致」の他、離席報知の実行に際して設定された実行時間の経過、あるいは、所定の解除情報(例えば、パスワードやコマンド等)の入力によっても、離席報知を終了させることが可能となっている。つまり、離席報知を終了させるための条件(解除条件)として、「記録媒体に係る情報の合致」の他に「離席報知実行時間(離席期間)の経過」と「所定の解除情報入力」を定めている。よって、例えば、パチンコ遊技機1で遊技していた遊技者が返却ボタン130bを長押した上で離席したまま戻って来ず、そのパチンコ遊技機1が空台となったとしても、離席報知実行時間(離席期間)の経過により離席報知は自動的に終了することとなる。また、例えば、離席報知実行時間(離席期間)の経過前であってもパチンコ遊技機1を空台として他の遊技者に開放したい場合には、解除情報を入力することにより離席報知を強制的に終了させることも可能となる。このように、実施例1では、離席報知が行われたままの状態で長時間放置されないよう対策が施されているので、パチンコ遊技機1の稼働低下の抑制を図ることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、返却ボタン130bが長押しされたときの遊技状態が低確低ベース状態である場合には離席報知の実行時間を「45分」とし、低確高ベース状態または高確高ベース状態である場合には離席報知の実行時間を「60分」としている。このように、返却ボタン130bが長押しされたときの遊技状態に応じて離席報知の実行時間(離席時間、離席期間)を設定することで、遊技者が離席する際の遊技状態によって離席時間を変化させる(異ならせる)ことが可能となり、離席の際の遊技状態に適した離席時間(離席期間)を定めることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、返却ボタン130bが長押しされたときの遊技状態や、返却ボタン130bが長押しされたときの上皿61や下皿62における監視対象物の存否に応じて、離席報知の実行態様(離席報知パターン)を複数ある実行態様の中から選択して設定し、その設定した実行態様で離席報知を行うものとなっている。これにより、離席する遊技者や第三者(遊技ホール内の他の遊技者、遊技ホール店員など)に対して、離席中の(あるいは離席しようとする)パチンコ遊技機1がどのような遊技状態なのかを知らせたり、離席中の(あるいは離席しようとする)パチンコ遊技機1の上皿61や下皿62に物が置かれている(残されている)か否かを知らせたりする等の種々の情報伝達を、離席報知を通じて行うことが可能となる。この離席報知を通じた情報伝達により、例えば、離席報知中のパチンコ遊技機1の遊技状態によっては離席が長期に亘るのが望ましくない等の判断を遊技ホール店員に促したり、パチンコ遊技機1やその周辺に物を置いたままの離席に関する注意喚起をしたりすることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、前述の離席報知の実行態様に関し、上皿61や下皿62における何らかの物(監視対象物)の存在が検知された場合には、枠ランプ66を点滅させるものとしており、検知されない場合(点灯)よりも目立つ態様で離席報知が行われる。これにより、上皿61や下皿62における物の存在をより強調して示すことが可能となるので、パチンコ遊技機1やその周辺に物を置いたままの離席に関して、より効果的な注意喚起が可能となる。尚、離席報知を他の離席報知パターンに比べ相対的に目立つ離席報知パターンで実行した場合、その離席報知パターンの実行契機となった事象、すなわち、上皿61や下皿62における監視対象物の存在の検知が、離席報知の実行後に解消されることで、その離席報知パターンを、監視対象物の存在の非検知に対応するパターンに変更することとしてもよい。例えば、離席報知パターンBに基づく離席報知の実行中に、上皿61や下皿62等から物が排除(回収)されて監視対象物センサの検知信号がOFFになった場合、これに基づいて離席報知パターンBから離席報知パターンAに変更するのである(離席報知パターンについては図44(A)を参照)。こうすることで、状況に応じた適切な態様で離席報知を行うことが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、離席報知中は画像表示装置7の表示画面7aの全体に離席報知画面が表示され、特別図柄の変動表示に伴って変動表示する演出図柄8や、特図保留に対応する演出保留9a,9b等が表示されないものとなっている。すなわち、離席期間中は、少なくとも変動演出(遊技演出)が表示画面7a上で実行されない状態(遊技制限状態)となり、離席報知が終了してに離席報知画面が消去されると、変動演出(遊技演出)が表示画面7a上で実行されるようになる。このように、離席報知中のパチンコ遊技機1は、離席報知が終了しない限り、表示画面7a上で変動演出が展開されることはないので、例えば、離席報知中のパチンコ遊技機1で遊技球を発射して始動口に遊技球を入球させて特別図柄を変動表示させたとしても、当該図柄変動に係る遊技の進行状況を把握することは難しくなる(実質的に不可能となる)。これにより、離席報知中のパチンコ遊技機1が他の遊技者によって遊技されるのを抑制することが可能となり、延いては、一時的に離席した遊技者と他の遊技者との間でトラブルになることを未然に防ぐことが可能となる。
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2のパチンコ遊技機1も、実施例1と同様の1種タイプのパチンコ遊技機であるが、離席報知を実行するための操作や処理が、前述した実施例1と異なるものとなっている。以下では、主に、実施例1と異なる部分について説明する。
前述の実施例1では、CRユニット135に挿入された記録媒体の排出のために操作する返却ボタン130bを離席報知の実行指示にも兼用し、返却ボタン130bの「長押し」によって離席報知が行われるものとなっていた。これに対し、本実施例では、返却ボタン130bはCRユニット135に挿入された記録媒体の排出のみに用いることとし(本来の用途に限定)、その代わりに、離席報知の実行指示(離席指示入力)を行うために操作する専用の離席ボタン150を設けている。このため、本実施例では、遊技を中断して離席する際、離席ボタン150を操作することで離席報知が行われ、この際、CRユニット135からの記録媒体の排出(返却)は行われず、記録媒体の排出には別途、返却ボタン130bの操作が必要となる。
図45に示すように、離席ボタン150は、第1演出ボタン63aと同様(図1を参照)、上皿61の上面に上下動可能(押圧操作可能)に設けられるもので、第1演出ボタン63aやCR操作部130が位置する部位を除いた空きスペースに設けられる。本実施例では、上皿61の左端部に離席ボタン150を設けている。
また、図46に示すように、サブ制御基板90には、実施例1では接続されていた球貸操作基板131が接続されておらず、これに代えて、離席ボタン150が操作されたことを検知する離席ボタン検知スイッチ150a(入力検知手段の一態様)が接続されている。このため、離席ボタン150が操作(本例では押圧操作)されると、当該操作(離席指示入力)を離席ボタン検知スイッチ150aが検知して、その検知信号(離席スイッチ信号)がサブ制御基板90に対して出力される。そして、サブ制御基板90に離席スイッチ信号の入力があると、当該入力に基づいて離席報知が行われる。この離席報知の実行に係る本実施例の離席報知処理について、図47を用いて説明する。
[実施例2の離席報知処理]
図47は、実施例2の離席報知処理(S4305a)のフローチャートであり、図43に示した実施例1の離席報知処理(S4305)に置き換わるものである。図47に示す離席報知処理(S4305a)は、図40に示した10msタイマ割り込み処理(S4010)でS4305に代わって行われる。図47では、実施例1(図43)と共通する処理について実施例1と同じステップ番号を付し、実施例2に固有の処理について新たなステップ番号を付している。以下では、実施例1と異なる処理について説明する。
S4602aでは、離席ボタン150の操作を離席ボタン検知スイッチ150aが検知したことに基づく離席スイッチ信号の入力があるか否か、すなわち、離席スイッチ信号がONであるか否かを判定する(S4602a)。離席スイッチ信号の入力がなければ(S4602aでNO)、そのまま処理を終え、入力があれば(S4602aでYES)、離席報知禁止フラグがOFFであるか否かを判定する(S4602b)。ここで、離席報知禁止フラグは、後述のS4611の処理でセットされる(ONされる)もので、短期間のうちに離席報知が繰り返し行われるのを制限するためのフラグである。この離席報知禁止フラグがONになっている場合は、離席ボタン150の操作に基づく離席スイッチ信号の入力(離席指示入力)があったとしても、離席報知を行わないようにしている。このため、S4602bで離席報知禁止フラグがOFFでない、すなわち、ONであると判定した場合は(S4602bでNO)、そのまま処理を終え、離席報知禁止フラグがOFFであると判定した場合は(S4602bでYES)、前述の実施例1と同様にS4603〜S4607の処理を行って、離席報知を実行(開始)する。
また、S4601で離席報知中と判定した場合、S4608で離席報知終了条件が成立したか否かを判定する。ここで、本実施例では、離席報知終了条件を、前述した実施例1における「記録媒体に係る情報の合致」以外の条件、すなわち、「離席報知実行時間(離席期間)の経過」または「離席報知終了指示入力(所定の解除情報入力)」としている。そして、本実施例では、離席報知の開始に際して(S4607)、離席報知を終了させるための離席報知解除パスワード(解除情報)を、離席報知開始から数秒間(例えば10秒間)、表示画面7aに表示して、離席する遊技者に対して離席報知解除パスワードを通知(発行)するものとしている。また、本実施例では、前述した実施例1と同様に、遊技ホールで管理される離席報知解除パスワード(管理者用パスワード)も定められている。
よって、本実施例のパチンコ遊技機1では、離席報知が行われると、その離席報知は、離席報知の実行時間の経過か、離席した遊技者による離席時間経過前(離席期間中)のパスワード入力(離席報知終了指示入力)か、あるいは、遊技ホール店員による管理者用パスワード入力(離席報知終了指示入力)によって終了することとなる。尚、遊技者による離席報知解除パスワードの入力は、例えば、遊技者が実施可能な所定の画面呼出操作により、遊技者向けの離席報知解除パスワード入力画面を画像表示装置7の表示画面7aに表示させ、当該入力画面を通じて、演出ボタン63(第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b)の操作により行うことが可能である。
図47に戻り、S4608で離席報知終了条件が成立したと判定した場合(S4608でYES)、離席タイマRTの作動を停止して、そのときの離席タイマRTの値(計測値)が「値t1」以上「値t2」未満(t1≦RT<t2)であるか否かを判定する(S4608a)。ここで、「値t1」および「値t2」は、S4606で離席タイマRTにセットされる離席報知の実行時間に応じて予め定められるもので、「値t1」は、離席報知終了までの残り時間がどれだけ残っているのかを判定するための基準値であり、「値t2」は、離席報知開始からどれだけの時間が経過しているかを判定するための基準値である。
具体的には、本実施例では、S4606で離席タイマRTにセットされる離席報知の実行時間が45分(離席報知パターンA,B)であれば、「値t1」を「10(分)」、「値t2」を「35(分)」とし、実行時間が60分(離席報知パターンC〜F)であれば、「値t1」を「10(分)」、「値t2」を「50(分)」としている。この場合、S4608aでは、離席報知終了条件が成立した時点において「離席報知終了までの残り時間が10分以上あり、かつ、離席報知開始から10分以上が経過している」か否かを判定することとなる。
そして、S4608aで、「離席報知終了までの残り時間が10分未満である」か「離席報知開始から10分以上経過していない」と判定した場合には(S4608aでNO)、S4608bの処理を行わずS4609の処理に移行し、「離席報知終了までの残り時間が10分以上あり、かつ、離席報知開始から10分以上が経過している」と判定した場合には(S4608aでYES)、演出モード変更処理を行う(S4608b)。
ここで、前述の実施例1では、低確低ベース状態に対応する演出モードA,Bと、低確高ベース状態に対応する演出モードCと、高確高ベース状態に対応する演出モードD,Eとを設けていたが、本実施例では、それらの各演出モードについて、それぞれ3段階のモードをさらに設けている。具体的には、演出モードAについて「演出モードA1,A2,A3」、演出モードBについて「演出モードB1,B2,B3」・・・というように、演出モードA〜Eのそれぞれについて、演出モードを3つ設けている。そして、各演出モードについて、モードの値が大きくなる程、SPリーチ演出や特定のキャラクタ演出等の特定演出の出現率が高くなるものとなっている。これら各演出モードでのモード移行は、変動演出(演出図柄遊技演出)が行われる遊技の進行過程で、モード移行抽選乱数(演出決定用乱数の一種)を用いた演出制御用マイコン91(サブ制御部90)によるモード移行抽選の結果に基づいて行われる。尚、本実施例においても、前述の実施例1と同様の形態で、各演出モードに対応するモードステータスが定められている。
このように複数の演出モードを備える本実施例では、離席ボタン150を操作して離席する際には、原則、前述の複数の演出モードのうちの何れかが設定されている。そして、離席報知の終了(離席報知終了条件の成立)により、離席時の演出モードに復帰するのが通常であるが、本実施例では、S4608aにおける判定で前述した基準を満たした場合には、S4608bにて、離席時の演出モードよりもランクの高い演出モードを設定して、離席報知終了後の演出モードを、離席報知開始前(離席する前)の演出モードと異ならせるものとしている。
具体的には、例えば、演出モードA1のときに遊技者が離席ボタン150を操作し、この操作に基づいて離席報知パターンAによる離席報知が開始されたとする(離席時間45分)。この後、離席した遊技者が戻ってきて、離席報知終了までの残り時間が15分のタイミングで離席報知解除パスワードを入力して離席報知終了条件が成立したとすると(S4608でYES)、離席報知開始からの経過時間は30分であることから、S4608aにおける判定基準を満たすこととなる。よって、この場合には、S4608bの演出モード変更処理で、現在のモードステータス、すなわち、離席報知開始前(離席する前)の演出モードを参照し、その参照した演出モードよりもランクの高い演出モードを指定するモード指定コマンドを、サブ制御基板90のRAMのバッファにセットする。すなわち、参照した演出モードが「演出モードA1」であれば、それよりもランクの高い「演出モードA2」または「演出モードA3」を指定するモード指定コマンドをセットする。尚、ランクの高い演出モード(変更対象の演出モード)が複数存在する場合、いずれかの演出モードを選択することとなるが、この選択は、例えば、演出制御用マイコン91(サブ制御部90)による乱数抽選等によってランダムに行うことが可能である。あるいは、ランクが1つ上の演出モードを選択するものとしてもよい。
S4608bでセットしたモード指定コマンドは、離席報知の終了(S4610)に際して画像制御基板100に送信される。このモード指定コマンドを画像制御基板100が受信すると、画像制御用マイコン101が画像表示装置7の表示画面7a上から離席報知画面を消去し、モード指定コマンドにより特定される演出モードに対応する画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、当該演出モードに対応する画面表示(演出表示)を行う。これにより、離席報知終了後の演出モードが、離席報知開始前の演出モードとは異なるものとなる。
これに対し、離席報知の開始後、その実行時間が経過するか(離席タイマRT=0)、離席報知の実行時間(離席期間)の経過前ではあるものの残り時間(t1)が10分未満であるか(離席タイマRT<10)、離席報知の実行時間(離席期間)の経過前ではあるものの離席報知開始からの経過時間(t2)が10分未満である(離席タイマRT≧35または離席タイマRT≧50)場合には、演出モードの変更(S4608b)は行われず、S4610の離席報知終了に伴い演出モードが離席報知開始前の状態に戻る。
このように、演出モードを変更する場合と変更しない場合とを設けているのは次の理由による。すなわち、遊技者が離席ボタン150を操作して離席した後、その遊技者が早く席に戻ってきた場合には、その分、パチンコ遊技機1の稼働停止期間が短い期間で済んだということになる。このような場合には、特典として、離席前よりランクの高い演出モードで遊技を楽しめるようにすべく演出モードを変更するのである。一方、離席した遊技者が席に戻るのが遅くなる程、パチンコ遊技機1の稼働停止期間が長くなって、その分、稼働が落ちてしまうこととなる。このような場合には、前述のような恩恵を遊技者に与える必要はないとして、演出モードを変更しないのである。また、離席報知開始からの経過時間が所定時間(本例では10分)に満たない場合にも演出モードを変更しないこととしているのは、演出モード変更のためだけに離席ボタン150を意図的に操作するといった行為をできる限り無くすためである。
尚、S4608bの演出モード変更処理で参照した演出モードが、各演出モード群の中で最上位の演出モード(例えば演出モードA3,B3・・・E3の何れか)である場合、演出モードの変更は行わず、離席報知終了後も離席報知開始前と同じ演出モードに復帰するものとしている。これは、元々(離席する際)、他の演出モードに比べ相対的に興趣の高い演出モードが既に設定されていることとなるので、このような演出モードを離席報知終了によって敢えて変更するのは効果的でないと考えられるからである。
そして、本実施例では、S4608a、4608bの処理に続いて、S4609およびS4610の処理を行った後、最後に離席報知禁止フラグをONにして(S4611)、処理を終える。前述したように、離席報知禁止フラグは、短期間のうちに離席報知が繰り返し行われるのを制限するためのフラグである(離席報知制限手段の一態様)。本実施例では、先の離席報知が終了した後、離席ボタン150の操作に基づく新たな離席報知の実行を、所定時間(例えば30分)が経過するまで禁止するものとしている。このため、本実施例では、S4611で離席報知禁止フラグをONにした後、所定のタイマにより前述の所定時間を計測し、その所定時間の経過により離席報知禁止フラグをOFFにするものとしている。こうして、先の離席報知が終了した後の新たな離席報知の実行を禁止することで、短期間のうちに離席報知が繰り返し行われるのを制限することが可能となっている。
[実施例2の効果]
以上のような実施例2のパチンコ遊技機1では、前述した実施例1と共通する構成によって得られる効果に加え、以下の効果を奏するものとなっている。
すなわち、実施例2のパチンコ遊技機1では、変動演出が行われる際の演出モードとして複数の演出モードを備えており、離席ボタン150の操作に基づいて離席報知を開始した後、その離席報知が、離席報知の実行時間(離席期間)が経過する前の所定時期(本例では、離席報知終了までの残り時間が10分以上あり、かつ、離席報知開始から10分以上が経過しているタイミング)に終了した場合には、当該終了後の演出モードを、離席報知(離席期間)が開始される際に設定されていた演出モードと異なるもの、具体的にはランクの高い演出モードとすることが可能となっている。これにより、離席ボタン150を操作して離席する遊技者に対して、できる限り早く席に戻って遊技を再開することを促すことが可能となり、延いては、離席が生じたパチンコ遊技機の稼働低下の抑制を図ることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機1では、離席ボタン150の操作に基づいて離席報知を開始した後、当該離席報知を、その実行時間(離席期間)が経過する前に終了させたとしても、その終了が、離席報知開始後の比較的早いタイミングであった場合には、その後演出モードを離席前と同じとすることとしている。これにより、演出モード変更のためだけに離席ボタン150が徒に操作されることを抑制し、離席ボタン150の適切な使用(適切な離席報知の実施)を促すことが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機1では、離席報知(離席期間)が終了した後、所定時間(制限期間)が経過するまで、離席ボタン150の操作に基づく新たな離席報知の実行を禁止して、次の離席期間の発生を制限するものとしている。これにより、短期間のうちに離席期間が繰り返し発生すること(遊技者の頻繁な離席)によるパチンコ遊技機の稼働低下を抑制することが可能となる。
以上、本発明の実施形態として実施例1,2を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述した実施例では、返却ボタン130bの長押しによって「離席報知の実行指示」と「記録媒体の排出指示」の入力を行うものとしていたが、これらの指示を行うための返却ボタン130bの操作態様(入力態様)は、「長押し」以外の他の態様であってもよく、返却ボタン130bを連続して複数回押す態様や、返却ボタン130bと球貸ボタン130aを同時に長押しする態様など、元々の「記録媒体の排出指示」だけの入力と区別可能な態様である限り、あらゆる態様を採用することが可能である。
また、前述した実施例では、離席報知の一つとして画像表示装置7の表示画面7aに離席報知画面を表示し、離席報知中(離席期間中)は変動演出に係る演出表示を行わないよう遊技を制限していた。つまり、離席報知中(離席期間中)は、遊技演出を通じた遊技の進行状況等の把握を難しくして、離席報知中のパチンコ遊技機が他の遊技者によって遊技されないようにしていた。これに加えて、あるいは、これに換えて、離席報知中は、例えば、遊技球の発射を不能としたり、遊技球が始動口に入球しても当該入球を無効として特別図柄の変動表示を実行不能としたりする等、遊技を停止させる構成を備えるものとして、遊技を制限するようにもよい(遊技制限手段)。こうすることで、離席報知中のパチンコ遊技機が他の遊技者に遊技されないようにすることの確実性を増すことが可能となる。
尚、離席報知中(離席期間中)の遊技球の発射停止は、例えば、返却ボタン130bの長押しを返却ボタン検知スイッチが検知することで球貸操作基板131から出力されるスイッチ信号を発射制御基板111に入力するものとし、当該信号の入力により発射装置112の駆動を停止する構成とすることで実現可能である。この場合、例えば、前述の実施例1において、離席報知終了条件の成立に際して、球貸操作基板131からの離席報知終了信号がサブ制御基板90に入力するものなっているが、これと同類の球貸操作基板131からの信号(発射停止解除信号)が発射制御基板111に入力する構成とすることで、離席報知の終了に伴い発射装置112の駆動停止を解除することが可能となる。
あるいは、離席ボタン150の操作を検知する離席ボタン検知スイッチからの検知信号を発射制御基板111にも入力するものとして、当該信号の入力により、離席報知中(離席期間中)は発射装置112の駆動が停止されるようにすることも可能である。この場合の発射装置の駆動停止の解除は、例えば、離席報知解除条件の成立(S4608)によりサブ制御基板90から発射制御基板111に発射停止解除信号を出力する構成とすることで実現可能である。
また、前述した実施例では、離席報知中(離席期間中)、画像表示装置7の表示画面7aに離席報知画面を表示し、当該画面に「ただいま離席中」といった離席中である旨を示す文字画像を表示するものとしていたが、これに加えて、あるいは、これに換えて、離席報知(離席期間)の残り時間を示すタイマ画像を離席報知画面に表示するものとしてもよい。この場合、例えば、前述した実施例の離席タイマRT(計時手段)により計測される時間を、離席報知画面に表示するものとすればよい。
また、前述した実施例では、離席報知の実行指示の入力があった際、そのときの状況として、遊技状態や、上皿61および下皿62の監視対象物の存否を判定し、その判定結果に基づいて離席報知パターンを設定するものとしていたが、判定の対象は遊技状態や監視対象物の存否に限定されるものではない。例えば、離席報知の実行指示の入力があったときの演出モードや、CRユニット135に記録媒体が挿入されているか否か等を判定することとしてもよい。尚、記録媒体が挿入されているか否の判定は、監視対象物の存否の判定の一態様として捉えることが可能である。この記録媒体が挿入されているか否は、例えば、CRユニット135から球貸操作基板131に出力される度数表示LED信号(図36を参照)など、記録媒体が挿入されている旨を示すことが可能なCRユニット135からの信号に基づいて判定することが可能である。そして、記録媒体が存在する場合と存在しない場合とで離席報知パターンを異ならせることで、例えば、離席しようとしている遊技者に対し、記録媒体の取り忘れに係る注意喚起が可能となる。
また、前述した実施例では、離席報知の実行指示の入力があった際の監視対象物の存否の判定に関し、上皿センサ61aからの検知信号および下皿センサ62aからの検知信号に基づいて、上皿61および下皿62の監視対象物の存否を判定していたが、上皿61や下皿62以外の部位について監視対象物の存否を判定するものとしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1の前面下方であって発射ハンドル60の下方や第2演出ボタン63bの下方、第1演出ボタン63aの上面等、遊技者により何らかの物(所持品等)が置かれると想定される部位に監視対象物センサを設け、監視対象物センサからの検知信号に基づいて監視対象物の存否を判定するようにしてもよい。
また、前述した実施例では、離席報知の実行態様(離席報知パターン)として、図44(A)に示すような複数の離席報知パターンを設けていたが、これ以外にも種々のパターンを設定することが可能であり、画像表示装置7や枠ランプ66以外の演出装置や、その他のパチンコ遊技機1が備える装置、機構等を用いて離席報知を行うことも可能である。
また、前述した実施例では、離席報知の実行指示の入力があった際、上皿61や下皿62に物(監視対象物)が存在している場合には、枠ランプ66を点滅させることで、上皿61や下皿62に物(監視対象物)が存在していない場合(点灯)よりも目立つ態様で、離席報知を行うものとしていが、離席報知を目立たせる態様はこれに限定されるものではない。例えば、物(監視対象物)が存在している場合には、スピーカ67から所定の音(警告音)を出力したり、表示画面7aに所定の画像(警告画像)を表示したりしてもよい。
また、前述した実施例では、離席報知終了条件が成立した際に離席タイマRT(計時手段)の値(計測状況)を参照し、その参照結果が所定の基準を満たしている場合に、離席報知終了後の演出モードを、離席報知が開始されるとき(離席するとき)の演出モードに比べてランクの高いものとすることで、離席を早く終えた遊技者に対して特典を与えて、パチンコ遊技機の稼働低下の抑制を図っていた。これ以外に、例えば、離席報知終了条件の成立時期が予め定めた基準よりも遅かったり、設定した離席報知の実行時間が経過してしまったりした場合には、離席報知終了後の演出モードを、離席報知が開始されるとき(離席するとき)の演出モードに比べてランクの低いものとしたり、離席報知終了後の所定期間は保留先読み基づく保留予告が出現しないようにしたりする等、遊技上(演出上)の何らかの制限を付加することで、離席が長くなったことに対するペナルティを与えることとしてもよい。これによっても、できる限り早く席に戻って遊技を再開することを遊技者に促すことが可能となり、延いては、離席が生じたパチンコ遊技機の稼働低下の抑制を図ることが可能となる。
また、前述した実施例では、離席報知(離席期間)が終了した後、所定時間(制限期間)が経過するまで、新たな離席報知の実行を禁止して、次の離席期間の発生を制限(離席報知の実行を制限)するものとしていたが、制限の態様はこれに限定されものではない。例えば、離席報知(離席期間)が終了した後、所定時間(制限期間)が経過するまでは、新たな離席報知の実行は可能ではあるもののその実行時間(離席期間)を通常設定され得る時間よりも短縮したり(例えば20分短縮)、離席報知の実行回数を計数する手段を設け、離席報知の実行回数が所定回数を超えた場合に新たな離席報知の実行を禁止したり実行時間を短縮したりするなど、離席報知の実行回数が多くなるにつれて離席報知の実行時間を短縮する等、様々な態様を採ることが可能である。これらの制限によっても、パチンコ遊技機の稼働低下の抑制を図ることが可能となる。
また、前述した実施例では、特別遊技(大当り遊技)が行われておらず、かつ、特別図柄の変動表示が行われない場合(特図保留数ゼロの場合)、すなわち、遊技が行われていないとき(非遊技中)の離席を前提としていたが、遊技中の離席を想定した構成とすることも可能である。以下、この構成について簡単に説明する。
例えば、前述した実施例における「返却ボタン130bの長押し操作」や「離席ボタン150の押圧操作」といった離席報知の実行指示を主制御基板80に入力可能とし、当該入力が発生した場合に、遊技制御用マイコン81が、そのときの遊技の進行を中断(停止)させるべく、遊技進行に係る制御を中断(停止)する処理を行う。例えば、離席報知の実行指示入力の発生が特別図柄の変動表示中であれば、当該変動表示を中断し、大当り遊技のラウンド中であれば、当該ラウンドを中断する。こうして遊技の進行を中断した上(遊技制限手段)で、前述した実施例と同様に離席報知(離席期間)を実行することで、遊技者は、遊技の進行を停止させた状態で離席することが可能となる。一方、離席報知終了指示についても主制御基板80に入力可能とし、離席報知中(離席期間中)に当該入力が発生した場合に、遊技制御用マイコン81が、中断していた遊技の進行を再開させるべく、中断していた遊技進行に係る制御を再開する処理を行う。
この場合、前述の実施例のような変動演出に係る演出表示の未実行といった演出制御による遊技の制限と、主制御部(遊技制御用マイコン81)での遊技進行の中断といった遊技制御による遊技の制限により、離席報知中(離席期間中)の遊技制限状態が実現されることとなる。こうすることで、離席報知中のパチンコ遊技機が他の遊技者に遊技されないようにすることの確実性をより一層増すことが可能となる。
また、遊技制御による遊技の制限を行うことで、離席報知終了後の遊技性の幅を広げることも可能となる。例えば、前述の「離席を早く終えたことに対する特典付与」や「離席が長くなったことに対するペナルティ付与」といった観点で、以下のような遊技性が考えられる。具体的には、例えば、離席報知の実行指示の入力があったとき(遊技者が離席するとき)の遊技状況が、大当り遊技が行われておらず、特別図柄の変動表示が実行され得る状況であって、第1特図保留記憶部(第1取得情報記憶手段)と第2特図保留記憶部(第2取得情報記憶手段)の何れか一方または両方に特図保留が記憶されている(特図保留数>0)とする。
この状況で離席報知が実行され、当該離席報知の終了条件が成立した際、前述した実施例と同様に、離席タイマRTの作動を停止して、そのときの離席タイマRTの値(計測値)が「値t1」以上「値t2」未満(t1≦RT<t2)であるか否かを判定する(S4608a)。この判定の結果、離席タイマRTの値が、前述した実施例と同様の基準を満たしている場合、離席報知終了後の遊技再開に際し、遊技制御用マイコン81が、第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行する処理を行う。一方、離席タイマRTの値が前述した実施例の基準を満たしていない場合、離席報知終了後の遊技再開に際し、遊技制御用マイコン81が、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)を、第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)に優先して実行する処理を行う。
ここで、この場合においても、前述の実施例と同様、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特別図柄の当否判定で大当りとなるよりも、第2始動口21への遊技球の入球に基づく第2特別図柄の当否判定で大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高いものとすると、遊技者にしてみれば、第2特図保留の消化が第1特図保留の消化に優先して行われる方が望ましい。これに反して、離席報知終了条件が成立したときの離席タイマRTの値が基準を満たしていない場合には、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)を、第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)に優先して実行することで、遊技者に対してペナルティを付与するといった遊技性となる。
このような構成を本発明に付加する事項として概念的に表すと、例えば、以下のように特定することが可能である。すなわち、
計時手段(離席タイマRT)による計時状況に基づいて、離席期間終了後の遊技再開制御を行う遊技再開手段(遊技制御用マイコン81)を備え、
前記遊技再開手段は、
離席期間終了条件が成立したときの前記計時手段による計時状況(計時結果)が所定の基準を満たしている場合には、第2取得情報記憶手段に記憶される第2取得情報に基づく第2識別情報の変動表示を、第1取得情報記憶手段に記憶される第1取得情報に基づく第1識別情報の変動表示に優先して実行可能とし、
離席期間終了条件が成立したときの前記計時手段による計時状況(計時結果)が所定の基準を満たしていない場合には、第1取得情報記憶手段に記憶される第1取得情報に基づく第1識別情報の変動表示を、第2取得情報記憶手段に記憶される第2取得情報に基づく第2識別情報の変動表示に優先して実行可能とする
ことを要旨とする。
また、前述した実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過するか否かによって確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口内に特定領域を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域をすると、大当りとなって大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。また、本発明は、パチンコ遊技機だけでなく、遊技媒体としての遊技コインを投入した後、所定の遊技開始操作に基づいて複数の回胴(リール)を回転させ、前記複数の回胴の回転を所定の回転停止操作に基づいて停止させ、停止された前記複数の回胴により示される図柄の表示態様に基づいて所定の特典が付与可能な回胴式遊技機(スロットマシン)にも本発明を適用することが可能である。
[その他]
以下、本発明に関連する発明(関連発明)について、本発明を含めて参考的に開示しておく。
(1−1)遊技に使用可能な価値の量が記録された記録媒体を受け付ける記録媒体受付装置と接続され、前記記録媒体受付装置が受け付けた記録媒体に記録されている価値に基づいて貸し出される遊技媒体を用いて遊技を進行させることが可能な遊技機であって、
前記記録媒体受付装置に受け付けられている記録媒体の排出に係る排出入力を検知する入力検知手段と、
前記記録媒体受付装置に受け付けられている記録媒体の排出を前記記録媒体受付装置に指示する指示手段と、
所定の離席報知を実行する離席報知実行手段と、
を備え、
前記入力検知手段が検知可能な前記排出入力の態様として、少なくとも第1入力態様と第2入力態様とが定められており、
前記記録媒体受付装置に記録媒体が受け付けられている状態で前記入力検知手段が前記第1入力態様を検知したことに基づいて、前記指示手段が前記記録媒体の排出を指示し、
前記記録媒体受付装置に記録媒体が受け付けられている状態で前記入力検知手段が前記第2入力態様を検知したことに基づいて、前記離席報知実行手段が前記離席報知を実行するとともに、前記指示手段が前記記録媒体の排出を指示する
ことを特徴とする遊技機。
(1−2)上記(1−1)の遊技機において、
前記記録媒体受付装置は、当該記録媒体受付装置が受け付けた記録媒体に係る情報を記憶可能であって、
前記指示手段は、前記記録媒体受付装置に記録媒体が受け付けられている状態で前記入力検知手段が前記第2入力態様を検知したことに基づいて、前記記録媒体に係る情報の記憶と当該情報を記憶した記憶媒体の排出を前記記録媒体受付装置に指示し、
前記離席報知が実行される離席期間中に前記記録媒体受付装置により記録媒体が受け付けられ、当該受け付けられた記録媒体に係る情報と前記記憶された情報とが合致したことに基づいて、前記離席報知が終了する
ことを特徴とする遊技機。
(1−3)上記(1−1)または(1−2)の遊技機において、
前記離席報知が実行される離席期間を定める離席時間を設定可能な離席時間設定手段を備え、
前記離席時間設定手段は、前記入力検知手段が前記第2入力態様を検知したことに基づいて、前記離席時間を設定し、
前記離席報知実行手段は、前記離席時間設定手段により設定された離席時間にしたがって前記離席報知を実行可能であり、
前記離席時間設定手段により設定された離席時間の経過または前記離席時間設定手段により設定された離席時間の経過前に所定の解除条件が成立したことに基づいて、前記離席報知が終了する
ことを特徴とする遊技機。
(1−4)上記(1−3)の遊技機において、
遊技を進行させる際の遊技状態を、予め定められた複数の遊技状態のうちの何れかに設定可能な遊技状態手段を備え、
前記離席時間設定手段は、前記遊技状態手段により設定されている遊技状態に応じた離席時間を設定可能である
ことを特徴とする遊技機。
(2−1)遊技者による所定の入力を検知する入力検知手段と、
遊技の進行に応じた遊技演出を実行する遊技演出実行手段と、
前記入力検知手段が前記所定の入力を検知したことに基づいて、所定の離席報知を実行する離席報知実行手段と、
前記離席報知が実行される所定の離席期間中に、少なくとも前記遊技演出が実行されない遊技制限状態を設定する遊技制限手段と、
前記離席期間中における所定の解除条件の成立または前記離席期間の経過に基づいて、前記離席報知を終了させるとともに前記遊技制限状態を解除する離席解除手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
(2−2)上記(2−1)の遊技機において、
前記遊技演出が実行される際の演出モードを、予め定められた複数の演出モードのうちの何れかに設定する演出モード設定手段を備え、
前記演出モード設定手段は、前記離席期間中に所定の解除条件が成立して前記離席報知の終了および前記遊技制限状態の解除がなされた場合、その後の演出モードを、前記入力検知手段が前記所定の入力を検知したときと異なる演出モードに設定可能である
ことを特徴とする遊技機。
(2−3)上記(2−1)または(2−2)の遊技機において、
前記入力検知手段が前記所定の入力を検知したときの状況を判定する状況判定手段と、
前記状況判定手段による判定の結果に基づいて、前記離席報知の実行態様を予め定められた複数の実行態様の中から選択する実行態様選択手段と、
を備え、
前記離席報知実行手段は、前記実行態様選択手段により選択された実行態様に基づいて前記離席報知を実行する
ことを特徴とする遊技機。
(2−4)上記(2−1)ないし(2−3)の何れか一つの遊技機において、
前記離席報知の終了および前記遊技制限状態の解除がなされた後、所定の制限期間が経過するまで、前記離席報知の実行を制限する離席報知制限手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
(3−1)遊技者による所定の入力を検知する入力検知手段と、
前記入力検知手段が前記所定の入力を検知したことに基づいて、所定の離席報知を実行する離席報知実行手段と、
前記入力検知手段が前記所定の入力を検知したときの状況を判定する状況判定手段と、
前記状況判定手段による判定の結果に基づいて、前記離席報知の実行態様を予め定められた複数の実行態様の中から選択する実行態様選択手段と、
を備え、
前記離席報知実行手段は、前記実行態様選択手段により選択された実行態様に基づいて前記離席報知を実行する
ことを特徴とする遊技機。
(3−2)上記(3−1)の遊技機において、
遊技を進行させる際の遊技状態として、予め定められた複数の遊技状態のうちの何れかを設定する遊技状態設定手段を備え、
前記状況判定手段は、前記入力検知手段が前記所定の入力を検知したときの状況として、前記遊技状態設定手段により設定されている遊技状態を判定する
ことを特徴とする遊技機。
(3−3)上記(3−1)または(3−2)の遊技機において、
前記状況判定手段は、前記入力検知手段が前記所定の入力を検知したときの状況として、所定の監視対象物の存否を判定する
ことを特徴とする遊技機。
(3−4)上記(3−3)の遊技機において、
前記状況判定手段による判定の結果、前記監視対象物が存在する場合に前記実行態様選択手段によって選択される前記離席報知の実行態様は、前記監視対象物が存在しない場合に前記実行態様選択手段によって選択される前記離席報知の実行態様よりも相対的に目立つ態様とされる
ことを特徴とする遊技機。