JP6244196B2 - 引き抜き部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、シート体を引き抜く際の引き抜き部構造に関する。
従来、薬剤を揮散する薬剤揮散装置が知られており、この薬剤揮散装置としては、ケース本体と該ケース本体内に収容されるカートリッジとによって構成されたものが知られている。
このカートリッジは、プラスチックで形成されたカートリッジ本体を備えており、該カートリッジ本体には、液状薬剤を収容する容器部と、該容器部の開口縁部に設けられたフランジ部と、該フランジ部より延出した延出部とが形成されている。前記容器部内には、前記液状薬剤が収容されており、該容器部が開口する前記カートリッジ本体の開口部側の面には、透過膜と薬剤不透過性シートとが順に積層されている。
前記透過膜は、前記容器部からの前記液状薬剤の漏れを防止する一方、気化した液状薬剤は透過できるように構成されており、前記薬剤不透過性シートは、気化した液状薬剤の透過も防止できるように構成されている。
前記カートリッジ本体には、前記容器部を包囲した前記フランジ部と前記延出部との間に切り込みが設けられており、前記延出部を前記切り込みにて折曲するとともに、前記容器部の表面側へ折り返すことができるように構成されている。この状態で、当該カートリッジを前記ケース本体に収容した際には、前記延出部が前記ケース本体から延出するように構成されており、当該延出部を引っ張ることで、前記薬剤不透過性シートを剥離するとともに該薬剤不透過性シートをケース本体から引き抜き、前記液状薬剤を揮散できるように構成されている。
しかしながら、このような引き抜き構造にあっては、引き抜き時において引き抜かれた薬剤不透過性シートの縁がケース本体を保持した手に当たることがあり得る。
このような場合、薬剤不透過性シートを引き抜く者が不快感を覚えることが考えられる。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、引き抜き時に生じ得る不具合を未然に防止することができる引き抜き部構造を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために本発明の請求項1の引き抜き部構造にあっては、ケース本体に収容されたシート体を引き抜く際に機能する引き抜き部構造であって、引き抜かれるシート体の通過経路上に前記シート体の側縁部に接する接触部を設け、前記シート体の幅方向の長さが短くなるように、かつ、前記側縁部が前記シート体の厚み方向へ曲がるようにガイドする傾斜面を前記接触部に設定し、前記傾斜面でガイド面を構成した。
すなわち、ケース本体内のシート体を引き抜く際には、該シート体の側縁部が通過経路上に設けられた接触部に接する。
すると、この接触部に接した前記シート体の前記側縁部は、その厚み方向へ曲げられる。これにより、引き抜かれる前記シート体は、その側縁部が丸められた状態で引き抜かれる。
また、ケース本体内のシート体を引き抜く際に接触部に接したシート体の側縁部は、当該接触部に設定されたガイド面によって、その厚み方向へ曲がるようにガイドされる。これにより、引き抜かれる前記シート体は、その側縁部が丸められた状態で引き抜かれる。
さらに、請求項の引き抜き部構造では、前記接触部の下流側に前記シート体が通過する引き抜き口を設けるとともに、前記側縁部が曲げられた状態で前記シート体が通過するように前記引き抜き口の幅寸法を設定した。
すなわち、前記接触部の下流側には、前記シート体の引き抜き口が設けられており、該引き抜き口の幅寸法は、前記側縁部が曲げられた状態で前記シート体の通過を許容するように設定されている。
このため、ケース本体より引き抜かれるシート体は、この引き抜き口においても側縁部が曲げられた状態に維持される。
このとき、前記シート体の前記側縁部は、その上流側が前記接触部の前記ガイド面で支持されるとともに、その下流側が前記引き抜き口で支持される。このため、当該シート体の側縁部を引き抜き方向の二箇所で支持できるので、曲げられた側縁部の下流側での不用意な開きが防止される。
加えて、請求項の引き抜き部構造にあっては、前記シート体を、幅広の本体部と該本体部より延出した幅狭の延出部とで構成し、該延出部に引き抜き時に挟持される挟持部を設定する一方、前記本体部の側縁部に前記接触部が接するように構成した。
すなわち、前記シート体は、幅広の本体部と幅狭の延出部とで構成されており、該延出部には、引き抜き時に挟持される挟持部が設定されている。このため、この挟持部を挟持して引っ張ることで、前記シート体が引き抜かれる。
ここで、前記延出部を引っ張って前記シート体を引き抜く際には、幅狭の前記延出部が引き出された後に、幅広の本体部が引き出される。このため、引き出し時においては、前記本体部の引き出しが開始された際に、引き出されるシート体が幅広となり、ケース本体を保持する手などと干渉し易くなる。
そこで、前記シート体の側縁部を曲げる前記接触部は、前記本体部の側縁部に接するように構成されている。このため、このような場合であっても前記本体部の側縁部を曲げた状態で引き出すことができる。
また、請求項の引き抜き部構造においては、前記延出部より離れる方向へ向かうに従って幅広となる曲げ導入部を前記本体部に設定した。
すなわち、幅広の前記本体部には、前記延出部より離れる方向へ向かうに従って幅広となる曲げ導入部が設定されている。
このため、前記本体部は、この曲げ導入部が前記接触部に差し掛かった状態から、その側縁部の前記ガイド面に沿った曲げが少しずつ開始される。
以上説明したように本発明の請求項1の引き抜き部構造にあっては、ケース本体内のシート体を引き抜く際に、該シート体の側縁部が通過経路上に設けられた接触部に接する。このとき、この接触部に接した前記シート体の前記側縁部が厚み方向に曲げられる。これにより引き抜かれる前記シート体の側縁部を丸めた状態で引き抜くことができる。
このため、ケース本体を保持した手にシート体の側縁部が当たった場合であっても当該側縁部は丸められているので、シート体の縁の手の直接接触を防止することができる。したがって、シート体の縁が直接手に当たることがあり得る従来と比較して、シート体を引き抜く者に与える不快感を確実に防止することができる。
また、ケース本体内のシート体を引き抜く際に、該シート体の側縁部が通過経路上に設けられた接触部に設けられたガイド面によって、当該接触部に接した前記シート体の前記側縁部が厚み方向に曲げられるようにガイドすることができる。これにより、引き抜かれる前記シート体の側縁部をより確実に丸めた状態で引き抜くことができる。
このため、ケース本体を保持した手にシート体の側縁部が当たった場合であっても当該側縁部は丸められているので、シート体の縁の手の直接接触を確実に防止することができる。したがって、シート体の縁が直接手に当たることがあり得る従来と比較して、シート体を引き抜く者に与える不快感を確実に防止することができる。
また、請求項の引き抜き部構造においては、前記接触部の下流側に前記シート体の引き抜き口が設けられており、該引き抜き口の幅寸法は、前記側縁部が曲げられた状態で前記シート体の通過を許容するように設定されている。
このため、ケース本体より引き抜かれるシート体は、この引き抜き口においても側縁部が曲げられた状態に維持することができる。
このとき、前記シート体の前記側縁部は、その上流側が前記接触部の前記ガイド面で支持されるとともに、その下流側が前記引き抜き口で支持される。このため、当該シート体の側縁部を引き抜き方向の二箇所で支持できるので、曲げられた側縁部の下流側での不用意な開きを防止することができる。
これにより、前記シート体の側縁部が丸められた状態を確実に維持することができる。
さらに、請求項の引き抜き部構造では、前記シート体は幅広の本体部と幅狭の延出部とで構成されており、該延出部には、引き抜き時に挟持される挟持部が設定されている。このため、この挟持部を挟持して引っ張ることで、前記シート体を引き抜くことができる。
ここで、前記延出部を引っ張って前記シート体を引き抜く際には、幅狭の前記延出部が引き出された後に、幅広の本体部が引き出される。このため、引き出し時においては、前記本体部の引き出しが開始された際に、引き出されるシート体が幅広となり、ケース本体を保持する手などと干渉し易くなる。
そこで、前記シート体の側縁部を曲げる前記接触部は、前記本体部の側縁部に接するように構成されている。このため、このように手への干渉が生じやすい構成であっても、前記本体部の側縁部を曲げた状態で引き出すことができ、前述と同様の効果を十分に発揮することができる。
加えて、請求項の引き抜き部構造にあっては、幅広の本体部には、前記延出部より離れる方向へ向かうに従って幅広となる曲げ導入部が設定されており、前記本体部は、この曲げ導入部が前記接触部に差し掛かった状態から、その側縁部の前記ガイド面に沿った曲げを少しずつ開始することができる。
このため、前記曲げ導入部が設定されていない場合と比較して、前記本体部先端の前記接触部への引っかかりを防止することができ、前記本体部の側縁部の曲げ工程へスムーズに移行することができる。
本発明の第一の実施の形態を示す断面図である。 同実施の形態のカートリッジを示す図で、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。 同実施の形態のカートリッジに利用形態を示す図で、(a)は延出部を折り返した状態を示す断面図であり、(b)は延出部を引っ張ってシート体を途中まで剥離した状態を示す断面図である。 同実施の形態のケース本体を展開した状態を示す斜視図である。 同実施の形態のケース本体を展開した状態を裏側から見た状態を示す斜視図である。 同実施の形態のケース本体を展開した状態の底面図である。
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。
図1は、本実施の形態にかかる引き抜き構造を備えた薬剤揮散装置1を示す図であり、該薬剤揮散装置1の断面が示されている。
この薬剤揮散装置1は、靴型のケース本体11と、該ケース本体11内に交換自在に収容されたカートリッジ12とによって構成されており、該カートリッジ12内に収容された液状薬剤を空間に付与できるように構成されている。
このカートリッジ12は、図2に示すように、プラスチックで形成されたカートリッジ本体21を備えており、該カートリッジ本体21には、液状薬剤22を収容する容器部23と、該容器部23の開口縁部に設けられたフランジ部24と、該フランジ部24より側方へ延出した本体延出部25とによってスプーン形状に形成されている。該本体延出部25の先端部は、該本体延出部25より幅広の矩形状に形成されており、本体挟持部26が形成されている。
前記容器部23内には、前記液状薬剤22が収容されており、前記カートリッジ本体21には、透過膜31が積層されている。該透過膜31は、前記フランジ部24及び前記本体延出部25に接着されており、前記容器部23の開口部は、前記透過膜31で閉鎖されるように構成されている。前記フランジ部24と前記本体延出部25との間には、図2の(a)に示したように、前記透過膜31が接着されない非接着領域32が設定されており、前記フランジ部24と前記本体延出部25との間には、前記フランジ部24側に接着された前記透過膜31と前記本体延出部25側に接着された前記透過膜31との分離を容易とするための「くの字状」の境界線33が形成されている。
前記透過膜31は、前記容器部23からの前記液状薬剤22の漏れを防止する一方、気化した液状薬剤22は透過するように構成されており、気化された前記液状薬剤22のみを揮散できるように構成されている。この透過膜31には、薬剤不透過性シートにアルミ蒸着したシート体41が積層されており、該シート体41は、気化した液状薬剤22の透過も防止できるように構成されている。これにより、前記シート体41が積層された未使用状態では、前記液状薬剤22の揮散を防止できるように構成されている。
前記シート体41は、前記カートリッジ本体21の前記容器部23及び前記フランジ部24に積層された幅広の本体部45と、該本体部45より延出するとともに前記カートリッジ本体21の前記本体延出部25に積層された幅狭のシート体延出部46とによって形成されている。前記シート体延出部46の先端部には、矩形状の挟持部シート体挟持部47が設けられており、該シート体挟持部47は、前記カートリッジ本体21の前記本体延出部25における前記本体挟持部26と同形状であって当該本体挟持部26に積層されている。これにより、前記シート体延出部46引き抜き時には、前記本体挟持部26を前記シート体挟持部26と共に挟持できるように構成されている。
前記本体部45は、当該カートリッジ12の長さ方向に長い楕円形状に形成されており、当該本体部45の前記シート延出部46側には、該シート延出部46より離れる方向へ向かうに従って幅広となる曲げ導入部48が設定されている(図2の(a)参照)。
前記カートリッジ本体21及び透過膜31には、前記容器部23を包囲した前記フランジ部24と前記本体延出部25との間に切り込み51が設けられており、該切り込み51は、前記本体延出部25を横断するように設定されている。これにより、当該カートリッジ本体21は、図3に示すように、前記切り込み51にて折曲できるように構成されており、前記本体延出部25を前記容器部23の開口部側である表面52側へ折り返せるように構成されている。
この状態で、当該カートリッジ12を前記ケース本体11に収容した際には、図1に示したように、前記本体延出部25が前記ケース本体11から延出するように構成されており、当該本体延出部25を引っ張ることで、前記シート体41を、図3の(b)に示すように、前記本体延出部25及び該本体延出部25に接着された前記透過膜31と共に剥離して前記液状薬剤22の揮散を開始できるように構成されている。
ここで、前記液状薬剤22としては、芳香剤や消臭剤や防虫剤等が挙げられる。
前記ケース本体11は、図4から図6にも示すように、上部を形成する上部ケース101と、該上部ケース101にヒンジ部102を介して連結された下部を形成する下部ケース103とで構成されており、前記上部ケース101と前記下部ケース103とを並設された開放状態104と、図1に示したように、前記上部ケース101を前記下部ケース103に沿って配置して当該上部ケース101と前記下部ケース103との間に収容空間を形成した閉鎖状態105を形成可能に構成されている。
前記上部ケース101は、図4から図6に示したように、楕円形状に形成されており、中央部が表面側に膨出した断面円弧状に形成されている。この上部ケース101には、紐靴のデザインが施されており、その足挿入部分は、開口している。また、靴紐111間も、開口しており、これらの開口部によって、内部に収容された前記カートリッジ12内の液状薬剤22の残量を視認することができる視認窓112,・・・が構成されている。
この上部ケース101の前縁には、切欠部121が設けられており、当該上部ケース101と前記下部ケース103とで前記ケース本体11を形成した状態で、前記カートリッジ12の前記本体延出部25を延出する為の引き抜き口122を形成できるように構成されている(図1参照)。そして、この引き抜き口122は、所定の幅寸法123に設定されている(図6参照)。
前記上部ケース101の後縁部には、阻止片131が後方へ向けて延出している。該阻止片131は、図1に示したように、先端に向かうに従って裏側に延出するように傾斜して設けられている。この阻止片131に裏面には、図6に示したように、係合凸部132が突設されており、該係合凸部132は、長方形状に形成されている。
前記阻止片131が延出した前記上部ケース101の後縁部には、後縁円柱部141が立設されており、前記上部ケース101の両側縁の部位にも、四箇所に円柱部142,・・・が立設されている。
前記後縁円柱部141の側面からは、裏面側突出部を構成する縦リブ151が延出しており、該縦リブ151は、前記後縁円柱部141より低く設定されている。この縦リブ151は、前記後縁円柱部141より前方へ向けて延出しており、前記本体延出部25の引っ張り方向152に延在するように構成されている。
この縦リブ151は、図1に示したように、前記ケース本体11内に前記カートリッジ12を収容した状態で、前記本体延出部25が折り返された前記カートリッジ本体21の折返し部161において、当該カートリッジ本体21の裏面162側へ向けて突出するように構成されており、収容された前記カートリッジ12において、カートリッジ本体21の前記フランジ部24における前記裏面162に近接又は当接するように構成されている。
前記下部ケース103も、図4から図6に示したように、楕円形状に形成されており、前記上部ケース101と適合する形状に形成されている。この下部ケース103には、四隅に長方形状の揮散口201,・・・が設けられており、収容された前記カートリッジ12から揮散された液状薬剤22を外部に放出できるように構成されている。
この下部ケース103の内側面には、図5及び図6に示したように、左前部に位置する接触部としての左前部補強リブ211と、右前部に位置する接触部としての右前部補強リブ212と、左後部に位置する左後部補強リブ213と、右後部に位置する右後部補強リブ214とが一体形成されており、各補強リブ211,212,213,214の基端部には、円形穴215,・・・が設けられているとともに、前記下部ケース103の後縁部には、後縁円形穴216が設けられている。
前記左前部補強リブ211及び前記右前部補強リブ212は、前記カートリッジ12の前記本体延出部25及びシート体延出部46を引っ張って前記シート体41を引き抜く際に、該シート体41の前記本体部45が通過する通過経路上に設けられており、この引き抜き時において、前記本体部45の左側縁部45aが前記左前部補強リブ211の先端部に、また前記本体部45の右側縁部45bが前記右前部補強リブ212の先端部に接触するように前記各前補強リブ211,212の長さ寸法が設定されている(図6参照)。
前記左前部補強リブ211の先端部には、図5及び図6に示すように、当該左前部補強リブ211の先端へ向かうに従って高さ寸法が低くなる傾斜面が形成されており、前記シート体41引き抜き時に前記本体部45の左側縁部45aを、その厚み方向Tである外側面側に曲がるようにガイドする左ガイド面211aが形成されている(図3の(b)参照)。
また、前記右前部補強リブ212の先端部には、当該右前部補強リブ212の先端へ向かうに従って高さ寸法が低くなる傾斜面が形成されており、前記シート体41引き抜き時に前記本体部45の右側縁部45bを、その厚み方向Tである外側面側に曲がるようにガイドする右ガイド面212aが形成されている。
前記左ガイド面211aの上縁から前記右ガイド面212aの上縁までの離間寸法217は、図6に示したように、その下流側に設けられた前記引き抜き口122の前記幅寸法123と略同寸法となるように設定されており、前記各ガイド面211a,212aによって前記左右側縁部45a、45bが曲げられた状態を維持しつつ前記シート体41の前記本体部45が前記引き抜き口122を通過するように当該引き抜き口122の幅寸法123が設定されている。
前記円形穴215,・・・、216は、前記上部ケース101に設けられた前記各円柱部142,・・・、141に対応する位置に設けられており、前記下部ケース103を前記上部ケース101の裏側に折り返した状態で、前記各円柱部142,・・・、141が対応する前記円形穴215,・・・、216に係合することで、前記両ケース101,103が係合するように構成されている。
前記後縁円形穴216を形成する円筒部221の側面からは、該円筒部221より低い縦壁222が前方へ向けて延出しており、該縦壁222の先端には、左右方向に延在した裏面側突出部を構成する横リブ223が一体形成されている。
該横リブ223は、図1に示したように、前記ケース本体11内に前記カートリッジ12を収容した状態で、前記本体延出部25が折り返された前記カートリッジ本体21の折返し部161において、当該カートリッジ本体21の前記表面52側へ向けて突出するように構成されており、収容された前記カートリッジ12において、折り返された前記本体延出部25に近接又は当接するように構成されている。
そして、この横リブ223は、図6に示したように、前記引っ張り方向152に対して交差する方向に延在しており、本実施の形態では、前記引っ張り方向152に対して直交するように設けられている。
前記下部ケース103の後縁からは、図4から図6に示したように、延出片231が外方へ向けて延出しており、前記ケース本体11から前記延出片231が延出するように構成されている。該延出片231は、前記下部ケース103より短い板状に形成されており、基端部には折曲した折曲部232が設けられている(図4参照)。これにより、当該延出片231は、断面L字状に形成されている。
この延出片231と前記下部ケース103との間には、図6に示したように、折曲部241が設けられており、該折曲部241は、ヒンジで構成されている。これにより、前記延出片231は、その基部に設けられた前記折曲部241で折曲することで、当該延出片231を前記ケース本体11を構成する前記下部ケース103側へ折り返せるように構成されている(図1参照)。
この延出片231は、図4にも示したように、T字状に形成されており、その先端部には、長方形状の突条251が形成されている。また、この突条251の基端側には、円形穴252,252が二箇所に形成されている。この延出片231が折り返される前記下部ケース103の部位には、前記延出片231を配置可能な延出片収容凹部253が凹設されている。
該延出片収容凹部253内には、円柱部261,261が二箇所に立設されており、前記延出片231を前記下部ケース103側に折り返した状態で、前記円柱部261,261が前記延出片231の前記円形穴252,252と係合するように構成されている。また、前記円柱部261の先端側には、長方形状の長方形凹部262が設けられており、前記延出片231を前記下部ケース103側に折り返して前記延出片収容凹部253内に配置した状態で、前記延出片231に形成された前記突条251が前記長方形凹部262と係合するように構成されている(図1参照)。
これにより、前記延出片231を、前記ケース本体11に沿って配置した格納状態を形成できるように構成されており、この格納状態で前記延出片231の不用意な揺動を防止することで、当該ケース本体11をパッケージに収容する際には、コンパクト化を図れるとともに、輸送・展示の際に生じ得る不具合を未然に防止することができる。
そして、前記延出片231の自由端部を前記ケース本体11を構成する前記下部ケース103から離間することで、前記延出片231と前記下部ケース103との間に引っ掛け空間を形成できるように構成されており(図示省略)、この状態において、前記上部ケース101に設けられた前記阻止片131が前記延出片231基端の折曲部232に当接することで、当該延出片231の前記ケース本体11から離間する方向への回動を阻止し前記延出片231と前記ケース本体11を構成する前記下部ケース103とでフック形状を形成できるように構成されている。
このとき、前記延出片231基端の前記折曲部232には、図6に示したように、矩形状の係合穴271が設けられており、該係合穴271には、前記阻止片131に設けられた前記係合凸部132が挿入された状態で係合するように構成されている。これにより、前記延出片231及び前記阻止片131には、互いに係合する係合手段が設けられており、前記延出片231が前記阻止片131に当接した状態を維持することで、前記延出片231の前記ケース本体11側への不用意な移動を防止できるように構成されている。
以上の構成にかかる本実施において、ケース本体11より延出したカートリッジ12の本体延出部25をシート体延出部46と共に引っ張ってカートリッジ本体21よりシート体41を剥離して引き抜く際には、該シート体41の本体部45の左右側縁部45a、45bが、その通過経路上に設けられた接触部としての左右前補強リブ211,212に接する。
すると、前記シート体41の本体部45の左右側縁部45a、45bは、前記左右前補強リブ211,212に接することで、その厚み方向Tへ曲げられる。
このとき、各前補強リブ211,212には、各ガイド面211a、212aが設定されており、各前補強リブ211,212に接した前記シート体41の前記左右側縁部45a、45bが厚み方向Tへ曲がるようにガイドすることができる。
これにより、アルミ蒸着された薬剤不透過性シートからなる前記シート体41の前記本体部45における各側縁部45a,45bに癖をつけるとともに、引き抜かれる前記シート体41の前記本体部45の左右側縁部45a、45bを丸めた状態で引き抜くことができる。このため、ケース本体11を保持した手にシート体41の前記本体部45の左右側縁部45a、45bが当たった場合であっても、当該側縁部45a,45bは丸められているので、シート体11の縁の手への直接接触を防止することができる。
したがって、シート体の縁が直接手に当たることがあり得る従来と比較して、前記シート体41を引き抜く者に与える不快感を確実に防止することができる。
また、前記各前補強リブ211,212の下流側には、前記シート体41の引き抜き口122が設けられており、該引き抜き口122の幅寸法123は、前記シート体41の前記本体部45における左右側縁部45a,45bが曲げられた状態で当該本体部45の通過を許容するように設定されている。
このため、前記ケース本体11より引き抜かれるシート体41は、この引き抜き口122においても左右側縁部45a,45bが曲げられた状態に維持することができる。
このとき、前記シート体41の各側縁部45a,45bは、その上流側が前記各前補強リブ211,212の前記各ガイド面211a,212aで支持されるとともに、その下流側が前記引き抜き口122の開口縁部で支持される。このため、当該シート体41の前記本体部45の各側縁部45a,45bを引き抜き方向の二箇所で支持できるので、曲げられた各側縁部45a,45bの下流側での不用意な開きを防止することができる。
これにより、前記シート体41の前記本体部45における各側縁部45a,45bが丸められた状態を確実に維持することができる。
そして、前記シート体41は幅広の前記本体部45と幅狭の前記シート体延出部46とで構成されており、該シート体延出部46には、引き抜き時に挟持されるシート体挟持部47が設定されている。このため、このシート体挟持部47を挟持して引っ張ることで、前記シート体41を引き抜くことができる。
ここで、前記シート体延出部46を引っ張って前記シート体41を引き抜く際には、幅狭の前記シート体延出部46が引き出された後に、幅広の前記本体部45が引き出される。このため、引き出し時においては、前記本体部45の引き出しが開始された際に、引き出されるシート体41が幅広となり、ケース本体11を保持する手などと干渉し易くなる。
そこで、本実施の形態では、前記シート体41の各側縁部45a,45bを曲げる前記各前補強リブ211,212が前記本体部45の各側縁部45a,45bに接するように構成されている。このため、このように手への干渉が生じやすい構成であっても、前記本体部45の前記各側縁部45a,45bを曲げた状態で引き出すことができ、前述と同様の効果を十分に発揮することができる。
また、幅広に形成された前記本体部45には、前記シート体延出部47より離れる方向へ向かうに従って幅広となる曲げ導入部48が設定されており、前記本体部45は、この曲げ導入部48が前記各前補強リブ211,212に差し掛かった状態から、その側縁部45a,45bの前記各ガイド面211a,212aに沿った曲げを少しずつ開始することができる。
このため、前記曲げ導入部48が設定されていない場合と比較して、前記本体部45先端の前記各前補強リブ211,212への引っかかりを防止することができ、前記本体部45の各側縁部45a,45bの曲げ工程へスムーズに移行することができる。
1 薬剤揮散装置
11 ケース本体
41 シート体
45 本体部
45a 左側縁部
45b 右側縁部
46 シート体延出部
47 シート体挟持部
48 曲げ導入部
122 引き抜き口
123 幅寸法
152 引っ張り方向
211 左前補強リブ
211a 左ガイド面
212 右前補強リブ
212a 右ガイド面
T 厚み方向

Claims (4)

  1. ケース本体に収容されたシート体を引き抜く際に機能する引き抜き部構造であって、
    引き抜かれるシート体の通過経路上に前記シート体の側縁部に接する接触部を設け、
    前記シート体の幅方向の長さが短くなるように、かつ、前記側縁部が前記シート体の厚み方向へ曲がるようにガイドする傾斜面を前記接触部に設定し、前記傾斜面でガイド面を構成したことを特徴とする引き抜き部構造。
  2. 前記接触部の下流側に前記シート体が通過する引き抜き口を設けるとともに、前記側縁部が曲げられた状態で前記シート体が通過するように前記引き抜き口の幅寸法を設定したことを特徴とする請求項1記載の引き抜き部構造。
  3. 前記シート体を、幅広の本体部と該本体部より延出した幅狭の延出部とで構成し、該延出部に引き抜き時に挟持される挟持部を設定する一方、前記本体部の側縁部に前記接触部が接するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の引き抜き部構造。
  4. 前記延出部より離れる方向へ向かうに従って幅広となる曲げ導入部を前記本体部に設定したことを特徴とする請求項3記載の引き抜き部構造。
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