JP6240821B1 - 圧電振動装置、骨伝導イヤホンおよび圧電振動装置の製造方法 - Google Patents

圧電振動装置、骨伝導イヤホンおよび圧電振動装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の圧電振動子のそれぞれの振動を同期させることができる、圧電振動装置、骨伝導イヤホンおよび圧電振動装置の製造方法を提供する。【解決手段】骨伝導イヤホン10を構成する圧電振動装置16は、複数の圧電振動子46と、複数の圧電振動子46のそれぞれを支持する支持部48とを備えている。各圧電振動子46は、貫通孔60を有しており、かつ、厚さ方向に間隔を隔てて互いに平行に設けられている。支持部48は、各圧電振動子46の貫通孔60に挿通される棒状の支柱72を有している。互いに隣接する圧電振動子46の間に配置される振動伝達部50および各圧電振動子46の全体を覆う被覆部52は、支持部48で支持された各圧電振動子46に液体状のシリコーンXを付着させ、その後、シリコーンXを硬化させることによって形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、板状の振動体と振動体の表面に設けられた板状の圧電体とを有する複数の圧電振動子を備える圧電振動装置、骨伝導イヤホンおよび圧電振動装置の製造方法に関する。
従来から、複数の圧電振動子を備える圧電振動装置が知られており、その一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された圧電振動装置は、圧電式イヤホンに組み込まれる積層型圧電音響体であり、厚さ方向に変位する複数の圧電板を重ね合わせた構造を有している。
特許第2882346号公報(図2)
しかしながら、上記特許文献1に記載された積層型圧電音響体では、複数の圧電板のそれぞれの厚さ方向に対して直交する方向への動きを十分に抑制することができず、各圧電板の振動を同期させることが困難であるという問題があった。そのため、この積層型圧電音響体を用いた圧電式イヤホンにおいては、音質を向上させることが困難であるとともに、音量を大きくすることが困難であるという問題があった。
本発明は上記問題に対処するためになされたものであり、複数の圧電振動子のそれぞれの振動を同期させることができる、圧電振動装置、骨伝導イヤホンおよび圧電振動装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る圧電振動装置の特徴は、板状の振動体と前記振動体の表面に設けられた板状の圧電体とを有する複数の圧電振動子と、前記複数の圧電振動子のそれぞれを支持する支持部と、可撓性を有し、前記複数の圧電振動子のそれぞれの振動を伝達する振動伝達部とを備え、前記複数の圧電振動子のそれぞれは、前記振動体および前記圧電体を厚さ方向に貫通する貫通孔を有しており、かつ、厚さ方向に間隔を隔てて互いに平行に設けられており、前記支持部は、前記複数の圧電振動子のそれぞれの前記貫通孔に挿通される棒状の支柱を有しており、前記振動伝達部は、前記複数の圧電振動子のうちの互いに隣接する圧電振動子のそれぞれに接触してこれらの間に配置されていることにある。
この構成では、各圧電振動子に設けられた貫通孔に支持部の支柱が挿通されるので、各圧電振動子の厚さ方向に対して直交する方向への動きを支柱で抑制することができる。また、各圧電振動子は、厚さ方向に間隔を隔てて互いに平行に設けられるので、各圧電振動子が振動する方向を厚さ方向に揃えることができる。したがって、各圧電振動子の振動を同期させることが可能であり、例えば、圧電振動装置を骨伝導イヤホンに用いた場合には、音質を向上させることができるとともに、音量を大きくすることができる。
また、互いに隣接する圧電振動子の間に振動伝達部が配置されるので、圧電振動子の間に空気は存在しておらず、空気を介した音漏れを防止できる。さらに、各圧電振動子の振動を、可撓性を有する振動伝達部を介して外部(骨組織など)に効率よく伝達することができる。
本発明に係る圧電振動装置の他の特徴は、前記複数の圧電振動子の全体を覆う被覆部を備えており、前記振動伝達部および前記被覆部はゴム弾性を有する材料で一体的に形成されていることにある。
この構成では、複数の圧電振動子の全体が被覆部で覆われているので、防水性に優れる。また、振動伝達部および被覆部はゴム弾性を有する材料で一体的に形成されているので、圧電振動装置を骨伝導イヤホンに用いた場合には、被覆部を耳の皮膚に無理なく密着させることができるとともに、圧電振動子の振動を、振動伝達部および被覆部を介して耳の皮膚および骨組織に効率よく伝えることができる。
本発明に係る圧電振動装置の他の特徴は、前記振動伝達部および前記被覆部のそれぞれの音響インピーダンスは、耳の皮膚の音響インピーダンスとほぼ同じ大きさに定められていることにある。
2つの物質間の音響インピーダンスの差が大きければ、その物質間では音が伝わり難いことが一般に知られている。上記構成では、振動伝達部および被覆部のそれぞれの音響インピーダンスが耳の皮膚の音響インピーダンス(1.52Mkg/m3・s)とほぼ同じ大きさに定められているので、圧電振動子の振動を、振動伝達部および被覆部を介して耳の皮膚および骨組織に伝え易い。
本発明に係る圧電振動装置の他の特徴は、前記振動体および前記圧電体のそれぞれは、円形に形成されており、前記貫通孔は、前記振動体および前記圧電体のそれぞれの中心部に設けられていることにある。
この構成では、振動体および圧電体のそれぞれが円形に形成されており、これらの中心部に設けられた貫通孔に支柱が挿通されているので、各圧電振動子の振動をそれらの外周部に効率よく伝達することができる。したがって、例えば、圧電振動装置を骨伝導イヤホンに用いた場合には、音の周波数帯域を広く確保できるとともに、音の再現性を高めることができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る骨伝導イヤホンの特徴は、上記のいずれかの圧電振動装置を備えることにある。
この構成では、上記のいずれかの圧電振動装置を備えることにより、各圧電振動子の振動を同期させることができるので、音質を向上させることができるとともに、音量を大きくすることができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る圧電振動装置の製造方法の特徴は、板状の振動体と前記振動体の表面に設けられた板状の圧電体とを有する複数の圧電振動子と、支柱を有し、前記複数の圧電振動子のそれぞれを支持する支持部と、前記複数の圧電振動子のうちの互いに隣接する圧電振動子のそれぞれに接触してこれらの間に配置される振動伝達部と、前記複数の圧電振動子の全体を覆う被覆部とを備え、前記複数の圧電振動子のそれぞれは、前記振動体および前記圧電体を厚さ方向に貫通する貫通孔を有しており、かつ、厚さ方向に間隔を隔てて互いに平行に設けられている、圧電振動装置の製造方法であって、(a)前記複数の圧電振動子のそれぞれの前記貫通孔に前記支柱を挿通させるとともに、前記複数の圧電振動子のそれぞれを前記支柱に固定し、(b)前記複数の圧電振動子を液体状の樹脂材料に浸漬させて、前記複数の圧電振動子に前記樹脂材料を付着させ、(c)前記樹脂材料を硬化させることによって前記振動伝達部および前記被覆部を一体的に形成することにある。
この構成では、(a)工程において、複数の圧電振動子のそれぞれを支柱に固定して1つの部品を構成するので、その後の作業性を高めることができる。また、(b)工程では、上記1つの部品を液体状の樹脂材料に浸漬させ、(c)工程では、樹脂材料を硬化させることによって振動伝達部および被覆部を一体的に形成するので、複数の圧電振動子および支持部の周囲に振動伝達部および被覆部を隙間無く簡単に形成することができる。
本発明に係る圧電振動装置の製造方法の他の特徴は、前記(b)工程では、前記液体状の樹脂材料として架橋反応を起こす前のシリコーンを使用し、前記(c)工程では、架橋反応を起こさせることによって前記シリコーンを硬化させることにある。
この構成では、熱硬化性樹脂であるシリコーンを用いているので、製造工程における温度管理が容易である。
本発明の一実施形態に係る骨伝導イヤホンの構成を示す斜視図である。 図1に示した骨伝導イヤホンの構成を示す断面図である。 図1に示した骨伝導イヤホンの構成を示す分解斜視図である。 圧電振動装置の構成を示す断面図である。 圧電振動装置の一部の構成を示す分解斜視図である。 圧電振動装置の製造工程を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る骨伝導イヤホンの構成を示す断面図である。
以下、本発明に係る圧電振動装置、骨伝導イヤホンおよび圧電振動装置の製造方法の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(骨伝導イヤホン10の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る骨伝導イヤホン10の構成を示す斜視図である。図2は、骨伝導イヤホン10の構成を示す断面図である。図3は、骨伝導イヤホン10の構成を示す分解斜視図である。
図1および図2に示す骨伝導イヤホン10は、本体部12と、本体部12に着脱可能に取り付けられた遮音部14と、本体部12の内部に収容された圧電振動装置16と、配線ガイド部18と、配線ガイド保持部20とを備えている。以下には、これらについて詳細に説明する。ただし、圧電振動装置16については、便宜上最後に説明する。
図1および図2に示す本体部12は、耳の一部である耳甲介腔(図示省略)に接触して、圧電振動装置16の振動を耳の皮膚および骨組織(図示省略)に伝達する部材である。図3に示すように、本体部12は、ゴムおよびエラストマーなどのゴム弾性を有する材料によって楕円体状に形成されている。本体部12の内部には、圧電振動装置16を収容する収容空間22が設けられており、収容空間22を構成する本体部12の内面12aは、圧電振動装置16の外面16aに接触する円筒面に形成されている。また、本体部12の正面12bには、収容空間22の開口部22aが設けられており、本体部12の背面12cには、遮音部14が着脱可能に取り付けられる突起状の取付部24が設けられている。
本実施形態では、本体部12の材料として、硬度30(JIS K 6253)のシリコーンが用いられており、シリコーンには、銀イオンが練り込まれている。硬度30のシリコーンは、耳の皮膚の音響インピーダンス(1.52Mkg/m 3 ・s)とほぼ同じ大きさの音響インピーダンスを有するため、圧電振動装置16の振動を耳の皮膚および骨組織に伝え易い。また、銀イオンは、抗菌性を有するため、本体部12を清潔に保つことができる。
図1および図2に示す遮音部14は、外耳道から鼓膜(図示省略)に伝わる音を遮断するとともに、外耳道を利用して骨伝導イヤホン10を耳に固定するための部材である。図3に示すように、遮音部14は、中心部に貫通孔14aを有する碗状に形成されている。遮音部14の材料としては、ゴムやエラストマーなどのゴム弾性を有する材料(本実施形態ではシリコーン)が用いられている。また、遮音部14の外径は、外耳道の内径よりも大きく定められており、貫通孔14aの内径は、取付部24の外径よりも小さく定められている。
遮音部14を本体部12に取り付ける際には、遮音部14の貫通孔14aに本体部12の取付部24が挿し込まれる。したがって、外径が異なる複数種類の遮音部14を準備しておくことにより、使用者は、好みの大きさの遮音部14を適宜選択して使用できる。
図1および図2に示す配線ガイド部18は、圧電振動装置16の第1電気配線28および第2電気配線30をガイドする部材であり、ゴムおよびエラストマーなどのゴム弾性を有する材料や、他のプラスチック材料や、アルミニウムなどの金属材料などを用いてL字状に形成されている。図3に示すように、L字状の短辺を構成する第1部分32は、円形の断面を有する筒状に形成されており、L字状の長辺を構成する第2部分34は、四角形の断面を有する筒状に形成されている。第1部分32の開口端部32aの外周には、鍔36が形成されている。第1部分32の周壁部には、開口端部32aから軸方向に延びて切欠き部38が形成されている。
図1および図2に示すガイド保持部20は、配線ガイド部18を本体部12に固定するための部材であり、アルミニウムなどの金属材料や、プラスチック材料などを用いて筒状に形成されている。図3に示すように、ガイド保持部20の内径は、配線ガイド部18の第1部分32の外径よりも大きくされており、ガイド保持部20の一方の開口端部20aの外周には、本体部12における開口部22aの内側に嵌め込まれる鍔40が形成されている。図2に示すように、ガイド保持部20の一方の開口端部20aの内周には、配線ガイド部18の鍔36を収容する段差部42が形成されており、ガイド保持部20の周壁部には、配線ガイド部18の第2部分34を挿通させるスリット44が軸方向の全長にわたって形成されている。
(圧電振動装置16の構成)
図4は、圧電振動装置16の構成を示す断面図であり、図5は、圧電振動装置16の一部の構成を示す分解斜視図である。図2に示す圧電振動装置16は、複数(本実施形態では3つ)の圧電振動子46と、支持部48と、複数(本実施形態では2つ)の振動伝達部50と、被覆部52とを備えている。
図5に示すように、複数の圧電振動子46のそれぞれは、振動体54と、振動体54の2つの表面(主面)のそれぞれに設けられた第1圧電体56および第2圧電体58とを有している。つまり、本実施形態の圧電振動子46は、いわゆるバイモルフ型振動子である。
振動体54は、第1圧電体56および第2圧電体58の振動を受けて振動する円形の板状部材であり、振動体54の中心部には、円形の貫通孔60aが形成されている。本実施形態の振動体54は、真鍮、ステンレス、アルミニウムなどの導電性を有する金属で形成されており、振動体54が、第1圧電体56および第2圧電体58に電力を付与する電極の役割を果たしている。
第1圧電体56および第2圧電体58のそれぞれは、圧電特性を有する円形の板状部材であり、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)などの圧電セラミックによって、振動体54とほぼ同じ大きさ(ほぼ同じ直径)に形成されている。第1圧電体56と第2圧電体58との間では、これらの分極方向が逆にされている。したがって、これらのうちの一方が圧電効果で伸びると、他方は圧電効果で縮むように作動する。第1圧電体56の中心部には、振動体54の貫通孔60aに連通する円形の貫通孔60bが形成されており、第1圧電体56における貫通孔60bから離間した部分には、振動体54の表面を露出させるための円形の貫通孔62が形成されている。第2圧電体58の中心部には、振動体54の貫通孔60aに連通する円形の貫通孔60cが形成されている。
第1圧電体56および第2圧電体58のそれぞれは、振動体54の2つの表面(主面)のそれぞれに接着剤などで張り合わされている。図5に示すように、振動体54に第1圧電体56および第2圧電体58を貼り合わせた状態では、3つの貫通孔60a,60b,60cが連通することによって貫通孔60が構成されている。つまり、圧電振動子46は、振動体54、第1圧電体56および第2圧電体58を厚さ方向に貫通する貫通孔60を有している。第1圧電体56の表面には、第1電極64を介して第1電気配線28が接続されており、貫通孔62に露出した振動体54の表面には、第2電極66を介して第2電気配線30が接続されている。また、第1圧電体56と第2圧電体58とは、導電線68を介して電気的に接続されている。
図4に示すように、本実施形態では、3つの圧電振動子46のそれぞれが、厚さ方向に間隔を隔てて互いに平行に設けられている。3つの圧電振動子46のうち互いに隣接する2つの圧電振動子46の間には、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンなどの絶縁性の材料からなる円環状のスペーサ部材70が配置されており、これにより、圧電振動子46どうしの間隔が一定に保持されている。なお、圧電振動子46およびスペーサ部材70の数は適宜変更されてもよい。
図4に示す支持部48は、複数(本実施形態では3つ)の圧電振動子46のそれぞれを支持する部材であり、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンなどの絶縁性の材料によって形成されている。図5に示すように、支持部48は、複数の圧電振動子46のそれぞれの貫通孔60に挿通される円形断面を有する棒状の支柱72と、支柱72の一方端部に設けられた頭部74と、支柱72の他方端部に設けられた雄ネジ部76と、雄ネジ部76に螺合される雌ネジ部78とを有している。
図4に示す複数の振動伝達部50のそれぞれは、複数の圧電振動子46のそれぞれの振動を外部に伝える部材であり、シリコーン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ゴム、エラストマーなどの可撓性を有する材料によって板状に形成されている。各振動伝達部50は、複数の圧電振動子46のうちの互いに隣接する圧電振動子46のそれぞれに接触してこれらの間に配置されている。
図4に示す被覆部52は、複数の圧電振動子46および支持部48の全体を覆う部材であり、ゴムおよびエラストマーなどのゴム弾性を有する材料によって円筒状に形成されている。被覆部52の外面は、圧電振動装置16の外面16aとなっており、本体部12の内面12bに密着するように、本体部12の内径よりも大きい外径で形成されている。
本実施形態では、複数の振動伝達部50および被覆部52のそれぞれが、硬度30(JIS K 6253)のシリコーンを用いて一体的に形成されている。硬度30のシリコーンは、耳の皮膚の音響インピーダンス(1.52Mkg/m 3 ・s)とほぼ同じ大きさの音響インピーダンスを有するため、複数の圧電振動子46のそれぞれの振動を耳の皮膚および骨組織に伝え易い。
(圧電振動装置16の製造方法)
図6は、圧電振動装置16の製造工程を示す断面図である。圧電振動装置16を製造する際には、まず、図5に示す第1工程により、複数の圧電振動子46と、複数のスペーサ部材70と、支持部48とを有する圧電ユニット80を構成する。その後、図6に示す第2工程により、圧電ユニット80に対して振動伝達部50および被覆部52を一体的に形成する。
図5に示す第1工程では、まず、複数(本実施形態では3つ)の圧電振動子46のそれぞれの貫通孔60と、複数(本実施形態では2つ)のスペーサ部材70のそれぞれの貫通孔70aとに支持部48の支柱72を挿通させるとともに、複数の圧電振動子46のそれぞれを厚さ方向に間隔を隔てて互いに平行に配置する。続いて、支持部48の雄ネジ部76に雌ネジ部78を螺合することによって、頭部74と雌ネジ部78とで各圧電振動子46および各スペーサ部材70を挟持し、これらを支柱72に固定する。
図6に示す第2工程では、被覆部52(図4)の外形に応じた形状の型84を準備し、型84の内部に架橋反応を起こす前の液体状のシリコーンXを収容するとともに、上記の圧電ユニット80(複数の圧電振動子46および支持部48を含む)をシリコーンXに浸漬させる。これにより、複数の圧電振動子46のうちの互いに隣接する圧電振動子46の間にシリコーンXを充填するとともに、複数の圧電振動子46および支持部48の全体をシリコーンXで覆う。その後、シリコーンXを加熱(または常温)により硬化させて(すなわち架橋反応を起こさせて)振動伝達部50および被覆部52(図4)を得る。
(実施形態の効果)
本実施形態に係る圧電振動装置16および骨伝導イヤホン10によれば、以下の各効果を奏することができる。すなわち、図5に示すように、各圧電振動子46に設けられた貫通孔60に支持部48の支柱72が挿通されるので、各圧電振動子46の厚さ方向に対して直交する方向への動きを支柱72で抑制することができる。また、各圧電振動子46は、厚さ方向に間隔を隔てて互いに平行に設けられるので、各圧電振動子46が振動する方向を厚さ方向に揃えることができる。したがって、各圧電振動子46の振動を同期させることが可能であり、骨伝導イヤホン10(図1)においては、音質を向上させることができるとともに、音量を大きくすることができる。
図5に示すように、振動体54および圧電体56,58のそれぞれが円形に形成されているので、各圧電振動子46の振動をそれらの外周部に効率よく伝達することができる。したがって、骨伝導イヤホン10(図1)においては、音の周波数帯域を広く(特に高音側に広く)確保できるとともに、音の再現性を高めることができる。
図4に示すように、互いに隣接する圧電振動子46の間に振動伝達部50が配置されるので、圧電振動子46の間に空気は存在しておらず、空気を介した音漏れを防止できる。また、各圧電振動子46の振動を、可撓性を有する振動伝達部50を介して外部(耳の皮膚および骨組織など)に効率よく伝達することができる。
図4に示すように、複数の圧電振動子46の全体が被覆部52で覆われているので、防水性に優れており、水中でも使用できる。また、振動伝達部50および被覆部52はゴム弾性を有する材料で一体的に形成されているので、骨伝導イヤホン10(図1)においては、被覆部52を耳の皮膚に無理なく密着させることができるとともに、圧電振動子46の振動を、振動伝達部50および被覆部52を介して耳の皮膚および骨組織に効率よく伝えることができる。
図4に示す振動伝達部50および被覆部52のそれぞれの音響インピーダンスは、耳の皮膚の音響インピーダンス(1.52Mkg/m 3 ・s)とほぼ同じ大きさに定められているので、圧電振動子46の振動を、振動伝達部50および被覆部52を介して耳の皮膚および骨組織に伝え易い。
図5に示すように、圧電振動装置16を製造する際には、複数の圧電振動子46のそれぞれを支柱72に固定して1つの圧電ユニット80を構成するので、その後の作業性を高めることができる。また、図6に示すように、圧電ユニット80を液体状のシリコーンXに浸漬させ、その後、シリコーンXを硬化させることによって振動伝達部50および被覆部52を一体的に形成するので、複数の圧電振動子46および支持部48の周囲に振動伝達部50および被覆部52を隙間無く簡単に形成することができる。
(変形例)
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。すなわち、図5に示すように、上記実施形態では、振動体54および圧電体56,58のそれぞれが円形に形成されているが、これらは、楕円形、卵形、多角形などの他の形状に形成されてもよい。また、圧電振動装置16は、振動体54の一方の表面にだけ圧電体が設けられたいわゆるユニモルフ型振動子として構成されてもよい。
図5に示すように、上記実施形態では、振動体54が、第1圧電体56および第2圧電体58に電力を付与する電極の役割を果たしているが、振動体54とは別に電極が設けられてもよい。この場合には、振動体54がガラスや合成樹脂などの電気絶縁性の材料で形成されてもよい。
図5に示すように、上記実施形態では、各圧電振動子46および各スペーサ部材70が頭部74と雌ネジ部78とで挟まれることによって支柱72に固定されているが、各圧電振動子46および各スペーサ部材70は摩擦力によって支柱に固定されてもよいし、接着剤によって支柱に固定されてもよい。これらの場合には、頭部74、雄ネジ部76、雌ネジ部78およびスペーサ部材70は省略されてもよい。
図5に示すように、上記実施形態では、各圧電振動子46の貫通孔60および支柱72の断面が円形に形成されているが、これらは、楕円形、卵形、多角形などの他の形状に形成されてもよい。さらに、各圧電振動子46の貫通孔60は、各圧電振動子46の中心部からずれた位置に形成されてもよいし、複数形成されてもよい。
上記実施形態では、図4に示す複数の振動伝達部50と被覆部52とが、熱硬化性のシリコーンを用いて一体的に形成されているが、これらは、異なる材料を用いて分離して形成されてもよい。また、これらは、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、アミド系などの熱可塑性の樹脂材料(エラストマー)を用いて一体的に形成されてもよい。熱可塑性の樹脂材料を用いる場合には、圧電ユニット80(複数の圧電振動子46および支持部48を含む)を加熱により溶融された樹脂材料に浸漬させ、その後、樹脂材料を冷却により硬化させることによって、振動伝達部50および被覆部52を得ることができる。
また、図4に示す振動伝達部50および被覆部52は省略されてもよい。振動伝達部50および被覆部52が省略された圧電振動装置(図示省略)では、互いに隣接する圧電振動子46の間に空気が存在するので、音を鼓膜に伝えるタイプのイヤホンに用いることができる。
図7は、本発明の他の実施形態に係る骨伝導イヤホン90の構成を示す断面図である。図1に示す上記実施形態の骨伝導イヤホン10では、本体部12を耳甲介腔に接触させるとともに、遮音部14を外耳道に挿入するように構成されているが、図7に示す骨伝導イヤホン90のように、本体部12および遮音部14は省略されてもよい。
図7に示す骨伝導イヤホン90では、複数の圧電振動子92のそれぞれが外耳道に挿入可能な程度に小さく形成されており、複数の圧電振動子92の数は、それらの総表面積の減少による音量の減少を抑制するために、上記実施形態よりも多く(図7の実施形態では5枚)されている。また、振動伝達部96および被覆部98は、外耳道の内径よりも小さい外径で一体的に形成されており、骨伝導イヤホン90の先端部を構成する被覆部98は、外耳道への挿入を容易にするために、半球状、半楕円体状、砲弾状などに形成されている。
なお、図7に示す骨伝導イヤホン90における複数の圧電振動子92、支持部94、振動伝達部96および被覆部98は、数および大きさなどを除いて、図1に示す骨伝導イヤホン10の対応する部分とほぼ同様に構成されているので、これらの詳細な説明は省略する。
図7に示す骨伝導イヤホン90によれば、本体部および遮音部を省略できるので、軽量化を図ることが可能であり、耳の負担を低減できる。また、部品点数を少なくすることができるので、製造工程を簡素化できるとともに、製造コストを低減できる。
10… 骨伝導イヤホン、12…本体部、14…遮音部、16…圧電振動装置、
22…収容空間、46…圧電振動子、48…支持部、50…振動伝達部、
52…被覆部、54…振動体、56,58…圧電体、60…貫通孔、72…支柱

Claims (7)

  1. 板状の振動体と前記振動体の表面に設けられた板状の圧電体とを有する複数の圧電振動子と、
    前記複数の圧電振動子のそれぞれを支持する支持部と
    可撓性を有し、前記複数の圧電振動子のそれぞれの振動を伝達する振動伝達部とを備え、
    前記複数の圧電振動子のそれぞれは、前記振動体および前記圧電体を厚さ方向に貫通する貫通孔を有しており、かつ、厚さ方向に間隔を隔てて互いに平行に設けられており、
    前記支持部は、前記複数の圧電振動子のそれぞれの前記貫通孔に挿通される棒状の支柱を有しており、
    前記振動伝達部は、前記複数の圧電振動子のうちの互いに隣接する圧電振動子のそれぞれに接触してこれらの間に配置されている、圧電振動装置。
  2. 前記複数の圧電振動子の全体を覆う被覆部を備えており、
    前記振動伝達部および前記被覆部はゴム弾性を有する材料で一体的に形成されている、請求項に記載の圧電振動装置。
  3. 前記振動伝達部および前記被覆部のそれぞれの音響インピーダンスは、耳の皮膚の音響インピーダンスとほぼ同じ大きさに定められている、請求項に記載の圧電振動装置。
  4. 前記振動体および前記圧電体のそれぞれは、円形に形成されており、
    前記貫通孔は、前記振動体および前記圧電体のそれぞれの中心部に設けられている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧電振動装置。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の圧電振動装置を備える骨伝導イヤホン。
  6. 板状の振動体と前記振動体の表面に設けられた板状の圧電体とを有する複数の圧電振動子と、
    支柱を有し、前記複数の圧電振動子のそれぞれを支持する支持部と、
    前記複数の圧電振動子のうちの互いに隣接する圧電振動子のそれぞれに接触してこれらの間に配置される振動伝達部と、
    前記複数の圧電振動子の全体を覆う被覆部とを備え、
    前記複数の圧電振動子のそれぞれは、前記振動体および前記圧電体を厚さ方向に貫通する貫通孔を有しており、かつ、厚さ方向に間隔を隔てて互いに平行に設けられている、圧電振動装置の製造方法であって、
    (a)前記複数の圧電振動子のそれぞれの前記貫通孔に前記支柱を挿通させるとともに、前記複数の圧電振動子のそれぞれを前記支柱に固定し、
    (b)前記複数の圧電振動子を液体状の樹脂材料に浸漬させて、前記複数の圧電振動子に前記樹脂材料を付着させ、
    (c)前記樹脂材料を硬化させることによって前記振動伝達部および前記被覆部を一体的に形成する、圧電振動装置の製造方法。
  7. 前記(b)工程では、前記液体状の樹脂材料として架橋反応を起こす前のシリコーンを使用し、
    前記(c)工程では、架橋反応を起こさせることによって前記シリコーンを硬化させる、請求項に記載の圧電振動装置の製造方法。
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