JP6243836B2 - コークス炉ガスの冷却方法および装置 - Google Patents

コークス炉ガスの冷却方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、石炭ガス化学分野で用いられるコークス炉ガス(以下「COG」ともいう)の冷却方法および装置に関するものである。
石炭を乾留するときに揮発するガス分(コークス炉ガス)は、水素やメタン等を主成分とする可燃性のガスである。このため、コークス炉ガスを回収・冷却し、精製して、製鉄のエネルギー源や化成品原料として有効活用することが行われている。
従来のコークス炉ガスの冷却装置は、多数の冷却管からなる多管式熱交換器を用いた間接冷却方式の冷却装置が一般的である。また、大量に消費される冷却水としては経済性の面から海水が利用されている場合が多い。
このようなコークス炉ガスの冷却装置を開示する文献として、例えば下記の特許文献1および2が存在する。
特開平11−12580号公報 特開2003−314993号公報
上記特許文献1には、つぎの開示がある。
[0006]
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るコークス炉ガスの冷却方法に使用する多管式熱交換器10は周知の構造となって、両側に鏡部11、12を備えた鋼製のシェル13と、シェル13内に配置された多数のチューブ14と、偏流による伝熱効率の低下を防ぐ邪魔板15と、多数のチューブ14の両端を支持する管板16、17とを有している。そして、鏡部11には圧力変動吸着法に使用する原料ガスの一例であるコークス炉ガスのチューブ側入口18を、鏡部12にはコークス炉ガスのチューブ側出口19をそれぞれ備えている。また、シェル13の一方側上部には冷却水のシェル側入口20を、シェル13の他方側下部には冷却水のシェル側出口21を備え、コークス炉ガスと冷却水が並流に流れるようになっている。
[0007]
コークス炉ガスの出るチューブ側出口19に連結される配管通路22には、温度センサー23、及びこれを入力とする制御装置が設けられ、冷却水のシェル側入口20に連結される給水管25には、エア駆動の流量調整弁26が設けられている。そして、出側のコークス炉ガスの温度を測定する温度センサー23の出力を制御装置に入力し、この制御装置によって流量調整弁26の弁の開き度合いを制御して、コークス炉ガスの温度が常時一定値になるようにしている。
上記特許文献2には、つぎの開示がある。
[0027]
図1は、本発明の冷却方法を好適に適用することのできる既知の一般的な冷却装置の平面図である。図2は、図1のA−A矢視線に沿った冷却装置の立面図である。本発明の冷却方法に用いることのできる冷却装置は、COGを多数の冷却管(垂直管)を用いて間接冷却する多管式熱交換器であって、既知の一般的な間接冷却方式の冷却装置と同様の装置構成を有するものに幅広く適用し得るものである。
[0028]
図1及び図2に示すように、ガスブロワー(図示せず)の吸引により、冷却管111の管外流体としてCOGを冷却装置本体109に導入するためのCOG入口101が冷却装置本体109の一側面(図中の左側面)上部に設けられており、続く直接冷却方式の冷却装置(図示せず、図7参照のこと)に供給するためのCOG出口103が該装置本体109の対向する一側面(図中の右側面)下部に設けられている。
[0029]
また、間接冷却方式の冷却装置本体109には、該装置本体109内に入ったCOGと冷却水として用いる海水との熱交換効率が高められるように、上下にジグザグのCOG流路(図中、U字状の矢印で示す)を形成すべく、該装置本体109内部に多数の上・下ガス側仕切板115a、bが配置されている。上記ガス流路には、多数の冷却管111が配設されており、これら各冷却管111の両端が、上部管板117と下部管板113により固定されている。この際、各冷却管111の両端開口部は、上・下部管板117、113と、上・下部水室仕切板121、119で形成した上・下部水室106a〜d、108a〜cに連通されている。また、COG出口103側の下部水室106aには、COGの出入りに対して向流となるように海水入口105が設けられている。該海水入口105には、海水(冷却水)供給管135が接続されている。また、COG入口101側の上部水室3室108cには、海水出口107が設けられている。該海水出口107には、装置本体109の冷却管111内に冷却水を流通しCOGを直接冷却方式の冷却装置で冷却した後、間接冷却装置に供給すべく、冷却水排出用配管137が接続されている。なお、図1では、装置本体109の下部に位置する下部水室は、説明の都合上、3枚の下部水室仕切板119で仕切られた下部水室1室から4室に分けられており、冷却水である海水入口105が最右側の下部水室1室106aに、海水出口107が最左側の下部水室4室106dに設けられているものとした。同様に、装置本体109の上部に位置する上部水室は、説明の都合上、2枚の上部水室仕切板121で仕切られた上部水室1室から3室に分けられているものとした。これにより、海水入口105から入った海水は、下部水室1室106aから冷却管111を通じて上部水室1室108aに入り、以後も、上部水室1室108a→冷却管111→下部水室2室106b→冷却管111→上部水室2室108b→冷却管111→下部水室3室106c→冷却管111→上部水室3室108c→冷却管111→下部水室4室106d→海水出口107に至り、排出される。以上が、一般的な多数の垂直管(冷却管)を備えてなる多管式熱交換タイプの冷却装置の概要である。なお、図1および図2では、冷却管や水室の数は、説明の都合上、極めて簡素化して表示しており、実際には、COGの排出量に応じて、冷却管が数千本からなるものが用いられており、また、水室もより多く設けられているものが用いられている。
[0032]
本発明のCOGの冷却方法の第1の実施形態としては、COGを多数の冷却管に冷却水として海水を通水して間接冷却するCOGの冷却方法において、COG量および冷却水温度に応じて冷却管に流す冷却水流量を調節し、さらに冷却管の一部を遮蔽して熱交換面積を調節し、COGの冷却温度をナフタリンが略析出しない所定温度以上とし、且つ冷却水の熱交換後の温度を高温腐食が生じにくい所定温度以下にすることを特徴とするものである。
上記特許文献1および2記載の技術はいずれも、冷却するコークス炉ガスの発生量に応じて冷却管に流す冷却水の流量を調節するようにしている。
上記特許文献1および2のような冷却水の流量を調整する装置では、コークス炉ガスの発生量が多いときは冷却水を多く流し、コークス炉ガスの発生量が少なくなると冷却水を少なく流すように調節する。
ここで、コークス炉ガスを冷却するときの熱交換で加熱された冷却水は、熱源として再利用することが行われる。この場合、加熱された冷却水の温度が一定以上(75℃以上)で安定していることが望ましい。加熱された冷却水の温度が安定しなければ、再利用する際に熱源として扱いずらい。つまり、熱源の温度が低すぎると他から熱を補充しなければならなくなるからである。
しかしながら、冷却水(海水)の流量で冷却をコントロールする場合、コークス炉ガスの発生量が急変すると、熱交換された冷却水の温度が想定よりも高くなったり低くなったりすることがある。
海水の温度が高くなり過ぎると、海水中の塩化物イオンにより腐食が加速する。このような海水による高温腐食により、冷却管の損傷を生じやすいという問題が生じる。
また、冷却管が横方向に延びる横型の冷却装置(たとえば特許文献1)では、冷却水(海水)の流量を絞ると、海水中の砂が流れずに冷却管内に堆積しはじめる。冷却管内に砂が堆積すると、冷却効率が低下して回収熱量の低下を引き起こす。さらに、砂が堆積した部分から冷却管が腐食しはじめ、やがてピンホールになるため、冷却管の交換周期が短くなるという問題が起こる。
〔目的〕
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、つぎの目的を有する。
たとえばコークス炉ガスの発生量が急変したとしても、熱源として再利用する加熱された冷却水の温度が安定するコークス炉ガスの冷却方法および装置を提供する。
請求項1記載のコークス炉ガスの冷却方法は、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
コークス炉ガスを冷却空間に流通させるときに冷却するにあたって、
上記冷却空間における高温側に配置した第1の冷却管に一次冷却水を通し、上記冷却空間に導入された上記コークス炉ガスを一次冷却し、
上記冷却空間における低温側に配置した第2の冷却管に二次冷却水を通し、上記一次冷却された上記コークス炉ガスを二次冷却し、
上記第1の冷却管から出てきた上記一次冷却水から、上記コークス炉ガスとの熱交換で上記一次冷却水に蓄積された熱を熱回収手段によって回収し、
上記熱回収手段は、熱回収手段内の減圧によりスチームとした一次冷却水から熱を回収する
請求項2記載のコークス炉ガスの冷却方法は、請求項1に記載した構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第1の冷却管に通す上記一次冷却水を、循環路を介して循環させ、
上記熱回収手段は、上記循環路を循環する上記一次冷却水から熱を回収する。
請求項3記載のコークス炉ガスの冷却方法は、請求項1または2に記載した構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記一次冷却水として淡水を用い、上記二次冷却水として海水を用いる。
請求項4記載のコークス炉ガスの冷却方法は、請求項1〜3のいずれか一項に記載した構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第1の冷却管は上記一次冷却水を横方向に通し、上記第2の冷却管は上記二次冷却水を横方向に通す。
請求項5記載のコークス炉ガスの冷却方法は、請求項2〜4のいずれか一項に記載した構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記循環路を循環する一次冷却水の流量を、必要な熱を回収できる範囲でコントロールする
請求項記載のコークス炉ガスの冷却装置は、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
コークス炉ガスを流通させるときに冷却する冷却空間と、
上記冷却空間における高温側に配置され、一次冷却水が通されて上記冷却空間に導入された上記コークス炉ガスを一次冷却する第1の冷却管と、
上記冷却空間における低温側に配置され、二次冷却水が通されて上記第1の冷却管で一次冷却された上記コークス炉ガスを二次冷却する第2の冷却管と、
上記第1の冷却管から出てきた上記一時冷却水から、上記コークス炉ガスとの熱交換で上記一次冷却水に蓄積された熱を回収する熱回収手段とを備え
上記熱回収手段は、熱回収手段内の減圧によりスチームとした一次冷却水から熱を回収するものである
請求項記載のコークス炉ガスの冷却装置は、請求項に記載した構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第1の冷却管に通す上記一次冷却水を循環させる循環路をさらに備え、
上記熱回収手段は、上記循環路の途中に設けられて、上記循環路を循環する上記一次冷却水から熱を回収する。
請求項記載のコークス炉ガスの冷却装置は、請求項またはに記載した構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記一次冷却水として淡水が用いられ、上記二次冷却水として海水が用いられる。
請求項記載のコークス炉ガスの冷却装置は、請求項のいずれか一項に記載した構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第1の冷却管は上記一次冷却水を横方向に通し、上記第2の冷却管は上記二次冷却水を横方向に通す。
請求項10記載のコークス炉ガスの冷却装置は、請求項7〜9のいずれか一項に記載した構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記循環路を循環する一次冷却水の流量を、必要な別を回収できる範囲でコントロールするように構成された
請求項1記載のコークス炉ガスの冷却方法は、上記冷却空間における高温側に配置した第1の冷却管に一次冷却水を通し、上記冷却空間に導入された上記コークス炉ガスを一次冷却する。そして、上記第1の冷却管から出てきた上記一次冷却水から、上記コークス炉ガスとの熱交換で上記一次冷却水に蓄積された熱を熱回収手段によって回収する。
このように、熱回収手段で熱を回収するための一次冷却水を、冷却空間の高温側で熱交換することにより、第1の冷却管を通る一次冷却水とのあいだで十分な熱交換が行われる。つまり、たとえばコークス炉ガスの発生量が急変したとしても、第1の冷却管から出てきた一次冷却水の温度は安定している。したがって、熱源としての再利用が行ないやすい。従来のように、熱源の温度が低すぎて他から熱を補充するなどの不都合が解消される。 また、上記熱回収手段は、熱回収手段内の減圧によりスチームとした一次冷却水から熱を回収する。このため、一次冷却水は減圧でスチームとなって回収熱の利用に供される。
請求項2記載のコークス炉ガスの冷却方法は、循環させる一次冷却水を冷却空間の高温側で熱交換し、そこで一次冷却水に蓄積された熱を熱回収手段によって回収する。
このため、第1の冷却管から出てきた一次冷却水の温度が安定する。したがって、熱源としての再利用が行ないやすい。従来のように、熱源の温度が低すぎて他から熱を補充するなどの不都合が解消される。循環させる一次冷却水は、必要な熱を回収できる範囲で流量をコントロールすればよい。このため、一次冷却水の流量のコントロール幅が小さくてすむ。
請求項3記載のコークス炉ガスの冷却方法は、上記一次冷却水として淡水を用い、上記二次冷却水として海水を用いる。このため、すべての冷却管に冷却水として海水を通す従来技術に比べ、淡水を循環使用する分だけ海水の消費量が減少し、冷却用の海水の購入コストを節減できる。
また、一次冷却である程度温度の下がったコークス炉ガスを冷却するのに海水を用いている。このため、すべての冷却管に冷却水として海水を通す従来技術に比べ、海水の温度が高くなり過ぎることに起因する冷却管の高温腐食を防止する。
請求項4記載のコークス炉ガスの冷却方法は、横方向に延びる第1の冷却管と第2の冷却管の交換周期を延長できる。
すなわち、二次冷却は、熱回収を考慮せずに任意でコントロールができる。したがって、冷却管を通す海水の流量を絞ることにより従来技術で生じていた問題が解消する。つまり、海水の流量が少なくなって海水中の砂が流れずに冷却管内に堆積することが防止される。また、冷却管内に堆積する砂による冷却効率の低下が防止される。さらに、砂が堆積した部分における冷却管の腐食が防止される。
請求項5記載のコークス炉ガスの冷却方法は、上記循環路を循環する一次冷却水の流量を、必要な熱を回収できる範囲でコントロールする。したがって、循環させる一次冷却水は、必要な熱を回収できる範囲で流量をコントロールすればよい。このため、一次冷却水の流量のコントロール幅が小さくてすむ。
請求項記載のコークス炉ガスの冷却装置は、上記冷却空間における高温側に配置した第1の冷却管に一次冷却水を通し、上記冷却空間に導入された上記コークス炉ガスを一次冷却する。そして、上記第1の冷却管から出てきた上記一次冷却水から、上記コークス炉ガスとの熱交換で上記一次冷却水に蓄積された熱を熱回収手段によって回収する。
このように、熱回収手段で熱を回収するための一次冷却水を、冷却空間の高温側で熱交換することにより、第1の冷却管を通る一次冷却水とのあいだで十分な熱交換が行われる。つまり、たとえばコークス炉ガスの発生量が急変したとしても、第1の冷却管から出てきた一次冷却水の温度は安定している。したがって、熱源としての再利用が行ないやすい。従来のように、熱源の温度が低すぎて他から熱を補充するなどの不都合が解消される。
また、上記熱回収手段は、熱回収手段内の減圧によりスチームとした一次冷却水から熱を回収するものである。このため、一次冷却水は減圧でスチームとなって回収熱の利用に供される。
請求項記載のコークス炉ガスの冷却装置は、循環させる一次冷却水を冷却空間の高温側で熱交換し、そこで一次冷却水に蓄積された熱を熱回収手段によって回収する。
このため、第1の冷却管から出てきた一次冷却水の温度が安定する。したがって、熱源としての再利用が行ないやすい。従来のように、熱源の温度が低すぎて他から熱を補充するなどの不都合が解消される。循環させる一次冷却水は、必要な熱を回収できる範囲で流量をコントロールすればよい。このため、一次冷却水の流量のコントロール幅が小さくてすむ。
請求項記載のコークス炉ガスの冷却装置は、上記一次冷却水として淡水を用い、上記二次冷却水として海水を用いる。このため、すべての冷却管に冷却水として海水を通す従来技術に比べ、淡水を循環使用する分だけ海水の消費量が減少し、冷却用の海水の購入コストを節減できる。
また、一次冷却である程度温度の下がったコークス炉ガスを冷却するのに海水を用いている。このため、すべての冷却管に冷却水として海水を通す従来技術に比べ、海水の温度が高くなり過ぎることに起因する冷却管の高温腐食を防止する。
請求項記載のコークス炉ガスの冷却装置は、横方向に延びる第1の冷却管と第2の冷却管の交換周期を延長できる。
すなわち、二次冷却は、熱回収を考慮せずに任意でコントロールができる。したがって、冷却管を通す海水の流量を絞ることにより従来技術で生じていた問題が解消する。つまり、海水の流量が少なくなって海水中の砂が流れずに冷却管内に堆積することが防止される。また、冷却管内に堆積する砂による冷却効率の低下が防止される。さらに、砂が堆積した部分における冷却管の腐食が防止される。
請求項10記載のコークス炉ガスの冷却装置は、上記循環路を循環する一次冷却水の流量を、必要な別を回収できる範囲でコントロールするように構成されている。したがって、循環させる一次冷却水は、必要な熱を回収できる範囲で流量をコントロールすればよい。このため、一次冷却水の流量のコントロール幅が小さくてすむ。
第1実施形態のコークス炉ガスの冷却装置の構成を示す図である。 第2実施形態のコークス炉ガスの冷却装置の構成を示す図である。
つぎに、本発明を実施するための形態を説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明のコークス炉ガスの冷却装置の第1実施形態の構成を示す図である。
〔基本構造〕
この装置は、コークス炉ガスを冷却する第1の冷却塔1および第2の冷却塔2を備えている。
上記第1の冷却塔1は、高温側で一次冷却を行ない、低温側で二次冷却を行う。高温側で行う一次冷却には、一次冷却水として淡水が導入される。低温側で行う二次冷却には、二次冷却水として海水が使用される。
上記第2の冷却塔2は、二次冷却を行い、二次冷却水として海水が導入される。
上記一次冷却水として用いられる淡水は、貯留槽4に貯留されたものが、循環路3によって循環される。
上記循環路3の途中には熱回収手段5が設けられている。上記熱回収手段5で回収した熱は回収熱利用装置6で利用される。
〔第1の冷却塔〕
上記第1の冷却塔1は、コークス炉ガスが導入される第1の冷却空間11を備え、上記第1の冷却空間11にコークス炉ガスを流通させるときに冷却する。
上記第1の冷却空間11には、コークス炉ガスを導入するCOG導入路17が接続されている。図示した例では、COG導入路17は図の上側に接続されている。
上記第1の冷却空間11には、コークス炉ガスを第2の冷却塔2に移送するために排出するCOG移送路18が接続されている。図示した例では、COG移送路18は図の下側に接続されている。
上記第1の冷却空間11における高温側には、一次冷却水が通されて上記第1の冷却空間11に導入された上記コークス炉ガスを一次冷却する複数の第1の冷却管13が配置されている。上記第1の冷却空間11における高温側とは、第1の冷却空間11に導入されたコークス炉ガスが流通するときの上流側、つまりCOG導入路17が接続された側である。
また、上記第1の冷却空間11における低温側には、二次冷却水が通されて上記第1の冷却管13で一次冷却された上記コークス炉ガスを二次冷却する複数の第2の冷却管14が配置されている。上記第1の冷却空間11における低温側とは、第1の冷却空間11に導入されたコークス炉ガスが流通するときの下流側、つまりCOG移送路18が接続された側である。
上記第1の冷却管13の両端部は、各第1の冷却管13に流れ込む一次冷却水が導入される上流側一次貯室15aと、各第1の冷却管13から流れ出た一次冷却水を一時的に貯留する下流側一次貯室15bとに連通している。上流側一次貯室15aと下流側一次貯室15bには、互い違いに段違いとなるようにリターン板30が設けられている。
上記第2の冷却管14の両端部は、各第2の冷却管14に流れ込む二次冷却水が導入される上流側二次貯室16aと、各第2の冷却管14から流れ出た二次冷却水を一時的に貯留する下流側二次貯室16bとに連通している。上流側二次貯室16aと下流側二次貯室16bには、互い違いに段違いとなるようにリターン板30が設けられている。
上記上流側一次貯室15aと上流側二次貯室16aの間は、隔壁12で隔てられている。同様に、下流側一次貯室15bと下流側二次貯室16bの間も、隔壁12で隔てられている。
上記第1の冷却管13は上記一次冷却水を横方向に通す。同様に、上記第2の冷却管14は上記二次冷却水を横方向に通す。つまり、上記第1の冷却管13と第2の冷却管14は、いずれも長手方向が横向けになるよう配置されている。
このとき、上記一次冷却水は、下段に配置された第1の冷却管13から、折り返しながら1段ずつ上の第1の冷却管13に向かって流れる。また、上記二次冷却水も、下段に配置された第2の冷却管14から、折り返しながら1段ずつ上の第2の冷却管14に向かって流れる。
上記上流側一次貯室15aには、一次冷却水を導入する一次冷却水導入路3aが接続されている。上記下流側一次貯室15bには、一次冷却水を排出する一次冷却水排出路3bが接続されている。
上記上流側二次貯室16aには、第2の冷却塔2から移送される二次冷却水を導入する二次冷却水移送路26が接続されている。上記下流側二次貯室16bには、二次冷却水を排出する二次冷却水排出路19が接続されている。
このような構成の第1の冷却塔1では、一次冷却水導入路3aから導入された一次冷却水が、上流側一次貯室15a、第1の冷却管13、下流側一次貯室15bと流れて一次冷却水排出路3bから排出される。
また、二次冷却水移送路26から導入された二次冷却水は、上流側二次貯室16a、第2の冷却管14、下流側二次貯室16bと流れて二次冷却水排出路19から排出される。 第1の冷却空間11に導入されたコークス炉ガスを、高温側にある第1の冷却管13で一次冷却を行ない、低温側にある第2の冷却管14で二次冷却を行う。
高温側で行う一次冷却には、一次冷却水として淡水が使用される。低温側で行う二次冷却には、二次冷却水として海水が使用される。上記一次冷却水として用いる淡水には、凝縮水や工業用水あるいはそれらを混ぜた水を用いることができる。
〔第2の冷却塔〕
上記第2の冷却塔2は、第1の冷却塔1から移送されるコークス炉ガスが導入される第2の冷却空間21を備え、上記第2の冷却空間21にコークス炉ガスを流通させるときに冷却する。
上記第2の冷却空間21には、第1の冷却塔1から移送されるコークス炉ガスを導入するCOG移送路18が接続されている。図示した例では、COG移送路18は図の上側に接続されている。
上記第2の冷却空間21には、コークス炉ガスを排出するCOG排出路24が接続されている。図示した例では、COG排出路24は図の下側に接続されている。
上記第2の冷却空間21には、二次冷却水が通されて上記第2の冷却空間21に導入された上記コークス炉ガスを、さらに二次冷却する冷却管23が配置されている。
上記冷却管23の両端部は、各冷却管23に流れ込む二次冷却水が導入される上流側貯室22aと、各冷却管23から流れ出た二次冷却水を一時的に貯留する下流側貯室22bとに連通している。
上記冷却管23は上記二次冷却水を横方向に通す。つまり、上記各冷却管23は長手方向が横向けになるよう配置されている。
上記上流側貯室22aには、二次冷却水を導入する二次冷却水導入路25が接続されている。上記下流側貯室22bには、二次冷却水を排出して第1の冷却塔1に移送する二次冷却水移送路26が接続されている。上流側貯室22aと下流側貯室22bには、互い違いに段違いとなるようにリターン板30が設けられている。
このような構成の第2の冷却塔2では、二次冷却水導入路25から導入された二次冷却水が、上流側貯室22a、冷却管23、下流側貯室22bと流れて二次冷却水移送路26から排出される。第2の冷却空間21に導入されたコークス炉ガスを、冷却管23でさらに二次冷却を行なう。
このとき、上記二次冷却水は、下段に配置された冷却管23から、折り返しながら1段ずつ上の冷却管23に向かって流れる。
第2の冷却塔2で使用する二次冷却水は、第1の冷却塔1で使用する二次冷却水と同じ海水である。つまり、第2の冷却塔2で二次冷却水導入路25から導入された二次冷却水は、第2の冷却塔2における二次冷却に使用されたあと、二次冷却水移送路26を介して第1の冷却塔1に移送されて第1の冷却塔1における二次冷却に使用され、二次冷却水排出路19から排出される。
〔熱回収機構〕
上記第1の冷却塔1において、上記一次冷却水として用いられる淡水は、貯留槽4に貯留されたものが、循環路3によって循環されて使用される。上記循環路3は、一次冷却水導入路3a、一次冷却水排出路3bおよび一次冷却水回収路3cを含んで構成されている。一次冷却水導入路3aには汚泥等を排出する排出路8が分岐している。
上記循環路3の途中には熱回収手段5が設けられている。上記熱回収手段5で回収した熱は回収熱利用装置6で利用される。
上記熱回収手段5は、上記第1の冷却管13から出てきた上記一時冷却水から、上記コークス炉ガスとの熱交換で上記一次冷却水に蓄積された熱を回収する。
つまり、貯留槽4に貯留された一次冷却水は、循環ポンプ7で吸い上げられて一次冷却水導入路3aにより第1の冷却塔1に導入される。第1の冷却塔1において第1の冷却管13を通過するときにコークス炉ガスとの熱交換で加熱された一次冷却水は、一次冷却水排出路3bから排出されて、熱回収手段5に導入される。
熱回収手段5はスチーム路28で回収熱利用装置6に接続されている。回収熱利用装置6には凝縮水ポンプ29を備えた回収路10が接続されている。また、上記回収熱利用装置6には真空ポンプ9が接続され、回収熱利用装置6内を減圧することにより、スチーム路28を経由して熱回収手段5内を減圧している。
第1の冷却塔1において熱交換で加熱された一次冷却水は、上記熱回収手段5に導入され、上記真空ポンプ9による減圧でスチームとなる。このスチームがスチーム路28で回収熱利用装置6に導入され、回収熱の利用に供される。回収熱を利用されることにより凝縮して水となった一時冷却水は、回収路10を介して貯留槽4に戻される。上記熱回収手段5内でスチーム化されずに液体のままだった一次冷却水は、一次冷却水回収路3cを介して貯留槽4に戻される。
このとき、上記第1の冷却管13に通す上記一次冷却水は、循環路3を介して循環させる。そして、上記熱回収手段5は、上記循環路3を循環する上記一次冷却水から熱を回収している。
〔冷却方法〕
上述したコークス炉ガスの冷却装置を用い、本実施形態のコークス炉ガスの冷却方法はつぎのようにして行われる。
本実施形態では、コークス炉ガスを第1の冷却空間11および第2の冷却空間21に流通させるときに冷却する。
コークス炉ガスは、COG導入路17から第1の冷却空間11に導入される。一次冷却水は、貯留槽4から循環ポンプ7で汲み上げられて一次冷却水導入路3aを介して第1の冷却管13に導入される。二次冷却水は、二次冷却水移送路26を介して第2の冷却管14に導入される。
第1の冷却空間11では、高温側すなわち上流側の第1の冷却管13により一次冷却が行われ、低温側すなわち下流側の第2の冷却管14により二次冷却が行われる。
上記第1の冷却管13には一次冷却水として淡水を通し、上記第2の冷却管14には二次冷却水として海水を通す。
上記第1の冷却管13から出てきた上記一次冷却水から、上記コークス炉ガスとの熱交換で上記一次冷却水に蓄積された熱を熱回収手段5によって回収する。
コークス炉ガスを一次冷却する際の熱交換で加熱された一次冷却水は、一次冷却水排出路3bから熱回収手段5に導入される。このときの一次冷却水の温度は75℃以上である。熱回収手段5の内部は、真空ポンプ9による吸引で減圧されていて、導入された75℃以上の一次冷却水がスチーム化する。スチーム化した一次冷却水はスチーム路28を通って回収熱利用装置6に導入され、回収熱が利用される。
このとき、上記第1の冷却管13に通す上記一次冷却水を、循環路3を介して循環させる。上記熱回収手段5は、上記循環路3を循環する上記一次冷却水から熱を回収する。循環させる一次冷却水は、必要な熱を回収できる範囲で流量をコントロールすればよい。このため、一次冷却水の流量のコントロール幅が小さくてすむ。
回収熱利用装置6で回収熱の利用により温度が下がって液化した一次冷却水は、回収路から貯留槽4に戻される。また、熱回収手段5でスチーム化しなかった一次冷却水も、一次冷却水回収路3cから貯留槽4に戻される。
第2の冷却空間21では、冷却管23により二次冷却が行われる。第1の冷却空間11で一次冷却と二次冷却が行われたコークス炉ガスは、COG移送管18により第2の冷却空間21に移送される。第2の冷却空間21では、冷却管23により二次冷却が行われる。第2の冷却空間21で二次冷却されたコークス炉ガスは、COG排出路24から排出される。
〔第2実施形態〕
図2は、本発明の第2実施形態を示す。
この例は、コークス炉ガスを1基の冷却塔20で冷却するものである。この冷却塔20は、基本的には上述した第1の冷却塔1と同様の構造である。一次冷却する第1の冷却管13よりも二次冷却する第2の冷却管14の数が多くなっている。
具体的には、以下の構造である。
上記冷却塔20は、コークス炉ガスが導入される第1の冷却空間11を備え、上記第1の冷却空間11にコークス炉ガスを流通させるときに冷却する。
上記第1の冷却空間11には、コークス炉ガスを導入するCOG導入路17が接続されている。図示した例では、COG導入路17は図の上側に接続されている。
また、第1の冷却空間11には、コークス炉ガスを排出するCOG排出路24が接続されている。図示した例では、COG排出路24は図の下側に接続されている。
上記第1の冷却空間11における高温側には、一次冷却水が通されて上記第1の冷却空間11に導入された上記コークス炉ガスを一次冷却する複数の第1の冷却管13が配置されている。上記第1の冷却空間11における高温側とは、第1の冷却空間11に導入されたコークス炉ガスが流通するときの上流側、つまりCOG導入路17が接続された側である。
また、上記第1の冷却空間11における低温側には、二次冷却水が通されて上記第1の冷却管で一次冷却された上記コークス炉ガスを二次冷却する複数の第2の冷却管14が配置されている。上記第1の冷却空間11における低温側とは、第1の冷却空間11に導入されたコークス炉ガスが流通するときの下流側、つまりCOG排出路24が接続された側である。
この例では、第1の冷却管13よりも第2の冷却管14の数が多くなっている。第2の冷却管14の数は、上述した第1実施形態と同等の冷却能力が得られるように設定されている。
上記第1の冷却管13の両端部は、各第1の冷却管13に流れ込む一次冷却水が導入される上流側一次貯室15aと、各第1の冷却管13から流れ出た一次冷却水を一時的に貯留する下流側一次貯室15bとに連通している。
上記第2の冷却管14の両端部は、各第2の冷却管14に流れ込む二次冷却水が導入される上流側二次貯室16aと、各第2の冷却管14から流れ出た二次冷却水を一時的に貯留する下流側二次貯室16bとに連通している。
上記上流側一次貯室15aと上流側二次貯室16aの間は、隔壁12で隔てられている。同様に、下流側一次貯室15bと下流側二次貯室16bの間も、隔壁12で隔てられている。
上記上流側一次貯室15aには、一次冷却水を導入する一次冷却水導入路3aが接続されている。上記下流側一次貯室15bには、一次冷却水を排出する一次冷却水排出路3bが接続されている。
上記上流側二次貯室16aには、二次冷却水を導入する二次冷却水導入路25が接続されている。上記下流側二次貯室16bには、二次冷却水を排出する二次冷却水排出路19が接続されている。
このような構成の冷却塔20では、一次冷却水導入路3aから導入された一次冷却水が、上流側一次貯室15a、第1の冷却管13、下流側一次貯室15bと流れて一次冷却水排出路3bから排出される。
また、二次冷却水導入路25から導入された二次冷却水は、上流側二次貯室16a、第2の冷却管14、下流側二次貯室16bと流れて二次冷却水排出路19から排出される。 第1の冷却空間11に導入されたコークス炉ガスを、高温側にある第1の冷却管13で一次冷却を行ない、低温側にある第2の冷却管14で二次冷却を行う。
それ以外は、上記第1実施形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この例でも、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
〔各実施形態の効果〕
上記各実施形態は、つぎの効果を奏する。
上記各実施形態は、上記第1の冷却空間11における高温側に配置した第1の冷却管13に一次冷却水を通し、上記第1の冷却空間11に導入された上記コークス炉ガスを一次冷却する。そして、上記第1の冷却管13から出てきた上記一次冷却水から、上記コークス炉ガスとの熱交換で上記一次冷却水に蓄積された熱を熱回収手段5によって回収する。
このように、熱回収手段5で熱を回収するための一次冷却水を、第1の冷却空間11の高温側で熱交換することにより、第1の冷却管13を通る一次冷却水とのあいだで十分な熱交換が行われる。つまり、たとえばコークス炉ガスの発生量が急変したとしても、第1の冷却管13から出てきた一次冷却水の温度は安定している。したがって、熱源としての再利用が行ないやすい。従来のように、熱源の温度が低すぎて他から熱を補充するなどの不都合が解消される。
上記各実施形態は、循環させる一次冷却水を第1の冷却空間11の高温側で熱交換し、そこで一次冷却水に蓄積された熱を熱回収手段5によって回収する。
このため、第1の冷却管13から出てきた一次冷却水の温度が安定する。したがって、熱源としての再利用が行ないやすい。従来のように、熱源の温度が低すぎて他から熱を補充するなどの不都合が解消される。循環させる一次冷却水は、必要な熱を回収できる範囲で流量をコントロールすればよい。このため、一次冷却水の流量のコントロール幅が小さくてすむ。
上記各実施形態は、上記一次冷却水として淡水を用い、上記二次冷却水として海水を用いる。このため、すべての冷却管に冷却水として海水を通す従来技術に比べ、淡水を循環使用する分だけ海水の消費量が減少し、冷却用の海水の購入コストを節減できる。
また、一次冷却である程度温度の下がったコークス炉ガスを冷却するのに海水を用いている。このため、すべての冷却管に冷却水として海水を通す従来技術に比べ、海水の温度が高くなり過ぎることに起因する冷却管の高温腐食を防止する。
上記各実施形態は、横方向に延びる第1の冷却管13と第2の冷却管14の交換周期を延長できる。
すなわち、二次冷却は、熱回収を考慮せずに任意でコントロールができる。したがって、冷却管を通す海水の流量を絞ることにより従来技術で生じていた問題が解消する。つまり、海水の流量が少なくなって海水中の砂が流れずに冷却管内に堆積することが防止される。また、冷却管内に堆積する砂による冷却効率の低下が防止される。さらに、砂が堆積した部分における冷却管の腐食が防止される。
図1に示す装置において、つぎの条件でコークス炉ガスの冷却を行った。
1.コークス炉ガスAは、第1の冷却塔1と第2の冷却塔2に順次送られ、80℃から30℃まで冷却される。
2.第1の冷却塔1は、2つの領域に分けられている。コークス炉ガスの導入口に近い領域では、一次冷却水として60℃の淡水(工業用水と凝縮水を混ぜた水)を280t/hで流し、一次冷却を行う。コークス炉ガスの排出口に近い領域は、二次冷却水として第2の冷却塔2から移送されてくる海水を320t/hの流量で流し、二次冷却を行う。
3.一次冷却水は、第1の冷却塔1で75℃以上に昇温され、熱回収手段5(フラッシュタンク)に送られる。
4.熱回収手段5は、回収熱利用装置6(加熱器)を通じて真空ポンプ9につながっており、常時140torrに維持されている。
5.熱回収手段5に送られた一時冷却水は、熱回収手段5内でフラッシュ蒸気を8.5t/hの量で発生し、60℃まで温度が低下する。
6.60℃に低下した淡水は、貯留槽4に溜められ、循環ポンプ7により第1の冷却塔1に戻り、再度75℃まで昇温される。
7.一連の操作により、第1の冷却管13、第2の冷却管14、冷却管23の閉塞や腐食などの問題を解消するとともに、熱交換で得た熱をフラッシュ蒸気として回収し・再利用できる。
具体的な事例としてつぎの効果を得られる。
(1)第1の冷却管13、第2の冷却管14、冷却管23の寿命が、13年から20年に延長する。
(2)冷却水としての海水の使用量が、時間あたり350トン減少した。
(3)熱回収が安定することにより、補助蒸気の使用量が年間520トン減少した。
〔変形例〕
上述した各実施形態は、本発明を横型の冷却塔に適用した例を示している。つまり、第1の冷却管13および第2の冷却管14が、それぞれ一次冷却水と二次冷却水を横方向に流すように配置されたものである。
本発明の適用範囲はこれに限定するものではなく、縦型の冷却塔に適用することもできる。つまり、第1の冷却管13および第2の冷却管14が、それぞれ一次冷却水と二次冷却水を縦方向に流すように配置したものとすることもできる。
また、以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は図示した実施形態に限定する趣旨ではなく、各種の態様に変形して実施することができ、本発明は各種の変形例を包含する趣旨である。
1:第1の冷却塔
2:第2の冷却塔
3:循環路
3a:一次冷却水導入路
3b:一次冷却水排出路
3c:一次冷却水回収路
4:貯留槽
5:熱回収手段
6:回収熱利用装置
7:循環ポンプ
8:排出路
9:真空ポンプ
10:回収路
11:第1の冷却空間
12:隔壁
13:第1の冷却管
14:第2の冷却管
15a:上流側一次貯室
15b:下流側一次貯室
16a:上流側二次貯室
16b:下流側二次貯室
17:COG導入路
18:COG移送路
19:二次冷却水排出路
20:冷却塔
21:第2の冷却空間
22a:上流側貯室
22b:下流側貯室
23:冷却管
24:COG排出路
25:二次冷却水導入路
26:二次冷却水移送路
28:スチーム路
29:凝縮水ポンプ
30:リターン板

Claims (10)

  1. コークス炉ガスを冷却空間に流通させるときに冷却するにあたって、
    上記冷却空間における高温側に配置した第1の冷却管に一次冷却水を通し、上記冷却空間に導入された上記コークス炉ガスを一次冷却し、
    上記冷却空間における低温側に配置した第2の冷却管に二次冷却水を通し、上記一次冷却された上記コークス炉ガスを二次冷却し、
    上記第1の冷却管から出てきた上記一次冷却水から、上記コークス炉ガスとの熱交換で上記一次冷却水に蓄積された熱を熱回収手段によって回収し、
    上記熱回収手段は、熱回収手段内の減圧によりスチームとした一次冷却水から熱を回収する
    ことを特徴とするコークス炉ガスの冷却方法。
  2. 上記第1の冷却管に通す上記一次冷却水を、循環路を介して循環させ、
    上記熱回収手段は、上記循環路を循環する上記一次冷却水から熱を回収する
    請求項1記載のコークス炉ガスの冷却方法。
  3. 上記一次冷却水として淡水を用い、上記二次冷却水として海水を用いる
    請求項1または2記載のコークス炉ガスの冷却方法。
  4. 上記第1の冷却管は上記一次冷却水を横方向に通し、上記第2の冷却管は上記二次冷却水を横方向に通す
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のコークス炉ガスの冷却方法。
  5. 上記循環路を循環する一次冷却水の流量を、必要な熱を回収できる範囲でコントロールする
    請求項2〜4のいずれか一項に記載のコークス炉ガスの冷却方法。
  6. コークス炉ガスを流通させるときに冷却する冷却空間と、
    上記冷却空間における高温側に配置され、一次冷却水が通されて上記冷却空間に導入された上記コークス炉ガスを一次冷却する第1の冷却管と、
    上記冷却空間における低温側に配置され、二次冷却水が通されて上記第1の冷却管で一次冷却された上記コークス炉ガスを二次冷却する第2の冷却管と、
    上記第1の冷却管から出てきた上記一時冷却水から、上記コークス炉ガスとの熱交換で上記一次冷却水に蓄積された熱を回収する熱回収手段とを備え
    上記熱回収手段は、熱回収手段内の減圧によりスチームとした一次冷却水から熱を回収するものである
    ことを特徴とするコークス炉ガスの冷却装置。
  7. 上記第1の冷却管に通す上記一次冷却水を循環させる循環路をさらに備え、
    上記熱回収手段は、上記循環路の途中に設けられて、上記循環路を循環する上記一次冷却水から熱を回収する
    請求項記載のコークス炉ガスの冷却装置。
  8. 上記一次冷却水として淡水が用いられ、上記二次冷却水として海水が用いられる
    請求項または記載のコークス炉ガスの冷却装置。
  9. 上記第1の冷却管は上記一次冷却水を横方向に通し、上記第2の冷却管は上記二次冷却水を横方向に通す
    請求項のいずれか一項に記載のコークス炉ガスの冷却装置。
  10. 上記循環路を循環する一次冷却水の流量を、必要な別を回収できる範囲でコントロールするように構成された
    請求項7〜9のいずれか一項に記載のコークス炉ガスの冷却装置。
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