JP6242698B2 - 排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本開示の技術は、排気に含まれる窒素酸化物を減らす排気浄化装置に関する。
車両の排気通路には、排気に含まれる窒素酸化物(以下、NO)を減らすことで排気を浄化する排気浄化装置が搭載されている。排気浄化装置は、例えば、特許文献1に記載のように、アンモニアを用いてNOを還元する反応を促す還元触媒を備えている。還元触媒がNOの還元反応を促すことによって、排気浄化装置は、排気に含まれるNOの量を減らす。
特開2012−97729号公報
ところで、排気浄化装置は、アンモニアを用いたNOの還元反応を促すことによって、排気に含まれるNOの一部を還元することは可能である。しかしながら、排気に含まれる残りのNOは還元触媒にて還元されないため、より還元する能力の高い排気浄化装置が求められている。
本開示の技術は、窒素酸化物を還元する能力が高まる排気浄化装置を提供することを目的とする。
本開示の技術における排気浄化装置の一態様は、排気通路に配置されて排気に含まれる窒素酸化物を還元する還元触媒と、前記排気の流れる方向における前記還元触媒よりも上流に配置され、前記排気にアンモニアを供給するアンモニア供給部と、前記排気の流れる方向における前記還元触媒よりも上流に配置され、前記排気に炭化水素を供給する炭化水素供給部と、を備える。前記還元触媒は、積層構造体であり、前記アンモニアを用いた前記窒素酸化物の還元反応を促すアンモニア還元層と、前記炭化水素を用いた前記窒素酸化物の還元反応を促す炭化水素還元層と、を有する。
本開示の技術における排気浄化装置の一態様によれば、還元触媒が、アンモニアを用いた窒素酸化物の還元反応に加えて、炭化水素を用いた窒素酸化物の還元反応も促すため、排気浄化装置の窒素酸化物を還元する能力が高まる。
本開示の技術における排気浄化装置の他の態様は、前記アンモニア還元層が、第1多孔質材料の粒子である第1触媒担体を含み、前記炭化水素還元層は、第2多孔質材料の粒子である第2触媒担体を含む。前記第1触媒担体の有する孔の直径は、前記炭化水素の分子径よりも小さく、前記第2触媒担体の有する孔の直径は、前記炭化水素の分子径以上である。前記アンモニア還元層は、前記炭化水素還元層を覆って前記排気に接する前記還元触媒の表面を形成する。
本開示の技術における排気浄化装置の他の態様によれば、炭化水素が、アンモニア還元層を通って炭化水素還元層に到達しやすくなるため、炭化水素還元層での窒素酸化物の還元反応がより起こりやすくなる。
本開示の技術における排気浄化装置の他の態様は、前記アンモニア還元層が、銅と前記第1触媒担体とを含み、前記炭化水素還元層は、銅と前記第2触媒担体とを含む。前記第1触媒担体は、SAPO−34型ゼオライト、および、SAPO−47型ゼオライトから構成される群から選択される少なくとも1つであり、前記第2触媒担体は、ZSM−5型ゼオライト、および、ベータ型ゼオライトから構成される群から選択される少なくとも1つである。
本開示の技術における排気浄化装置の他の態様によれば、アンモニアが第1触媒担体の有する孔内に進入できる一方、炭化水素は第1触媒担体の孔内には進入せず、第2触媒担体が構成する炭化水素還元層に到達する。そのため、アンモニア還元層および炭化水素還元層の両方にて、相互に異なる還元剤による窒素酸化物の還元反応が確実に促されることで、排気浄化装置の窒素酸化物を還元する能力がより高まる。
本開示の技術における排気浄化装置の他の態様は、前記アンモニア供給部が、前記炭化水素を用いた前記窒素酸化物の還元反応を促して前記アンモニアを生成するアンモニア生成触媒である。
本開示の技術における排気浄化装置の他の態様によれば、アンモニアが窒素酸化物の還元によって生成されるため、排気浄化装置の窒素酸化物を還元する能力がより高まる。
本開示の技術における排気浄化装置の他の態様は、前記炭化水素供給部が、前記排気に炭化水素を添加する炭化水素添加弁を含む。
本開示の技術における排気浄化装置の他の態様によれば、炭化水素が足りないために炭化水素還元層での窒素酸化物の還元反応が起こりにくくなることが抑えられる。それゆえに、排気浄化装置の窒素酸化物を還元する能力が高められる。
本開示の排気浄化装置の全体構成を排気浄化装置が搭載されるエンジンとともに示す概略構成図である。 還元触媒の断面構造を示す断面図である。 図2の3−3線に沿った還元触媒の断面構造を示す断面図である。 還元触媒の構造を模式的に示す模式図である。 各触媒での炭化水素を用いたNOの浄化率と温度との関係を示すグラフである。 各触媒でのアンモニアを用いたNOの浄化率と温度との関係を示すグラフである。 実施例と比較例とのNOの浄化率を示すグラフである。 変形例の還元触媒におけるセルの延びる方向に沿った断面構造の一部を示す部分断面図である。 変形例の還元触媒におけるセルの延びる方向に沿った断面構造の一部を示す部分断面図である。 変形例の還元触媒におけるセルの延びる方向に沿った断面構造の一部を示す部分断面図である。 変形例の排気浄化装置の概略構成を示す概略構成図である。 変形例の排気浄化装置の概略構成を示す概略構成図である。 変形例の排気浄化装置の概略構成を示す概略構成図である。 変形例の排気浄化装置の概略構成を示す概略構成図である。
図1から図7を参照して、排気浄化装置の一実施形態を説明する。以下では、排気浄化装置が搭載されるエンジンの構成、還元触媒の構成、および、各触媒の作用を順に説明する。
[エンジンの概略構成]
図1を参照してエンジンの概略構成を説明する。
図1に示されるように、エンジン10のシリンダブロック11は、一列に並んでいる6つのシリンダ11aを有している。シリンダブロック11の近傍には、シリンダ11aの並ぶ方向に延びるコモンレール12が配置され、コモンレール12は、圧力の高められた燃料、例えば軽油を溜める。コモンレール12は、6つの燃料噴射弁13に接続し、各燃料噴射弁13は、相互に異なるシリンダ11aに向けて軽油を噴射する。燃料噴射弁13は、炭化水素供給部の一例である。
シリンダブロック11は、シリンダ11aに吸入空気を供給する吸気マニホールド14に接続し、吸気マニホールド14におけるシリンダブロック11とは反対側の端部が、吸入空気の流れる吸気管15に接続している。吸気管15には、吸気管15におけるシリンダブロック11側から順にインタークーラー16と、ターボチャージャー17を構成するコンプレッサー17aとが配置されている。なお、吸気マニホールド14、吸気管15、インタークーラー16、および、コンプレッサー17aが吸気通路を構成し、吸入空気は、吸気管15における吸気マニホールド14とは反対側の端部からシリンダブロック11に向けて流れる。
シリンダブロック11は、シリンダブロック11における吸気マニホールド14と向かい合う位置にて、排気マニホールド18に接続している。排気マニホールド18におけるシリンダブロック11とは反対側の端部が、シリンダブロック11から排出された排気の流れる排気管19に接続している。排気マニホールド18および排気管19の各々は、ターボチャージャー17を構成するタービン17bに接続することによって、相互に接続している。
エンジン10は、排気に含まれる窒素酸化物(以下、NO)を減らすことによって排気を浄化する排気浄化装置20を搭載している。排気浄化装置20は、上流触媒21、下流触媒22、上流添加弁23、下流添加弁24、燃料タンク25、および、燃料添加ポンプ26を備えている。
排気浄化装置20のうち、上流触媒21と下流触媒22とが排気管19に配置され、上流触媒21が、排気の流れる方向としての流通方向における下流触媒22よりも上流に配置されている。上流触媒21および下流触媒22の各々は、筒状に形成された筐体を有している。なお、排気マニホールド18、排気管19、上流触媒21の筐体、および、下流触媒22の筐体が排気通路を構成し、排気は、排気マニホールド18から排気管19における排気マニホールド18とは反対側の端部に向けて流れる。
上流触媒21は筐体を備え、筐体には、筒状の低温還元触媒21Aと、筒状のフィルター21Bとが流通方向に沿って配置されている。低温還元触媒21Aは、フィルター21Bよりも流通方向における上流に配置されている。低温還元触媒21Aは、排気に含まれるNOの還元反応を促すことによって排気に含まれるNOを減らし、フィルター21Bは、排気に含まれる微粒子の一例である煤を捉えることによって排気を浄化する。
低温還元触媒21Aは、白金族元素と、白金族元素を担持する触媒担体とを含む。白金族元素は、白金、パラジウム、ロジウム、および、イリジウムから構成される群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。触媒担体は、ゼオライト、および、アルミナから構成される群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
低温還元触媒21Aは、例えば、150℃以上350℃以下の温度の範囲で、炭化水素を用いてNOを還元する反応を促す活性、すなわち、触媒活性を有する。
フィルター21Bは、排気に含まれる微粒子を捉えるため、還元触媒22Bの機能が微粒子の付着によって損なわれにくくなる。低温還元触媒21Aが促すNOの還元反応は発熱反応である。そのため、低温還元触媒21AがNOの還元反応を促すことによって、排気の温度が高められる。結果として、フィルター21Bには、低温還元触媒21Aにて温度の高められた排気が供給される。排気の温度がフィルター21Bの捉えた煤が燃焼する温度よりも高められると、フィルター21Bの煤が燃焼することで、フィルター21Bが再生される。
下流触媒22は筐体を備え、筐体には、筒状のアンモニア生成触媒22Aと、筒状の還元触媒22Bとが流通方向に沿って配置されている。アンモニア生成触媒22Aは、還元触媒22Bよりも流通方向における上流に配置されている。アンモニア生成触媒22Aは、排気に含まれるNOの還元反応を促すことによってアンモニアを生成し、還元触媒22Bは、相互に異なる2つの還元剤を用いたNOの還元反応を促すことによって、排気に含まれるNOを減らす。
アンモニア生成触媒22Aは、銀と、銀を担持する触媒担体とを含み、触媒担体は、ゼオライト、および、アルミナから構成される群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。触媒担体は、銀に加えて、チタンあるいは酸化チタンを担持することが好ましい。触媒担体がチタンあるいは酸化チタンを担持することによって、アンモニア生成触媒22Aの有するアンモニアを用いてNOを還元する反応を促す活性、すなわち、触媒活性が高められる。アンモニア生成触媒22Aは、例えば、150℃以上650℃以下の温度の範囲で触媒活性を有する。アンモニア生成触媒22Aは、アンモニア供給部の一例である。
上流添加弁23は、流通方向における上流触媒21よりも上流に配置され、排気管19を流れる排気に向けて軽油を噴射する。下流添加弁24は、流通方向における上流触媒21と下流触媒22との間に配置され、排気管19を流れる排気に向けて軽油を噴射する。上流添加弁23および下流添加弁24の各々は、炭化水素供給部の一例である。
燃料タンク25は、上流添加弁23および下流添加弁24から噴射される軽油を溜める。燃料タンク25は、コモンレール12に接続する燃料タンクでもよいし、コモンレール12に接続する燃料タンクとは異なる燃料タンクでもよい。燃料タンク25は、燃料供給管25aに接続し、燃料供給管25aは、燃料タンク25から各添加弁に向けて延びる途中で、上流添加弁23に接続する上流管25a1と、下流添加弁24に接続する下流管25a2とに分岐している。
燃料供給管25aは、2つの管に分岐する位置よりも燃料タンク25側で、燃料添加ポンプ26に接続している。燃料添加ポンプ26は、燃料タンク25内の軽油を所定の吐出圧で上流添加弁23および下流添加弁24に向けて吐出する。燃料添加ポンプ26は、例えば電動式のポンプである。
上流管25a1には、上流管25a1によって形成される燃料通路を開放および閉塞する上流バルブ25bが取り付けられ、下流管25a2には、下流管25a2によって形成される燃料通路を開放および閉塞する下流バルブ25cが取り付けられている。
上流バルブ25bが開いている間にわたって、上流管25a1による燃料通路が開放される一方、上流バルブ25bが閉じている間にわたって、上流管25a1による燃料通路が閉塞される。下流バルブ25cが開いている間にわたって、下流管25a2による燃料通路が開放される一方、下流バルブ25cが閉じている間にわたって、下流管25a2による燃料通路が閉塞される。
吸気管15には、吸入空気の流れる方向におけるコンプレッサー17aよりも上流に、エアフロメーター31が取り付けられている。エアフロメーター31は、吸気管15を流れる吸入空気の流量である吸入空気量を測定し、現在の吸入空気量を測定値として出力する。
排気管19には、上流触媒21内における低温還元触媒21Aよりも上流に、上流温度センサー32が取り付けられ、下流触媒22内におけるアンモニア生成触媒22Aよりも上流に、下流温度センサー33が取り付けられている。上流温度センサー32は、低温還元触媒21Aに供給される排気の温度を測定し、現在の測定値を出力する。下流温度センサー33は、アンモニア生成触媒22Aに供給される排気の温度を測定し、現在の測定値を出力する。なお、上流温度センサー32の測定値が低温還元触媒21Aの温度およびフィルター21Bの温度として取り扱われ、下流温度センサー33の測定値が、アンモニア生成触媒22Aの温度および還元触媒22Bの温度として取り扱われる。
エンジン10を搭載する車両は、エンジン10を制御する制御装置40を備えている。制御装置40は、入力部、演算部、出力部、および、駆動部を備えている。入力部は、エアフロメーター31、上流温度センサー32、および、下流温度センサー33に接続し、駆動部は、上流添加弁23、および、下流添加弁24に接続している。
演算部は、吸入空気量および上流触媒21での温度を用いて、上流添加弁23が噴射する燃料量を算出し、吸入空気量および下流触媒22での温度を用いて、下流添加弁24が噴射する燃料量を算出する。
演算部は、低温還元触媒21Aが触媒活性を有する温度であるとき、算出した上流添加弁23の燃料量に基づき制御信号を生成して駆動部に出力し、駆動部が、制御信号に応じた駆動量で上流添加弁23を駆動するための駆動信号を生成して出力する。演算部は、還元触媒22Bが触媒活性を有する温度であるとき、算出した下流添加弁24の燃料量に基づき制御信号を生成して駆動部に出力し、駆動部が、制御信号に応じた駆動量で下流添加弁24を駆動するための駆動信号を生成して出力する。
[還元触媒の構成]
図2から図4を参照して還元触媒22Bの構成を説明する。なお、図2には、流通方向と直交する面に沿った還元触媒22Bの断面構造が示され、図3には、図2の3−3線に沿った還元触媒22Bの断面構造の一部であって、セル壁が有する1つの面に形成された多層触媒のみが示されている。
図2に示されるように、還元触媒22Bは、円筒形状を有するモノリス担体51を備えている。モノリス担体51は、流通方向に沿って延びる複数の壁部によって構成されるセル壁51aを有し、セル壁51aにおける流通方向と直交する方向の断面形状は格子状である。モノリス担体51は、セル壁51aによって区画された複数のセル51hを有している。各セル51hは流通方向に沿って延びる孔であり、かつ、各セル51hにおける流通方向とは直交する方向の断面形状は略矩形状である。
モノリス担体51の形成材料には、セラミックあるいは金属が用いられる。モノリス担体51の形成材料がセラミックであるとき、形成材料には、例えば、コーディエライト、シリカ、シリコンカーバイド、シリコンナイトライド、ムライト、ジルコン、アルミナ、および、アルミニウムチタネート等が用いられる。モノリス担体51の形成材料が金属であるとき、形成材料には、例えば、鉄、チタン、ステンレス鋼、および、鉄を主成分とする他の合金等が用いられる。
セル壁51aは、各セル51hの内周面を構成する壁部に多層触媒52を有している。多層触媒52は、セル51h内を流れる排気に接する。
図3に示されるように、多層触媒52は、モノリス担体51のセル壁51aを覆う炭化水素還元層61と、炭化水素還元層61を覆うアンモニア還元層62とを有している。アンモニア還元層62は、炭化水素還元層61を覆うことによって、還元触媒22Bにおける排気Exに接する表面22sを形成している。還元触媒22Bは、炭化水素還元層61とアンモニア還元層62とが積層された積層構造体である。
炭化水素還元層61は、炭化水素を用いてNOを還元する反応を促す触媒である。炭化水素還元層61は銅、および、銅を担持する粒子状の触媒担体を含み、触媒担体としてゼオライトを含む。触媒担体の形成材料は、ゼオライトのうち、ZSM−5型ゼオライト、および、ベータ型ゼオライトから構成される群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。炭化水素還元層61の含む触媒担体は、第2触媒担体の一例であり、ゼオライトは第2多孔質材料の一例である。
炭化水素還元層61は、銅を担持させた触媒担体と、触媒担体をモノリス担体51に付着させるための接着剤とを含む。
炭化水素還元層61を構成するZSM−5型ゼオライトおよびベータ型ゼオライトは、多孔質材料であり、ZSM−5型ゼオライトおよびベータ型ゼオライトの有する孔の直径である孔径は、軽油中に含まれる炭化水素の分子径よりも大きい。なお、ZSM−5型ゼオライトおよびベータ型ゼオライトの孔径が炭化水素の分子径よりも大きいとは、炭化水素の分子が、ZSM−5型ゼオライトおよびベータ型ゼオライトの有する孔に進入することができる状態のことである。ZSM−5型ゼオライトの孔の直径、および、ベータ型ゼオライトの孔の直径は、例えば7Åである。
炭化水素還元層61にて、NOの還元剤として用いられる軽油中の炭化水素は、排気に含まれる炭化水素、および、上流添加弁23と下流添加弁24との少なくとも一方が排気に添加した軽油の炭化水素を含む。炭化水素は、炭素数が10から20であるアルカンを主に含み、直鎖状のアルカンおよび分岐鎖状のアルカンを含む。
炭化水素還元層61は、NOおよび炭化水素を用いて、NOを還元する反応を促す。これにより、炭化水素還元層61は、排気に含まれるNOを窒素に還元することによって、排気に含まれるNOを減らす。
アンモニア還元層62は、アンモニアを用いてNOを還元する反応を促す触媒である。アンモニア還元層62は銅、および、銅を担持する粒子状の触媒担体を含み、触媒担体としてゼオライトを含む。触媒担体の形成材料は、チャバサイト構造を有するゼオライトであることが好ましく、SAPO−34型ゼオライトおよびSAPO−47型ゼオライトから構成される群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。SAPOとは、シリコアルミノフォスフェートのことである。アンモニア還元層62の含む触媒担体は、第1触媒担体の一例であり、ゼオライトは第1多孔質材料の一例である。
アンモニア還元層62は、銅を担持させた触媒担体と、触媒担体を炭化水素還元層61に付着させるための接着剤とを含む。
アンモニア還元層62を構成するSAPO−34型ゼオライトおよびSAPO−47型ゼオライトは、多孔質材料である。SAPO−34型ゼオライトおよびSAPO−47型ゼオライトの有する孔の直径である孔径は、軽油中に含まれる炭化水素の分子径よりも小さく、かつ、アンモニアの分子径よりも大きい。なお、SAPO−34型ゼオライトおよびSAPO−47型ゼオライトの孔径が炭化水素の分子径よりも小さいとは、炭化水素の分子が、SAPO−34およびSAPO−47の有する孔に進入することができない状態のことである。一方、SAPO−34型ゼオライトおよびSAPO−47型ゼオライトの孔径がアンモニアの分子径よりも大きいとは、アンモニアの分子が、SAPO−34型ゼオライトおよびSAPO−46型ゼオライトの有する孔に進入することができる状態のことである。SAPO−34型ゼオライトの孔の直径、および、SAPO−47型ゼオライトの孔の直径は、例えば3Åである。
アンモニア還元層62は、NOおよびアンモニアを用いて、NOを還元する反応を促す。これにより、アンモニア還元層62は、排気に含まれるNOを窒素に還元することによって、排気に含まれるNOを減らす。
図4に示されるように、アンモニアAが、アンモニア還元層62を構成する触媒担体71の孔71h中に進入する一方、炭化水素Hは、触媒担体71の孔71h中に進入しない。そのため、炭化水素Hは、触媒担体71の粒子の間に形成された複数の隙間62gを通って炭化水素還元層61に到達する。そして、炭化水素還元層61に到達した炭化水素Hは、炭化水素還元層61を構成する触媒担体81の孔81h中に進入する。
それゆえに、アンモニア還元層62では、孔71h中に進入したアンモニアAを還元剤とするNOの還元反応が促されることに加えて、排気に含まれる炭化水素が、アンモニア還元層62を構成する触媒担体71の複数の隙間62gを通って炭化水素還元層61に到達する。そのため、炭化水素還元層61でも、孔81h中に進入した炭化水素Hを還元剤とするNOの還元反応が促される。
[各触媒の作用]
図5および図6を参照して排気浄化装置20の備える各触媒の作用を説明する。以下では、低温還元触媒21A、アンモニア生成触媒22A、および、還元触媒22Bの作用を説明し、還元触媒22Bについては、炭化水素還元層61とアンモニア還元層62とを個別に説明する。
図5には、排気と炭化水素とが、低温還元触媒21A、アンモニア生成触媒22A、炭化水素還元層61、および、アンモニア還元層62のうちの1つを備える排気浄化装置に供給されたときのNOの浄化率が示されている。なお、図5でのNOの浄化率は、各触媒あるいは還元層に入る排気のNO濃度と、各触媒あるいは還元層から出た排気のNO濃度とを用いて算出されている。
図5に示されるように、低温還元触媒21Aでは、浄化率は150℃から200℃に向けて大きくなり、200℃にて最大値になる。そして、低温還元触媒21Aでは、浄化率が200℃から350℃に向けて小さくなり、350℃を超えると浄化率が0になる。すなわち、低温還元触媒21Aは150℃から350℃にて触媒活性を有し、200℃にて触媒活性が最大になる。
アンモニア生成触媒22Aでは、浄化率は150℃から200℃に向けて大きくなり、200℃から300℃にわたって略一定に保たれる。そして、浄化率は300℃から350℃に向けて小さくなり、350℃にて極小値になる。浄化率は350℃から400℃に向けて大きくなり、400℃以上では、200℃から300℃における浄化率よりも小さい値で略一定に保たれる。すなわち、アンモニア生成触媒22Aは、150℃から650℃にて触媒活性を有し、150℃から650℃の広い温度範囲にわたってアンモニアを生成する。
炭化水素還元層61では、浄化率は250℃から400℃に向けて大きくなり、400℃から450℃にわたって略一定に保たれる。そして、浄化率は450℃から650℃に向けて小さくなる。すなわち、炭化水素還元層61は、250℃から650℃にて触媒活性を有し、特に、低温還元触媒21Aが触媒活性を有しない400℃から450℃にて、触媒活性が最大値になる。
炭化水素を還元剤とする触媒のうち、低温還元触媒21Aの活性が最も高い温度が200℃であり、炭化水素還元層61の活性が最も高い温度の範囲が400℃以上450℃以下である。すなわち、2つの触媒において活性が最も高い温度の範囲が重ならないため、排気浄化装置は、2つの温度の範囲にて、炭化水素を用いてNOを高い浄化率で還元することができる。
アンモニア生成触媒22Aは、150℃から650℃にわたって触媒活性を有するものの、350℃以上650℃以下での触媒活性は、200℃以上300℃以下の触媒活性よりも小さい。一方で、炭化水素還元層61が、350℃以上650℃以下にて触媒活性を有する。そのため、アンモニア生成触媒22Aと炭化水素還元層61とによれば、350℃以上650℃以下の温度の範囲であっても、200℃以上300℃以下の温度の範囲にてアンモニア生成触媒22Aが有する触媒活性と同程度、もしくは同程度以上の触媒活性が得られる。
一方、アンモニア還元層62では、浄化率は150℃から650℃にわたって0である、すなわち、アンモニア還元層62は、炭化水素を用いたNOの還元反応を促さない。
図6には、排気とアンモニアとが、低温還元触媒21A、アンモニア生成触媒22A、炭化水素還元層61、および、アンモニア還元層62のうちの1つを備える排気浄化装置に供給されたときのNOの浄化率が示されている。なお、図6でのNOの浄化率は、図5と同様の方法で算出されている。
図6に示されるように、炭化水素還元層61では、浄化率は150℃から200℃にわたって略0であり、200℃から300℃に向けて大きくなる。浄化率は300℃から650℃に向けて小さくなり、650℃にて略0になる。すなわち、炭化水素還元層61は、150℃から650℃にわたって触媒活性を有している。
アンモニア還元層62では、浄化率は150℃から250℃に向けて大きくなり、250℃から350℃にわたって略一定に保たれる。このとき、アンモニア還元層62の浄化率は、炭化水素還元層61の浄化率よりも大きい。そして、浄化率は350℃から650℃に向けて小さくなる。ただし、アンモニア還元層62の浄化率は、350℃から650℃にわたって炭化水素還元層61の浄化率よりも大きい。
炭化水素還元層61は、炭化水素を還元剤とするNOの還元反応を促す活性と、アンモニアを還元剤とするNOの還元反応を促す活性との両方を有する。炭化水素還元層61が還元触媒22Bの表面22sを形成している場合、炭化水素還元層61には炭化水素とアンモニアとの両方が、排気に含まれる濃度を維持した状態で、炭化水素還元層61に供給される。
これにより、炭化水素還元層61の触媒担体81の孔81hに対して、炭化水素とアンモニアとが競合する。そのため、炭化水素のみあるいはアンモニアのみが供給される場合と比べて、炭化水素を用いたNOの還元量と、アンモニアを用いたNOの還元量とが、いずれも小さくなる。また、炭化水素還元層61の下層がアンモニア還元層62である場合、アンモニア還元層62には、炭化水素還元層61にてアンモニアの消費された排気が供給される。そのため、アンモニアの供給される量が少ないために、NOの還元反応が促されにくくなる場合もある。
これに対して、アンモニア還元層62は炭化水素を還元剤とするNOの還元反応を促さない。そのため、アンモニア還元層62が還元触媒22Bの表面22sを形成する場合、炭化水素還元層61には、アンモニア還元層62を通ることによってアンモニアの量が小さくなった排気が供給される。一方、排気に含まれる炭化水素は、アンモニア還元層62を構成する触媒担体71の複数の隙間62gを通って炭化水素還元層61に到達する。結果として、炭化水素還元層61の触媒担体81の孔81hには進入しやすくなり、炭化水素還元層61にて炭化水素を還元剤とするNOの反応が進みやすくなる。
このように、アンモニア還元層62が炭化水素還元層61を覆って還元触媒22Bの表面22sを形成することにより、1つの還元触媒22Bにて、互いに異なる2つの還元剤を用いたNOの還元反応がより進みやすくなる。そのため、排気浄化装置20のNOを還元する能力が高まる。
しかも、アンモニア還元層62によるアンモニアを用いたNOの浄化率は、炭化水素還元層61による炭化水素を用いたNOの浄化率よりも大きい。そのため、上述した還元触媒22Bは、炭化水素還元層61よりもアンモニア還元層62にアンモニアが供給される点で好ましい。
一方で、アンモニア生成触媒22Aが触媒活性を有する温度の範囲と、アンモニア還元層62が触媒活性を有する温度の範囲とが重なっている。そのため、アンモニア生成触媒22Aにて生成されたアンモニアは、アンモニア還元層62の温度によらず、アンモニア還元層62にてNOの還元反応に用いられる。
一方、低温還元触媒21Aおよびアンモニア生成触媒22Aでは、浄化率は150℃から650℃にわたって0である、すなわち、低温還元触媒21Aおよびアンモニア生成触媒22Aは、アンモニアを用いたNOの還元反応を促さない。
[実施例]
図1に示される排気浄化装置20を実施例とし、排気浄化装置20のうち、還元触媒22Bがアンモニア還元層62のみを備える還元触媒とした排気浄化装置を比較例とした。そして、実施例を備えるエンジン10、および、比較例を備えるエンジンの各々を同じ条件で運転したときのNOの浄化率を測定した。なお、NOの浄化率は、排気浄化装置20に入る排気のNOの濃度と、排気浄化装置20から出たNOの濃度とを用いて算出した。
図7に示されるように、実施例では、NOの浄化率が65%であることが認められた。これに対し、比較例では、NOの浄化率が60%であることが認められた。つまり、実施例の備える還元触媒22Bによれば、排気浄化装置がNOを還元する能力が高まることが認められた。
以上説明したように、一実施形態の排気浄化装置によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)還元触媒22Bが、アンモニアを用いたNOの還元反応に加えて、炭化水素を用いたNOの還元反応も促すため、排気浄化装置20のNOを還元する能力が高まる。
(2)炭化水素が、アンモニア還元層62を通って炭化水素還元層61に到達しやすくなるため、炭化水素還元層61でのNOの還元反応がより起こりやすくなる。
(3)アンモニアが触媒担体71の有する孔71h内に進入できる一方、炭化水素は触媒担体71の孔71h内には進入せず、触媒担体81が構成する炭化水素還元層61に到達する。そのため、アンモニア還元層62および炭化水素還元層61の両方にて、相互に異なる還元剤によるNOの還元反応が確実に促されるため、排気浄化装置20のNOを還元する能力がより高まる。
(4)アンモニアがNOの還元によって生成されるため、排気浄化装置20のNOを還元する能力がより高まる。
(5)炭化水素が足りないために炭化水素還元層61でのNOの還元反応が起こりにくくなることが抑えられる。それゆえに、排気浄化装置20のNOを還元する能力が高められる。
なお、上述した実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
・排気浄化装置20は、下流添加弁24を備えていなくともよい。こうした構成であっても、上流添加弁23が排気に向けて軽油を噴射することによって、下流触媒22にも軽油が供給される。
・排気浄化装置20は、上流添加弁23を備えていなくともよい。こうした構成であっても、例えば、燃料噴射弁13から噴射された燃料が排気管19まで流れる条件にて、燃料が燃料噴射弁13からシリンダ11aに向けて噴射されればよい。これにより、上流触媒21の低温還元触媒21Aが、燃料噴射弁13から噴射された燃料を還元剤として用いる。
・排気浄化装置20は、上流添加弁23と下流添加弁24との両方を備えていなくともよい。こうした構成では、燃料噴射弁13から噴射された燃料が排気管19まで流れる条件にて、燃料が燃料噴射弁13からシリンダ11aに向けて噴射されればよい。これにより、上流触媒21、および、下流触媒22でのNOの還元が、燃料噴射弁13から噴射された燃料によって行われる。
・炭化水素還元層61の含む金属は銅に限らず、炭化水素を還元剤とするNOの還元反応を促すことが可能であれば、他の金属であってもよい。また、アンモニア還元層62の含む金属も銅に限らず、アンモニアを還元剤とするNOの還元反応を促すことが可能であれば、他の金属であってもよい。ただし、炭化水素還元層61上にアンモニア還元層62を重ねた構造にて、炭化水素還元層61の機能と、アンモニア還元層62の機能とが発現する上では、各層が銅を含むことが好ましい。
・炭化水素還元層61の触媒担体81は、ZSM−5型ゼオライト、および、ベータ型ゼオライトから構成される群から選択される少なくとも1つに限らない。触媒担体81の形成材料は、多孔質材料であって、金属を担持することによって炭化水素を還元剤とするNOの還元反応を促すことが可能な材料であれば他の材料であってもよい。
・アンモニア還元層62の触媒担体71は、SAPO−34型ゼオライト、および、SAPO−47型ゼオライトから構成される群から選択される少なくとも1つに限らない。触媒担体71の形成材料は、多孔質材料であって、金属を担持することによってアンモニアを還元剤とするNOの還元反応を促すことが可能な材料であれば他の材料であってもよい。
・アンモニア還元層62の触媒担体71が有する孔71hの直径は、炭化水素の分子径以上であってもよい。こうした構成であっても、アンモニアが触媒担体71の孔に進入できる以上、アンモニア還元層62は、アンモニアを還元剤とするNOの還元反応を少なからず促すことができる。
・アンモニア還元層62の触媒担体71が有する孔71hの直径は、アンモニアの分子径以下であってもよい。こうした構成であっても、触媒担体71の表面にてアンモニアを還元剤とするNOの還元反応が促される構成であれば、上記(1)に準じた効果を少なからず得ることができる。
・炭化水素還元層61の触媒担体81が有する孔81hの直径は、炭化水素の分子径以下であってもよい。こうした構成であっても、触媒担体81の表面にて炭化水素を還元剤とするNOの還元反応が促される構成であれば、上記(1)に準じた効果を少なからず得ることができる。
・モノリス担体51上に形成された多層触媒52は、炭化水素還元層とアンモニア還元層とを備えていればよく、炭化水素還元層がアンモニア還元層を覆って還元触媒22Bの表面22sを形成してもよい。こうした構成であっても、炭化水素を還元剤とするNOの還元反応を促す炭化水素還元層と、アンモニアを還元剤とするNOの還元反応を促すアンモニア還元層とを有する以上は、上記(1)に準じた効果を得ることができる。なお、アンモニア還元層が炭化水素還元層を覆って還元触媒22Bの表面22sを形成する構成が好ましいことは上述した通りである。
・下流触媒22は、還元触媒22Bよりも下流に、低温、例えば、150℃以上350℃以下の温度の範囲で、炭化水素を用いてNOを還元する反応を促す活性である触媒活性を有する下流低温還元触媒をさらに備えてもよい。下流低温還元触媒は、上流触媒21が備える低温還元触媒21Aと同じ構成であればよい。下流触媒22が、下流低温触媒を備えるとき、下流低温還元触媒の触媒担体は、還元触媒22Bの触媒担体と共通であってもよいし、還元触媒22Bとは独立した触媒担体であってもよい。
下流低温還元触媒の触媒担体が、還元触媒22Bの触媒担体と共通であるとき、還元触媒22Bにおける上流端を含む部分に、炭化水素還元層61とアンモニア還元層62とを有する多層触媒52が位置すればよく、その他の部分に下流低温還元触媒として機能する層が位置すればよい。以下、図8から図10を参照して還元触媒22Bの構成を説明する。なお、図8から図10には、還元触媒22Bのうち、モノリス担体51のセル51hが延びる方向に沿った断面構造の一部が示されている。
図8に示されるように、こうした還元触媒22Bでは、モノリス担体51のセル51hが延びる方向においては、還元触媒22Bにおける上流の部位に、炭化水素還元層61とアンモニア還元層62とを有する多層触媒52が位置する。そして、多層触媒52よりも下流に、多層触媒52と同じ厚さを有した低温触媒層63が位置する。
あるいは、図9に示されるように、モノリス担体51のセル51hが延びる方向においては、アンモニア還元層62がセル51hの延びる方向のほぼ全体にわたって位置する。一方、炭化水素還元層61は、セル51hの延びる方向における上流に位置し、かつ、低温触媒層63は、炭化水素還元層61よりも下流に位置する。これにより、アンモニア還元層62が、炭化水素還元層61と低温触媒層63の上部に位置して、炭化水素還元層61と低温触媒層63とを覆っている。
なお、図10に示されるように、炭化水素還元層61と低温触媒層63とがアンモニア還元層62の下部に位置する構成では、低温触媒層63が、アンモニア還元層62よりも下流まで延びていてもよい。
排気浄化装置20においては、上流触媒21に入る排気の温度が最も高く、かつ、下流触媒22から出る排気の温度が最も低い。そのため、排気浄化装置20においては、上流触媒21の上流端の温度が最も高く、かつ、下流触媒22の下流端での温度が最も低くなりやすい。それゆえに、還元触媒22Bよりも低温での触媒活性を有する下流低温触媒が、還元触媒22Bの下流に位置することで、下流低温触媒が、排気の中に残った還元剤を用いてNOを還元する。結果として、排気浄化装置20が排気に含まれるNOを還元する能力を高めることができる。
・図11に示されるように、上流触媒21がフィルター21Bを備えていない構成でもよく、還元触媒22Bが多層触媒52である以上、上記(1)に準じた効果を得ることはできる。
・図12に示されるように、上流触媒21が低温還元触媒21Aを備えていない構成でもよく、還元触媒22Bが多層触媒52である以上、上記(1)に準じた効果を得ることはできる。なお、この構成では、フィルター21Bの温度を高めるための構成、例えば、流通方向におけるフィルター21Bの上流に配置されたバーナーや、フィルター21Bの担持する酸化触媒等を有することが好ましい。
・図13に示されるように、排気浄化装置20は上流触媒21、および、上流添加弁23を備えていなくともよく、還元触媒22Bが多層触媒52である以上、上記(1)に準じた効果を得ることができる。
・図14に示されるように、排気浄化装置20は上流触媒21、および、上流添加弁23に加えて、下流触媒22のアンモニア生成触媒22Aを備えていない構成でもよい。こうした構成では、排気浄化装置20が、排気にアンモニア、例えば、アンモニアの生成材料である尿素を添加する尿素添加弁27と、尿素添加弁27に接続する尿素タンク28とを備えていればよい。尿素添加弁27と尿素タンク28とが、アンモニア供給部の一例である。こうした構成であっても、還元触媒22Bが多層触媒52である以上、上記(1)に準じた効果を得ることはできる。
・下流触媒22がアンモニア生成触媒22Aを備えていない構成でもよい。こうした構成は、図14にて説明された変形例と同様、尿素添加弁と尿素タンクとを備えていればよい。
・排気浄化装置20は、上流触媒21のフィルター21Bと、下流触媒22のアンモニア生成触媒22Aとを備えていない構成でもよい。こうした構成は、図14にて説明された変形例と同様、尿素添加弁と尿素タンクとを備えていればよい。
・排気浄化装置20は、上流触媒21の低温還元触媒21Aと、下流触媒22のアンモニア生成触媒22Aとを備えていない構成でもよい。こうした構成は、図14にて説明された変形例と同様、尿素添加弁と尿素タンクとを備えていればよい。
・セル51hの断面形状は、矩形状に限らず、例えば、台形状、正方形状、シヌソイド状、六角形状、楕円状、および、円形状等であってもよい。
・還元触媒22Bは、モノリス担体51を備えた構成ではなく、担体としてペレット状の担体、あるいは、プレート状の担体を備える構成でもよい。こうした構成であっても、還元触媒22Bが、炭化水素還元層61とアンモニア還元層62とを備える構成であれば、上記(1)に準じた効果を得ることができる。
・シリンダブロック11に供給される燃料は、軽油に限らず圧縮天然ガス(CNG)やガソリンであってもよい。こうした構成であっても、上記(1)の効果を少なからず得ることは可能である。
上述の実施形態から把握される技術的思想について追記する。
(付記1)
前記排気の流れる方向における前記アンモニア供給部よりも上流に、前記炭化水素を用いた前記窒素酸化物の還元反応を前記炭化水素還元触媒よりも低い温度で促す低温還元触媒をさらに備える
請求項1から5のいずれか一項に記載の排気浄化装置。
こうした構成によれば、排気浄化装置が、還元触媒に加えて低温還元触媒をさらに備えるため、より広い温度範囲にて窒素酸化物を還元することができる。
(付記2)
前記炭化水素添加弁は第1添加弁であり、
前記第1添加弁は、2つの炭化水素添加弁のうちの1つであり、
前記2つの炭化水素添加弁は、前記第1添加弁と第2添加弁とを含み、
第1添加弁は、
前記排気の流れる方向における前記低温還元触媒と、前記炭化水素還元触媒との間に配置され、
第2添加弁は、
前記排気の流れる方向における前記低温還元触媒の上流に配置される
請求項5に記載の排気浄化装置。
こうした構成によれば、炭化水素添加弁が炭化水素を用いる2つの触媒の各々の近くに1つずつ配置されるため、各触媒にて炭化水素が足りないために、窒素酸化物の還元反応が起こりにくくなることが抑えられる。
(付記3)
前記排気の流れる方向における前記低温還元触媒と前記アンモニア供給部との間に前記排気に含まれる微粒子を捉えるフィルターをさらに備える
付記1に記載の排気浄化装置。
こうした構成によれば、フィルターの下流に配置された還元触媒には、フィルターによって微粒子の少なくとも一部が取り除かれた排気が供給される。そのため、還元触媒に排気に含まれる微粒子が付着することによって、還元触媒が窒素酸化物の還元反応を促しにくくなることが抑えられる。
10…エンジン、11…シリンダブロック、11a…シリンダ、12…コモンレール、13…燃料噴射弁、14…吸気マニホールド、15…吸気管、16…インタークーラー、17…ターボチャージャー、17a…コンプレッサー、17b…タービン、18…排気マニホールド、19…排気管、20…排気浄化装置、21…上流触媒、21A…低温還元触媒、21B…フィルター、22…下流触媒、22A…アンモニア生成触媒、22B…還元触媒、22s…表面、23…上流添加弁、24…下流添加弁、25…燃料タンク、25a…燃料供給管、25a1…上流管、25a2…下流管、25b…上流バルブ、25c…下流バルブ、26…燃料添加ポンプ、27…尿素添加弁、28…尿素タンク、31…エアフロメーター、32…第1温度センサー、33…第2温度センサー、40…制御装置、51…モノリス担体、51a…セル壁、51h…セル、52…多層触媒、61…炭化水素還元層、62…アンモニア還元層、62g…隙間、63…低温触媒層、71,81…触媒担体、71h,81h…孔、A…アンモニア、Ex…排気、H…炭化水素。

Claims (5)

  1. 排気通路に配置されて排気に含まれる窒素酸化物を還元する還元触媒と、
    前記排気の流れる方向における前記還元触媒よりも上流に配置され、前記排気にアンモニアを供給するアンモニア供給部と、
    前記排気の流れる方向における前記還元触媒よりも上流に配置され、前記排気に炭化水素を供給する炭化水素供給部と、を備え、
    前記還元触媒は、積層構造体であり、
    前記アンモニアを用いた前記窒素酸化物の還元反応を促すアンモニア還元層と、
    前記炭化水素を用いた前記窒素酸化物の還元反応を促す炭化水素還元層と、を有し、
    前記アンモニア還元層は、
    前記炭化水素還元層を覆って前記排気に接する前記還元触媒の表面を構成し、かつ、前記炭化水素を通して前記炭化水素還元層に到達させる
    排気浄化装置。
  2. 前記アンモニア還元層は、第1多孔質材料の粒子である第1触媒担体を含み、
    前記炭化水素還元層は、第2多孔質材料の粒子である第2触媒担体を含み、
    前記第1触媒担体の有する孔の直径は、前記炭化水素の分子径よりも小さく、
    前記第2触媒担体の有する孔の直径は、前記炭化水素の分子径以上であ
    請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 前記アンモニア還元層は、銅と前記第1触媒担体とを含み、
    前記炭化水素還元層は、銅と前記第2触媒担体とを含み、
    前記第1触媒担体は、SAPO−34型ゼオライト、および、SAPO−47型ゼオライトから構成される群から選択される少なくとも1つであり、
    前記第2触媒担体は、ZSM−5型ゼオライト、および、ベータ型ゼオライトから構成される群から選択される少なくとも1つである
    請求項2に記載の排気浄化装置。
  4. 前記アンモニア供給部は、
    前記炭化水素を用いた前記窒素酸化物の還元反応を促して前記アンモニアを生成するアンモニア生成触媒である
    請求項1から3のいずれか一項に記載の排気浄化装置。
  5. 前記炭化水素供給部は、
    前記排気に炭化水素を添加する炭化水素添加弁を含む
    請求項1から4のいずれか一項に記載の排気浄化装置。
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