JP6242068B2 - ラテックス免疫凝集測定試薬 - Google Patents
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さらにまた、本免疫比濁測定方法は、ラテックス等の不溶性担体を用いずに抗原抗体反応で生じる不溶性の免疫複合体を測定するものであり、不溶性担体を用いた場合にも同様の効果を奏するかどうかは明らかではない。
(1)以下を含む、ラテックス免疫凝集法のための試薬:
(i)緩衝剤
(ii)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体
(iii)測定対象物質に対する特異的親和性物質を担持するラテックス粒子。
(2)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体が、平均分子量10,000〜17,000であり、かつ分子中のEO含量が75〜95%である(1)に記載の試薬。
(3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体が、平均分子量10,800であり、かつ分子中のEO含量が80%であるか、平均分子量13,333であり、かつ分子中のEO含量が85%であるか、平均分子量15,500であり、かつ分子中のEO含量が80%であるものから選ばれる(1)に記載の試薬。
(4)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体が、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(40)、ポリオキシエチレン(260)ポリオキシプロピレングリコール(35)、ポリオキシエチレン(280)ポリオキシプロピレングリコール(55)から選ばれる(1)に記載の試薬。
(5)測定対象物質に対する特異的親和性物質がモノクローナル抗体である(1)〜(4)に記載の試薬。
(6)測定対象物質に対する特異的親和性物質が、MMP−3に対するモノクローナル抗体である(5)に記載の試薬。
(7)以下の構成要素を含む、ラテックス免疫凝集法のためのキット:
緩衝剤を含有する第1試薬、および
測定対象物質に対する特異的親和性物質を担持するラテックス粒子を含有する第2試薬;ここで、第1試薬と第2試薬の少なくとも一方がポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体を含有する。
(8)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体が、平均分子量10,000〜17,000であり、かつ分子中のEO含量が75〜95%である(7)に記載のキット。
(9)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体が、平均分子量10,800であり、かつ分子中のEO含量が80%であるか、平均分子量13,333であり、かつ分子中のEO含量が85%であるか、平均分子量15,500であり、かつ分子中のEO含量が80%であるものから選ばれる(7)に記載のキット。
(10)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体が、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(40)、ポリオキシエチレン(260)ポリオキシプロピレングリコール(35)、ポリオキシエチレン(280)ポリオキシプロピレングリコール(55)から選ばれる(7)に記載のキット。
(11)以下の工程を含む、ラテックス免疫凝集法:
生体由来の測定対象物質を含む試料に、i)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体を接触させる工程、及びii)当該測定対象物質に対する特異的親和性物質を担持するラテックス粒子を接触させる工程
(12)以下の工程を含む、ラテックス免疫凝集法において、マトリクス効果を低減させる方法:生体由来の測定対象物質を含む試料に、i)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体を接触させる工程、ii)当該測定対象物質に対する特異的親和性物質を担持するラテックス粒子を接触させる工程、及びiii)当該測定対象物質と当該ラテックス粒子の凝集反応を測定する工程。
本発明のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体は、下記式(I)に示す構造を有する。
なお、ポリオキシエチレン:(C2H4O)a又は(C2H4O)cは、EO、POEなどの略号で、ポリオキシプロピレン:(C3H6O)bは、PO、POP、PPGなどの略号で表記される場合があり、本明細書においても同様の表記をすることがある。
なお、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体の成分としての表記方法は数種類存在し、各表記間で相互に同一性、類似性を確認できるが、同一名称の市販品であっても各表記間での数値が完全に一致しなかったり、EOやPOの含量%から分子全体の分子量を計算しようとした場合などにも表示されている数値と完全に一致しないことがある。しかしながら、これらは重合性高分子に特有のものであり当業者は当然に理解しうる。
プルロニックF108:
(1)ポリオキシエチレン含量80%、ポリオキシプロピレンの分子量およそ3250
(2)EO−PO数:(140x2)/55
プルロニックF77:
(1)ポリオキシエチレン含量70%、ポリオキシプロピレンの分子量およそ2306
(2)EO−PO数:(52x2)/35
プルロニックF87:
(1)ポリオキシエチレン含量70%、ポリオキシプロピレンの分子量およそ2644
(2)EO−PO数:(62x2)/39
プルロニックF98:
(1)ポリオキシエチレン含量80%、ポリオキシプロピレンの分子量およそ2750
(2)EO−PO数:(125x2)/48
プルロニックF88:
(1)ポリオキシエチレン含量80%、ポリオキシプロピレンの分子量およそ2644
(2)EO−PO数:(97x2)/39
プルロニックF68:
(1)ポリオキシエチレン含量80%、ポリオキシプロピレンの分子量およそ1967
(2)EO−PO数:(75x2)/30
エパン785:
(1)ポリオキシエチレン含量85%、ポリオキシプロピレンの分子量およそ2000
(2)EO−PO数:(130x2)/35
プルロニックF88:
外原規名:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(200E.O)(40P.O)、
プルロニックF68:
外原規名:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(160E.O)(30P.O)、
なお、上記の( )内の数値は各ブロックポリマーの平均重合度を表す。
また、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体は、EO含有量(%)を横軸、PPG分子量を縦軸として区分けする「プルロニックグリッド」と呼ばれる区分け法があり、市販品のカタログ等にも記載されており、これらを参照して本発明のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体を選抜することができる。
なかでも、酸化エチレンの平均重合度が200単位、酸化プロピレンの平均重合度が40単位の共重合体が好ましく、成分名:ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(40)を含有するプルロニックF88を使用することが好ましい。
本発明のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体は、LTIA試薬を構成する抗体担持ラテックス粒子を含有しない試薬(第1試薬)あるいは抗体担持ラテックス粒子を含有する試薬(第2試薬)のいずれに添加してもよいが、上述の二試薬(二試液)の構成の場合には、目的成分と抗体担持ラテックス粒子が接触する前にマトリクス効果が低減していることが望ましいので、抗体担持ラテックス粒子を含有しない試薬(第1試薬)に添加するのが好ましい。また、上述の構成にこだわらず抗体担持ラテックス粒子を含有する試液に添加する場合には、その添加のタイミングは、ラテックス粒子への抗体担持効率を変動させる可能性があるため抗体担持前ではなく、抗体担持後に添加するのが好ましい。
本発明において、ラテックス粒子という場合には、ポリスチレンラテックス粒子などをいうが、上記のラテックス免疫凝集反応に含まれる場合であって、目的成分に対して特異的な結合相手を担持する方法が疎水結合など物理的な方法によるものである場合には、金属コロイド、シリカ、カーボンなども本発明のラテックス粒子に含まれる。ラテックス粒子のサイズは、使用する光学的測定法(例えば、透過光を測定する比濁法、散乱光を測定する比朧法など)を考慮し、所望の測定感度、測定範囲などが得られるよう0.05〜1μmの範囲から適宜選択することができる。自動分析装置における光学的測定においては平均粒子径0.1〜0.4μmが汎用されており、好ましくは0.1〜0.2μmである。ラテックス粒子の平均粒子径は粒度分布計や透過型電子顕微鏡像などで確認することができる。ラテックス粒子の試液中の濃度は、使用するラテックス粒子の粒径や測定系全体の設計にあわせ、例えば0.0001mg/mL〜10mg/mLの範囲から適宜選択をすることができる。
本発明のLTIA試薬(試液)は、反応の主成分の他に、試料のpH、イオン強度、浸透圧などを緩衝、調整する成分として、例えば、酢酸、クエン酸、リン酸、トリス、グリシン、ホウ酸、炭酸、及びグッドの緩衝液や、それらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などを含んでも良い。また凝集形成を増強する成分としてポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、リン脂質ポリマーなどの高分子を含んでも良い。また、凝集の形成をコントロールする成分として、タンパク質、アミノ酸、糖類、金属塩類、界面活性剤類、還元性物質やカオトロピック物質など汎用される成分を1種類、または複数の成分を組合わせて含んでも良い。
本発明において、測定対象物質に対する特異的親和性物質がモノクローナル抗体である場合の当該抗体の産生方法について説明する。モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、KohlerとMilsteinの方法(Nature、第256巻495頁(1975年)参照)に準じ、測定対象物質で免疫した動物の脾臓細胞と同種のミエローマ細胞(骨髄腫細胞)とを細胞融合して作製することができる。得られたハイブリドーマは、公知の方法に従って増殖させることができ、産生される抗体の性質を確認しつつ所望のハイブリドーマを選択することができる。ハイブリドーマのクローニングは、例えば限界希釈法や軟寒天法などの公知の方法により行うことが可能である。
本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの選択は、産生される抗体が実際の測定に用いられる条件を考慮して効果的に行うことができる。標準的な一例としては、ELISA法、RIA法、Biacore(登録商標)を用いる方法などにより、測定対象物質である抗原に反応するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを選択することにより得られる。具体的には、まず、ハイブリドーマの培養上清中の抗体を、プレートなどに固相化した抗原と反応させ、次いで標識抗IgG抗体を反応させる抗原固相化ELISA法により、抗原に対し高い反応性を有するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを選択する。
このように本発明において、モノクローナル抗体は、上記の試験方法に従って抗原を動物に免疫して作製したハイブリドーマより得ることもできるが、市販のモノクローナル抗体のうち所望の性質を有する抗体を用いることもできる。
1.抗MMP−3モノクローナル抗体の作製
(1)ハイブリドーマの作製
a.材料
・ヒトMMP−3:正常ヒト線維芽細胞NB1RGB,理研RCB,#RCB0222の培養上清より精製
・フロインド完全アジュバント:和光純薬工業社製,014−09541
・ミエローマ細胞(SP2/O)
・RPMI1640,GlutaMAX:GIBCO社製,61870−036
・Fetal Bovine Serum (FBS):BIOLOGICAL INDUSTRIES社製,04−001−1A
・ポリエチレングリコール溶液(PEG):Sigma Aldrich社製,P7306
・HAT 培地:コスモバイオ社製,16213004
・96穴プレート:NUNC社製,167008
・HRP標識ヤギ抗マウスIgG(γ)抗体:Southern Biotech社製,1030−05
(動物への免疫)
ヒトMMP−3とフロインド完全アジュバンドを等量ずつ混合して調製したエマルジョンを用い、オスのBALB/cマウスの腹腔もしくはフットパットに1匹あたり30μgを注射した。さらに、1週間の間隔で2〜7回、該エマルジョンの注射を繰り返した。マウス眼底静脈より採血して得た抗血清中の抗体価を、後述する抗原固相化ELISA法にて測定した。
上述のマウス抗血清中の抗MMP−3抗体の存在を、ヒトMMP−3を固相化したELISA法(抗原固相化ELISA法)で確認した。抗原固相化ELISA法の詳細は以下である。
先ず、1μg/mLになるようヒトMMP−3を、150mM塩化ナトリウムを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.2;以下、PBSという)に溶解してMMP−3溶解液とし、該溶解液50μLを96穴マイクロプレートの各ウェルに分注して、4℃で1晩静置した。
前記各ウェルを0.05%Tween(登録商標)20を含むPBS(以下、PBSTという)300μLで3回洗浄した後、1%牛血清アルブミンを含むPBST(以下、BSA−PBSTという)300μLを加え、室温で1時間ブロッキングを行った。
前記各ウェルをBSA−PBSTで3回洗浄した後、BSA−PBSTで10倍から100倍に希釈したマウス抗血清50μLを前記各ウェルに添加し、室温で1時間静置した。
前記各ウェルをPBSTで3回洗浄した後、5000倍希釈したHRP標識ヤギ抗マウスIgG(γ)を50μL前記各ウェルに分注し、室温で1時間静置した。
前記各ウェルをPBSTで3回洗浄した後、0.2%オルトフェニレンジアミン及び0.02%過酸化水素を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)50μLを加え、室温で10分間放置後、4.5N硫酸50μLを加えて酵素反応を停止させ、波長492nmにおける吸光度を測定した。測定の結果、抗体価の高かったマウスから、脾臓もしくはリンパ節を摘出して、脾臓由来細胞もしくはリンパ節由来細胞を調製し、細胞融合に用いた。
前記脾臓由来細胞もしくはリンパ節由来細胞のいずれかとミエローマ細胞を細胞数で6対1の割合で混合し、PEGを添加して細胞融合させた。該融合させた細胞をHAT培地に懸濁し、CO2インキュベータ内で37℃、5%CO2にて8日間培養して、融合細胞(ハイブリドーマ)を得た。
(抗原固相化ELISA法での選別)
上述の抗原固相化ELISA法において、マウス抗血清の代わりに融合細胞の培養上清を用いた以外は、同様の方法を行った。測定の結果、吸光度の高いウェルを抗MMP−3抗体産生ハイブリドーマの存在するウエル(陽性ウエル)として選択し、抗MMP−3抗体産生株を選抜した。
上述の抗原固相化ELISA法において、ヒトMMP−3を共存させて、競合ELISA法を行った。
測定の結果、吸光度の高いウェルを抗MMP−3抗体産生ハイブリドーマの存在するウエル(陽性ウエル)として選択し、抗MMP−3抗体産生株を選抜した。
上述の2種類の選別方法でともに抗MMP−3抗体産生株として選択されたハイブリドーマを用いて、ハイブリドーマの単クローン化とモノクローナル抗体の精製を行った。
単クローン化は定法(限界希釈法)で行い、上述の2種類のELISA法と同様の方法で陽性ウェルを選別し、最終的に26種の抗MMP−3モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを得た。
各細胞の約105個をプリスタン前処理したマウス腹腔に投与し、生成した腹水をそれぞれ採取した。採取した各腹水から遠心分離により不溶物を除去し、等量の飽和硫安液を加え、撹拌しながら1晩放置後、遠心分離で沈殿を回収した。回収した沈殿を20mM Tris緩衝液(pH8.0)に溶解し、同緩衝液で透析した。透析内容物それぞれを同緩衝液で平衡化したDEAE−セファロースカラムに別個に吸着させた後、それぞれ同緩衝液中の塩化ナトリウム0〜300mMの濃度勾配で溶出させて得たIgG画分を50mMグリシン緩衝液で透析して、26種の抗体を得た。
(サンドイッチELISA法)
得られた抗体26種それぞれを96穴プレートのウェルに固相化し、ヒトMMP−3溶解液を各ウェルに添加して反応させた。次いでそれぞれビオチン標識した26種の抗体を添加して反応させ、さらにHRP標識ストレプトアビジンを添加して反応させた。0.2%オルトフェニレンジアミン及び0.02%過酸化水素を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)を加え、室温で反応させた後、4.5N硫酸により酵素反応を停止させ、波長492nmにおける吸光度を測定した。サンドイッチELISA法で高感度が得られた抗体の組み合わせ(82208抗体と82216抗体)を選択して、LTIA法に用いた。
a.材料
・パナクリア(登録商標)MMP−3「プレート」:積水メディカル社製,310775
・ヒト血清検体(n=7):プルロニックF88非添加の第1試薬を使用するLTIA法測定で、基準測定法の測定値に収束しなかった検体
パナクリアMMP−3「プレート」の添付書類に従って行った。測定にはEL808(BioTek社製)を用いた。
パナクリアMMP−3「プレート」は、MMP−3分子上の異なる部位を認識する2種類のモノクローナル抗体を使用するワンステップELISA法であり、免疫複合体を形成させた後、洗浄工程が必須である。
(抗体担持ラテックス粒子の調製)
a.材料
・抗MMP−3抗体82208(82208抗体)液:1.5Abs/mL(280nm、50mM Tris−HCl、pH9.0)),受託番号FERM P−22219
・抗MMP−3抗体82216(82216抗体)液:1.5Abs/mL(280nm、20mM Tris−HCl、pH8.5)),受託番号FERM BP−11486
・1%ラテックス粒子液:平均粒子径0.26μm
・1%BSA:Sigma Aldrich社製,A−7030
本明細書において、特にことわらない限り%濃度は(w/v)%を意味する。
82208抗体と1%ラテックス粒子液を等容量混合して、4℃、1時間撹拌した。さらに混合液と等容量の1%BSAを添加して4℃にて30分間撹拌し、15000rpm、5分間遠心して上清を除去したあと、沈殿をMOPS緩衝液(pH7.0)に再懸濁し、抗体担持ラテックス粒子溶液とした。
82216抗体と1%ラテックス液を用い、同様の方法で抗体担持ラテックス粒子溶液とした。
a.材料
・Tris
・NaCl
・BSA:Sigma Aldrich社製,A−7030
・ProClin(登録商標)300:Sigma Aldrich社製,48912−U
・プルロニックF88:ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(40),アデカ社製
500mMの塩化ナトリウム、1%BSA、0.05% ProClin300を含む30mM Tris緩衝液(pH8.0)を調製し、0.005%になるようプルロニックF88を添加して実施例の第1試薬とした。また、プルロニックF88を添加しない前記Tris緩衝液を対照例の第1試薬とした。
a.材料
・82208抗体担持ラテックス溶液
・82216抗体担持ラテックス溶液
・MOPS
・BSA:Sigma Aldrich社製,A−7030
82208抗体担持ラテックス粒子溶液と82216抗体担持ラテックス粒子溶液をラテックス粒子の含量比で1:1になるよう混合し、0.5%BSAを含むMOPS緩衝液(pH7.0)で最終吸光度4.0ODとなるように希釈して第2試薬とした。
第1試薬と第2試薬とを組合せ、日立7170形自動分析装置を用いて上述の基準測定法例で用いたヒト血清検体(n=7)を測定した。具体的には、ヒト血清3μLに、第1試薬150μLを加えて37℃で5分間加温後、第2試薬50μLを加えて攪拌した。その後5分間の凝集形成に伴う吸光度変化を、主波長570nm、副波長800nmにて測定した。別途、上述のMMP−3溶解液の希釈系列をキャリブレータとして測定し、検量線を作成し、ヒト血清中のMMP−3濃度を算出した。
プルロニックF88を第1試薬に添加したLTIA試薬での測定値(実施例)は、プルロニックF88を第1試薬に添加しないLTIA試薬での測定値(対照例)と比較して、基準測定値に対するかたより等が収束し、基準測定値との相関性が向上した(図1)。
1.試薬及び測定方法
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体として、表1記載の種類及び濃度を選び第1試薬を調製した以外は、実施例1と同様の操作を行い、ヒト血清検体(n=20)中のMMP−3を測定し、基準測定値との関係を解析し、本発明のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体の効果を確認した。
結果を表1に示した。本発明のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体(プルロニックF88、プルロニックF108(以上、アデカ社製)、あるいはエパン785(第一工業製薬社製))を第1試薬に添加したLTIA試薬での測定値(実施例2a〜2f)は、本発明のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体を第1試薬に添加しないLTIA試薬での測定値(対照例)と比較して、基準測定値に対するかたよりが収束した。
1.試薬及び測定方法
0.015%になるようプルロニックF88を添加して実施例の第1試薬とした。同一ヒト個体から採取した血清検体及びEDTA血漿検体中のMMP−3を測定し、マトリクス成分としてのEDTAが測定系にあたえる影響を、本発明のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体が回避可能か両検体の測定値及び両検体の測定値の比率(EDTA血漿の測定値/血清の測定値)で評価した。
結果を表2に示した。本発明のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体を第1試薬に添加しないLTIA試薬(対照例)での比率に対して、本発明のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体であるプルロニックF88を第1試薬に添加したLTIA試薬での比率は100%に近づき、本発明のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体が、マトリクス成分としてのEDTAが測定系にあたえる影響を低減できることが確認された。
(1)82208抗体を産生するハイブリドーマ82208
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央6(郵便番号305−8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成24年1月27日(2012年1月27日)
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM P−22219
(2)82216抗体を産生するハイブリドーマ82216
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央6(郵便番号305−8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成22年4月27日(2010年4月27日)(原寄託日)
平成24年5月25日(2012年5月25日)(原寄託によりブタペスト条約に基づく寄託への移管日)
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM BP−11486
Claims (11)
- 以下の工程を含む、ラテックス免疫凝集法において、マトリクス効果を低減させる方法:
生体由来の測定対象物質を含む試料に、
i)平均分子量10,000〜17,000であり、かつ分子中のEO含量が75〜95%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体(ただし、未感作ラテックス粒子に吸着させた場合を除く)を接触させる工程、ii)当該測定対象物質に対する特異的親和性物質を担持するラテックス粒子を接触させる工程、及びiii)当該測定対象物質と当該ラテックス粒子の凝集反応を測定する工程。 - i)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体が、平均分子量10,800であり、かつ分子中のEO含量が80%であるか、平均分子量13,333であり、かつ分子中のEO含量が85%であるか、平均分子量15,500であり、かつ分子中のEO含量が80%であるものから選ばれる請求項1に記載の方法。
- i)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体が、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(40)、ポリオキシエチレン(260)ポリオキシプロピレングリコール(35)、ポリオキシエチレン(280)ポリオキシプロピレングリコール(55)から選ばれる請求項1に記載の方法。
- 測定対象物質に対する特異的親和性物質がモノクローナル抗体である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- モノクローナル抗体が、MMP−3に対するモノクローナル抗体である請求項4に記載の方法。
- 以下を含む、ラテックス免疫凝集法においてマトリクス効果を低減させるための試薬:
(i)平均分子量10,000〜17,000であり、かつ分子中のEO含量が75〜95%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体を含む緩衝液
(ii)測定対象物質に対する特異的親和性物質を担持するラテックス粒子(ただし、当該ラテックス粒子は、未感作時に前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体を吸着していない)。 - (ii)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体が、平均分子量10,800であり、かつ分子中のEO含量が80%であるか、平均分子量13,333であり、かつ分子中のEO含量が85%であるか、平均分子量15,500であり、かつ分子中のEO含量が80%であるものから選ばれる請求項6に記載の試薬。
- (ii)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体が、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(40)、ポリオキシエチレン(260)ポリオキシプロピレングリコール(35)、ポリオキシエチレン(280)ポリオキシプロピレングリコール(55)から選ばれる請求項6に記載の試薬。
- 測定対象物質に対する特異的親和性物質がモノクローナル抗体である請求項6〜8のいずれかに記載の試薬。
- モノクローナル抗体が、MMP−3に対するモノクローナル抗体である請求項9に記載の試薬。
- 以下の構成要素を含む、ラテックス免疫凝集法においてマトリクス効果を低減させるためのキット:
緩衝剤を含有する第1試薬、および
測定対象物質に対する特異的親和性物質を担持するラテックス粒子を含有する第2試薬;
ここで、第1試薬と第2試薬の少なくとも一方が平均分子量10,000〜17,000であり、かつ分子中のEO含量が75〜95%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体を含有する(ただし、未感作ラテックス粒子に吸着させた状態で含有する場合を除く)。
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